(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】エアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240705BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240705BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501952
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022097722
(87)【国際公開番号】W WO2023284451
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110801926.0
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】郭 聡慧
(72)【発明者】
【氏名】梁 峰
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AB12
4B045BA05
4B045BA08
4B045BC16
4B045BC23
4B045BC24
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
本願はエアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置を開示する。該エアロゾル基質構造は基質部分と、基質部分の一端に設置されたダクト部分と、ダクト部分の基質部分から離れた端に設置されたフィルタ部分と、を少なくとも備え、基質部分はエアロゾル発生基質及び発熱体を含み、発熱体は密閉室を有し、エアロゾル発生基質は密閉室内に設けられ、密閉室は一端が第1開口を有し、他端は密閉端であり、ダクト部分は吸入通路及び複数の第1吸気孔を有し、吸入通路は第1開口を介して密閉室に連通し、複数の第1吸気孔は吸入通路と外部大気とを連通する。本願のエアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置では、エアロゾル発生基質の残留物が加熱装置内に残存しにくく、且つ生成されたエアロゾルの物質成分の適合性が高く、ユーザーの吸入感がより良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル基質構造であって、
基質部分と、前記基質部分の一端に設置されたダクト部分と、前記ダクト部分の前記基質部分から離れた端に設置されたフィルタ部分と、を少なくとも備え、
前記基質部分はエアロゾル発生基質及び発熱体を含み、前記発熱体は密閉室を有し、前記エアロゾル発生基質は前記密閉室内に設けられ、前記密閉室は一端が第1開口を有し、他端は密閉端であり、
前記ダクト部分は吸入通路及び複数の第1吸気孔を有し、前記吸入通路は前記第1開口を介して前記密閉室に連通し、前記複数の第1吸気孔は前記吸入通路と外部大気とを連通するエアロゾル基質構造。
【請求項2】
前記複数の第1吸気孔は前記ダクト部分の側壁に設置され、且つ前記ダクト部分の前記基質部分に近接する端に位置する請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項3】
前記複数の第1吸気孔は前記ダクト部分の周方向に沿って間隔を置いて配置される請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項4】
前記複数の第1吸気孔は前記ダクト部分の前記基質部分に近接する端に位置し、前記ダクト部分は更に複数の第2吸気孔を含み、前記複数の第2吸気孔は前記ダクト部分の前記基質部分から離れた端に位置し、吸入過程において前記吸入通路内に入った前記エアロゾルを冷却するために使用される請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項5】
前記複数の第2吸気孔は前記ダクト部分の周方向に沿って間隔を置いて設置される請求項4に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項6】
前記ダクト部分は複数の第2吸気孔を含み、前記複数の第2吸気孔は前記ダクト部分の前記基質部分から離れた端に位置し、前記複数の第2吸気孔は前記ダクト部分の軸方向に沿って間隔を置いて設置される請求項4に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項7】
前記第2吸気孔の孔径は前記第1吸気孔の孔径よりも小さい請求項4に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項8】
前記ダクト部分には、前記ダクト部分に入ったエアロゾルを冷却するための冷却媒体が設置される請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項9】
前記冷却媒体は前記ダクト部分の内側壁上に設置され且つ前記第1吸気孔の所在位置を避けて設置され、且つ前記冷却媒体は前記ダクト部分の軸方向に沿って前記ダクト部分を貫通し、且つ前記冷却媒体の内部は中空であり、前記冷却媒体の内表面で囲まれた空間は前記吸入通路を形成する請求項8に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項10】
前記冷却媒体は前記吸入通路内に充填されており、且つ前記ダクト部分の前記基質部分から離れた端に位置する請求項8に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項11】
前記冷却媒体の材料はポリ乳酸又はアセテート繊維である請求項8に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項12】
