(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】マルチモーダル放射線装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20240705BHJP
A61N 5/10 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61B6/03 577
A61B6/03 521L
A61N5/10 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501629
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 US2022035500
(87)【国際公開番号】W WO2023287582
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】1240 Deming Way, Madison, WI 53717 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パイ チョアンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ チーツォン
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ チュアン
【テーマコード(参考)】
4C082
4C093
【Fターム(参考)】
4C082AE03
4C082AJ08
4C082AJ14
4C093AA22
4C093AA25
4C093CA13
4C093EA06
4C093EB17
4C093EB21
4C093EC48
4C093FA32
(57)【要約】
撮像装置は、患者支持部の周りに少なくとも部分的に配置された回転可能ガントリシステムと、回転可能ガントリシステムに結合された第1の放射線源であって、撮像用放射線用に構成される、第1の放射線源と、回転可能ガントリシステムに結合された第2の放射線源と、回転可能ガントリシステムに結合され、様々な視野で少なくとも第1の放射線源からの放射線を受け取るように、第1の放射線源の中心ビームに対して横方向に移動可能である第1の放射線検出器と、を備える。撮像装置の代替構成及び撮像装置を使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者支持部の周りに少なくとも部分的に配置された回転可能ガントリシステムと、
前記回転可能ガントリシステムに結合された第1の放射線源であって、撮像用放射線用に構成される、前記第1の放射線源と、
前記回転可能ガントリシステムに結合された第2の放射線源と、
前記回転可能ガントリシステムに結合され、様々な視野で少なくとも前記第1の放射線源からの放射線を受け取るように、前記第1の放射線源の中心ビームに対して横方向に移動可能である第1の放射線検出器と、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
第1のスキャンデータは、第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、第2のスキャン中に取得され、前記第1のスキャンデータと前記第2のスキャンデータとが組み合わされて、前記様々な視野のいずれよりも個別に大きい前記撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の放射線検出器は、前記第1のスキャン中に第1の位置にあり、
前記第1の放射線検出器は、前記第2のスキャン中に第2の位置にあり、
前記第1の位置と前記第2の位置とは、横方向の重なりを有する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、前記データセットは、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有する、請求項2または請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、前記第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、前記患者支持部は、前記第2のスキャンにおいて前記第1のスキャンに対して前記軸横断面内を移動する、請求項2~4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の放射線源または前記第2の放射線源の少なくとも一方が、コーンビームジオメトリを生成するように構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
中心軸を中心に回転可能なガントリシステムと、
前記ガントリシステムに結合された放射線源と、
放射線検出器であって、前記回転可能なガントリシステムに結合され、前記放射線検出器が前記放射線源の中心ビームと相互作用する第1の位置と、前記放射線検出器が前記放射線源の前記中心ビームと相互作用しない第2の位置との間で横方向に移動可能であり、前記第1の位置及び前記第2の位置が横方向の重なりを有する、前記放射線検出器と、
を備える、撮像装置。
【請求項9】
第1のスキャンデータは、前記検出器が前記第1の位置にある第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、前記検出器が前記第2の位置にある第2のスキャン中に取得され、前記第1のスキャンデータと前記第2のスキャンデータとが組み合わされて、様々な視野のいずれよりも個別に大きい前記撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記検出器が前記第1の位置にある第1のスキャン中に取得された第1のスキャンデータと、前記検出器が前記第2の位置にある第2のスキャン中に取得された第2のスキャンデータとを含むデータセットに基づいて、再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、前記データセットは、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない、請求項8または請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記放射線源は、コーンビームジオメトリを生成するように構成される、請求項8~10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記放射線源は、第1の放射線源であり、前記撮像装置は、第2の放射線源をさらに備え、前記第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される、請求項8~11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第2の放射線源は、前記第1の放射線源と同じエネルギーレベル、またはそれより大きいエネルギーレベルを有する、請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記放射線検出器がフラットパネル放射線検出器を含む、請求項12または請求項13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
撮像装置を使用する方法であって、
患者支持部上に配置された患者の画像に対応するデータを受け取ることと、
放射線検出器で放射線源から第1のスキャンデータを受け取ることであって、前記放射線源は撮像用放射線用に構成されており、前記第1のスキャンデータはスキャン視野(FOV)を含み、前記第1のスキャンデータは、前記放射線検出器が前記放射線源の中心ビームに対して第1の位置にあり、かつ前記患者支持部が、前記患者支持部を少なくとも部分的に取り囲む回転可能なガントリシステムの中心軸に対して第1の位置にある間に、第1のスキャン中に取得される、前記受け取ることと、
前記画像に対応する前記受け取られたデータ及び前記第1のスキャンデータに基づいて有効FOVを選択することであって、前記有効FOVは、前記患者の投影における軸横断トランケーションを最小化するように選択される、前記選択することと、
前記選択された有効FOVに基づいて、前記放射線源の前記中心ビームに対する前記放射線検出器、及び前記回転可能なガントリシステムの前記中心軸に対する前記患者支持部のうちの少なくとも1つの第2の位置を決定することであって、前記第2の位置は、前記第1の位置から横方向にオフセットされている、前記決定することと、
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記放射線検出器で前記放射線源から第2のスキャンデータを受け取ることであって、前記第2のスキャンデータは、前記放射線検出器及び前記患者支持部の少なくとも一方が前記第2の位置にある間に、第2のスキャン中に取得される、前記受け取ることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成することであって、前記データセットは前記有効FOV内にあり、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない、前記生成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、前記第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、前記患者支持部は、前記第1のヘリカルスキャン中に前記回転可能なガントリシステムに対して第1の長手方向に移動し、かつ前記第2のヘリカルスキャン中に前記回転可能なガントリシステムに対して第2の長手方向に移動し、前記第2の長手方向は、前記第1の長手方向の反対向きである、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記放射線検出器が前記第1の位置にある間に前記第1のスキャンデータが前記第1のスキャン中に取得され、前記放射線検出器が前記第2の位置にある間に前記第2のスキャンデータが前記第2のスキャン中に取得される、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のスキャンデータは、前記患者支持部が前記第1の位置にある間の前記第1のスキャン中に取得され、前記第2のスキャンデータは、前記患者支持部が前記第2の位置にある間の前記第2のスキャン中に取得される、請求項16~19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像用マルチモーダル放射線の利用に関し、より詳細には、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンを含む改善された撮像のための低エネルギー放射線(例えば、キロボルト(kV))及び高エネルギー放射線(例えば、メガボルト(MV))の組み合わせの利用に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月13日に出願された「MULTIMODAL RADIATION APPARATUS AND METHODS」と題された米国特許出願第17/374,618号の優先権を主張するものであり、この米国特許出願を参照により全体として本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
「放射線手術」という用語は、病変を壊死させるのに十分な線量の放射線が、照射回数を多くして分割線量を小さくする送達よりも、少ない治療時間または治療回数で標的部位に照射される処置を指す。放射線手術は、放射線療法と区別され、典型的には、比較的高い1回線量(例えば、500~2000センチグレイ)と、寡分割照射(例えば、1~5の回数または治療日)とによって特徴付けられる。放射線療法は、典型的には、低い1回線量(例えば、100~200センチグレイ)と、多分割照射(例えば、30~45回)とによって特徴付けられる。便宜上、用語「放射線照射治療」及び「放射線照射療法」は、特に断りのない限り、放射線手術及び/または放射線療法を意味するために、本明細書では区別なく用いられる。
【0004】
各放射線照射療法システムに関連するのは、放射線送達処置をセットアップし、いくつかの例では、放射線送達処置を誘導して、治療中の標的の動きを追跡するために使用される画像を提供する撮像システムである。公知の手法は、患者セットアップ及び治療中の画像に対して、別個の独立した画像放射線源(複数可)及び/または検出器(複数可)を利用する。治療中の標的または標的体積の追跡は、治療中の画像を以前の画像または治療前の画像の情報と比較することによって達成される。治療前画像情報には、例えば、CTデータ、コーンビームCT(CBCT)データ、磁気共鳴撮像(MRI)データ、陽電子放射断層撮影(PET)データまたは3D回転血管造影(3DRA)データ、及びこれらの撮像モダリティから得られる任意の情報(例えば、限定するものではないが、デジタル再構成放射線写真(DRR))が含まれ得る。
【0005】
放射線照射療法には、典型的には、(i)標的体積に対して高度にコンフォーマルな線量分布を(標的の形状に対して放射線の送達/線量を合わせるCT撮像を利用することによって、つまり正常組織が可能な限り温存され)送達すること、及び(ii)毎回の治療を通して高い精度で治療ビームを送達すること、という2つの普遍的目標がある。第3の目標は、2つの普遍的目標を可能な限り短い分割照射時間で達成することである。よりコンフォーマルな線量分布を送達することは、例えば、ノンコプラナービームを送達する能力を必要とし得る。治療ビームを正確に送達することは、照射中に標的体積の位置を追跡する能力を必要とし得る。送達速度を増加させる能力は、部屋の他の物体または患者に衝突することなく、及び/または規制機関の速度制限に違反することなく、放射線源を正確に、精密に、かつ迅速に移動させる能力を必要とする。
