(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】薄膜半導体スイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
H01L29/78 616V
H01L29/78 618B
H01L29/78 626A
H01L29/78 622
H01L29/78 616T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024502119
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 IB2022056349
(87)【国際公開番号】W WO2023285936
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524017191
【氏名又は名称】ズィナイト コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zinite Corporation
【住所又は居所原語表記】1055 West Hastings Street, Suite 1700, Vancouver, British Columbia V6E 2E9, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ダブリュー. バーレイジ
(72)【発明者】
【氏名】リン ジェム シュート
(72)【発明者】
【氏名】ケネス シー. キャディエン
(72)【発明者】
【氏名】アレックス マンリック マ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ウィルソン ミルバーン
【テーマコード(参考)】
5F110
【Fターム(参考)】
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5F110QQ19
(57)【要約】
新規な半導体デバイスを教示する。新規なデバイスは、ソースとドレインとの間にチャネルを形成するn型半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)を含む。TFTはさらに、デバイスの少なくともソースコンタクトに隣接するソース-チャネル界面部材を含み、これにより、TFTの動作の空乏層制御が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタであって、
基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記絶縁層上に形成されており、前記ソースから離間されているドレインと、
前記絶縁層上に形成されており、前記ソースとゲートとの間に延在するn型半導体材料と、
少なくとも前記ソースを前記半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
正の電圧が印加されたときに電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができるように、前記誘電体層の上方に形成されたゲートと
を含む、薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記n型半導体材料は金属酸化物である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物およびスズ酸化物のうちの一方である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記絶縁層は前記基板である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記ソース-チャネル界面部材は前記絶縁層である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記ソース-チャネル界面部材は、前記ソースおよび前記ドレインの双方を前記半導体材料に電気的に接続する、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項8記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項12】
前記半導体材料は原子層堆積によって形成されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記ソース-チャネル界面部材は原子層堆積によって形成されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記基板は可撓性ポリマーである、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記ソースは前記ドレインから垂直方向に離間されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、
前記ソースおよび前記ドレインの一方が前記絶縁層上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ソースおよび前記ドレインの一方上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ソースおよび前記ドレインの一方から上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記ソース-チャネル界面部材が、前記中空部の内面上および該中空部内のドレイン部分上に層を形成しており、
前記n型半導体材料が前記ソース-チャネル界面部材の層上に層を形成しており、
前記ゲート誘電体層が前記n型半導体上に層を形成しており、
ゲート誘電体層上と前記ソースおよび前記ドレインの他方上とに形成されたゲートが、前記ソース-チャネル界面部材と電気的にコンタクト接続された状態で、前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項17】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、前記ソースが前記絶縁層上に形成されており、
前記ソース-チャネル界面部材が前記ソース上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ソース上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ソースから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記n型半導体材料が、前記ソース-チャネル界面部材の層上と前記中空部の内面とに層を形成しており、
前記ゲート誘電体層は、前記n型半導体上に層を形成しており、
前記ゲート誘電体層上および前記ドレイン上に形成されたゲートは、前記n型半導体材料と電気的にコンタクト接続された状態で前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項18】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、前記ドレインが前記絶縁層上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ドレイン上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記ドレインから上方へ向かって延在する垂直方向中空部を形成する前記第2の絶縁層が内面を有し、
前記n型半導体材料が、前記垂直方向中空部の内面上と前記ドレイン上とに層を形成しており、
前記ゲート誘電体層が前記n型半導体上に層を形成しており、
前記ソース-チャネル界面部材が前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するように、前記ゲート誘電体層上に形成された前記ゲート、前記ソースおよび前記ソース-チャネル界面部材が前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項19】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記ソース上に形成されており、内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記垂直方向ウェルの内面上と前記ソース上とに形成されたソース-チャネル界面部材と、
前記ソースが前記ソース-チャネル界面部材によって前記n型半導体材料に電気的に接続されるように前記ソース-チャネル界面部材上に形成されたn型半導体材料と、
前記n型半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
前記n型半導体材料と電気的にコンタクト接続された状態で前記絶縁層上に形成されたドレインと
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項20】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項21】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項22】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項23】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項24】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項19記載の薄膜トランジスタ。
【請求項25】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項19記載の薄膜トランジスタ。
【請求項26】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項19記載の薄膜トランジスタ。
【請求項27】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項19記載の薄膜トランジスタ。
【請求項28】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記ソース上に形成されたソース-チャネル界面部材と、
前記ソース-チャネル界面部材上に形成されており、前記ソース-チャネル界面部材から上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記ウェルの内面上と前記ソース-チャネル界面部材上とに形成されており、前記ソース-チャネル界面部材が前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するn型半導体材料と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
前記n型半導体材料に電気的にコンタクト接続された状態で前記第2の絶縁層上に形成されたドレインと
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへ流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項29】
前記n型半導体材料が、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項30】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項31】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項32】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項33】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項28記載の薄膜トランジスタ。
【請求項34】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項28記載の薄膜トランジスタ。
【請求項35】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項28記載の薄膜トランジスタ。
【請求項36】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項28記載の薄膜トランジスタ。
【請求項37】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたドレインと、
前記ドレイン上に形成されており、前記ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記ウェルの内面上および前記ドレイン上に形成されたn型半導体材料と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
ソースと、
