(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】シラン変性脂肪族ポリ尿素
(51)【国際特許分類】
C09D 175/02 20060101AFI20240705BHJP
C09D 7/40 20180101ALI20240705BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C09D175/02
C09D7/40
C08G18/32 050
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501904
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022068371
(87)【国際公開番号】W WO2023285177
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シャフィク フェイゼル
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ブラウン
【テーマコード(参考)】
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4J034CA15
4J034CA17
4J034CB03
4J034CB07
4J034CC23
4J034CC26
4J034CC45
4J034CC52
4J034CC67
4J034CD06
4J034HA01
4J034HA07
4J034HA08
4J034HC35
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC71
4J034MA17
4J034RA07
4J038DG061
4J038GA09
4J038JA54
4J038JB04
4J038JC32
4J038KA06
4J038MA07
4J038NA03
4J038NA12
(57)【要約】
本発明は、新規な硬化剤組成物およびコーティング組成物に関する。コーティング組成物は、速乾性、より速い硬度発現、エポキシおよび他のポリ尿素コーティングに対する改善された接着性、ならびに改善された耐薬品性と共に、より長いオープンタイムおよびポットライフなどの性能を改善するシラン変性脂肪族ポリ尿素コーティングを提供することにより、従来のコーティングにおける問題を解決する。コーティング組成物は、少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂、および少なくとも1種の第二級ジアミンと、少なくとも1種のシラン成分と、場合により、少なくとも1種の粘度調整剤とを含有するイソシアネート反応性剤を含む組成物からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
少なくとも1種のシラン成分、および
場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む、組成物。
【請求項2】
前記イソシアネート反応性剤が、一般式(I)
R
1O
2CCH
2CH(CO
2R
2)NH-X-NHCH(CO
2R
3)CH
2CO
2R
4(I)
[式中、R
1、R
2、R
3、およびR
4は、同一であるか、または異なり、それぞれ約1個~約12個の炭素原子を有するアルキル基である]
を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記アルキル基が1個~約4個の炭素原子を有し、かつX-は、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2,4’-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン、2,4-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ならびにポリエーテルジアミンのうちの少なくとも1つからアミノ基を除去して得た二価炭化水素基を表す、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のシラン成分は、アルコキシ官能性シランを含み、前記アルコキシ官能性シランは、一般式:
【化1】
[式中、それぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、6個までの炭素原子を有するアルキル基、6個までの炭素原子を有するアリール基、および6個までの炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され、またはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、水素、6個までの炭素原子を有するアルキル基、および6個までの炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される]
で表される化合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記アルコキシ官能性シランが、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチル-t-ブチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
前記第二級ジアミンが、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンと、2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記第二級ジアミンが、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタンと、2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が硬化性組成物である、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂と、
少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
少なくとも1種のシラン成分、および
場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む請求項1記載の組成物と、
を含む、コーティング組成物。
【請求項10】
前記イソシアネート反応性剤が、一般式(I):
R
1O
2CCH
2CH(CO
2R
2)NH-X-NHCH(CO