【0006】
CBCTは、放射線照射治療システムと共に使用するための治療中撮像モダリティとして、ある場合にはkV撮像モダリティとして、他の場合にはMV(ポータル)撮像モダリティとして提案されている。CBCT撮像は、標的体積の2D投影から3D体積画像を直接構築し、CBCTは、標的体積の周りの単一のガントリの回転(より具体的には、少なくとも180度の回転にファンビーム角を加えた回転)から3D画像体積を形成する能力を提供する。CBCTはまた、より等方性の空間分解能を提供する。
【0007】
CBCTを使用する線量計算及び治療計画は、CBCT画像が高品質かつ量的に正確であることを必要とする。しかしながら、横方向、面内の患者トランケーション(すなわち、軸横断トランケーション)が生じた場合、アーチファクト及び量的バイアスが導入されて、CBCT画像を線量計算及び治療計画に使用することが不適当になる可能性がある。患者の位置決め及び走査視野(FOV)選択によって軸横断患者トランケーションは低減され得るが、患者の自動位置決め及びFOV選択は困難であり得る。例えば、患者サイズより小さいFOVの選択、及び/またはFOV内の中心を外れた患者の位置決めは、横方向(すなわち、軸横断)のトランケーションをもたらし得る。加えて、十分なFOVよりも大きいFOVを選択すると、検出器オフセットを大きくし、患者データを検出するのに使用されない検出器領域を大きくし、かつ同じ患者線量に対する有用な患者データを少なくすることが必要になる。
【0008】
フラットパネル検出器を使用する従来のCBCTシステムは、
図1に示すように、フラットパネル検出器を第1の位置2から第2の位置3へ移動させることによってフラットパネルを中心ビーム1に対して横方向にオフセットさせて、元のFOV5と比較して拡大された有効FOV4を達成する。ただし、オフセットは、検出器の横方向の寸法の半分から、最小の重なり領域6を差し引いた値に制限される。例えば、検出器の横方向の寸法が40cmで、重なりが5cmの場合、検出器の最大オフセット7は15cmとなる。有効最大走査FOV4は、実際の検出器の横寸法に最大オフセット7の2倍を加えた合計の寸法、すなわち前の例では70cmの寸法を有する仮想中心検出器の有効最大走査FOVに等しい。
【0009】
したがって、軸横断患者トランケーションを低減し、最大FOVサイズを増大させるための代替システム及び方法が必要とされ得る。本明細書に記載の様々な実施形態は、CBCTシステムの有効走査FOVが、軸横断患者トランケーションを低減させ、または回避さえしながら、患者スキャンに対する従来の限界及び/または自動FOV選択を超えることを可能にすることができる。
【発明の概要】
【0010】
第1の実施形態では、撮像装置は、患者支持部の周りに少なくとも部分的に配置された回転可能ガントリシステムと、回転可能ガントリシステムに結合された第1の放射線源であって、撮像用放射線用に構成される、第1の放射線源と、回転可能ガントリシステムに結合された第2の放射線源と、回転可能ガントリシステムに結合され、様々な視野で少なくとも第1の放射線源からの放射線を受け取るように、第1の放射線源の中心ビームに対して横方向に移動可能である第1の放射線検出器と、を備える。
【0011】
第2の実施形態によれば、撮像装置は、第1の実施形態による撮像装置を備え、第1のスキャンデータは、第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、第2のスキャン中に取得され、第1のスキャンデータと第2のスキャンデータとが組み合わされて、様々な視野のいずれよりも個別に大きい撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する。
【0012】
第3の実施形態によれば、撮像装置は、第2の実施形態による撮像装置を備え、第1の放射線検出器は、第1のスキャン中に第1の位置にあり、第1の放射線検出器は、第2のスキャン中に第2の位置にあり、第1の位置と第2の位置とは、横方向の重なりを有する。
【0013】
第4の実施形態によれば、撮像装置は、第2の実施形態または第3の実施形態による撮像装置を備え、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、データセットは、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有する。
【0014】
第5の実施形態によれば、撮像装置は、第2の実施形態から第4の実施形態のいずれか1つによる撮像装置を備え、第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、患者支持部は、第2のスキャンにおいて第1のスキャンに対して軸横断面内を移動する。
【0015】
第6の実施形態によれば、撮像装置は、任意の先行実施形態による撮像装置を備え、第1の放射線源または第2の放射線源の少なくとも一方が、コーンビームジオメトリを生成するように構成される。
【0016】
第7の実施形態によれば、撮像装置は、任意の先行実施形態による撮像装置を備え、第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される。
【0017】
第8の実施形態によれば、撮像装置は、中心軸を中心に回転可能なガントリシステムと、ガントリシステムに結合された放射線源と、放射線検出器であって、回転可能なガントリシステムに結合され、放射線検出器が放射線源の中心ビームと相互作用する第1の位置と、放射線検出器が放射線源の中心ビームと相互作用しない第2の位置との間で横方向に移動可能であり、第1の位置及び第2の位置が横方向の重なりを有する、放射線検出器と、を備える。
【0018】
第9の実施形態によれば、撮像装置は、第8の実施形態による撮像装置を備え、第1のスキャンデータは、検出器が第1の位置にある第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、検出器が第2の位置にある第2のスキャン中に取得され、第1のスキャンデータと第2のスキャンデータとが組み合わされて、様々な視野のいずれよりも個別に大きい撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する。
【0019】
第10の実施形態によれば、撮像装置は、第8の実施形態または第9の実施形態による撮像装置を備え、検出器が第1の位置にある第1のスキャン中に取得された第1のスキャンデータと、検出器が第2の位置にある第2のスキャン中に取得された第2のスキャンデータとを含むデータセットに基づいて、再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、データセットは、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない。
【0020】
第11の実施形態によれば、撮像装置は、第8の実施形態から第10の実施形態のいずれかに記載の撮像装置を備え、放射線源は、コーンビームジオメトリを生成するように構成される。
【0021】
第12の実施形態によれば、撮像装置は、第8の実施形態から第11の実施形態のいずれかに記載の撮像装置を備え、放射線源は、第1の放射線源であり、撮像装置は、第2の放射線源をさらに備え、第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される。
【0022】
第13の実施形態によれば、撮像装置は、第12の実施形態に記載の撮像装置を備え、第2の放射線源は、第1の放射線源と同じエネルギーレベル、またはそれより大きいエネルギーレベルを有する。
【0023】
第14の実施形態によれば、撮像装置は、第12の実施形態または第13の実施形態のいずれかに記載の撮像装置を備え、放射線検出器がフラットパネル放射線検出器を含む。
【0024】
第15の実施形態によれば、撮像装置を使用する方法は、患者支持部上に配置された患者の画像に対応するデータを受け取ることと、放射線検出器で放射線源から第1のスキャンデータを受け取ることであって、放射線源は撮像用放射線用に構成されており、第1のスキャンデータはスキャン視野(FOV)を含み、第1のスキャンデータは、放射線検出器が放射線源の中心ビームに対して第1の位置にあり、かつ患者支持部が、患者支持部を少なくとも部分的に取り囲む回転可能なガントリシステムの中心軸に対して第1の位置にある間に、第1のスキャン中に取得される、受け取ることと、画像に対応する受け取られたデータ及び第1のスキャンデータに基づいて有効FOVを選択することであって、有効FOVは、患者の投影における軸横断トランケーションを最小化するように選択される、選択することと、選択された有効FOVに基づいて、放射線源の中心ビームに対する放射線検出器、及び回転可能なガントリシステムの中心軸に対する患者支持部のうちの少なくとも1つの第2の位置を決定することであって、第2の位置は、第1の位置から横方向にオフセットされている、決定することと、を含む。
【0025】
第16の実施形態によれば、方法は、第15の実施形態の方法を含み、放射線検出器で放射線源から第2のスキャンデータを受け取ることであって、第2のスキャンデータは、放射線検出器及び患者支持部の少なくとも一方が第2の位置にある間に、第2のスキャン中に取得される、受け取ることをさらに含む。
【0026】
第17の実施形態によれば、方法は、第16の実施形態の方法を含み、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成することであって、データセットは有効FOV内にあり、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない、生成することをさらに含む。
【0027】
第18の実施形態によれば、方法は、第16の実施形態または第17の実施形態の方法を含み、第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、患者支持部は、第1のヘリカルスキャン中に回転可能なガントリシステムに対して第1の長手方向に移動し、かつ第2のヘリカルスキャン中に回転可能なガントリシステムに対して第2の長手方向に移動し、第2の長手方向は、第1の長手方向の反対向きである。
【0028】
第19の実施形態によれば、方法は、第16の実施形態から第18の実施形態のいずれか1つの方法を含み、放射線検出器が第1の位置にある間に第1のスキャンデータが第1のスキャン中に取得され、放射線検出器が第2の位置にある間に第2のスキャンデータが第2のスキャン中に取得される。
【0029】
第20の実施形態によれば、方法は、第16の実施形態から第19の実施形態のいずれか1つの方法を含み、第1のスキャンデータは、患者支持部が第1の位置にある間の第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、患者支持部が第2の位置にある間の第2のスキャン中に取得される。
【0030】
1つの実施形態に関して説明及び/または図示される特徴は、1つ以上の他の実施形態において同じように、または同様に、及び/または他の実施形態の特徴と組み合わせて、またはその特徴の代わりに、使用され得る。
【0031】
本発明の説明は、特許請求の範囲で使用されている語句を多少なりとも限定するものではなく、あるいは特許請求の範囲または本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲で使用されている語句は、その全ての通常の意味を有する。
【0032】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面には、本発明の実施形態が図示されており、これらは、上記で与えられた本発明の一般的な説明、及び以下に与えられる詳細な説明と共に、本発明の実施形態を例示するのに役立つ。図に図示される要素境界(例えば、箱、箱のグループ、または他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計されてもよく、または複数の要素が1つの要素として設計されてもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部構成要素として示される要素が、外部構成要素として実装されてもよく、その逆も同様である。さらに、要素は縮尺どおりに描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】先行技術のオフセット検出器構成の概略図である。
【
図2】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による例示的なマルチモーダル放射線療法装置の斜視図である。
【
図3】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による例示的なマルチモーダル放射線療法デバイスの概略図である。
【
図4】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による検出器構成の概略図である。
【
図5A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、患者支持部が第1の位置にある患者支持構成の概略図である。
【
