(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵屋外装置
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20240705BHJP
F24F 1/24 20110101ALI20240705BHJP
【FI】
F24F5/00 L
F24F5/00 102
F24F1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502002
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022069919
(87)【国際公開番号】W WO2023285684
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021118417.7
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522004287
【氏名又は名称】エンヴォラ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ENVOLA GMBH
【住所又は居所原語表記】Max-Born-Strasse 2-4, 89081 Ulm Germarny
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェヒナー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】イーレ, ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュベンク, ギュンター
(57)【要約】
建物(6)の内部空間(4)を空調するためのシステム(2)のエネルギー貯蔵屋外装置(40)であって、前記エネルギー貯蔵屋外装置(40)は前記建物(6)の外部に配置可能であり、部分的に地中に沈められることができ、
- 液体貯槽(16)と、前記液体貯槽(16)内の水熱交換器(18)と、前記液体貯槽(16)の上方の空気熱交換器(22)と、を備える、エネルギー伝達及びエネルギー貯蔵のためのエネルギー貯蔵器(14)、
- 前記水熱交換器(18)及び前記空気熱交換器(22)と結合されたヒートポンプ(30)、及び、
- 前記建物(6)の排気のための排気接続部(42)であって、前記エネルギー貯蔵器(14)及び前記ヒートポンプ(30)と結合されており、その結果、前記排気接続部(42)を通って流入する排気が、前記エネルギー貯蔵器(14)に流入する前に、前記ヒートポンプ(30)を少なくとも部分的に温度調整する、排気接続部(42)
を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物(6)の内部空間(4)を空調するためのシステム(2)のエネルギー貯蔵屋外装置(40)であって、前記エネルギー貯蔵屋外装置(40)は前記建物(6)の外部に配置可能であり、部分的に地中に沈められることができ、
- 液体貯槽(16)と、前記液体貯槽(16)内の水熱交換器(18)と、前記液体貯槽(16)の上方の空気熱交換器(22)と、を備える、エネルギー伝達及びエネルギー貯蔵のためのエネルギー貯蔵器(14)、
- 前記水熱交換器(18)及び前記空気熱交換器(22)と結合されたヒートポンプ(30)、及び、
- 前記建物(6)の排気のための排気接続部(42)であって、前記エネルギー貯蔵器(14)及び前記ヒートポンプ(30)と結合されており、その結果、前記排気接続部(42)を通って流入する排気が、前記エネルギー貯蔵器(14)に流入する前に、前記ヒートポンプ(30)を少なくとも部分的に温度調整する、排気接続部(42)
を含むエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項2】
前記ヒートポンプ(30)は、前記排気が傍を流れ、及び/又は、貫流し、特に、前記ヒートポンプ(30)の電気回路を温度調整するよう、設計されている、請求項1に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項3】
前記ヒートポンプ(30)は、前記電気回路の排熱が温度調整を支援するように設計されている、請求項2に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項4】
前記ヒートポンプ(30)は、少なくとも1つの積み重ね可能な機能モジュール(50)として設計されており、前記エネルギー貯蔵屋外装置(40)は、前記システム内の暖房、冷房及び/又は換気を制御するように設計された少なくとも1つの別の積み重ね可能な機能モジュール(50)を含み、前記機能モジュール(50)は、前記排気が前記機能モジュール(50)の間を前記エネルギー貯蔵器(14)へと貫流し、前記機能モジュール(50)を温度調整するように、配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項5】
