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特表2024-525529オートクレーブ処理能力のための弁を有する医療デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】オートクレーブ処理能力のための弁を有する医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20240705BHJP
   A61B 1/247 20060101ALI20240705BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61B1/12 510
A61B1/247
A61B1/00 716
A61B1/00 712
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500043
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 US2022035970
(87)【国際公開番号】W WO2023283135
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】17/372,015
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518415004
【氏名又は名称】デンタル スマートミラー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エラザール, ギドン オーデッド
(72)【発明者】
【氏名】ハルカビ, ダン ジドキアフ
(72)【発明者】
【氏名】ファーブスタイン, オムリ モルデカイ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA09
4C161CC06
4C161FF30
4C161GG07
4C161GG08
4C161JJ11
4C161JJ13
4C161LL02
4C161QQ06
4C161QQ07
(57)【要約】
オートクレーブ処理能力のための弁を伴う、医療デバイスが、開示される。医療デバイスは、空洞を含み得る。チャネルが、空洞をオートクレーブ環境に接続する。チャネルは、遠位端と、近位端とを有する。チャネルの遠位端は、オートクレーブ環境に対して開放してもよく、近位端は、空洞に対して開放してもよい。弁が、チャネル内またはその近傍に位置付けられてもよい。弁は、空洞の内側の圧力が、空洞の外側のオートクレーブ環境内の圧力を上回ると、ガスが空洞から流動することを可能にし得る。弁はまた、空洞の外側のオートクレーブ環境内の圧力が空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが空洞の中に流入することを防止し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
空洞と、
前記空洞と前記空洞の外側のオートクレーブ環境との間の前記医療デバイス内に形成されるチャネルであって、前記チャネルの近位端は、前記空洞に対して開放し、前記チャネルの遠位端は、前記オートクレーブ環境に対して開放する、チャネルと、
弁と
を備え、
前記弁は、前記空洞の内側の圧力が、前記空洞の外側の前記オートクレーブ環境内の圧力を上回ると、ガスが前記空洞から流動することを可能にし、
前記弁は、前記空洞の外側の前記オートクレーブ環境内の圧力が、前記空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが前記空洞の中に流入することを防止する、医療デバイス。
【請求項2】
前記弁は、ピストンロッドを備え、前記ピストンロッドは、前記チャネルの中に延在し、シール部材が、前記ピストンロッドに接続される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記弁はさらに、前記ピストンロッドの周囲にばねを備え、前記ばねは、ばね力を近位方向に前記ピストンロッドに印加する、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
プリント回路基板をさらに備え、前記プリント回路基板は、前記空洞内に配置される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
画像センサをさらに備え、前記画像センサは、前記プリント回路基板に動作可能に結合され、前記空洞内に配置される、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
光源をさらに備え、前記光源は、前記プリント回路基板に動作可能に結合され、前記空洞内に配置される、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項7】
コネクタをさらに備え、前記コネクタは、前記画像センサに動作可能に結合され、ストリーマを受容するように構成され、前記ストリーマは、オートクレーブ可能ではない、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項8】
インジケータをさらに備え、前記インジケータは、環境内の圧力と前記空洞内の圧力との間の圧力差を示すように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記インジケータは、シール部材に結合される、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記インジケータは、第1の位置および第2の位置のうちの一方に位置することによって、前記環境圧力と前記空洞内の圧力との間の圧力差を示す、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記医療デバイスは、口腔内ミラーである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項12】
歯科器具であって、
遠位端と、近位端とを有するチャネルであって、前記近位端は、前記歯科器具の空洞に係合するように構成される、チャネルと、
ピストンロッドに結合されるシール部材を有する解放プラグであって、前記ピストンロッドは、ばねによって近位方向に付勢される、解放プラグと
を備え、
前記解放プラグは、前記空洞の外側の圧力が、オートクレーブプロセスの間に減少すると、ガスが前記歯科器具の空洞から流動することを可能にし、
前記解放プラグは、外側圧力が、前記オートクレーブプロセスの間に増加すると、ガスが前記歯科器具の空洞の中に流入することを防止する、歯科器具。
【請求項13】
オートクレーブ内での歯科器具との併用のためのプラグであって、前記プラグは、
遠位端と、近位端とを有する中空筐体であって、前記近位端は、前記歯科器具の空洞に係合するように構成される、中空筐体と、
弁と
を備え、
前記弁は、前記空洞の外側の圧力が減少すると、ガスが前記歯科器具の空洞から流動することを可能にし、
前記弁は、前記外側圧力が増加すると、ガスが前記歯科器具の空洞の中に流入することを防止する、プラグ。
【請求項14】
前記弁は、ピストンロッドに結合されるシール部材を備え、前記ピストンロッドは、ばねによって近位方向に付勢される、請求項13に記載のプラグ。
【請求項15】
インジケータをさらに備え、前記インジケータは、前記外側圧力と前記空洞内の圧力との間の圧力差を示すように構成される、請求項13に記載のプラグ。
【請求項16】
前記インジケータは、前記シール部材に結合される、請求項15に記載のプラグ。
【請求項17】
前記インジケータは、第1の位置および第2の位置のうちの一方に位置することによって、前記外側圧力と前記空洞内の圧力との間の圧力差を示す、請求項15に記載のプラグ。
【請求項18】
プラグであって、
中空円筒形筐体であって、前記中空円筒形筐体は、外側表面と、内側表面と、近位端と、遠位端とを有する、中空円筒形筐体と、
前記筐体の外側表面上に形成される溝内に位置付けられるガスケットと、
前記筐体の遠位端に結合される端部ピースであって、前記端部ピースは、前記筐体の中空部分と整合される空所を有する、端部ピースと、
中空円筒の内側表面と噛合される解放プラグであって、前記解放プラグは、
中空円筒体であって、前記中空円筒体は、近位端と、遠位端と、第1の場所と、第2の場所とを有し、前記第1の場所は、前記第2の場所の遠位にある、中空円筒体と、
前記中空円筒体内に位置し、その中で移動可能であるピストンロッドと、
前記ピストンロッドの周囲のばねであって、前記ばねは、ばね力を近位方向に前記ピストンロッドに印加する、ばねと
を備える、解放プラグと、
前記ピストンロッドの遠位端に接続されるシール部材と
を備え、
前記シール部材は、前記空洞の内側の圧力が、前記空洞の外側の環境内の圧力を上回ると、ガスが前記空洞から流動することを可能にし、
前記シール部材は、前記空洞の外側の前記環境内の圧力が、前記空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが前記空洞の中に流入することを防止する、プラグ。
【請求項19】
前記筐体の中空部分は、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを備え、前記区分のそれぞれは、異なる直径を有する、請求項18に記載のプラグ。
