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特表2024-525810選択されたペプチドおよび脂肪酸を含有する相乗的抗微生物組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】選択されたペプチドおよび脂肪酸を含有する相乗的抗微生物組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/46 20060101AFI20240705BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240705BHJP
   A01N 37/02 20060101ALI20240705BHJP
   A01N 37/06 20060101ALI20240705BHJP
   C07K 14/415 20060101ALI20240705BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20240705BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240705BHJP
   C12N 15/29 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A01N37/46
A01P3/00
A01N37/02
A01N37/06
C07K14/415 ZNA
C07K14/47
C12N15/12
C12N15/29
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024502091
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069722
(87)【国際公開番号】W WO2023285590
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021000018530
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016600
【氏名又は名称】クレバー バイオサイエンス ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッツェイ、エンマ
(72)【発明者】
【氏名】ブレヴィアーリオ、エリーザ
(72)【発明者】
【氏名】ズッキナリ、ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】フレスキ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
4H011
4H045
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BA06
4H011BB06
4H011BB19
4H011DA13
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA19
4H045BA20
4H045CA30
4H045CA40
4H045DA83
4H045EA06
4H045EA29
(57)【要約】
抗微生物ペプチドおよび脂肪酸に基づく新規な相乗的組成物が説明される。抗微生物ペプチドは、ディフェンシン、ヘベイン、スナキン/GASA;チオニン、ノッチンのクラスから選択される。脂肪酸は4~22個の炭素原子を有し、飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和であり得る。本ペプチドおよび脂肪酸は相乗作用を与え、それにより、重要な適用で、特に農学の分野において強い抗真菌および抗細菌活性を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの抗微生物ペプチドおよび少なくとも1つの脂肪酸を含む組成物。
【請求項2】
前記抗微生物ペプチドが、ディフェンシン、ヘベイン、スナキン/GASA;チオニン、ノッチンのクラスから選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記ディフェンシンが、Hs-AFP1、配列番号1に相当;Rs-AFP2、配列番号2に相当;Ah-AMP1、配列番号3に相当;NmDef2、配列番号4に相当;Oh-DEF、配列番号5に相当;DefMT6、配列番号6に相当;AvBD1、配列番号7に相当;mDB14、配列番号8に相当;PsDef1、配列番号9に相当;Def-Tk、配列番号10に相当;Abf-2、配列番号11に相当;K7MPKO、配列番号12に相当;Def1.1、配列番号13に相当;OsDef8、配列番号14に相当;テルミシン、配列番号15に相当、から選択される請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記スナキン/GASAが、StSN1、配列番号18に相当、を含む請求項2記載の組成物。
【請求項5】
前記ヘベインが、Ay-AMP、配列番号16に相当;Ee-CBP、配列番号17に相当、から選択される請求項2記載の組成物。
【請求項6】
前記ノッチンが、McAMP1、配列番号19に相当、を含む請求項2記載の組成物。
【請求項7】
前記チオニンが、VtA3、配列番号20に相当、を含む請求項2記載の組成物。
【請求項8】
前記脂肪酸が、飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和のC4-C22脂肪酸である請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記脂肪酸が、ペラルゴン酸、クロトン酸、カプロレイン酸、またはそれらの混合物から選択される請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