前記機能モジュール(50)の間に、前記排気が前記エネルギー貯蔵器(14)へ貫流し得る垂直な間隙(70)がある、請求項4に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項6】
前記機能モジュール(50)は、前記機能モジュール(50)内の電気回路の排熱が温度調整を支援するように設計されている、請求項4に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項7】
ベースプレート(64)と、カバー(66)と、前記ベースプレート(64)と前記カバー(66)との間の周方向に延びる側壁(60)と、を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項8】
前記エネルギー貯蔵器(14)は、排気を導く熱交換器(44)を備え、前記熱交換器(44)は、前記排気が、前記空気熱交換器(22)上へ流れる前に前記液体貯槽(16)の表面に沿って導かれるよう、設計されている、請求項1に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項9】
前記液体貯槽(16)の内部に、飲料水及び/又は雑用水貯蔵器として設計された空洞(46)が配置されている、請求項1に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【請求項10】
機能モジュール(50)として設計された水ポンプが、前記空洞(46)と結合されている、請求項9に記載のエネルギー貯蔵屋外装置(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の内部空間を空調するためのシステムの、エネルギー貯蔵屋外装置に関する。このようなエネルギー貯蔵屋外装置は、建物の外部に配置され、少なくとも部分的に地中に沈められている。
【背景技術】
【0002】
建物の内部空間を空調するためのシステムは、液体貯槽内に水熱交換器を有する、エネルギー伝達及びエネルギー貯蔵のためのエネルギー貯蔵器を備え得る。液体貯槽が建物の外部に配置されている一方で、水熱交換器及び建物のためのヒートポンプは建物内部に配置されている。例えば暖房や温水のような建築設備の更なる構成要素も、建物内部に配置されている。装置は、容易にアクセス可能であり、保護された態様で建物内部に格納されてはいるが、少なからぬスペースを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、空調システムのための省スペースな装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
当該課題は、建物の内部空間を空調するためのシステムの、エネルギー貯蔵屋外装置によって解決される。当該エネルギー貯蔵屋外装置は、建物の外部に配置可能であり、部分的に地中に沈められ得る。エネルギー貯蔵屋外装置は、液体貯槽と、前記液体貯槽内の水熱交換器と、前記液体貯槽の上方の空気熱交換器と、を備える、エネルギー伝達及びエネルギー貯蔵のためのエネルギー貯蔵器と、前記水熱交換器及び前記空気熱交換器と結合されたヒートポンプと、建物の排気のための排気接続部であって、前記エネルギー貯蔵器及び前記ヒートポンプと結合されており、その結果、前記排気接続部を通って流入する排気が、前記エネルギー貯蔵器に流入する前に、前記ヒートポンプを少なくとも部分的に温度調整する、排気接続部と、を含む。
【0005】
エネルギー貯蔵屋外装置は、空調システムのための地中に沈めて設置可能なコンパクトな屋外装置であり、全体として予め取り付けが完了した状態で出荷されることができ、建物の内部にスペースを必要としない。エネルギー貯蔵器のみがその液体貯槽と共に住宅の外部に設置される従来のシステムとは対照的に、別の機能モジュール、特に通常は建物内に設けられる水ポンプが、外部に移動される。低温に敏感な電気回路を備える機能モジュールの動作は、水ポンプ及び任意に設けられる別の機能モジュールの排気による温度調整のために、冬の低い外気温においても低温に敏感ではなく、その結果、エネルギー貯蔵屋外装置に加熱を考慮に入れる必要はない。「温度調整」は、特に加熱を含むが、冷却も含む。後者は、暑い夏に関連する。
【0006】
エネルギー貯蔵器において、液体貯槽は、液体中でのエネルギー貯蔵を可能にする。エネルギー貯蔵器におけるエネルギー伝達は、空気熱交換器及び水熱交換器の両方を介して行われる。排気は、建物から排出された室内空気であり、その熱エネルギーは、熱又は冷熱回収のためにエネルギー貯蔵器を通じて導かれる。事前に、それは、低い外気温においても安全な動作を可能にするために、温度調整に、特に、エネルギー貯蔵屋外装置内の機能モジュールの加熱に、用いられる。
【0007】
