(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】エネルギ蓄積器をレバーにより車両フレームへ固定する装置
(51)【国際特許分類】
B62J 43/20 20200101AFI20240705BHJP
G05G 1/04 20060101ALI20240705BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20240705BHJP
【FI】
B62J43/20
G05G1/04 Z
B62M6/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501931
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022069482
(87)【国際公開番号】W WO2023285470
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021207470.7
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】フィン ニューマン
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA02
3J070BA03
3J070CC12
3J070DA01
(57)【要約】
エネルギ蓄積器(109a、109b)を車両フレームに固定する装置(101)は、基本モジュール(103)と、旋回可能な状態で基本モジュール(103)に支承されたレバー(113)と、を有する。レバー(103)は、旋回することによってエネルギ蓄積器(109a、109b)と係合可能であり、これによって、レバー(103)はエネルギ蓄積器(109a、109b)とカム機構を構成する。カム機構は、レバー(103)の更なる旋回をエネルギ蓄積器(109a、109b)の移動に変換する。この移動は、基本モジュール(103)の方向に行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ蓄積器(109a、109b)を車両フレームに固定する装置(101)であって、基本モジュール(103)と、旋回可能な状態で前記基本モジュール(103)に支承されたレバー(113)と、を有し、
前記レバー(103)は、旋回することによって前記エネルギ蓄積器(109a、109b)と係合可能であり、これによって、前記レバー(103)は前記エネルギ蓄積器(109a、109b)とカム機構を構成し、前記カム機構は、前記レバー(103)の更なる旋回を前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の移動に変換する前記装置(101)において、
前記移動は前記基本モジュール(103)の方向に行われることを特徴とする、装置(101)。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(101)において、
前記基本モジュール(103)は、前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の接触のための1つまたは複数の電気接点(401a)を備えることを特徴とする、装置(101)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置(101)において、
前記接点(401a)は、前記接点(401a)が前記移動によって前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の電気接点(401b)それぞれと接触させられるように、位置決めされていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記基本モジュール(103)は、1つまたは複数のバネ付勢ピン(403a)を備え、前記バネ付勢ピン(403a)は、前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の前記移動によって付勢されることを特徴とする、装置(101)。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の装置(101)において、
1つまたは複数の保持要素(105)を備え、前記保持要素(105)は、前記移動によって形状結合的に前記エネルギ蓄積器(109a、109b)と係合する、および/または前記移動の間に形状結合的に前記エネルギ蓄積器(109a、109b)と係合していることを特徴とする、装置(101)。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記保持要素(105)は、前記基本モジュール(103)と構造ユニット(103、105、107)を構成することを特徴とする、装置(101)。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記移動の方向と、車両フレームのパイプの長手方向軸線とは、相互に平行に配向されていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(113)がその周りを旋回する軸線と、前記移動の方向とは、相互に直交するように配向されていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(113)はガイド面を構成し、前記ガイド面は、前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の相手面に接触し、前記レバー(113)が前記エネルギ蓄積器(109a、109b)と係合させられ、前記レバー(113)が更に旋回されると、前記ガイド面は前記相手面において摺動することを特徴とする、装置(101)。