(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】大変位振動試験用のデカップリング機構および試験装置
(51)【国際特許分類】
G01M 7/02 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G01M7/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500664
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2022096271
(87)【国際公開番号】W WO2023284433
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110801589.5
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389235
【氏名又は名称】スウジョウ スウシー テスティング グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU SUSHI TESTING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.18, Kefeng Road, Weiting Town, Zhongxin Keji, Suzhou Industrial Zone Suzhou, Jiangsu 215000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ウー ユーガン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ ジァンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ ビン
(57)【要約】
大変位振動試験用のデカップリング機構(01)は、第1伝達デカップリングアセンブリ(1)、回転増幅アセンブリ(3)および第2伝達デカップリングアセンブリ(2)を含み、第1伝達デカップリングアセンブリ(1)は、第1伝達軸(11)および第1伝達軸(11)に対して回転可能に接続された第1伝達本体(12)を含み、第2伝達デカップリングアセンブリ(2)は、第2伝達軸(21)および第2伝達軸(21)に対して回転可能に接続された第2伝達本体(22)を含み、第1伝達軸(11)の軸線の延伸方向は第2伝達軸(21)の軸線の延伸方向と同じであり、回転増幅アセンブリ(3)と第1伝達本体(12)との間に第1接続軸(15)が設けられ、回転増幅アセンブリ(3)と第2伝達本体(22)との間に第2接続軸(25)が設けられ、第1接続軸(15)の軸線は第2接続軸(25)の軸線の延伸方向と同じであって、第1伝達軸(11)の軸線または第2伝達軸(21)の軸線の延伸方向に対して垂直である。デカップリング機構(01)と加振装置(02)および摺動テーブルアセンブリ(03)を組み合わせて製造された振動試験装置は、摺動テーブルアセンブリの大変位振動を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝達デカップリングアセンブリ、回転増幅アセンブリおよび第2伝達デカップリングアセンブリを含み、前記第1伝達デカップリングアセンブリは、第1伝達軸および第1伝達本体を含み、前記第1伝達本体は前記第1伝達軸に対して回転可能に接続され、前記第2伝達デカップリングアセンブリは第2伝達軸および第2伝達本体を含み、前記第2伝達本体は前記第2伝達軸に対して回転可能に接続され、前記第1伝達軸の軸線の延伸方向は前記第2伝達軸の軸線の延伸方向と同じであり、前記回転増幅アセンブリは前記第1伝達軸と前記第1伝達本体を介して接続され、前記回転増幅アセンブリと前記第1伝達本体との間に第1接続軸が設けられ、前記回転増幅アセンブリは前記第2伝達デカップリングアセンブリと前記第2伝達本体を介して接続され、前記回転増幅アセンブリと前記第2伝達本体との間に第2接続軸が設けられ、第1接続軸の軸線は第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであって、第1伝達軸の軸線または第2伝達軸の軸線の延伸方向に対して垂直であり、
前記第1伝達デカップリングアセンブリは加振装置の側に設けられ、前記第2伝達デカップリングアセンブリは摺動テーブルアセンブリの側に設けられ、
使用時、前記第1伝達デカップリングアセンブリは前記加振装置に固定接続され、前記第2伝達デカップリングアセンブリは前記摺動テーブルアセンブリに固定接続される、ことを特徴とする大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項2】