一実施形態では、ヒートポンプは、排気とヒートポンプとの間のエネルギー伝達を可能にするために、排気がその傍を流れる、及び/又は、それを通って流れるように、設計されている。排気は、特に、ヒートポンプの電気回路を温度調整するために用いられる。ヒートポンプは、少なくとも1つの機能モジュールとして設計されている。
【0008】
同じ原理が、別の機能モジュールの温度調整のために、特にその電気回路を温度調整するために、使用される。機能モジュールは、エネルギー貯蔵屋外装置の内部に通常は固有のハウジングを有する、閉じた機能ユニットを形成する。機能モジュールは交換可能であり、それにより保守及び修理が簡単になる。電気回路内では、電気的及び/又は電気機械的構成要素が組み合わされて、例えば、機能モジュール又は他の機能モジュール、エネルギー貯蔵器、若しくは、建物でもあり得るシステムの他の構成要素を制御する、機能的構成を形成する。電気回路は、低温に敏感であり、低い温度における機能モジュールの動作を制限する要因であることが多く、その結果、特に電気回路の温度調整は、エネルギー貯蔵屋外装置全体の動作信頼性を向上させる。
【0009】
一実施形態では、機能モジュールは、ヒートポンプ内の電気的な構成要素からの排熱が温度調整を支援するように設計されており、その結果、排気だけが加熱のために用いられることはない。
【0010】
一実施形態では、有利には、システム内の加熱、冷却及び/又は換気を制御するように設計された、1つ又は複数の更なる積み重ね可能な機能モジュールが設けられている。複数の機能モジュールが設けられる場合、それらは、排気が機能モジュールの間を通過してエネルギー貯蔵器に流れ、機能モジュールを温度調整するよう、配置されている。積み重ね可能な機能モジュールは、エネルギー貯蔵屋外装置の柔軟で省スペースな設計を可能にする。機能の範囲は、機能モジュールの選択を通じて柔軟に設計され得る。
【0011】
一実施形態では、機能モジュールの間に垂直な間隙があり、それを通じて排気がエネルギー貯蔵器に流れ得る。間隙は、排気をエネルギー貯蔵器上に導き、同時に、排気を機能モジュールの傍を通過させる。有利には、間隙は、排気をエネルギー貯蔵器のエネルギー貯蔵器入口に導くように成形され、排気は当該エネルギー貯蔵器入口を通ってエネルギー貯蔵器に流入する。間隙の形状は、場合によっては間隙の両側に積み重ねられた複数の機能モジュールを温度調整した排気を再び束ねるために、エネルギー貯蔵器入口に向かって、水平方向及び特に垂直方向に先細りし得る。代替的に又は付加的に、エネルギー貯蔵器入口は、排気の流れ挙動を導くように成形され、及び/又は、配置され得る。
【0012】
一実施形態では、エネルギー貯蔵屋外装置は、ベースプレートと、カバーと、ベースプレートとカバーとの間の周方向に延びる側壁と、を含み、それらは、エネルギー貯蔵器及び機能モジュールが格納された空間を取り囲む。ベースプレートは、隆起した縁部を有することができ、それは、バスタブ形状を伴う。エネルギー貯蔵屋外装置は、部分的に地中に沈めて設置可能であり、その結果、カバー及び上部の側壁のみが地面から突出する。それらは、例えばカバーの上の緑化又は座面を設けることによって、屋外空間の設計に統合され得る。
【0013】
一実施形態では、エネルギー貯蔵器は、排気を導く熱交換器を備え、当該熱交換器は、排気がエネルギー貯蔵器内の空気熱交換器上へ流れる前に、液体貯槽の表面に沿って導かれるよう、設計されている。このようにして、排気の熱エネルギーが空気熱交換器内で利用される前に、排気と液体貯槽内の液体との間のエネルギー伝達が行われる。
【0014】
一実施形態では、液体貯槽の内部に、飲料水又は雑用水貯蔵器としての空洞が配置されており、これは、付加的な利用可能性を提供する。機能モジュールとして設計された水ポンプは、空洞と結合されており、飲料水又は雑用水の建物への供給を可能にし、その結果、飲料水又は雑用水の貯蔵及び供給も、建物の外部で行われる。
【0015】
以下において、いくつかの実施例が、図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】建物の内部空間を空調するためのシステムの実施例を示す。
【
図2】エネルギー貯蔵屋外装置の実施例の3次元分解図を示す。
【
図3】エネルギー貯蔵屋外装置の内部の3次元ビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面において、同一の又は機能的に同様に作用する構成要素には、同一の参照符号が付されている。
【0018】
図1には、一実施例において、建物6の内部空間4を空調するためのシステム2が示されている。建物6は、例えば住宅建物又はオフィス建物であり得る。しかしながら、このようなシステム2は、異なるタイプの建物に適用することができる。したがって、図示された例は、非限定的であると見なされるべきである。内部空間4の各々は、排気開口8を介して、内部空間4から排気を排出する排気チャネル10に接続されている。
