(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】水をリサイクルするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20240705BHJP
B01D 61/08 20060101ALI20240705BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20240705BHJP
B01D 61/12 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C02F1/44 D
B01D61/08
B01D61/58
B01D61/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500418
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022036560
(87)【国際公開番号】W WO2023283450
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520346918
【氏名又は名称】リニュー ヘルス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タリー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】デュピュイ,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006HA91
4D006JA14A
4D006JA18A
4D006JA25A
4D006JA53Z
4D006JA57A
4D006JA63Z
4D006KA16
4D006KA31
4D006KA67
4D006KB30
4D006KE12P
4D006KE14P
4D006KE22Q
4D006KE24Q
4D006KE30P
4D006PB06
(57)【要約】
【課題】本開示は、水処理を最適化するために水をリサイクルするためのシステム及び方法に関する。
【解決手段】システム及び方法は、一般的に、逆浸透構成要素を有する水処理システムなどの、濃縮物画分が生成される水処理に適用可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成水の収量を増加させる方法であって、
a.少なくとも1つの水処理システムの少なくとも1つの入口へと供給水を流れ込ませることであって、前記少なくとも1つの水処理システムが、供給水を生成水及び濃縮物に分離するための逆浸透構成要素を有する、流れ込ませること、
b.前記少なくとも1つの水処理システムによって生成された前記濃縮物の少なくとも一部分を供給水と混合すること、
c.供給水及び濃縮物の前記混合物を前記少なくとも1つの水処理システムの少なくとも1つの入口へと流すこと、を含む、方法。
【請求項2】
供給水が単一の水処理システムへと流れ込まされ、前記単一の水処理システムからの濃縮物が、供給水の一部分と混合されて、前記単一の水処理システムの前記少なくとも1つの入口へと流される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
外部コントローラが、前記少なくとも2つの水処理システムの前記少なくとも1つの入口へと流される濃縮物及び供給水の前記流れを調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つの水処理システムを備え、前記少なくとも2つの水処理システムが、入力水の流れに関して並列につながれている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
逆浸透のための水をリサイクルする方法であって、
a.少なくとも2つの流体的につながれた水処理システムのアセンブリを提供することであって、
前記水処理システムの各々が、逆浸透構成要素を有し、
前記アセンブリが、入力水ラインと、生成水ラインと、濃縮物ラインと、を有し、前記入力水ライン、前記生成水ライン、及び濃縮物ラインが、前記少なくとも2つの水処理システムを流体的につなぎ、
前記濃縮物ラインが、前記水処理システムのうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つの濃縮物弁を有する、提供すること、
b.供給水を、前記入力水ラインを通して、前記少なくとも2つの水処理システムの各々へと流すことであって、前記少なくとも2つの水処理システムが、濃縮物及び生成水を形成する、流すこと、
c.前記少なくとも1つの濃縮物弁のうちの少なくとも1つの濃縮物弁を閉じることであって、前記濃縮物弁に対応する前記少なくとも水処理システムからの濃縮物が、供給水と混合されるように流れる、閉じること、