抗微生物剤としての使用のための請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
真菌および/または、ファイトプラズマを含む細菌による汚染の処置または予防における請求項10記載の使用のための組成物。
【請求項12】
前記真菌が、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphylium vesicarium)、スクレラチウム・ロルフシー(Scleratium rolfsii)、バイポラリス・ソロキニアナ(Bipolaris sorokiniana)、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、ザイモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inequalis)、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophtora infestans)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)、アンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator)、エリシフェ・エスピーピー(Erysiphe spp.)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペリギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)、トリコスポロン・エスピーピー(Trichosporon spp)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、ブラストマイセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、コシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)から選択される請求項11記載の使用のための組成物。
【請求項13】
前記細菌が、火傷病菌(Erwinia amylovora)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、キサントモナス・ファセオリ(Xanthomonas phaseoli)、ピアス病菌(Xylella fastidiosa)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エセリシア・コリ(Escherichia coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、リステリア・モノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、またはフィトプラズマス(phytoplasmas)、「ファイトプラズマ属カスタネア(Ca. Phytoplasma castaneae)」、「ファイトプラズマ属グラミニス(Ca. Phytoplasma graminis)」、「ファイトプラズマ属ジャポニカム(Ca. Phytoplasma japonicum)」、「ファイトプラズマ属リコパルシシ(Ca. Phytoplasma lycopersici)」、「ファイトプラズマ属オリゼ(Ca. Phytoplasma oryzae)」、「ファイトプラズマ属プルニ(Ca. Phytoplasma pruni)」、「ファイトプラズマ属ピリ(Ca. Phytoplasma pyri)」、「ファイトプラズマ属ソラニ(Ca. Phytoplasma solani)」、「ファイトプラズマ属ヴィティス(Ca. Phytoplasma vitis)」から選択される請求項11記載の使用のための組成物。
【請求項14】
農学分野における請求項11~13記載の使用のための組成物。
【請求項15】
1つまたは複数の抗微生物ペプチド、1つまたは複数の脂肪酸、および、任意に、適切な担体および/または適切な共製剤化剤、を相互に製剤化することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗微生物組成物の調製のためのプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗微生物剤およびそれを含む組成物の分野に関し、特に農学分野における使用のための抗微生物剤およびそれを含む組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの植物は、環境(水、土壌、空気)の微生物との有利な、しばしば必須の関係を有する。しかしながら、この関係はアンバランスな状態となり得、この場合、微生物、特に真菌および細菌は、寄生者に変態し、植物から栄養物質を奪うことで植物を枯らす。例えば、真菌感染は、世界中で毎年12500万トンより多くの穀物をだめにしている。
【0003】
これらの汚染は、主に抗微生物合成品で処置されているが、抗微生物合成品は多くの問題を必然的に伴う。つまり抗微生物合成品は土壌にとって有益である微生物も殺すため、植物に対して重大な結果をもたらす。さらに、合成抗微生物剤は、それに接触したヒトに対する毒物学的問題に加えて、いくつかの環境効果を引き起こす。処置されるべき広大な表面とそれに付随して処置すべきすべての植物の付近に十分な製剤濃度を保証するために必要とされる大量の抗微生物剤の使用を考慮すれば、これらの問題は、特に農学の分野において重要で差し迫ったものである。耐性株の出現に関連するさらなる問題もあり、その結果、高い有効性を有するより新しい抗微生物製剤のニーズが高まっている。
【0004】
