(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】プレート式回転セパレータ
(51)【国際特許分類】
B04B 5/12 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B04B5/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502118
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 NL2022050409
(87)【国際公開番号】W WO2023287285
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524017113
【氏名又は名称】ビオーガニックス・ユーエフティ・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Biorganics UFT B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ティーマン,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ブーレ,ヘンドリク アリー
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA09
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE18
4D057BA00
4D057BA43
(57)【要約】
本発明は、その軸の軸線周りに回転可能であるキャリアと、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びる、複数のプレートとを備えるプレート式回転セパレータに関するものであり、複数のプレートのそれぞれは、プレートの表面に対して横断する方向に延びており、キャリアの軸の軸線に対して円周方向に延びている、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの支持体がキャリアの回転中に複数のプレートのうち隣接するプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の軸線周りに回転可能なキャリアと、
前記キャリアの前記軸の軸線の軸方向、及び前記軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びる、複数のプレートと
を備えるプレート式回転セパレータであって、
前記複数のプレートのそれぞれは、前記プレートの表面に対して横断する方向に延びており、前記キャリアの前記軸の軸線に対する周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの前記支持体が前記キャリアの回転中に前記複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する、セパレータ。
【請求項2】
前記複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、
前記第1タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第1半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第2半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、前記第1半径距離と異なる、
請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記第1タイプの前記プレートと前記第2タイプの前記プレートとは、前記回転可能なキャリアの外周の周りに交互に配置されている、
請求項2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記複数のプレートは、複数のプレートペアを有しており、それぞれのプレートペアは、1つの前記第1タイプのプレートと1つの前記第2タイプのプレートとを有する、
請求項2又は3に記載のセパレータ。
【請求項5】
それぞれのプレートペアのうち、前記第1タイプの前記プレートと前記第2タイプの前記プレートとは、共通のカプラを介して前記回転可能なキャリアに接続されている、
請求項2~4の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項6】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体は、前記キャリアの中心軸の周りに同心円状に配置されている、
請求項2~5の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項7】
前記第2タイプの前記プレートの前記支持体は、前記キャリアの中心軸の周りに同心円状に配置されている、
請求項2~6の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項8】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体の前記同心円状の配置は、前記第2タイプの前記プレートの前記支持体の前記同心円状の配置によって構成される半径と異なる半径を有する、
請求項6及び7に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記第1タイプの前記プレートの前記少なくとも1つの支持体と前記第2タイプの前記プレートの前記少なくとも1つの支持体とは、前記キャリアの前記軸の軸線に対する前記周方向の少なくとも一部において並んでおおよそ一列になるように配置されている、
請求項2~8の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項10】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体と前記第2タイプの前記プレートの前記支持体とは、前記回転可能なキャリアと非同心円状の、支持体の少なくとも1つのアレイを形成するように、並んで配置されている、
請求項9に記載のセパレータ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの少なくとも1つの支持体のアレイは、前記キャリアの前記軸の軸線と非同心円状の螺旋状の形状を有する、
請求項10に記載のセパレータ。
【請求項12】
前記プレートは、湾曲している、
請求項1~11の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項13】
それぞれの少なくとも1つの支持体が配置されるそれぞれのプレートの前記表面は、凹表面である、
請求項12に記載のセパレータ。
【請求項14】
前記プレートは、ポリマ、炭素繊維、及びガラス繊維を含む群からの材料を有する、
請求項1~13の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項15】