2R
3)CH
2CO
2R
4(I)
[式中、R
1、R
2、R
3、およびR
4は、同一であるか、または異なり、それぞれ約1個~約12個の炭素原子を有するアルキル基である]
を有する、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記アルキル基が1個~約4個の炭素原子を有し、かつX-は、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2,4’-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン、2,4-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ならびにポリエーテルジアミンのうちの少なくとも1つからアミノ基を除去して得た二価炭化水素基を表す、請求項10記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂が、一般式:
R(NCO)i (II)
[式中、Rは、iの価数を有する有機基であり、iは、約2以上である]
を有するイソシアネート官能性化合物を含む、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種のシラン成分は、アルコキシ官能性シランを含み、前記アルコキシ官能性シランは、一般式:
【化2】
[式中、それぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、6個までの炭素原子を有するアルキル基、6個までの炭素原子を有するアリール基、および6個までの炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され、またはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、水素、6個までの炭素原子を有するアルキル基、および6個までの炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される]
で表される化合物を含む、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記アルコキシ官能性シランが、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチル-t-ブチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項13記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種のシラン成分が、イソシアネートアルキルトリアルコキシシラン;脂肪族のアルキルで分岐したジオール;および脂肪族のアルキルで分岐したポリオールの付加物からなる群から選択される、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の粘度調整剤をさらに含み、前記少なくとも1種の粘度調整剤は、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロヘキサン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸t-ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、1,2,3-トリアセトキシプロパン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、二塩基酸エステル;イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、アセトフェノン;炭酸プロピレン、炭酸ジメチル;n-メチルピロリドン、n-エチルピロリドン;パラクロロベンゾトリフルオリド、1,1,2,2-テトラクロロエタン、および1,1-ジクロロエタンからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を含む、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の粘度調整剤をさらに含み、前記少なくとも1種の粘度調整剤は、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート;ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、アルキルスルホン酸フェニルエステル;アセチルトリエチルシトレート、トリエチルシトレート;トリメチルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、ベンゾエート、スルホンアミド、エポキシ化植物油、有機リン酸塩、グリコール、ポリエーテル、およびポリブテンからなる群から選択される少なくとも1種の非反応性希釈剤を含む、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項18】
レベリング剤、消泡剤、脱気剤、酸化防止剤、UV安定剤、レオロジー調整剤、顔料、分散剤、可塑剤、希釈剤、充填剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の他の添加剤をさらに含む、請求項9記載のコーティング組成物。
【請求項19】
前記コーティング組成物が非水性である、請求項9から18までのいずれか1項記載のコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
ポリ尿素コーティングは、速硬性、幅広い温度/湿度範囲における硬化能力、および優れた性能特性により、関連業界において知られている。ポリ尿素コーティングは、非常に汎用性が高く、商業用および工業用保護コーティングとして幅広い用途を有し、また脂肪族ポリ尿素には、壁、床、および他の表面の装飾コーティングとして使用されるものもある。
【0002】
先行技術に基づくポリ尿素コーティングには、基材に対して適切な保護を提供すること、または基材の特性を改善することにおいて、その有効性を阻害する欠陥を有することが知られているものもある。例えば、公知のポリ尿素コーティング組成物は、イソシアネート成分とアミン成分との間の高レベルの反応性のために、そのポットライフまたは作業時間が限られてしまうことがある。また、ポリ尿素コーティング組成物には、予め適用されたコーティングまたは基材自体に対する接着特性が不十分となり、かつ/または紫外線および/または湿度条件に長時間曝された場合に耐久性が不十分となるものもある。