【0019】
排気チャネル10は、供給配管12を介してエネルギー貯蔵屋外装置40の排気接続部42に接続されている。エネルギー貯蔵屋外装置40は、建物6の外部に、例えば庭又は屋外エリアに配置され、少なくとも部分的に地中に沈められている。その結果、エネルギー貯蔵屋外装置40の上部領域のみが地面から突出する。
【0020】
エネルギー貯蔵屋外装置40は、液体貯槽16内の水熱交換器18と、液体貯槽16の上方の空気熱交換器22と、を有するエネルギー貯蔵器14を備える。エネルギー貯蔵屋外装置40は、更に、水熱交換器18及び空気熱交換器22と結合された、機能モジュール50としてのヒートポンプ30を備える。建物6の排気のための排気接続部42は、エネルギー貯蔵器14及びヒートポンプ30と結合されており、その結果、排気接続部42を通って流入する排気は、エネルギー貯蔵器14に流入する前にヒートポンプ30を温度調整する。排気接続部42からエネルギー貯蔵器14へと、排気は、ヒートポンプ30の傍を通るか又はそれを通って流れる。
【0021】
液体貯槽16は、飲料水及び/又は雑用水を貯蔵するための空洞46をその内部に有し、そこから建物6のための飲料水及び/又は雑用水が供給され得る。空洞46は、この実施例では円筒状に形成されており、側方において、中空円筒状に形成された液体貯槽16によって包囲されている。側方及び/又は上方及び/又は下方で液体貯槽16によって包囲された、空洞46の代替的な形状が考えられる。
【0022】
エネルギー貯蔵器14の液体貯槽16内には、流体回路を介してヒートポンプ30に接続された多数の配管を有する水熱交換器18が配置されている。配管を通って、液体貯槽16内の液体から伝達される熱又は冷熱を排出する熱伝達媒体が流れる。典型的には、液体貯槽16は、水又はパラフィン化合物で充填されている。
【0023】
液体貯槽16の上方には、断熱層20の上方に空気熱交換器22が配置されている。空気熱交換器22は、エネルギー貯蔵器14の中央領域24の周りに、複数のセグメントで配置されている。断熱層20の下方には、流れ導体を有する熱交換器44が配置されている。熱交換器44は、空気がエネルギー貯蔵器14内の空気熱交換器22上へ流れる前に、空気流が液体貯槽16内の液体の表面に沿って導かれるよう、設計されている。それにより、空気流に含まれるエネルギーは、最初に液体貯槽16に供給される。熱交換器44は、空気を、液体の表面に沿って径方向外側に向ける。次いで、空気は、外側から空気熱交換器22を通って径方向に案内される。中央領域24には、熱交換器44からの排気を、外側から径方向に流入する空気と共に、中央領域24の方向に吸入するファンが配置されており、そこで空気はエネルギー貯蔵器14から離れる。
【0024】
ヒートポンプ30は、水熱交換器18の流体回路に接続されている。ヒートポンプ30は、同様に、多数の配管を含む空気熱交換器18の流体回路に接続されている。配管を通って、配管の傍を流れる空気から熱又は冷熱を運び去る熱伝達媒体が流れる。水熱交換器18及び空気熱交換器22のために、ヒートポンプ30内に2つのポンプ装置が設けられ得る。別の流体回路32が、エネルギー貯蔵屋外装置40の流体接続部48を介して建物6内へ通じると共に、ヒートポンプ30を空調装置34に接続しており、当該空調装置は、別の流体回路32への接続に加えて、供給配管38による開口36を通じての外気の供給を有する。
【0025】
更なる機能モジュール50として、飲料水及び/又は雑用水貯蔵器と結合された水ポンプが設けられている。それは、飲料水及び/又は雑用水を、飲料水及び/又は雑用水貯蔵器として設計された空洞46から建物6内へポンピングするように設計されている。この目的のために、エネルギー貯蔵屋外装置40に飲料水及び/又は雑用水接続部54が設けられており、それは、建物6内へ通じる水配管52に接続されている。
【0026】
エネルギー貯蔵屋外装置40内に、空調及び建築設備のための更なる機能モジュール50を設けることが可能である。このために設けられた接続部はインターフェースを形成し、当該インターフェースの接続部は、既に上述したものと同様に、建物6への配管が接続される主接続部56において、空間的に統合され得る。主接続部56は、主接続モジュールとして設計された機能モジュール50に接続され得る。主接続モジュールは、インターフェース及びその接続、並びに、他の機能モジュール50のエネルギー貯蔵屋外装置内部の結合及び通信を制御する。
【0027】