前記プレートは、前記プレートが前記キャリアに対して枢動することが可能となるように、前記キャリアに枢動可能に接続されている、
請求項1~14の何れか1つに記載のセパレータ。
【請求項16】
前記支持体は、それぞれのプレート上に、前記キャリアの前記軸の軸線に対して少なくとも部分的に周方向に並んで配置されており、それにより、前記回転可能なキャリアと非同心円状で、それに対して少なくとも部分的に外向きに延びる、支持体の少なくとも1つのアレイを形成する、
請求項1に記載のセパレータ。
【請求項17】
請求項1~16の何れか1つに記載のプレート式回転セパレータの使用を備える、流体から1つ以上の成分を分離する方法。
【請求項18】
プレート式回転セパレータに取り付け可能なプレートアセンブリであって、前記プレートアセンブリは、
前記プレート式回転セパレータに取り付けられるときに、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び前記軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びるように構成された複数のプレートを備えており、
前記複数のプレートのそれぞれは、前記プレートの表面に対して横断する方向に延びており、前記キャリアの前記軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの前記支持体が前記キャリアの回転中に前記複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する、プレートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体、特に液体から1つ以上の成分を回収又は分離するためのプレート式回転セパレータに関する。そのような成分は、例えば、汚染物質、破片、又は藻類等の固形物、並びに回収される流体とは異なる密度を有する油又は他の液体を含む液状物を有し得る。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプのプレート式回転セパレータは、幅広い用途且つ多種な産業で利用されている。液体から成分を除去するために、そのようなセパレータは、分離される流体において浮遊している任意の成分粒子に作用する遠心力を利用する。分離後、流体とそこから分離された1つ以上の成分とは、プレート式回転セパレータから別々に排出され得る。
【0003】
ここで上述されたタイプの既知のプレート式回転セパレータは、多くのかなりの欠点を有しており、現時点ではその使用と実用性とが制限されている。
【0004】
第一に、プレート式回転セパレータ用の既知の設計では、動作し得る回転速度に関して制約されている。一般に、より高い回転速度は、より効率的な分離プロセスが生じ、高い分離スループットが要求される場合、又は分離される成分が浮遊している流体とわずかのみ異なる密度を有する場合に有利であるより効率的な分離プロセスをもたらす。しかし、より高い回転速度は、プレート式回転セパレータの構造に対する機械的ストレス量の増加を引き起こし、セパレータが損傷すること、又はその性能が抑制されることをもたらし得る。
【0005】
プレート式回転セパレータ用の既知の設計の第二の欠点は、そのスケーラビリティに関するものである。既知のプレート式回転セパレータを、例えば、より多量の流体が収容され処理され得るように、物理的寸法を増加させて大きいスケールで構成することによって、セパレータの動作中、特に高い回転速度において、構造的に無傷な状態が損なわれることが生じることが判明された。同様にこれにより、作動中に、セパレータが損傷すること、又は性能の低下が生じる。
【0006】
既知のプレート式回転セパレータの第三の欠点は、そのようなセパレータの特に任意の可動部品の材料に課される要求に関するものである。そのようなセパレータが動作し得るかなりの速度の回転数と、その結果、特にそのようなセパレータのブレード又はプレートに相当の大きな力が作用することにより、これらのプレートは、これらの力に耐えることができる材料で構成されていなければならない。実際には、金属、特に(ステンレス)鋼等の硬質材料が適用される。鋼及び同等の材料は、比較的高い密度を有しており、したがってプレート式回転セパレータの全体重量を増加させる。さらに、鋼又は他の金属から任意の部品を製造することは、射出成形によって製造され得る例えばプラスチックからそのような部品を製造することと比べて、比較的複雑である。この増加する製造の複雑度合いによって、使用される材料の基本コストに加え、製造コストの増加をさらに助長する。
【0007】
本明細書で参照されており、最も近い先行技術であると認められる、US660360Aには、上述された欠点を示す「遠心式液体セパレータ」が開示されている。文献US661943A、EP2014346A1、DE178650Cは、本発明と少なくとも何らかの関連性を有するさらなる先行技術として、本明細書において認められる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、既知のプレート式回転セパレータの欠点の1つ以上が除去又は軽減される、上述されたタイプのプレート式回転セパレータを提供することである。
【0009】
この目的は、軸の軸線周りに回転可能なキャリアと、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びる、複数のプレートとを備える、プレート式回転セパレータによって達成され、複数のプレートのそれぞれは、プレートの表面に対して横断する方向に延びており、キャリアの軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの支持体がキャリアの回転中に複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する。
【0010】
本明細書で上述されたプレート式回転セパレータによって、セパレータが受けるかなりの遠心力から生じる、動作中における内部の力とトルクの分散及び/又は吸収が、有利に改善される。その結果、提案されたプレート式回転セパレータは、先行技術のセパレータが動作され得る回転速度より高い回転速度で動作され得る。さらに、発生する力の分散と吸収とが改善されるため、特にセパレータのプレートは、特定の先行技術のセパレータの場合より、安く又は処理が容易である材料から製造され得、本発明に係るセパレータの物理的寸法は、先行技術のセパレータの寸法より大きくし得、その結果、分離率又は動作特性が改善される。
【0011】
本発明に係るセパレータの好ましい実施形態において、複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、第1タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第1半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、第2タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第2半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、第1半径距離と異なる。
