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特表2024-525648多自由度の乗車車両のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】多自由度の乗車車両のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20240705BHJP
   A63G 31/02 20060101ALI20240705BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G31/02
A63G31/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500652
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022034280
(87)【国際公開番号】W WO2023283041
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/218,657
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/394,694
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】パー エリック レイ
(72)【発明者】
【氏名】マクヴィーン キース マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クー ティエリー ジャン アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー サラ アン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック アラン
(57)【要約】
乗車システムは、乗車車両、及び乗車経路に沿って配置され、外部パラメータを測定するように構成される外部センサーアセンブリを含む。乗車車両は、内部パラメータを測定するように構成される内部センサーアセンブリ、シャーシ、キャビン、シャーシとキャビンとの間に配置されるモーションベースを含み、モーションベースはターンテーブル及び複数のアクチュエーターを含む。乗車車両は、シャーシに対するキャビンの6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御するために、(i)ターンテーブルに回転するように、及び(ii)複数のアクチュエーターに回転するように、伸長するように又は収縮するように命令するコントローラーをまた含み、コントローラーが、外部パラメータ、内部パラメータ又は両方に基づいて、ターンテーブル又は複数のアクチュエーターに命令するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多次元の動的に駆動される又は重力で駆動される運動軌道上を進行するように構成される乗車車両であって、
シャーシと、
キャビンと、
前記乗車車両のリアルタイムの内部パラメータを決定するように構成される内部センサーアセンブリと、
前記乗車車両のリアルタイムの外部パラメータを決定するように構成される外部センサーアセンブリと、
前記シャーシと前記キャビンとの間に配置され、前記シャーシに対する前記キャビンの6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御するように構成されるモーションベースであって、
回転するように構成されるターンテーブルと、
回転する、伸長する、又は収縮するように構成される複数のアクチュエーターと
を含むモーションベースとを含み、
前記キャビンの前記6又はそれ以上のDOFの動きは、前記リアルタイムの内部パラメータ、前記リアルタイムの外部パラメータ又は両方に基づいて制御される、乗車車両。
【請求項2】
前記リアルタイムの内部パラメータは、ショー要素の動きの指示を含み、前記キャビンの前記6又はそれ以上のDOFは、前記ショー要素の前記動きの前記指示に基づいて制御される、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項3】
前記リアルタイムの内部パラメータは、前記乗車車両の線形位置、線形速度、線形加速度、線形躍度、回転位置、回転速度、回転加速度、回転躍度又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項4】
前記リアルタイムの外部パラメータは、キャビンを囲む照明パラメータ、乗車経路の表面のテクスチャ、タイムスタンプ、環境パラメータ又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項5】
命令を記憶する記憶デバイスと、
前記記憶デバイスへ通信可能に結合され、前記命令を実行するように構成されるプロセッサであって、
センサーデータを受け取ること、
前記センサーデータに基づいて、前記乗車車両の前記リアルタイムの内部パラメータ、及び前記リアルタイムの外部パラメータを決定すること、並びに
前記6又はそれ以上のDOFの動きを制御するために、前記リアルタイムの内部パラメータ及び前記リアルタイムの外部パラメータに基づいて、前記ターンテーブル、前記複数のアクチュエーターの少なくとも1つのアクチュエーター又は両方が作動するように命令すること、
を含む操作を実現するために前記命令を実行するように構成されるプロセッサとを含む制御システムを含む、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項6】
前記リアルタイムの内部パラメータを決定することは、乗車経路に沿って旋回を行う前記乗車車両に関連する向心力を決定することを含み、前記ターンテーブル、前記少なくとも1つのアクチュエーター又は両方は、前記乗車車両の前記向心力を減少させる又は増加させるために作動される、請求項5に記載の乗車車両。
【請求項7】
前記ターンテーブル、前記少なくとも1つのアクチュエーター又は両方が作動するように命令することは、触覚デバイス又は前記モーションベースが、可聴の周波数帯域内の周波数で前記キャビンを振動させるように命令することを含む、請求項5に記載の乗車車両。
【請求項8】
ユーザ入力を受け取るように構成されるユーザ入力デバイスを含み、前記シャーシに対する前記キャビンの前記6又はそれ以上のDOFの動きの前記制御は、前記ユーザ入力に基づく、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項9】
前記複数のアクチュエーターは、前記キャビンと前記ターンテーブルとの間に配置され、前記ターンテーブルは、前記キャビンよりも低い高さに位置づけられる、請求項1に記載の乗車車両。
【請求項10】
乗車車両の6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御する方法であって、
制御システムのプロセッサを介して、前記乗車車両に関連する内部センサーアセンブリ及び外部センサーアセンブリから、センサーデータを受け取ること、
前記プロセッサを介して、前記センサーデータに基づいて、前記乗車車両の内部パラメータ及び外部パラメータを決定すること、
前記プロセッサを介して、前記乗車車両が、前記内部パラメータ及び前記外部パラメータに基づいて乗車経路に沿って進行するように、前記乗車車両の前記6又はそれ以上のDOFの動きを作動させる及び制御するように前記乗車車両のモーションベースに命令することとを含み、前記モーションベースは、前記乗車車両のキャビンと前記乗車車両のシャーシとの間に配置され、前記モーションベースは、ターンテーブル及び複数のアクチュエーターを含む、方法。
【請求項11】
前記モーションベースの前記アクチュエーターは、前記内部パラメータ及び前記外部パラメータに対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記モーションベースに作動するように命令することは、前記プロセッサを介して、前記ターンテーブルに回転するように命令すること、及び前記複数のアクチュエーターの前記少なくとも1つのアクチュエーターに伸長すること、収縮すること若しくは回転すること又はそれらの組み合わせを、リアルタイムで又はほぼリアルタイムで命令することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記内部パラメータは、
