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特表2024-525739分割された活性領域を持つパワーデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】分割された活性領域を持つパワーデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240705BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240705BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20240705BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652T
H01L29/78 655A
H01L29/78 652Q
H01L27/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501791
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022035969
(87)【国際公開番号】W WO2023287598
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】17/374,706
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086423
【氏名又は名称】アナログ パワー コンバージョン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンドロン-ハンセン, アモリ―
(72)【発明者】
【氏名】スドュルーラ, デュミトル ゲオルゲ
(72)【発明者】
【氏名】ゼペシ, レスリー ルイ
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038CA07
5F038CA08
5F038EZ01
5F038EZ20
(57)【要約】
基板と、基板に配置された複数の活性領域と、を含む半導体デバイスである。複数の活性領域は第1の総面積を有する。1つ以上の非活性領域も基板に配置される。1つ以上の非活性領域は第2の総面積を有する。第2の総面積は、第1の総面積の1.5倍以上である。活性領域は、基板に形成されたエピタキシャル層に形成されてもよい。アクティブデバイスの複数のセルは、複数の活性領域に配置されてもよい。非活性領域は、半導体デバイスが設計通りに機能しているときに実質的な電力を消費しない構造のみを含んでいてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板と、
前記基板に配置された複数の活性領域であって、該複数の活性領域は第1の総面積を有する、複数の活性領域と、
前記基板に配置された1つ以上の非活性領域であって、該1つ以上の非活性領域は第2の総面積を有する、1つ以上の非活性領域と、を備え、
前記第2の総面積が、前記第1の総面積の1.5倍以上である、半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板に形成されたエピタキシャル層であって、前記活性領域が該エピタキシャル層中に形成されている、エピタキシャル層と、
アクティブデバイスの複数のセルであって、該複数のセルはそれぞれ前記複数の活性領域に配置されている、複数のセルと、をさらに備え、
前記1つ以上の非活性領域が、前記活性領域の対それぞれの間に配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
当該半導体デバイスの表面に配置され、前記複数のセルにそれぞれ電気的に結合された複数の第1のコンタクトパッドをさらに備える、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記アクティブデバイスが、シリコンカーバイド(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)から構成され、
前記複数の第1のコンタクトパッドが、前記SiCMOSFETの前記複数のセルのそれぞれのゲート電極に電気的に結合されている、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
当該半導体デバイスの表面に配置され、前記SiCMOSFETの前記複数のセルのそれぞれの第1の伝導電極に電気的に結合される複数の第2のコンタクトパッドと、
前記SiCMOSFETの前記複数のセルの第2の伝導電極に電気的に結合された第3のコンタクトパッドと、をさらに備え、
前記第1の伝導電極がソース電極であると共に前記第2の伝導電極がドレイン電極であるか、又は、前記第1の伝導電極がドレイン電極であると共に前記第2の伝導電極がソース電極であり、
前記SiCMOSFETが垂直型MOSFET(VMOSFET)である、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記複数の第1のコンタクトパッドの第1の半分が、当該半導体デバイスの第1の側面に沿って配置され、
前記複数の第1のコンタクトパッドの第2の半分が、当該半導体デバイスの第2の側面に沿って配置され、
前記第1の側面は、前記第2の側面に対し前記半導体デバイスの反対側にある、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のコンタクトパッドの各々は、該パッドが電気的に結合される前記セルに対応する前記活性領域内に配置される、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
第2のコンタクトパッドをさらに備え、
前記アクティブデバイスがシリコンカーバイド(SiC)ショットキーバリアダイオード(SBD)から構成され、
前記複数の第1のコンタクトパッドが前記SiCSBDの前記複数のセルのそれぞれの第1の導通端子に電気的に結合され、
前記第2のコンタクトパッドが前記SiCSBDの前記複数のセルの第2の導通端子に電気的に結合され、
前記第1の導通端子がアノード電極であると共に前記第2の導通端子がカソード電極であるか、又は、前記第1の導通端子がカソード電極であると共に前記第2の導通端子がアノード電極である、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記活性領域のそれぞれの長さは、前記活性領域のそれぞれの幅の3倍以下である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記活性領域の各々は、少なくとも前記基板とエピタキシャル層とを合わせた厚さよりも大きい間隔で、他の前記活性領域から離間している、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記活性領域は、複数の行に配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記複数の行の第1の行の第1の前記活性領域は、前記複数の行の第2の行の第2の前記活性領域から前記行に沿った方向にオフセットしており、前記第2の行は前記第1の行に隣接している、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記複数の活性領域の第1の半分は、当該半導体デバイスの第1の半分内に配置され、前記複数の活性領域の第2の半分は、当該半導体デバイスの第2の半分内に配置される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記活性領域の周辺に沿ってそれぞれ配置された複数の高電圧終端部をさらに備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記基板に形成されたエピタキシャル層をさらに備え、
前記活性領域の各々は、絶縁材料からなる前記高電圧終端部の各1つによって境界を画定され、
前記高電圧終端部の各々は、前記エピタキシャル層の深さの一部を通して配置されている、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記高電圧終端部の各々は、前記エピタキシャル層の深さのすべてと前記基板の深さの一部とを貫通して配置されている、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記活性領域は、前記非活性領域下の前記基板の部分よりも高くなった複数の基板メサにそれぞれ配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記非活性領域に形成され、それぞれが前記活性領域の少なくとも1つに隣接して配置された1つ以上の深いトレンチをさらに備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体パワーデバイスは、複数のセルで構成されることがある。例えば、炭化ケイ素(SiC)垂直型金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(VMOSFET)は、それぞれが独自のゲート導体及び関連するゲートパッド、ソース領域(1つ以上)及び関連するソースパッド(1つ以上)、そしてドレインコンタクトを含む複数のセルを含む場合があり、VMOSFETのような垂直型デバイスでは、ドレインコンタクトが、ゲートパッド及びソースパッドの配置される表面とは反対側のダイの表面に配置される場合がある。
【0002】
このようなパワーデバイスの安全動作領域(SOA)は、セルのしきい値電圧Vthの負の温度係数によって引き起こされる熱不安定性によって、高電流高電圧側で制限される可能性がある。セルの熱不安定性には、バイアス条件とセルのダイ温度の両方が関与する。
【0003】
セル間のターンオン電圧の不均一性により、1つ又はいくつかのセルが、ドレイン電流のすべてではないにしても、そのほとんどを「奪取」してしまう可能性がある。しきい値電圧Vthの負の温度係数のために、電流が増加したセルはさらに低いしきい値電圧Vthをもち、さらに多くの電流を伝導し始める。これによって局所的な自己発熱現象が生じ、それらのセルが永久的なダメージを受ける可能性がある。
【0004】
半導体ダイ上の面積は「世界で最も高価な不動産」と呼ばれている。したがって、経済的要因によりパワーデバイスのセルの高実装密度が推進され得る。さらに、セルの高実装密度は、例えば、ゲートに接続されたボンドワイヤの長さの差を最小化し、その結果、ボンドワイヤのそれぞれの寄生インダクタンスの差を最小化することによって、デバイスを制御する1つ以上のドライバにセルのゲートを接続するために使用される導体の均一な特性を促進する。
【0005】
しかし、パワーデバイスのセルの実装密度が高いと、熱不安定を引き起こす条件を悪化させる可能性がある。
【0006】
さらに、MOSFETの入力に供給される制御信号とMOSFETの入力キャパシタンスに関連するインダクタンスにより、MOSFETのゲート酸化膜の破壊電圧を超える可能性のある大きな過不足電圧が発生し、信頼性に懸念が生じることがある。このため、SiCMOSFETや窒化ガリウム(GaN)FETなどのワイドバンドギャップデバイスを使用したパワーモジュールの電力容量や最大動作周波数が制限される可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