前記回転増幅アセンブリは支持座および伝達ロッドを含み、前記支持座の頂部は前記伝達ロッドが回転可能となるように第3接続軸を介して前記伝達ロッドに接続され、前記第3接続軸の軸線の延伸方向は前記第1接続軸の軸線または前記第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであり、前記伝達ロッドの第1端は前記第1伝達本体に対して回転可能に前記第1接続軸を介して接続され、前記伝達ロッドの第2端は前記第2伝達本体に対して回転可能に前記第2接続軸を介して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項3】
前記第3接続軸の軸線から前記第1接続軸の軸線までの水平直線距離をL1、前記第3接続軸の軸線から前記第2接続軸の軸線までの水平直線距離をL2とすると、L1<L2である、ことを特徴とする請求項2に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項4】
前記第3接続軸は前記支持座の頂部に設けられて前記支持座と一体成形され、前記伝達ロッド上に前記第3接続軸を貫通させる第3貫通穴が設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項5】
前記第3接続軸の前記支持座と接触する端部に第3ボスが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項6】
前記第3接続軸は前記伝達ロッド上に設けられて前記伝達ロッドと一体成形され、前記支持座の頂部に前記第3接続軸を収容するための収容キャビティが設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項7】
前記第1伝達デカップリングアセンブリは第1固定ブロックおよび第2固定ブロックをさらに含み、前記第1固定ブロックおよび前記第2固定ブロックはそれぞれ前記第1伝達軸に対して回転可能に接続されて前記第1伝達本体の両側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項8】
前記第1固定ブロック上に第1軸穴が設けられ、前記第1伝達軸の第1端が前記第1軸穴を介して前記第1固定ブロックが回転可能となるように前記第1固定ブロックに接続され、前記第2固定ブロック上に第2軸穴が設けられ、前記第1伝達軸の第2端が前記第2軸穴を介して前記第2固定ブロックが回転可能となるように前記第2固定ブロックに接続されている、ことを特徴とする請求項7に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項9】
前記第2伝達デカップリングアセンブリは第3固定ブロックおよび第4固定ブロックをさらに含み、前記第3固定ブロックおよび前記第4固定ブロックはそれぞれ前記第2伝達軸に対して回転可能に接続されて前記第2伝達本体の両側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項10】
前記第3固定ブロック上に第3軸穴が設けられ、前記第2伝達軸の第1端が前記第3軸穴を介して前記第3固定ブロックが回転可能となるように前記第3固定ブロックに接続され、前記第4固定ブロック上に第4軸穴が設けられ、前記第2伝達軸の第2端が前記第4軸穴を介して前記第4固定ブロックが回転可能となるように前記第4固定ブロックに接続されている、ことを特徴とする請求項9に記載の大変位振動試験用のデカップリング機構。
【請求項11】
加振装置、摺動テーブルアセンブリおよびデカップリング機構を含み、前記デカップリング機構は請求項1~10のいずれか1項に記載のデカップリング機構である、大変位振動試験用の振動試験装置。
【請求項12】
前記加振装置上に第1アダプタブロックが設けられ、前記摺動テーブルアセンブリ上に第2アダプタブロックが設けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の大変位振動試験用の振動試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年07月15日に出願され、出願番号202110801589.5、発明名称「大変位振動試験用のデカップリング機構および試験装置」の発明特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は参照によって本出願に組み込まれる。
