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特表2024-525645機械的な封止のための摺動機構を有するエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生システムのためのカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】機械的な封止のための摺動機構を有するエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生システムのためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240705BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240705BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20240705BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
A24F40/30
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500646
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2022069792
(87)【国際公開番号】W WO2023285618
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21186259.4
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ギヨーム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC01
4B162AC17
4B162AC42
(57)【要約】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成基体出口を保持する貯蔵部を含む第一の構成要素と、エアロゾル形成基体入口およびエアロゾル発生要素を含む第二の構成要素と、第一の構成要素を第二の構成要素に接続する摺動機構とを備え、第一の構成要素が第二の構成要素に対して第一の位置から第二の位置へと並進することを可能にするように構成される。第一の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口は、エアロゾル形成基体が第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できないように互いに整列せず、第二の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口は、エアロゾル形成基体が第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できるように互いに整列される。カートリッジを備えるエアロゾル発生システムも提供されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
エアロゾル形成基体を保持する貯蔵部およびエアロゾル形成基体出口を備える第一の構成要素と、
エアロゾル形成基体入口およびエアロゾル発生要素を備える第二の構成要素と、
前記第一の構成要素を前記第二の構成要素に接続し、かつ前記第一の構成要素が前記第二の構成要素に対して第一の位置から第二の位置へと並進することを可能にするように構成された摺動機構と、を備え、
前記第一の位置では、前記エアロゾル形成基体出口および前記エアロゾル形成基体入口が、前記エアロゾル形成基体が前記第一の構成要素から前記第二の構成要素へと通過できないように、互いに整列しておらず、前記第二の位置では、前記エアロゾル形成基体出口および前記エアロゾル形成基体入口が、前記エアロゾル形成基体が前記第一の構成要素から前記第二の構成要素へと通過できるように、互いに整列している、カートリッジ。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基体出口および前記エアロゾル形成基体入口が、前記第一の構成要素および第二の構成要素の対向する平行な壁上にそれぞれ形成され、前記第一の位置では、前記出口が前記入口と整列せず、前記第二の位置では、前記出口が、前記平行な壁と垂直な軸に沿って前記入口と整列する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記摺動機構が、前記第一の構成要素が前記平行な壁に垂直な前記軸に直交する横方向にのみ並進することを可能にするように構成される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第一の位置において、前記エアロゾル形成基体出口が前記第二の構成要素によって封止される、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第一の構成要素が、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を備える第一の気流チャネルをさらに備え、前記第二の構成要素が、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を備える第二の気流チャネルをさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第一の位置では、前記第一の空気吸込み口および前記第二の空気出口は、空気が前記第二の気流チャネルと前記第一の気流チャネルとの間を通過できないように、互いに整列しておらず、前記第二の位置では、前記第一の空気吸込み口および前記第二の空気出口は、空気が前記第二の気流チャネルと前記第一の気流チャネルとの間を通過できるように、互いに整列している、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記摺動機構が、前記第一の構成要素が前記第一の気流チャネルの長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されている、請求項5または6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第一の構成要素が前記第一の位置から外れて移動した場合に破断するように構成された、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素に結合された破断しやすい部材をさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記摺動機構が、前記第一の構成要素が前記第二の構成要素に対して単一の方向に並進することを可能にするように構成される、請求項1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第一の構成要素を前記第二の位置に保持する係止機構をさらに備える、請求項1~9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第二の構成要素が、前記エアロゾル発生要素に隣接している毛細管材料をさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記エアロゾル発生要素が流体透過性メッシュを備える、請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
マウスピースをさらに備える、請求項1~12のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のカートリッジと、前記カートリッジに接続された制御本体と、を備え、前記制御本体が、前記エアロゾル発生要素へ電力を供給するように構成された電源を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記制御本体が、前記第二の構成要素に直接接続されている、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生システムのためのカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの公知のエアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体が加熱および気化されてベイパーを形成する。蒸気は、冷却されてエアロゾルを形成する。電気加熱式喫煙システムなどの一部のエアロゾル発生システムでは、このエアロゾルはその後、ユーザーによって吸入される。エアロゾル発生システムはしばしば、二つの部分、すなわちカートリッジおよび制御本体を備える。制御本体は、エアロゾル発生システムを制御するための電子機器を包含する。エアロゾル発生システムのためのカートリッジは典型的に、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーターとを備える。このタイプのカートリッジは、ヒーターを制御本体に電気的に接続するための電気接点を含んでもよい。エアロゾル形成基体は典型的には液体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一部の従来技術のカートリッジは、使用前の液体エアロゾル形成基体の漏れを防止するために、一つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアを有する。バリアは、ユーザーがカートリッジを使用する準備ができた時に除去または破壊されうる。しかしながら、こうした配設は、いくつかの欠点を有する。例えば、バリアは、搬送中に偶発的に除去されるか、また破壊される場合がある。こうしたバリアが除去または破壊された後、カートリッジを再封止することは可能ではない場合がある。これは、最初の使用前、または複数回使用カートリッジの使用と使用の間の液体エアロゾル形成基体の漏れにつながる場合がある。液体の漏れは、システムの電気構成要素に干渉したり、消費者に不便をもたらせたり、またはその両方を引き起こす可能性がある。さらに、こうした配設は、消費者が取り扱うことが困難であり得、または製造することが困難であり得、またはその両方であり得る。