前記フィルタ部分は前記ダクト部分に連通しており、前記ダクト部分で吸入された前記エアロゾルを濾過するために使用され、前記フィルタ部分には、前記ダクト部分で吸入された前記エアロゾルを濾過するための濾過媒体が充填される請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項13】
前記第1吸気孔の形状は円形、楕円形、菱形又は四角形である請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項14】
前記第1吸気孔の孔径は0.2mm~1mmである請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項15】
前記第1吸気孔の孔径は0.6mm~0.8mmである請求項14に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項16】
前記ダクト部分は前記基質部分の前記第1開口を有する端に当接し、且つ前記第1吸気孔と前記第1開口との直線距離は2mm~14mmである請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項17】
前記第1吸気孔と前記第1開口との直線距離は4mm~10mmである請求項16に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項18】
前記第1吸気孔の数は4~10である請求項1に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項19】
前記第1吸気孔は円形であり、前記円形の第1吸気孔の直径は0.6mm~0.8mmであり、前記第1吸気孔と前記第1開口との直線距離は4mm~10mmである請求項18に記載のエアロゾル基質構造。
【請求項20】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1に記載のエアロゾル基質構造であるエアロゾル基質構造と、
電源アセンブリ及び加熱アセンブリを含み、前記電源アセンブリは前記加熱アセンブリに接続されており、前記加熱アセンブリに給電するために使用され、前記加熱アセンブリは通電後に前記エアロゾル基質構造における前記発熱体を発熱させることにより、前記エアロゾル発生基質を加熱して霧化させてエアロゾルを形成するために使用される加熱装置と、を備えるエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年07月15日に提出した中国特許出願第2021108019260号の優先権を主張し、ここで、その全ての記載内容が援用により本願に取り込まれる。
【0002】
本発明は電子霧化装置の技術分野に関し、特にエアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
非燃焼加熱(HNB、Heat Not Burning)装置は加熱装置にエアロゾル発生基質(処理された植物葉のような製品)を加えた組合せ装置である。外部加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生できるが燃焼にならない温度まで高温加熱することにより、燃焼させることなく、エアロゾル発生基質にユーザーに必要なエアロゾルを発生させることができる。
【0004】
エアロゾル発生基質は吸入し終わった後、残留物が加熱装置内に残存又は付着しやすい。これにより、加熱装置の洗浄が困難になり、雑味や異臭がして、ユーザーの吸入体験に深刻な影響を与えてしまうだけでなく、加熱効率及び温度制御の精度にも影響を与え、エアロゾル発生装置の信頼性が低くなり、ユーザーの喫煙体験が悪くなってしまう。また、吸入過程において、外部の冷気がエアロゾル発生基質から流れ込み、エアロゾル発生基質の温度を急激に変化させて、エアロゾル発生基質の分解反応を不安定にし、生成されたエアロゾルの物質成分の適合性が低くなる。これは、ユーザーの吸入感に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願に係るエアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質の残留物が加熱装置内に残存しやすく、かつ、生成されたエアロゾルの物質成分の適合性が低く、ユーザーの吸入感が悪いという問題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本願が用いる第1の技術的解決策は以下のとおりである。エアロゾル基質構造を提供し、前記エアロゾル基質構造は、基質部分と、基質部分の一端に設置されたダクト部分と、ダクト部分の基質部分から離れた端に設置されたフィルタ部分と、を少なくとも備え、
基質部分はエアロゾル発生基質及び発熱体を含み、発熱体は密閉室を有し、エアロゾル発生基質は密閉室内に設けられ、密閉室の一端は第1開口を有し、他端は密閉端であり、
ダクト部分は吸入通路及び複数の第1吸気孔を有し、吸入通路は第1開口を介して密閉室に連通し、複数の第1吸気孔は吸入通路と外部大気とを連通する。
複数の第1吸気孔はダクト部分の側壁に設置され、且つダクト部分の基質部分に近接する端に位置する。
【0007】
複数の第1吸気孔はダクト部分の周方向に沿って間隔を置いて配置される。
【0008】
複数の第1吸気孔はダクト部分の基質部分に近接する端に位置し、ダクト部分は更に複数の第2吸気孔を含み、複数の第2吸気孔はダクト部分の基質部分から離れた端に位置し、吸入過程において吸入通路内に入ったエアロゾルを冷却するために使用される。
【0009】
複数の第2吸気孔はダクト部分の周方向に沿って間隔を置いて設置される。
【0010】
ダクト部分は複数の第2吸気孔を含み、複数の第2吸気孔はダクト部分の基質部分から離れた端に位置し、複数の第2吸気孔セットはダクト部分の軸方向に沿って間隔を置いて設置される。
【0011】
第2吸気孔の孔径は第1吸気孔の孔径よりも小さい。
