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特表2024-525783ネットワークスライシングの時間敏感ネットワーク(TSN)実装のためのシステム及び方法
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  • 特表-ネットワークスライシングの時間敏感ネットワーク(TSN)実装のためのシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ネットワークスライシングの時間敏感ネットワーク(TSN)実装のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0895 20220101AFI20240705BHJP
【FI】
H04L41/0895
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501983
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022037278
(87)【国際公開番号】W WO2023288055
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,316
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,スティーブン フランシス
(57)【要約】
通信ネットワークを介した通信のための技法は、通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて複数のネットワークスライスを決定することを含み得、複数のネットワークスライスの各々は、少なくとも1つのサービスに関連付けられたデータの通信をサポートする。複数のデータストリームは、通信ネットワーク内で構成され得る。各データストリームは、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている。複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームが決定され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介した通信の方法であって、前記方法は、
前記通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、前記通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、前記複数のネットワークスライスの各々が、前記複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されている、決定することと、
前記通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、
前記複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、
前記第1のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第1のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データは、前記第1のデータストリームを使用して通信される前記第1のネットワークスライスに関連するデータが、前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスに関連するデータから分離されるように、前記第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記通信ネットワークを介して、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して前記第1のネットワークスライスに関連付けられた制御データを通信することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2のデータストリームが同じである、又は前記第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信のためのスケジューリング又は待ち時間パラメータを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記複数のデータストリームのうちの他のデータストリームに対して、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信の優先度を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のネットワークスライスのうちの第2のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記第2のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第2のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データが、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが、IEEE802.1AS標準に基づいている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
通信ネットワークを介した通信のためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上のプロセッサを備え、前記1つ以上のプロセッサが、
前記通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、前記通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、前記複数のネットワークスライスの各々が、前記複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されている、決定することと、
前記通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、
前記複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、
前記第1のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第1のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データは、前記第1のデータストリームを使用して通信される前記第1のネットワークスライスに関連するデータが、前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスに関連するデータから分離されるように、前記第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記通信ネットワークを介して、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して前記第1のネットワークスライスに関連付けられた制御データを通信することと、を行うように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2のデータストリームが同じである、又は前記第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが同じである、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信のためのスケジューリング又は待ち時間パラメータを定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記複数のデータストリームのうちの他のデータストリームに対して、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信の優先度を定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記複数のネットワークスライスのうちの第2のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記第2のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第2のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することと、を行うように更に構成されており、前記データが、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して通信される、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが、IEEE802.1AS標準に基づいている、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月15日に出願された米国仮特許出願第63/222,316号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載される主題は、通信ネットワークに関し、より具体的には、ワイヤレス通信ネットワークに実装される時間敏感ネットワーキング及びネットワークスライシング技法に関する。
【背景技術】
【0003】
5Gネットワークスライシングは、同じ物理ネットワークインフラストラクチャ上で仮想化され独立した論理ネットワークを可能にする。各ネットワークスライスは、特定のアプリケーション又はサービスによって要求される要件を満たすように調整された、分離されたエンドツーエンドのネットワークである。しかしながら、ネットワークスライスは、5Gネットワークによってサポートされる様々なサービスによって必要とされるように、例えば、スケジューリング、待ち時間、優先度、同期などのタイミングに関連する特定の制限を満たさない場合がある。したがって、共通のインフラストラクチャを介して、カスタマイズされ分離されたエンドツーエンドの論理ネットワークを使用して、異なるサービスの(タイミング)要件を満たすために、ネットワークスライシングを用いる5Gネットワークのための時間ベースソリューション又は時間敏感ソリューションが必要である。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させる、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールさせることによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成され得る。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されるときに、装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成され得る。
【0005】
1つの一般的な態様は、通信ネットワークを介した通信の方法を含む。方法は、通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、複数のネットワークスライスの各々が、複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されている、決定することと、通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、第1のネットワークスライスに対して、通信ネットワークを介して、第1のネットワークスライスによってサポートされる複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、データが、第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を含み得る。