【0004】
これらの問題に対処するか、または少なくとも実行可能な代替物を提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】カートリッジの第一の構成要素が第一の位置にある、第一のカートリッジを備えるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
図2】カートリッジの第一の構成要素が第二の位置にある、図1のエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
図3】カートリッジの第一の構成要素が第一の位置にある、長軸方向の摺動機構を有する本発明の第二の実施形態のカートリッジの断面図を示す。
図4】カートリッジの第一の構成要素が第二の位置にある、長軸方向の摺動機構を有する図3のカートリッジの断面図を示す。
図5】代替的な気流チャネルおよびエアロゾル入口配設を有し、かつカートリッジの第一の構成要素が第一の位置にある、本発明の第三の実施形態のカートリッジの分解立体図を示す。
図6】代替的な気流チャネルおよびエアロゾル入口配設を有し、カートリッジの第一の構成要素が第二の位置にある、図5のカートリッジの分解立体図を示す。
図7a図5および図6のカートリッジの第一の構成要素の底面図を示す。
図7b図5および図6のカートリッジの第二の構成要素の上面図を示す。
図8図6のカートリッジの概略断面図を示す。
図9】本発明の第三の実施形態のエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の態様によると、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、エアロゾル形成基体を保持する貯蔵部と、エアロゾル形成基体出口とを備える第一の構成要素を備えてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体入口およびエアロゾル発生要素を含む第二の構成要素を備えてもよい。カートリッジは、第一の構成要素を第二の構成要素に接続する、かつ第一の構成要素が第二の構成要素に対して第一の位置から第二の位置へと並進することを可能にするように構成された摺動機構をさらに備えてもよい。第一の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口は互いに整列していない場合があるため、エアロゾル形成基体は第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できない。第二の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口は互いに整列していない場合があるため、エアロゾル形成基体は第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できない。
【0007】
有利なことに、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口が第一の位置で整列していないことにより、第一の位置で貯蔵部とエアロゾル発生要素との間の流体連通を防止する。これにより、エアロゾル形成基体が所望される前にエアロゾル発生要素と接触することを防止する。長期にわたってエアロゾル発生要素と接触するエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生要素の金属部分の腐食をもたらし得る。
【0008】
エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口は、それぞれ第一および第二の構成要素の対向する平行な壁上に形成されてもよい。第一の位置では、出口は入口と整列していないことがあり、第二の位置では、出口は平行な壁と垂直な軸に沿って入口と整列し得る。
【0009】
さらに、摺動機構は、第一の構成要素が平行な壁に垂直な軸に直交する横方向にのみ並進することを可能にするように構成されてもよい。
【0010】
第一の構成要素および第二の構成要素は、摺動機構によって接合されてもよい。有利なことに、第一の構成要素および第二の構成要素は、互いに接触する。第一の構成要素は、摺動機構の少なくとも一部を備えてもよい。第二の構成要素は、摺動機構の少なくとも第二の部分を備えてもよい。摺動機構の第一の部分は、摺動機構の第二の部分と係合するように構成されてもよい。摺動機構の第一の部分は突出部を備えてもよく、摺動機構の第二の部分は突出部と係合する陥凹部を備えてもよい。摺動機構は、直線摺動ガイドを備えてもよい。摺動機構の第二の部分はトラックを備えてもよく、摺動機構の第一の部分はトラックと係合するガイドを備えてもよい。別の方法として、摺動機構の第一の部分はトラックを備えてもよく、摺動機構の第二の部分はトラックと係合するガイドを備えてもよい。
【0011】
第一の構成要素は、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を含む第一の気流チャネルをさらに備えてもよい。第二の構成要素は、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を含む第二の気流チャネルをさらに備えてもよい。
【0012】
第一の位置では、第一の空気吸込み口および第二の空気出口は、互いに整列していない場合があるため、空気は第二の気流チャネルと第一の気流チャネルの間を通過できない。第二の位置では、第一の空気吸込み口および第二の空気出口は、互いに整列していない場合があるため、空気は第二の気流チャネルと第一の気流チャネルの間を通過できない。
【0013】
摺動機構は、第一の構成要素が第一の気流チャネルの長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されてもよい。
【0014】
第二の位置では、エアロゾル発生要素は、第一の気流チャネルと流体連通し得る。
【0015】
有利なことに、第一の位置では、エアロゾル形成基体出口および入口の両方、ならびに第一の空気吸込み口および第二の空気出口は流体連通しておらず、そのためエアロゾル形成基体は第一の構成要素と第二の構成要素の間を通過できない。
【0016】
カートリッジは、第一の構成要素および第二の構成要素と結合された破断しやすい部材をさらに備えてもよい。破断しやすい部材は、第一の構成要素の移動に抵抗するように構成されてもよい。破断しやすい部材は、破断するのに十分な力がかけられた場合に破断するように構成されてもよい。有利なことに、破断しやすい部材は、最初の使用前の第一の構成要素の偶発的な並進移動を防止しうる。破断しやすい部材は壊れやすいシールであってもよい。
【0017】
第一の位置では、エアロゾル形成基体出口は、第二の構成要素によって封止されてもよい。これにより、エアロゾル形成基体が第二の構成要素内またはカートリッジの外側へ漏れることが防止される。カートリッジは、第一の構成要素と第二の構成要素との間に封止要素をさらに備えてもよいことが好ましい。封止要素は、第一の構成要素が第二の位置にない時に、第一の構成要素からのエアロゾル形成基体の漏れを防止するように構成されてもよい。有利なことに、これにより、第一の構成要素が第二の位置でない限り、ユーザーによるエアロゾル発生基体の損失またはエアロゾル発生基体へのアクセスを防止する。封止要素は、第二の構成要素に固定されてもよい。封止要素は実質的に平坦なシートであってもよい。封止要素は、エラストマーを含んでもよく、またはエラストマーから形成されてもよい。例えば、封止要素は、ゴム、シリコン、または熱可塑性エラストマー(TPE)から形成されてもよい。封止要素は、エアロゾル形成基体入口を備える壁上の第二の構成要素に固定されてもよい。封止要素は、第一の構成要素が第二の位置にある時に、流体移動を可能にするための少なくとも一つの開口部を備えてもよい。封止要素は、エアロゾル形成基体入口の上の第一の開口部および第二の空気出口の上の第二の開口部を含む実質的に平坦なシートであることが好ましい。
【0018】