【0003】
保護性、審美性、および取り扱い性の点で改善された性能を有するコーティング組成物を開発するために、かなりの労力が費やされてきた。それらの欠陥の一部を克服するために使用される方法の一例として、溶媒または揮発性有機化合物(VOC)をポリ尿素配合物中で使用することが挙げられる。しかしながら、ほとんどのVOCは、環境、およびコーティングを適用する側の双方にとって有害である。また、溶媒またはVOCの使用により、基材に適用することができるコーティングの厚さが制限される。
【0004】
したがって、溶媒を使用することなく、改善されたポットライフまたは作業時間を有し、かつ予め適用されたコーティングまたは基材への接着性を向上させることができるポリ尿素コーティング組成物を提供することが所望されている。また、これらの性能を、ポリ尿素コーティングの速い硬化速度、優れた審美性、および保護特性を犠牲にすることなく達成することも所望されている。
【0005】
発明の簡単な概要
本発明は、速乾性、より速い硬度発現、エポキシおよび他のポリ尿素コーティングに対する改善された接着性、ならびに改善された耐薬品性と共に、より長いオープンタイムおよびポットライフなどの改善された性能を提供するシラン変性脂肪族ポリ尿素コーティングを提供することにより、従来のコーティングにおける問題を解決することができる。
【0006】
本発明の一態様は、
A.少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
B.少なくとも1種のシラン成分、および
C.場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む、組成物に関する。
【0007】
本発明の別の態様は、少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂と、
A.少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
B.少なくとも1種のシラン成分、および
C.場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む組成物と、
を含む、コーティング組成物に関する。
【0008】
コーティング組成物は、非水性であることが好ましい。「非水性」とは、コーティング組成物が、約1重量%未満の水、典型的には約0重量%の水を含むことを意味する。
【0009】
本発明の別の態様は、少なくとも1種のシラン成分、少なくとも1種の粘度調整剤、およびビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンと2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含む組成物に関する。
【0010】
本発明のさらなる態様は、少なくとも1種のシラン成分、少なくとも1種の粘度調整剤、およびビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタンと2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含む組成物に関する。
【0011】
本発明の様々な態様は、単独で、または互いに組み合わせて使用することができる。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、摩耗、衝撃、薬品、汚れ、および紫外線に対する耐性などの保護を様々な基材に付与するために、かつ/または所与の表面の外観を向上させるための装飾の目的で、有利に使用することができる硬化剤組成物、コーティング組成物、およびコーティングに関する。
【0013】
「コーティング組成物」という用語は、スプレー可能であるか、または基材にブラシまたはローラーで塗布することが可能であるか、またはその中に基材を浸漬させることが可能である、未硬化の流体組成物を指す。コーティングという用語は、コーティング組成物から得られ、水および/または溶媒を実質的に含まず、熱硬化膜を形成するのに有効な程度に硬化した層を指す。「実質的に水を含まない」という語句は、約1重量%未満、典型的には約0重量%の水を含むか、または非水性であるコーティング組成物を意味する。保護コーティングは、基材上に直接的または間接的に配置され、1つ以上の層を含んでもよく、それらの層のうちの1つは、コーティング組成物から得られるものとして定義される。「間接的に配置され」という用語は、他の層によって基材から分離されたコーティングを指し、「直接的に配置され」という用語は、基材と物理的に密接に接触している層を指す。あらゆる適切な基材をコートすることができるが、そのような基材の例としては、適切な基材の中でも特にコンクリート、木材、金属、プラスチック、複合材のうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0014】
本発明の一態様は、
A.少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
B.少なくとも1種のシラン成分、および
C.場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む、組成物に関する。
【0015】
組成物は、ジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応により形成される少なくとも1種の第二級ジアミンを含む、少なくとも1種のイソシアネート反応性剤を含む。第二級ジアミン生成物は、一般式(I):
R1O2CCH2CH(CO2R2)NH-X-NHCH(CO2R3)CH2CO2R4(I)
[式中、R1、R2、R3、およびR4は、同一であるか、または異なり、それぞれ約1個~約12個の炭素原子を有するアルキル基である]
を有する。
【0016】
一実施形態において、第二級ジアミン生成物のアルキル基は、1個~約4個の炭素原子を有し、かつX-は、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2,4’-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン、2,4-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ならびにポリエーテルジアミンのうちの少なくとも1つからアミノ基を除去して得た二価炭化水素基を表す。代表的なアルキル基はエチル基である。イソシアネート反応性剤の量は、典型的にはコーティング組成物の約20重量%~約70重量%の範囲であり、約25重量%~約65重量%の範囲、および約30重量%~約60重量%の範囲である。アミン当量は、約100~約500の範囲であり、約150~約450の範囲、および約200~約400の範囲であってもよい。