実施形態は半導体デバイスに関し、特に、互いに離間したコンパクトな活性領域を有するシリコンカーバイド(SiC)パワーデバイスに関する。実施形態には、VMOSFETなどのハイパワー用途のSiCデバイスが含まれる。このようなデバイスは、6.78、13.56、27.12、及び40.68MHzの帯域を含む(これらに限定されない)産業、科学、及び医療(ISM)無線周波数(RF)バンドで動作し得る。実施形態は、デバイスのRF性能を低下させることなく、半導体デバイスの最大消費電力(power dissipation)を増加させるように動作する。
【0008】
一実施形態において、半導体デバイスは、基板と、複数の活性領域と、1つ以上の非活性領域とを備える。複数の活性領域は第1の総面積を有し、1つ以上の非活性領域は第2の総面積を有する。第2の総面積は、第1の総面積の1.5倍かそれ以上である。
【0009】
活性領域は、基板上に形成された(典型的には成長させた)エピタキシャル層(エピタキシー)に形成され得る。
【0010】
アクティブデバイスの複数のセルは、複数の活性領域に配置されてもよい。
【0011】
1つ以上の非活性領域は、活性領域の各対の間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態によるドライバとトランジスタを含む回路を示す図である。
図2】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに結合されたドライバダイを示す図である。
図3A】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスのレイアウトを示す図である。
図3B】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスのレイアウトを示す図である。
図4A】別の実施形態によるVMOSFETパワーデバイスのレイアウトを示す図である。
図4B】別の実施形態によるVMOSFETパワーデバイスのレイアウトを示す図である。
図5】実施形態による部分的に形成されたVMOSFETパワーデバイスの断面を示す図である。
図6A】一実施形態による追加処理を施した図5のVMOSFETパワーデバイスの断面を示す図である。
図6B】別の実施形態による追加処理を施した図5のVMOSFETパワーデバイスの断面を示す図である。
図7】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに対応する回路を示す図である。
図8】一実施形態によるドライバに対応する回路を示す図である。
図9A】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに結合された、図8に示されるような2つのドライバデバイスを含む回路の平面図を示す。
図9B】一実施形態による、図9Aに示すVMOSFETパワーデバイスに結合された2つのドライバデバイスを含む回路の断面を示す図である。
図10】別の実施形態によるドライバデバイスに対応する回路を示す図である。
図11】別の実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに結合された図10に示すような2つのドライバデバイスを含む回路の平面図を示す。
図12A】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに結合された2つのドライバデバイスを含む回路の平面図を示す。
図12B】一実施形態による、図12Aに示すVMOSFETパワーデバイスに結合された2つのドライバデバイスを含む回路の断面を示す図である。
図13】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスを含む回路を示す図である。
図14A】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスの表面温度マップを示す図である。
図14B】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスの断面温度マップを示す図である。
図15】一実施形態による活性領域レイアウトを有するデバイスの直列抵抗のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の実施形態は、半導体パワーデバイスのセルを含む活性領域のスパース(sparse)レイアウトに関し、特に、シリコンカーバイド(SiC)垂直型金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(VMOSFET)又はSiC垂直型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(V-IGBT)などのパワーデバイスのセルを含む活性領域のスパースレイアウトに関する。実施形態はさらに、スパースレイアウトの活性領域を有するパワーデバイスを駆動するように構成されたドライバデバイスに関する。
【0014】
本明細書に提示される実施形態は、シリコンカーバイド(SiC)技術に関して説明され得るが、実施形態はこれに限定されず、他の実施形態では、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、高アルミニウム含有AlGaN、β-三酸化ガリウム(β-Ga)、ダイヤモンド、窒化ホウ素などの他のワイドバンドギャップ(WBG)又は超ワイドバンドギャップ(UWGB)技術が代わりに使用され得る。例えば、実施形態では、SiCの代わりにGaNを使用することができる。他の実施形態では、3C-SiCなど、4H以外のポリタイプのSiCを使用することができる。
【0015】
実施形態の詳細な説明は、添付の図と共に以下に記載される。本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定され、多数の代替、修正、及び等価の形態を包含する。様々なプロセスのステップが所定の順序で示されているが、実施形態は必ずしも列挙された順序で実行されることに限定されない。いくつかの実施形態において、特定の操作/作動は、同時に実行されてもよく、記載された順序以外の順序で実行されてもよく、又は全く実行されなくてもよい。
【0016】
多数の具体的な詳細が以下の説明に記載されている。これらの詳細は、具体例によって本開示の範囲の徹底的な理解を促進するために提供され、実施形態は、これらの具体的な詳細のいくつかがなくても、特許請求の範囲に従って実施され得る。したがって、本開示の具体的な実施形態は例示であり、排他的又は限定的であることを意図するものではない。明瞭にする目的で、本開示に関連する技術分野で公知の技術的事項は、本開示が不必要に不明瞭にならないように詳細には記載されていない。
【0017】
本明細書では、SiC-nチャネルVMOSFETを含む実施形態を説明するが、実施形態はこれに限定されない。例えば、実施形態は、代わりに、平面型MOSFET、平面型又は垂直型IGBT、pチャネルデバイス、PINダイオード、平面型又は垂直型ショットキーバリアダイオード(SBD)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
RFパワーデバイスは、大量の電力を消費することができなければならないため、熱抵抗が低く、熱がデバイスから流出しやすいものでなければならない。また、デバイスは高い変換効率を提供する必要があるため、入力、出力、及び逆バイアス容量が低い必要がある。これらの要件はそれぞれ、ダイサイズが大きく、活性面積が小さいことにつながる(活性面積とは、デバイスの活性領域の面積の合計)。関連技術の市販MOSFETでは、ダイサイズと活性面積は密接に関連しており、互いに独立して調節することはできない。
【0019】
実施形態は、広く離された複数の活性領域にパワーデバイスの複数のセルを形成することによって半導体パワーデバイスを形成する。例えば、実施形態は、それぞれの活性領域内の複数のセルで構成された集積ダイオード付きSiC-nチャネルVMOSFETを含むことができ、各セルは、それぞれのSiC-nチャネルVMOSFET及び集積ダイオードを含み、活性領域によって占有される面積は、ダイの非活性領域の面積よりも小さく、活性領域は離間している。例えば、活性領域はパワーデバイスの総ダイ面積の40%以下を占め、非活性領域がダイの残りを占める。
【0020】
本明細書で使用する活性領域と非活性領域は、一般に熱の発生によって区別される。したがって、半導体デバイスの活性領域は、通常の動作条件下で実質的にパワーが消費される、表面近傍又は特定の体積の領域として定義することができる。特定の体積は、ダイの厚さ全体にわたって広がることはあっても、ダイの表面全体にわたって広がることはない。そのため、活性領域は、(赤外線カメラによる)サーマルスキャンにおいて、デバイスの通常動作時に周囲よりも温度が高い領域として現れ、非活性領域における周囲温度以上の温度は、通常、活性領域から非活性領域への熱の拡散によってのみ生じる。
【0021】
活性領域は、半導体デバイスの特定の用途に必要とされる(設計された)機能を実行するダイの領域(体積)として定義することもできる。非限定的な例として、パワー半導体の機能は、オフ(無電流伝導)状態とオン(実質的な電流伝導)状態との間でスイッチングすることによって電流を制御することであり、そのパワー半導体の活性領域は、そのスイッチングを実行する領域であると言える。
【0022】
高電圧パワー半導体デバイスのような一部のデバイスでは、活性領域は高電圧終端構造によって境界を定められることがある。このようなデバイスでは、活性領域はそれぞれの高電圧終端構造内に配置された領域であり、非活性領域はそれぞれの高電圧終端構造内にないデバイスの領域である。
【0023】
さらに、ほとんどの半導体デバイスの機能は、とりわけ半導体のドーピングによって決定されるため、半導体デバイスの活性領域は、その内部に様々な極性の高ドープ領域(典型的には、SiC技術の場合、ドーパント濃度が1.0E17cm-3以上)を有し、非活性領域は、低ドープエピタキシー(典型的には、SiC技術の場合、ドーパント濃度が2.0E16cm-3以下)及び/又は誘電体領域のみを含む。一部のデバイスでは、非活性領域は、追加のドーピングを行わず、出発材料を元の状態のままにすることができる。例えば、半導体デバイスが、軽度にドープされたn型半導体を成長させて、重度にドープされたn型半導体からなる基板上にエピタキシャル成長を形成することによって形成される場合、完成したデバイスの不活性領域におけるエピタキシャル成長及び基板の部分は、エピタキシャル成長の形成が完了したときのドーパント濃度を有することがある。
【0024】
各活性領域に対して、制御パッド(例えば、ゲートパッド)がそれぞれ設けられてもよい。実施形態では、第1のタイプの導電端子用の1つ以上のパッド(たとえば、1つ以上のソースパッド)が、各活性領域に対して提供されてもよい。第2のタイプの導電端子(例えば、ドレイン)は、ドレインパッドなどの単一のパッドに電気的に結合されてもよい。デバイスが垂直型デバイスである場合、第1のタイプの制御端子用パッド及び導電端子用パッドは、ダイの一方の面(例えば、上部)に形成されてもよく、第2のタイプの導電端子用パッドは、ダイの反対側の面(例えば、下部)に形成されてもよい。