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記ガイド面は、前記移動の方向に平行に配向されて、前記相手面を通って延在し、また前記レバー(113)の旋回角度に応じて異なる軸方向位置で前記相手面と交差する面であることを特徴とする、装置(101)。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記ガイド面は螺旋状に延びることを特徴とする、装置(101)。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(113)の少なくとも1つの部分(203)は螺旋状に延び、
前記部分(203)が前記ガイド面を構成することを特徴とする、装置(101)。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(113)は第1部分(113a)および第2部分(113b)を備え、
前記レバー(113)は、前記第1部分(113a)で旋回可能な状態で前記基本モジュール(103)に支承され、
前記第2部分(113b)は、旋回可能な状態で前記第1部分(113a)に支承されて、前記エネルギ蓄積器(109a、109b)と係合可能であることを特徴とする、装置(101)。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(113)はバネ要素(301)を備え、前記バネ要素(301)は、前記第1部分(113a)および前記第2部分(113b)と動作可能に接続され、前記レバー(113)が更に旋回すると前記第2部分(113b)を前記エネルギ蓄積器(109a、109b)に対して付勢するように構成されていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の装置(101)において、
固定手段(209)を備え、前記固定手段(209)は、前記第2部分(113b)が前記エネルギ蓄積器(109a、109b)に対して付勢されているときに前記第1部分(113a)がとる位置に、前記第1部分(113a)を固定するように構成されていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載の装置(101)において、
前記レバー(109)は、旋回によって前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の凹部に係合するように構成されていることを特徴とする、装置(101)。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載の装置(101)を用いて固定されるように構成されている、エネルギ蓄積器(109a、109b)。
【請求項18】
請求項16または17に記載の装置(101)を用いて固定されるように構成されたエネルギ蓄積器(109a、109b)において、
前記エネルギ蓄積器(109a、109b)の端面に取り付けられたプレート(207)であって、前記凹部の一部を覆う前記プレート(207)を備えることを特徴とする、エネルギ蓄積器(109a、109b)。
【請求項19】
請求項18に記載のエネルギ蓄積器(109a、109b)であって、請求項16または17に記載の装置(101)を用いて、請求項9に戻って参照して固定されるように構成されているエネルギ蓄積器(109a、109b)において、
前記プレート(207)は前記相手面を構成することを特徴とする、エネルギ蓄積器(109a、109b)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の装置、および請求項17に記載のエネルギ蓄積器に関する。
【背景技術】
【0002】
DE102019204572B3は、バッテリを自転車フレームに固定するためのレバー機構を開示する。レバーは、バッテリの凹部に係合し、バッテリを、バッテリの反対側の端面に向かってレバー機構から離れるように軸方向に付勢する。対応して、バッテリは、反対側の端面で電気的に接触される。したがって、レバー機構とバッテリの電気的接触とは、相互に構造的に分離されて構成されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、車両フレームにおけるエネルギ蓄積器の固定を改善することである。この課題は、請求項1に記載の装置および請求項17に記載のエネルギ蓄積器によって解決される。好適な更なる発展形態は、従属請求項に含まれており、以下の説明からあきらかになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による装置は、エネルギ蓄積器を車両フレームに固定する役割を果たす。車両フレームは、特に、自転車フレームとすることができる。エネルギ蓄積器は、好適には、電気エネルギ蓄積器またはバッテリとして構成されている。
【0006】
装置は、基本モジュールを含む。構造ユニットを形成するために接続された手段の装置を、モジュールと称する。したがって、これは、それぞれがモジュールの1つまたは複数の手段と接続されている手段の装置である。モジュールは、事前に組み立て可能であることを特徴とする。したがって、基本モジュールは、事前に組み立てられたユニットとして、車両フレームに取り付けることができる。
