(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】無線ネットワークシステムにおけるトラフィック管理のための方法
(51)【国際特許分類】
H04W 4/18 20090101AFI20240705BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20240705BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20240705BHJP
【FI】
H04W4/18
H04W92/24
H04W76/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502122
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022069781
(87)【国際公開番号】W WO2023285612
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597149146
【氏名又は名称】ドイッチェ テレコム アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】オピッツ,ヨハネス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE16
5K067FF36
(57)【要約】
本開示は、無線ネットワークシステムにおけるトラフィック管理のための方法に関し、本方法は、ホームネットワーク外にあり、少なくとも1つの所定のパラメータに基づいて、無線ネットワークシステムに受け入れられるモバイルデバイスを識別するステップと、識別されたモバイルデバイスに対して許容されるデータ転送レートを低減するステップであって、データ転送レートを低減するステップは、ペイロードデータのデータ転送レートを低減するステップと、および/または識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止するステップを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークシステムにおけるトラフィック管理のための方法であって、
ホームネットワークの外にあり、少なくとも1つの所定のパラメータに基づいて、前記無線ネットワークシステムに受け入れられるモバイルデバイスを識別するステップと、
前記識別されたモバイルデバイスに対して許容されるデータ転送レートを低減するステップであって、前記データ転送レートを低減するステップは、ペイロードデータの前記データ転送レートを低減するステップと、および/または、
前記識別されたモバイルデバイスと前記モバイルデバイスの前記ホームネットワークとの間の通信を防止するステップであって、前記識別されたモバイルデバイスと前記モバイルデバイスの前記ホームネットワークとの間の前記通信を防止するステップは、GPRSトンネリングプロトコル(GTP)ファイアウォール内でユーザデータをブロックするステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記識別されたモバイルデバイスと前記モバイルデバイスの前記ホームネットワークとの間の通信を防止するステップは、
前記無線ネットワークシステムによる前記モバイルデバイスから前記ホームネットワークへのメッセージ、または、前記ホームネットワークから前記モバイルデバイスへのいずれのメッセージの転送の禁止するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパラメータは、アクセスポイント名、国際モバイル機器識別番号、タイプ割り当てコード、タイプ認可コード、メディアアクセス制御アドレス、モバイル加入者統合サービスデジタルネットワーク番号、国際モバイル加入者識別番号、無線アクセス技術、インターネットプロトコルアドレス、または前記モバイルデバイスの少なくとも1つの所定のトラフィックデータのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの所定のトラフィックデータは、データ消費、ネットワーク接続持続時間、SMSアクティビティデータ、音声通話アクティビティデータ、ロケーション更新メッセージ、または前記モバイルデバイスのログイン挙動の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワーク接続持続時間は、前記モバイルデバイスに関連付けられるとともに予め記憶されたネットワーク接続持続時間であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップはさらに、所定の閾値を下回るデータ消費を有するモバイルデバイスを識別するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間を有するモバイルデバイスを識別するステップを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間に対するデータ消費の比を有するモバイルデバイスを識別するステップを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項9】
ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを前記識別するステップの前のロケーション更新手順をさらに含む請求項4または5に記載の方法。