【0025】
活性領域を離間させることによって、実施形態は、熱を放散するために使用されるダイの表面にわたってより均一な温度を生成することができ、したがって、ダイの熱を放散する能力を改善することができる。実施形態はまた、デバイスを通過する電流をデバイスの基板内に広げることによって、垂直デバイスの比直列抵抗を改善することができる。実施形態は、どの活性領域が使用されるかは、どの活性領域がドライバデバイスに接続されるかによって決定され、活性領域外の不完全性はデバイスの機能に影響しないため、活性領域の冗長性によってデバイスの歩留まりを向上させることができる。
【0026】
活性領域の間隔が離れていることにより、制御パッド及び導電端子パッドが間隔をあけて配置されることがある。離間した制御パッド及び導電端子パッドへの接続の寄生インダクタンス及び寄生インダクタンスのばらつきを低減するために、実施形態では、ドライバデバイスによって制御される半導体デバイスの寸法特性(パッドの数及びパッドのレイアウトピッチなど)に応じて構成されたドライバデバイスが使用されてもよい。例えば、ドライバデバイスの複数のゲート制御信号用パッド及び対応する複数のケルビンソース接続用パッドのレイアウトを、パワー半導体デバイスの複数のゲートパッド及び複数のソースパッドのレイアウトに合わせることで、ドライバデバイスとパワー半導体デバイスとの間の低インダクタンス、低抵抗接続を可能にすることができる。
【0027】
図1は、一実施形態による回路100を示す。回路100は、ドライバデバイス108とトランジスタ110とを含む。図1において、ドライバデバイス108は非反転ドライバであり、トランジスタ110はSiCパワーVMOSFETなどのMOSFETであるが、実施形態はこれに限定されない。
【0028】
ドライバデバイス108は、入力IN、1つ以上のゲート出力GO、及び1つ以上のケルビンソース接続KSを含む。ケルビンソース接続KSは、ドライバデバイス108のゲート出力GOと、ゲート出力GOによって駆動されるデバイスの制御端子キャパシタンス(ゲート-ソースキャパシタンスなど)との間を流れる電流のための直接的な低インダクタンス復帰経路を提供する。例えば、ドライバデバイス108が、1つ以上のゲート出力GOを1つ以上のMOSFETのそれぞれのドレイン端子に生成し、ゲート出力GOによって駆動されるデバイスがVMOSFETである場合、ケルビンソース接続KSは、ドライバデバイス108内のそれらのMOSFETのそれぞれのソース端子を、VMOSFETのそれぞれのソース端子に電気的に結合することができる。
【0029】
トランジスタ110は、1つ以上のゲートパッドG、1つ以上のソースパッドS、及び1つ以上のドレインコンタクトDを含む。SiCパワーVMOSFETのような実施形態では、トランジスタ110の各セルは、セルのゲート用のゲートパッドとセルのソース用のソースパッドを含むが、すべてのセルのドレインは単一の共通ドレインコンタクトに接続される。
【0030】
図1の回路100の一実施形態では、トランジスタ110は、それぞれ独自のゲート及びドレインコンタクトを有するN個のセルを含み、ドライバデバイス108は、N個のケルビンソース接続にそれぞれ対にされたN個のゲート出力GOを含む。Nは2以上の整数である。各ゲート出力GOは、ゲートパッドGのそれぞれに接続され、そのゲート出力GOに対応するケルビンソース接続は、そのゲートパッドGに対応するソースパッドSに接続され、セルのソースパッドSは、共通のソースリード又はパッドにも(ケルビンソース接続に使用される導体以外の導体によって)接続される。実施形態では、Nは8以上である。実施形態において、N個のセルは、トランジスタ110の正常に機能するセルのみを含み、トランジスタ110の欠陥のあるセルは接続されないままであってもよい。
【0031】
図1の回路100の別の実施形態では、トランジスタ110は、それぞれがゲートパッド及びドレインコンタクトを有する2×N個のセルを含み、ドライバデバイス108は、少なくともN個のケルビンソース接続にそれぞれ対になるN個のゲート出力GOを含む。Nは2以上の整数である。各ゲート出力GOは、それぞれの対のゲートパッドGに接続され、それらのゲートパッドGに対応するソースパッドSは、ゲート出力GOに対応するケルビンソース接続に接続され、すべてのソースパッドSは、共通のソースリード又はパッドにも接続される。一実施形態では、Nは4以上である。
【0032】
図1の回路100の別の実施形態では、トランジスタ110は、トランジスタ110の第1及び第2の半分内に配置された2×N個のセルを含み、各セルは、それ自身のゲートパッド及びドレインコンタクトを有する。Nは、2以上の整数である。トランジスタ110の第1及び第2の半分は、トランジスタ110の中心線を挟んで互いに反対側に配置されてもよい。ドライバデバイス108は、N個のケルビンソース接続にそれぞれ対になるN個のゲート出力GOをそれぞれ含む第1及び第2のドライバデバイスで構成される。第1のドライバデバイスの各ゲート出力GOは、トランジスタ110の第一の半分内のセルのゲートパッドGに接続され、そのゲートパッドGに対応するソースパッドSは、そのゲート出力GOに対応するケルビンソース接続に接続される。第2のドライバデバイスの各ゲート出力GOは、トランジスタ110の第2の半分内のセルのゲートパッドGに接続され、そのゲートパッドGに対応するソースパッドSは、そのゲート出力GOに対応するケルビンソース接続に接続される。すべてのソースパッドSは共通のソースリード又はパッドにも接続され、第1及び第2のドライバデバイスへの入力INは電気的に結合されてもよい。一実施形態では、Nは4以上である。
【0033】
上述の各実施形態において、トランジスタ110のゲートパッドGは、ドライバデバイス(1つ以上)の物理的に最も近いゲート出力GOに接続されてもよく、トランジスタ110のソースパッドSは、ドライバデバイス(1つ以上)の物理的に最も近いケルビンソース接続KSに接続されてもよい。このようにして、トランジスタ110のセルのゲートを駆動する電流が遭遇する寄生インダクタンスを最小化することができる。このためには、各ゲート出力GOからトランジスタ110に通過し、その後ケルビンソース接続KSに戻る電流によって囲まれる領域をできるだけ小さくする必要がある。このようにして、それらの電流が遭遇するそれぞれの寄生インダクタンス間の差が小さくなり、ゲートがより同様のレベルのダンピング、リンギング、オーバーシュート等を有する信号を受信することができる。
【0034】
上述の各実施形態において、ドライバデバイス108のゲート出力GO及びケルビンソース接続KSのコンタクトピッチは、トランジスタ110のゲートパッドGのコンタクトピッチに応じて決定されてもよく、又はトランジスタ110のゲートパッドGのコンタクトピッチは、ドライバデバイス108のゲート出力GO及びケルビンソース接続KSのコンタクトピッチに応じて決定されてもよい。
【0035】
例示的な実施形態では、ゲート出力GOのコンタクトピッチは、対応するゲートパッドGのコンタクトピッチの10%以内であってもよい。例えば、ゲートパッドGが軸に沿って500ミクロン(μm)離間するようにピッチ付けされる場合、ゲート出力GOは、その軸上で450ミクロンと550ミクロンとの間の間隔を空けて配置され得る。
【0036】
別の例示的な実施形態では、ゲート出力GOのコンタクトピッチは、対応するゲートパッドGのコンタクトピッチの倍数(2など)の10%以内であってもよい。例えば、ゲートパッドGが軸に沿って500ミクロン離間するようにピッチ付けされる場合、ゲート出力GOは、その軸上で900ミクロンと1100ミクロンとの間の間隔を空けて配置されてもよく、そのような実施形態では、2つのゲートパッドGが各ゲート出力GOに接続されてもよい。
【0037】
図2は、一実施形態による、VMOSFETパワーデバイス210に結合されたドライバデバイス208を示す。ドライバデバイス208は、例えば、図1のドライバデバイス108に対応し、VMOSFETパワーデバイス210は、例えば、図1のトランジスタ110に対応する。
【0038】
ドライバデバイス208及びVMOSFETパワーデバイス210は、回路基板202に実装される。回路基板202は、電気絶縁材料(酸化ベリリウムBeOなど)からなる層を含むことができ、その層の表面に形成されたソースパッド204及びドレインパッド206を含む。ソースパッド204及びドレインパッド206は、銅(Cu)などの導電性材料から構成されてもよい。
【0039】
ドライバデバイス208は、ソースパッド204の上に設けられる。実施形態において、ドライバデバイス208の底面(図示せず)の第1の電源コンタクト(VSS用など)がソースパッド204に電気的に結合され得る。
【0040】
VMOSFETパワーデバイス210は、ドレインパッド206の上に設けられ、VMOSFETパワーデバイス210のドレインコンタクトがドレインパッド206に電気的に結合される。
【0041】
ドライバデバイス208の第1のゲート出力GO1は、例えば第1のボンドワイヤを用いてVMOSFETパワーデバイス210の第1のゲートパッドG1に電気的に接続され、ドライバデバイス208の対応する第1のケルビンソース接続KS1は、例えば第2のボンドワイヤを用いてVMOSFETパワーデバイス210の第1のソースパッドS1に電気的に接続される。また、VMOSFETパワーデバイス210の第1のソースパッドS1は、例えば第3のボンドワイヤを用いてソースパッド204に電気的に接続される。
【0042】
同様に、ドライバデバイス208の第2、第3、及び第4のゲート出力GO2、GO3、及びGO4はそれぞれ、それぞれのボンドワイヤを使用して、VMOSFETパワーデバイス210の第2、第3、及び第4のゲートパッドG2、G3、及びG4に電気的に接続され、ドライバデバイス208の対応する第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS2、KS3、及びKS4はそれぞれ、それぞれのボンドワイヤを使用して、VMOSFETパワーデバイス210の第2、第3、及び第4のソースパッドS2、S3、及びS4に電気的に接続される。VMOSFETパワーデバイス210の第2、第3、第4のソースパッドS2、S3、S4も、それぞれのボンドワイヤを用いてソースパッド204に電気的に接続される。
【0043】
一実施形態では、第1~第4のゲート出力GO1~GO4及び第1~第4のケルビンソース接続KS1~KS4は、ドライバデバイス208の第1~第4のサブドライバ回路に対応し得る。第1~第4のサブドライバ回路の入力は、図8に示すように、すべて入力信号に電気的に結合されてもよく、又は各サブドライバ回路がそれ自身の入力信号を有してもよい。
【0044】
第1のゲートパッドG1及び第1のソースパッドS1は、VMOSFETパワーデバイス210の第1のセルに対応し得る。同様に、第2のゲートパッドG2及び第2のソースパッドS2、第3のゲートパッドG3及び第3のソースパッドS4、ならびに第4のゲートパッドG4及び第4のソースパッドS4は、VMOSFETパワーデバイス210の第2、第3、及び第4のセルにそれぞれ対応し得る。
【0045】