第一の構成要素は、一つ以上のリブを含みうる。一つ以上のリブは、エアロゾル形成基体出口を包囲してもよい。第一の構成要素が第一の位置にある時、エアロゾル形成基体出口は、封止要素に対して押す一つ以上のリブによって封止されてもよい。一つ以上のリブは、第一の空気吸込み口をさらに囲んでもよいことが好ましい。第一の構成要素が第一の位置にある時、第一の空気吸込み口は、封止要素を押す一つ以上のリブによって封止されてもよい。一つ以上のリブは、エアロゾル形成基体出口と第一の空気吸込み口との間に位置するリブを備えてもよい。エアロゾル形成基体出口と第一の空気吸込み口との間に位置するリブは、有利なことに、封止要素に対して押し付けられ、エアロゾル形成基体出口を第一の空気吸込み口から封止し得る。これは、流体が第一の空気吸込み口とエアロゾル形成基体出口の間を直接通過することを防止し得る。例えば、エアロゾル形成基体出口と第一の空気吸込み口との間に位置するリブは、封止要素に押し付けられ、エアロゾル形成基体がエアロゾル形成基体出口から第一の空気吸込み口の中に直接移動することを防止し得る。
【0019】
第一の構成要素が第二の位置にある時、一つ以上のリブは、封止要素の第一および第二の開口部と整列してもよい。有利なことに、これは、エアロゾル形成基体が第一の構成要素から第二の構成要素へと通過すること、および空気が第二の気流チャネルと第一の気流チャネルの間を通過することを可能にする場合がある。有利なことに、第二の位置では、エアロゾル形成基体出口と第一の空気吸込み口との間に位置するリブは、第一の封止要素開口部と第二の封止要素開口部との間の封止要素を押し付け、エアロゾル形成基体出口を第一の空気吸込み口から封止し得る。
【0020】
別の方法として、封止要素は第一の構成要素に固定されてもよく、第二の構成要素は一つ以上のリブを備えてもよい。
【0021】
摺動機構は、第一の構成要素が第二の構成要素に対して単一の方向に並進することを可能にするように構成されてもよい。第一の構成要素の一方向の並進移動は有利なことに、過度の摩耗、ひいてはカートリッジの損傷につながる可能性のある不必要な前後の摺動を防止し得る。第二の構成要素は、第一の構成要素を第二の位置に保持するラチェット機構を備えてもよい。別の方法として、第一の構成要素は、第一の構成要素を第二の位置に保持するラチェット機構を備えてもよい。
【0022】
随意に、カートリッジは、第一の構成要素を第二の位置に保持する係止機構を備えてもよい。これは有利なことに、使用中に第二の構成要素に対する第一の構成要素の偶発的な摺動を防止し得る。
【0023】
第一の構成要素は、第一の構成要素を第二の位置に保持する格納式部材をさらに備えてもよく、格納式部材は、第一の位置にある時に格納され、第二の位置にある時に第二の構成要素の空洞の中に延びるように構成されている。
【0024】
第二の構成要素は、エアロゾル発生要素に隣接した毛細管材料を含んでもよい。毛細管材料は、エアロゾル発生要素と流体連通してもよい。毛細管材料は、材料の一方の端から別の端に液体を能動的に運ぶ材料である。毛細管材料は、エアロゾル発生基体をエアロゾル発生要素に送達する。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は、エアロゾル形成基体をエアロゾル発生要素に向かって運ぶために概して整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成し、これを通してエアロゾル形成基体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なるエアロゾル形成基体の物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって毛細管媒体を通してエアロゾル形成基体を搬送することを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むが、これらに限定されない物理特性を有する。
【0025】
エアロゾル発生要素は、第一の側面および第二の側面を備え得る。第一の側面は、第二の側面の反対側であり得る。第一の側面は第二の気流チャネルに露出されてもよく、第二の側面は毛細管材料に露出されてもよい。エアロゾル発生要素は、流体透過性材料を含み得る。流体は、液体またはベイパーの形態で流体透過性材料を通過しうる。第二の気流チャネルは、流体透過性エアロゾル発生要素を介して毛細管材料と流体連通してもよい。
【0026】
エアロゾル発生要素は発熱体を含んでもよい。エアロゾル形成基体を加熱することは、エアロゾル形成基体から揮発性化合物をベイパーとして放出してもよい。次いで、ベイパーは、気流内(第一の気流チャネル内など)で冷却されてエアロゾルを形成してもよい。発熱体は、単純な製造を可能にするために実質的に平坦な発熱体を備えてもよい。幾何学的に、「実質的に平坦な」発熱体という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態である発熱体を指すために使用される。それ故に、実質的に平坦な発熱体は、実質的に三次元でよりも、表面に沿って二次元で延びる。特に、その表面内での二次元の実質的に平坦な発熱体の寸法は、表面に垂直な三次元での寸法の少なくとも五倍である。実質的に平坦な発熱体の例は、二つの実質的に平行な仮想表面間の構造であって、これらの二つの仮想表面間の距離はその表面内の延長よりも実質的に小さい。一部の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は平面状である。他の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は一つ以上の寸法に沿って湾曲していて、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。
【0027】
エアロゾル発生要素は、流体透過性メッシュを含み得る。発熱体は、第二の側面から第一の側面に延びる複数の隙間または開口を備えてもよく、それを通して流体が通ってもよい。発熱体は複数の導電性フィラメントを備えてもよい。「フィラメント」という用語は本明細書全体を通して、二つの電気接点間に配設された電気的な経路を指すために使用される。フィラメントは恣意的に、いくつかの経路またはフィラメントへとそれぞれ枝分かれおよび分岐させてもよく、またはいくつかの電気的な経路から一つの経路に合流させてもよい。フィラメントは丸型、正方形型、平坦型、または任意の他の形態の断面を有してもよい。フィラメントは、真っ直ぐな様態または湾曲した様態で配設されてもよい。
【0028】
発熱体は、例えば相互に平行に配設されたフィラメントのアレイであってもよい。好ましくは、フィラメントはメッシュを形成してもよい。メッシュは織られていてもよく、または不織であってもよい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、導電性発熱体は、フィラメントのアレイまたはフィラメントの織物から成る。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物はまた、液体を保持するその能力によっても特徴付けられる場合がある。導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。使用時に気化されることになる液体が隙間の中に引き出されるように、フィラメントは隙間の中で毛細管作用を生じさせることが好ましく、発熱体と液体エアロゾル形成基体の間の接触面積を増大する。
【0029】
導電性フィラメントは、60~240フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)のサイズのメッシュを形成してもよい。メッシュ密度は、100~140フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)であることが好ましい。メッシュ密度は、およそ115フィラメント毎センチメートルであることがより好ましい。隙間の幅は100マイクロメートル~25マイクロメートルであってもよく、80マイクロメートル~70マイクロメートルであることが好ましく、およそ74マイクロメートルであることがより好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、40パーセント~90パーセントであってもよく、85パーセント~80パーセントであることが好ましく、およそ82パーセントであることがより好ましい。
【0030】
導電性フィラメントは8マイクロメートル~100マイクロメートルの直径を有してもよく、10マイクロメートル~50マイクロメートルであることが好ましく、12マイクロメートル~25マイクロメートルであることがより好ましく、およそ16マイクロメートルであることが最も好ましい。フィラメントは丸い断面を有してもよく、または扁平な断面を有してもよい。
【0031】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の面積は小さくてもよく、例えば50平方ミリメートル以下であってもよく、25平方ミリメートル以下であることが好ましく、およそ15平方ミリメートルであることがより好ましい。サイズは、発熱体を手持ち式システムの中に組み込むように選ばれる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物のサイズ設定を50平方ミリメートル以下にすることは、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物を加熱するのに必要な総電力量を低減する一方で、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物が液体エアロゾル形成基体に十分に接触していることを依然として確実にする。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物は、例えば長方形であってもよく、また2ミリメートル~10ミリメートルの長さ、および2ミリメートル~10ミリメートルの幅を有してもよい。メッシュは、およそ5ミリメートル×3ミリメートルの寸法を有することが好ましい。