ユーザ入力と、
前記乗車車両の線形位置、線形速度、線形加速度、線形躍度、回転位置、回転速度、回転加速度、回転躍度又はそれらの組み合わせとを含み、
前記外部パラメータは、前記キャビンを囲う照明パラメータ、乗車経路の表面のテクスチャ、タイムスタンプ、環境パラメータ又はそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記内部パラメータを決定することは、前記乗車経路に沿って旋回を行う前記乗車車両に関連する向心力を決定することを含み、旋回を行う前記乗車車両に関連する前記向心力を増大させる又は減少させるために、前記ターンテーブル、前記複数のアクチュエーターの少なくとも1つのアクチュエーター又は両方が作動する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記モーションベースに命令することは、触覚デバイスに、可聴範囲内の周波数で前記キャビンを振動させるように命令することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
乗車経路に沿って配置され、外部パラメータを測定するように構成される外部センサーアセンブリと、
内部パラメータを測定するように構成される内部センサーアセンブリと、
シャーシと、
キャビンと、
前記シャーシと前記キャビンとの間に配置され、ターンテーブル及び複数のアクチュエーターを含むモーションベースとを含む、
乗車車両と、
前記シャーシに対する前記キャビンの6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御するために、(i)前記ターンテーブルに、回転すること、及び(ii)前記複数のアクチュエーターに、回転すること、伸長すること又は収縮することを命令するように構成されるコントローラーとを含み、
前記コントローラーは、前記外部パラメータ、前記内部パラメータ又は両方に基づいて、前記ターンテーブル及び前記複数のアクチュエーターに命令するように構成される、乗車システム。
【請求項17】
前記内部パラメータは、前記乗車車両の線形位置、線形速度、線形加速度、線形躍度、回転位置、回転速度、回転加速度、回転躍度又はそれらの組み合わせを含み、
前記外部パラメータは、前記キャビンを囲う照明パラメータ、前記乗車経路の表面のテクスチャ、タイムスタンプ又はそれらの組み合わせを含む、
請求項16に記載の乗車システム。
【請求項18】
前記モーションベースが、前記乗車経路に沿って前記乗車車両とともに動くように構成されるように、前記モーションベースは前記乗車システムへ固定される、請求項16に記載の乗車システム。
【請求項19】
前記ターンテーブル及び前記複数のアクチュエーターに命令する前記コントローラーは、可聴範囲内の周波数でキャビンを振動させるように、触覚デバイス又は前記モーションベースに命令することを含む、請求項16に記載の乗車システム。
【請求項20】
前記ターンテーブル及び前記複数のアクチュエーターの少なくとも1つのアクチュエーターは、前記コントローラーからの前記命令に基づいて、リアルタイムで、又はほぼリアルタイムで作動するように構成される、請求項16に記載の乗車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の相互参照)
本出願は、2021年7月6日に出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR A MULTI-DEGREE OF FREEDOM RIDE VEHICLE」と題された米国仮出願第63/218,657号に対する優先権及びその利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照におより、本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、多自由度(DOF)モーションベースのシステムを介するアミューズメントパーク様式の乗り物において、アミューズメントパーク様式の乗り物、及びより明確には乗車車両の動きの制御のためのシステム及び方法に、一般的に関連する。
【0003】
アミューズメントパーク様式の乗り物は、例えば、軌道によって定められるような乗車経路に沿って乗客を運ぶ乗車車両を含む。乗り物のコースにわたって、車両の乗車経路は、トンネル、ターン、上り、下り、宙返りなどを含む、複数の機能を含むことがある。乗車車両のローラーが、車両の乗車経路を定める軌道又は他の機能に接し得るようにして、乗車車両の進行方向は、車両の乗車経路によって定めることができる。アミューズメントパーク様式の乗り物は、複数の方向(例えば、6又はそれ以上の自由度)に乗車車両又はキャビンの運動を生じさせることがあるモーションベース(例えば、スチュワートプラットフォーム)をまた含むことがある。モーションベースは、体験への没入感を増すために、及び乗り手の動きの知覚を向上させるために、視覚効果とともに用いられることがある。いくつかのアミューズメントパーク様式の乗り物は、乗車経路の相互作用、及モーションベースの相互作用の組み合わせを含むことがある。乗車システムの相互作用システム及び方法の改善は、より良くかつより没入的な乗車体験を提供するように望まれることが、現在認識されている。
【0004】
このセクションは、本技法の種々の様態に関する技術の種々の様態を読者へ紹介することを意図し、以下で説明及び/又は請求する。本解説は、本開示の種々の様態のより良い理解を容易にするために、背景情報とともに読者へ提供する点で有益であると信じられている。よって、これらの主張は、本権利において読まれるべきであり、先行技術の採用でないことが理解されるべきである。
【0005】
(簡単な説明)
当初に請求する題目の範囲に相応する一定の実施形態を、以下で要約する。これらの実施形態は、請求する題目を限定することを意図せず、むしろこれらの実施形態は、題目の可能な形態の概要を提供することのみを意図する。さらに、本題目は、以下で説明する実施形態と類似する、又は異なることがある多様な形態を包含することができる。
【0006】
ある実施形態において、乗車車両は、シャーシ、キャビン、及びシャーシに対するキャビンの6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御するためにシャーシとキャビンの間に配置されるモーションベースを含む。モーションベースは、回転するように構成されるターンテーブル、及び回転する、伸長する又は収縮するように構成される複数のアクチュエーターを含む。
【0007】
ある実施形態において、乗車車両の6又はそれ以上の自由度(DOF)の動きを制御する方法は、制御システムのプロセッサを介して、乗車車両に関連する内部センサーアセンブリ及び外部センサーアセンブリからセンサーデータを受け取ることを含む。方法は、センサーデータに基づいて、プロセッサによって、乗車車両の内部パラメータ及び外部パラメータを決定することを含む。方法は、プロセッサによって、乗車車両のモーションベースが、内部パラメータ及び外部パラメータに基づいて、乗車経路に沿って進行するように、乗車車両の6の又はそれ以上のDOFの動きを作動させる及び制御するように命令することを含み、モーションベースは、乗車車両のキャビンと乗車車両のシャーシとの間に配置され、モーションベースは、ターンテーブル及び複数のアクチュエーターを含む。
【0008】
ある実施形態において、乗車システムは、乗車車両、及び乗車経路に沿って配置され、外部パラメータを測定するように構成される外部センサーアセンブリを含む。乗車車両は、内部パラメータを測定するように構成される内部センサーアセンブリ、シャーシ、キャビン及びシャーシとキャビンとの間に配置されるモーションベースを含み、モーションベースは、ターンテーブル及び複数のアクチュエーターを含む。コントローラーは、外部パラメータ、内部パラメータ又は両表に基づいて、ターンテーブル及び複数のアクチュエーターに命令するように構成されるように、乗車車両は、シャーシに対するキャビンの6又はより多くの自由度(DOF)の動きを制御するために、(i)ターンテーブルに、回転するように、及び(ii)複数のアクチュエーターに、回転するように、伸長する又は収縮するように命令するコントローラーを、また含むことがある。
【0009】