ドライバデバイス208の第2の電源コンタクト(VDD用など)は、明瞭にするために図2には図示されていない。
【0046】
第1のピッチΦ1は、ドライバデバイス208の第1~第4のゲート出力GO1~GO4の間隔に対応し、ドライバデバイス208の第1~第4のケルビンソース接続KS1~KS4の間隔にも対応し得る。第2のピッチΦ2は、VMOSFETパワーデバイス210の第1~第4のゲートパッドG1~G4の間隔に対応し、VMOSFETパワーデバイス210の第1~第4のソースパッドS1~S4の間隔にも対応し得る。
【0047】
第1のピッチΦ1が第2のピッチΦ2と同一であるか又は実質的に同様である場合、ドライバデバイス208のゲート出力及びケルビンソースパッドと、VMOSFETパワーデバイス210のゲートパッド及びソースパッドとの間のそれぞれの接続は、互いに物理的に同様であり、したがって、互いに電気的に同様である。また、第1のピッチΦ1が第2のピッチΦ2と同一であるか又は実質的に同様であることで、接続を形成するボンドワイヤの長さを短くすることが容易になる場合がある。一実施形態において、「実質的に同様」とは、10%以内又は20%以内を意味し得る。別の実施形態では、「実質的に同様」とは、ドライバデバイス208のゲート出力のいずれも、それが接続されるVMOSFETパワーデバイス210のゲートパッドから、第2のピッチΦ2の分数(1/2など)以上ずれていないことを意味する場合がある。
【0048】
図3Aは、実施形態によるVMOSFETパワーデバイス310のレイアウトを示す。VMOSFETパワーデバイス310は、図1のトランジスタ110又は図2のMOSFETパワーデバイス210に対応し得る。実施形態において、VMOSFETパワーデバイス310は、4Hポリタイプ(4H-SiC)を有するSiCを用いて製造されたSiC-VMOSFETパワーデバイスである。
【0049】
4H-SiCを使用してデバイスを製造することにより、4H-SiCの高い熱伝導率(シリコンやGaNなどの他の半導体と比較して)と体積熱容量を活用することができる。例えば、4H-SiCはシリコンの2倍以上又は3倍以上の熱伝導率(結晶格子に対する熱流の向きに依存)を有し、体積熱容量はシリコンより30%高い可能性がある。したがって、4H-SiCを使用して製造されたデバイスは、同じ電力消費能力をもつシリコンデバイスよりも小型になる可能性がある。
【0050】
VMOSFETパワーデバイス310は、6行に配列された12個の活性領域を含み、隣接する行は互いにオフセットされている。第1の行は第1の左及び右活性領域312-11及び312-21を含み、第2の行は第2の左及び右活性領域312-12及び312-22を含み、第3の行は第3の左及び右活性領域312-13及び312-23を含み、第4の行は第4の左及び右活性領域312-14及び312-24を含み、第5の行は第5の左及び右活性領域312-15及び312-25を含み、第6の行は第6の左及び右活性領域312-16及び312-26を含む。
【0051】
一実施形態では、第1~第6の左活性領域312-11~312-16及び第1~第6の右活性領域312-21~312-26の外側のVMOSFETパワーデバイス310の領域(即ち、非活性領域)は、エピタキシャル半導体材料(例えば、軽くドープされたn型SiC)、絶縁材料(例えば、二酸化ケイ素(SiO))、又はそれらの組み合わせのみから構成される。別の実施形態では、非活性領域は、電力を消費しない、すなわち、熱を全く発生させないか、又はごくわずかな量の熱しか発生させない構造及びデバイスを含むこともできる。
【0052】
各活性領域は、例えばセルに相当し、ゲートパッド及び1つ以上のソースパッドを含んでもよい。第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左ゲートパッドG11、G12、G13、G14、G15、及びG16はそれぞれ、それぞれのオンダイ導体(図示せず)によって、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左活性領域312-11、312-12、312-13、312-14、312-15、及び312-16のセルのゲート電極に結合される。第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左ソースパッドS11、S12、S13、S14、S15、及びS16はそれぞれ、それぞれのオンダイ導体(図示せず)によって、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左活性領域312-11、312-12、312-13、312-14、312-15、及び312-16のセルのソース電極に結合される。第1~第6のゲートパッドG11~G16及び第1~第6のソースパッドS11~S16は、VMOSFETパワーデバイス310の活性領域に形成されるように図示されているが、実施形態はこれに限定されない。
【0053】
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右ゲートパッドG21、G22、G23、G24、G25、及びG26はそれぞれ、それぞれのオンダイ導体(図示せず)によって、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右活性領域312-21、312-22、312-23、312-24、312-25、及び312-26のセルのゲート電極に結合される。第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右ソースパッドS21、S22、S23、S24、S25、及びS26はそれぞれ、それぞれのオンダイ導体(図示せず)によって第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右活性領域312-21、312-22、312-23、312-24、312-25、及び312-26のセルのソース電極に結合される。第1~第6のゲートパッドG21~G26及び第1~第6のソースパッドS21~S26は、VMOSFETパワーデバイス310の活性領域に形成されるように図示されているが、実施形態はこれに限定されない。
【0054】
各活性領域は、例えば、行方向に沿った幅w1と、行方向に直交する高さh1とを有する。高さh1は幅w1の3倍以下とすることができる。
【0055】
本明細書に説明するいくつかの実施形態は、それぞれの活性領域に配置されたゲートパッド及びソースパッドを示しているが、実施形態はこれに限定されない。例えば、以下の図12Aに示すような、デバイスのエッジに沿って配置されたゲートパッド及びソースパッドを有する実施形態では、活性領域は、図3Aに示すようにデバイスに配置されてもよく、デバイスの配線は、活性領域の適切な電極をゲートパッド及びソースパッドに電気的に結合するために使用されてもよい。
【0056】
各行の活性領域は、間隔s1だけ横方向に離間していてもよい。隣接する行の活性領域は、1つの行の活性領域の横方向の中心と隣接する行の活性領域の横方向の中心との間で測定されるオフセットoff1だけ横方向に離間していてもよい。オフセットoff1は、幅w1と間隔s1の和の2分の1に等しくてもよい。
【0057】
隣接する行の活性領域のゲートパッドは、ゲートピッチΦ2Gに従って縦方向に間隔をあけて配置され得る。隣接する行の活性領域のソースパッドは、ソースピッチΦ2Sに従って縦方向に間隔をあけて配置されてもよい。一実施形態では、ゲートピッチΦ2GはソースピッチΦ2Sに等しい。図3Aは、ゲートピッチΦ2Gを右活性領域312-21~312-26についてのみ示し、ソースピッチΦ2Sを左活性領域312-11~312-16についてのみ示しているが、ゲートピッチΦ2Gは左活性領域312-11~312-16にも適用され、ソースピッチΦ2Sは右活性領域312-21~312-26にも適用される。
【0058】
一実施形態では、ゲートピッチΦ2G、ソースピッチΦ2S、又はその両方は、各活性領域の高さh1に等しい。このような実施形態では、隣接する行の間の縦方向の分離はゼロであってもよい。
【0059】
別の実施形態では、ゲートピッチΦ2G、ソースピッチΦ2S、又はその両方は、活性領域の各々の高さh1よりも大きい。このような実施形態では、隣接する行の間の縦方向の分離は、活性領域の各々の高さh1と、ゲートピッチΦ2G又はソースピッチΦ2Sとの間の差に等しくてもよい。
【0060】
別の実施形態では、ゲートピッチΦ2G、ソースピッチΦ2S、又はその両方は、活性領域の各々の高さh1よりも小さい。このような実施形態では、隣接する行の間の縦オーバーラップは、ゲートピッチΦ2G又はソースピッチΦ2Sと、活性領域の各々の高さh1との間の差に等しくてもよい。
【0061】
実施形態において、間隔s1は、幅w1よりも実質的に大きい。実施形態では、間隔s1は、幅w1の2倍から5倍の間とすることができる。このように活性領域を間隔をあけて配置することにより、VMOSFETパワーデバイス310の熱性能の向上が達成され得る。
【0062】
図3Bは、一実施形態によるVMOSFETパワーデバイス310の詳細を示し、VMOSFETパワーデバイス310のゲート電極及びソース電極を示している。
【0063】
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左活性領域312-11、312-12、312-13、312-14、312-15、及び312-16はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左ゲート電極312-11G、312-12G、312-13G、312-14G、312-15G、及び312-16Gと、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左ソース電極312-11S、312-12S、312-13S、312-15S、及び312-16Sとを含む。
【0064】
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右活性領域312-21、312-22、312-23、312-24、312-25、及び312-26はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右ゲート電極312-21G、312-22G、312-23G、312-24G、312-25G、及び312-26Gと、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右ソース電極312-21S、312-22S、312-23S、312-24S、312-25S、及び312-26Sとを含む。
【0065】
ゲート電極312-11G~312-26Gの各々は、対応する1つのソース電極312-11S~312-26Sの複数のフィンガーの間にそれぞれ配置された複数のフィンガーを含む。図示された実施形態において、第1~第6左ソース電極312-11S~312-16Sはそれぞれ対応する第1~第6左ゲート電極312-11G~312-16Gの左に配置され、第1~第6右ソース電極312-21S~312-26Sはそれぞれ対応する第1~第6右ゲート電極312-21G~312-26Gの右に配置されるが、実施形態はこれに限定されない。
【0066】
