(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】南極細菌株による食品廃棄物からのバイオマテリアル生産
(51)【国際特許分類】
C12P 23/00 20060101AFI20240705BHJP
C12P 19/04 20060101ALI20240705BHJP
C12N 1/00 20060101ALN20240705BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20240705BHJP
C12N 15/52 20060101ALN20240705BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20240705BHJP
【FI】
C12P23/00 ZNA
C12P19/04 C
C12N1/00 S
C12N1/20 D
C12N15/52 Z
C12N15/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500537
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022067531
(87)【国際公開番号】W WO2023274937
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102021000017333
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524007000
【氏名又は名称】イリディス エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】IRIDES S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Gentile III da Varano, 1, 62032 Camerino (MC), Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プッチャレッリ,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァネッティ,リタ
(72)【発明者】
【氏名】ザノッティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マンチーニ,アレッシオ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AF12
4B064AH01
4B064BH02
4B064BH04
4B064BH06
4B064BH07
4B064CA02
4B064CC06
4B064CC10
4B064CC12
4B064CC15
4B064CD07
4B064CD09
4B064CD20
4B064CD21
4B064CD24
4B064CE03
4B064DA16
4B065AA01X
4B065AA15X
4B065AC14
4B065BA22
4B065BB10
4B065BB16
4B065BB19
4B065BC03
4B065BC09
4B065BC11
4B065BC26
4B065BD15
4B065CA03
4B065CA22
4B065CA55
(57)【要約】
食品廃棄物からバイオマテリアルをin vitroで生産するための、マリノモナス属、バチルス属、およびブレブンディモナス属に属する単離された遺伝子組み換えでない菌株の使用について記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品廃棄物からバイオマテリアルを生産するための、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択される少なくとも1つの菌株の使用であって、前記ブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24は、大豆油から出発してカロテノイドを生産するためのものではない、使用。
【請求項2】
前記食品廃棄物は、糖類を含む食品廃棄物、食品廃棄物、および大豆油を含む廃油からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記バイオマテリアルは、バイオポリマー、バイオセルロース、およびカロテノイドからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択される少なくとも1つの菌株を、ペプトンおよび海水を含む培地の存在下、室温で培養し、廃棄大豆油を加えて培地中で最終生成物を得ることを含む、バイオマテリアルの生産プロセス。
【請求項5】
食品廃棄物からセルロースとカロテノイドを同時に生産するための、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24の使用。
【請求項6】
バイオセルロースとカロテノイドの同時合成プロセスであって、
(a)バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24を培地または栄養ブロス中で培養するステップと、
(b)前記ステップ(a)の最後に得られた細菌を室温で撹拌しながらインキュベートするステップと、
(c)前記ステップ(b)の最後に得られた溶液を希釈し、食品廃棄物を加え、最終的なカロテノイドおよびセルロース生成物が得られるまでインキュベートするステップと、
を含むプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、微生物の分野に関し、より詳細には、食品廃棄物から出発する、遺伝子組み換えでない単離および確認された菌株を用いたバイオマテリアルの生産プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエートは、バチルス属、ロドコッカス属、およびシュードモナス属などの細菌によって生産されることが知られている。ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、細菌が糖や脂質を発酵させて合成する熱可塑性ポリエステルポリマーである。これらの材料は生分解性があり、バイオプラスチックの生産に使用されている。
【0003】