本開示のこれらの及び他の機能、様態、及び利点は、次の発明を実施するための形態が、図を通して類似の機能が類似の部分を表す添付の図面を参照しながら読まれるときに、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の様態による、アミューズメントパークの種々の構成要素の実施形態のブロック図である。
図2】本開示の様態による、図1のアミューズメントパークにおいて動作する乗車システムの実施形態の概要図である。
図3】本開示の様態による、図2の乗車システムにおいて動作する乗車車両の実施形態の概要図である。
図4】本開示の様態による、図2の乗車システムにおいて動作する乗車車両の実施形態の概要図である。
図5】本開示の様態による、図2の乗車システムにおいて動作する、図3又は図4の乗車車両上のモーションベースを制御するプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。加えて、本発明の「一実施形態」、「1つの実施形態」又は「幾つかの実施形態」に対する言及は、同様に記載の機能部を組み込んだ追加的な実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない点を理解されたい。
【0012】
本開示の1又は複数の特定の実施形態が、以下で説明される。これらの実施形態の簡潔な記述を提供するために、本明細書において実際の実装の全ての機能は説明しない。図解を容易にするために、図示される実施形態の様態が、一定の縮尺で描かれないことがあるように、一定の機能は、サイズを大きくして又は小さくしている。いかなるこのような実際の実装の開発において、いかなる技術又はデザインプロジェクトにおけるとして、ある実装とその他で異なりうる、システムに関する及びビジネスに関する制約に従うような開発者の特定の目的を実現するために、非常に多くの実装固有の決定がされるべきである。そのうえ、このような発明の試みは、複雑かつ時間を費やすことがあろうが、本開示の当業者にとっては、設計、製作及び製造を試みる通常の業務となり得る。
【0013】
次の解説は、6の自由度(DOF)の動きを実現するように構成されるモーションベースを含む乗車車両を含むことがあるアミューズメントパーク様式の乗り物において一般的に提供されるとはいえ、本明細書で開示する実施形態は、このようなエンターテインメントの場面に限定されないことが理解されるべきである。さらに、このようなエンターテインメント用途における例の供給および説明は、実世界の実装及び用途の実例を提供することによって、説明を容易にするべきである。このように、本明細書で開示する実施形態は、他の輸送システム(例えば、電車システム、建物及びフロア接続システム)、宇宙開発システム、及び/又は工業、商業、及び/又は娯楽のための人間輸送システムなどのような、他の場面において有用となり得ることが認識されるべきである。
【0014】
アミューズメントパーク様式の乗り物は、乗車車両から分離する独立したモーションベースを含むことがある。独立したモーションベースは、車両の乗車経路と交差することがある、又は乗車経路に沿って固定された場所に位置し、乗車車両に関与するように使用可能なことがあるそれぞれのモーションベースの乗車経路に沿って動くことがある。これらのアプローチにおいて、乗車車両は、車両の乗車経路から切り離され、独立したモーションベースに結合し、よって、一連の運動(あらかじめプログラムされた運動)を通して及び/又はモーションベースのライドパスに沿って、独立したモーションベースを介して移送されることがある。
【0015】
車両の乗車経路上を進行する間、乗客は、乗車経路に沿って位置する又はモーションベースの乗車経路に沿って進行する独立したモーションベースを観測できることがあり、よって(例えば、車両の乗車経路から、モーションベースの乗車経路への)動きの変化を予期できることがあり、その結果、ゲストが体験する全体的なスリル及び興奮を減少させる。さらに、運動は、再度の乗員には予期することができ得る。つまり、モーションベースを用いるアプローチは、乗客の知覚及び予想に反する、予想しない動きに関するスリルを欠いていることがある。その上、乗車車両及びモーションベースのための独立した軌道を用いるアプローチは、追加の軌道及び機能を収めるために、より大きなアミューズメントパークのスペースを必要とすることがある。よって、乗車車両に関して独立したモーションベースを用いることが望ましいことがある一方で、一定の動きに基づくアミューズメントパーク様式の乗り物は、乗客の知覚及び期待する動きに反する、ある程度のスリル及び興奮を提供することに失敗することがある。
【0016】
上記を念頭に置いて、本実施形態は、乗車システム内で動作する乗車車両の動きを制御するシステム及び方法を含む。例えば、アミューズメントパーク様式の乗り物などの乗車システムは、例えば、軌道によって定められる乗車経路に沿って乗客を運ぶ、1又は複数の乗車車両を含むことがある。乗車コース全体で、乗車経路は、トンネル、ターン、上り、下り、宙返りなどを含む、いくつかの機能を含むことがある。乗車車両の進行方向は、例えば、乗車車両のローラーが、乗車経路を定める軌道に絶えず接することができるように、乗車経路によって定めることができる。乗車車両は、乗車経路に沿って進行するモーションベースをまた組み込むことができる。例えば、乗車経路に沿ってスリルを向上させるために、「内部データ」及び「外部データ」に基づいて、乗車経路と併せてモーションベースを使用して、6の自由度(DOF)に沿って乗車車両の動きを制御することが望まれることがある。
【0017】
本明細書で使用するとき、「内部データ」は、制御システムへ通信され、乗車車両に関連する内部パラメータ(例えば、リアルタイムの内部パラメータ)を決定するために使用されることがあるセンサーデータ(例えば、リアルタイムのセンサーデータ)を指すことがある。内部センサーアセンブリは、乗車車両上又は内部に取り付けることができる、又は乗車車両の外に取り付けることができる。内部センサーアセンブリは、内部データに基づいて、内部パラメータを決定する及び/又は測定することができる。内部データは、乗車車両に関連する位置、方向、(例えば、線形及び/又は回転の)速度、(例えば、線形及び/又は回転の)加速度、(例えば、線形及び/又は回転の)躍度、及び/又は他の適する内部パラメータを決定するように処理されるセンサー信号を含むことがある。
【0018】
本明細書で使用するとき、「外部データ」は、制御システムへ通信され、乗車車両に関連する外部パラメータ(例えば、リアルタイムの外部パラメータ)を決定するために使用することができる(例えば、リアルタイムのセンサーデータ)センサーデータを指すことがある。外部センサーアセンブリは、乗車車両の外部に取り付けられることがある、又は乗車車両の内部又は車両上に取り付けられることがある。外部センサーアセンブリは、外部データに基づいて、外部パラメータを決定する及び/又は測定することができる。外部データは、ショー要素(例えば、アニメーションフィギュア、オフボードのキャラクターなど)の動き、照明パラメータ、スピーチパラメータ、風パラメータ(例えば、風の速度)、地形テクスチャ、タイムスタンプ、及び/又は任意の適する環境パラメータ(例えば、湿気レベル、降雨条件、湿度など)を決定するように処理されるセンサー信号を含むことがある。
【0019】
いずれにしても内部データ及び/又は外部データは、乗客によって受け取られることがある入力に基づいて(入力は、内部データとみなされることがあるように)、又は乗車車両が動作する乗車システムに関連する運動経路に基づいて、変化することがある。例えば、乗車車両は、乗車車両のスピードを上げる又は落とすために乗客が押下することができる、加速ペダルを含むことがある。この手法において、乗車車両の速度(例えば、内部パラメータ)は、(例えば、内部パラメータに基づいて)変化し得る。別の例として、乗車システムは、乗車経路の照明を変更するようユーザが関与する(例えば、乗車経路に沿って配置される)複数の目標などのユーザ入力デバイスを含むことがある。この手法において、乗車車両に関連する(例えば、外部データに基づく)照明パラメータは、変化し得る。本明細書で使用するとき、「センサーデータ」は、「内部データ」及び「外部データ」を指すことがある。
【0020】