近年、環境保護に関する規制は、合成抗微生物剤の使用に制限を課していると同時に、ヒトに対して毒性が低く、廃棄が容易なはずの天然の特徴を有する新しいプロダクトの探求を支持している。(細菌、植物、昆虫などに)広く天然に存在する抗微生物ペプチド、すなわち10~100アミノ酸からなる小さなタンパク質分子の使用は、非常に興味深い。現在、抗微生物ペプチドに分類される約800の物質が知られている。最初に研究されたのは、1980年代初期にカイコ(ヒヤロフォラ・セクロピア(Hyalophora cecropia))から単離されたセクロピンと、ミツバチ(西洋ミツバチ(Apis mellifera))の毒から単離されたメリチンであった。後者は最も深く研究されたペプチドの1つであり、したがって、しばしば新しい分子の研究のための参照として使用される。いくつかの両生類の種の皮膚は、ペプチド(ボンベシン、マゲイニン、テンポリンなど)の豊富なソースであり、様々な刺激に応答して顆粒腺により生成、分泌される。ヒトにおいて、また他の哺乳類(マウス、ラット、ラビット)において、ディフェンシンファミリーに属する抗微生物ペプチドは、好中球(食作用に特化した血液細胞)において顆粒の形態で貯蔵され、ウシの多形核白血球には、in vitroおよびin vivoで有意な抗微生物活性を示したカセリシジンファミリーに属するペプチドが豊富である。
【0005】
抗微生物ペプチドは、非常に非特異的であり、したがって通常、ウイルス、細菌、真菌および原生動物に対して広範囲な作用スペクトルを有し、その活性は急速に生じかつ耐性を獲得している微生物にまで広がる。その作用機序は、細胞膜の変化に起因し、膜構造の脱組織化、透過性の変化、細胞質成分の流出および細胞溶解(破壊)などの効果を伴う。ブホリンなどのいくつかのペプチドは、細胞内標的(DNAおよび/またはRNA)と直接相互作用し、細胞にとって極めて重要な機能を阻害する。他のペプチド(例えばカセリシジンおよびディフェンシン由来のものなど)は、宿主生物の炎症性反応や免疫防御反応を阻害する。
【0006】
これらの化合物の低い選択性は、一方でその作用スペクトルを広げ、他方で関係している微生物との適合していない相互作用を含み、結果として微生物ごとに効力に大きなばらつきが生じ、標的とする微生物の大きなグループに対して平均的に高い活性レベルを維持することを難しくしている。特に耐性のある微生物のサブグループは、ファイトプラズマ、すなわち細胞壁をもたない特殊な細菌のものであり、それらはベクター昆虫を介して植物の内部(瀉腫)に侵入し、植物にとって致命的になるほど深刻な病気を引き起こすものであり;これまでのところ、ファイトプラズマを対比する治療的な戦略はない。実際、伝統的な抗細菌戦略は、細菌の細胞壁を攻撃することを目的としており、これらの微生物には効果がなく、利用可能な対処は予防的なものに限られている。
【0007】
抗微生物ペプチドの低い特異性は、植物および/またはヒトへの望ましくない作用のリスクを増大させ得る。これらのプロダクトの量/濃度を減らす可能性は、処置効果の望ましくない低下につながるため、効果的に実行できない。したがって、効果の程度を損なうことなく、標準的なものよりも少ない量で使用できるなど、幅広い作用スペクトルの利点と、より強力な活性の利点とを結びつける、新しい抗微生物プロダクトおよび組成物の必要性が依然として存在する。特に、組成物を構成する構成要素を別々に使用して得られるものの合計よりも高い抗微生物効果を得ることができる相乗的な組成物に対する必要性が依然としてある。これらの課題は、本発明者により対処され、以下の開示にしたがい予期せず解決された。
【発明の概要】
【0008】
抗微生物ペプチドと脂肪酸とを組み合わせることにより、予期せぬ高い抗微生物活性を得ることが可能であるということが今発見された。特に、抗微生物ペプチドは、ディフェンシン、チオニン、ヘベイン(Hevein)、スナキン(snakin)/GASA、ノッチン(knottin)のクラスからから選択することができる。脂肪酸は、4~22個の炭素原子を含むことができ、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和であってもよい。本ペプチドおよび脂肪酸は相乗的であり、それにより強い抗微生物、特に抗真菌および抗細菌、活性を、重要な適用に、とりわけ農学分野において、与える。脂肪酸と抗微生物ペプチドとの選択された組み合わせも、追加的な利益と共に本明細書に開示される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の組成物は、少なくとも1つの抗微生物ペプチドおよび少なくとも1つの脂肪酸を活性成分として含むことを特徴とする。当該組成物において、上記成分は賦形剤および適切な担体と共に、特に農業における使用のために適切に製剤化される。
【0010】
抗微生物活性を有するあらゆるペプチドは、本組成物に含まれることに適している。抗微生物ペプチドは、それ自体広く知られており、かつ文献に記載されている。本発明において、ディフェンシン、チオニン、ヘベイン、スナキン/GASA、ノッチンのクラスに属するペプチドが非常に効果的であることが証明された。
【0011】
ディフェンシンは、系統発生的に非常に古いペプチドファミリーであり、高度に保存された構造を有し、哺乳類、昆虫および植物に存在し、膜中に挿入して孔形成を誘導し、それにより細胞溶解による死をもたらすことができる両親媒性ペプチドである。2つの主なディフェンシンのカテゴリー;αおよびβがあり、それらは産生細胞の種類が異なり、したがって局在性も異なる。αディフェンシンは、好中球(一次顆粒に含まれる)によりおよびパネート細胞により主に産生され;それらはプロペプチドの不活性型として産生および分泌され、トリプシンによりタンパク質分解的切断により活性化される。βディフェンシンは、呼吸器系、外皮系、泌尿生殖器系および皮膚の表皮細胞により産生される。
【0012】
抗微生物ペプチドの興味深いサブクラスは、植物ディフェンシンの1つである(Planta, 2002, 216, pp-193-202)。それらの中でも特に興味深いペプチドは、次のとおりである。
Hs-AFP1、配列番号1に対応
