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特表2024-525700プラグイン端子、挿着接続構造及びプラグイン端子アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】プラグイン端子、挿着接続構造及びプラグイン端子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/02 20060101AFI20240705BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01R13/02
H01R13/03 A
H01R13/03 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501602
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2022105968
(87)【国際公開番号】W WO2023284856
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110803188.3
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121613410.5
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
(57)【要約】
本願は、プラグイン端子、挿着接続構造及びプラグイン端子アセンブリを提供する。プラグイン端子は、接続端と、プラグイン端と、を含み、プラグイン端は、固定ユニットと弾性ユニットを含み、固定ユニットは、結合装置に設けられるためのものであり、接続端は、一端がケーブルと電気的に接続可能であり、他端が固定ユニットに接続されており、弾性ユニットには、相手端の端子が挿着され、且つ相手端の端子と電気的に接続される膨張収縮式挿入孔が設けられている。本願が提供するプラグイン端子は、伸縮可能な挿入孔が付けられた弾性ユニットを有することにより、端子と相手端の端子が十分に接触していることが確保され、力学上の要求及び温度上昇の要求を満足した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグイン端子であって、
接続端と、プラグイン端と、を含み、
前記プラグイン端は、固定ユニットと弾性ユニットを含み、前記固定ユニットは、結合装置に設けられるためのものであり、
前記接続端は、一端がケーブルと電気的に接続可能であり、他端が前記固定ユニットに接続されており、
前記弾性ユニットには、相手端の端子が挿着され、かつ前記相手端の端子と電気的に接続される膨張収縮式挿入孔が設けられている、
ことを特徴とするプラグイン端子。
【請求項2】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項3】
前記接続端と前記固定ユニットは、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された、ことを特徴とする請求項2に記載のプラグイン端子。
【請求項4】
前記弾性ユニットは、銅セグメント及びアルミニウムセグメントを有し、前記アルミニウムセグメントは、一端が前記銅セグメントと固定接続され、他端が前記固定ユニットと接続された、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項5】
前記銅セグメントの長さは、前記弾性ユニットの全体的長さの0.5%~99.9%を占めている、ことを特徴とする請求項4に記載のプラグイン端子。
【請求項6】
前記弾性ユニットは、前記プラグイン端子の縦方向に延伸している膨張収縮隙間を含み、前記膨張収縮隙間によって、前記弾性ユニットは、弾性片に分割される、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項7】
各前記弾性片は、長手方向に蛇腹状に延伸している、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項8】
前記膨張収縮隙間は、前記固定ユニットに近い側の幅が前記弾性ユニットの開口側の幅以上である、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項9】
前記膨張収縮隙間の最小幅範囲は、0.01mm~12mmである、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項10】
前記膨張収縮隙間の最小幅範囲は、0.1mm~10mmである、ことを特徴とする請求項9に記載のプラグイン端子。
【請求項11】
前記弾性片の数量は、4個または6個または8個または10個または12個または14個または16個である、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項12】
前記弾性片は、前記弾性ユニットの開口側の厚さが前記固定ユニットに近い側の厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項13】
前記弾性ユニットの膨張収縮式挿入孔は、前記固定ユニットに近い側の内孔断面積が前記弾性ユニットの開口側の内孔断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項14】
前記膨張収縮式挿入孔には、前記相手端の端子の先端にある位置決め孔と互いに挿入されて接続されるための位置決めピンが内設されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項15】
前記位置決めピンは、前記膨張収縮式挿入孔の軸方向に沿って設けられており、
前記位置決めピンは、前記膨張収縮式挿入孔の端壁に固定され、
前記位置決めピンは、頂部と、前記端壁に接続された底部と、を有し、
前記頂部の断面積が前記底部の断面積以下である、ことを特徴とする請求項14に記載のプラグイン端子。
【請求項16】
前記弾性ユニットの膨張収縮式挿入孔の内孔断面形状は、円形または楕円形または多角形または扁平形状またはE字状またはF字状またはH字状またはK字状またはL字状またはT字状またはU字状またはV字状またはW字状またはX字状またはY字状またはZ字状または半弧状または弧状または波形形状である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項17】
前記弾性ユニットの開口側の内部には、面取りまたは丸み付けが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項18】
前記弾性ユニットの外側には、周方向に設けられた凹溝があり、
前記凹溝は、前記膨張収縮式挿入孔に対応し、
前記プラグイン端子は、凹溝に外嵌される弾性外嵌具をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項19】
前記接続端と前記プラグイン端は、一体成形されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項20】
前記接続端と前記プラグイン端の接続には、圧着接続、係着接続、ネジ接続、溶接接続、カシメ接続、又は、嵌め込み式接続が用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項21】
前記接続端は、平板状構造またはU字状構造または優弧状構造または円筒状構造または椀状構造または多角形構造を呈している、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項22】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端の材料には、テルルが含まれる、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子。
【請求項23】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端の材料におけるテルルの含有量は、0.1%~5%である、ことを特徴とする請求項22に記載のプラグイン端子。
【請求項24】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端には、メッキ層がある、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子。
【請求項25】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端におけるメッキ層の厚さは一致する、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項26】
前記接続端におけるメッキ層の材料は、前記プラグイン端におけるメッキ層の材料と一致しない、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項27】
前記メッキ層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項28】
前記メッキ層は、下地層と表層を有する、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項29】
前記下地層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、
前記表層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項30】
前記下地層の厚さは、0.01μm~15μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項31】
前記下地層の厚さは、0.1μm~9μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項32】
前記表層の厚さは、0.5μm~55μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項33】
前記表層の厚さは、1μm~35μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項34】
挿着接続構造であって、
相手端の端子と、請求項1~33のいずれか1項に記載のプラグイン端子と、を備え、
前記相手端の端子は、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、且つ、前記相手端の端子の外側壁は、前記弾性ユニットの内側壁と密着している、ことを特徴とする挿着接続構造。
【請求項35】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金であり、
前記相手端の端子は、互いに接続された接触セグメントと接続セグメントを含み、
前記接触セグメントの材料は、銅または銅合金であり、
前記接続セグメントの材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記接触セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、前記接触セグメントの外壁は、前記弾性ユニットの内壁と密着しており、