【0012】
ダクト部分には、ダクト部分に入ったエアロゾルを冷却するための冷却媒体が設置される。
【0013】
冷却媒体はダクト部分の内側壁上に設置され且つ第1吸気孔の所在位置を避けて設置され、且つ冷却媒体はダクト部分の軸方向に沿ってダクト部分を貫通し、且つ冷却媒体の内部は中空であり、冷却媒体の内表面で囲まれた空間は吸入通路を形成する。
【0014】
冷却媒体は吸入通路内に充填されており、且つダクト部分の基質部分から離れた端に位置する。
【0015】
冷却媒体の材料はポリ乳酸又はアセテート繊維である。
【0016】
フィルタ部分はダクト部分に連通しており、ダクト部分で吸入されたエアロゾルを濾過するために使用され、フィルタ部分には、ダクト部分で吸入されたエアロゾルを濾過するための濾過媒体が充填される。
【0017】
第1吸気孔の形状は円形、楕円形、菱形又は四角形である。
【0018】
第1吸気孔の孔径は0.2mm~1mmである。
【0019】
第1吸気孔の孔径は0.6mm~0.8mmである。
【0020】
ダクト部分は基質部分の第1開口を有する端に当接し、且つ第1吸気孔と第1開口との直線距離は2mm~14mmである。
【0021】
第1吸気孔と第1開口との直線距離は4mm~10mmである。
【0022】
第1吸気孔の数は4~10である。
【0023】
第1吸気孔は円形であり、円形の第1吸気孔の直径は0.6mm~0.8mmであり、第1吸気孔と第1開口との直線距離は4mm~10mmである。
【0024】
上記技術的問題を解決するために、本願が用いる第2の技術的解決策は、エアロゾル基質構造及び加熱装置を備えるエアロゾル発生装置を提供することである。エアロゾル基質構造は上述のエアロゾル基質構造であり、加熱装置は電源アセンブリ及び加熱アセンブリを含み、電源アセンブリは加熱アセンブリに接続されており、加熱アセンブリに給電するために使用され、加熱アセンブリは通電後にエアロゾル基質構造内の発熱体を発熱させることにより、エアロゾル発生基質を加熱して霧化させてエアロゾルを形成するために使用される。
【発明の効果】
【0025】
本願に係るエアロゾル基質構造及びエアロゾル発生装置では、該エアロゾル基質構造は基質部分が設けられており、基質部分の発熱体内に密閉室を有し、密閉室の一端は第1開口を有し、他端は密閉端であり、密閉室にエアロゾル発生基質を収容することにより、エアロゾル発生基質が該密閉室に収容される場合にエアロゾル発生基質を密閉状態にし、これにより、吸入過程において又は吸入完了後に、エアロゾル発生基質がエアロゾル基質構造から抜け落ちることを防止する。同時に、吸入完了後に、エアロゾル発生基質の残留物をエアロゾル基質構造とともに取り出すことを可能にし、加熱装置に残存又は付着するという問題の発生を回避し、加熱装置の洗浄を容易にする。また、吸入過程において、気流が基質部分のエアロゾル発生基質を通過しないため、エアロゾル発生基質の分解反応が冷気の影響を受けることがなく、分解反応が安定し、生成されたエアロゾルの物質成分の適合性に寄与し、更にユーザーの吸入感の向上に寄与する。最後に、ダクト部分を設置して、ダクト部分に密閉室に連通する吸入通路及び複数の第1吸気孔を形成することにより、複数の第1吸気孔から吸入過程で吸気し、それにより基質部分で形成されたエアロゾルを吸入する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下に実施例の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は単に本願の実施例の一例にすぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】
図1は本願の第1実施例に係るエアロゾル基質構造の断面図である。
【
図2】
図2は本願の第2実施例に係るエアロゾル基質構造の断面図である。
【
図3】
図3は本願の第3実施例に係るエアロゾル基質構造の断面図である。
【
図4】
図4は本願の第4実施例に係るエアロゾル基質構造の断面図である。
【
図5】
図5は本願の第5実施例に係るエアロゾル基質構造の断面図である。
【
図6】
図6は本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術的解決策を明確且つ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0028】
以下の説明では、特定のシステム構造、インターフェース、技術のような具体的な詳細は、本願を完全に理解するために、限定ではなく説明を目的として提供される。
【0029】
本発明の用語「第1」、「第2」、「第3」は、説明の目的でのみ使用されており、その相対的な重要性を示す又は示唆するもの、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」、「第3」で限定された特徴は、少なくとも1つの前記特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明確且つ具体的に限定しない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどである。本発明の実施例での全ての方向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後…)は、ある特定の姿勢(図に示すように)における各部材間の相対的な位置関係、運動状況などを説明するために使用され、前記特定の姿勢が変化すると、それに伴って前記方向性指示も変化する。本願の実施例における用語「備える」、「有する」及びそれらの任意の変形は非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は装置は、列挙したステップ又はユニットに限らず、選択的に列挙されていないステップ又はユニットを更に含み、又は選択的にこれらの過程、方法、製品又は装置固有の他のステップ又はアセンブリを更に含む。