d.供給水及び濃縮物の前記混合物を前記入力水ラインへと流すこと、を含む、方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの濃縮物弁を閉じることが、前記濃縮物ラインのセクション内の濃縮物の流れを反転させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1つの濃縮物弁が閉じられている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
1つの水処理システムからの濃縮物が供給水と混合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの処理システムからの濃縮物が供給水と混合される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも3つの処理システムからの濃縮物が供給水と混合される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの濃縮物弁が、手動弁、自動弁、ソレノイド弁、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記アセンブリが少なくとも1つの外部ポンプをさらに備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記アセンブリが、供給水及び濃縮物の前記混合物のTDS含有量を監視するための少なくともセンサをさらに備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの水処理システムが、それらの中に含まれる構成要素に関して同一である、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの水処理システムが、前記アセンブリ内の他のシステムに影響を及ぼすことなく、前記アセンブリから切り離され得る、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
公共水道の水質に関する懸念が高まっている。さらに、公共的供給へのアクセスは、例えば孤立したコミュニティを含む、多くの状況において利用できない。その結果、個人又は企業による水処理システムの使用が増加しており、これらのシステムの最適化が望まれている。例えば、同じ量の源水又は入力水からより多くの清浄水を抽出する方法及びシステムが望まれている。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、逆浸透構成要素を含むシステムなどの、水処理システムによって生成された水をリサイクルするためのシステム及び方法を説明する。好ましい実施例では、本開示のシステム及び方法は、逆浸透処理によって生成された濃縮物画分の少なくとも一部分をリサイクルし、次いで、リサイクルされた濃縮物は、水をさらに処理する水処理システムへと向けられる。濃縮物をリサイクルすることは、例えば必要とされる供給水の量を低減することによって、効率を上昇させ、かつ水処理のコストを削減する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】濃縮物がリサイクルされずに廃棄に送られる、流体的につながれた水処理システムを通る水の流れを示す。
【
図2】濃縮物をリサイクルする一実施例による、流体的につながれた水処理システムを通る水の流れを示す。
【
図3】濃縮物をリサイクルするさらなる実施例による、流体的につながれた水処理システムを通る水の流れを示す。
【
図4】濃縮物をリサイクルするさらなる実施例による、流体的につながれた水処理システムを通る水の流れを示す。
【
図5】アセンブリが5つの流体的につながれた水処理システムを有する、本開示によるアセンブリの1つの図を示す。
【
図6】
図5のアセンブリの構成要素の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書で説明されるシステム及び方法は、それらの用途において、この説明に記載されるか又は図面に例示される構成要素の構造及び構成の詳細に限定されない。また、本明細書で使用される表現及び用語は、単に説明を目的とするものであり、限定するものとみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、及びそれらの変形形態の使用は、その後に列挙される項目、それらの同等物、及び追加の項目、並びにその後に排他的に列挙される項目からなる代替の実施形態を包含することを意図する。
【0005】
本開示は、水処理中に水をリサイクル又は再循環させるためのシステム及び方法に関する。好ましい実施例では、システム及び方法は、リサイクル又は再循環されなければ廃棄に送られる水画分をリサイクル又は再循環させる。結果として、通常は排斥される水画分をリサイクルしない場合と比較して、生成水の収量が増加する。本明細書で開示されるシステム及び方法は、例えば効率を向上させ、かつ総コストを削減することによって、処理水の生成を最適化する。水のリサイクルは、水処理によって生じた水画分に同じ又は類似の水処理法を施して、生成水の収量を向上又は増加させる方法を含む。
