(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電力変換変電設備
(51)【国際特許分類】
H02B 7/08 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
H02B7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500547
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022056100
(87)【国際公開番号】W WO2023281363
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021000017669
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524007158
【氏名又は名称】ウナレティ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】UNARETI S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】クルレイ・エルクル
(57)【要約】
【課題】変電設備に関連する容積の大幅低減。
【解決手段】変電設備は、長手Xに第1ボックス(箱)区画31と第2箱区画32と第3箱区画33とを備える格納箱11であって、設備10が使用時は、第1、第2及び第3箱区画は各々の区画を画定し、長手方向Xに隣接配置され、第2箱区画が第1箱区画・第3箱区画間に配置の格納箱11と、第1箱区画31内配置の中電圧スイッチギヤ51と、中電圧電力を低電圧電力に変換するように構成され、第2箱区画32内配置の電力変圧器40と、第3箱区画33内配置の低電圧スイッチギヤ55と、を備える。格納箱11は、使用位置では支持面25上の箱底壁11eと、箱底壁11eに対向する箱上壁11cと、相互に対向する第1及び第2箱側壁11b、11dと、箱前壁11aと、箱前壁に対向の箱後壁11fとを備える。第1側壁11b及び第2側壁11dは各々、第1箱区画31及び第3箱区画33の横方向範囲を定める。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変電設備(10)であって、
長手方向(X)に沿って延在し、第1のボックス区画(31)と、第2のボックス区画(32)と、第3のボックス区画(33)と、を備える格納ボックス(11)であって、前記変電設備(10)が使用位置にあるときは、前記第1、第2、及び第3のボックス区画はそれぞれの区画を画定し、長手方向(X)に互いに隣接して配置され、前記第2のボックス区画(32)は、前記第1のボックス区画と前記第3のボックス区画(31、33)との間に配置される格納ボックス(11)と、
前記第1のボックス区画(31)内に配置された中電圧スイッチギヤ(51)と、
中電圧電力を低電圧電力に変換するよう構成され、前記第2のボックス区画(32)内に配置された電力変圧器(40)と、
前記第3のボックス区画(33)内に配置された低電圧スイッチギヤ(55)と、を備える前記変電設備(10)であって、
前記格納ボックス(11)は、使用位置では支持面(25)上にあるボックス底壁(11e)と、前記ボックス底壁(11e)に対向するボックス上壁(11c)と、相互に対向する第1及び第2のボックス側壁(11b、11d)と、ボックス前壁(11a)と、前記ボックス前壁に対向するボックス後壁(11f)とを備え、
前記第1の側壁(11b)及び前記第2のボックス側壁(11d)はそれぞれ、前記第1のボックス区画(31)及び前記第3のボックス区画(33)の横方向の範囲を定める、変電設備(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の変電設備において、
前記第1及び第3のボックス区画(31、33)は、前記それぞれのボックス区画の前記区画を分離するように、前記ボックス底壁(11e)に対して垂直に延在するそれぞれの第1及び第2の仕切壁(28、29)によって、前記第2のボックス区画(32)から分離される、変電設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の変電設備において、
前記ボックス前壁(11a)は、前記第2のボックス区画(32)に第1の取り外し可能な壁区画(18)を備え、前記第1の側壁(11b)又は前記前壁(11a)は、前記第1のボックス区画(31)にアクセスするための第2の取り外し可能な壁区画(15)を備え、前記変電設備(10)は、前記第3のボックス区画(33)で前記前壁
(11a)又は前記第2の側壁(11d)に配置された第3の取り外し可能な壁区画(19)をさらに備え、前記第1、第2、及び第3の取り外し可能な壁区画(15、18、19)は、それぞれの閉位置にあるとき水密である、変電設備。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の変電設備において、
前記第1、第2、及び第3のボックス区画のうちの1つの区画で、前記変電設備内に位置する電子制御パネル(91)をさらに備え、
前記電力変電設備の使用位置で、前記上壁(11c)は外部からアクセス可能であり、点検口(22)を備え、前記電子制御パネル(91)は前記点検口(22)を介して外部からアクセス可能なように、前記点検口(22)又はその付近に配置される、
変電設備。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変電設備において、
前記電子制御パネル(91)は、前記中電圧スイッチギヤ(51)と、前記低電圧スイッチギヤ(55)と、前記電力変圧器(40)との操作及び機能に関するデータを備える変電設備データの監視及び制御システムに操作的に接続され、前記制御パネル(91)は、変電設備データを表示するよう、及び/又は前記監視及び制御システムが実行可能なコマンドを入力するよう構成されたヒューマンマシンインターフェースを備える、変電設備。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の変電設備において、
前記点検口(22)には、取り外し可能な又は開放可能な保護カバー(17)が設けられ、前記保護カバー(17)は、前記点検口が閉位置にあるとき水密である、
変電設備。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の電力変電設備において、
第1の空気取入口(24)と第1の空気取出装置(21)とを備える強制空気冷却システム(20、21、23、24)をさらに備え、
前記第1の空気取入口(24)と前記第1の空気取出装置(21)とは、前記変電設備(10)の外側で、前記ボックス上壁(11c)上に、前記格納ボックス(11)の内部と連通するように配置される、変電設備。
【請求項8】
請求項7に記載の電力変電設備において、
前記第1の空気取入口(24)と前記第1の空気取出装置(21)とは、前記第2のボックス区画(32)で前記上壁(11c)に形成されたそれぞれの開口に配置される、変電設備。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電力変電設備において、
前記冷却システム(20、21,23,24)は、前記上壁(11c)のそれぞれの開口に、前記変電設備の外側で前記ボックス上壁(11c)の上に配置される第2の空気取入口(23)及び第2の空気取出装置(20)を備え、
前記第2の空気取入口(23)は、前記第1又は第3のボックス区画(31、33)に配置され、
前記第2の取出装置(20)は、前記第2の空気取入口が前記第1のボックス区画(31)に配置される場合は前記第3のボックス区画(33)に配置され、又は、前記第2の空気取入口が前記第3のボックス区画(33)に配置される場合は前記第1のボックス区画(31)に配置される、変電設備。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の変電設備において、