本発明は、振動試験の技術分野に関し、特に大変位振動試験用のデカップリング機構および試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
振動テーブルは、様々な振動力学的環境を模擬することができるため、自動車部品、電子デバイス、航空宇宙製品など、多くの代表的な振動の模擬試験に幅広く利用されている。
【0003】
従来の振動テーブルは、加振装置、支持座、コネクタおよび水平摺動テーブルを含む。コネクタの両端に加振装置および水平摺動テーブルが接続され、水平摺動テーブルおよび加振装置はすべて支持座に固定され、加振装置の振動は接続を介して水平摺動テーブルに伝達され、試験品が水平摺動テーブル上に取り付けられて一緒に振動する。試験技術の発展に伴い、試験の要求もますます高くなり、その中でも、大変位の振動試験の要求がますます緊急になっている。テーブル内部構造および案内制限から、現在、電動振動テーブルの最大変位は100mmであり、100mmを超える変位の試験は電動振動テーブルでは実施できない。このことから、大変位振動試験技術の発展と開発を大きく制限している。従来の電動振動テーブルではこのような要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、大変位振動試験技術の発展を促進し、大変位振動試験の要求を満たすことである。
【0005】
上記目的を達成するために、本出願は以下の技術的解決策によって実現される。本出願は大変位振動試験用のデカップリング機構を提供するものであって、このデカップリング機構は、第1伝達デカップリングアセンブリ、回転増幅アセンブリおよび第2伝達デカップリングアセンブリを含み、前記第1伝達デカップリングアセンブリは第1伝達軸および第1伝達本体を含み、前記第1伝達本体は前記第1伝達軸に対して回転可能に接続され、前記第2伝達デカップリングアセンブリは第2伝達軸および第2伝達本体を含み、前記第2伝達本体は前記第2伝達軸に対して回転可能に接続され、前記第1伝達軸の軸線の延伸方向は前記第2伝達軸の軸線の延伸方向と同じであり、前記回転増幅アセンブリは前記第1伝達軸と第1伝達本体を介して接続され、前記回転増幅アセンブリと前記第1伝達本体との間に第1接続軸が設けられ、前記回転増幅アセンブリは前記第2伝達デカップリングアセンブリと第2伝達本体を介して接続され、前記回転増幅アセンブリと前記第2伝達本体との間に第2接続軸が設けられ、第1接続軸の軸線は第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであって、第1伝達軸の軸線または第2伝達軸の軸線の延伸方向に対して垂直であり、前記第1伝達デカップリングアセンブリは加振装置の側に設けられ、前記第2伝達デカップリングアセンブリは摺動テーブルアセンブリの側に設けられ、使用時、前記第1伝達デカップリングアセンブリは前記加振装置上に固定接続され、前記第2伝達デカップリングアセンブリは前記摺動テーブルアセンブリ上に固定接続される。
【0006】
本出願のさらなる改良として、前記回転増幅アセンブリは支持座および伝達ロッドを含み、前記支持座の頂部は前記伝達ロッドが回転可能となるように第3接続軸を介して前記伝達ロッドに接続され、第3接続軸の軸線の延伸方向は前記第1接続軸の軸線または前記第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであり、伝達ロッドの第1端は前記第1伝達本体に対して回転可能に第1接続軸を介して接続され、伝達ロッドの第2端は前記第2伝達本体に対して回転可能に第2接続軸を介して接続される。
【0007】
本出願のさらなる改良として、前記第3接続軸の軸線から第1接続軸の軸線までの水平直線距離をL1、前記第3接続軸の軸線から第2接続軸の軸線までの水平直線距離をL2とすると、L1<L2である。
【0008】
本出願のさらなる改良として、前記第3接続軸は前記支持座の頂部に設けられて前記支持座と一体成形され、前記伝達ロッド上に前記第3接続軸を貫通させる第3貫通穴が設けられる。
【0009】
本出願のさらなる改良として、前記第3接続軸と前記支持座接触の端部に第3ボスが設けられる。
【0010】
本出願のさらなる改良として、前記第3接続軸は前記伝達ロッド上に設けられて前記伝達ロッドと一体成形され、前記支持座の頂部に前記第3接続軸を収容する収容キャビティが設けられる。
【0011】
本出願のさらなる改良として、前記第1伝達デカップリングアセンブリは第1固定ブロックおよび第2固定ブロックをさらに含み、前記第1固定ブロックおよび前記第2固定ブロックはそれぞれ前記第1伝達軸に対して回転可能に接続されて前記第1伝達本体の両側に位置する。