制御システムは、乗車システム又は乗車車両の状態を、計算する又は決定するために使用される内部パラメータ及び/又は外部パラメータを決定するために、内部データ及び/又は外部データを受け取ることができる。本明細書で使用するとき、「状態」は、力学系を表すモデル(例えば、数理モデル)を記述するために使用される変量のセットを指すことがある。制御システムの文脈において、状態は、システムに影響を及ぼすいかなる外力も無い場合に、未来の挙動(例えば、時間に関連する物理的な位置付け)を決定するために、(例えば、乗車車両のキャビン)システムについて十分に記述するように使用されることがある。そのためにも、制御アルゴリズムは、未来の「目標の状態」を実現するために、「現在の状態」に適用されることがある。制御システムの例は、proportional-integral-derivative(PID)コントローラー、proportional-derivative(PD)コントローラー、linear-quadratic regulator、及び/又はリアルタイムの(又はほぼリアルタイムの)フィードバックループを用いることができる、いかなる他の適する制御技法を含む。
【0021】
本明細書で開示されるシステム及び方法の一定の実施形態によって、乗車車両は、本明細書で論ずる6のDOFの動きを実現するために、乗車車両とともに(例えば、固定されて)動くモーションベースを含むことがある。さらに、本実施形態は、望まれる動きの概要を実現するために、乗車経路に沿って、モーションベースの運動及び作用を調整することがある。例えば、乗車経路に沿った運動は、ゲストを驚かせる又はスリルを与える結果を実現するために、モーションベースの運動において考慮されることがある。さらに、乗車経路に沿った運動と組み合わせてモーションベースを使用するこのような動きの概要を生成するために、センサーデータを考慮することもある。
【0022】
本明細書で開示するシステム及び方法の一定の実施形態により、モーションベースは、乗車車両の1又は複数の乗客を収める又は囲う(例えば、完全に又は部分的に囲う)乗車車両のシャーシとキャビンとの間に位置することがある。モーションベースは、ターンテーブル及び/又は複数のアクチュエーターに、外部パラメータ及び/又は内部パラメータに基づいて作動するように命令することができる制御システムへ通信可能に接続するターンテーブル及び/又はアクチュエーターを含むことがある。この手法において、制御システムは、ターンテーブル及び/又はアクチュエーターに、動作するように命令し、それによって、以下で論ずるように、3つの直交軸に沿う又はその周囲のシャーシに対するキャビンの位置、速度及び/又は加速度を制御することができる。従って、例えば、乗客を収めるキャビンに適用される一定の力を減少させる、除く又は強めるために、ターンテーブル及び/又はアクチュエーターの作動は、乗車車両のキャビンの(例えば、6のDOFに沿った)広い範囲の制御を提供することがあり、その結果、乗客の予想に反することによって、スリルを向上させる。
【0023】
図示を補助するため、図1は、本開示の様態による、アミューズメントパーク8の種々の構成要素のブロック図である。アミューズメントパーク8は、例えば、乗車車両20のタイヤ又はローラーとかみ合うことによって乗車車両20を受け入れて導く、及び(例えば、アトラクションを通して)乗車車両20の運動を容易にする乗車経路12を含みうる乗車システム10を含むことがある。この手法において、乗車経路12は、旋回、インクライン、下り傾斜、上り、下り、バンク、宙返りなどを含むことがある、運動経路及び進行方向を定めることができる。ある実施形態において、乗車車両20は、空圧システム、モーターシステム、タイヤ駆動システム、ローラーシステム、電磁駆動システムへ結合されるフィン、カタパルトシステムなどを介して、受動的に駆動される又は能動的に駆動されることがある。例えば、乗車車両20は、能動駆動又は受動駆動タイヤ、軌道、又は作動可能な構成要素などの機能を利用可能にする、任意の適する駆動メカニズム、及び/又は動きを含むことがある。ある実施形態において、乗車経路12は、任意の適する表面を含むことができる。
【0024】
乗車経路12は、一台より多くの乗車車両20を受け入れることができる。図5に関して以下で論ずるように、各乗車車両20が独立して制御されるように、乗車車両20は互いに分離することがあり、また、乗車車両20の動きが結合又は連携するように、乗車車両20は、任意の適する連係を介して互いに結合されることがある。例えば、ある乗車車両20の前部は、別の乗車車両20の後部と結合されることがある。これらの及び他の構成における各乗車車両20は、例えば、キャビン22において、1又は複数の乗客を収容することができる。キャビン22は、部分的に又は完全に、1又は複数の乗客を囲う又は収容することができる。
【0025】
乗車車両20は、1又は複数のアクチュエーター26、ターンテーブル28、又は乗車車両20のシャーシ30に対して乗客を収容するキャビン22のスリルを向上させる動きを実行するように構成される、任意の適する体験を向上させる動きに基づくデバイスを含み得るモーションベース24を含むことがある。ある実施形態において、モーションベース24は、乗車車両20の作用の間、乗車車両20に固定される(例えば、取り外し出来ないようにする)。モーションベース24は、キャビン22とシャーシ30との間に位置することがある。例えば、モーションベース24のアクチュエーター26、ターンテーブル28又は両方は、シャーシ30、キャビン22又は両方に回転可能又は移動可能に結合されることがある。この手法において、アクチュエーター26及びターンテーブル28の作動は、シャーシ30又は乗車経路12に対するキャビン22の6のDOFを制御して、従来の乗車車両デバイスを用いて利用可能なものよりも、広い範囲の制御を提供することがある。よって、キャビン22の状態(例えば、乗車経路12に対するキャビン22の動き)は、シャーシ30の状態(例えば、乗車経路12に対するシャーシ30の動き)と比べて異なり得る。モーションベース24は、キャビン22に、任意の適する周波数で振動させるように構成される触覚デバイスなどの、機能を向上させる任意の適する動きを含み得ることが理解されるべきである。
【0026】
ある実施形態において、モーションベース24は、乗車車両20から取り外し可能となり得る。例えば、オフボード装置は、モーションベース24を乗車車両20から取り除くために、モーションベース24へ結合されることがある。オフボード装置は、乗車車両20から切り離されたモーションベース24を移送するために、動力をオフボード装置へ供給するために、乗車経路12と独立する又は同様のそれぞれのオフボードの乗車経路において、タイヤ駆動、linear synchronization motors(LSMs)、linear induction motors(LIMs)などによって駆動することがある。ある実施形態において、乗車車両20と結合する、及び切り離すために、モーションベース24は、固定メカニズムを含むことがある。モーションベース24が、乗車車両20から切り離されるとき、キャビン22は、シャーシ30に固定されることがある。
【0027】
シャーシ30は、動力源32、モーター、空圧駆動システム、電気システム、キャビン22などを支えることができる。動力源32は、バッテリー(例えば、200kWhバッテリー)、バスバースリップデバイス、フライホイールジェネレーター、ウルトラキャパシタ又はそれらの任意の組み合わせなどの、任意の適する動力供給デバイスを含むことがある。ある実施形態において、動力源32は、エアギャップを通して電荷を生成する誘導電荷装置(例えば、分活変圧器)を含むことがある。
【0028】
シャーシ30は、乗車車両20の種々の構成要素及び乗客の重みを支えることができる。さらに、シャーシ30は、シャーシ30とキャビン22との間に位置するモーションベース24(例えば、アクチュエーター26及びターンテーブル28)を支えることができる。ある実施形態において、乗車体験をさらに向上させるために、ターンテーブル28の回転が、制御命令に応じて、シャーシ30に対するキャビン22の類似の回転となるように、ターンテーブル28はキャビン22に堅く結合されることがある。例えば、以下で論じるように、ターンテーブル28は、キャビン22に、シャーシ30に対してヨー軸の周囲を回転させることがある。
【0029】
