(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】入口ノズル組立体
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20240705BHJP
F23G 7/06 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B01J4/00 102
F23G7/06 D ZAB
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501177
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051749
(87)【国際公開番号】W WO2023285783
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3K078
4G068
【Fターム(参考)】
3K078AA03
3K078AA06
3K078BA20
3K078BA26
4G068AA01
4G068AB04
4G068AC01
4G068AD16
4G068AF12
(57)【要約】
入口ノズル組立体、除害装置及び方法が開示されている。入口ノズル組立体は、半導体処理ツールからの排出流を処理するための除害装置のためのものであり、入口ノズル組立体は、排出流を除害室の中に送給するように構成された入口ノズルと、入口ノズルを受け入れるための開口を画定するヘッドと、開口の中に入口ノズルを保持するように構成された断熱取り付け部とを備える。このように、入口ノズルとヘッドとの間の熱経路は、断熱取り付け部によって遮られ、これは入口ノズルがヘッドによって冷却されるのを防ぐのを助け、入口ノズル上に凝縮物が粉体又は微粒子として集まるのを防ぐのを助ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理するための除害装置のための入口ノズル組立体であって、
前記排出流を除害室の中に送給するように構成された入口ノズルと、
前記入口ノズルを受け入れるための開口を画定するヘッドと、
前記入口ノズルを前記開口の中に保持するように構成された断熱取り付け部と、
を備える、入口ノズル組立体。
【請求項2】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルを取り囲むように構成されている、又は、前記入口ノズルと前記ヘッドとの間に介在している、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項3】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルを前記ヘッドから離間させるように構成されている、請求項1又は2に記載の入口ノズル組立体。
【請求項4】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルと接触するように構成された複数の突起を備える、請求項1から3のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項5】
前記突起は、前記断熱取り付け部の対向面から延びて、前記対向面から前記入口ノズルを離間させる、請求項4に記載の入口ノズル組立体。
【請求項6】
前記断熱取り付け部は、パージガスをパージガス供給部から前記ヘッド内のパージガスプレナムへ運ぶように構成されたパージ導管を画定する、請求項1から5のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項7】
前記入口ノズルは、前記排出流を送給するための排出流ノズルと、燃焼反応物を送給するための同心燃焼反応物ノズルとを備え、前記断熱取り付け部は、燃焼反応物供給部から前記同心燃焼反応物ノズルへ燃焼反応物を運ぶように構成された燃焼反応物導管を画定する、請求項1から6のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項8】
前記同心燃焼反応物ノズルは、前記排出流ノズルを取り囲む、請求項7に記載の入口ノズル組立体。
【請求項9】
前記入口ノズルは、前記排出流を受け入れるための入口室を画定する上流側入口部分と、前記排出流を前記除害室に送給するための送給室を画定する下流側送給部分とを備え、前記上流側入口部分は、前記ヘッドから離間するように構成されている、請求項7に記載の入口ノズル組立体。
【請求項10】
前記上流側入口部分は、前記断熱取り付け部によって前記ヘッドから離間するように構成されている、請求項9に記載の入口ノズル組立体。
【請求項11】