図5B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、
図5Aの患者支持部が第2の位置に移動された患者支持構成の概略図である。
【
図6】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による例示的な放射線照射治療環境を示す。
【
図7】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による例示的なマルチモーダルスキャン構成の図を示す。
【
図8】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による別の例示的なマルチモーダルスキャン構成の図を示す。
【
図9】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャンの合間に検出器が再配置される複数のスキャンからのスキャンデータを組み合わせる例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図10】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャンの合間に患者支持部が再配置される複数のスキャンからのスキャンデータを組み合わせる例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図11】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャンデータを使用してFOVを決定し、後続スキャン用に構成を調整する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下には、本開示全体を通じて使用され得る例示的な用語の定義が含まれる。全ての用語の単数形及び複数形の両方が、各意味に含まれる。
【0035】
本明細書で使用される「構成要素」は、ハードウェアの一部、ソフトウェアの一部、またはそれらの組み合わせとして定義することができる。ハードウェアの一部は、少なくともプロセッサとメモリの一部とを含むことができ、メモリは、実行する命令を含む。構成要素は、装置に関連付けられ得る。
【0036】
本明細書で使用される「回路」と同義の「論理」には、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア及び/または関数(複数可)またはアクション(複数可)を実行するそれぞれの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、所望の用途またはニーズに基づいて、論理は、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等のディスクリート論理、または他のプログラムされた論理デバイス及び/またはコントローラを含むことができる。論理は、ソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。
【0037】
本明細書で使用される「プロセッサ」には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)等の実質的に任意の数のプロセッサシステムまたはスタンドアロンプロセッサの1つ以上が任意の組み合わせで含まれるが、これらに限定されない。プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、クロック、デコーダ、メモリコントローラ、または割り込みコントローラ等、プロセッサの動作をサポートする様々な他の回路に関連付けられ得る。これらのサポート回路は、プロセッサまたはそれに関連する電子パッケージの内部または外部に設けられ得る。サポート回路は、プロセッサと作動的に通信する。サポート回路は、ブロック図または他の図面においてプロセッサから分離して示されるとは限らない。
【0038】
本明細書で使用される「信号」には、アナログまたはデジタル信号、1つ以上のコンピュータ命令、ビットまたはビットストリーム等を含む、1つ以上の電気信号が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
「ソフトウェア」には、本明細書で使用される場合、コンピュータ、プロセッサ、論理、及び/または他の電子デバイスに関数、アクションを行わせ、及び/または所望の方法で挙動させる1つ以上のコンピュータ可読及び/または実行可能命令が含まれるが、これらに限定されない。命令は、動的にリンクされたソースまたはライブラリからの別々のアプリケーションまたはコードを含むルーチン、アルゴリズム、モジュール、またはプログラム等の様々な形態で具現化することができる。
【0040】
上記の例示的な定義が提供されているが、本明細書と一致する最も広い合理的な解釈が、これらの用語及び他の用語に使用されることが出願人の意図である。
【0041】
以下でより詳細に説明するように、開示される技術の実施形態は、従来のCBCTシステムと比較して有効走査FOVの増加を可能にし、及び/または患者のスキャンに対する自動FOV選択を可能にする一方で、軸横断患者トランケーションを低減させまたは回避するために、デュアルスキャンを採用するマルチモーダル撮像/放射線療法デバイス及び方法に関する。様々な実施形態において、マルチモーダル撮像/放射線療法デバイスの検出器は、第1のスキャンのために第1の位置にあり、第2のスキャンのために第2の位置に移動される。第1のスキャン及び第2のスキャンから得られたデータを組み合わせて(例えば、第1のスキャンデータまたは第2のスキャンデータのそれぞれと単独で比較して)、軸横断トランケーションが低減されたデータセット、またはそれどころか軸横断トランケーションが無いデータセットを提供し、それによって結果として生じた画像を線量計算及び治療計画に使用できるようにする。
【0042】
様々な実施形態では、「デュアルスキャン」または「第1のスキャン」及び「第2のスキャン」として説明されるが、本画像取得方法論は、例えば、連続スキャン(例えば、ガントリボアを通る患者支持部の長手方向への移動に加えて、中心軸の周りのヘリカル線源軌道を伴う)、患者支持部の長手方向へのインクリメンタルな移動を伴う非連続的な円形のストップアンドリバース方式スキャン、ステップアンドシュート方式の円形スキャン等であり得る、複数回転スキャンを含むか、または別様にそれを使用することができる。したがって、本明細書で使用するとき、「デュアルスキャン」という語句は、連続的または非連続的な複数の回転を含むスキャンを指す。
【0043】
図2及び
図3を参照すると、マルチモーダル装置10が示されている。マルチモーダル装置10は、例えば、IGRT送達システム(例えば、
図5に示され、以下で詳細に論じられるIGRT送達システム104)として、IGRTを含むが、IGRTに限定されない、様々な用途に使用することができる(
図3に示されるような)放射線療法デバイスに関連付けられ、及び/または一体化されてもよいことが理解されるであろう。マルチモーダル装置10は、支持ユニットまたはハウジング14によって支持されるか、または別の方法でこれらに収容される、ガントリ12と呼ばれる回転可能ガントリシステムを含む。本明細書では、ガントリは、1つ以上の放射線源及び/または関連する検出器が標的の周りを回転するときに、それらを支持することができる1つ以上のガントリ(例えば、リングまたはCアーム)を備えるガントリシステムを指す。例えば、一実施形態では、第1の放射線源及びその関連する検出器は、ガントリシステムの第1のガントリに取り付けられてもよく、第2の放射線源及びその関連する検出器は、ガントリシステムの第2のガントリに取り付けられてもよい。別の実施形態では、2つ以上の放射線源及び関連する検出器(複数可)が、例えば、ガントリシステムが1つのガントリのみから構成される場合を含めて、ガントリシステムの同じガントリに取り付けられてもよい。ガントリ、放射線源、及び放射線検出器の様々な組み合わせは、同じ装置内の同じ体積を撮像及び/または治療するために、様々なガントリシステム構成に組み合わされてもよい。例えば、kV及びMV放射線源を、ガントリシステムの同じまたは異なるガントリに取り付けることができ、IGRTシステムの一部として撮像及び/または治療に選択的に使用することができる。異なるガントリに取り付けられた場合、放射線源は、独立して回転することができるが、依然として同じ(またはほぼ同じ)体積を同時に撮像することができる。回転可能なリングガントリ12は、10rpm以上の能力を有し得る。
【0044】
回転可能ガントリ12は、ガントリボア16を画定し、撮像及び/または治療のために、このボアを通して患者を移動させ、位置決めすることができる。一実施形態によれば、回転可能ガントリ12は、検出器(複数可)によって受信される高品質の撮像データに対して十分な帯域幅を提供しながら、放射線源及び関連する放射線検出器(複数可)の連続回転を提供するスリップリング式ガントリとして構成される。スリップリング式ガントリは、装置に関連する電力及び信号を搬送するケーブルの巻き取り及び巻き戻しをするために、交互の方向におけるガントリ回転を無くすことができる。このような構成は、IGRTシステムに組み込まれた場合でも、CBCTを含む連続ヘリカルコンピュータ断層撮影を可能にする。
【0045】
患者支持部18は、回転可能ガントリ12に隣接して配置され、回転可能ガントリ12への長手方向の移動及び回転可能ガントリ12内での長手方向の移動のために、典型的には水平位で患者を支持するように構成される。患者支持部18は、患者を、例えば、ガントリ12の回転面に垂直な方向に(ガントリ12の回転軸に沿ってまたは平行に)移動させることができる。患者支持部18は、患者及び患者支持部18の移動を制御するために、患者支持部コントローラに動作可能に結合され得る。患者支持部コントローラは、回転可能ガントリ12と、回転ガントリに取り付けられて、命令された撮像及び/または治療計画に従って患者の長手方向軸の周りを回転する放射線源と同期させることができる。患者支持部がボア16内に入れられると、患者支持部を上下、左右の限られた範囲で移動させて、最適な治療のため患者体位を調整することもできる。軸x、y、及びz(ガントリ12の正面から見て、x-軸は水平であり、右を指し、y-軸はガントリ平面を指し、z-軸は垂直であり、上部を指す)が示されている。x-軸、y-軸、及びz-軸は右手の法則に従う。
【0046】
図3に示すように、マルチモーダル装置10は、回転ガントリ12に結合されるか、または別の方法で回転可能ガントリ12によって支持された低エネルギー放射線源(例えば、kV)30を含む。この実施形態では、低エネルギー放射線源30は、撮像用放射線源であり、高品質画像を生成するための放射線ビーム(概して32として示される)を放出する。この実施形態では、撮像用放射線源は、キロ電圧(kV)線源(例えば、約20kV~約150kVの範囲のエネルギーレベルを有する臨床X線源)として構成されたX線源30である。一実施形態では、低エネルギー放射線源は、150keVまでのキロ電子ボルトピーク光子エネルギー(keV)を含む。撮像用放射線源は、撮像に適した任意のタイプの透過スキャン用線源であり得る。例えば、撮像用放射線源は、例えば、X線発生源(CT用を含む)または十分なエネルギー及びフラックスを有する光子を生成する任意の他の方法(例えば、ガンマ線源(例えば、コバルト-57、122keVのエネルギーピーク)、X線蛍光源(Pb k線、約70keV及び約82keVの2つのピークを通る蛍光源等)等)とすることができる。本明細書におけるX線、X線撮像、X線撮像源等への言及は、特定の実施形態についての例示的なものである。他の撮像透過スキャン用線源は、様々な他の実施形態において交換可能に使用され得る。X線検出器34(例えば、2次元平面検出器)は、回転可能ガントリ12に結合されるか、または別の方法で回転可能ガントリ12によって支持されることができる。X線検出器34は、X線源30からの放射線を受け取るように配置され、X線源30と共に回転することができる。
【0047】
X線検出器34は、開示された技術の範囲から逸脱することなく、多くの構成を取り得ることが理解されよう。
図3及び
図4に示すように、X線検出器34は、フラットパネル検出器(例えば、多列フラットパネル検出器)として構成することができる。検出器34は、減衰されない放射線の量を検出すること、または別の方法で測定することができ、したがって(最初に生成されたものとの比較によって)患者または関連する患者ROIによって実際に減衰されたものを推測することができる。検出器34は、低エネルギー放射線源30が患者の周りを回転し、患者に向けて放射線を放出する際に、異なる角度からの減衰データを検出すること、または別の方法で収集することができる。
【0048】
図2及び
図3は、放射線源30がリングガントリ12に取り付けられたマルチモーダル装置10を示しているが、他の実施形態は、例えば、Cアームガントリ及びロボットアームベースのシステムを含む他のタイプの回転可能な撮像装置を含むことができる。ガントリベースのシステムでは、ガントリは、アイソセンタを通過する軸の周りに撮像用放射線源30を回転させる。ガントリベースのシステムは、Cアームガントリを含み、このガントリでは、撮像用放射線源30が、カンチレバー状の様式で、アイソセンタを通過する軸の上に取り付けられ、その軸の周りを回転する。ガントリベースのシステムは、患者の体がリング/トロイドのボアを通って延びる概してトロイダル形状のリングガントリ、例えば回転可能ガントリ12をさらに含み、撮像用放射線源30が、リングの周囲に取り付けられ、アイソセンタを通る軸の周りを回転する。いくつかの実施形態では、ガントリ12は連続的に回転する。他の実施形態では、ガントリ12は、回転及び反転を繰り返すケーブルベースのシステムを利用する。