PHAの細菌生産につながる代謝経路は知られているが、他のバイオマテリアルと同様に、細菌内に捕捉されたままであるので、最終生成物を得るためには精製工程が必要である(Mozejko-CiesielskaおよびKiewisz(2016年))。
【0004】
さらに、バイオプラスチックの生産のためにPhaCやPhaR遺伝子で遺伝子組み換えされたバチルス菌株が知られており、この場合、生成物は細菌内に捕捉されたままである(Gabriel J.McCool、Maura C.Cannon著、PhaC and PhaR Are Required for Polyhydroxyalkanoic Acid Synthase Activity in Bacillus megaterium Journal of Bacteriology(2001年7月)、183(14)4235-4243;DOI:10.1128/JB.183.14.4235-4243.2001)。
【0005】
イタリア国特許出願第102019000014121号には、マリノモナスef1またはロドコッカスによる代謝産物、特に銀ナノ粒子および蛍光色素を調製するためのin vitroプロセスが記載されている。
【0006】
イタリア国特許出願第102019000024493号には、燃料、有毒な後遷移金属および/または有毒な遷移金属などの汚染物質によって汚染された水のバイオレメディエーションのためのマリノモナスef1菌株の使用について記載されている。
【0007】
イタリア国特許出願第102020000031769号には、バイオセルロースの生産のためのバチルスef1およびブレブンディモナスef1の菌株の使用について記載されている。
【0008】
米国特許出願第2012210745A1号には、プラスチック製品の補修とバイオプラスチックの細菌合成のための酵素の適用について記載されている。
【0009】
国際公開第WO2016191734A1号、米国特許出願第2014004597A1号、および米国特許第10421951B2号には、遺伝子操作された細菌によるアルコールおよびバイオ燃料の生合成について記載されている。
【0010】
米国特許第6022729号には、PHA生合成に関与するロドコッカス・ルベルから単離された遺伝子と、細菌中でPHA粒子を生産し、それらをタンパク質に結合させる方法が記載されている。
【0011】
国際公開第WO2007017270号、同第WO0011188号、および同第WO2016040653号には、遺伝子操作されたロドコッカスからのPHA生産について記載されている。
【0012】
米国特許出願第2014234944A1号には、エタノールから出発してPHAを生産するための、遺伝子操作されたロドコッカスの使用について記載されている。
【0013】
プラノコッカス属ANT_H30やロドコッカス属ANT_H53Bなどの南極細菌によるカロテノイドの生産は過去に開示されている(Styczynski M.ら著、Molecules、2020年、25、4357;doi:10.3390/molecules25194357)。
【0014】
ベルコミクロビウム門に属する新しいグラム陰性菌ルブリタレア・スクアレニファシエンスと、フィルミクテス門に属するバチルス属のグラム陽性菌プラノコッカス・マリティムスから、C30アグリコンを含む非環状カロテノイド、ジアポリコペン二酸A-C、および5-グルコシル-5,6-ジヒドロ-アポ-4,4’-リコペノエートメチルのキシロシルエステルが単離された(Shindo K.およびMisawa N.著、Mar.Drugs、2014年、12)。
【0015】
細菌による炭化水素の生産は当該技術分野で既知である(Wackett L.P.著(2010年)、Aliphatic Hydrocarbon Producers.In:Timmis K.N.(編)Handbook of Hydrocarbon and Lipid Microbiology.Springer,Berlin,Heidelberg.https://doi.org/10.1007/978-3-540-77587-4_48)。特に、様々な微生物によるアルカンまたはアルケンの合成が記載されている(Wang Weihua、Lu Xuefeng著(2013年)、Microbial Synthesis of Alka(e)nes、Frontiers in Bioengineering and Biotechnology,1,1-10,DOI=10.3389/fbioe.2013.00010)。しかしながら、細菌によるパラフィンやワックスなどの固体炭化水素の生産は当該文献に報告されていない。
【0016】
[本発明に近い先行技術]
国際公開第WO2008/108674号には、農産物や廃棄物を原料としてカロテノイド、特にベータカロチンを構成的に生産する天然由来の菌株が記載されている。菌株の中にはブレブンディモナス属がある。しかしながら、培地から分離されたスフィンゴモナス属の天然株(スフィンゴモナスM63Yと呼ばれる)のみが示されている。
【0017】
炭素源が、グルコース、スクロース、フルクトース、ラクトース、スターチ、精製されたまたはこれらの炭水化物を含む混合物のような炭水化物、例えばコーン・リカーおよびホエー、食用油、オリーブ油、大豆油、菜種油、パーム油、ピーナッツ油、カノーラ油などの植物油、ならびにグリセロールおよび脂質である、菌株によるベータカロチンの生産方法が記載されている。窒素源としては、大豆殻、大豆粉、トウモロコシ粉、酵母エキス、綿粉、ペプトン、カゼイン、アミノ酸、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、水酸化アンモニウムが想定される。また、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、または亜鉛などの陽イオンのリン酸塩、硫酸塩、塩化物、またはモリブデン酸塩などのミネラル塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