【0030】
本明細書で言及された「実施例」は、実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各箇所に前記用語が出現することは必ずしも全てが同じ実施例を指しているとは限らず、他の実施例と排他性のある独立した又は代替の実施例でもない。当業者であれば明示的又は暗黙的に理解されるように、本明細書で説明される実施例は、他の実施例と組み合わされてもよい。
【0031】
以下、図面を参照しながら実施例によって本願を詳しく説明する。
【0032】
図1を参照すると、
図1は本願の第1実施例のエアロゾル基質構造100の断面図を提供する。本実施例はエアロゾル基質構造100を提供し、エアロゾル基質構造100は順次接続される基質部分111、ダクト部分112及びフィルタ部分113を備える。
基質部分111はエアロゾル発生基質120及び発熱体121を含む。発熱体121はエアロゾル発生基質120を収容するための密閉室111dを有する。即ち、エアロゾル発生基質120は発熱体121の密閉室111d内に設置され、且つ密閉室111dの一端は第1開口111bを有する。具体的には、発熱体121の側壁は環状に囲まれて管状体を形成し、管状体のダクト部分112に接続される端は開口端である。この実施例では、開口端が第1開口111bとなる。なお、開口端が第1開口111bとなる場合、第1開口111bの口径は密閉室111dの口径と一致する。当然のことながら、他の実施例では、第1開口111bの口径は密閉室111dの口径よりも小さくてもよい。
【0033】
ダクト部分112は基質部分111内に形成されたエアロゾルを吸入するために使用される。ダクト部分112は基質部分111の第1開口111bを有する端に設けられ、且つダクト部分112の内部に吸入通路112aを有し、吸入通路112aは第1開口111bを介して基質部分111の密閉室111dに連通する。
【0034】
フィルタ部分113がダクト部分112の吸入通路112aの基質部分111から離れた端に連通することにより、吸入通路112a内のエアロゾルがフィルタ部分113に入ることを可能にし、それによりフィルタ部分113によりダクト部分112で吸入されたエアロゾルを濾過する。具体的には、フィルタ部分113はダクト部分112の基質部分111から離れた側に設けられてもよく、且つフィルタ部分113内に濾過媒体114が充填されてもよく、濾過媒体114はエアロゾル内のヤニ、浮遊粒子などを濾過することができ、それにより濾過媒体114によりダクト部分112で吸入されたエアロゾルを濾過して、ユーザーが吸入したエアロゾル中の不必要な物質を減少させる。濾過媒体114の材料はアセテート繊維であってもよい。更に、フィルタ部分113のダクト部分112から離れた端が第2開口113aを有することにより、フィルタ部分113の内部空間と外部大気とを連通させる。ユーザーはフィルタ部分113の第2開口113aを有する端からエアロゾルを吸入することができる。
【0035】
ダクト部分112及びフィルタ部分113の材質は紙ベースの材料又はホイルベースの材料であってもよい。発熱体121はエアロゾル発生基質120を加熱することによりエアロゾルを発生することができ、発熱体121は電磁誘導により発熱してもよく、電気抵抗により発熱してもよい。発熱体121が電磁誘導により発熱する場合、発熱体121の材質はキュリー点温度を有する強磁性材料を含んでもよく、強磁性材料は、例えば、鉄ニッケル合金であってもよく、電磁誘導により発熱体121上のキュリー点温度を有する強磁性材料を発熱させ、それによりその内部のエアロゾル発生基質120を加熱して霧化させてエアロゾルを形成する。具体的には、基質部分111の外周の周方向にソレノイドコイルを周設することにより、ソレノイドコイルに通電する際に磁界を発生させることができ、それにより発熱体121上のキュリー点温度を有する強磁性材料を発熱させる。
発熱体の材質がキュリー点温度を有する強磁性材料を含んでもよいこととは、発熱体121の材質がキュリー点温度を有する強磁性材料だけであってもよく、発熱体121が全て加熱部材としてエアロゾル発生基質120を加熱することを意味する。当然のことながら、発熱体121の材質はキュリー点温度を有する強磁性材料及びキュリー点温度を有する強磁性材料以外の他の材料を含んでもよく、且つ当該他の材料とキュリー点温度を有する強磁性材料とは単に物理的組合せである。即ち、強磁性材料は他の材料と化学反応しない。
【0036】
従来技術における加熱部材が加熱装置内に設置され、加熱部材により発生した熱が一連の媒体、例えば、空気、エアロゾル発生基質120を包む紙質材料によりエアロゾル発生基質120に伝導されることと比較して、本実施例はエアロゾル発生基質120を直接発熱体121内に設け、発熱体121が直接加熱部材として発熱することにより発熱体121の内部のエアロゾル発生基質120を加熱することができる。熱が発熱体121から直接エアロゾル発生基質120に伝達され、熱が伝達する媒体を減少させ、それにより熱の伝導過程における熱損失を低減する。
【0037】
また、発熱体121の材質がキュリー点温度を有する強磁性材料である場合、該発熱体121がキュリー点温度を有する強磁性材料により加熱するが、キュリー点温度を有する強磁性材料はキュリー点温度以下にあり、且つ該強磁性材料が強磁性であり、発振コイルの作用によって電磁誘導により持続的に発熱することができ、このため、エアロゾル発生基質120の加熱ベーキングを実現する。しかしながら、キュリー点温度を超えた後、強磁性材料は強磁性から常磁性になる。即ち、この時点で、該発熱体121は磁性を備えなくなり、発熱体121はエアロゾル発生基質120の電磁誘導による加熱を停止する。これにより、該発熱体121は加熱温度がキュリー点温度を超えると加熱を自動的に停止できるようにすることで、エアロゾル発生基質120の温度を特定の温度範囲内に正確に制御し、エアロゾル発生基質120の加熱温度が高すぎて、エアロゾル発生基質120が焼き焦げるという問題が発生することを防止する。それによりエアロゾル発生基質120の温度を正確に制御することができ、更に加熱装置に温度測定アセンブリを別に設置する必要がなく、生産コストを効果的に削減する。