【0006】
本開示によれば、供給水は、例えば公共水道などの、水処理を目的とした外部源によってもたらされる。入力水は、水処理システムへと流れ込む水である。いくつかの実施例では、入力水は、排他的に供給水である。例えば、水処理が開始されるときに、供給水だけが入力され得る。他の実施例では、入力水は、供給水と、濃縮物などの他の供給源からの水との混合物であり得る。
【0007】
好ましい実施例では、本開示のリサイクル方法は、一般的に、供給水を生成水画分及び排斥される水画分へと処理する水処理システム及び方法に適用可能である。例えば、供給水が逆浸透構成要素を有する少なくとも1つの水処理システムへと流れ込んだとき、水処理システムは、生成水(又は、透過物)画分及び濃縮物画分を生成するが、濃縮物は、一般的に、入力供給水よりも高い濃度の不純物を有する。濃縮物画分は、しばしば、さらに処理されることなく廃棄へと送られる。
【0008】
本開示によれば、逆浸透処理によって形成された濃縮物の少なくとも一部分がリサイクル又は再循環される。例えば、濃縮物は、濃縮物に水処理システムの構成要素によるさらなる処理を施すように、少なくとも1つの水処理システムの少なくとも1つの入口へと流され得る。
【0009】
好ましい実施例では、濃縮物は、少なくとも1つの水処理システムへと流れ込む前に、非濃縮物水と混合される。特に好ましい実施例では、リサイクル濃縮物画分は、さらなる処理のために少なくとも1つの水処理システムの入口を通して流される前に、供給水と混合される。供給水と濃縮物との混合は、水処理構成要素の仕様を超えないように、濃縮物中に存在し得る不純物の濃度を低減する。例えば、特定の不純物の濃度が高い場合に逆浸透膜の性能を低下させ得るか、又は膜が堆積物で詰まり得る。
【0010】
いくつかの実施例では、濃縮物は、供給水と混合されて、濃縮物画分が最初に形成された同じ水処理システムへと再度流される。例えば、ユーザの家は、逆浸透構成要素を採用した単一の水処理システムを有し得る。供給水は、この単一のシステムへと流れ込み、生成水及び濃縮物を生成し得る。単一のシステムによって生成された濃縮物の一部分は、リサイクルされて、供給水と混合される。供給水と濃縮物との混合物は、単一の水処理システムの入口へと再度流され得る。好ましい実施例では、リサイクルの期間中に濃縮物からより多くの生成水が生成され、かつ入力する必要のある供給水が少なくなるように、濃縮物をリサイクル及び処理する複数のサイクルが存在し得る。
【0011】
いくつかの実施例では、濃縮物は、最初に濃縮物を生成した同じ(第1の)システムへと再度流され得るか、又は第1の浄化システムに流体的につながれた少なくとも1つの水処理システムへと流され得る。いくつかの実施例では、2つ以上の水処理システムからの濃縮物はプールされて少なくとも1つの流体的につながれた水処理システムへと流され得る。本開示によれば、少なくとも1つの水処理システムは、システムへと流れ込む水に関して流体的につながれ得るか、システムから流れ出る水に関して流体的につながれ得るか、又はシステムへと流れ込む、及びシステムから流れ出る、のどちらの水に関しても流体的につながれ得る。例えば、水処理システムは、入力水、生成水、及び濃縮物に関して流体的であり得る。
【0012】
本開示による実施例では、少なくとも2つの水処理システムが流体的につながれているか、又は少なくとも3つのシステムが流体的につながれているか、少なくとも4つのシステムが流体的につながれているか、少なくとも5つのシステムが流体的につながれているか、少なくとも6つのシステムが流体的につながれているか、少なくとも7つのシステムがつながれているか、又は少なくとも8つのシステムが流体的につながれている。本開示によれば、システムは、並列に流体的につながれ得るか、直列に流体的につながれ得るか、又は直列及び並列に流体的につながれ得る。
【0013】
各システムが他のシステムと並列であるとき、水は、ほぼ同時に各システムへと流れ込むか、又はそこから流れ出る。例えば、供給水は、各つながれた水処理システムへと同時に流れ込み得る。水は、水処理システムから並列に流れ出得る。
【0014】
各システムが直列につながれている場合、水は、各システムを通って順次的に流れる。例えば、水が第1の水処理システムへと流れ込み、次いで、第1のシステムで処理された水が第2のシステムに流れ込む。水処理システムが並列及び直列である場合は、いくつかのシステムが、他のシステムに対して並列であり、かつ他のシステムと直列である。例えば、供給水が第1及び第2のシステム内へ同時に流れ込み得、次いで、第1及び第2のシステム両方からの処理水が第3のシステムへと流れ込み得る。この後者の実施例では、第1及び第2のシステムは、互いに並列であり、かつ第3のシステムと直列である。
【0015】