Rs-AFP2、配列番号2に対応
Ah-AMP1、配列番号3に対応
NmDef2、配列番号4に対応
Oh-DEF、配列番号5に対応
DefMT6、配列番号6に対応
AvBD1、配列番号7に対応
mDB14、配列番号8に対応
PsDef1、配列番号9に対応
Def-Tk、配列番号10に対応
Abf-2、配列番号11に対応
K7MPKO、配列番号12に対応
Def1.1、配列番号13に対応
OsDef8、配列番号14に対応
テルミシン、配列番号15に対応
【0013】
本明細書に言及されるペプチドは、それ自体既知であり、例えばペプチドHs-AFP1はそれ自体、国際公開第2004/72239号、国際公開第2021/86982号および国際公開第2016/205902号により知られており;ペプチドRs-AFP2はそれ自体、例えば国際公開第2001/09174号および国際公開第2001/09175号により知られている。
【0014】
特に本発明において有効である抗微生物ペプチドの別のクラスは、ヘベインのクラスである。それらはゴムノキ(ハベア ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis))を由来とするペプチドであり、木の切り口から得られ、ラテックス凝固を促進する性質を有する。ヘベインは、天然のペプチド(プロヘベイン、187のアミノ酸を含む)のより短いフラグメントへの加水分解の結果物である。本発明に使用することのできるヘベインの好ましい例は、ペプチド:
Ay-AMP、配列番号16に対応
Ee-CBP、配列番号17に対応
である。
【0015】
本発明において特に効果的である抗微生物ペプチドのさらなるクラスは、スナキン(GASAファミリーとしても特定される)のクラスである。スナキンは3つのはっきり異なる領域:N-末端シグナルペプチド;可変部位;および分子の生化学的安定性に寄与する12のシステイン残基から構成されるC-末端領域におけるGASAドメインからなる植物の抗微生物ペプチドである。これらのペプチドは多様なストレス因子に応答して種々の役割を果たすことが知られている。本発明に使用することのできるスナキンの好ましい例は、ペプチド:
StSN1、配列番号18に対応
である。
【0016】
本発明において特に効果的である抗微生物ペプチドのさらなるクラスは、ノッチン(シスチン-ノット(ICK))のクラスである。それらは、3つのジスルフィド架橋を含み、細胞内ノットを形成し、高温に、酵素分解に、極端なpHに、および機械的ストレスに対して構造的かつ機能的耐性を与える。ジスルフィド架橋をつなぐループは、高い配列変化を示し、結果として広範囲の機能をもたらす。本発明に使用することのできるノッチンの好ましい例は、ペプチド:
McAMP1、配列番号19に対応
である。
【0017】
本発明において特に効果的である抗微生物ペプチドの別のクラスは、チオニンのクラスである。その重要なサブクラスは、ビスコトキシンのサブクラスである(Biophysical Journal Volume 85 August 2003, 971-981)。それらの中で、本発明の目的のために有用なペプチドは:
VtA3、配列番号20に対応
である。
【0018】
本発明の好ましいペプチドサブグループは、上記構造を有する、Hs-AFP1、Rs-AFP2またはPsDef-1からなるサブグループである。
【0019】
本発明の組成物に使用することのできる脂肪酸は、差別なく、飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和であり、好ましくは間隔C4-C22において選択される。当該脂肪酸は、そのまま使用することができ、および/またはその塩の形態で、および/またはそのヒドロキシル化誘導体の形態で使用することができ;当該バリアントは本発明の「脂肪酸」の定義にすべて含まれる。特定の好ましい脂肪酸は、ペラルゴン酸、クロトン酸、カプロレイン酸である。本発明に使用される脂肪酸は、抗微生物活性自体を有していてもよいし有していなくてもよく、いずれにせよそれらはペプチドと相乗的に相互作用し、それにより別々に使用された2つの構成成分の活性の合計よりも高い全体としての抗微生物活性をもたらす。
【0020】
本発明の好ましいサブ実施態様は、ディフェンシンとクロトン酸、ペラルゴン酸、カプロレイン酸およびそれらの混合物から選択される脂肪酸との新しい組み合わせにより表される。これらの組み合わせは、ファイトプラズマを含めて、真菌、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌を含む多種多様な標的微生物に対して、著しく高レベルの相乗的な抗微生物相互作用(FICインデックスとして測定)を示し、したがって、非特異性と有効性というほとんど調和のとれない効果を結び付けており;最も高いレベルの相乗効果はディフェンシンをペラルゴン酸と組み合わせた場合に現れ、これがさらにいっそう好ましい組み合わせとなる。本明細書に含まれる実験データにより確認されるように、得られる高レベルの相乗効果は、オープンフィールドでの植物感染に適用した場合の高レベルの抗感染活性と同等である。このサブ実施態様による組み合わせの著しい利点は、従来の抗菌剤に抵抗性であるファイトプラズマ(ほとんど治癒できない植物の病気の原因である細菌のサブクラス)に対するそれらの高い阻害活性であり;活性のレベルは単独で試験された2つの別々のプロダクトにより示される活性と比較して劇的に高く;これはこれらの薬剤の相乗効果が、標的微生物がファイトプラズマである場合に特に増幅されるということを示しており;これは、抗微生物ペプチドと脂肪酸が抗微生物活性を細菌の、ファイトプラズマにはない細胞の構成成分である細胞壁との相互作用により発揮することが知られていることからすれば特に予期せぬものである。本サブ実施態様において、任意のディフェンシンが上記クロトン酸、ペラルゴン酸、および/またはカプロレイン酸と組み合わせて使用することができ;適切なディフェンシンの例は、Hs-AFP1、配列番号1に対応;Rs-AFP2、配列番号2に対応;Ah-AMP1、配列番号3に対応;NmDef2、配列番号4に対応;Oh-DEF、配列番号5に対応;DefMT6、配列番号6に対応;AvBD1、配列番号7に対応;mDB14、配列番号8に対応;PsDef1、配列番号9に対応;Def-Tk、配列番号10に対応;Abf-2、配列番号11に対応;K7MPK0、配列番号12に対応;Def1.1、配列番号13に対応;OsDef8、配列番号14に対応;テルミシン、配列番号15に対応である。クロトン酸、ペラルゴン酸および/またはカプロレイン酸と1つまたは複数の上記Hs-AFP1、Rs-AFP2およびPsDef1との組み合わせが特に好ましい。