前記接続セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔の外部に位置する、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項36】
前記接触セグメントと前記接続セグメントは、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された、ことを特徴とする請求項35に記載の挿着接続構造。
【請求項37】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金であり、
前記相手端の端子は、互いに接続された接触セグメントと接続セグメントを含み、
前記相手端の端子の材料は、銅または銅合金であり、
前記接触セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、前記接触セグメントの外壁は、前記弾性ユニットの内壁と密着しており、
前記接続セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔の外部に位置する、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項38】
前記相手端の端子の先端には、位置決め孔が設けられており、
前記プラグイン端子の膨張収縮式挿入孔には、前記相手端の端子の位置決め孔と互いに挿入されて接続された位置決めピンが内設されている、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項39】
前記弾性ユニットは、前記プラグイン端子の縦方向に延伸している膨張収縮隙間を含み、
前記膨張収縮隙間によって、前記弾性ユニットは、弾性片に分割され、
前記弾性片は、長手方向に蛇腹状に延伸しており、
前記相手端の端子の外壁面は、軸方向に蛇腹状に延伸しており、
前記相手端の端子の外壁面は、前記弾性片と貼り合せられている、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項40】
前記相手端の端子の前記膨張収縮式挿入孔に挿入される部分の外径をr1とし、前記膨張収縮式挿入孔の最小内径をr2とすると、(r1-r2)/r1*100%=N、且つ、0.5%≦N≦20%である、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項41】
請求項1~33のいずれか1項に記載のプラグイン端子と、
前記プラグイン端子に設けられた温度センサと、を含む、ことを特徴とするプラグイン端子アセンブリ。
【請求項42】
前記プラグイン端子には、スルーホールが設けられており、
前記温度センサの一部または全部は、前記スルーホール内に設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項43】
前記温度センサは、前記スルーホールと締まり嵌められている、ことを特徴とする請求項42に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項44】
前記温度センサの外壁には、雄ネジが設けられており、
前記スルーホールには、雌ネジが設けられており、
前記温度センサは、前記スルーホールとネジ接続されている、ことを特徴とする請求項42に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項45】
前記温度センサの外部には、シールド層が設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項46】
前記温度センサは、NTC温度センサまたはPTC温度センサである、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項47】
前記温度センサは、前記固定ユニットに設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年7月15日に提出された、出願番号202110803188.3の中国特許出願、および、2021年7月15日に提出された、出願番号202121613410.5の中国実用新案出願の優先権を主張しており、その開示の内容が引用により本明細書の一部として取り込まれる。
【0002】
本願は、電気接続分野に関し、特に、プラグイン端子、挿着接続構造及びプラグイン端子アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車は、充電時に、充電ガンが充電台に挿入される必要がある。現在、公布された最新の中国国家標準に従うと、給電ソケットに対する給電プラグの挿抜、および、車両ソケットに対する車両プラグの挿抜の全過程にかかる力は、国家標準の要求を満たすものでなければならない。それと同時に、端子が挿着された後の抵抗及び作動時の温度上昇は、標準の要求を満たさなければならない。実際には、現在市販されているコネクタは、線ばね孔の形態や弓状のシートの形態であるものが多く、構造がかなり複雑なものであって、接触抵抗及び使用時の温度上昇が要求を満たせないものが数多くある。また、コネクタの構造、温度上昇、接触抵抗等の問題により、車両が焼損されたり、部品が局所的に損傷されたりして、車両や人員自身が傷づけられ、ひいては、亡くなる事故も複数件発生した。
【0004】
そのため、従来技術では、上記問題を解決できる新しい方案が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、プラグイン端子、挿着接続構造及びプラグイン端子アセンブリを提供することにより、従来のプラグイン端子が力学上の要求及び温度上昇の要求を満足できないという問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様の実施例では、プラグイン端子であって、接続端と、プラグイン端と、を含み、前記プラグイン端は、固定ユニットと弾性ユニットを含み、前記固定ユニットは、結合装置に設けられるものであり、前記接続端は、一端がケーブルと電気的に接続可能であり、他端が前記固定ユニットに接続されており、前記弾性ユニットには、相手端の端子が挿着され、且つ前記相手端の端子と電気的に接続される膨張収縮式挿入孔が設けられている、プラグイン端子が提供されている。
【0007】
本願の第2態様の実施例では、挿着接続構造であって、相手端の端子と、上記プラグイン端子と、を備え、前記相手端の端子は、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、且つ、前記相手端の端子の外側壁は、前記弾性ユニットの内側壁と密着している、挿着接続構造が提供されている。
【0008】
本願の第3態様の実施例では、上記プラグイン端子と、前記プラグイン端子に設けられた温度センサと、を備えた、プラグイン端子アセンブリが提供されている。
【発明の効果】
【0009】
本願によれば、以下のような有益な効果が得られる。
【0010】
1、本願では、膨張収縮式挿入孔を有する弾性ユニットが設置されたことにより、弾性ユニットは、相手端の端子の加工誤差に適応することが可能となり、本願におけるプラグイン端子と相手端の端子との結合力をさらに大きくして、接触面積をより多く確保し、優れている電気学上の性能および力学上の性能を実現した。
【0011】
2、本願では、銅材料のプラグイン端およびアルミニウム材料の接続端が設置されたことにより、銅/銅合金材料のプラグイン端は、銅材料の相手端の端子に直接的に差し込み接続されることが可能となり、銅材料の相手端の端子は、銅線と再び接続されてもよく、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端は、アルミニウム線に直接接続されてもよいため、銅線とアルミニウム線との接続を確実に実現した。
【0012】
3、本願における挿着接続構造では、そのプラグイン端子は、銅/銅合金材料のプラグイン端と、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端とを含み、その相手端の端子は、銅/銅合金材料の接触セグメントと、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続セグメントとを有し、使用時、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端は、アルミニウム線に直接接続されてもよく、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続セグメントは同様にアルミニウム線に直接接続されてもよく、銅/銅合金材料のプラグイン端は、銅/銅合金材料の接触セグメントと直接接続され、銅材料のプラグイン構造によれば、電気的接続の導電性および安定性が確保され、アルミニウム材料の2導線をより良く安全的に挿抜接続することができる。
【0013】
4、本願では、プラグイン端は膨張収縮隙間が付けられた弾性片構造に設計されたことにより、相手端の端子との挿着時、弾性片は、相手端の端子の加工誤差に適応することが可能となるほか、弾性片の弾性力により、本願におけるプラグイン端子と相手端の端子との結合力をさらに大きくして、接触面積をより多く確保し、優れている電気学上の性能および力学上の性能を実現した。それに加えて、有効な接触接続が実現されるとともに、コネクタ構造の不具合に起因する人員の電撃死傷事故および設備の損傷の発生を効果的に低減することもできる。
【0014】
5、本願におけるプラグイン端子は、膨張収縮式挿入孔内に位置決めピンが設置されたことにより、位置決めピンは、前記相手端の端子の位置決め孔と互いに挿入されて接続されることが可能となり、より長い相手端の端子がプラグイン端子内に位置決めされることができ、振動に起因するプラグイン端子の膨張収縮式挿入孔内における相手端の端子の先端の搖動を防止することができ、搖動による接触抵抗の変化を防止して、プラグイン構造における電流の安定さを維持するとともに、相手端の端子の搖動幅が大き過ぎるため、後端に接続されたケーブル同士が互いに接触して短絡を誘発してしまうことも回避し、短絡事故及び人員の電撃死傷事故の発生確率を低減することもできる。
【0015】
6、本願におけるプラグイン端子は、弾性ユニットの開口側の弾性片の厚さが固定ユニット側の弾性片の厚さよりも大きいものであり、弾性片の先端の厚さを大きくするとともに、弾性片の先端内部の角度を小さくすることにより、相手端の端子が挿入された後、膨張した弾性片の先端内部の平面が相手端の端子の表面と面接触しており、両者の接触面積が大きくなり、プラグイン端子の電気的性能が確保された。
【0016】
7、本願におけるプラグイン端子は、固定ユニット側の内孔断面積が開口側の内孔断面積よりも大きいものであり、それで、プラグイン端子の内部がテーパ孔構造を形成して、弾性ユニットと相手端の端子とが挿着された後、更に大きな把持力が得られると同時に、弾性ユニットは、膨張した場合、相手端の端子の表面との接触面積がさらに大きくなることも可能である。
【0017】
8、本願におけるプラグイン端子は、膨張収縮式挿入孔の内孔断面形状が様々な形状に設計されたので、設計者は、プラグイン端子に対する実際な配置環境に応じて、異なる形状のプラグイン端子を選択することができ、即ち、設計者に利便性を図る。また、プラグイン構造の体積が小さくなり、接触面積が最適化されたので、プイラグイン端子の電気学上の性能が向上した。
【0018】