シャーシ30は、シャーシ30とキャビン22との間に位置することがあるアクチュエーター26を支えることができる。ある実施形態において、アクチュエーター26は、ターンテーブル28に不可欠(例えば、位置づけられて固定される)である。例えば、アクチュエーター26の第一の端部は、ターンテーブル28へ結合されることがあるが、アクチュエーターの第二の端部は、キャビン22(の下側)へ結合されることがある。アクチュエーター26は、以下で論じるように、制御命令によって、キャビン22を、ロール軸、ピッチ軸及び/又はヨー軸について回転させることがある、又はロール軸、ピッチ軸及び/又はヨー軸に沿って変形する/変位することがある。例えば、アクチュエーター26は、リニアアクチュエーター、ロータリーアクチュエーター、油圧アクチュエーター、空圧式アクチュエーター、電気アクチュエーター、熱及び/又は磁気アクチュエーター、スーパーコイルポリマーアクチュエーター、又は(例えば、シャーシ30又は乗車経路に対するキャビン22の)動きを制御するために変位するように構成される任意の適するデバイスの組み合わせを含むことがある。さらに、モーションベース24は、任意の適する方向において、キャビン22が、シャーシ30に対して動くことができるようにし得る。このために、モーションベース24は、キャビン22が、ヨー軸、ピッチ軸又はロール軸について回転する、又はヨー軸、ピッチ軸又はロール軸に沿って振動できるようにし得る。この手法において、モーションベース24は、シャーシ30に対してキャビン22の6のDOFの動きを可能にする。
【0030】
そのうえ、乗車車両20は、乗車車両20の内部パラメータを決定するために、内部データを決定及び/又は測定するように構成される1又は複数の内部センサーアセンブリ34を含むことがある。内部センサーアセンブリ34は、乗車車両20の車上に位置して固定されることがある、又は乗車車両20の外部に位置することがある。内部センサーアセンブリ34は、以下で詳細に論じるように、制御システムへ通信可能に結合される。内部データは、乗車車両20に関連する位置、方向、(例えば、線形及び/又は回転の)速度、(例えば、線形及び/又は回転の)加速度、(例えば、線形の及び/又は改定の)躍度などを示すデータ(例えば、センサー信号)を含むことがある。
【0031】
例えば、以下で論ずるように、内部センサーアセンブリ34は、赤外線センサー、又はロール軸、ピッチ軸又はヨー軸に沿って又はついて乗車車両20の位置、速度、及び加速度を決定するために使用される、任意の適するセンサーを含むことがある。センサーアセンブリ34は、乗車車両の3つの直交軸に沿った線形の動き、及び3つの直交軸についての回転の動きなどの、乗車車両20の任意の部分(例えば、キャビン22)の動きを決定することにおける使用のためのフィードバックを提供するように構成されるジャイロスコープ及び/又は加速度計などの方向センサーを含むことがある。
【0032】
乗車車両20は、乗車経路12を定める軌道とかみ合う1又は複数のローラーを含むことがある、ローラーアセンブリ36を含むことがある。例えば、ローラーアセンブリ16は、乗車経路12に沿って乗車車両20の動きを駆動する及び/又は導くためのランニングローラー又は能動駆動ローラー、軌道の下側に結合するアップストップローラー、軌道の側部に結合するサイドフリクションローラー、又はそれらの任意の組み合わせを含むことがある。
【0033】
そのうえ、乗車システム10は、乗車車両20の外部パラメータを決定するためにデータを決定する及び/又は測定するように構成される、1又は複数の外部センサーアセンブリ40を含むことがある。図1において、ある実施形態において乗車車両20の外部が図示されているが、外部センサーアセンブリ40は、乗車車両の車上に位置する及び固定されることがある。ある実施形態において、外部センサーアセンブリ40は、乗車車両20の外部に位置することがある。外部センサーアセンブリ40は、以下で詳細に論ずるように、制御システムへ通信可能に結合されることがある。外部データは、ショー要素(例えば、アニメーションフィギュア、オフボードキャラクターなど)の動き、照明パラメータ、スピーチパラメータ、環境パラメータ(例えば、湿気レベル、降雨条件、湿度など)、風パラメータ(例えば、風の速度)、地形テクスチャ、タイムスタンプなどの指示を含むことがある。
【0034】
例えば、外部センサーアセンブリ40は、外部パラメータを決定する、及び/又は乗客又は乗車システム職員の任意の入力を決定するための、任意の適するセンサーを含むことがある。外部センサーアセンブリ40は、任意の適する照明特性(例えば、輝度、グレースケール、色相、光エネルギー)を測定する及び/又は決定するように構成される光センサーを含むことがある。外部センサーアセンブリ40は、スピーチパターン又は音を測定する及び/又は決定するためのマイクロフォン又は他の音検出デバイス。外部センサーアセンブリ40は、例えば、乗車車両20が動作する地形に関連するような、振動及び圧力を測定するように構成される触覚センサーを含むことがある。外部センサーアセンブリ40は、(例えば、乗車車両の作用の開始から終了まで測定された)乗車車両20の作用のタイミング又は継続時間を測定する及び/又は決定するタイミングデバイスを含むことがある。
【0035】
アミューズメントパーク8は、(例えば、トランシーバーなどの有線又は無線機能を介して)乗車車両20、内部センサーアセンブリ34、外部センサーアセンブリ40,及び/又は乗車システム10へ関連する機能へ、通信可能に結合された制御システム50を含むことがある。ある実施形態において、アミューズメントパーク8は、1つより多くの制御システム50を含むことがある。例えば、アミューズメントパーク8は、乗車車両20に関連する1つの制御システム50、乗車経路12に関連する別の制御システム50、基地局制御システム50などを含むことがある。さらに、制御システム50は、(例えば、各々のトランシーバー又は有線接続を介して)互いに通信可能に結合されることがある。ある実施形態において、制御システム50は、乗車システム10の(例えば、内部又は表面に物理的に設置される)一部、又は乗車システムの特定の様態(例えば、乗車車両20)となることがある。
【0036】
制御システム50は、アミューズメントパーク8の種々の様態を制御することができる。例えば、乗車経路12のいくつかの部分において、制御システム50は、乗車車両20の進行方向、速度、及び加速度を制御する又は調節することができる。制御システム50は、乗車車両20の現在の状態を決定するために使用される内部パラメータ及び外部パラメータを決定するために、(例えば、内部センサーアセンブリ34及び外部センサーアセンブリ40から)センサーデータを受け取ることができる。制御システムは、キャビン22及び/又は乗車車両20の目標の状態を実現するために、(例えば、図5に関して説明されるような)制御アルゴリズムを、乗車車両20及び乗車システム10の構成要素に適用することができる。例えば、制御システム50は、(例えば、乗車車両20の現在の状態と異なる)乗車車両20の目標の状態を実現するために、内部パラメータ、外部パラメータ又は両方に基づいてモーションベース24を作動させるように、アクチュエーター26及び/又はターンテーブル28へ、制御アルゴリズムを適用する、及び各々の制御信号(例えば、命令)を送ることができる。
【0037】
制御システム50は、記憶回路52、及びマイクロプロセッサなどの処理回路54を含むことがある。制御システム50は、1又は複数のストレージデバイス56及び/又は適する構成要素を、また含むことがある。処理回路54は、乗車車両20及び乗車車両20に関連する任意の構成要素(例えば、キャビン22、モーションベース24、アクチュエーター26及び/又はターンテーブル28)を制御するために、記憶回路52に記憶されるソフトウェアなどの、ソフトウェアを実行するように使用されることがある。そのうえ、処理回路54は複数のマイクロプロセッサ、1又は複数の「汎用目的」マイクロプロセッサ、1又は複数の特定目的向けマイクロプロセッサ、及び/又は1又は複数の特定用途向け集積回路(ASICs)、又はそれらのいくつかの組み合わせを含むことがある。例えば、処理回路54は、1又は複数の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことがある。
【0038】