【0038】
加えて、上記エアロゾル基質構造100はエアロゾル発生基質120の外部に紙質材料が包まれているスキームと比較して、本実施例では発熱体121にエアロゾル発生基質120を包むことにより、吸入過程においてベーキング中の紙の匂いがすることを更に防止することができ、ユーザーの吸入感を向上させる。
【0039】
一実施例では、発熱体121の少なくともエアロゾル発生基質120に面する側の材質はキュリー点温度を有する強磁性材料である。例えば、基質部分111は二層構造であってもよく、発熱体121の外側壁の材料は断熱材料であり、発熱体121の内側壁の材料はキュリー点温度を有する強磁性材料である。これにより、発熱体121とエアロゾル発生基質120との距離がより近くなり、熱伝達過程における熱損失がより少なくなる。
【0040】
一実施例では、
図1に示すように、発熱体121内にエアロゾル発生基質120が収容される場合、エアロゾル発生基質120が発熱体121の内表面に直接接触することにより、発熱体121により発生した熱が直接エアロゾル発生基質120に伝達できるようにする。エアロゾル発生基質120と発熱体121の内表面との間に隙間がある場合、熱が空気媒体により発熱体121からエアロゾル発生基質120に伝達される必要があるが、エアロゾル発生基質120が発熱体121の内表面に直接接触する場合、熱が空気媒体を伝達される必要がなく、熱伝達過程における熱損失を更に低減する。
【0041】
一実施例では、発熱体121、ダクト部分112及びフィルタ部分113の形状は中空管状であってもよく、且つ円柱状であってもよく、他の実施例では、基質部分111、ダクト部分112及びフィルタ部分113の形状は他の形状であってもよい。更に、基質部分111、ダクト部分112及びフィルタ部分113の形状は同じであってもよく、いずれも円柱状を呈してもよい。
【0042】
一実施例では、発熱体121、ダクト部分112及びフィルタ部分113の内外径の寸法は同じであってもよく、それにより基質部分111の側壁、ダクト部分112の側壁及びフィルタ部分113の側壁を順次当接させる。
【0043】
本実施例では、
図1に示すように、
図1における矢印は気流の流れ方向を示す。基質部分111の密閉室111dは第1開口111bのみを含んでもよい。即ち、密閉室111dの第1開口111b以外の他の端はいずれも密閉端であり、気流が基質部分111から入れないようにする。本実施例では、密閉室111dは一端が第1開口111bを有し、他端が密閉端である。
【0044】
具体的には、この実施例では、ダクト部分112に第1吸気孔112bが設置され、第1吸気孔112bの数は少なくとも1つである。第1吸気孔112bが外部大気と吸入通路112aとを連通することにより、気流は第1吸気孔112bから吸入通路112aに入ることができ、それにより基質部分111内に発生したエアロゾルを運びながら吸入通路112aからフィルタ部分113の内部空間に入って、フィルタ部分113の第2開口113aから流出し、これにより、ユーザーの吸入過程を実現する。
【0045】
該エアロゾル基質構造100は基質部分111に密閉室111dを形成させることにより、密閉室111dでエアロゾル発生基質120を収容し、これにより、エアロゾル発生基質120が発熱体121内に収容される場合、エアロゾル発生基質120を密閉状態にすることにより、吸入過程において又は吸入完了後に、エアロゾル基質構造100内のエアロゾル発生基質120が加熱装置に抜け落ちることを防止する。それと同時に、吸入完了後に、エアロゾル発生基質120の残留物をエアロゾル基質構造100とともに取り出すことを可能にし、加熱装置に残存又は付着するという問題の発生を回避し、加熱装置の洗浄を容易にする。
【0046】
また、吸入過程において、気流が基質部分111内のエアロゾル発生基質120を通過せず、エアロゾル発生基質120の分解反応が冷気の影響を受けることがなく、分解反応が安定し、生成されたエアロゾルの物質成分の適合性に寄与し、更にユーザーの吸入感の向上に寄与する。
【0047】
形成されたエアロゾルは密閉室111d内のガスを置換する効果があるため、基質部分111内の酸素含有量が加熱過程の進行に伴って減少することとなり、このとき、加熱温度を上昇させても、エアロゾル発生基質120は燃焼現象が発生することもない。従って、エアロゾル発生基質120の加熱温度を更に上昇させることにより、エアロゾル発生基質120中の芳香成分を十分に放出して、ユーザーの吸入感を向上させることができる。
【0048】
最後に、ダクト部分113を設置して、ダクト部分113に密閉室111dに連通する吸入通路112a及び複数の第1吸気孔112bを形成することにより、複数の第1吸気孔112bから吸入過程で吸気し、それにより基質部分111で形成されたエアロゾルを吸入する。
【0049】
具体的な実施例では、
図1に示すように、発熱体121は環状側壁111e及び底壁111fを有し、底壁111fは環状側壁111eのダクト部分112から離れた端に設けられ、且つ環状側壁111eとともに囲まれて密閉室111dが形成される。環状側壁111e及び底壁111fは緊密な係合により発熱体121のダクト部分112から離れた端を密閉にしてもよく、環状側壁111eは底壁111fと一体成形されてもよい。即ち、発熱体121が一体成形され、密閉室111dが一体成形され、基質部分111のダクト部分112から離れた端を密閉にする。環状側壁111eと底壁111fとの緊密な係合と比較して、密閉室111dが一体成形されることにより基質部分111の内部の密封性をより高くすることができ、且つ運搬、移動、開封及び外力の作用を受けた他の場合に底壁111fも緩みにくく脱落しにくく、エアロゾル発生基質120が抜け落ちることによる加熱装置が洗浄されにくいという問題を防止することができるとともに、気流が基質部分111に入ることによる発生したエアロゾルの適合性が低いという問題を防止することができる。
