(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電子アセンブリおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500259
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022035264
(87)【国際公開番号】W WO2023283076
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】バンダリ,リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ノバヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】クリシヴァサン,ヴィジャイクマー
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136BC03
5F136BC06
5F136DA50
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
ウェハアセンブリおよび関連する製造方法が開示される。そのようなアセンブリおよび方法は、ウェハ上に配置された電子モジュールの様々な高さを考慮することができる。一実施形態では、ウェハアセンブリは、冷却システムと、ウェハと、第1の電子モジュールと、第2の電子モジュールと、高さ調整構造とを含む。第1の熱界面材料(TIM)を、第1の電子モジュールと冷却システムの第1の部分との間に配置することができる。第2のTIMは、第2の電子モジュールと冷却システムの第2の部分との間に配置することができる。高さ調整構造は、第1の電子モジュールと第2の電子モジュールとの高低差を補償することができる。他のウェハアセンブリおよび製造方法も開示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハアセンブリであって、
冷却システムと、
ウェハと、
前記ウェハの第1の位置に取り付けられ、前記冷却システムの第1の部分に結合された第1の電子モジュールであって、該第1の電子モジュールおよび前記冷却システムの前記第1の部分は、前記第1の電子モジュールと前記冷却システムの前記第1の部分との間に第1の熱界面材料(TIM)が置かれるように配置されている、第1の電子モジュールと、
前記第1の位置とは異なる前記ウェハの第2の位置に取り付けられ、前記冷却システムの第2の部分に結合された第2の電子モジュールであって、該第2の電子モジュールおよび前記冷却システムの前記第2の部分は、前記第2の電子モジュールと前記冷却システムの前記第2の部分との間に第2のTIMが置かれるように配置されている、第2の電子モジュールと、
前記ウェハの前記第1の位置と前記冷却システムの前記第1の部分との間に配置された高さ調整構造であって、前記第1の電子モジュールと前記第2の電子モジュールとの間の高低差を補償するように構成されている、高さ調整構造と、を備えるウェハアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の電子モジュールが電圧調整モジュール(VRM)である、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項3】
前記高さ調整構造が、前記第1の電子モジュール上に配置されたクラウンを備える、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項4】
前記高さ調整構造が、前記冷却システムの前記第1の部分から延びる突出部を備える、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項5】
前記ウェハの前記第2の位置と前記冷却システムの前記第2の部分との間に配置された第2の高さ調整構造をさらに備え、前記第2の高さ調整構造の高さが、前記第1の高さ調整構造の高さとは異なる、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項6】
前記高さ調整構造が、前記第1のTIMの一部分を含む、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項7】
放熱構造をさらに備え、該放熱構造は、前記ウェハが前記冷却システムと該放熱構造との間に位置されるように配置されている、請求項1に記載のウェハアセンブリ。
【請求項8】
ウェハアセンブリであって、
中央領域と、前記中央領域の周りにある縁部領域とを有するウェハと、
複数の電子モジュールであって、前記中央領域内に位置される、前記複数の電子モジュールのうちの第1のグループの電子モジュールの平均高さが、前記縁部領域内に位置される、前記複数の電子モジュールのうちの第2のグループの電子モジュールの平均高さよりも大きくなるように前記ウェハ上に取り付けられた、様々な高さを有する、複数の電子モジュールと、
前記複数の電子モジュールに結合された冷却システムであって、該冷却システムおよび前記複数の電子モジュールは、前記冷却システムと前記複数の電子モジュールとの間に熱界面材料(TIM)が置かれるように配置され、前記ウェハは、前記ウェハの前記縁部領域が前記ウェハの前記中央領域よりも前記冷却システムに近くなるように湾曲されている、冷却システムと、を備える、ウェハアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のグループの電子モジュールの高さは、前記第2のグループの電子モジュールの高さよりも大きい、請求項8に記載のウェハアセンブリ。
【請求項10】
放熱構造をさらに備え、該放熱構造は、前記ウェハが前記冷却システムと前記放熱構造との間に位置するように配置されている、請求項8に記載のウェハアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の電子モジュールが、複数の電圧調整モジュール(VRM)を備える、請求項8に記載のウェハアセンブリ。
【請求項12】
ウェハアセンブリを製造する方法であって、
複数の電子モジュールから第1のグループの電子モジュールおよび第2のグループの電子モジュールを、前記第1のグループの電子モジュールの高さの差異および前記第2のグループの電子モジュールの高さの差異の両方が前記複数の電子モジュールの高さの差異よりも小さくなるように選択する工程と、
前記第1のグループの電子モジュールを第1のウェハ上に、前記第2のグループの電子モジュールを第2のウェハ上に取り付ける工程と、
第1の冷却システムと前記第1のグループの電子モジュールとの間に第1の熱界面材料が配置されるように前記第1の冷却システムと前記第1のグループの電子モジュールとを結合する工程と、
第2の冷却システムと前記第2のグループの電子モジュールとの間に第2の熱界面材料が配置されるように、前記第2の冷却システムと前記第2のグループの電子モジュールとを結合する工程と、を含む、方法。
【請求項13】