【0032】
エアロゾル発生要素は、抵抗加熱されるように構成されてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生要素は、電流が発熱体を通過する時に熱を発生するように構成されてもよい。発熱体、またはその部分は、適切な電気的特性および機械的特性を有する任意の材料、例えば適切な電気抵抗性材料を含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。
【0033】
適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300, Denver Colorado)の登録商標である。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可能である。発熱体、またはその部分は、不活性材料の二つの層の間で絶縁された、金属のエッチングされた箔を含んでもよい。その場合、不活性材料はKapton(登録商標)、全層ポリイミド、またはマイカ箔を含んでもよい。Kapton(登録商標)は、E.I.du Pont de Nemours and Company(1007 Market Street,Wilmington,Delaware 19898,United States of America)の登録商標である。実質的に平坦な発熱体の抵抗の制御を改善するために、材料の組み合わせが使用されてもよい。例えば、固有抵抗が高い材料を、固有抵抗が低い材料と組み合わせてもよい。これは、材料のうちの一つが他の観点、例えば価格、機械加工性、またはその他の物理的および化学的パラメータの観点から、より有益である場合に、有利である場合がある。有利なことに、増加した抵抗を有する実質的に平坦なフィラメント配設は、寄生損失を低減する。有利なことに、抵抗が高いヒーターは、電池エネルギーのより効率的な使用を可能にする。
【0034】
フィラメントはワイヤで作製されていることが好ましい。ワイヤは金属で作製されていることがより好ましく、ステンレス鋼で作製されていることが最も好ましい。
【0035】
ヒーター要素の導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.3~4オームであることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.5~3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。電気抵抗は0.5オーム以上であることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.6オーム~0.8オームであることがより好ましく、約0.68オームであることが最も好ましい。
【0036】
発熱体はヒーター組立品の一部であってもよい。ヒーター組立品は発熱体と、発熱体に電気的に接続された電気接点部分とを備えてもよい。電気接点部分は、二つの導電性接点パッドであってもよい。導電性接点パッドは、発熱体の縁の区域に位置付けられてもよい。好ましくは、少なくとも二つの導電性接点パッドが、発熱体の先端に位置付けられてもよい。導電性接点パッドは、発熱体の導電性フィラメントに直接固定されてもよい。導電性接点パッドは、スズのパッチを備えてもよい。別の方法として、導電性接点パッドは発熱体と一体型であってもよい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、電気接点の電気抵抗より少なくとも一桁大きいことが好ましく、また少なくとも二桁大きいことがより好ましい。これは、発熱体に電流を通過させることによって発生した熱が、導電性フィラメントのメッシュまたはアレイに局在化されることを確実にする。システムが電池によって電力供給される場合、発熱体に対する全体抵抗が低いことは有利である。低抵抗で大電流のシステムは、発熱体に高電力を送達することを可能にする。これは、発熱体が導電性フィラメントを望ましい温度に素早く加熱することを可能にする。
【0037】
別の方法として、発熱体は、開口のアレイが中に形成されている加熱プレートを備えてもよい。開口部は、例えばエッチングまたは機械加工によって形成されてもよい。プレートは、発熱体のフィラメントに関して上述した材料などの、適切な電気特性を有する任意の材料で形成されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生要素はサセプタ素子を備えてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生要素は誘導加熱によって動作するように構成されてもよい。動作中、サセプタは、サセプタ内に誘導された渦電流によって加熱されてもよい。ヒステリシス損失もまた、誘導加熱に寄与する場合がある。
【0039】
エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を、加熱以外の方法で霧化してもよい。例えば、エアロゾル発生要素は、振動膜を備えてもよく、またはエアロゾル形成基体が微細メッシュを通るよう強制してもよい。
【0040】
エアロゾル形成基体は液体であってもよい。エアロゾル形成基体は室温で液体であってもよい。その場合、貯蔵部は、液体貯蔵部として説明されてもよい。エアロゾル形成基体は、室温において固体などの別の凝縮した形態であってもよく、または室温においてゲルなどの別の凝縮した形態であってもよい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を振動可能な要素の通路を通して動かすことによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は室温では液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成要素と固体構成要素の両方を含み得る。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0041】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%、例えば、約2%のニコチン濃度を有してもよい。
【0042】
カートリッジはマウスピースをさらに備えてもよい。第一の構成要素は、マウスピースを備えてもよい。別の方法として、第二の構成要素はマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、第二の空気出口に接続されてもよい。マウスピースは取り外し可能であってもよい。ユーザーは、第二の空気吸込み口から第一の空気出口に空気を引き出すマウスピースに陰圧を印加してもよく、エアロゾルがユーザーによって引き出されることを可能にする。別の方法として、カートリッジは、ユーザーが第一の空気出口を直接引き出すことを可能にするように構成されてもよい。
【0043】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、第一の態様のカートリッジと、カートリッジに接続された制御本体とを備えてもよい。制御本体は、エアロゾル発生要素へ電力を供給するように構成された電源を備えてもよい。
【0044】
制御本体は、制御本体がカートリッジに接続された時にエアロゾル発生要素への電気的接続を提供するように構成された少なくとも一つの電気接点要素を備えてもよい。電気接点要素は細長くてもよい。電気接点要素は、ばね式であってもよい。電気接点要素はカートリッジ内の電気接点パッドに接触してもよい。
【0045】
制御本体は、電源からエアロゾル発生要素への電力供給を制御するように構成された制御回路を備えてもよい。
【0046】
制御回路はマイクロコントローラを備えてもよい。マイクロコントローラはプログラム可能なマイクロコントローラであることが好ましい。制御回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。制御回路はエアロゾル発生要素への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後、エアロゾル発生要素に連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなどのように断続的に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態でエアロゾル発生要素に供給されてもよい。
【0047】