【0007】
さらに、装置は、レバーを含む。これは、旋回可能な状態で基本モジュールに支承されている。したがって、基本モジュールは、レバーのための支承位置を構成する。支承位置において、レバーが旋回可能な状態に固定されている。
【0008】
旋回性とは、360°未満とすることができる角度で回転可能であることを指す。特に、角度は270°未満、180°未満、または90°未満とすることができる。好適には、旋回は、正確に1つの軸線の周りで行われる。これは、レバーが、それに直交するよう配向された軸線を中心に旋回可能または回転可能でないことを意味する。
【0009】
レバーは、旋回によってエネルギ蓄積器と係合することができる。これによって、レバーは、エネルギ蓄積器とカム機構を構成する。
【0010】
カム機構とは、回転可能に支承された、または直線的にガイドされたカムキャリアを絶えず走査することによって、回転可能に支承された、または直線的にガイドされたピックアップエレメントの助けで、その出力運動が発生する機構である。
【0011】
この場合、レバーは、回転可能に支承されたカムキャリアを構成する。直線的にガイドされたピックアップエレメントは、エネルギ蓄積器によって構成される。カム機構は、レバーの更なる旋回をエネルギ蓄積器の移動に変換する。レバーの更なる旋回とは、この場合、レバーがエネルギ蓄積器と係合する位置からの、レバーの旋回を指す。したがって、レバーは、開始位置から旋回される。その結果、レバーはエネルギ蓄積器と係合して、回転方向を変えることなく更に旋回する。結果として生じるエネルギ蓄積器の移動は、基本モジュールに対して行われる。したがって、エネルギ蓄積器は、基本モジュールに対して、開始位置から終了位置まで移動される。この際、エネルギ蓄積器と基本モジュールとの間の距離が減少する。エネルギ蓄積器が終了位置に存在するとき、したがって、この距離は開始位置よりも小さい。距離のための尺度として、好適には、エネルギ蓄積器の任意に選択可能な基準点と、基本モジュールの任意に選択可能な基準点と、の間の距離が機能する。好適には、両方の基準点は、移動の方向に平行に延びる直線上にある。
【0012】
本発明は、エネルギ蓄積器に関連する機能を基本モジュールに統合することを可能にするため、有利である。したがって、好適な発展形態によれば、エネルギ蓄積器の接触のための1つまたは複数の電気接点を、基本モジュールに統合することが可能である。この接点は、エネルギ蓄積器が終了位置に存在するときに、エネルギ蓄積器の対応する接点への導電接続を確立する役割を果たす。さらに、軸方向長さの異なるエネルギ蓄積器を、同一の装置に固定することも可能である。
【0013】
好適な発展形態によれば、エネルギ蓄積器の移動によって、エネルギ蓄積器の接点および基本モジューの接点は、それぞれ相互に接触する。
【0014】
さらに、基本モジュールは、車両との電気接続を確立するための1つまたは複数の電気接点を備えることができる。これらは、1つまたは複数のプラグコネクタに一体化されている。これらのプラグコネクタは、それぞれ、基本モジュールが車両に取り付けられる際に、車両の対応する相手側と接続される。
【0015】
好適には、基本モジュールは、1つまたは複数のバネ付勢ピンによって、さらに発展的に構成されている。これらは、エネルギ蓄積が開始位置から終了位置に移動することによって、エネルギ蓄積器に対して付勢される。したがって、ピンによって加えられるバネ力は、それぞれ、エネルギ蓄積器の移動に対抗するように作用する。これを、エネルギ蓄積器が水平方向に傾いて取り付けられている際に、エネルギ蓄積器の重力を少なくとも部分的に補償するために使用することができる。好適には、エネルギ蓄積器は、1つまたは複数の凹部を備える。ピンは、それぞれの凹部に係合する。このようにして、エネルギ蓄積器は、移動の間、バネによって付勢されたピンによってガイドされる。
【0016】
車両フレームにエネルギ蓄積器を保持するために、好適な発展形態において、1つまたは複数の保持要素が設けられている。保持要素は、移動によって形状結合的にエネルギ蓄積器と係合する、または移動の間に形状結合的にエネルギ蓄積器と係合している。好適には、保持要素は、開始位置においてはエネルギ蓄積器と係合していない。開始位置は、エネルギ蓄積器を車両フレームに挿入することができて、車両フレームから取り外すことができる位置に対応する。この場合、保持要素は、移動によってのみ、エネルギ蓄積器と係合する。特に、エネルギ蓄積器が終了位置に達したときに、保持要素が係合する。
【0017】
保持要素は、好適には、基本モジュールと構造ユニットを構成するように、発展的に構成されている。これは、例えば、一方では保持要素と、他方では基本モジュールと接続されている接続レールを用いて実現することができる。発展的な構成によって、保持要素を基本モジュールと一緒に事前に組み立てることができるため、組み立てが単純化される。また、車両フレームの公差とは無関係に、バッテリに対する基本モジュール内部の公差を最適化することも可能である。
【0018】
上述のエネルギ蓄積器の移動の方向と、車両フレームのパイプの長手方向軸線とは、好適な発展形態において、相互に平行に配向されている。車両フレームのパイプは、特に、エネルギ蓄積器が固定されるパイプとすることができる。
【0019】
レバーがその周りを旋回する軸線と、移動の方向とは、同様に好適な発展形態において、相互に直交するように配向されている。