【0012】
本出願のさらなる改良として、第1固定ブロック上に第1軸穴が設けられ、第1伝達軸の第1端は第1軸穴を介して第1固定ブロックが回転可能となるように第1固定ブロックに接続され、第2固定ブロック上に第2軸穴が設けられ、第1伝達軸の第2端は第2軸穴を介して第2固定ブロックが回転可能となるように第2固定ブロックに接続される。
【0013】
本出願のさらなる改良として、前記第2伝達デカップリングアセンブリは第3固定ブロックおよび第4固定ブロックをさらに含み、前記第3固定ブロックおよび前記第4固定ブロックはそれぞれ前記第2伝達軸に対して回転可能に接続されて前記第2伝達本体の両側に位置する。
【0014】
本出願のさらなる改良として、第3固定ブロック上に第3軸穴が設けられ、第2伝達軸の第1端は第3軸穴を介して第3固定ブロックが回転可能となるように第3固定ブロックに接続され、第4固定ブロック上に第4軸穴が設けられ、第2伝達軸の第2端は第4軸穴を介して第4固定ブロックが回転可能となるように第4固定ブロックに接続される。
【0015】
上記目的を達成するために、本出願は大変位振動試験用の振動試験装置を提供するものであって、この振動試験装置は、加振装置、摺動テーブルアセンブリおよびデカップリング機構を備え、前記のデカップリング機構は上記に記載のデカップリング機構である。
【0016】
本出願のさらなる改良として、前記加振装置上に第1アダプタブロックが設けられ、前記摺動テーブルアセンブリ上に第2アダプタブロックが設けられる。
【0017】
本出願は以下の有益な効果を有する。第1伝達デカップリングアセンブリ、回転増幅アセンブリおよび第2伝達デカップリングアセンブリを含む大変位振動試験用のデカップリング機構を提供することにより、使用時、前記第1伝達デカップリングアセンブリを前記加振装置に固定接続し、前記第2伝達デカップリングアセンブリを前記摺動テーブルアセンブリに固定接続する。力の伝達により、第1伝達デカップリングアセンブリが加振装置の作用力を受けた後、回転増幅アセンブリによって増幅されて第2伝達デカップリングアセンブリに伝達され、摺動テーブルアセンブリが第2伝達デカップリングアセンブリの作用力を受け、最終的に摺動テーブルアセンブリの大変位振動を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】大変位振動試験用の試験装置の軸側構造の概略図である。
【
図2】大変位振動試験用の試験装置の平面視構造の概略図である。
【
図3】第1伝達デカップリングアセンブリの軸側、正面および平面視構造の概略図である。
【
図4】第1伝達本体の軸側および左側構造の概略図である。
【
図5】第2伝達デカップリングアセンブリの軸側、正面および平面視構造の概略図である。
【
図6】第2伝達本体の軸側および左側構造の概略図である。
【
図7】回転増幅アセンブリの軸側、正面および平面視構造の概略図および伝達ロッドの平面視構造の概略図である。
【
図8】第1アダプタブロックの軸側および正面構造の概略図である。
【
図9】第2アダプタブロックの軸側および正面構造の概略図である。
【符号の説明】
【0019】
01 デカップリング装置
02 加振装置
03 摺動テーブルアセンブリ
1 第1伝達デカップリングアセンブリ
2 第2伝達デカップリングアセンブリ
3 回転増幅アセンブリ
11 第1伝達軸
12 第1伝達本体
13 第1固定ブロック
14 第2固定ブロック
15 第1接続軸
21 第2伝達軸
22 第2伝達本体
23 第3固定ブロック
24 第4固定ブロック
25 第2接続軸
31 支持座
32 伝達ロッド
33 第3接続軸
4 第1アダプタブロック
5 第2アダプタブロック
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、以下、本出願の具体的な実施例および添付図面を参照して本出願の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではなく、本発明の範囲を限定するものではない。本出願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれる。
【0021】