9、本願におけるプラグイン端子は、膨張収縮式挿入孔が前記相手端の端子と挿着された後、前記膨張収縮式挿入孔の最小内径位置の内面が前記相手端の端子の外面に貼り合せられている。相手端の端子の表面には、土砂や汚れ又は異物等があった場合、挿着されたとき、プラグイン端子の内面が相手端の端子の表面をワイピングするようになり、相手端の端子の表面における土砂、汚れ及び異物を効果的に除去することができ、弾性ユニットと相手端の端子の表面との有効な電気的接続が確保され、相手端の端子の表面における不純物による接触不良は避けられる。
【0019】
10、本願におけるプラグイン端子は、膨張収縮式挿入孔の開口側の内部には、面取り又は丸み付けが設けられたことにより、相手端の端子の挿入を容易にすることができる。
【0020】
11、本願におけるプラグイン端子は、弾性外嵌具が設置されてもよい。プラグイン端子そのものは設計上の原因で弾性が足りない場合、その弾性外嵌具によって、相手端の端子に対するプラグイン端子の把持力が補強されることができる。
【0021】
12、本願におけるプラグイン端子は、別体構造に設計されてもよい。そうすると、加工および組み立てが更に容易となる。
【0022】
13、本願におけるプラグイン端子は、テルル銅合金が用いられたことで、端子は、優れている導電性および快削性を有するようになり、電気学上の性能が確保されるとともに、加工性も向上させることができる。また、テルル銅合金は、弾性が優れているものである。
【0023】
14、本願におけるプラグイン端子は、メッキ層が用いられたことで、防食性能をより良く向上させることができる。好ましくは、複合メッキ層が用いられたことで、メッキ層の堅牢度をより良く向上させることができ、複数回の挿抜が行われた後でも、依然として、メッキ層が脱落しないように確保され、耐食性も確保されることができる。
【0024】
15、本願におけるプラグイン端子は、弾性片が蛇腹状構造に設置されたことにより、弾性片と相手端の端子との接触面積を大きくして、プラグイン端子の電気学上の性能を向上させるとともに、相手端の端子を軸方向に位置決めする効果も得られて、相手端の端子が膨張収縮式挿入孔から抜けてしまうことを防止し、安全性及び信頼性が向上した。
【0025】
16、温度センサは、端子の内部まで深く検知することができ、プラグイン端子の最も正確な温度値を取得することができる。それで、作業者による端子の作動時の温度状況への把握の助けとなる。
【0026】
ここに説明の添付図面は、本発明に対する更なる理解を与えるためのものであり、本願の一部を構成したが、本発明に対する限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願に記載のプラグイン端子が結合装置内に取り付けられた構造模式図
図2】本願におけるプラグイン端子と相手端の端子が挿着された構造模式図
図3】本願におけるプラグイン端子の構造模式図
図4】本願におけるプラグイン端子の別の構造模式図
図5】本願におけるプラグイン端子のプラグイン端の構造模式図
図6】本願におけるプラグイン端子に弾性外嵌具が付けられた構造模式図
図7】本願におけるプラグイン端子の接続端の構造模式図
図8】本願におけるプラグイン端子の別の接続端の構造模式図
図9】本願における別のプラグイン端子と別の相手端の端子が挿着された構造模式図
図10】本願におけるプラグイン端にスルーホールが付けられた実施例の構造模式図
図11】本願における更に別のプラグイン端子と更に別の相手端の端子が挿着された構造模式図
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするために、以下は、添付図面を参照しながら、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。ここで、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するためのものであるが、本発明を限定するものではない。また、用語としての「第1の」、「第2の」などは、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要度を指示し、または、暗示するものとして、あるいは、示された構成要件の個数を非明示的に示すものとして、理解されてはならない。それで、「第1の」、「第2の」などで限定された構成要件は、1つまたは複数の当該構成要件を明示または非明示に含んでもよい。本願の説明において、別途で説明する場合を除き、「複数」は、2つまたは2つ以上のことを意味している。本願の説明において、別途で説明する場合を除き、用語としての「接続」は、広義で理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、直接に接続されてもよいし、中間媒体を通じて間接に接続されてもよい。当業者にとって、本願における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解されてもよい。
【0029】
本願の第1態様の実施例では、プラグイン端子が提供され、図1図3に示されるように、当該プラグイン端子は、接続端10と、プラグイン端20と、を含み、前記プラグイン端20は、固定ユニット21と弾性ユニット22を含み、前記固定ユニット21は、結合装置40に設けられたものであり、前記接続端10は、一端がケーブルと電気的に接続され、他端が前記固定ユニット21に接続される。図2図5に示されるように、前記弾性ユニット22には、相手端の端子30が挿着されるための、前記相手端の端子30と電気的に接続された膨張収縮式挿入孔223が設けられている。
【0030】
本願では、膨張収縮式挿入孔を有する弾性ユニットが設置されたことにより、弾性ユニットは、相手端の端子の加工誤差に適応することが可能となり、本願におけるプラグイン端子と相手端の端子との結合力をさらに大きくして、接触面積をより多く確保し、優れている電気学上の性能および力学上の性能を実現し、従来のプラグイン端子が力学上の要求及び温度上昇の要求を満足できないという問題を解決した。
【0031】
電気自動車のケーブルとして、高電圧や大電流の場合に備えて、電流を伝導するための大線径の導線が用いられる必要がある。しかし、銅価格が日増しに高くなるにつれて、導線の材料として、銅材が用いられると、コストも高くなるに決まっている。そのため、コスト削減のために、金属銅の代替品に対する検索が始まる。地殻における金属アルミニウムの含有量は約7.73%である。精製技術の最適化により、金属アルミニウムの価格は比較的に低くなる。しかも、アルミニウムは、重量が銅よりも軽く、導電率が銅に次ぐものであるため、電気接続分野では、一部の銅の代替品として用いられてもよい。そのため、自動車電気的接続分野において、銅の代わりに、アルミニウムが用いられるという発展の傾向がある。
【0032】
しかし、銅とアルミニウムの間の電極電位差が大きいため、銅導線とアルミニウム導線が直接接続されると、銅導線とアルミニウム導線の間に電食が発生する可能性があり、アルミニウムが腐食されやすいので、接続領域の抵抗が大きくなり、電気接続において、例えば、機能の喪失や火災などのような深刻な結果に容易に繋がる。
【0033】
従来技術における銅導線とアルミニウム導線との確実な接続が困難であった問題を解決するために、幾つかの実施例では、前記接続端10の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記プラグイン端20の材料は、銅または銅合金であるようにしている。
【0034】
本実施例では、銅/銅合金材料のプラグイン端およびアルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端が設置されたことにより、銅/銅合金材料のプラグイン端は、銅材料の相手端の端子に直接的に差し込み接続されることが可能となり、銅材料の相手端の端子は、銅線と再び接続されてもよく、アルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端は、アルミニウム線に直接接続されてもよいため、銅導線とアルミニウム導線との確実な接続が実現され、銅導線とアルミニウム導線との確実な接続が困難であった問題を解決した。
【0035】
さらに、接続端10と固定ユニット21は、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された。
【0036】
摩擦溶接方式とは、ワークの接触面上の摩擦によって生じた熱量を熱源として、ワークを圧力による作用で塑性変形させて溶接する方法である。
【0037】
超音波溶接方式とは、高周波振動波による2つの溶接対象となる物体の表面への伝達を利用して、加圧された場合、2つの物体の表面を互いに摩擦させて分子層間の融合を形成することである。
【0038】
アーク溶接方式とは、アークを熱源として、空気放電という物理的現象により、電気エネルギーを溶接に必要な熱エネルギーおよび機械エネルギーに変換して、金属を接続するという目的を達成させることであり、主な方法として、溶接棒アーク溶接、サブマージアーク溶接、ガスシールド溶接などがある。
【0039】
レーザー溶接方式とは、高密度なエネルギーを有するレーザビームを熱源とする高効率な精密溶接方法である。
【0040】
抵抗溶接方式とは、強い電流が電極とワークの間の接触点を流れることにより、接触抵抗が熱量を発して溶接を実現させる方法である。
【0041】
以上の加工方式または組み合わせが用いられたことで、銅/銅合金材料のプラグイン端とアルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端とを効果的に接続することができ、プラグイン端子が優れている力学上の性能および電気学上の性能を有することが確保された。
【0042】
幾つかの実施例では、前記弾性ユニット22は、銅セグメント及びアルミニウムセグメントを有し、前記アルミニウムセグメントは、一端が前記銅セグメントと固定接続され、他端が前記固定ユニットと接続された。
【0043】
さらに、前記銅セグメントの長さは、前記弾性ユニットの全体的長さの0.5%~99.9%を占めている。
【0044】
アルミニウムの質量が軽いので、相手端の端子との接触部分が銅であることを確保できれば、他の部分を全部、アルミニウム材料にしても構わない。そうすると、全体的な軽量化設計に寄与する。
【0045】
発明者は、形状が同じであり、且つ、膨張収縮隙間の幅が同じであるプラグイン端子を10個選択して、テストを行った。各端子には、異なる割合の銅セグメントがあり、前記弾性ユニットの全体的長さに対して銅セグメントの長さが占めている割合は、それぞれ、0.4%、0.5%、5%、15%、40%、60%、80%、90%、95%、99.9%である。テストによる導電率の結果は、表1に示される通りであり、通常の場合、導電率は99%よりも高いと、理想値になる。
【0046】
表1:前記弾性ユニットの全体的長さに対して銅セグメントの長さが占めている割合と導電率との関係
【0047】
【表1】
【0048】
表1から分かるように、前記弾性ユニットの全体的長さに対して銅セグメントの長さが占めている割合が0.5%未満となると、導電率が大きく低下した。そして、前記弾性ユニットの全体的長さに対して銅セグメントの長さが占めている割合が0.5%に達すると、導電率が理想値にも達することができ、端子間における電流の正常な伝送が確保された。また、相手端の端子30との接触部分を銅にすることを確保するために、前記弾性ユニットの全体的長さに対して銅セグメントの長さが占めている割合を99.9%以下にしなければならない。そのため、発明者は、前記銅セグメントの長さが、前記弾性ユニットの全体的長さの0.5%~99.9%を占めているように設定している。