いくつかの実施例では、流体的につながれた水処理システムは、同一ではなくてもよい。例えば、流体的につながれたシステムのうちの少なくとも1つのシステムは、他の流体的につながれた水処理システムと比較して、追加の逆浸透構成要素を有し得る。他の例では、つながれたシステムは、例えば水殺菌構成要素又は水濾過構成要素を含む、水処理のための他の構成要素を含み得る。
【0016】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの水処理システムは、アセンブリを形成する。好ましい実施例では、アセンブリは、少なくとも2つの流体的につながれた水処理システムを備えている。アセンブリはまた、入力水ライン、生成水ライン、又は濃縮物ラインも含み得る。特に好ましい実施例では、アセンブリは、少なくとも2つの流体的につながれた水処理システムと、入力ラインと、生成水ラインと、濃縮物ラインと、を含む。入力水ライン、生成水ライン、及び濃縮物ラインは、少なくとも2つの水処理システムを流体的につなぐ。ラインは、一般的に、精製水に適合する材料、又は高濃度の不純物に適合する材料、又は精製水及び不純物を含む水の両方に適合する材料で作製されたパイプである。好ましい実施例では、パイプは、プラスチックから形成される。
【0017】
入力ラインは、少なくとも2つの流体的につながれた水処理システムに処理される水を運ぶ。入力ラインは、濃縮物がリサイクルされない場合、供給水だけを運び得る。生成水ラインは、少なくとも2つの流体的につながれた水処理システムから生成水を流れ出させる。濃縮物ラインは、少なくとも2つの流体的につながれた水システムから濃縮物を流れ出させる。入力水ライン、生成水ライン、及び濃縮物ラインの各々は、ライン内に設置された少なくとも1つの弁を含み得、この少なくとも1つの弁は、ラインを通る水の流れを制御する。
【0018】
好ましい実施例では、濃縮物ラインは、少なくとも1つの濃縮物弁を含む。好ましい実施例では、アセンブリ内には、各水処理システムに対応する1つの濃縮物弁が存在する。他の実施例では、水処理システムよりも少ない濃縮物弁が存在し得る。
【0019】
濃縮物弁は、その対応する水処理システムからの濃縮物の流れを調節するように濃縮物ライン内に位置決めされている。例えば、第1のシステム及び第2のシステムが流体的につながれ、各々が、対応する第1の濃縮物弁及び第2の濃縮物弁を有する。第1の濃縮物弁が閉じられると、第1のシステムだけからの濃縮物が方向転換され、供給水と混合されて、入力水ラインへと流される。第2の濃縮物弁が閉じられ、かつ第1の濃縮物弁が開かれると、第1及び第2のシステム両方からの濃縮物が方向転換され、供給水と混合されて、入力水ラインへと流される。
【0020】
本開示によれば、少なくとも1つの濃縮物弁を閉じることは、濃縮物の一部分が廃棄へと送られることから方向転換して、その部分が供給水と混合されるように送る。濃縮物ラインにおける閉じた弁の位置決めは、リサイクルされる濃縮物の量を決定する。例えば、1つの濃縮物弁を閉じることは、リサイクルするために1つの水処理システムからの濃縮物を方向転換し得るか、2つの水処理システムからの濃縮物を方向転換し得るか、又は2つを超える水処理システムからの濃縮物を方向転換し得る。その結果、1つの濃縮物弁を閉じることは、1つのシステムに由来する濃縮物が、入力水ラインへと流される前に供給水と混合されることになり得、少なくとも2つのシステムに由来する濃縮物が、入力水ラインへと流される前に供給水と混合されることになり得、少なくとも3つのシステムに由来する濃縮物が、入力水ラインへと流される前に供給水と混合されることになり得る。
【0021】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの濃縮物弁は、手動弁である。いくつかの実施例では、少なくとも1つの弁は、バッテリなどの外部電源を有する。いくつかの実施例では、弁は、自動弁又はソレノイド弁である。
【0022】
好ましい実施例では、流体的につながれた水処理システムは、モジュール様式で配置される。各システムは、他のシステムから独立して生成水及び濃縮物を生成するように動作する。各システムは、他のシステムから独立して水の生成を制御及び調節する。システムは、生成水の要件に適合するようにアセンブリに加えられ得る。さらに、つながれたシステムのうちの少なくとも1つは、メンテナンス又は他の理由でオフラインにされ得るが、他の流体的につながれたシステムが、濃縮物のリサイクルを含む機能を果たし続け得る。
【0023】
本開示によるアセンブリは、少なくとも1つの外部ポンプを含む追加の構成要素を含み得、このポンプは、水処理システムによって取り囲まれていない。アセンブリはまた、供給物と濃縮物との混合物の特性を監視するための、TDSセンサなどの外部センサも含み得る。外部コントローラ及び弁は、アセンブリを通る、例えば水処理システムの入口を通る濃縮物及び供給水の流れを調節するためのものであり得る。例えば、コントローラは、濃縮物のリサイクルを阻止し、供給水だけが処理されることを可能にし得る。
【0024】