図2は、エネルギー貯蔵屋外装置40の実施例を3次元分解図で示す。それは、ベースプレート64と、流出空気を排出するための空所68を有するカバー66と、ベースプレート64とカバー66との間の周方向に延びる側壁60と、を含む。側壁60は、ベースプレート64のバスタブ状に高くされた周縁領域と、その上方に配置され少なくとも部分的に地面から突出するボードと、によって形成される。新鮮な空気は、ボード又はそのために設けられた開口を通って、流れることができる。ベースプレート64は、例えばコンクリートから成り得る。それは、エネルギー貯蔵器14と、ヒートポンプ30及び水ポンプを含む特に建物の暖房、冷房及び換気のための機能モジュール50と、を支持する。ベースプレート64のバスタブ形状により、土壌は、場合によっては漏れ出す液体から保護されている。カバー66は、例えば金属から成り得る。それは、エネルギー貯蔵屋外装置の内部を保護するが、同時に、円形の空所68を通じて排気が流出空気としてエネルギー貯蔵器14から逃げることを可能にする。組み立てられ地中に沈められたエネルギー貯蔵屋外装置40においては、カバー66の表面は、例えば緑化及び植栽により、屋外領域設計に適合され得る。
【0028】
エネルギー貯蔵屋外装置40内には、エネルギー貯蔵器14に加えて、建物6の暖房、冷房及び換気のための機能モジュール50が配置されている。機能モジュール50はまた、既に前述したヒートポンプ30及び水ポンプを含む。更なる機能モジュール50が、暖房又は温水供給の制御のために設けられ得る。
【0029】
機能モジュール50は、積み重ね可能であるように設計され、2つのスタックで互いに隣接して配置されている。安定化のために、フレーム58がベースプレート64の上に配置されており、その中で機能モジュール50が積み重ねられ固定されている。スタック間には間隙70があり、当該間隙を通じて排気が排気接続部とエネルギー貯蔵器14との間を流れ、その際、機能モジュール50の傍を流れる。間隙70の形状は、間隙70の両側に積み重ねられた複数の機能モジュールを温度調整した排気を、再び束ね、エネルギー貯蔵器入口26内へ導くために、エネルギー貯蔵器14のうち間隙70に対向するエネルギー貯蔵器入口26に向かって、水平方向及び特に垂直方向に先細りし得る。代替的に、エネルギー貯蔵器入口26への途中で排気を導き又は束ねるための他の手段が、設けられ得る。機能モジュール50は、例えば機能モジュール50のハウジング内に空気入口及び出口を設けることによって、排気の少なくとも一部がそれらを通って流れるように設計され得る。
【0030】
間隙70は熱回収のために用いられる。というのは、貫流する排気は、エネルギー貯蔵器14に流入する前に、機能モジュール50を温度調整するからである。有利には、機能モジュール50は、それらの低温に敏感な構成要素、特に電気回路が、傍を流れる排気に隣接して配置されるよう、設計されている。低温に敏感な回路は、機能モジュール50内において間隙70に面する側に配置されている。加熱は、傍を流れる排気の領域においてより大きく、その結果、低温に敏感な構成要素を、傍を流れる排気の近くに配置することが有利である。
【0031】
外が寒い場合、例えば冬季には、排気による温度調整により機能モジュール50が加熱され、その分だけ動作の安全性及び性能が高められる。温度調整効果は、機能モジュール50内の電気回路の排熱によって支援され、これも加熱に寄与する。エネルギー貯蔵屋外装置40の加熱は、省略され得る。外部が暖かい場合、例えば夏には、温度調整により機能モジュール50が冷却されるが、これは、より冷たい排気が電気回路の熱も運び去るからである。
【0032】
図3は、カバーのないエネルギー貯蔵屋外装置40の内部の3次元ビューを示す。当該ビューは、側壁60のうち地上の領域のみが示されており、その結果、地下のインターフェースは見えないので、地中に沈められたエネルギー貯蔵屋外装置40に対応する。積み重ねられた機能モジュール50の間を排気が流れる、熱回収のための長方形の間隙70が、良好に認識され得る。間隙70内へ漏斗状のエネルギー貯蔵器入口26が突出しており、これを通って排気がエネルギー貯蔵器14に流入する。エネルギー貯蔵器入口26の壁は、機能モジュール50の角部まで突出し、その結果、排気は、エネルギー貯蔵器14の傍を流れることはできず、エネルギー貯蔵器入口26内へ導かれる。上部機能モジュール50は、ヒートポンプ30及び主接続モジュールである。
【0033】
上述の及び特許請求の範囲に提示された特徴、並びに、図面から読み取り可能な特徴は、個々に及び様々な組み合わせで、有利に実施可能である。本発明は、記載された実施例に限定されず、当業者の能力の範囲内で様々な方法で変更可能である。
【符号の説明】
【0034】
2 システム
4 内部空間
6 建物
8 排気開口
10 排気チャネル
12 供給配管
14 エネルギー貯蔵器
16 液体貯槽
18 水熱交換器
20 断熱層
22 空気熱交換器
24 中央領域
26 エネルギー貯蔵器入口
30 ヒートポンプ
32 流体回路
34 空調装置
36 開口
38 供給配管
40 エネルギー貯蔵屋外装置
42 排気接続部
44 熱交換器
46 空洞
48 流体接続部
50 機能モジュール
52 水配管
54 飲料水及び/又は雑用水接続部
56 主接続部
58 フレーム
60 側壁
64 ベースプレート
66 カバー
68 空所
70 間隙
【国際調査報告】