【0050】
第1実施例では、
図1に示すように、基質部分111の環状側壁111e及び底壁111fは一体成形される。エアロゾル基質構造100は複数の第1吸気孔112bから吸気することによりエアロゾルを吸入する。
【0051】
第1実施例の基質部分111は密閉構造であり、気流は基質部分111を通過しない。従って、基質部分111内に発生したエアロゾルの流出は基質部分111の両端が開口する構造にとってより困難であり、気流はエアロゾルを持ち出せず又は持ち出されるエアロゾルの量が少なく、ユーザーの吸入体験に影響を与えてしまう。
【0052】
第1吸気孔112bの数が多ければ多いほど、エアロゾル基質構造100内の気流の温度が低くなり、吸入抵抗が小さくなり、且つエアロゾル基質構造100における吸入したエアロゾルの量は第1吸気孔112bの数の増加に従って増加してから減少する傾向がある。これに鑑みて、第1吸気孔112bの具体的な数は実際の状況に応じて選択して設定してもよい。具体的には、第1吸気孔112bの数を複数取って、複数の第1排気孔がダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて配置され、好ましくは、複数の第1排気孔がダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて均一に配置され、それによりダクト部分112の各径方向の吸気をより均一にする。
【0053】
具体的には、第1吸気孔112bの形状は円形、楕円形、菱形及び四角形などであってもよく、第1吸気孔112bの形状はエアロゾル基質構造100の生産加工プロセス及びコストに基づいて選択されるべきである。
【0054】
具体的には、第1吸気孔112bの孔径が大きければ大きいほど、エアロゾル基質構造100内の気流の温度が低くなり、ユーザーが吸入したエアロゾルの量が増加して、吸入抵抗が小さくなる。従って、第1吸気孔112bの孔径の寸法は実際の状況に応じて選択して設定してもよい。当然のことながら、ダクト部分112の支持効果を考慮して、第1吸気孔112bの数、孔径の寸法をダクト部分112の直径に合わせて設計することができ、孔開け領域が大きすぎることによるダクト部分112が変形及び崩壊しやすく、更に吸入通路112aを閉塞してしまうという問題を回避する。具体的な実施例では、第1吸気孔112bの孔径の寸法は0.2mm~1mmであってもよい。
【0055】
一実施例では、第1吸気孔112bと第1開口111bとの直線距離を2mm~14mmにすることにより、第1吸気孔112bと第1開口111bとの直線距離を短縮することができ、それによりエアロゾル基質構造100内の気流の温度が高ければ高いほど、ユーザーが吸入できるエアロゾルの量が増加する。
【0056】
具体的な実施例では、第1吸気孔112bはダクト部分112の基質部分111に近接する端に設けられてもよく、当然のことながら、第1吸気孔112bはダクト部分112の他の位置に設けられてもよい。孔開け位置がエアロゾル発生装置200(下記
図6参照)の構造に基づいて設計してもよいが、孔開け位置の設計はエアロゾル発生装置200が第1吸気孔112bを塞ぐことによるエアロゾル基質構造100の吸気に影響を与えてしまうことを回避すべきである。
【0057】
好ましくは、具体的な実施例では、第1排気孔の数は4~10であり、第1排気孔の形状はいずれも円形であり、円形の第1吸気孔112bの直径は0.6mm~0.8mmであり、複数の第1吸気孔112bと第1開口111bとの直線距離はいずれも4mm~10mであり、且つダクト部分112の周方向に間隔を置いて均一に配置される。このような第1排気孔の設計は吸入したエアロゾルの量をより十分にし、吸入抵抗を適切にし、且つ気流の温度を適切にすることができ、ユーザーにとって良い吸入体験が得られる。
【0058】
以上の分析から分かるように、基質部分111が密閉構造である場合、エアロゾル発生基質120の加熱温度は非密閉構造の加熱温度よりも高く、且つ第1吸気孔112bの孔開け位置は常に基質部分111に近い。このため、ユーザーが吸入したエアロゾルの温度は常に比較的高く、ユーザーに不十分な吸入体験を与える恐れがある。
【0059】
これに鑑みて、一実施例では、
図2を参照すると、
図2は第2実施例に係るエアロゾル基質構造100の断面図であり、ユーザーが吸入したエアロゾルの温度が比較的高いという問題を考慮して、ダクト部分112の側壁に複数の第1吸気孔112bが設置されるとともに、複数の第2吸気孔112cが更に設けられ、第2吸気孔112cは吸入過程において外部の冷気を引き込むことにより、吸入通路112a内に入ったエアロゾルを冷却する。
【0060】
一実施例では、
図2に示すように、複数の第1吸気孔112bがダクト部分112の基質部分111に近接する端に設けられ、複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の基質部分111から離れた端に設けられる。第2吸気孔112cの孔径が第1吸気孔112bの孔径よりも小さいことにより、ほとんどの気流が第1吸気孔112bから入って、ユーザーが吸入するために基質部分111で発生したエアロゾルが吸入通路112a及びフィルタ部分113を流れるように駆動し、これにより、エアロゾルの吸入過程を実現する。ほんの少しだけの気流が第2吸気孔112cから入るのであり、第2吸気孔112cの孔径がより小さいため、第2吸気孔112cから入った気流の量がより少なく、エアロゾルに対して明らかな希釈作用を与えることがないとともに、フィルタ部分113に入ったエアロゾルの温度を適切に低下させることでユーザーが吸入したエアロゾルの温度を適切にすることができ、これにより、ユーザーの吸入体験を満たす。
【0061】