前記低電圧スイッチギヤ(55)は、複数の低電圧入出力スイッチ(55M)を備え、前記電力変圧器(40)は低電圧エネルギーを運ぶよう構成されたバスバー構造体(54)によって、前記複数の入出力スイッチに電気的に接続され、
前記バスバー構造体(54)は、前記複数の入出力スイッチ(55M)のそれぞれの入力に接続された複数の入力バスバー(71、73)と、前記複数の入出力スイッチ(55M)のそれぞれの出力に接続されたそれぞれの複数の出力バスバー(74)とを備える、変電設備。
【請求項11】
請求項10に記載の変電設備において、
前記第2のボックス側壁(11d)には、前記複数の出力バスバー(74)のバスバーへの接続のために低電圧エネルギーケーブル(57)を挿入するよう設計された複数の貫通孔(56)を設ける、変電設備。
【請求項12】
請求項2に従属するときに請求項3~11のいずれか一項に記載の変電設備において、前記第1及び第2の仕切壁(28、29)のそれぞれは、1つ以上の開口(28A、28b)を含む、変電設備。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の変電設備において、
前記中電圧スイッチギヤ(51)は、前記第1のボックス区画(31)で前記ボックス底壁(11e)上に配置され、前記ボックス底壁(11e)は、前記中電圧スイッチギヤ(51)との接続のために、前記変電設備の外側から、および前記ボックス底壁の下方から、それぞれの中電圧エネルギーケーブル(61、62)を通すように構成されたそれぞれの2つ以上の貫通孔を備える、変電設備。
【請求項14】
請求項1~13のうち1つ以上に記載の変電設備において、
少なくとも1本の変電設備中電圧ケーブル(63)は、前記中電圧スイッチギヤ(51)を、前記第1のボックス区画(31)に面する前記変圧器側で前記電力変圧器(40)に接続し、
前記少なくとも1本の変電設備中電圧ケーブル(63)は、第1及び第2のケーブル端を有し、前記第1のケーブル端は前記中電圧スイッチギヤ(51)に接続され、前記第2のケーブル端は前記電力変圧器(40)に接続される、変電設備。
【請求項15】
請求項14に記載の電力変電設備において、
前記少なくとも1本の変電設備中電圧ケーブル(63)は、前記第1のケーブル端を前記中電圧スイッチギヤ(51)に接続するために前記第1のボックス区画(31)で前記ボックス底壁(11e)に形成されたそれぞれの少なくとも1つの貫通孔を通過し、
少なくとも1本の前記変電設備中電圧ケーブル(63)は前記ボックス底壁(11e)の下方から出ていき、前記変電設備に入って前記変電設備ケーブルの前記第2の端を前記電力変圧器(40)に接続するために、前記第2のボックス区画(32)に配置された前記ボックス底壁(11e)にある開口を介して下方から再び前記変電設備に入るための前記変電設備(10)の外側を進む経路を有する、電力変電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換変電設備(electrical transformation substation)[以下、変電設備と称する]に関し、特には、電力配電網に接続されるよう構成された変電設備に関し、より具体的には、中電圧/低電圧(MV/LV)変電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
配電とは一般的には、高電圧送電系統からの典型的には130kVから700kVまでの電気を、エンドユーザへ供給する段階のことをいう。電気配電網は、典型的には中電圧及び/又は低電圧電力線を介して電気を運ぶ。
【0003】
送電系統から高電圧エネルギーを受け取って中電圧配電線に給電する変換変電設備を備えた中間配電網の区間では、典型的には1~30kVの中電圧を用いる。そのような変換変電設備は変電設備又は一次変電設備と呼ばれることが多い。住居のユーザ、例えば住宅単位又は商業単位の配電網においては、複数の二次変換変電設備が典型的には一次配電線に接続され、二次変電設備は、エンドユーザのために、中電圧エネルギーから低電圧エネルギー(1000V未満、例えば230V又は400V)への「第2の」変換を行う。したがって、MV/LV変換変電設備は、中電圧配電網によって供給された電圧を、低電圧線を満たすのに好適な電圧値に変換する専用の1組の装置を備える。典型的に、二次変電設備が、1つ以上のMV/LV変圧器、MV及びLVスイッチング装置、MV及びLVスイッチギヤ及び/又は連結器、及び、ユーティリティ配電側のMV保護装置及び利用者側のLV保護装置等の補助装置を備える。
【0004】
配電においてより高い柔軟性を達成するために、エネルギーの流れが関わる限り、
ネットワークは放射状に管理されるが、二次変電設備が幾つかの一次変電設備の中の1つからエネルギーを受けることが可能なネットワーク状の配電網が作られ、その結果、電力線の余剰が作られる。そのため、一次又は二次変電設備からのエネルギー供給が遮断される場合は代替ルートが作られる見込みがあり、そのため、システムの信頼性が高められる。
【0005】
地方での環境においては、二次変電設備は通常地面レベルに設置され、プレハブ構造で建設される。
典型的には、1つの二次変電設備が数百の低電圧消費者の必要を満たすことができる。高度に都会化されたエリアにおける配電は数千単位で非常に多くの変電設備を伴うことが多い。特に都市部での環境では、二次変電設備は通例は、供給を行う建物又は建物群に属することが多い、地面レベルより下の空洞の空間に、普通は組積構造の専門区画内に建設される。専門区画の容積及びその内部にある機器の載置は、通例は、認定された技術員にアクセスが保証されるようになっている。加えて専門区画内部の空間は、電磁部品の自然冷却を可能にするための機器間の十分なスペースと、低電圧区間と高電圧区間との間のケーブル接続の敷設とを考慮しなくてはならない。典型的なレイアウトでは、二次変電設備のための専門区画で必要とされる容積空間は、15-20m2の平面面積と、2.5-3.0メートルの高さとを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願人は、より多くの新しい変換変電設備数(例えば50~100の変電設備/年)に対するニーズが見込まれる多くの都市部での環境においては、必要な容積を備えた新しい地下空間を割り出すことはますます複雑になっていることに注目した。加えて、大きな地下の土木又は建築物内の地下の専門区画における二次変電設備へのアクセスは、通例は車道グレーチング又は取り外し可能なスラブを介する。したがってアクセスするには、認定された職員が、怪我のリスクを伴いながら狭い空間へ降りることが必要とされるので、多数の現場作業員及び/又は個人を保護する機器を要する、さらなる明確な介入が必要とされる。
【0007】
本出願人は、少なくとも技術員による通常作業の大部分に対して、電気線及び電気/電磁部品の制御及び管理のための変電設備内への物理的アクセスを必要としない電力変換変電設備の提供が、変電設備に関連する容積の占有の大幅な低減を可能にすると考えた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、電気エネルギー変換変電設備に関し、
長手方向に沿って延在し、第1のボックス区画と、第2のボックス区画と、第3のボックス区画とを備える格納ボックスであって、変電設備が使用位置にあるときは、第1、第2、及び第3のボックス区画はそれぞれの区画を画定し、長手方向に互いに隣接して配置され、第2のボックス区画は、第1のボックス区画と第3のボックス区画との間に配置される格納ボックスと、
第1のボックス区画内に配置された中電圧スイッチギヤと、
中電圧電力を低電圧電力に変換するよう構成され、第2のボックス区画内に配置された電力変圧器と、
第3のボックス区画内に配置された低電圧スイッチギヤと、を備える電気エネルギー変換変電設備であって、