【0017】
一実施形態において、組成物は、アルコキシ官能性シランを含む少なくとも1つのシラン成分を含み、アルコキシ官能性シランは、一般式:
【化1】
[式中、それぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、6個までの炭素原子を有するアルキル基、6個までの炭素原子を有するアリール基、および6個までの炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され、またはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、水素、6個までの炭素原子を有するアルキル基、および6個までの炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される]
で表される化合物を含むことが好ましい。
【0018】
アルコキシ官能性シランは、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチル-t-ブチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0019】
一実施形態において、第二級ジアミンが、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンと2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含むことが好ましい。
【0020】
一実施形態において、第二級ジアミンが、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタンと2-ブテン二酸のエチルエステルとの反応生成物を含むことが好ましい。
【0021】
先のいずれかの実施形態において、組成物が硬化性組成物であることが好ましい。
【0022】
本発明の別の態様は、少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂と、
A.少なくとも1種のジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応生成物を含む少なくとも1種の第二級ジアミンを含むイソシアネート反応性剤、
B.少なくとも1種のシラン成分、および
C.場合により、少なくとも1種の粘度調整剤
を含む組成物と、
を含む、コーティング組成物に関する。
コーティング組成物は、非水性であることが好ましい。「非水性」とは、コーティング組成物が、約1重量%未満の水、典型的には約0重量%の水を含むことを意味する。
【0023】
コーティング組成物は、ジアミンと2-ブテン二酸のアルキルエステルとの反応により形成される少なくとも1種の第二級ジアミンを含む、少なくとも1種のイソシアネート反応性剤を含むことが好ましい。第二級ジアミン生成物は、一般式(I):
R1O2CCH2CH(CO2R2)NH-X-NHCH(CO2R3)CH2CO2R4(I)
[式中、R1、R2、R3、およびR4は、同一であるか、または異なり、それぞれ約1個~約12個の炭素原子を有するアルキル基である]
で表される。
【0024】
一実施形態において、第二級ジアミン生成物のアルキル基は、1個~約4個の炭素原子を有し;X-は、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2,4’-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン、2,4-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ならびにポリエーテルジアミンのうちの少なくとも1つからアミノ基を除去して得られる二価炭化水素基を表す。代表的なアルキル基は、エチル基である。イソシアネート反応性剤の量は、典型的にはコーティング組成物の約20重量%~約70重量%の範囲であり、約25重量%~約65重量%、および約30重量%~約60重量%の範囲である。アミン当量は、約100~約500の範囲であり、約150~約450、および約200~約400であってもよい。
【0025】
コーティング組成物は、少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂を含み、少なくとも1種のポリイソシアネート樹脂は、一般式:
R(NCO)i (II)
[式中、Rは、iの価数を有する有機基であり、iは、約2以上である]
を有するイソシアネート官能性化合物を含むことが好ましい。好ましくは、Rは、置換または非置換の炭化水素基(例えば、メチレン基、またはアリーレン基)であってもよい。
【0026】
イソシアネートは、芳香族または脂肪族の場合がある。有用な芳香族ジイソシアネートは、例えば、2,4-トルエンジイソシアネートおよび2,6-トルエンジイソシアネート(それぞれ一般的にTDIと呼ばれる);前記2種のTDIの異性体の混合物;4,4’-ジイソシアネートジフェニルメタン(MDI);p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);ジフェニル-4,4’-ジイソシアネート;ジベンジル-4,4’-ジイソシアネート;スチルベン-4,4’ジイソシアネート;ベンゾフェノン-4,4’-ジイソシアネート;1,3-および1,4-キシレンジイソシアネート等、または上述の芳香族イソシアネートのうち少なくとも1つを含む組み合わせである。ポリウレタンプレポリマーの製造のための代表的な芳香族ジイソシアネートとしては、TDI、MDI、およびPPDIが挙げられる。
【0027】
有用な脂肪族ジイソシアネートは、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);1,3-シクロヘキシルジイソシアネート;1,4-シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI);H(12)MDIとして知られる飽和ジフェニルメタンジイソシアネート(商業的には、ビス{4-イソシアネートシクロヘキシル}メタン、4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、4,4-メチレンビス(ジシクロヘキシル)ジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシレンイソシアネート)、飽和メチレンジフェニルジイソシアネート、および飽和メチルジフェニルジイソシアネートとしても知られる)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)など;または上述のイソシアネートのうち少なくとも1つを含む組み合わせである。代表的な脂肪族ジイソシアネートは、H(12)MDIである。
