(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】長期持続する潤滑組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20240705BHJP
A61F 6/04 20060101ALI20240705BHJP
A61F 6/08 20060101ALI20240705BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240705BHJP
A61Q 90/00 20090101ALI20240705BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61F6/04
A61F6/08
A61K8/02
A61Q90/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501957
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 SG2022050501
(87)【国際公開番号】W WO2023287364
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523333504
【氏名又は名称】ライフスタイルズ ヘルスケア プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ケーシー
(72)【発明者】
【氏名】ブーンブムルング,エティップ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウプラサート,チャヤポン
(72)【発明者】
【氏名】ポンタノムサク,チャヤポン
(72)【発明者】
【氏名】カンへ,ヤチマ
(72)【発明者】
【氏名】パブロヴィチョヴァ,アンドレア
【テーマコード(参考)】
4C083
4C098
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB052
4C083AC122
4C083AC272
4C083AC302
4C083AC312
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD352
4C083BB60
4C083CC50
4C083DD16
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD30
4C083DD41
4C083EE50
4C098EE09
4C098EE21
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、水性潤滑化組成物である。水性潤滑化組成物は、オクラ植物種及び/又は亜麻仁植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含み得る。また、本明細書には、水性潤滑化組成物を含む物品、水性潤滑化組成物の可能な用途及び使用、並びに可能な合成方法が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オクラ植物種からの少なくとも一部又は抽出物と、任意選択で亜麻仁植物種からの一部又は抽出物と、を含む、パーソナル水性潤滑化組成物であって、前記亜麻仁植物種からの前記抽出物が、任意選択でガムである、パーソナル水性潤滑化組成物。
【請求項2】
前記組成物が、亜麻仁植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項3】
前記オクラ植物種が、Abelmoschus esculentus、Abelmoschus caillei、Abelmoschus manihot、Abelmoschus ficuneus、Abelmoschus moschatus、又はそれらの2つ以上の種のうちのいずれかの混合物のうちの1つ以上から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記亜麻仁植物種が、Linum usitatissimum、Linum humile、Linum austriacum、Linum bienne、Linum angustifolium、Linum catharticum、Linum flavum、Linum grandiflorum、Adenolinum grandiflorum、Linum lewisii、Linum narbonense、Linum perenne、Linurn perenne var.lewisii、Linum pratense、及びLinum trigynum、又はそれらの2つ以上の種のうちのいずれかの混合物のうちの1つ以上から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記亜麻仁植物種が、Linum usitatissimumである、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記抽出物又はその一部が、少なくとも約0.1%w/wの量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記抽出物又はその一部が、液体、油、ゲル、粉末、若しくは顆粒、又はそれらの混合物の形態で提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、植物からの抽出物又はその一部である天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、任意選択で植物学的若しくは植物供給源、海藻供給源から選択され、かつ/又は細菌発酵によって産生された天然ガムである天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの天然成分が、液体、油、ゲル、粉末、顆粒、又はそれらの混合物の形態で提供される、請求項8~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの天然成分が、少なくとも約0.1%w/wの量で存在する、請求項8~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、非ニュートン流体である、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
湿潤剤、皮膚軟化剤、保存剤、増粘剤、香料/フレグランス、pH調整剤、pH緩衝剤、乳化剤、界面活性剤、軟化剤、冷却剤及び/若しくは刺感剤(tingling agent)、又はそれらの混合物である少なくとも1つの構成成分を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、少なくとも約40%w/wの水を含むか、又はそれからなる、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記潤滑化組成物が、任意選択でエチルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、及び/又はプロピルパラベンから選択されるパラベンを含まないか、又は実質的に含まない、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、ISO16128-2:2017に従って測定された場合、少なくとも約95%の天然起源含有量を含むか、又はそれからなる、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、無色、実質的に透明、及び/又は半透明である、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記潤滑化組成物が、約3.5~約5.5、又は約3.8~約4.5の範囲のpHを有する、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記潤滑化組成物が、約2500mOsm/kg~約4500mOsm/kg、又は約3100~約4100mOsm/kgの範囲の浸透圧濃度を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記潤滑化組成物が、任意選択で25℃で測定した場合、約1000~約5000cps、又は約2200~約3500cpsの範囲の粘度を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、陰茎及び/又は膣への適用のために配合される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、膣への使用のために配合される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、個体の皮膚に適用するために配合される、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、天然ゴムラテックス、及び/又はポリイソプレンを含むか、又はそれらからなる物品と適合性がある、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記物品が、避妊デバイス、任意選択でコンドームである、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記潤滑化組成物の潤滑性が、物品又は身体部分の表面への適用後、少なくとも約10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、4時間、又は5時間後、一貫しているか、又は実質的に一貫している、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
約45分の時間に対する潤滑剤の摩擦係数の面積が、約350~約500の範囲の平均面積をもたらす、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記潤滑化組成物の前記潤滑性が、シロキサン及び/又はシクロメチコンを含むシリコーン系潤滑化組成物と一貫しているか、又は実質的に一貫している、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物を含む、マッサージゲル又は液体。
【請求項31】
請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物を含む、コーティング。
【請求項32】
請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物又は請求項31に記載のコーティングを含む、物品。
【請求項33】
前記物品が、避妊デバイスである、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記物品が、コンドーム、子宮頸部キャップ、コイル、避妊用ダイヤフラム、ペッサリー、子宮内デバイス(IUD)、性玩具、又は殺精子剤から選択される、請求項32又は33に記載の物品。
【請求項35】
前記物品が、コンドームである、請求項32~34のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
マッサージゲル又は液体としての、請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物の、使用。
【請求項37】
コーティングとしての、請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物の、使用。
【請求項38】
前記コーティングが、請求項32~35のいずれか一項に記載の物品のためのものである、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
潤滑剤としての、請求項1~29のいずれか一項に記載のパーソナル水性潤滑化組成物の使用であって、潤滑剤組成物が、任意選択で個体の皮膚の少なくとも一部に直接付着される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月5日に出願された豪州仮特許出願第2022/901194号、2021年7月16日に出願された米国仮特許出願第63/222,883号からの優先権を主張し、それらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、水性の長期持続する潤滑化組成物に関する。本明細書に開示されるのは、オクラ植物種及び/又は亜麻仁植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含む、パーソナル水性潤滑化組成物である。加えて、本明細書には、水性の長期持続する潤滑化組成物を含む物品、水性の長期持続する潤滑化組成物の可能な用途、及び合成方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
シリコーン系パーソナル潤滑剤は、水性潤滑剤と比較して潤滑性及び長期持続する特性を有することでよく知られている。しかしながら、シリコーン系潤滑剤の1つの問題は、それが乾燥せず、水と直接反応しないことであり、それは、シーツ又は身体部分と接触するかどうかにかかわらず、シリコーン系潤滑剤は、容易に洗い流されない可能性があることを意味する。このように、シリコーン系潤滑剤は、例えば、寝具上で汚れを引き起こす可能性がある。シリコーン系潤滑剤の除去にも困難があり得る。容易な除去の欠如は、手間のかかる洗浄を必要とし、石鹸の必要性(配合物の可溶化を補助する)、及び/又は寝具などの物品を洗濯する必要性を必要とし得る。
【0004】
加えて、これらの種類の組成物は、シリコーン系潤滑剤が排出されるまで膣内に留まる傾向があり、これには1日以上かかる場合があるため、頻繁な酵母感染症を起こしやすい個体は、シリコーン系潤滑剤の使用を避けたほうがよい場合がある。
【0005】