制御本体は、制御回路およびエアロゾル発生要素へ電力を供給するように構成された電源を備えてもよい。別の方法として、制御本体は、電力を制御回路に供給するように構成された第一の電源、および電力をエアロゾル発生要素に供給するように構成された第二の電源を備えてもよい。電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であってもよい。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の期間の間、エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は、所定の吸煙回数、またはエアロゾル発生要素の不連続的な起動を可能にするための十分な容量を有してもよい。
【0048】
制御本体は、カートリッジに取り外し可能に接続されてもよい。制御本体は、カートリッジの第二の構成要素に接続されてもよい。制御本体はカートリッジの接続端と係合するための接続部分を備えてもよい。制御本体は、制御本体の対応するねじ山と嵌合されたカートリッジのねじ山を介してカートリッジに接続されてもよい。別の方法として、制御本体は、制御本体上の対応する突出部とのスナップ嵌め接続を形成するカートリッジ内の開口を介してカートリッジに接続されてもよい。または、制御本体は、カートリッジ上の対応する突出部とのスナップ嵌め接続を形成する、制御本体の開口を介してカートリッジに接続されてもよい。カートリッジの第二の構成要素は、制御本体の空洞内に実質的に受容されてもよい。
【0049】
摺動機構は、第一の構成要素が制御本体の長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されてもよい。
【0050】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸って第一の空気出口を通してエアロゾルを引き出すことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは約25mm~約150mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは約5mm~約30mmの外径を有してもよい。
【0051】
本発明の一態様の特徴は、本発明のその他の態様にも適用されてもよい。
【0052】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体粒子、または液滴、または固体粒子と液滴との組み合わせの分散を指す。エアロゾルは可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温にて通常は液体または固体である物質の蒸気、ならびに固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせを含んでもよい。
【0053】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0054】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル形成体」は、使用時に、エアロゾル、例えばシステムの動作温度での熱劣化に対して実質的に耐性のある安定したエアロゾルの形成を容易にする任意の適切な化合物または化合物の混合物を指す。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど多価アルコール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど多価アルコールのエステル、およびドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンよりも高い沸点を有する、グリセリンとも呼ばれるグリセロールを含んでもよい。エアロゾル形成基体はプロピレングリコールを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「液体エアロゾル形成基体」は、凝縮された形態のエアロゾル形成基体を指すために使用される。したがって、「液体エアロゾル形成基体」は、液体、ゲル、またはペーストのうちの一つ以上であってもよいか、またはこれを含み得る。液体エアロゾル形成基体がゲルまたはペーストであるか、またはゲルまたはペーストを含む場合、ゲルまたはペーストは加熱時に液体化し得る。例えば、ゲルまたはペーストは、50、75、100、150、または200℃未満の温度に加熱すると、液体化しうる。
【0057】
本明細書で使用される「発熱体」という用語は、電力が供給されるとそれ自体が温度上昇するように構成された素子と、サセプタ素子に結合されたインダクタコイルなど、電力が供給されると結合された構成要素の温度上昇を生じさせるように構成された素子の両方を包含する。
【0058】
本明細書で使用される「サセプタ素子」は、変動磁界に供された時に加熱する導電性素子を意味する。これはサセプタ素子に誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果でありうる。サセプタ素子のための可能性がある材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、および事実上あらゆる他の導電性元素が挙げられる。有利なことに、サセプタ素子はフェライト素子である。サセプタ素子のための材料および幾何学的形状は、所望の電気抵抗および発熱を提供するように選ぶことができる。
【0059】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0060】
[実施例]
実施例1.
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、カートリッジが、エアロゾル形成基体を保持する貯蔵部およびエアロゾル形成基体出口を備える第一の構成要素と、エアロゾル形成基体入口およびエアロゾル発生要素を含む第二の構成要素と、第一の構成要素を第二の構成要素に接続する摺動機構と、を備え、第一の構成要素が第二の構成要素に対して、第一の位置から第二の位置へと並進することを可能にするように構成され、第一の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口が、エアロゾル形成基体が第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できないように、互いに整列しておらず、第二の位置では、エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口が、エアロゾル形成基体が第一の構成要素から第二の構成要素へと通過できるように、互いに整列している、カートリッジ。
実施例2.
エアロゾル形成基体出口およびエアロゾル形成基体入口が、第一の構成要素および第二の構成要素の対向する平行な壁上にそれぞれ形成され、第一の位置では、出口が入口と整列せず、第二の位置では、出口が平行な壁と垂直な軸に沿って入口と整列する、実施例1に記載のカートリッジ。
実施例3.
摺動機構が、第一の構成要素が平行な壁に垂直な軸に直交する横方向にのみ並進することを可能にするように構成される、実施例2に記載のカートリッジ。
実施例4.
第一の位置において、エアロゾル形成基体出口が第二の構成要素によって封止される、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例5.
第一の構成要素が、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を含む第一の気流チャネルをさらに備え、第二の構成要素が、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を含む第二の気流チャネルをさらに備える、実施例1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例6.
第一の位置では、第一の空気吸込み口および第二の空気出口が、空気が第二の気流チャネルと第一の気流チャネルとの間を通過できないように互いに整列せず、第二の位置では、第一の空気吸込み口および第二の空気出口は、空気が第二の気流チャネルと第一の構成要素気流チャネルとの間を通過できるように互いに整列される、実施例5に記載のカートリッジ。
実施例7.
摺動機構が、第一の構成要素が第一の気流チャネルの長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されている、実施例5または6に記載のカートリッジ。
実施例8.
第二の位置では、エアロゾル発生要素が第一の気流チャネルと流体連通する、実施例6または7に記載のカートリッジ。
実施例9.
第一の構成要素が第一の位置から外れて移動した場合に破断するように構成された、第一の構成要素および第二の構成要素に連結された破断しやすい部材をさらに備える、実施例1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例10.
破断しやすい部材が壊れやすいシールである、実施例9に記載のカートリッジ。
実施例11.
第一の構成要素が第二の位置にない時に、第一の構成要素からエアロゾル形成基体が漏れるのを防止するように構成された第一の構成要素と第二の構成要素との間にシールをさらに備える、実施例1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例12.