【0049】
X線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を選択的に制御し調整して、X線検出器34の活性領域の一部または領域を選択的に露光させるために、コリメータまたはビーム成形器アセンブリ(概して36として示す)がX線源30に対して位置決めされる。ビーム成形器は、放射線ビーム32がX線検出器34上に配置される方法を制御することもできる。一実施形態では、ビーム成形器36は、(例えば、より薄いまたはより厚いスリットを作るために)1度/1次元の動きを有し得る。別の実施形態では、ビーム成形器36は、(例えば、様々なサイズの矩形を作るために)2度/2次元の動きを有することができる。他の実施形態では、ビーム成形器36は、例えば平行四辺形を含む様々な他の動的に制御される形状にすることが可能であり得る。これらの形状の全ては、スキャン中に動的に調整され得る。いくつかの実施形態では、ビーム成形器の遮蔽部分が、回転及び/または平行移動され得る。
【0050】
ビーム成形器36は、X線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を、限定されるものではないが、1つの検出器列幅と同じくらい小さいビーム厚さ(幅)を有するファンビームまたはコーンビームを含む、あるいは検出器の活性領域の一部のみとすることができる複数の検出器列を含む、いくつかのジオメトリで動的に調整するように制御することができる。様々な実施形態において、ビームの厚さは、数センチメートルの大きな検出器活性領域を露光し得る。例えば、約5~約6センチメートルの活性領域を有する検出器の約3~約4センチメートル(検出器平面の長手方向に測定される)が、撮像用放射線32に選択的に露光され得る。この実施形態では、各読み出しで約3~約4センチメートルの投影画像データを取り込むことができ、片側または両側に約1~約2センチメートルの未露光検出器領域があり、これを、後述するように、散乱データを取り込むために使用することができる。
【0051】
他の実施形態では、活性検出器の一部のいくらかが、撮像用放射線に選択的に露光され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ビームの厚さは、約2センチメートル、1センチメートル、1センチメートル未満、またはより小さい検出器を含む同様のサイズの範囲まで低減され得る。他の実施形態では、ビームの厚さは、約4センチメートル、約5センチメートル、5センチメートルより大きい、またはより大きい検出器を含む同様のサイズの範囲まで増加され得る。様々な実施形態において、露光される検出器面積と活性検出器面積との比は、約30%~約90%または約50%~約75%であってもよい。他の実施形態では、露光される検出器面積と活性検出器面積との比は、約60%~約70%であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、様々な他の露光及び活性領域のサイズ、または露光される検出器面積と活性検出器面積との比が好適にされ得る。ビーム及び検出器は、検出器の影になった領域(アクティブであるが直接放射線に露光されない)が半影領域を超えて散乱データを捕捉するのに十分であるように構成することができる。
【0052】
様々な実施形態は、測定されたデータが一次(露光)領域及び影領域に対して十分であるが、速度及び放射線量制御に対しても最適化されるように、検出器の選択的露光を制御する特徴(例えば、ビームサイズ、ビーム/開口中心、コリメーション、ピッチ、検出器読み出し範囲、検出器読み出し中心等)の最適化を含み得る。ビーム成形器36の形状/位置及び検出器34の読み出し範囲は、X線源30からの放射線ビーム32が、以下でさらに詳細に説明するように、例えば、狭い及び広い軸方向視野(aFOV)スキャンの組み合わせを含む、実行されている特定の撮像タスク及び散乱推定プロセスに基づいて、X線検出器34の多くの部分またはわずかな部分をカバーするように制御することができる。装置10は、単一回転コーンビーム画像、ならびにヘリカルまたはその他の広ビーム角及び狭ビーム角画像の両方を取得する能力を有する。
【0053】
ビーム成形器36は、X線源30によって放出される放射線ビーム32の形状を調整することを可能にする様々な方法で構成することができる。例えば、ビーム成形器36は、X線源30からの放射線ビームがコリメートされるようにして通過し得る開口のサイズを画定して選択的に調整する一組のジョーまたは他の好適な部材を含むように構成され得る。1つの例示的な構成によれば、ビーム成形器36は、上側ジョー及び下側ジョーを含むことができ、上側ジョー及び下側ジョーは、X線源30からの放射線ビームが通過する開口のサイズを調整するために、しかも撮像すべき患者の部分のみを照射して撮像を最適化しかつ患者線量を最小化するように患者に対するビーム32の位置を調整するために、異なる方向(例えば、平行な方向)に移動可能である。
【0054】
一実施形態によれば、X線源30からの放射線ビーム32の形状は、画像取得中に変更することができる。言い換えれば、1つの例示的な実施態様によれば、ビーム成形器36のリーフ位置及び/または開口幅は、スキャン前またはスキャン中に調整することができる。例えば、一実施形態によれば、ビーム成形器36は、X線源30の回転中に、放射線ビーム32が十分な主/影領域を有する形状を有し、撮像中に対象の物体(例えば、前立腺)のみを含むように調整されるように、選択的に制御され、動的に調整されてもよい。X線源30によって放出される放射線ビーム32の形状は、スキャン中またはスキャン後に、所望の画像取得に応じて変更することができ、これは、以下でより詳細に論じるように、撮像及び/または治療フィードバックに基づくことができる。
【0055】
図4に示すように、検出器34は、検出器34が中心ビーム1に対して中心に配置される第1の位置2と、検出器34が中心ビーム1に対してオフセットされる第2の位置80(想像線で示す)との間で移動可能である。実施形態では、中心ビーム1は、第2の位置にある検出器34によって捕捉されない。例えば、検出器34は、検出器アセンブリに取り付けられ得、検出器アセンブリは、ガントリに結合される。検出器アセンブリは、検出器アセンブリのフレームに対して横方向に検出器を所望の位置に移動させる検出器ドライバを含む。第2の位置80は、第1の位置2との最小の重なり82を有して、従来のシステム(例えば、
図1に示されるような)で達成され得るよりも大きい検出器オフセット84を可能にする。
【0056】
図4では、中心ビーム1に対して中心に位置するように示されているが、実施形態では、第1の位置にあるとき、中心ビーム1は検出器34によって捕捉されるが、検出器34は中心ビーム1に対して中心に位置しなくてもよい。このような実施形態では、第2の位置80は、第1の位置2との最小の重なり82を有する。したがって、様々な実施形態において、第1の位置にある場合、検出器34は、放射線源の中心ビーム1と相互作用し、第2の位置にある場合、検出器34は、放射線源の中心ビームと相互作用しないが、第1の位置と重なる。
【0057】
以下でより詳細に説明するように、検出器34の横方向の移動は、マルチモーダル装置10のデュアル走査能力と組み合わされて、2組のデータをもたらし、これは、組み合わされると、例えば、軸横断トランケーションを低減させ、または回避さえしながら、完全な患者スキャンを提供するために使用され得る、完全なデータセットを提供する。
【0058】
図3に示すように、マルチモーダル装置10は、回転可能ガントリ12に結合された、または別の方法で回転可能ガントリ12によって支持された、高エネルギー放射線源(例えば、MV)20を含む放射線療法デバイスと一体化することができる。一実施形態によれば、高エネルギー放射線源20は、関心領域の患者内の腫瘍の治療に使用される高エネルギー放射線源等、治療用放射線源として構成される。他の実施形態では、高エネルギー放射線源20は、撮像用放射線源としても構成され、または少なくともそのようなものとして利用される。治療用放射線源は、高エネルギーX線ビーム(例えば、MVX線ビーム)、及び/または高エネルギー粒子ビーム(例えば、電子ビーム、陽子ビーム、または炭素等のより重いイオンのビーム)または別の好適な形態の高エネルギー放射線であり得ることが理解されよう。一実施形態では、高エネルギー放射線源20は、1MeV以上のメガ電子ボルトのピーク光子エネルギー(MeV)を含む。一実施形態では、高エネルギーX線ビームは、約0.8MeVより大きい平均エネルギーを有する。別の実施形態では、高エネルギーX線ビームは、約0.2MeVより大きい平均エネルギーを有する。別の実施形態では、高エネルギーX線ビームは、約150keVより大きい平均エネルギーを有する。一般に、高エネルギー放射線源20は、低エネルギー放射線源30よりも高いエネルギーレベル(ピーク及び/または平均等)を有する。
【0059】
一実施形態では、高エネルギー放射線源20は、治療用放射線(例えば、MV)を生成するLINACであり、撮像システムは、比較的低い強度及びより低いエネルギーの撮像用放射線(例えば、kV)を生成する独立した低エネルギー放射線源30を備える。他の実施形態では、治療用放射線源20は、例えばCo-60等の放射性同位元素とすることができ、これは一般に約1MeVより大きいエネルギーを有することができる。高エネルギー放射線源20は、治療計画に従って、患者支持部18上に支持された患者内の関心領域(ROI)に向けて1つ以上の放射線ビーム(概して22で示す)を放射することができる。
【0060】
様々な実施形態において、高エネルギー放射線源20は、治療用放射線源及び撮像用放射線源として利用される。以下に詳細に説明するように、放射線源20、30は、より高品質でより良好に利用される画像を提供するために、互いに連動して使用され得る。治療用放射線源20への言及は、高エネルギー放射線源20を、撮像のためにのみ使用され得る低エネルギー放射線源30と区別するためである。しかしながら、治療用放射線源20への言及は、治療用放射線源20(高エネルギー放射線源)が治療及び/または撮像のために利用され得る実施形態を含む。他の実施形態では、少なくとも1つの追加の放射線源を回転可能ガントリ12に結合し、放射線源20、30のピーク光子エネルギーとは異なるピーク光子エネルギーで投影データを取得するように動作させることができる。
【0061】
検出器24は、回転可能ガントリ12に結合されるか、または別の方法で回転可能ガントリ12によって支持され、治療用放射線源20から放射線22を受け取るように配置され得る。検出器24は、減衰されない放射線の量を検出すること、または別の方法で測定することができ、したがって(最初に生成されたものとの比較によって)患者または関連する患者ROIによって実際に減衰されたものを推測することができる。検出器24は、治療用放射線源20が患者の周りを回転し、患者に向けて放射線を放出する際に、異なる角度からの減衰データを検出すること、または別の方法で収集することができる。
【0062】
治療用放射線源20は、ビーム成形器またはコリメータを含み得るか、または他の方法で関連付けられ得ることもさらに理解されよう。治療用放射線源20に関連付けられるビーム成形器は、撮像源30に関連付けられるビーム成形器36と同様に、いくつかの方法で構成することができる。例えば、ビーム成形器は、最小開放位置または閉鎖位置と最大開放位置との間で1つ以上の位置に移動するように動作可能な複数の組み合わせたリーフを含むことができるマルチリーフコリメータ(MLC)として構成することができる。放射線源によって放射される放射線ビームの所望の形状を得るために、所望の位置にリーフを移動させることができることが理解されよう。一実施形態では、MLCは、サブミリメートルのターゲティング精度が可能である。
【0063】
治療用放射線源20は、撮像源30と同じ平面または異なる平面(オフセット)に取り付けられ、構成され、及び/または移動され得る。いくつかの実施形態では、放射線源20、30の同時活性化によって引き起こされる散乱は、放射面をオフセットすることによって低減され得る。
【0064】
他の実施形態では、散乱は、交互に活性化させることによって回避され得る。例えば、同時マルチモーダル撮像では、取得は、同時に個々のパルスを取得しないで、並行して行われ得る。別の実施形態では、例えば、kV検出器上のMV散乱の問題に対処するために、影に基づく散乱補正の使用を使用することができる。
【0065】
放射線療法デバイスと統合される場合、マルチモーダル装置10は、放射線送達処置(治療)のセットアップ(例えば、位置合わせ及び/または見当合わせ)、計画、及び/または誘導を行うために使用される画像を提供することができる。典型的なセットアップは、現在の(治療中の)画像を治療前画像情報と比較することによって達成される。治療前画像情報には、例えば、CTデータ、コーンビームCTデータ、MRIデータ、PETデータまたは3D回転アンギオグラフィ(3DRA)データ、及び/またはこれらのまたは他の撮像モダリティから得られる任意の情報が含まれ得る。いくつかの実施形態では、マルチモーダル装置10は、治療中の患者、標的、またはROIの動きを追跡することができる。
【0066】
再構成プロセッサ40は、検出器24及び/または検出器34に動作可能に結合され得る。一実施形態では、再構成プロセッサ40は、放射線源20、30から検出器24、34によって受け取られた放射線に基づいて患者画像を生成するように構成される。再構成プロセッサ40は、以下でより完全に説明される方法を実行するために使用されるように構成され得ることが理解されよう。装置10は、処理及び再構成のアルゴリズム及びソフトウェア、撮像パラメータ、前のまたは他の方法で以前に取得された画像(例えば、計画画像)からの画像データ、治療計画等を含むが、これらに限定されない情報を記憶するのに適したメモリ44を含むこともできる。