前記複数の電子モジュールが、複数の電圧調整モジュール(VRM)を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のウェハは、前記第1のグループの電子モジュールの対応するものと位置合わせされた集積回路ダイを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のグループの電子モジュールの高さの差異および前記第2のグループの電子モジュールの高さの差異はそれぞれ、前記複数の電子モジュールの高さの差異の半分未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の冷却システムと前記第1のグループの電子モジュールとを結合する工程は、前記第1の冷却システムに力を加えて前記第1の熱界面材料を圧縮することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のウェハが前記第1の冷却システムと第1の放熱構造との間に配置されるように前記第1の放熱構造を設ける工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の放熱構造および前記第1の冷却システムを第1の締結具で固定する工程と、
第2の放熱構造および前記第2の冷却システムを第2の締結具で固定する工程と、をさらに含み、
前記第2の締結具が前記第1の締結具よりも長い、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第3のグループの電子モジュールの高さの差異が前記複数の電子モジュールの前記高さの差異よりも小さくなるように、前記複数の電子モジュールから前記第3のグループの電子モジュールを選択する工程と、
前記第3のグループの電子モジュールを第3のウェハ上に取り付ける工程と、
第3の冷却システムと前記第3のグループの電子モジュールとの間に第3の熱界面材料が配置されるように、前記第3の冷却システムと前記第3のグループの電子モジュールとを結合する工程と、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のグループの電子モジュールを前記第1のウェハ上に取り付ける工程は、
前記第1のグループの電子モジュールのうちの第1のサブグループを前記第1のウェハの中央領域内に取り付けることと、
前記中央領域の周りにある前記第1のウェハの縁部領域内に前記第1のグループの電子モジュールのうちの第2のサブグループを取り付けることと、を含み、
前記第1のサブグループの電子モジュールの平均高さは、前記第2のサブグループの電子モジュールの平均高さよりも大きく、前記ウェハは、前記縁部領域が前記中央領域よりも小さい距離だけ前記冷却システムから離れるように湾曲されている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
・関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月7日に出願された「ELECTRONIC ASSEMBLIES AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME(電子アセンブリおよびその製造方法)」と題する米国仮特許出願第63/219,205号の利益を主張し、その開示はその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、電子アセンブリおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリは、SoWと、SoWに結合された放熱構造とを含むことができる。放熱構造とSoWとの間に電圧調整モジュール(VRM)および熱界面材料を含めることができる。SoWと放熱構造とを接合する際には、大きな圧力が加えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、ウェハアセンブリが開示される。アセンブリは、冷却システムと、ウェハと、第1の電子モジュールと、第2の電子モジュールと、高さ調整構造とを含む。第1の電子モジュールは、ウェハの第1の位置に取り付けられ、冷却システムの第1の部分に結合される。第1の電子モジュールおよび冷却システムの第1の部分は、第1の熱界面材料(TIM)が第1の電子モジュールと冷却システムの第1の部分との間に置かれるように配置される。第2の電子モジュールは、第1の位置とは異なるウェハの第2の位置に取り付けられ、冷却システムの第2の部分に結合される。第2の電子モジュールおよび冷却システムの第2の部分は、第2のTIMが第2の電子モジュールと冷却システムの第2の部分との間に置かれるように配置される。高さ調整構造は、ウェハの第1の位置と冷却システムの第1の部分との間に置かれる。高さ調整構造は、第1の電子モジュールと第2の電子モジュールとの間の高低差を補償するように構成される。
【0005】
一実施形態では、第1の電子モジュールは電圧調整モジュール(VRM)である。
【0006】
一実施形態では、高さ調整構造は、第1の電子モジュール上に配置されるクラウン(crown)を含む。
【0007】
一実施形態では、高さ調整構造は、冷却システムの第1の部分から延びる突出部を含む。
【0008】
一実施形態では、アセンブリは、ウェハの第2の位置と冷却システムの第2の部分との間に置かれた第2の高さ調整構造をさらに含む。第2の高さ調整構造の高さは、第1の高さ調整構造の高さと異なる。
【0009】
一実施形態では、高さ調整構造は、第1のTIMの一部分を含む。
【0010】
一実施形態では、アセンブリは放熱構造をさらに含み、この放熱構造は、ウェハが冷却システムと放熱構造との間に位置するように配置される。
【0011】
一態様では、ウェハアセンブリが開示される。アセンブリは、中央領域と、中央領域の周りにある縁部領域とを有するウェハを含む。アセンブリは複数の電子モジュールを含み、複数の電子モジュールは、中央領域内に配置された、複数の電子モジュールのうちの第1のグループの電子モジュールの平均高さが、縁部領域内に配置された、複数の電子モジュールのうちの第2のグループの電子モジュールの平均高さよりも大きくなるように、ウェハ上に取り付けられた様々な高さを有する。アセンブリは、複数の電子モジュールに結合された冷却システムを含む。冷却システムおよび複数の電子モジュールは、熱界面材料(TIM)が冷却システムと複数の電子モジュールとの間に置かれるように配置される。ウェハは、ウェハの縁部領域がウェハの中央領域よりも冷却システムに近くなるように湾曲されている。
【0012】
一実施形態では、第1のグループの電子モジュールの高さは、第2のグループの電子モジュールの高さよりも大きい。
【0013】
一実施形態では、アセンブリは放熱構造をさらに含み、この放熱構造は、ウェハが冷却システムと放熱構造との間に位置するように配置される。
【0014】
一実施形態では、複数の電子モジュールは、複数の電圧調整モジュール(VRM)を含む。
【0015】
一態様では、ウェハアセンブリを製造する方法が開示される。本方法は、第1のグループの電子モジュールの高さの差異および第2のグループの電子モジュールの高さの差異の両方が複数の電子モジュールの高さの差異よりも小さくなるように、複数の電子モジュールから第1のグループの電子モジュールおよび第2のグループの電子モジュールを選択することを含む。本方法は、第1のグループの電子モジュールを第1のウェハ上に、第2のグループの電子モジュールを第2のウェハ上に取り付けることを含む。本方法は、第1の冷却システムと第1のグループの電子モジュールとの間に第1の熱界面材料が配置されるように、第1の冷却システムと第1のグループの電子モジュールとを結合することを含む。本方法は、第2の冷却システムと第2のグループの電子モジュールとの間に第2の熱界面材料が配置されるように、第2の冷却システムと第2のグループの電子モジュールとを結合することを含む。