【請求項10】
前記ロケーション更新手順は、前記モバイルデバイスからロケーション更新要求メッセージを受信するステップと、前記モバイルデバイスにロケーション更新受諾メッセージを送信するステップとを備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
GTPファイアウォール内のユーザデータをブロックするステップは、モバイルアプリケーションパート(MAP)キャンセルロケーションメッセージをブロックするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記識別されたモバイルデバイスと前記モバイルデバイスの前記ホームネットワークとの間の通信を防止するステップは、前記無線ネットワークシステムから前記識別されたモバイルデバイスのアクセスポイント名を取り除くステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記モバイルデバイスは、加入者識別モジュール(SIM)カードを持ち運ぶことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読プログラム媒体に記憶されたコンピュータ可読プログラム媒体のコードを含む、前記コードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線ネットワークシステムにおけるトラフィック管理のための方法に関し、特に、ローミングシナリオにおけるトラフィック管理に関する。
【背景技術】
【0002】
「モノのインターネット(IoT)」に関連するネットワーク化されたデバイスの数の増加は、近年、これらのデバイスの急激な増加につながっている。これらのデバイスの数は、今後指数関数的に増加し続けることが依然として想定され得る。これらのデバイスのすべては、それらが動作するためにインターネットへの接続を必要とするという点で共通している。
【0003】
国際市場用のこれらの「ネットワーク化された」デバイスを生産する企業の多くは、これらのアプリケーションをサポートするために、ネットワークオペレータに国際/グローバル接続性を要求している。この接続性は、様々な手段(固定、モバイル、WiFi、LoRaなど)を介して提供することができる。特にグローバル接続性の場合、これはしばしばモバイル通信を介して、したがって最終的にローミングを介して行われる。グローバルデータは、2024年に世界中で110億よりも多くのデバイスを予測し、そのうちの31億よりも多くのデバイスは、モバイル通信を介して(主に2G、3G、4G、およびLTE-Mを介して)接続性で供給される。
【0004】
「標準の」ローミングとは対照的に、第三者ネットワーク事業者の顧客は、一般的に、一時的にのみ他のネットワーク事業者のネットワーク上にあり、多くのIoTデバイスは、永久的に第三者ネットワーク上にある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、無線ネットワークにおけるモバイルデバイスのトラフィック管理のための方法を提供することである。この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を定義する。
【0006】
本開示は、無線ネットワークシステムにおけるトラフィック管理のための方法において、ホームネットワーク外にあり、少なくとも1つの所定のパラメータに基づいて、無線ネットワークシステムに受け入れられるモバイルデバイスを識別するステップと、識別されたモバイルデバイスに対して許容されるデータ転送レートを低減するステップと、および/または識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止するステップを含む方法が提供される。
【0007】
ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップは、外部サーバ上で実行され得る。すなわち、好ましくは、それぞれの少なくとも1つの所定のパラメータは、少なくとも1つの所定のパラメータに基づいて、そのホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するように構成された外部サーバにおいて、特定のモバイルデバイスに関連して受信および分析される。
【0008】
外部サーバは、データ転送レートを低減するために、それぞれの信号を後述するネットワークエンティティに送信することがさらに好ましい。しかしながら、本発明は、データ転送レートの低減を実行し得る通信ネットワークの特定のエンティティによって限定されない。すなわち、データ転送レートの低減は、種々のネットワークエンティティ(ネットワークノード)、例えば、GTPトンネルを確立するもの(以下の説明を参照)上で実装されてもよい。さらに、この方法を、既存のネットワーク構造に追加される新しいネットワーク要素に実装することが可能である。これは、上述の識別および/またはデータ転送レートの低減の両方に当てはまる。
【0009】
GPRSトンネリングプロトコル(GPG:GRRS Tunneling Protocol)は、データトラフィックを搬送するためのトンネリングプロトコルである。
【0010】