大変位振動試験技術の発展を促進するために、本出願は大変位振動試験用のデカップリング機構を提供するものであって、このデカップリング機構は、第1伝達デカップリングアセンブリ1、回転増幅アセンブリ3および第2伝達デカップリングアセンブリ2を含む。前記第1伝達デカップリングアセンブリ1は第1伝達軸11および第1伝達本体12を含み、前記第1伝達本体12は前記第1伝達軸11に対して回転可能に接続され、第1伝達本体12は第1伝達軸11の周りに回転運動する。前記第2伝達デカップリングアセンブリ2は第2伝達軸21および第2伝達本体22を含み、前記第2伝達本体22は前記第2伝達軸21に対して回転可能に接続され、第2伝達本体22は第2伝達軸21の周りに回転運動する。前記第1伝達軸の軸線の延伸方向は前記第2伝達軸の軸線の延伸方向と同じである。前記回転増幅アセンブリ3は前記第1伝達軸11と第1伝達本体12を介して接続され、前記回転増幅アセンブリ3と前記第1伝達本体12との間に第1接続軸15が設けられている。前記回転増幅アセンブリ3は前記第2伝達デカップリングアセンブリ2と第2伝達本体22を介して接続され、前記回転増幅アセンブリ3と前記第2伝達本体22との間に第2接続軸25が設けられている。第1接続軸の軸線は第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであって、第1伝達軸の軸線または第2伝達軸の軸線の延伸方向に対して垂直である。前記第1伝達デカップリングアセンブリ1は加振装置02の側に設けられ、前記第2伝達デカップリングアセンブリ2は摺動テーブルアセンブリ03の側に設けられている。
【0022】
使用時、前記第1伝達デカップリングアセンブリ1は前記加振装置02に固定接続され、前記第2伝達デカップリングアセンブリ2は前記摺動テーブルアセンブリ03に固定接続される。実際の応用では、摺動テーブルアセンブリ03が加振装置02の作用下で振動する。すなわち、力の伝達により、加振装置02によって発生した加振力が第1伝達デカップリングアセンブリ1の第1伝達軸11に伝達され、第1伝達軸11によって発生した径方向力が第1伝達本体12によって第1接続軸15に伝達され、第1接続軸15が加振力を受けた後第1接続軸15の径方向力に変換して回転増幅アセンブリ3に伝達し、第2接続軸25が回転増幅アセンブリ3によって増幅された後の加振力を受けて第2接続軸25の径方向力に変換し、第2接続軸25の径方向力が第2伝達本体22によって第2伝達デカップリングアセンブリ2の第2伝達軸21に伝達され、第2伝達軸21が力を受けた後第2伝達軸21の径方向力に変換し、摺動テーブルアセンブリ03が第2伝達軸21の径方向力を受けて駆動され、摺動テーブルアセンブリ03の大変位振動を実現する。
【0023】
従来技術と比較すると、本実施例が提供する回転増幅アセンブリ3は支持座31および伝達ロッド32を含み、前記支持座31の頂部が前記伝達ロッド32が回転可能となるように第3接続軸33を介して前記伝達ロッド32に接続され、第3接続軸の軸線の延伸方向が前記第1接続軸の軸線または前記第2接続軸の軸線の延伸方向と同じであり、伝達ロッドの第1端が前記第1伝達本体12に対して回転可能に第1接続軸15を介して接続され、伝達ロッドの第2端が前記第2伝達本体22に対して回転可能に第2接続軸25を介して接続される。好ましくは、前記第3接続軸の軸線から第1接続軸の軸線までの水平直線距離をL1、前記第3接続軸の軸線から第2接続軸の軸線までの水平直線距離をL2とすると、L1<L2である。本願の構造設計では、回転増幅アセンブリ3の伝達ロッド32が振動方向に対して垂直であることが保証される。
【0024】
本出願では、さらに、第1伝達本体12上に第1伝達軸11を貫通させるための第1貫通穴が設けられ、第1伝達本体12は第1貫通穴を介して第1伝達軸11に回転可能に接続されている。第1貫通穴と第1伝達軸11との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。リニア軸受のキャリングボールが軸受ブッシュと点接触し、鋼球が最小の摩擦抵抗で転がるので、リニア軸受は、摩擦が小さく、比較的安定しており、軸受速度によって変化せず、高感度で高精度の滑らかな直線運動を実現することができる。より好ましくは、第1貫通穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられ、リニア軸受を保護するために使用される。
【0025】
好ましくは、前記第1伝達デカップリングアセンブリ1は第1固定ブロック13および第2固定ブロック14をさらに含み、前記第1固定ブロック13および前記第2固定ブロック14はそれぞれ前記第1伝達軸11に対して回転可能に接続されて前記第1伝達本体12の両側に位置する。第1固定ブロック13および第2固定ブロック14は独立した構造であり、その作用は、第1伝達デカップリングアセンブリ1を加振装置02に固定して、第1伝達本体12および第1伝達軸11が加振装置02と直接接触し、第1伝達本体12および第1伝達軸11が加振装置02と激しく衝突することを回避し、第1伝達デカップリングアセンブリ1の使用寿命を延長することができる。さらに、前記第1固定ブロック13および前記第2固定ブロック14に、第1伝達デカップリングアセンブリ1を加振装置に固定するための接続穴が設けられる。