前記第2の絶縁層上に形成されており、前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項38】
前記n型半導体材料が、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項39】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項40】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項41】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項42】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項37記載の薄膜トランジスタ。
【請求項43】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項37記載の薄膜トランジスタ。
【請求項44】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項37記載の薄膜トランジスタ。
【請求項45】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項37記載の薄膜トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2021年7月13日付にて出願された米国仮特許出願第63/221292号明細書の条約優先権の利益を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
本発明は半導体デバイスに関する。より詳細には、本発明は、トランジスタなどの薄膜半導体スイッチングデバイスに関する。
【0003】
発明の背景
薄膜トランジスタ(TFT)のような薄膜半導体スイッチングデバイスは、様々な用途において広く使用されている。
【0004】
TFTはおそらく薄膜半導体スイッチングデバイスの最も一般的な例であり、「ソース」、「ドレイン」および「ゲート」を備えた3端子の電界効果デバイスである。ゲートは、自身に印加された電圧に応じてソースからドレインへの電流の流れをイネーブルするためまたは阻止するために使用される制御端子である。
【0005】
TFTの電気的挙動は、通常は半導体である活性材料での支配的な電荷担体によって定まる。支配的な電荷担体は、電荷または電流の大部分を半導体を通して輸送する。典型的には、支配的な電荷担体がゲート絶縁体と半導体材料との界面に蓄積されて「チャネル」を形成し、この「チャネル」を通って電荷が半導体材料中を移動することができる。チャネルがソースからドレインへ向かう十分な伝導性を有するときTFTが「オン」状態にあるとされ、チャネルを通ってソースからドレインへと電流が流れる。
【0006】
様々な理由から、より小さなTFTを製造することにますます関心が持たれている。しかし、従来のTFTでは、より小さな寸法のTFT、例えばチャネルが形成可能となる半導体の長さが約1000nm未満であるTFT、特にチャネルの長さが200nm未満であるTFTへの十分なスケーリングは行われない。このような寸法以下ではTFTの制御が困難となり、公知のTFTは、小さな寸法で形成される場合、0V以下で発生する閾値電圧(TFTが「オン」状態となって電流を導通するようにチャネルが形成されるゲート電圧点)を有し、これによりTFTがノーマリ「オン」状態となる。こうした低い(多くの場合に負の)閾値電圧は、小さな寸法で製造された従来のTFTの出力抵抗および全体的なトランジスタ性能を低下させるおそれがあり、またこうしたTFTは、多くの場合に、「オフ」状態を達成してリーク電流を低減するために、自身のゲートに負の電圧を印加する必要がある。
【0007】
1000nm未満の半導体長さもしくはチャネル長さで製造可能であって固有のエンハンスメント閾値電圧を有し、これによりノーマリ「オフ」状態にありかつより容易に制御される薄膜半導体デバイスを得ることが望まれている。理想的には、こうしたデバイスは、半導体作製ラインのバックエンド(“BEOL”)プロセスとしても作製可能であることが望ましい。
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を回避するもしくは軽減する新規な薄膜半導体スイッチングデバイスを提供することである。
【0009】
本発明の第1の態様により、薄膜トランジスタであって、基板と、基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたソースと、絶縁層上に形成されており、ソースから離間されているドレインと、絶縁層上に形成されており、ソースとゲートとの間に延在するn型半導体材料と、少なくともソースを半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と、半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、正の電圧が印加されたときに電流がソースからソース-チャネル界面部材および半導体材料に形成されたチャネルを通ってドレインに流れることができるように誘電体層の上方に形成されたゲートとを含む、薄膜トランジスタが提供される。
【0010】
好ましくは、n型半導体材料は金属酸化物である。より好ましくは、n型半導体材料は、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物またはこれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0011】
また好ましくは、ソース-チャネル界面部材は、ソースの触媒成長によって形成される酸化物である。また好ましくは、ソース-チャネル界面部材は、原子層堆積によって形成される。また、好ましくは、ソース-チャネル界面部材が触媒成長によって形成された酸化物である場合、好ましくは酸素がソース-チャネル界面へ移動し、ソース-チャネル界面部材を形成する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、垂直方向薄膜トランジスタであって、実質的に平坦な基板と、基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたソースと、ソース上に形成されており、内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、垂直方向ウェルの内面上とソース上とに形成されたソース-チャネル界面部材と、ソースがソース-チャネル界面部材によってn型半導体材料に電気的に接続されるようにソース-チャネル界面部材上に形成されたn型半導体材料と、n型半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、誘電体層の上方に形成されたゲートと、n型半導体材料と電気的にコンタクト接続された状態で絶縁層上に形成されたドレインとを含み、ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流がソースからソース-チャネル界面部材および半導体材料に形成されたチャネルを通ってドレインへと流れることができる、垂直方向薄膜トランジスタが提供される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、垂直方向薄膜トランジスタであって、実質的に平坦な基板と、基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたドレインと、ドレイン上に形成されており、ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、ウェルの内面上およびドレイン上に形成されたn型半導体材料と、半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、誘電体層の上方に形成されたゲートと、ソースと、第2の絶縁層上に形成されており、ソースをn型半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材とを含み、ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流がソースからソース-チャネル界面部材および半導体材料に形成されたチャネルを通ってドレインへと流れることができる、垂直方向薄膜トランジスタが提供される。
【0014】
本発明のさらに他の態様によれば、垂直方向薄膜トランジスタであって、実質的に平坦な基板と、基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたドレインと、ドレイン上に形成されており、ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、ウェルの内面上およびドレイン上に形成されたn型半導体材料と、半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、誘電体層の上方に形成されたゲートと、ソースと、第2の絶縁層上に形成されており、ソースをn型半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材とを含み、ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流がソースからソース-チャネル界面部材および半導体材料に形成されたチャネルを通ってドレインへと流れることができる、垂直方向薄膜トランジスタが提供される。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明から明らかとなる。なお、詳細な説明およびこれに含まれる特定の例は、本出願の時点での好ましい実施形態を示しているものの単に例として挙げられているにすぎないことを理解されたい。なぜならば、本発明の思想および範囲は特許請求の範囲によってのみ定義され、その内部における様々な変更および修正が当業者に明らかであるからである。
【0016】
本明細書に記載する本発明の様々な実施形態の良好な理解のために添付の図面を参照する。図面は、本明細書に記載する本発明の範囲の限定を意図するものではなく、本明細書の理解の明確性を改善するためのものであって、縮尺通りに描かれていない。各図には次のことが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2a】本発明の一実施形態によるTFTを
図2bのA-A線に沿って切断して示す断面図である。
【
図2c】本発明の別の実施形態によるTFTを示す断面図である。
【
図2d】本発明の別の実施形態によるTFTを示す断面図である。
【
図3a】
図2aのTFTの概略的なシンボルである。
【
図3b】順方向アクティブ状態で動作する、
図2aのTFTの一部を示す断面図である。
【
図3c】オフ状態で動作する、
図2aのTFTの一部を示す断面図である。
【
図3d】ゼロ電圧状態で動作する、
図2aのTFTの一部を示す断面図である。
【
図4a】
図2cのTFTの概略的なシンボルである。
【
図4b】順方向アクティブ状態で動作する、
図2cのTFTの一部を示す断面図である。
【
図4c】オフ状態で動作する、
図2cのTFTの一部を示す断面図である。
【
図4d】ゼロ電圧状態で動作する、
図2cのTFTの一部を示す断面図である。
【
図5a】
図2dのTFTの概略的なシンボルである。
【
図5b】順方向アクティブ状態で動作する、
図2dのTFTの一部を示す断面図である。
【
図5c】オフ状態で動作する、
図2dのTFTの一部を示す断面図である。
【
図5d】ゼロ電圧状態で動作する、
図2dのTFTの一部を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるTFTの作製方法を示すフローチャートである。
【
図7a】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7b】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7c】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7d】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7e】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7f】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7g】
図6の方法によるTFT作製の一段階を示す断面図である。
【
図7h】
図7aのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7i】
図7bのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7j】
図7cのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7k】
