IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダータン ゴーハイ インテリジェント アンド コネクティッド テクノロジー (チョンチン) カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図1
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図2
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図3
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図4
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図5
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図6
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図7
  • 特表-同期方法、装置及び端末 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】同期方法、装置及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240705BHJP
   H04W 76/25 20180101ALI20240705BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20240705BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W76/25
H04W88/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501897
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2022100099
(87)【国際公開番号】W WO2023284497
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110800778.0
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322001587
【氏名又は名称】中信科智聯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CICT Connected and Intelligent Technologies Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Office 505, 5th Floor, Building 2, No. 299, Scientific Research Avenue, Zengjia Town, High-tech Industrial Development Zone, Jiulongpo District, Chongqing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
(72)【発明者】
【氏名】周 海軍
(72)【発明者】
【氏名】房 家奕
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD25
5K067EE25
5K067HH21
(57)【要約】
本開示は、車両インターネット技術分野に関する同期方法、装置及び端末を開示した。該方法は、第1端末に適用され、該方法は、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することと、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることと、を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末に適用する同期方法であって、
前記方法は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることと、を含む、同期方法。
【請求項2】
少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することは、
物理サイドリンク共有チャンネルPSSCHによって搬送される前記第1同期シグナリングを受信することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに、
物理サイドリンク制御チャンネルPSCCHによって搬送される第1指示情報を受信することを含み、
前記第1指示情報は、前記PSSCHが前記第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることは、
前記第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力が第1閾値以上である場合、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えることを含む
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態にある場合、少なくとも1つの第3端末が送信する、物理サイドリンクブロードキャストチャンネルPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替え、又は前記脱同期状態を維持することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、前記第1端末の同期レベルの第1部分を第1数値として決定することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、さらに、
前記第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分を第2数値として決定すること、
及び/又は、
前記第1端末の同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値がnである場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分をn+1として決定すること、を含み、
ここで、n≧0且つnが整数である
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信することと、
前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含み、
ここで、少なくとも1つの前記PSSCHの受信電力は第2閾値以上である
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1同期シグナリングは、
同期レベルの第1部分と、
同期レベルの第2部分と、
サイドリンク無線フレーム番号と、
サイドリンクサブフレーム番号と、
世界協調時間UTCと、
基準時間に対する、第1同期シグナリングを送信する端末のタイミングオフセットである第1タイミングオフセット値と、
第1同期シグナリングを送信する端末の識別子IDと、
第1同期シグナリングを送信する端末とその同期ソースとの同期期間の調整量である第1タイミング調整値と、
第1同期シグナリングを送信する端末と他の端末との間のタイミングオフセットである第2タイミングオフセット値、及び、前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDと、のうちの少なくとも1つを含む
請求項1又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することと、
前記実際タイミング偏差に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することは、
以下の式(1)によって、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差を算出することを含み、
【数1】
ここで、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Tayxは、前記第2タイミングオフセット値であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値でありTdは、前記第2タイミング調整値であり、Tdは、前記第1タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングにおける前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値を取得することと、
前記第3タイミングオフセット値、前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値に基づいて、基準時間に対する前記第1端末のオフセット値を決定することと、
基準時間に対する前記第1端末のオフセット値に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、第1条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替えることを含み、
ここで、前記第1条件は、
第1時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第2時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第3時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第3閾値以上であることと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が第1同期状態又は第2同期状態にある場合、第4時間内にGNSS信号を受信せず、第5時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信せず、第6時間内にPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、前記第1端末は、脱同期状態に切り替えることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態又は前記第1同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えること、
又は、前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期すること、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
端末であって、
前記端末は、第1端末であり、
送受信機、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する場合、請求項1から15のいずれか1項に記載の同期方法を実現する、端末。
【請求項17】
第1端末に適用する同期装置であって、
前記同期装置は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信するように構成される第1受信モジュールと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えるように構成される第1同期モジュールと、を含む、同期装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1から15のいずれか1項に記載の同期方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年7月15日に中国に提出された出願番号が202110800778.0である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、車両インターネット技術分野に関し、特に同期方法、装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