【0020】
レバーは、好適な発展形態において、ガイド面を構成する。したがって、レバーは、上述のカム機構のカムキャリアを構成する。エネルギ蓄積器は、相手面の形態で、ピックアップエレメントを構成する。レバーがエネルギ蓄積器と係合させられると、ガイド面は、発展形態によれば、相手面と接触する。つまり、ガイド面が相手面に接触する。レバーが更に旋回されると、ガイド面は相手面において摺動する。これが結果的に、エネルギ蓄積器の上述の移動をもたらす。
【0021】
ガイド面は、更なる好適な発展形態において、以下の様に配置されている。すなわち、ガイド面は、移動の方向に平行に配向されて、かつ相手面を通って延在すなわち相手面と交差し、またレバーの旋回角度に応じて異なる軸方向位置で交差する面である。軸方向位置とは、移動の方向における位置をいう。発展形態によって、旋回角度に応じて軸方向位置が変化することによって、上述のエネルギ蓄積器の移動が生じる。
【0022】
上述のガイド面の設計は、例えば、ガイド面が螺旋状に延びて発展的に構成されている場合に生じる。特に、ガイド面を構成するレバーの少なくとも1つの部分を、螺旋状に発展的に構成することができる。
【0023】
レバーは、好適には、第1部分および第2部分を有する2つの部分で発展的に構成されている。レバーは、第1部分で、旋回可能な状態で基本モジュールに支承されている。これは、一方で第1部分は旋回可能な状態で基本モジュールに支承されていることを意味する。他方で、上述のレバーの旋回は、第1部分の旋回と同義である。第2部分の方は、旋回可能な状態で第1部分に支承されている。第2部分を第1部分に対してその周りを旋回させることができる旋回軸線は、好適には、第1部分を基本モジュールに対してその周りを旋回させることができる旋回軸線と、平行に延びる。
【0024】
第2部分は、第1部分が基本モジュールにおいて旋回することによって、エネルギ蓄積器と係合可能である。この場合、第2部分は、エネルギ蓄積器と、上述のカム機構を構成する。その結果、第1部分の更なる旋回は、当初に記載されたエネルギ蓄積器の移動に変換される。第2部分の旋回性は、この場合、公差に関連する装置内部の寸法偏差を補償することを可能にする。
【0025】
さらに、レバーは、好適には、バネ要素で発展的に構成されている。これは、第1部分および第2部分と動作可能に接続されている。したがって、バネ要素によって加えられるバネ力は、第1部分と第2部分との間で作用する。バネ力は、第1部分と第2部分との間に作用するトルクを引き起こす。トルクは、第2部分の第1部分に対する旋回につながる、またはそのような旋回に対抗する。
【0026】
発展形態によれば、バネ要素は、レバーが更に旋回する、すなわち第1部分が更に旋回すると、第2部分をエネルギ蓄積器に対して付勢する。詳細には、更に旋回すると、第2部分の第1部分に対する公差に関連する旋回がもたらされる。この旋回は、第1部分と第2部分との間でバネ要素の付勢を引き起こす。これによって、エネルギ蓄積器の、堅固で、がたつくことのない固定が生じる。
【0027】
好適には、装置はまた、固定手段、例えばロックで、発展的に構成されている。第2部分がエネルギ蓄積器に対して付勢されているときに第1部分がとる位置に、固定手段で、第1部分を固定することができる。固定手段を用いて第1部分を固定することによって、第2部分の上述のエネルギ蓄積器に対する付勢が維持される。固定手段としてのロックは、同時に、盗難防止装置としての役割も果たす。
【0028】
好適には、レバーは、上述の旋回によってエネルギ蓄積器の凹部に係合するように発展的に構成されている。凹部または凹部の一部は、この場合、上述のカム機構のピックアップエレメントを構成する。好適には、凹部は、少なくとも部分的にエネルギ蓄積器の側面に存在する。
【0029】
上記で説明したエネルギ蓄積器は、本発明によるエネルギ蓄積器である。これは、好適には、エネルギ蓄積器の端面に取り付けられたプレートで、発展的に構成されている。プレートは、上述の凹部の一部を覆う。好適には、このプレートは、レバーのガイド面について上述した相手面を構成するために、発展的に構成されている。
【0030】
本発明の好適な実施形態は、図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】軸方向長さの異なるエネルギ蓄積器を有する固定装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1に示される固定装置101は、基本モジュール103と、保持要素105と、レール107と、を備える。基本モジュール103および保持要素105は、レール107に固定されている。一方、レール107は自転車フレームにねじ留めされる。
【0033】
固定装置101は、電気バッテリ109a、109bを受容する役割を果たす。バッテリ109a、109bは、それぞれ、ガイド溝111を備える。バッテリ109a、109bは、ガイド溝111で固定要素105に押し付けられる。固定要素105は、形状結合的にガイド溝111に係合する。
【0034】
定着装置101の構造によって、軸方向長さの異なるバッテリ109a、109bを使用することが可能である。したがって、バッテリ109aは軸方向長さAを有し、バッテリ109bは軸方向長さBを有する。軸方向長さAは、軸方向長さBよりも長い。
【0035】
レバー113は、旋回可能な状態で基本モジュール103に支承されている。レバー113は、バッテリ109a、109bを固定する役割を果たす。レバー113は、
図1には閉位置で示されている。