【0026】
より好ましくは、第1固定ブロック13上に第1軸穴が設けられ、第1伝達軸の第1端が第1軸穴を介して第1固定ブロック13が回転可能となるように第1固定ブロック13に接続され、第1伝達軸の第1端と第1軸穴との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。さらに、第1軸穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられる。また、第2固定ブロック14に第2軸穴が設けられ、第1伝達軸の第2端が第2軸穴を介して第2固定ブロック14が回転可能となるように第2固定ブロック14に接続され、第1伝達軸の第2端と第2軸穴との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。さらに、第2軸穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられる。軸受構造の接続により、第1伝達本体12および第1伝達軸11が加振装置02と激しく衝突することを回避し、第1伝達デカップリングアセンブリ1の使用寿命を延長することができる。
【0027】
本出願では、さらに、第2伝達本体22上に第2伝達軸21を貫通させるための第2貫通穴が設けられ、第2伝達本体22は第2貫通穴を介して第2伝達軸21に対して回転可能に接続されている。第2貫通穴と第2伝達軸21との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。リニア軸受のキャリングボールが軸受ブッシュと点接触し、鋼球が最小の摩擦抵抗で転がるので、リニア軸受は、摩擦が小さく、比較的安定しており、軸受速度によって変化せず、高感度で高精度の滑らかな直線運動を実現することができる。より好ましくは、第2貫通穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられ、リニア軸受を保護するために使用される。
【0028】
好ましくは、前記第2伝達デカップリングアセンブリ2は第3固定ブロック23および第4固定ブロック24をさらに含み、前記第3固定ブロック23および前記第4固定ブロック24はそれぞれ前記第2伝達軸21に対して回転可能に接続されて前記第2伝達本体22の両側に位置する。第3固定ブロック23および第4固定ブロック24は独立した構造であり、その作用は、第2伝達デカップリングアセンブリ2を摺動テーブルアセンブリ03に固定し、第2伝達本体22および第2伝達軸21が摺動テーブルアセンブリ03と直接接触し、第2伝達本体22および第2伝達軸21が摺動テーブルアセンブリ03と激しく衝突することを回避し、第2伝達デカップリングアセンブリ2の使用寿命を延長することができる。さらに、前記第3固定ブロック23および前記第4固定ブロック24に、第2伝達デカップリングアセンブリ2を加振装置に固定するための接続穴が設けられる。
【0029】
より好ましくは、第3固定ブロック23に第3軸穴が設けられ、第2伝達軸の第1端が第3軸穴を介して第3固定ブロック23が回転可能となるように第3固定ブロック23に接続され、第2伝達軸の第1端と第3軸穴との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。さらに、第3軸穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられる。また、第4固定ブロック24に第4軸穴が設けられ、第2伝達軸の第2端が第4軸穴を介して第4固定ブロック24が回転可能となるように第4固定ブロック24に接続され、第2伝達軸の第2端と第4軸穴との間に転がり軸受または径方向滑り軸受、好ましくはリニア軸受が設けられている。さらに、第4軸穴の両端に軸受エンドギャップ、好ましくはリニア軸受エンドギャップが設けられる。軸受構造の接続により、第2伝達本体22および第2伝達軸21が摺動テーブルアセンブリ03と激しく衝突することをさらに回避し、第2伝達デカップリングアセンブリ2の使用寿命を延長することができる。
【0030】