【0016】
一実施形態では、複数の電子モジュールは、複数の電圧調整モジュール(VRM)を含む。
【0017】
一実施形態では、第1のウェハは、第1のグループの電子モジュールの対応するものと位置合わせされた集積回路ダイを含む。
【0018】
一実施形態では、第1のグループの電子モジュールの高さの差異および第2のグループの電子モジュールの高さの差異はそれぞれ、複数の電子モジュールの高さの差異の半分未満である。
【0019】
一実施形態では、第1の冷却システムと第1のグループの電子モジュールとを結合することは、第1の熱界面材料を圧縮するために冷却システムに力を加えることを含む。
【0020】
一実施形態では、本方法は、第1のウェハが第1の冷却システムと第1の放熱構造との間に配置されるように第1の放熱構造を設けることをさらに含む。
【0021】
一実施形態では、本方法は、第1の放熱構造および第1の冷却システムを第1の締結具で固定することと、第2の放熱構造および第2の冷却システムを第2の締結具で固定することとをさらに含む。第2の締結具は、第1の締結具よりも長い。
【0022】
一実施形態では、本方法は、第3のグループの電子モジュールの高さの差異が複数の電子モジュールの高さの差異よりも小さくなるように、複数の電子モジュールから第3のグループの電子モジュールを選択することと、第3のグループの電子モジュールを第3のウェハに取り付けることと、第3の冷却システムと第3のグループの電子モジュールとの間に第3の熱界面材料が配置されるように、第3の冷却システムと第3のグループの電子モジュールとを結合することとをさらに含む。
【0023】
一実施形態では、第1のグループの電子モジュールを第1のウェハに取り付けることは、第1のグループの電子モジュールのうちの第1のサブグループを第1のウェハの中央領域内に取り付けることと、第1のグループの電子モジュールのうちの第2のサブグループを中央領域の周りにある第1のウェハの縁部領域内に取り付けることとを含む。第1のサブグループの電子モジュールの平均高さは、第2のサブグループの電子モジュールの第2のサブグループの平均高さよりも大きい。ウェハは、縁部領域が中央領域よりも小さい距離だけ冷却システムから離れるように湾曲されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
次に、限定ではなく例として提供される添付図面を参照して、特定の実施形態を説明する。
【0025】
【
図1】冷却システムをSoW上のVRMと結合する前の、システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリの概略側断面図である。
【0026】
【
図2】冷却システムをVRMと結合した後の、
図1のSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0027】
【
図3】一実施形態によるSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0028】
【
図4A】一実施形態による、冷却システムをSoW上の第1のグループのVRMと結合する前の、SoWアセンブリの概略側断面図である。
【0029】
【
図4B】別の実施形態による、冷却システムをSoW上の第2のグループのVRMと結合する前の、SoWアセンブリの概略側断面図である。
【0030】
【
図4C】冷却システムをSoW上の第1のグループのVRMと結合した後の、
図4AのSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0031】
【
図4D】冷却システムをSoW上の第2のグループのVRMと結合した後の、
図4BのSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0032】
【
図5A】一実施形態による、高さ調整構造を薄くする前の、高さ調整構造を有するSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0033】
【
図5B】高さ調整構造を薄くした後で、冷却システムをSoW上のVRMと結合する前の、
図5AのSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0034】
【
図5C】冷却システムをSoW上のVRMと結合した後の、
図5BのSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0035】
【
図6A】一実施形態による、冷却システムをSoW上のVRMと結合する前の、高さ調整構造を有する冷却システムを含むSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0036】
【
図6B】冷却システムをSoW上の第1のグループのVRMと結合した後の、
図6AのSoWアセンブリの概略側断面図である。
【0037】
【
図7A】SoWアセンブリの概略側断面図と、SoWアセンブリに関連する測定結果を示すグラフとを示す。
【0038】
【
図7B】一実施形態によるSoWアセンブリの概略側断面図と、SoWアセンブリに関連する測定結果を示すグラフとを示す。
【0039】
【
図8】様々なサイズとされた熱界面材料(TIM)層によってSoW上のVRMと結合された冷却システムを含むSoWアセンブリの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、具体的な実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載される革新的技術は、例えば、特許請求の範囲によって定義され包含されるような多数の様々な態様で実施することができる。この説明では図面を参照するが、図面において、同様の参照番号および/または用語は同一または機能的に同様の要素を示すことができる。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組合せを組み込むことができる。
【0041】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリは、SoWと、SoWに結合された冷却システムとを含むことができる。SoWは、集積回路ダイのアレイを含むことができる。SoWは外からの力に敏感であり得る。SoWおよび放熱構造は、それらの間に配置された電圧調整モジュール(VRM)などの電子モジュールのアレイを含むことができる。熱界面材料(TIM)は、VRMと放熱構造との間に配置され得る。SoWと放熱構造とを結合するために圧力を加えることができる。VRMが様々な高さを有する場合、不均一なTIM圧縮は、SoWに不均一な力を与える可能性があり、SoWを損傷させるおそれがある。特定のVRMは、高さに比較的大きな差異がある。そのようなVRMに関連する不均一なTIM圧縮を低減または排除することにより、ウェハの応力および歪みのおそれを低減することができる。
【0042】