前記上流側入口部分は、前記ヘッドの上流側表面から離間するように構成されている、請求項9又は10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項12】
前記断熱取り付け部は、断熱材料で構成されている、請求項9から11のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項13】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズル及び前記ヘッドのうちの少なくとも1つよりも低い熱伝導率を有する、請求項1から12のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の入口ノズル組立体を備える除害装置。
【請求項15】
排出流を除害室の中に送給するための入口ノズルを受け入れるための開口をヘッドに画定するステップと、
前記入口ノズルを、断熱取り付け部を用いて前記開口の中に保持するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、入口ノズル組立体、除害装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射バーナー又は他の形式の除害装置などの除害装置が知られており、典型的には、例えば、半導体業界又はフラットパネルディスプレイ製造業界において使用される製造処理ツールからの排出ガス流を処理するために使用される。このような製造中、残留ペルフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が、処理ツールから圧送された排出ガス流に存在する。PFCは、排出ガスから除去し難く、環境への放出は、比較的高い温室効果作用を有することが知られているために望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、欧州公開第0,694,735号に記載されているものなど、燃焼を使用して、PFC及び他の化合物を排出ガス流から除去する。典型的には、排出ガス流は、PFC及び他の化合物を含有する窒素流である。排出ガス流は、有効ガスバーナーの出口面によって横方向に取り囲まれた燃焼室へ運ばれる。場合によっては、燃料ガスなどの処理材料は、燃焼室に入る前に排出ガス流と混合させることができる。燃料ガス及び空気は、出口面で燃焼に影響を与えるために有効バーナーに同時に供給される。有効バーナーからの燃焼生成物は、排出流の化合物を燃焼させるために排出流混合物と反応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除害装置の構成は存在するが、各々がそれ自体の欠点を有する。従って、除害装置のための改良された構成を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、半導体処理ツールからの排出流を処理するための除害装置のための入口ノズル組立体が提供され、入口ノズル組立体は、排出流を除害室の中に送給するように構成された入口ノズルと、入口ノズルを受け入れるための開口を画定するヘッドと、入口ノズルを開口の中に保持するように構成された断熱取り付け部と、を備える。
【0007】
第1の態様は、既存の入口組立体の問題は、組立体の動作寿命が不十分になる場合があることであり、これは性能に影響を与え、保守期間の間の時間が短くなることを認識する。詳細には、入口ノズル組立体に微粒子又は粉体が蓄積し、流体の流れに影響を与え、閉塞に至ることさえある。
【0008】
従って、入口ノズル組立体が提供される。入口ノズル組立体は、除害装置用とすることができる。除害装置は、半導体処理ツールからの排出流を処理することができる。入口組立体は、入口ノズルを備えることができる。入口ノズルは、排出流を除害室に送給又は運ぶように構成することができる。入口ノズル組立体は、ヘッドを備えることができる。ヘッドは、入口ノズルを受け入れる開口を画定することができる。入口ノズル組立体は、断熱取り付け部を備えることができる。断熱取り付け部は、入口ノズルを開口の中に保持するように構成又は配置される。このように、入口ノズルとヘッドとの間の熱経路は、断熱取り付け部によって遮られ、これは入口ノズルがヘッドによって冷却されるのを防ぐのを助け、これは入口ノズルの冷却部品上に堆積物を形成する凝縮性材料を防ぐのを助ける。
【0009】
断熱取り付け部は、入口ノズルを取り囲む又は包囲するように構成することができる。断熱取り付け部は、入口ノズルとヘッドとの間に介在又は配置することができる。
【0010】
断熱取り付け部は、入口ノズルをヘッドから離間させる又はそこから離れて位置するように構成又は配置することができる。ヘッドから離間することは、熱経路を妨げるのを助ける。
【0011】