GTPは、ユーザ装置のために、サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)およびパケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW:Packet Data Network Gateway)と、S-GWおよびモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)との間にGTPトンネルを確立するために使用される。GTPトンネルは、2つのホストがデータを交換する2つのGPRSサポートノード間のチャネルである。S-GWは、ユーザ装置からパケットを受信し、それらをGTPトンネルを介してP-GWに転送する前に、それらをGTPヘッダ内にカプセル化(encapsulate)する。P-GWは、パケットを受信すると、それらをデカプセル化(decapsulate)し、それらを外部ホストに転送する。
【0011】
GTPは以下の別々のプロトコルを含む。
i)GTP-C、コアGPRSネットワーク内のS-GWとP-GWとの間のシグナリングを実行して、加入者セッションをアクティブ化および非アクティブ化し、サービス品質パラメータを調整し、または別のS-GWから到着したローミング加入者のためのセッションを更新する。GTP-Cは、制御パケットの転送をサポートする。
ii)GTP-U、コアGPRSネットワーク内および無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)とコアネットワークとの間でユーザデータを転送する。これはペイロード(payload)であり、GTP-Uを低減/抑制することは、データ速度のみを低減し、デバイスの通信を防止しない。デバイスの通信を停止するには、GTP-Uを「ゼロ」まで低減することに加えて、GTP-Cのブロッキングも必要となる。
【0012】
様々な実施形態は、好ましくは、以下の特徴を実装し得る。
【0013】
好ましくは、データ転送レートを低減することは、ペイロードデータのデータ転送レート、すなわち、実際の意図されたメッセージ(通信データ)である送信データの部分を低減することを含む。加えて、データ転送レートを低減することは、ヘッダデータ、すなわちシグナリングデータのデータ転送レートを低減することを含む。
【0014】
対照的に、ヘッダデータ、すなわちシグナリングデータのみのデータ転送レートを低減することは、有利ではないことがある。特に、少なくともペイロードデータのデータ転送レートを低減することによって、ローミングデバイスのデータ転送は著しく制限され、訪問ネットワークは、ローミングデバイスによって要求される全体のデータ転送から著しく解放され得る。対照的に、ヘッダデータのみを制限することは、ローミングデバイスによって要求される全体的なデータ転送からの著しい解放をもたらさない場合がある。
【0015】
好ましくは、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止するステップは、無線ネットワークシステムによるモバイルデバイスからホームネットワークへのメッセージ、または、ホームネットワークからモバイルデバイスへのいずれのメッセージの転送の禁止することを含む。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つのパラメータは、モバイルデバイスのアクセスポイント名(access point name)、国際モバイル機器識別番号(international mobile equipment identity)、タイプ割り当てコード(type allocation code)、タイプ認可コード(type approval code)、メディアアクセス制御アドレス(media access control address)、モバイル加入者統合サービスデジタルネットワーク番号(mobile subscriber integrated service digital network number)、国際モバイル加入者識別番号(international mobile subscriber identity)、無線アクセス技術(radio access technology)、インターネットプロトコルアドレス(internet protocol address)、または少なくとも1つの所定のトラフィックデータのうち少なくとも1つを含む。
【0017】
好ましくは、少なくとも1つの所定のトラフィックデータは、モバイルデバイスのデータ消費、ネットワーク接続持続時間、SMSアクティビティデータ、音声通話アクティビティデータ、ロケーション更新メッセージ、またはログイン挙動を含む。
【0018】
好ましくは、ネットワーク接続持続時間は、モバイルデバイスに関連付けられるとともに予め記憶されたネットワーク接続持続時間である。GTP-Cが確立されると、持続時間は、トンネルを通りペイロードがあるかどうかにかかわらずカウントし始める。持続時間のデータは、Paket-Gatewayに格納される。
【0019】
好ましくは、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るデータ消費を有するモバイルデバイスを識別することをさらに含む。
【0020】
好ましくは、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間を有するモバイルデバイスを識別することを含む。
【0021】
好ましくは、そのホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間に対するデータ消費の比を有するモバイルデバイスを識別することを含む。
【0022】