格納ボックスは、使用位置では支持面上にあるボックス底壁と、ボックス底壁に対向するボックス上壁と、相互に対向する第1及び第2のボックス側壁と、ボックス前壁と、ボックス前壁に対向するボックス後壁とを備え、
第1の側壁及び第2のボックス側壁はそれぞれ、第1のボックス区画及び第3のボックス区画の横方向の範囲を定める。
【0009】
好ましくは、格納ボックスは金属製である。
好ましくは、格納ボックスは略平行六面体形状を有する。
ボックス上壁及び下壁は、第1、第2、及び第3のボックス区画に沿って長手方向に延在する。
格納ボックスは、長手方向に沿った長さLを有する。
【0010】
ボックス壁(底壁、上壁、第1の側壁、第2の側壁、前及び後壁)は、変電設備の内部容積空間を画定する。内部容積空間は、第1、第2、及び第3のボックス区画に対応する第1、第2、及び第3の区画を含む。
好ましくは、第1のボックス区画及び第3のボックス区画は、第2のボックス区画から長手方向に分離している。
【0011】
好ましくは、格納ボックスは、フレーム構造を形成する複数の取り付けバー又はチューブを備える主ボックス・フレームを備え、このフレーム構造は内部容積空間を3つのボックス区画とする仕切りを画定する。
好ましくは、第1及び第3のボックス区画は、それぞれのボックス区画の区画を分離させるように、ボックスの後壁から垂直に延在するそれぞれの第1及び第2の仕切壁によって、第2のボックス区画から分離される。
好ましくは、第1及び第2の仕切壁は、ボックスの後壁からボックスの上壁へ垂直に延在する。
好ましくは、仕切壁は金属製である。
【0012】
好ましくは、格納ボックスは、ボックス区画のそれぞれへのアクセスのための複数の取り外し可能なボックス壁区画、例えば開口ドア又は取り外し可能なパネルを備える。
好ましくは、ボックス前壁は、第2のボックス区画に第1の取り外し可能な壁区画を備え、第1の側壁又は前壁は、第1のボックス区画にアクセスするための第2の取り外し可能な壁区画を備え、変電設備はさらに、第3のボックス区画で前壁又は第2の側壁に配置された第3の取り外し可能な壁区画を備える。
【0013】
好ましくは、第1、第2、及び第3の取り外し可能な壁区画は、それぞれの閉位置にあるとき水を通さない。
好ましくは、第2の取り外し可能な壁区画は、第1の側壁に設置される。
好ましくは、取り外し可能なボックス壁の第3区画は、第3のボックス区画の前壁に設置される。
好ましくは、第1のボックス区画にアクセスするための第2の取り外し可能な壁区画は、第1の側壁に配置される。
【0014】
本出願人は、電力変電設備が地下にあり、外部からアクセス可能な変電設備の上部で外部環境と連通している場合、グリッドの構造を変えるための制御及び/又は操作を、ユーザインターフェースとして作動する制御パネルを介して行うことが可能であり、電力変電設備の監視及び制御システムと通信することが可能であると理解した。
【0015】
好ましくは、変電設備は、第1、第2、及び第3のボックス区画のうち1つの区画において、変電設備内に位置する電子制御パネルを備える。電力変電設備の使用位置で、上壁は外部からアクセス可能であり点検口を備えており、電子制御パネルは、点検口を介して外部からアクセス可能なように点検口又はその付近に配置される。
好ましくは、電子制御パネルは、中電圧スイッチギヤと、低電圧スイッチギヤと、電力変圧器との操作及び機能に関するデータを備える変電設備データの監視及び制御システムに操作可能に接続される。
【0016】
好ましくは、制御パネルは、変電設備データを表示するよう、及び/又は監視及び制御システムが実行可能なコマンドを入力するよう構成されたヒューマンマシンインターフェースを備える。
通常の動作において、電力変電設備は、使用可能で管理可能な(operational and operating)パラメータを、より一般的には変電設備データを表示するために、電力変電設備の上端に位置する制御パネルにアクセスすることにより、外部から監視され得る。低電圧線又は中電圧線を介する電流の流れを防止又は許容するための、電気スイッチング部材、回路遮断器、又は断路器の位置の変更といった通常の操作は、制御パネルを介して制御及び管理することができる。これらの操作は、遠隔送信されたコマンドを介して行うことも可能である。
【0017】
一般的に、及び一般的な用語の理解によれば、スイッチング装置は、1つより多い状態、典型的には2つ又は3つの状態、例えば電線上の開又は閉状態、場合によっては接地状態を想定可能な装置、特には、回路を開く又は閉じるのに必要な操作が可能な、例えば、二次変電設備からの電力線の区間/二次変電設備への電力線の区間を分割することが可能な装置のことである。
好ましくは、電子制御パネルは、点検口の付近の、第1又は第3のボックス区画の空間内に設置される。
【0018】
好ましくは、監視及び制御システムは集中型であり、変電設備内で、物理装置の制御、調整/修正と、データの取得、制御、及び管理によるモニタリングの通常の機能を含む。
【0019】
監視及び制御システムは、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:監視制御とデータ収集)モジュールを備えるか又はSCADAモジュールから構成されうる。好ましくは、監視及び制御システムは、データを遠隔で電気通信網と通信して送受信するためのモジュールを備える。送受信モジュールは、SCADAモジュール内に又はこれと通信するように設置できる。送受信モジュールは、有線の電気通信網、移動網(すなわち無線周波数信号を経由)、又は移動網と通信するWLANと通信するよう構成することができる。そのため、代替的又は追加的に変電設備データへのアクセス及びこの制御は遠隔で行うことができる。
【0020】
有利には、本開示による変換変電設備によると、遠隔(制御の遠隔作動の場合)又は変電設備の外にいる作業員によって現場において、安全な状態で、その内部に含まれる電気設備の制御及び定常操作が可能である。
好ましくは、変電設備データの監視及び制御システムは、電子モジュール内に収納されており、この電子モジュールは、電子制御パネルへの操作的な接続のための入力部及び出力部を備える。
好ましくは、電子制御パネル及び電子機器モジュールは、第1のボックス区画の区画内部、中電圧スイッチギヤの上部に設置される。
【0021】
好ましくは、電子モジュールは、制御パネルと中電圧スイッチギヤとの間で、ボックス長手方向に対して垂直方向に配置される。
好ましくは、電子機器モジュールは、配電の管理のための配電網監視及び管理システムへの動作接続のための入力部及び出力部を備え、この電子機器モジュールは、配電網監視及び管理システムに接続される。
好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースは、ユーザによって作動される1つ以上の入力装置(例えば、マウス、タッチスクリーン、キーボード、他)に論理的に接続される。
【0022】
好ましくは、検査開口部には、取り外し可能な又は開放可能な保護カバーが設けられ、この保護カバーは、検査開口部が閉位置にあるとき水密である。
好ましくは、保護カバーには水密シールガスケットが取り付けられている。
【0023】
電力変電設備の内部の点検、例えば電気及び/又は電磁部品のメンテナンス作業の実行が必要な場合、変電設備は、設置された空間から持ち上げられ取り外され、地上に移動される。
地上レベルとは、作業員がアクセス可能なレベルであり、変電設備が外部環境に埋設されるときは地面レベルであり得、又は、建物の地階部分又は地下部分の面である。
【0024】
電力変電設備の小さなサイズと機器及び部品の配置により、作業員のための内部の操作空間は不要である。電気機器は作業員の手の届く範囲にあり、作業員が変電設備に物理的に入る必要なく、容易に補修、取り外し、交換を行うことができる。
本出願人は、変換変電設備内に強制循環式冷却システムを設けることで、変電設備内の温度制御を可能にするだけでなく、変電設備内部の容積空間を全体的に低減できるということに注目した。