断熱取り付け部は、入口ノズルと接触するように構成又は配置された複数の突起、部材又はフィンガーを備えることができる。突起を設けることは、接触面積を減少させるのを助け、これは熱経路を妨げるのを助ける。
【0012】
突起は、断熱取り付け部の対向面から延びて、入口ノズルを対向面から離間させる又はそこから離れた位置に配置する。
【0013】
断熱取り付け部は、パージ導管を画定することができる。パージ導管は、パージガスをパージガス供給部からヘッド内のパージガスプレナムへ運ぶ又は送給するように構成又は配置することができる。従って、断熱取り付け部は二つの目的を兼ねることができる。
【0014】
入口ノズルは、排出流を送給又は運ぶための排出流ノズルを備えることができる。また、入口ノズルは、燃焼反応物を送給又は運ぶための同心燃焼反応物ノズルを備えることもできる。断熱取り付け部は、燃焼反応物導管を画定することができる。燃焼反応物導管は、燃焼反応物供給部から同心燃焼反応物ノズルへ燃焼反応物を運ぶ又は送給するように構成することができる。
【0015】
同心燃焼反応物ノズルは、排出流ノズルを取り囲むことができる。
【0016】
入口ノズルは、上流側入口部分を備えることができる。上流側入口部分は、入口室を画定することができる。入口室は、排出流を受け入れることができる。入口ノズルは、下流側送給部分を備えることができる。下流側送給部分は、送給室を画定することができる。送給室は、排出流を除害室の中に送給又は運ぶことができる。上流側入口部分は、ヘッドから離間する又はそこから離れて位置するように構成することができる。ヘッドから離間することは、熱経路を妨げるのを助ける。
【0017】
上流側入口部分は、断熱取り付け部によってヘッドから離間するように又はそこから離れて位置するように構成することができる。
【0018】
上流側入口部分は、ヘッドの上流側表面から離間するように又はそこから離れて位置するように構成又は配置することができる。
【0019】
断熱取り付け部は、断熱材料で構成することができる。
【0020】
断熱取り付け部は、入口ノズル及び/又はヘッドよりも低い熱伝導率を有することができる。
【0021】
第2の態様によれば、第1の態様の入口ノズル組立体を備える除害装置が提供される。
【0022】
除害装置は、上記した入口ノズル組立体の特徴を備えることができる。
【0023】
第3の態様によれば、方法が提供され、本方法は、排出流を除害室の中に送給するための入口ノズルを受け入れるための開口をヘッドに画定するステップと、入口ノズルを、断熱取り付け部を用いて開口の中に保持するステップと、を含む。
【0024】
本方法は、入口ノズルを断熱取り付け部で取り囲むことを含むことができる。
【0025】
本方法は、入口ノズルとヘッドとの間に断熱取り付け部を介在させることを含むことができる。
【0026】
本方法は、入口ノズルを断熱取り付け部でヘッドから離間させることを含むことができる。
【0027】
本方法は、入口ノズルを断熱取り付け部の複数の突起に接触させることを含むことができる。
【0028】
本方法は、入口ノズルを対向面から離間させるために、突起を断熱取り付け部の対向面から延ばすことを含むことができる。
【0029】
本方法は、パージガスをパージガス供給部からヘッド内のパージガスプレナムへ運ぶように構成されたパージ導管を取り付け台に画定することを含むことができる。
【0030】
本方法は、流入ノズルに、排出流を送給するための排出流ノズルと、燃焼反応物を送給するための同心燃焼反応物ノズルとを設けること、及び、燃焼反応物を燃焼反応物供給部から同心燃焼反応物ノズルに運ぶように構成された燃焼反応物導管を画定することを含むことができる。
【0031】
本方法は、排出流ノズルを同心燃焼反応物ノズルで取り囲むことを含むことができる。
【0032】
本方法は、入口ノズルの上流側入口部分で排出流を受け入れるための入口室を画定すること、入口ノズルの下流側送給部で排出流を除害室に送給するための送給室を画定すること、及び上流側入口部分をヘッドから離間させることを含むことができる。
【0033】
本方法は、断熱取り付け部を用いて上流側入口部分をヘッドから離間させることを含むことができる。
【0034】
本方法は、上流側入口部分をヘッドの上流側表面から離間させることを含むことができる。
【0035】
本方法は、断熱取り付け部を断熱材料から形成することを含むことができる。
【0036】
本方法は、入口ノズル及びヘッドのうちの少なくとも1つよりも低い熱伝導率を有するように断熱取り付け部を選択することを含むことができる。