一実施例では、複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて設置される。好ましくは、複数の第1排気孔及び複数の第2吸気孔112cはいずれもダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて均一に配置され、それによりダクト部分112の各径方向の吸気をより均一にする。
【0062】
一実施例では、
図2に示すように、ダクト部分112は複数の第2吸気孔112cを含み、複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の基質部分111から離れた端に位置する。複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の軸方向に沿って間隔を置いて設置される。好ましくは、複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の軸方向に沿って間隔を置いて均一に配置される。複数の第2吸気孔112cをダクト部分112の軸方向に沿って間隔を置いて設置することにより、ダクト部分112の気流の温度を更に低下させて、ユーザーの吸入体験を向上させることができる。
【0063】
一実施例では、複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の基質部分111から離れた端に均一に配置される。具体的には、ダクト部分112は複数の第2吸気孔セット112dを含み、複数の第2吸気孔セット112dはダクト部分112の基質部分111から離れた端に位置する。各第2吸気孔セット112dに複数の第2吸気孔112cを有する。複数の第2吸気孔セット112dはダクト部分112の軸方向に沿って間隔を置いて設置され、各第2吸気孔セット112dにおける複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて設置される。複数の第2吸気孔セット112dを設置することにより、ダクト部分112内の気流の温度をより一層低下させて、ユーザーの吸入体験を向上させることができる。
【0064】
第2実施例では、
図2に示すように、ダクト部分112の側壁に複数の第1吸気孔112b及び2つの第2吸気孔セット112dが設置され、2つの第2吸気孔セット112dはいずれも複数の第2吸気孔112cを含む。複数の第1吸気孔112bは周方向においてダクト部分112の基質部分111に近接する側に均一に設置され、2つの第2吸気孔セット112dはダクト部分112のフィルタ部分113に近接する側に設置され、各第2吸気孔セット112dにおける複数の第2吸気孔112cはダクト部分112の周方向に沿って間隔を置いて均一に設置される。
【0065】
一実施例では、
図3及び
図4を参照すると、
図3はエアロゾル基質構造100の第3実施例の断面図である。
図4はエアロゾル基質構造100の第4実施例の断面図である。ダクト部分112内には、ダクト部分112内に入ったエアロゾルを冷却するための冷却媒体112eが更に設置されてもよく、ユーザーの吸入体験を向上させる。冷却媒体112eの材料はポリ乳酸又はアセテート繊維であってもよい。
【0066】
一実施例では、
図3を参照すると、冷却媒体112eはダクト部分112の軸線方向に沿ってダクト部分112の内側壁上に設置され、且つ第1吸気孔112bの所在位置を避ける。冷却媒体112eはダクト部分112の一部の内側壁上に設置されてもよく、ダクト部分112の全部の内側壁上に設置されてもよい。他の実施形態では、冷却媒体112eはダクト部分112の側壁内に設置されてもよく、又は、冷却媒体112eはダクト部分112の外側壁上に設置されてもよい。
【0067】
第3実施例では、
図3に示すように、冷却媒体112eはダクト部分112の軸線方向に沿ってダクト部分112を貫通し、即ち冷却媒体112eは第1開口111bからダクト部分112とフィルタ部分113との接続箇所まで延在する。冷却媒体112eはダクト部分112の全部の内側壁上に設置され、且つ第1吸気孔112bの所在位置を避けて設置され、冷却媒体112eは中空チャンバであり、冷却媒体112eの内表面で囲まれた空間は吸入通路112aを形成する。吸入過程において、気流が吸入通路112aを流れるとき、冷却媒体112eは各方向から気流を冷却することができる。
【0068】
一実施例では、冷却媒体112e内を気流が通過することができ、ダクト部分112内のエアロゾルは冷却媒体112eを流れることができ、それにより冷却媒体112eはダクト部分112内のエアロゾルを均一に冷却することができる。第4実施例では、
図4に示すように、冷却媒体112eは前記吸入通路112a内に充填されており、且つ前記ダクト部分112の前記基質部分111から離れた端に位置する。気流が第1吸気孔112bから吸入通路112aに入ってから基質部分111で発生したエアロゾルを運びながら冷却媒体112eを流れ、冷却媒体112eはエアロゾルを均一に冷却することができ、それによりユーザーが最終的に吸入したエアロゾルの温度をより適切にして、ユーザーの吸入体験を向上させる。
【0069】
一実施例では、フィルタ部分113内に濾過媒体114が充填されることに加えて、冷却媒体112eが充填されてもよく、それによりフィルタ部分113内を流れるエアロゾルを冷却する。
【0070】
一実施例では、ダクト部分112の側壁は冷却媒体112eで構成されてもよく、それにより吸入通路112a内の気流を冷却する。以上の吸入通路112a内の気流を冷却する方法は組み合わせて使用することができ、それぞれ独立して使用される形態に限らない。
【0071】
一実施例では、
図5に示すように、
図5は本願に係る第5実施例のエアロゾル基質構造100の断面図である。ダクト部分112の内側壁には、ダクト部分112を支持して、ダクト部分112が変形や崩壊し、ひいては吸入通路112aを塞いでエアロゾル基質構造100の吸入過程に影響を与えてしまうことを防止するための支持媒体112fが更に設けられてもよい。