【0025】
好ましくは、電力変電設備は、第1の空気取入口と第1の空気取出装置とを備える強制空気冷却システムを備え、この第1の空気取入口と第1の空気取出装置とは、変電設備の外側で、ボックス壁の上に、格納ボックスの内部と連通するように配置される。
好ましくは、第1の空気採取装置のための第1の空気取入口は、第2のボックスコンパートメントで上壁に形成されたそれぞれの開口に配置される。
【0026】
好ましくは、冷却システムは、上壁のそれぞれの開口に、変電設備の外側でボックス
上壁の上に配置される第2の空気取入口及び第2の空気取出装置を備える。第2の空気取入口は、第1又は第3のボックス区画に配置され、第2の取出装置は、第2の空気取入口が第1のボックス区画に配置される場合は第3のボックス区画に配置され、又は、第2の空気取入口が第3のボックス区画に配置される場合は第1のボックス区画に配置される。
【0027】
好ましくは、冷却システムは導管を有しない。
好ましくは、第1及び第2のボックス仕切壁のそれぞれは、1つ以上の開口を含む。
好ましくは、第1及び第2の仕切壁の1つ以上の開口は、ボックス上壁付近に配置される。
【0028】
好ましくは、低電圧スイッチギヤは、複数の低電圧入出力スイッチを備え、電力変圧器は低電圧エネルギーを運ぶよう構成されたバスバー構造体(busbar structure)によって、複数の入出力スイッチに電気的に接続される。
好ましくは、バスバー構造体は、複数の入出力スイッチのそれぞれの入力に接続された複数の入力バスバーと、複数の入出力スイッチのそれぞれの出力に接続されたそれぞれの複数の出力バスバーとを備える。
【0029】
バスバー構造体による電気接続によって、コンパクト化を進めることにより、変電設備内部におけるさらなる省スペース化が可能となる。
好ましくは、第2のボックス側壁には、複数の出力バスバーのバスバーへの接続のために低電圧エネルギーケーブルを挿入するよう設計された複数の貫通孔を設ける。
好ましくは、低電圧スイッチギヤは格納ボックスの後壁に設置される。
好ましくは、低電圧スイッチギヤはボックスの後壁の付近に設置される。
【0030】
好ましくは、中電圧スイッチギヤは、第1のボックス区画でボックス底壁上に配置され、ボックス底壁は、中電圧スイッチギヤとの接続のために変電設備の外側、ボックス
底壁の下方から、それぞれの中電圧ケーブルを通すように構成されたそれぞれの2つ以上の貫通孔を備える。
【0031】
好ましくは、変電設備は、中電圧スイッチギヤを、第1のボックス区画に面する変圧器側で電力変圧器に接続している少なくとも1本の中電圧変電設備ケーブルを備える。少なくとも1本の中電圧変電設備ケーブルは、第1及び第2のケーブル端を有し、第1のケーブル端は中電圧スイッチギヤに接続され、第2のケーブル端は電力変圧器に接続される。
【0032】
好ましくは、少なくとも1本の変電設備中電圧ケーブルは、第1のケーブル端を中電圧スイッチギヤに接続するために第1のボックス区画でボックス底壁に形成されたそれぞれの少なくとも1つの貫通孔を通過し、少なくとも1本の変電設備中電圧ケーブルはボックス底壁下方から出ていき、変電設備に入って変電設備ケーブルの第2の端を電力変圧器に接続するために、第2のボックス区画に配置されたボックス底壁にある開口を介して下方から再び変電設備に入るための変電設備の外側を進む経路を有する。
【0033】
好ましくは、中電圧スイッチギヤは、第1のボックス区画でボックス底壁に配置された基部を備える外部ケーシングを備える。外部ケーシングの基部は、ボックス底壁にある1つ以上のそれぞれの貫通孔に配置された1つ以上の貫通孔を備える。
【0034】
好ましくは、電力変圧器は、3つの単相変圧器ユニットを備える三相変圧器である。
好ましくは、中電圧スイッチギヤと電力変圧器との接続のための少なくとも1本の変電設備・中電圧ケーブルは三相ケーブルであり、その電気位相は3本の別々のエネルギーケーブルに乗せられる。
好ましくは、変換変電設備への/変換変電設備からの配電系統の中電圧電力ケーブルは、三相ケーブルであり、その電気位相は3本の別々のケーブルに乗せられる。
【0035】
本開示による電力変電設備は、変電設備は地下又は部分的に地下にある都市部での環境で主に使用されるが、変電設備は、スペースをあまり必要としない都市部での環境又は地方での環境において、屋外に設置されてもよいということも除外されない。
【0036】
さらなる特徴及び利点が、本発明による電力変換変電設備のいくつかの例示的な実施形態の詳細な説明から得られるであろう。そのような記載は添付の図面を参照して以下に述べられ、単に例示的なものあるので非限定的な目的のために設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】一実施形態による電力変換変電設備の斜視図を示す。
【
図3】
図1の電力変電設備の前面斜視図であり、変電設備の内部を部分的に示すために、ボックス壁区画18,19は取り除かれている。
【
図4】制御パネルの位置を示す部分側面斜視図であって、制御パネル(不図示)を収納するための空間を示すために、制御パネルへアクセスするドアは取り除かれている。
【
図5】電力変電設備に設置された主要な部品を示す背面斜視図である。いくつかの詳細をより明確に示すために、格納ボックスは取り除かれている。
【
図6】
図1の変電設備の側面斜視図であって、いくつかの内部の詳細を示すために、ボックスの前壁11aの取り外し可能な壁区画18,19を除き、格納ボックスが図面から取り除かれている。
【
図7】電力変圧器からのバスバー接続を、さらに詳細に示す部分斜視図である。変圧器及びバスバー構造体以外の部材は、図面から取り除かれている。
【
図8】低電圧スイッチギヤからの/低電圧スイッチギヤへのバスバー構造体を示す部分斜視図である。
【
図9】低電圧スイッチギヤからの/低電圧スイッチギヤへのバスバー構造体を示す部分斜視図である。
【
図10】制御パネルを示すための、格納ボックスの上側部分を上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図に参照して、参照番号10は電力変電設備を示し、本例においてはMV/LV変換変電設備であり、具体的には、作動状態で、電力配電網に接続される二次変電設備である電力変換変電設備を示す。
【0039】
変電設備10は、少なくともその延在部の大部分が、地面の掘削穴の底面、建物の地下室の床面、又はより一般的には変電設備が設置される石工の面であり得る支持面25に載置されている。変電設備10が置かれている支持面25は、便宜上、水平面上を延在するように画定される。図示された例において、支持面25は石工ワーク37の上面である。
【0040】
変電設備10は、以下の図を参照して説明される機器及び部品を囲む格納ボックス11を含む。略平行六面体形状であり6つの辺を有するボックス11は、
図1に示すように、長手方向Xに沿った長さL、奥行きW(Y軸)、及び高さH(垂直軸又は垂直方向Z)を有する。格納ボックス11は、前壁11aと、第1の側壁11b(
図1)と、前壁11aに対向する後壁11f(
図2に示す)と、第2の側壁11d(
図3)と、上壁11c(
図2)と、支持面25上にある底壁11e(
図3に示す)とを有する。
作動状態では、格納ボックス11は埋設されるか部分的に埋設され、その上壁11cは外部からアクセス可能な自由表面を備える。
【0041】
電力変電設備の部品の相対的位置、特には格納ボックスの壁の相対的位置を説明するために用いられる用語「上部」、「側部」、「下部」、及び「底」は、二次変電設備の使用及び/又は作動の状態について言及している。さらに用語「壁」は、格納ボックスの1つの側面のことを指し、単一片であり得る、又は、典型的には変電設備のメンテナンス若しくは内部点検の場合に、格納ボックス内部に収納された機器への作業員のアクセスを可能にする取り外し可能なドア又はパネル等の、壁の取り外し可能な部分を備える又はこの部分を含む。
【0042】