【0037】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載される以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0038】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載される場合、これは、その機能をもたらすか、又は、その機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことを理解されたい。
【0039】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】1つの実施形態による、除害装置のための入口組立体を通る正面断面である。
【
図3】
図1の入口組立体を通る正面断面の分解斜視図である。
【
図4】1つの実施形態による、除害装置のための入口組立体を通る正面断面である。
【
図5】
図4の入口組立体を通る正面断面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要を説明する。いくつかの実施形態は、入口ノズルに対する取り付け台又はヘッドの冷却効果を低減して、入口ノズル上の凝縮物、粉体又は微粒子の蓄積を防止するのを助けるために、排出流入口ノズル(及び典型的には反応物入口ノズル)を取り付け台又はヘッドから断熱する構成を提供する。詳細には、ヘッド又は取り付け台は、一般に、そうでなければ入口ノズルを冷却する傾向がある高い熱質量を有し、これは、排出流中の化合物を入口ノズルの近傍で凝縮させる可能性があり、これは、入口ノズル及び/又は下流側の燃焼室内の流体流れに影響を及ぼす可能性がある粒子状物質又は粉体の蓄積を引き起こす、及び/又は、除害装置の性能に影響を及ぼすブリッジング又は閉塞をもたらす可能性がある。入口ノズルとヘッド又は取り付け台との間の熱経路を妨げる又は低減する断熱取り付け部を設けることは、入口ノズルに対するヘッド又は取り付け台の冷却効果を低減するのを助ける。典型的には、断熱取り付け部は、排出流入口及び/又はヘッド又は取り付け台の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する断熱材料で形成される。さらに、典型的には、入口ノズルの構成要素と断熱取り付け部との間の直接的な接触を避けるために及び/又はこれらの構成要素と断熱取り付け部との間の接触面積を減少させるために、入口ノズルの構成要素は、ヘッド又は取り付け台から離間するように形成又は寸法決めされている。
【0042】
入口組立体(第1の構成)
図1は、1つの実施形態による、除害装置10のための入口組立体を通る正面断面である。
図2は、入口組立体を通る側面断面である。
図3は、入口組立体を通る正面断面の分解斜視図である。取り付け台50が設けられており、その下流側表面55上に燃焼室モジュールのハウジング(図示せず)が取り付けられている。燃焼室モジュールは、通常、ハウジングの中に収容された有孔スリーブを含む。ハウジングの中の有孔スリーブは燃焼室を画定する。取り付け台50は、入口ノズル60を受け入れる入口開口910を画定する。この実施形態では、入口ノズル60は、長円断面を有する。しかしながら、円形又は他の断面を有するものなど、他の形状の入口ノズル60が可能であることを理解されたい。入口ノズル60は、排出流の供給源に取り付けられる上流側入口部分63と、排出流を燃焼室の中に送給する下流側送給部分67とを有する。
【0043】
断熱取り付け部900は、入口開口910の中に配置されている。断熱取り付け部は、入口ノズル60及び/又は取り付け台50よりも熱伝導率の低い材料で作られている。断熱取り付け部900は、上流側部分920及び下流側部分930を有する。上流側部分920は、取り付け台50の上流側天井940に当接している。断熱取り付け部900は、固定具950によって上流側天井940に対して所定の位置に保持されている。上流側部分920は、開口910の中で半径方向に延びる上流側保持リム960を画定する。上流側部分920は潜在的にプロセス湿潤性であるため、典型的には化学的適合性を有し、最大260℃の動作温度を有する充填PTFE(ガラス充填又はマイカ充填)から作ることができる。下流側部分930は化学的適合性を必要とせず、ポリアミドイミド(PAI)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作ることができる。保持リム960は、送給部分67上の半径方向に延びるフランジ65と協働して、入口ノズル60を取り付け台50の中の所定位置に保持する。上流側部分920の上流側表面から直立する環状突出部970は、送給部分67の半径方向外面を開口910の半径方向内面から離間させる。加えて、送給部分67及び断熱取り付け部900は、入口部分63の下流側表面と取り付け台50の上流側表面との間の接触を防止するように寸法決めされている。換言すれば、入口部分は、入口部分63と取り付け台50との間に間隙を与えるためにわずかに高くなっている。