摺動機構が、第一の構成要素が第二の構成要素に対して単一の方向に並進することを可能にするように構成される、実施例1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例13.
第一の構成要素を第二の位置に保持するラチェット機構をさらに備える、実施例1~12のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例14.
第一の構成要素を第二の位置に保持する係止機構をさらに備える、実施例1~13のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例15.
第一の構成要素が、第一の構成要素を第二の位置に保持する格納式部材をさらに備え、格納式部材が、第一の位置にある時に格納され、第二の位置にある時に第二の構成要素の空洞内に延びるように構成される、実施例1~14のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例16.
第二の構成要素が、エアロゾル発生要素に隣接した毛細管材料をさらに含む、実施例1~15のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例17.
エアロゾル発生要素が、第二の側面に対向する第一の側面を備え、第一の側面が第二の気流チャネルに露出され、第二の側面が毛細管材料に露出される、実施例16に記載のカートリッジ。
実施例18.
エアロゾル発生要素が、流体透過性メッシュを備える、実施例1~17のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例19.
エアロゾル発生要素が発熱体を備える、実施例1~18のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例20.
エアロゾル発生要素が、抵抗加熱されるように構成される、実施例1~19のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例21.
エアロゾル発生要素が、サセプタ素子を含む、実施例1~19のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例22.
エアロゾル形成基体が、液体である、実施例1~21のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例23.
マウスピースをさらに備える、実施例1~22のいずれかに記載のカートリッジ。
実施例24.
請求項1~23のいずれかに記載のカートリッジと、カートリッジに接続された制御本体と、を備え、制御本体が、エアロゾル発生要素へ電力を供給するように構成された電源を備える、エアロゾル発生システム。
実施例25.
制御本体が第二の構成要素に直接接続される、実施例24に記載のエアロゾル発生システム。
実施例27.
摺動機構が、第一の構成要素が制御本体の長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されている、実施例24または25に記載のエアロゾル発生システム。
【0061】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0062】
図1は、エアロゾル発生システム500の概略断面図を示す。エアロゾル発生システム500は、カートリッジ300および制御本体400を備える。カートリッジは、第一の構成要素100および第二の構成要素200を含む。この実施例において、エアロゾル発生システム500は、電気的に作動する喫煙システムであり、しばしばeシガレットシステムと呼ばれる。
【0063】
制御本体400は携帯型で、従来的な葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズである。制御本体400は、リン酸リチウム鉄電池などの電池410、および電池410に電気的に接続されたコントローラ420を備える。
【0064】
カートリッジ300は、第一の空気吸込み口140と第一の空気出口145との間に形成された第一の気流チャネルを備える第一の構成要素100を備える。マウスピース115は、第一の空気出口145の上に取り付けられる。液体エアロゾル形成基体は、貯蔵部105内に保持される。貯蔵部105と流体連通しているエアロゾル形成基体出口120。カートリッジは、第二の構成要素200をさらに含む。第二の構成要素200は、毛細管材料250およびエアロゾル発生要素230と流体連通するエアロゾル形成基体入口220を備える。この例では、毛細管材料250は繊維質構造を有し、ポリエステルから形成されるが、任意の適切な材料が使用されうる。エアロゾル発生要素230は、複数のフィラメントから形成された、略平面状流体透過性メッシュ発熱体を備える。導電性接点パッドは、エアロゾル発生要素に固定される。カートリッジ300が制御本体400に接続されている時、導電性接点パッドは、制御本体400内の二つの電気接点に電気的に接続されている。電力は、この電気的接続を介して電池410からエアロゾル発生要素230に提供される。第二の構成要素はさらに、第二の空気吸込み口240および第二の空気出口245を含む第二の気流チャネルをさらに備える。エアロゾル発生要素230は、第二の気流チャネルと流体連通する。エアロゾル発生要素は、第二の空気吸込み口240の下流および第二の空気出口245の上流に位置付けられる。
【0065】
図1は、第一の構成要素100が第一の位置にあるカートリッジ300を示す。第一の位置では、エアロゾル形成基体出口120およびエアロゾル形成基体入口220は、エアロゾル形成基体が第二の構成要素200と第一の構成要素100との間を通過できないように、互いに整列されていない。特に、エアロゾル形成基体出口120とエアロゾル形成基体入口220は流体連通していないため、エアロゾル形成基体はこれらの間を通過することはできない。このように、第一の位置は、エアロゾル形成基体出口120およびエアロゾル形成基体入口220を互いに「封止する」とみなされ得る。これは、第一の構成要素100から第二の構成要素200へのエアロゾル形成基体の漏れを抑止し、したがってエアロゾル発生要素230への漏れを抑止する。一つのオプションとして、システム500は、第一の位置でユーザーによって購入されうる。壊れやすいシールなどの破断しやすい部材は、第一の構成要素100および第二の構成要素200に連結されてもよい。破断しやすい部材は、十分な力が加えられた場合に破断するように構成されてもよい。これにより、ユーザーが第一の構成要素100を第二の構成要素200に対して手動で並進移動させることによって破断しやすい部材が強制的に破断されるまで、第二の構成要素200に対する第一の構成要素100の不注意による並進移動を阻止することができる。
【0066】
摺動機構150は、第一の構成要素100を第二の構成要素200に接続する。摺動機構150は、第一の構成要素100が第二の構成要素200に対して第一の位置(図1に示す)から第二の位置(図2に示す)に並進することを可能にするように構成されている。図1に示すように、摺動機構は、第一の構成要素100が第一の気流チャネルの長軸方向軸に対して横方向に並進することを可能にするように構成されている。