記憶回路52は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含むことがある。記憶回路52は、多様な情報を記憶することがあり、種々の目的で使用されることがある。例えば、記憶回路52は、乗車システム10の構成要素を制御する命令などの、処理回路54が実行するためのプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を記憶することができる。命令は、処理回路54によって実行されるとき、アクチュエーター26、ターンテーブル28又は任意の適する構成要素を、シャーシ30に対するキャビン22の動きを駆動させるように作動させることによって、処理回路54にキャビン22の動きを制御させ、乗客に予想しない力を経験させる又は乗客が予想する力を減少させることによって、乗車体験全体をより向上させることができるようなスリルを向上させた動きを乗客に経験させることがある。例えば、命令は、処理回路54に、旋回を行うことに関連する重力(Gフォース)を減少させる又は除くように乗車車両が旋回を行うとき、キャビン上の点を変位させる/加速させるように、アクチュエーター26に命令させることがある。
【0039】
ストレージデバイス56(例えば、不揮発性ストレージ)は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ若しくは任意の他の適する光学、磁気又はソリッドステートストレージ、又はそれらの組み合わせを含むことがある。ストレージデバイス56は、乗車システムデータ(例えば、乗客情報、アミューズメントパーク8に関連する情報、乗車経路の運動経路に関連する情報)、命令(例えば、キャビン22、モーションベース24、アクチュエーター26、ターンテーブル28及び/又は乗車車両20の制御のためのソフトウェア又はファームウェア)、及び/又は任意の他の適する情報を記憶することができる。
【0040】
乗車システム10は、環境の複数かつ異なる組み合わせを含みうる乗車環境60を、加えて又は代わりに含むことがある。乗車環境60は、乗車の形式(例えば、暗い乗り物、ウォーターコースター、ローラーコースター、仮想現実(V/R)体験、又は任意のそれらの組み合わせ)及び/又は乗り物の形式の関連する特質(例えば、テーマに沿って構成すること)に対応することができる。例えば、乗車環境60は、全体でテーマを構成すること及び/又は乗車システム10に関連する体験に追加する乗車システム10の様態を含むことがある。内部センサーアセンブリ34及び/又は外部センサーアセンブリ40は、乗車環境に関連する内部及び/又は外部パラメータを測定し、及び制御システム50に通信することがある。
【0041】
乗車システム10は、乗車システム10によって乗客が移動する又は動く、動きに基づく環境62を、加えて又は代わりに含むことがある。例えば、動きに基づく環境62は、平坦な乗車64(例えば、乗車経路12に沿って進行する乗車車両20などによって、一般的に地面に位置を合わせた平面の中で乗客を実質的に動かす乗車)を含むことがある。ある実施形態において、平坦な乗車64は、旋回、例えば、乗車車両20が旋回することによってキャビン22が経験するGフォースを減少させる又は高めることによって、モーションベース24によって歪められることがある効果を含むことがある。加えて又は代わりに、動きに基づく環境62は、重力の乗車66(例えば、乗車車両20が丘になった経路を上る、又は丘になった経路を下るなどのときに、乗車車両20の動きが、重力ベクトルに沿って少なくとも1つの構成要素を有する乗車システム)を含むことがある。追加で又は代わりに、動きに基づく環境62は、垂直の乗り物68(例えば、垂直面において乗客を変位させる乗り物)を含むことがある。
【0042】
乗車システム10は、乗車システム10によって乗客が実質的に移動又は変位されない固定されたベース環境70又は不動の環境として参照されることがあるものを、加えて又は代わりに含むことがある。この場合において、「不動の」という用語は、動きを相当に欠いていることを指し、必ずしも完全に動きが欠如しているのではない。例えば、固定されたベース環境70は、仮想現実(V/R)機能72(例えば、乗客は、V/R環境又は体験を表示する仮想現実(V/R)ヘッドセットを装着している間、アクチュエーター26又はターンテーブル28が受け取る制御振動に基づいて振動する、又は静止を維持するキャビン22の座席に座ることがある)、及び/又は異なる種類のシミュレーション74を含むことがある。ある実施形態において、乗車車両20は、乗車経路12に沿って停止することがあり、乗車体験は、乗車体験の継続時間の一部に対して、固定されたベース環境70の様態を含むことがある。固定されたベース環境70は実質的に乗客を変位させないが、V/R、及び/又はシミュレーション効果は、モーションベース24によって提供される動作に基づく歪みによって向上され得る又は対比され得る乗客の知覚を変更することがある。このために、乗車システム10は、少なくとも、乗客を部分的に又は完全に囲う構造(例えば、キャビン22)の6のDOF制御を可能にすることによって乗車体験を向上させるために、モーションベース24を望まれる機能にするための、動きに基づく環境62及び固定されたベース環境70の両方を含むことが理解されるべきである。
【0043】
図2は、本開示の様態による、乗車システム10の実施形態の概要図である。乗車システム10は、共通の乗車体験において、対応する乗車車両20に乗車する乗客80を結合するために、連係を介して互いに結合される複数の乗車車両20を含むことがある。ある実施形態において、乗車車両20は、互いに切り離されることがあり、例えば、個々の又は独立した乗車経路12に沿って、一緒となる代わりに互いに無関係に独立して動くことがある。別の実施形態において、乗車車両20はひと組として動くことがある。乗車車両20は、アクチュエーター26及びターンテーブル28を含むモーションベース24を、それぞれ含むことがある。
【0044】
制御システム50は、センサーデータに基づいて、内部パラメータ及び/又は外部パラメータを決定するために、センサーデータ(例えば、内部センサーアセンブリ34から内部データ、外部センサーアセンブリ40から外部データ)を受け取ることがある。制御システムは、乗車車両の目標の状態を決定することがある。内部及び/又は外部パラメータに基づいて、制御システム50は、アクチュエーター26及びターンテーブル28に、キャビンに目標の状態を実現させるように作動するように、命令することがある。ある実施形態において、乗車経路12は、1又は複数の旋回82を含むことがあるので、旋回を行う乗車車両20は、キャビン22において及ぼされる向心力(例えば、Gフォース)が一般的に生じうる。旋回の開始は、例えば、キャビン22における同じ大きさの正反対の力によって、旋回を実行することに関連する向心力が除かれる手法などにおいて作動するように、ターンテーブル28及びアクチュエーター26に命令することがある(例えば、センサーアセンブリ34、40からのセンサーデータによって)制御システム50によって感知することができる。同様に、丘の軌道を上る、丘の軌道から下る、でこぼこのある軌道に関連して振動するなど、他の乗車車両の経路に関連する力は、モーションベース24、アクチュエーター26、ターンテーブル28若しくは乗車車両20の任意の他の構成要素又は乗車システム10に、同じ大きさの正反対の力が、キャビン22に適用されるような手法において加速するように命令する制御システム50によって減少される又は向上されることがある。よって、本実施形態は、異なる乗車体験を有する異なるユーザとして、同様の固定された乗車経路12を利用する間、ユーザ(例えば、乗客80)に、乗車体験の様態(例えば、激しい又は穏やかな運動)を定めさせるようにすることがある。ある実施形態において、ユーザは、乗車体験の間、乗車体験の本質を動的に変化させることができる。例えば、乗車して、同様に固定された乗車経路12に沿って継続し続ける間、Gフォースが高すぎると思われる場合、乗客は(例えば、スクリーン、ボタン、マイクロフォンなどの任意の適するユーザ入力デバイスと相互作用することによって)より低いGフォースを要求することができる。
【0045】
図3は、本開示の様態による、図2の乗車システム10において動作する乗車車両20の実施形態の概要図である。解説を容易にするために、図3は、ロール98はロール軸92の周囲の回転として、ピッチ100はピッチ軸94の周囲の回転として、及びヨー102はヨー軸96の周囲の回転として定めることができるような、ロール軸92、ピッチ軸94及びヨー軸96を含む、座標システム90を含む。ヨー軸96は、重力ベクトルに沿って方向づけられることがある。ロール軸92、ピッチ軸94及びヨー軸96は、互いに直交する。