【0072】
一実施形態では、
図5に示すように、支持媒体112fはダクト部分112の軸線方向に沿ってダクト部分112の内側壁上に設置され、且つ第1吸気孔112bの所在位置を避ける。支持媒体112fはダクト部分112の一部の内側壁上に設置されてもよく、ダクト部分112の全部の内側壁上に設置されてもよい。
【0073】
第5実施例では、
図5に示すように、支持媒体112fはダクト部分112の軸線方向に沿ってダクト部分112を貫通し、即ち支持媒体112fは第1開口111bからダクト部分112とフィルタ部分113との接続位置まで延在する。支持媒体112fはダクト部分112の全部の内側壁上に設置され、且つ第1吸気孔112bの所在位置を避けて設置され、支持媒体112fの内部は中空である。即ち、支持媒体112fは中空チャンバであり、支持媒体112fの内表面で囲まれた空間は吸入通路112aを形成する。第5実施例では、ダクト部分112の材料は紙質材料であり、支持媒体112fはアセテート繊維であり、支持媒体112fは紙質材料の変形及び崩壊を効果的に防止することができる。アセテート繊維は第6実施例において支持媒体112fとなることに加えて、冷却媒体112eとして吸入通路112aにおける気流を冷却することができる。
【0074】
本願はエアロゾル発生装置200を更に提供する。
図6を参照すると、
図6は本願に係るエアロゾル発生装置200の構造模式図である。エアロゾル発生装置200はユーザーが吸入するために、エアロゾル基質構造100を加熱ベーキングしてエアロゾルを発生させるために使用される。
【0075】
エアロゾル発生装置200は加熱装置210及びエアロゾル基質構造100を備える。加熱装置210は電源アセンブリ211及び加熱アセンブリ212を含み、電源アセンブリ211は加熱アセンブリ212に接続されており、加熱アセンブリ212に給電するために使用される。加熱アセンブリ212は通電後にエアロゾル基質構造100内の発熱体121を発熱させることにより、エアロゾル発生基質120を加熱してエアロゾルを形成することができる。
【0076】
エアロゾル発生装置200内のエアロゾル基質構造100は更に以上のいずれか1つの実施例に関わるエアロゾル基質構造100の構造及び機能を参照することができ、同様又は類似の技術的効果を実現することができるが、ここでは詳細な説明は省略する。
【0077】
電源アセンブリ211は電池(図示せず)及びコントローラ(図示せず)を含み、コントローラが電池及び加熱アセンブリ212にいずれも電気的に接続される。電池は加熱アセンブリ212に電源を供給することにより、エアロゾル基質構造100を加熱するために使用される。コントローラは加熱アセンブリ212の加熱の開始及び停止を制御するために使用され、加熱の電力や温度などのパラメータを制御することができる。
【0078】
該エアロゾル発生装置200では、従来技術における加熱部材121が加熱装置210内に設置され、加熱部材により発生した熱が一連の媒体、例えば、空気、エアロゾル発生基質120を包む紙質材料によりエアロゾル発生基質120に伝導されることと比較して、本実施例はエアロゾル発生基質120を発熱体121内に設け、発熱体121が直接加熱部材として発熱することにより発熱体121の内部のエアロゾル発生基質120を加熱することができる。熱が発熱体121から直接エアロゾル発生基質120に伝達され、熱が伝達する媒体を減少させ、それにより熱の伝導過程における熱損失を低減する。
【0079】
本実施例では、エアロゾル発生装置200内のエアロゾル基質構造100の基質部分111は密閉室111dを有し、エアロゾル発生基質120が密閉室111d内に設けられる。エアロゾル発生基質120が密閉室111dの内表面に直接接触することができる。
【0080】
エアロゾル発生装置200内のエアロゾル基質構造100の基質部分111内に密閉室111dを設置することにより、密閉室111d内に収容されるエアロゾル発生基質120を密閉状態にすることができ、それによりエアロゾル基質構造100の使用過程においてエアロゾル発生基質120がエアロゾル基質構造100から加熱装置210内に抜け落ちることがない。吸入し終わった後、エアロゾル発生基質120の残留物をエアロゾル基質構造100とともに取り出すことを可能にし、加熱装置210内に残存又は付着することがなく、加熱装置210の洗浄を容易にする。
【0081】
また、吸入過程において、気流が基質部分111内のエアロゾル発生基質120を通過せず、エアロゾル発生基質120の分解反応が冷気の影響を受けることがなく、分解反応が安定し、生成されたエアロゾルの物質成分の適合性に寄与し、更にユーザーの吸入感の向上に寄与する。
【0082】
形成されたエアロゾルが密閉室111d内のガスを置換する効果があるため、基質部分111内の酸素含有量が加熱過程の進行に従って減少することとなり、このとき、加熱温度を上昇させても、エアロゾル発生基質120は燃焼現象が発生することもない。従って、エアロゾル発生基質120の加熱温度を更に上昇させることにより、エアロゾル発生基質120中の芳香成分を十分に放出して、ユーザーの吸入感を向上させることができる。
【0083】
最後に、ダクト部分113を設置して、ダクト部分113に密閉室111dに連通する吸入通路112a及び複数の第1吸気孔112bを形成することにより、複数の第1吸気孔112bから吸入過程で吸気し、それにより基質部分111で形成されたエアロゾルを吸入する。
【0084】
以上は単に本願の実施形態であり、本願の特許範囲を制限するものではなく、本願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連の技術分野への直接又は間接適用は、いずれも同様に本願の特許の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】