本明細書に開示される実施形態は、複数のVRM間の高低差を補償するSoWアセンブリ、そうでなければ高低差を考慮するSoWアセンブリ、およびその製造方法に関する。そのような実施形態は、組立て中に加えられる不均一な圧力に起因してSoWアセンブリ内の敏感な要素(例えば、SoW)が損傷するおそれを防止および/または緩和することができる。本明細書で開示される特定の実施形態は、SoWと、放熱構造と、TIMと、高さ調整構造とを含むSoWアセンブリに関する。高さ調整構造は、電子モジュール上にまたは電子モジュールと共に含まれ得る。代替的または追加的に、高さ調整構造は、冷却システム上にまたは冷却システムと共に含まれ得る。高さ調整構造は、VRMなどの電子モジュール間の高低差を補償することができる。本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、SoWがSoW上の不均一な圧力から損傷するおそれを低減するように配置された様々な高さを有する複数のVRMを含むSoWアセンブリに関する。本明細書に開示される特定の実施形態は、SoWに加えられる不均一な圧力を低減するために、それぞれが特定の範囲内の対応する高さを有するVRMを含むSoWアセンブリを製造する方法に関する。そのような方法は、高さによってVRMをグループ分け(binning)することと、VRMの高さに対応する様々な締結具高さを有する締結具を有する様々なSoWアセンブリにおいて様々なグループのVRMを使用することとを含むことができる。
【0043】
図1は、冷却システム18をSoW14上のVRM16と結合する前のシステム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリ1の概略側断面図である。
図2は、冷却システム18をVRM16と結合した後のSoWアセンブリ1の概略側断面図である。
図1および
図2に示すように、SoWアセンブリ1は、放熱構造12、SoW14、VRM16、冷却システム18、TIM20、およびTIM22を含む。
【0044】
SoWアセンブリ1は、冷却システム18とVRM16との間にTIM20を含む。TIM20は、冷却システム18とVRM16との間の熱伝導率を向上させることができる。TIM20は、冷却システム18とVRM16との間に接着性を与えることができる。
図1に示すように、TIM20には冷却システム18を設けることができる。
【0045】
SoW14および放熱構造12は、
図2に示すように互いに結合され得る。TIM22は、放熱構造12とSoW14との間に設けられ得る。放熱構造12は、SoW14から熱を放散することができる。放熱構造12は、ヒートスプレッダを含むことができる。そのようなヒートスプレッダは、金属プレートを含むことができる。代替的または追加的に、放熱構造12はヒートシンクを含むことができる。放熱構造12は、銅および/またはアルミニウムなどの金属を含むことができる。
【0046】
SoW14は、集積回路(IC)ダイのアレイを含むことができる。ICダイは、成形材料に埋め込まれ得る。ICダイは、シリコンダイなどの半導体ダイであってもよい。ICダイのアレイは、任意の適切な数のICダイを含むことができる。例えば、ICダイのアレイは、16個のICダイ、25個のICダイ、36個のICダイ、又は49個のICダイを含むことができる。SoW14は、例えば、統合ファンアウト(InFO:Integrated Fan-Out)ウェハとすることができる。InFOウェハは、ICダイのアレイ上に複数のルーティング層を含むことができる。例えば、InFOウェハは、特定の用途において4、5、6、8、または10のルーティング層を含むことができる。InFOウェハのルーティング層は、ICダイ間の信号接続および/または外部構成要素への信号接続をもたらすことができる。
【0047】
VRM16は、各VRMがSoW14のICダイと積層されるように配置され得る。特定の用途では、VRM16はかなりの電力を消費する可能性がある。VRM16は、直流(DC)供給電圧を受け取り、より低い出力電圧をSoW14の対応するICダイに供給するように構成され得る。
【0048】
VRM16はそれぞれある高さを有し得る。例えば、VRM16aは高さh1aを有し、VRM16bは高さh1bを有する。VRM16は、例えば製造上の公差のために様々な高さを有する可能性がある。VRM16間の平均高低差は、約+/-300ミクロンであり得る。VRM16間の平均差は、最も高いVRM16aの高さの約8%~12%の範囲内など、SoWアセンブリ1内のVRM16の最も高いVRM16aの高さの約+/-10%であり得る。冷却システム18、VRM16、およびSoW14を共に結合する前に、各VRM16のTIM20は、同一またはほぼ同等の高さh2を有し得る。冷却システム18およびSoW14が一緒にされると、VRM16のうちの最も高いVRM16aが最初に、対応するTIM20aと接し、VRM16のうちの最も低いVRM16bが最後に、対応するTIM20bと接し得る。冷却システム18がSoW14に対して圧縮されてVRM16とTIM20との間を接触させると、VRM16のうちの最も高いTIM16aにおけるTIM 20aは、増大した圧縮力を受ける。圧縮力は、VRM16を介してSoW14に伝えられ、これは、SoW14を損傷するおそれがある不均一な圧力をSoWに加え得る。場合によっては、最も高いVRM16aに接するSoWの部分は、最も高いVRM16aに接するSoWの部分が損傷を受けるおそれがあるように、最も低いVRM16bに接するSoWの部分よりも著しく高い圧縮力を受ける可能性がある。場合によっては、SoW14および冷却システム18が互いに結合された後、TIM20aはTIM20bよりも高い密度を有する可能性があり、および/またはTIM20aはTIM20bの設置面積よりも大きい設置面積を有する可能性がある。
【0049】
図1および
図2に示すように、SoW14は、反った形状または湾曲した形状を有することができる。このような湾曲により、SoW14の外縁部は、SoW14の中央部よりも放熱構造12から遠くに配置される。したがって、VRM16が同一の高さを有するとき、VRM16のうちのあるVRMの上面は、VRM16のうちの別のVRMの上面より下にあることがあり、結合プロセス中、VRM16のうちの1つまたは複数は、VRM16の残りのものの前にTIM20のうちの対応する1つまたは複数と接することがある。冷却システム18がSoW14に押し付けられてVRM16とTIM20との間を接触させると、上面が他のVRMの上にあるVRMは、圧縮力の増加を受ける可能性がある。圧縮力は、VRM16を介してSoW14に伝えられ、SoW14を損傷するおそれがある。言い換えるならば、冷却システム18をSoW14上のVRM16と結合するための結合プロセス中、VRM16間の高低差は、SoW14への圧縮力の不均一な分布を引き起こし、SoW14を損傷させるおそれがある。
【0050】
冷却システム18は、任意の適切な放熱構造を含むことができる。冷却システム18は、VRM16に能動冷却をもたらすことができる。能動冷却は、冷却システム18を通って流れる液体冷却剤などの冷却剤を含むことができる。冷却システム18は、熱伝達流体が流れるための流路を有する金属を含むことができる。一例として、冷却システム18は、銅などの機械加工された金属を含むことができる。冷却システム18は、高い冷却効率のために、1つまたは複数のろう付けフィンアレイを含むことができる。完全に組み立てられたSoWアセンブリ1では、冷却システム18を放熱構造12にボルト止めすることができる。冷却システム18および放熱構造12をボルト止めすることにより、SoW14の構造的支持を提供することができ、および/またはSoW14が破損するおそれを低減することができる。