ボックス11は、中電圧区間、変圧器区間、及び低電圧区間を収納するために、区画又は容積を備えて、以下に示されるようにその内部空間をそれぞれの空間とするように仕切られている。格納ボックス11は、ボックスの長さLに沿って延在する3つのボックス区画31,32,33を備える。ボックス区画は互いに隣接し、第1のボックス区画31と、第2のボックス区画32と、第3のボックス区画33(
図2)とからなり、各ボックス区画はそれぞれの区画を指している。第1のボックス区画31は、以下で中電圧区画又はMV区画とも呼ばれ、第2のボックス区画32は変圧器区画とも呼ばれ、第3のボックス区画33は低電圧区画又はLV区画とも呼ばれる。
【0043】
図の実施形態において、ボックスは主金属フレーム12(
図1~3)を備える。主ボックス・フレーム12は略直方体形状であり、フレーム構造を形成するために併せて溶接される例えば亜鉛メッキ鋼の、複数の取り付けバー又はチューブを備える。フレーム構造12は、内部のボックス容積を3つのボックス区画31,32,33とする仕切りを画定する(
図2)。
【0044】
ボックス区画32は、MV区画31とLV区画33との間に配置される。変電設備10の支持面25に対して垂直に延在するフレーム12M及び12Lの部分は、変電設備10(
図1及び2)の長さLにおけるMV及びLV区画31及び32の広がりを示す。
【0045】
好ましくは、MV及びLVボックス区画31,33は、フレーム部分12M及び12L(
図3)に配置されたそれぞれの仕切壁28,29によって、変圧器ボックス区画32から分離される。
【0046】
好ましくは、仕切壁28,29は、ボックス11の内部容積の全高さに沿って垂直に延在する。好ましくは、仕切壁28,29は金属製、例えば鋼製である。
好ましくは、及び以下に記載されるように、変電設備10のボックス区画を分離している仕切壁28,29のそれぞれは、1つ以上の開口(貫通孔)を含む。
【0047】
ボックス区画間の物理的分離により、第三者によるメンテナンス又は据付の場合に、変電設備10内部の部屋の分離を保つことができる。加えて、変電設備区画の間に金属の仕切壁を設けることによって、電磁干渉を防ぎ、生じ得る部分放電からMV及びLV区画31,33を保護することにより安全性を増大させるファラデーケージ(Faraday
Cage)が作られる。
【0048】
LV区画33において格納ボックス11の側壁11dは、以下でより詳細に述べるように、それぞれのケーブルグロメット56が低電圧エネルギーケーブルの挿入のために固定される複数の貫通孔を備える。図に示される非限定的な例において、幾つかの複数少数のケーブルグロメット56は平行な列に配置される。ケーブルグロメット56は、LVケーブル57(
図3及び5)の挿入のための切断可能な端子(不図示)に機械的に接続される。
【0049】
変電設備10のボックス区画31,32,33それぞれへのアクセスのために、ボックス11は複数の取り外し可能なボックス壁区画15,18,19、例えば、開放可能なドア又は取り外し可能なパネル(図示の例では、外側に開放可能なドア)を備える。図の例では、MVボックス区画31へのアクセスのための取り外し可能な壁区画15は、ボックス11の第1の側壁11bに配置され、一方、変圧器区画32及びLV区画33へのアクセスのためのそれぞれの壁区画18,19は、前側11aに配置される。
【0050】
格納ボックス11は好ましくは、液体、例えば周りの土壌から滲み出す可能性のある水の吸入を防ぐために水密な材料で作られる。より一般的には、格納ボックスは、良好な又は完全な水密性のために外部に対して封止される。水密性を常に確実にするために、取り外し可能なボックス壁区画は、既知の方法により、閉位置にあるとき水密とされるように作られる。
【0051】
メインフレーム12は、地階の区画に電力変電設備を設置して、例えばメンテナンス又は補修の場合に地面レベル又は建物の地階までこれを持ち上げるためにフレーム構造12と一体化された、少なくとも2つのウィングフック16を含んでもよい。図に示す実施形態において、4つのウィングフック16が変電設備の上壁11cのフレームに配置されている。フックはもちろん、異なる形状及び/又は構造を有することができる。
【0052】
他の実施形態(不図示)では、リフティングフックはなく、変換変電設備はリフティングシステムによって垂直に移動させることができる。
図3を参照すると、変電設備10は、入力電圧をより低いレベルの電圧に変換するよう、特には、中電圧電力を低電圧電力に変換するよう構成された電力変圧器40を備える。変圧器40は、変圧器ボックス区画32内に配置される。一般的に、変圧器のサイズは、必要とされる電力によって決まり、典型的には、二次変電設備で300~1000KVAの範囲である。より小さい電力では、よりコンパクト且つ省スペースな設計が可能となる。非限定的な例として、図に示す実施形態では、変圧器40は、金属棒45(
図6で視認可能)によって互いに機械的に接続され、ベースフレーム81(
図3,6~8)に取り付けられる3つの単相変圧器ユニット40a,40b,40cを備える三相変圧器である。通常は、変圧器40はアースケーブル44(
図3)を介してアース接続される。
【0053】
一実施形態において、変圧器40は、樹脂に予め含浸させた又は樹脂に内包されたMV及びLV巻き線を好ましくは備えた、乾式MV/LV配電変圧器である。
好ましくは変圧器40は、メンテナンス又は補修のために変電設備から取り外し、アクセスすることが可能なように変圧器区画32に設置される。この目的のために、変圧器は、両方向ローラガイド82(ローラは
図6において部分的に視認可能)に、ベース
フレーム81を介して取り付けられる。図示された例において、ローラガイド82は、変圧器のベースフレーム81の上端に固定された一対の金属プロファイル82aを備え、各金属プロファイル82aは、1つ以上のスライドローラに係合するよう構成される。図の例では、ベースフレーム81は、ローラガイドの一対の金属プロファイル82aにフックで引っ掛けられる。ローラガイド82は、格納ボックスの底壁11eに固定されたスライドレール53上に配置され、例えば、スライドレールはボックスの下側に溶接又はボルトで留められる。スライドレール53は、変電設備10の前後方向に延在する1つ又は2つのガイドレール(図においては2つのレール)を備える。ローラガイド82とガイドレール53と間の接触は、ガイドレールに沿って移動するように構成されたローラを介してなされる。ローラは、漏電の場合に、変圧器40と格納ボックス11との間で電気伝導がないように、非導電性の高分子材料で作られ得るか、これにより外側から被覆され得る。変圧器の抜き取りのための他の構造及び構成がもちろん可能であり、用いられる変圧器の構成及び/又は変圧器ボックス区画の内部空間により異なってもよい。
【0054】
図5は、変電設備10に含まれる主要な部品と、機器のいくつかの詳細とをより明確に示すために、フレームを備えた格納ボックスを取り除いた電力変電設備の背面斜視図である。
図6は、格納ボックスの横側部11dからのさらなる背面斜視図であり、いくつかの内部の詳細をより明確に示すために、ボックスの前側11aの取り外し可能なドア、すなわちパネル18,19以外はボックスが図面から取り除かれている。
【0055】
図に示す例において、三相電力送電系統は、電力変換変電設備からの有線接続/電力変換変電設備への有線接続関して考慮されている。しかし、この例は、限定するものと見なされるべきではなく、電気の技術的特徴は、地域又は国の規格によって定められている。
【0056】
略してMVスイッチギヤとも呼ばれる中電圧スイッチギヤ51がMVボックス区画31内に配置されており、図において平行六面体形状の外部ケーシングで示される。外部ケーシングは例えば金属製のボックスであってもよく、この金属製のボックスは接地されるよう意図されており、その内部で、スイッチ、スイッチギヤを動作させるための制御装置、測定装置、及び保護装置等の電気機器が囲まれている。典型的な実装において、MVスイッチギヤは、空気、ガス(例えば、SF6)、又は真空絶縁技術を用いてステンレス鋼のケーシングに密封されている。