水性組成物は、使用され得るが、これらの種類の組成物には、シリコーン系組成物と比較して乾燥が速すぎるため、不十分な潤滑性を提供し、他の問題の中でも、水性組成物の使用者に不快感を引き起こす可能性などの既知の問題がある。
【0006】
本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などのいかなる議論も、本出願の各請求項の優先日前に存在したため、これらの事項のいずれか又は全てが先行技術の基礎の一部を形成していること、又は本開示に関連する分野における共通する一般知識であったことを認めるものとはみなされない。
【発明の概要】
【0007】
以前は水性のパーソナル潤滑化組成物は、特にシリコーン系潤滑剤と比較して、皮膚などの表面に適用した後、乾燥が速すぎる場合がある。加えて、以前に知られている水性潤滑化組成物は、シリコーン系潤滑剤によってもたらされる長期持続する潤滑性を提供しない場合がある。本開示の1つの目的は、以下の特徴のうちの1つ以上を有し得るパーソナル水性潤滑化組成物を提供することである:水で洗浄することがおそらく容易(例えば、身体部分又は物品から);染色を回避するか、若しくは最小限に抑える(例えば、ベッドシーツ上で);天然系成分の大部分に基づいているか、若しくは含有する;かつ/又はシリコーン系潤滑化組成物に匹敵する長期持続する潤滑性を提供する。
【0008】
加えて、多くの人々が、水性潤滑化組成物よりもシリコーン系潤滑化組成物によって提供される、皮膚上でのシルクのような質感及び保湿効果を好むため、別の可能な目的は、シリコーン系組成物のこれらの有益な属性を少なくとも部分的に複製するパーソナル水性潤滑化組成物を提供することである。
【0009】
シリコーン系潤滑剤は、ニュートン流体であり、粘度は、剪断速度とは無関係である。低粘度及び低弾性寄与を有するだけでなく、シリコーン系潤滑剤は、力を加えずに流れることができ、したがって、チューブ包装から滴り落ちる傾向(例えば、漏れ)を有する。一方、本明細書に記載のパーソナル水性潤滑化組成物は、一実施形態では、好ましくは非ニュートン流体であり、粘度が剪断速度を増加させるにつれて減少する剪断薄化挙動、したがって、適用時に皮膚上に容易に広がり(高い剪断速度で)、チューブ包装から滴り出さない(漏れない)(非常に低い剪断速度で)その能力を示す。パーソナル水性潤滑剤組成物の流動挙動は、少なくとも漏れの問題を最小限に抑える、又は軽減するために、とりわけ、構成成分のうちの1つ以上の種類及び/又は濃度を調整することによって設計することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書の開示の潜在的な利点は、以下のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない:
●包含される組成物は、水性である(例えば、個体の皮膚と反応し、刺激及び/若しくはアレルギー反応を引き起こす可能性がある化学物質の数の低減-低アレルゲン)
●組成物は、天然成分を含む
●比較のシリコーン系パーソナル潤滑剤と同様であり、組成物は、以下を提供する:
○シルクのような質感及び/若しくは
○潤滑性及び長期持続する効果
●組成物は、高い割合の天然起源の成分を含む(いくつかの例では、約80%以上、例えば約95%以上の成分が天然起源のものであり得る)
●非粘着性
●カビ及び/若しくは酵母の成長を促進しない、かつ/若しくは低減する
●洗い流しやすい(特にシリコーン系若しくは油性潤滑剤と比較して)
●玩具及び/若しくは避妊デバイスとの安全な適用及び使用
●非ホルモン性
●物品、表面、及び/若しくは個体への適用後の残留物の低減、実質的に残留物がない、又は残留物がない
●シリコーン系若しくは油系潤滑剤と比較した場合の物品の染色リスクの低減
●非ニュートン流体の生成、並びに/又は
●本明細書に記載の組成物を含有する任意の包装(例えば、チューブ包装)からの漏れの最小限化、実質的に漏れがない、若しくは漏れがない。
【0011】
本開示からの追加の利点は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:
●陰茎及び/若しくは膣への適用のためのパーソナル潤滑剤の配合物
●コンドームなどの天然ゴム及び/若しくはポリイソプレン物品と適合性がある組成物
●pHバランスが取れており、パラベンを含まない組成物、並びに/又は
●婦人科及び/若しくは皮膚科の用途のために承認されている組成物。
【0012】
第1の態様では、本明細書に開示されるのは、オクラ植物種からの一部又は抽出物、及び亜麻仁植物種からの一部又は抽出物の少なくとも1つを含むパーソナル水性潤滑化組成物である。
【0013】
第2の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物を含むマッサージゲル又は液体である。
【0014】
第3の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物を含むコーティングである。
【0015】
第4の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物、又は第3の態様のコーティングを含む物品である。
【0016】
第5の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物をマッサージゲル又は液体として使用することである。
【0017】
第6の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物をコーティングとして使用することである。
【0018】
第7の態様では、本明細書に開示されるのは、第1の態様によるパーソナル水性潤滑化組成物を潤滑剤として使用することであり、潤滑剤組成物は、個体の皮膚の少なくとも一部分に直接付着される。
【0019】
本開示の各態様の実施形態は、準用して互いの態様に等しく適用され得ることを理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書に開示される様々な実施形態が利用され得ることを理解されたいが、本明細書には、以下の図面を参照していくつかの例が記載される。
【0021】
【
図1】本明細書に定義されるシリコーン系潤滑剤及び水性潤滑剤についての流れ曲線。
【
図2】選択された潤滑剤及び水の摩擦測定係数(平均13回の反復)。
【
図3】画像A)は、選択された潤滑剤及び水についての摩擦係数の平均比較図であり、画像B)は、選択された潤滑剤及び水についての摩擦係数の測定値の区間プロットである。
【
図5】画像A)は、選択された潤滑剤及び水についての決定された軸力(N)の平均比較図であり、
図B)は、選択された潤滑剤及び水についての測定された軸力の区間プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一般定義及び用語
本明細書に提供される定義に関して、他に明記されない限り、又は文脈から暗示されない限り、定義された用語及び語句は、提供された意味を含む。加えて、明示的に別段の定めがない限り、又は文脈から明らかでない限り、以下の用語及び語句は、用語又は語句が関連技術分野の当業者によって獲得したという意味を排除しない。定義は、特定の実施形態を説明するのを助けるために提供され、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ限定されるため、特許請求される発明を限定することを意図しない。
【0023】
本明細書では、「潤滑化組成物」、「潤滑組成物」、「パーソナル潤滑化組成物」、「組成物」、「水性潤滑化組成物」、及び「パーソナル水性潤滑化組成物」は、別段の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、交換可能に使用することができる。
【0024】
列挙した潤滑化組成物のレシピエントは、本明細書では、「レシピエント」「個体」、及び/又は「対象」という交換可能な用語で言及される。これらの用語は、別段の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、交換可能に使用され、任意の性別の人間を指す。
【0025】
別段の記載がない限り、本明細書で議論及び/又は参照される全ての刊行物は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
文脈によって別段の要求がない限り、単数形の用語は、複数形を含み、複数形の用語は、単数形を含むものとする。本開示を通して、特に明記されていない限り、又は文脈が別様に必要としない限り、単一のステップ、物質の組成物、ステップの群、又は物質の組成物の群への言及は、それらのステップ、物質の組成物、ステップの群、又は物質の組成物の群のうちの1つ及び複数(すなわち、1つ以上)を包含するように解釈されなければならない。したがって、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数の態様を含む。例えば、「a」に対する参照は、単一のものだけでなく2つ以上を含み、「an」に対する参照は、単一のものだけでなく2つ以上を含み、「the」に対する参照は、単一のものだけでなく2つ以上を含むなどである。
【0027】
当業者は、本明細書の開示が、具体的に記載されるもの以外の変形及び修正を受けやすいことを理解するであろう。本開示がそのような全ての変形及び修正を含むことを理解されたい。本開示はまた、本明細書において個別に又は集合的に言及又は示される実施例、ステップ、特色、方法、組成物、配合物、及びプロセスの全て、並びに任意の及び全ての組み合わせ、又は当該ステップ若しくは特色のうちの任意の2つ以上を含む。
【0028】
「及び/又は」という用語、例えば「X及び/又はY」は、「X及びY」又は「X又はY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味又はいずれかの意味を明示的に支持するように解釈される。
【0029】
別段に示されない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、単にラベルとして本明細書で使用され、これらの用語が参照する項目に順序的、位置的、又は階層的要件を課すことを意図しない。更に、「第2の」品目への言及は、より低い番号の品目(例えば、「第1の」品目)及び/又はより高い番号の品目(例えば、「第3の」品目)の存在を必要とせず、又は排除しない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」、「1つ以上」という語句は、品目のリストとともに使用されるとき、リストされた品目のうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用されてもよく、リスト内の品目のうちの1つのみが必要とされてもよいことを意味する。品目は、特定の物体、物、又はカテゴリであってもよい。言い換えると、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」は、品目の任意の組み合わせ又は品目の任意の数がリストから使用され得ることを意味するが、リスト内の全ての品目が必要とされ得るわけではない。例えば、「品目A、品目B、及び品目Cの少なくとも1つ」は、品目A;品目A及び品目B;品目B;品目A、品目B、及び品目C;又は品目B及び品目Cを意味し得る。場合によっては、「品目A、品目B、及び品目Cのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定されないが、品目Aのうちの2つ、品目Bのうちの1つ、及び品目Cのうちの10個;品目Bのうちの4つ、及び品目Cのうちの7つ;又はいくつかの他の好適な組み合わせを意味し得る。
【0031】
明確さのために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されるある特定の特色が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特色も、別個に、又は任意のサブ組み合わせで提供されてもよい。
【0032】
本明細書全体を通して、本開示の様々な態様及び構成要素は、範囲形式で提示することができる。範囲形式は、便宜上含まれており、本開示の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではない。したがって、範囲の説明は、具体的に示されない限り、具体的に開示された全ての可能なサブ範囲、並びにその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、1~5の範囲の説明は、整数が必要である場合、又は文脈から暗示されている場合を除き、1~3、1~4、1~5、2~4、2~5、3~5などの具体的に開示されたサブ範囲、並びに列挙された範囲内の個々の及び部分的な数、例えば、1、2、3、4、4.5、及び5を有するとみなされるべきである。これは、開示された範囲の幅に関係なく適用される。特定の値が必要な場合、これらは明細書に示される。
【0033】
本明細書を通して、「含む(comprise)」という用語、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、記載された要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップの群の包含を意味し、任意の他の要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップの群の除外を意味しないと理解されるであろう。
【0034】
本明細書を通して、「から本質的になる」という用語は、特許請求される組成物、方法。又はプロセスの特性に重大な影響を与えるであろう要素を除外することが意図される。
【0035】