【請求項20】
前記第3の区分の直径は、前記第2の区分の直径を上回り、前記第2の区分の直径は、前記第1の区分の直径を上回る、請求項19に記載のプラグ。
【請求項21】
前記第1の区分は、前記第2の区分の近位にあり、前記第2の区分は、前記第3の区分の近位にある、請求項20に記載のプラグ。
【請求項22】
前記筐体の外側表面上に形成される第2の溝内に位置付けられる第2のガスケットをさらに備える、請求項18に記載のプラグ。
【請求項23】
前記解放プラグはさらに、解放ガスケットを備え、前記解放ガスケットは、前記解放プラグを前記筐体の中空部分内にシールする、請求項18に記載のプラグ。
【請求項24】
前記シール部材の遠位端上に位置するインジケータをさらに備える、請求項18に記載のプラグ。
【請求項25】
遠位圧力が、近位圧力を上回ると、前記シール部材は、近位に変位される、請求項18に記載のプラグ。
【請求項26】
前記解放プラグは、螺合接続によって前記筐体と噛合される、請求項18に記載のプラグ。
【請求項27】
医療デバイスであって、
空洞と、
シール部材を有するチャネルであって、前記チャネルは、前記空洞と前記空洞の外側の環境との間の前記医療デバイス内に形成される、チャネルと
を備え、
前記シール部材は、前記空洞の内側の圧力が、前記空洞の外側の前記環境内の圧力を上回ると、ガスが前記空洞から流動することを可能にし、
前記シール部材は、前記空洞の外側の前記環境内の圧力が、前記空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが前記空洞の中に流入することを防止する、医療デバイス。
【請求項28】
前記シール部材は、一方向弁を備える、請求項27に記載の医療デバイス。
【請求項29】
前記医療デバイスは、口腔内ミラーである、請求項27に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オートクレーブ手順の間の医療デバイス、具体的には、歯科デバイスのシールに関する。
【背景技術】
【0002】
オートクレーブは、医療診察室および歯科診療室における一般的なデバイスである。オートクレーブは、細菌、ウイルス、菌類、胞子、および他の汚染物質を死滅させるために、極端な温度および圧力を使用して医療器具および歯科器具を滅菌する。温度および圧力は、オートクレーブ手順の全体を通して変動し得る。例えば、オートクレーブプロセスの開始時において、オートクレーブ内の温度は、チャンバから空気を除去する間に摂氏110度超まで上昇し得る。典型的には、121℃(250°F)における加圧飽和水蒸気が、負荷および内容物のサイズに応じて、おおよそ15~20分にわたってチャンバ内に印加される。オートクレーブプロセスの終了時において、オートクレーブ内の温度および圧力は、近似的に(例えば、歯科医の診療室のカウンタ上の)オートクレーブの環境の温度および圧力まで回復され得る。器具は、完全に冷却する前に、オートクレーブチャンバから除去されてもよく、したがって、オートクレーブプロセスの静定が、チャンバの外側で生じ得る。
【0003】
空気除去が、様々な方法において遂行され得る。重力オートクレーブとも呼ばれる、重力変位オートクレーブは、水蒸気をオートクレーブチャンバの中に注入し、次いで、空気を、底部における排出通気孔を通してチャンバから離れるように押進するために、空気より重い、水蒸気に依拠する。事前真空印加、すなわち、事前真空オートクレーブは、水蒸気がチャンバに収容される前にそこから空気を除去するために真空ポンプを使用し、これは、水蒸気が、多孔性の物体にもほぼ瞬時に浸透することを意味する。
【0004】
多くの場合、オートクレーブされる、1つの器具は、口腔内ミラーである。口内ミラーまたは歯科ミラーとしても公知である、口腔内ミラーは、歯科器具の最も機能的であり、高頻度で使用されるものの中の1つである。口内の物体を直接視認することは、限定された、またはおそらく存在しない、通視線に起因して、困難である。口腔内ミラーは、医療提供者(HCP)、例えば、歯科医、歯科衛生士、および他の対象が、歯および患者の歯茎および舌等の患者の口内の他の物体を、ミラー内のそれらの反射物を観察することによって間接的に視認することを可能にする。医療提供者は、限定ではないが、評価および診断、治療選択を含む、様々なタスクのために、および治療自体を補助するためにも口腔内ミラーを使用する。医療提供者は、手技が、直接可視ではないエリア内で行われるとき、歯の調製等の手技を行うために、ミラーと併せて歯科ハンドピース等の他の道具を併用してもよい。
【0005】
口腔内ミラーは、視覚補助として使用されるだけではなく、患者の口内の物体を操作または保護するための硬質の道具としても使用される。例えば、医療提供者は、患者の頬を偏移させ、治療のための空間を空ける、または改良された可視性のために口空間を拡張させるために口腔内ミラーを使用してもよい。加えて、口腔内ミラーは、口の他の部分が治療される間に、患者の口の軟質組織構造および硬質組織構造を保護することができる。
【0006】
口腔内ミラーは、患者の口の内側のその組織と接触するため、ミラーは、各治療の前に滅菌されなければならない。大部分の口腔内ミラーは、専ら、ガラスと、金属とから作製される。そのため、それらは、オートクレーブプロセスに耐えることができる。多くの使用および滅菌サイクルが行われた後にのみ、ミラーは、最終的に、ある程度のその明瞭度およびその反射性を喪失し、したがって、交換を必要とする。
【0007】
プリント回路基板(PCB)を通して接続されるカメラおよび発光ダイオード(LED)ライト等の電子構成要素を有する、歯科ミラーが、存在し得る。1つのそのような歯科ミラーが、米国特許第9,655,504号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。電子構成要素は、温度、特に、湿気に対して感受性であり得る。水が、PCB上で凝縮する場合、これは、PCBを短絡させ得る。光学構成要素もまた、高すぎる熱、圧力、または湿気に暴露される場合、損傷を受けた状態になり得る。これらの理由から、これらのミラーは、多くの場合、オートクレーブされず、代わりに、消毒剤液体中に浸漬することまたは単回使用の使い捨て可能なスリーブで被覆すること等、滅菌の他の方法を必要とする。
【0008】
加えて、医療デバイスは、典型的には、一部が継合される場所においてシールされるが、これらのシールは、オートクレーブプロセスの間の課題に寄与し得る。具体的には、気密シールが、空気、液体、および蒸気がシールされた空洞に進入することを防止し得るが、これはまた、ガスが空洞から逃散しないように阻止する。これは、小さい空気ポケットを生成する。本小さい空気ポケットは、医療デバイスの外側の圧力が変化するにつれて、医療デバイスに対して損傷を引き起こし得る。例えば、医療器具の空気ポケット内の圧力が、空洞内の圧力より実質的に大きい状態になる場合、これは、構成要素を、器具から取り外すように押進し得る、または内側の構成要素を、それらが圧力に屈し得る場合、圧潰させ得る。気密シールされた空洞内の空気ポケットは、その圧力が、オートクレーブチャンバが、温度が上昇する間に実質的に上昇するであろう、有意な確率を有する。
【0009】
必要とされるものは、空気ポケットを有するにもかかわらず、空気ポケットの圧力の上昇を制御された様式において限定しながら、実質的な圧力に耐える、ガスに対してシールされる、効果的なデバイスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
シールしながら、有害な圧力が医療器具または歯科器具の一部内に蓄積することを防止する、低コストの効果的要素の必要性が、存在する。
【0011】
いくつかの実施形態によると、医療デバイスは、空洞を含む。チャネルが、空洞とオートクレーブ環境との間の医療デバイス内に形成されてもよい。オートクレーブ環境は、例えば、具体的には、オートクレーブデバイスが動作時の間のオートクレーブデバイスの内部であり得る。チャネルは、空洞に対して開放する、近位端と、環境に対して開放する、遠位端とを有してもよい。弁が、チャネルに流体的に接続されてもよく、チャネルをシールすることが可能であってもよい。弁は、空洞の内側の圧力が、空洞の外側のオートクレーブ環境内の圧力を上回ると、ガスが歯科器具の空洞から流動することを可能にする。弁は、空洞の外側のオートクレーブ環境内の圧力が、空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが空洞の中に流入することを防止してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、弁は、チャネルの中に延在する、ピストンロッドを含む。シール部材が、ピストンロッドに接続されてもよい。ばねが、ピストンロッドを近位方向に付勢してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、医療デバイスは、プリント回路基板を含む。プリント回路基板は、空洞内に配置されてもよい。空洞はまた、プリント回路基板に動作可能に結合される、画像センサを含んでもよい。画像センサもまた、空洞の内側にあってもよい。いくつかの実施形態では、光源が、プリント回路基板に動作可能に結合される。光源は、空洞の内側にあってもよい。