【0067】
マルチモーダル装置10は、オペレータ/ユーザインタフェース48を含むことができ、装置10のオペレータは、スキャンまたは撮像パラメータ等に関する入力を提供するために、装置10と相互作用するか、または他の方法で装置10を制御することができる。オペレータインタフェース48は、キーボード、マウス、音声起動コントローラ等の任意の適切な入力デバイスを含むことができる。装置10は、装置10のオペレータに出力を提供するためにディスプレイ52または他の人間が読み取り可能な要素を含むこともできる。例えば、ディスプレイ52は、オペレータが、再構成された患者画像と、装置10の動作に関連する撮像またはスキャンパラメータ等の他の情報とを確認することを可能にすることができる。
【0068】
図3に示すように、マルチモーダル装置10は、装置10の1つ以上の構成要素に動作可能に結合されたコントローラ(概して60として示す)を含む。コントローラ60は、X線源30及び/または治療用放射線源20、ならびに回転可能ガントリ12の回転速度及び位置を制御するガントリモータコントローラに電力及びタイミング信号を供給することを含む、装置10の全体的な機能及び動作を制御する。コントローラ60は、以下の、患者支持コントローラ、ガントリコントローラ、治療用放射線源20及び/またはX線源30に結合されたコントローラ、ビーム成形器コントローラ、検出器24及び/またはX線検出器34に結合されたコントローラ等のうちの1つ以上を含むことができることが理解されよう。一実施形態では、コントローラ60は、他の構成要素、デバイス、及び/またはコントローラを制御することができるシステムコントローラである。
【0069】
様々な実施形態において、再構成プロセッサ40、オペレータインタフェース48、ディスプレイ52、コントローラ60及び/または他の構成要素は、1つ以上の構成要素またはデバイスに組み合わされてもよい。
【0070】
装置10は、様々な構成要素、論理、及びソフトウェアを含むことができる。一実施形態では、コントローラ60は、プロセッサ、メモリ、及びソフトウェアを含む。限定ではなく例として、マルチモーダル装置及び/または放射線療法システムは、特定の用途のための撮像及び/またはIGRTに関連する1つ以上のルーチンまたはステップを実施することができる様々な他のデバイス及び構成要素(例えば、ガントリ、放射線源、コリメータ、検出器、コントローラ、電源、患者支持部等)を含むことができ、ルーチンには、それぞれのデバイス設定、構成、及び/または位置(例えば、経路/軌道)を含む、撮像、画像ベースの事前送達ステップ、及び/または治療送達が含まれ得、これらはメモリに記憶され得る。さらに、コントローラ(複数可)は、メモリに記憶された1つ以上のルーチンまたはプロセスに従って、1つ以上のデバイス及び/または構成要素を直接的または間接的に制御することができる。直接制御の例は、撮像または治療に関連する様々な放射線源またはコリメータパラメータ(動力、速度、位置、タイミング、変調等)の設定である。間接制御の例は、患者支持コントローラまたは他の周辺デバイスへの位置、経路、速度等の通信である。装置に関連付けられ得る様々なコントローラの階層は、適切なコマンド及び/または情報を所望のデバイス及び構成要素に通信するために、任意の適切な方法で配列され得る。
【0071】
さらに、当業者は、本システム及び方法が他のコンピュータシステム構成で実施できることを理解するであろう。本発明の図示された態様は、通信ネットワークを介してリンクされたローカルまたはリモートの処理デバイスによって特定のタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施され得る。例えば、一実施形態では、再構成プロセッサ40は、別個のシステムに関連付けられ得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートの両方のメモリ記憶デバイスに置かれている場合がある。例えば、リモートデータベース、ローカルデータベース、クラウドコンピューティングプラットフォーム、クラウドデータベース、またはそれらの組み合わせを装置10と共に利用することができる。
【0072】
マルチモーダル装置10は、コンピュータを含む本発明の様々な態様を実施するための例示的な環境を利用することができ、コンピュータは、コントローラ60(例えば、プロセッサと、メモリ44であってもよいメモリとを含む)と、システムバスとを含む。システムバスは、メモリを含むがこれに限定されないシステム構成要素をプロセッサに結合することができ、他のシステム、コントローラ、構成要素、デバイス、及びプロセッサと通信することができる。メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ、フラッシュドライブ、及び他の任意の形態のコンピュータ可読媒体を含み得る。メモリは、例えば、治療計画を含み得るルーチン及びパラメータを含む様々なソフトウェア及びデータを記憶することができる。
【0073】
治療用放射線源20及び/またはX線源30は、治療用放射線源20及びX線源30の相対的な動作を制御するように構成されたコントローラ60に動作可能に結合することができる。例えば、X線源30は、治療用放射線源20と同時に制御され、動作させることができる。加えて、または代替的に、X線源30は、実施される特定の治療及び/または撮像計画に応じて、治療用放射線源20と共に連続的に制御され、動作させることができる。例えば、様々な実施形態において、放射線源20、30は、放射線源20、30からの測定された投影データが、同時に(または本質的に/ほぼ(準)同時に、例えば、互いに約50ミリ秒以内で)、または連続的に(例えば、秒、分等によって分離されて)取得されるように動作され得る。
【0074】
放射線源20、30及び検出器(複数可)24、34は、いくつかの方法で撮像及び/または治療スキャン中に患者の周りに回転を提供するように構成され得ることが理解されよう。一実施形態では、線源20、30の動き及び露光を患者支持部18の長手方向の動きと同期させることにより、処置中に患者画像の連続的なヘリカル取得またはスキャンを提供することができる。放射線源20、30及び検出器(複数可)24、34の連続回転(例えば、一定の患者の運動速度に対するガントリの連続及び一定の回転)に加えて、開示された技術の範囲から逸脱することなく、他の変形形態を採用することができることが理解されよう。例えば、回転可能ガントリ12及び患者支持部は、支持部が回転可能ガントリ12に対して(一定のまたは可変の速度で)移動されるように制御される際に、ガントリ12が患者支持部上に支持された患者の周りを(上述のように、連続的に回転するのとは対照的に)「往復」方式で回転する(例えば、時計回り及び反時計回りを交互に行う)ように制御することができる。別の実施形態では、連続的なステップアンドシュート方式の円形スキャンを用いて、患者支持部18の長手方向の移動(ステップ)が、所望の体積が捕捉されるまで、回転可能ガントリ12による走査回転(シュート)と交互に行われる。マルチモーダル装置10は、体積ベース及び平面ベースの撮像取得が可能である。例えば、様々な実施形態において、マルチモーダル装置10は、体積画像及び/または平面画像を取得し、関連する処理を実行するために使用され得る。
【0075】
様々な実施形態において、検出器34は、スキャンの合間に第1の位置2と第2の位置80(
図4)との間で移動される。例えば、様々な実施形態において、検出器34は、第1のヘリカルスキャンの間は第1の位置2に、第2のヘリカルスキャンの間は第2の位置80に配置され得、または患者支持部18が第1の長手方向に移動する間は第1の位置2に、患者支持部が第2の反対の長手方向に移動する間は第2の位置80に配置され得る。実施形態では、第1のヘリカルスキャン及び第2のヘリカルスキャンに、同じ放射線源、及び同じ放射線源の軌道が使用される。他の実施形態では、同じ放射線源が、第1のヘリカルスキャン及び第2のヘリカルスキャンに使用され、一方のヘリカルスキャンは、右らせん軌道を使用し、他方のヘリカルスキャンは、左らせん軌道を使用する。第1の位置と第2の位置との間の検出器34の移動は、マルチモーダル装置10が、以下に説明する撮像及び自動FOV選択プロセスにおいて提供されるような拡張FOVを使用してデータを取得することを可能にすることができる。
【0076】
様々な実施形態において、第1の位置2から第2の位置80への検出器34の移動が説明されるが、実施形態は、
図5A及び
図5Bに示されるように、拡張FOVを達成するために、ガントリの中心軸85に対する患者支持部18の側方移動を採用し得ることがさらに企図される。
図5Aでは、患者支持部18は、第1のスキャン中にガントリの中心軸85に対して第1の位置86にある。実施形態において、第1の位置86は、ガントリの中心軸85に対してオフセットされている。オフセットの量は、特定の実施形態に応じて変えることができ、例えば、ガントリボア16(
図2及び
図3)の内径及び検出器34の横方向寸法によって制限され得る。いくつかの実施形態では、患者支持部18は、第1の位置86においてガントリの中心軸85に対して中心に配置される。
【0077】
第1のスキャンに続いて、患者支持部18は、
図5Bに示されるように、第2の位置88まで横方向に平行移動される。
図5Bでは、患者支持部18は、ガントリの中心軸85に対して反対方向にオフセットされている。患者支持部18のオフセットの量は、第1及び第2の方向において同じであってもよく、または得られる有効FOVのサイズ及び患者支持部18上の患者の初期位置に応じて、その量は異なっていてもよい。第2のスキャンは、第2の位置88にある患者支持部18を用いて実行され、2つのデータのセット(例えば、患者支持部を第1の位置にした第1のスキャンからのデータのセット、及び患者支持部を第2の位置にした第2のスキャンからのデータのセット)が組み合わされて、例えば、軸横断トランケーションを低減させ、または回避さえしながら、患者スキャンを提供するために使用され得るデータセットを提供する。患者支持部18の平行移動は、より小さい横寸法を有する検出器の使用を可能にし得、それによってコストを削減し、システム設計における柔軟性を向上させ得る。
【0078】
第1のスキャン及び第2のスキャンの間、検出器の位置は、特定の実施形態に応じて、両方のスキャンで同じであってもよく、または異なっていてもよい。言い換えれば、実施形態に応じて、患者支持部を第1の位置と第2の位置との間で移動させることができ、検出器を第1の位置と第2の位置との間で移動させることができ、または両方を行うことができる。本明細書に記載の他の実施形態と同様に、第1のスキャン及び第2のスキャンは、軸方向スキャンまたはヘリカルスキャンであり得る。スキャンがヘリカルスキャンである実施形態では、第1のスキャンは、第2のスキャンの方向と反対の方向である。
【0079】
放射線源及び患者の相対運動を達成して投影データを生成するために、様々な他のタイプの放射線源及び/または患者支持部の動きを利用してもよい。放射線源及び/または患者支持部の非連続運動、連続的であるが可変/非一定の(線形及び非線形を含む)移動、速度、及び/または軌道等、ならびにそれらの組み合わせが、上記の装置10の様々な実施形態との組み合わせを含めて、使用され得る。
【0080】
一実施形態では、ガントリ12の回転速度、患者支持部18の速度、ビーム成形器形状、及び/または検出器読み出し値は、画像取得中に全て一定とすることができる。他の実施形態では、これらの変数の1つ以上は、画像取得中及び/または治療中に動的に変化し得る。
【0081】
他の実施形態では、これらの特徴は、例えば、患者セットアップ、適応療法モニタリング、治療計画等を含む、1つ以上の他の画像ベースの活動または処置と組み合わせることができる。
【0082】
図6は、例示的な放射線照射治療環境300を示す。放射線照射治療環境300は、基準撮像システム102及びIGRTシステム104を含む。IGRTシステム104は、例えば、マルチモーダル装置10と、上述したようなその様々な構成要素及びデバイスとを含むことができる。
【0083】
一実施形態では、基準撮像システム102は、例えば、CTシステムまたはMRIシステム等の高精度体積撮像システムを含むことができる。多くの臨床環境におけるコスト及びワークフローの考慮事項を考慮すると、基準撮像システム102は、多くの場合、診療室または病院環境における様々な異なる目的のために使用される汎用ツールであり、IGRTシステム104または環境300に特に専用ではない。むしろ、基準撮像システム102は、それ自体の別個の部屋または保管庫に置かれてもよく、IGRTシステム104とは別個の、より一般化された理由で購入、設置、及び/または維持される。したがって、
図6の実施形態では、基準撮像システム102は、IGRTシステム104とは異なるように示されている。他の実施形態では、基準撮像システム102は、IGRTシステム104の不可欠な構成要素と見なされ得る。例えば、マルチモーダル装置10は、基準撮像システム102及びIGRTシステム104として機能する能力を有する。
【0084】