【0051】
図3は、一実施形態によるシステム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリ3の概略側断面図である。この実施形態では、互いに同等の高さを有するVRM16がSoWアセンブリ3で使用されるように、VRMがグループ分けされている。より高いVRMは、SoW14の湾曲を考慮してSoW14の中央領域30に配置されている。特に明記しない限り、
図3のSoWアセンブリ3の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
【0052】
SoWアセンブリ3は、放熱構造12と、放熱構造12の上に配置されたSoW14とを含むことができる。放熱構造12およびSoW14は、それらの間にTIM22を有することができる。SoWアセンブリ3は、SoW14の上に配置されたVRM16と、VRM16の上に配置された冷却システム18とを含むことができる。VRM16および冷却システム18は、それらの間にTIM20を有することができる。
【0053】
より高いVRMがSoW14の中央領域30の近くに配置され、より低いVRMがSoW14の縁部領域32の近くに配置されて、SoW14の反った形状または湾曲形状を補償するように、VRM16は、選択され、SoW14上に配置される。破線で
図3に示すように、VRM16の上面は、互いに対して同一またはほぼ同等の高さにある。したがって、冷却システム18とSoW14とを互いに結合するために力が加えられると、VRM16の各々および対応する各TIM20にほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力を加えることができる。そのようなほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力は、冷却システム18をSoW14に結合することに起因するSoW14が損傷するおそれを軽減することができる。図示実施形態では、VRM16はSoW14上に配置されているが、VRM16は、SoW14以外の任意の適切な支持体またはウェハ上に配置することができる。
【0054】
図4Aは、一実施形態による、冷却システム18をSoW14上の第1のグループのVRM36と結合する前のSoWアセンブリ4の概略側断面図である。
図4Bは、一実施形態による、冷却システム18をSoW14上の第2のグループのVRM38と結合する前のSoWアセンブリ5の概略側断面図である。
図4Cは、冷却システム18をSoW14上の第1のグループのVRM36と結合した後のSoWアセンブリ4の概略側断面図である。
図4Dは、冷却システム18をSoW14上の第2のグループのVRM38と結合した後のSoWアセンブリ5の概略側断面図である。
図4A~
図4Dは、高さの差異があるVRMが高さによってグループ分けされ得ることを示す。この後、様々なグループは、色々なサイズとされた締結具を有する様々なSoWアセンブリで使用され得る。このようなグループ分けにより、特定のSoWアセンブリのVRMの高さの差異は、様々なSoWアセンブリのすべてのVRMの最大差異よりも大幅に小さくなり得る。
図4A~
図4Bは、高さによってグループ分けされたVRMの2つの異なるグループに関連付けられたSoWを示しているが、各SoWアセンブリにおけるVRMのグループの高さの差異を低減するために、VRMを任意の適切な数にグループ分けすることもできる。特に明記しない限り、
図4A~
図4DのSoWアセンブリ4、5の構成要素は、本明細書に開示された任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
【0055】
SoWアセンブリ4およびSoW5は各々、放熱構造12と、放熱構造12の上に配置されたSoW14とを含むことができる。放熱構造12とSoW14との間には、TIM22が介在され得る。SoWアセンブリ4は、SoW14の上に配置された第1のグループのVRM36と、第1のグループのVRM36の上に配置された冷却システム18とを含むことができる。TIM20は、第1のグループのVRM36と冷却システム18との間に配置され得る。SoWアセンブリ5は、SoW14の上に配置された第2のグループのVRM38と、第2のグループのVRM38の上に配置された冷却システム18とを含むことができる。TIM20は、第2のグループのVRM38と冷却システム18との間に配置され得る。
【0056】
VRMは、VRMの高さに基づいて、第1のグループのVRM36および第2のグループのVRM38にグループ分けすることができる。第1のグループのVRM36および第2のグループのVRM38は、第1のグループのVRM36および第2のグループのVRM38の各々が複数のVRM間の高低差または公差よりも小さい高低差または公差を有するように、複数のVRMから選択することができる。いくつかの実施形態では、3つ以上のグループのVRMを複数のVRMから選択することができる。例えば、第3のグループのVRMから第nのグループのVRMも選択することができる。ここで、nは4以上の整数である。
【0057】
いくつかの実施形態では、複数のVRMはxの平均高低差を有することができ、複数のVRMからn個のVRMグループを選択することができる。そのような実施形態では、VRMのn個のグループにおける各グループは、約x/n未満の平均VRM高低差を有する可能性がある。例えば、2つにグループ分けされた複数のVRMでは、各グループ間の高低差は、複数のVRMの高低差の約1/2未満であり得る。別の例として、3つにグループ分けされた複数のVRMでは、各グループ間の高低差は、複数のVRMの高さの差の約1/3未満であり得る。
【0058】
一例として、VRMの高さは約20%変化し得る。VRMのN個のグループでは、個々のグループのVRM間の高さの差異は20%/N以内であり得る。例えば、VRMの2つのグループでは、各グループは、VRMの高さの約10%以内の高さの差異を有し得る。別の例として、VRMの4つのグループでは、各グループは、VRMの高さの約5%以内の高さの差異を有し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、複数のVRMの各VRMの高さを測定することができ、複数のVRMのうちの最も高いものからの第1の数のVRMを第1のグループのVRM36として選択することができ、複数のVRMのうちの最も低いものからの第2の数のVRM38を第2のグループのVRM38として選択することができる。VRMの製造中にVRMの高低差が生じる可能性がある。各VRMは、受動部品層を有する受動部分と、2つ以上の能動部品層を有する能動部分とを含むことができる。受動部分および能動部分は両方とも製造上の公差を有し得る。これらの製造上の公差は付加的なものであり得る。
【0060】
図4Aおよび
図4Bに示すように、第1のグループのVRM36間の高低差および第2のグループのVRM38間の高低差は比較的小さくすることができる。第1のグループのVRM36間の平均高低差および第2のグループのVRM38間の平均高低差は、第1および第2のグループのVRM36、38の両方を含むよりも大きなグループの平均高低差よりも小さくすることができる。いくつかの実施形態では、第1のグループのVRM36間の平均高低差および第2のグループのVRM38間の平均高低差は、第1および第2のグループのVRM36、38の両方を含むグループにおける平均高低差の約半分とすることができる。いくつかの実施形態では、第1のグループのVRM36の平均高さ公差および第2のグループのVRM38の平均高さ公差は、冷却システム18を第1および第2のグループのVRM36、38と結合するために加えられる圧縮力に少なくとも部分的に基づいて決定される特定の値の範囲内とすることができる。