米国特許出願第2015/272835号には、針状結晶であるカロテノイド含有組成物、あるいは最大長5μm以上の針状結晶であって、組成物全体に基づくアスタキサンチン含有量が40質量%以上である針状結晶の生産方法が記載されている。ここで、該方法は、アスタキサンチンを含むカロテノイド産微生物を培養して得られた培養物を、炭素原子数1~3のアルコールを用いて抽出する抽出ステップと、微生物と抽出物とを分離して抽出物を得る抽出物分離ステップと、濃縮物中で抽出物を1.25~20倍(液量換算)で濃縮させて濃縮物を得る濃縮ステップと、カロテノイド含有組成物の結晶を生成させる結晶化ステップと、母液から結晶を分離してそれを得る結晶分離ステップと、を含む。ここで、微生物はアグロバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、パラコッカス属、ブレブンディモナス属、およびエリスロバクター属に属するものであってもよく、藻類は、ヘマトコッカス属に属するものであってもよく、酵母は、ファフィア属に属するものであってもよい。実際、パラコッカス属に属するE-396株のみが示されて具体的に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
当該技術分野で報告されているデータに鑑み、また本発明に最も近い技術がカロテノイドの生産にのみ関連していることを考慮し、本発明者らは、それ自体から単離された、遺伝子組み換えでなはなく、ブダペスト条約に従って正式に寄託された南極細菌株が、有機食品廃棄物の存在下でバイオマテリアルを生産し、バイオセルロースとカロテノイドを同時に生産する可能性を検証し、試験した。同じ細菌による同時合成は、これまで文献で報告されたことはない。最終生成物は、培地中に放出され、細菌細胞内には保持されなかった。
【0020】
[ブダペスト条約]
マリノモナスef1、バチルスef1、およびブレブンディモナスef1は、1977年4月28日に締結された「特許手続上の微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」に基づき、ロンバルディア州およびエミリア・ロマーニャ州動物予防実験研究所の「Bruno Ubertini」に寄託された。
・ マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4(2019年5月8日)
・ バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23(2020年11月24日)
・ ブレブンディモナス ef1受託番号DPS RE RSCIC 24(2020年11月24日)
提出は、サンドラ・プッチャレリが発明者として、また、IRIDES SRLの社長として行ったものである。また、出願人であるIRIDES S.R.L.(イタリア国,62032 カメリーノ(MC),ヴィア ジェンティーレ 3 ダ ヴァラーノ,1)に、寄託された生物試料を参照する権限を寄託書内で与え、寄託された試料がEPC規則第33条に従って公衆に入手可能であることに無条件かつ取消不能の同意を与えた。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した技術的課題は、食品廃棄物からバイオマテリアルを生産するための、マリノモナス(Marinomonas)ef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルス(Bacillus)ef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナス(Brevundimonas)ef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択される少なくとも1つの菌株の使用を提供することによって解決される。ここで、ブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24は、大豆油から出発してカロテノイドを生産するためのものでなく、本発明の目的でもない。
【0022】
また、本発明の別の目的は、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択される少なくとも1つの菌株を、食品廃棄物を添加した培地の存在下、培地中で最終生成物が得られるまで室温で培養するステップを含む、バイオマテリアルの生産プロセスを提供することである。
【0023】
さらに、上述した技術的課題は、食品廃棄物からセルロースとカロテノイドを同時に生産するための、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24の使用を提供することで解決される。
【0024】
本発明のさらなる目的は、バイオセルロースとカロテノイドの同時合成プロセスを提供することである。該プロセスは、
(a)バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24を培地または栄養ブロス中で培養するステップと、
(b)ステップ(a)の最後に得られた細菌を室温で撹拌しながらインキュベートするステップと、
(c)ステップ(b)の最後に得られた溶液を希釈し、食品廃棄物を加え、最終的なカロテノイドおよびセルロース生成物が得られるまでインキュベートするステップと、
を含む。
【0025】
本発明のさらなる特徴は、提出した実験データを参照した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[定義]
本発明において、食品廃棄物または食品プロセスからの廃棄物とは、EC指令2006/12/ECにおいて欧州委員会が定義しているように、廃棄される食用物質、または廃棄されるように意図されている食用物質、または廃棄される必要がある食用物質を含む、生または調理されたあらゆる食用物質であると理解されたい。あるいは、都市固形廃棄物の流れから分離され、「農業資材」の定義に当てはまらない、動物や人間の消費のために取得されたあらゆる材料と定義することができる。(https://web.archive.org/web/20091009041034/http://www.ciwmb.ca.gov/Regulations/Title14/ch31.htm)。
【0027】
本発明において、バイオセルロースとは、直径が変化する繊維を特徴とする天然の微生物由来のセルロースを意味する。
【0028】