本開示のリサイクルシステムの使用及び方法は、源水の最大80%を生成水として出力すること、又は源水の最大85%を生成水として出力すること、又は源水の最大90%を生成水として出力すること、又は源水の最大95%を生成水として出力することを可能にし得る。濃縮物のリサイクルは、各システムの出力される生成水(ガロン/分)などのシステムの性能パラメータを著しく低下させない。
【0025】
実施例
図1~
図4は、濃縮物をリサイクルする実施例における水の流れを示す概略図である。これらの実施例では、異なる水画分の流れが矢印によって示される。4つの同一である流体的につながれた水処理システム(12、14、16、18)のアセンブリが、各システムの蓋を取り外した状態で、上側から示されている。これらの実施例では、各水処理システムは、フィルタ処理構成要素27と、ポンプ33と、逆浸透構成要素27と、方解石添加タンク29と、貯蔵タンク35と、を含む。各システムはまた、入力された水がシステムへと流れ込む入口20と、生成水がシステムから流れ出る生成水出口31と、濃縮物がシステムから流れ出る廃棄物出口32と、を含む。
【0026】
システムは、モジュール様式でつながれる。すなわち、少なくとも1つのシステムは、他のシステムの機能又はつなぎに影響を及ぼすことなく、システムの配置からリンク解除され得るか、又は取り外され得る。例えば、各システムは、残りのシステムを通る水の流れに影響を及ぼすことなくシステムがシャットダウンされ得るようにシステムの性能を監視するコントローラを有する。
【0027】
図1~
図4に示される概略図では、入力水ライン22は、入力水を4つのシステムの各々へと同時に流れ込ませる。この実施例によれば、入力水は、システム12、14、16、18の4つの入口20の各々へとライン22を通過する。システム12、14、16、18は、互いに隣接してアセンブリ内に設置されている。システム12は、アセンブリ内の第1のシステムとして画定され、ライン22、24、及び26の開始点41、39、37の最も近くにある。システム14は第2のシステムであり、システム16は第3のシステムであり、システム18は第4のシステムである。
【0028】
各水処理システムの構成要素による処理の後、生成水は、各システムから生成物ライン24へと流れ、その水は、次いで、貯蔵又は使用のために流され得る。
図1では、各システムからの濃縮物は、濃縮物ライン26へと流れ込み、廃棄物ドレイン28へと送られる。この
図1の実施例では、濃縮物はリサイクルされず、入力水、生成水、及び濃縮物が同じ方向に(
図1左から右へと)流れる。
図1には濃縮物弁が示されていないが、この実施例では、弁が開いているので、全ての濃縮物が廃棄へと流れる。
【0029】
図2では、第1のシステム12によって生成された濃縮物の少なくとも一部分が、システム12、14、16、18へと再度リサイクルされる。濃縮物弁32、34、36は、濃縮物ライン内に位置決めされ、システム12、14、18のための対応する濃縮物弁である。この実施例では、濃縮物弁32、34、36は、濃縮物が各システムから濃縮物ラインへと、次いで、廃棄28へと流れる地点の直下流に位置付けられている。この実施例では、濃縮物ライン26の第1の濃縮物弁32は閉じられており、よって、第1のシステム12によって生成された濃縮物の少なくとも一部分は、廃棄物ドレイン28へと流れない。代わりに、第1のシステム12からの濃縮物は、濃縮物ライン26内を反対方向に流れて、濃縮物ライン26の開始点37へと戻る。すなわち、濃縮物の流れは、濃縮物ラインの開始点と濃縮物弁との間のラインのセクションにおいて反転される。濃縮物は、次いで、混合セクション31へと流れ込み、濃縮物及び供給水が混合されて、入力水ライン22へと流れ込む。その結果、入力ライン22へと流れ込む入力水は、供給水及び濃縮物両方の混合物を含み、次いで、入口20を通ってシステム12、14、16、及び18へと流れ込む。濃縮物ライン26の第2の濃縮物弁34及び第3の濃縮物弁36は開かれたままであり、よって、濃縮物は、システム14、16、及び18からドレイン28へと流れる。
【0030】
図3では、第1のシステム12及び第2のシステム14からの濃縮物の少なくとも一部分がリサイクルされて、供給水と混合される。この実施例では、第2のシステム14に対応する第2の濃縮物弁34が閉じられ、かつ第1の濃縮物弁32が開かれ、よって、システム12、14両方からの濃縮物の少なくとも一部分が、濃縮物ライン26を通って流れてライン26の開始点37へと戻り、混合セクション31において供給水と混合される。供給水及び濃縮物の混合物は、次いで、入力ライン22へと流れる。第3の濃縮物弁36は開いたままであり、よって、システム16及び18からの濃縮物は、ドレイン28へと流れる。
【0031】