図7dのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7l】
図7eのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7m】
図7fのTFTの作製段階の上面図である。
【
図7n】
図7gのTFTの作製段階の上面図である。
【
図8a】本発明の一実施形態による、作製中のTFTを示す断面図である。
【
図8b】本発明の別の実施形態による、作製中のTFTを示す断面図である。
【
図9a】本発明の別の実施形態による垂直方向TFTを示す断面図である。
【
図9b】本発明の一実施形態による別の垂直方向TFTを示す断面図である。
【
図9c】本発明の一実施形態による別の垂直方向TFTを示す断面図である。
【
図9d】
図9bのものと類似しているが非対称的な実施形態として作製された垂直方向TFTを示す断面図である。
【
図10a】本発明の別の実施形態によるTFTの作製方法を示すフローチャートである。
【
図10b】本発明の別の実施形態によるTFTの作製方法を示すフローチャートである。
【
図12a】本発明の別の実施形態によるTFTを作製する方法を示すフローチャートである。
【
図12b】本発明の別の実施形態によるTFTを作製する方法を示すフローチャートである。
【0018】
本明細書に記載する例示的な実施形態のさらなる態様および特徴は、添付の図面と共に以下の説明から明らかとなるであろう。
【0019】
発明の詳細な説明
以下の説明では、同様のコンポーネントおよび同様の要素を同様の参照番号で示したところがある。さらに、当業者に理解されるように、大部分の半導体デバイスが一連のステップにおいて製造され、すなわち、所望の半導体デバイスを得るために、材料の実質的に平坦な層が形成され、これらの層の一部が続いて除去され、処理されかつ/または後続の層と置換される。したがって、本明細書において使用される場合、「水平方向」および「垂直方向」なる用語は、これらの層の平面に関して使用され、水平方向は層の平面に対してほぼ平行な方向を指し、垂直方向は層の平面に対してほぼ直交する方向を指す。同様に、「上へ」、「下へ」、「~の上に」、「~の下に」などの用語も、これらの平坦な層に関して使用される。
【0020】
さらに、本明細書に記載する半導体デバイスの層および/またはフィーチャの製造につき、本明細書ではこれらの層および/またはフィーチャを「形成する」と称するが、当業者には明らかであるように、「形成する」とは、ここでの製造に適しうるものであってかつ適用可能な全ての半導体製造技術、すなわち、以下に限定されるものではないが、堆積(化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着など)、スパッタリング、PECVD(プラズマエンハンスト化学蒸着)、注入およびアニーリング、酸化などを含むことが意図されている。
【0021】
本発明の実施形態を説明する前に、従来技術のTFTの例を、理解しやすくするために
図1a~
図1eに関して説明する。
【0022】
図1aには、全体として100aで示されている、従来技術のTFTの第1の例が示されている。TFT100aは、絶縁層118が上部に形成された基板120を有する。TFT100aはさらに、ゲート102、ソース106およびドレイン110を含む。
【0023】
ゲート102はゲート電極104およびゲートコンタクト103を含み、ソース106はソース電極107およびソースコンタクト108を含み、ドレイン110はドレイン電極111およびドレインコンタクト112を含む。当業者には明らかであるように、ソース電極107とソースコンタクト108とは、同じ材料または異なる材料から成っていてよい。特に、所望の仕事関数を提供するためにソースコンタクト108の材料を選択することができ、一方、他のデバイスなどへのソース電極107の接続を単純化するためにソース電極107の材料を選択することもできる。ゲート電極104およびゲートコンタクト103、ドレイン電極111およびドレインコンタクト112も同様に、所望に応じてそれぞれ同じ材料または異なる材料から形成することができる。
【0024】
TFT100aはまた、誘電体層114および半導体層116を含む。当業者に理解されるように、TFT100aは場合によりゲートチューニング層122を含むことができる。
【0025】
TFT100aの動作は、チャネルを形成することのできる活性材料としての半導体層116の使用に依拠している。半導体層116がアクティブ状態にある場合、ソースコンタクト108とドレインコンタクト112との間にチャネルが形成され、これらの間に電流が流れる。図示の実施形態ではn型半導体が示されている。
【0026】
n型半導体ベースのTFT(または「n型TFT」)、例えばTFT100aでは、ゲート102に印加される電圧(すなわちVg)がTFT100aの構造および材料によって定義される閾値電圧(すなわちVth)を上回ると、TFTはアクティブ状態(「オン」状態)となる。n型半導体を含むTFTでは、閾値電圧を上回る正のゲート電圧が印加されると、ソースからn型半導体へ負に帯電した電子が注入される。ソースとドレインとの間に電圧(すなわちVd)が印加されると、注入された電子が半導体内に形成されたチャネルを通ってソースからドレインへと移動し、これにより、電流すなわちソース-ドレイン電流(Ids)またはドレイン電流(Id)が生じる。
【0027】
TFT100aの関連する関心部分を詳細に示す
図1bには、蓄積層130が示されている。蓄積層130は、半導体層116を通るチャネルに沿って変化する電子濃度を示す勾配によって示されており、ここでは、より高い電子濃度(蓄積層130のより暗い色によって示されている)は、ドレインコンタクト111よりもソースコンタクト107の近くに存在する。
【0028】
(ゲート電圧と比較して)低いドレイン電圧が印加されると、チャネル内の電荷担体濃度はチャネルを横断して均一となる傾向があり、TFT100aが「オーミック」となると考えられる。高いドレイン電圧が印加されるとチャネルは「ピンチオフ」となり、
図1cに示されているように、ドレインコンタクト111に隣接する高度に絶縁された領域が電荷担体密度の低下を示す空乏層135を形成し始める。
【0029】
従来のTFTは、典型的には、電流の流れの2つのチャネルを有する。第1のチャネルはソースコンタクト107とドレインコンタクト111との間のオーミック接続を介して形成され、第2のチャネルはゲート誘電体層114と半導体層116との界面の蓄積層によって形成される。
【0030】
ゲートコンタクト103の下方で利用可能となるチャネルのために、TFT100aは、このチャネルを通る電流の流れに起因して、制限された「オフ」状態を有する。したがって、従来のTFTは、常に良好に「ピンチオフ」となるとは限らず、その後、「オフ」となることが意図されているにもかかわらず幾らかの電流が継続して流れてしまうという実質的なリークの問題を有しうる。
【0031】
また、従来のTFTは、ソースコンタクト107およびドレインコンタクト111が相互に接近しすぎると、出力抵抗の問題が生じることもある。例えば、上述したように、ソースコンタクト107とドレインコンタクト111との間隔が約1000nm未満、特に200nm未満である場合には、顕著なレベルのリークが発生する。したがって、従来のTFTは、ゼロバイアス下でも典型的には「オン」状態にある。多くのケースにおいてソースコンタクト107とドレインコンタクト111との間の電流の流れを制限してTFTを有効に「ターンオフ」するために、従来のTFTには負のゲート電圧を印加して、空乏層または空乏領域を生じさせなければならない。
【0032】
図1dには、ソースゲート型TFT100dが示されている。TFT100dは、TFT100dのソース106’がショットキー金属から成っていることおよびTFT100aのソース106およびドレイン110がオーミックコンタクトであることを除いては、TFT100aと同様である。また、幾つかのケースでは、TFT100dは、製造方法、半導体材料もしくはこれら双方の点でTFT100aとは異なっていてもよい。TFT100dは、ソース106’とドレイン110との間の導電性を高めるために、ソース106’とドレイン110との非対称性を利用することができる。
【0033】
図1eには、別のタイプのソースゲート型TFT100eが示されている。TFT100eは、TFT100eのソース106’およびドレイン110’の双方がショットキー金属から成っていることを除いては、TFT100aと同様である。TFT100dとは異なり、TFT100eは、ソースコンタクト106’とドレインコンタクト110’との対称性を利用している。
【0034】
しかし、TFT100dおよびTFT100eは双方とも、特により小さな寸法で作製された場合、TFT100aに関して上述したものと同様の課題に直面する。
【0035】
図2aには、本発明の一実施形態による、
図2bの線2A-2Aに沿って切断したTFT200aの断面図が示されている。図示されているように、TFT200aは、ゲート202、ソース206およびドレイン210を含む。ゲート202はゲート電極204およびゲートコンタクト203を含み、ソース206はソース電極208およびソースコンタクト207を含み、ドレイン210はドレイン電極212およびドレインコンタクト211を含む。上述した従来のTFT100aのケースと同様に、これらのフィーチャのそれぞれの電極およびコンタクトは、それぞれ同じ材料から形成することができ、または所望に応じて材料を別個に選択することができる。例えば、ソースコンタクト207は、その所望の仕事関数のために選択された材料から形成することができ、一方、ソース電極208は、回路の他の部品、例えばメタライゼーション層などへの接続により良好に適した材料から選択することができる。
【0036】
TFT200aはまた、誘電体層214および半導体層216を含む。TFT200aは、任意選択手段としてのゲートチューニング層222を有することができる。これらの層および全体としてのTFT200aは、基板220の上方に形成された絶縁層218上に形成されている。多くの環境においては、基板220は、半導体の製造において一般的に使用されているシリコンウェハであると想定されるが、本発明はこれに限定されず、基板220は、実際には、ガラス、セラミック、金属、可撓性ポリマーまたは他のプラスチックなどを含むがこれらに限定されない広範な材料であってよい。
【0037】
図示の実施形態では、半導体層216はn型半導体層である。n型半導体層216は、好ましくは300℃未満の温度で形成可能であるように選択された半導体材料である。半導体層216に適した材料の例として、以下に限定されるものではないが、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物などが挙げられる。
【0038】
従来技術のTFTとは異なり、TFT200aはさらにソース-チャネル界面部材250を含み、当該ソース-チャネル界面部材250は、ここでの実施形態ではソースコンタクト207から半導体層216下方のドレインコンタクト211まで延在するp型半導体材料の層である。ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207を半導体層216に電気的に接続しており、それ以外の箇所では、ソースコンタクト207は半導体層216から電気的に分離されている。さらに、ここでの例では、ソース-チャネル界面部材250は、半導体層216をドレインコンタクト211に電気的に接続している。
【0039】
ゲートコンタクト203は、導電性を有する任意の元素材料または材料化合物を含むことができる。ゲートコンタクト203に使用可能な材料の例には、チタン、チタン窒化物、クロム、ハフニウム、タンタル窒化物、または任意の他の単元素もしくはバイメタル元素またはバイメタル化合物が含まれる。ゲート電極204は、ゲートコンタクト203と同じ材料から、またはゲート電極204を他の部品に接続するための所望の特性を提供する他の材料から形成することができる。
【0040】
ソース206およびドレイン210は、導電性を有する任意の元素材料または材料化合物を含むことができる。特に、ソースコンタクト207およびドレインコンタクト211は、金属であってもよいし、または縮退した(高濃度ドープされた)半導体であってもよい。ソースコンタクト207および/またはドレインコンタクト211において使用可能な適切な材料の例には、ニッケル、タングステン、モリブデン、アルミニウム、金、銅、コバルト、ルテニウム、チタン窒化物、タンタル窒化物、ケイ素、および/または高い導電率を有する任意のIII-V族化合物半導体が含まれる。幾つかのケースでは、ドレインコンタクト211は、ソースコンタクト207と同じ材料から成る。他のケースでは、ドレインコンタクト211は、ソースコンタクト207において使用される材料よりも電子輸送に対するバリアを低減することのできる、より高い導電率を有する材料から成る。
【0041】