【0049】
幾つかの実施例では、前記結合装置40は、充電ガンのヘッドであってもよく、前記プラグイン端子は、前記固定ユニット21によって、充電ガンのヘッドに取外し可能に設けられ、前記接続端10は、一端がケーブルと電気的に接続されてもよく、他端が前記固定ユニット21に接続される。プラグイン端20の弾性ユニット22の内部には、膨張収縮式挿入孔223が形成され、充電台の相手端の端子30を収容することができるとともに、相手端の端子30と電気的に接続された。図1図2に示される通りである。
【0050】
幾つかの実施例では、前記弾性ユニット22は、前記プラグイン端子の縦方向に延伸している膨張収縮隙間221を含み、膨張収縮隙間221によって、弾性ユニット22は、弾性片222に分割される。図5に示される通りである。
【0051】
相手端の端子30が弾性ユニット22に沿って挿入されるとき、挿入の深さが大きくなるにつれて、弾性片222は、軸方向に膨張するとともに、応力の作用により、内面が相手端の端子30の表面に貼り合せられるようになる。弾性片222は、相手端の端子30の直径上の加工誤差に適応することができるだけではなく、弾性片222の弾性力により、本願におけるプラグイン端子と相手端の端子30との結合力をさらに大きくして、接触面積をより多く確保し、優れている電気学上の性能および力学上の性能を実現した。それに加えて、有効な接触接続が実現されるとともに、コネクタ構造の不具合に起因する人員の電撃死傷事故および設備の損傷の発生を効果的に低減することもできる。
【0052】
さらに、図9に示されるように、各弾性片222は、長手方向に蛇腹状に延伸しており、即ち、各弾性片222は、蛇腹状構造を有するものである。それに対応して、相手端の端子30の外壁面は、軸方向に蛇腹状に延伸して、弾性片222と貼り合せられている。弾性片222が蛇腹状構造に設置されたことにより、弾性片222と相手端の端子30との接触面積を大きくして、プラグイン端子の電気学上の性能を向上させるとともに、相手端の端子30を軸方向に位置決めする効果も得られて、相手端の端子30が膨張収縮式挿入孔223から抜けてしまうことを防止し、安全性及び信頼性が向上した。
【0053】
幾つかの実施例では、図4に示されるように、前記膨張収縮隙間221は、固定ユニット21に近い側の幅が前記弾性ユニット22の開口側の幅以上である。弾性ユニット22の開口側は、弾性片222と相手端の端子30とが接触した位置であり、接触面積をより大きく取得するために、前記膨張収縮隙間221の弾性ユニット22の開口側の隙間が小さければ小さいほど、望ましくなる。また、膨張収縮式挿入孔223には、水や土砂が入ってしまう場合があるので、プラグイン端子の性能を向上させて、使用寿命を延ばすために、プラグイン端子上には、土砂や水が排出される位置があるように設計されなければならない。そのため、前記膨張収縮隙間221の固定ユニット21に近い側の幅が大きければ大きいほど、土砂や水に対する排出性能が高くなる。
【0054】
さらに、前記膨張収縮隙間221の最小幅範囲は、0.01mm~12mmである。発明者は、異なる直径を有するプラグイン端子の膨張収縮隙間221に対して、最小幅範囲に関する実験を行うことで、大量な実験の結果が得られた。それらの結果から、前記膨張収縮隙間221の最小幅が0.01mm未満となると、プラグイン端子の内部における水や土砂が端子の内部から排出されることが困難となり、端子内部が塞がれたり、プラグイン端子の表面が傷付かれたりする場合もあり、ひどい場合に、接触抵抗が高くなり、温度も急激に上昇して、線路が焼損されてしまう事故が発生する可能性があるということが判明された。前記膨張収縮隙間221の最小幅が12mm超過となると、前記弾性片222の幅が極めて小さいので、相手端の端子30との接触面積も非常に小さく、プラグイン端子の電気的導通面積の条件を満たすことができなくなり、線路の電気的導通性能をより良く発揮させることができない。
【0055】
さらに、前記膨張収縮隙間221の最小幅範囲は、0.1mm~10mmである。同様に、発明者は、実験の結果から、前記膨張収縮隙間221の最適な最小幅範囲を選択することにより、プラグイン端子の電気的導通性能を保持しながら、プラグイン端子の内部における水や土砂をタイムリーに排出することができ、プラグイン端子の使用寿命を延ばすことができる。
【0056】
前記弾性片222の数量は、4個または6個または8個または10個または12個または14個または16個である。プラグイン端子と相手端の端子30との電気的接続は、弾性片222の弾性力によって確保されるため、両者の接触後の応力が対称となるように、弾性片222を対称して設置することが好ましい。そのため、前記弾性片222の数量は、偶数であることが一般的である。
【0057】
発明者は、材料も形状も膨張収縮隙間の幅も同じであるプラグイン端子を100個選択して、プラグイン端子における弾性片222の数量をそれぞれ、2個、4個、6個、8個、10個、12個、14個、16個、18個、20個に設定し、10個のプラグイン端子を1組にして、挿着された後のプラグイン端子サンプルの導電率及び弾性ユニット22の開口側の弾性力に対するテストをそれぞれ、行った。テストの結果は、表2に示される通りである。
【0058】
導電率に対するテストの方式は以下の通りである。挿着された後のプラグイン端子および相手端の端子30に対して、同一の電流を流せ、検出後の電流値と、完全に接触した場合のプラグイン端子と相手端の端子30に対して検出された電流値との比を求め、本実施例では、比が99%未満である場合を不合格とする。
【0059】
弾性力に対するテストの方式は以下の通りである。精密なダイナモメータを用いて、単一の弾性片222の開口位置が1mmだけ移動するために必要な弾性力を検知する。本実施例では、対応する形状を有する端子に応じて、弾性力が3N未満、10N超過である場合を不合格とする。なぜかというと、弾性力が小さくなると、相手端の端子30に対するプラグイン端子の把持力が小さくなり、そうすると、接触面積も小さくなり、接触抵抗が高くなるが、弾性力が大きくなると、相手端の端子30への挿入力が大きくなり、端子に対する挿抜を容易に行うことができなくなるからである。
【0060】
表2:異なる弾性片の数量による導電率及び弾性力への影響
【0061】
【表2】
【0062】
上表2から分かるように、弾性片222の数量が4個未満である場合、弾性片222の幅が大きいため、導電率が良好であるが、弾性力が悪くなり、相手端の端子30への挿抜が困難となる。弾性片222の数量が16個以上にも増加したとき、膨張収縮隙間221が多くなるので、接触面積が小さくなり、導電率も不合格となる場合がある。しかも、弾性片222の幅が小さいため、弾性力も確保できなくなる。そのため、発明者は、弾性片222の数量が、4個または6個または8個または10個または12個または14個または16個であるようにしている。
【0063】
前記弾性ユニット22の膨張収縮式挿入孔223は、前記固定ユニット21に近い側の内孔断面積が弾性ユニット22の開口側の内孔断面積よりも大きい。膨張収縮式挿入孔223の内径が相手端の端子30の外径と完全に同じであれば、嵌め合い公差により、両者間には、相手端の端子30が膨張収縮式挿入孔223内に挿入されることができない、又は、相手端の端子30と膨張収縮式挿入孔223とが接触していない領域が大きく存在し、電気的導通が実現されることができない、又は、接触面積が小さくなるので、接触抵抗が大きくなり、線路の温度上昇が高すぎるなどの場合がある。そのため、発明者は、膨張収縮式挿入孔223の内部を、開口が小さく、後端が大きいテーパ形状のものに設置している。それにより、相手端の端子30が膨張収縮式挿入孔223内に挿入されることができるとともに、弾性片222が更に大きな変形空間も有するようになり、弾性ユニット22が相手端の端子30と挿着された後、より大きな把持力も得られる。
【0064】
図4に示されるように、弾性片222とプラグイン端20の軸線とがテーパ角をなし、好ましくは、弾性片222のテーパ角が0.1°~30°である。
【0065】
テーパ角が0.1°未満である場合、膨張収縮隙間221の幅が基本的に一致するため、弾性ユニット22の先端にある膨張収縮隙間221の幅が広くなり、相手端の端子30との接触時の接触面積が小さくなり、抵触抵抗が大きくなり、線路の温度上昇が高すぎるなどの場合があり、又は、膨張収縮隙間221の固定ユニット21に近い側の幅が小さすぎて、プラグイン端子の内部における水や土砂をタイムリーに排出することができず、プラグイン端子の使用寿命が縮める場合もある。
【0066】
テーパ角30°超過である場合、膨張収縮隙間221の幅の差が大きいため、弾性ユニット22の先端にある膨張収縮隙間221の幅が狭くなると、膨張収縮隙間221の固定ユニット21に近い側の幅が大きすぎて、弾性片222の幅が小さくなり、弾性片222の弾性力が不足しているようになり、相手端の端子30との把持力が確保できなくなる。
【0067】
弾性片222は、前記弾性ユニット22の開口側の厚さが前記固定ユニット21に近い側の厚さよりも大きい。
【0068】
弾性片222の厚さが一致する場合、前記弾性ユニット22の膨張収縮式挿入孔223が前記相手端の端子30と挿着された後、前記膨張収縮式挿入孔223の最小内径位置の内面が前記相手端の端子30の外面に貼り合せられて、線接触が形成され、接触面積が小さい。そのため、発明者は、弾性片222の先端の厚さを大きくするとともに、弾性片222の先端内部の角度を小さくするようにしている。それにより、相手端の端子30が挿入された後、膨張した弾性片222の先端内部の平面が相手端の端子30の表面と面接触しており、両者の接触面積が大きくなり、プラグイン端子の電気的性能が確保された。
【0069】
前記弾性ユニット22の膨張収縮式挿入孔223が前記相手端の端子30と挿着された後、前記膨張収縮式挿入孔223の最小内径位置の内面が前記相手端の端子30の外面に貼り合せられている。相手端の端子30は雄端子であることが一般的である。使用環境が悪くまたは長期にわたって外部で使用されている場合、相手端の端子30の表面には、土砂や汚れ又は異物等があるようになる。そのままで処理されないと、プラグイン端子と相手端の端子30との接触効果に影響を与えて、電気学上の性能が低下するほか、両者の表面が損傷されて、メッキ層が破壊されるようになり、プラグイン端子の寿命が大幅に短縮され、ひどい場合に、接触抵抗が大きくなるため、プラグコネクタが過熱燃焼してしまい、安全事故が引き起こされる場合もある。前記膨張収縮式挿入孔223の最小内径位置の内面が前記相手端の端子30の外面に貼り合せられており、挿着されたとき、プラグイン端子の内面が相手端の端子30の表面をワイピングするようになり、相手端の端子30の表面における土砂、汚れ及び異物を効果的に除去することができ、両者間の接触をさらに緊密にさせて、優れている電気学上の性能を実現させることができる。
【0070】
幾つかの実施例では、図11に示されるように、前記膨張収縮式挿入孔223内に位置決めピン52が設置されており、前記位置決めピン52は、前記相手端の端子30の先端にある位置決め孔51と互いに挿入されて接続されるためものである。それにより、長い相手端の端子がプラグイン端子内に位置決めされることができ、振動に起因するプラグイン端子の膨張収縮式挿入孔内における相手端の端子30の先端の搖動を防止することができ、搖動による接触抵抗の変化を防止して、プラグイン構造における電流の安定さを維持するとともに、相手端の端子の搖動幅が大き過ぎて、後端に接続されたケーブル同士が互いに接触して短絡を誘発してしまうことも回避し、短絡事故及び人員の電撃死傷事故の発生確率を低減することもできる。