【0014】
インジケータもまた、含まれ得る。インジケータは、環境内の圧力と空洞内の圧力との間の圧力差を示すように構成されてもよい。本意味において、「環境」は、単なる「オートクレーブの環境」より広義であると見なされ得る。例えば、環境は、概して、医療診察室または歯科診療室等、オートクレーブの外側にあってもよい。インジケータは、シール部材に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、第1の位置および第2の位置のうちの一方に位置することによって、環境内の圧力と空洞内の圧力との間の圧力差を示す。
【0015】
いくつかの実施形態によると、歯科器具は、遠位端と、近位端とを有する、チャネルを有する。近位端は、歯科器具の空洞に係合するように構成される。解放プラグが、チャネル内に位置してもよい。解放プラグは、ピストンロッドに結合される、シール部材を含んでもよい。ピストンロッドは、ばねによって近位方向に付勢される。解放プラグは、オートクレーブプロセスの間に、歯科器具の外側の圧力が、空気ポケットの圧力を下回って減少する、または同等に、空気ポケットの圧力が、外側の圧力を上回って増加すると、ガスが歯科器具の空洞から流動することを可能にする。解放プラグはまた、オートクレーブプロセスの間に、外側圧力が、空気ポケットの圧力を上回って増加する、または同等に、空気ポケットの圧力が、外側の圧力を下回って減少すると、ガスが歯科器具の空洞の中に流入することを防止する。
【0016】
いくつかの実施形態によると、プラグは、オートクレーブ手順の間の歯科器具との併用のためのものであり得る。プラグは、遠位端と、近位端とを有する、中空筐体を含んでもよい。近位端は、歯科器具の空洞に係合するように構成されてもよい。解放プラグは、中空筐体内に位置してもよい。解放プラグはまた、中空であってもよい。解放プラグは、弁を含んでもよい。弁は、空洞の外側の圧力が、空洞の内側の圧力に対して減少すると、ガスが歯科器具の空洞から流動することを可能にするように動作してもよい。弁はまた、空洞の外側の圧力が、その内側の圧力に対して増加すると、ガスが歯科器具の空洞の中に流入することを防止するように動作してもよい。弁は、シール部材を伴う、ピストンロッドを含んでもよく、部分的に、解放プラグの中空部分内にあってもよい。ピストンロッドは、ロッドを近位方向に付勢し得る、ばねに結合されてもよい。
【0017】
プラグは、インジケータを含んでもよい。インジケータは、空洞の外側の圧力と内側の圧力との間の圧力差を示すように構成されてもよい。例えば、インジケータは、空洞の内側と外側との間に圧力差が全くまたは殆ど存在しないとき、第1の位置にあってもよい。インジケータは、空洞の内側と外側との間に圧力差が存在するとき、第2の位置にあってもよい。いくつかの実施形態では、第1の位置は、第2の位置からより遠位にあってもよい。これは、第1の位置を中空解放プラグ内でより可視にし得る。インジケータは、シール部材に結合される、またはその上に形成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、プラグは、外側表面と、内側表面と、近位端と、遠位端とを有する、中空円筒形筐体を含んでもよい。ガスケットが、筐体の外側表面上に形成される、溝内に位置付けられてもよい。ガスケットは、空洞をシールすることを補助し得る。端部ピースが、筐体の遠位端に結合されてもよい。端部ピースは、筐体の中空部分と整合される、空所を有してもよい。解放プラグが、筐体の中空部分の内側表面と噛合されてもよい。解放プラグは、近位端と、遠位端とを有する、中空円筒体を含んでもよい。第1および第2の場所が、解放プラグの中空部分の軸に沿って識別されてもよい。第1の場所は、第2の場所の遠位にあってもよい。ピストンロッドが、中空円筒体の一部を通して位置し、軸方向に移動してもよい。
【0019】
ばねが、ピストンロッドの周囲に位置してもよい。ばねは、ばね力を近位方向にピストンロッドに印加してもよい。シール部材が、ピストンロッドの遠位端、すなわち、中空円筒体の内部に結合されてもよい。シール部材は、空洞の内側の圧力が、空洞の外側の環境内の圧力を上回ると、ガスが歯科器具の空洞から流動することを可能にする。シール部材は、空洞の外側の環境内の圧力が、空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが空洞の中に流入することを防止してもよい。
【0020】
筐体の中空部分の内部は、1つを上回る区分を有してもよい。例えば、筐体の中空部分は、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを有してもよい。区分はそれぞれ、異なる構成要素に適応するような異なる直径を有してもよい。例えば、第3の区分は、第2の区分の直径を上回る、直径を有してもよく、第2の区分は、第1の区分の直径を上回る、直径を有してもよい。第1の区分は、第3の区分の遠位にあり得る、第2の区分の遠位にあってもよい。いくつかの実施形態では、第2のガスケットは、筐体の外側表面上に形成される、第2の溝内に位置付けられてもよい。本第2のガスケットはさらに、医療器具または歯科器具の空洞をシールしてもよい。解放プラグはまた、筐体の中空部分内の解放プラグをシールすることに役立つ、解放ガスケットも含んでもよい。
【0021】
インジケータが、シール部材の遠位端上に位置してもよい。遠位圧力が、近位圧力を上回ると、シール部材は、近位に変位され得る。解放プラグは、螺合接続を用いて筐体に噛合されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態によると、医療デバイスは、空洞を含んでもよい。シール部材を有するチャネルが、空洞と、空洞の外側の環境とを接続してもよい。シール部材は、空洞の内側の圧力が、空洞の外側の環境内の圧力を上回ると、ガスが医療デバイスの空洞から流動することを可能にする。シール部材は、空洞の外側の環境内の圧力が、空洞の内側の圧力を上回ると、ガスが空洞の中に流入することを防止してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態によると、シール部材は、一方向弁であってもよい。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、口腔内ミラーであってもよい。医療デバイスはまた、空洞の内側に位置する、画像センサを備えてもよい。画像センサは、コネクタに動作可能に接続されてもよい。コネクタは、ストリーマを受容するように構成されてもよい。ストリーマは、オートクレーブされることが可能ではない、可撤性構成要素であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によると、医療デバイスは、空洞を含む。チャネルが、空洞と環境との間の医療デバイス内に形成されてもよい。環境は、例えば、オートクレーブデバイスであってもよい。チャネルは、空洞に対して開放する、近位端と、環境に対して開放する、遠位端とを有してもよい。第1および第2の場所が、チャネルの軸に沿って画定されてもよい。第1の場所は、第2の場所の遠位にあってもよい。ピストンロッドが、空洞の中に延在してもよい。シール部材が、チャネルのピストンロッド内部に接続されてもよい。ばねが、ピストンロッドを近位方向に付勢する。ばねによって提供される力は、空洞の内側の圧力が、環境の圧力を上回らない限り、閾値の追加を伴って、シール部材を第2の場所において保持するために十分である。
【0025】
いくつかの実施形態によると、シール部材が、第1の場所にあるとき、シール部材は、チャネルを通した空気の流動を可能にする。また、シール部材が、第2の場所にあるとき、シール部材は、チャネルを通した空気の流動を妨げる。本明細書に説明されるプロセスおよびシステムの付加的な特徴および利点が、続く詳細な説明に記載され、部分的に、その説明から当業者に容易に明白になる、または続く詳細な説明、請求項、および添付される図面を含む、本明細書に説明される実施形態を実践することによって認識されるであろう。
【0026】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明が両方とも、種々の実施形態を説明すること、および請求される主題の本質および特性を理解するための概要またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。付随の図面は、種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部に組み込まれ、それを成す。図面は、本明細書に説明される種々の実施形態を図示し、説明とともに、請求される主題の原理および動作を解説する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面に記載される実施形態は、本質的に例証的かつ例示的であり、請求項によって定義される主題を限定することを意図していない。例証的実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて熟読されると、理解されることができる。
【0028】
図1図1は、弁と、歯科ミラーとを伴う、プラグの構成要素を図示する、略図である。
【0029】