ソース-チャネル界面部材250は、相補的に過剰となった負電荷を貯蔵するために設けられており、少なくともソースコンタクト207に隣接する半導体層216の領域のチャネルを空乏化するように機能する。このように、ソース-チャネル界面部材250は電子輸送バリアとして機能し、これにより、TFT200aが「オフ」状態にある場合には半導体層216を通る電流は実質的に生じない。
【0042】
ソース-チャネル界面部材250の動作は、p型半導体、圧電誘導双極子、制御可能なトンネルバリア、これらの組み合わせまたは外部印加電界によって注入電流を変調するその他の機構を含む様々な構成において達成することができる。
【0043】
例えば、p型半導体として実現される場合、ソース-チャネル界面部材250は、ゲルマニウム元素から形成することができ、または半導体層216の関連部分においてp型ドーパントを使用することによって形成することができる。他のケースでは、ソース-チャネル界面部材250は、酸化物または硫化物、または周期律表の第VI(A)族に相当する他の元素、またはカルコゲン、例えば酸素、硫黄、セレン、テルルもしくはポロニウムから成るものとすることができる。
【0044】
ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207を形成する材料の触媒成長によって形成することもできる。このケースでは、酸素がソース-チャネル界面へと優先的に移動することができ、これにより、ソース-チャネル界面部材が生じる。他のケースでは、ソース-チャネル界面部材250は、p型ドーパント、例えばp型金属酸化物または他の半導体を堆積技術、例えば原子層堆積、スパッタリング物理蒸着または化学蒸着によって堆積させることにより、形成することができる。
【0045】
TFT200aの実施形態では、ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207からドレインコンタクト211まで延在する連続部材として形成されている。ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207と半導体層216との電気的接続のためにはソースコンタクト207に隣接して配置されるのみでよいが、TFT200aの作製に使用される製造プロセスに応じて、ソースコンタクト207とドレインコンタクト211との間に延在する層として、またはソースコンタクト207のみに隣接する層として、またはソースコンタクト207およびドレインコンタクト211のそれぞれに隣接する層として形成することもできる。
【0046】
TFT200aの「オン」状態中の電荷の枯渇を防止するために、半導体層216がソースコンタクト207およびドレインコンタクト211の近傍において高度にn型となるよう、組成制御によって半導体層216を形成することが所望されうる。他の実施形態では、半導体層216は、TFT200aの閾値電圧の調整を可能にできるよう、ソースコンタクト207、ドレインコンタクト211およびゲートコンタクト203の近傍において高度にn型となるように形成される。したがって、TFT200aの特性は、半導体層216におけるn型ドープの位置および程度に基づいて制御することができる。
【0047】
図2aに示されているように、誘電体層214は、ゲートコンタクト203を半導体層216から分離している。誘電体層214は、ゲートコンタクト203への電子流を阻止し、ソースコンタクト207と高い電子濃度を有するドレインコンタクト211との間に電子がチャネルを形成することを可能にする。誘電体層214は、例えばハフニウム酸化物(HfO
2)、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、二酸化ケイ素(SiO
2)、ケイ素窒化物(Si
3N
4)、または当業者に想到される他の任意の適切な材料のような材料から成るものであってよい。
【0048】
TFT200aは、任意選択手段としてのゲートチューニング層222を有することもできる。ゲートチューニング層222は、当業者には明らかであるように、所望に応じて、ゲートコンタクト203の有効バリア高さの調整および/または仕事関数の調整に使用される金属原子層でありうる。
【0049】
TFT200aでは、典型的にはゲート電極204、ソース電極208およびドレイン電極212のそれぞれが銅またはアルミニウムなどの高い導電率を有する金属から形成されており、これらの金属は、対応する電極を、TFT200aが形成されている集積回路の残りの部分の適切な素子に電気的に接続するために使用される。
【0050】
TFT200aはまた、基板220上に形成された絶縁層218を含む。基板220は、トランジスタおよび集積回路などの部品およびデバイスを構築するための基礎として機能し、絶縁層218は、ソースコンタクト207およびドレインコンタクト211から誘電分離された基板220である。絶縁層218の例には、二酸化ケイ素(SiO
2)、ケイ素窒化物(Si
3N
4)、アルミニウム酸化物(Al
2O
3)などの材料が含まれ、基板220の例には、シリコン、ガラス、プラスチック材料および/または可撓性ポリマー、プリント回路板などが含まれる。幾つかの環境、例えば
図2aに示されているケースでは、ソース-チャネル界面部材250はソースコンタクト207とドレインコンタクト211との間に延在しているが、基板220の材料に応じて、絶縁層218として機能することもでき、この場合、絶縁層218は、ソースコンタクト207およびドレインコンタクト211を形成する前に形成されることになる。
【0051】
上述したように、TFT200aは、従来技術のTFTと比較して改善された動作特性を有し、特に1000nm以下のチャネル長さ寸法で作製された場合に特に高い閾値電圧で動作することが意図されている。
【0052】
上述したように、ソース-チャネル界面部材250は、相補的に過剰となった負電荷の貯蔵部を形成するために用いられ、少なくともソースコンタクト207に隣接する半導体層216の領域においてチャネルを空乏化するように機能する。本発明の実施形態によって作製されたTFT、例えばTFT200aでは、ゲートコンタクト203からゲート誘電体層214、半導体層216およびソース-チャネル界面部材250を通ってのソースコンタクト207までの距離は、ゲートコンタクト203に印加される電圧によって誘導される電界が、ソース-チャネル界面部材250によって導入されて相補的に過剰となった負電荷の貯蔵部の阻止電位を低下させて、当該TFTすなわちTFT200aが「オン」状態となるように、選定される。このようなゲート電圧の印加がない場合、阻止電位によってTFTは「オフ」状態となる。
【0053】
TFT200aは、その様々な素子が厚さの範囲内に形成される状態で作製することができる。当業者には明らかであるように、主たる制限要因は、ゲートコンタクト203がソースコンタクト207に十分に電気的に近接している必要があることであり、これにより、ゲート202に印加される閾値電圧が、ソース-チャネル界面部材250によって誘導される半導体層216内への電子流に対するバリアを有効に低減することに用いられる。十分な電界が誘導されないことによって、TFT200aをターンオンする能力が低減される。このことは、典型的にはAda(η)係数と称される、MOSFETなどの周知の基準にきわめて類似している。
【0054】
TFT200aの第1の例では、半導体層216が約20nmの厚さ(約8の誘電定数)で形成されており、ソース-チャネル界面部材250が約2nmの厚さ(約10の誘電定数)で形成されており、誘電体層214が約10nmの厚さ(約24の誘電定数)で形成されている。
【0055】
TFT200aの別の例では、半導体層216が約5nmの厚さ(17の誘電定数)で形成されており、ソース-チャネル界面部材250が約0.5nmの厚さ(約10の誘電定数)で形成されており、誘電体層214が約5nmの厚さ(約24の誘電定数)で、形成されている。
【0056】
半導体層216、誘電体層214およびソース-チャネル界面部材250のそれぞれの垂直方向厚さの実際の選定は、ある程度、選択される材料の特性および使用される作製技術に依存して行われる。ただし、本明細書の開示を考慮すれば、ここではこうした選定のうち特定のものは当業者の能力の範囲内に十分に含まれる。
【0057】
図2cには、本発明の別の実施形態によるTFT200cの断面図が示されている。TFT200cでは、ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207とドレインコンタクト211との間に延在する連続した層ではなく、その代わりに、ソースコンタクト207およびドレインコンタクト211のそれぞれの箇所にのみ形成されている。TFT200cでは、ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207およびドレインコンタクト211を形成する金属の触媒成長によって形成することができる。幾つかのケースでは、ソース-チャネル界面部材250は、酸化物または硫化物、または周期律表の第VI(A)族に相当する他の元素、またはカルコゲンから成る。
【0058】
図2dには、本発明の別の実施形態による別のTFT200dの断面図が示されている。TFT200dでは、ソース-チャネル界面部材250は、ソースコンタクト207の箇所にのみ形成されており、ソースコンタクト207を形成している金属の触媒成長によって形成することができる。この場合、ドレインコンタクト211を形成する材料は、「貴である」ように、つまり酸化剤と直ちには相互作用しないように選択することができる。ソース-チャネル界面部材250は、酸化物または硫化物、または周期律表の第VI(A)族に相当する他の元素、またはカルコゲンから形成可能である。
【0059】
ドレインコンタクト211上のソース-チャネル界面部材250の有無は、TFT200cの電気特性を変化させる。TFT200cでは、ドレインコンタクト211上にソース-チャネル界面部材250が存在しないことにより、TFT200cの閾値電圧が、TFT200aおよびTFT200bに比べて約0.1Vから2Vだけ上昇する。ソース-チャネル界面部材250が酸化物または硫化物の触媒成長により形成される場合、ソースコンタクト207上でのソース-チャネル界面部材250の形成に加えて、ドレインコンタクト211上でのソース-チャネル界面部材250の形成が容易に可能となり、閾値電圧の低減が所望されない限り、ソース-チャネル界面部材250をドレインコンタクト211から除去する付加的な処理が必要なくなる。
【0060】
次に、本発明の一実施形態によるTFT300と種々の動作状態におけるその性能とを表す
図3a~
図3dを参照する。以下の
図3、
図4および
図5のセットでは、理解しやすくするために、図から基板および絶縁層を省略してある。
【0061】
本明細書に例示している種々の実施形態では、ソースコンタクト207に隣接したソース-チャネル界面部材250により、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)に機能的に類似した構造が導入される。本明細書に開示している実施形態のTFTでは、電界効果トランジスタ(FET)アーキテクチャに、ソースコンタクトにおけるBJTのエミッタに類似した構造が有効に組み合わされている。
【0062】
これらに類似したBJT状構造は、直接のイオン短絡または再結合中心の収集のいずれかによって結合されたコレクタとベースとを有し、電子がエミッタ状構造からソースコンタクト207内へ注入される。ソースコンタクト307およびドレインコンタクト311のそれぞれの箇所にソース-チャネル界面部材350を有するTFT300の概略図が、
図3aに概略的に示されている。
【0063】
図3bには、TFT300が順方向アクティブ状態(ここではV
DS>0V
GS>.V
Threshold)にある場合のTFT300の一例の断面図が示されている。
図3cには、TFT300がオフ状態(ここではV
DS>0V
GS<V
Threshold)にある場合の
図3bの断面図が示されている。
図3dには、TFT300aが0V状態(ここではV
DS>0V
GS<V
Threshold)にある場合のTFT300の一例の断面図が示されている。
【0064】
TFT300は
図2aのTFT200aと同様であり、ソースコンタクト307、ソース電極306、ドレインコンタクト311、ドレイン電極310、ゲート電極302、ゲートコンタクト303、誘電体層314、ソース-チャネル界面部材350およびn型半導体層316は、
図2aのTFT200aに関して上述したそれぞれの素子と同様である。
【0065】
TFT300の実施形態では、TFT200aと同様に、ソース-チャネル界面部材350がソースコンタクト307とドレインコンタクト311との間に延在し、これにより、ソースコンタクト307およびドレインコンタクト311の箇所にBJT等価物を有するゲートリミテッドジャンクション電界効果トランジスタ(JFET)またはアキュムレーションMOSFETに類似した構造が形成される。
【0066】
図3bには、順方向アクティブ状態(または「オン」状態)のTFT300の動作が示されている。順方向アクティブ状態は、ドレイン電圧(V
DS)が0Vよりも大きく、ゲート電圧(V
GS)が閾値電圧(V