「含む(comprising)」、「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」という用語は、いかなる場合も、それぞれ「から本質的になる(consisting essentially of)」、「から本質的になる(consist essentially of)」、「から本質的になる(consists essentially of)」、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist of)」、及び「からなる(consists of)」という用語と任意選択で置換可能であることが意図される。
【0036】
本明細書では、「約」という用語は、用語に接続される任意の値における10%の許容範囲を包含する。
【0037】
本明細書では、「重量%」は、「wt%」又は「wt.%」と略されてもよい。重量%は、具体的に示されない限り、又は文脈から明らかでない限り、w/w又はw/vであってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、「潤滑」は、表面が互いに対して動いているときに、潤滑剤が存在しないときの同じシステム内の摩擦抵抗と比較して、そのような動きに関連付けられた界面で摩擦抵抗を低減するように、潤滑剤によって、複数の表面(表面が1つ以上の人体の部分を含み得る)、そうでなければ互いに接触している複数の表面の分離とみなされ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に定義される組成物を利用する潤滑は、そのような動きによる表面の摩耗、刺激、発熱、及び/又は損傷を防止及び/又は軽減し得る。
【0039】
本明細書では、パーソナル潤滑剤には、身体組織との摩擦を低減するのに役立つ特殊な潤滑剤(マッサージゲル又は液体を含む)が含まれる。パーソナル潤滑剤は、性行為中に潤滑又は滑りを提供するために使用することができる。例えば、パーソナル潤滑剤は、性交中の快楽を増加させ、かつ/又は痛みを低減させるために使用することができ、膣の乾燥を低減させるのに役立ち得る。医学において、パーソナル潤滑剤は、婦人科検査などのために用いられ得る。本明細書に定義されるパーソナル潤滑化組成物はまた、マッサージゲル又はマッサージ液体として使用され得る配合物を包含する。
【0040】
本明細書では、「水性」とは、潤滑化組成物が主溶媒及び/又は主成分として水を有することを意味する。
【0041】
本明細書では、「天然成分」とは、天然起源を含む、天然に存在する成分を意味する。好ましい実施形態では、天然成分は、再生可能な資源から得られる。本明細書では、「天然成分」、例えば化粧品成分は、植物、動物、微生物、又はミネラルからであり、以下によるこれらの供給源から得られたものを含む:
●物理的プロセス(例えば、研削、乾燥、蒸留)
●天然に存在し、天然に存在する分子をもたらす発酵反応、及び
●意図的な化学修飾を伴わずに、従来のもの(例えば、溶媒を使用した抽出)を含む他の調製手順。
別途定義されていない限り、以下の材料及びそれらに由来する材料は、天然起源の一般的な表題に該当するとみなされるものとする:
a)真菌及び藻類を含む植物
b)ミネラル
c)動物、並びに
d)微生物。
化石燃料から得られた成分は、この定義から除外される。1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の天然成分は、植物系であるか、又は植物由来である。別の実施形態では、1つ以上の天然成分は、ISO16128-2:2017に準拠している。
【0042】
本明細書では、「透明、実質的に透明、又は半透明」という語句は、組成物が均質に見え、目に見える沈殿した固体を欠き、不透明又は濁っていないことを意味する。加えて、本明細書では、「無色」とは、分光光度測定などの適切な手段を介して決定され得る、知覚可能な、又は視覚的に測定可能な色又は色相の不足、すなわち、全ての色の実質的な不在を意味する。
【0043】
本明細書では、「非ニュートン組成物」又は「非ニュートン流体」は、粘度が、印加された応力に基づいて可変である、すなわち、流速の勾配が変化すると、粘度が変化する組成物又は流体を指す。
【0044】
本明細書では、「非粘着性」とは、物品に適用された潤滑剤などの組成物が、潤滑剤凝集を含む物品の部分及び/又は複数の物品の間の凝集性の低下又は無視できる程度を示すように、低下した、又は無視できる接着又は粘着特性を示すことを意味する。逆に、本明細書で定義される「粘着性」とは、組成物が物品又はそれらの複数の部分の凝集を強化するように、強化された接着性又はタックを示す組成物を意味する。
【0045】
潤滑化組成物
構成成分
本明細書に開示されるのは、パーソナル水性潤滑化組成物、例えば、オクラ植物種からの一部又は抽出物、及び亜麻仁植物種からの一部又は抽出物の少なくとも1つを含むパーソナル水性潤滑化組成物である。
【0046】
水性潤滑化組成物は、液体又はゲルの形態でにあってもよい。一実施形態では、水性潤滑化組成物は、液体の形態にある。一実施形態では、水性潤滑化組成物は、ゲルの形態にある。
【0047】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、天然成分である。別の実施形態では、潤滑化組成物の複数の構成成分、例えば、2、3、4、5つ、又はそれ以上の構成成分は、天然成分である。
【0048】
天然成分は、植物(真菌及び/又は藻類を含む)又は植物の少なくとも一部に由来する抽出物であってもよい。一実施形態では、植物抽出物は、合成化合物又は組成物ではなく、植物から直接得られる抽出物である。別途定義されない限り、「植物」という用語は、典型的には恒久的な場所で成長し、その根を通して水及び無機物質を吸収し、光合成によってその葉に栄養素を生成する多細胞生物を指す。本明細書では、別途定義されない限り、「植物抽出物」又は「抽出物」という用語は、植物又はその任意の部分から得ることができる任意の抽出物を指す。抽出物は、葉、根、花、種子、果実、樹皮、又はそれらの一部などの植物の任意の部分から取ることができる。植物抽出物は、植物の単一の部分から、又は植物の2つ以上の部分から調製されてもよい。本明細書では、「植物抽出物」又は「抽出物」は、水のみからならない。
【0049】
天然成分は、任意の形態で使用され得る。例えば、液体、油、ゲル、顆粒、粉末、又はそれらの混合物の形態の天然成分は、潤滑化組成物の形成に使用され得る。天然成分は、植物から直接使用してもよく、又は改変されてもよい。例えば、天然成分は、処理されてもよく、例えば、水の少なくとも一部分を除去するために乾燥させてもよい(例えば、粉末形態に変換される)。本明細書では、別途定義されない限り、「ゲル」は、流体によってその体積全体にわたって膨張する非流体コロイドネットワークである。一実施形態では、天然成分は、ガムである。
【0050】
粉末の形態の構成成分は、「乾燥」粉末であり得、粉末は、実質的に水を含まない。一実施形態では、粉末は、粉末の重量で10.0、7.5、5.0、4.0、3.0、2.0、若しくは1.0%未満、又は約10.0、7.5、5.0、4.0、3.0、2.0、若しくは1.0%未満の水を有する。
【0051】
天然成分は、植物、又はその一部から得られた粘液であってもよい。本明細書で使用される場合、「粘液」は、糖タンパク質及び細胞外多糖類(exopolysaccharide)を含む、植物によって産生された、濃く、粘りのある(すなわち、「粘着性の」)物質である。
【0052】
天然成分は、当該技術分野で既知の任意のプロセスによって得られてもよく、又は商業的に得られてもよい。
【0053】
潤滑化組成物は、天然ガム、ヘミセルロース(キシログルカン、キシラン、及びマンナンなど)、ペクチン(例えば、柑橘類、リンゴ、ナシグーズベリーなどに由来する)、グリコーゲン、クリソラミナリン、それらの誘導体、及びそれらの混合物から選択されるがこれらに限定されない、1つ以上の構成成分を含み得る。
【0054】
本明細書では、「ガム」又は「天然ガム」は、乾燥時に硬化するが、水に可溶性又は部分的に可溶性である植物、例えば、高木又は低木の分泌物を指す。
【0055】
天然ガムには、植物学的若しくは植物供給源、海藻に由来するか、又は細菌発酵によって生成された、非セルロース多糖類が含まれる。植物由来の天然ガムの非限定的な例としては、スクレロチウムゲル又はガム、アルビジアガム、アロエ粘液、ベータグルカン、チクルガム、ダンマーガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、グアーガム、アラビアガム(アカシアガムとも呼ばれる)、コパールガム、ガムガッティ、トラガカントガム、ハケアガム、Hibiscus rosasinensisガム、ハニーローカストガム、フプーガム、カラヤガム、カヤガム、Lepidium sativumガム、ローカストビーンガム、マスティックガム、Mimosa scabrellaガム、Mimosa pudicaガム、オクラガム、サイリウムシードハスク(イスパキュラハスクとも呼ばれる)、スプルースガム、Sterculia foetidaガム、タマリンドガム、タラガム、及び上記のいずれかの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。海藻に由来する天然ガムの例としては、アルギン酸又はアルギン酸、フコイダン、並びに褐色海藻に由来するラミナリン、並びに赤色海藻に由来する寒天及びカラギーナンが挙げられるが、これらに限定されない。細菌発酵によって生成される天然ガムの非限定的な例としては、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、ウェランガム、ジウタンガム、プルラン、及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0056】
潤滑化組成物中に存在し得る、任意選択でガムの形態の植物抽出物の例は、以下から選択される1つ以上の組成物であり得るが、これらに限定されない:Abelmoschus esculentus(オクラ;例えば、抽出物として又は粉末として;CAS No.84455-19-6又はCAS No.91723-07-8);スクレロチウムガム(例えば、アミガム、CAS No.39464-87-4);キサンタンガム(例えば、Keltrol(登録商標)CG-T;CAS No.11138-66-2);Limun Usitaissimum(例えば、Limun Usitaissimum Lガムなどの亜麻;CAS No.8001-26-1);Aloe(例えば、ツルマメ(大豆)油、CAS No.85507-69-3、及び/又はアロエバーバデンシス(aloe barbadensis)葉抽出物、CAS No.94349-62-8)、並びにそれらの混合物。
【0057】
天然ガムは、任意の形態で使用され得る。例えば、液体、油、ゲル、顆粒、粉末、又はそれらの混合物の形態の天然ガムは、潤滑化組成物の形成に使用され得る。ガムは、植物から直接使用されるか、又は改変され得る。例えば、ガムは、処理、例えば、水の少なくとも一部分を除去するために乾燥されてもよく、又は希釈、例えば、水又は水を含む溶媒で希釈されてもよい。
【0058】
一実施形態では、潤滑化組成物は、1、2、3、4、又は5つの植物抽出物のみを含む。一実施形態では、潤滑化組成物は、少なくとも1、2、3、4、又は5つの植物抽出物を含む。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1つの植物抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁から)は、粘液を含む。別の実施形態では、複数の植物抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁から)は、粘液を含む。
【0060】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、天然ガムである。別の実施形態では、潤滑化組成物の複数の構成成分、例えば、2、3、4、5つ、又はそれ以上の構成成分は、天然ガムである。
【0061】
潤滑化組成物の1つ以上の構成成分(オクラ若しくはアマ部分の一部、及び/又はオクラ若しくは亜麻仁の抽出物など)は、約、又は少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0.、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、若しくは5.0%w/w、又は0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0.、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、若しくは5.0%w/v、又は0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0.、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、若しくは5.0%v/vの量で潤滑組成物中に存在し得る。
【0062】
潤滑化組成物の1つ以上の構成成分、例えば、天然成分(例えば、天然ガム)は、約、又は少なくとも約0.5、1、2、2.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、32.5、35、37.5、若しくは40%w/w、又は0.5、1、2、2.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、32.5、35、37.5、若しくは40%w/v、又は0.5、1、2、2.5、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、22.5、25、27.5、30、32.5、35、37.5、若しくは40%v/vの量で潤滑組成物中に存在し得る。
【0063】