図2図2は、プラグを図示する、略図である。
【0030】
図3図3は、プラグを図示する、別の略図である。
【0031】
図4図4は、図3のプラグの断面図である。
【0032】
図5図5は、解放プラグの略図である。
【0033】
図6図6A-6Cは、いくつかの実施形態による、プラグの動作を図示する、概略図である。
【0034】
図7図7は、歯科ミラーのヘッド部分を示す、分解図を図示する。
【0035】
図8図8は、歯科ミラーのヘッド部分のためのシェルの斜視図を図示する。
【0036】
図9図9は、歯科ミラーのストリーマ部分を図示する。
【0037】
図10図10は、外側シェルが除去されたストリーマ部分を図示する。
【0038】
図11図11は、スマート歯科ミラーのブロック図を図示する。
【0039】
本発明の特徴および利点は、同様の参照記号が全体を通して対応する要素を識別する、図面と併せて検討されるときに、下記に記載される詳細な説明からより明白な状態となるであろう。図面では、同様の参照番号は、概して、同じ、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。加えて、概して、参照番号の最左桁が、参照番号が最初に出現する図面を識別する。別様に示されない限り、本開示の全体を通して提供される図面は、縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
上記に説明されるように、極端な温度および圧力変化は、オートクレーブ医療デバイスおよび歯科デバイスにおいて有益であり得るが、温度および圧力の変化はまた、ある医療器具および歯科器具を損傷させ得る。例えば、いくつかの医療器具または歯科器具は、内部空洞を有し得る。医療道具または歯科道具の内部空洞は、空気ポケットを含有し得る。圧力および温度が、オートクレーブ内で変化すると、空気ポケットが、予期しない圧力をオートクレーブ内の医療器具または歯科器具に印加し得る。
【0041】
空気ポケットは、これらの内部構成要素の近傍にあり得る。例えば、歯科ミラーの反射面が、筐体内に着座される場合、空気ポケットは、筐体内の反射面の背後にあり得る。その空気ポケットは、オートクレーブプロセスの前には、大気圧またはほぼ大気圧にあり得る。オートクレーブプロセスの間に、オートクレーブ内の空気圧とポケットの空気圧の差異が、筐体内のミラー上に力を付与し得る。オートクレーブ環境と空気ポケットとの間の空気圧差が、十分に大きい場合、ミラー上に結果として生じる力が、筐体からミラーを押進し、歯科ミラーを損傷させ得る。
【0042】
オートクレーブプロセスおよび医療デバイスに及ぼすその影響が、実施例を用いて詳細に説明されるであろう。医療デバイスが、オートクレーブに進入するとき、オートクレーブ環境の圧力および空気ポケットの圧力は、等しい(例えば、約1気圧)。オートクレーブプロセスが、開始すると、温度が、最初に上昇し得る。これは、医療デバイスを加熱し、空気ポケットの圧力を上昇させる。したがって、医療デバイス上の応力は、内圧および拡張の両方からのものであり得る。開示される実施形態によると、空気ポケット内の空気からの増加圧力は、空気が弁を通して退出することを可能にすることによって、低減される。オートクレーブプロセスが、進むにつれて、オートクレーブ環境の上昇圧力と空気ポケットの上昇圧力との間に、競合が、存在する。空気が弁を通して退出することを可能にすることによって、圧力差に起因する内部力が、制御される。オートクレーブプロセスが、平衡状態に到達すると、オートクレーブと医療デバイスとの間で、温度が、均一(例えば、134℃)になり、圧力も、均一または均一に近い状態(例えば、2気圧)になる。空気ポケットおよびオートクレーブ環境の両方の圧力が、オートクレーブ内の温度上昇に起因して、本時点において等しいことに留意されたい。
【0043】
オートクレーブプロセスが、終結するにつれて、オートクレーブ環境の圧力および温度は、減少する。オートクレーブ環境の圧力は、減少する一方、空気ポケットの圧力は、留まる熱に起因して、より緩徐に減少し得る。故に、弁は、空気が空気ポケットから退出することを可能にするであろう。最終的に、サイクルのほぼ終了時において、オートクレーブ環境の圧力は、1気圧まで減少する。医療デバイスが、冷却するにつれて、空気ポケットの圧力は、降下し続け、最終的に、環境圧力を下回って降下し得る。弁が、プラグに結合される場合、これは、プラグを除去するためにわずかのみの労力を要し得る。ある実施形態によると、弁は、空気が、オートクレーブチャンバから除去されるとき、または圧力差が、空洞の内側の空気の加熱のために高いときに、空気が空気ポケットから逃散することを可能にする。しかしながら、弁はまた、水蒸気からの湿気が空気空洞に進入し、可能性として、その中の電子構成要素を損傷させることを防止する。その実施例が付随の図面に図示される、医療器具および歯科器具のためのプラグの実施形態が、ここで詳細に参照されるであろう。
【0044】
図1に図示されるように、プラグ100が、歯科器具156と係合するように構成される。歯科器具156は、スマート歯科ミラーデバイスの少なくとも一部であってもよい。例えば、歯科器具156は、医療提供者が、患者の口の内部を視認するために使用し得る、反射面101を有してもよい。反射面101は、ガラスまたはサファイアのような、光を反射するように構成される、光学基板から作製されてもよい。反射面101は、これが、患者の口内で所望の画像の捕捉部を指向する、ファインダとして使用され得るため、ファインダミラーとも称される。
【0045】
歯科器具156は、歯科器具156の片側に形成される、空洞158を有する。下記に説明されるであろうように、歯科器具156は、圧力、湿気、および水蒸気に暴露される場合に故障し得る、画像センサ、ライト、および制御回路網等の電子構成要素を格納してもよい。また、さらに、実施形態によると、歯科器具156は、オートクレーブ可能であってもよい。下記にも議論されるであろうように、空洞158は、オートクレーブを受けない電子構成要素を格納する、ストリーマと呼ばれる、別の構成要素と係合するように構成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、歯科器具156の空洞158は、歯科器具156の内部エリアと流体的に接続される。これらの内部エリアは、電子構成要素が格納される場所である。流体接続を可能にするために、空気および水蒸気等のガスが、空洞158と内部エリアとの間で遷移することを可能にする、針孔(図示せず)が、存在してもよい。これらの内部エリアはまた、既知または予期される空気ポケットが形成する場所でもあり得る。例えば、空気ポケットが、いくつかの制御回路網および他の構成要素が格納される、歯科ミラーのミラーの背後に形成され得ることが、公知であり得る。したがって、ミラーの背後の容積が、空洞158に流体的に接続されてもよい。本流体接続部は、例えば、空気ポケットのための経路を形成する、小さい孔であってもよい、または既知または予期される空気ポケットから空洞158の中への空気の移動を制御するための、1つまたはそれを上回る弁またはポンプであってもよい。隔膜もまた、依然として、ガス流動を可能にしながら、湿気流動を低減させるために含まれ得る。
【0047】
本小さい孔がない状態では、歯科器具156は、反射面101の背後に空気ポケットを有し得る。オートクレーブ機械内の圧力が、降下する(または温度が、増加する)と、空気ポケット内の圧力とオートクレーブチャンバの中の圧力との間の差異が、反射面101を押しのけ得る。ミラーの背後にある空気ポケットが、空洞158に流体的に接続されるため、空気ポケット内の空気は、歯科器具156から空洞を通して逃散することができる。
【0048】
圧力降下の間の逃散を可能にしながら、小さい孔はまた、歯科器具156がオートクレーブされるときに水蒸気が本デバイスに進入することも可能にし得る。水蒸気は、歯科器具156内の電子構成要素を故障させ得る。これを回避するために、いくつかの実施形態では、歯科器具156の空洞158は、プラグ100によってシールされてもよい。プラグ100は、複数の機能を果たし得る。例えば、プラグ100は、空洞158をシールし、粒子、水蒸気、または他の汚染物質が、空洞158、故に、歯科器具156の内部に進入することを防止し得る。プラグ100はまた、オートクレーブプロセスの間の空洞158の内側からの圧力の解放を可能にするような、一方向弁としても作用し得る。図1に示されないが、代替実施形態では、プラグ100内の一方向弁は、歯科器具156の中に内蔵され、空洞158と歯科器具156の内部との間の流体接続を可能にするような孔の必要性を回避し得る。
【0049】
いくつかの実施形態によると、プラグ100は、筐体102を有する。筐体102は、例えば、ステンレス鋼を含む、任意の数の材料から形成されてもよい。筐体102は、空洞158の空所の中に緊密に嵌合するように成形されてもよい。例えば、空洞158に対する開口部が、円形である場合、筐体102もまた、円形であってもよい。筐体は、近位端120と、遠位端122とを有してもよい。筐体102は、筐体外側表面104と、筐体内側表面106とを有する。1つまたはそれを上回る溝126が、筐体外側表面104内に形成されてもよい。溝126は、図3に示されるように、ガスケット124を受容するように成形されてもよい。ガスケット124は、空洞158のための気密シールを提供することに役立つ。