第1~第6の左ゲート電極312-11G~312-16Gは、それぞれ、図3Aの第1~第6の左ゲートパッドG11~G16に電気的に結合され得る。第1~第6の左ソース電極312-11S~312-16Sは、それぞれ図3Aの第1~第6の左ソースパッドS11~S16に電気的に結合されてもよい。第1~第6右ゲート電極312-21G~312-26Gは、それぞれ図3Aの第1~第6右ゲートパッドG21~G26に電気的に結合されてもよい。第1~第6右ソース電極312-21S~312-26Sは、それぞれ図3Aの第1~第6右ソースパッドS21~S26に電気的に結合されてもよい。
【0067】
図4Aは、別の実施形態によるVMOSFETパワーデバイス410のレイアウトを示す。VMOSFETパワーデバイス410は、図1のトランジスタ110に対応し得る。
【0068】
VMOSFETパワーデバイス410は、6行に配置された12個の活性領域を含む。第1の行は第1の左右活性領域412-11及び412-21を含み、第2の行は第2の左右活性領域412-12及び412-22を含み、第3の行は第3の左右活性領域412-13及び412-23を含み、第4の行は第4の左右活性領域412-14及び412-24を含み、第5の行は第5の左右活性領域412-15及び412-25を含み、第6の行は第6の左右活性領域412-16及び412-26を含む。
【0069】
第1、第2、第3、第4、第5、第6の左活性領域412-11、412-12、412-13、412-14、412-15、及び416-16はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左高電圧終端構造412-11T、412-12T、412-13T、412-14T、412-15T、及び416-16Tによって囲まれている。第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右活性領域412-21、412-22、412-23、412-24、412-25、及び416-26はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右高電圧終端構造412-21T、412-22T、412-23T、412-24T、412-25T、及び416-26Tによって囲まれている。各高電圧終端構造は、1つ以上のフローティングフィールドリング(FFR)、接合終端延長部(JTE)、ディープトレンチ、又はそれらの組み合わせを使用して形成することができる。本明細書で使用するディープトレンチとは、エピタキシー上部からデバイスのpウェル(例えば、図6A及び図6Bのpボディ524)の金属学的接合部よりも深くまで延びるトレンチのことである。例えば、pウェルの深さが0.8ミクロンのデバイスでは、0.9ミクロン以上の深さのトレンチがディープトレンチとなり得る。
【0070】
各活性領域は、セルに相当し、ゲートパッド及び1つ以上のソースパッドを含み得る。各活性領域は、行方向に直交する幅w1と、行方向に沿った高さh1とを有してもよい。高さh1は幅w1の2倍以上であってもよい。
【0071】
隣接する行の活性領域は、縦方向に(すなわち、行方向に直交する方向に)間隔s1だけ離間していてもよい。隣接する行の活性領域は、1つの行の活性領域の横エッジと隣接する行の活性領域の横エッジとから測定されるオフセットoff2だけ横方向に離間していてもよい。実施形態では、オフセットoff2はゼロであってもよい。
【0072】
各行の活性領域は、活性領域の隣接するエッジから測定される間隔s2だけ横方向に分離されてもよい。間隔s2は、各活性領域の幅w1よりも大きくすることができるが、各活性領域の高さh1よりは実質的に小さくすることができる。
【0073】
隣接する行の活性領域のゲートパッドは、ゲートピッチΦ2Gに従って縦方向に間隔をあけて配置され得る。隣接する行の活性領域のソースパッドは、ソースピッチΦ2Sに従って縦方向に間隔をあけて配置されてもよい。一実施形態では、ゲートピッチΦ2GはソースピッチΦ2Sに等しい。図4Aは、ゲートピッチΦ2Gを右活性領域412-21~412-26についてのみ示し、ソースピッチΦ2Sを左活性領域412-11~412-16についてのみ示しているが、ゲートピッチΦ2Gは左活性領域412-11~412-16にも適用され、ソースピッチΦ2Sは右活性領域412-21~412-26にも適用される。
【0074】
一実施形態では、ゲートピッチΦ2G、ソースピッチΦ2S、又はその両方は、幅w1と間隔s1の和に等しい。
【0075】
実施形態において、間隔s1は、図3Aに関して説明したように、幅w1よりも実質的に大きく、それに応じて、VMOSFETパワーデバイス410の熱性能が改善され得る。
【0076】
図3AのVMOSFETパワーデバイス310と図4AのVMOSFETパワーデバイス410とを比較すると、より低い活性領域のアスペクト比(すなわち、正方形に近い形状を有する活性領域)を有するVMOSFETパワーデバイス310の実施形態は、各活性領域の高電圧終端構造(接合部終端延長部(JTE)、フローティングフィールドリング(FFR)、トレンチ、又はそれらの組み合わせなど)からの寄生キャパシタンスがより低く、パッド接続からの寄生キャパシタンスがより低い可能性がある。一方、活性領域のアスペクト比が高い(すなわち、活性領域が「細い」)VMOSFETパワーデバイス410の実施形態は、熱拡散が改善されるため温度が低くなる可能性があるが、寄生キャパシタンスが高くなる。
【0077】
図3A及び図4Aには、それぞれの活性領域内に(通常はその上部に)配置された各活性領域のゲートパッド及びソースパッドが示されているが、実施形態はこれに限定されず、一実施形態では、ゲートパッド及びソースパッドは、それぞれの活性領域の外部に配置され、オンダイ配線を通じてそれぞれの領域に接続されてもよい。ただし、そのような実施形態では、ゲートパッド及びソースパッドとそれぞれの領域との間のオンダイ接続の長さを最小化することが、それらのオンダイ接続の抵抗、インダクタンス、及びキャパシタンスを低減するために有利である。したがって、実施形態に係るパワーデバイスにおけるゲートパッド及びソースパッドの配置は、ゲートパッド及びソースパッドの一部又は全部が活性領域の外側に配置されている場合であっても、パワーデバイス内の活性領域の配置に従って決定することができる。
【0078】
図4Bは、一実施形態によるVMOSFETパワーデバイス410の詳細を示し、VMOSFETパワーデバイス410のゲート電極及びソース電極を示している。
【0079】
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左活性領域412-11、412-12、412-13、412-14、412-15、及び412-16はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の左ゲート電極412-11G、412-12G、412-13G、412-14G、412-15G、及び412-16Gを含み、そして第1、第2、第3、第4、第5、第6の左ソース電極412-11S、412-12S、412-13S、412-15S、及び412-16Sを含む。
【0080】
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右活性領域412-21、412-22、412-23、412-24、412-25、及び412-26はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の右ゲート電極412-21G、412-22G、412-23G、412-24G、412-25G、及び412-26Gを含み、そして第1、第2、第3、第4、第5、第6の右ソース電極412-21S、412-22S、412-23S、412-24S、412-25S、及び412-26Sを含む。
【0081】
第1~第6の左ゲート電極412-11G~412-16Gはそれぞれ、図4Aの第1~第6の左ゲートパッドG11~G16に電気的に結合されてもよい。第1~第6左ソース電極412-11S~412-16Sはそれぞれ図4Aの第1~第6左ソースパッドS11~S16に電気的に結合されてもよい。第1~第6右ゲート電極412-21G~412-26Gはそれぞれ図4Aの第1~第6右ゲートパッドG21~G26に電気的に結合されてもよい。第1~第6右ソース電極412-21S~412-26Sはそれぞれ図4Aの第1~第6右ソースパッドS21~S26に電気的に結合されてもよい。
【0082】
ゲート電極412-11G~412-26Gの各々は、対応するソース電極412-11S~412-26Sの複数のフィンガーの間にそれぞれ配置された複数のフィンガーを含む。
【0083】
図3B及び図4Bに示された電極の見かけの寸法は、単に複数のフィンガーを含む電極を有するトランジスタの概念を示すためのものであり、縮尺通りではない。さらに、実施形態は、活性領域の図示されたアスペクト比に限定されない。関連技術のトランジスタにおいて、等価直列抵抗を低減するために、フィンガーは、本開示の実施形態と比較して相対的に短くされることがあり、その結果、細長い活性領域が生じる。本開示の実施形態では、活性領域は、関連技術のトランジスタの活性領域よりも小さい長さ対幅比を有することができる。
【0084】
図3A図4Bに示される実施形態では、間隔s1、間隔s2、幅w1、高さh1、オフセットoff1、オフセットoff2、そしてゲートピッチΦ2G及びソースピッチΦ2Sなどの示される寸法は、それぞれのデバイスにわたって一定として示されてもよいが、実施形態はこれに限定されない。
【0085】
図5図6A、及び図6Bは、実施形態による部分的に形成された半導体パワーデバイスの断面を示す。断面は、図3AのA-A’線に対応し得る。その図示及び説明は例示であり、その中の特徴の描写及び説明の順序は、それらの特徴がいくつかの実施形態において作成されるであろう順序であるとは限らない。図5図6A、及び図6Bは、電流が断面の上部から下部に流れる垂直型パワーデバイスを示しているが、実施形態はこれに限定されない。
【0086】
図5は、一実施形態による部分的に形成されたパワーデバイス510の簡略化された断面を示す。図示は、関連技術において公知の様々な方法で実施され得る終端構造などの多くの特徴を省略している。
【0087】
パワーデバイス510は、n型シリコンカーバイドの基板520から構成される。シリコンカーバイドは、4Hポリタイプを有することができる。軽度にドープされたn型4H-SiCのエピタキシャル層522が、基板520の上面に形成される。
【0088】
エピタキシャル層522には、第1及び第2の活性領域512A及び512Bが形成されている。各活性領域は、断面の方向に沿って幅w1を有し、断面に沿って隣接する活性領域(1つ以上)から間隔s1だけ離間している。
【0089】
図5に示す実施形態では、第1及び第2の活性領域512A及び512Bの各々は、垂直セルを構成するが、実施形態はこれに限定されない。
【0090】
図5に示す実施形態では、第1及び第2の活性領域512A及び512Bは同一であるが、実施形態はこれに限定されない。
【0091】
各活性領域の各垂直セルは、例えばアルミニウム(Al)の高温注入によって形成された一対のp型ボディ524を含む。 各活性領域のp型ボディは、例えば1.5ミクロンだけ互いに離れていてもよい。
【0092】