【0012】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとは、回転可能なキャリアの外周の周りに交互に配置されている。
【0013】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、複数のプレートは、複数のプレートペアを有しており、それぞれのプレートペアは、1つの第1タイプのプレートと1つの第2タイプのプレートとを有する。
【0014】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、それぞれのプレートペアのうち、第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとは、共通のカプラを介して回転可能なキャリアに接続されている。
【0015】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第1タイプのプレートの支持体は、キャリアの中心軸の周りに同心円状に配置されている。
【0016】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第2タイプのプレートの支持体は、キャリアの中心軸の周りに同心円状に配置されている。
【0017】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第1タイプのプレートの支持体の同心円状の配置は、第2タイプのプレートの支持体の同心円状の配置によって構成される半径と異なる半径を有する。
【0018】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第1タイプのプレートの少なくとも1つの支持体と第2タイプのプレートの少なくとも1つの支持体とは、キャリアの軸の軸線に対する周方向の少なくとも一部において並んでおおよそ一列になるように配置されている。
【0019】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、第1タイプのプレートの支持体と第2タイプのプレートの支持体とは、回転可能なキャリアと非同心円状の、支持体の少なくとも1つのアレイを形成するように、並んで配置されている。
【0020】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、少なくとも1つの少なくとも1つの支持体のアレイは、キャリアの軸の軸線と非同心円状の螺旋状の形状を有する。
【0021】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、プレートは、湾曲している。
【0022】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、それぞれの少なくとも1つの支持体が配置されるそれぞれのプレートの表面は、凹表面である。言い換えると、少なくとも1つの支持体は好ましくは、湾曲したプレートの凹側に配置されている。この支持体は、隣り合う湾曲したプレートの凸側に対して当接、すなわち支持する。
【0023】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、プレートは、ポリマ、炭素繊維、及びガラス繊維を含む群からの材料を有する。
【0024】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、プレートは、プレートがキャリアに対して枢動することが可能となるように、キャリアに枢動可能に接続されている。
【0025】
本発明に係るセパレータのさらなる好ましい実施形態において、支持体は、それぞれのプレート上に、キャリアの軸の軸線に対して少なくとも部分的に周方向に並んで配置されており、それにより、回転可能なキャリアと非同心円状で、それに対して少なくとも部分的に外向きに延びる、支持体の少なくとも1つのアレイを形成する。
【0026】
本明細書で上述された好ましい実施形態の少なくともいくつかは、動作中の最大回転速度、特にプレートが構成され得る材料の選択、及びそのスケーラビリティに関して、なおさらに改善されたセパレータをもたらす。
【0027】
本発明の前述の目的はさらに、本明細書に開示されている本発明に係るプレート式回転セパレータの使用を備える、流体から1つ以上の成分を分離する方法によって達成される。
【0028】
加えて、前述の目的は、プレート式回転セパレータに取り付け可能なプレートアセンブリによって達成され、プレートアセンブリは、取り付けられるときに、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びるように構成された複数のプレートを備えており、複数のプレートのそれぞれは、プレートの表面に対して横断する方向に延びており、キャリアの軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの支持体がキャリアの回転中に複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、本発明は、図面を参照しながら説明される。
【
図1】本発明の概略的な態様に係るプレート式回転セパレータの切断図を図示している。
【
図2】
図1のセパレータを上から見た断面図を図示している。
【
図3】
図2のセパレータの簡略化された実施形態を上から見た断面図を図示しており、セパレータの動作中における内部の力の少なくともいくつかが示されている。
【
図4】本発明に係るプレート式回転セパレータのプレートの好ましい実施形態を上から見た断面図を図示している。
【
図5】
図4に示されるようなセパレータの拡大図を図示している。
【
図6】
図5の実施形態を図示しており、さらに、セパレータの作動中における内部の力の少なくともいくつかが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、本発明の概略的な態様に係るプレート式回転セパレータ100が図示されている。プレート式回転セパレータ100は、以後セパレータ100と称されており、セパレータ100の内部を集合的に画定する、側壁130、トップカバー132、及びボトムカバー134を有するハウジングを備える。
【0031】
プレート式回転セパレータ100はさらに、回転セパレータ100の内部において中心に配置されるキャリア110を有する。キャリア110は、内部セパレータ100内でボトムカバー134からトップカバー132に向かって延びており、垂直方向に延びるその軸の軸線周りに回転可能となるように構成されている。
【0032】
複数のプレート120は、キャリア110の外周の周りに配列されており、プレート120のそれぞれの1つは、好ましくは、キャリア110の外周の周りに等距離に配置される。プレート120のそれぞれの1つは、キャリア110に対して半径方向外向きに延びており、それによりそれぞれのプレートは、側壁130の内表面に隣り合う又は当接している。図に示されるように、複数のプレート120のそれぞれはさらに、キャリア110の高さの実質的な部分に沿って垂直方向に延びており、該方向は、キャリア110の軸方向と一致している。