【0057】
MVスイッチギヤの外部ケーシングは、ボックス底壁11eに載置されている基部を備える。
MVスイッチギヤ51のケーシングは、変電設備10の格納ボックス11の底壁11e上に好ましくは設置される。通常、MVスイッチギヤは、モジュラユニット(又はモジュール)を備える又はこれからなってもよい。配電網の二次変電設備において、MV分電盤は複数のモジュール(不図示)を典型的に備える。当該分野における一般的な用語によると、モジュールのタイプは、モジュールC(ケーブルの配線用回路遮断器)、F(ヒューズ付きスイッチ断路器)、V(真空内配線用回路遮断器)、及びM(測定)のことを指す。一例においてMVスイッチギヤ51は、CFV又はCCF構成を備えたリングネットワーク(RMU)のためのスイッチギヤである。
【0058】
MVスイッチギヤ51は、複数の入出力スイッチモジュール(C-モジュール)を備え、各入出力モジュールは、中電圧ケーブルの入力及び/又は出力接続のために構成されている。MVスイッチギヤは、変圧器の損傷を防ぐために、障害(Vモジュール)の場合には、電流を地面への向かわせるよう構成された少なくとも1つのモジュールも備える。少なくとも1つのVモジュールの代わりに又はこれに加えて、MVスイッチギヤはFモジュールを備える。
【0059】
中電圧電力ケーブル61,62は、変電設備10を配電グリッドに接続するためにMVスイッチギヤ51に接続される。図示の実施形態において、ケーブル61,62は3相であり、その電気位相は3本の別々のケーブルに乗せられる。エネルギーケーブル61(異なる相の3本のケーブル)は、二次変電設備10より上流の二次又は一次変電設備との接続のためであり、一方、エネルギーケーブル62は、二次変電設備10を一次グリッド電力線に沿って下流の変電設備に接続する。
【0060】
MVスイッチギヤ51と変圧器40との電気接続のために、中電圧変電設備エネルギーケーブル63が提供される。異なる相の3本の変電設備ケーブル63は、入力(相ごとの接続)として変換されるべき中電圧電力を提供するために、それぞれの変圧器ユニット40a,40b,40cに接続される。ボックスケーブル63は、中電圧側すなわちMV区画31に面している変圧器ユニットの側の変圧器に接続される。
【0061】
図6を参照すると、MVスイッチギヤ51は、中電圧ケーブル61,62,63の入力及び/又は出力を透かし図で示している。
MVケーブル61,62は、変電設備の下方から変電設備10へ入る。MVケーブル61,62は、MVスイッチギヤ51に接続する前の、少なくとも最終の部分においては、基本的に垂直な方向で下から変電設備10へ入る。格納ボックス11の底壁11eにある1つ以上の開口(視認不可)により、ケーブルへの出入りが可能となる。
【0062】
MVスイッチギヤを囲む金属製ケーシングの基部には、複数の貫通孔があり、その中で、それぞれのケーブルグロメット66が、入出力スイッチモジュールへの接続のための三相ケーブル61,62を通すために固定されている。MVスイッチギヤの外部ケーシングの下面にある複数の貫通孔66は、ケーブルが出入りができるように、格納ボックス11の底壁11eにある1つ以上の開口(視認不可)に配置される。
【0063】
変電設備10の小さな内部空間の図の観点から、変電設備10へ入る/から出る中電圧ケーブル、及び、特には、MVスイッチギヤ51と変圧器40との接続のための変電設備ケーブル63は、ボックス内部で曲がらないのが好ましく、そして特には、用いられるエネルギーケーブルに関する限界曲げ半径以下で曲がるのを避けることが好ましい。好ましくは、変電設備区画31,32内及びその間の内部空間は小さくされているので、エネルギーケーブルを限界曲げ半径より大きな曲げ半径に伸ばすのは複雑となるので、MVスイッチギヤ51から変圧器40へのエネルギーケーブルのルートの少なくとも一部は、変電設備10の外側にある。
【0064】
各中電圧電力ケーブル63は、中電圧スイッチギヤ51に接続される第1の端部と、第1のボックス区画31に面する変圧器側で電力変圧器40のそれぞれの相に接続される第2の端部とを有する。
各変電設備MVケーブル63は、MVスイッチギヤ51の外部ケーシングの基部にあるそれぞれの貫通孔69と、第1のボックス区画31でスイッチギヤ51にその第1のケーブル端で接続されるボックス底壁11eにある対応する貫通孔(視認不可)とを介して、下方から変電設備へ入る。MVスイッチギヤ51から、中電圧ケーブル63のルートは変電設備の外側を進み、第2のボックス区画32に配置されているボックス底壁11e(不図示)のそれぞれの開口を介してさらに下から入り、そして最終的にその第2の端部で、電力変圧器40のそれぞれの相に接続される。
【0065】
好ましくは、MVスイッチギヤ51に入るケーブル61,62のルートは、変電設備10の外側にある。上記のとおり、MVエネルギーケーブル61,62は、MVモジュール51のケーシングの下側のケーブルグロメット66の位置で、格納ボックス11の底壁11eに形成された複数の開口を介して、変電設備へ入る(又は、から出る)ことができる。
【0066】
MVスイッチギヤ51の接地は、MVスイッチギヤ51を接地するためのアースケーブル68によって行うことが可能であり、電力ケーブル68aはボックスの底壁11eに形成された孔を介して、変電設備10の外へ進み、孔はケーブルグロメット67aを備える。典型的には主ボックス・フレーム12も、接地ケーブル(不図示)を介して接地されている。
【0067】
図示の実施形態において、少なくとも1つのケーブルシャフト35,36が、変電設備(
図1)から出る及び/又は変電設備へ入るMVケーブルを収容するために、変電設備10の支持面25の下方に設けられる。第1のケーブルシャフト35が、少なくともMVボックス区画31の部分で、変電設備10の下方に延在する。MVケーブル61及び62(部分的に視認可能)の最終の部分は、第1のケーブルシャフト35の内部へ導かれ、そして、ケーブルグロメット66(
図5及び6)を介して、変電設備10の支持面25に対して実質垂直方向に下方から変電設備10に入るか、又はこれから出る。
【0068】
第1のケーブルシャフト35に隣接する及び/又はこれと連通している第2のケーブルシャフト36が、MVボックス及び変圧器区画31,32で延在し、MVスイッチギヤ51を各変圧器ユニット40a、40b、及び40cに接続するMVケーブル63を収容するよう構成される。この例において、第2のケーブルシャフト36は、比較的大きい曲げ半径を備えたケーブルを真っすぐに伸ばすことができるMVケーブル63のためのU形状の経路を作る。
この構成により変電設備の外側からMVケーブルへ容易にアクセスすることができ、
試運転中のグリッド接続操作と変電設備交換時の接続・切断操作との両方が容易となる。
【0069】
図示された例において、第1及び第2のケーブルシャフト35,36は、変電設備10のための基部としての役割を果たす石工ワーク37内に作られる。2つの相互接続されたシャフト35,36が確認できる
図1に示すように、単一のケーブルシャフトを、MVケーブル61,62,63を収納するために設けることができる。ケーブルシャフト(複数可)は、ケーブルを真っすぐにする方向を横切る方向に沿った好適な幅と、MVケーブルを収容するための好適な奥行きとを有する。
ケーブルシャフトの代わりに、あらかじめ作られたケーブルダクト、又はその位置用のケーブルダクトを設けることが可能である(不図示)。
【0070】
変電設備10の低電圧ボックス区画33には、低電圧(LV)スイッチギヤ55が配置され、変圧器40に電気的に接続される。スイッチギヤ55は、低電圧導体との電気接続のために複数の低電圧入出力スイッチを備える。例えば回路遮断器は、自動開放型遮断器である。典型的にLVスイッチギヤは、その内部に回路遮断器が配置された外部ケーシングを備える。
【0071】