Threshold)よりも大きい場合に発生する。順方向アクティブ状態では、電子蓄積層330が誘電体層314の下方のゲートコンタクト303の下に形成される。当該動作状態では、蓄積層330がソースコンタクト307からドレインコンタクト311への電子流を可能にする。
【0067】
図3cには、「オフ」状態モードにあるTFT300が示されている。TFT300は、ゲート電圧(V
GS)が閾値電圧(V
Threshold)を下回ったときに動作がオフ状態となる。図示の実施形態では、ドレイン電圧(V
DS)が0Vよりも大きくなったときにもソースコンタクト307とドレインコンタクト311との間の電子流が大幅に低減されるかまたは実質的に消去されるよう、ゲートコンタクト303の下方の半導体層316に空乏領域335が形成される。
【0068】
図3dには、TFT300に電圧が印加されていない、「0V」状態にあるTFT300が示されている。ゲート電圧(V
GS)が0Vであるかまたは0V付近にある場合、空乏領域335がより顕著となってソースコンタクト307およびドレインコンタクト311の双方に近接し、これにより、ソースコンタクト307とドレインコンタクト311との間の電子流が大幅に低減されるかまたは実質的に消去される。これにより、TFT300がエンハンストオフ状態となり、TFT300における寄生チャネルが低減されるかまたは実質的に消去される。
【0069】
次に
図4a~
図4dを参照するが、これらの図には、本発明の一実施形態によるTFT400と種々の動作状態でのその性能とが表されている。TFT400は
図2cのTFT200cと同様であり、ソースコンタクト407、ドレインコンタクト411、ゲートコンタクト403、誘電体層414、ソース-チャネル界面部材450およびn型半導体層416は、
図2cのTFT200cに関して上述したそれぞれの素子と同様である。
【0070】
図4aは、TFT400の概略的なモデルである。TFT400の実施形態では、ソース-チャネル界面部材450は、ソースコンタクト407およびドレインコンタクト411のそれぞれの上に形成されているが、これら2つの間に延在していない。これにより、
図3aと同様に、ソースコンタクト407およびドレインコンタクト411に、BJTに類似した構造を有するJFETと同様のデバイスが有効に形成される。
【0071】
図4bには、順方向アクティブ状態(ここでは、V
DS>0V
GS>V
Threshold)にあるTFT400が示されている。順方向アクティブ状態にあるTFT300と同様に、電子蓄積層430は、誘電体層414の下方のゲートコンタクト403の下に形成されている。ここでの動作状態では、蓄積層430が、ソースコンタクト406からドレインコンタクト410への電子流を可能にしている。
【0072】
図4cには、「オフ」状態(ここでは、V
DS>0V
GS<V
Threshold)にあるTFT400が示されており、この場合、空乏領域435により、ソースコンタクト407とドレインコンタクト411との間の電子流が阻止される。
【0073】
図4dには、0V状態にあるTFT400が示されている。TFT300と同様に、TFT400のゲート電圧(V
GS)が0Vであるかまたは0V近傍にある場合、空乏領域435がより顕著となってソースコンタクト407およびドレインコンタクト411の双方へ接近し、これにより、ソースコンタクト407とドレインコンタクト411との間の電子流が大幅に低減されるかまたは実質的に消去される。これにより、TFT400はエンハンストオフ状態となり、TFT400の寄生チャネルが低減されるかまたは実質的に消去される。
【0074】
TFT300とTFT400との間の蓄積層および空乏領域の勾配およびコンフィグレーション(例えば厚さ)の差は、デバイスにおけるソース-チャネル界面部材の有無の程度の差により生じる。ソース-チャネル界面部材がより高い濃度でより高度に分散されて存在することにより、n型半導体チャネルの良好な空乏層制御が達成される。
【0075】
次に
図5a~
図5eを参照するが、これらの図には、本発明の一実施形態によるTFT500および様々な動作状態におけるその性能が表されている。TFT500は、
図2dのTFT200dと同様であり、ソース電極507、ソースコンタクト506、ドレイン電極511、ドレインコンタクト510、ゲート電極503、ゲートコンタクト502、誘電体層514、ソース-チャネル界面部材550およびn型半導体層516は、
図2dのソース電極208、ソースコンタクト207、ドレイン電極212、ドレインコンタクト211、ゲート電極204、ゲートコンタクト203、誘電体層214、ソース-チャネル界面部材250および半導体層216と同様である。
【0076】
図5aは、TFT500の概略的なモデルである。TFT500では、ソース-チャネル界面部材550は、ソースコンタクト506のみに隣接しており、これにより、ソースコンタクト506に、BJTを有するJFETが有効に形成される。
【0077】
図5bには順方向アクティブ状態にあるTFT500が示されており、
図5cには「オフ」状態にあるTFT500が示されており、
図5dには0V状態にあるTFT500が示されている。
【0078】
TFT500の蓄積層530および空乏領域535,540の特性は、
図3aのTFT300および
図4aのTFT400と同様であり、ここで、空乏領域540は、0V状態における
図4dの空乏領域435の非対称のバージョンである。
【0079】
次に
図6を参照するが、この図は、本発明の一実施形態によるTFTを製造する方法600を示すフローチャートである。
図6の方法600を、当該方法に関連する様々なステップの例を示す
図7a~
図7nを参照してTFT700について、また
図8a~
図8dを参照してTFT800aおよびTFT800bについて論じる。
【0080】
本明細書で使用される「形成」または「形成する」なる用語は、本開示に記載の構造を製造するための任意の適切な方式を包含することが意図されている。ここで、「形成」または「形成する」とは、原子層堆積、化学蒸着、プラズマエンハンスト化学蒸着、スパッタリング、イオンインプランテーション、酸化、電気化学的堆積、分子線エピタキシなどのプロセスを含みうる。特定の適切なプロセスの選択は、充分に当業者の裁量の範囲内にある。
【0081】
方法600はステップ605から開始され、当該ステップ605では、ソースコンタクト707およびドレインコンタクト711が絶縁層718の頂部上に形成され、この絶縁層718自体は次いで
図7aに示されているように基板720の頂部上に形成される。
図7aは、
図7hの線B-Bに沿って切断されたTFT700の断面図を示しており、
図7hは対応する上面図を示している。
【0082】
上述したように、絶縁層718は、二酸化ケイ素(SiO2)、ケイ素窒化物(Si3N4)、アルミニウム酸化物(Al2O3)などの材料から形成することができる。基板720は、トランジスタおよび集積回路、イメージセンサおよびディスプレイなどの部品およびデバイスを構築するための基礎としての機能に適しうる任意の適切な基板であってよく、その例には、シリコン、可撓性ポリマーおよび他のプラスチック、セラミック材料、光学ガラス、金属などが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
幾つかのケースでは、ソースコンタクト707およびドレインコンタクト711は、リソグラフィプロセスを介した堆積によって形成される。しかし、当業者には明らかであるように、ソースコンタクト707およびドレインコンタクト711を形成する方法は特に限定されず、当業者に明らかである他の種々のプロセスによって形成されてもよい。
【0084】
ソースコンタクト707とドレインコンタクト711とが同じ材料から形成される場合、ステップ605において、ソースコンタクト707およびドレインコンタクト711の双方を同じステップで同時に形成することができる。ソースコンタクト707とドレインコンタクト711とが異なる材料から成る場合、ソースコンタクト707とドレインコンタクト711とを別個のステップで形成することができる。
【0085】
ステップ610では、ソース-チャネル界面部材750が形成される。
図7iの線C-Cに沿って切断された断面図である
図7bに示されている例では、ソース-チャネル界面部材750は、ソースコンタクト707およびドレインコンタクト711の頂部上に形成され、これらの間の絶縁層718の領域にわたって延在する。ソース-チャネル界面部材750は、以下に限定されるわけではないが、原子層堆積、スパッタリングまたは化学蒸着などの堆積技術を含む任意の適切な技術によって形成されたp型半導体であってよい。
【0086】
ただし、ソース-チャネル界面部材750を別の方式で形成することもでき、これにつき、本発明の別の実施形態による、
図7bのものと同様の、
図8cのTFT800の線D-Dに沿って切断された断面図を説明する
図8aを参照する。TFT800では、ソース-チャネル界面部材850は、ソースコンタクト807およびドレインコンタクト811双方の下方にある金属構造を制御された状態で酸化することによって形成されたものである。図示されているように、このようにすることで、ソースコンタクト807上に形成されるソース-チャネル界面部材850と、ドレインコンタクト811上に形成されるソース-チャネル界面部材850とが生じる。
【0087】
図8bには、本発明の別の実施形態によるTFT800bの、
図8dの線E-Eに沿って切断された断面図が示されている。TFT800bでは、ドレインコンタクト811は、貴である(すなわち酸化しない)材料から形成されており、ソース-チャネル界面部材850は、ちょうどソースコンタクト807の下方にある金属構造を制御された状態で酸化することによって形成されている。図示されているように、このようにすることで、ソースコンタクト807上のみにソース-チャネル界面部材850が生じる。
【0088】
再び
図7a~
図7nおよび方法600を参照すると、ステップ615において、n型半導体層716が形成される。
図7cには、ソース-チャネル界面部材750の頂部を含めてTFT700を横断して半導体層716が形成された後の、
図7jの線F-Fに沿って切断された断面図が示されている。
【0089】
ステップ620では、誘電体層714が形成される。
図7kの線G-Gに沿って切断された断面図である
図7dに示されているように、誘電体層714は、半導体層716の頂部を含めてデバイス全体にわたって形成される。誘電体層714は、好ましくは高誘電率を有する材料から形成されるが、SiO
2またはSi
3N
4などの他の材料を使用することもできる。
【0090】
ステップ625では、ゲートコンタクト703が形成される。
図7lの線H-Hに沿って切断された断面図である
図7eに示されているように、ゲートコンタクト703は誘電体層714上に形成される。幾つかのケースでは、誘電体層714とゲートコンタクト703との間に任意選択手段としてのゲートチューニング層722を形成することもできる。この場合、
図7eに示されているように、まずゲートチューニング層722が形成され、このゲートチューニング層722の頂部上にゲートコンタクト703が形成される。
【0091】
ステップ630では、誘電体層714およびその下方にある半導体層716およびソース-チャネル界面部材750の不所望の部分が除去される。
図7mのTFT700の線I-Iに沿って切断された断面図である
図7fには、ゲートコンタクト703が、誘電体層714の部分ならびにその下方にある半導体層716およびソースチャネル界面層750の部分を除去するためのマスクとして使用可能であることが示されている。
【0092】
ステップ635では、
図7nの線J-Jに沿って切断された断面図である
図7gに示されているように、ゲート電極704、ソース電極708およびドレイン電極712が形成される。
【0093】
幾つかの状況においては、本発明の実施形態によるTFTを垂直方向コンフィグレーションで作製することが所望されうる。したがって、
図9a、
図9bおよび
図9cには、このように垂直方向に形成されるTFTの実施形態が示されている。当業者に理解されるように、垂直方向に形成されるTFTは「パッケージング密度」の増大(すなわち所与の水平方向領域におけるデバイス数の増大)を可能にし、これは、幾つかの用途、例えばディスプレイスクリーンまたはイメージセンサにとって重要でありうる。さらに、本発明によるTFTは様々な基板上に作製することができるので、本発明によるTFTを上下に相互に「積層」してこれによりデバイス密度を増大させることができ、これは、多くの異なる用途にとってきわめて望ましいこととなりうる。例えば、本発明により、垂直方向TFTおよび関連する任意の相互接続部または他の部品の層が形成可能となり、次いで、こうした層の上に例えば二酸化ケイ素などの絶縁材料の層が形成可能となり、さらにこの絶縁層が、その上に形成される別のTFTのセットのための基板および絶縁層として使用可能となる。TFTの複数の層をこうした方式で形成することにより、従来技術と比較して回路密度を大幅に増大できることが想定される。
【0094】