【0033】
セパレータ100の動作中、キャリア110とそれに接続される複数のプレートとは、回転方向に回転するように作動する。キャリア110を回転させるために、燃焼エンジン又は電気モータ等の(図示しない)駆動装置が存在してもよい。
【0034】
分離される1つ以上の成分を有する流体、特に液体は、セパレータ100の内部に供給され、複数のプレート120のそれぞれの間の中間スペースに供給される。流体入口は、この目的のために、セパレータ100の内部の上部又はその付近、例えばトップカバー132に設けられ得る。
【0035】
キャリア110と複数のプレート120とが回転する結果として、セパレータ100の内部に供給された流体は、円運動がもたらされ、したがって、流体とこの流体に浮遊する成分の任意の粒子との両方に作用する遠心力を受ける。成分の特定物は、それらが分離される流体より高い密度を有するので、前記特定物は、この遠心力の影響下で、キャリア110の軸の軸線に対して半径方向外向きに力を受ける。成分の特定物の密度よりも低い密度を有する流体は、遠心力によって作用されにくく、その結果、より実質的に下向きの方向に流れ、したがって、流体から少なくとも1つの成分の分離をもたらす。
【0036】
分離出口(図示せず)は、流体及びそこから分離された少なくとも1つの成分のそれぞれのために設けられてもよく、流体及び成分は、当該分離出口を通ってセパレータ100の内部から流出され得る。
【0037】
図1の実施形態において、複数のプレート120のそれぞれの1つは、湾曲した形状を有する。湾曲プレートの使用は、特に複数のプレート120の半径方向外側でセパレータ100の内部に進入する成分の特定物にとって、平坦なプレートと比較して改善された分離効率をもたらすため、有利であることが判明されている。しかし、本発明は、湾曲したプレートに限定されない。本発明の利点は同様に、平坦な形状、又は図示された実施形態から逸脱した他の形状、を有するプレートでも達成され得る。
【0038】
ハウジングの側壁130は好ましくは、セパレータ100の残余に着脱可能に接続されており、セパレータ100が洗浄されて複数のプレート120のそれぞれの間の中間空間における残留物の任意の蓄積を除去する場合に有利である。洗浄作業中、側壁130は、除去される。この除去は、キャリア110に対して側壁130を半径方向外向きに移動させて、プレート120と側壁130との間に半径方向のオフセットを作り出す、ステップを含み得る。引き続き、複数のプレート120を有するキャリア110は、作動して回転する。そこから生じる遠心力により、プレート120のそれぞれの間の中間空間内に存在する任意の残留物は、外向きに推進され、それによりセパレータ100から除去される。さらに、プレート120に作用する遠心力により、プレート120が伸び、したがって当初湾曲していた形状は、より直線となり得る。これはまた、隣り合うプレート120間の周方向距離の増加を生じさせ、プレート120のそれぞれの間の中間スペース内から任意の残留物が除去されることがさらに容易となる。複数のプレート120から排出された残留物を捕らえるために、この洗浄作業中、セパレータ100の周りにスプラッシュスクリーン(図示せず)が配置されてもよい。
【0039】
図2は、
図1に示されるセパレータ100の複数のプレート120の特に一部を上から見た断面図である。この図から明確に認められ得るように、複数のプレート120の中のそれぞれの個々のプレート121は、キャリア110から延びて側壁130の内表面に当接している。
【0040】
それぞれのプレート121は、カプラ115によってキャリア110に接続され得る。それぞれのカプラ115は、複数のプレート120の中のそれぞれのプレート121のために設けられてもよい。代替的に、2つのプレート121は、単一の共通のカプラ155によってキャリア110に接続されてもよい。これらの実施形態において、これら2つのプレート121は、前記カプラ155の対向する面に配置され得る。カプラ115は、複数のプレート120のそれぞれをキャリア110に対して枢動する方法で接続するためのピボットを有し得る。セパレータ100のそのような実施形態は、セパレータ100が上述のように洗浄される場合に特に有利である。側壁130の除去後、複数のプレート120のそれぞれは、外向きに枢動し、それにより隣のプレート121間の中間空間が増加し、本明細書において上述されたように、セパレータ100の洗浄プロセス中、これら中間空間から任意の破片又は残留物が移動して除去されることがより容易となる。
【0041】
それぞれのプレート121のそれぞれの凹表面には、複数の支持体122が設けられている。複数の支持体122のそれぞれは、前記表面から横断する方向に延び、キャリア110の軸の軸線に対する周方向に延びる突出部122として具現化される。複数のプレート120のそれぞれがキャリア110の周りに配置される場合、それぞれの支持体122は、隣り合う(隣の)プレート121に当接する。このように、それぞれのプレート121上の支持体122は、セパレータ100の動作中において周方向の支持を提供する。特に、支持体122は、プレート121の湾曲又は屈曲を防止することによって、その長さの実質的な部分にわたって、2つの連続するプレート121間の中間距離を維持する。
【0042】
その結果、
図2の実施形態のセパレータ100は、先行技術のセパレータより高い回転速度で動作し得、先行技術のセパレータより大きいスケールで構成され得、又は既知のセパレータより軽量及び/又は処理が容易である材料を用いて構成され得る。特にプレート121が構成され得る例示的な材料には、ポリマ、ガラス繊維、及び炭素繊維材料が含まれる。
【0043】
それぞれのプレート121の遠位端には、補強材127が、支持体122が設けられているぞれぞれのプレート121の表面と反対の表面に設けられている。補強材127は、特にそれらが配置される側のそれぞれのプレート121の前述の遠位端において、それぞれのプレート121の堅固性及び/又は剛性の全体的な増加に寄与し、補強リブで構成され得る。
【0044】
図2において、プレート121のそれぞれは、そのサイズ、曲率、それぞれの表面上の支持体122の配置及び数に関して、互いに同一であり得る。したがって、支持体122は、集合的に支持体122の同心円状のアレイを形成し、支持体122は、複数のプレート120の周方向において並んで配置されている。
図2において、7つのそのような同心円状のアレイが見えており、その中の1つは、破線の囲みによって示され、参照符号129で示されている。支持体の同心円状のそれぞれのアレイは、遠心作用の結果としてプレートに作用する力が伝達及び吸収される「力の通り道」と考えられ得る。そこから生じるこれらの力とトルクとは、
図3を参照してさらに説明される。
【0045】
図3は、それぞれのプレート121a、121b、121cに単一の支持体122a、122bのみが設けられているという点で、
図2の構成に対して簡略化された複数のプレート120の構成を示しており、さらなる支持体122は、例示の目的のために省略されている。したがって、