この実施形態では、IGRTシステム104は、患者支持部または治療台TC上に配置された患者Pの標的体積に高エネルギーX線治療用放射線を選択的に照射する高エネルギー放射線照射治療(MV)線源108を含む。MV源108は、システムコントローラ114の制御の下で、一実施形態において、より具体的には治療用放射線制御サブシステム128の制御の下で、治療用放射線を照射する。システムコントローラ114は、処理回路120、検出器コントローラ122、治療台位置コントローラ124、及びkV放射線コントローラ126をさらに備え、それぞれは、本明細書でさらに説明される機能のうちの1つ以上を達成するようにプログラムされ、構成される。1つ以上の撮像用(kV)放射線源110は、kV放射線コントローラ126の制御の下で、比較的低エネルギーのX線撮像用放射線を選択的に放出し、撮像用放射線が1つ以上の検出器112によって捕捉される。検出器112のうちの1つ以上は、標的体積を通って伝播したMV源108からの高エネルギーX線治療用放射線を捕捉することができる。
【0085】
各kV放射線源110及びMV放射線源108は、動的に移動可能であるため、IGRTシステム104及び/または治療室の(x,y,z)座標系に対して正確に測定可能な及び/または正確に決定可能なジオメトリを有する。
【0086】
治療台保定装置130は、治療台TCを位置決めするために治療台位置コントローラ124によって作動させることができる。いくつかの実施形態では、非X線ベース位置検知システム134は、光学的ベースまたは超音波ベースの方法等の電離放射線を含まない1つ以上の方法を使用して、患者に戦略的に取り付けられた外部マーカ(複数可)の位置及び/または移動を検知し、及び/または患者の皮膚表面自体の位置及び/または移動を検知する。IGRTシステム104は、オペレータワークステーション116及び治療計画システム118をさらに含む。
【0087】
一般的な臨床診療において、治療計画は、基準撮像システム102によって生成された事前取得治療計画画像または以前の画像データ106に対して行われる。事前取得治療計画画像106は、多くの場合、患者が受ける1つ以上の放射線照射治療フラクションの実質的に前もって(例えば、1~2日前に)取得された高解像度3次元CT画像である。IGRTシステム104の治療室に関して示される(x,y,z)治療室座標系とは対照的な、事前取得治療計画画像106に関する(i,j,k)座標系の図示によって
図6に示されるように、一般に、治療計画画像106座標系と治療室座標系との間には、既存のまたは固有の位置合わせまたは見当合わせは存在しない。治療計画プロセスの間、医師は、典型的には、本明細書では計画画像座標系または計画画像参照フレームとも呼ばれ得る、治療計画画像内の座標系(例えば、治療計画画像106内のi、j、k)を確立する。放射線照射治療計画は、毎回の治療の間中にMV源108によって照射すべき高エネルギー治療用放射線ビームの様々な向き、サイズ、持続時間等を決定する計画画像座標系において作られる。標的への治療用放射線の正確な送達には、送達及び追跡システム全体(存在する場合)が治療室座標系に対して較正されるので、計画画像座標系を治療室座標系に位置合わせすることが必要になる。この位置合わせは正確である必要はなく、さらに、2つの座標系間の位置合わせのオフセットを考慮するために、治療台調整またはビーム送達調整を使用できることが理解されよう。
【0088】
実施形態では、治療計画画像106は、例えば、従来のCBCT構成(
図1)からの最大FOVが十分であると決定するために使用され得るが、他の実施形態では、治療計画画像106は、本明細書に記載されるような拡張FOVが必要であると決定するために使用され得る。したがって、治療計画画像106は、FOVを決定するために使用することができ、したがって、もしあれば、治療中に使用されることになる患者支持部の検出器オフセット及び/または側方並進を決定するために使用することができる。
【0089】
例えば、治療標的がシステムのほぼアイソセンタにある状態で患者が患者支持部上に支持される場合、撮像ジオメトリにおける計画画像位置が決定される。計画画像に基づいて、システムは、患者の身体輪郭(例えば、境界)を見つけ、スキャンの軸方向範囲に対して、身体輪郭の任意の点から軸横断面におけるアイソセンタまでの最大距離を計算する。身体輪郭は、限定されるものではないが、単純なセグメンテーション等を含む、境界を検出する任意の既知の方法の1つに従って決定することができる。実施形態では、最適FOVは、得られた最大距離の2倍に所定のマージンを加えたものである。最適FOV及び既知の検出器サイズを使用して、検出器オフセット量が計算される。したがって、FOVのサイズ及び検出器オフセットの量は、検出器の使用及び走査時間の減少を改善しながらも、横方向(すなわち、軸横断方向)のトランケーションを低減し、またはさらに防止するように最適化することができる。
【0090】
一実施形態では、以下に本明細書でさらに説明する実施形態の1つ以上に従うことを含む、kV撮像用放射線源(複数可)110を介した画像ガイダンスの下で、各治療回の直前に、画像ベースの事前送達ステップを実行することができる。例えば、患者は、計画画像座標系(例えば、限定されるものではないが、CT画像または計画画像を基に治療計画を作成する間に医師によって定義される)が、治療室座標系との初期位置合わせに位置決めされるように、物理的に位置決めまたは位置合わせすることができ、以下、初期治療アライメントまたは初期治療位置と呼ばれる。この位置合わせは、一般に、患者セットアップまたは患者位置合わせと呼ばれる。標的体積の位置に応じて、標的体積は、位置及び配向において変化し得、及び/または患者の移動及び/または呼吸等の生理学的サイクルに起因する体積変形を受け得る。本明細書で使用される場合、治療中の位置合わせ変動または治療中の位置変動という用語は、標的体積の現在の状態が初期治療アライメントとは異なる位置、配向、及び/または体積形状の変動を指すために使用される。治療計画座標系と治療室座標系との間の既知の関係により、治療中の位置合わせ変動という用語は、標的体積の現在の状態が治療計画座標系におけるものと異なる位置、配向、または体積形状の変動を指すために使用することもできる。より一般的には、初期治療アライメントまたは初期治療位置という用語は、本明細書では、治療フラクションの始めにおける患者セットアップ時の患者の身体部分の特定の物理的姿勢または配置(位置、配向及び体積形状を含む)を指す。
【0091】
非X線ベースの位置検知システム134もまた提供され得る。この非X線ベースの位置検知システム134は、例えば、呼吸に応答して動く患者の胸部に何らかの方法で取り付けられた外部マーカを含むことができ、それによって標的位置を正確に決定することができる。呼吸を監視するための他の機構も使用され得る。例えば、準静的位置決め、心臓ゲート制御のための心電図等を含む、他の非呼吸位置検知システム134を使用することもできる。システム134は、外部マーカの動きを、例えばモノまたは立体のX線投影から決定される標的の動きと相関させることができる。したがって、非X線ベースの位置検知システム134は、システムコントローラ114が外部マーカの動きを監視し、相関モデルを使用して標的がどこに位置するかをリアルタイム(例えば、約60Hz)で正確に予測し、治療ビームを標的に向けることを可能にすることができる。移動標的の治療が進行するにつれて、追加のX線画像が得られ、相関モデルを検証及び更新のために使用し得る。
【0092】
本明細書で使用される場合、医用画像の「見当合わせ」は、それらの医用画像に現れる対応する解剖学的特徴または他の(例えば、基準の)特徴の間の数学的関係の決定を指す。見当合わせは、医用画像の一方または両方に適用された場合に、対応する解剖学的特徴のオーバーレイを引き起こす1つ以上の空間変換の決定を含むことができるが、これに限定されない。空間変換は、剛体変換及び/または変形可能変換を含むことができ、医用画像が異なる座標系または基準フレームからのものである場合、それらの座標系または基準フレームの差を考慮することができる。医用画像が同じ撮像システムを使用して取得されず、同時に取得されない場合、見当合わせプロセスには、撮像モダリティ間の違いを考慮した第1の変換の決定、撮像ジオメトリ、及び/または取得時間の間に発生した可能性のある身体部分の根本的な解剖学的差異(例えば、位置決めの違い、全体的な移動、身体部分内の異なる構造間の相対的な移動、全体的な変形、身体部分内の局所的な変形等)を考慮した第2の変換の決定に加えて、異なる撮像システムの基準フレーム、が含まれ得るが、これに限定されません。
【0093】
画像を生成する際に使用するためのデータの見当合わせは、基準撮像システム102とIGRT送達システム104との間で、及び/または低エネルギー源(複数可)110及び高エネルギー源108(及びそれらの関連する検出器112)を含む、マルチモーダルIGRT送達システム104の様々なモダリティから導出されたデータ及び/または画像の間で実施され得る。具体的には、装置10に戻って参照すると、見当合わせは、放射線源20、30及び検出器24、34から導出されたデータ及び/または画像の間で実施され得る。本明細書に記載の様々な実施形態は、FOVの増加に起因する軸横断トランケーション及び量的バイアスを低減し、これにより見当合わせ精度を向上させることができる。
【0094】
一実施形態では、
図7は、例示的なマルチモーダルスキャン構成400の図を示す。リングガントリ410の正面を見ると、
図7は、リングガントリ410に取り付けられた高エネルギー放射線源420(例えば、MV)及び低エネルギー放射線源430(例えば、kV)を示す。放射線源420、430は、互いに直交して取り付けられて示されているが、他の実施形態は、他の角度関係と、追加の放射線源及び/または検出器とを含むことができる。高エネルギー放射線源420は、ビーム成形器426を通して放射線を投影して、検出器424の一部に投影される放射線ビーム422を生成するように示されている。この構成では、高エネルギー放射線源420は、軸横断視野(FOV)428を有する。低エネルギー放射線源430は、ビーム成形器436を通して放射線を投影して、検出器434の一部に投影される放射線ビーム432を生成するように示されている。この構成では、低エネルギー放射線源430は、軸横断FOV438を有する。検出器434は、その範囲435内の中心に示される。このようにして、放射線源420、430は、重なり合う軸横断FOVを通して放射線を投影する。この実施形態では、マルチモーダルスキャン構成400は、低エネルギーFOV438よりも大きな軸横断FOVを有する高エネルギーFOV428を示す。
【0095】
別の実施形態では、
図8は、別の例示的なマルチモーダルスキャン構成500の図を示す。リングガントリ410の正面を見ると、
図8はまた、リングガントリ410に直交して取り付けられた高エネルギー放射線源420及び低エネルギー放射線源430を示す。高エネルギー放射線源420は、ビーム成形器526を通して放射線を投影して、検出器524に投影される放射線ビーム522を生成するように示されている。この構成では、高エネルギー放射線源420は、軸横断FOV528を有する。低エネルギー放射線源430は、ビーム成形器536を通して放射線を投影して、オフセットされた検出器534(例えば、検出器は、
図4の第2の位置にある)に投影される放射線ビーム532を生成するように示されている。ビーム成形器536はまた、低エネルギー放射線源430からの放射線をコリメートして、患者への線量を最小化する。この構成では、オフセットされた検出器534は、検出器434の位置と最小限の重なりを有し、低エネルギー放射線源430は、検出器によるファン角度スパンを加えた少なくとも180度の回転を伴う軸横断FOV538を有する。低エネルギー放射線源430は、検出器434の位置の重なりを最小限に抑えて、オフセットされた検出器534をカバーする大きな角度の到達範囲を有する。様々な実施形態において、オフセットされた検出器534から得られたデータは、検出器434から得られたデータと組み合わされて、完全なデータセットを提供し得る。
【0096】
例えば、ビーム成形器の構成、放射線源角度、検出器位置等を含む様々な要因が、放射線源のそれぞれのFOV(例えば、軸横断及び軸方向)を制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、放射線源420、430は、長手方向に(y-軸に沿って)物理的にオフセットされ得、異なる時間に患者をスキャンし得る(時間的にオフセットされる)。
【0097】
様々な実施形態において、第1のスキャンFOV及び第2のスキャンFOVは、重複する撮像データを提供する。しかしながら、上述のように、第1のスキャンFOV及び第2のスキャンFOVは、重複しない撮像データ、または他のFOVの外側にある撮像データを提供することができる。第1のスキャンFOVと第2のスキャンFOVとの間の重複する撮像データは、例えば、データ及び/または画像を登録して、所望の位置でより高品質の画像を達成するために使用され得る。
【0098】
例えば、頭部/頸部用途では、中心に置かれた検出器のスキャンが典型的に望まれ得るが、そのような構成は最小スキャンFOVを有し、データは切り捨てられ得る。軸横断トランケーションの量は小さい場合があるが、ソフトウェアベースの軸横断トランケーション補償は、投影のハウンスフィールド単位(HU)値の著しい偏りを引き起こし、それによって投影を作り、したがって再構成された画像が、線量計算及び計画に対して量的に正確でなくなる可能性がある。したがって、本明細書に記載の様々な実施形態では、(第1の位置に検出器を有する)第1のスキャンからの撮像データと(第2のオフセット位置に検出器を有する)第2のスキャンからの撮像データとを組み合わせることができ、重複する撮像データは再構成画像におけるバイアスを低減するのに十分であり、それによって再構成画像を線量計算及び計画に使用することが可能になる。例えば、2つのデータセットを組み合わせると、それらは(例えば、2つのデータセットのそれぞれと比較して個々に)軸横断トランケーションが大幅に低減された、または軸横断トランケーションがないことさえもある、より大きなFOVを用いて測定されたデータセットを形成する。したがって、データセットから再構成された画像は、個々のデータセットから再構成された画像と比較して、バイアスを低減することができ、またはバイアスを含まないことさえある。さらに、本明細書に記載のマルチモーダル装置の使用は、従来のスキャンと同じ方法で線量を送達することを可能にし得るが、撮像検出器は、改善された再構成画像を可能にするためにオフセットされることを理解されたい。