【0071】
さらに、前記位置決めピン52は、前記膨張収縮式挿入孔223の軸方向に沿って設けられており、前記位置決めピン52は、前記膨張収縮式挿入孔223の端壁に固定され、前記位置決めピン52は、頂部と、前記端壁に接続された底部と、を有し、前記頂部の断面積が前記底部の断面積以下である。それに対応して、プラグインを容易にするために、相手端の端子30の位置決め孔51の先端孔径が後端孔径よりも大きく、位置決めピン52の形状とマッチするようにしている。
【0072】
具体的には、前記弾性ユニット22は、順次に接続された挿入セグメント、延伸セグメントおよび中実セグメントを含み、前記挿入セグメントと前記延伸セグメントの内部には、前記膨張収縮式挿入孔223が形成され、前記中実セグメントが前記固定ユニット21に接続され、位置決めピン52は、前記中実セグメントの前記延伸セグメントに近い側に設けられたことで、相手端の端子30の先端にある位置決め孔51とのプラグインが容易になる。
【0073】
幾つかの実施例では、前記弾性ユニット22の膨張収縮式挿入孔223の内孔断面形状は、円形または楕円形または多角形または扁平形状またはE字状またはF字状またはH字状またはK字状またはL字状またはT字状またはU字状またはV字状またはW字状またはX字状またはY字状またはZ字状または半弧状または弧状または波形形状である。膨張収縮式挿入孔223の内孔断面形状が様々な形状に設計されたので、設計者は、プラグイン端子に対する実際な配置環境に応じて、異なる形状のプラグイン端子を選択することができ、即ち、設計者に利便性を図る。また、プラグイン構造の体積が小さくなり、接触面積が最適化されたので、プイラグイン端子の電気学上の性能が向上した。
【0074】
幾つかの実施例では、前記弾性ユニット22の膨張収縮式挿入孔223は、弾性ユニット22の開口側の内部には面取りまたは丸み付けが設けられている。膨張収縮式挿入孔223は一般的にテーパ孔であり、膨張収縮式挿入孔223の開口直径が相手端の端子30の直径よりも小さいものでなければならないので、膨張収縮式挿入孔223の開口側の内部に面取りまたは丸み付けを設置して、相手端の端子30の挿入を案内することにより、相手端の端子30が順調に挿入されるとともに、弾性片222を膨張させて、膨張収縮式挿入孔223の内部まで挿入されることができる。
【0075】
幾つかの実施例では、図5図6に示されるように、前記弾性ユニット22の外側には、周方向に設けられた凹溝224があり、凹溝224は、膨張収縮式挿入孔223に対応し、プラグイン端子は、凹溝224に外嵌されるための弾性外嵌具225をさらに含む。
【0076】
なお、説明すべきなのは、プラグイン端子は、使用環境の原因で、壁肉が薄すぎたり、開口の数が多かったり、相手端の端子30との直径の差が大きかったりするように設計された場合、相手端の端子30に対する弾性片222の把持力が不足しており、プラグイン端子と相手端の端子30との接触面積が小さくなり、電力学上の性能が悪くなる。プラグイン端子そのものは、設計上の原因で弾性が足りない場合、その弾性外嵌具225によって、相手端の端子30に対するプラグイン端子の把持力が補強されることができる。弾性外嵌具225は、弾性ゴム体であってもよく、開口している弾性剛体であってもよい。それにより、プラグイン端子の弾性片222が引き続き、外へ拡張してしまうことを規制することができ、相手端の端子30に対する弾性片222の把持力を大きくすることができる。
【0077】
図6に示されるように、プラグイン端20の外壁には、周方向に設けられた凹溝224があり、凹溝224は環状溝であり、プラグイン端20を固く固定して、弾性ユニット22と相手端の端子30との密着性をより良くするために、少なくとも1つの弾性外嵌具225が凹溝224に外嵌されている。
【0078】
幾つかの実施例では、プラグイン端20と接続端10は、一体成形されて加工されたものである。一体成形の設計強度が高く、重要なのは、集中して加工されてから、組み立てられることが可能であり、組立の効率が大幅に向上したということである。
【0079】
前記接続端10と前記プラグイン端20の接続には、圧着接続、係着接続、ネジ接続、溶接接続、カシメ接続、又は、嵌め込み式接続が用いられる。
【0080】
圧着接続は、前記接続端10と前記プラグイン端20とを組み立てた後、圧着機を用いて、両者を一体化してプレスする生産工程である。圧着接続は、量産性というメリットがあり、連鎖端子と自動圧着機が用いられたことにより、安定的な品質を有する製品を迅速で大量に製造することができる。
【0081】
係着接続は、締め付けバンドなどの部材を用いて、前記接続端10と前記プラグイン端20とを係着することである。係着接続は、複雑な機器が不要となり、ツールを通じるだけで、接続を実現させることができるというメリットがあり、メンテナンスや保守などの場面に適する。
【0082】
ネジ接続は、前記接続端10と前記プラグイン端20がそれぞれ、ネジ構造を有して、互いに螺合することができ、または、単一のスタッドとナットを合わせて接続することである。ネジ接続は、取外し可能性があり、組立や取外しを繰り返して実行することができるというメリットがあり、頻繁に取外すことが必要である場面に適する。
【0083】
溶接接続は、摩擦溶接方式、抵抗溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、圧力溶接方式、レーザー溶接方式、爆発溶接方式により、前記接続端10と前記プラグイン端20を、金属溶接点によって、1つのまとまったものになるように溶接することであり、強固な接続が実現され、接点抵抗が少ない。
【0084】
カシメ接続は、リベットを用いて、前記接続端10と前記プラグイン端20をかしめることであり、強固な接続が実現され、加工方法が簡単で、操作しやすいというメリットがある。
【0085】
嵌め込み式接続は、前記接続端10と前記プラグイン端20との接続箇所には、嵌め込み式構造があり、両者を嵌め込み組み立てることである。嵌め込み式接続は、ツールを用いることなく、前記接続端10と前記プラグイン端20とを組み立てるだけで済むというメリットがあり、メンテナンスや保守などの場面に適する。
【0086】
幾つかの実施例では、結合装置40は、特別に設計されたので、一体化されたプラグイン端子が結合装置40に組み立てられることができない。その場合、プラグイン端子を別体構造にして、結合装置40において、組立や接続を行うようにする必要がある。そのとき、圧着接続、係着接続、ネジ接続、カシメ接続、又は、嵌め込み式接続が用いられることが好適である。
【0087】
幾つかの実施例では、プラグイン端子の構造が複雑なので、一体加工の方法では、コストが高く、加工時間が長くなる。そのため、プラグイン端子をいくつかの部分に分割して加工することができる。例えば、プラグイン端子20をプレス加工によって加工し、接続端10を機械加工によって加工してから、両者を組み立てることにより、プロセスが簡素化され、加工コストが低減され、加工時間も低減される。
【0088】
前記接続端10は、(例えば、図2図7に示されるように)平板状構造またはU字状構造または優弧状構造または(例えば、図3に示されるように)円筒状構造または(例えば、図1に示されるように)円柱状構造または椀状構造または(例えば、図8に示されるように)多角形構造を呈している。
【0089】
幾つかの実施例では、前記接続端10は、ケーブルと電気的に接続される必要があるので、圧着接続または溶接接続が用いられる。そのため、前記接続端10は、複数の構造に設計され、電気的接続の要求および結合装置40の配置環境に応じて、異なる接続端10の構造を選択できるとともに、ケーブルとの安定的な電気接続を確立することもできる。一般的には、U字状構造または優弧状構造または円筒状構造または多角形構造は、圧着接続と溶接接続に適用され、平板状構造または椀状構造は、溶接接続に適用される。
【0090】
幾つかの実施例では、前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20の材料には、テルルが含まれる。
【0091】
さらに、前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20の材料におけるテルルの含有量は、0.1%~5%である。
【0092】
即ち、前記プラグイン端20の材料は、テルル銅合金である。それにより、端子は、優れている導電性および快削性を有するようになり、電気学上の性能が確保されるとともに、加工性も向上させることができる。また、テルル銅合金は、弾性が優れているものである。好ましくは、テルル銅合金におけるテルルの含有量は0.2%~1.2%である。
【0093】
発明者は、形状が同じであり、且つ、膨張収縮隙間の幅が同じであるプラグイン端子を10個選択して、テストを行った。各端子は、いずれも、テルル合金であり、テルルの含有量が占めている割合は、それぞれ、0.05%、0.1%、0.2%、1%、1.2%、1.8%、3%、5%、6%、7%である。テストの結果は、表3に示される通りである。本実施例では、テルル銅合金の導電率は、99%超過であると、理想値になる。
【0094】
表3:異なるテルル含有量のテルル銅合金による導電率への影響
【0095】
【表3】
【0096】
表3から分かるように、テルルの含有量が占めている割合が0.1%未満または5%超過である場合、導電率が明らかに低下し、理想値の要求を満たすことができないが、テルルの含有量が占めている割合が0.2%以上であって1.2%以下である場合、導電性が最適なものである。そのため、発明者は、テルルの含有量が0.1%~5%であるテルル銅合金を選択した。最適な場合に、含有量が0.2%~1.2%であるテルル銅合金を選択した。
【0097】
前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20には、メッキ層がある。その目的は、耐食性および導電性を向上させ、プラグインの回数を増やして、接続端10およびプラグイン端20の使用寿命をよりよく伸ばすことができるということにある。
【0098】
メッキ層は、電気メッキ、化学メッキ、マグネトロンスパッタリング又は真空メッキなどの方法が用いられてもよい。前記接続端10と前記プラグイン端20におけるメッキ層の厚さは一致する。メッキ層の厚さが一致するため、加工時に一回だけで電気メッキ成形が可能であり、異なる領域の異なるメッキ層の厚さを得るために、複雑な電気メッキ加工を行う必要がなく、加工コストが節約され、電気メッキによる汚染が低減される。
【0099】
電気メッキの方法とは、電解原理により、ある金属表面に他の金属または合金のメッキ層を1層薄くメッキするプロセスである。
【0100】
化学メッキの方法とは、金属による触媒作用下で、制御可能な酸化還元反応によって金属を析出させるプロセスである。
【0101】
マグネトロンスパッタリング方法とは、磁界と電界の交互作用により、電子をターゲット表面付近で螺旋状に進行させ、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを発生させる確率を増加させることである。発生したイオンは、電界作用により、ターゲット面に衝突してターゲットをスパッタリングする。