本出願は、加振装置02、摺動テーブルアセンブリ03および上記で提供したデカップリング機構を備える大変位振動試験用の振動試験装置をさらに提供する。好ましくは、前記加振装置02に第1アダプタブロック4が設けられ、前記摺動テーブルアセンブリ03に第2アダプタブロック5が設けられる。第1アダプタブロック4は、加振装置02と第1伝達デカップリングアセンブリ1との間に配置された緩衝板に相当し、第1伝達デカップリングアセンブリ1と加振装置02との間の接続を強化するとともに、加振装置02と第1伝達デカップリングアセンブリ1との間の力伝達を緩衝する作用を果たし、加振装置02と第1伝達デカップリングアセンブリ1の使用寿命を延ばすことができる。第2アダプタブロック5は、摺動テーブルアセンブリ03と第2伝達デカップリングアセンブリ2との間に配置された緩衝板に相当し、第2伝達デカップリングアセンブリ2と摺動テーブルアセンブリ03との間の接続を強化するとともに、摺動テーブルアセンブリ03と第2伝達デカップリングアセンブリ2との間の力伝達を緩衝する作用を果たし、摺動テーブルアセンブリ03と第2伝達デカップリングアセンブリ2の使用寿命を延ばすことができる。
【0031】
本出願の大変位振動試験用のデカップリング機構をさらに理解するために、本出願は参照のための一連の実施例も提供する。
【0032】
<実施例1>
本実施例は、
図1および
図2に示すように、第1伝達デカップリングアセンブリ1、回転増幅アセンブリ3および第2伝達デカップリングアセンブリ2を備える大変位振動試験用のデカップリング機構を提供する。
【0033】
図7に示すように、回転増幅アセンブリ3は支持座31および伝達ロッド32を含み、第3接続軸33は前記支持座31の頂部に設けられ、第3接続軸33の軸線の方向はy軸に沿って延伸し、前記伝達ロッド32上に前記第3接続軸33を貫通させる第3環状穴が設けられている。前記伝達ロッド32は前記第3環状穴を介して前記第3接続軸33に回転可能に接続されている。伝達ロッド32の第1端に第1環状穴が設けられ、伝達ロッド32の第2端に第2環状穴が設けられている。好ましくは、前記第3接続軸33の軸線から第1接続軸15の軸線までの水平直線距離をL1、前記第3接続軸33の軸線から第2接続軸25の軸線までの水平直線距離をL2とすると、L1<L2である。より好ましくは、前記第3接続軸33は前記支持座31の頂部に設けられて前記支持座31と一体成形される。より好ましくは、前記第3接続軸33の前記支持座31と接触する端部に第3ボスが設けられる。第3ボスにより第3接続軸33と伝達ロッド32の接触面積が増加し、支持座31が伝達ロッド32をより良く支持することができる。
【0034】
図3および
図4に示すように、前記第1伝達デカップリングアセンブリ1は第1伝達本体12、第1伝達軸11、第1固定ブロック13および第2固定ブロック14を含み、第1伝達軸11の軸線の方向がx軸に沿って延伸し、第1伝達本体12に第1伝達軸11が貫通する第1貫通穴が設けられている。第1伝達本体12は第1貫通穴を介して第1伝達軸11に対して回転可能に接続され、第1固定ブロック13上に第1軸穴が設けられ、第1伝達軸11の第1端が第1軸穴を介して第1固定ブロック13が回転可能となるように第1固定ブロック13に接続され、第2固定ブロック14上に第2軸穴が設けられ、第1伝達軸11の第2端が第2軸穴を介して第2固定ブロック14が回転可能となるように第2固定ブロック14に接続され、第1伝達本体12に第1環状穴と適合する第1接続軸15が設けられている。好ましくは、第1接続軸15は第1伝達本体12の上方に位置している。第1伝達本体12は加振力を伝達するとともに伝達ロッド32を支持および保護する作用も果たす。より好ましくは、
図4に示すように、第1接続軸15の第1伝達本体12と接触する端部に第1ボスが設けられることで、伝達軸と第1接続軸15の接触面積が増加し、伝達軸の支持に有利である。
【0035】
図5および
図6に示すように、前記第2伝達デカップリングアセンブリ2は第2伝達本体22、第2伝達軸21、第3固定ブロック23および第4固定ブロック24を含み、第2伝達軸21の軸線の方向がx軸に沿って延伸し、第2伝達本体22上に第2伝達軸21を貫通させる第2貫通穴が設けられている。前記第2伝達本体22は第2貫通穴を介して前記第2伝達軸21に対して回転可能に接続され、前記第3固定ブロック23および前記第4固定ブロック24はそれぞれ前記第2伝達軸21に対して回転可能に接続されて前記第2伝達本体22の両側に位置し、前記第2伝達本体22は前記伝達ロッド32の第2端が回転可能となるように伝達ロッド32の第2端に接続される。第3固定ブロック23に第3軸穴が設けられ、第2伝達軸21の第1端が第3軸穴を介して第3固定ブロック23が回転可能となるように第3固定ブロック23に接続され、第4固定ブロック24に第4軸穴が設けられ、第2伝達軸21の第2端が第4軸穴を介して第4固定ブロック24が回転可能となるように第4固定ブロック24に接続され、第2伝達本体22に第2環状穴と適合する第2接続軸25が設けられている。好ましくは、第2接続軸25は第2伝達本体22の上方に位置している。第2伝達本体22は加振力を伝達するとともに伝達ロッド32を支持および保護する作用も果たす。より好ましくは、