好ましくは、LV入出力スイッチはモジュール式であり、すなわち、それらはスイッチモジュールに収納される。図に示す非限定的な例において、スイッチギヤは4つの入出力スイッチモジュール55M(
図9)を備える。
LVスイッチギヤ55はまた、保護回路遮断器等の典型的に変換変電設備のLVスイッチギヤ内に見られる追加の部品(不図示)を備えてもよい。
【0072】
好ましくは、変電設備における、すなわち変圧器40の下流での低電圧電気エネルギーの伝達は、以下バスバー構造体と呼ばれ全体として図において参照番号54で示される電気バスバー構造体によって行われる。バスバー構造体は、低電圧エネルギーの伝達のために構成された複数のバスバーを備える。バスバーは、バス用のバーとも呼ばれる。一般的に知られるように、バスバーは、直線状の金属製の部材であり、典型的には銅又はアルミニウムで形成され、長方形の断面を備えており、電気接続を形成するために、互いに直接的に締結されることが可能である(図において、バスバー接続は単に模式的に示される)。バスバーは、異なる長さの部材を予め組み立てたものであってよく、典型的には絶縁材に内包されている。
【0073】
以下、バスバーは、一方向に延在する直線形の部材を有する電線用導管、若しくは一方向より多くの方向に延在する電線用導管、例えばL-若しくはC-形状のバスバー、又はバスバーの幾つかの部分を接合/接続することによって作製された小片のいずれかを言う。さらに、バスバー構造体54におけるバスバーに異なる番号を付しているのは、限定するためと見なされるべきでなく、単にバスバーの機能を示す。
【0074】
好ましくは、バスバー構造体54は、変圧器からLVスイッチギヤ55への電気接続と、後者から低電圧電力線のための電力ケーブル57への接続との両方のために用いられる。
図7~9は、LV変電設備区画33における、バスバーを介した電気接続をより詳細に示す。
【0075】
複数のバスバー71,73は、電気入力接続として変圧器40をLVスイッチギヤ55に接続する。具体的には、電気接続は段階的に行われ、それぞれのバスバー71は各変圧器ユニット40a~40cを、LVボックス区画に配置されLVスイッチギヤのそれぞれの入力スイッチに接続されたそれぞれの入力バスバー73に電気的に接続する。非限定的な例において、2つのバスバー71は、バスバー71a,71b部分で形成され、1つのバスバー71は単一の部分で形成される。
【0076】
それぞれの変圧器ユニットに接続されたバスバー71は、ボックス上壁11c付近の仕切壁29に形成された1つ以上の開口(図において視認不可)を介して、変圧器ボックス区画32からLVボックス区画33へと入る。
好ましくは、ボックス区画33内に配置されたフレーム72があり、このフレームは非導電性の構造部材で作られる。好ましくは、フレーム72は仕切壁29の付近で、区画側33(
図3において視認不可であり、より明確にするためバスバーのみを示す)に設置される。フレーム72は、支持構造を作り、バスバーのLVスイッチギヤ55への異なる高さでの電気接続を容易にするために、水平直線状部材72aに機械的に接続された垂直直線状部材72bを備える。この目的のために、バスバー73はフレーム構造72へ伸び、これに拘束され得る。「水平」及び「垂直」配置は、使用時の電力変電設備のレイアウトについて言及している。
それぞれの出力バスバー74は、LVケーブルへの電気接続のために異なる相のエネルギーを運ぶために、各スイッチモジュール55Mの出力スイッチに接続される。
【0077】
この例において、出口バスバー74は、下方に逆向きにしたL-形状(
図9)を有する。各バスバー74は、変電設備の横方向へ延在する水平部分74a(水平及び垂直は変電設備10のレイアウトを参照して理解される)と、垂直部分74bとを備え、バスバー74bの垂直部分は、低電圧エネルギーケーブル57(
図5及び8)のそれぞれの相への接続のためにラグ端子79が固定される孔を備える。
もちろん、バスバーとLVケーブル57との間では他のタイプの接続が可能である。例えば、低電圧電気接続は、それぞれのLVケーブルの3つのコアに接続される単一のラグ端子を介して設けることができる。
LVスイッチギヤ55は、例えば変電設備が地面より上に持ってくる場合に、メンテナンスの目的で作業員が容易にアクセス可能なように、格納ボックス11のドア19に近い前側に配置できる。
【0078】
MVスイッチギヤ51は、スイッチモジュール及び/又はMV電力ケーブルへのアクセス/それら交換のために取り外し可能な壁区画15を介して、外部からアクセス可能である。例えば、MVスイッチギヤは、変電設備ボックス11の底壁11eに設置され、変電設備を地面より上に移動させるときには取り外し可能な壁区画に移動させることができる。
【0079】
有利には、変電設備10は、変電設備を地面まで移動させるときに、変電設備区画へ作業員が物理的に入る必要がないようなサイズにされる。
一般的にMVスイッチギヤ51及びLVスイッチギヤ55は、国又は地域の規定又は特定の規格に従って建設及び設置される。
【0080】
変電設備10は、変電設備における物理装置(physical device)の制御、調整/修正と、物理装置からのデータ/物理装置へのデータの取得、制御、及び管理によるモニタリング及び/又は制御信号に従ったモニタリングといった通常の機能を含む監視及び制御システムを備える。特には、監視及び制御システムは、電力変電設備に位置するスイッチング装置を動作させるよう、例えば、それらのステータス(例えば、開閉)を変更するよう構成されている。監視及び制御システムは特には、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:監視制御とデータ収集)モジュールを含む。
【0081】
好ましくは、監視及び制御システムは集中型である。好ましくは、監視及び制御システムは、データを遠隔で送受信し、電気通信網と通信するためのモジュールを備える。送受信モジュールは、SCADAモジュール内に又はこれと通信するよう設置され得る。送受信モジュールは、有線の電気通信網、移動網(すなわち無線周波数信号を経由)、又は移動網と通信するWLANと通信するよう構成することができる。そのため、代替的又は追加的に、変電設備データへのアクセス及び変電設備データの制御は遠隔で行うことができる。
【0082】
上記のとおり主な用途において、変電設備10は、格納ボックス11の上壁11cを備える外部からアクセス可能なボックスの上部で、外部環境と連通している。上壁11c上には、電力変電設備の監視及び制御システムと通信する電子制御パネル91(
図10)へのアクセスのための点検口22がある。制御パネル91は、変電設備の外で立っている作業員がアクセス可能なように、変電設備10内部で点検口22又はその付近に位置する。
図に示さない例において、電子制御パネル91は、上からアクセスされるハウジング内に収納され、このハウジングはボックス上壁11cの内側の面に固定される。
【0083】
SCADAモジュール、より一般的には監視及び制御システムは、電子モジュール52内に収納される。送受信モジュールがある場合は、送受信モジュールは好ましくは電子モジュール52内に収納される。SCADAモジュール及び送受信モジュールは図に示されておらず、図は電子機器モジュールを模式的に示している。
ケーブル68bが、電子機器モジュール(
図6において電子機器モジュールは不図示)の接地のために設けられ得る。
【0084】
オプションとして、SCADAモジュールは、変電設備10がその一部である、既知の配電網監視及び管理システム(ADMS)に操作的に接続される。ADMSは、変電設備SCADAモジュールより階層的に上位にあり、そして、例えば移動又は固定電気通信網への接続のための送受信モジュールを介して、変電設備自体の電子モジュール52と典型的にはインターフェース接続している。
【0085】
電子機器モジュール52は制御パネル91に操作的に接続される。通常は、電子機器モジュール52は、制御パネル91を介して制御可能な変電設備内のMV及びLVスイッチギヤ、電力変圧器、及び他のオプションの電気又は電子機器への接続のための入力部と出力部とを備える。