【0102】
真空メッキの方法とは、真空条件下で、蒸留又はスパッタリング等の方式により、プラスチックの表面に種々の金属及び非金属薄膜を堆積させることである。
【0103】
前記接続端10におけるメッキ層の材料は、前記プラグイン端20におけるメッキ層の材料と一致しない。
【0104】
前記メッキ層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。銅は、活性金属として、使用過程において酸素及び水と酸化反応するため、1種又は複数種の不活性金属をメッキ層とする必要があり、プラグイン端子の使用寿命を延ばす。また、頻繁に挿抜される必要のある金属接点についても、良好な耐摩耗金属をメッキ層とする必要があるので、接点の使用寿命を大幅に増加させることができる。さらに、接点は、良好な導電性能が求められるため、上記金属の導電性及び安定性はともに、銅又は銅合金より優れており、プラグイン端子に対して優れている電気学上の性能及び長い使用寿命を有させることができる。
【0105】
プラグイン端20は、常に相手端の端子と挿抜される位置であれば、相手端の端子と電気的に導通する位置でもあるため、ここでのメッキ層の材料は、一般的に、導電性及び安定性、並びに耐摩耗性等の性能が優れている金属材料が選択されるが、そのような金属は、通常、貴金属なので、高価なものである。接続端10は、ケーブルの導体と電気的に接続される位置であり、安定性及び耐摩耗性に対する要求が高くないので、そのメッキ層の材料は、一部の性能が優れているが、安価で且つ大量に使用可能な金属材料が選択されてもよい。
【0106】
異なるメッキ層の材料によるプラグイン端子の全体的性能への影響を検証するために、発明者は、同じ規格や材料を有するが、異なるメッキ層の材料が用いられたプラグイン端子サンプルに対して、同一の規格を有する接合コネクタを用いて、一連の挿抜回数及び耐食性時間のテストを行った。選択された材料及び他のよく用いられる電気メッキ材料のメリットおよびデメリットを判明するために、発明者は、実験用のメッキ層の材料として、錫、ニッケル、亜鉛選択した。テストの結果は以下の表4に示される。
【0107】
以下の表4における挿抜回数は、相手端の端子を実験台の上にそれぞれ固定し、機械装置を用いて相手端の端子に対する挿抜をシミュレーションして、且つ、100回の挿抜ごとに、停止させて端子の表面におけるメッキ層の破壊状況を観察する必要があり、端子の表面におけるメッキ層が傷つけられて、端子そのものの材料が露出した場合、テストを停止させ、そのときの挿抜回数を記録した。挿抜回数が8000回未満である場合を不合格とする。
【0108】
以下の表4における耐食性時間テストでは、プラグイン端子を塩水噴霧シャワー試験箱内に入れ、プラグイン端子の各位置に対して塩水噴霧をスプレーし、20時間ごとに取り出して洗浄し、表面の腐食状況を観察し、即ち、1周期となる。プラグイン端子の表面における腐食面積が総面積の10%より大きい場合、テストを停止させて、その時の周期数を記録する。本実施例では、周期数が80未満である場合を不合格とする。
【0109】
表4:異なるメッキ層の材料によるプラグイン端子の挿抜回数及び耐食性への影響
【0110】
【表4】
【0111】
上表から分かるように、メッキ層の材料として金、銀、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金が選択される場合、テストの結果として、標準値を超えたことが多く、性能が比較的に安定している。メッキ層の材料として、ニッケル、錫、錫鉛合金、亜鉛が選択される場合、テストの結果は同様に要求に適合できる。そのため、発明者は、メッキ層の材料を金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種の組合せであるように選択した。
【0112】
前記メッキ層は、下地層と表層を含む。
【0113】
いくつかの実施例では、メッキ層は、多層メッキの方法が用いられる。前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20は、加工後でも、実際にその表面がミクロ観察時、まだ複数の隙間や穴が存在する。それらの隙間や穴は、前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20が使用中に発生した摩耗や腐食の最大な原因である。そのため、前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20の表面において、まず、下地層を1層メッキして、表面における隙間や穴を埋める必要があり、それにより、前記接続端10及び/又は前記プラグイン端20の表面が平坦化されて穴がなくなり、その後、表層のメッキ層をメッキすることにより、結合がさらに強固なものとなり、より一層平坦化され、メッキ層の表面には、隙間や穴がなくなる。そうすると、プラグイン端子の耐摩耗性能、耐食性能、電気学上の性能がより優れており、プラグイン端子の使用寿命を大幅に伸ばすことができる。
【0114】
前記下地層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、前記表層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である。
【0115】
別の実施例では、前記下地層の厚さは0.01μm~15μmである。好ましくは、前記下地層の厚さは0.1μm-9μmである。
【0116】
別の実施例では、表層の厚さは0.5μm~55μmである。好ましくは、表層の厚さは1μm~35μmである。
【0117】
下地層のメッキ層の厚さの変化によるプラグイン端子の全体的な性能への影響を裏付けるために、発明者は、規格や材料が同じであり、ニッケルメッキ下地層の厚さが異なり、銀メッキ表層の厚さが同じであるプラグイン端子サンプルに対して、同一の規格を有する接合コネクタを用いて、一連の温度上昇及び耐食性時間のテストを行った。テストの結果は以下の表5に示される。
【0118】
以下の表5における温度上昇テストでは、挿着されたプラグイン端子と相手端の端子30に対して同じ電流を流せ、閉鎖した環境下で通電前および温度安定後のプラグイン端子の同じ位置での温度を検出して、差を求めて絶対値を取る。本実施例では、温度上昇は50Kを超えた場合を不合格とする。
【0119】
以下の表5における耐食性時間テストでは、プラグイン端子を塩水噴霧シャワー試験箱内に入れ、プラグイン端子の各位置に対して塩水噴霧をスプレーし、20時間ごとに取り出して洗浄し、表面の腐食状況を観察し、即ち、1周期となる。プラグイン端子の表面における腐食面積が総面積の10%より大きい場合、テストを停止させて、その時の周期数を記録する。本実施例では、周期数が80回未満である場合を不合格とする。
【0120】
表5:異なる下地層のメッキ層の厚さによるプラグイン端子の温度上昇及び耐食性への影響
【0121】
【表5】
【0122】
以上の表5から分かるように、下地層のニッケルメッキ層の厚さが0.01μm未満である場合、プラグイン端子の温度上昇は合格であるが、メッキ層が薄すぎるため、プラグイン端子の耐食性周期数は80未満であり、プラグイン端子の性能要求に適合しない。コネクタの全体的な性能及び寿命に対して大きな影響を与えて、ひどい場合に、製品の寿命が激減し、ひいては動作不能になって、燃焼事故が発生してしまう。下地層のニッケルメッキ層の厚さが15μm超過である場合、下地層のメッキ層が厚いため、プラグイン端子から発生した熱量が放出されることができず、プラグイン端子の温度上昇が不合格となり、しかも、メッキ層が厚いので、逆に端子の表面から脱落しやすくなり、耐食性周期数が低減される。そこで、発明者は、下地層のメッキ層の厚さが0.01μm~15μmであるように選択した。好ましくは、発明者は、下地層のメッキ層の厚さが0.1μm~9μmである場合、プラグイン端子の温度上昇及び耐食性による総合的な効果がさらに優れていることを発見したため、製品そのものの安全性、信頼性及び実用性をさらに向上させるために、下地層のメッキ層の厚さは0.1μm~9μmであるように選択した。
【0123】
表層のメッキ層の厚さの変化によるプラグイン端子の全体的な性能への影響を裏付けるために、発明者は、規格や材料が同じであり、ニッケルメッキ下地層の厚さが同じで、銀メッキ表層の厚さが異なるプラグイン端子サンプルに対して、同一の規格を有する接合コネクタを用いて、一連の温度上昇及び耐食性時間のテストを行った。テストの結果は以下の表6に示される。
【0124】
テストの方法は、上記テストの方法と同様である。
【0125】
表6:異なる表層のメッキ層の厚さによる温度上昇及び耐食性への影響
【0126】
【表6】
【0127】
以上の表6から分かるように、表層の銀メッキ層の厚さが0.5μm未満である場合、プラグイン端子の温度上昇は合格であるが、メッキ層が薄すぎるため、プラグイン端子の耐食性周期数は80未満であり、プラグイン端子の性能要求に適合しない。コネクタの全体的な性能及び寿命に対して大きな影響を与えて、ひどい場合に、製品の寿命が激減し、ひいては動作不能になって、燃焼事故が発生してしまう。表層のニッケルメッキ層の厚さが55μm超過である場合、下地層のメッキ層が厚いため、プラグイン端子から発生した熱量が放出されることができず、プラグイン端子の温度上昇が不合格となり、しかも、メッキ層が厚いので、逆に端子の表面から脱落しやすくなり、耐食性周期数が低減される。しかも、表層のメッキ層の金属は価格が高いので、厚いメッキ層が用いられても、性能が向上しないので、使用価値がない。そのため、発明者は、表層の銀メッキ層の厚さが0.1μm~55μmであるように選択した。
【0128】
好ましくは、発明者は、表層のメッキ層の厚さが1μm~35μmである場合、プラグイン端子の温度上昇及び耐食性による総合的な効果がさらに優れていることを発見したため、製品そのものの安全性、信頼性及び実用性をさらに向上させるために、表層のメッキ層の厚さは1μm~35μmであるように選択した。
【0129】
本願では、プラグイン端の構造を変化して、プラグイン端20は、膨張収縮隙間221および弾性片222を有する構造であるように設計されるとともに、弾性片222の外観構造を変化させることによって、使用時、有効な接触接続が実現されるとともに、コネクタ構造の不具合に起因する人員の電撃死傷事故および設備の損傷の発生を効果的に低減することもできる。
【0130】
図2に示されるように、本願の第2態様における実施例では、挿着接続構造であって、相手端の端子30と、第1態様における実施例に記載のプラグイン端子と、を備え、前記相手端の端子30は、前記膨張収縮式挿入孔223に挿入され、且つ、前記相手端の端子30の外側壁は、前記弾性ユニット22の内側壁と密着している、挿着接続構造が提供されている。挿着接続構造におけるプラグイン端子は、第1態様における実施例に記載のプラグイン端子の構造、作動原理及び有益な効果と同じであるため、説明を省略されたい。
【0131】
幾つかの実施例では、前記接続端10の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記プラグイン端20の材料は、銅または銅合金であり、前記相手端の端子30は、互いに接続された接触セグメント31と接続セグメント32を含み、前記接触セグメント31の材料は、銅または銅合金であり、前記接続セグメント32の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記接触セグメント31は、前記膨張収縮式挿入孔223に挿入され、前記接触セグメント31の外壁は、前記弾性ユニット22の内壁と密着しており、前記接続セグメント32は、前記膨張収縮式挿入孔223の外部に位置する。