【0067】
摺動機構150は、第一の構成要素100が第二の構成要素200に対して単一の方向に並進することを可能にするように構成されている。カートリッジ300は、ラチェット機構などの第一の構成要素を第二の位置に保持するように構成された機構をさらに備えてもよい。したがって、第一の構成要素100が、ユーザーによって複数回並進されることが防止される。最初の使用後、第一の構成要素100は第二の位置に維持される。別の方法として、摺動機構150は、第二の構成要素200に対する第一の構成要素100の前後移動を可能にするように構成されてもよい。したがって、エアロゾル発生システム500の使用と使用との間に、ユーザーは、第一の位置と第二の位置との間で第一の構成要素100を並進させることができる。
【0068】
図2は、図1のカートリッジを備えるエアロゾル発生システムの概略断面図を示す。図2では、第一の構成要素100は第二の位置にあり、カートリッジ300は制御本体400に接続されている。
【0069】
制御本体400は、電池410に電気的に接続され、カートリッジ300内の対応する接点への電気的接続を介してカートリッジ300に電力を提供するように構成された二つの電気接点を備える。この電気接続は有線接続であり、図2には示されていない。別の実施形態では、接点は、カートリッジ300内のサセプタを誘導加熱するように構成されてもよい。制御本体400は、カートリッジ300に取り外し可能に接続される。例えば、制御本体400は、制御本体400上の対応する突出部とのスナップ嵌め接続を形成するカートリッジ300の開口部を介してカートリッジ300に接続され、このスナップ嵌め接続は図2には示されていない。
【0070】
第一の構成要素100が第二の位置にある時、第一の空気吸込み口140および第二の空気出口245は、空気が第二の構成要素200と第一の構成要素100との間を通過できるように、互いに整列される。第二の位置では、エアロゾル形成基体出口120およびエアロゾル形成基体入口220は、互いに整列している。したがって、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体出口120とエアロゾル形成基体入口220との間を通過することができる。結果として、貯蔵部105内のエアロゾル形成基体は、第二の構成要素200内のエアロゾル発生要素230と流体連通する。貯蔵部105内のエアロゾル形成基体は、第一の構成要素内のエアロゾル形成基体出口120、第二の構成要素内のエアロゾル形成基体入口220、および毛細管材料250を介して、エアロゾル発生要素230と流体連通している。第二の位置では、エアロゾル発生要素230は、第二の気流チャネルを介して第一の気流チャネルと流体連通する。エアロゾル発生要素230は、第一の側面および第二の側面を備える流体透過性メッシュ発熱体を備える。第一の側面は毛細管材料250に露出される。第二の側面は、第一の側面に対向し、第二の気流チャネルに露出される。毛細管材料250は、エアロゾル発生基体をエアロゾル発生要素230に搬送するように構成されている。
【0071】
ユーザーは、第一の位置でカートリッジ300を受容する。最初の使用の前に、ユーザーは、カートリッジ300の第一の構成要素100を、第二の構成要素200に対して第一の位置から第二の位置へと並進させる。エアロゾル形成基体出口120およびエアロゾル形成基体入口220は、それぞれ第一の構成要素100および第二の構成要素200の対向する平行な壁上に形成される。摺動機構150は、平行な壁に垂直な軸に直交する横方向にのみ、ユーザーが第一の構成要素100を並進することを可能にするように構成されている。
【0072】
次に、ユーザーは、カートリッジ300の開口部を介してカートリッジ300を制御本体400に接続し、これは制御本体400上の対応する突出部とのスナップ嵌め接続を形成する。これはまた、カートリッジ300を制御本体400に電気的に接続する。電池410およびコントローラ420は、制御本体400内の二つの電気接点を介して、カートリッジ300内の導電性接点パッドを介してエアロゾル発生要素230に電気的に接続されるようになる。別の方法として、エアロゾル発生要素230はサセプタ素子を備える。電池410およびコントローラ420は、インダクタに電気的に接続される。ユーザーがカートリッジ300を制御本体400に接続すると、エアロゾル発生要素230はインダクタに誘導結合される。
【0073】
別の方法として、ユーザーは、カートリッジ300の制御本体400への接続後に、第一の構成要素100を第二の構成要素200に対して第一の位置から第二の位置へと並進させることができる。
【0074】
図2に示すシステムは、カートリッジ300の第一の構成要素100が第二の位置にあるエアロゾル発生システム500を示す。この位置では、エアロゾル形成基体出口120およびエアロゾル形成基体入口220は、エアロゾル形成基体が第一の構成要素100から第二の構成要素200に通過できるように、互いに整列される。システムは、ユーザーがカートリッジ300の第一の空気出口145を吸煙したり、吸ったりして、エアロゾルを自分の口の中へと引き出すことができるように構成される。動作中、ユーザーがマウスピース115を吸煙する時、空気は第二の気流チャネルを通して第二の空気吸込み口240から、エアロゾル発生要素230を通過して、第一の空気吸込み口140に、そして第一の気流チャネルを通して第一の空気出口145に引き出される。制御回路420は、システムが作動される場合、電池410からカートリッジ300への電力の供給を制御する。これにより、エアロゾル発生要素230によって生成されるベイパーの量および特性を制御する。制御回路420は気流センサーを含んでもよく、また制御回路は、ユーザーによるカートリッジ300の吸煙が気流センサーによって検出された時に、エアロゾル発生要素230に電力を供給してもよい。ユーザーがカートリッジ300の第一の空気出口145を吸うと、エアロゾル発生要素230が起動され、第一および第二の気流チャネルを通過する気流に同伴されるベイパーを発生する。ペイパーは冷却されエアロゾルを形成し、その後、第一の空気出口145を通って、ユーザーの口の中に引き出される。
【0075】
エアロゾル発生システムの使用後、ユーザーは、第二の構成要素200に対して、第一の構成要素100を第二の位置から第一の位置へと並進させてもよい。別の方法として、摺動機構150は、第一の構成要素100が第二の構成要素200に対して単一の方向に並進することを可能にするように構成されてもよい。
【0076】
図3は、カートリッジ800の第一の構成要素600が第一の位置にある、長軸方向に配設された摺動機構650を備える、本発明の第二の実施形態のカートリッジ800の断面図を示す。図3に示したカートリッジ800は、第一の構成要素600および第二の構成要素700の対向する平行な壁上にそれぞれ形成されたエアロゾル形成基体出口620およびエアロゾル形成基体入口720を含む。図3に示す第一の位置では、出口620は入口720と整列せず、第二の位置では、出口620は平行な壁と垂直な軸に沿って入口720と整列する。摺動機構650は、第一の構成要素が平行な壁に垂直な軸に直交する横方向にのみ並進することを可能にするように構成されている。この実施形態では、平行な壁は、第一の気流チャネルの長軸方向軸に平行である。したがって、図3に示した摺動機構は、第一の構成要素を第一の気流チャネルの長軸方向軸に平行な方向に並進させるように構成されている。