【0099】
いくつかの実施形態では、放射線源の1つ以上が、疎データに使用されることがあり、異なる解像度、速度、軌道、周波数、電力レベル、線量、FOV等を利用し得る。いずれにしても、2つ以上の放射線モダリティからのデータを組み合わせて使用することで、画質、速度、投与量、ワークフロー、治療精度/正確さ等を向上させることができる。
【0100】
様々な実施形態では、例示的なスキャン構成400、500は、放射線照射治療環境300を介することを含む、マルチモーダル装置10を使用して実施することができる。
【0101】
以下のフローチャート及びブロック図は、上述のマルチモーダル放射線システムに関連する例示的な構成及び方法論を例示する。例示的な方法論は、論理、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行され得る。加えて、処置及び方法は、ある順序で提示されるが、ブロックは、直列及び/または並列を含む、異なる順序で実行されてもよい。さらに、追加のステップまたはより少ないステップを用いてもよい。
【0102】
図9は、上述したような異なる検出器位置を有するスキャンからのスキャンデータを組み合わせる例示的な方法900を示すフローチャートである。ステップ905において、前の画像データ(例えば、基準画像106からのデータ)が提供され得る。ステップ910において、方法900は、第1のスキャンを実行する。実施形態では、第1のスキャンは、検出器が第1の中心位置にあり、患者支持部がガントリに対して第1の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。いくつかの実施形態では、検出器の第1の位置は、放射線源の中心ビームに対してオフセットされ得る。スキャンは、第1のスキャンデータ915を生成する。次に、ステップ920において、方法900は、検出器の位置を変更する。例えば、検出器は、中心ビームに対して第1の位置から第2のオフセットされた位置に横方向にシフトされる。検出器の第2のオフセットされた位置は、検出器の第1の位置と部分的に重なる。
【0103】
ステップ925では、第2のスキャンが実行される。実施形態では、第2のスキャンは、検出器が第2のオフセットされた位置にあり、患者支持部がガントリに対して第1の長手方向とは反対の第2の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。実施形態では、第2のスキャンは、第1のスキャンの線源軌道と同じ線源軌道を有する。スキャンは、第2のスキャンデータ930を生成する。次いで、ステップ935において、方法900は、第1のスキャンデータと第2のスキャンデータとを含み、(例えば、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータのそれぞれと単独で比較して)軸横断トランケーションが低減された、または軸横断トランケーションが無い、データセットを使用する。
【0104】
実施形態では、各特定のビュー角度において、データセットは、3つの領域、すなわち、検出器の第1の位置のみから見ることができる第1の領域、検出器の第2の位置のみから見ることができる第2の領域、及び第1の領域と第2の領域との間にあり、検出器の第1の位置と第2の位置との重なり部分から見ることができる第3の領域からのデータを含む。第3の領域からのデータは、第1の領域から第3の領域への遷移及び第3の領域から第2の領域への遷移が滑らかになるような検出器の第1の位置及び第2の位置からの投影データを融合することによって生成される。実施形態において、データの融合は、第3の領域における検出器の第1の位置及び第2の位置からの投影データに相補的な滑らかな重み付け関数を適用することによって達成することができる。
【0105】
ステップ940において、方法900は、例えば、画像を再構成するために、データセットを処理する。このようにして、一般に、スキャンデータ915、930の少なくとも1つが、異なるスキャンからのスキャンデータ915、930の別のものを補完または補足して、本明細書で論じられる改善の少なくとも1つをもたらすように、スキャン構成及び関連するスキャン設計を構成することができる。
【0106】
図10は、上述したような異なる患者支持部位置を有するスキャンからのスキャンデータを組み合わせる例示的な方法1000を示すフローチャートである。ステップ1005において、前の画像データ(例えば、基準画像106からのデータ)が提供され得る。ステップ1010において、方法1000は、第1のスキャンを実行する。実施形態では、第1のスキャンは、患者支持部がガントリの中心軸に対して第1の位置にあり、患者支持部がガントリに対して第1の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。スキャンは、第1のスキャンデータ1015を生成する。次に、ステップ1020において、方法1000は、患者支持部をシフトする。例えば、患者支持部は、ガントリの中心軸に対して第1の位置から第2の位置へ横方向にシフトされる。上述のように、図示されていないが、検出器は、いくつかの実施形態では、第1のスキャンと第2のスキャンとの間で、第1の位置から第2の位置へ追加的に移動され得る。
【0107】
ステップ1025では、第2のスキャンが実行される。実施形態では、第2のスキャンは、患者支持部が、第2の位置にあり、ガントリに対して第1の長手方向とは反対の第2の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。実施形態では、第2のスキャンは、第1のスキャンの線源軌道と同じ線源軌道を有する。スキャンは、第2のスキャンデータ1030を生成する。次いで、ステップ1035において、方法1000は、第1のスキャンデータと第2のスキャンデータとを含むデータセットを形成する。
【0108】
実施形態では、第1のスキャンデータは、第2のスキャンデータが、結果として得られるデータセット内の第1のスキャンデータと同じ横方向オブジェクト位置を表すように、データセット内の第2のスキャンデータに仮想的にマッピングされる。例えば、スキャンジオメトリ、X線スペクトル、及び検出器応答に関する情報を用いて、第1のスキャンデータを第2のスキャンデータに仮想的にマッピングすることができる。
【0109】
実施形態では、各特定のビュー角度において、データセットは、3つの領域、すなわち、患者支持部が第1の位置にある場合にのみ見ることができる第1の領域、患者支持部が第2の位置にある場合にのみ見ることができる第2の領域、第1の領域と第2の領域との間にあり、患者支持部が第1の位置にある場合及び患者支持部が第2の位置(例えば、第1の位置と第2の位置との重なり部分)にある場合に見ることができる第3の領域からのデータを含む。第3の領域からのデータは、第1の領域から第3の領域への遷移及び第3の領域から第2の領域への遷移が滑らかになるような第1のスキャン及び第2のスキャンからの投影データを融合することによって生成される。実施形態において、データの融合は、第3の領域における第1のスキャン及び第2のスキャンからの投影データに相補的な滑らかな重み付け関数を適用することによって達成することができる。
【0110】
ステップ1040において、方法1000は、例えば、画像を再構成するために、データセットを処理する。このようにして、一般に、スキャンデータ1015、1030の少なくとも1つが、異なるスキャンからのスキャンデータ1015、1030の別のものを補完または補足して、本明細書で論じられる改善の少なくとも1つをもたらすように、スキャン構成及び関連するスキャン設計を構成することができる。
【0111】
図11は、最適FOV及び検出器オフセットの量を自動的に決定するために前の画像からのデータを使用する例示的な方法1100を示すフローチャートである。ステップ1105において、前の画像データ(例えば、基準画像106または前のスキャンからのデータ)が提供される。次に、ステップ1110において、方法1100は、第1のスキャンを実行する。実施形態では、第1のスキャンは、検出器が中心ビームに対して第1の位置にあり、患者支持部がガントリに対して第1の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。スキャンは、第1のスキャンデータ1115を生成する。
【0112】
次に、ステップ1120において、方法1100は、前の画像データ及び第1のスキャンデータに基づいて最適FOVを決定する。例えば、前の画像を第1の画像データ及び第1のスキャンのためのFOVと重ね合わせることにより、最適FOVを選択することができる。最適FOVの選択は、例えば、FOVに対する患者の位置、画像データに対する適用、第1のスキャンに対してFOVを使用して観察される軸横断トランケーションの量、スキャンを完了する時間、未使用の検出器領域の量等を考慮に入れることができる。実施形態において、最適FOVは、第1の画像データと第1のスキャンのためのFOVとを有する前の画像のオーバーレイをユーザインタフェース上に表示し、ユーザからFOV入力を受信すること等により、手動で決定することができ、または最適FOVは、システムコントローラ114を使用して、未使用の検出器領域の量を増加させることなく、軸横断トランケーションを排除もしくは最小化するFOVを選択すること等により、自動的に決定することができる。実施形態では、撮像領域内の患者の輪郭/境界を識別するように構成されたソフトウェアを使用して、患者の境界または輪郭を現在のFOVと比較し、FOV内の患者の位置を識別することによって、最適視野を決定することができる。FOV内の患者の位置に基づいて、実施形態において、最終FOVサイズが決定され得、検出器または患者支持部のシフトの量が、例えば、ソフトウェアを使用して計算され得る。
【0113】
ステップ1125において、方法1100は、例えば、検出器を第1の位置から第2のオフセットされた位置に移動させること、または患者支持部を第1の位置から第2の位置へ横方向に移動させること等によって、構成を調整する。実施形態では、構成は(例えば、
図1に記載されるように)従来の拡張FOV位置に調整されてもよく、または構成は、追加の大きなFOVを可能にするために、本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従って調整されてもよい。いくつかの実施形態では、構成を調整することは、検出器に対して患者支持部を移動させることを含み得る。例えば、実施形態において、患者支持部は、本明細書に記載されるように横方向に、または上もしくは下にも移動して、第1のスキャンに対するFOV内の患者の位置を改善することができる。
【0114】
さらに、実施形態において、撮像スキャンによる患者への放射線の線量は、本明細書に記載されるように、第1のスキャンデータ及び前の画像データに基づいて最適化され得る。具体的には、撮像スキャンによる放射線の線量は、同じスキャン設定が与えられた場合、X線に曝露される患者の身体の部分が増加するにつれて増加する。しかしながら、FOVの最適化は、2回のスキャンにおける患者身体の最適な重なりを決定することができ、それによって放射線源から患者への総線量の最小化または最適化を可能にする。加えて、最適化されたFOV及びバランス信号を撮像に使用することによって、スキャンmAは、スキャンの一方または両方については低減され得、それによって総線量が低減されることを可能にする。
【0115】
ステップ1130では、第2のスキャンが実行される。実施形態では、第2のスキャンは、患者支持部が、第2の位置にあり、ガントリに対して第1の長手方向とは反対の第2の長手方向(例えば、
図2のy方向)に移動するスキャン構成を用いて行われるヘリカルスキャンである。スキャンは、第2のスキャンデータ1135を生成する。次に、ステップ1140において、方法1100は、第1のスキャンデータ及び第2のスキャンデータを含むデータセットを使用する。ステップ1145において、方法1100は、例えば、画像を再構成するために、データセットを処理する。このようにして、一般に、スキャンデータ1115、1135の少なくとも1つが、異なるスキャンからのスキャンデータ1115、1135の別のものを補完または補足して、本明細書で論じられる改善の少なくとも1つをもたらすように、スキャン構成及び関連するスキャン設計を構成することができる。実施形態では、再構成された画像は、従来の方法と比較して改善された画質を有し得、または従来の方法と比較して短い走査時間で類似の画質を有し得る。
【0116】
様々な実施形態において、高エネルギーMVファンビーム投影及び低エネルギーkVファンビームまたはコーンビーム投影が、画像再構成に使用され得ることがさらに企図される。いくつかの実施形態では、MV投影は、kVCTのアーチファクトを補正するための先験的情報として使用することができ、または量的撮像及び材料分離のためのデュアルエネルギーCT再構成において使用することができる。さらに、MLC変調MV投影データは、治療中に利用可能であり、治療送達と同時に、または治療送達に続いて、kVCT再構成において活用され得る。kV取得は、治療と同時に、及び/または治療に先行して行われ得る。デュアルエネルギー再構成から得られた電子密度画像は、オンライン及びオフラインの線量測定用途の両方で使用できる。