【0050】
いくつかの実施形態によると、筐体102は、内側表面106を有してもよい。内側表面106は、図4の断面に図示されるように、付加的構成要素を受容するように構成されてもよい。本目的のために、内側表面106は、付加的構成要素と噛合する、構成要素を有してもよい。例えば、内側表面106は、トレッドを付けられた表面を有してもよい。いくつかの実施形態では、筐体102の内側表面106は、異なる区分を有してもよい。
【0051】
例えば、図4に図示されるように、筐体102は、第1の区分108と、第2の区分110と、第3の区分112とを有してもよい。各区分は、異なるサイズまたは形状を有してもよい。例えば、第1、第2、および第3の区分はそれぞれ、円形であり、それぞれ、第1の区分の直径114と、第2の区分の直径116と、第3の区分の直径118とを有してもよい。種々の区分が、筐体102の内部上への異なる構成要素の設置を補助するように成形されてもよい。例えば、第1の区分の直径114は、第3の区分の直径118未満であり得る、第2の区分の直径116未満であってもよい。このように、筐体102の中に挿入される物体が、適切な場所に漏斗状に送り込まれ得る。ガスケット502が、第2および第3の区分が衝合する位置に静置するように位置付けられてもよい。
【0052】
例えば、図2および3に示されるように、端部ピース128が、プラグ100の遠位端に位置してもよい。これは、プラグ100を取り扱うこと、または保管することを補助する、歯科ミラーから半径方向に突出する、平坦表面であってもよい。端部ピース空所130が、端部ピース128内に形成されてもよい。端部ピース空所130は、プラグ100の筐体102が、オートクレーブの環境等の環境および空洞158と流体連通することを可能にし得る。
【0053】
いくつかの実施形態によると、プラグ100は、解放プラグ132を含む。解放プラグ132は、筐体内側表面106に係合することによって、筐体102に結合されるように構成されてもよい。例えば、解放プラグ132は、螺合接続を使用して筐体内側表面106に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、解放プラグ132は、プラグ100を伴う1つのピースとして形成されてもよい。
【0054】
解放プラグ132は、一方向弁として動作する。解放プラグ132は、空洞158の内側からのより高圧の空気が、オートクレーブプロセスの間に空洞158から逃散することを可能にするが、空気(および水蒸気)が空洞158に再度進入することを防止する。解放プラグ132は、それを通して空気が逃散し得る、中空円筒体134を含む。解放プラグ132は、近位端136と、遠位端138とを有してもよい。ピストンロッド144が、中空円筒体134の中に挿入されてもよい。シール部材184が、ピストンロッド144の遠位端に位置してもよく、中空円筒体134をシールしてもよい。ばね146が、ピストンロッド144の近位端に結合されてもよく、ピストンロッド144を近位方向に付勢してもよい。インジケータ152が、シール部材184の遠位端に結合されてもよい。インジケータ152は、視覚インジケータ、例えば、異なる色付きの区画であってもよい。
【0055】
解放プラグ132の中空円筒体134はまた、第1の位置140と、第2の位置142とを含んでもよい。第1の位置140は、第2の位置142の遠位にあってもよい。
【0056】
図6A-6Cは、解放プラグ132の動作の略図を示す。各図は、ピストンロッド144に結合される、シール部材184を示す。近位開口部Opが、空洞158に流体的に結合される。遠位開口部Odが、オートクレーブデバイスの環境に流体的に結合される(すなわち、開放している)。解放プラグ132の動作は、オートクレーブ手順の間にシール部材184に対して作用する力を参照すると、最も深く理解される。前述に言及されるばね146が、シール部材184を近位方向に付勢する。したがって、ばね146は、力Fsを近位方向に印加する。空洞158内の圧力とオートクレーブの環境との間の圧力差もまた、シール部材184に力を印加する。力の大きさおよび方向は、空洞158内の圧力とオートクレーブの環境との差異に依存する。オートクレーブ環境内の圧力Paは、シール部材184上に力Faをもたらし得る。例えば、オートクレーブ内の圧力Paが、空洞内の圧力を上回るとき、シール部材184は、近位方向における、結果として生じる力を有し得る。オートクレーブ内の圧力が、空洞内の圧力未満であるとき、シール部材184上の力は、遠位方向にある。
【0057】
シール部材184上の関連のある力は、したがって、F=(Fp-Fa)-Fsのように要約されることができる(式中、(Fp-Fa)は、圧力の差異からの力(Pp-Pa)×(シール部材184の面積)であり、Ppは、空洞内の圧力であり、Fsは、ばねの力である)。図6A-6Cでは、力FaおよびFpは、異なる方向における圧力を表すように示される。圧力差から結果として生じる力は、圧力差に応じて、近位方向または遠位方向のいずれかにあり得る。付加的な力もまた、存在し得るが、示されない。例えば、シール部材184が、チャネル内を移動するにつれて、その表面に対する付加的な法線力も、存在し得る。
【0058】
空洞に隣接する構成要素は、空洞内の圧力によって付与される力に対して感受性であり得る。例えば、ミラーが、空洞をシールする場合、ミラーは、0.5kgf超の力に耐えることが不可能であり得る。例えば、ミラーが、3.14cmの面積を有する場合、空洞内の圧力は、環境の圧力を0.16バールを上回って超過するべきではない(力(kgf)=圧力(バール)×面積(cm))。これは、最大許容圧力差と見なされ得る。過剰圧力を回避するために、弁は、最大許容圧力差に到達する前に、空洞から圧力を解放するべきである。例えば、ばねが、弁の一部として使用される場合、ばね力が、適切に較正されるべきである。例えば、シール部材が、0.125cmの面積を有する場合、ばねは、ガスが空洞から退出することを可能にするような点まで拡張されると、0.02kgf以下の力を提供するように較正されるべきである。これは、例えば、最大許容圧力差をシール部材の面積で乗算することによって計算される。
【0059】
図6Aは、オートクレーブ内の圧力が降下する、オートクレーブ手順のプロセスの間のシール部材184を示す。本時点において、シール部材184に作用する力は、空洞158の内側の圧力が、オートクレーブ内の圧力を上回るため、シール部材184を遠位方向に駆動する。いったんシール部材184が、十分に変位されると、空洞158内に捕獲された空気が、オートクレーブの中に逃散することを可能にされる。これは、オートクレーブ環境と空洞158との間の圧力を均等化し始める。圧力が、均等化し始めるにつれて、シール部材184は、ばね力が優勢であるため、近位方向に移動する。
【0060】
図6Bは、第1の位置140におけるシール部材184を示す。本位置において、空洞158は、シールされたままであるが、より多くの空気が空洞158から退出することを可能にしようとしている。したがって、圧力が、オートクレーブ内で降下(または同等に、空洞内で上昇)し続ける場合、シール部材184は、第1の位置140から遠位に移動し、より多くの空気が空洞158から退出することを可能にするであろう。
【0061】
図6Cは、第2の位置142におけるシール部材184を示す。前述に言及されるように、第2の位置142は、第1の位置140より近位にある(すなわち、使用中であるときには空洞158により近接する)。圧力が、オートクレーブプロセスの間にオートクレーブ内で上昇するにつれて、増加された力が、シール部材184を第2の位置142に駆動する。オートクレーブ手順の終了時において、オートクレーブ内の圧力が、大気圧に等しく、温度が、室温まで降下しているとき、空洞158内の圧力は、オートクレーブ手順の間に被られる、ほぼ最低の圧力になるはずである。いくつかの手順では、これは、環境圧力より低い。故に、シール部材184は、ばね146と外側環境のより高い圧力の組み合わせられた力によって、第2の位置142に保持される。
【0062】
インジケータ152が、シール部材184の遠位端上にあってもよい。インジケータ152は、例えば、塗装された特徴、ステッカ、反射体、または他のインジケータであってもよい。インジケータ152は、オペレータが、オートクレーブ手順が医療デバイスを適正に滅菌したことを確認することを補助し得、また、医療デバイスが損傷されていないことも確認し得る。
【0063】
前述に言及されるように、オートクレーブ手順の後、空洞158内の圧力は、周囲環境の圧力と比較して低くなるはずである。したがって、インジケータ152は、これが第2の位置142に位置するため、殆ど隠蔽されるはずである。しかしながら、オートクレーブ手順の後、インジケータ152が、可視である(または、いくつかの実施形態では、顕著に可視である)場合、オートクレーブ手順は、失敗している場合がある。代替として、プラグ100が、空洞158を適正にシールし損なっている場合がある、またはプラグ100に結合される医療器具が、空洞158がオートクレーブデバイスの環境と流体接続するように、亀裂されている場合がある。これは、オペレータに、医療デバイスが修復または交換を要求することを示し得る。
【0064】