各p型ボディ524は、例えば、高濃度にドープされたn型ソース領域526と、そのn型ソース領域526に隣接して形成された高濃度にドープされたp型領域528とを取り囲む。
【0093】
図6Aは、一実施形態によるさらなる処理が施された図5のパワーデバイス510に対応するパワーデバイス610Aの断面を示す。
【0094】
活性領域512A及び512Bにおいて、ソース接続ビア632が、p型ボディ524のそれぞれの上に形成され、n型ソース領域526及びp型領域528の両方に電気的に接続されてもよい。例えば二酸化ケイ素のゲート酸化物636が、ソース接続ビア632の間に形成されてもよい。例えばドープされたポリシリコンを含むゲート電極634が、ゲート酸化物636中又はゲート酸化物636上に形成されてもよい。ソース接続ビア632はソースパッド(図示せず)に電気的に接続されてもよく、ゲート電極634はゲートパッド(図示せず)に電気的に接続されてもよい。
【0095】
活性領域512A及び512Bの外側の領域では、エピタキシャル層522及び実施形態では基板520の一部が、例えばドライエッチングによって除去されてもよく、酸化物層650が、活性領域512A及び512Bの間及びその上に形成されてもよい。活性領域512A及び512Bは、基板520の「メサ」上に残る、すなわち、非活性領域の基板520の部分に対して隆起している基板520の部分上にある。酸化物層は、例えば、プラズマ堆積又はポリシラザンなどのスピンコートされた前駆体の変換によって形成された二酸化ケイ素であってもよい。シリサイドと導電性金属スタックのドレインコンタクト660が、基板520の底面(下面)に形成される。実施形態では、ドレインコンタクト660の導電性金属は、銀又は金を含むことができる。
【0096】
図6Bは、別の実施形態によるさらなる処理後の、図5のパワーデバイス510に対応するパワーデバイス610Bの断面を示す。
【0097】
活性領域512A及び512Bでは、図6Aのパワーデバイス610Aについて説明したのと同じ構造が形成される。図6Aと同様に、銅などの導電性金属のドレインコンタクト660が、基板520の底面に形成される。
【0098】
活性領域512A及び512Bの外側の領域では、トレンチ648を形成するために、活性領域512A及び512Bに隣接するエピタキシャル層522の一部が除去される。実施形態では、トレンチ648を形成する一部として、基板520の上部も除去される。酸化物層650は、トレンチ648内及び活性領域512A及び512Bの外側に残るエピタキシャル層522の部分上に形成される。実施形態では、酸化物層650は、活性領域512A及び512Bの一部の上にも形成される。
【0099】
図6Aのパワーデバイス610A及び図6Bのパワーデバイス610Bの活性領域512A及び512Bに隣接する酸化物層650の深い部分は、活性領域512A及び512Bのセルに高電圧終端を提供するために(場合によっては、関連技術において既知の他の構造とともに)使用され得る。
【0100】
図6Aのパワーデバイス610A及び図6Bのパワーデバイス610Bの両方において、基板520は、活性領域512A及び512Bの外側に維持され、活性領域512A及び512Bの内側にある基板520の部分と連続している。したがって、活性領域512A及び512Bの内側にある基板520の部分によって運ばれる電流は、活性領域512A及び512Bの外側にある基板520の部分に広がり、パワーデバイスの直列抵抗を低減することができる。この効果は、基板520がSBDの直列抵抗に大きく寄与するため、パワーデバイスがショットキーバリアダイオードを含む場合に特に有益である。
【0101】
図7は、実施形態によるVMOSFETパワーデバイス710に対応する回路を示す。VMOSFETパワーデバイス710は、図1のトランジスタ110に対応し得る。
【0102】
VMOSFETパワーデバイス710は、MOSFETのゲートに接続されたゲートパッドG11及び該MOSFETのソースに接続されたソースパッドS11を有する第1の左活性領域710-11を含み、そして、MOSFETのゲートに接続されたゲートパッドG21及び該MOSFETのソースに接続されたソースパッドS21を有する第1の右活性領域710-21を含む。VMOSFETパワーデバイス710は、それぞれのゲートパッドG12及びG22とソースパッドS12及びS22を有する同様に構成された第2の左及び右活性領域710-12及び710-22、それぞれのゲートパッドG13及びG23とソースパッドS13及びS23を有する第3の左及び右活性領域710-13及び710-23、そして、それぞれのゲートパッドG14及びG24とソースパッドS14及びS24を有する第4の左及び右活性領域710-14及び710-24を、さらに含む。活性領域710-11~710-24のMOSFETのドレインは、実施形態では、図6A又は図6Bに図示されるVMOSFETパワーデバイス610A又は610Bの底部に形成されるドレインコンタクト660に対応し得るドレインコンタクトDPADに全て接続される。
【0103】
VMOSFETパワーデバイス710は、それぞれがセルに対応する8つの活性領域710-11~710-24を含むように図示され、各セルは、MOSFET及び対応するダイオードを含むように図示されるが、実施形態はこれに限定されない。
【0104】
図8は、一実施形態によるドライバデバイス808に対応する回路を示す図である。ドライバデバイス808は、図1のドライバデバイス108に対応し得る。
【0105】
ドライバデバイス808は、第1のサブドライバ回路8081、第2のサブドライバ回路8082、第3のサブドライバ回路8083、及び第4のサブドライバ回路8084を含む。第1、第2、第3及び第4のサブドライバ回路8081、8082、8083及び8084はそれぞれ、第1、第2、第3及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3及びGO4と、第1、第2、第3及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3及びKS4とを含む。第1、第2、第3及び第4のサブドライバ回路8081、8082、8083及び8084の入力は、すべて入力端子INに接続されている。
【0106】
ドライバデバイス808と付属のサブドライバ回路のパワー供給接続は、分かりやすくするために図示していない。
【0107】
図9Aは、一実施形態によるVMOSFETパワーデバイス910に結合された左及び右ドライバデバイス908A及び908Bを含む回路900の平面図を示す。左及び右ドライバデバイス908A及び908Bはそれぞれ、図8のドライバデバイス808について示されたものに対応する電気回路を含むことができ、合わせて図1のドライバデバイス108に対応することができる。VMOSFETパワーデバイス910は、図7のVMOSFETパワーデバイス710について示されたものに対応する電気回路を含んでもよく、図1のトランジスタ110に対応してもよい。
【0108】
VMOSFETパワーデバイス910の第1、第2、第3、及び第4の左活性領域910-11、910-12、910-13、及び910-14にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の左ゲートパッドG11、G12、G13、及びG14は、それぞれ、左ドライバデバイス908Aの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(例えば、ボンドワイヤによって)接続される。VMOSFETパワーデバイス910の第1、第2、第3及び第4の左活性領域910-11、910-12、910-13及び910-14にそれぞれ対応する第1、第2、第3及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13及びS14は、それぞれ、左ドライバデバイス908Aの第1、第2、第3及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3及びKS4に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。第1、第2、第3及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13及びS14はまた、ソースパッド904に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。
【0109】
VMOSFETパワーデバイス910の第1、第2、第3、及び第4の右活性領域910-21、910-22、910-23、及び910-24にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の右ゲートパッドG21、G22、G23、及びG24は、右ドライバデバイス908Bの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4にそれぞれ(たとえば、ボンドワイヤによって)接続される。VMOSFETパワーデバイス910の第1、第2、第3及び第4の右活性領域910-21、910-22、910-23及び910-24にそれぞれ対応する第1、第2、第3及び第4の右ソースパッドS21、S22、S23及びS24は、それぞれ、右ドライバデバイス908Bの第1、第2、第3及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3及びKS4に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。第1、第2、第3及び第4の左ソースパッドS21、S22、S23及びS24もまた、ソースパッド904に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。
【0110】
左及び右ドライバデバイス908A及び908Bの各々について、ケルビンソース接続KS1~KS4をVMOSFETパワーデバイス910の対応するソースコンタクトS11~S14及びS21~S24に接続するケルビンソース配線は、VMOSFETパワーデバイス910と左及び右ドライバデバイス908A及び908Bとの間にさらなるアイソレーションを提供する。そして、VMOSFETパワーデバイス910のゲート出力GO1~GO4とゲートコンタクトG11~G14及びG21~G24とケルビンソース配線との間の接続の近接は、VMOSFETパワーデバイス910のゲート上の過電圧及び不足電圧の抑制を助ける差動モード低インピーダンス(即ち、低インダクタンス)経路を形成する。VMOSFETパワーデバイス910のゲートは過電圧や不足電圧に弱いため、過電圧や不足電圧の抑制はMOSFETの信頼性を大幅に向上させる。VMOSFETパワーデバイス910のソースコンタクトS11~S14及びS21~S24を絶縁層902上に配置されたソースパッド904に接続するために太いボンドワイヤが使用され、VMOSFETパワーデバイス910のソースインダクタンスが低減される。分散ソースコンタクトS11~S14及びS21~S24は、改善されたパワー性能のために、VMOSFETパワーデバイス910の全体的なソースインダクタンスをさらに低減する。
【0111】