【0006】
別の一般的な態様は、通信ネットワークを介した通信のためのシステムを含む。システムは、通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、複数のネットワークスライスの各々が、複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されている、決定することと、通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、第1のネットワークスライスに対して、通信ネットワークを介して、第1のネットワークスライスによってサポートされる複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、データが、第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。
【0007】
本主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実装形態の以下の説明を読むことによってより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】時間敏感ネットワーク(TSN)システムの実装形態を概略的に例解する。
図2】本明細書に記載される分析の背後にある高レベルの概念を例解する。
図3】ネットワークスライシングを有する5Gシステムの一実装形態を例解する。
図4】本開示のいくつかの実装形態による、ネットワーク内の異なる管理エンティティ間の相互作用を例解する。
図5】統合されたTSN-5Gシステムの一実装形態を例解する。
図6】統合されたTSN-5Gシステムのシステムアーキテクチャの一実装形態を例解する。
図7】本開示のいくつかの実装形態による方法を例解するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のいくつかの実装形態では、5Gネットワークスライシングは、5Gシステム(5GS)内の別々の別個の時間敏感ネットワーク(TSN)ストリーム又はフローを介して個々のネットワークスライスのデータを伝送することによって実装される。これは、5GS内の個々のスライスのTSNスケジューリングを制御することによって、それらのスライスへのカスタム優先度を可能にするという利点を提供する。ネットワークスライシングはまた、ソフトウェアデファインドネットワーキング(SDN)及びネットワーク機能仮想化(NFV)を使用して、ネットワークリソース及びそれらの構成、管理、及び制御の論理的抽象化を必要とし得る。5Gネットワークスライスの管理及び制御は、時間敏感動作であり、5Gシステム内のTSN実装からも利益を得ることができる。したがって、本開示は、TSNを5Gネットワークスライスの管理及び制御、並びにネットワークスライスを通って流れるデータの伝送方法に統合する。
【0010】
添付の図面を参照した以下の説明は、特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義されるように、本開示の様々な実装形態の包括的な理解を支援するために提供される。それは、その理解を支援するための様々な具体的な詳細を含むが、これらは単なる例示とみなされるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載される様々な実装形態の様々な変更及び修正を行うことができることを認識するであろう。加えて、明確かつ簡潔にするために、既知の特徴及び構成の説明が省略されることがある。
【0011】
時間敏感ネットワーキング(TSN)に従った決定論的通信技法は、異なる統計的特性を有する異なるトラフィックフローが多重化される場合であっても、タイムクリティカルなトラフィックフローの遅延及びジッタに対する決定論的QoS保証を可能にするIEEE802.1改正のセットで定義される。関連するIEEE TSN標準の分類を表1に提供する。TSN同期は、IEEE802.1AS及び802.1AS-Revでカバーされる。
【表1】
TSN標準によれば、TSNデータプレーンにおいて、データプレーン遅延保証は、スケジューリングされたトラフィック(IEEE802.1Qbv)、フレームプリエンプション(IEEE802.3br、IEEE802.1Qbu)、非同期トラフィックシェーピング(ATS)(802.1Qcr)、並びにサイクリックキューイング及び転送(802.1Qch)などの技法によって提供することができる。これらの標準は、特定のトラフィッククラスに属し、かつ特定の優先度を有するフレームがTSN対応ブリッジによってどのように処理されるかを定義する。更に、TSN制御プレーンに関して、リソース管理、構成、リソース割り当て、及び登録の態様は、a)異なる構成モデルを記述し、集中型ケースに焦点を当てる802.1Qcc、b)完全に分散されたケースをカバーする802.1Qdd、及びc)明示的な経路選択及び帯域幅予約を可能にする802.1Qcaによってカバーされる。
【0012】
構成及び管理のコンテキストにおけるTSNネットワークの主要な要素は、トーカー、リスナー、ブリッジ、及びユーザネットワークインターフェース(UNI)である。トーカー及びリスナーは、それぞれデータストリームを生成及び消費するエンドステーションである。UNIのユーザ側は、トーカー及びリスナーを含み、ネットワーク側は、トーカーから1つ以上のリスナーにデータフレームを伝送するブリッジを含む。このコンテキストにおけるストリームは、データの単方向フローである。主なアイデアは、ユーザがネットワークの詳細な知識を用いずにストリームの要件を指定することである。ネットワークはこれらの要件を取得し、ブリッジのトポロジ及び能力を分析し、それに応じてブリッジを構成する。この目的のために、IEEE802.1Qccは、3つの構成モデルを提案した。
・完全分散型モデル:このモデルでは、エンドステーションからのユーザ要件は、分散型プロトコルを利用することによってアクティブトポロジに沿って伝搬される。UNIは、エンドステーションとそれらがトポロジで接続されているブリッジとの間に位置する。IEEE802.1Qdd改正は、完全分散型ケースをサポートするためにリンク登録プロトコル(LRP)アンダーレイトランスポートを利用しているリソース割り当てプロトコル(RAP)に取り組んでいる。
・集中型ネットワーク/分散型ユーザモデル:このモデルの重要な要素は、集中型ネットワーク構成(CNC)エンティティである。CNCは、ネットワークトポロジ及びネットワーク内の全てのストリームに関する完全な知識を有する。リモートネットワーク管理プロトコル(NETCONF、YANGなど)を使用して、ブリッジでTSN機能を構成し、時間認識シェイパ(TAS)、フレームプリエンプションなどに必要な複雑な動作を実行することを担う。UNIは、まだエンドステーションとブリッジとの間に位置している。しかしながら、ネットワークのエッジにあるブリッジ(エンドステーションに接続されている)は、このモデルではユーザの要件をCNCに直接通信する。
・完全集中型モデル:完全集中型モデルは、集中型ユーザ構成(CUC)と呼ばれる別のエンティティを考慮する。CUCは、エンドステーションの発見、エンドステーション能力の取得、及びエンドステーション内のTSN機能の構成を担う。集中型ネットワーク/分散型ユーザモデルとの違いは、このモデルでは、ユーザ要件の通信及び交換が、CNCとCUCとの間で行われること、すなわち、TSN UNIが、CNCとCUCとの間に存在することである。CUCは、エンドステーションから要件を取得し、UNIを介して、この情報をCNCと交換する。
IEEE802.1Qcwは、スケジュールされたトラフィック、フレームプリエンプション、並びにストリームごとのフィルタリング及びポリシーングに特化したYANGデータモデルを指定する改正であり、TSNブリッジの構成に使用することができる。
【0013】
いくつかの実装形態では、完全集中型ケースは、TSNを5Gシステム(5GS)と統合するために利用される。トランスポートネットワークの集中型制御及び管理は、分散型の代替手段に対して重要な有利な点を提供する。その理由は、トランスポートネットワーク(フロントホール、ミッドホール、又はバックホールのいずれか)のための集中型SDNベースのシステムを、既存の3GPP(登録商標)管理及び制御システムに容易に組み込むことができるからである。また、エンドツーエンドのオーケストレーションされたソリューションの一部であると同時に、TSN能力をネットワークスライシング管理システムに公開することもできる。
【0014】
IEEE802.1CMは、モバイルフロントホールネットワーク用のTSNプロファイルを提供する。IEEE802.1CMは、イーサネットベースのブリッジドネットワーク内で厳格なフロントホール要件を満たす方法を記述している。802.1CMでは、CPRIプロトコル及びeCPRIプロトコルの両方がサポートされている(それぞれ、クラス1及びクラス2)。どちらの場合も、次のタイプのデータが考慮される:a)ユーザデータ、b)制御及び管理データ、並びにc)同期データ。例えば、クラス2(eCPRI)の場合、eRECとeREとの間の優先度の高いユーザプレーンデータトラフィックの最大エンドツーエンドの一方向の待ち時間は100μsである。更に、802.1CMは、ブリッジからブリッジへのシングルホップの最悪の場合の待ち時間に寄与するコンポーネントに言及している。802.1CMはまた、精密時間プロトコル(PTP)が有効化されたデバイスの時間同期要件をどのように満たすことができるかについても考察している。
【0015】
図1は、上で考察された標準及び技法に従って実装される、時間敏感ネットワーク(TSN)100のネットワーク制御システム107の1つの実装形態を概略的に例解する。図1に示されるコンポーネントは、本明細書に記載される機能を実行するように動作する、1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び/若しくは集積回路)を含む、並びに/又はそれらと接続されるハードウェア回路を表す。ネットワークシステム100のコンポーネントは、1つ以上の有線及び/又はワイヤレス接続によって互いに通信可能に結合され得る。ネットワークシステム100のコンポーネント間の全ての接続が本明細書に示されているわけではない。
【0016】
ネットワークシステム100は、ネットワークスイッチ104及び関連付けられたクロック112(図1の「クロックデバイス」)から形成されたいくつかのノード105を含む。いくつかのノード105のみが図1に示されるが、ネットワークシステム100は、大きい地理的領域にわたって分散されたより多くのノード105から形成され得る。ネットワークシステム100は、TSN能力で構成されたイーサネットネットワーク又はワイヤレス3G/4G/5Gネットワークであり得る。ネットワークシステム100は、ノード105を通して、又はノード105を介して、デバイス106(例えば、コンピュータ、制御システム、ユーザ機器、モバイルデバイスなど)間のリンク103に沿って、リンク103を通して、又はリンク103を介して、データ信号を通信する。データ信号は、ネットワークシステム100のスケジュール上で、ノード105間で送られるデータパケット又はフレームとして通信され、スケジュールは、どのデータ信号が異なる時間にノード105の各々によって通信され得るかを制限する。例えば、信号のトラフィック分類に基づいて、異なるデータ信号が異なる繰り返しスケジュールされた期間に通信され得る。いくつかの信号は、タイムクリティカルなトラフィックとして分類され、一方、他の信号は、ベストエフォートトラフィックとして分類される。タイムクリティカルなトラフィックは、動力システムの安全な動作を保証するために、指定された期間に、又は指定された期間内に通信される必要がある、又は通信されることが要求されるデータ信号であり得る。ベストエフォートトラフィックは、動力システムの安全な動作を保証するために必要ではないが、他の目的(例えば、電力システムのコンポーネントの動作を監視する)のために通信されるデータ信号を含む。
【0017】