好ましくは、本方法は、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップの前に、ロケーション更新手順をさらに備える。
【0023】
好ましくは、ロケーション更新手順は、モバイルデバイスからロケーション更新要求メッセージを受信することと、モバイルデバイスにロケーション更新受諾メッセージを送信することとを備える。
【0024】
好ましくは、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止することは、GPRSトンネリングプロトコル(GTP:GPRS tunneling protocol)ファイアウォール内でユーザデータをブロックすることを含む。
【0025】
好ましくは、GTPファイアウォール内のユーザデータをブロックすることは、モバイルアプリケーションパート(MAP:mobile application part)キャンセルロケーションメッセージをブロックすることを含む。
【0026】
好ましくは、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止することは、識別されたモバイルデバイスのアクセスポイント名を無線ネットワークシステムから取り除くことを含む。
【0027】
好ましくは、モバイルデバイスは、加入者識別モジュール(SIM:subscriber identity module)カードを持ち運ぶ。すなわち、モバイルデバイスは、モバイル端末、たとえば携帯電話であり得る。しかし、本開示はこれに限定されない。特に、モバイルフォンは、ロケーションを変更することができ、SIMカードを有する任意のデバイスであり得る。また、輸送コンテナなどの重い物体は、船舶と共に輸送されることによって場所を変えることができるので、モバイルデバイスと見なされる。すなわち、ロケーションをまったく変更し得ない、および/またはSIMカードをまったく持ち運得ない物体のみが、モバイルデバイスと見なされ得ない。モバイルネットワークへのモバイル接続を確立することができるすべてのデバイス、モジュール、またはチップセットさえも包含すべきである。
【0028】
加えて、「SIMカードを持ち運ぶモバイルデバイス」という表現は、モバイルデバイスの上またはモバイルデバイス中に物理的に配置されるSIMカード、またはモバイルデバイスに接続される(有線または無線で)SIMカード(例えば、eSIM)を含み得る。
【0029】
本開示はまた、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読プログラム媒体コードを含む、コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに上記で説明した方法を実行させる。
【0030】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって容易に明らかになる特徴を提供することを対象とする。様々な実施形態によれば、例示的なシステム、方法、デバイス、およびコンピュータプログラム製品が本明細書で開示される。しかしながら、これらの実施形態は、限定ではなく例として提示されることが理解され、本開示を読む当業者には、本開示の範囲内にとどまりながら、開示された実施形態に対する様々な修正を行うことができることが明らかであろう。
【0031】
したがって、本開示は、本明細書に説明および図示される例示的実施形態および用途に限定されない。さらに、本明細書で開示される方法におけるステップの特定の順序および/または階層は、単に例示的な手法である。設計選好に基づいて、開示される方法またはプロセスのステップの特定の順序または階層は、本開示の範囲内にとどまりながら、再配置されることができる。したがって、本明細書で開示される方法および技法は、様々なステップまたは行為を例示的な順序で提示し、本開示は、別段の明示的な記載がない限り、提示された特定の順序または階層に限定されないことを、当業者は理解されよう。
【0032】
上記および他の態様ならびにそれらの実装形態は、図面、明細書、請求項においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示の一実施形態によるローミングモバイルデバイスのデータ消費対ネットワーク接続持続時間の概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態による2G/3Gにおけるロケーション更新手順のシグナリングスキームである。
【
図3】本開示の一実施形態によるGPRSトンネリングプロトコルの概略図である。
【
図4】本開示の一実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、データ消費対ネットワーク接続持続時間を示し、データ消費は低から高まで変化し得、ネットワーク接続持続時間は短から長まで変化し得る。
図1のグラフは、4つのセグメントI~IVに分割され、各セグメントは、データ消費とネットワーク接続持続時間との間の関係を示す。特に、第1のセグメントIは、高いデータ消費および短いネットワーク接続持続時間を示す。第2のセグメントIIは、高いデータ消費および長いネットワーク接続持続時間を示す。第3のセグメントIIIは、低いデータ消費および短いネットワーク接続持続時間を示す。第4のセグメントIVは、低いデータ消費および長いネットワーク接続持続時間を示す。4つのセグメントへの分割は、単に例示の目的のためであることを理解されたい。他の分割(例えば、4つを超えるセグメント)が、本開示に従って適用されてもよい。
【0035】