【0132】
図2に示されるように、使用時、プラグイン端子におけるアルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端10は、アルミニウム線に直接接続されてもよく、相手端の端子30におけるアルミニウム/アルミニウム合金材料の接続セグメント32は、同様にアルミニウム線に直接接続されてもよく、プラグイン端子における銅/銅合金材料のプラグイン端20は、相手端の端子30における銅/銅合金材料の接触セグメント31と直接接続される。
【0133】
さらに、図2に示されるように、前記接触セグメント31と前記接続セグメント32は、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された。
【0134】
さらに、図2に示されるように、接触セグメント31の先端には、絶縁防護キャップ50がさらに設けられている。
【0135】
別の幾つかの実施例では、前記接続端10の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記プラグイン端20の材料は、銅または銅合金であり、前記相手端の端子30は、互いに接続された接触セグメント31と接続セグメント32を含み、前記相手端の端子30の材料は、銅または銅合金であり、前記接触セグメント31は、前記膨張収縮式挿入孔223に挿入され、前記接触セグメント31の外壁は、前記弾性ユニット22の内壁と密着しており、前記接続セグメント32は、前記膨張収縮式挿入孔223の外部に位置する。
【0136】
図2に示されるように、使用時、プラグイン端子のアルミニウム/アルミニウム合金材料の接続端10は、アルミニウム線に直接接続されてもよく、相手端の端子30の銅/銅合金材料の接続セグメント32は、銅線に直接接続されてもよいので、銅線とアルミニウム線との接続が実現され、プラグイン端子の銅/銅合金材料のプラグイン端20は、相手端の端子30の銅/銅合金材料の接触セグメント31と直接接続される。
【0137】
幾つかの実施例では、図11に示されるように、前記相手端の端子30の先端には、位置決め孔51が設けられ、前記プラグイン端子の膨張収縮式挿入孔223内に位置決めピン52が設置され、前記位置決めピン52は、前記相手端の端子30の位置決め孔51と互いに挿入されて接続されることにより、より長い相手端の端子30がプラグイン端子内に位置決めされることができ、振動に起因するプラグイン端子の膨張収縮式挿入孔内における相手端の端子30の先端の搖動を防止することができ、すなわち、搖動による接触抵抗の変化を防止して、プラグイン構造における電流の安定さを維持するとともに、相手端の端子30の搖動幅が大き過ぎるため、後端に接続されたケーブル同士が互いに接触して短絡を誘発してしまうことも回避し、短絡事故及び人員の電撃死傷事故の発生確率を低減することもできる。
【0138】
幾つかの実施例では、図9に示されるように、各弾性片222は、長手方向に蛇腹状に延伸しており、相手端の端子30の外壁面は、軸方向に蛇腹状に延伸して、弾性片222と貼り合せられている。弾性片222が蛇腹状構造に設置されたことにより、弾性片222と相手端の端子30との接触面積を大きくして、プラグイン端子の電気学上の性能を向上させるとともに、相手端の端子30を軸方向に位置決めする効果も得られて、相手端の端子が膨張収縮式挿入孔から抜けてしまうことを防止し、安全性及び信頼性が向上した。
【0139】
幾つかの実施例では、相手端の端子の膨張収縮式挿入孔223に挿入された部分の外径をr1とし、膨張収縮式挿入孔223の最小内径をr2とすると、(r1-r2)/r1*100%=N、且つ、0.5%≦N≦20%である。すなわち、r1はr2より小さいものである。そうすると、挿入後、金属の張力によって、相手端の端子に対する膨張収縮式挿入孔223の把持力がさらに強くなる。
【0140】
N値による端子間のグリップ及び接触抵抗への影響に対するテストを行うために、発明者は、N値が異なる端子群を10組選択してテストを行った。テストの結果は表7に示される。
【0141】
プラグイン端子による把持力に対するテスト方法は以下の通りである。シート圧電式ダイナモメータを相手端の端子30に付着させて、シート圧電式ダイナモメータが付着された相手端の端子30の外径=r1とし、プラグイン端子と相手端の端子30とを挿着させ、その後、シート圧電式ダイナモメータ上の数値を読み取って、プラグイン端子による把持力とする。本実施例では、把持力の理想値が30N未満である。
【0142】
プラグイン端子における接触抵抗に対するテスト方法は以下の通りである。マイクロオームメータを用いて、プラグイン端子と相手端の端子30との接触位置で電気抵抗の測定を行い、マイクロオームメータ上の数値を読み取って、プラグイン端子と相手端の端子30との間の接触抵抗とする。本実施例では、接触抵抗の理想値が50μΩ未満である。
【0143】
表7:異なるN値によるプラグイン端子の把持力及び接触抵抗への影響
【0144】
【表7】
【0145】
表7から分かるように、N値が0.5%未満である場合、端子間の把持力が小さすぎて、理想値の要求よりも小さく、端子間のプラグインが強固なものではなく、且つ、端子間の接触抵抗が大きすぎて、理想値の要求よりも大きく、挿着接続機構の温度上昇が高すぎるようになり、挿着接続機構の安全性が低下し、電気装置の使用寿命が低減される。N値が20%超過である場合、膨張収縮式挿入孔223の内径と相手端の端子30の外径との差が大き過ぎるため、相手端の端子30の挿入が不可となり、正常な導電ができなくなる。そのため、発明者は、N値の範囲が0.5%~20%であるように選択した。それにより、相手端の端子30に対するプラグイン端子の挿入が容易であることが確保されるとともに、プラグイン端子と相手端の端子30との間の把持力及び接触抵抗が理想値の要求を満たしたことも確保され、挿着接続機構の機械的特性及び電気性能が大いに確保され、電気装置の使用寿命を延ばすことができる。
【0146】
膨張収縮式挿入孔223の内径が不均一である場合、例えば、膨張収縮式挿入孔223の前記固定ユニット21に近い側の内孔断面積が、弾性ユニット22の開口端の内孔断面積よりも大きい場合、r2は、膨張収縮式挿入孔223の最小内径である。
【0147】
本願の第3態様における実施例では、第1態様における実施例に記載のプラグイン端子と、前記プラグイン端子に設けられた温度センサと、を備えた、プラグイン端子アセンブリが提供されている。
【0148】
前記プラグイン端子には、スルーホール60が設けられ、図10に示されるように、前記スルーホール60内には、温度センサが設置される。温度センサは、端子における任意の部位でのスルーホールに取り付けられてもよく、当該温度センサは、XYZの三方向によって取り付けられてもよい。
【0149】
当該方案によれば、温度の測定精度が理論絶対値に近づけ、又は、それに等価にするものとなり、検出精度が極めて高く、迅速な出力能力も有する。
【0150】
前記温度センサの一部または全部は、前記スルーホール60内に設けられた。
【0151】
前記温度センサは、前記スルーホール60と締まり嵌められている。
【0152】
前記温度センサの外壁には、雄ネジが設けられており、前記スルーホール60には、雌ネジが設けられており、前記温度センサは、前記スルーホール60とネジ接続されている。温度センサが取り付けられた後に、温度センサをさらに伝送ケーブルと接続してもよい。
【0153】
前記温度センサの外部には、シールド層が設けられたことにより、外部磁界による温度センサへの干渉をシールドすることができ、温度センサによって伝送される信号が安定的で、歪みがないように確保され、データの正確性が確保される。
【0154】
前記温度センサは、NTC温度センサ又はPTC温度センサである。上記2種類の温度センサが用いられたことによって、以下のようなメリットがある。体積が小さくて、他の温度計によって測定できない空隙を測定できる。使用が便利なもので、抵抗値が0.1kΩ~100kΩの範囲内に任意に選択されてもよい。複雑な形状への加工が容易であり、大量生産が可能で、安定性が良く、過負荷能力が強く、変換継ぎ目のような、小体積で安定な性能が求められる製品に適用できる。
【0155】
前記スルーホール60は、前記固定ユニット21に設置された。
【0156】
幾つかの実施例では、出力モジュールは、プログラマブルコントローラと、伝送ユニットと、電源とを含み、前記温度センサは、前記プログラマブルコントローラに電気的に接続され、前記伝送ユニットは、プログラマブルコントローラによって取得された温度情報を無線(又は有線)で送信する、温度収集装置が提供される。
【0157】
さらに、幾つかの実施例では、収集端末は、情報受信装置によって温度情報を取得し、記憶ユニットは、温度情報を記憶し、比較ユニットは、温度情報と予め設定された安全情報とを比較し、収集された情報が予め設定された情報の範囲外にある場合、収集端末は、警報ユニットによって警報を発して作業者に通知する温度収集システムが提供される。複数の収集端末は、いずれも、サーバと遠隔接続され、サーバは、全ての収集された温度情報を監視し、温度情報を携帯端に送信して、作業者が何時でも何処でも作動領域における各端子の温度情報を把握できるようになる。
【0158】
以上に説明されているのは、本願の実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではない。当業者にとって、本願は、種々の変更や変化が行われてもよい。本願の精神および原則において行われた如何なる補正、等価代替、改良等は、いずれも、本願の特許請求の範囲内に入っている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグイン端子であって、
接続端と、プラグイン端と、を含み、
前記プラグイン端は、固定ユニットと弾性ユニットを含み、前記固定ユニットは、結合装置に設けられるためのものであり、
前記接続端は、一端がケーブルと電気的に接続可能であり、他端が前記固定ユニットに接続されており、
前記弾性ユニットには、相手端の端子が挿着され、かつ前記相手端の端子と電気的に接続される膨張収縮式挿入孔が設けられている、
ことを特徴とするプラグイン端子。
【請求項2】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項3】
前記接続端と前記固定ユニットは、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された、ことを特徴とする請求項2に記載のプラグイン端子。
【請求項4】
前記弾性ユニットは、銅セグメント及びアルミニウムセグメントを有し、前記アルミニウムセグメントは、一端が前記銅セグメントと固定接続され、他端が前記固定ユニットと接続された、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項5】
前記銅セグメントの長さは、前記弾性ユニットの全体的長さの0.5%~99.9%を占めている、ことを特徴とする請求項4に記載のプラグイン端子。
【請求項6】
前記弾性ユニットは、前記プラグイン端子の縦方向に延伸している膨張収縮隙間を含み、前記膨張収縮隙間によって、前記弾性ユニットは、弾性片に分割される、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項7】