一実施形態では、潤滑化組成物中で、非水成分は、約60、55、50、45、40、38、36、34、32、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、若しくは2%w/w、又は60、55、50、45、40、38、36、34、32、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、若しくは2%w/v、又は60、55、50、45、40、38、36、34、32、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、若しくは2%v/v、又は約これら未満を構成するか、若しくはこれらからなる。
【0064】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、オクラ、亜麻仁、及び/又はアロエのうちの少なくとも1つからの抽出物である。
【0065】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、オクラ、亜麻、及び/若しくはアロエ植物の一部、例えば、葉、根、花、種子、果実、樹皮、若しくはそれらの一部、又はオクラ、アマ、及び/若しくはアロエ植物の葉、根、花、種子、果実、及び/若しくは樹皮から得られた抽出物である。
【0066】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、オクラ植物種からのものである。別の実施形態では、オクラ植物種は、Abemoschus属に属する。オクラ植物種は、以下から選択され得るが、これらに限定されない:Abelmoschus esculentus(Hibiscus esculentusとも称される)、Abelmoschus caillei(西アフリカオクラとしても知られる)、Abelmoschus manihot、Abelmoschus ficuneus、Abelmoschus moschatus、又はそれらの2つ以上の種のいずれかの混合物。世界各地では、それは、オクラ(Okra)、オクロ(Ochro)、オコロ(Okoro)、キンゴンボ(Quimgombo)、キングンボ(Quingumbo)、レディースフィンガー(Ladies Fingers)、ゴンボ(Gombo)、コピアラブ(Kopi Arab)、カカングベンディ(Kacang Bendi)、ビンディ(Bhindi)(南アジア)、ベンディ(Bendi)(マレーシア)、バミア(Bamia)、バミャ(Bamya)、若しくはバミエ(Bamieh)(中東)、又はガンボ(Gumbo)(米国南部)として知られている。一実施形態では、抽出物は、オクラ果実(さや)及び/又はオクラ種子から得られる。一実施形態では、潤滑剤組成物は、オクラ植物種の構成成分又はそれに由来する構成成分を含み、これは、例えば、粉末、液体、油、ゲル、顆粒、又はそれらの混合物として、Abelmoschus esculentusであり得る。別の実施形態では、潤滑剤組成物は、オクラ種子の少なくとも一部若しくはその抽出物、オクラ果実(さや)の少なくとも一部若しくはその抽出物、又はそれらの混合物を含む。
【0067】
一実施形態では、オクラの抽出物(例えば、オクラ果実(さや)及び/又は種子から)は、オクラ粘液を含む。
【0068】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、亜麻仁(リンシード又は亜麻としても知られている)からのものであり、これは、Linaceae科のLinum属の植物の種子である。「亜麻仁」という用語は、約150種の植物の種子を含み、これらは全て本発明の範囲内である。一実施形態では、亜麻仁は、以下から選択される1つ以上の種からのものである:Linum usitatissimum、Linum humile、Linum austriacum、Linum bienne、Linum angustifolium、Linum catharticum、Linum flavum、Linum grandiflorum、Adenolinum grandiflorum、Linum lewisii、Linum narbonense、Linum perenne、Linurn perenne var.lewisii、Linum pratense、及びLinum trigynum、並びにそれらの混合物。一実施形態では、全ての種の全ての品種は、本発明の範囲内である。本明細書では、亜麻仁又は亜麻仁の抽出物は、全体の砕かれた亜麻仁粉、並びに粉にされた及び/又は粉砕された亜麻仁から得られてもよい。亜麻仁の抽出物は、ガムであってもよい。本明細書では、亜麻仁の抽出物は、亜麻仁全体の構成成分及び/又は一部を指す。一実施形態では、亜麻仁の抽出物は、粘液を含む。別の実施形態では、亜麻仁の抽出物は、亜麻仁(又はその一部)から得られた油を含み得る。一実施形態では、潤滑剤組成物は、粉末、液体、油、ゲル、顆粒、又はそれらの混合物などの形態で、亜麻仁植物種の構成成分又は亜麻仁植物種に由来する構成成分を含む。
【0069】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、アロエ植物種からのものである。アロエ植物種は、以下から選択され得るが、これらに限定されない:Aloe vera、Aloe arborescens、Aloe aristata、Aloe dichotoma、Aloe nyeriensis、Aloe variegate、Aloe barbadensis、及びAloe wildii、又はそれらの2つ以上の種のうちのいずれかの混合物。一実施形態では、潤滑剤組成物は、例えば、粉末、液体、油、ゲル、顆粒、又はそれらの混合物としてアロエの構成成分又はアロエに由来する構成成分を含む。
【0070】
本明細書では、植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、炭水化物、タンパク質、食物繊維(例えば、可溶性及び/又は不溶性繊維)、植物リグナン、デンプン、砂糖、脂肪、脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、ベヘン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノールエライジン酸(linoelaidic acid)、α-リノレン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、オレル酸(olelic acid)、リノール酸、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む)、フィトステロール、並びにそれらの混合物のうちの1つ以上を含み得る。植物抽出物は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、二価不飽和脂肪酸、三価不飽和脂肪酸、四価不飽和脂肪酸、五価不飽和脂肪酸、六価不飽和脂肪酸、又はそれらの混合物であるもう1つの脂肪酸を含み得る。
【0071】
本明細書では、植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、及びそれらの混合物から選択されるがこれらに限定されない1つ以上のアミノ酸を含み得る。
【0072】
植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、又はそれらの混合物を含み得る。例えば、植物抽出物は、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、及び/又はドコサヘキサン酸のうちの少なくとも1つ以上を含み得る。
【0073】
植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、1つ以上の単糖類、多糖類、又はそれらの混合物を含み得る。オクラ抽出物は、マンノース、ラムノース、グルクロン酸、グルコース、フコース、アラビノース、ガラクツロン酸、ガラクトース、キシロース、及びそれらの混合物のうちの1つ以上を含み得る。
【0074】
植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、タンパク質及び/又は他のミネラルを含み得る。ミネラルの例としては、カルシウム、カリウム、リン、セレン、ナトリウム、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、1つ以上のビタミン、例えば、限定されないが、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2ビタミンD、ビタミンE、及びそれらの混合物から選択されるビタミンを含み得る。植物抽出物(例えば、オクラ抽出物及び/又は亜麻仁抽出物)は、アラビノキシランを含み得る。
【0075】
一実施形態では、抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁抽出物)は、非水構成成分を、各々独立して、約、又は少なくとも約0.1%w/w、0.2%w/w、0.3%w/w、0.4%w/w、0.5%w/w、0.6%w/w、0.7%w/w、0.8%w/w、0.9%w/w、1%w/w、2%w/w、3%w/w、4%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/w、10%w/w、11%w/w、12%w/w、13%w/w、14%w/w、15%w/w、16%w/w、17%w/w、18%w/w、19%w/w、20%w/w、25%w/w、又は30%w/wの量で含み得る。別の実施形態では、抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁抽出物)は、非水構成成分を、各々独立して、約、又は少なくとも約0.1%w/v、0.2%w/v、0.3%w/v、0.4%w/v、0.5%w/v、0.6%w/v、0.7%w/v、0.8%w/v、0.9%w/v、1%w/v、2%w/v、3%w/v、4%w/v、5%w/v、6%w/v、7%w/v、8%w/v、9%w/v、10%w/v、11%w/v、12%w/v、13%w/v、14%w/v、15%w/v、16%w/v、17%w/v、18%w/v、19%w/v、20%w/v、25%w/v、又は30%w/vの量で含み得る。
【0076】
一実施形態では、抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁抽出物)中の非水構成成分の総量は、約、又は少なくとも約0.1%w/w、0.2%w/w、0.3%w/w、0.4%w/w、0.5%w/w、1%w/w、2%w/w、3%w/w、4%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/w、10%w/w、11%w/w、12%w/w、13%w/w、14%w/w、15%w/w、16%w/w、17%w/w、18%w/w、19%w/w、20%w/w、25%w/w、30%w/w、35%w/w、40%w/w、45%w/w、50%w/w、55%w/w、又は60%w/wであってもよい。別の実施形態では、抽出物(例えば、オクラ及び/又は亜麻仁抽出物)中の非水構成成分の総量は、約、又は少なくとも約0.1%w/v、0.2%w/v、0.3%w/v、0.4%w/v、0.5%w/v、1%w/v、2%w/v、3%w/v、4%w/v、5%w/v、6%w/v、7%w/v、8%w/v、9%w/v、10%w/v、11%w/v、12%w/v、13%w/v、14%w/v、15%w/v、16%w/v、17%w/v、18%w/v、19%w/v、20%w/v、25%w/v、30%w/v、35%w/v、40%w/v、45%w/v、50%w/v、55%w/v、又は60%w/vであってもよい。
【0077】
潤滑化組成物の構成成分は、潤滑化組成物中に単一の機能又は複数の機能を有してもよく、又は潜在的に有してもよい。例えば、構成成分は、湿潤剤及び/若しくは保存剤として、又は湿潤剤増粘剤として機能し得る。
【0078】
潤滑化組成物の1つ以上の構成成分は、皮膚軟化剤であってもよく、例えば、天然成分が皮膚軟化剤である。一実施形態では、皮膚の少なくとも一部を保湿、鎮静、及び/又は軟化させる感覚を提供する。
【0079】
潤滑化組成物は、湿潤剤、皮膚軟化剤、酸化防止剤、保存剤、増粘剤、香料/フレグランス、pH調整剤、pH緩衝剤、乳化剤、界面活性剤、軟化剤、保湿剤、冷却剤、及び/又は刺感剤(tingling agent)、又はそれらの混合物である少なくとも1つの構成成分を含み得る。
【0080】
適切な構成成分は、適切な材料、例えば、適用可能な標準物、及び潜在的にはCosmeticsInfo.orgなどのウェブサイトを参照して、当業者によって特定され得る。
【0081】
湿潤剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:1,3-プロパンジオール(CAS No.504-63-2)、ヒアルロン酸又はその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、CAS No.9067-32-7)、アマの抽出物(例えば、Limun Usitaissimum Lガム、CAS No.8001-26-1)、オクラ抽出物(例えば、Abelmoschus Esculentus L.Moench、CAS No.84455-19-6又はCAS No.91723-07-8)、アロエベラ(aloe vera)抽出物(例えば、ツルマメ(大豆)油、CAS No.85507-69-3、及び/又はアロエバーバデンシス葉抽出物、CAS No.94349-62-8)、及びそれらの混合物。
【0082】
1つ又は複数の湿潤剤は、潤滑化組成物中に、約、又は少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0.%w/wの量(%w/w)で存在し得る。
【0083】