より具体的には、IoTデバイスの数は、今後数年の間に飛躍的に増加することは明白である。しかしながら、これらのアプリケーションのいくつかの特定の特異性に起因して、モバイルオペレータは、それぞれの戦略的ネットワーク計画においてこの増加を考慮に入れるための限られた可能性しか有さない場合がある。従来のアプリケーションとは対照的に、この場合、それぞれのデバイスの製造業者のみが、これらのデバイスが使用される国のおおよその知識を有し得る、しかしながら、デバイスが最終的に使用されるこれらの国におけるそれぞれの地域もまた、しばしば、それらの知識を超えている。
【0036】
前記デバイスによって使用されるネットワーク技術(2G、3G、4G、LTE-M、5GまたはNB-IoT)は、知られていないこともあり、少なくとも、デバイスがこれらの列挙されたすべての技術、いわゆるマルチモードデバイスをサポートする場合には知られていないことがある。これらのデバイスは、輸出されるとすぐに、起動されたときに外部モバイルネットワークに登録する。ネットワークは通常、SIMカードを提供したモバイル通信会社によるSIMカード上のローミング契約および初期設定に基づいて選択される(例えば、SIMカード上の好ましいパートナーリストを使用すること、またはシグナリングベース(ネットワークベース)のステアリング方法を使用してデバイスをステアリングすること)。デバイスは、それぞれの外部モバイルネットワークにログインするとすぐに、ネットワークに接続されている限り、そこで接続性を「得る」。
【0037】
関連するモバイルネットワークオペレータは、その過程において様々なコストを被る。送信側ホームオペレータは、ローミング料金をローカルネットワークオペレータに支払わなければならないが、ローカルネットワークオペレータは、カバーされなければならない(変動の)ネットワークコストを有する。したがって、受信側ネットワークオペレータに対するビジネスの収益性は、データ消費(ローミング料金)およびネットワーク接続の持続時間(ネットワークコスト)にかなり大きく依存する(
図1参照)。
【0038】
特に、外部モバイルネットワークオペレータのSIMカードによる高いデータ使用量を有する
図1の使用シナリオIおよびIIは、コストがかかり、または利益をもたらす。ここで、ネットワークオペレータがそのローミングパートナーに請求できるローミング料金は、変動するネットワークコストをカバーするのに充分であり、必要であれば、これを上回る利益を生成するのに充分である。他方、データ使用量が低く、請求が消費されたデータのみに基づく場合、これらのSIMカードは、一般にホストネットワークオペレータにとって不採算ビジネスである(
図1のシナリオIIIおよびIV)。ここで、ローミングによって生成される収益は、月々変動するネットワークコストをカバーするのに充分ではない。これらの「SIMコスト」(VLR、PGW、シグナリング、RAN)は、毎月カード当たり数ユーロセントに達し得る。言い換えれば、カードの単なる「滞留」は、必然的に訪問先モバイルネットワークにおけるカバレッジ不足につながる。
【0039】
さらに、いわゆるシグナリングストームによる(部分的な)ネットワーク破壊のリスクがあり、非常に多数のローミングSIMカードが外部ネットワーク内にあり、同時にホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)と接触する。訪問先ネットワークの顧客がもはやサービスを使用することができないそのようなネットワークブレークダウンの例は、最近より頻繁に起こっている。貨物船上の50,000個のスマートコンテナのSIMカードは、海岸に入ると同時にローカルネットワークにダイヤルしようとし、その結果、ローミングパートナーのネットワークが崩壊する場合がある。したがって、ローミングパートナーのネットワーク内で制御不可能な量でこれらの不採算SIMカードを受け入れることは、ローミンローミングパートナーの利益にならないということは二重に言える。
【0040】
上記に鑑みて、訪問されるネットワークのネットワークオペレータは、外部SIMカードの第1のログイン試行中に、いわゆる「ローミング不許可」信号を送信することができる。GSMモジュールがこのコマンドを「理解する」場合、SIMカード上のネットワークは、SIMカード上のエントリがホームネットワークオペレータによって上書きされるまでブロックされる。残念ながら、低いデータ使用量を有するモジュールは、やや安価なGSMモジュールも備えており、したがって、ほとんどのデバイスは、「ローミング不許可」コマンドを処理することができず、ネットワークにログインし続ける。訪問先ネットワークオペレータがこれらのデバイスのネットワークアクセスを積極的に妨げれば、これはシグナリング要求の著しい増加につながるだけである。したがって、カードを自身のネットワークから取り除く試みと組み合わされた過剰なシグナリングに対する保護は、さらに多くのシグナリングにつながり、したがって潜在的なネットワーク機能停止につながるであろうというケースになる。
【0041】
ローミング関係全体を取り消すことはまた、一方では「標準の」顧客および自身の顧客のサービス/品質に影響を及ぼし、他方では正確にこれらのカードがネットワーク要求を開始し続けるので、効果的な是正策ではない。したがって、対照的に、カードが拒否される場合、問題はより大きくなるだけであり、何も得られない。多くのネットワーク事業者は、この増加する課題にさえ気付いておらず、シグナリングストームが発生し、(部分的な)ネットワーク障害を対処しなければならないときに、その問題をただ認識する。したがって、これらのネットワークオペレータは、ジレンマに直面し、不採算カードをネットワーク許可する場合、理想的には損失を生み、他方で、それらを拒否する場合、これは、自身のネットワークのかなりの障害につながり得る。