図3の複数のプレート120は、単一の同心円状の支持体122のアレイを有するのみである。
【0046】
ここで、それぞれのプレート121に設けられた支持体122の数に関する
図1及び
図2の構成は、本質的に単なる例示であることが強調される。任意の数の支持体122は、キャリア110に対してそれぞれの半径方向の距離でそれぞれのプレート121上に設けられ得る。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、セパレータ100の他の設計パラメータを考慮して、それぞれのプレート121に設けられる支持体122の数を選択し得る。
【0047】
図3はさらに、複数のプレート120のうちの第1プレート121aのそれぞれの支持体122aに作用する遠心力F
cを図示している。この遠心力F
cは、セパレータ100の動作中におけるキャリア110及び複数のプレート120の回転運動から生じ、第1プレート121aに機械的ストレスを引き起こす。
【0048】
図3のベクトル矢印で示されるように、この遠心力F
cは接線力成分F
Tと垂直力成分F
Pとに分解され得る。垂直力成分F
Pは、接線力成分F
Tに対して実質的に垂直に向けられており、さらに、支持体122bが配置される位置上のプレート121aの表面に垂直に向けられている。
【0049】
図2を参照して既に上述されたように、
図3において、第1プレート121aは、第1プレート122aと第2プレート122bとの間の中間空間を維持するために、隣の第2プレート121bのそれぞれの支持体122bに支持されている。さらに
図3から認められるように、支持体122aの中心線は、第1プレート121a及び第2プレート121bの表面に対して垂直な方向に見たとき、第2プレート121bの支持体122bの中心線から距離Lだけオフセットされている。このように、第1プレート121aの支持体122aに作用する分解された垂直力成分F
Pは、隣り合うプレート121bの支持体122bである支点に対して距離Lで適用される。その結果、第1プレート121aにτ=L×F
pとして定義されるトルクが発生し、この第1プレート121aに機械的ストレスを引き起こす。
【0050】
距離Lは、垂直力成分FPが適用される作用線である。
【0051】
同様に、複数のプレート120の中の第2プレート121bの支持体122bは、遠心力によって作用され、同様に接線力成分FTと垂直力成分FPとに分解され得る。第2プレート121bは、隣の第3プレート121cのさらなる支持体122cによって支持されており、支持体122cは、第2プレート121bの支持体122bに作用する遠心力の垂直力成分FPに対して支点としてさらに作用する。このように、第2プレート121bに作用するさらなるトルクが存在し、該トルクは、第1プレート121aの負荷により増大し、同様にこの第2プレート121bに機械的ストレスを引き起こす。同様のことが、複数のプレート120のそれぞれに適用される。
【0052】
図1及び
図2の実施形態において同心円状に配置された支持体122は、発生する力のかなりの量を吸収し、複数のプレート120のそれぞれの間の中間距離を概して維持するが、ここで上述された発生トルクは、特定の条件下において問題となる。これらの発生トルクは、セパレータ100の回転速度が上がると増加するため、セパレータ100が比較的高い回転速度で動作する場合、プレート121の損傷が潜在的に生じ得る。同様に、それぞれのプレート121がより軽く、より柔軟な材料で構成されている場合、又はプレート121を含むセパレータ100が増加された物理的寸法で構成されている場合、これらの発生トルクによって、プレート121の1つ以上の(永久的な)変形が生じ得る。
【0053】
図2及び
図3の実施形態に係るセパレータ100のこの制約を考慮して、セパレータ100のより好ましい実施形態は、非同心円状であるという点で、
図2及び
図3に図示されているものとは異なる支持体122の配置を有する。
図4、
図5及び
図6は、これを実現する複数のプレート121及び支持体122の例示的な構成を図示している。
【0054】
図4は、説明のために図面から省略されているさらなるプレートの中の、第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とを図示している。第1タイプのプレート123は、その凹表面に1つ以上の支持体124を有しており、第2タイプのプレート125は、その凹表面に1つ以上の支持体126を有する。第1タイプのプレート123の少なくとも1つの支持体124のそれぞれは、第2タイプのプレート125の対応する支持体126と関連付けられ得る。
【0055】
第2タイプのプレート125と第1タイプのプレートのプレート123とは、それらのサイズ、前記プレート123、125が湾曲している実施形態におけるそれらの曲率、及びそれらが構成される材料に関して、互いに実質的に同一であり得る。
図4において、第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とは、少なくともそれぞれの支持体124、126の配置に関して互いに異なっている。
【0056】
図4から認められるように、第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とはそれぞれ、それぞれの表面に7つの支持体124、126を有する。キャリア110に最も近い第1タイプのプレート123の支持体124の第1の1つと、キャリア110に最も近い第2タイプのプレート125の支持体126の第1の1つとは、キャリア100の軸の軸線に対する周方向の少なくとも一部において並んでおおよそ一列になるように配置されており、したがって、互いに関連付けられていると考えられ得る。第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125のそれぞれの第2から第7の支持体124、126のそれぞれのペアについても同様である。
【0057】
第1タイプのプレート123は、キャリア110に対して第1半径距離に配置された少なくとも1つの支持体124(例えば、キャリア100に対して最も近い前述の第1支持体124)を有しており、一方で、第2タイプのプレート125は、キャリア110に対して前記第1半径距離と異なる第2半径距離に配置されており、関連付けられる、少なくとも1つの支持体126(例えば、キャリア100に最も近い前述の第1支持体126)を有する。第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125のそれぞれの連続する第2から第7の関連付けられる支持体124、126も同様に、キャリア110に対するそれらの半径距離に関して互いに異なる。
【0058】
第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とは、プレートペアを構成しているとみなされ得る。第1タイプ123と第2タイプのプレート125との両方はさらに、好ましくは枢動可能な共通のカプラ115を介して接続され得る。
【0059】