本発明において、バイオプラスチックおよびバイオポリマーとは、生分解性および/またはバイオベースのプラスチックおよびポリマーであると理解されたい(EUBIO_Admin,Bioplastics,su European Bioplastics e.V;https://www.cen.eu/work/areas/chemical/biobased/Pages/default.aspx)。
【0029】
本発明において、細菌の増殖に適した培地とは、細菌のコロニーを培養することが可能な栄養素を含む固体または液体の溶液を意味する。例えば、培地は、酵母エキス、未知の割合の異なる化学成分の混合物からなる加水分解カゼインなどの酵素消化由来のペプチドなどの成分を含む栄養ブロスまたは溶解ブロスである。酵素消化由来のペプチドとは、タンパク質の部分加水分解に由来する水溶性ポリペプチドとアミノ酸の混合物であり、例えばトリプシンプロテアーゼによるカゼインの消化によって形成されるペプチドの詰め合わせであるトリプトンや、プロテオースペプトンなどがある。グリセロール、酵母エキス、NaCl、K2HPO4、MgSO4などの酵素消化由来のペプチドを含む培地を補うために添加物を使用することもできる。例えば、最小培地は、生育支持成分のみを含む培地である。すなわち、コロニーの増殖に必要な最小限の栄養素を含む培地であり、これは、典型的には、塩類、マグネシウム、窒素、リン、硫黄などの必須元素、および水を含み、これに炭素源が添加される。あるいは、LB培地は、カゼインペプチドやペプトン、ビタミン、微量元素、ミネラルを含む溶菌ブロスであり、場合によっては塩化ナトリウムやトリプトンを含むこともある。
【0030】
本発明は、食品廃棄物からバイオマテリアルを生産するための、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択された少なくとも1つの菌株の使用を含む。ここで、ブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24は、大豆油からカロテノイドを生産するためのものでなく、本発明の目的でもない。
【0031】
本発明者らは、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4の菌株が、PHAの合成に関与するFab代謝経路遺伝子と、2-ピロン4,6-ジカルボン酸の合成に関与する遺伝子とを有することを確認した。
【0032】
配列番号1:PROKKA_02018 3-オキソアシル-[アシルキャリアタンパク質]シンターゼ3(fabH)
MISSVVISGVGLWTPAYSISNEELVDSYNAWVEQFNAKNADAIEKGQIEAKPLSSAAFIEKASGIKSRYIYSKDGALDINRMRPILEIRNDEQISHQAEMAIAAAKKALD
AANKKASDIDMVIVSCAYTQRSYPAIAIEVQSALGIEGFGFDMLVACSAATFGLQRAVDAIKAGSSKGVLVINPELTSPQVNYMDRDSHFIFGDVATAVVVESSETCQSA
HSFDVLSSKCITSYSNNIRSNFGYTTRVTDEDPYSADMLFHQNGRKVFKEVCPMAADHIENHLKSQGIQVSQLKRWWLHQANINMNLLISKRLLGRDATLEEAPVVLDEY
ANTASAGSIIAFAKHHKDLAAGDIGVICSFGAGYSIGSLILRKR
配列番号2:PROKKA_00698 3-オキソアシル-[アシルキャリアタンパク質]レダクターゼFabG
MSFDLELNGRIALVTGGTKGLGAAVVESLHGAGVSVIAVARSVPKEVTEGISYIKGDLLSAVGCTAVVNTVLDKFGGVDIVVNVLGGSSAPSGGFAALDEQEWENALSQN
LLSAVRIDRGLLPSMITKGSGVIVHVTSIQNKLPLPESTTAYAAAKAALSTYSKSLSKEVAPKGIRVVRVSPGWIETEASVRLAERLADHAGTDYEGGKKIIMEALGGIP
LGRPAQPSEVADLITFLVSARASSITGTEYIIDGGTVPTA
配列番号3:PROKKA_00804 マロニルCoA-アシルキャリアタンパク質トランスアシラーゼ(FabD)
MTQVFTFPGQGSQRAHMLQNLPDHPNVTLIKQQAEDILGVKLNALDSQEALTDTVNVQLALLICGVAWGQYLQNVGIKPDYVLGLSIGAYPAAVVAGSLDFGDALRLVKA
RADSMKSAYPSGYGMLAITGAEFKHVQAAVNLLQEKGEKVYLANLNGEYQFVLAGEKRVLKNAAEQVRSQGIGASVFLDVTVPSHCPLLKEQSEKLLAMFQAITLKTSNS
LYVSASKARVLRKPDDIKEDLALNMAHQLHWYDSCQMLAERGVNKALEMPPGSTLTGLFRKVLNGGECYSIENINLKTIL
配列番号4:PROKKA_01991 マロニルCoA-アシルキャリアタンパク質トランスアシラーゼ(FabD)
MSTKLAFVFPGQGSQQLGMLADLAEKHEIIKQTFAEASDVLGYDLWDLVQNDAERLSQTDKTQPALLTASVALWRLWEQQGGDKPAYVAGHSLGEYSALVCAGVIAFTDA
VELVKLRGEYMQQAVPAGDGAMAAIIGLDDDKVVAACAAAPGIVSAVNFNSPGQVVIAGHVAAVEAAMVNAKEAGAKRALPLPVSVPSHCELMIPAGAKLAEKLETIVFK
SPSCTLVQNVTAQAVSDPSVIKANLVSQLSEPVLWTQSVVLLSELGVTSTVECGPGKVLSGLNKRIVKGLETSSLGDLAGFEAALSA
配列番号5:PROKKA_01992 3-オキソアシル-[アシルキャリアタンパク質]レダクターゼFabG
MGLEGKIALVTGATRGIGKAIAVALVEQGATVIGTATSESGAQSITEYLGANGKGWVLDVSSSESVDAVIKEITAEFGAPTVLVNNAGITRDNLMMRMKEDEWDQVINTN
LTSVFRVTKACLRGMTKAKFGRVISISSVVGSMGNGGQTNYSAAKAGLEGFSRSLAAEIASRGITVNCVAPGFIETDMTKVLSEEHKAKLVEKVPSSRLGQPEEIAAAVA
FLASNGAAYITGETLHVNGGMYMS
配列番号6:PROKKA_03165 3-ヒドロキシアシル-[アシルキャリアタンパク質]デヒドラターゼFabZ