【0046】
ある実施形態において、乗車車両20は、シャーシ30によって支えられるキャビン22を含む。乗車車両20は、乗車経路12に沿って乗車車両20の動きを制御するために、乗車経路12と接するように構成されるローラーアセンブリ36を含むことがある。上記のように、乗車車両20は、シャーシ30対するキャビンの6のDOFの動きを制御するように構成されるモーションベース24を含むことがある。モーションベース24は、キャビン22とシャーシ30との間に位置することがある。モーションベース24は、アクチュエーター26及びターンテーブル28を含むことがあり、制御システム50へ通信可能に結合されることがある。
【0047】
モーションベース24は、任意の適する数のアクチュエーター26又はターンテーブル28を含むことがある。モーションベース24は、六脚類のように配列される、6つのアクチュエーター26を含むことがあり、モーションベース24は、八腕類のように配列される、8つのアクチュエーター26を含むことなどがある。例えば、図示されるように、アクチュエーター26は、キャビン22の下側、及びターンテーブル28又はシャーシ30の上部へ作動可能に結合されることがある。ある実施形態において、ターンテーブル28又はシャーシ30の上部の端部は、キャビン22の下側の反対であるように、少なくとも1つのアクチュエーター26は、ターンテーブル28又はシャーシ30の上部の端部に結合される第一の端部、及びキャビン22の下側の端部に結合される第二の端部を含むことがある。
【0048】
乗車システム10は、乗車車両20の内部パラメータを示す内部データを決定する及び/又は測定するように構成される、内部センサーアセンブリ34を含むことがある。乗車システム10は、乗車車両20の外部パラメータを示す外部データを決定する及び/又は測定するように構成される、外部センサーアセンブリ40を含むことがある。例えば、乗車車両20の内部パラメータは、キャビンの高さ106及びシャーシの高さ108を含むことがある。本明細書で使用するとき、「キャビンの高さ」106は、キャビン22の目標の点(例えば、底部、重心など)に対するシャーシ30の目標の点(例えば、頂部、重心など)の間の距離の差を指すことがある。本明細書で使用するとき、「シャーシの高さ」108は、地表レベル110に対するシャーシの位置を指すことがある。制御システム50は、内部センサーアセンブリ34及び外部センサーアセンブリ40へ、通信可能に結合されることがある。制御システム50は、少なくとも、キャビンの高さ106及び/又はシャーシの高さ108に基づいて、乗車車両20及びモーションベース24の動きを制御することがある。
【0049】
モーションベース24のアクチュエーター26、ターンテーブル28又はその両方は、シャーシ30、キャビン22又はその両方へ、回転可能又は移動可能に結合されることがある。この手法において、アクチュエーター26及びターンテーブル28の作動は、シャーシ30に対するキャビン22の6のDOFを制御して、従来の乗車車両を使用して利用可能なものよりも、より広い範囲の制御を提供することができる。例えば、制御システム50は、シャーシ30に対するキャビン22の動きを制御するために、アクチュエーター26に、変位する(例えば、アクチュエーターの長さに沿って垂直に変位する、接点の周囲で回転する、又は両方)ように命令することがある。例えば、キャビン22が、ロール軸92ピッチ軸94、及び/又はヨー軸96に沿って又はその周囲を、シャーシ30に対して動くように、制御システム50は、アクチュエーター26が変位するようにし得る。アクチュエーター26及び/又はターンテーブル28の作動は、キャビンの高さ106及び/又はシャーシの高さ108のような内部パラメータ、又は乗客の、乗車経路12に沿った機能の命令のような外部パラメータに基づくことがある。
【0050】
図4は、本開示の様態による、図2の乗車システム10において動作する、乗車車両20の実施形態の概要図である。図4の乗車車両20は、例えば、キャビン22の角又はその近くに位置することがある垂直に向くアクチュエーター26を含む点において、図4で図示される実施形態は、図3の実施形態と異なる。加えて、図4は、キャビン22の中央部122を、シャーシ30へ結合させる、ボールジョイントなどの、安定化要素120を含む。中央部122は、キャビン22の下側(つまり、乗車経路12及び/又はシャーシ30に面するキャビン22の面)に位置することがある安定化要素120は、シャーシ30を、キャビン22の下側の中央部へ結合することがある。ボールジョイントである安定化要素120の文脈において、ボールジョイントは、垂直に向くアクチュエーター26上で及ぼされるストレスを減少させることがある。
【0051】
ある実施形態において、安定化要素120は、キャビン22(例えば、中央部122)へ回転可能に結合される制御システム50は、アクチュエーター26に、ロール軸に沿って又はその周囲で、及び/又はピッチ軸に沿って又はその周囲で、シャーシ30対するキャビン22の動きを制御するように命令することがある。ある実施形態において、ヨー軸96についてのヨー回転102(図3)は、安定化要素120によって、キャビン22とシャーシ30との間の結合に基づいて、制限されることがある。任意の適するデバイスは、任意の適する設計目標のために、モーションベース24に追加される又は除かれることがある。例えば、ある実施形態において、例えば、スペースを節約する、及び乗車車両の重量を減少させるために、ターンテーブル28は、モーションベース24から省かれることがあるために、ヨー軸96についてのヨー回転102が制限されることがある。したがって、ある実施形態において、モーションベース24の制御は、6より少ないDOFとなり得る。
【0052】
図5は、本開示の様態による、乗車車両20(図1-4)、及び乗車システム10において動作する乗車車両20のモーションベース24(図1-4)を制御する、プロセス200のフロー図である。プロセス200は、乗車システム10によって実装され得る。制限の無い実施形態において、制御システム50(図1-4)のプロセッサベースの回路(例えば、図1-4のプロセッサ54)は、プロセス200の実装を容易にすることができる。ある実施形態において、プロセス200は、複数の乗車車両の各乗車車両20で独立して実装されることがある。上記を考慮に入れて、上記のように、制御システム50は、内部データ212、外部データ214又は両方などの、センサーデータを受け取ることができる(プロセスブロック210)。制御システム50は、センサーデータに基づいて内部パラメータ及び/又は外部パラメータを決定する(プロセスブロック220)ために、センサーデータを処理することがある。制御システム50は、乗車車両20の目標の状態を決定することがある(プロセスブロック230)。制御システム50は、目標の状態を実現するために、アクチュエーター26(図1-4)及び/又はターンテーブル28に、内部パラメータ及び/又は外部パラメータに基づいて作動するように命令することがある(プロセスブロック240)。
【0053】
上記のように、内部データ212は、乗車車両20と関連することがある内部センサーアセンブリ34(図1-4)によって測定される/又は決定されることがある。内部センサーアセンブリ34からの内部データ212は、乗車車両20に関連する位置、方向、(例えば、線形及び/又は回転の)速度、(例えば、線形及び/又は回転の)加速度、(例えば、線形及び/又は回転の)躍度などのような、内部パラメータを決定する(プロセスブロック220)ために、制御システム50によって処理されることがある。例えば、内部パラメータは、乗車車両20のキャビン22又は任意の機能の、任意の適する部分の位置、方向、(例えば、線形及び/又は回転の)速度、(例えば、線形及び/又は回転の)加速度、(例えば、線形及び/又は回転の)躍度などを含むことがある。ある実施形態において、内部パラメータは、(例えば、乗車経路12に沿って)旋回を行う乗車車両に関連する向心力を含むことがある。
【0054】