図5において、複数のプレート120の中の、さらなる第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とが図示されている。第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125とは、回転可能なキャリア110の外周の周りに交互に配置されている。
【0060】
図5から認められるように、第1タイプのプレート123の関連付けられるそれぞれの支持体124と第2タイプのプレート125の支持体126とは、
図2及び
図3の実施形態と同様に、アレイ状の形態で並んで配置されている。
図5において、連続する支持体124、126のこれらアレイ状の形態のうち2つの図示された部分が破線の囲みで示されている。しかし、第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125のそれぞれが、キャリア110に対する半径距離に関して互いに異なる関連付けられた支持体124、126を有するため、支持体124、126のこれらのアレイ状の形態は、キャリア110(の軸の軸線)と非同心円状である。特に、支持体124、126の少なくとも1つのアレイは、キャリア110の軸の軸線と非同心円状であり、外向きに延びる、螺旋状の形状を有する。支持体124、126のそのような配置の利点は、
図6を参照して以下でさらに詳しく説明される。
【0061】
図5において、第1タイプ124のプレートの支持体123は、キャリア110の(軸の軸線)周りに集合的に同心円状に配置されている。同様に、第2タイプのプレート125の支持体126は、キャリア110の(軸の軸線)周りに集合的に同心円状に配置されている。第1タイプのプレート123の支持体124の同心円状の配置は、第2タイプのプレート125の支持体126の同心円状の配置によって構成される半径とは異なる半径を有する。第1タイプの第1プレート123と第2タイプのプレート125とがキャリア110の周りに交互に配置されているため、支持体124及び支持体126の同心円状の配置の半径におけるこの違いは、
図5に図示されている連続する支持体124、126の、非同心円状でアレイ状の配置をもたらす。
【0062】
図6は、
図5の複数のプレート120の構成を示しており、複数のプレート120は、キャリア110の周りに交互に配置された、第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125を有する。
【0063】
図6においてベクトル矢印で示されるように、セパレータ100の動作中、第1タイプのプレート123によって構成される所定の支持体124aには、遠心力F
Cが作用する。
図3に図示されているのと同様に、この遠心力F
Cは、接線力成分F
Tと垂直力成分F
Pとに分解され得る。垂直力成分F
Pは、接線力成分F
Tに対して実質的に垂直に向けられており、さらに、突起124aが配置される第1タイプのプレート123の表面の位置に対して垂直に向けられている。
【0064】
第1タイプのプレート123は、隣り合う第2タイプのプレート125の支持体126bによって支持されており、第2タイプのプレート125の支持体126bは、第1タイプのプレート123の前述の支持体124aと関連付けられている。第2タイプのプレート125の支持体126bは、垂直力成分FPの支点として作用する。
【0065】
さらに
図6から認められるように、第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125の複数の支持体124a、126bの非同心円状の配置により、支持体124a、126bのそれぞれの中心線間の距離L’は、連続する支持体122の同心円状の配置を有する
図3及び
図4の実施形態の距離Lに対して減少している。その結果、支持体126bを支点とした作用線としての距離L’を有する垂直力成分F
Pによる発生トルクも同様に、
図3に図示された構成に対して減少する。その結果、この発生トルクの結果として第1タイプのプレート123に作用する機械的ストレスも同様に、軽減される。
【0066】
さらなるプレート123、125の連続する支持体124a、126bも同様に、それぞれが連続する隣のプレート123、125のそれぞれの支持体124a、126bであるそれぞれの支点に対するそれぞれの作用線(
図6には示されていない)が同様に減少することより、
図3に図示された状況に対して減少させられるトルクを経験する。
【0067】
図3を
図6と比較すると、
図3における遠心力F
Cは、支持体122b、122cを有する支持体の同心円状のアレイが延びる円周方向と実質的に異なる方向を有する一方で、
図6では、支持体124aに作用する遠心力F
Cの方向は、支持体124a、126bを有する支持体の非同心円状アレイが延びる非円周方向にかなり大きく対応する、又はそれと重複していることがさらに認められ得る。キャリア110の軸の軸線に対して螺旋状の形状を有しており、さらにキャリア110(の軸の軸線)に対して外向きに延びている、
図6の連続する支持体124a、126bの非同心円状の配置はしたがって、連続する支持体124a、126の非同心円状アレイ配列がキャリア110(の軸の軸線)に対して実質的に外向きに向けられるような遠心力F
cをより効率的に分散し、吸収する。
【0068】
図4~
図6に係る本発明の実施形態が、
図2及び
図3に係る実施形態に対して、セパレータ100の動作中に発生する力又はトルクに耐える特性に関してさらに改善されているのは、上記の理由である。
図4~
図6の実施形態に係るセパレータ100のこのさらなる改善された特性は、セパレータ100をより高い回転速度で動作させることを可能にし、その結果、成分が分離される流体に浮遊する前記成分の任意の特定物に作用する遠心力がより高くなり、それにより分離効率がさらに向上する。
【0069】
さらに、動作中に発生する力に耐えるセパレータ100の特性がさらに改善されたことで、(ステンレス)鋼等の一般的に適用される材料以外の代替材料を使用してセパレータ100を構成することが可能となる。特に、ポリマ、又は、炭素繊維又はガラス繊維を有する材料等、一般的に大きな柔軟性及び/又は脆性の程度を示す、より軽い材料は、セパレータ100の回転速度が速くても、破損の危険なく使用され得る。
【0070】
最後に、動作中に発生する力に耐えるセパレータ100の特性がさらに改善されたことで、物理的寸法を増加させたより大きいスケールでセパレータ100を構成することが可能となる。そのような大きいスケールでは、特にプレート120は、その増加したサイズにより剛性が相対的に低下するため、セパレータ100の動作中により曲げ及び/又は変形する傾向にある。本発明の概略的原則に係る支持体122の配置により、セパレータ100の動作中に発生する力及びトルクがより良好に吸収及び/又は減少されるので、動作中のプレート120の任意の曲げは、少なくとも減少され、又は完全に防止されることさえある。
【0071】
本明細書に開示された実施形態の何れか1つに係るセパレータ100は、流体から1つ以上の成分を分離する方法に使用され得る。
【0072】