制御システム107は、ノード105の各インターフェースが、予めスケジュールされた時間にデータフレーム(例えば、1つのコンピュータデバイス106から別のデバイス106へのノード105間)を送信し、レガシーのベストエフォートのデータトラフィックと同じ媒体を共有しながら、決定論的なトラフィックフローを作成することを可能にする、時間認識スケジューラデバイス102を含む。時間敏感ネットワーク100は、特にライフクリティカルな産業制御システムにおいて、タイムクリティカルなトラフィックのフレームの配信が故障を引き起こすことなくタイトなスケジュールを満たさなければならない厳しいリアルタイムアプリケーションをサポートするように開発されている。スケジューラデバイス102は、ネットワークシステム100内の各ノード105にインストールされるスケジュールを計算する。このスケジュールは、信号の異なるタイプ又は分類がスイッチ104によって通信されるタイミングを指示する。
【0018】
スケジューラデバイス102は、フレームが送信されるときに、クロックの不安定性が予測不可能な待ち時間をもたらすため、グランドマスタクロックデバイス110と同期したままである。グランドマスタクロックデバイス110は、ノード105のクロックデバイス112が同期されるクロックである。クロックドリフト累積の結果は、フレームがフレームのタイムウィンドウを逃し、次のウィンドウを待たなければならないということである。これは、同じウィンドウを必要とする次のフレームと競合し得る。
【0019】
制御システム107の集中型ネットワークコンフィギュレータデバイス108は、ネットワーク100の物理トポロジ、並びに所望の時間敏感ネットワークトラフィックフローの知識を有するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成される。コンフィギュレータデバイス108は、ノード105及び/若しくはユーザ入力からトポロジ情報を決定する、又は別様に取得する1つ以上のプロセッサと接続されている、並びに/又はそれらを含むハードウェア回路から形成され得る。コンフィギュレータデバイス108のハードウェア回路及び/又はプロセッサは、スケジューラデバイス102のハードウェア回路及び/又はプロセッサと少なくとも部分的に共有され得る。
【0020】
ネットワークシステム100のトポロジ知識は、ノード105の位置(例えば、絶対位置及び/又は相対位置)を含むことができ、そのノード105は、他のノード105などと直接結合されている。コンフィギュレータデバイス108は、この情報をスケジューラデバイス102に提供することができ、スケジューラデバイス102は、スケジュールを決定するためにトポロジ情報を使用する。コンフィギュレータデバイス108及び/又はスケジューラデバイス102は、スケジュールを異なるノード105に通信することができる。
【0021】
リンク層発見プロトコルを使用して、コンフィギュレータデバイス108とスケジューラデバイス102との間でデータを交換することができる。スケジューラデバイス102は、ネットワーク管理プロトコルを通じて時間認識システム(例えば、それぞれのクロック112を有するスイッチ104)と通信する。時間認識システムは、集中型スケジューラデバイス102からそれぞれのハードウェアにコマンドを転送する制御プレーン要素を実装する。
【0022】
タイミング及び同期標準は、スケジューラデバイス102のイネーブラである。IEEE802.1AS(gPTP)標準は、グランドマスタクロックデバイス110(例えば、スイッチデバイス104のうちの1つのクロックデバイス112であり得る)を選択し、経路遅延を推定し、クロックレートの差を補償し、それによって周期的にクロックデバイス112をグランドマスタクロックデバイス110によって保持されている時間に戻して整合させることによってクロック同期を達成するために、スケジューラデバイス102によって使用され得る。クロックデバイス112を戻してグランドマスタクロックデバイス112と整合させることによって、位相ロックループ(PLL)の使用は、ネットワークシステム100の一実装形態では使用されず、これは、ループの収束が遅く、ループがピーキング効果を受ける傾向があるためである。
【0023】
クロックデバイス112は、一般化された時間精度プロトコルメッセージ(gPTP)を周期的に又は別様に繰り返し送るコンフィギュレータデバイス108又はグランドマスタクロックデバイス110によって測定され得る。この動作は、主に、ローカルスイッチデバイス104が送信又は受信する時間精度プロトコルメッセージのタイムスタンプを、隣接スイッチデバイス104によってアドバタイズされるタイムスタンプと比較することからなる。このようにして、クロックドリフトに影響を与える任意の要因が、プロトコルによって正しく検出される。
【0024】
グランドマスタクロックデバイス110によって保持される時間に対して突然過去に引き戻されるか、又は未来に進められるクロックデバイス112は、時間認識スケジュールのローカル実行に影響を与える可能性がある。例えば、タイムクリティカルなトラフィックは、タイムクリティカルなトラフィックのスケジュールされた期間内に、非同期クロックデバイス112を含むノード105によって通信されない場合がある。gPTP標準は、連続的かつ単調に増加するクロックデバイス112を提供する。したがって、スケジューラデバイス102は、調整することができないクロックデバイス112に依存し、クロックデバイス112の整合は、論理同期、グランドマスタクロックデバイス110からのオフセット、隣接するものとのリンク伝搬遅延、及びローカルクロックデバイス112間のクロックドリフトに基づいている。
【0025】
IEEE802.1AS標準は、クロックデバイス112の固有の不安定性及びドリフトを検出するために使用され得る。このドリフトは、クロックデバイス112の老朽化、温度の変化又は極端な温度の変化など、様々な理由で発生する可能性がある。特殊相対性理論及び一般相対性理論からの相対性理論的効果は、外発クロックドリフトとして見ることができ、重力及び運動時間の遅れを包含することができる。例えば、同じ固有パラメータを有する2つのクロックデバイス112は、ドリフトを検出しないが、相対性理論は、グランドマスタクロックデバイス110からのこれらのクロックデバイス112によって保持される時間のドリフトを引き起こすであろう。
【0026】
一般相対性理論はかなり複雑な場合があるが、重力による時間の遅れを適用するのは簡単である。次の式では、Gは重力定数、Mは重力体の質量(キログラム単位)、Rは半径、又は質量中心からの距離(メートル単位)、cは光速(メートル毎秒)である。2つのクロックデバイス112は、1つが、地球の重力場内の100mの高さに位置し、もう1つが、重力場から無限の距離に位置し、すなわち、重力を経験しない。時間は、重力場内でより遅く経過するため、無限遠に位置する仮定のクロックデバイス112は、最速の既知のクロックデバイス112となるであろう。無限遠に位置するクロックデバイス112で1秒が経過したとき、地球近傍のクロックによって測定された時間がどれだけ経過したかを考える。無限遠の時間をTと記し、地球上の時間はTと記す。地球表面にあるクロックで測定された時間の経過と比較して、高度hにあるクロックデバイス112でどれだけの時間が経過したかを決定するには、高度hでの時間の遅れ比を算出し、これを地球表面で算出された時間の遅れで割り、その結果の平方根をとり、この算出された比に地球表面での時間間隔を乗算し、すると算出結果は、高度hの場でより高い位置にあるクロックデバイス112と比較して、より速いクロック上で11フェムト秒だけ経過した時間の量となる。
【数1】
【0027】
重力による時間の遅れによって引き起こされるクロックドリフトは、一見すると無視できるようである。特に送信速度が1Gbpsの場合である。つまり、64バイトのデータフレームにその時間認識スケジュールを逃れさせるには、20バイトのプリアンブル、開始フレーム区切り文字、フレームチェックシーケンス、及びフレーム間ギャップについて考慮すると、ポート速度が1Gbpsの場合、672nsのドリフトが経過している必要がある。ネットワーク内で100mの高さクロックの差で、そのようなドリフトは、2年間中断しないサービスで取得され得る。
【0028】
一実装形態では、コンフィギュレータデバイス108によって提供されるスケジュールは、グランドマスタ時間に対して相対的であり、かつ時間の遅れを無視し得る。その結果、スケジュールの同時性が失われる。時間の遅れを無視することは、許容可能な誤差範囲内で行うことができるが、相対性理論に起因するスケジューラデバイス102上の誤差が重要であるケースとなる。すなわち、ノード105におけるクロックドリフトによって引き起こされる誤差が、タイムクリティカルなトラフィックがノード105のうちの1つ以上において、タイムクリティカルなトラフィック用にスケジュールされた時間ウィンドウ内で通信されない原因となり得るケースである。
【0029】
著しい重力勾配にさらされるピコ衛星又は高速ネットワーク(例えば、飛行機から地上への送信、高速列車通信、高速道路上の自動車と相互作用するスマートシティなど)を伴ういくつかのユースケースは、相対性理論がスケジューラデバイス102に著しいドリフトを引き起こす可能性がある例である。
【0030】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、時間の遅れの変化に基づいてサイズを動的に変化させる特定のローカルガードバンドを定義する。ガードバンドは、非タイムクリティカルなデータフレームトラフィックが、ガードバンドを割り当てられているか又は割り振られているノード(単数又は複数)を通じて通信することができない期間及び/又はネットワーク帯域幅として決定される。
【0031】
図2は、本明細書に記載される分析の背後にある高レベルの概念を概略的に例解する。図2の上部に表されるクロックデバイス112のネットワークは、時間の遅れのために互いに不完全に同期すると仮定される。クロックデバイス112は、図2の下部に表されるIEEE802.1Qbvゲート200の対応するシステムのタイミングを提供する。これらのゲート200は、図1に示されるネットワークシステム100のノード105を表すことができる。ゲート200間のデータフレームの時間敏感データフロー202もまた、図2に示される。クロックデバイス112は、完全に同期することはない可能性があり、同期誤差は、時間に敏感なネットワークフロー202が正しく動作する能力に影響を与える。
【0032】
時間敏感データフロー202は、多様な現地時間基準を横断し、gPTP標準によって測定され得ない時間の遅れの対象となる。例えば、図2は、異なる高度に位置し、異なる相対性理論に従うクロックデバイス112を示す。例えば、山に位置するクロックデバイス112は、(例えば、図1に示されるグランドマスタクロックデバイス110の)グランドマスタ相対時間に同期されるが、クロックデバイス112に到達する時間敏感ネットワークデータフロー202は、時間の遅れのために「加速」している。図1に示されるコンフィギュレータデバイス108は、スケジューラデバイス102の構成に補償を適用することによって、この加速度を防止又は補正することができる。この補償は、ノード105又はゲート200のうちの1つ以上でデータフローの通信のために適用されるガードバンドを決定することによって発生し得る。このガードバンドは、クロックドリフトを補正するために必要な補正量が経時的に変化するにつれて、動的に変化し得る。
【0033】
時間敏感ネットワークタイミング誤差の影響を計算するために、スケジューラデバイス102は、ネットワークブリッジ(例えば、スイッチ104)のスケジュールを計算する。スケジューラデバイス102は、非決定論的多項式時間困難(NP困難)であるヒューリスティックアプローチを使用することができる。スケジュールは、個々のクロック誤差が独立しており、正規分布していると仮定することによって計算され得る。クロックデバイス112は、平均μでドリフトし得、分散σを有し得る。各ゲートシステム200は、IEEE802.1AS標準によって同期される分散クロック112のうちの1つから時間を受信又は決定することができる。