【0061】
放熱構造12、SoW14、および冷却システム18は、締結具40、41によって互いに結合することができる。いくつかの実施形態では、締結具40、41は、段付きボルトなどのボルトを含むことができる。締結具40、41は、放熱構造12の一部分および冷却システム18の一部分を通って延びることができる。SoWアセンブリ4における放熱構造12と冷却システム18との間の間隔は、SoWアセンブリ5における放熱構造12と冷却システム18との間の間隔よりも大きくすることができる。SoWアセンブリ4の締結具40は、SoWアセンブリ5の締結具41よりも長くすることができる。より長い締結具40は、より高いVRM36を受け入れることができる。一方、より短い締結具41は、より低いVRM38を受け入れることができる。
【0062】
本明細書に開示されるSoWアセンブリの様々な実施形態は、高さ調整構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、高さ調整構造は、冷却システムとSoWとの間に配置されたクラウン(
図5A~
図5Cを参照)と、冷却システムから延び冷却システムとSoWとの間に配置された突出部(
図6Aおよび
図6Bを参照)と、冷却システムとSoWとの間に配置され、別のTIMとは異なる厚さを有するTIMの少なくとも一部分(
図8を参照)とであるとすることができる。高さ調整構造は、第1のVRMと第2のVRMとの間の高低差を補償することができる。クラウンは、第1のVRM上に配置することができる。第1のVRMおよびクラウンの合計高さは、第2のVRMと同一または同等である(または第2のVRMおよび第2のVRM上の別のクラウンの合計高さ)。突出部は、冷却システムから延び、第1のVRMと冷却システムとの間に配置することができる。第1のVRMおよび突出部の全高は、第2のVRM(または第2のVRMおよび別の突出部の全高)と同一または同等であり得る。クラウンおよび/または突出部は、SoWアセンブリ内の様々なTIM間の厚さの差を減じることができる。高さ調整構造は、冷却システムとSoWとを互いに結合するために力が加えられたときに、ほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力を、VRMの各々およびSoWアセンブリ内の対応するTIMに加えることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、高さ調整構造は、VRMと冷却システムとの間に配置されたTIMが同一または同等の設置面積を有することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、高さ調整構造は、SoW14と冷却システム18とを結合するプロセス中のTIMの設置面積の過度の増加を防止または緩和することができる。
【0063】
図5Aは、別の実施形態による、高さ調整構造50を薄くする前の高さ調整構造50(例えば、クラウン)を有するSoWアセンブリ6の概略側断面図である。
図5Bは、高さ調整構造50を薄くした後、冷却システム18をSoW14上のVRM16と結合する前のSoWアセンブリ6の概略側断面図である。
図5Cは、冷却システム18をSoW14上のVRM36と結合した後のSoWアセンブリ6の概略側断面図である。
図5A~
図5Cは、VRMの高さの差異を補償するために高さ調整構造50がVRM16に追加された実施形態の特徴を示す。特に明記しない限り、
図5A~
図5CのSoWアセンブリ6の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
【0064】
SoWアセンブリ6は、放熱構造12と、放熱構造12の上に配置されたSoW14とを含むことができる。放熱構造12およびSoW14は、それらの間に配置されたTIM22を有することができる。SoWアセンブリ6は、SoW14の上に配置されたVRM16と、VRM16の上に配置された冷却システム18とを含むことができる。VRM16および冷却システム18は、それらの間に配置されたTIM20を有することができる。高さ調整構造50は、冷却システム18とSoW14との間に配置され得る。高さ調整構造50は、VRM16間の高低差を補償することができる。高さ調整構造50により、冷却システム18とSoW14とを結合する際に、より均一な力が加えられ得る。高さ調整構造50は、製造中の圧縮力を等しくすることにより、様々なVRM16と冷却システム18との間のTIM20間の厚さの違いを減じることができる。
【0065】
高さ調整構造50は、図示実施形態では、VRM16の第1~第5のVRM16a~16e上にそれぞれ配置された第1~第5のクラウン50a~50eを備えることができる。しかしながら、高さ調整構造50は、VRM16の下、TIM20と冷却システム18との間、または任意の他の適切な位置に配置され得る。高さ調整構造50は、比較的高い熱伝導率を有する材料を含むことができる。例えば、高さ調整構造50は、特定の用途においてTIM20と同一またはほぼ同等の熱伝導率を有することができる。高さ調整構造50の材料は、TIM20の材料と異なっていてもよい。VRM16の機能回路素子上の非機能構造は、非機能構造が機能回路素子と一体化されているか、または機能回路素子から分離されているかにかかわらず、クラウンと称され得る。
【0066】
図5Aにおいて、第1~第5のクラウン50a~50eは、異なる高さを有する第1~第5のVRM16a~16eの上に設けることができる。
図5Aの第1~第5のクラウン50a~50eは同一またはほぼ同等の高さを有するので、第1のクラウン50aおよび第1のVRM16a、第2のクラウン50bおよび第2のVRM16b、第3のクラウン50cおよび第2のVRM16c、第4のクラウン50dおよび第4のVRM16d、ならびに第5のクラウン50eおよび第5のVRM16eの全高は異なり得る。
【0067】
図5Bにおいて、第1のクラウン50aおよび第1のVRM16a、第2のクラウン50bおよび第2のVRM16b、第3のクラウン50cおよび第2のVRM16c、第4のクラウン50dおよび第4のVRM16d、ならびに第5のクラウン50eおよび第5のVRM16eの全高を互いに同一またはほぼ同一にするために、第1のクラウン50a~第5のクラウン50eの一部分が除去され得る。第1~第5のクラウン50a~50eの一部分を除去した後、第1~第5のクラウン50a~50eの上面の相対的な高さは、同一またはほぼ同等であり得る。言い換えるならば、高さ調整構造50は、冷却システム18と高さ調整構造50との間のTIM20についての間隔にほぼ一致するように、少なくともVRM高低差を補償することができる。高さ調整構造50はまた、SoW14の湾曲を考慮することができる。
【0068】
冷却システム18は、