これまで本発明は、セパレータの文脈において開示されてきたが、本開示は、これに限定されるものではない。さらに、本明細書で上述された実施形態の何れか1つに係る複数のプレートを有するプレートアセンブリが提供される。そのようなプレートアセンブリは、既存の(先行技術の)セパレータにおいて取り付けられ得、改造されることにより、本明細書で上述された本発明の様々な利点を達成する。
【0073】
当業者が、少なくとも添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の基本原理から逸脱することなく、本明細書に開示されている本発明の実施形態に変更を加え得ることは、ここで強調される。例えば、図示されている実施形態は、湾曲したプレートを有しているが、直線(平坦)のプレートが代替的に使用されてもよい。同様に、プレートはさらに、キャリアの軸の軸線の方向と平行な長さの方向において湾曲を示し、それにより螺旋状の形状を示してもよい。当業者がなし得るさらなる変更の例は、それぞれのプレートの支持体を、図に図示された実施形態のような凹表面に反して、凸表面に配置することである。
【0074】
さらに、本明細書で上述された第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125に加えて、他のタイプのプレートが当業者によって選択されてもよい。
図4~
図6を参照して説明されたように、これらの図に係るセパレータ100の実施形態で得られる利点は、外向きに延びる非同心円状の配置を形成するように配置された、連続するプレートのそれぞれの支持体のさらなる改善された配置をもたらす。第1タイプのプレート123と第2タイプのプレート125である、少なくともそれぞれの支持体の配置に関して互いに異なる少なくとも2種類のプレートが、連続する支持体のこの有利な配置を確立するために必要であることが分かった。それにもかかわらず、同様に有利な連続する支持体の非同心円状の配置は、少なくともその表面上の支持体の配置に関して前述された第1タイプのプレート123及び第2タイプのプレート125とは異なる第3タイプの仮想的なプレート(図示せず)を利用することによって、実現され得ることが予想される。
【0075】
したがって、本明細書に開示された実施形態は、何れも限定的なものと解釈されるべきではない。代わりに、求められる保護の範囲は、添付の特許請求の範囲に定義された特徴、及び少なくとも特定の司法権においてはその等価物、のみによって定義される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の軸線周りに回転可能なキャリアと、
前記キャリアの前記軸の軸線の軸方向、及び前記軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びる、複数のプレートと
を備えるプレート式回転セパレータであって、
前記複数のプレートのそれぞれは、前記プレートの表面に対して横断する方向に延びており、前記キャリアの前記軸の軸線に対する周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの前記支持体が前記キャリアの回転中に前記複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供
し、
前記複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、
前記第1タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第1半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第2半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、前記第1半径距離と異なる、セパレータ。
【請求項2】
前記第1タイプの前記プレートと前記第2タイプの前記プレートとは、前記回転可能なキャリアの外周の周りに交互に配置されている、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記複数のプレートは、複数のプレートペアを有しており、それぞれのプレートペアは、1つの前記第1タイプのプレートと1つの前記第2タイプのプレートとを有する、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項4】
それぞれのプレートペアのうち、前記第1タイプの前記プレートと前記第2タイプの前記プレートとは、共通のカプラを介して前記回転可能なキャリアに接続されている、
請求項
3に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体は、前記キャリアの
前記軸の軸線の周りに同心円状に配置されている、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項6】
前記第2タイプの前記プレートの前記支持体は、前記キャリアの
前記軸の軸線の周りに同心円状に配置されている、
請求項
5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体の前記同心円状の配置は、前記第2タイプの前記プレートの前記支持体の前記同心円状の配置によって構成される半径と異なる半径を有する、
請求項
6に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記第1タイプの前記プレートの前記少なくとも1つの支持体と前記第2タイプの前記プレートの前記少なくとも1つの支持体とは、前記キャリアの前記軸の軸線に対する前記周方向の少なくとも一部において並んでおおよそ一列になるように配置されている、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記第1タイプの前記プレートの前記支持体と前記第2タイプの前記プレートの前記支持体とは、前記回転可能なキャリアと非同心円状の、支持体の少なくとも1つのアレイを形成するように、並んで配置されている、
請求項
8に記載のセパレータ。
【請求項10】
前記少なくとも1つ
の支持体のアレイは、
前記回転可能なキャリアに対して少なくとも部分的に外向きに延びている、又は前記キャリアの前記軸の軸線と非同心円状の螺旋状の形状を有する、
請求項
8に記載のセパレータ。
【請求項11】
前記プレートは、湾曲している、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項12】
それぞれの少なくとも1つの支持体が配置されるそれぞれのプレートの前記表面は、凹表面である、
請求項
11に記載のセパレータ。
【請求項13】
前記プレート
のうち少なくとも1つは、ポリマ、炭素繊維、及びガラス繊維を含む群からの材料を有
しており、
前記プレートは、前記プレートが前記キャリアに対して枢動することが可能となるように、前記キャリアに枢動可能に接続されている、
請求項
1に記載のセパレータ。
【請求項14】
請求項1~
13の何れか1つに記載のプレート式回転セパレータの使用を備える、流体から1つ以上の成分を分離する方法。
【請求項15】
プレート式回転セパレータに取り付け可能なプレートアセンブリであって、前記プレートアセンブリは、