車両が都市峡谷、立交橋、高架橋、地下駐車場、トンネルなどの複雑な環境にある場合、衛星信号を受信できず、衛星信号による時間同期ができない可能性がある。一方、車両インターネット機器の内部時計は、精度が低く、高精度な時間同期の要求を長時間満たすことができない。関連技術では、相関標準に準拠した実行や実施可能なサイドリンク同期信号の方法がない。同時に、車両インターネットの分散型アーキテクチャでは、大量の端末間の同期協同が困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術における車両インターネットの分散型アーキテクチャで車両インターネット端末間の同期協同が困難となるという問題を解決するために、同期方法、装置及び端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、本開示の実施例は、第1端末に適用する同期方法を提供し、前記方法は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることと、を含む。
【0006】
選択可能に、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することは、
物理サイドリンク共有チャンネルPSSCHによって搬送される前記第1同期シグナリングを受信することを含む。
【0007】
選択可能に、前記方法は、さらに、
物理サイドリンク制御チャンネルPSCCHによって搬送される第1指示情報を受信することを含み、前記第1指示情報は、前記PSSCHが前記第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる。
【0008】
選択可能に、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることは、
前記第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力が第1閾値以上である場合、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えることを含む。
【0009】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態にある場合、少なくとも1つの第3端末が送信する、物理サイドリンクブロードキャストチャンネルPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替え、又は前記脱同期状態を維持することを含む。
【0010】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、前記第1端末の同期レベルの第1部分を第1数値として決定することを含む。
【0011】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分を第2数値として決定すること、
及び/又は、
前記第1端末の同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値がnである場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分をn+1として決定すること、を含み、
ここで、n≧0且つnが整数である。
【0012】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信することと、
前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含み、
ここで、少なくとも1つの前記PSSCHの受信電力は第2閾値以上である。
【0013】
選択可能に、前記第1同期シグナリングは、
同期レベルの第1部分と、
同期レベルの第2部分と、
サイドリンク無線フレーム番号と、
サイドリンクサブフレーム番号と、
世界協調時間と、
基準時間に対する、第1同期シグナリングを送信する端末のタイミングオフセットである第1タイミングオフセット値と、
第1同期シグナリングを送信する端末の識別子(Identity Document、ID)と、
第1同期シグナリングを送信する端末とその同期ソースとの同期期間の調整量である第1タイミング調整値と、
第1同期シグナリングを送信する端末と他の端末との間のタイミングオフセットである第2タイミングオフセット値、及び、前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0014】
選択可能に、前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することと、
前記実際タイミング偏差に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む。
【0015】
選択可能に、前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することは、
以下の式(1)によって、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差を算出することを含み、
【数1】
ここで、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Tayx、前記第2タイミングオフセット値であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値でありTdは、前記第2タイミング調整値であり、Tdは、前記第1タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である。
【0016】
選択可能に、前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングにおける前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値を取得することと、
前記第3タイミングオフセット値、前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値に基づいて、基準時間に対する前記第1端末のオフセット値を決定することと、
基準時間に対する前記第1端末のオフセット値に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む。
【0017】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、第1条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替えることを含み、
ここで、前記第1条件は、
第1時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第2時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第3時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第3閾値以上であることと、を含む。
【0018】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が第1同期状態又は第2同期状態にある場合、第4時間内にGNSS信号を受信せず、第5時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信せず、第6時間内にPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、前記第1端末は、脱同期状態に切り替えることを含む。
【0019】
選択可能に、前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態又は前記第1同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えること、
又は、前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期すること、を含む。
【0020】
第2態様では、本開示の実施例は、さらに、端末を提供し、前記端末は、第1端末であり、送受信機、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する場合、第1態様に記載の同期方法を実現する。
【0021】
第3態様では、本開示の実施例は、さらに、第1端末に適用する同期装置を提供し、
前記同期装置は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信するように構成される第1受信モジュールと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えるように構成される第1同期モジュールと、を含む。
【0022】
第4態様では、本開示の実施例は、さらに、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、第1態様に記載の同期方法を実現する。
【発明の効果】
【0023】
本開示の上記技術的解決手段は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本開示の実施例に係る同期方法によれば、まず、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信し、続いて、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替え、このように、受信した第1同期シグナリングに基づく第1端末の同期操作により、第1端末が第1同期状態から第2同期状態に切り替えることを実現し、車両インターネットの分散型アーキテクチャでの車両インターネット端末間の同期協同が困難である問題を解決できるだけでなく、第1端末の同期精度を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の実施例に係る同期方法のフロー概略図である。
図2】本開示の実施例の同期シグナリングを送信する間隙内でのタイミング調整による調整の概略図である。
図3】本開示の実施例の同期シグナリングの送信の概略図である。
図4】本開示の実施例の第1端末の脱同期状態、第1同期状態及び第2同期状態の間の切り替えの概略図である。
図5】本開示の実施例に係る同期方法を適用する第1シーンの概略図である。
図6】本開示の実施例に係る同期方法を適用する第2シーンの概略図である。
図7】本開示の実施例の同期装置の構造概略図である。
図8】本開示の実施例の端末の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示が解決しようとする技術的問題、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下は図面及び具体的な実施例を参照して詳細に説明する。以下の説明において、具体的な構成や構成要素等の詳細は、本開示の理解を容易にするために記載されたものである。したがって、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態の様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。なお、既知の機能や構成については、明確かつ簡潔にするために省略する。
【0026】
明細書全体を通して「1つの実施例」又は「一実施例」への言及は、その実施例に関連する特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味することを理解されたい。したがって、本明細書全体の様々な場所で出現する「1つの実施例において」又は「一実施例において」は、必ずしも同じ実施例であるとは限らない。さらに、これらの特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0027】
本開示の様々な実施形態において、以下の各プロセスの番号大小は、実行の順序を意味するものではなく、各プロセスの実行順序は、その機能及び内部ロジックによって決定されるべきであり、本開示の実施形態の実施プロセスに対して任意の限定を構成しない。
【0028】
本開示の実施例において、「Aに対応するB」は、BがAに関連することを示し、Aに基づいてBを決定することができることが理解される。また、Aに基づいてBを決定することは、Aのみに基づいてBを決定することを意味せず、A及び/又は他の情報に基づいてBを決定することもできることが理解される。
【0029】
本開示の実施例を説明するとき、まず、以下の説明に用いられる概念を解釈して説明する。
【0030】