VMOSFETパワーデバイス910の底面のドレイン接続(図示せず)は、ドレインパッド906に電気的に接続されている。電源接続及び左右ドライバデバイス908A及び908Bの入力端子への接続は、わかりやすくするために図示していない。
【0112】
左及び右ドライバデバイス908A及び908Bの各ゲート出力GO1~GO4は、第1のピッチΦ1に従って縦方向に間隔を置いて位置する。左及び右ドライバデバイス908A及び908Bの各ケルビンソース接続KS1~KS4もまた、第1のピッチΦ1に従って縦方向に間隔を置いて配置され得る。
【0113】
VMOSFETパワーデバイス910の左ゲートパッドG11~G14は、第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を置いて配置される。右ゲートパッドG21~G24もまた、第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を置いて配置される。また、左ソースパッドS11~S14も第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔をあけて配置され、右ソースパッドS21~S24も第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔をあけて配置され得る。
【0114】
第1のピッチΦ1は、第2のピッチΦ2と同一又はほぼ同じであってよい。例えば、実施形態では、第1のピッチΦ1は、第2のピッチΦ2の10%以内であってもよい。別の実施形態では、第1のピッチΦ1に従って縦方向に間隔をあけて配置されたN個のゲート出力を有するドライバデバイスの最上位ゲート出力と最下位ゲート出力との間の距離、(N-1)Φ1は、第2のピッチΦ2のN-2倍以上であり、第2のピッチΦ2のN倍以下であってよい。すなわち、式1。
[式1]
そのため、ドライバデバイス908A及び908BとVMOSFETパワーデバイス910とは、すべてのゲート出力が対応するゲートパッドから第2のピッチΦ2の2分の1を超えない範囲で縦方向に変位するように配置され得る。より一般的に言えば、ゲート出力と対応するゲートパッドとの間の最大許容縦変位が、第2のピッチΦ2の分数kとして表される一実施形態において、kが0より大きいと、第1のピッチΦ1が満たされる。
[式2]
【0115】
第1のピッチΦ1は第2のピッチΦ2と同じか近いので、左右ドライバデバイス908A及び908BのサブドライバをVMOSFETパワーデバイス910のそれぞれの活性領域に接続するボンドワイヤのそれぞれの長さ間のばらつきが低減される可能性があり、これらのボンドワイヤのうち最も長いものの長さを短くすることができる。そして、それに応じて、寄生インダクタンスが低減され、及び/又は、それぞれの活性領域についてより類似したものにされ得る。
【0116】
図9Bは、一実施形態による、図9Aに示されたVMOSFETパワーデバイス910に結合された左及び右ドライバデバイス908A及び908Bを含む回路の断面を示す。
【0117】
左及び右ドライバデバイス908A及び908Bは、ソースパッド904の上に実装され、VMOSFETパワーデバイス910は、ドレインパッド906の上に実装される。ソースパッド904及びドレインパッド906は、電気絶縁層(Insulation Substrate)902上に配置される。図示の実施形態では、電気絶縁層902は、熱伝導率の高い酸化ベリリウム(BeO)からなるが、実施形態はこれに限定されない。
【0118】
電気絶縁層902は、高い電気伝導性及び熱伝導性を有するベースプレート(Base Plate)901上に配置することができる。図示の実施形態では、ベースプレート901は銅(Cu)からなるが、実施形態はこれに限定されない。
【0119】
以上により、複数のゲート出力を有するドライバデバイスと、それぞれが独自のゲートパッドを有する複数の活性領域で構成されるMOSFETとを含む回路において、実施形態は、ゲートパッドのピッチに応じてゲート出力のピッチを決定することによって、又は、ゲート出力のピッチに応じてゲートパッドのピッチを決定することによって、ゲート出力とゲートパッドとの間の接続の寄生インダクタンスを最小化し、それらの寄生インダクタンスの変動を最小化することができる。同様に、実施形態では、ケルビンソース接続とソースパッドとの間の接続の寄生インダクタンスを最小化し、それらの寄生インダクタンスの変動を最小化するために、ドライバデバイスのケルビンソース接続のピッチを、MOSFETのソースパッドのピッチに応じて、又はその逆に応じて決定することができる。
【0120】
図10は、別の実施形態によるドライバデバイス1008に対応する回路を示す。ドライバデバイス1008は、図1のドライバデバイス108に対応し得る。ドライバデバイス1008は、図11を参照して説明されるように、そのゲート出力GO1及びGO2の各々からマルチゲートパワートランジスタの2つのゲートパッドを駆動するように構成され得る。
【0121】
ドライバデバイス1008は、第1及び第2のゲート出力GO1及びGO2を有する第1及び第2のサブドライバ1081及び1082をそれぞれ含む。第1のサブドライバ1081は、第1及び第2のケルビンソース接続KS1A及びKS1Bを有し、第2のサブドライバ1082は、第3及び第4のケルビンソース接続KS2A及びKS2Bを有する。第1及び第2のサブドライバ1081及び1082の入力は、共通に入力端子INに結合される。
【0122】
図11は、別の実施形態によるVMOSFETパワーデバイス1110に結合された、図10に示すような左右ドライバデバイス1108A及び1108Bを含む回路1100の平面図を示す。
【0123】
回路1100では、VMOSFETパワーデバイス1110のゲートパッドのペアは、ドライバデバイス1108A及び1108Bのそれぞれのゲート出力に接続されるが、VMOSFETパワーデバイス1110のすべてのソースパッドは、ドライバデバイス1108A及び1108Bのどちらかに対応するケルビンソース接続を有する。
【0124】
回路1100は、第1、第2、第3、及び第4の左活性領域1110-11、1110-12、1110-13、及び1110-14と、第1、第2、第3、及び第4の右活性領域1110-21、1110-22、1110-23、及び1110-24とのレイアウト、そして、左及び右ドライバデバイス1108A及び1108Bの各ゲート出力がVMOSFETパワーデバイス1110の2つのゲートパッドに結合される点で、図9の回路900とは異なる。ゲート出力とケルビンソース接続は、ゲート出力とケルビンソース接続との間の接続のために、短く一貫したボンドワイヤの長さと形状を生成するように、第1のピッチΦ1に従って縦に配置される。
【0125】
したがって、合計N個のゲート出力がある場合、最大2倍(2N個)のゲートパッドが存在し、第1のピッチΦ1は第2のピッチΦ2の2倍に等しいか近い。ゲート出力と対応するゲートパッドとの間の最大許容縦変位が第2のピッチΦ2の分数kとして表される一実施形態では、第1ピッチΦ1は次の式3を満たす。
[式3]
【0126】
このように第1のピッチΦ1が第2のピッチΦ2に対応することにより、回路1100は、左右ドライバデバイス1108A及び1108BとVMOSFETパワーデバイス1110との間の接続に、短くて一貫したボンドワイヤの長さと形状を提供する。これにより、ボンドワイヤの寄生インダクタンスとボンドワイヤ間の寄生インダクタンスのばらつきの両方が最小化される傾向にある。
【0127】
複数のソースコンタクト、複数のゲートコンタクト、整合された接続トポロジー、及び回路1100と図9A及び図9Bの回路900との間で共通する他の特徴は、上記の回路900について説明したような、回路1100の改善された動作特性を提供することができる。
【0128】
図12Aは、一実施形態による、第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208BとVMOSFETパワーデバイス1210とを含む回路1212の平面図を示す。回路1212は、ソースパッド1204及びドレインパッド1206をさらに含む。
【0129】
第1のドライバデバイス1208A及び第2のドライバデバイス1208Bはそれぞれ、図8のドライバデバイス808について示されたものに対応する電気回路を含んでもよく、合わせて図1のドライバデバイス108に対応してもよい。VMOSFETパワーデバイス1210は、図7のVMOSFETパワーデバイス710について示されたものに対応する電気回路を含んでもよく、図1のトランジスタ110に対応してもよい。
【0130】
回路1212は、ストリップライン、リボンボンディング等(例えば、ポリイミド上に堆積されたフォトリソグラフィ形成銅導体)が、第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208BをVMOSFETパワーデバイス1210に接続し、VMOSFETパワーデバイス1210をソースパッド1204に接続するために使用される点で、図9Aの回路900とは異なる。
【0131】
したがって、VMOSFETパワーデバイス1210の第1、第2、第3、及び第4の左ゲートパッドG11、G12、G13、及びG14はそれぞれ、第1のドライバデバイス1208Aの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(それぞれのストリップライン又はトレースによって)接続される。第1、第2、第3、及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13、及びS14はそれぞれ、第1のドライバデバイス1208Aの第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4に(それぞれのストリップライン又はトレースによって)電気的に接続され(例えば、第4の左ソースパッドS14を第2のドライバデバイス1208Bの第4のケルビンソース接続KS4に接続する左ケルビン接続ストリップライン1222A)、そして、別々のそれぞれのストリップライン又はトレースによってソースパッド1204に接続される(例えば、第4の左ソースパッドS14をソースパッド1204に接続する左ソースパッドストリップライン1224A)。
【0132】
VMOSFETパワーデバイス1210の第1、第2、第3、及び第4の右ゲートパッドG21、G22、G23、及びG24はそれぞれ、第2のドライバデバイス1208Bの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(それぞれのストリップライン又はトレースによって)接続される。VMOSFETパワーデバイス1210の第1、第2、第3、及び第4の右ソースパッドS21、S22、S23、及びS24はそれぞれ、それぞれのストリップライン又はトレースによって、第2のドライバデバイス1208Bの第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4に電気的に接続され(例えば、第4の右ソースパッドS24を第2のドライバデバイス1208Bの第4のケルビンソース接続KS4に接続する右ケルビン接続ストリップライン1222B)、そして、別々のそれぞれのストリップライン又はトレースによってソースパッド1204に接続される(例えば、第4の右ソースパッドS24をソースパッド1204に接続する右ソースパッドストリップライン1224B)。