【0044】
従って、断熱取り付け部900は、入口ノズル60と取り付け台50との接触を防止しており、入口ノズル60と取り付け台50との間に熱伝導率の低い材料が介在していることが分かる。このことは入口ノズル60と取り付け台50との間の熱経路が損なわれるのを助け、これは、取り付け台50による入口ノズル60の冷却を防止するのを助け、入口ノズル60への凝縮物の蓄積を低減する。
【0045】
また、下流側部分930は、半径方向に延びる上流側保持リム980を有し、このリムは、送給部分67の一部の外面を取り囲む反応物ノズル830(送給部分67の排出口まで延びる)の上流側端部の半径方向に延びるフランジ835を受け取る。これは、反応物ノズル830を入口ノズル60から離間させ、反応物ノズル830と取り付け台50との間の接触を防止し、反応物ノズル830と取り付け台50との間に熱伝導率の低い材料を介在させる。このことは、反応物ノズル830と取り付け台50との間の熱経路が損なわれるのを助け、これは取り付け台50による反応物ノズル830の冷却を防止するのを助け、反応物ノズル830への凝縮物の蓄積を低減する。
【0046】
断熱取り付け部900は、反応物入口990を有し、これは、反応物を受け入れ、反応物導管995を介して反応物を反応物ノズル830の上流側端部と流体連通する環状ギャラリー997に運ぶ。従って、燃焼室に供給される何らかの反応物は、断熱取り付け部900を通って反応物ノズル830に運ばれ、排出流を取り囲んで燃焼室の中に送給される。
【0047】
断熱取り付け部900は、パージ入口993を有し、パージ入口993は、パージガスを受け取り、これを取り付け台50内に運び、不活性ガスを使用して取り付け台50内に正圧を供給し、取り付け台50内へのガスの逆流を防止するようになっている。
【0048】
入口組立体(第2の構成)
図4及び5は、上述した構成に類似する1つの実施形態による除害装置10Aのための入口組立体を示す。この構成では、入口ノズル60Aを受け入れて同心の反応物ノズル830Aを支持する断熱取り付け部900Aが設けられている。この構成では、断熱取り付け部900Aは、突起915Aのセットを有し、突起915Aのセットは、入口ノズル60Aと接触してこれを断熱取り付け部900Aから離間させ、熱経路をさらに損なわせるために、入口ノズル60Aと断熱取り付け部900Aとの間の接触をさらに減少させるようになっている。類似の突起は、
図1から3を参照して説明した上述の構成に組み込むことができることを理解されたい。
【0049】
いくつかの実施形態は、凝縮性副生成物の堆積を最小限にするために、入口システムと熱式/燃焼式除害システムのヘッドとの間の熱伝達を低減するための構成を提供する。このような熱式/燃焼式除害システムでは、処理されるガスは、概して入口組立体によって取り囲まれた1又は2以上のノズルを通って燃焼室に流入する。いくつかの組立体は、流量調整装置及び/又は補助入口を備える場合がある。例えばアルミニウムエッチング、LPCVD窒化物、PECVD窒化物などのいくつかのプロセスでは、AlCl3、NH4Cl、(NH4)2SiF6などの凝縮性副生成物が発生する場合がある。ノズルは、一般にヘッド又は取り付け台のレジスタ(register)に置かれており、同様に、入口構造は一般にヘッド又は取り付け台に固定されている。従って、入口構造が、ヒートシンクとして機能することができるヘッド又は取り付け台と機械的に、従って熱的に接触している場合、これは、結露が発生する可能性のあるポイントまでこれらの構造を冷却する可能性がある。従って、いくつかの実施形態では、ヘッドは、ノズル(複数可)との熱的接触を最小限にするように設計されている。いくつかの実施形態では、熱伝導率が最も低い材料で構成された別個のレジスタ特徴部が提供される。いくつかの実施形態では、レジスタ特徴部は、ノズルとの接触が減少するように変更される。いくつかの実施形態では、熱伝導に対する全体的な抵抗を増加させるために、最も熱伝導率の低い断熱取り付け部と長い熱経路との組み合わせが採用される。入口組立体は、典型的にヘッドと直接接触しないように設計される、或いはロケータ(locater)の中に配置され、断熱取り付け部のリテーナで保持される。入口組立体の合わせ面は、エラストマーシールを圧迫し、エラストマーシールの圧縮を制限するためにノズルの上面に直接接触する。通常、ノズルはインコネル600又はANC16のような耐腐食性材料から作られるが、これらの材料は、他のノズル材料よりも熱伝導率が比較的低い(しかし、これらの材料は断熱取り付け部よりも熱伝導率が高い)。入口温度は、熱伝導率の高い(例えば銅)ノズルに置き換えることでさらに上昇させることができる。このノズルは、例えば、ろう付けによって入口組立体に接合することができる。ノズルは、メッキ、例えば無電解ニッケルメッキによって腐食から保護することができる。メッキの厚さは25μmと75μmの間、例えば50μmとすることができる。