【0117】
公知の医用撮像及び/または放射線照射治療システムにおいて生じるいくつかの問題は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態によって少なくとも部分的に対処される。例えば、本明細書に記載の様々な実施形態は、横方向(すなわち、軸横断)トランケーションを低減させ、または排除すらも行い、より早いスキャンまたは前の画像からの情報を使用して自動FOV選択及び自動構成を可能にし、改善された品質を有する画像を送達し、それによって、そのような画像を治療計画及び線量計算における使用に適したものにすることができる。さらに、様々な実施形態は、装置のFOVを犠牲にすることなく、マルチモーダル装置内でより小さい検出器を使用することを可能にし得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、上記の方法は、好ましいワークフローに基づいて、同時に、または交互に行われるようにして実行され得る。例えば、マルチモーダルスキャンを実行することができ、得られたスキャンデータは、上述の様々な特徴及び利点のうちの2つ以上に利用される。
【0119】
上記の装置及び方法が投影ドメインで使用される場合、それは各投影ビューに適用することができ、各投影ビューは平面画像である。様々な実施形態は、異なるスキャンジオメトリ、検出器位置(オフセットされた検出器を含む)、及び/またはビーム成形窓形状を利用することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、体積画像を完成させるための複数のビーム回転に関連する何らかの潜在的に増加したスキャン時間は、高kVフレームレート、高ガントリレート、及び/または疎データ再構成技法によって軽減され、または他の方法でオフセットされ得ることが理解されよう。選択的に制御可能なコリメータ/ビーム成形器の上述の提供は、特定の用途及び/または臨床的必要性に応じて、ユーザが画像取得時間対画質を犠牲にするか、または別の方法で画像取得時間対画質を変更することができるシステムを可能にすることがさらに理解されよう。放射線治療送達装置は、(例えば、動き追跡のための)速い画像取得時間を有する半回転または単回転コーンビームCTスキャン(潜在的に低減された画質を有する)を提供するのみならず、より長い取得時間を有するが、より高い画質を有する、狭い/スリットのファンビームを有する円形または連続的なヘリカル取得を提供するように制御され得ることも理解されよう。1つ以上の最適化プロセスはまた、スキャン設計を決定し、ビーム位置決めを決定し、読み出し範囲を決定し、散乱量を推定する等のために、上記の実施形態の全てに適用可能である。
【0121】
開示された技術は、特定の態様、1つの実施形態、または複数の実施形態に関して示され、説明されたが、同等の変更及び変更が、本明細書及び添付の図面の読み取り及び理解の際に、当業者に生じることが明らかである。特に、上述の要素(構成要素、アセンブリ、デバイス、部材、組成物等)によって実行される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために使用される(「手段」への言及を含む)用語は、別段の指示がない限り、本明細書に例示される例示的な態様、実施形態、または開示される技術の実施形態においてその機能を実行する開示される構造と構造的に同等でなくても、説明される要素の特定の機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意の要素に対応することが意図される。加えて、開示された技術の特定の特徴は、いくつかの図示された態様または実施形態のうちの1つ以上に関してのみ上で述べている場合があるが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途に対して所望され有利であり得るように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
【0122】
本明細書に記載の実施形態は、上述のシステム及び方法に関連しているが、これらの実施形態は、例示的なものであることを意図しており、これらの実施形態の適用性を本明細書に記載の説明のみに限定することを意図していない。本発明は、その実施形態の説明によって例示されており、その実施形態は、ある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定すること、または任意の方法で限定することは本出願人の意図ではない。さらなる利点及び変更は、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、その広範な態様において、図示され記載された特定の詳細、代表的な装置及び方法、ならびに例示的な実施例に限定されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の趣旨または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者支持部の周りに少なくとも部分的に配置された回転可能ガントリシステムと、
前記回転可能ガントリシステムに結合された第1の放射線源であって、撮像用放射線用に構成される、前記第1の放射線源と、
前記回転可能ガントリシステムに結合された第2の放射線源と、
前記回転可能ガントリシステムに結合され、様々な視野で少なくとも前記第1の放射線源からの放射線を受け取るように、前記第1の放射線源の中心ビームに対して横方向に移動可能である第1の放射線検出器と、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
第1のスキャンデータは、第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、第2のスキャン中に取得され、前記第1のスキャンデータと前記第2のスキャンデータとが組み合わされて、前記様々な視野のいずれよりも個別に大きい前記撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の放射線検出器は、前記第1のスキャン中に第1の位置にあり、
前記第1の放射線検出器は、前記第2のスキャン中に第2の位置にあり、
前記第1の位置と前記第2の位置とは、横方向の重なりを有する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、前記データセットは、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有する、請求項2または請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、前記第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、前記患者支持部は、前記第2のスキャンにおいて前記第1のスキャンに対して軸横断面内を移動する、請求項2
または請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の放射線源または前記第2の放射線源の少なくとも一方が、コーンビーム形状を生成するように構成される、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
中心軸を中心に回転可能なガントリシステムと、
前記ガントリシステムに結合された放射線源と、
放射線検出器であって、前記回転可能なガントリシステムに結合され、前記放射線検出器が前記放射線源の中心ビームと相互作用する第1の位置と、前記放射線検出器が前記放射線源の前記中心ビームと相互作用しない第2の位置との間で横方向に移動可能であり、前記第1の位置及び前記第2の位置が横方向の重なりを有する、前記放射線検出器と、
を備える、撮像装置。
【請求項9】
第1のスキャンデータは、前記
放射線検出器が前記第1の位置にある第1のスキャン中に取得され、第2のスキャンデータは、前記
放射線検出器が前記第2の位置にある第2のスキャン中に取得され、前記第1のスキャンデータと前記第2のスキャンデータとが組み合わされて、様々な視野のいずれよりも個別に大きい前記撮像装置の有効視野に対応するデータセットを提供する、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記
放射線検出器が前記第1の位置にある第1のスキャン中に取得された第1のスキャンデータと、前記
放射線検出器が前記第2の位置にある第2のスキャン中に取得された第2のスキャンデータとを含むデータセットに基づいて、再構成画像を生成するように構成された再構成プロセッサをさらに備え、前記データセットは、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータのそれぞれと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない、請求項8または請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記放射線源は、コーンビーム形状を生成するように構成される、請求項8
または請求項9に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記放射線源は、第1の放射線源であり、前記撮像装置は、第2の放射線源をさらに備え、前記第2の放射線源は、治療用放射線源として構成される、請求項8
または請求項9に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第2の放射線源は、前記第1の放射線源と同じエネルギーレベル、またはそれより大きいエネルギーレベルを有する、請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記放射線検出器がフラットパネル放射線検出器を含む、
請求項12に記載の撮像装置。
【請求項15】
撮像装置を使用する方法であって、
患者支持部上に配置された患者の画像に対応するデータを受け取ることと、
放射線検出器で放射線源から第1のスキャンデータを受け取ることであって、前記放射線源は撮像用放射線用に構成されており、前記第1のスキャンデータはスキャン視野(FOV)を含み、前記第1のスキャンデータは、前記放射線検出器が前記放射線源の中心ビームに対して第1の位置にあり、かつ前記患者支持部が、前記患者支持部を少なくとも部分的に取り囲む回転可能なガントリシステムの中心軸に対して第1の位置にある間に、第1のスキャン中に取得される、前記受け取ることと、
前記画像に対応する前記受け取られたデータ及び前記第1のスキャンデータに基づいて有効FOVを選択することであって、前記有効FOVは、前記患者の投影における軸横断トランケーションを最小化するように選択される、前記選択することと、
前記選択された有効FOVに基づいて、前記放射線源の前記中心ビームに対する前記放射線検出器、及び前記回転可能なガントリシステムの前記中心軸に対する前記患者支持部のうちの少なくとも1つの第2の位置を決定することであって、前記第2の位置は、前記第1の位置から横方向にオフセットされている、前記決定することと、
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記放射線検出器で前記放射線源から第2のスキャンデータを受け取ることであって、前記第2のスキャンデータは、前記放射線検出器及び前記患者支持部の少なくとも一方が前記第2の位置にある間に、第2のスキャン中に取得される、前記受け取ることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータを含むデータセットに基づいて再構成画像を生成することであって、前記データセットは前記有効FOV内にあり、前記第1のスキャンデータ及び前記第2のスキャンデータと比較して低減された軸横断トランケーションを有するか、または軸横断トランケーションを有しない、前記生成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のスキャンは、第1のヘリカルスキャンを含み、前記第2のスキャンは、第2のヘリカルスキャンを含み、前記患者支持部は、前記第1のヘリカルスキャン中に前記回転可能なガントリシステムに対して第1の長手方向に移動し、かつ前記第2のヘリカルスキャン中に前記回転可能なガントリシステムに対して第2の長手方向に移動し、前記第2の長手方向は、前記第1の長手方向の反対向きである、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記放射線検出器が前記第1の位置にある間に前記第1のスキャンデータが前記第1のスキャン中に取得され、前記放射線検出器が前記第2の位置にある間に前記第2のスキャンデータが前記第2のスキャン中に取得される、請求項16
または請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のスキャンデータは、前記患者支持部が前記第1の位置にある間の前記第1のスキャン中に取得され、前記第2のスキャンデータは、前記患者支持部が前記第2の位置にある間の前記第2のスキャン中に取得される、請求項16
または請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】