図9aには、ゲート902、ソース906およびドレイン910を含むTFT900aが示されている。ゲート902はゲートコンタクト903およびゲート電極904を含み、ソース906はソースコンタクト907およびソース電極908を含み、ドレイン910はドレインコンタクト911およびドレイン電極912を含む。TFT900aはまた、TFT900aのゲート902の周囲に誘電体層914を含み、さらに基板920の上方に形成された第1の絶縁層918と第2の絶縁層925とを含む。TFT900aはさらに、n型半導体層916およびソース-チャネル界面部材950を含む。所望に応じて、TFT900aは、図示されているようなゲートチューニング層922を含むこともできる。
【0095】
TFT900aでは、ソースコンタクト907およびソース電極908を含むソース906が、第1の絶縁層918の頂部上に形成されたTFT900aの(図の向きに関しての)底部にある。TFT900aの中央に露出されるソースコンタクト907の部分を残して、ソースコンタクト907の部分の上方に、第2の絶縁層925が形成される。ドレインコンタクト911およびその上に形成されたドレイン電極912は、ソースコンタクト907の露出部分の両側に形成されている。ソースコンタクト907は、第2の絶縁層925によってドレインコンタクト911から絶縁されている。
【0096】
TFT900aでは、ソース-チャネル界面部材950は、上述したソースコンタクト907の露出部分と、第2の絶縁層925の内面と、ドレインコンタクト911上とに形成されている。ゲートコンタクト903は(任意選択手段としての)ゲートチューニング層922によって取り囲まれており、このゲートチューニング層922自体は次いで誘電体層914によって取り囲まれている。半導体層916は、誘電体層914とソース-チャネル界面部材950との間に形成されている。
【0097】
図9bには、TFT900aに類似しているがソース-チャネル界面部材950の拡がりおよび位置が変更された、本発明の別の実施形態であるTFT900bが示されている。
【0098】
特に、TFT900bでは、ソース-チャネル界面部材950は、ソースコンタクト907の上面全体にわたる層として形成されている。
図9bに示されているように、
図9aの実施形態とは異なり、ソース-チャネル界面部材950は、TFT900bの第2の絶縁層925およびドレインコンタクト911の内面には存在しない。代わりに、半導体層916が、誘電体層914と第2の絶縁層925の内面とドレインコンタクト911との間に形成されている。
【0099】
図9cには、本発明の別の実施形態によるTFT900cの断面図が示されている。
図9aのTFT990aおよび
図9bのTFT900bと同様に、TFT900cは、本発明の一実施形態による垂直方向TFTの実現形態である。
【0100】
ただし、TFT900cは、その底部コンタクトがドレインコンタクト911であるという点で上述したTFT900aおよびTFT900bとは異なる。これに対して、TFT900cの頂部コンタクトはソースコンタクト907である。
図9cに示されているように、ソース-チャネル界面部材950はソースコンタクト907の周囲に形成されている。ソース-チャネル界面部材950は、第2の絶縁層925の存在によってドレインコンタクト911から分離されており、半導体層916によって誘電体層914から分離されている。
【0101】
図9a、
図9bおよび
図9cの実施形態には本発明の態様による垂直方向TFTの「対称の」実現形態が示されているが、当業者にはこのような対称性が必須ではないことが容易に理解されるであろう。例えば、
図9dにはTFT900dの非対称の実現形態が示されており、ここでは、TFT900bの(図の向きに関しての)右側が省略されている。本発明の態様による垂直方向TFTの他の様々な非対称のかつ/または縮小された面積を有する実現形態も、ここでは当業者には明らかであろう。
【0102】
ここでは当業者には明らかであるように、TFT900a、TFT900b、TFT900cおよびTFT900dは、本明細書に開示する本発明の他の実施形態と同様に機能する。上述したように、TFT900a、TFT900b、TFT900cおよびTFT900dは、垂直円筒、平行六面体、六角柱などとして形成することができ、これらの様々な可能形状により、TFT900a、TFT900b、TFT900cおよびTFT900dを1つのデバイス内に形成することのできる密度が最適化されるように、TFT900a、TFT900b、TFT900cおよびTFT900dの「フットプリント」を選択することができる。これにより、特にメモリセル密度の増大が重要な目標であるDRAMメモリなどの用途において、複数の利点が提供される。
【0103】
さらに、上でも述べたように、TFT900a、TFT900bおよびTFT900cは、回路素子密度を増大させるために「積層する」ことができる。特に、TFT900a、TFT900bまたはTFT900cのアレイを、(TFT900a、TFT900bおよびTFT900cを含む)回路素子の下方層を覆う基板および/または絶縁体の上に形成することができ、さらに次いでこれらが基板および/または絶縁体とその頂部上に形成されたTFT900a、TFT900bおよびTFT900cの別のアレイとによって覆われ、これにより真の3D集積回路が形成される。
【0104】
次に、上述したTFT900aと同様の、垂直方向TFT1200を製造する方法1000のフローチャートである
図10aおよび
図10bを参照する。
図10aおよび
図10bの方法1000につき、当該方法に関連する様々なステップを示す
図11a~
図11vを参照して説明する。
【0105】
方法1000はステップ1005において開始され、このステップ1005では、ソース電極908およびソースコンタクト907が第1の絶縁層918上に形成され、この第1の絶縁層918自体は、次いで
図11aに示されているように、基板920上に形成されている。
図11aは、線K-Kに沿って切断された
図11lの断面図である。ソースコンタクト907は、銅、タングステンまたは当業者に想到される垂直方向トランジスタの作製に使用可能な他の任意の材料から成るものであっていてよい。特に、ソースコンタクト907の材料は、ここで当業者に以下にて明らかとなるように、TFT1200の動作中の蓄積層への電子の注入の所望の効果を提供するために、材料の仕事関数および表面酸化特性に基づいて選択される。ソース電極908およびソースコンタクト907は、所望に応じて同一の要素であってよいことも想定される。
【0106】
ステップ1010では、
図11mの線L-Lに沿って切断された断面図である
図11bに示されているように、ソースコンタクト907の上方に第2の絶縁層925が形成される。見て取れるように、第2の絶縁層925は、ソースコンタクト907の上面全体にわたって形成されている。第2の絶縁層925は、ポリマーのスピンコーティング、誘電体の化学蒸着などを含む、当業者に想到される任意の適切な技術を使用して形成することができる。
【0107】
ステップ1015では、
図11nの線M-Mに沿って切断された断面図である
図11cに示されているように、ドレインコンタクト911が形成される。図示されているように、ドレインコンタクト911は、第2の絶縁層925の上面全体にわたって形成されている。
【0108】
ステップ1020では、ドレインコンタクト911の不所望の材料が除去される。当該不所望の材料は、当業者に想到される任意の適切な方式で、例えばパターニングおよびエッチングなどによって、除去することができる。
図11oの線N-Nに沿って切断された断面図である
図11dには、ステップ1020の結果が示されている。所望に応じてドレインコンタクト911の不所望の材料を除去することができ、これにより、ドレインコンタクト911が六角形などの幾何学的形状で形成され、TFT1200のパッケージング密度の増大が可能となりうることが当業者には明らかであろう。
【0109】
ステップ1025では、
図11pの線O-Oに沿って切断された断面図である
図11eに示されているように、第2の絶縁層925の不所望の部分がソースコンタクト907の箇所まで除去される。幾つかの実施形態では、第2の絶縁層925の不所望の部分は、下方にあるソースコンタクト907上で停止するように選択されたエッチングプロセスによって除去されるが、当業者に想到される、第2の絶縁層925の不所望の部分を除去する他の任意の適切な方法も使用可能である。
【0110】
ステップ1030では、ステップ1025の結果の上にソース-チャネル界面部材950が形成される。
図11qの線P-Pに沿って切断された断面図である
図11fに示されているように、ソース-チャネル界面部材950は、この時点で、ドレインコンタクト911の上方およびソースコンタクト907の露出部分の上方を含むTFT1200の上面全体にわたって形成される。ソース-チャネル界面部材950は様々な方式で形成することができ、一実施形態では原子層堆積技術を使用して堆積される。
【0111】
ステップ1035では、
図11rの線Q-Qに沿って切断された断面図である
図11gに示されているように、n型半導体層916がソース-チャネル界面部材950の上方に形成される。半導体層916は様々な方式で形成することができ、一実施形態では原子層堆積技術を使用して堆積される。
【0112】
ステップ1040では、
図11sの線R-Rに沿って切断された断面図である
図11hに示されているように、誘電体層914が形成される。誘電体層914は、半導体層916上に形成されている。誘電体層914の材料の選択は特に限定されず、誘電体層914は、当業者に想到される高い誘電率を有する任意の適切な材料であってよい。
【0113】
ステップ1045では、(任意選択手段としての)ゲートチューニング層922が誘電体層914の上方に形成可能であり、ゲートコンタクト903がゲートチューニング層922の上方に形成される。ゲートチューニング層922およびゲートコンタクト903は、当業者に想到される、原子層堆積技術を含む様々な方式で形成することができる。ゲートチューニング層922が設けられない場合、ゲートコンタクト903は、直接に誘電体層914上に形成される。ステップ1045の結果が、
図11tの線S-Sに沿って切断された断面図である
図11iに示されている。
【0114】
ステップ1050では、
図11uの線T-Tに沿って切断された断面図である
図11jに示されているように、下方にある層もしくはフィーチャを露出させるために、形成された様々な層から不所望の材料が除去される。図示されているように、ドレインコンタクト911、ソース-チャネル界面部材950、半導体層916、誘電体層914、ゲートチューニング層922およびゲートコンタクト903が適切に露出される。種々の層から不所望の材料を除去する方法は特に限定されず、当業者には明らかであるように、機械的研磨、ウェットケミカルエッチング、ドライケミカルエッチング、原子層エッチングなどを含む様々な方式で達成することができる。
【0115】
ステップ1055では、ドレイン電極912およびゲート電極904が形成される。
図11vの線U-Uに沿って切断された断面図である
図11kに示されている実施形態では、ドレイン電極912およびゲート電極904がマスキングアプローチを使用して堆積可能およびパターニング可能である。ただし、ドレイン電極912およびゲート電極904の形成に使用される方法は特に限定されず、当業者には様々な適切な方法が明らかであろう。
【0116】
図12aおよび
図12bには、本発明による、上述したTFT900bと同様のTFT1300の別の実施形態を製造するまたは作製する方法1100のフローチャートが示されている。方法1100につき、
図13a~
図13vを参照して説明する。
【0117】
方法1100は、絶縁層918が形成された基板920から開始される。ステップ1105において、
図13lの線BL-BLに沿って切断された断面図である
図13aに示されているように、ソース電極908およびソースコンタクト907が絶縁層918上に形成される。当業者には明らかであるように、ソース電極908とソースコンタクト907とは、同じ材料から形成される場合、同一の部品であってよい。ステップ1105は、
図10のステップ1005に類似しており、
図13aおよび
図13lはそれぞれ
図11aおよび
図11lに類似している。
【0118】
ステップ1110では、ソースコンタクト907上にp型半導体部材950が形成される。
図13mの線BM-BMに沿って切断された断面図である
図13bに示されているように、ソース-チャネル界面部材950は、ソースコンタクト907の上面全体にわたる層として形成されている。ソース-チャネル界面部材950は様々な方式で形成することができ、幾つかの実施形態では原子層堆積技術を使用して堆積されるが、ソース-チャネル界面部材950を形成する方法は特に制限されず、例えばソースコンタクト907の金属表面の触媒作用により適切な金属酸化物を形成することによって、または当業者には明らかであるようなその他の適切な方法によって、形成することができる。
【0119】
ステップ1115では、
図13nの線BN-BNに沿って切断された断面図である