MMDVNEIRQYLPHRYPFLLVDRIVEINLNDSIIAYKNVTINEPFFNGHFPNHPVMPGVLIIEAMAQAAGVLGFKTMGKKPEDGSIYYFVGVDNARFKRPVVPGDRLQLEA
KIIAEKRGIWKFECRATVDGQLACSATIMCADRKI
配列番号7:PROKKA_02218 プロトカテシュアト4,5-ジオキシゲナーゼβ鎖
MATIVSGFLVPHDPIMFVAPDAPAKDIADKAWGAYETCAVHLADLDVDTVIIIGNDHYMLFGTTCLPQYCIATGDLDGPLDQMPGLKRQLIPNNEALATHIATHGHANGF
DWAVARSFTTDHSFSIPFQKIVQRASEIKGKEIKAIPVYLASAVDPFLSMQRSQQLGQAIAKAVKAFKGDERIAVIGSGGISHWVGTKESGTVNEDFDREILTFCLSLDE
ASIMALSDEKILSEGGNGAMELRNFVCAMAAVEADSSELIEYQPVPEWVTGLGFVELKKNPTKS
配列番号8:pROKKA タンパク質_02219
MKRDVIERVLWNLSVDRFSKVKYKEDPNKFLSRFALDKSDIEKILTFDVKALQEMGVNPMLTMGYWVEMSPDNSMQTYNQKLGSNGVHSASIKG
配列番号9:PROKKA_02220 2-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドヒドロラーゼ
MKELDRKFVMAAGHKTAYFECGSGEPLLLLHGSGPGVSGWTNWNGVMAELGEHFHVFVPDIAGFGFTEFKEDTQYDIKFWVNHLVEFMNAVGIEKASLVGNSFGGAVGVG
LALFSPDRLNKLALLGTPAGTFVQTPGLAGAWRYEPSENNMRELMALFPYDKSLITDELVKSRYEASARSGSQEALRKLIPKPNDDGETLVKGFPEGALQKITAPTLVLH
GREDAVVPLECGQRLVNNIPNADLYVFGQCGHWVQSEQRSKFMNVVTAFVGG
配列番号10:PROKKA_02288 プロトカテシュアト4,5-ジオキシゲナーゼα鎖
MNNNNKPYSDIPGTTVFDGDMARIGFHLNQFCMSLMQESNRTAFKQNERAYLDKWPMTEAQKKAVIARDFSQLIALGGNIYYLVKISSSDGLSVAAAVSTMTNLSVDEYI
DMMRRGGRSPEGNRYVVSNTSEEKQ
配列番号11:PROKKA_02289 プロトカテシュアト4,5-ジオキシゲナーゼβ鎖
MAKITCGLGTSHIPLLGHIIDKGDSGDEKWAPIFDGYQFTKKWIREQKPDVVILVYNDHATAFDMKVIPTFAIGCGEEYHPADEGYGARPVPTVKGAPKLAWHITESLIK
QGFDMTIVNEMDVDHGLTVPLSMVFGEVEEWPCQVIPLAVNTVVYPSPTGDRCLALGKAIRAAVEQFPEDLNVQVWGTGGMSHQLLGERAGLINQEWDLAFLDDLKSDYE
KLGAISQVEYIRESGTEGSEMVMWLIMRGALNHEVNEIHRHYHVPVSNTALGHLIYENVDKKGE
配列番号12:PROKKA_02290 3-オキソアジピン酸エノールラクトナーゼ2
MNVRITRPKLVCLAGLLCDQRMWQKVAAQLENDADVEIISFAGFDDLTGMARSVLSSIEGDFALAGHSMGGRVALEIYRLAPQRVTRLALLNTGVHPKSDKEIPGRMRLI
EDARTRGISVLATQWLIPMMSPKGLNNANLMADLAKMVESYSVEDFEKQIHALINRPDAEALLSQISVPTLLLSGSQDTWSPVAQHQAIQKHIIGSELVVIDDAGHMAPA
EDPENVAAALHSWLKKK
配列番号13:PROKKA_03275 2-ピロン-4,6-ジカルボン酸ヒドロラーゼ
MMDKDYIPFHPAPSKPAFKAPAGAVDAHCHVFGPADKFPYHPKRKYTPCDASKEQLFALRDHLGFSRNVIVQASCHSTDNSALIDALETAGDLARGVAFVDDSITHEEIE
KMHAVGIRGVRFNFVKRLVDSTPREVFFSIADKIRPFGWHIVVYFEAADLEDLIPFLKELNTTIVVDHMGTPNVANGVDHPDFQRFVNFMADNDNVWCKVSCPERLTQHA
PDYSDVYPFARTLVEKFSDRVLWGTDWPHPNMKVEAPNDGHLVDVIPHIAPTPELQQALLVDNPMRLYWK
配列番号14:PROKKA_03276 プロトカテシュアト4,5-ジオキシゲナーゼα鎖
MASNYTDRQLQGTYLFDGQMAKKGYGLNKMCYSFNDQVARDEFNADPEAYCEKFKLTEAQKEAIRNRDVIGLLREGGSIYYLAKFTGLLKLNMQDIGGLQTGMSTDEFKA
MLEKNGRGEV
配列番号15:PROKKA_03277 プロトカテシュアト4,5-ジオキシゲナーゼβ鎖
MANIIGAITTSHIPAIANAMANGLEQTPYWKPFFDAYPPVRDWLNEKKPDVIILFYNDHGLEFFIDKKPTFAIGVADEYHNSDEGWGIPTIPPVTGESELSWHIANSIVD
EGFDMTICQEMRVDHGLTVPLNLMWPGHQYGHVKVIPVCINCEQYPMAQPWRTFELGRAIGRAVASYEEDVNVVVFGTGGMSHQLDGERAGFINRAFDIDCLDKLVSDPE
ALTKYTNLDLVEQGGAQAVELNMHIAMRGTLLGKVTELHRNYHAPISNTGSGLMLLEHEMPK
さらに、本発明者らは、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4の菌株が、炭化水素の合成に関与する遺伝子を有することを確認した。
【0033】
配列番号16:WP_100636658.1 マロニル-CoAデカルボキシラーゼ
MNFFTELFSSVFDRRYRKARSNEEDNRTVKAMCQDLLTRHGEVSGGALARNILDRYDQMSSDEKRELFEFMTHGLEVVTDEVITALTEYQKQPSKQTYKAFASACEPRRQ