図6に示すように、第2接続軸25の第2伝達本体22と接触する端部に第2ボスが設けられることで、伝達軸と第2接続軸25の接触面積が増加し、伝達軸の支持に有利である。
【0036】
さらに、当業者であれば、本出願の保護範囲内で、前記第1伝達本体12が前記伝達ロッド32の第1端と第1接続軸15を介して回転可能に接続される場合に、前記第1接続軸15が伝達ロッド32の第1端に設けられ、前記第1伝達本体12に前記第1接続軸15を収容するための第1収容キャビティが設けられること、好ましくは、前記第1接続軸15が伝達ロッド32の第1端と一体成形され得ることを理解されたい。
【0037】
また、当業者であれば、本出願の保護範囲内で、前記第2伝達本体22が前記伝達ロッド32の第2端と第2接続軸25を介して回転可能に接続される場合に、前記第2接続軸25が伝達ロッド32の第2端に設けられ、前記第2伝達本体22に前記第2接続軸25を収容するための第2収容キャビティが設けられること、好ましくは、前記第2接続軸25が伝達ロッド32の第2端と一体成形され得ることを理解されたい。
【0038】
さらに、当業者であれば、本出願の保護範囲内で、前記支持座31の頂部が前記伝達ロッド32が回転可能となるように第3接続軸33を介して伝達ロッド32に接続される場合、前記第3接続軸33が前記伝達ロッド32に設けられ、前記支持座31の頂部に前記第3接続軸33を収容するための第3収容キャビティが設けられること、好ましくは、前記第3接続軸33が前記伝達ロッド32と一体成形され得ることを理解されたい。
【0039】
<実施例2>
本実施例は、大変位振動試験用の振動試験装置を提供するものであって、この振動試験装置は、
図1および
図2を参照すると、加振装置02、摺動テーブルアセンブリ03および実施例1が提供するデカップリング機構を備える。好ましくは、前記加振装置02に第1アダプタブロック4が設けられ、
図8に示すように、第1アダプタブロック4に、第1アダプタブロック4を加振装置02に固定するための多数のネジ穴が設けられ、前記第1アダプタブロック4に、第1固定ブロック13を固定するための第1バンプ、および第2固定ブロック14を固定するための第2バンプが設けられ、前記第1バンプおよび前記第2バンプにもそれぞれ多数のネジ穴が設けられる。また、前記摺動テーブルアセンブリ03に第2アダプタブロック5が設けられ、
図9に示すように、第2アダプタブロック5に、第2アダプタブロック5を摺動テーブルアセンブリ03に固定するための多数のネジ穴が設けられ、前記第2アダプタブロック5に、第3固定ブロック23を固定するための第3バンプ、および第4固定ブロック24を固定するための第4バンプが設けられ、前記第3バンプおよび前記第4バンプにもそれぞれ多数のネジ穴が設けられる。
【0040】
以上のように、本出願は、第1伝達デカップリングアセンブリ1、回転増幅アセンブリ3および第2伝達デカップリングアセンブリ2を備える大変位振動試験用のデカップリング機構を提供することにより、使用時、前記第1伝達デカップリングアセンブリ1を前記加振装置02に固定接続し、前記第2伝達デカップリングアセンブリ2を前記摺動テーブルアセンブリ03に固定接続する。力の伝達により、第1伝達デカップリングアセンブリ1が加振装置02の作用力を受けた後、回転増幅アセンブリによって増幅された後、第2伝達デカップリングアセンブリ2に伝達され、摺動テーブルアセンブリ03が第2伝達デカップリングアセンブリ2の作用力を受け、最終的に摺動テーブルアセンブリ03の大変位振動を実現する。
【0041】
本明細書では実施形態に従って説明したが、各実施形態が1つの独立した技術的解決策のみを含むことを意図するものではなく、明細書のような記述方法は明瞭化のためのものに過ぎず、当業者は、明細書を一体として捉えるべきであり、当業者が理解できる他の実施形態を形成するために、各実施形態中の技術的解決策を適切に組み合わせることができる。
【0042】
上記の一連の詳細な説明は、本発明の実現可能な実施形態の具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の要旨および精神から逸脱することなく得られた等価な実施形態または変更は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】