図5Cに示すように、SoW14上のVRM36と結合され得る。SoWアセンブリ6の冷却システム18と放熱構造12とが互いに結合されるように統合されると、第1~第5のVRM16a~16e、第1~第5のクラウン50a~50e、および各対応するTIM20のそれぞれに、ほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力が加えられ得る。そのようなほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力は、冷却システム18をSoW14に結合することからSoW14が損傷するおそれを軽減することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、高さ調整構造50は、第1~第5のVRM16a~16eの最も高いVRM(複数可)のうちの1つまたは複数から省略することができる。いくつかの実施形態では、第1~第5のクラウン50a~50eの高さは、第1~第5のVRM16a~16eの高さの間の高低差に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。例えば、VRMの上に配置されたクラウンの高さは、少なくとも最も高いVRMの高さとVRMの高さとの間の差とすることができる。クラウンの高さを決定するときに、SoW14のウェハの反りまたは湾曲も考慮に入れることができる。
【0070】
図6Aは、一実施形態による、冷却システム18aをSoW14上のVRM16と結合する前の高さ調整構造60を有する冷却システム18aを含むSoWアセンブリ7の概略側断面図である。
図6Bは、冷却システム18aをSoW14上の第1のグループのVRM36と結合した後のSoWアセンブリ7の概略側断面図である。
図6Aおよび
図6Bは、高さ調整構造60が冷却システム18aから延びてVRM16の高さの差異を補償する実施形態の特徴を示す。特に明記しない限り、
図6Aおよび
図6BのSoWアセンブリ7の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
【0071】
SoWアセンブリ7は、放熱構造12と、放熱構造12の上に配置されたSoW14とを含むことができる。放熱構造12およびSoW14は、それらの間に配置されたTIM22を有することができる。SoWアセンブリ7は、SoW14の上に配置されたVRM16と、VRM16の上に配置された冷却システム18aとを含むことができる。VRM16および冷却システム18aは、それらの間に配置されたTIM20を有することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、
図6Aおよび
図6Bに示すように、冷却システム18aは、高さ調整構造60を備えることができる。高さ調整構造60は、図示実施形態では、冷却システム18aの平坦部分62から延びる第1~第5の突出部60a~60eを含むことができる。突起60a~60eは、台座と称され得る。いくつかの他の実施形態では、高さ調整構造60は、冷却システム18aとは別個に形成され得る。いくつかの実施形態では、高さ調整構造60は、冷却システム18aの平坦部分62に形成されたトレンチまたは溝を備えることができる。いくつかの実施形態では、高さ調整構造60は、1つまたは複数の突出部と1つまたは複数のトレンチとの組合せを備えることができる。
【0073】
SoWアセンブリ7では、VRM16は様々な高さを有し得る。冷却システム18aをSoW14上のVRM16と結合するための結合プロセス中、冷却システム18aの高さ調整構造60は、VRMの高低差を補償して、SoW14に加えられる圧縮力の分布をより均一にすることができる。これにより、結合プロセス中にSoW14を損傷するおそれを低減することができる。さらに、これは、様々なVRM16と冷却システム18との間のTIM20間の厚さの差を低減することができる。
【0074】
SoWアセンブリ7の冷却システム18aと放熱構造12とが互いに結合されるように統合されると、第1~第5のVRM16a~16e、第1~第5の突出部60a~60e、および各対応するTIM20のそれぞれに、ほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力が加えられ得る。そのようなほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力は、SoW14が損傷するおそれを軽減することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、高さ調整構造60の突出部は、第1~第5のVRM16a~16eの最も高いVRM(複数可)のうちの1つまたは複数に隣接して省略することができる。いくつかの実施形態では、第1~第5の突出部60a~60eの高さは、第1~第5のVRM16a~16eの高さの間の高低差に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、SoW14と冷却システム18、18aとの間のVRMについて、2つ以上の別個の高さ調整構造が設けられ得る。例えば、高さ調整構造60と高さ調整構造50との組合せはSoWアセンブリに含められ得る。
【0076】
図7Aは、SoWアセンブリ8の概略側断面図である。SoWアセンブリ8は、ウェハ84、ウェハ84上に配置された第1~第4のVRM86a~86d、冷却システム88、および第1~第4のVRM86a~86dと冷却システム88との間に配置された第1~第4のTIM20a~20dを含む。
図7Aはまた、ウェハ84と冷却システム88との間で測定された圧縮圧力をx軸上に示し、抵抗をy軸上に示すグラフと、冷却システム88に加えられる力をx軸上に示し、ウェハ84と冷却システム88との間で測定された圧縮圧力をy軸上に示すグラフとを含む。
【0077】
図7Bは、一実施形態によるSoWアセンブリ7´の概略側断面図である。SoWアセンブリ7´は、ウェハ84、ウェハ84上に配置された第1~第4のVRM86a~86d、冷却システム18a´、および第1~第4のVRM86a~86dと冷却システム18a´との間に配置された第1~第4のTIM20a~20dを含む。冷却システム18a´は、高さ調整構造60´を含むことができる。高さ調整構造60´は、冷却システム18´の平坦部分62´から突出する第1~第3の突出部60a´~60c´を含むことができる。特に明記しない限り、
図7BのSoWアセンブリ7´の構成要素は、本明細書に開示される任意のSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
図7Bはまた、ウェハ84と冷却システム18a´との間で測定された圧縮圧力をx軸上に示し、抵抗をy軸上に示すグラフと、冷却システム18a´に加えられる力をx軸上に示し、ウェハ84と冷却システム18a´との間で測定された圧縮圧力をy軸上に示すグラフとを含む。
【0078】
図7Aに示すSoWアセンブリ8では、第3のTIM20cが受ける圧縮圧力は、第2のTIM20bが受ける圧縮圧力よりも著しく高い。これらの2つのTIM20b、20cで測定された異なる圧縮圧力は、冷却システム88と第2のVRM86bとの間、および冷却システム88と第3のVRM86cとの間の間隔の差に起因し得る。対照的に、SoWアセンブリ7´では、第3のTIM20cが受ける圧縮圧力と第2のTIM20bが受ける圧縮圧力とはほぼ同等である。第2の突出部60b´は、第3のTIM20cが受ける圧縮圧力と第2のTIM20bが受ける圧縮圧力とをほぼ同等にするのに寄与していることが分かる。本明細書に開示されている任意の適切な原理および利点を利用することによって、ウェハ上の各VRMにおけるTIMの間隔を同一またはほぼ同等にすることによって、VRMを介してウェハに加えられる力は差異がより少なくなり、より均一に分散されて、ウェハが損傷するのを防止または緩和することができる。