【0042】
本開示の実施形態によれば、いかなる標準化によっても禁止/制限されないが、これらのデバイスは、ネットワークにログインし、それに応じてデバイスによって送信されたメッセージ、すなわち「ログイン成功」をネットワークオペレータのHLRに送信することも許可され得る。その場合、サービス劣化および/またはホームネットワークオペレータとこれらの特定のデバイスとの間のさらなる通信を防止するように、デバイスのデータフローを絞る。
【0043】
第1のケース(ホームネットワークとの通信を防止する)では、送信ネットワークオペレータがデバイスを別のローミングネットワークにリダイレクトすることが依然として可能であるが、これは第2のケース(ホームネットワークとの通信を防止する)ではもはや可能ではない。ネットワークオペレータからの全ての「コマンド」(MAP Cancel Location等)は転送されない。また、デバイスからのメッセージ(例えば、ロケーション更新)は、ホームネットワークに転送されない。したがって、デバイスは、ホームネットワークから切断され、ホームネットワークオペレータによってもはや到達することができない。このデバイスを「ネットワーク上」に戻す1つの方法は、現場での手動ネットワーク選択および別のネットワークの選択によるものである。しかしながら、このオプションは、設置されるデバイスの距離および多数のデバイスのために失敗する可能性がある。
【0044】
次に、そのようなデバイス、すなわち、訪問ネットワークにおいて「望まれない」デバイスの識別が、本開示の実施形態に従って説明される。これらのデバイスの識別は、モバイルネットワークオペレータ(MNO:mobile network operator)のシステムにおいて、以下のパラメータに基づいて行われ得る:
【0045】
1)MNOのネットワーク(例えば、GPRS、3G、4Gまたは5G)のバックボーンと外部パケットベースのデータネットワークとの間のゲートウェイのアクセスポイント名(APN:Access Point Name)。
2)国際モバイル機器識別番号(IMEI:International Mobile Equipment Identity):これは15桁からなり、世界中のあらゆる装置に固有であり、番号を知っている誰もがスマートフォンまたは他の装置を明確に割り当てることができる。タイプ割り当てコード(Type Allocation Code)もしくは、タイプ認可コード(Type Approval Code)(TAC)も存在し、これは通常、携帯電話およびスマートフォンを識別するための6桁のコードである。MACアドレス(Media Access Control address)は、各ネットワークアダプタのハードウェアアドレスであり、コンピュータネットワークにおけるデバイスの一意な識別子となる。
3)モバイル加入者統合サービスデジタルネットワーク番号(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)または移動局統合サービスデジタルネットワーク番号(Mobile Station Integrated Services Digital Network Number)(MSISDN)。これは、発呼者がモバイル加入者に到達するためにダイヤルする世界的に固有な番号である。
4)国際モバイル加入者識別番号(IMSI:International mobile Subscriber Identity)、これはモバイル通信ネットワークにおけるネットワーク加入者の固有の識別(内部加入者識別子)のためのモバイル通信番号である。他のデータに加えて、IMSIはSIMに記憶される。それは、モバイルネットワークオペレータによってSIMごとに1回だけ世界的に割り当てられる。
5)IPアドレス(IP:Internet Protocol)。インターネットに接続されるすべてのコンピュータ、サーバ、デバイス、携帯電話などには、世界的に固有のIPアドレスが割り当てられる。次いで、それは、サーバとのデバイスの通信のために使用される。
【0046】
ある実施形態では、モバイルデバイスを識別することは、上で言及された選択されたパラメータ、例えば、IMSI、IMEI、MSISDN、ならびにデータ消費、SMS、および音声アクティビティなどのさらなるトラフィックデータ、ならびにネットワーク内のデバイスのログイン挙動に基づく。これらの「パターン」は、デバイスがある特徴(APN、IMEIなど)を送信しない場合、同じIMSI範囲内の他のデバイスを検出するために使用され得る。
【0047】
パラメータの正確な組み合わせは、現在の需要に従って変動し得ることを理解されたい。すなわち、本開示は、上述のパラメータに限定されず、本開示は、識別の正確な方法にも限定されない。むしろ、実装時に利用可能なすべてのパラメータを使用して、前記デバイスを識別することができる。さらに、識別される「デバイス」の定義も変化し得る。すなわち、ネットワークオペレータは、それぞれのデバイス、すなわち、ネットワークオペレータが、本明細書で説明されるような後続の方法の対象なり得る「望ましくない」デバイスとみなし得るデバイスを識別するのに適したその個々のパラメータおよび/または閾値を定義し得る。
【0048】