図7は、歯科ミラーのヘッド部分のアセンブリを示す、分解図を図示する。上記に議論されるように、歯科器具156は、電子構成要素を含む、内部空洞を含む。内部空洞および電子構成要素は、図7内の略図700に図示される。
【0065】
ヘッド構成要素のアセンブリは、構成要素の4つの層、すなわち、層710と、層720と、層730と、層740とを伴う。層710は、相互に接続される、ミラーヘッド704と、取っ手702とを含む。ミラーヘッド704は、反射面101と、通過部708と、通過部706とを含む。
【0066】
通過部708は、(個別の画像が、捕捉され得るように)光または視覚情報が、画像センサ732に到達することを可能にするように、光または視覚情報の通過を可能にする。通過部706は、光源736からの光がミラーヘッド704から出射することを可能にする。いくつかの実施形態では、通過部706および708は、反射面101内の開口部である。いくつかの実施形態では、通過部706および708は、反射面101内の透過的、または半透過的、または部分的に透過的なエリアである。いくつかの実施形態では、通過部706および708は、光学レンズを含む。通過部706および708は、可能性として、ある閾値を上回る強度の光が存在するときに透過的または部分的に透過的な状態になる、反射面101のエリアの区分である。いくつかの実施形態では、通過部706および708は、電流または電圧が存在するときに透過的または部分的に透過的な状態になる、反射面101のエリアの区分である。通過部706および708は、反射面101の中心、または周、または他の場所に位置することができる。
【0067】
層710内のミラーヘッド704が、層740内の裏材744およびガスケット742と係合するように構成される。裏材744は、ミラーヘッド704上のねじ山と噛合するように構成される、ねじ山を含む。それらのねじ山が、図8に図示される。図8は、歯科ミラーのヘッド部分のためのシェルの斜視図800を図示する。略図800は、裏材744と噛合するように構成される、ねじ山802を示す。ガスケット742は、裏材744とねじ山802との間に着座し、気密シールを生成する。いくつかの実施形態では、シーラントもまた、追加されながら、ともに構成要素にトレッドを付け、シール特性を改良する。
【0068】
図7に戻ると、層710と740との間にあるものは、層720および730である。層730は、裏材744上に静置する、プリント回路基板(PCB)734を含む。PCB730は、画像センサ732と、PCB734の周の周囲に配列される、複数の光源736とを有する。PCB734はまた、ある制御回路網と、コネクタ738とを有する。
【0069】
画像センサ732は、静止または動画デジタル画像を捕捉する。いくつかの実施形態では、画像センサ732は、電荷結合素子(CCD)、または相補形金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、または同等物等、ピクセルアレイを含む、画像センサまたはその複数のものである。
【0070】
複数の光源736は、歯科器具156に近接する物体を照明する。いくつかの実施形態では、光源736は、ファインダミラー103内に反射される、または画像センサ732によって捕捉される画像を改良するために、人の口のエリアを照明する。いくつかの実施形態では、複数の光源736が、含まれる。いくつかの実施形態では、光源736は、光を放出する。いくつかの実施形態では、光源736は、歯科器具156内の他所に、放出される光を透過させる。いくつかの実施形態では、光源736によって放出または透過される光の強度が、制御されることができる。いくつかの実施形態では、複数の光源736による照明の強度は、並行して制御される。いくつかの実施形態では、複数の光源736の各光源736の強度は、独立して制御される。いくつかの実施形態では、複数の光源736は全て、同一または類似の光波長(または色)を放出または透過させる。いくつかの実施形態では、異なる波長(または色)が、複数の光源736によって放出または透過されてもよい。いくつかの実施形態では、各光源736は、LED発光ダイオード(LED)である。いくつかの実施形態では、各光源736は、光ファイバケーブルまたは同等物等の光パイプである。いくつかの実施形態では、各光源736は、単色光(レーザ)である。
【0071】
コネクタ738が、複数の光源736を制御するための信号を受信する。
【0072】
層720が、層730の上に静置し、光拡散器726と、ミラー支持体724と、レンズ保護部722とを含む。
【0073】
光拡散器726は、光源736から放出される光を和らげるために、光を散乱させる。光拡散器726は、研磨ガラス、テフロン(登録商標)、乳白ガラス、または灰色ガラス等の半透明材料を含んでもよい。
【0074】
ミラー支持体724は、反射面101のための構造的支持を提供する。接着剤が、ミラー支持体724と反射面101との間に適用されてもよい。ミラー支持体724は、反射面101を補剛し、反射面101を破砕に対してより耐久性にし得る。
【0075】
レンズ保護部722は、オートクレーブの温度に屈しない状態にあり得る、シリコーンまたは他の材料から作製される、不透明な構築物である。レンズ保護部722は、通過部708に向かって指向されることになる外側からの光が、画像センサ732に進入することを可能にする。レンズ保護部722は、「光害」を遮断するように動作する。これは、画像センサ732に対して不適切に反射され得る、光ノイズを低減させる。レンズ保護部722はまた、レンズ、すなわち、屈折を用いて光を集束させ、画像センサ732による検出のための画像を形成する、透過性の光学デバイスを含んでもよい。レンズは、単体レンズまたは複合レンズであってもよい。これは、ガラスまたはプラスチック等の透明な材料から作製されてもよい。
【0076】
上記に言及されるように、歯科器具156は、スマート歯科ミラーの少なくとも一部であってもよい。歯科器具156は、オートクレーブ可能であってもよい、またはオートクレーブ可能である、スマート歯科ミラーの構成要素を含んでもよい。オートクレーブ可能ではない、スマート歯科ミラーの構成要素は、ストリーマ部分と呼ばれ得る、別個のピース内に含まれてもよい。本ストリーマ部分は、オートクレーブされるべきではないため、これは、これが医療提供者によって使用されるときに患者の口と接触しないように、スマート歯科ミラー上に位置付けられてもよい。
【0077】
図9は、歯科ミラーのストリーマ900を図示する。ストリーマ900は、コネクタ906と、シェル902と、シェル904とを含む。コネクタ906は、歯科器具156に電気的かつ通信可能に接続するように構成される。いくつかの実施形態では、シェル902が、歯科器具156の空洞158の中に挿入されるように成形される。シェル904が、無線アンテナを封入してもよく、電磁信号に対して透過性である材料から作製されてもよい。
【0078】
図10は、外側シェルが除去されたストリーマ部分を図示する、略図1000を含む。略図1000は、PCB1004を含有する、トレイ1002を図示する。下記に議論されるように、PCB1009は、電力サブシステム1006と、プロセッサと、メモリとを含む。これはまた、無線アンテナと、歯科器具156または電力充電器または基地局へのコネクタとを含む。
【0079】
図11は、スマートミラーデバイス1100のブロック図を図示する。上記に議論されるように、スマートミラーデバイス1100は、2つの分離可能な構成要素、すなわち、歯科器具156(口腔の中への挿入のためのヘッドピース)と、ストリーマ900とを有し、歯科器具156は、画像センサ732と、光源736と、コネクタ738とを含む。
【0080】
複数の信号ラインまたはバス1117が、存在し得、したがって、異なる構成要素が、異なる信号ラインまたはバス1117によって連結され得ること、および概略図に描写される信号ラインまたはバス1117が、複数のものを表し得ることが、当業者にとって理解され得る。
【0081】
図1に関して上記で議論されるように、ファインダミラー103は、ミラーであり、したがって、反射エリアを有する。ファインダミラー103からの反射は、ユーザに、画像センサ732によって捕捉された画像内に含まれ得る物体についての視覚誘導を提供する。上記に言及されるように、ファインダミラー103は、丸みを帯びてもよい。いくつかの実施形態では、ファインダミラー103は、平面状である。いくつかの実施形態では、ファインダミラー103は、湾曲状、凹面形、または凸面形である。いくつかの実施形態では、ファインダミラー103は、球形状を有する。いくつかの実施形態では、ファインダミラー103は、長方形状を有する。スマートミラーデバイス1100が、本発明の精神から逸脱することなく、異なる形状のファインダミラー103および/または複数のファインダミラー103を用いて具現化され得ることが、当業者によって理解されることができる。
【0082】