図13cに示されているように、ソース-チャネル界面部材950上に第2の絶縁層925が形成される。幾つかの実施形態では、第2の絶縁層925はポリマーのスピンコーティングを使用して堆積されるが、第2の絶縁層925を形成する方法は特に限定されず、第2の絶縁層925は、例えば誘電体の化学蒸着(“CVD”)または当業者には明らかであるような他の任意の適切な方法を使用して堆積可能である。
【0120】
ステップ1120では、ドレインコンタクト911が形成される。
図13oの線BO-BOに沿って切断された断面図である
図13dに示されているように、ドレインコンタクト911は、第2の絶縁層925の上面全体に形成される。この場合にも、ドレインコンタクト911を形成する方法は特に制限されず、当業者には適切な方法が明らかであろう。
【0121】
ステップ1125では、
図13pの線BP-BPに沿って切断された断面図である
図13eに示されているように、不所望の材料がドレインコンタクト911から除去される。ドレインコンタクト911から不所望の材料を除去する方法は、特に限定されない。さらに、所望に応じて、不所望の材料をエッチングなどによって除去することができ、これにより、得られるTFTのパッケージング密度を高めるために、ドレインコンタクト911を、所定のパターンで、例えば図示されている六角形パターンまたはストライプパターン(図示せず)などのパターンで形成することができる。
【0122】
ステップ1130では、
図13qの線BQ-BQに沿って切断された断面図である
図13fに示されているように、不所望の材料が第2の絶縁層925から除去される。図示されているように、第2の絶縁層925は、ソース-チャネル界面部材950の箇所まで除去されている。
【0123】
方法1100のステップ1135~ステップ1155は、上述した方法1000のステップ1035~ステップ1055に類似している。
図13rの線BR-BRに沿って切断された断面図である
図13gに示されているステップ1135では、n型半導体層916がソース-チャネル界面部材950の上方に形成される。n型半導体層205は、当業者には明らかなように、原子層堆積技術を含む様々な方式で形成することができる。
【0124】
ステップ1140では、半導体層916の上方に誘電体層914が形成される。これは、
図13sの線BS-BSに沿って切断された断面図である
図13hに示されている。ここでも、誘電体層914は、当業者に明らかなような様々な適切な方式で形成することができる。
【0125】
ステップ1145では、
図13tの線BT-BTに沿って切断された断面図である
図13iに示されているように、誘電体層914の上方にゲートコンタクト903が形成される。図示されているように、所望に応じて、ゲートコンタクト903が形成される前に、誘電体層914上に任意選択手段としてのゲートチューニング層922を形成することができる。ゲートチューニング層922およびゲートコンタクト903は、当業者に想起される任意の適切なプロセスで、例えば原子層堆積技術によって、形成可能である。
【0126】
ステップ1150では、
図13uの線BU-BUに沿って切断された断面図である
図13jに示されているように、TFT1300が処理されて不所望の材料が除去され、下方にある層およびフィーチャが露出される。
図13jの層およびフィーチャを露出させるために除去される材料は、任意の適切な方式で、例えばTFT1300の機械的研磨によって、除去することができる。図示の実施形態では、下方にある層が露出され、六角形パターンが形成される。
【0127】
ステップ1155では、ドレイン電極912およびゲート電極904が形成される。
図13vの線BV-BVに沿って切断された断面図である
図13kに示されているように、所望に応じて、ドレイン電極912およびゲート電極904が、マスキングプロセスによって、六角形パターン、ストライプパターンまたは他のパターンでパターニング可能である。
【0128】
ここまでで明らかなように、本発明は、新規な半導体デバイスの様々な実施形態を含む。特に、本発明は、200nm未満のチャネル寸法で作製された場合であっても改善された性能を有するTFTを開示する。
【0129】
本発明の実施形態による半導体デバイスについて想定される別の利点は、バックエンド(“BEOL”)プロセスにおいて半導体デバイスを作製できることである。
【0130】
当業者に知られているように、半導体作製プロセスは、多くの場合、フロントエンドプロセス(“FEOL”)とバックエンドプロセスとに区別されている。従来、集積回路のトランジスタ、キャパシタ、抵抗およびインダクタは、まずFEOLプロセスによってウェハ上に形成される。これらのデバイスがウェハ上に作製されると、次いでこれらがBEOLプロセスによって処理され、このプロセスにおいてメタライゼーション層およびボンディングサイトが形成される。
【0131】
従来、ウェハ(または他の基板)につきFEOL処理が完了すると、従来の半導体デバイスの作製に必要とされる温度にウェハが曝されることで、FEOLプロセスによって既にウェハ上に形成されている半導体構造および半導体デバイスが破壊されることになるため、BEOLプロセス中にウェハに付加的なデバイスを追加することは一般に不可能であった。
【0132】
近年、半導体材料もしくはチャネル材料としてインジウムガリウム亜鉛酸化物(“IGZO”)を使用するBEOLプロセスとしてTFTを作製する試みがなされている。こうしたデバイスによってある程度の成功が達成されているが、これらは、概して低い閾値電圧を有し、高いリークレベルまたは劣悪な「オフ」特性を生じるというように、所望の通りの良好な実行を行えない傾向がある。さらに、IGZOデバイスの作製に使用されるプロセスは制御が困難であることが判明しており、得られるデバイスは脆弱であって、アニーリングなどの他のBEOLプロセスに耐えさせることが困難でありうる。
【0133】
対照的に、本発明の実施形態によるTFTは、先に作製されたFEOLデバイスまたは構造に損傷を与えず、200nm未満の半導体長さまたはチャネル長さにおいても良好に機能しかつ他のBEOLプロセスによる損傷を受けないことが判明している技術およびプロセスによって作製できる。
【0134】
上に詳述したように、本発明の実施形態によるTFTは、6つの基本的な作製プロセス、すなわち、それぞれ典型的には複数の可能な方式で達成可能な、ソース形成、ドレイン形成、ゲート形成、半導体形成、誘電体形成もしくは絶縁体形成、およびソース-チャネル界面部材形成を使用している。BEOL TFTまたはFEOLもしくは代替的なプロセスで作製されたTFTの作製に使用される、当該作製プロセスのそれぞれに対する1つもしくは複数の適切な代替形態の選択は、当業者の通常の技能の範囲内にある。
【0135】
一例として、本発明によるTFTの作製をどのように決定するかにおいて、作製プロセス中に300℃の温度を超過しないことが所望される場合、スパッタリングおよびパターニングによってソース形成、ドレイン形成およびゲート形成が達成され、原子層堆積によって半導体層形成が達成され、原子層堆積によって誘電体形成もしくは絶縁体形成が達成され、ソースコンタクトの酸化(材料が酸化性金属である場合)によってまたは退行的にドープされた単原子半導体層のスパッタリング、例えばゲルマニウムもしくはケイ素のスパッタリングによってソース-チャネル界面部材の形成が達成される。明らかであるように、選択されるこれらの作製技術のそれぞれは300℃未満の温度で実行可能であるので、FEOLプロセスにおいて先に作製されたデバイスおよび構造への影響が生じない。
【0136】
さらにここまでで明らかなように、本発明は、1000nm未満の半導体長さまたはチャネル長さ、特に200nm未満の半導体長さまたはチャネル長さで製造された場合であっても良好な性能を有する新規な薄膜半導体スイッチングデバイスを提供する。新規なデバイスの製造技術および製造方法も教示しており、これらの技術および方法により、新規なデバイスをBEOLデバイスとして製造することも可能である。
【0137】
本発明の上述した実施形態は本発明の例であることが意図されており、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変更および修正を行えるはずである。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタであって、
基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記絶縁層上に形成されており、前記ソースから離間されているドレインと、
前記絶縁層上に形成されており、前記ソースと
前記ドレインとの間に延在するn型半導体材料と、
少なくとも前記ソースを前記半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
正の電圧が印加されたときに電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができるように、前記誘電体層の上方に形成されたゲートと
を含む、薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記n型半導体材料は金属酸化物である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物およびスズ酸化物のうちの一方である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記絶縁層は前記基板である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記ソース-チャネル界面部材は前記絶縁層である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記ソース-チャネル界面部材は、前記ソースおよび前記ドレインの双方を前記半導体材料に電気的に接続する、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項8記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項12】
前記半導体材料は原子層堆積によって形成されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記ソース-チャネル界面部材は原子層堆積によって形成されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記基板は可撓性ポリマーである、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記ソースは前記ドレインから垂直方向に離間されている、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、
前記ソースおよび前記ドレインの一方が前記絶縁層上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ソースおよび前記ドレインの一方上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ソースおよび前記ドレインの一方から上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記ソース-チャネル界面部材が、前記中空部の内面上および該中空部内のドレイン部分上に層を形成しており、
前記n型半導体材料が前記ソース-チャネル界面部材の層上に層を形成しており、
前記ゲート誘電体層が前記n型半導体上に層を形成しており、
ゲート誘電体層上と前記ソースおよび前記ドレインの他方上とに形成されたゲートが、前記ソース-チャネル界面部材と電気的にコンタクト接続された状態で、前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項17】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、前記ソースが前記絶縁層上に形成されており、
前記ソース-チャネル界面部材が前記ソース上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ソース上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ソースから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記n型半導体材料が、前記ソース-チャネル界面部材の層上と前記中空部の内面とに層を形成しており、
前記ゲート誘電体層は、前記n型半導体上に層を形成しており、
前記ゲート誘電体層上および前記ドレイン上に形成されたゲートは、前記n型半導体材料と電気的にコンタクト接続された状態で前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項18】
前記薄膜トランジスタがさらに第2の絶縁層を含み、前記ドレインが前記絶縁層上に形成されており、
前記第2の絶縁層が前記ドレイン上に形成されており、
前記第2の絶縁層が、前記ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向中空部を形成しており、