高精度の時間同期は、車両インターネットの重要な技術の1つであり、車両の走行中の安全に関わるだけでなく、他の交通参加者の安全と各種の車両インターネットのアプリケーションの発展にも影響を与える。車両インターネット機器の主な同期ソースは、グローバルナビゲーション衛星システム(Global Navigation Satellite System、GNSS)、第5世代移動通信技術(5th Generation Mobile Communication Technology、5G)基地局(generation NodeB、gNB)/進化中の基地局(evloved NodeB、eNB)、他の車両インターネット機器及び機器の内部時計を含む。しかしながら、車両が都市峡谷、立交橋、高架橋、地下駐車場、トンネルなどの複雑な環境にある場合、衛星信号を受信できず、衛星信号による時間同期ができない可能性がある。一方、車両インターネット機器の内部時計は、精度が低く、高精度な時間同期の要求を長時間満たすことができない。そのため、同期していない車両インターネット機器は、他の同期した車両インターネット機器を通じて時間同期信号を取得する必要がある。また、現在、車両インターネットは主に直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)変調技術を用いて通信を行っており、OFDMシステムは一般的に正確な時間同期を要求してキャリア間の直交性を維持している。
【0031】
現在、第3世代パートナーシップ計画(3rd Generation Partnership Project、3GPP(登録商標))で定義されている同期方式には、主に、1)時間と周波数で同期するために使用されるサイドリンク同期信号(Sidelink Synchronization Signal、SLSS)、及び、2)他の情報を提供するために使用されるサイドリンクマスター情報ブロック(Master Information Block SL、MIB-SL)の2種同期信号がある。SLSSについては、プライマリ同期信号(Primary Sidelink Synchronization Signal、PSSS)及びセカンダリリンク同期信号(Secondary Sidelink Synchronization Signal、SSSS)がある。
【0032】
MIB-SLは、物理サイドリンクブロードキャストチャンネル(Physical Sidelink Broadcast Channel、PSBCH)を介して伝送され、且つ以下の情報、即ち:同期信号送信機器がセルのカバー範囲内にあるかどうかを指示するためのinCoverage標識、カバー範囲に接続されている場合での対応するフレーム番号及びサブフレーム番号であるdirectFrameNumber及びdirectSubFrameNumberを付帯する。ユーザ機器(User Equipment、UE、端末とも呼ばれる)は、SLSS及びMIB-SLを送信する際に、パラメータを選択して対応するサブフレームを決定しなければならない。リソースプールにおける業務送信のためのサブフレームの処理を容易にするために、システムフレーム番号(System Frame Number、SFN)に基づいて決定された物理サブフレームを、同期ビットビットマップ(bitmap)の形で論理サブフレームにマッピングし、そして、物理サブフレームから以下の1)~3)の3種サブフレームを排除して論理サブフレームを取得する必要がある。
【0033】
1)PC5ポートとUuポート(PC5ポートとUuポートは、いずれも通信インターフェースである)が時分割多重(Time Division Duplex、TDD)キャリアを共有する場合、全てのダウンリンクリンク(Downlink、DL)サブフレーム及び特殊サブフレームである。2)SLSSとPSBCHを送信するための同期サブフレームである(同期周期はプロトコルで160msと定められている)。3)予約サブフレームである。
【0034】
SFN周期(10240ms)では、1)及び2)を排除した後、残りのサブフレームについて、サブフレームのインデックスを昇順配列し、
【数2】
と表記する。ここで、Nslssは、10240個のサブフレーム中のSLSSリソースとして構成されるサブフレームの数であり、Ndssfは、10240個のサブフレーム中のサイドリンクの送信がTDDセルラセルに発生した場合のダウンリンクリンクサブフレーム及び特殊サブフレームの合計の数である。bitmapによるマッピングにより、SFN周期中にbitmapで割り切れないサブフレームお予約サブフレームと呼び、予約サブフレームの数の演算方法は、以下となる。
【0035】
reserved=(10240-Nslss-Ndssf)mod Lbitmap
【0036】
ここで、Nreservedは、予約サブフレームの数であり、Lbitmapは、上位層によって構成されたビットマッピング長である。
続いて、以下の方法に従って予約サブフレームをSFNに均等に分布する。
【0037】
【数3】
【0038】
ここで、m=0,…,Nreserved-1である。
【0039】
以上の3種サブフレームを排除することにより、SFN/ダイレクトフレーム番号(Direct Frame Number、DFN)周期における残りのサブフレームは、いずれも、V2X(Vehicle-to-Everything)業務を送信するために使用できるサブフレームである。リソースプール構成は、時間領域指示方法によって論理サブフレームをbitmap方式で指示し、プロトコルでは、bitmap長が16、20、及び100のうちのいずれかの値であり得ると規定している。
【0040】
関連技術では、bitmap長が100と規定している場合、予約サブフレームの数は40個、周期は256msとなる。同時に、路側機器は、自体の能力に応じて、V2Xメッセージ送信のために構成されていないサブフレームにおいてサイドリンク同期信号を送信することができ、ここで、これらのサブフレームは少なくとも予約サブフレームを含むことが相関標準から分かる。
【0041】
関連技術では、相関標準に準拠した実行や実施可能なサイドリンク同期信号の方法がない。同時に、車両インターネットの分散型アーキテクチャでは、大量の端末間の同期協同が困難となる。
【0042】
本開示は、上記問題に対して同期方法、装置及び端末を提供する。
【0043】
図1に示すように、本開示の実施例に係る同期方法は、第1端末によって実行され、該方法は、以下のステップ101~102を含む。
【0044】
ステップ101では、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信する。
【0045】
ステップ102では、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替える。
【0046】
ここで、第1端末と第2端末は、いずれも車両インターネット機器である。例えば、第1端末は、車載機器(On Board Unit、OBU)であり、第2端末は、路側機器(Road Side Unit、RSU)である。そして、本開示の実施例における第1同期シグナリングは、同期メッセージであってもよい。また、第1同期状態及び第2同期状態は、端末の異なる同期精度の同期状態であってもよく、例えば、第1同期状態の精度は、第2同期状態の精度よりも低い場合がある。
【0047】
本開示の実施例に係る同期方法によれば、まず、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信し、続いて、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替え、このように、受信した第1同期シグナリングに基づく第1端末の同期操作により、第1端末が第1同期状態から第2同期状態に切り替えることを実現し、衛星信号がカバーされていない範囲内の車両インターネット間の時間同期を実現し、そして車両インターネットの分散型アーキテクチャでの車両インターネット端末間の同期協同が困難である問題を解決できるだけでなく、端末の同期精度を高めることもできる。
【0048】
1つ選択可能な実現態様として、ステップ101における少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することは、
物理サイドリンク共有チャンネル(Physical Sidelink Shared Channel、PSSCH)によって搬送される前記第1同期シグナリングを受信することを含む。
【0049】
前記方法は、さらに、
物理サイドリンク制御チャンネル(Physical Sidelink Control Channel、PSCCH)によって搬送される第1指示情報を受信することを含み、前記第1指示情報は、前記PSSCHが前記第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる。
【0050】
つまり、本開示の実施例では、第1同期シグナリングの送信について、以下の2種方式を採用することができる。1つの方式として、第1同期シグナリングは、PSSCH上に搬送される。別の方式として、第1同期シグナリングは、PSSCH上に搬送され、第1指示情報は、PSCCH上に搬送され、ここで、第1指示情報は、PSSCHが第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる。
【0051】
具体的には、相関標準には、サイドリンク制御情報(Sidelink Control Information、SCI)がSCIフォーマット1を採用すると規定しており、現在SCIフォーマット1にはパディングビットとして少なくとも7ビットが残っている。そのため、選択可能に、本開示の実施例では、PSCCHにおけるSCIのパディングビットのうちのいずれか1つのビットを用いて、PSSCHが第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示し、例えば、PSSCHが第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するためのビットの値が1の場合、PSCCHによって指示されるPSSCHが第1同期シグナリングを搬送することを表す。
【0052】
1つ選択可能な実現態様として、ステップ102における前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることは、
前記第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力が第1閾値以上である場合、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えることを含む。
【0053】
選択可能な本実現態様では、第1端末は、同期操作を実行する際に、まず、受信した少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて第1端末の同期ソースを決定し、続いて、第1端末は、現在決定されている同期ソースと同期する。具体的には、受信した第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力に基づいて、第1端末の同期ソースを決定することができる。例えば、第1端末の同期ソースが送信する第1同期シグナリングを搬送するPSSCHの受信電力は、第1閾値よりも大きいものであり、このように、受信した第1同期シグナリングを搬送する複数のPSSCHから、受信電力が第1閾値より大きい複数のPSSCHを選別し、選別したPSSCHに基づいて第1端末の同期ソースを決定する。さらに、選別した第1同期シグナリングを搬送する複数のPSSCHから、第1端末の同期ソースとして同期レベルの最も高いPSSCHを送信する端末を選択する。
【0054】
つまり、第1端末が同期操作を実行する際に、具体的には、第1端末は第1PSSCHと同期し、ここで、第1PSSCHは、第1同期シグナリングを搬送するPSSCHであり、第1PSSCHの受信電力は、第1閾値以上であり、第1PSSCHの同期レベルは、受信電力が第1閾値以上の複数のPSSCHの中で最も高いものである。
【0055】
さらに、1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態にある場合、少なくとも1つの第3端末が送信する物理サイドリンクブロードキャストチャンネルPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替え、又は前記脱同期状態を維持することを含む。
【0056】