【0021】
本発明のすべての実施態様において、ペプチドと脂肪酸は、可能なすべての割合で互いに組み合わせることができ;好ましくは、2つの成分はいずれも、一方に対して1:9よりも低い重量比で使用されない。より好ましくは、ペプチド(またはそれらの混合物、それらの1つよりも多くが使用される場合)は、脂肪酸(またはそれらの混合物、それらの1つよりも多くが使用される場合)と0.3:1および0.5:1の間、あるいは0.5:1および1.5:1の間、例えば1:1比の重量比で含有される。
【0022】
本発明において、抗微生物ペプチドと脂肪酸との関連は、非常に高い相乗効果のレベルを獲得する、すなわちFICインデックス≦0.7、好ましくは0.05および0.5の間により特徴づけられる。標準的な文献によれば、FICインデックスは、以下の式により計算することができる。
FICインデックス=MICA/MICa+MICB/MICb
式中、「MICAおよびMICB」は、互いに混合した2つの化合物AおよびBの最小阻害濃度(MIC)であり、「MICaおよびMICb」は、単独で使用されたこの2つの化合物の最小阻害濃度である。FICインデックス<1.0は、互いに組み合わせた化合物の相乗効果を意味し、FICインデックスの値=1.0は、互いに組み合わせた化合物の相乗効果がないことを意味し;FICインデックスの値>1.0は、互いに組み合わせた化合物の拮抗作用を意味する。
【0023】
本明細書において使用される用語「抗微生物性」は、用語、抗真菌性、抗細菌性、抗ウイルス性および抗寄生虫性を含むものとして理解されるべきである。好ましくは、抗微生物処置は抗真菌または抗細菌処置である。
【0024】
抗真菌処置の目的で、すべての真菌種は本発明により処置することができる。中でも、本発明の処置の目的のために好ましく推奨される種は以下のとおりである。
【0025】
農学分野:ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphylium vesicarium)、スクレラチウム・ロルフシー(Scleratium rolfsii)、バイポラリス・ソロキニアナ(Bipolaris sorokiniana)、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、ザイモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inequalis)、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophtora infestans)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)、アンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator)、エリシフェ・エスピーピー(Erysiphe spp.)。当該処置の目的のために特に好ましいのは、種:ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophtora infestans)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inequalis)。
【0026】
医薬品、栄養補助食品または化粧品分野:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペリギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)、トリコスポロン・エスピーピー(Trichosporon spp)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、ブラストマイセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、コシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)。
【0027】
抗細菌処置の目的で、ファイトプラズマを含むすべての細菌種は、本発明により処置することができる。中でも、本処置の目的のために好ましく勧められる種は次のとおりである。
【0028】
農業分野:火傷病菌(Erwinia amylovora)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、キサントモナス・ファセオリ(Xanthomonas phaseoli)、ピアス病菌(Xylella fastidiosa)。言及され得るファイトプラズマは、例えば、「ファイトプラズマ属カスタネア(Ca. Phytoplasma castaneae)」、「ファイトプラズマ属グラミニス(Ca. Phytoplasma graminis)」、「ファイトプラズマ属ジャポニカム(Ca. Phytoplasma japonicum)」、「ファイトプラズマ属リコパルシシ(Ca. Phytoplasma lycopersici)」、「ファイトプラズマ属オリゼ(Ca. Phytoplasma oryzae)」、「ファイトプラズマ属プルニ(Ca. Phytoplasma pruni)」、「ファイトプラズマ属ピリ(Ca. Phytoplasma pyri)」、「ファイトプラズマ属ソラニ(Ca. Phytoplasma solani)」、「ファイトプラズマ属ヴィティス(Ca. Phytoplasma vitis)」である。