前記ドレインから上方へ向かって延在する垂直方向中空部を形成する前記第2の絶縁層が内面を有し、
前記n型半導体材料が、前記垂直方向中空部の内面上と前記ドレイン上とに層を形成しており、
前記ゲート誘電体層が前記n型半導体上に層を形成しており、
前記ソース-チャネル界面部材が前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するように、前記ゲート誘電体層上に形成された前記ゲート、前記ソースおよび前記ソース-チャネル界面部材が前記第2の絶縁層の頂部上に形成されている、
請求項15記載の薄膜トランジスタ。
【請求項19】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記ソース上に形成されており、内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記垂直方向ウェルの内面上と前記ソース上とに形成されたソース-チャネル界面部材と、
前記ソースが前記ソース-チャネル界面部材によって前記n型半導体材料に電気的に接続されるように前記ソース-チャネル界面部材上に形成されたn型半導体材料と、
前記n型半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
前記n型半導体材料と電気的にコンタクト接続された状態で前記絶縁層上に形成されたドレインと
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項20】
前記n型半導体材料は、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項21】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項22】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項23】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項19記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項24】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項19記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項25】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項19記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項26】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項19記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項27】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項19記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項28】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソースと、
前記ソース上に形成されたソース-チャネル界面部材と、
前記ソース-チャネル界面部材上に形成されており、前記ソース-チャネル界面部材から上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記ウェルの内面上と前記ソース-チャネル界面部材上とに形成されており、前記ソース-チャネル界面部材が前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するn型半導体材料と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
前記n型半導体材料に電気的にコンタクト接続された状態で前記第2の絶縁層上に形成されたドレインと
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへ流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項29】
前記n型半導体材料が、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項30】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項31】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項32】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項28記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項33】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項28記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項34】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項28記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項35】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項28記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項36】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項28記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項37】
垂直方向薄膜トランジスタであって、
実質的に平坦な基板と、
前記基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたドレインと、
前記ドレイン上に形成されており、前記ドレインから上方へ向かって延在する内面を有する垂直方向ウェルを形成する第2の絶縁層と、
前記ウェルの内面上および前記ドレイン上に形成されたn型半導体材料と、
前記半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、
前記誘電体層の上方に形成されたゲートと、
ソースと、
前記第2の絶縁層上に形成されており、前記ソースを前記n型半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と
を含み、前記ゲートに正の電圧が印加されたときに、電流が前記ソースから前記ソース-チャネル界面部材および前記半導体材料に形成されたチャネルを通って前記ドレインへと流れることができる、
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項38】
前記n型半導体材料が、亜鉛酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、ゲルマニウム酸化物およびこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項39】
前記トランジスタは六角柱形状として形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項40】
前記トランジスタは平行六面体として形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項41】
前記トランジスタは、少なくとも第2の垂直方向薄膜トランジスタを覆う基板上に形成されている、請求項37記載の垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項42】
前記ソース-チャネル界面部材はp型半導体である、請求項37記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項43】
前記p型半導体は、前記ソースの触媒成長によって形成された酸化物である、請求項37記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項44】
前記ソース-チャネル界面部材は圧電誘導双極子である、請求項37記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【請求項45】
前記ソース-チャネル界面部材は制御可能なトンネルバリアである、請求項37記載の
垂直方向薄膜トランジスタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の第1の態様により、薄膜トランジスタであって、基板と、基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたソースと、絶縁層上に形成されており、ソースから離間されているドレインと、絶縁層上に形成されており、ソースとドレインとの間に延在するn型半導体材料と、少なくともソースを半導体材料に電気的に接続するソース-チャネル界面部材と、半導体層の上方に形成されたゲート誘電体層と、正の電圧が印加されたときに電流がソースからソース-チャネル界面部材および半導体材料に形成されたチャネルを通ってドレインに流れることができるように誘電体層の上方に形成されたゲートとを含む、薄膜トランジスタが提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
図3bには、TFT300が順方向アクティブ状態(ここではV
DS>0V
GS>.V
Threshold)にある場合のTFT300の一例の断面図が示されている。
図3cには、TFT300がオフ状態(ここではV
DS>0V
GS<V
Threshold)にある場合の
図3bの断面図が示されている。
図3dには、TFT300
aが0V状態(ここではV
DS>0V
GS<V
Threshold)にある場合のTFT300の一例の断面図が示されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
図4aは、TFT400の概略的なモデル
402である。TFT400の実施形態では、ソース-チャネル界面部材450は、ソースコンタクト407およびドレインコンタクト411のそれぞれの上に形成されているが、これら2つの間に延在していない。これにより、
図3aと同様に、ソースコンタクト407およびドレインコンタクト411に、BJTに類似した構造を有するJFETと同様のデバイスが有効に形成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
次に
図6を参照するが、この図は、本発明の一実施形態によるTFTを製造する方法600を示すフローチャートである。
図6の方法600を、当該方法に関連する様々なステップの例を示す
図7a~
図7nを参照してTFT700について、また
図8a~
図8dを参照してTFT800
aおよびTFT800bについて論じる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
方法600はステップ605から開始され、当該ステップ605では、ソースコンタクト707および
ドレインコンタクト711が絶縁層718の頂部上に形成され、この絶縁層718自体は次いで
図7aに示されているように基板720の頂部上に形成される。
図7aは、
図7hの線B-Bに沿って切断されたTFT700の断面図を示しており、
図7hは対応する上面図を示している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
ただし、ソース-チャネル界面部材750を別の方式で形成することもでき、これにつき、本発明の別の実施形態による、
図7bのものと同様の、
図8cのTFT800の線D-Dに沿って切断された断面図である
図8aを参照する。TFT800では、ソース-チャネル界面部材850は、次いで
基板820上に形成された絶縁層818上に形成されているソースコンタクト807およびドレインコンタクト811双方の下方にある金属構造を制御された状態で酸化することによって形成されたものである。図示されているように、このようにすることで、ソースコンタクト807上に形成されるソース-チャネル界面部材850と、ドレインコンタクト811上に形成されるソース-チャネル界面部材850とが生じる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
図9cには、本発明の別の実施形態によるTFT900cの断面図が示されている。
図9aのTFT
900aおよび
図9bのTFT900bと同様に、TFT900cは、本発明の一実施形態による垂直方向TFTの実現形態である。
【国際調査報告】