ここで、選択可能な本実現態様では、第1端末が脱同期状態にある場合、GNSS信号を受信していないが、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信すると、第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングに基づいて、同期操作を実行し、第1同期状態に切り替え又は脱同期状態を維持する。
【0057】
ここで、第2同期シグナリングは、第3端末の同期レベルを指示するために用いられ、第2同期シグナリングは、第3端末がGNSSカバー範囲内にあるかどうかを示す指示情報と、サイドリンク同期信号インデックスとを含む。
【0058】
以下、選択可能な本実現態様の実現プロセスについて具体的に説明する。
【0059】
第1端末は、脱同期状態にあり且つGNSS信号を受信していない場合、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信したとき、
第2同期シグナリングを搬送するPSBCHの受信電力が第4閾値以上であるかどうかを決定し、第4閾値以上であると、第2同期シグナリングを搬送するPSBCHに基づいて、第1端末は、同期操作を実行し、第1端末は、脱同期状態から第1同期状態に切り替え、第4閾値未満であると、第1端末は、脱同期状態を維持する。
【0060】
具体的には、第1端末が同期操作を実行するプロセスについては、第1端末は、第1PSBCHを送信する第3端末と同期し、ここで、第1PSBCHは、第2同期シグナリングを搬送するPSBCHであり、第1PSBCHの受信電力は、第4閾値以上であり、第1PSBCHの同期レベルは、受信電力が第4閾値以上の複数のPSBCHの中で最も高いものである。
【0061】
なお、本開示の実施例における第1同期シグナリングと第2同期シグナリングは、具体的な1つの同期シグナリングでなく、2つの異なるタイプのシグナリングである。
【0062】
また、第1端末が脱同期状態にある場合、GNSS信号及びPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、第1端末は、脱同期状態を維持する。
【0063】
また、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信する端末の同期レベルが、第1同期レベル又は第2同期レベルである場合、予約サブフレーム上で第2同期シグナリングを搬送するPSBCHを送信する。例えば、1つの無線フレーム内の40個の予約サブフレームを時系列に番号付けし、そのうち、奇数番号の予約サブフレームについて同期レベルが1の第2同期シグナリングを送信し、偶数番号の予約サブフレームについて同期レベルが2の第2同期シグナリングを送信する。
【0064】
1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、前記第1端末の同期レベルの第1部分を第1数値として決定することを含む。
【0065】
ここで、選択可能な本実現態様では、第1端末はRSUであり得る。つまり、RSUが第2同期状態に入ったとき、RSUの同期レベルの第1部分は、第1数値となり、具体的には、第1数値は1であり得る。
【0066】
この場合、第1端末が送信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおいて、inCoverage標識が第3数値であり、SLSS IDが第4数値であり、例えば、第3数値は1であってもよく、第4数値は0であってもよい。
【0067】
ここで、inCoverageは、第2同期シグナリングにおける指示情報であり、SLSS IDは、サイドリンク同期信号インデックスである。
【0068】
さらに、別の選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分を第2数値として決定すること(例えば、第2数値は0である)
及び/又は、
前記第1端末の同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値がnである場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分をn+1として決定すること、を含み、
ここで、n≧0且つnが整数である。
【0069】
例えば、第1端末の同期レベルのフォーマットは「a.b」であり、ここで、aは同期レベルの第1部分であり、bは同期レベルの第2部分である。具体的には、例えば、第1端末が第2同期状態にあり、且つ、同期ソースがGNSS信号である場合、第1端末の同期レベルは「1.0」と表すことができ、第1端末が第2同期状態にあり、且つ、その同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値が2である場合、前記第1端末の同期レベルは「1.3」と表すことができる。
【0070】
なお、第1端末(例えば、第1端末がRSUである)が第1同期状態にある場合、第1端末が受信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングによって指示される送信端末の同期レベルがmであり、且つ、第1端末が該第2同期シグナリングを搬送するPSBCHを送信する端末と同期するとき、第1端末の同期レベルはm+1となる。例えば、mが1の場合、第1端末の同期レベルは2となり、第1端末が送信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングによって指示される同期レベルは、2となる。具体的には、第1端末が送信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおいて、inCoverage標識は第5数値であり、SLSS IDは第6数値であり、例えば、第5数値は0であり、第6数値は0である。mが2の場合、第1端末の同期レベルが3となり、第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信しない。
【0071】
また、第1端末がOBUである場合、第1端末の同期レベルは、以下のように定義される。
【0072】
第1端末が同期シグナリングを送信しない場合、第1端末は同期レベルを持たず、
第1端末がPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信すると、第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、第1端末の同期レベルは、第1同期レベル(即ち同期レベル1)となり、この場合、第1端末が送信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は1となり、SLSS IDは0となり、
第1端末がPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信すると、第1端末の同期ソースがRSU機器である場合、あるいは、同期ソースが送信するPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングによって指示される同期ソースの同期レベルの第1部分が1であり又は同期レベルが1である場合、第1端末の同期レベルは第2同期レベル(即ち同期レベル2)となり、この場合、第1端末が送信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0となり、SLSS IDは0となり、
第1端末が受信したPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングによって指示される同期レベルが第2同期レベルである場合、第1端末の同期レベルは第3同期レベル(即ち同期レベル3)となり、この場合、第1端末は同期シグナリングを送信しない。
【0073】
1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信することと、
前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含み、
ここで、少なくとも1つの前記PSSCHの受信電力は第2閾値以上である。
【0074】
具体的には、選択可能な本実現態様では、前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することは、具体的に、
受信した少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて第1端末の同期ソースを決定し、第1端末は、現在決定されている同期ソースと同期することを含む。具体的には、受信した第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力に基づいて、第1端末の同期ソースを決定することができる。例えば、第1端末の同期ソースが送信する第1同期シグナリングを搬送するPSSCHの受信電力は、第2閾値以上であり、このように、受信した第1同期シグナリングを搬送する複数のPSSCHから、受信電力が第2閾値より大きい複数のPSSCHを選別し、選別したPSSCHに基づいて第1端末の同期ソースを決定する。さらに、選別した第1同期シグナリングを搬送する複数のPSSCHから、第1端末の同期ソースとして同期レベルの最も高いPSSCHを送信する端末を選択する。
【0075】
つまり、第1端末が同期操作を実行する際に、具体的には、第1端末は第2PSSCHと同期し、ここで、第2PSSCHは、第1同期シグナリングを搬送するPSSCHであり、第2PSSCHの受信電力は、第2閾値以上であり、第2PSSCHの同期レベルは、受信電力が第2閾値以上の複数のPSSCHの中で最も高いものである。
【0076】
つまり、第1端末が第2同期状態にある場合、前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することにより、第1端末は第2同期状態を維持する。
【0077】
1つ選択可能な実現態様として、前記第1同期シグナリングは、
同期レベルの第1部分と、
同期レベルの第2部分と、
サイドリンク無線フレーム番号と、
サイドリンクサブフレーム番号と、
世界協調時間(Universal Time Coordinated、UTC)と、
基準時間に対する、第1同期シグナリングを送信する端末のタイミングオフセットである第1タイミングオフセット値と、
第1同期シグナリングを送信する端末の識別子IDと、
第1同期シグナリングを送信する端末とその同期ソースとの同期期間の調整量である第1タイミング調整値と、
第1同期シグナリングを送信する端末と他の端末との間のタイミングオフセットである第2タイミングオフセット値、及び、前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
選択可能な本実現態様では、第1タイミング調整値は、第1同期シグナリングを送信する端末が第1同期シグナリングを送信する間隙内で行う調整であり、図2に示すように、第1同期シグナリングの送信とタイミング調整の時系列関係の概略図を示す。
【0079】
ここで、前記第1同期シグナリングに対応する無線フレーム及びサブフレーム番号は、ミリ秒レベルの同期を実現するために使用される。
【0080】
例示的に、第1同期シグナリングのフォーマットは、以下のようにすることができる。
【0081】
【表1】
【0082】
ここで、上記フォーマットにおいて、同期レベルフィールドの内容は、同期レベルの第1部分及び/又は第2部分であり、無線フレーム番号及びサブフレーム番号又はUTCフィールドの内容は、サイドリンク無線フレーム番号、サイドリンクサブフレーム番号、UTCのうちの少なくとも1つであり、IDフィールドの内容は、該第1同期シグナリングを送信する端末のIDであり、RSU間タイミングオフセット及び対応するRSU IDフィールドの内容は、第2タイミングオフセット値及び第2タイミングオフセット値に対応する端末IDである。
【0083】
なお、第1タイミング調整値は、第1同期シグナリングを送信する端末が、前1つの同期周期内に同期ソースと同期した時のタイミング調整量であり、ここで、前1つの同期周期は、第1同期シグナリングを送信する前の同期周期であり、第2タイミングオフセット値及び前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDは、第1同期シグナリングを送信する端末に対する、第1同期シグナリングを送信する端末がモニタリングした他のN個端末から送信された同期シグナリングの時間的タイミングオフセット、及び、対応するN個RSU IDである。