【0029】
医薬品、栄養補助食品または化粧品分野:シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エセリシア・コリ(Escherichia coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、リステリア・モノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)。好ましくは、処置できる細菌種は、エセリシア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)である。
【0030】
本組成物において、上記ペプチドおよび脂肪酸は、それを必要とする基質、例えば表層または内部適用によって処置できる植物の地上部などの基質または農地に組成物を分散させるために好適な担体と共に好適に製剤化される。該組成物は、担体を含み、差別なく、固体、半固体、液体などであり得る。固体組成物は、例えば、粉末、ペレット、顆粒、マイクロカプセルなどの形態であり得;当該固体組成物は、そのまま送達されてもよく、または土地や植物への投与前に液体媒体に事前に分散されてもよい。半固体組成物は、クリーム、ペースト、ゲル、ハイドロゲルなどの形態であり得る。液体組成物は、溶液、懸濁液、分散液、コロイド、エマルジョンなどの形態であり得;それらはそのまま、またはエアロゾルまたはスプレーの形態で投与され得る。本発明の任意の実施形態において、組成物はリポソームの形態ではない。それらの物理的形態、含有される活性成分の性質、そして使用条件により、本組成物は、上記ペプチド、脂肪酸および担体に加え、本分野の先行技術による賦形剤および他の共製剤化剤をさらに含み得;特に、それらは安定化剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、緩衝系などのpH調整剤、等張化剤、乳化剤、共乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、フィルム形成剤、潤滑剤、流動促進剤、抗凝集剤、吸湿剤、着色剤などを含むことができる。
【0031】
それらの物理的形態、および処置ニーズ(植物の種類および/または土地の種類)により、本組成物は、そのまま投与してもよく、または水、肥料溶液、バイオシュティミュラント溶液などに分散してもよい。効果的な処置の目的のため、組成物は、50Kgと0.1Kgとの間、好ましくは5Kgと1Kgとの間の混合物の用量[ペプチド+脂肪酸]/土地のヘクタール(ha)を提供するためにそのような量で投与することが有用である。
【0032】
本発明のさらなる目的は、1つまたは複数の、抗微生物剤、好ましくは抗真菌剤を含む、上記に定義した組成物の使用である。本組成物は、ニーズにより、予防目的および治療目的の両方のために使用することができる。その使用は、好ましくは、農学分野において意図され;しかし、ペプチドおよび脂肪酸の本発明の関連性はまた、種々の分野においても活性であり、抗微生物処置のために制限なく使用することができ:当該適用は本発明の一部である。したがって、本発明は、医薬品、栄養補助食品または化粧品の分野における本組成物の調製、提供および使用も含み;これらの変形例において使用される賦形剤および共製剤化剤は、それぞれ医薬品、栄養補助食品、化粧品の用途に適したものとなる。本発明のさらなる目的は、上記に定義される1つまたは複数の抗微生物ペプチドおよび抗微生物組成物、好ましくは抗真菌組成物の調製における使用である。
【0033】
本発明のさらなる目的は、高い相乗活性、好ましくは農業用途に対する高い相乗活性を有する高微生物組成物の調製のためのプロセスであり、当該プロセスは、上記に定義される1つまたは複数の抗微生物ペプチド、上記に定義される1つまたは複数の脂肪酸、および、任意に好適な担体および/または共製剤化剤を、相互に製剤化することを含む。
【0034】
次に、本発明は以下の非限定的実施例により説明される。
【実施例
【0035】
実験の部
実施例1-相乗性の評価
一般的な手法
抗微生物活性は、Clinical and Laboratory Standard Institute protocolsに記載されたマイクロ希釈法を用いるin-vitro感受性試験を用いて評価した(M07-好気性細菌に対する希釈抗微生物感受性試験のための方法;M27-酵母のブロス希釈抗真菌感受性試験の参照法;糸状菌のブロス希釈抗真菌感受性試験)。目的の各化合物のMIC(最小阻害濃度)をこれらの方法により決定した。
【0036】
抗微生物活性の陽性対照は、フルコナゾール(真菌および酵母に対して)およびセフトリアキソン(細菌株に対して)を用いて実施した。陰性対照(活性化合物が存在しない)は、目的の種の適格な微生物増殖を観察することにより評価した。
【0037】
様々な化合物の相乗的な活性は、96ウェルプレートにおいてマイクロ希釈法を用いてin vitroで評価した。目的の化合物の試料は、該化合物を、既に決定されたMICの4倍の特定の濃度まで滅菌生理溶液に希釈することにより調製した。その後、脂肪酸と抗微生物ペプチドの異なる濃度での組み合わせを作製し、その試料をCLSIプロトコールに記載されたように処置した。
【0038】
本発明によるペプチドと脂肪酸との相乗効果は、次の式にしたがいFICインデックスを計算することにより評価した。
FICインデックス=MICA/MICa+MICB/MICb
式中、「MICAおよびMICB」は、互いに混合した2つの化合物AおよびBの最小阻害濃度(MIC)であり、「MICaおよびMICb」は、単独で使用されたこの2つの化合物の最小阻害濃度である。