【0034】
時間敏感データフロー経路は、完全な同期を想定して、集中型スケジューラデバイス102によってスケジュールされる。クロック同期が十分な程度の同期を達成できない場合、この失敗は、異なる時間敏感ネットワークフロー202からの複数のデータフレームが同じリンク上で同時に送信されることを引き起こし得る。これは、送信における不必要で予測不可能な遅延を犠牲にして、潜在的な衝突及びフレーム損失を軽減するための代替スケジューリングメカニズムを引き起こすであろう。したがって、同期誤差の存在下で、時間敏感ネットワークフロー202内のデータフレームは、それらの最大の決定論的待ち時間要件を超える確率を有し、著しいジッタを受けるであろう。特定の同期誤差の下で、データフレームは、スケジュールされた送信ウィンドウ時間を完全に逃し、別の開いているウィンドウを捕捉することさえ可能であり得、したがって、異なる時間ウィンドウ上で最初にスケジュールされた他の時間敏感ネットワークフロー202に影響を与える。ガードバンドは、動的に算出され、スケジュールに追加されて、クロック誤差を軽減し、タイムクリティカルなトラフィックが正常に通信されることを保証することができる。これは、本明細書に記載される主題の少なくとも1つの技術的効果を提供する。ガードバンドを動的に変更することは、(時間敏感ネットワークを使用するシステムの同じ動作を保証するために特定の指定された時間に配信される必要がある)パケットが、グランドマスタクロックから離れたクロックのドリフト及び/又はクロックによって追跡される時間とグランドマスタクロックによって維持されるマスタ時間との間の他の差があっても、時間通りに配信されることを保証することができる。
【0035】
本明細書に記載される主題の一実装形態では、スケジューラデバイス102は、ネットワークシステム100(図1に示される)の詳細、及びリクエストされた時間敏感ネットワークフロー202を提供され、各フロー202のスケジュールを計算する。スケジューラデバイス102は、ネットワーク100及び手動で作成された時間敏感ネットワークフロー202で動作するように設計されているが、この分析のための1つのコンポーネントは、大規模でランダムに生成されたネットワーク100内で多数の時間敏感ネットワークフロー202をランダムに生成する能力である。したがって、スケジューラデバイス102は、大規模で複雑なネットワーク100内の大規模で複雑な時間敏感ネットワークスケジュールを分析することができる。
【0036】
ランダムジッタは予測不可能であり得、ガウス(例えば、熱ノイズ)であると仮定される。決定論的ジッタは、予測可能であり、制限され得る(例えば、デューティサイクル、歪み、及びシンボル間干渉)。クロックジッタは、ガウス分布を有することができる。ジッタ及び百万分の一(PPM)は、
【数2】
PPMによって関連させられ、式中、fは、発振器の中心周波数であり、dfは、最大周波数変動である。一実装形態では、クロックデバイス112は、スケジューラデバイス102によって、5ピコ秒の二乗平均平方根(RMS)ジッタを有する±100PPMの精度を有すると想定され得る。RMS誤差は、
【数3】
によってガウス分散に関連し得、式中、Nは、サンプル数(例えば、10,000)であり、ピークツーピーク周期ジッタは、+/-3.72RMSジッタに等しい。
【0037】
スケジューラデバイス102によって実行される分析の一部は、ジッタがあるクロックデバイス112から別のクロックデバイス112にどのように伝搬するかを調べる。ランダムノイズは、スケジューラデバイス102によって追加され得るが、ノイズの相関は、純粋に付加的な特徴を低減し、追加の不確実性を生み出す。スケジューラデバイス102は、グランドマスタクロックデバイス110からのクロックドリフト及びジッタを、他の全ての(例えば、スレーブ)クロックデバイス112を通して伝搬することができる。例えば、他のクロックデバイス112は、グランドマスタのクロックデバイス110と繰り返し同期され得る。このモデルはまた、経路遅延が、スレーブクロックデバイス112をグランドマスタクロックデバイス110と同期させ続けるgPTP標準の能力を低減させるという事実を考慮している。スケジューラデバイス102の実装は、クロック精度及び配置の実験を可能にし、時間敏感ネットワークスケジューリングに対するクロック精度実験の影響を決定する。
【0038】
いくつかの実装形態では、TSN100に関して上述されたTSN機能及び技法は、5Gシステム又はネットワークに統合され得、これはまた、以下に記載するネットワークスライシング技法及びプロセスをサポートする。5Gシステムでは、コアコンポーネントは5Gコアネットワーク(5G-CN)及び無線アクセスネットワーク(5G-RAN)である。
【0039】
5G-CNは、セッション管理機能(SMF)、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、アプリケーション機能(AF)、及びユーザプレーン機能(UPF)などの相互接続されたネットワーク機能(NF)のセットを含むサービスベースアーキテクチャ(SBA)に基づいている。主要な機能を、表2に要約する。5Gアーキテクチャは3GPP(登録商標) TS23.501で定義されており、TS23.502は関連する手順を含み、TS23.503は、関連するポリシー、制御、及び課金アーキテクチャを記述している。
【表2】
【0040】
5G-RANでは、gNodeBと呼ばれる基地局が、4GでのeNodeBと同様のRAN関連機能を処理する。5G-RANでは、次世代eNodeBは、通常、gNBとして表される。ng-eNodeBという用語は、5Gコアにも接続され得るLTE eNobeBを記すために使用される。5G-RANは、gNB又は/及びng-eNodeBからなることができる。Cloud-RAN(C-RAN)は、無線部分とベースバンド処理部分とを切り離すために導入された技法である。C-RANでは、リモート無線ヘッド(RRH)が、下位層PHY機能(無線周波数(RF)、信号増幅、D/A、及びA/D変換)を担い、一方、ベースバンド処理及びより高位層プロトコルが、ベースバンドユニット(BBU)の集中型プールで実行される。RRHとBBUとの間のリンクは、フロントホールとして表される。
【0041】
クラウド化及びSDN/NFV認識の点でC-RANによってもたらされた利点にもかかわらず、フロントホールリンク上の極端な帯域幅の基本的な必要性は、その実用的な展開を困難にしている。機能分割の概念は、集中型BBUプールからRRHにRAN機能(変調/復調など)を再配置するために導入された。更に、単一のBBUは、例えば、PDCP層が処理される集中型エンティティと、例えば、RLC/MAC機能が実行されるエンティティとに更に細分化され得る。PHY層は無線ユニット(RU)で扱われるが、BBUは集中型ユニットと分散型ユニット(それぞれ、CU及びDU)とに分解されて、異なる場所(クラウドサイト)にRAN機能を柔軟に展開することができる。表3は、5Gシステムの様々なコンポーネントについて3GPP(登録商標)によって採用された用語を要約する。
【表3】
【0042】
ネットワークスライシングにより、ネットワークオペレータは、共通のネットワークインフラストラクチャを介して、サービス又は顧客に固有の機能を有する専用の仮想ネットワークを提供することができる。したがって、ネットワークスライシングは、多数の多様なサービス(拡張型モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模モノのインターネット(IoT)、及びビークルツーエブリシング通信(V2X)への超信頼性の低待ち時間通信(URLLC))をサポートする。より具体的には、ネットワークスライシングは、固定ネットワークにおけるソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)及びネットワーク機能仮想化(NFV)の背後にある原理を使用する仮想ネットワークアーキテクチャの一形態である。SDNとNFVは、(追加的又は代替的にソフトウェアを介して)従来のネットワークアーキテクチャを、接続され得る仮想要素に分割されることを可能にすることによって、ネットワークの柔軟性を提供する。
【0043】
ネットワークスライスの実現は、ネットワークスライスインスタンス(NSI)と呼ばれる。エンドツーエンドのNSIは、サブネットワークインスタンス(NSSI)から構成され得、単一のNSSIは、複数のNSIによって共有され得る。例えば、エンドツーエンドのNSIは、トランスポートネットワークNSSI(TN-NSSI)を通じて5GコアNSSIに接続されたRAN-NSSIで構成されている。一例として、図3には、ネットワークスライシングが内部に実装されている5Gシステム300が示されている。2つのエンドツーエンドNSI(NSI-1 305及びNSI-2 310)は、ネットワーク300全体を通して実装された2つのネットワークスライスを描写していることが示される。この例では、TN-NSSI315は、NSI305及び310について、個々のコアNSSI320、325及びRAN NSSI330、335をそれぞれ有する一方で、NSI305と310との間で共有される。ネットワークスライシングで使用される主要な用語の要約を表4に提供する。
【表4】
【0044】
ネットワークスライシングにより、共通の共有物理インフラストラクチャの上に複数の仮想ネットワークを作成することができる。仮想ネットワークは、アプリケーション、サービス、デバイス、顧客、又はオペレータの具体的なニーズを満たすようにカスタマイズされ得る。
【0045】
ネットワークシステム100(例えば、イーサネット、及び5Gなど)を参照して上述した原理を使用する時間に敏感なネットワークの場合、単一の物理ネットワークは、異なる無線アクセスネットワーク(RAN)、又は単一のRANにわたって実行される異なるサービスタイプをサポートすることができる複数の仮想ネットワークにスライスされ得る。このため、ネットワークスライシングは、5Gネットワーク全体にわたって実装され得、すなわち、5Gネットワークのコアネットワーク内だけでなく、RANを通して実装され得る。
【0046】
1つのネットワークスライシングの例では、自律走行車は、低い待ち時間を必要とするが、必ずしも高いスループットを必要としない、V2X(ビークルツーエブリシング)通信に依存し得る。自動車が動いている間に視聴されるストリーミングサービスは、高いスループットを必要とし得、待ち時間の影響を受けやすい。両方とも、仮想ネットワークスライス上の同じ共通の物理ネットワークを介して配信され、物理ネットワークの使用を最適化することができるであろう。
【0047】
ネットワークスライシングは、時間に敏感なネットワークの柔軟性を最大化し、インフラストラクチャの利用及びリソースの割り当ての両方を最適化する。これにより、以前の時間に敏感なネットワークと比較して、より大きなエネルギー及びコスト効率が可能になる。
【0048】
各仮想ネットワーク(ネットワークスライス)は、特定のユースケースの要件をサポートする論理ネットワーク機能の独立したセットを含み、「論理」という用語はソフトウェアを指す。
【0049】
各仮想ネットワークは、スライスを使用する具体的なサービス及びトラフィックのためのリソース及びネットワークトポロジを提供するように最適化され得る。速度、容量、接続性、及びカバレッジなどの機能は、各ユースケースの特定の要求を満たすように割り当てられ得るが、機能コンポーネントは、異なるネットワークスライスにわたって共有され得る。
【0050】
各仮想ネットワークは、スライスが別のスライス内のトラフィックと干渉することができないように、完全に分離され得る。これにより、新しいサービスを導入して実行するリスクが低下し、新しいテクノロジー又はアーキテクチャを分離されたスライスで起動できるため、移行もサポートされる。サイバー攻撃が1つのスライスに違反した場合、攻撃は封じ込められ、そのスライスを超えて広がることができないため、ネットワークスライシングはセキュリティにも影響を与える。
【0051】