保存剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:1,3-プロパンジオール(例えば、CAS No.504-63-2)、乳酸(例えば、CAS No.50-21-5)、クエン酸(例えば、CAS No.77-29-9)、酒石酸(例えば、CAS No.87-69-4)、グルコン酸(例えば、CAS No.526-95-4)、ソルビン酸カリウム(例えば、CAS No.24634-61-5)、ソルビン酸(例えば、CAS No.110-44-1)、乳酸ナトリウム(例えば、CAS No.867-56-1)、安息香酸(例えば、CAS No.65-85-0)、及びそれらの混合物。
【0084】
1つ又は複数の保存剤は、潤滑化組成物中に、約、又は少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0%w/wの量(%w/w)で存在し得る。
【0085】
増粘剤の例としては、スクレロチウムガム(例えば、CAS No.39464-87-4)、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、CAS No.9005-62-0)、キサンタンガム(例えば、CAS No.11138-66-2)、アマの抽出物(例えば、Limun Usitaissimum Lガム、CAS No.8001-26-1)、オクラ抽出物(例えば、Abelmoschus Esculentus L.Moench、CAS No.84455-19-6、又はCAS No.91723-07-8)、アロエベラ抽出物(例えば、ツルマメ(大豆)油、CAS No.85507-69-3、及び/又はアロエバーバデンシス葉抽出物、CAS No.94349-62-8)、カルボキシポリメチレンポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
1つ以上の増粘剤は、潤滑化組成物中に、約、又は少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0%w/wの量(%w/w)で存在し得る。
【0087】
抗酸化剤の例としては、安息香酸(例えば、CAS No.65-85-0)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
水
本明細書に開示される潤滑化組成物は、水性である。水は、脱イオン水であってもよい。水は、「アクア」と称されてもよい。水は、精製水であってもよい。一実施形態では、水は、医薬品グレードの水、例えば、英国薬局方による薬学的に許容される水である。
【0089】
水は、潤滑剤組成物中に、約、又は少なくとも約40、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、若しくは96%w/w、又は40%、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、若しくは96%w/v、又は40、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、又は96%v/vの量で存在し得る。
【0090】
天然起源の計算
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、天然成分である。別の実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも2、3、又は4つの構成成分は、天然成分である。
【0091】
一実施形態では、潤滑化組成物の構成成分の選択は、ISO16128-2:2017化粧品-天然及び有機化粧品成分の技術的定義及び基準に関するガイドラインに従って行われる。その内容は、参照により組み込まれる。
【0092】
一実施形態では、潤滑化組成物の天然由来含有率は、ISO16128-2:2017に従って計算される。その内容は、参照により組み込まれる。
【0093】
本明細書では、別途定義されていない限り、「自然指数」は、ISO16128-2:2017の4.3.1項によって定義される通りである。その内容は、参照により組み込まれる。
【0094】
天然指数は、化粧品成分がISO16128-1:2016、条項2からの天然成分の定義を満たす程度を示す値である。別途定義されていない限り、値は、以下のガイダンスに従って各成分に割り当てられる。
●自然指数=1:成分は天然成分の定義を満たしている。構成水、再構成水、抽出水、及び配合物水の自然指標は、各々1に等しいと考えられる。
●自然指数=0:成分は、天然成分の定義を満たしていない。
【0095】
抽出物の自然指数は、式(1)に従って計算され、
【数1】
式中、
I
nは、自然指数であり、
m
DNSは、導入された派生した天然溶媒の質量であり、
m
Tは、導入された総質量(天然成分及び成分溶媒)である。
例えば、天然成分の抽出物は、使用される溶媒が、水を含む天然のものである場合、1の天然指数を有する。
【0096】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、1の自然指数を有する。別の実施形態では、複数の構成成分、例えば、2、3、4、5つ、又はそれ以上の潤滑化組成物は、1の天然指数を有する。
【0097】
本明細書では、別途定義されていない限り、天然起源指数は、ISO16128-2:2017の4.3項で定義されている。その内容は、参照により組み込まれる。
【0098】
天然起源指数は、化粧品成分が、ISO16128-1:2016、条項2における天然成分、ISO16128-1:2016、条項3からの派生した天然成分、又はISO16128-1:2016、条項4からの派生したミネラル成分のいずれかの定義を満たす程度を示す値である。
【0099】
値は、以下のガイダンスに従って各成分に割り当てられる。
●天然起源指数=1:成分は、天然成分、構成水、再構成水、抽出水、又は配合水の定義を満たす。天然であるか、又は完全天然起源の派生した天然のものである成分溶媒を使用した天然成分の抽出物(ISO16128-1:2016、表A.1に従って)は、天然起源指数が1である。
●0.5<天然起源指数≦1:成分は、派生した天然成分又は派生したミネラル成分の定義を満たす。値は、その成分の総分子組成物に対する、分子量、再生可能な炭素含有量、又は任意の他の関連する方法によって決定される天然起源部分の比率として計算される。
●天然起源指数=0:成分は、天然成分の定義も、派生した天然成分の定義も、派生したミネラル成分の定義も満たしておらず、天然起源指数が0.5以下と計算されたものを含む。
【0100】
一実施形態では、潤滑化組成物の少なくとも1つの構成成分は、1の天然起源指数を有する。別の実施形態では、複数の構成成分、例えば、2、3、4、5つ、又はそれ以上の潤滑化組成物は、1の天然起源指数を有する。
【0101】
天然起源含有量。
一実施形態では、潤滑化組成物の天然起源含有量は、約、又は少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%である。別の実施形態では、潤滑化組成物の天然起源含有量は、約95~約100%の範囲にある。また別の実施形態では、潤滑化組成物の天然起源含有量は、99%を超える。
【0102】
一実施形態では、潤滑化組成物は、シリコン又はシリコーン系化合物を含まない。
【0103】
構成成分のグレーディング
本明細書に記載される潤滑化組成物の構成成分及び/又は賦形剤は、食品グレード(すなわち、食品使用に安全である)、化粧品グレード、米国薬局方(USP)グレード、英国薬局方(BP)グレード欧州薬局方(Ph.Eur)グレード、国の処方箋(NF)グレード、日本の薬局方(JP)グレード、及び/又は日本の医薬品賦形剤(JPE)グレードであり得る。
【0104】
属性
一実施形態では、潤滑剤組成物は、透明、実質的に透明、又は半透明である。
【0105】
一実施形態では、潤滑剤組成物は、無色、又は実質的に無色である。
【0106】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、以下の属性のうちの少なくとも1つを有する:透明又は実質的に透明;異物を含まないか、又は実質的に含まない;任意の汚染又は潜在的に汚染する物質を含まないか、又は実質的に含まない。
【0107】
一実施形態では、潤滑剤組成物は、婦人科及び/又は皮膚科の用途に通用可能である。例えば、潤滑剤組成物は、国際接触性皮膚炎研究群の国際的に認められたガイドラインに準拠し得る。
【0108】
1つ以上の実施形態では、潤滑化組成物は、無臭若しくは実質的に無臭、及び/又は無味若しくは実質的に無味であるように配合されてもよい。無風味及び/又は無香料の潤滑剤組成物は、ある特定の個体によって好まれる場合があり、例えば、敏感な皮膚を有する対象に対してより低いアレルギー性及び/又は刺激性である潤滑化組成物をもたらし得る。
【0109】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、2021年3月30日~31日の会合で採択された、消費者安全科学委員会(Scientific Committee on Consumer Safety、SCCS)、SCCS Notes of Guidance for the Testing of Cosmetic Ingredients and Their Safety Evaluation-11th Revision(SCCS/1628/21)に準拠し、これらの内容は、参照により組み込まれる。
【0110】
別の実施形態では、潤滑化組成物は、膣及び/又は陰茎への使用のために配合される。別の実施形態では、潤滑化組成物は、膣への使用のために配合される。更に別の実施形態では、潤滑化組成物は、陰茎への使用のために配合される。
【0111】
一実施形態では、潤滑化組成物は、シリコーン系潤滑剤又は成分を含まないか、又は実質的に含まない。別の実施形態では、潤滑化組成物は、シリコーン系潤滑剤を含まない。更に別の実施形態では、潤滑化組成物は、シリコンを含む成分を含まない。
【0112】
一実施形態では、潤滑化組成物は、約25.0%、22.5%、20.0%、17.5%、15.0%、12.5%、10.0%、7.5%、5.0%、4.0%、3.0%、2.0%、1.0%、0.5%、若しくは0%、又は約それら未満のパラベン(例えば、エチルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、及びプロピルパラベンのうちの1つ以上)、クロロフェネシン、フェノキシエタノール、グリセリン、及び/又はプロピレングリコールのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、潤滑化組成物は、パラベンを含まないか、又は実質的に含まない。別の実施形態では、潤滑化組成物は、10%未満のグリセリンを含む、グリセリンを含まない、又は実質的に含まない。更に別の実施形態では、潤滑化組成物は、25%未満のプロピレングリコールを含む、プロピレングリコールを含まない、又は実質的に含まない。
【0113】
潤滑化組成物は、所望の用途に応じて調整することができる。
【0114】
一実施形態では、潤滑化組成物は、それが個体の皮膚に適用され得るように、配合される。例えば、直接適用(例えば、適切な容器から)、又は1つ以上の移動(例えば、別の個体との皮膚から皮膚への接触から)によって。
【0115】
一実施形態では、潤滑化組成物は、コーティング、例えば、本明細書に定義される物品用のコーティングとして配合される。
【0116】
一実施形態では、潤滑化組成物は、物品への適用に好適であるように配合される。例えば、天然ゴムラテックス、又はポリイソプレンを含むか、又はそれらからなる物品。一実施形態では、物品は、天然ゴムラテックスを含むか、又はそれからなる。一実施形態では、物品は、ポリイソプレンを含むか、又はそれからなる。
【0117】
pH
本明細書では、潤滑化組成物のpH範囲は、約3.5~約5.5の範囲、例えば、約3.8~約4.5の範囲にあってもよい。一実施形態では、pHは、約、少なくとも約3.5、若しくは3.6、若しくは3.7、若しくは3.8、若しくは3.9、若しくは4.0、若しくは4.1、若しくは4.2、若しくは4.3、若しくは4.4、若しくは4.5、若しくは4.6、若しくは4.7、若しくは4.8、若しくは4.9、若しくは5.0、若しくは5.1、若しくは5.2、若しくは5.3、若しくは5.4、若しくは5.5、又は約それら未満である。
【0118】
潤滑化組成物のpHは、適用、及び/又は潤滑化組成物が適用される物品に応じて改変されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、潤滑化組成物は、膣潤滑剤として有効であり、pHは、約3.5~約5.5の範囲、例えば、約3.5、若しくは3.6、若しくは3.7、若しくは3.8、若しくは3.9、若しくは4.0、若しくは4.1、若しくは4.2、若しくは4.3、若しくは4.4、若しくは4.5、若しくは4.6、若しくは4.7、若しくは4.8、若しくは4.9、若しくは5.0、若しくは5.1、若しくは5.2、若しくは5.3、若しくは5.4、若しくは5.5、約それら未満、又は少なくとも約それらである。
【0120】
いくつかの実施形態では、潤滑化組成物は、陰茎潤滑剤として有効であり、pHは、約3.5~約5.5の範囲、例えば、約3.5、若しくは3.6、若しくは3.7、若しくは3.8、若しくは3.9、若しくは4.0、若しくは4.1、若しくは4.2、若しくは4.3、若しくは4.4、若しくは4.5、若しくは4.6、若しくは4.7、若しくは4.8、若しくは4.9、若しくは5.0、若しくは5.1、若しくは5.2、若しくは5.3、若しくは5.4、若しくは5.5、約それら未満、又は少なくとも約それらである。
【0121】
粘度
本明細書では、潤滑化組成物の粘度は、ASTM D2196-2020に従って測定されてもよい。
【0122】
本明細書では、粘度は、米国薬局方(USP)<912>、例えば、ブルックフィールド粘度計(DV2T LVT)を使用した回転方法に従って、試験温度、例えば、25℃で測定されてもよい。
【0123】
一実施形態では、潤滑化組成物は、非ニュートン流体である。
【0124】