ELIRRFNQVPGATPKLVKMREDLLKATKEDASLGILDVDFNHLFTSWFNRGFLVLRPINWDSPASILEKIIAYEAVHAIDSWDDLRQRLKPSDRRCYGFFHPSMADDPLI
FVEVALTKGTASSIQSLLTTDREIIEADEADTAVFYSISNCQPGLAGISFGNFLIKQVAANLARDLDNLNTFVTLSPIPGLAKWANSAGMGSLGKGKDQALAAYYLLNAK
RPDGKPLDPVTRFHLGNGAMIQAVHADADISKNGLKQSNGAMVNYLYDLSQVSKNHEQFVTEQKVVASDAVHALSASIATRKKGE
配列番号17:WP_100636466.1 二機能性 3-ヒドロキシデカノイル-ACPデヒドラターゼ/トランス-2-デセノイル-ACPイソメラーゼ
MKFSNADIIAMSEGRFFGEGNAQLPSDQMLMIDEIIHIDSIGGKYNKGLLKASLAIQPDHWFFACHFKGDPVMPGCLGLDALWQLLGVFLGWSGLPGKGRALGVGKVRFT
GQIYPDAKGIEYQVHIKRIIKKPLGMGIADGFVLLNGEVIYEATDLKVGLIKN
配列番号18:PROKKA_03927 3-オキソアシル-[アシルキャリアタンパク質]シンターゼ1
MRRVVVTGLGIVSCLGNDKESVLNSLREGQSGIRFAEDYKEHGFRSHVCGRIDLDAESIDRKIRRFMGDAATYAYVSMQQAILDSGLTEDQVSNIRTGLVAGSGGASAKN
LVDSADTLREKGVKRVGPYRVTQTMGSTVSACLATPFKIKGVNYSITSACSTSAHCIGNAMELIQLGKQDIVFAGGGEEESWTQTCMFDAMGALSSKYNETPEKASRAYD
ANRDGFVIAGGGGMLVIEELEHAKARGAKIYAELVGYGATSDGYDMVAPSGEGAVRCMQMAMSTIDGDIDYINTHGTSTPAGDMKELQAVNETFGDNIPLISSTKSLSGH
SLGAAGVHEAIYCLLMMENNFIAASANIDELDPAAGNIPVVTTRKDNVDLNMIMSNSFGFGGTNASLVFKKYTA
配列番号19:WP_100636855.1 オキシドレダクターゼSDR族
MSFDLELNGRIALVTGGTKGLGAAVVESLHGAGVSVIAVARSVPKEVTEGISYIKGDLLSAVGCTAVVNTVLDKFGGVDIVVNVLGGSSAPSGGFAALDEQEWENALSQN
LLSAVRIDRGLLPSMITKGSGVIVHVTSIQNKLPLPESTTAYAAAKAALSTYSKSLSKEVAPKGIRVVRVSPGWIETEASVRLAERLADHAGTDYEGGKKIIMEALGGIP
LGRPAQPSEVADLITFLVSARASSITGTEYIIDGGTVPTA
配列番号20:PROKKA_03165 3-ヒドロキシアシル-[アシルキャリアタンパク質]デヒドラターゼFabZ
MMDVNEIRQYLPHRYPFLLVDRIVEINLNDSIIAYKNVTINEPFFNGHFPNHPVMPGVLIIEAMAQAAGVLGFKTMGKKPEDGSIYYFVGVDNARFKRPVVPGDRLQLEA
KIIAEKRGIWKFECRATVDGQLACSATIMCADRKI
配列番号21:PROKKA_02541 4’-ホスホパンテイニルトランスフェラーゼpsf-1
MDYNLGSSVVLTIAFSKKAFPIDCTLDDSEKKRASMFRFEHLREQYIFAHAFKRRILSHYFPFRKASEWYFAQTSSGKPFIKEGIAFNLSHSTSSVAVALVESTDKSAVG
VDIECFREMDDLESMIEMVCHSDEIQQLDRCHDRSKGFFKLWTAKEALLKACGSGLIDDLNHINCLPSLLSDQVYPLNWQGNQYCLQSISFDWGVITAAWSTDLPVSDIR
LDNWASGVPVSEAFCI
好ましくは、菌株は、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4である。
【0034】
好ましくは、バイオマテリアルは、バイオポリマー、バイオプラスチック、およびカロテノイドからなる群から選択される。
【0035】
より好ましくは、バイオポリマーは、パラフィン様多価不飽和炭化水素ポリマーであってもよい。
【0036】
好ましくは、食品廃棄物または食品プロセスからの廃棄物は、例えばグルコースおよび/またはフルクトースのような糖を含む食品廃棄物、または大豆油を含む食品廃棄物の廃油である。
【0037】
好ましくは、菌株は、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4である。
【0038】
本発明のさらなる目的は、マリノモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 4、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23、およびブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24からなる群から選択される少なくとも1つの菌株を、食品廃棄物を含む培地の存在下、培地中で最終生成物が得られるまで室温で培養するステップを含む、バイオマテリアルの生産プロセスを提供することである。
【0039】
好ましい実施形態において、バイオマテリアルの生産プロセスは、
(a)マリノモナスef1を2%ペプトンの存在下、室温で撹拌しながらプラトー段階まで培養させるステップと、
(b)ステップ(a)の最後に得られた培養物を海水で希釈し、食品廃棄物を加え、培地中でバイオマテリアルが得られるまで室温で撹拌しながらインキュベートするステップと、
(c)ステップ(c)の最後に得られた生成物を回収し、室温で洗浄するステップと、
(d)油性の残留物を除去するための高温洗浄のステップと、
(e)乾燥のステップと、
を含む。
【0040】
任意選択で、ステップ(c)と(d)は繰り返されてもよい。
【0041】