【0028】
他の代表的なポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアネートシクロヘキサン、1-イソシアネート-3,3,5-トリメチル-5-イソシアネートメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート-ジシクロヘキシルメタン、2,4-および/または4,4’-ジイソシアネート-ジフェニルメタン、およびこれらの異性体と、アニリン/フォルムアルデヒド縮合物のホスゲン化により得られるそれらの高級同族体との混合物、2,4-および/または2,6-ジイソシアネートトルエン、およびこれらの化合の任意の混合物が挙げられる。本発明の目的にとって、ビウレット、三量体、および二量体といった高級官能性ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系ポリイソシアネートが、特に有用であることが判明した。ポリイソシアネートの量は、典型的には、コーティング組成物の約10重量%~約60重量%の範囲であり、約25重量%~約55重量%、および約20重量%~約50重量%の範囲である。
【0029】
本発明の一態様において、式(II)中のRは、iの価数を有するポリウレタン基を表すことがあり、その場合、R(NCO)iは、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーまたはセミプレポリマーとして知られる組成物である。プレポリマーまたはセミプレポリマーは、過剰の有機ジイソシアネートモノマーを、活性水素含有成分と反応させると形成される。
【0030】
本発明の組成物はまた、少なくとも1種のシラン成分を含有する。本発明のコーティング組成物は、アルコキシ官能性シランを含む。本明細書で使用される「アルコキシ官能性シランおよび/またはシラノール官能性シリコーン」という用語は、アルコキシ官能基を含むシリコーンを指し、Rは、アルキル基、またはアリール基である。本明細書で使用される「シリコーン」という用語は、ケイ素原子と酸素原子とが交互に存在する構造を基礎とするシロキサンポリマーを指す。
【0031】
一実施形態において、コーティング組成物は、アルコキシ官能性シランを含む少なくとも1種のシラン成分を含み、アルコキシ官能性シランは、一般式:
【化2】
[式中、それぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、6個までの炭素原子を有するアルキル基、6個までの炭素原子を有するアリール基、および6個までの炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;またはそれぞれ同一もしくは異なっていてもよいRは、水素、6個までの炭素原子を有するアルキル基、および6個までの炭素原子を有するアリール基からなる群から選択される]
で表される化合物を含むことが好ましい。所与の実施形態において、各Rは、迅速な加水分解を促進するために6個未満の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、またはアルコキシ基を含む場合があり、加水分解のアルコール類似体生成物の揮発性によって、加水分解反応が促進される。
【0032】
アルコキシ官能性シランは、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチル-t-ブチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0033】
本発明のアルコキシシランの例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジメチル-t-ブチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、およびジメチルフェニルメトキシシランなどのモノアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、およびメチルフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、およびフェニルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン;ならびにテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトライソ-プロポキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げられる。シランの量は、典型的にはコーティング組成物の約1重量%~約30重量%の範囲であり、約5重量%~約25重量%、および約10重量%~約20重量%の範囲である。
【0034】
他の任意のシラン成分としては、米国特許出願公開第2013/0244043号明細書(Evonik)に記載されているように、イソシアネートアルキルトリアルコキシシラン、および脂肪族のアルキルで分岐したジオールまたはポリオールの付加物が挙げられる。一実施形態において、コーティング組成物は、少なくとも1種のシラン成分を含み、少なくとも1種のシラン成分は、イソシアネートアルキルトリアルコキシシラン;脂肪族のアルキルで分岐したジオール;および脂肪族のアルキルで分岐したポリオールの付加物からなる群から選択されることが好ましい。
【0035】
市販品としては、Vestanat EP-M 60、EP-M 95、EP-MF 203、EP-MF 204、EP-MF 205、EP-EF 201、およびEP-EF 202などが挙げられる。
【0036】