前記プレート式回転セパレータに取り付けられるときに、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び前記軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びるように構成された複数のプレートを備えており、
前記複数のプレートのそれぞれは、前記プレートの表面に対して横断する方向に延びており、前記キャリアの前記軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの前記支持体が前記キャリアの回転中に前記複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供
し、
前記複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、
前記第1タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第1半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2タイプの前記プレートのそれぞれは、前記キャリアに対して第2半径距離で配置される少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、前記第1半径距離と異なる、プレートアセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本明細書で参照されているUS660360Aには、上述された欠点を示す「遠心式液体セパレータ」が開示されている。文献US661943A、EP2014346A1、DE178650Cは、本発明と少なくとも何らかの関連性を有し得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
この目的は、軸の軸線周りに回転可能なキャリアと、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びる、複数のプレートとを備える、プレート式回転セパレータによって達成され、複数のプレートのそれぞれは、プレートの表面に対して横断する方向に延びており、キャリアの軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの支持体がキャリアの回転中に複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する。複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、第1タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第1半径距離に配置された少なくとも1つの支持体を有しており、第2タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第2半径距離に配置された少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、第1半径距離と異なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
加えて、前述の目的は、プレート式回転セパレータに取り付け可能なプレートアセンブリによって達成され、プレートアセンブリは、プレート式回転セパレータに取り付けられるときに、キャリアの軸の軸線の軸方向、及び軸の軸線に対して半径方向外向きの方向に延びるように構成された複数のプレートを備えており、複数のプレートのそれぞれは、プレートの表面に対して横断する方向に延びており、キャリアの軸の軸線に対して周方向に延びる、少なくとも1つの支持体を有しており、それにより、前記プレートの支持体がキャリアの回転中に複数のプレートのうち隣り合うプレートに支持されるとき、前記プレートに周方向の支持を提供する。複数のプレートは、少なくとも第1タイプのプレートと第2タイプのプレートとを有しており、第1タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第1半径距離に配置された少なくとも1つの支持体を有しており、第2タイプのプレートのそれぞれは、キャリアに対して第2半径距離に配置された少なくとも1つの支持体を有しており、前記第2半径距離は、第1半径距離と異なる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
以下、本発明は、図面を参照しながら説明される。
【
図1】本発明の
技術的背景に関する概略的な態様に係るプレート式回転セパレータの切断面図を描いている。
【
図2】
図1のセパレータを上から見た断面図を描いている。
【
図3】
図2のセパレータの簡略化された実施形態を上から見た断面図を描いており、セパレータの作動中における内部の力の少なくともいくつかが示されている。
【
図4】本発明に係るプレート式回転セパレータのプレートの好ましい実施形態を上から見た断面図を描いている。
【
図5】
図4に示されるようなセパレータの拡大図を描いている。
【
図6】
図5の実施形態を描いており、さらに、セパレータの作動中の内部の力の少なくともいくつかが示されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
図1を参照すると、本発明の
技術的背景に係るプレート式回転セパレータ100が描かれている。プレート式回転セパレータ100は、以後セパレータ100と称されており、セパレータ100の内部を集合的に画定する、側壁130、トップカバー132、及びボトムカバー134を有するハウジングを備える。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図2及び
図3の実施形態に係るセパレータ100のこの制約を考慮して、
本発明に係るセパレータ100
の実施形態は、非同心円状であるという点で、
図2及び
図3に描かれているものとは異なる支持体122の配置を有する。
図4、
図5及び
図6は、これを実現する複数のプレート121及び支持体122の例示的な構成を描いている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
図5において、第1タイプ12
3のプレートの支持体12
4は、キャリア110の(軸の軸線)周りに集合的に同心円状に配置されている。同様に、第2タイプのプレート125の支持体126は、キャリア110の(軸の軸線)周りに集合的に同心円状に配置されている。第1タイプのプレート123の支持体124の同心円状の配置は、第2タイプのプレート125の支持体126の同心円状の配置によって構成される半径とは異なる半径を有する。第1タイプの第1プレート123と第2タイプのプレート125とがキャリア110の周りに交互に配置されているため、支持体124及び支持体126の同心円状の配置の半径におけるこの違いは、
図5に図示されている連続する支持体124、126の、非同心円状でアレイ状の配置をもたらす。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】