【0084】
1つ具体的な実現態様として、前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することと、
前記実際タイミング偏差に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む。
【0085】
ここで、具体的な本実現態様では、第1端末は、RSUであり得る。
【0086】
さらに具体的には、前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することは、
以下の式(1)によって、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差を算出することを含み、
【数4】
ここで、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Tayxは、前記第2タイミングオフセット値であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値でありTdは、前記第2タイミング調整値であり、Tdは、前記第1タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である。
【0087】
例示的に、RSU間のタイミングオフセットの伝送及び測定プロセスについて以下のように説明する。
【0088】
図3に示すように、RSUx(即ち図3のTx)とRSUy(即ち図3のTy)との間の伝搬距離がLxyであり、i-1時刻に基準時計に対するRSUxとRSUyのタイミングのオフセットがそれぞれTx,i-1とTy,i-1であり、RSUyは、RSUxから送信される第1同期シグナリングを受信することによって測定した相対タイミングオフセットがTayx,i-1であり、RSUxとRSUyは、タイミング調整Tdx,i-1、Tdy,i-1を経った後、i時刻に基準時計に対するRSUxとRSUyのタイミングのオフセットがそれぞれTx,iとTy,iであり、RSUyは、第1同期シグナリングを送信し、RSUxは、RSUyから送信される第1同期シグナリングを受信することによって測定した相対タイミングオフセットがTaxy,iである、と仮定する。この場合、
【数5】
ここで、Δtyx,i-1とΔtxy,iは、それぞれ、RSUyとRSUxが決定したタイミング測定誤差であり、cは光速である。
【0089】
実際の適用では、RSUyとRSUxは、相対的に静止しており、Taxy,iとTayx,i-1の測定は、実際的に近接したものであり、Tx,i=Tx,i-1-Tdx,i-1及びTy,i=Ty,i-1-Tdy,i-1であり、Tx,i-1=Tx,i+Tdx,i-1及びTy,i-1=Ty,i+Tdy,i-1となるため、Tx,iとTy,iの実際偏差は、以下の式(2)となる。
【0090】
【数6】
該式(2)により、第1同期シグナリングにおいてRSU間のタイミングオフセット値及びRSUのタイミング調整を伝送することにより、RSU間の実際タイミング偏差を得ることができ、それによってRSU間の同期を実現するとともにRSU間の伝搬距離が タイミング偏差に与える影響を除去し、RSU間の同期精度を向上させることができる。
【0091】
別の実施例では、前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
第1端末は、第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
第3タイミングオフセット値、第2タイミング調整値、及び前記第2タイミングオフセット値と前記第1タイミング調整値との差分値に基づいて、第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を算出することと、を含む。
【0092】
該実施例により、第1同期シグナリングを送信する端末は、第2タイミングオフセット値及び第1タイミング調整値を送信しないが、前記第2タイミングオフセット値と前記第1タイミング調整値との差分値を送信する場合、第1端末は、依然として第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を取得し得る。
【0093】
具体的には、以下の式(3)により実際タイミング偏差を算出する。
【0094】
【数7】
【0095】
ここで、Ta’yxは、前記第2タイミングオフセット値と前記第1タイミング調整値との差分値であり、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と前記第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値であり、Tdは、前記第2タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である。
【0096】
なお、
【数8】
の導出プロセスについては、
Ta’xy,i=Taxy,i-Tdx,i及びTa’yx,i=Tayx,i-Tdy,i
と仮定する場合、
【数9】
となり、
【数10】
となる。
【0097】
上記実施例により、第1同期シグナリングを送信する端末は、第2タイミングオフセット値及び第1タイミング調整値を送信しないが、前記第2タイミングオフセット値と前記第1タイミング調整値の差分値を送信する場合、第1端末は、依然として第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を取得し得る。
【0098】
さらに、それぞれのRSUは、その同期ソースRSUと同期を維持しており、測定誤差及び結晶振動誤差のため、同期ソースは、基準時間に対して通常一定の偏差が存在し、同期ソースと一致するように維持するプロセスでは、基準時計から乖離した誤調が発生することがあり、それによって多段同期調整誤差が蓄積する現象が発生する。基準時間に対するRSUの偏差を直接取得することができれば、誤調確率を効果的に低下させ、多段同期調整誤差の蓄積を低減させることができる。
【0099】
具体的には、Tが、基準時間に対するRSUxのタイミングの相対オフセット値であり、Rtyxが、RSUxに対するRSUyの実際偏差であると仮定した場合、基準時間に対するRSUyの相対オフセット値Rtは、以下の式(4)となる。
【0100】
【数11】
【0101】
上記実施例により、RSU間の伝搬遅延を除去してRSU間の同期を実現した上、それぞれのRSUは、基準時間に対するオフセットを周期的にブロードキャストすることで、RSUは、基準時間に基づくタイミング調整を実現し、誤調確率を効果的に低下させ、多段同期調整誤差の蓄積を低減させることができる。
【0102】
1つ選択可能な実現態様として、前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングにおける前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値を取得することと、
前記第3タイミングオフセット値、前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値に基づいて、基準時間に対する前記第1端末のオフセット値を決定することと、
基準時間に対する前記第1端末のオフセット値に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む。
【0103】
ここで、選択可能な本実現態様では、第1端末は、OBUである。本開示の実施例の態様を採用すれば、OBUは、基準時間に対するオフセット値に基づいてローカルを常に調整し、OBUの同期を完了することを実現する。
【0104】
また、第1端末がOBUである場合、RSUがPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングには、同期レベル、UTC、第1タイミングオフセット値、第1タイミング調整値のみが含まれる場合、OBU機器は、同期レベルの最も高いPSSCHと同期する。Tが第1タイミングオフセット値であり、Tdが第1タイミング調整値であると仮定し、OBU機器は、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信して、同期ソースRSUに対するタイミングオフセットRtを測定すると、OBUのUTC時間のオフセットは、T+Td+Rtとなり、OBUは、UTC時間に対するオフセット値に基づいてローカル時間を調整し、同期を完了する。
【0105】
さらに、1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、第1条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替えることを含み、
ここで、前記第1条件は、
第1時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第2時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第3時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第3閾値以上であることと、を含む。
【0106】
具体的には、本開示の実施例における第1端末が同期操作を実行するプロセスについては、第1端末は、第2PSBCHを送信する端末と同期し、ここで、第2PSBCHは、第2同期シグナリングを搬送するPSBCHであり、第2PSBCHの受信電力は、第3閾値以上であり、第2PSBCHの同期レベルは、受信電力が第3閾値以上の複数のPSBCHの中で最も高いものである。
【0107】
さらに、1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が第1同期状態又は第2同期状態にある場合、第4時間内にGNSS信号を受信せず、第5時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信せず、第6時間内にPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、前記第1端末は、脱同期状態に切り替えることを含む。
【0108】
選択可能な本実現態様では、GNSS信号、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリング、及びPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していない場合、第1端末は同期がタイムアウトしたと決定し、第1端末は脱同期状態に入る。
【0109】
さらに、1つ選択可能な実現態様として、前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態又は前記第1同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えること、
又は、前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期すること、を含む。
【0110】
つまり、第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、第1端末は、直接第2同期状態に入り、又は、第1端末は、第2同期状態内でGNSS信号と同期して第2同期状態を維持する。
【0111】
さらに、1つ選択可能な実現態様として、第1端末が第1同期状態にある場合、第2条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、
ここで、前記第2条件は、
第7時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第8時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第9時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ、少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第5閾値以上であることと、を含む。
【0112】
同様に、本開示の実施例中第1端末が同期操作を実行するプロセスについては、第1端末は、第3PSBCHを送信する端末と同期し、ここで、第3PSBCHは、第2同期シグナリングを搬送するPSBCHであり、第3PSBCHの受信電力は、第3閾値以上であり、第3PSBCHの同期レベルは、受信電力が第5閾値以上の複数のPSBCHの中で最も高いものである。