図2を参照して、2G/3Gにおけるロケーション更新手順のシグナリングスキームが、以下で例示的に説明される。ローミングの場合、ネットワークオペレータ(HPMN)の端末デバイスは、外部モバイルネットワーク(VPMN)に接続する。外部モバイルネットワークは、外部ネットワークのIMSIが登録を希望し、ロケーション更新要求をこの外部ネットワークに送信することを認識する。ビジターロケーションレジスタ(VLR:Visitor Location Register)とホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)との間のやり取りの後、この要求はロケーション更新受諾(Location Update Accept)によって確認される。次いで、モバイル加入者(MS:mobile subscriber)端末は、外部ネットワーク内でローミングすることができる。この第1のロケーション更新(LU:Location Update)では、IMSIおよびIMEIのみが「送信される」-別の重要な情報-APNではない。したがって、「望まない」デバイスにも、第1ステップにおいてLU要求および認証応答が提供される。これは、次いで、APN、IMEI/TACコードのやり取りからと、上述のモバイルデバイスの識別に基づく識別のために、個々および全体的に使用され得る。
【0049】
すなわち、本開示の実施形態によれば、デバイスは、固有のパラメータによって自動的に識別され、データは、本明細書で説明されるように続いて、自動的に絞られる。
【0050】
他のケース(ホームネットワークとの通信の防止)では、デバイスは、
図2と同じ方法で登録される。次いで、これらのデバイスがそれらのホームネットワークとの通信を確立する場合、この通信リンクは、GPRSトンネリングプロトコル(GTP:GPRS Tunneling Protocol)を介して確立される。GTP-Cは、トンネルの構築および解体などの制御情報を転送するために使用され、GTP-Uは、ユーザデータを転送するために使用される。GTP-UおよびGTP-Cの両方は、通常、MNOにおけるGTPファイアウォールを通る。そのようなシナリオは、
図3に概略的に示されている。
【0051】
GTPファイアウォールにおいて、トンネルエンドポイント識別子(TEID:Tunnel End Point Identifier)は、GTP-Uを防止するために、特定のデバイス(識別は上述されるIMSI、IMEI、APN等の特徴を介して、同様に行われる)のためのGTP-Cメッセージにおいてフラグが立てられる。この場合、データトンネルは確立されるが、ファイアウォールにおける対応する調整は、ホームネットワークとのデータ交換を防止する。
【0052】
すなわち、本開示の実施形態によれば、デバイスは、固有のパラメータによって自動的に識別され、その後、これらの「特別な」デバイスのためのGTPファイアウォールにおけるユーザデータ(GTP-U)の転送が防がれる。
【0053】
これらのデバイスが通信することを防止する別の方法は、訪問したローミングネットワークのそれぞれのシステムからインターネットAPNを削除することである。これらの専用APNがもはやネットワークによってサポートされなくなるとすぐに、もはやセッションを確立することができない。したがって、これらのデバイスの「通信」が妨げられる。デバイスは、「キャンセルロケーション」を介してホームネットワークオペレータによって別のモバイルネットワークに再ルーティングされなければならない。
【0054】
すなわち、本開示の実施形態によれば、デバイスは、固有のパラメータによって自動的に識別され、その後、ネットワーク側のこれらの「特別な」デバイスのみのための専用APNが除去される。
【0055】
図4は、本開示の一実施形態による方法のフローチャートである。
図4に示す方法は、以下のステップを含む。
【0056】
ステップ41において、ホームネットワーク外にあり、少なくとも1つの所定のパラメータに基づいて、無線ネットワークシステムに受け入れられるモバイルデバイスを識別する。
【0057】
ステップ42において、識別されたモバイルデバイスのために許容されるデータ転送レートを低減し、および/または識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止する。
【0058】
ある実施形態では、データ転送レートを低減することは、ペイロードデータ、すなわち、実際の意図されたメッセージ(通信データ)である送信データの部分のデータ転送レートを低減することを含む。
【0059】
ある実施形態では、データ転送レートを低減することは、ペイロードデータおよびヘッダデータ、すなわちシグナリングデータのデータ転送レートを低減することを含み得る。
【0060】
しかしながら、ヘッダデータ、すなわちシグナリングデータのみのデータ転送レートを低減することは、有利ではないことがある。特に、少なくともペイロードのデータ転送レートを低減することによって、ローミングデバイスのデータ転送は著しく制限され、訪問ネットワークは、ローミングデバイスによって要求される全体的なデータ転送から著しく解放され得る。対照的に、ヘッダデータのみを制限することは、ローミングデバイスによって要求される全体的なデータ転送からの著しい解放をもたらさない場合がある。
【0061】
ある実施形態では、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止するステップは、無線ネットワークシステムによるモバイルデバイスからホームネットワークへのメッセージ、または、ホームネットワークからモバイルデバイスへのいずれのメッセージの転送を禁止するステップを含む。