【0077】
図4は、カートリッジ800の第一の構成要素600が第二の位置にある、長軸方向の摺動機構650を有するカートリッジ800を示す。エアロゾル形成基体出口620およびエアロゾル形成基体入口720は、エアロゾル形成基体が第一の構成要素600と第二の構成要素700との間を通過できるように、互いに整列している。
【0078】
この実施形態では、エアロゾル発生システムは、第一の実施形態と実質的に同じ方法で動作する。ユーザーは、第一の構成要素600を第二の構成要素700に対して第一の位置から第二の位置へと並進させ、次いでカートリッジ800を制御本体に接続する。第一の構成要素600が第二の位置にある時、ユーザーは第一の空気出口645を吸煙する。エアロゾル発生要素730は起動され、エアロゾル形成基体のベイパーを発生する。ベイパーは、第二の空気吸込み口740から第一の気流チャネルおよび第二の気流チャネルを通過する気流に同伴される。気流チャネルにおいて、ペイパーは冷却されエアロゾルを形成し、次いで第一の空気出口645を通ってユーザーの口の中へと引き出される。エアロゾル発生システムの使用後、ユーザーは、第二の構成要素700に対して、第一の構成要素600を第二の位置から第一の位置へと並進させてもよい。
【0079】
図5は、カートリッジ1300の第一の構成要素1100が第一の位置にある、本発明の第三の実施形態のカートリッジ1300の分解立体図を示す。図5は、図1に示したものに対する代替的な気流チャネルおよびエアロゾル形成基体入口1220の配設を示す。エアロゾル形成基体出口1120およびエアロゾル形成基体入口1220に対する、第一の空気吸込み口1140、第一の空気出口1145、第二の空気吸込み口1240および第二の空気出口1245の構成は、図1のカートリッジと比較して、図5のカートリッジ1300において異なる。図5に示したカートリッジ1300では、第二の空気出口1245は、摺動機構1150が第一の構成要素1100が第二の構成要素1200に対して並進することを可能にするように構成される方向に垂直な方向で、エアロゾル形成基体入口1220に隣接している。図5は、第一の構成要素1100が第二の位置にない時に、第一の構成要素1100からのエアロゾル形成基体の漏れを防止するように構成されたエラストマーシート封止要素1210を含む第二の構成要素1200を示す。
【0080】
図6は、カートリッジ1300の第一の構成要素1100が第二の位置にある、図5のカートリッジ1300の分解立体図を示す。
【0081】
図7aは、図5および図6の第一の構成要素1100の底面図を示す。図7aは、摺動機構1150が、第一の構成要素1100が第二の構成要素1200に対して並進することを可能にするように構成される方向に垂直な方向に、第一の空気吸込み口1140がエアロゾル形成基体出口1120に隣接していることを示す。リブ1130は、第一の空気吸込み口1140と第一の基体出口1120を囲み、その間にある。
【0082】
図7bは、図5および図6の第二の構成要素の上面図を示す。図7bは、第二の空気出口1245およびエアロゾル形成基体入口1220を示す。実質的に平坦なエラストマーシート封止要素1210は、第二の構成要素1200に固定される。
【0083】
カートリッジが組み立てられ、第一の構成要素1100が第一の位置にある時、封止要素1210は、第一の構成要素のリブ1130と相互作用する。リブ1130は、封止要素1210を押圧する。これにより、流体が第一の構成要素1100と第二の構成要素1200との間、または第一の空気吸込み口1140とエアロゾル形成基体出口1120との間を通過できないように、第一の空気吸込み口1140およびエアロゾル形成基体出口1120を封止する。第一の構成要素1100が第二の位置にある時、エアロゾル形成基体出口1120は、エアロゾル形成基体入口1220の上の封止要素1210の第一の開口部と整列する。さらに、第一の空気吸込み口1140は、第二の空気出口1245上で封止要素1210の第二の開口部と整列する。したがって、第一の構成要素1100が第二の位置にある時、エアロゾル形成基体は、第一の構成要素1100と第二の構成要素1200との間を通過することができる。エアロゾル形成基体出口1120と第一の空気吸込み口1140との間に位置するリブは、封止要素内の第一の開口部と封止要素内の第二の開口部との間の封止要素1210を押圧する。これにより、第一の構成要素1100が第一の位置または第二の位置にある時に、流体が第一の空気吸込み口1140とエアロゾル形成基体出口1120との間を直接通過するのを防止する。
【0084】
図8は、図6のカートリッジ1300の概略断面図を示す。図8に示すように、第二の空気出口1245は、摺動機構1150が第一の構成要素1100が第二の構成要素1200に対して並進することを可能にするように構成される方向に垂直な方向に、エアロゾル形成基体入口1220に隣接している。さらに、第一の空気吸込み口1140は、摺動機構1150が、第一の構成要素1100が第二の構成要素1200に対して並進することを可能にするように構成される方向に垂直な方向に、エアロゾル形成基体出口1120に隣接している。第二の空気吸込み口1240は、空気が第二の空気出口1245を通って第二の気流チャネルを出る方向と垂直な方向に、空気が第二の気流チャネルに入るように構成される。
【0085】
図9は、本発明の第三の実施形態のエアロゾル発生システム1500の概略断面図を示す。図9のエアロゾル発生システム1500は、第二の構成要素1200に対する第二の位置にあるカートリッジの第一の構成要素1100を示す。カートリッジ1300は、制御本体1400に接続される。カートリッジ1300の第二の構成要素1200は、制御本体1400の空洞内に実質的に受容される。制御本体1400は、電池1410と、電池1410に電気的に接続されたコントローラ1420とを備える。電池1410は、電気的接続を介してカートリッジ1300に電力を提供するように構成される。この電気接続は有線接続であり、図9には示されていない。
【0086】
第三の実施形態では、エアロゾル発生システムは、第一の実施形態と実質的に同じ方法で動作する。摺動機構1150を介してユーザーは、第一の構成要素1100を第二の構成要素1200に対して第一の位置から第二の位置へと並進させ、次いでカートリッジ1300を制御本体に接続する。その後、ユーザーは第一の空気出口1145を吸煙する。エアロゾル発生要素1230は起動され、エアロゾル形成基体を気化する。ベイパーは、第二の空気吸込み口1240から第一の気流チャネルおよび第二の気流チャネルを通過する気流に同伴される。ベイパーは冷却されてエアロゾルを形成し、第一の空気出口1145を通ってユーザーの口の中へと引き出される。
【0087】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
【国際調査報告】