【0113】
図4に示すように、本開示の実施例に係る同期方法では、第1端末は、脱同期状態、第1同期状態、及び第2同期状態の間に切り替えることができる。ここで、第1端末は、が電源を入れて起動した後、脱同期状態に入る。3種状態間の切り替えプロセスは、以下となる。
【0114】
脱同期状態にある第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信する端末と同期し、第1同期状態に切り替え、
脱同期状態にある第1端末は、GNSS信号と同期し、第2同期状態に切り替え、
第1同期状態にある第1端末は、同期がタイムアウトした場合、脱同期状態に切り替え、
第1同期状態にある第1端末は、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを送信する端末と同期し、又は、GNSS信号と同期し、第2同期状態に切り替え、
第1同期状態にある第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信する端末と同期し、第1同期状態を維持し、
第2同期状態にある第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを送信する端末と同期し、第1同期状態に切り替え、
第2同期状態にある第1端末は、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを送信する端末と同期し、又は、GNSS信号と同期し、第2同期状態を維持し、
第2同期状態にある第1端末は、同期がタイムアウトした場合、脱同期状態に切り替える。
【0115】
ここで、「同期がタイムアウトした」の場合、同期操作を実行していない。
【0116】
本開示の実施例に係る同期方法によれば、第1端末は、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングに基づいた同期操作を実行して第1同期状態に入った後、さらに、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、同期操作を実行して第2同期状態に入り、このように、車両インターネットの分散型アーキテクチャでの車両インターネット端末間の同期協同が困難である問題を解決できるだけでなく、相関標準要求を満たし、広範な適用性を有するとともに、同期状態を第1同期状態と第2同期状態に区分して異なるシステムの同期精度に対する異なるニーズを満たし、同期精度を高めることができる。
【0117】
以下、本開示の実施例に係る同期方法の同期プロセスについて、具体的な例を用いて説明する。
【0118】
ここで、まず、RSUとOBUなどの車両インターネット機器のシステムパラメータ構成を説明する。システム帯域幅20MHz、半二重をサポートする二重方式、サブキャリア間隔15kHz、循環プレフィック(CP)の長さ4.687μs(5.208μs(シンボル0))となる。
【0119】
図5は、本開示の実施例に係る同期方法を適用する第1シーンの概略図である。具体的には、第1シーンには4つのRSUと1つのOBUが含まれ、ここで、RSU1のみは、GNSS信号を受信することができる。
【0120】
4つのRSUと1つのOBUの初期状態は、すべて脱同期状態であり、電源を入れて起動した後、まずGNSS信号を検索し、同期メッセージを送信しない。
【0121】
RSU1はGNSS信号を受信する場合に第2同期状態に入り、同期レベルは1である。RSU1は、PSBCHとPSSCHをそれぞれ介して同期シグナリングを送信し、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は1であり、SLSS IDは0であり、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングにおける同期レベルは1.0である。
【0122】
RSU2は、まず、RSU1から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、第1同期状態に入り、同期レベルは2である。RSU2は、PSBCHを介して第2同期シグナリングを送信し、RSU2から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0であり、SLSS IDは0である。RSU2は、RSU1がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態に入り、RSU2は、PSBCHとPSSCHをそれぞれ介して同期シグナリングを送信し、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおける同期レベルは1であり、inCoverage標識は1であり、SLSS IDは0であり、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングにおける同期レベルは1.1である。
【0123】
RSU3は、まず、RSU2から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、第1同期状態に入り、同期レベルは2である。RSU3は、PSBCHを介して第2同期シグナリングを送信し、RSU3から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0であり、SLSS IDは0である。RSU3は、RSU2がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態に入る。RSU3は、PSBCHとPSSCHをそれぞれ介して同期シグナリングを送信し、ここで、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおける同期レベルは1であり、inCoverage標識は1であり、SLSS IDは0であり、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングにおける同期レベルは1.2である。
【0124】
RSU4は、まず、RSU3から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、第1同期状態に入り、同期レベルは2である。RSU4は、PSBCHを介して第2同期シグナリングを送信し、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0であり、SLSS IDは0である。RSU4は、RSU3がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態に入る。RSU4は、PSBCHとPSSCHをそれぞれ介して同期シグナリングを送信し、ここで、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおける同期レベルは1であり、inCoverage標識は1であり、SLSS IDは0であり、PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングにおける同期レベルは1.3である。
【0125】
OBU1は、まず、RSU3から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、第1同期状態に入り、同期レベルは2である。OBU1は、PSBCHを介して第2同期シグナリングを送信し、ここで、OBU1から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0であり、SLSS IDは0である。OBU1は、RSU3がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態に入る。OBU1は、PSBCHを介して第2同期シグナリングを送信し、ここで、OBU1から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングにおけるinCoverage標識は0であり、SLSS IDは0である。
【0126】
図6は、本開示の実施例に係る同期方法を適用する第2シーンの概略図である。具体的には、第2シーンには4つのRSUと1つの移動するOBUが含まれ、ここで、RSU1からRSU4のみは、すでに同期を完了しており、PSBCHによって搬送される第2同期シグナリング及びPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを送信する。
【0127】
t1時刻で、OBU1は受信を行って、RSU1から送信されたPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、第1同期状態に入り、OBU1は同期シグナリング送信しない。OBU1は、RSU2がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態に入る。t2時刻で、OBU1は、すでに同期状態に入り、この場合、OBU1は、RSU2がPSSCHを介して送信した第1同期シグナリングを受信し、第2同期状態を維持することができる。t3時刻で、OBU1は、RSU3がPSSCHを介して送信した第2同期シグナリングを受信し、第2同期状態を維持することができる。
【0128】
図7に示すように、本開示の実施例は、さらに、第1端末に適用する同期装置を提供する。前記同期装置は、第1受信モジュール701と第1同期モジュール702を含む。
【0129】
第1受信モジュール701は、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信するように構成される。
【0130】
第1同期モジュール702は、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えるように構成される。
【0131】
本開示の実施例の同期装置によれば、まず、第1受信モジュール701は、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信し、続いて、第1同期モジュール702は、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替え、このように、受信した第1同期シグナリングに基づく第1端末の同期操作により、第1端末が第1同期状態から第2同期状態に切り替えることを実現し、衛星信号がカバーされていない範囲内の車両インターネット間の時間同期を実現し、そして車両インターネットの分散型アーキテクチャでの車両インターネット端末間の同期協同が困難である問題を解決できるだけでなく、端末の同期精度を高めることもできる。
【0132】
選択可能に、第1受信モジュール701は、具体的に、物理サイドリンク共有チャンネルPSSCHによって搬送される前記第1同期シグナリングを受信するように構成される。
【0133】
選択可能に、第1受信モジュール701は、さらに、物理サイドリンク制御チャンネルPSCCHによって搬送される第1指示情報を受信するように構成され、前記第1指示情報は、前記PSSCHが前記第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる。
【0134】
選択可能に、第1同期モジュール702は、具体的に、前記第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力が第1閾値以上である場合、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えるように構成される。
【0135】
選択可能に、前記装置は、さらに、
、前記第1端末が脱同期状態にある場合、少なくとも1つの第3端末が送信する、物理サイドリンクブロードキャストチャンネルPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替え、又は前記脱同期状態を維持するように構成される第2同期モジュールを含む。
【0136】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、前記第1端末の同期レベルの第1部分を第1数値として決定するように構成される第1決定モジュールを含む。
【0137】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分を第2数値として決定すること、
及び/又は、