本明細書では、潤滑化組成物は、約10~約10,000cPの範囲、例えば、約1000~約5000cps、又は約2200~約3500cpsの範囲の粘度を有してもよい。例えば、約、又は少なくとも約10cP、又は50cP、又は100cP、又は200cP、又は300cP、又は400cP、又は500cP、又は600cP、又は700cP、又は800cP、又は900cP、又は1000cP、又は1500cP、又は2000cP、又は2500cP、又は3000cP、又は3500cP、又は4000cP、又は4500cP、又は5000cP、又は5500cP、又は6000cP、又は6500cP、又は7000cP、又は7500cP、又は8000cP、又は8500cP、又は9000cP、又は9500cP、又は10000cPの粘度。
【0125】
25℃での潤滑化組成物の粘度は、約1000cps~約10,000cpsであり得る。例えば、約、又は少なくとも約:1000cP、又は1500cP、又は2000cP、又は2500cP、又は3000cP、又は3500cP、又は4000cP、又は4500cP、又は5000cP、又は5500cP、又は6000cP、又は6500cP、又は7000cP、又は7500cP、又は8000cP、又は8500cP、又は9000cP、又は9500cP、又は10000cPの粘度。
【0126】
膣潤滑剤の場合、潤滑化組成物の粘度は、約1000cps~約10,000cps未満、例えば、約1000~約5000cps、又は約2200~約3500cpsの範囲にあり得る。例えば、約、少なくとも約1000cP、若しくは1500cP、若しくは2000cP、若しくは2500cP、若しくは3000cP、若しくは3500cP、若しくは4000cP、若しくは4500cP、若しくは5000cP、若しくは5500cP、若しくは6000cP、若しくは6500cP、若しくは7000cP、若しくは7500cP、若しくは8000cP、若しくは8500cP、若しくは9000cP、若しくは9500cP、若しくは10000cP、又は約それら未満。
【0127】
一実施形態では、潤滑化組成物は、約、少なくとも約250cP、500cP、750cP、1000cP、1250cP、1500cP、1750cP、2000cP、2500cP、3000cP、3500cP、4000cP、4500cP、5000cP、5500cP、6000cP、6500cP、7000cP、7500cP、8000cP、8500cP、9000cP、9500cP、若しくは10000cP、又は約それら未満の粘度、例えば、動的粘度を有する。
【0128】
潤滑性
一実施形態では、潤滑化組成物は、その潤滑性を特徴とする。これは、摩擦係数によって測定することができる。
【0129】
別の実施形態では、潤滑化組成物は、その長期持続する潤滑性を特徴とし、組成物は、例えば、特定の用途又は使用に関連して、許容される期間、適切な潤滑性を提供する。例えば、容器内に保管されている間、及び/又は大気に曝露された後(例えば、容器から取り外された、又は分散された後)の期間。「長期持続する」属性は、潤滑化組成物のより長い作用持続時間を可能にし得、かつ/又は潤滑化組成物のより少ない頻度の適用を可能にし得る(例えば、マッサージオイルとして又は性交中に使用される場合)。
【0130】
別の実施形態では、大気に曝露され、物品又は身体部分に適用された後、潤滑化組成物の潤滑性は、物品又は身体部分の表面への適用後、少なくとも5分、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、4時間、又は5時間後、一貫しているか、又は実質的に一貫している。
【0131】
別の実施形態では、潤滑化組成物は、例えば、特定の使用又は用途のために約、又は少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、又は48ヶ月の期間保管された後、適切な潤滑性を提供することができる。潤滑化組成物は、約、又は少なくとも約0℃、15℃、20℃、25℃、30℃、又は40℃を含む温度の範囲で保管され得る。いくつかの実施形態では、潤滑化組成物は、常温保存可能であり得、およそ約、又は少なくとも約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1.5年、2年、2.5年、又は3年の期間、室温で物理的に分解/腐敗しないであろう。更に別の実施形態では、潤滑化組成物は、少なくとも3年間常温保存可能である。一実施形態では、潤滑化組成物は、当該期間では、その理化学的特性の変化に抵抗する期間、十分な安定性を有する。そのような変化は、所与の時間にわたる色、透明度、及び/又は臭いの変化を含み得る。他の実施形態では、潤滑化組成物は、pH、粘度、性能、及び/又は他の測定可能な製品仕様などのパラメータに関して、許容できない変化がないか、又は実質的にないように、一定期間にわたって十分な安定性を有する。
【0132】
一実施形態では、潤滑化組成物は、約、又は少なくとも約100ラウンド、200ラウンド、300ラウンド、400ラウンド、500ラウンド、600ラウンド、700ラウンド、800ラウンド、900ラウンド、1000ラウンド、1100ラウンド、1200ラウンド、1300ラウンド、1400ラウンド、1500ラウンド、又は1600ラウンドの長期持続する潤滑性を有する。
【0133】
一実施形態では、潤滑性は、以下を含む方法を介して測定される:
a)潤滑剤組成物の試料の量、例えば、0.1gを測定し、同じ量を対象の手の甲に広げること(一実施形態では、全ての測定された量が、同じ手に適用される。)と、
b)潤滑剤組成物を手に広げ、潤滑剤組成物が乾くまでにかかる回数及び時間を測定することと、
c)全ての潤滑剤が乾いたら、手を洗い(例えば、石鹸で)、乾かすことと、
d)試験を、例えば、更に2回繰り返すこと。
【0134】
浸透圧濃度
本明細書では、潤滑化組成物の浸透圧濃度は、米国薬局方(USP)<785>に従って測定され得る。
【0135】
一実施形態では、潤滑化組成物潤滑化組成物の浸透圧濃度は、約2500mOsm/kg~約4500mOsm/kgの範囲、例えば、約3100~約4100mOsm/kgの範囲にあり得る。例えば、浸透圧濃度は、4500mOsm/kg、又は4400mOsm/kg、又は4300mOsm/kg、又は4200mOsm/kg、又は4100mOsm/kg、又は4000mOsm/kg、又は3900mOsm/kg、又は3800mOsm/kg、又は3700mOsm/kg、又は3600mOsm/kg、又は3500mOsm/kg、又は3400mOsm/kg、又は3300mOsm/kg、又は3200mOsm/kg、又は3100mOsm/kg、又は3000mOsm/kg、又は2900mOsm/kg、又は2800mOsm/kg、又は2700mOsm/kg、又は2600mOsm/kg、又は2500mOsm/kgであっても、約それらであっても、約それら以上でも、又は約それら未満であってもよい。
【0136】
微生物試験
本明細書では、潤滑剤組成物は、それが関連する微生物試験に準拠するように、配合され得る。例えば、潤滑化組成物は、米国薬局方(USP)<51>、<61>及び<62>のうちの少なくとも1つに従って測定され得る。
【0137】
一実施形態では、潤滑剤組成物は、微生物、カビ、及び/又は酵母のうちの少なくとも1つの成長を可能にしないか、又は成長を低下させる。
【0138】
一実施形態では、USP<61>による総好気性微生物数(TAMC)は、約100、又は90、又は80、又は70、又は60、又は50cfu/gである。
【0139】
別の実施形態では、USP<61>による総酵母/カビ数(TYMC)は、約10cfu/gである。
【0140】
別の実施形態では、抗微生物有効性試験(AET)を使用して、カテゴリ2の製品に対するUSP<51>に従って、本明細書に定義されるような潤滑剤組成物を分析し、Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、及びStaphylococcus aureusなどの細菌については、14日目の最初のカウントから2.0対数以上の減少であり、28日目では14日目のカウントからの増加はなく、Aspergillus brasiliensis及びCandida albicansなどの酵母及びカビについては、14日目及び28日目では最初の計算されたカウントからの増加はない。
【0141】
更に別の実施形態では、USP<62>に従い、潤滑化組成物中に、以下の微小生物のうちの1つ以上が存在しないか、又は不在である:Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Salmonella spp、Clostridium spp、及び/又はCandida albicans。更に別の実施形態では、以下の微小生物のうちのいずれも、潤滑化組成物中に存在しない:Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Salmonella spp、Clostridium spp、及びCandida albicans。
【0142】
物品及び用途
本明細書に開示されるのは、本明細書に定義されるパーソナル水性潤滑化組成物を含む物品である。
【0143】
また、本明細書では、本明細書で定義されるパーソナル水性潤滑化組成物を含むコーティングである。
【0144】
また、本明細書に定義される潤滑化組成物の使用が開示される。一実施形態では、潤滑化組成物は、コーティングとして使用される。別の実施形態では、潤滑化組成物は、潤滑剤として使用され、潤滑剤組成物は、任意選択で、個体の皮膚の少なくとも一部分に直接付着される。
【0145】
一実施形態では、潤滑化組成物は、マッサージゲル又は液体として配合及び/又は使用される。
【0146】
潤滑化組成物は、1つ以上の親密なケア用途において、例えば、1つ以上の身体部分、例えば、そのような組成物が性行為中に配置及び/又は使用されるプライベートな身体部分に関与するパーソナル潤滑剤として使用されてもよい。一実施形態では、潤滑剤組成物は、潤滑剤として有効であり、親密なケア用途に有用である。別の実施形態では、本潤滑化組成物は、特に性行為中に、身体部分、例えば、皮膚、並びに口腔、肛門、陰茎、及び膣粘膜などのうちの少なくとも1つなどのヒトのプライベートな身体部分に対して実質的に刺激が少ない。
【0147】
一実施形態では、潤滑化組成物は、物品の少なくとも1つの表面の一部、実質的に全て、又は全てに配置される。「少なくとも1つの表面」への言及は、物品の外面及び/又は内面であってもよい。
【0148】
潤滑化組成物は、噴霧、浸漬、スポンジ、潤滑剤組成物中でのローリング、投与、又はそれらの混合物のうちの1つ以上を含むか、又はそれらからなるプロセスにおいて、物品の少なくとも一部分に配置され得る。
【0149】
潤滑化組成物は、物品の少なくとも一部分上のコーティングの形態にあってもよい。例えば、潤滑化組成物は、物品の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%に適用され得る。更に、潤滑化組成物は、物品の少なくとも1つの表面の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%に適用され得る。一実施形態では、少なくとも1つの外面の少なくとも一部は、本明細書に定義される潤滑化組成物を含む。
【0150】
物品は、避妊デバイスの形態、又はその一部であってもよい。
【0151】
物品は、性玩具の形態、又はその一部であってもよい。
【0152】
一実施形態では、物品は、コンドーム、子宮頸部キャップ、コイル、避妊用ダイヤフラム、ペッサリー、子宮内デバイス(IUD)、性玩具、又は殺精子剤から選択され得る。
【0153】
物品は、コンドームの形態であってもよく、例えば、潤滑化組成物がその一部を覆うか、又は包装されているか、若しくは包装されていないコンドームの全長を実質的に覆う。一実施形態では、潤滑化組成物は、コンドームの1つの外面若しくは全ての外面の一部、実質的に若しくは全てに配置される。コンドームは、エラストマー材料(天然ラテックスゴムなど)、合成材料(ポリイソプレン材料、ポリマーブレンド、又は同様のポリマー材料など)を含み得るか、実質的にそれらからなり得るか、又はそれらからなり得る。別の実施形態では、コンドームは、天然ゴムラテックス又はポリイソプレンから選択される材料を含むか、又はそれらからなるが、これらに限定されない。一実施形態では、コンドームは、天然ゴムラテックスを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。一実施形態では、コンドームは、ポリイソプレンを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。
【0154】
本明細書では、コンドームとの潤滑化組成物の適合性は、ASTM D7661-18 Standard Test Method for Determining Personal Lubricants with Natural Rubber Latex Condoms、及び/又はISO19671:2018 Additional lubricants for male natural rubber latex condoms-Effect on condom strengthによって測定することができる。
【0155】
本明細書では、「天然ゴムラテックス」という用語は、Hevea brasiliensis(伝統的なゴム樹木)から供給された硬化エラストマー材料、Parthenium argentatum(グアユール)、ヒマワリ、ゴールデンロッド(goldenrod)などの非Heveaゴム、並びにこれら又は他の生物学的供給源の遺伝子改変バリエーションを包含する。本発明のいくつかの実施形態では、コンドームは、加硫前及び加硫後のラテックス組成物を含む。
【0156】