各ネットワークスライスは、独自のネットワークアーキテクチャ、エンジニアリングメカニズム、及びネットワークプロビジョニングで構成され得る。各ネットワークスライスは、典型的には、管理能力を含み得、これは、ユースケースに応じて、ネットワークオペレータ又は顧客によって制御され得る。各ネットワークスライスは、独立して管理及びオーケストレーションされ得る。各ネットワークスライスのユーザエクスペリエンスは、スライスが物理的に別個のネットワークであるかのように同じであり得る。
【0052】
エンドツーエンドのネットワークスライス管理に関して、3GPP(登録商標)は、NSI及びNSSIのオーケストレーションに関して、TR28.801において次の主要管理エンティティを定義している。
・通信サービス管理機能(CSMF):通信サービス要件をネットワークスライス要件に変換することを担う。
・ネットワークスライス管理機能(NSMF):NSIのエンドツーエンド(E2E)管理及びオーケストレーションを行う。
・ネットワークスライスサブネット管理機能(NSSMF):特定のドメイン内のサブネットワークスライスインスタンスの管理及びオーケストレーションを担い、例えば、RAN-NSSMF及びコア-NSSMFは、それぞれ、RAN及びCNサブネットワークスライスインスタンスの管理を担い、TN-NSSMFは、トランスポートネットワーク(TN)サブネットワークスライスインスタンスのオーケストレーション及び管理を担う。
【0053】
図4は、異なる管理エンティティ間の相互作用を示している。5Gコアに対しては、ETSI MANOアーキテクチャを組み込むこともできる。これは、物理及び仮想ネットワークリソース及びサービス(VNF)の両方の管理に使用される。ネットワークスライスのライフサイクル管理の態様は、TR28.801、TS28.530、TS28.531、及びTS28.533を含む3GPP(登録商標)仕様に記述されている。例えば、TS28.530には、サービスベースのスライス管理アーキテクチャへの移行のための要件を含む、サービスとしてのネットワークスライス(NSaaS)の概念が記述されている。3GPP(登録商標) TS28.533では、ネットワークスライス管理エンティティは、サービスベースソリューションの一部である。
【0054】
図5は、エンドツーエンドの決定論的接続性を提供する、時間敏感ネットワーク(TSN)コンポーネントと統合された5Gシステム500の図である。5G態様(例えば、超信頼・低待ち時間通信(URLLC)をサポートする)及びTSN機能は、産業オートメーションのためのエッジクラウドに潜在的に存在する入力/出力(I/O)デバイスとそれらのコントローラとの間など、決定論的接続をエンドツーエンドで提供するために、組み合わされ、統合され得る。そのような統合は、ベースブリッジ機能及びTSNアドオンの両方のサポートを含み得る。
【0055】
図5は、5Gシステム506が単一のTSNコンポーネント(例えば、TSNブリッジ)としてエミュレートされるように構成される、従来の統合TSN-5Gシステム500の一実装形態を例解している。全体として、システム500は、5Gシステム506(TSNブリッジとしてエミュレートする)及び1つ以上のTSNブリッジ508を介して、かつTSNコントローラ510を使用して、エンドデバイス、例えば、入力/出力(I/O)デバイス502とコントローラ504との間でデータを通信する決定論的TSNシステムとして構成されている。システム500は、時間同期及びトラフィック管理のための標準的な方法に基づいて構成されており、上で考察されたTSN標準及び技法に従う決定論的なTSNベースの通信を可能にする。
【0056】
いくつかの実装形態では、集中型ネットワーク構成(CNC)512をネットワークデバイス(ブリッジ、例えば、5Gシステムブリッジ506、ブリッジ508)に適用することができ、一方、集中型ユーザ構成(CUC)514をユーザデバイス(エンドステーション、例えば、I/Oデバイス502)に適用することができる。完全集中型構成モデルは、ソフトウェアデファインドネットワーキング(SDN)アプローチに従う。言い換えると、コントローラ510内のCNC512及びCUC514は、分散型プロトコルの代わりに制御プレーンを提供する。対照的に、分散型制御プロトコルは、CNC又はCUCが存在しない完全分散型モデルにおいて適用される。
【0057】
所望のレベルの信頼性を達成するために、TSNは、時間同期、及び時間認識データトラフィックシェーピングを採用する。データトラフィックシェーピングは、スケジュールを使用して、ネットワークスイッチ及びブリッジ(例えば、ノード)上の送信のゲーティングを制御する。いくつかの態様では、TSNにおけるそのようなデータトラフィックのスケジュールは、ネットワークの動作に先立って決定され得る。他の態様では、データトラフィックのスケジュールは、システム要件に基づいて初期設計段階の間に決定され、所望に応じて更新され得る。例えば、TSNトポロジ(通信経路、帯域幅予約、及び様々な他のパラメータを含む)を定義することに加えて、データ送信のためのネットワーク全体の同期時間を事前に定義することができる。ネットワークの通信経路上のデータ送信のためのこのような計画は、典型的には「通信スケジュール」又は単に「スケジュール」と称される。TSN上のデータトラフィックのスケジュールは、特定の経路にわたって、特定の時間に、特定の期間にわたって特定のデータパケットに対して決定され得る。TSNデータトラフィックのスケジュールを生成するための技法の非限定的な例は、米国出願第17/100,356号で考察されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
TSN内のエンドデバイス又はノード(例えば、I/Oデバイス502及びコントローラ504)間のタイムクリティカルな通信は、「データフロー」又は単に「フロー」としても知られる「TSNフロー」を含む。例えば、データフローは、データパケット又はデータフレームなどのデータグラムを含むことができる。各データフローは、単方向であり、システム内の第1の発信元又は送信元エンドデバイス(例えば、I/Oデバイス502)から第2の宛先エンドデバイス(例えば、コントローラ504)に移動し、一意の識別情報及び時間要件を有する。これらの送信元デバイス及び宛先デバイスは、一般に、「トーカー」及び「リスナー」と称される。具体的には、「トーカー」及び「リスナー」は、それぞれ、データフローの送信元及び宛先であり、各データフローは、システム内で動作するエンドデバイスによって一意に識別される。複数の相互接続されたデバイスを含む所与のネットワークトポロジについて、相互接続されたデバイス又はノード間のデータフローのセットを定義できることが理解されるであろう。例えば、データフローのセットは、相互接続されたデバイス間にあり得る。データフローのセットに対して、データフローの様々なサブセット又は順列を追加的に定義することができる。更に、TSN内のエンドデバイス又はノード間のタイムクリティカルな通信は、「TSNストリーム」又は「ストリーム」を含み、各TSNストリームは、1つ以上のリスナーノードに通信されることを意図した特定のトーカーノードにおいて発信することができる。したがって、各TSNストリームは、1つ以上のデータフローを含み得、各データフローは、トーカーノード(TSNストリームが発信された)とリスナーノードとの間にある。
【0059】
エンドデバイス(例えば、502、504)及びスイッチ(一般に「ブリッジ」又は「スイッチングノード」と呼ばれる)(例えば、506、508)の両方が、所定の時間スケジュールに基づいてデータフローにおいてデータ(1つの非限定的な例では、イーサネットフレーム)を送信及び受信する。スイッチングノード及びエンドデバイスは、データフローの所定のタイムスケジュールがネットワーク全体で正しく守られることを確実にするために、時間同期されなければならない。例えば、図5において、クロック516は、TSNシステム500内の様々なスイッチングノード及びエンドデバイス(5Gシステム506内を含む)が、グローバルクロック(グランドマスタクロックタイミング)を参照して時間同期されることを表している。いくつかの他の態様では、スイッチのみが、所定のスケジュールに基づいてデータを送信することができ、一方で、エンドデバイス、例えば、レガシーデバイスは、スケジューリングされていない様式でデータを送信することができる。
【0060】
TSN内のデータフローは、ネットワーク内のトーカー/リスナーデバイスとスイッチングノードとの間のネットワークを通る固定された不変の経路を想定する単一のデバイス(例えば、コントローラ510)を使用してスケジューリングすることができる。代替的に、データフローは、デバイス又はモジュールのセットを使用してスケジュールすることができる。スケジューリングデバイスは、単一のデバイスであれ、デバイスのセットであれ、集中型スケジューラを定義するように配置することができる。更に他の態様では、スケジューラデバイスは、分散型配置を構成することができる。TSNはまた、レート制約のある通信などの、非時間敏感通信を受信することができる。1つの非限定的な例では、スケジューリングデバイスは、オフラインスケジューリングシステム又はモジュールを含むことができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、I/Oエンドデバイス502は、様々な態様において、複雑な機械的エンティティ、例えば、工場の生産ライン、ガス燃焼発電所、航空機上のアビオニクスデータバス、航空機(例えば、2つ以上の航空機)の中の航空機上のジェットエンジン、航空機内のデジタルバックボーン、アビオニクスシステム、ミッション又はフライトネットワーク、風力発電所、機関車などであり得る。様々な実装形態では、I/Oエンドデバイス502は、センサ、アクチュエータ、モータ、及びソフトウェアアプリケーションなどの任意の数のエンドデバイスを含み得る。センサは、ビデオ又は画像データを生成するカメラ、X線検出器、音響ピックアップデバイス、タコメータ、全地球測位システム受信機、画像データを生成するためにワイヤレス信号を送信してワイヤレス信号の反射を検出するワイヤレスデバイス、又は別のデバイスなどの任意の従来のセンサ又はトランスデューサを含み得る。
【0062】
更に、アクチュエータ(例えば、I/Oデバイス502の1つ以上の動作を実行するために移動するデバイス、機器、又は機械)は、TSNシステム500を使用して通信することができる。アクチュエータの非限定的な例は、ブレーキ、スロットル、ロボットデバイス、医療撮像デバイス、照明、タービンなどを含み得る。アクチュエータは、アクチュエータのステータスデータを1つ以上の他のデバイス(例えば、他のI/Oデバイス502、TSNシステム100を介したコントローラ504)に通信することができる。ステータスデータは、ステータスデータを送るアクチュエータの位置、状態、又は健全性などを表し得る。アクチュエータは、TSNシステム500の1つ以上の他のデバイス(例えば、他のI/Oデバイス502、コントローラ504)からコマンドデータを受信し得る。コマンドデータは、どのように又はいつ移動するか、動作するかなどをアクチュエータに指示する命令を表し得る。
【0063】
いくつかの実装形態では、コントローラ504は、TSN500を介して、I/Oエンドデバイス502の間又はI/Oエンドデバイス502の中で様々なデータを通信することができる。例えば、制御システム504は、コマンドデータをデバイス502の1つ以上に通信するか、又はデバイス502のうちの1つ以上から、ステータスデータ又はセンサデータなどのデータを受信することができる。したがって、コントローラ504は、例えば、I/Oデバイス502の自動制御を可能にし、I/Oデバイス502のオペレータ又はユーザに情報を提供するために、I/Oデバイス502によって取得若しくは生成された、又はI/Oデバイス502の中で通信されたデータに基づいて、I/Oデバイス502の動作を制御するように構成され得る。コントローラ504は、TSN500内のデータフロー及びデータフロー特性を定義又は決定し得る。
【0064】