前記第1端末の同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値がnである場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分をn+1として決定すること、を実行するように構成される第2決定モジュールを含み、
ここで、n≧0且つnが整数である。
【0138】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信することと、
第3同期モジュール、ように構成される前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を実行するように構成される第2受信モジュールを含み、
ここで、少なくとも1つの前記PSSCHの受信電力は第2閾値以上である。
【0139】
選択可能に、前記第1同期シグナリングは、
同期レベルの第1部分と、
同期レベルの第2部分と、
サイドリンク無線フレーム番号と、
サイドリンクサブフレーム番号と、
世界協調時間UTCと、
基準時間に対する、第1同期シグナリングを送信する端末のタイミングオフセットである第1タイミングオフセット値と、
第1同期シグナリングを送信する端末の識別子IDと、
第1同期シグナリングを送信する端末とその同期ソースとの同期期間の調整量である第1タイミング調整値と、
第1同期シグナリングを送信する端末と他の端末との間のタイミングオフセットである第2タイミングオフセット値、及び、前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0140】
選択可能に、前記第1同期モジュールと前記第3同期モジュールは、それぞれ、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することと、
前記実際タイミング偏差に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を実行するように構成される。
【0141】
選択可能に、前記第1同期モジュールと前記第3同期モジュールは、それぞれ、前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定する時、具体的に、
以下の式(1)によって、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差を算出するように構成され、
【数12】
ここで、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Tayxは、前記第2タイミングオフセット値であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値でありTdは、前記第2タイミング調整値であり、Tdは、前記第1タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である。
【0142】
選択可能に、前記第1同期モジュールと前記第3同期モジュールは、それぞれ、具体的に、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングにおける前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値を取得することと、
前記第3タイミングオフセット値、前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値に基づいて、基準時間に対する前記第1端末のオフセット値を決定することと、
基準時間に対する前記第1端末のオフセット値に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を実行するように構成される。
【0143】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、第1条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替えるように構成される第4同期モジュールを含み、
ここで、前記第1条件は、
第1時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第2時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第3時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第3閾値以上であることと、を含む。
【0144】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末が第1同期状態又は第2同期状態にある場合、第4時間内にGNSS信号を受信せず、第5時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信せず、第6時間内にPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、前記第1端末は、脱同期状態に切り替えるように構成される切り替えモジュールを含む。
【0145】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態又は前記第1同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えること、
又は、前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期すること、を実行するように構成される第5同期モジュールを含む。
【0146】
なお、上記各モジュールの分割は単なる論理機能の分割であり、実際に実現する際にはすべて又は一部を物理エンティティに統合してもよく、物理的に分離してもよいことを理解すべきである。これらのモジュールは、すべて処理要素によるソフトウェアの呼び出しによって実現することができ、すべてハードウェアの形で実現することもできる。さらに、一部のモジュールは、処理要素によるソフトウェアの呼び出しによって実現し、一部のモジュールは、ハードウェアの形で実現することもできる。例えば、第1受信モジュールは、個別に設けられた処理素子であってもよいし、前記装置のいずれかのチップに集積して実現してもよいし、また、プログラムコードの形式で前記装置のメモリに格納し、前記装置のいずれかの処理素子により上記決定モジュールの機能を呼び出して実行してもよい。他のモジュールの実現はこれと同様である。また、これらのモジュールの全部又は一部を統合することも、独立して実現することもできる。ここで説明する処理素子は、信号の処理能力を有する集積回路であってもよい。実現プロセスにおいて、上述した方法の各ステップ又は以上の各モジュールは、プロセッサ要素内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって完了することができる。
【0147】
例えば、各モジュール、ユニット、サブユニット、又はサブモジュールは、1つ又は複数の特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、又は1つ又は複数のマイクロプロセッサ(DSP)、又は1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)などの上記方法を実現するように構成される1つ又は複数の集積回路であってもよい。さらに、上記のあるモジュールが、処理要素によるプログラムコードスケジューリングの形で実現される場合、該処理要素は、汎用プロセッサ、例えば中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPU)又はプログラムコードを呼び出し得る他のプロセッサであってもよい。さらに、これらのモジュールは、オンチップシステム(system-on-a-chip、SOC)として実現されるように統合されてもよい。
【0148】
本開示の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は優先順位を記述するために使用する必要なく、類似のオブジェクトを区別するためのものである。このように使用される用語は、本明細書で説明される本開示の実施形態、例えば、本明細書で図示又は説明されるもの以外の順序で実施するために、適切な場合に交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」や「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器については、必ずしも明確にリストされたステップ又はユニットに限定される必要はなく、明確にリストされていない他のステップ又はユニット、又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含み得る。さらに、明細書及び特許請求の範囲では、「及び/又は」の使用は、接続されたオブジェクトの少なくとも1つを表し、例えば、A及び/又はB及び/又はCは、単独のA、単独のB、単独のC、及びAとBの両方が存在し、BとCの両方が存在し、AとCの両方が存在し、並びに、A、B及びCが存在する7つのケースを含むことを表す。同様に、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「AとBのうちの少なくとも1つ」は、「単独のA、単独のB、又はAとBの両方が存在する」と理解されるべきである。
【0149】
図8に示すように、本開示の実施例は、さらに、端末を提供し、前記端末は、第1端末であり、送受信機810、メモリ820、プロセッサ800及び前記メモリ820上に記憶されて前記プロセッサ800で実行可能なコンピュータプログラムを含み、ここで、送受信機810は、バスインターフェースを介してプロセッサ800及びメモリ820に接続され、ここで、前記プロセッサ800は、メモリ820におけるプログラムを読み出して、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることと、を実行するために用いられる。
【0150】
なお、図8において、バスアーキテクチャは、任意の数量の相互接続されたバスとブリッジを含むことができ、具体的にプロセッサ800に代表される一つ又は複数のプロセッサとメモリ820に代表されるメモリの様々な回路が接続される。バスアーキテクチャは、さらに、周辺機器、レギュレータ及び電力管理回路等の様々な他の回路を接続することができ、これらは本分野で周知なものであり、従って、本明細書は説明を省略する。バスインターフェースは、インターフェースを提供するものである。送受信機810は、送信機と送受信機を含む複数の素子であってもよく、伝送媒体において様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。異なるユーザ機器に対して、ユーザインターフェース830は、必要となるデバイスに外接/内接できるインターフェースであってもよく、接続された機器は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティックなどを含むがそれらに限定されない。プロセッサ800は、バスアーキテクチャの管理と一般的な処理を担当し、メモリ820は、プロセッサ800が操作を実行するときに使用するデータを記憶することができる。
【0151】
本開示の実施例の端末によれば、前記プロセッサ800は、メモリ820におけるプログラムを読み出して、前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信すること、及び、前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることのプロセスを実行し、このように、受信した第1同期シグナリングに基づく第1端末の同期操作により、第1端末が第1同期状態から第2同期状態に切り替えることを実現し、衛星信号がカバーされていない範囲内の車両インターネット間の時間同期を実現し、そして車両インターネットの分散型アーキテクチャでの車両インターネット端末間の同期協同が困難である問題を解決できるだけでなく、端末の同期精度を高めることもできる。
【0152】
なお本開示の実施例の端末は、上述した同期方法実施例の各プロセスを実現して同じ技術効果を達成することができ、重複を回避するために、ここで説明を省略する。
【0153】