【0079】
図8は、様々なサイズとされたTIM層20´によってSoW14上のVRM16a~16eと結合された冷却システム18を含むSoWアセンブリ9の概略側断面図である。様々なサイズとされたTIM層20´は、VRMの高さの差異を補償するために様々な厚さを有することができる。様々なサイズとされたTIM層20´は、第1~第5のTIM層20´a~20´eを含むことができる。特に明記しない限り、
図8のSoWアセンブリ9の構成要素は、本明細書に開示される任意の他の適切なSoWアセンブリの同様の構成要素と同一またはほぼ同等であり得る。
【0080】
様々なサイズとされたTIM層20´(第1~第5のTIM層20´a~20´e)は、様々な高さを有し、高さ調整構造として機能する第1~第5のVRM16a~16eの上に設けられ得る。例えば、より薄いTIM層には、VRM16a~16eの中でより厚いVRMを設けることができ、より厚いTIM層には、VRM16a~16eの中でより薄いVRMを設けることができる。これにより、第1~第5のVRM16a~16eおよびそれぞれの第1~第5のTIM層20´a~20´eの全厚を同一またはほぼ同等に調整することができる。より厚いTIMの部分は、VRM高低差を補償する高さ調整構造とすることができる。いくつかの実施形態では、第1~第5のTIM層20´a~20´eのうちの1つまたは複数は、別個の部分を有することができる。例えば、第1のTIM層20´aは、介在層(図示せず)によって介在され得る2つ以上の部分を有することができる。複数の部分の厚さの合計は、第1のTIM層20´aの厚さを定めることができる。
【0081】
SoWアセンブリ9の放熱構造12および冷却システム18が互いに結合されるように統合されると、第1~第5のVRM16a~16eの各々および様々なサイズとされたTIM層20´の各々にほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力が加えられ得る。そのようなほぼ均一な圧縮力、同一の圧縮力、またはほぼ同一の圧縮力は、冷却システム18をSoW14に結合することからSoW14が損傷するおそれを軽減することができる。SoW14および冷却システム18が互いに結合された後、様々なサイズとされたTIM層20´は、同一またはほぼ同等の密度、および/または設置面積を有することができる。
【0082】
本明細書に開示される任意の適切な原理および利点は、ウェハレベルパッケージングおよび/または高密度マルチダイパッケージングに適用可能であり得る。本明細書に開示される実施形態は、例としてVRMを使用したが、任意の適切な電気モジュール、構成要素、ダイ、チップなどをウェハに実装し、本明細書に開示される任意の適切な原理および利点を利用することができる。本明細書に開示される2つ以上の実施形態の特徴の任意の適切な組合せを実施することができる。例えば、SoWモジュールは、
図3に関して説明した選択および取付機能、
図4A~
図4Dに関して説明したグループ分け機能、
図5A~
図5Cに関して説明した高さ調整機能、または
図6A~
図6Bに関して説明した高さ調整機能の任意の適切な組合せを有することができる。
【0083】
本明細書に開示されるSoWアセンブリは、処理システムに含まれ得る。ウェハに加えられる不均一な圧力を低減するための技術のいずれかなどの本開示の特徴は、任意の適切な処理システムで実施され得る。処理システムは、高い演算密度を有することができ、処理システムによって生成された熱を放散することができる。処理システムは、特定の用途において毎秒数兆回の動作を実行することができる。処理システムは、ニューラルネットワークトレーニングおよび/または処理、機械学習、人工知能などの高性能コンピューティングおよび/または計算集約的な用途に使用および/または具体的に構成することができる。処理システムは、冗長性を実現することができる。いくつかの用途では、処理システムは、車両(例えば、自動車)、他の自律型車両機能、または先進運転支援システム(ADAS)機能のためのオートパイロットシステムのデータを生成するためのニューラルネットワークトレーニングに使用することができる。
【0084】
文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える、含む(comprise)」、「備えている、含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「限定されないが、含んでいる」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合され(coupled)」という語は、直接接続されるか、または1つまたは複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続され(connected)」という語は、直接接続されているか、または1つまたは複数の中間要素によって接続されている2つ以上の要素を指す。さらに、「本明細書」、「上記」、「以下」という語、および同様の意味の語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数字を使用する上記の詳細な説明の語はまた、それぞれ複数または単数を含むことができる。2つ以上の項目のリストに関連する「または」という語は、その語の以下の解釈のすべて、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組合せを網羅するものである。
【0085】
さらに、本明細書で使用される条件付き文言、特に、「できる、得る(can)」、「できた(could)」、「してもよい、かもしれない(might)」、「かもしれない、してもよい(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など、のような(such as)」などは、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されていない限り、一般に、他の実施形態は含まない一方、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/または状態を含むことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き文言は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされることを暗示することを意図するものではない。
【0086】
上記の説明は、特定の実施形態を参照して説明されたものである。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、または本発明を記載された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0087】
本開示および例を添付図面を参照して説明したが、様々な変更および修正が当業者には明らかになるであろう。そのような変更および修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【国際調査報告】