【0036】
図2a~
図2dは、レバー113の機能を示す。
図2a~
図2dにおいて、どのようにバッテリ109が固定装置101に挿入され、レバー113を用いて固定されるかが示される。バッテリ109は、まず、保持要素105がガイド溝111に係合するように、固定装置101に挿入される。これが、
図2aに示される。バッテリ109は、この位置において、基本モジュール103から軸方向に離間されている。したがって、基本モジュール103とバッテリ109との間のスペースは、長手方向軸線201に沿って延在する。
【0037】
図2aに示される装置から、バッテリ109は、軸方向に、すなわち、長手方向軸線201に沿って、基本モジュール103の方向に移動される。これによって、バッテリ109と基本モジュール101との間の軸方向距離が減少する。移動によって、保持要素105は、ガイド溝111に形状結合に係合する。対応する装置は、
図2bに示される。
【0038】
レバー113は、閉鎖フック203を備える。閉鎖フック203は、バッテリ209における凹部205と位置合わせされている。凹部205は、バッテリ109の端面に設けられた凹部によって構成される。この凹部は、プレート207によって部分的に閉鎖される。プレート207によって部分的に閉鎖される。プレート207は、凹部205の開口部を空けている。開口部は、長手方向軸線201に直交するよう配向されている。
【0039】
レバー113が閉鎖されると、
図2cに示されるように、閉鎖フック203は開口部に係合する。閉鎖フック203は、螺旋状に形成されている。閉鎖フック203は、螺旋の一部の形状、すなわちヘリックスを有し、その中心線は、長手方向軸線201に対して平行に延びる。これによって、閉鎖フック203は、プレート207とカム機構を形成する。レバー113の旋回運動は、カム機構によって、バッテリ109の基本モジュール103の方向への移動に変換される。レバー113を閉鎖することによって、バッテリ109は、すなわち閉鎖フック203によって、基本モジュール103の方向に引かれる。
【0040】
図2dは、閉位置にあるレバー113を示す。閉鎖フック203は、凹部205内部のこの位置にあり、したがってバッテリ109を固定する。レバー113は、ロック209を用いて閉位置に固定される。ロック209は、さらに、不正なアクセスからもバッテリ109を保護する。
【0041】
公差に関連する寸法偏差を補償し、バッテリ109をがたつくことなく固定するために、レバー113は2つの部分で構成されている。したがって、レバー113は、
図3に示されるように、第1部分113aおよび第2部分113bからなる。第1部分113aで、レバー113は、旋回可能な状態で基本モジュール103に支承されている。一方、第2部分113bは、旋回可能な状態で第1部分113aに支承されている。閉鎖フック203は、第2部分113bに形成されている。
【0042】
第1部分113aにおける第2部分113bの旋回性は、
図3に示されるエラストマー301によって制限される。これによって、第2部分113bの第1部分113aにおける旋回がエラストマー301の弾性変形を伴うように、第1部分113aおよび第2部分113bが相互に接続される。特に、閉鎖フック203が凹部205に完全に係合し、第1部分113aがレバー113のこの位置から、その終了位置に更に旋回されると、エラストマー301が変形される。エラストマー301の変形によって、第1部分113aと第2部分113bとの間に作用するモーメントが発生する。このモーメントは、第2部分113bを、バッテリ109a、109bまたはプレート207に対して付勢する。
【0043】
基本モジュール103は、
図4に示されるプラグコネクタ401aの形態の電気的インターフェイスを備える。基本モジュール103のプラグコネクタ401aの相手側としてのプラグコネクタ401bは、バッテリ109の上述の端面に存在する。バッテリが、上述のように、固定装置101に挿入されて、レバー113を用いて固定されると、プラグコネクタ401a、401bは、相互に係合して、したがってバッテリ109a、109bの電気的接触を確立する。
【0044】
基本モジュール103は、さらに、2つのガイドピン403a、403bを備える。これらは、バッテリ109の対応する凹部405a、405bに係合するように構成されている。凹部405a、405bは、バッテリ109のプラグコネクタ401aと同じ端面に存在する。ガイドピン403a、403bが凹部405a、405bに係合することよって、バッテリ109の長手方向軸線201に直交する移動が防止される。このような動きは、プラグコネクタ401a、401bを破損する可能性がある。
【0045】
ガイドピン403aは、長手方向に、すなわち長手方向軸線201に沿って、移動可能であり、バネ荷重をかけられている。バネ力によって、ガイドピン403aは、バッテリ109の重力に対抗するように作用する。これによって、バッテリ109の挿抜が容易になる。
【符号の簡単な説明】
【0046】
101 固定装置
103 基本モジュール
105 保持要素
107 レール
109a バッテリ
109b バッテリ
111 ガイド溝
113 レバー
113a レバーの第1部分
113b レバーの第2部分
201 長手方向軸線
203 閉鎖フック
205 凹部
207 プレート
209 ロック
301 エラストマー
401a プラグコネクタ
401b プラグコネクタ
403a ガイドピン
403b ガイドピン
405a 凹部
405b 凹部
【国際調査報告】