ここで5Gシステム506を参照すると、5Gシステム506は、様々なTSNエンドデバイス間、例えば、I/Oデバイス502とコントローラ504との間で、TSNトラフィックを運ぶために使用されるワイヤレス通信システムである。いくつかの実装形態では、5Gシステム506は、ユーザプレーン機能(UPF)ごとに1つのTSNブリッジとしてエミュレートするように構成されている(上で考察されたTSN標準に従って、TSNブリッジ508と同様である)。5Gシステム506は、3GPP(登録商標)23及び38シリーズ仕様(それら全体が本明細書に組み込まれる)に従って実装され、3GPP(登録商標)リリース17 23.501標準v17.1.1及びv17.2.0(それら全体が本明細書に組み込まれる)に従ってシステム100に統合される、新しい無線(NR)ネットワークであり得る。図示されるように、5Gシステム506は、5Gユーザプレーンに、ユーザ機器(UE)518、RAN(gNB)520、ユーザプレーン機能(UPF)522、及び5G制御プレーンにおいて、他のコンポーネントの中でもとりわけ、アプリケーション機能(AF)524及びポリシー制御機能(PCF)526を含み得る。いくつかの実装形態では、5Gシステム506は、超信頼・低待ち時間通信(URLLC)サービスを提供するように構成され得る。
【0065】
いくつかの実装形態では、5Gは、データチャネル及び制御無線チャネルの両方の信頼性を向上させるための超堅牢な送信モードを定義する。信頼性は、多入力多出力(MIMO)技法に基づくマルチアンテナ送信、複数のキャリアの使用、及び独立した無線リンクを介したパケット複製などの様々な技法によって更に改善される。
【0066】
上述したように、統合システム500において、5Gシステム506は、UPFごとに1つのTSN(仮想)ブリッジとして構成されている。5Gシステム506は、ユーザプレーン及び制御プレーンの両方のために、5Gシステム506をTSNドメインに適合させるためのTSNトランスレータ(TT)機能を含み、TSNブリッジドネットワークから5Gシステム506の内部手順を隠す。5Gシステム506は、TT機能を通じてTSNブリッジイングレス及びエグレスポート動作を提供する。例えば、TTは、デジターリングのためのホールド及びフォワード機能をサポートする。図5は、5Gシステム506がエンドステーション502をブリッジドネットワーク508に接続する場合を例解するが、5Gシステム506はまた、ブリッジ508を相互接続し得る。
【0067】
本開示のいくつかの実装形態では、5Gネットワークスライシングは、例えば、システム500内で、5Gシステム506内で可能な限り別々の別個の時間敏感ネットワーク(TSN)ストリームを介して個々のネットワークスライスに関するデータを伝送することによって実装される。例えば、NSI305及び310を使用するネットワークスライスは、NSI305のデータが第1のTSNストリーム又はフローを介して通信され、NSI310のデータが第1のTSNストリーム又はフローとは個別の、分離された、別々の第2のTSNストリーム又はフローを介して通信されるように、5Gシステム506内に実装され得る。これは、ネットワークスライスを互いから分離し、5GS内個々のスライスのTSNスケジューリングを制御することで、これらのネットワークスライスにカスタム優先度を有効にするという利点を提供する。ネットワークスライシングはまた、ソフトウェアデファインドネットワーキング(SDN)及びネットワーク機能仮想化(NFV)を使用して、ネットワークリソース及びそれらの構成、管理、及び制御の論理的抽象化を必要とし得る。5Gネットワークスライスの管理及び制御は、時間敏感動作であり、5Gシステム内のTSN実装からも利益を得ることができる。したがって、本開示は、TSNを5Gネットワークスライスの管理及び制御、並びにネットワークスライスを通って流れるデータの伝送方法に統合する。
【0068】
次に、ネットワークスライシングが内部に実装された統合されたTSN-5Gシステム600のシステムアーキテクチャを例解する図6を参照する(例えば、図5に関して上で考察されたように)。このアーキテクチャは、マルチレイヤトランスポートネットワークスライスコントローラ(MTNSC)605が存在し、a)(YANG定義による)インターフェースtn-ml-nsiを通してモバイルネットワーク(TN-NSSMF)610のトランスポートスライス管理エンティティと相互作用し、b)第2のインターフェースtn-tsn-nsiを通してTSN制御プレーンと相互作用することを含む。TSNスライス認識オーケストレータ615は、TSNネットワークスライスの作成をオーケストレーションし、それらのライフサイクル管理全体をサポートすることを担い得る。より詳細には、MTNSC605との相互作用を通じて、TSNオーケストレータ615は、以下のことを担う。
・TSN-TNネットワークスライス要件情報の処理。
・スライス認識TSN TN-NSSIストリーム仕様の処理。
・TSN-TNスライスインスタンスの作成。
・TSN-TNスライスインスタンスの状態情報の処理。
・TSN-TNスライスインスタンスポリシー情報の処理。
・TSN-TNスライスインスタンス構成情報の処理。
・TSN-TNスライスインスタンスの実行状態を監視すること。
・TSN-TNスライスインスタンスの廃止措置。
・ソフト又はハードTSNスライスインスタンス能力をMTNSCに公開すること。
・全体的なネットワーク状態/スライス要件に基づいて、ソフト又はハードTSNスライスインスタンスの作成を推進すること。
・MTNSCからTNスライス分離要件を受信すること。
【0069】
例えば、TSN制御プレーンエンティティは、802.1Qbvが使用されるとき、特定のスケジューラ及びゲート制御リスト(GCL)を使用して、コンバージドTSNベースのデータプレーンにわたってスライス分離を維持することをサポートし得る。スライスごとのTSNサポートは、ストリーム(5Gセッションにも対応する)が実際にネットワークを通過する前に、TN NSSIインスタンスが作成され、アクティブ化されることを必要とし得る。これは、TSN制御プレーンが異なる時間スケールで意思決定を実行する必要があることを意味し、1つはNSSIプロビジョニング時間(TSNネットワークを通過する全てのフローの完全な知識を必ずしも有することなく)であり、1つは従来のCNC/CUC動作及びワークフローに従うものである。
【0070】
TSNスライスオーケストレータ615は、TSN TN-ネットワークスライスサブネットワークインスタンス(NSSI)の作成を実現するために、ネットワークスライス認識様式で、TSN制御プレーンエンティティの残りの部分、すなわちCNC/CUCと相互作用する。TSNオーケストレータ615は、TSN-NSSIをオーケストレーションし、TSNスライス認識及びスライス未認識動作を最適化するために、SDN制御(L2/L3/L4/トポロジなど)、及びMTNSC605とも相互作用する制御及び管理エンティティである。TSNオーケストレーションメカニズムへの入力は、以下のとおりである。
・ネットワークスライスのTSNスライス認識情報/要件/ポリシー。
・スライスストリームごとのプロファイリング-セッションの動的処理/フィルタリング/集約。
・TSNとして他のネットワークコントローラ又はエンジニアリングツールからの入力は、他のトラフィックが5Gフローと同時に通過できるコンバージドネットワークとして使用することができる。
【0071】
アーキテクチャ600の異なるコンポーネント及びそれらの機能を、以下とおり詳述する。
・TN-NSSMF:TN-NSSMFは、TN-NSSIカウンターパートのオーケストレーションと管理を担う。
・E2e Slice-DB:これは、全てのTN-NSSI情報を有するデータベースインフラストラクチャである。このデータベースは、NSI状態、NSIテンプレート、予約済みリソース、ネットワーク機能、及び構成に関する全ての情報を保存するために使用される。
・マルチレイヤトランスポートネットワークスライスコントローラ(MTNSC):このエンティティは、トランスポートスライスサービスを配信するために使用される異なるネットワーク制御要素を制御するために、TN-NSSMFと通信する。TNの制御プレーン機能は、MTNSCを通してTN-NSSFMと相互作用している1つ以上のドメインコントローラによって提供されることに留意されたい。例えば、フロントホールネットワークを制御するために異なるドメインコントローラを使用し、バックホールネットワークのために異なるドメインコントローラを使用することができる。異なるドメインコントローラを割り振って、異なる管理ドメインを制御することもできる。例えば、1つの制御エンティティは、L2/L3の態様を担い得、別の制御エンティティは、トポロジ発見又はIP構成を担い得る。実装の観点から、単一のソフトウェアソリューション(SDNコントローラなど)は、全ての必要な機能をサポートすることができ、ドメインコントローラはSDNベースにすることができる。
・TSN-NetSiceDB:全てのTSN TN NSSIの状態情報を有するデータベースインフラストラクチャ。このデータベースインフラストラクチャは、3GPP(登録商標)によって管理されていない。これは、NSIとNSSIとの間の識別及びマッピングに関する全ての情報を記憶し、TSN TN NSSI状態、テンプレート、予約済みリソース、ネットワーク機能、構成などを記憶するために使用される。これは、TSN TN NSSIの動作及び管理情報が記憶されているエンティティでもある。全てのネットワーク要素又はネットワークサービスに対して、TSN TN NSSIごとに、このTSN TN NSSIにのみ関連する特定の動作、管理、及びメンテナンス(OAM)情報のみがTN-NSDBに記憶されていると考えられる。
・スライス認識/スライス未認識CUC:5Gブラックボックスアプローチ(図5に示される)との後方互換性を可能にするために、CUCは最初に、異なるトーカー/リスナーからの未認識スライスストリーム要件を解析する。しかしながら、関連するストリームTSpecをCNCに送る前にネットワークスライシングが有効化されている場合、ストリーム要件は、新しいtn-tsn-nsiインターフェースを通してトランスポートネットワークスライスコントローラに渡され、スライス要件をNSMFに記述することを担う管理エンティティ(CSMFなど)に渡される。ネットワークスライシングが有効化されていない場合、又はデフォルトで全てのストリームがデフォルトのネットワークスライスに属する場合、通常のパイプラインが続き、ストリーム情報は、5GS内でリソース予約を行うために、802.1Qdjを介してCNCに渡され、次いでAFに渡される。
・TSN-NSIテンプレート:ネットワークスライステンプレートは、NSIによって必要とされるリソース、サービス、構成、関係、及びサービス機能チェーンによってスライスを記述するために使用される。ネットワークスライステンプレートは、NSIライフサイクルの全てのフェーズを推進するためにネットワークオーケストレータによって必要とされる全ての詳細を実際に定義する。TSNネットワークの場合、ハード又はソフトスライシング、共有又は非共有リソース、トラフィック要件、及びQoS属性などのNSSIのタイプを定義するために使用される新しいネットワークスライステンプレートが必要である。
・スライス情報ベース:このようなテンプレートの定義は、スライス情報ベースで見出すことができる。
・スライス認識/テナント認識CNC:原則として、CNCは、トポロジ情報について、構成要求及びLLDP(又は他のツール)のようなネットワークサービスに関するCUCから入力を受信する。これら全ての入力スケジューリングに基づいて、ネットワーク全体に対して意思決定が実行される。しかしながら、現在の開発によれば、スケジューリング/転送決定を最適化するために、異なるストリーム要求をグループ化するためのテナント又はスライスの概念はない。CUCによって行われる全てのストリーム要求に対して、追加のテナント/スライス識別子も使用され得る。CNCが転送戦略(例えば、スケジューリング)をコンパイルした後、これは、管理プロトコル(NETCONF、RESTCONFなど)を通してTSNブリッジデバイスに適用される。