任意選択で、ステップ(e)の後に、ステップ(f)が実施されてもよい。ステップ(f)では、生成物を極性溶媒に分散させ、その後遠心分離して上清を回収し、これを窒素雰囲気下で遠心分離して乾燥させ、粉末状の生成物を得ることができる。
【0042】
カロテノイドの合成を担う以下の分子がバチルスゲノムに存在する。
【0043】
配列番号22:フィトエン・シンターゼ
MVDVQTALKICEETIQTHSKTFYRAFSMLPKKKRQAVWAVYSFCRRADDIVDESPSPKEELASFQEAFNRFLQGEVDRDDPMWVALEYTFQQFRMDESPFRDLLRGQEMD
LEQHRYETLDELLIYSYHVASTVGLMLLPIIAPRKKEQLKEAAISLGIGMQLTNILRDIGEDKAERNRIYLPKQVMDQFGYTEQELQEGIVNQAFQHVWEYIAFEAEAYY
EEFFDHLHEFPLYSRIPVKAAAHFYKAILDKTRENEYRVFTKRSYISTQEKALILEDIT
配列番号23:ジアポリコペン・オキシゲナーゼ
MKKVIIIGGGLGGLSAAIRLQSRGFQVTILEKEASLGGKLQRYQASGYSFDLGPSTITMKAYFEEVFTSCHRRMEDYVTFYPIFPLTKNVFSDGHTVEFTPDIEQMESQI
AVFSPEDAKQYRAFLQESKKLFQMAEDQFLNRLLLTWKDKADVKLMKALLAVKPFTSVQRLLRQYFRHPHTLAMFGRYATYIGSSPYEAPAIFNMMAYLEGEKGIYGIKG
GTYRLVEAFETLAKELGVQIHLNESVKKIHVNNKRIQGVETDQQLYEADQVIAGADALTVYRQLIDEEDRPSFGNQKLANIEPSLSGFVLLLGVPKVYEQLSHHNVFFPE
NYEQEFKDIFQKKQLPHDPTLYICYSGHSEPALSGGPGRSNLFVLANAPYVTKEQNWDMLKETYGQHMKTKLKEKGLFDLDQLVEFEAVQTPLDLQQKTGAYHGAIYGMS
SNSFKQAFFRINNQSKDIEGLWFVGGTSHPGGGTPMVTKSGQLVAEAIIKHLT
カロテノイドの合成を担う以下の分子がブレブンディモナスゲノムに存在する。
【0044】
配列番号24:フィトエン・シンターゼ
MTDAVLDHSRQSMEQGSKSFAAAARLFPAAIRDDAWMLYSWCRHCDDEIDGQVLGHGAVGIDPVLAGEKLDELRLRTAAALAGEPQTDPVFTAFQRVAMRHGIPADEAMD
LLQGFEMDVVGRRYDTLEDTLDYAYHVAGVVGVMMARIMGVDDAPTLRRAQDLGLAFQLTNIARDVVEDAKGGRVYLPGAWLDEAGVPRDQVDQPQHRAAVARTAQRLVA
AAEPFYASARWGLRDLNPRSAWAIATARGVYRSIGRHVSRAGVSAWDGRTSVDKAGKLMLLGRGGLIALWCKTLDAWREPPPRPALWTHV
配列番号25:リコペン・シクラーゼ
MVGGGLANGLLALRLSQLRPDLDVRIVEAAQTLGGVHTWSFFDSDLTQAQRDWIAPLVVHRWPGYSVRFPQFKRALSTPYCSVTAERFAAVVEAALPGKVMLGAPVASVS
PTEAVLADGRRLSAKAVIDGRGPTATPDLALGFQKFVGLEVRLAAPHGLTTPIVMDACVDQAGGYRFLYTLPFDDRTLLIEDTRYTDGDALDRAAFRQGVLDYARAQGWE
IETIFREEDGVLPVALDGDIGAHLSRMGPTALSGLRAGLFHPTTGYSLPDAVRLADRLVRDFEPATVAEDIRRHAHDVWAGRGFYRLLNRMLFRAARPDERYKVLERFYR
LPQPLVERFYAAGPTLADKARILSGKPPVPIGAALTCLVERGRA
配列番号26:ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ
MAIVGIRRQPPLADASCDPDDLRLQVQAHLAEVAPAHGGLLSTAAREALLGQGKRVRPVLAMLAAAHVGGDPEDALDYACALEMVHAASLVLDDLPCMDDASLRRGQPTL
HRRHGEDTAVLAAVALLNHATRLVLRTPAPAETRLAALDLLTQAIGFDGLSEGQMRDLRDDARDRDETALRQINDLKTGALFVATVRGGGLLGGGDAQDLARLSIFGEAI
GFAFQLCDDLLDVCSTVDAVGKDVGQDDDTTTFVDLWGECRTRAAVRQSLAKAVEAVGHDSPLALYVLDLFQQAELGV
本発明のさらなる目的は、食品廃棄物からセルロースとカロテノイドを同時に生産するための、バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24の使用を提供することである。
【0045】
本発明のさらなる目的は、バイオセルロースとカロテノイドの同時合成プロセスを提供することである。該プロセスは、
(a)バチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24を培地または栄養ブロス中で培養するステップと、
(b)ステップ(a)の最後に得られた細菌を室温で撹拌しながらインキュベートするステップと、
(c)ステップ(b)の最後に得られた溶液を希釈し、食品廃棄物を加え、最終的なカロテノイドおよびセルロース生成物が得られるまでインキュベートするステップと、
を含む。
【0046】
好ましくは、栄養ブロスは、ウシ抽出物(1g/L)、ペプトン(5g/L)、酵母エキス(2g/L)、塩化ナトリウム(5g/L)からなる。
【0047】
最終的なカロテノイド生成物は、黄色/オレンジ色の色素として示される。これは、2段階の遠心分離によって回収される。第1段階は、好ましくは、遠心分離において細菌を沈降させ、色素を含む上清を好ましくは1000xgで回収するためのものであり、第2段階は、好ましくは、微粒子を10000xgで回収するためのものである。
【0048】
後に生産されるセルロースは、培地中でフレーク状または球状のバイオセルロースとなる。
【0049】