特に、電子制御パネル91は、(例えば、ステータス変更を行うための)MV及びLVスイッチギヤのスイッチング装置を制御、より一般的には変電設備10に存在する物理装置で制御するよう構成することができる。図の例では、電子モジュール52はMV区画31において、MVスイッチギヤ51の上で、制御パネル91(
図5)の付近に配置される。
図4では、制御パネル91は取り外されており、開口22を介して、変電設備監視及び制御システムを含む電子機器モジュール52を視認することができる。
【0086】
制御パネル91は、蓋17、例えば点検口22を覆って設置される取り外し可能なパネル又は再封可能なハッチによって、外部環境から保護される。好ましくは、蓋17は水密であり、例えば、シールガスケット92を取り付けることができる。
【0087】
既知の方法により、制御パネル91は、マウス、キーボード、及びタッチスクリーン等のユーザによって作動される1つ以上の入力装置と、電力変電設備内の機器に関する回路図の一覧ページ、ステータス信号、若しくはアラーム、又は変電設備内に設置されたセンサー及び計器からの測定信号を示すための1つ以上のディスプレイとに論理的にリンクされたヒューマンマシンインターフェース(HMI)を備える。HMIインターフェースを用いて作業員は、外部から電力変電設備を視認することができ、操作及び作動パラメータ及びより一般的には変電設備データを視認するために、現場で変電設備10の上壁11cに位置する制御パネル91にアクセスする。低電圧又は中電圧線を介する電流の流れを許容又は防止するための、回路遮断器又は断路器等の電気的スイッチング装置の位置の変更等の通常の操作が、制御パネル91を介して制御及び管理可能である。
【0088】
制御及び監視システムが遠隔で電気通信網と通信してデータを送受信するためのモジュールを備える場合、スイッチング装置の監視及び制御は遠隔で実行することができる。
【0089】
動作中の電力変圧器は、放熱が必要な熱を発生させる。自然対流冷却システムが、従来の地下変電設備において用いられることが多い。しかし、灼熱ともいえる夏の気候に関連して容積の小さい変電設備10は、変電設備内部の温度を一定の値未満、例えば45°C未満に保つ強制空冷を設けることが好ましい。
【0090】
変電設備10は好ましくは強制空気冷却システムを備える。冷却システムは、変電設備10の上壁11cに外部環境と連通するように配置される少なくとも2つの換気ユニットを備える。使用状態では、換気ユニットは地面より上に配置される。換気ユニットは、第1の吸気口24と第1の空気取出装置21とを備え、この第1の空気取入口と第1の空気取出装置とは変電設備10の内部に連通している。
【0091】
第1の空気取入口24と第1の空気取出装置21とは、格納ボックス11の上壁11cで、好ましくは変電設備10の変圧器ボックス区画32に配置される。このように、変圧器40は、機器の過熱を防ぐために操作中は流動下にある。
図3において、第1の仕切壁28は、好ましくは上壁の付近に配置された少なくとも1つの開口28B(図においては2つの開口)を含む。第2の仕切壁29は、ボックス上壁11cの付近に配置された少なくとも1つの開口(図において視認不可)を含む。
【0092】
仕切壁28,29はまた、ワイヤ、電力ケーブル、又は接地ケーブルを通すために、例えば、ボックス底壁の付近に、1つ又は両仕切壁の下方部分に配置された1つ以上の下部開口28Aを含んでもよい。
図3では視認不可であるが、第2の仕切壁29は開口28Aに対応する位置にそれぞれの開口を有してもよい。
当然ながら、壁にある開口の数及びサイズは一例である。
【0093】
好ましくは、換気ユニットは、第1及び第2の空気取入口24,23と、強制換気のための第1及び第2の空気取出装置21,20とを含むか、上記の空気取入口と空気取出装置のみから構成される。第2の空気取入口23及び第2の取出装置20は、MVボックス区画31及びLV区画33にそれぞれ配置される。あるいは、第2の空気取入口23はLVボックス区画33に配置され、第2の取出装置20はMV区画31に配置される。このように、空気の流れを変電設備10の全てのボックス区画31,32,33内で保つことが可能となる。
【0094】
仕切壁28,29のそれぞれにおける少なくとも1つの開口の存在は、格納ボックスの区画の間で空気の通路を作るので、換気を同程度以上に効果的にする。
仕切壁29の1つ以上の開口は、ボックス区画内の空気循環の目的と、変圧器からLVボックス区画へのバスバーの接続との両方で役立つことができる。
仕切壁28,29の開口のサイズ及び数は当然のことながら単に一例である。
空気取入口23,24と空気取出装置20,21とは、格納ボックスの上壁11cに形成されるそれぞれの開口(不図示)に取り付けられる。空気取入口23,24のそれぞれは、自然外気の供給口を有することができる。空気取出装置20,21は、アキシャル遠心モータを備えた空気取出器であり得る。
有利には、冷却システムには、電力変電設備内部の空間を占有しないように、導管がない。
【0095】
本開示による電力変電設備の主な用途においては、変電設備は地下にあり、格納ボックス11のボックス上壁11cの外部面は、その内部に配置された機器を冷却するために、及び/又は電子制御パネルへのアクセスのために、及びそれによる機器の制御のために外部からアクセス可能である。
外部環境において電力変電設備の占有面積が小さいことが望まれる状況の場合、例えば、高度に都会化された環境では、ボックス上壁11cが地面レベル又は路面レベル、一般的には地面上のレベルとなるように、変電設備は完全に地下にあるのが好ましい。
【0096】
好ましくは、入ってくる又は出ていく空気を通すために構成される各換気ユニットの区間は、(地面レベルで)あらゆる流水の侵入を防ぐように地面レベルより上に上げられるよう、第1及び第2の空気取出装置20,21と、第1及び第2の空気取入口24,23とは垂直延在部(Z-軸)を有する。好ましくは、各換気ユニット20,21,23,24は、換気ユニットの空気が通る区間が少なくとも10cmの高さ、例えば10~20cmの高さにあるように、格納ボックス11の上壁に配置される。
【0097】
この目的のために、空気取入口23,24と空気取出装置20,21とは好ましくは、それぞれの垂直スペーサー26,27上に取り付けられる。垂直スペーサーは、上壁のそれぞれの開口を介して空気の流れを許容するために、中空の内部を持つように構成される。
好ましくは、換気ユニットは、(上からの)雨水の侵入を防ぐように構成される。図の実施形態において、空気取出装置20,21は、下方に向いた円形の冠部を備える。
好ましくは、空気取入口23,24は、重力フラップを備えた空気取入口であり、雨水の侵入を防ぐように下方を向いている。
本開示による電力変電設備によると、全体の寸法を大幅に低減できる。
【0098】
ボックスの全体の寸法、すなわち、ボックスの上壁における、外側に位置する空気取入口と換気扇とを除く変電設備の全体の寸法は、好ましくは12~15m3である。
好ましくは、設置面積L×Wは、5~7m2である。
一例において、ボックス11の寸法は、L=3070mm、W=2050mm、及びH=2296mmであり、全体の変電設備容積は約14.4m3である。
例えば、MV及びLV区画のそれぞれの長さは1000mmであり、変圧器区画の長さは1070mmである。これらの寸法は、2000kVAの変圧器電力、例えば20kVの配電網に好適であろう。
他の例において、630kVAの変圧器電力のためには、ボックス11の寸法は、L=2870mm、W=1850mm、及びH=2296mmであり、全体の容積は約12m3である。
【0099】
当業者なら、さらなる実施形態を得るために、上記実施形態のさまざまな特徴を組み合わせることが可能であり、全て、以下の請求項により定められるような本発明の範囲内となることを認識するであろう。
【国際調査報告】