【0050】
本明細書では、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に開示してきたが、本発明は、正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更及び修正を行なうことができることが理解される。
【符号の説明】
【0051】
10;10A 除害装置
50 取り付け台
55 下流側表面
60;60A 入口ノズル
63 入口部分
65;835 フランジ
67 送給部分
830;830A 反応物ノズル
900;900A 断熱取り付け部
910 入口開口
915A 突起
920 上流側部分
930 下流側部分
940 上流側天井
960;980 上流側保持リム
970 突出部
990 反応物入口
993 パージ入口
995 反応物導管
997 環状ギャラリー
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理するための除害装置のための入口ノズル組立体であって、
前記排出流を除害室の中に送給するように構成された入口ノズルと、
前記入口ノズルを受け入れるための開口を画定するヘッドと、
前記入口ノズルを前記開口の中に保持するように構成された断熱取り付け部と、
を備える、入口ノズル組立体。
【請求項2】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルを取り囲むように構成されている、又は、前記入口ノズルと前記ヘッドとの間に介在している、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項3】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルを前記ヘッドから離間させるように構成されている、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項4】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズルと接触するように構成された複数の突起を備える、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項5】
前記突起は、前記断熱取り付け部の対向面から延びて、前記対向面から前記入口ノズルを離間させる、請求項4に記載の入口ノズル組立体。
【請求項6】
前記断熱取り付け部は、パージガスをパージガス供給部から前記ヘッド内のパージガスプレナムへ運ぶように構成されたパージ導管を画定する、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項7】
前記入口ノズルは、前記排出流を送給するための排出流ノズルと、燃焼反応物を送給するための同心燃焼反応物ノズルとを備え、前記断熱取り付け部は、燃焼反応物供給部から前記同心燃焼反応物ノズルへ燃焼反応物を運ぶように構成された燃焼反応物導管を画定する、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項8】
前記同心燃焼反応物ノズルは、前記排出流ノズルを取り囲む、請求項7に記載の入口ノズル組立体。
【請求項9】
前記入口ノズルは、前記排出流を受け入れるための入口室を画定する上流側入口部分と、前記排出流を前記除害室に送給するための送給室を画定する下流側送給部分とを備え、前記上流側入口部分は、前記ヘッドから離間するように構成されている、請求項7に記載の入口ノズル組立体。
【請求項10】
前記上流側入口部分は、前記断熱取り付け部によって前記ヘッドから離間するように構成されている、請求項9に記載の入口ノズル組立体。
【請求項11】
前記上流側入口部分は、前記ヘッドの上流側表面から離間するように構成されている、請求項9に記載の入口ノズル組立体。
【請求項12】
前記断熱取り付け部は、断熱材料で構成されている、請求項9に記載の入口ノズル組立体。
【請求項13】
前記断熱取り付け部は、前記入口ノズル及び前記ヘッドのうちの少なくとも1つよりも低い熱伝導率を有する、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項14】
請求項1に記載の入口ノズル組立体を備える除害装置。
【請求項15】
排出流を除害室の中に送給するための入口ノズルを受け入れるための開口をヘッドに画定するステップと、
前記入口ノズルを、断熱取り付け部を用いて前記開口の中に保持するステップと、
を含む方法。
【国際調査報告】