当業者であれば理解されるように、上記実施例における全部又は一部のステップの実現は、ハードウェアによって完成することができ、またコンピュータプログラムによって関連するハードウェアを指示して完成することができ、前記コンピュータプログラムは、上記方法の一部又は全部のステップを実行する命令を含み、該コンピュータプログラムは、可読記憶媒体に記憶することができ、記憶媒体は、任意の形式の記憶媒体であってもよい。
【0154】
また、本開示の実施例は、さらに、プログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該プログラムがプロセッサによって実行される場合、上述した同期方法実施例の各プロセスを実現して同じ技術効果を達成することができ、重複を回避するために、ここで説明を省略する。ここで、該コンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどであり得る。
【0155】
なお、本開示の装置及び方法において、各部品又は各ステップは分解及び/又は再組み合わせ可能であることは明らかである。これらの分解及び/又は再組み合わせは、本開示の等価方法と見なすべきである。そして、上述した一連の処理を実行するステップは、記上述した一連の処理を実行するステップは、説明した順序に従って自然に実行され、又は、時系列に沿って実行されてもよいが、必ずしも時系列に沿って実行される必要はなく、いくつかのステップは、並列又は互いに独立して実行することができる当業者であれば、本開示の方法及び装置の全部又は任意のステップ又は部品が、任意の計算装置(プロセッサ、記憶媒体などを含む)又は計算装置のネットワークでハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現することができ、これは、当業者が本開示の説明を読んだ上で、それらの基本的なプログラミングスキルを活用すれば実現できるものである。
【0156】
そのため、本開示の目的は、任意の計算装置上でプログラム又はプログラム群を実行することによっても達成される。前記計算装置は、周知の汎用手段であってよい。そのため、本開示の目的は、上記方法又は装置を実現するプログラムコードを含むプログラム製品を提供することのみによっても達成される。つまり、そのようなプログラム製品も本開示を構成し、そのようなプログラム製品を記憶した記憶媒体も本開示を構成し得る。明らかに、この記憶媒体は、周知の任意の記憶媒体であってもよいし、将来開発される任意の記憶媒体であってもよい。
【0157】
なお、本明細書では、第1及び第2などの関係用語は、1つのエンティティや操作を別のエンティティや操作と区別するためにのみ使用されるが、これらのエンティティや操作の間に任意のこのような実際の関係や順番が存在することを要求したり暗示したりする必要はない。そして、「含む」や「有する」という用語又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図し、それによって、一連の要素のプロセス、方法、物品又は端末機器を含む場合、それらの要素を含むだけでなく、明確にリストされていない他の要素も含むか、このようなプロセス、方法、物品又は機器に固有の要素も含み得る。これ以上の制限がない場合、「…を含む」という文によって限定された要素については、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は機器の中に他の同じ要素がさらに存在することを排除しない。
【0158】
以上は本開示の好ましい実施形態であり、なお、本技術分野の当業者にとっては、本開示の前記原理から逸脱しない前提で、いくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本開示の保護範囲と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末に適用する同期方法であって、
前記方法は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることと、を含む、同期方法。
【請求項2】
少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信することは、
物理サイドリンク共有チャンネルPSSCHによって搬送される前記第1同期シグナリングを受信することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに、
物理サイドリンク制御チャンネルPSCCHによって搬送される第1指示情報を受信することを含み、
前記第1指示情報は、前記PSSCHが前記第1同期シグナリングを搬送するかどうかを指示するために用いられる
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えることは、
前記第1同期シグナリングを搬送する少なくとも1つのPSSCHの受信電力が第1閾値以上である場合、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えることを含む
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態にある場合、少なくとも1つの第3端末が送信する、物理サイドリンクブロードキャストチャンネルPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替え、又は前記脱同期状態を維持することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、前記第1端末の同期レベルの第1部分を第1数値として決定することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、さらに、
前記第1端末の同期ソースがGNSS信号である場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分を第2数値として決定すること、
及び/又は、
前記第1端末の同期ソースが送信する前記第1同期シグナリングに付帯される同期レベルにおける第2部分の数値がnである場合、前記第1端末の同期レベルの第2部分をn+1として決定すること、を含み、
ここで、n≧0且つnが整数である
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、少なくとも1つのPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信することと、
前記PSSCHによって搬送される第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含み、
ここで、少なくとも1つの前記PSSCHの受信電力は第2閾値以上である
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1同期シグナリングは、
同期レベルの第1部分と、
同期レベルの第2部分と、
サイドリンク無線フレーム番号と、
サイドリンクサブフレーム番号と、
世界協調時間UTCと、
基準時間に対する、第1同期シグナリングを送信する端末のタイミングオフセットである第1タイミングオフセット値と、
第1同期シグナリングを送信する端末の識別子IDと、
第1同期シグナリングを送信する端末とその同期ソースとの同期期間の調整量である第1タイミング調整値と、
第1同期シグナリングを送信する端末と他の端末との間のタイミングオフセットである第2タイミングオフセット値、及び、前記第2タイミングオフセット値に対応する端末IDと、のうちの少なくとも1つを含む
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングを受信する時の前記第1端末の第2タイミング調整値を決定することと、
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することと、
前記実際タイミング偏差に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2タイミングオフセット値、前記第1タイミング調整値、前記第2タイミング調整値及び前記第3タイミングオフセット値に基づいて、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との実際タイミング偏差を決定することは、
以下の式(1)によって、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差を算出することを含み、
【数1】
ここで、xは、第1端末であり、yは、第1同期シグナリングを送信する端末であり、Rtxyは、前記第1端末と第1同期シグナリングを送信する端末との間の実際タイミング偏差であり、Tayxは、前記第2タイミングオフセット値であり、Taxyは、前記第3タイミングオフセット値でありTdは、前記第2タイミング調整値であり、Tdは、前記第1タイミング調整値であり、Δtyxは、前記第1同期シグナリングを送信する端末のタイミング測定誤差であり、Δtxyは、前記第1端末のタイミング測定誤差である
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1端末は同期操作を実行することは、
受信した第1同期シグナリングに基づいて、第1同期シグナリングを送信する端末に対する前記第1端末の第3タイミングオフセット値を決定することと、
前記第1同期シグナリングにおける前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値を取得することと、
前記第3タイミングオフセット値、前記第1タイミングオフセット値及び前記第1タイミング調整値に基づいて、基準時間に対する前記第1端末のオフセット値を決定することと、
基準時間に対する前記第1端末のオフセット値に基づいて、前記第1端末は同期操作を実行することと、を含む
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、第1条件を満たすと、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は前記第1同期状態に切り替えることを含み、
ここで、前記第1条件は、
第1時間内にGNSS信号を受信していないことと、
第2時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信していないことと、
第3時間内に少なくとも1つのPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信し、且つ少なくとも1つの前記PSBCHの受信電力が第3閾値以上であることと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が第1同期状態又は第2同期状態にある場合、第4時間内にGNSS信号を受信せず、第5時間内にPSSCHによって搬送される第1同期シグナリングを受信せず、第6時間内にPSBCHによって搬送される第2同期シグナリングを受信していないと、前記第1端末は、脱同期状態に切り替えることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、さらに、
前記第1端末が脱同期状態又は前記第1同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期し、前記第1端末は前記第2同期状態に切り替えること、
又は、前記第1端末が前記第2同期状態にある場合、GNSS信号を受信すると、前記第1端末は前記GNSS信号と同期すること、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
端末であって、
前記端末は、第1端末であり、
送受信機、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する場合、請求項1から15のいずれか1項に記載の同期方法を実現する、端末。
【請求項17】
第1端末に適用する同期装置であって、
前記同期装置は、
前記第1端末が第1同期状態にある場合、少なくとも1つの第2端末が送信する第1同期シグナリングを受信するように構成される第1受信モジュールと、
前記第1同期シグナリングに基づいて、前記第1端末は同期操作を実行し、前記第1端末は第2同期状態に切り替えるように構成される第1同期モジュールと、を含む、同期装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1から15のいずれか1項に記載の同期方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】