歯科器具156のコネクタ738は、ストリーマ900のコネクタ906に(物理的および/または電子的に)接続される。コネクタ906は、USB端子であってもよい。画像センサ732および光源736は、コネクタ738を通してストリーマ900から電力を受信する。加えて、制御およびシグナリングが、コネクタ738を通してストリーマ900および光源736へ、およびそれから通過される。例えば、画像センサ732が、捕捉された画像をバス1117を介してコネクタ738に伝送してもよく、これは、画像をストリーマ900に伝送する。同様に、コネクタ738が、画像センサ732をアクティブ化すべきときと、そうすべきかどうかとを示す、制御情報を受信し、伝えてもよい。光源736に関して、コネクタ738は、光源736にそれらをアクティブ化させ、それらをアクティブ化すべきときと、その方法とを決定させる、コマンドを受信してもよい。コネクタ738は、ストリーマ900内のコネクタ906に接続されるように適合される。
【0083】
ストリーマ900に目を向けると、ストリーマ900は、配向測定デバイス1112と、ユーザインターフェース1124と、プロセッサ1123と、基地局コネクタ1158と、コネクタ906と、通信サブシステム1129と、電力サブシステム1121と、メモリ1130とを含む。
【0084】
基地局コネクタ1158は、歯科器具156に取り付けられる場合とそうではない場合がある、ストリーマ900が基地局とドッキングすることを可能にする。ドッキングは、ストリーマ900を事前定義された配向に保持する、物理的接続を通して生じ得る。加えて、ドッキングは、USBまたは近接場通信接続または同等物を通して生じ得る。基地局とドッキングすると、ストリーマ900は、基地局コネクタ1158を通して、電力サブシステム1006を充電するために使用され得る、電力を受信してもよい。加えて、ストリーマ900は、基地局コネクタ1158を通して制御およびシグナリング情報を受信してもよい。例えば、基地局コネクタ1158は、ストリーマ900と基地局との間に無線通信接続を構成するために必要とされる情報を受信してもよい。基地局コネクタ1158は、下記に議論されるように、(サービスセット識別子およびパスワード等の)無線構成情報を通信サブシステム1129に提供してもよい。また、基地局にドッキングされると、基地局コネクタ1158は、配向測定デバイス1112またはメモリ1130内のソフトウェアに較正するようにシグナリングしてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ906は、基地局コネクタ1158に統合されてもよい。
【0085】
電力サブシステム1006は、スマートミラーデバイス1100のための電力を貯蔵し、スマートミラーデバイス1100の他の構成要素に電力を提供する。電力サブシステム1121は、AAAAバッテリ等のバッテリまたはコンデンサを含んでもよい。
【0086】
配向測定デバイス1112は、ファインダミラー103の(x、y、z位置と、ヨー、ピッチ、ロール方向とを含む)配向を測定する、またはこれがファインダミラー103の配向を計算することを可能にする、データを発生させる。いくつかの実施形態では、配向測定デバイス1112は、加速度計である。加速度計のある実施例は、NXP Semiconductors N.V.(Eindhoven, Netherlands)から入手可能である、MMA8453Qである。いくつかの実施形態では、配向測定デバイス1112は、ジャイロスコープである。配向測定デバイス1112のある実施例は、また、NXP Semiconductors N.V.から入手可能である、FXAS21002Cである。ジャイロスコープはまた、TDK invensense等の複合デバイスであり得る。
【0087】
ユーザインターフェース1124は、オーディオ入力部1125と、オーディオ出力部1126と、入/出力制御部1127とを含む。オーディオ入力部1125は、聴覚情報を捕捉する。いくつかの実施形態では、オーディオ入力部1125は、マイクロホンを含む。いくつかの実施形態では、オーディオ入力部1125は、例えば、医療提供者が患者の医療記録のために見解を口述することを可能にするために、人の音声を捕捉する。ストリーマ900は、音を発する、オーディオ出力部1126を含む。いくつかの実施形態では、オーディオ出力部1126は、1つまたはそれを上回るスピーカまたはブザーを含む。いくつかの実施形態では、オーディオ出力部1126は、ヘッドホンジャックおよび/またはヘッドホンを含む。
【0088】
入/出力制御部1127は、ユーザが、例えば、オーディオ録音または画像捕捉を開始する、または照明の強度を設定するために、スマートミラーデバイス1100内のプロセスに関連するフィードバックを制御および/または受信するための、触知フィードバックのためのボタン、ライト、ノブ、容量性センサ、アクチュエータ、または同等物を含むことができる。
【0089】
通信サブシステム1129は、ストリーマ900が、例えば、基地局、またはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、または類似物等の汎用目的算出デバイス、または別のスマートミラーデバイスまたは遠隔スピーカまたは同等物等の特殊算出デバイスを含む、1つまたはそれを上回る遠隔算出デバイスに接続されることを可能にする。いくつかの実施形態では、通信サブシステム1129は、限定ではないが、WiFiおよび/またはBluetooth(登録商標)を含む、無線ネットワークに接続されるように適合される。いくつかの実施形態では、通信サブシステム1129は、限定ではないが、イーサネット(登録商標)、USB、またはサンダーボルトを含む、有線ネットワークに取り付けられるように適合される。
【0090】
ある実施形態では、スマートミラーデバイスは、その上に印刷されるQRコード(登録商標)等の視覚コードを伴うステッカとともに出荷されてもよい。スマートフォンまたはタブレットコンピューティングデバイスが、QRコード(登録商標)を走査し、通信サブシステム1129からホストされるWiFiネットワークに接続するためのSSID/パスワードとして決定することができる。このように、タブレットコンピューティングデバイスは、スマートミラーデバイスと通信し、スマートミラーデバイスから捕捉された動画を受信することができる。
【0091】
メモリ1130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよく、また、読取専用メモリ(ROM)および/またはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ1130は、独立的なメモリ構成要素として具現化されてもよく、また、プロセッサ1123および/または画像センサ732等の別の構成要素内に埋設されてもよい、または独立的かつ埋設された、および/または複数のメモリ構成要素の組み合わせとして具現化されてもよい。メモリ1130は、ソフトウェアモジュール(モジュールは、命令のセットである)を含むように適合される。特に、メモリ1130は、ストリーマモジュール1153と、識別モジュール1154と、照明コントローラモジュール1150と、画像制御モジュール1151と、配向計算機モジュール1168とを含む。
【0092】
プロセッサ1123は、メモリ1130内に記憶された命令を起動するように適合される。プロセッサ1123は、命令を起動する、マイクロコントローラユニット(MCU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または画像/動画処理ユニット、または同様の構成要素であってもよい。MCUのある実施例は、Texas Instruments Inc.(Dallas, Texas)から入手可能である、MSP432P401xである。DSPのある実施例は、Texas Instruments Inc.(Dallas, Texas)から入手可能である、C5000である。画像/動画プロセッサのある実施例は、またTexas Instruments Inc.(Dallas, Texas)から入手可能である、OMAP3525である。プロセッサの別の実施例は、Xilinxから入手可能であるもの等のFPGAである。1つまたはそれを上回るプロセッサ1123が、存在し得る。プロセッサ1123は、独立的な構成要素であってもよく、これはまた、画像センサ732、配向測定デバイス1112、またはそれらの任意の組み合わせにおけるもの等の別の構成要素内に埋設されてもよい。各サブ構成要素もまた、内部メモリデバイスを有してもよい。
【0093】
照明コントローラモジュール1150は、光源736の動作を制御する。いくつかの実施形態では、照明コントローラモジュール1150は、光源736の照明の強度を設定する。いくつかの実施形態では、照明コントローラモジュール1150は、照明を増加または低減させるためのユーザ要求を受信する。いくつかの実施形態では、照明コントローラモジュール1150は、光源736の一部または全てをオンまたはオフにするためのユーザ要求を受信する。いくつかの実施形態では、照明コントローラモジュール1150は、他のソフトウェアモジュールから、光源736のうちの1つまたはそれを上回るものの照明を増加および/または低減させるための要求を受信する。いくつかの実施形態では、ユーザ入力および該要求が、照明の強度を決定するために使用される。
【0094】