・TSN認識TN-NEST。TSN制御プレーンとMTNSCとの間の全てのインターフェースは、メッセージの解釈に使用されるTSNオーケストレータによって扱われると同時に、複雑さの最小化と関連する最適化の意思決定に対処するために、他のTN制御システムとのインターフェースにも使用される。
【0072】
エンドツーエンドのNSIを提供するために、NSI、TN-NSSI、TN-リソース、TN-NF、TN-インターフェースなどの識別は、NSMF及びTN-NSSMF統合に向けた重要なトピックである。3GPP(登録商標)では、3GPP(登録商標) TS23.501、TS23.502、TS38.300で定義されたNeS-ID、S-NSSAI、テナント-ID、一時ID、トークン、及びトラッキングエリアアイデンティティ(TAI)などのネットワークスライシングの概念を実現するために、異なる識別子が使用される。
【0073】
いくつかの実装形態では、TSNスライスオーケストレータ615は、進行中のTSNフローの中断を回避しながら、ネットワークスライスが迅速かつタイムリーに動作を開始するように、現在動作しているTSN内の新しい5Gネットワークスライスの「試運転」を実装する。このように、TSNスライスオーケストレータ615は、識別されたネットワークスライスリソースを識別し、ネットワークスライス内で使用するためにそのようなリソースを予約し得る。次に、ネットワークスライスが組み立てられ、そのAdminBaseTime(スライスが動作を開始する絶対時間)が、ユーザアプリケーションから到着するTSNフローと同期するように構成される。したがって、ネットワークスライス動作を開始する前に、ネットワークスライスに関する全てのTSNユーザ情報(802.1Qbvパラメータ)が収集され、分析される。いくつかの実装形態では、共通のサイクル時間(例えば、AdminCycleTime)は、各ユーザTSNフローをサポートするように、5Gネットワークスライスを構成すると考えられる。
【0074】
しかしながら、異なるTSNドメインから5Gネットワークに接続する多数の異なるユーザが存在し得、各ユーザは、異なるスケジュールで異なるサイクル時間を有し得る。その結果、共通のサイクル時間が実現不可能なほど大きくなる可能性がある。このような状況に対処するために、全てのユーザへのジッタの平均及び分散を最小化する共通のサイクル時間を見つける最適化技法が使用され得る。5GネットワークスライスリソースをマーシャリングするためにTSNを使用することも利点を有し、ネットワークスライスを決定論的な時間内に作成することが可能になる。同様に、ネットワークリソースをより良好に利用するためには、ネットワークスライスの効率的で迅速な廃止が重要である。
【0075】
図7を参照して、通信ネットワーク、例えば、ネットワーク又はシステム300、500、及び/又は600を介した通信の方法700を例解するフローチャートを示す。方法700は、ネットワーク又はシステム300、500、及び/又は600の1つ以上のコンポーネントによって、及び/又は図に示されていない他のハードウェア/ソフトウェアコンポーネントによって実行され得る。
【0076】
ステップ702において、通信ネットワーク(例えば、図3図5、又は図6の5Gシステム)の複数のネットワークスライスは、通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて決定され得る。複数のネットワークスライスの各々は、複数のサービス(例えば、モバイル通信、ビークルツービークル通信、モノのインターネット(IoT)通信など)のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成され得る。
【0077】
ステップ704において、通信ネットワーク内の複数のデータストリーム。各データストリームは、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成され得る。例えば、各データストリームが独立した別個のTSNデータストリームであるように、各データストリームは、上述されたTSN技法及び機能に従って構成され得る。いくつかの実装形態において、第1の時間敏感ネットワークポリシーは、第1のデータストリームを使用するデータ通信のためのスケジューリング又は待ち時間パラメータを定義する。他の実装形態では、第1の時間敏感ネットワークポリシーは、複数のデータストリームのうちの他のデータストリームに対して、第1のデータストリームを使用するデータ通信の優先度を定義する。
【0078】
ステップ706において、複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームが決定され得る。例えば、各TSNデータストリームは、図8に示されるように、各TSNデータストリームが対応するネットワークスライスのデータを運ぶように、システム300、500及び/又は600に実装される5Gネットワーク内のネットワークスライスのうちの1つに対応し得る。
【0079】
ステップ708において、第1のネットワークスライスに対して、第1のネットワークスライスによってサポートされる複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータは、第1のデータストリームを使用して通信された第1のネットワークスライスに関連するデータが、複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスに関連するデータから分離される(他のスライスのデータは、他のデータストリームを使用して通信され得る)ように、第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて第1のデータストリームを使用して通信され得る。いくつかの実装形態では、各TSNデータストリームは、対応するネットワークスライスのデータの通信のために使用される一意のTSNポリシーを有し得るか、又はそれに対応し得る。TSNポリシーは、IEEE802.1AS標準に基づき得る。
【0080】
いくつかの実装形態では、5Gネットワークスライスの管理及び制御は、5Gシステム内のTSN実装からも利益を得ることができる時間敏感動作である。したがって、方法700は、第1のネットワークスライスに対応する複数のデータストリームの第2のデータストリームを決定することを更に含み得る。第1のネットワークスライスに関連付けられた管理及び制御データは、第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、第2のデータストリームを使用して通信され得る。第1及び第2のデータストリームは、同じであり得るか、又は第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーは、同じであり得る。
【0081】
少なくとも1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ及びメモリ(例えば、1つ以上の不揮発性記憶デバイス)を有する1つ以上のコンピュータが含まれる。いくつかの実施形態では、メモリ又はメモリのコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサが本明細書に開示される様々なシステム及び方法を制御及び実行するためのプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそのサブセットを記憶する。一実施形態では、プロセッサによって実行されたときに、本明細書に開示される方法のうちの1つ以上を実行する、コンピュータ実行可能命令を内部に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0082】
上に図示及び説明された例示的な実施形態に対して、その広範な発明概念から逸脱することなく、変更が加えられ得ることは、当業者には理解されよう。したがって、本発明は、示され説明された例示的な実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される特許請求される発明の趣旨及び範囲内の修正を網羅することが意図されていることが理解される。例えば、例示的な実施形態の具体的な特徴は、特許請求された発明の一部である場合又はない場合があり、具体的に言及されているものとは対照的に、異なるコンポーネントは、本明細書で説明されている特徴のうちの少なくともいくつかを実行し得、開示された実施形態の特徴は、組み合わされ得る。本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、参照される値の+又は-10%を指すことがある。例えば、「約9」は、8.2及び9.9を包含すると理解される。
【0083】
本発明の図面及び説明のうちの少なくともいくつかは、本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を当てるように簡略化されているが、当業者が理解する他の要素もまた本発明の一部分を含み得ることを、明確にする目的で排除していることを理解されたい。しかしながら、そのような要素は当該技術分野で既知であり、それらが必ずしも本発明のより良好な理解を容易にするわけではないため、そのような要素の説明は本明細書に提供されない。
【0084】
「第1の」、「第2の」などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書で使用されることがあるが、これらの要素はこれらの用語によって制限されるべきではないことも理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、第1の要素は、第2の要素と称され得、同様に、「第1の要素」の全ての出現が一貫して名前変更され、第2の要素の全ての出現が一貫して名前変更される限り、説明の意味を変更することなく、第2の要素は、第1の要素と称され得る。第1の要素及び第2の要素は、どちらも要素であるが、同じ要素ではない。
【0085】
本明細書で使用される場合、「~する場合(if)」という用語は、任意選択的に、文脈に応じて、「~した後(upon)」若しくは「判定に応答して」、又は「検出に応答して」又は「判定に従って」という意味に解釈され得る。同様に、「それが判定される場合」又は「[記載の状態若しくは事象]が検出される場合」という句は、任意選択的に、文脈に応じて、「判定したとき」又は「判定に応答して」又は「[記載の状態若しくは事象]を検出したとき」又は「[記載の状態若しくは事象]の検出に応答して」又は「[記載の状態若しくは事象]が検出されたという判定に従って」という意味に解釈され得る。
【0086】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実装を説明することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。実装及び添付の特許請求の範囲の説明で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈により明らかにそうではないと示されない限り、複数の形態も同様に含むことが意図される。「及び/又は(and/or)」という用語は、本明細書で使用するときに、関連する列挙した品目の1つ以上の任意の及び全ての可能な組み合わせを指し、包含することも理解されるであろう。「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。
【0087】
本明細書で使用される場合、「~する場合(if)」という用語は、文脈に応じて、「~するとき(when)」若しくは「~した後(upon)」、又は記載された先行する条件が真であることの「判定に応答して」、又は「判定に従って」、又は「検出に応答して」を意味すると解釈され得る。同様に、文脈に応じて、「(述べられた先行する条件が真であると)判定される場合」又は「(述べられた先行する条件が真である)場合」又は「(述べられた先行する条件が真である)とき」という句は、述べられた先行する条件が真であることの「判定後」若しくは「判定に応答して」若しくは「判定に従って」、又は「検出後」若しくは「検出に応答して」を意味すると解釈され得る。