一実施形態では、物品は、コンドームである。潤滑化組成物に加えて、コンドームは、風味、香り、活性成分などの1つ以上の更なる構成成分、及び/又はそれらの混合物を更に含んでもよいが、これらに限定されない。有効成分の例としては、医薬品(抗ウイルス剤、抗菌剤、及び/又は抗真菌剤のうちの1つ以上など)、血管拡張剤(ナイアシン、シルデナフィルクエン酸塩、及び/又はニトログリセリンなど)、男性脱感作剤(ベンゾカインなど)、加温又は冷却液体(カフェイン又はメントールなど)、殺精子剤(ノノキシノール-9など)のうちの1つ以上が挙げられる。
【0157】
物品は、1つの物品当たり、少なくとも約50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、又は1000mgの量の潤滑組成物を含み得る。
【0158】
合成方法
本明細書に開示される、本明細書に定義される潤滑化組成物を調製する方法。
【0159】
1つの例示的な非限定的な方法では、潤滑化組成物は、以下のステップのうちの1つ以上を使用して合成された:
a)任意選択で攪拌下で、脱イオン水(DI水)を第1の容器に秤量又は測定する。
b)乳酸ナトリウム及び/又は安息香酸及び/又はソルビン酸及び/又はソルビン酸カリウムをDI水に添加し、一定期間、例えば約5分間攪拌する。
c)第2の容器に、亜麻仁ガム及びヒドロキシエチルセルロース及び/又はキサンタンガム及び/又はヒアルロン酸及び/又はスクレロチウムガムを1,3-プロパンジオール中に予め分散させる。一定時間、例えば約5分間、又は内容物が十分に分散するまで攪拌する。
d)第2の容器の分散液を第1の容器に添加し、一定時間、例えば約10分間、攪拌し続ける。
e)オクラゲル及び/又はアロエベラ抽出物を第1の容器に添加し、一定時間、例えば5分間攪拌する。
【0160】
例示的な実施形態
1.オクラ植物種からの一部又は抽出物、及び亜麻仁植物種からの一部又は抽出物の少なくとも1つを含む、パーソナル水性潤滑化組成物であって、亜麻仁植物種からの抽出物が、任意選択でガムである、パーソナル水性潤滑化組成物。
2.組成物が、オクラ植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含む、例示的な実施形態1に記載の組成物。
3.組成物が、亜麻仁植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
4.組成物が、オクラ植物種及び亜麻仁植物種からの少なくとも1つの部分又は抽出物を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
5.オクラ植物種が、Abemoschus属に属する、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
6.オクラ植物種が、Abelmoschus esculentus、Abelmoschus caillei、Abelmoschus manihot、Abelmoschus ficuneus、Abelmoschus moschatus、又はそれらの2つ以上の種のうちのいずれかの混合物のうちの1つ以上から選択される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
7.亜麻仁植物種が、Linum属に属する、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
8.亜麻仁植物種が、Linum usitatissimum、Linum humile、Linum austriacum、Linum bienne、Linum angustifolium、Linum catharticum、Linum flavum、Linum grandiflorum、Adenolinum grandiflorum、Linum lewisii、Linum narbonense、Linum perenne、Linurn perenne var.lewisii、Linum pratense及びLinum trigynum、又はそれらの2つ以上の種のうちのいずれかの混合物のうちの1つ以上から選択される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
9.各抽出物又はその一部が、独立して、約、又は少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0%w/wの量で存在する、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
10.抽出物又はその一部が、液体、油、ゲル、粉末、顆粒、又はそれらの混合物の形態で提供される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
11.組成物が、天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
12.組成物が、植物からの抽出物又はその一部である天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
13.組成物が、任意選択で、植物学的若しくは植物供給源、海藻供給源から選択され、かつ/又は細菌発酵によって産生された天然ガムである天然成分である少なくとも1つの更なる構成成分又は賦形剤を更に含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
14.少なくとも1つの天然成分が、液体、油、ゲル、粉末、又は顆粒の形態で提供される、例示的な実施形態11~13のいずれか1つに記載の組成物。
15.少なくとも1つの天然成分が、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は5.0%w/w、任意選択で、約、又は少なくとも約0.1%w/wの量で存在する、例示的な実施形態11~14のいずれか1つに記載の組成物。
16.組成物が、非ニュートン流体である、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
17.湿潤剤、皮膚軟化剤、保存剤、増粘剤、香料/フレグランス、pH調整剤、pH緩衝剤、乳化剤、界面活性剤、軟化剤、冷却剤及び/若しくは刺感剤、又はそれらの混合物である少なくとも1つの構成成分を含む、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
18.組成物が、約、又は少なくとも約40、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、若しくは96%w/w、又は40%、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、若しくは96%w/v、又は40%、42、44、46、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、若しくは96%v/vの水を含むか、又はそらからなる、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
19.潤滑化組成物が、任意選択でエチルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、及び/又はプロピルパラベンから選択されるパラベンを含まないか、又は実質的に含まない、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
20.組成物が、ISO16128-2:2017に従って測定された場合、約、又は少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%の天然起源含有量を含むか、又はそれからなる、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
21.組成物が、透明、実質的に透明、又は半透明である、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
22.潤滑化組成物が、任意選択で25℃で測定された場合、次の特徴:約3.5~約5.5、若しくは約3.8~約4.5の範囲のpH、約2500mOsm/kg~約4500mOsm/kg、若しくは約3100~約4100mOsm/kgの範囲の浸透圧濃度、及び/又は約1000~約5000cps、若しくは約2200~約3500cpsの範囲の粘度、のうちの1つ以上を有する、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
23.組成物が、陰茎及び/又は膣への適用のために配合される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
24.組成物が、膣への使用のために配合される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
25.組成物が、個体の皮膚に適用するために配合される、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
26.組成物が、天然ゴムラテックスを含むか、又はそれからなる物品と適合性がある、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
27.組成物が、ポリイソプレンを含むか、又はポリイソプレンからなる物品と適合性である、例示的な実施形態1~25のいずれか1つに記載の組成物。
28.物品が、避妊デバイス、任意選択でコンドームである、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
29.組成物の潤滑性が、物品又は身体部分の表面への適用後、約、又は少なくとも約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又は5時間後、一貫しているか、又は実質的に一貫している、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
30.潤滑化組成物の潤滑性が、シロキサン及び/又はシクロメチコンを含むシリコーン系潤滑化組成物と一貫しているか、又は実質的に一貫している、前述の例示的な実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
31.例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物を含む、マッサージゲル又は液体。
32.例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物を含む、コーティング。
33.例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物又は例示的な実施形態32のコーティングを含む、物品。
34.物品が、避妊デバイスである、例示的な実施形態33に記載の物品。
35.物品が、コンドーム、子宮頸部キャップ、コイル、避妊用ダイヤフラム、ペッサリー、子宮内デバイス(IUD)、性玩具、又は殺精子剤から選択される、例示的な実施形態33又は34に記載の物品。
36.物品が、コンドームである、例示的な実施形態33~35のいずれか1つに記載の物品。
37.マッサージゲル又は液体としての、例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物の、使用。
38.コーティングとしての、例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物の、使用。
39.コーティングが、例示的な実施形態33~35のいずれか1つに記載の物品のためのものである、例示的な実施形態38に記載の使用。
40.潤滑剤としての、例示的な実施形態1~30のいずれか1つに記載のパーソナル水性潤滑化組成物の使用であって、潤滑剤組成物が、任意選択で、個体の皮膚の少なくとも一部分に直接付着される、使用。
【実施例】
【0161】
ここで、本開示を、以下の非限定的な例を参照し、かつ添付の図面(該当する場合)を参照して説明する。
【0162】
実施例1-実施例の組成物
一連の例示的な組成物を、段落[0142]に記載され、表1に示される一般的なアプローチを利用して調製した。これらの組成例は、市場で入手可能な市販のシリコーン系パーソナル潤滑剤と比較して、おそらく同様の潤滑性をもたらす。
【表1】
【0163】
表1の組成物について、材料選択は、ISO16128:2016化粧品-天然及び有機化粧品成分の技術的定義及び基準に関するガイドラインに従って行われた(天然指数及び天然起源指数の両方は、ISO16128-2:2017に従って計算することができる。例えば、フォーミュラHの2つの異なる組成物は、99.53及び100の天然起源含有量をもたらし得る。
【0164】
フォーミュラHの組成物の潤滑性特性を試験した。結果を表2に示す。この例示的なフォーミュラの追加の特徴も表2に開示される。
【0165】
以下の方法を使用して、潤滑性を試験した。
a.0.1gの潤滑剤を測定し、同じ量を左手の甲に広げる。測定した量が全て手に適用されていることを確認する。
b.潤滑剤を左手に広げ、潤滑剤が乾くまでのラウンド数及び時間を測定する。
c.全ての潤滑剤が乾いたら、手を石鹸で洗い、タオルで乾かす。
d.試験を更に2回繰り返す。
【表2】
【0166】
フォーミュラHの試料も、50℃で1ヶ月間の時間を経た後に検討した。初期の外観、粘度、pHを比較した結果を、時間を経た後の同じ特徴と比較した。結果を表3に示す。フォーミュラHの2つの異なるバリエーション(フォーミュラ1及びフォーミュラ2)の粘度特徴付けを
図1に示す。
【表3】
【0167】
更に、表1の組成物も、USP<51>、<61>、及び<62>に従って特徴付けをし、試験した。上記の例示的な潤滑剤は、以下の仕様に従って微生物試験を満たした。
●総好気性微生物数<100cfu/g
●カビ及び酵母の合計<10cfu/g(カテゴリ2生成物の<51>に従って測定)
●以下の微小生物の不在:
-Staphylcoccus aureus
-Pseudomonas aeruginosa
-Escherichia Coli
-Salmonella sp.