【0039】
FICインデックスの値<1.0は、互いに組み合わせた化合物の相乗効果を意味し;FICインデックスの値=1.0は、互いに組み合わせた化合物の相乗効果がないことを意味し;FICインデックスの値>1.0は、互いに組み合わせた化合物の拮抗作用を意味する。
【0040】
得られた実験結果を表Iおよび表IIに示す。

【0041】
実施例2
オープンフィールド試験-脂肪酸およびペプチドの混合物によるフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)に対する抗真菌活性
3つのペプチド(配列番号1、2および9)の抗真菌活性、クロトン酸およびペラルゴン酸の抗真菌活性ならびにこれらの脂肪酸の上記ペプチドとの混合物の抗真菌活性を、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)により適切に汚染された冬小麦およびデュラム小麦において評価した。
【0042】
配列番号1、2および9のペプチドは、10%w/wの濃度で水に溶解した。クロトン酸およびペラルゴン酸の水溶液を10%w/wの濃度で調製した。ペプチドの水溶液と脂肪酸の溶液を、ペプチドと酸との10%w/wの濃度の6つの異なる混合物を得るために混合した。溶液を、病原菌フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)の接種から2日後に、両方の品種に対して表に示された用量で使用した。ただ1つの適用を、生物季節学的スケール、BBCH(生物学的連邦研究所、連邦植物品種局および化学産業)69-70に対応する時間で実施し、プロダクトの有効性を3週間、最終チェックから開始して3週間評価した。有効性は、未処置対照と比較した、標的病原体により影響を受けた葉の発生率として評価した。ここで、有効性の増加%は植物病原体に感染した葉の数の減少に対応する。
【0043】
実施例3
ファイトプラズマのオープンフィールド試験-脂肪酸とペプチドとの混合物によるファイトプラズマ属ヴィティス(Ca. Phytoplasma vitis)に対する抗菌活性
3つのペプチド(配列番号1、2および9)のファイトプラズマに対する活性、クロトン酸およびペラルゴン酸のファイトプラズマに対する活性ならびにこれらの脂肪酸の上記ペプチドとの混合物のファイトプラズマに対する活性を、ファイトプラズマ属ヴィティス(Ca. Phytoplasma vitis)により適切に汚染されたペルビンカ・ロセア(Pervinca rosea)において評価した。
【0044】
配列番号1、2および9のペプチドは、10%w/wの濃度で水に溶解した。クロトン酸およびペラルゴン酸の水溶液を10%w/wの濃度で調製した。ペプチドの水溶液と脂肪酸の溶液を、ペプチドと酸と酸との10%w/wの濃度の6つの異なる混合物を得るために混合した。
【0045】
使用されたプロダクトの有効性の評価は、エンドテラピー処置(endotherapy treatment)に暴露してから48時間後の遺伝物質(DNAおよびRNA)の定量化のためにddPCR(Droplet Digital PCR)技術を用いて評価した。高い%のDNAおよびRNA値は、減少した/非抗細菌活性に関連付けられる。溶液は、次の表に示された投薬量でエンドテラピー処置中使用された。
【0046】
配列
配列番号1:(Hs-AFP1)
DGVKLCDVPSGTWSGHCGSSSKCSQQCKDREHFAYGGACHYQFPSVKCFCKRQC
配列番号2:(Rs-AFP2)
QKLCQRPSGTWSGVCGNNNACKNQCIRLEKARHGSCNYVFPAHKCICYFPC
配列番号3:(Ah-AMP1)
LCNERPSQTWSGNCGNTAHCDKQCQDWEKASHGACHKRENHWKCFCYFNC
配列番号4:(NmDef2)
RECKAQGRHGTCFRDANCVQVCEKQAGWSHGDCRAQFKCKCIFEC
配列番号5:(Oh-DEF)
MLCKLSMFGAVLGVPACAIDCLPMGKTGGSCEGGVCGCRKLTFKILWDKKFG
配列番号6:(DefMT6)
GFGCPLNQGACHNHCRSIKRRGGYCSGIIKQTCTCYRK
配列番号7:(AvBD1)
APGNKAECEREKGYCGFLKCSFPFVVSGKCSRFFFCCKNIW
配列番号8:(mDB14)
FLPKTLRKFFCRIRGGRCAVLNCLGKEEQIGRCSNSGRKCCRKKK
配列番号9:(PsDef1)
RMCKTPSGKFKGYCVNNTNCKNVCRTEGFPTGSCDFHVAGRKCYCYKPCP
配列番号10:(Def-Tk)
SPAIWGCDSFLGYCRLACFAHEASVGQKECAEGMLCCIPNV
配列番号11:(Abf-2)
ADIDFSTCARMDVPILKKAAQGLCITSCSMQNCGTGSCKKRSGRPTCVCYRCANGGGDIPLGAL
配列番号12:(K7MPKO)
SCPGLCAKRSKTWSGWCGSSNNCDKQCRTKEGATHGACHGNILKRACDCYFKC
配列番号13:(Def1.1)
KTCENLADKYRGPCFSGCDTHCTTKENAVSGRCRDDFRCWCTKRC
配列番号14:(OsDef8)
RTCESQSHRFKGPCARKANCASVCNTEGFPDGYCHGVRRRCMCTKPCP
配列番号15:(テルミシン)
ACNFQSCWATCQAQHSIYFRRAFCDRSQCKCVFVRG
配列番号16:(Ay-AMP)
VGECVRGRCPSGMCCSQFGYCGKGPKYCGR
配列番号17:(Ee-CBP)
QQCGRQAGNRRCANNLCCSQYGYCGRTNEYCCTSQGCQSQCRRCG
配列番号18:(StSN1)
GSNFCDSKCKLRCSKAGLADRCLKYCGICCEECKCVPSGTYGNKHECPCYRDKKNSKGKSKCP
配列番号19:(McAMP1)