【0088】
更に、本方法が、本明細書に記載される特定のステップの順序に依存しない限り、特定のステップの順序は、特許請求の範囲に限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の方法に関する特許請求の範囲は、書かれた順序でのそれらのステップの実行に限定されるべきではなく、当業者は、ステップが変化し得、依然として本発明の趣旨及び範囲内にあることを容易に理解することができる。
【0089】
本明細書で使用するとき、単数形で記述され、かつ「a」又は「an」という語が前に付けられた要素又はステップは、排除することが明確に述べられていない限り、複数の該要素又はステップを排除するものではないと理解すべきである。更に、現在説明されている主題の「一実装形態」への言及は、記述された特徴も組み込んでいる追加的な実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。更に、逆の意味で明確に記述されていない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える」又は「有する」実装形態は、その特性を有しない追加的なそのような要素を含み得る。
【0090】
上記の説明が例解的であり、限定的ではないことが意図されることを理解されたい。例えば、上述された実装形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、特定の状況又は材料を本発明の範囲を逸脱することなく本明細書に記載された主題の教示に適合させるために多くの修正が行われ得る。本明細書に記載される寸法及び材料の種類は、開示された本発明の主題のパラメータを定義することを意図しているが、それらは決して限定的なものではなく、例示的な実装形態である。他の多くの実装形態は、上記の説明を検討することにより、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載された主題の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「including」及び「in which」という用語は、「comprising」及び「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語での同義語として使用されている。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単にラベルとして使用されており、その対象に数値的な要件を課すことを意図していない。更に、以下の請求項の限定事項は、手段プラス機能の形式で書かれておらず、そのような請求項の限定事項が、「means for」という句の後に更なる構造を欠いた機能の記述を明示的に使用しない限り、かつ使用するまで、35U.S.C§112(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0091】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の形態を含む本明細書に記載された主題のいくつかの実装形態を開示するために、また、当業者が、任意のデバイス又はシステムを製作及び使用すること、並びに方法を行うことを含む、開示された主題の実装形態を実践することを可能にする。本明細書に記載された主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、また、当業者に見出される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉とは実質的に異ならない差を伴う均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介した通信の方法であって、前記方法は、
前記通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、前記通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、前記複数のネットワークスライスの各々が、前記複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されており、前記通信ネットワークは、時間敏感ネットワーク(TSN)相互接続通信を、TSNメカニズムに基づいてサポートするように構成される、決定することと、
前記通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、
前記複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、
前記第1のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第1のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データは、前記第1のデータストリームを使用して通信される前記第1のネットワークスライスに関連するデータが、前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスに関連するデータから分離されるように、前記第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記通信ネットワークを介して、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して前記第1のネットワークスライスに関連付けられた制御データを通信することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2のデータストリームが同じである、又は前記第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信のためのスケジューリング又は待ち時間パラメータを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記複数のデータストリームのうちの他のデータストリームに対して、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信の優先度を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のネットワークスライスのうちの第2のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記第2のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第2のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データが、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが、IEEE802.1AS標準に基づいている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
通信ネットワークを介した通信のためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上のプロセッサを備え、前記1つ以上のプロセッサが、
前記通信ネットワークによってサポートされる複数のサービスに基づいて、前記通信ネットワークの複数のネットワークスライスを決定することであって、前記複数のネットワークスライスの各々が、前記複数のサービスのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの通信をサポートするように構成されており、前記通信ネットワークは、時間敏感ネットワーク(TSN)相互接続通信を、TSNメカニズムに基づいてサポートするように構成される、決定することと、
前記通信ネットワーク内で複数のデータストリームを構成することであって、各データストリームが、複数の時間敏感ネットワークポリシーのうちの少なくとも1つに従って構成されている、構成することと、
前記複数のネットワークスライスのうちの第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第1のデータストリームを決定することと、
前記第1のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第1のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することであって、前記データは、前記第1のデータストリームを使用して通信される前記第1のネットワークスライスに関連するデータが、前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスに関連するデータから分離されるように、前記第1のデータストリームに関連付けられた第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第1のデータストリームを使用して通信される、通信することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記第1のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記通信ネットワークを介して、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して前記第1のネットワークスライスに関連付けられた制御データを通信することと、を行うように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2のデータストリームが同じである、又は前記第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが同じである、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信のためのスケジューリング又は待ち時間パラメータを定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の時間敏感ネットワークポリシーが、前記複数のデータストリームのうちの他のデータストリームに対して、前記第1のデータストリームを使用するデータ通信の優先度を定義する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記複数のネットワークスライスのうちの第2のネットワークスライスに対応する前記複数のデータストリームのうちの第2のデータストリームを決定することと、
前記第2のネットワークスライスに対して、前記通信ネットワークを介して、前記第2のネットワークスライスによってサポートされる前記複数のサービスのうちの前記少なくとも1つに関連付けられたデータを通信することと、を行うように更に構成されており、前記データが、前記第2のデータストリームに関連付けられた第2の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて、前記第2のデータストリームを使用して通信される、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
第1及び第2の時間敏感ネットワークポリシーが、IEEE802.1AS標準に基づいている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のデータストリームは、前記第1のデータストリームを使用する前記TSN相互接続通信のためのスケジューリングパラメータに対する、前記第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のデータストリームは、前記第1のデータストリームを使用する前記TSN相互接続通信のためのスケジューリングパラメータに対する、前記第1の時間敏感ネットワークポリシーに基づいて決定される、請求項8に記載のシステム。
【国際調査報告】