-Clostridium sp.
-Candida albicans
【0168】
実施例2-摩擦係数(Coefficient of friction、COF)試験
3つの潤滑剤(シリコーンゲル、天然パーソナル潤滑剤(NPL)、及びOFNat)、並びに水のトライボロジー試験を実施して、45分間の試験(性行為をシミュレートするため)の間にCOFを維持するそれらの能力を比較し、長期間にわたるこの特徴の変化を検討した。
【0169】
潤滑剤NPLは、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、塩化ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム及び水を含む。潤滑剤OFNatは、表1の組成物Hの範囲内である。
【0170】
方法
使用した方法は、R&D.TM.10:摩擦係数の決定であった。トライボロジー試験中に、増加したCOFの傾きが判定され、これは、45分間(最大性交期間)のトライボロジー試験の開始から終了まで計算される。プレート形状上の3つのボールは、潤滑剤試料で潤滑されたシリコーンゲルパッド基板上で円を描くように動く。経時的なCOFの増加は、潤滑性が失われる速度を表す。
【0171】
結果
4つの試験した試料(水、NPL、シリコーンゲル、及びOFNat)をシリコーンパッドに適用して、45分間のトライボロジー試験の潤滑性を判定した。水を除く全ての試料は、約45分間の試験期間中、COFを0.2に維持することができた。
【0172】
OFNatのCOFは、試験中、NPLよりも低く、より良い潤滑性を示した。NPLのCOFが約1500秒で変動し始めたことは、潤滑剤がその潤滑性を失い始めたことを意味し、一方で、OFNatのCOFが約2300秒で変動し始めたことは、それがNPLよりも長い期間潤滑性を維持することができることを示す。更に、OFNatのCOFは、その周知の潤滑性のために、シリコーンゲルベンチマーク(
図2を参照されたい)に近かった。
【0173】
各トライボロジー試験試料の曲線下面積は、Rheology Triosソフトウェアによって計算した。結果を表4に示し、比較を
図3、画像A)及びB)に示す。
図3、画像A)については、等しい分散を分析のために想定した。
図3、画像B)については、プールされた標準偏差を、区間を計算するために使用する。
図3:帰無仮説は、全ての平均が等しく、代替仮説は、全ての平均が等しくなく、有意水準は、α=0.05である。分散分析を表5に示す。
【表4】
【表5】
【0174】
OFNat潤滑剤の全体的なCOF並びに曲線下面積(371.617~499.391)は、シリコーンゲルの結果に近く、COF試験中、NPL潤滑剤よりも著しく低い。したがって、OFNat潤滑剤は、NPL潤滑剤よりも優れた潤滑性をもたらし、したがって、長期持続する潤滑化組成物を提供すると結論付けることができる。
【0175】
実施例3-粘着性試験
目的
4つの潤滑剤及び水の粘着性試験を行って、37℃の温度で2つのプレート間の退縮力を比較して、適切な環境をシミュレートし、人体をエミュレートした。
【0176】
方法
使用した方法は、R&D.TM.11:粘着性の判定である。組成物(例えば、潤滑剤)の粘着性は、組成物で潤滑された2つのプレート間の退縮力によって判定した。引き込み力(絶対値)が高いほど、粘着性が高い。
【0177】
結果
5つの異なる試料(水、水性潤滑剤A-対照として、シリコーンゲル、NPL、及びOFNat)を2つのプレートの間に適用し、次いでこれらを引っ張って、退縮力を判定した。全ての試料は、13回の反復において一貫した結果を示す。各試料についての13回の反復からの平均のオーバーレイを
図4に示す。
【0178】
水性潤滑剤Aは、粘着性に関連する消費者のフィードバックに基づいて、ベンチマーク及び陽性対照として使用した。結果は、
図4に示される退縮ステップの開始時の軸力の高い絶対値から分かるように、水性潤滑剤Aが上部プレートを引き上げるために最代の力を必要としたことを示す。シリコーンゲルは、水(陰性対照)と同様に非常に低い退縮力を示した。OFNat及びNPL水性潤滑剤は、水性潤滑剤Aと同様の退縮力の値及びはるかに低い退縮力を示した(表6並びに
図4及び5)。
図5では、帰無仮説は、全ての平均が等しく、代替仮説は、全ての平均が等しくなく、有意水準は、α=0.05である。分散分析を表7に示す。
【表6】
【表7】
【0179】
OFNatの退縮力は、水性潤滑剤Aよりも低く、著しく異なっていた。OFNat水性潤滑剤は、粘着性特性に関連する問題を回避する手段を提供し、試験された水性潤滑剤Aと比較して粘着性が低いことが判明したと結論付けることができる。
【0180】
実施例4-布地染色洗浄試験
目的
社内で適応された方法を使用して、OFNat潤滑剤の布地染色研究を実施するため。
【0181】
方法
使用した方法は、R&D001-21-P6であった。試験の主要は、適用された選択された布地の布地染色試験を実行することであり、一定量のOFNat潤滑剤が適用され、次に当該布地を洗浄する。試験結果を、OFNat潤滑剤を適用しない同じ生地(対照)と比較した。加えて、非水ベース潤滑剤(シリコーンゲル潤滑剤)も、OFNat潤滑剤と比較して、洗浄の容易さ及び有効性を評価するために試験した。
【0182】
結果:
結果は、OFNat潤滑剤は、干して乾かした後、ポリエステル、綿、サテン、及び合成シルク生地に、目に見える痕跡を残さないことを示した。洗浄条件を表8に列挙し、結果を表9に示す。洗濯乾燥後、生地(ポリエステル、綿、サテン、合成シルク)にシリコーンゲル潤滑剤の染色跡が残った。これらの結果は、OFNat潤滑剤が汚さず、様々な異なる生地から簡単に洗い流せることを強調している。
【表8】
【表9】
【0183】
実施例5-コンドーム適合性試験
目的
OFNat潤滑剤の、3つの異なる市販ブランドの天然ゴムラテックス(natural rubber latex、NRL)コンドーム(A、B、C)及び3つの異なる市販ロットの合成ポリイソプレン(polyisoprene、PI)コンドーム(D1、D2、D3)とのコンドーム適合性を試験する(表10)。
【0184】
方法
試験は、ASTM D7661-18に従って実施した。
【0185】
試験の要点は、OFNat潤滑剤で処理された選択されたコンドームに対して標準強度試験(引張強度及び破裂強度試験)を実施することであった。これらの試験結果を、OFNat潤滑剤で処理されなかった同じ集団(対照試料)からのコンドームで生成されたものと比較した。
【表10】
【0186】
全ての試料は、タイのスラートターニーにある研究開発イノベーションセンターで試験した。
【0187】
結果:
表11の結果から、処理済み及び未処理のコンドームのエアバースト容積、エアバースト圧力、破断力、及び伸長の変化率は、±20%以内である。したがって、OFNat潤滑剤は、NRLコンドームと適合性がある。
【0188】
表12の結果から、処理済み及び未処理のコンドームのエアバースト容積、エアバースト圧力、破断力、及び伸長の変化率は、±20%以内である。したがって、OFNat潤滑剤は、PI SKYNコンドームと適合性がある。
【0189】
したがって、OFNat潤滑剤は、天然ゴムラテックスコンドーム及びポリイソプレンコンドームの両方と適合性があると結論付けられる。
【表11】
【表12】
【0190】
本開示の広範な一般的な範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して多数の変形及び/又は修正が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【国際調査報告】