図4では、システム12、14、16からの濃縮物の少なくとも一部分がリサイクルされて、供給水と混合される。この実施例では、第3のシステム16に対応する第3の濃縮物弁36が閉じられ、第1の濃縮物弁32及び第2の濃縮物弁24が開かれ、よって、3つ全てのシステム12、14、16からの濃縮物の少なくとも一部分が、濃縮物ライン26を通ってライン37の開始点へと流れ、次いで、混合セクション31へと流れ込む。供給水及び濃縮物の混合物は、次いで、入力ライン22へと流れる。この実施例では、システム18からの濃縮物は、ドレイン28に送られる。
【0032】
濃縮物及び供給水の混合の度合いは、水処理システムによって調節され得る。例えば、各システムは、最適なシステムの性能のために超えるべきではないTDSの許容限度を有し得、TDSは、少なくとも1つの水処理システム内に設置された少なくとも1つのセンサによって監視され得る。いくつかの実施例では、濃縮物のリサイクルに起因してシステムの許容限度を超えた場合に少なくとも1つのシステムがシャットダウンし、よって、そのシステムがアセンブリからリンク解除される。
【0033】
いくつかの実施例では、水処理システムの外部の少なくとも1つの弁又はセンサは、システムパラメータの変化に応答し得る。例えば、少なくとも1つの弁を開いて又は閉じて、つながれた水処理システムを通る濃縮物の流れを調節し得るように、少なくとも1つの弁又はセンサが、流量、水圧、又はTDSの変化を監視し、かつその変化に対応し得る。これらの自動制御弁は、例えば、濃縮物ライン26内の、又は混合部分31内の少なくとも1つの地点に設置され得る。弁は、ドレインへと流れる、又はリサイクルされる濃縮物の量を調節し得る。
【0034】
図5及び
図6は、濃縮物をリサイクルするための本開示の方法を採用した、つながれた水処理システムのアセンブリの一実施例を示す。
図5及び
図6では、5つの水処理システム60、62、64、66、68が互いに隣接して設置されて示されており、5つのシステムは、流体的につながれてアセンブリを形成している。
【0035】
水処理システム60は、アセンブリ内の第1の水処理システムとして画定され、システム62は、アセンブリ内の第2のシステムとして画定され、システム64は、アセンブリ内の第3のシステムとして画定され、システム66は、アセンブリ内の第4のシステムとして画定され、システム68は、アセンブリ内の第5のシステムとして画定されている。入力水ライン52、生成水ライン54、及び濃縮物ライン56が示されており、これらは、それぞれライン81、82、83を通して、各水処理システムの入口、生成物出口、及び廃棄物出口に流体的につながれている。この実施例では、ライン52、54、及び56は、水処理システムの最大高さよりも上に設置され、かつ地面に対してほぼ垂直に位置決めされたパイプである。ライン52、54、及び56の各々は、つながれた水処理システムのほぼ全幅に延在する。すなわち、各ラインは、第1の水処理システム60のほぼ左縁部から始まり、第5の水処理システム68の右縁部まで延在する。濃縮物ライン56は、水処理システム60、62、64、66にそれぞれ対応する濃縮物弁72、74、76、78を含む。濃縮物弁は、対応する水処理システムからの濃縮物が濃縮物ラインへと進入する場所の直下流で、濃縮物ラインに挿入される。例えば、第1の濃縮物弁72は、システム60からの濃縮物が濃縮物ライン56に進入する場所の直下流に位置決めされる。同様に、第2の濃縮物弁74、第3の濃縮物弁76、及び第4の濃縮物弁78はそれぞれ、システム62、64、66からの濃縮物が濃縮物ラインに進入する場所の直下流で、濃縮物ラインに挿入される。
【0036】
図5及び
図6では、ライン56からの濃縮物は、濃縮物弁のうちの少なくとも1つが閉じられたときに、ライン46を通って流れ、接合部51で供給水と混合される。この実施例では、供給水と混合される濃縮物の量は、濃縮物弁72、74、76、78のうちの少なくとも1つの状態によって決定される。例えば、第1の濃縮物弁72が閉じられた場合、第1のシステム60だけからの濃縮物の一部分がリサイクルされて、供給水と混合される。第2の濃縮物弁74が閉じられた(かつ弁72が開かれた)場合、第1のシステム60及び第2のシステム62からの濃縮物の一部分がリサイクルされ、供給水と混合され、次いで、入力ライン52へと流される。
【0037】
入力水をライン22にポンプ圧送するためのポンプ48、50も示されており、入力された水は、次いで、各水処理システム60、62、64、66、68の入口へと流れ込む。また、
図5には、外部送給ライン46及び前濾過ユニット44も示されている。
【0038】
実施例のシステム及び方法は、アセンブリからの生成水の流量を低下させながら、入力水からの生成水の回収が向上することを示す。いくつかの実施例では、濃縮物を少なくとも1つの水処理システムからリサイクルすることは、廃棄へと送られる水の最大30%を回収又は節約する。
【0039】
明らかに、本発明の多くの修正及び変更が、上記の教示に照らして可能である。したがって、記載された本発明の範囲内で、本発明が、具体的に記載される以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】