好ましい実施形態において、バイオセルロースとカロテノイドを生産するためのプロセスは、静置培養条件下および撹拌下(後者は好ましくは100rpm)の両方で、細菌培養によりバイオセルロースが得られるまで、細菌の増殖に適した培地の存在下、室温でバチルスef1 受託番号DPS RE RSCIC 23および/またはブレブンディモナスef1 受託番号DPS RE RSCIC 24を撹拌しながらインキュベートするステップと、バイオセルロースを例えばスパチェラで回収するステップ、滅菌二重蒸留水で洗浄するステップと、バイオセルロースを80℃でインキュベートして細菌を除去するステップと、滅菌二重蒸留水での洗浄を繰り返すステップと、を含む。
【実施例】
【0050】
バイオマテリアルを、以下のプロセスで生産した。
(a)マリノモナスef1の培養物を2%ペプトンの存在下、室温で撹拌しながらプラトー段階まで成長させた。
(b)ステップ(a)の最後に得られた培養物を海水(50%vol/vol)で希釈し、大豆油を全体の1%に等しい量で添加し、培地中に白い卵形の凝集体が得られるまで室温で撹拌しながらインキュベートした。
(c)後者をスパチェラで回収し、滅菌蒸留水で洗浄するために遠心分離チューブに移した。
(d)油性残留物を除去するために、試料を高温(約80℃)の蒸留水で約5分間洗浄した。その後、液体を取り除き、試料を80℃の新しい蒸留水で洗浄した。このプロセスを3回繰り返した。
(e)その後、水相から分離した固体試料を不活性窒素雰囲気下で乾燥させた。
(f)乾燥させた試料を絶対エタノール(約40ml)に分散させ、均一な分散液が得られるまで超音波処理を行い、HERMLE-Z323K遠心分離機において10000gで遠心分離し、白色の固体沈殿物を回収した。
(g)その後、後者を不活性窒素雰囲気下で乾燥させた。
(h)得られた固体の一部を、IR分析、元素分析、XRF分析、およびSEM電子顕微鏡で分析した。
(i)その後、得られた固体の一部をクロロホルム(約2ml)に溶解し、ろ過した溶液を元素分析CNMRおよびHNMRで分析した。
【0051】
元素分析の結果、この新しいバイオマテリアルは72%のCと10.5%のHから構成され、残りの17.5%にはXRF分析で証明されたように臭素が含まれていた。
【0052】
XRF分析の結果、臭素のシグナルは13.9Kevであった。
【0053】
IR分析の結果、2916cm-1~2850cm-1に存在する帯域からCH2、CH3伸縮、3010cm-1に存在する帯域から=C-H伸縮、1600cm-1付近ではC=C伸縮、1425cm-1ではC-Hシザリング、2つのバンド718cm-1および695cm-1ではC-Br伸縮が示された。
【0054】
CNMR分析の結果、この新しいバイオマテリアルは基本構造が少なくとも22の炭素原子から構成されていることがわかった。35ppmのシグナルは臭素原子に結合した炭素に起因し、127ppm~131ppmの範囲のシグナルはsp2炭素に起因し、他の炭素は、その鎖内の炭素であった。23ppmのシグナルは、重水素化クロロホルムCDCl3に関連している。
【0055】
HNMR分析の結果、5.4ppmにsp2炭素に起因するシグナルが存在し、2.8ppmのシグナルは臭素原子に近い炭素のプロトンに関連していることがわかった。
【0056】
SEM分析の結果、リーフレットが重なり合ったラメラ構造が示された。
【0057】
寒天拡散試験の結果、シュードモナス菌株に対する抗生物質としての特性が示された。5mgの材料で約5mmの阻害ハローが生じていた。
【0058】
様々な分析の結果、得られた生成物はパラフィンに似た多価不飽和炭化水素であることが判明した。
【0059】
フルクトースの存在下でバイオセルロースを生産できる2つの菌株、すなわちブレブンディモナスef1およびバチルスef1が単離された。
【0060】
バイオセルロースを合成するために2つのプロセスを実施した。いずれの場合も、最初のステップは、細菌を培地または栄養ブロスで増殖させることを含む。
【0061】
栄養ブロスは以下の組成であった。
・ 肉エキス:1.0(g/L)
・ ペプトン:5.0(g/L)
・ 酵母エキス:2.0(g/L)
・ 塩化ナトリウム:5.0(g/L)
・ 最終pH:25℃で6.8±0.2
肉エキスとペプトンは、アミノ酸、窒素、炭素、ビタミンおよびミネラルを提供し、生物の成長に役立つ。
【0062】
酵母エキスは、ビタミン、特にビタミンB群の源である。塩化ナトリウムは、培地の浸透圧バランスを維持する。
【0063】
第2段階において、細菌を22℃で2000rpmの回転でインキュベートした。550ナノメートルで約2ODの光学密度に到達した後、培養物を海水で希釈し(最終容量の50%)、1.5%~2%のフルクトースを加え、22℃で撹拌しながらさらにインキュベートした。
【0064】
第3段階において、24時間後に黄色/オレンジ色の色素を生成した。この色素を以下2回の遠心分離で回収した。
・ 1000gの遠心分離で細菌を沈殿させ、色素を含む上清を回収した。
・ 10000gの遠心分離で微粒子を除去した。
【0065】
色素を含む水性部分を窒素雰囲気下で乾燥させ、絶対エタノール(約40ml)に再分散させ、UV-VisおよびMSで分析した。
【0066】
色素は、B-クリプトキサンチンとリコペン/B-カロチンの混合物であることがわかった。
【0067】
約10日後、同じ培養物で、オレンジ色のフレークまたは球体を生産した。
【0068】
この培養物を80℃でインキュベートして、細菌を取り除いた。
【0069】
フレークや球体からなる材料を回収し、滅菌二重蒸留水で洗浄し、40℃のオーブンで乾燥させた。
【0070】
材料の乾燥部分をFTIRで分析した。
【0071】
その材料はバイオセルロースであることがわかった。
【0072】
バイオセルロースの乾燥部分を絶対エタノール(約40ml)で処理し、色素を注した後、UV-VisおよびMSで分析した。
【0073】
色素は、B-クリプトキサンチンとリコペン/B-カロチンの混合物であることがわかった。
【0074】
フルクトースからバイオセルロースを合成し、大豆油からバイオポリマーを合成することで、果物や油を含む食品廃棄物のリサイクルに道を開く。また、カロテノイドの共合成は、生産プロセスの最適化を可能にする。単一の基質から出発して、カロテノイドを含む美容マスクのような単一の用途に使用できる2つの生成物が得られる。
【0075】
【0076】
【配列表】
【国際調査報告】