各前記弾性片は、長手方向に蛇腹状に延伸している、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項8】
前記膨張収縮隙間は、前記固定ユニットに近い側の幅が前記弾性ユニットの開口側の幅以上である、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項9】
前記膨張収縮隙間の最小幅範囲は、0.01mm~12mmである、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項10】
前記膨張収縮隙間の最小幅範囲は、0.1mm~10mmである、ことを特徴とする請求項9に記載のプラグイン端子。
【請求項11】
前記弾性片の数量は、4個または6個または8個または10個または12個または14個または16個である、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項12】
前記弾性片は、前記弾性ユニットの開口側の厚さが前記固定ユニットに近い側の厚さよりも大きい、ことを特徴とする請求項6に記載のプラグイン端子。
【請求項13】
前記弾性ユニットの膨張収縮式挿入孔は、前記固定ユニットに近い側の内孔断面積が前記弾性ユニットの開口側の内孔断面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項14】
前記膨張収縮式挿入孔には、前記相手端の端子の先端にある位置決め孔と互いに挿入されて接続されるための位置決めピンが内設されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項15】
前記位置決めピンは、前記膨張収縮式挿入孔の軸方向に沿って設けられており、
前記位置決めピンは、前記膨張収縮式挿入孔の端壁に固定され、
前記位置決めピンは、頂部と、前記端壁に接続された底部と、を有し、
前記頂部の断面積が前記底部の断面積以下である、ことを特徴とする請求項14に記載のプラグイン端子。
【請求項16】
前記弾性ユニットの膨張収縮式挿入孔の内孔断面形状は、円形または楕円形または多角形または扁平形状またはE字状またはF字状またはH字状またはK字状またはL字状またはT字状またはU字状またはV字状またはW字状またはX字状またはY字状またはZ字状または半弧状または弧状または波形形状である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項17】
前記弾性ユニットの開口側の内部には、面取りまたは丸み付けが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項18】
前記弾性ユニットの外側には、周方向に設けられた凹溝があり、
前記凹溝は、前記膨張収縮式挿入孔に対応し、
前記プラグイン端子は、凹溝に外嵌される弾性外嵌具をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項19】
前記接続端と前記プラグイン端は、一体成形されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項20】
前記接続端と前記プラグイン端の接続には、圧着接続、係着接続、ネジ接続、溶接接続、カシメ接続、又は、嵌め込み式接続が用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項21】
前記接続端は、平板状構造またはU字状構造または優弧状構造または円筒状構造または椀状構造または多角形構造を呈している、ことを特徴とする請求項1に記載のプラグイン端子。
【請求項22】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端の材料には、テルルが含まれる、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子。
【請求項23】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端の材料におけるテルルの含有量は、0.1%~5%である、ことを特徴とする請求項22に記載のプラグイン端子。
【請求項24】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端には、メッキ層がある、ことを特徴とする請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子。
【請求項25】
前記接続端及び/又は前記プラグイン端におけるメッキ層の厚さは一致する、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項26】
前記接続端におけるメッキ層の材料は、前記プラグイン端におけるメッキ層の材料と一致しない、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項27】
前記メッキ層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項28】
前記メッキ層は、下地層と表層を有する、ことを特徴とする請求項24に記載のプラグイン端子。
【請求項29】
前記下地層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金および亜鉛のうちの1種または複数種であり、
前記表層の材料は、金、銀、ニッケル、錫、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種である、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項30】
前記下地層の厚さは、0.01μm~15μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項31】
前記下地層の厚さは、0.1μm~9μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項32】
前記表層の厚さは、0.5μm~55μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項33】
前記表層の厚さは、1μm~35μmである、ことを特徴とする請求項28に記載のプラグイン端子。
【請求項34】
挿着接続構造であって、
相手端の端子と、請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子と、を備え、
前記相手端の端子は、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、且つ、前記相手端の端子の外側壁は、前記弾性ユニットの内側壁と密着している、ことを特徴とする挿着接続構造。
【請求項35】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金であり、
前記相手端の端子は、互いに接続された接触セグメントと接続セグメントを含み、
前記接触セグメントの材料は、銅または銅合金であり、
前記接続セグメントの材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記接触セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、前記接触セグメントの外壁は、前記弾性ユニットの内壁と密着しており、
前記接続セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔の外部に位置する、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項36】
前記接触セグメントと前記接続セグメントは、摩擦溶接方式、超音波溶接方式、アーク溶接方式、レーザー溶接方式、抵抗溶接方式のうちの1つ以上によって接続された、ことを特徴とする請求項35に記載の挿着接続構造。
【請求項37】
前記接続端の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記プラグイン端の材料は、銅または銅合金であり、
前記相手端の端子は、互いに接続された接触セグメントと接続セグメントを含み、
前記相手端の端子の材料は、銅または銅合金であり、
前記接触セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔に挿入され、前記接触セグメントの外壁は、前記弾性ユニットの内壁と密着しており、
前記接続セグメントは、前記膨張収縮式挿入孔の外部に位置する、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項38】
前記相手端の端子の先端には、位置決め孔が設けられており、
前記プラグイン端子の膨張収縮式挿入孔には、前記相手端の端子の位置決め孔と互いに挿入されて接続された位置決めピンが内設されている、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項39】
前記弾性ユニットは、前記プラグイン端子の縦方向に延伸している膨張収縮隙間を含み、
前記膨張収縮隙間によって、前記弾性ユニットは、弾性片に分割され、
前記弾性片は、長手方向に蛇腹状に延伸しており、
前記相手端の端子の外壁面は、軸方向に蛇腹状に延伸しており、
前記相手端の端子の外壁面は、前記弾性片と貼り合せられている、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項40】
前記相手端の端子の前記膨張収縮式挿入孔に挿入される部分の外径をr1とし、前記膨張収縮式挿入孔の最小内径をr2とすると、(r1-r2)/r1*100%=N、且つ、0.5%≦N≦20%である、ことを特徴とする請求項34に記載の挿着接続構造。
【請求項41】
請求項1~21のいずれか1項に記載のプラグイン端子と、
前記プラグイン端子に設けられた温度センサと、を含む、ことを特徴とするプラグイン端子アセンブリ。
【請求項42】
前記プラグイン端子には、スルーホールが設けられており、
前記温度センサの一部または全部は、前記スルーホール内に設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項43】
前記温度センサは、前記スルーホールと締まり嵌められている、ことを特徴とする請求項42に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項44】
前記温度センサの外壁には、雄ネジが設けられており、
前記スルーホールには、雌ネジが設けられており、
前記温度センサは、前記スルーホールとネジ接続されている、ことを特徴とする請求項42に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項45】
前記温度センサの外部には、シールド層が設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項46】
前記温度センサは、NTC温度センサまたはPTC温度センサである、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【請求項47】
前記温度センサは、前記固定ユニットに設けられた、ことを特徴とする請求項41に記載のプラグイン端子アセンブリ。
【国際調査報告】