上記のように、外部データ214は、乗車車両20によって関連する外部センサーアセンブリ40(図1-4)によって測定される及び/又は決定されることがある。外部センサーアセンブリ40からの外部データ214は、ショー要素の動き、照明パラメータ、スピーチパラメータ、風パラメータ(例えば、風の速度)、地形テクスチャ、外部の乗り物特徴の作用、時間パラメータ、環境パラメータ(例えば、湿気レベル、降雨条件、湿度など)などのような、外部パラメータを決定する(プロセスブロック220)ために、制御システム50によって処理されることがある。例えば、乗車経路12(図1-4)は、(例えば、トランシーバーデバイス、触覚センサーなどによって)乗客80(図2-4)が関与することがある、種々の乗り物の機能を含むことがある。よって、外部データ214は、乗客80が、外部の乗り物の機能に関与したかどうかの指示を含むことがある。
【0055】
ある実施形態において、外部センサーアセンブリ40は、乗車システム10に関連する時間を測定するように構成されるタイマーを含むことがある。例えば、外部パラメータは、ターン、下り傾斜などのような、乗車経路12の種々の機能において、制御システム50が、乗車車両20の一部を関連付けることがあるタイムスタンプを含むことがある。この手法において、モーションベース24の作動は、例えば、定められた乗車経路12に沿う、事前に設定された運動経路を有する乗車システム10において、タイマーによって決定されるタイムスタンプへ関連することがある。
【0056】
車両の状態は、乗車車両20及び/又はキャビン22のダイナミクスを記述する数理モデルを含むために、内部パラメータ及び/又は外部パラメータを決定すること(プロセスブロック220)は、乗車車両の現在の状態を決定することを含むことがある。乗車車両20の現在の状態は、乗車車両20及び/又はキャビン22のダイナミクスを記述する数理モデルに関連する数理モデルのための、乗車車両20の現在の測定値を含むことがある。現在の状態は、特定のタイムスタンプ(例えば、現在の状態が決定された間)に関連することがある。現在の状態は、ジャイロスコープ、加速度計、速度センサー、Gフォースセンサーなどにまた基づくことがある。
【0057】
現在の状態、内部パラメータ及び/又は外部パラメータに基づいて、制御システム50は、乗車車両20及び/又はキャビン22の目標の状態を決定することができる(プロセスブロック230)。例えば、制御システム50は、乗車車両20が、(内部パラメータに基づいて)ロール軸92に沿って直線に進行していること、及び乗客が、(外部パラメータに基づいて)特定の外部の乗り物の機能へ関与したことを決定することができる(プロセスブロック230)。これに応じて、制御システム50は、乗車車両20の目標の状態は、キャビン22は傾斜したターンを模倣し、Gフォースを緩和し、上下動を増加させるべきであるようなものであると決定することができる。
【0058】
制御システム50は、目標の状態を実現するために、アクチュエーター26及び/又はターンテーブル28に、内部パラメータ及び/又は外部パラメータに基づいて作動するように命令することがある(プロセスブロック240)。アクチュエーター26及び/又はターンテーブル28は、リアルタイムで、又はリアルタイムに近くして作動することができる。ある実施形態において、モーションベースの作動は、内部パラメータ及び外部パラメータに対応する。傾斜したターンを模倣する例を継続して、制御システム50は、アクチュエーター26に、(例えば、ロール軸92に沿って又はその周囲で、ピッチ軸94に沿って又はその周囲で、及び/又はヨー軸96に沿って又はその周囲で)伸長する又は回転するように命令することがある(プロセスブロック240)、及び/又はターンテーブル28に、(例えば、ヨー軸96についてのヨー102において)乗車車両20の動きに関連する向心力を減少させる又は大きくするように、命令することがある。他の状況において、命令の異なるアセンブリは、望まれる状態又は動きの概要の結果となることを実現するために、提供されることがある。
【0059】
ある実施形態において、目標の音声又は感覚を生成するために、制御システム50が、キャビン22を目標の周波数で作動させるように触覚デバイスに命令する(プロセスブロック240)ことがあるように、乗車車両20は触覚デバイスを含むことがある。例えば、制御システム50は、賑やかな音を生成するために、可聴域内の周波数(例えば、5から30ヘルツ(Hz)の間の任意の周波数)にキャビン22を作動させるようにハプティックデバイスに命令することがある。ある実施形態において、制御システム50は、乗客のための目標の感覚を生成するために、キャビン22を、30Hzを越える周波数で作動させるようにアクチュエーター26及び/又はターンテーブル28に命令することがある(プロセスブロック240)。例えば、制御システム50は、キャビン22の周波数に基づいて特定の音を生成するために、モーションベース24に、乗車経路12に対してキャビン22を作動させるように命令することがある(プロセスブロック240)。
【0060】
制御システム50は、アクチュエーター26に、キャビンに、(動きの他の方向の間で)ロール軸92の周囲でロール98させるために作動するように命令する(プロセスブロック240)ことがあるように、内部パラメータは、乗車車両20の位置が、乗車経路12の一定部分に接近していることの指示を含むことがある。加えて又は代わりに、制御システムは、キャビンが(他の動きの方向の中で)ロール軸92の周囲でロール98をするために作動するように、アクチュエーター26に命令する(プロセスブロック240)ことがあるように、外部パラメータは、タイムスタンプ(すなわち、乗車車両の作用の開始から経過した時間)が、一定の時間に接近していることの指示を含むことがある。この手法において、モーションベース24の作動が事前に設定されることがあるように、モーションベース24の作動は、タイマー(例えば、タイムスタンプ)に基づくことがある。
【0061】
本開示の技術的効果は、例えば、6つのDOFに沿って、又はその周囲で、多自由度の制御を実現するために、アクチュエーター及びターンテーブルを含むモーションベースを含む乗車車両を含む。モーションベースは、乗車車両に固定される、又は取り外し可能に結合されることがあり、乗客を収容するキャビンと、乗車車両の種々の構成要素を支えるシャーシとの間に位置することがある。制御システムは、動きを向上させるスリル又は極端に減少された動きなどの、望まれる/目標の動きの概要、又は動作中の状態を提供するために、乗車車両の機能へ通信可能に結合され、アクチュエーター及び/又はターンテーブルに、シャーシに対するキャビンの動きを制御するように命令するように、構成されることがある。制御システムは、直線に進行する乗車車両にもかかわらず傾斜のあるターンをシミュレートするために、アクチュエーター及び/又はターンテーブルに、シャーシに対してキャビンを変位させるように命令することがある。同様に、制御システムは、旋回を実行する乗車車両に基づいてキャビンに適用されるGフォースを減少させるために、アクチュエーター及び/又はターンテーブルに、シャーシに対してキャビンを変位させるように命令することがある。この手法において、乗客が体験するGフォースは予想外となることがあり、それゆえにスリルが高まる。さらに、本実施形態は、同じ乗車経路をまだ進行している間は、乗り物又は乗車車両の間の入力に基づいて変化させることができる望まれる乗車体験を実現するために、内部及び/又は外部データを考慮に入れる。
【0062】
開示された実施形態の一定の特徴のみが図示及び記述される一方で、当業者には多くの修正及び変化が思いつくであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、全てのこのような修正及び変化が、本開示の本旨に属すると意図することが理解されるべきである。
【0063】
本明細書で公開及び請求する技術は、抽象的、無形的、又は単に理論的ではないような、本技術領域を明らかに向上させる実践的な特質の有形物及び具体例に参照され適用される。さらに、本明細書の終わりに添付される任意の特許請求の範囲が、「[機能]を[実施]する手段…」又は「[機能]を[実施]するステップ…」として指定される1又は複数の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)の下で解釈されるべきである。しかしながら、いかなる他の手法において指定される要素を含む任意の特許請求範囲に対して、このような要素は、米国特許法第112条(f)の下で解釈されるべきでないと意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】