【0133】
VMOSFETパワーデバイス1210の底面のドレイン接続(図示せず)は、ドレインパッド1206に電気的に接続される。電源接続及び第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bの入力端子への接続は、明瞭にするために図示されていない。
【0134】
第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bの各々のゲート出力GO1~GO4は、第1のピッチΦ1に従って縦方向に間隔を置いて配置される。第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bの各々のケルビンソース接続KS0~KS4もまた、第1のピッチΦ1に従って縦方向に間隔を置いて配置され得る。
【0135】
VMOSFETパワーデバイス1210の左ゲートパッドG11~G14は、第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を置いて配置される。右ゲートパッドG21~G24もまた、第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を置いて配置される。左ソースパッドS11~S14も第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を空けて配置され、右ソースパッドS21~S24も第2のピッチΦ2に従って縦方向に間隔を置いて配置され得る。
【0136】
第1のピッチΦ1は、図9Aに関して説明したように、第2のピッチΦ2に関連してもよく、それに応じて、図9Aに関して説明したように、第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208BとVMOSFETパワーデバイス1210との間の接続の寄生インダクタンスの大きさ及び変動の有利な低減が実現され得る。
【0137】
図12Bは、一実施形態による、図12Aに示すVMOSFETパワーデバイス1210に結合された第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bの断面を示す。
【0138】
第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bは、ソースパッド1204の上に実装され、VMOSFETパワーデバイス1210は、ドレインパッド1206の上に実装される。ソースパッド1204及びドレインパッド1206は、電気絶縁層1202上に配置される。図示の実施形態では、電気絶縁層1202は、高い熱伝導率を有する酸化ベリリウムからなるが、実施形態はこれに限定されない。
【0139】
電気絶縁層1202は、高い電気伝導性及び熱伝導性を有するベースプレート1201上に配置され得る。図示の実施形態では、ベースプレート1201は銅からなるが、実施形態はこれに限定されない。
【0140】
ストリップライン又はトレース及びビアは、図12Aに関して説明したように、第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208B、VMOSFETパワーデバイス1210、及びソースパッド1204を電気的に接続するように形成されてもよい。ポリイミドなどの絶縁層(図示せず)が、ストリップライン又はトレースを支持してもよい。ストリップライン又はリボンボンディングは、第1及び第2のドライバデバイス1208A及び1208Bの整合パッドをVMOSFETパワーデバイス1210の対応パッドに接続するために使用されてもよい。
【0141】
回路1212と図9A及び図9Bの回路900との間で共通する複数のソースコンタクト、複数のゲートコンタクト、整合接続トポロジー、及び他の特徴は、上記の回路900について説明されたような回路1212の改善された動作特性を提供し得る。
【0142】
図13は、一実施形態による、VMOSFETパワーデバイス1310及び対応するドライバデバイス1308を含む回路1300を示す。
【0143】
VMOSFETパワーデバイス1310は、4つの活性領域を含む。VMOSFETパワーデバイス1310内で、VMOSFETパワーデバイス1310の第1、第2、第3、及び第4のゲートパッドG1、G2、G3、及びG4は、第1~第4の活性領域(図示せず)のそれぞれのゲート電極に電気的に結合される。第1、第2、第3、及び第4の上側ソースパッドS1-1、S2-1、S3-1、及びS4-1は、第1~第4の活性領域(図示せず)のそれぞれの上側ソース電極に電気的に結合され、第1、第2、第3、及び第4の下側ソースパッドS1-2、S2-2、S3-2、及びS4-2は、第1~第4の活性領域(図示せず)のそれぞれの下側ソース電極に電気的に結合される。
【0144】
ドライバデバイス1308は、図10のドライバデバイス1008と同様の回路を含むが、それぞれがゲート出力と2つのケルビンソース接続を有する4つのサブドライバ回路を有する。第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4は、第1、第2、第3、及び第4のサブドライバ回路それぞれのゲート出力に対応する。第1、第2、第3、及び第4の上側ケルビンソース接続KS1-1、KS2-1、KS3-1、及びKS4-1は、第1、第2、第3、及び第4のサブドライバ回路それぞれの第1のケルビンソース接続に対応する。第1、第2、第3、及び第4の下側ケルビンソース接続KS1-2、KS2-2、KS3-2、及びKS4-2は、第1、第2、第3、及び第4のサブドライバ回路それぞれの第2のケルビンソース接続に対応する。
【0145】
VMOSFETパワーデバイス1310の第1~第4のゲートパッドG1~G4は、ドライバデバイス1308の第1~第4のゲート出力GO1~GO4に電気的に接続される。VMOSFETパワーデバイス1310の第1~第4の上側ソースパッドS1-1~S4-1は、ドライバデバイス1308の第1~第4の上側ケルビンソース接続KS1-1~KS4-1に電気的に接続される。VMOSFETパワーデバイス1310の第1~第4の下側ソースパッドS1-2~S4-2は、ドライバデバイス1308の第1~第4の下側ケルビンソース接続KS1-2~KS4-2に電気的に接続される。図示の実施形態では、電気的接続はボンドワイヤを用いて行われるが、実施形態はこれに限定されない。
【0146】
第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4は、第1のピッチΦ1だけ離間している。第1、第2、第3及び第4のゲートパッドG1、G2、G3及びG4は、第2のピッチΦ2だけ離間している。第1のピッチΦ1は、例えば、図9Aに関して説明されるように、第2のピッチΦ2に関連し、それに応じて、図9Aに関して説明されるように、ドライバデバイス1308とVMOSFETパワーデバイス1310との間の接続の寄生インダクタンスの大きさ及び変動の有利な低減が実現され得る。
【0147】
上側及び下側ソースケルビンソース接続は、第3のピッチΦ3によってそれぞれのゲート出力から分離されてもよい。上側ソースパッドと下側ソースパッドは、第4のピッチΦ4によってそれぞれのゲートパッドから分離されてもよい。
【0148】
一実施形態では、第3のピッチΦ3は、第4のピッチΦ4と実質的に等しくてもよいので、ドライバデバイス1308のケルビンソース接続とVMOSFETパワーデバイス1310のそれぞれのソースパッドとの間のソースボンドワイヤは、ゲート出力とそれぞれのゲートパッドとの間のゲートボンドワイヤと実質的に同じ長さに保たれ得る。
【0149】
一実施形態では、第3のピッチΦ3及び第4のピッチΦ4は、ソースボンドワイヤの経路とゲートボンドワイヤの経路との間のずれ角度α(ここで、ずれ角度αが0であることは、ソースボンドワイヤがゲートボンドワイヤと平行に走ることを示す)が所定量未満であるように選択される。例えば、第3ピッチΦ3と第4ピッチΦ4は、ずれ角度αが15度未満になるように選択される。
【0150】
上述のように第1、第2、第3、及び第4のピッチΦ1、Φ2、Φ3、及びΦ4を決定することによって、図9Aに関して説明したように、ドライバデバイス1308とVMOSFETパワーデバイス1310との間の接続の寄生インダクタンスの大きさ及び変動の有利な低減が実現され得る。
【0151】
図14Aは、一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスの表面温度マップを示す図であり、VMOSFETパワーデバイスは、図3Aに示すものと同様の活性領域の分布を有する(ただし、活性領域の行が6行多い)。図14Bは、VMOSFETパワーデバイスの断面温度マップを示す図である。
【0152】
図14A及び図14Bに見られるように、VMOSFETパワーデバイスのダイ底部(Die Bottom)の温度は実質的に均一である。これにより、VMOSFETパワーデバイスが搭載される酸化ベリリウム(BeO)と銅(Cu)のヘッダーの熱伝達特性を十分に利用することができる。
【0153】
図15は、一実施形態による活性領域レイアウトを有する垂直型デバイス(VMOSFET又は垂直型ショットキーバリアダイオードなど)の基板から垂直型デバイスの比直列抵抗RS,SPへの寄与のグラフである。活性領域間の間隔S1(例えば、図3Aの間隔s1に対応する)に応じて、活性領域の3つの幅W1(例えば、図3Aの幅w1に対応する)に対するプロットが示されている。
【0154】
図15に示すように、比直列抵抗RS,SPは、活性領域間の間隔S1が大きくなるにつれて減少する。この減少は、非活性領域の下にあるデバイスの基板の部分における電流の広がりによって引き起こされ、デバイスのオン状態の抵抗の減少に対応する。
【0155】
間隔S1の増加に伴う比直列抵抗RS,SPの減少は、活性領域の幅W1が小さいほど、すなわち活性領域が狭いほど顕著である。基板が垂直型ショットキーバリアダイオードの全オン抵抗の最大80%を占めることがあるため、基板におけるこの電流拡散の垂直型ショットキーバリアダイオードのオン抵抗への影響は特に顕著であると考えられる。
【0156】
ワイヤボンドを使用して、又はストリップラインを使用して、1つ以上のデバイスドライバのゲート出力及びケルビンソース接続に接続されたそれぞれのゲートコンタクト及びソースコンタクトを有する複数の活性領域をそれぞれ有するパワーデバイスが提供された例示的な実施形態を示してきたが、実施形態はこれに限定されない。例えば、実施形態では、パワーデバイスのゲート接点及びソース接点は、ワイヤボンド、ストリップライン、フリップチップ技術、スルーシリコンビア、又はそれらの組み合わせを使用して、1つ以上のドライバデバイスの対応するゲート接点及びケルビンソース接点に接続することができる。
【0157】
本開示の態様を、例示として提示された特定の実施形態と併せて説明してきた。開示された実施形態に対する多数の代替、修正、及び変形が、特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。本明細書に開示された実施形態は、限定することを意図するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】