コーティング組成物は、少なくとも1種の粘度調整剤を含むこともある。粘度調整剤は、少なくとも1種の極性溶媒、非極性溶媒、または非反応性希釈剤を含んでもよい。好ましくは、コーティング組成物は、少なくとも1種の粘度調整剤を含むこともでき、少なくとも1種の粘度調整剤は、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロヘキサン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸t-ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、1,2,3-トリアセトキシプロパン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、二塩基酸エステルなどのエステル系溶媒;イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒;炭酸プロピレン、炭酸ジメチルなどの炭酸塩系溶媒;n-メチルピロリドン、n-エチルピロリドンなどのピロリドン系溶媒;パラクロロベンゾトリフルオリド、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1-ジクロロエタンなどのハロゲン化溶媒;およびアミンまたはポリイソシアネートに対して不活性な他のあらゆるプロトン性または非プロトン性溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を含む。好ましくは、コーティング組成物は、少なくとも1種の粘度調整剤を含むこともでき、少なくとも1種の粘度調整剤は、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタレート系非反応性希釈剤;ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、アルキルスルホン酸フェニルエステルなどのエステル系非反応性希釈剤;アセチルトリエチルシトレート、トリエチルシトレートなどのクエン酸塩系非反応性希釈剤;トリメチルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテートなどのトリメリテート系非反応性希釈剤;およびベンゾエート、スルホンアミド、エポキシ化植物油、有機リン酸エステル、グリコール、ポリエーテル、ポリブテンなどの他の種類の非反応性希釈剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1種の非反応性希釈剤を含む。粘度調整剤の量は、典型的にはコーティング組成物の約2重量%~約30重量%の範囲であり、約5重量%~約25重量%、および約10重量%~約20重量%の範囲である。
【0037】
好ましくは、コーティング組成物はまた、レベリング剤、消泡剤、脱泡剤、脱気剤、酸化防止剤、UV安定剤、レオロジー調整剤、顔料、分散剤、可塑剤、希釈剤、充填剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の他の添加剤を含むこともできる。これらの添加剤の量は、典型的にはコーティング組成物の約0重量%~約10重量%の範囲であり、約1重量%~約5重量%、および約2重量%~約5重量%の範囲である。
【0038】
先のいずれかの実施形態において、コーティング組成物が非水性であることが好ましい。
【0039】
実施例
本発明のコーティング組成物の成分は、あらゆる適切な従来の装置および方法を使用することによって混ぜ合わせることができる。その例としては、従来の装置の中でも特に、ブレンダー、インペラブレードによる撹拌、撹拌棒を使った手混合、スピードミキサーが挙げられる。
【0040】
コーティング組成物の成分は、典型的には:1)イソシアネート反応性剤、2)粘度調整剤、3)シラン、4)添加剤(溶液が均質になるまで混合)、および5)ポリイソシアネートの順序で混ぜ合わされる。
【0041】
本発明の様々な態様は、単独で、または組み合わせて使用することができる。本発明の幾つかの態様を以下の実施例により説明する。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0042】
配合物に使用した成分を以下の表1に示す:
【表1】
【0043】
実施例1
第1の実施例は、表1に示される第二級ジアミン生成物を含むコーティング組成物を示す。第二級ジアミン生成物には、Evonik Corporationの市販品であるシランが、双方ともそのままの状態で混合されているか、または混合されていない。次いで、ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体を、アミンに対する化学量論比1.05NCOでイソシアネート反応性混合物に添加し、高速ミキサーを用いて混ぜ合わせ、適用前の均質な混合物を形成する。様々な試験手順を用いて、混合物および乾燥膜の硬化特性を使用した。ジアミンとシランとの混合物を含有する試料は、ペルソ振り子試験によって測定されたように、低い混合粘度と高い最終硬度を示す。
【表2】
【表3】
【0044】
実施例2
第2の実施例は、シランと混合された第二級ジアミンと粘度調整剤とを含むコーティング組成物を示す。次いで、ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体を、アミンに対する化学量論比1.05NCOでイソシアネート反応性混合物に添加し、高速ミキサーを用いて混ぜ合わせ、適用前の均質な混合物を形成する。混合物、および乾燥膜の硬化特性を、シラン成分を含有しない市販品のジアミンの硬化特性と比較する。データは、長い硬化プロファイル時間、低い混合粘度、3日での高い硬度発現を示す。
【0045】
2つの異なる有機コーティング基材上で、試料のコーティング間接着性を試験した。試料のコーティングは、脂肪族ポリ尿素コーティング、およびエポキシコーティングが適用された基材上に、トップコートとして適用した。脂肪族ポリ尿素コーティングは液体エポキシ樹脂をAmicure IC-221で硬化したもの、エポキシコーティングは液体エポキシ樹脂をAncamine 2850で硬化したものであった。Amicure IC-221およびAncamine 2850の双方の供給元は、Evonik Corporationであった。Amicure IC-221の脂肪族ポリ尿素コーティング、およびAncamine 2850のエポキシコーティングを最初にコーティングした後、トップコートを様々な時間間隔をおいて適用した。試料2Fおよび2Gは、3ヶ月後でも、脂肪族ポリ尿素コーティングおよびエポキシコーティングの双方に対して、優れた接着性を示した。
【表4】
【表5】
【表6】
【0046】
本発明は、実施例に開示された特定の態様または実施形態によって範囲が限定されるものではなく、これらの態様または実施形態は、本発明の幾つかの態様を例示することを意図しており、機能的に等価であるあらゆる実施形態は、本発明の範囲内である。本明細書に示され説明されたものに加えて、本発明の様々な改変は、当業者にとっては明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【国際調査報告】