AKCIKNGKGCREDQGPPFCCSGFCYRQVGWARGYCKNR
配列番号20:(VtA3)
KSCCPNTTGRNIYNACRLTGAPRPTCAKLSGCKIISGSTCPSDYPK
【配列表】
2024525810000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2023-05-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディフェンシンのクラスから選択される少なくとも1つの抗微生物ペプチドおよびペラルゴン酸、クロトン酸、カプロレイン酸、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む組成物。
【請求項2】
前記ディフェンシンが、Hs-AFP1、配列番号1に相当;Rs-AFP2、配列番号2に相当;Ah-AMP1、配列番号3に相当;NmDef2、配列番号4に相当;Oh-DEF、配列番号5に相当;DefMT6、配列番号6に相当;AvBD1、配列番号7に相当;mDB14、配列番号8に相当;PsDef1、配列番号9に相当;Def-Tk、配列番号10に相当;Abf-2、配列番号11に相当;K7MPKO、配列番号12に相当;Def1.1、配列番号13に相当;OsDef8、配列番号14に相当;テルミシン、配列番号15に相当、から選択される請求項記載の組成物。
【請求項3】
抗微生物剤としての使用のための請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
真菌および/または、ファイトプラズマを含む細菌による汚染の処置または予防における請求項記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記真菌が、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphylium vesicarium)、スクレラチウム・ロルフシー(Scleratium rolfsii)、バイポラリス・ソロキニアナ(Bipolaris sorokiniana)、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、ザイモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inequalis)、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophtora infestans)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、プラズモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)、アンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator)、エリシフェ・エスピーピー(Erysiphe spp.)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペリギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)、トリコスポロン・エスピーピー(Trichosporon spp)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、ブラストマイセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、コシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)から選択される請求項記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記細菌が、火傷病菌(Erwinia amylovora)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、キサントモナス・ファセオリ(Xanthomonas phaseoli)、ピアス病菌(Xylella fastidiosa)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、エセリシア・コリ(Escherichia coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、リステリア・モノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、またはフィトプラズマス(phytoplasmas)、「ファイトプラズマ属カスタネア(Ca. Phytoplasma castaneae)」、「ファイトプラズマ属グラミニス(Ca. Phytoplasma graminis)」、「ファイトプラズマ属ジャポニカム(Ca. Phytoplasma japonicum)」、「ファイトプラズマ属リコパルシシ(Ca. Phytoplasma lycopersici)」、「ファイトプラズマ属オリゼ(Ca. Phytoplasma oryzae)」、「ファイトプラズマ属プルニ(Ca. Phytoplasma pruni)」、「ファイトプラズマ属ピリ(Ca. Phytoplasma pyri)」、「ファイトプラズマ属ソラニ(Ca. Phytoplasma solani)」、「ファイトプラズマ属ヴィティス(Ca. Phytoplasma vitis)」から選択される請求項記載の使用のための組成物。
【請求項7】
農学分野における請求項記載の使用のための組成物。
【請求項8】
1つまたは複数の前記抗微生物ペプチド、1つまたは複数の前記脂肪酸、および、任意に、適切な担体および/または適切な共製剤化剤、を相互に製剤化することを含む、請求項1または2記載の抗微生物組成物の調製のためのプロセス。
【国際調査報告】