配向計算機モジュール1168が、配向測定デバイス1112からデータを読み取る。配向計算機モジュール1168は、例えば、ジャイロスコープおよび加速度計からのデータを積分し、(例えば、x、y、z座標における)場所および方向(例えば、ヨー、ピッチ、およびロール)を決定してもよい。配向計算機モジュール1168は、スマートミラーデバイス1100の場所および方向を決定するために積分を使用するため、ジャイロスコープおよび加速度計からの誤差が、経時的に蓄積し得る。しかしながら、上記に説明されるように、基地局コネクタ1158は、ストリーマ900を既知の角度において位置付けるような方法で基地局とドッキングしてもよい。基地局コネクタ1158が、基地局とドッキングされると、基地局コネクタ1158は、配向計算機モジュール1168に較正するようにシグナリングしてもよい。較正するために、配向計算機モジュール1168は、x、y、z、およびヨー、ピッチ、およびロール値を、値ゼロ等の固定値に設定してもよい。したがって、ストリーマ900が、随所に移動されると、座標および方向値配向計算機モジュール1168は、基地局に設定された座標および方向値に対して相対的であり得る、値を決定する。
【0095】
画像制御モジュール1151は、画像および動画の捕捉を制御し、出力画質に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、例えば、より良好な画像捕捉品質のために照明条件を改良するための、例えば、照明コントローラモジュール1150への要求によって、照明の強度を制御する。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、例えば、限定ではないが、セットから1つの画像を選択することによって、または各部分がセット内の画像からのものである、画像の部分を組み合わせることによって、改良された視覚品質を有する単一の出力画像を生成するように、時系列画像のセットを処理する。いくつかの実施形態では、画像が捕捉されたときの画像センサ732の加速度を示す値が、出力画像の品質を改良するために使用され、例えば、限定ではないが、最も低い加速度を伴う画像を選択する、または異なる加速度の2つまたはそれを上回る画像の部分間を補間する。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、レンズの開口および/または焦点を制御する。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、それぞれが異なる照明を伴う、画像のシーケンスの捕捉をトリガする。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、それぞれが、可能性として、光源736のうちの1つまたはそれを上回るものの異なる群が、照明するように設定される一方、光源736のうちの他の1つまたはそれを上回るものが照明しないように設定される、画像のシーケンスの捕捉をトリガする。いくつかの実施形態では、画像制御モジュール1151は、例えば、配向計算機モジュール1168によって発生される回転値に基づいて、画像を回転させる。
【0096】
識別モジュール1154は、遠隔算出デバイスに対してスマートミラーデバイス1100を識別する。いくつかの実施形態では、識別モジュール1154は、その中で識別がネットワークセッションを経由して生じる、認証ハンドシェイクプロトコルを実装する。いくつかの実施形態では、識別モジュール1154は、データが遠隔算出デバイスに転送されることに先立って、識別をデータに結合する。識別は、ストリーマ900のためのグローバル一意IDを含んでもよい。これはまた、タイムスタンプ付きおよびデジタル署名付きであってもよい。
【0097】
ストリーマモジュール1153は、データを準備する、および/またはそれを遠隔算出デバイスにストリーミングする。データは、画像センサ732から収集された動画と、配向計算機モジュール1168から収集されたスマートミラーデバイス1100の配向および場所と、オーディオ入力部1125から収集されたオーディオ入力と、入/出力制御部1127から収集された任意のデータと、電力サブシステム1006から収集された電力関連データと、光源736が照明コントローラモジュール1150から照明される方法の仕様とを含むことができる。ストリーマモジュール1153は、これらの種々のソースから収集されたデータを相互と関連付けてもよい。異なるソースから収集されたデータを関連付けるために、ストリーマモジュール1153は、タイムスタンプを添付してもよい。例えば、動画画像センサ732内の各フレームは、収集されるタイムスタンプを含んでもよい。同様に、配向、オーディオ、電力、および入力制御情報も、情報が収集されたときを示すタイムスタンプを有してもよく、照明情報は、光源736が規定された様式において照明されたときを示す、タイムスタンプを有してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、ストリーマモジュール1153は、画像、動画、オーディオ、および他のデータを、通信サブシステム1129を介して遠隔算出デバイス上で実行されているアプリケーションにストリーミングするためのフォーマットにフォーマット化する。いくつかの実施形態では、ストリーマモジュール1153は、画像、動画、オーディオ、および他のデータを、インターネットブラウザへのストリーミングのために好適なフォーマット、例えば、限定ではないが、HTTPストリーミング、HTML、HTML5、RTSP、WebRTCにフォーマット化する。いくつかの実施形態では、ストリーマモジュール1153は、画像、動画、オーディオ、および他のデータを、限定ではないが、JPG、JPG 2000、MPEG-4、H.264、H.265、AAC、PCM、G.711、G.726、および同等物等の圧縮フォーマットおよび/またはフォーマットコンテナを用いてフォーマット化する。いくつかの実施形態では、専用フォーマットが、使用され、本発明は、そのように限定されない。
【0099】
「おおよその」、「おおよそ」、「約」、および同等物等の見積もり用語は、本明細書では、特定の技術および/またはあるパラメータに基づいて変動し得る、所与の分量の値を示すために使用され得る。例えば、見積もり用語は、量、サイズ、調合、パラメータ、および他の分量および特性を修飾し得、全く同じである必要はないが、所望に応じて、当業者にとって公知である、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差および同等物、および他の要因を反映して、近似する、および/またはより大きいまたはより小さくあり得る。そのような見積もり用語は、例えば、値の0~10%(例えば、値の±0.5%、±5%、または±10%)内で変動する、所与の分量の値を示し得る。
【0100】
「内側」、「外側」、「近位」、「遠位」、および同等物等の方向的および空間的相対用語は、本明細書では、図に図示されるような、別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。方向的および空間的相対用語は、図に描写される配向に加えて、使用時または動作時の本デバイスの異なる配向を包含することを意図している。本装置は、別様に配向(90度または他の配向に回転)されてもよく、本明細書において使用される方向的および空間的相対的記述子も同様に、適宜解釈され得る。
【0101】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に指示しない限り、複数指示物を含む。したがって、例えば、「a」構成要素の言及は、文脈が明確に別様に指示しない限り、2つまたはそれを上回るそのような構成要素を有する側面を含む。
【0102】
本明細書における語法または専門用語が、本明細書の専門用語または語法が、本明細書における教示を踏まえて当業者によって解釈されるべきものであるように、説明の目的のためのものであり、限定の目的のためのものではないことを理解されたい。
【0103】
説明される実施形態および本明細書における、「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」、および同等物の言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が、必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むわけではない場合があることを示す。また、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態と関連して説明されるとき、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態と関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすためには、これが、当業者の知識内にあることを理解されたい。
【0104】
種々の修正および変形例が、請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される実施形態に対して行われ得ることが、当業者に明白となるであろう。したがって、そのような修正および変形例が添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内に該当することを前提として、本明細書が、本明細書に説明される種々の実施形態の修正および変形例を網羅することが、意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】