【0062】
ある実施形態では、少なくとも1つのパラメータは、モバイルデバイスのアクセスポイント名(access point name)、国際モバイル機器識別番号(international mobile equipment identity)、タイプ割り当てコード(type allocation code)またはタイプ認可コード(type approval code)、メディアアクセス制御アドレス(media access control address)、モバイル加入者統合サービスデジタルネットワーク番号(mobile subscriber integrated service digital network number)、国際モバイル加入者識別番号(international mobile subscriber identity)、無線アクセス技術(radio access technology)、インターネットプロトコルアドレス(internet protocol address)、または少なくとも1つの所定のトラフィックデータ。
【0063】
ある実施形態では、少なくとも1つの所定のトラフィックデータは、モバイルデバイスのデータ消費、ネットワーク接続持続時間、SMSアクティビティデータ、音声通話アクティビティデータ、ロケーション更新メッセージ、またはログイン挙動を含む。
【0064】
ある実施形態では、ネットワーク接続持続時間は、モバイルデバイスに関連付けられるとともに予め記憶されたネットワーク接続持続時間である。
【0065】
ある実施形態では、ネットワーク接続持続時間は、モバイルデバイスのネットワーク接続の単一の持続時間(短いシグナリングバースト)、またはモバイルデバイスが訪問先ネットワーク内に存在する時間中のモバイルデバイスのネットワーク接続の総持続時間であり得る。
【0066】
ある実施形態では、そのようなネットワーク接続持続時間(または他のパラメータ)は、モバイルデバイスに関連付けられたデータベースに記憶され得、モバイルデバイスが後で訪問先ネットワークに再接続しようと試み得るとき、すなわち、モバイルデバイスが訪問先ネットワークのカバレージを出た後に戻るとき、識別プロセスのために使用され得る。
【0067】
ある実施形態では、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るデータ消費を有するモバイルデバイスを識別することを含む。
【0068】
ある実施形態では、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間を有するモバイルデバイスを識別することを含む。
【0069】
ある実施形態では、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別することは、所定の閾値を下回るネットワーク接続持続時間に対するデータ消費の比を有するモバイルデバイスを識別することを含む。
【0070】
ある実施形態では、本方法は、ホームネットワーク外にあるモバイルデバイスを識別するステップの前に、ロケーション更新手順をさらに備える。
【0071】
ある実施形態では、ロケーション更新手順は、モバイルデバイスからロケーション更新要求メッセージを受信することと、モバイルデバイスにロケーション更新受諾メッセージを送信することとを備える。
【0072】
ある実施形態では、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止することは、GPRSトンネリングプロトコル(GTP:GPRS tunneling protocol)ファイアウォール内でユーザデータをブロックすることを含む。
【0073】
ある実施形態では、GTPファイアウォール内のユーザデータをブロックすることは、モバイルアプリケーションパート(MAP:mobile application part)キャンセルロケーションメッセージをブロックすることを含む。
【0074】
ある実施形態では、識別されたモバイルデバイスとモバイルデバイスのホームネットワークとの間の通信を防止することは、無線ネットワークシステムから識別されたモバイルデバイスのアクセスポイント名を取り除くことを含む。
【0075】
ある実施形態では、モバイルデバイスは、加入者識別モジュール((e)SIM:subscriber identity module)cardを持ち運ぶ。
【0076】
本開示に鑑みて、およびネットワークオペレータの観点から、以下の利点を達成することができる:
【0077】
1)受信ネットワークは、ホームネットワークとデバイスの通信が遮断されるので、シグナリングストームから自分自身を効果的に保護することができる。
2)さらに、ホームネットワークオペレータは、いわゆる「No-Harm Network Agreement」に署名するよう義務付けられてもよく、送信ネットワークオペレータは、シグナリングストームがもはや発生しないようにSIMカード/デバイスをプログラムすることに約束する。
3)ホームネットワークオペレータはまた、2G、3G、および4Gネットワークではなく、そのようなアプリケーションのために設定された狭帯域IoTネットワークを使用することを義務付けられ得る。
【0078】
上述の実施形態は、現在のGSMA規格に適合するネットワークからデバイスを「能動的に」除去する効率的な方法を提供する。特に、本開示による実施形態は、ネットワークをシグナリングストームにさらすことができるデバイスからネットワークを保護し得る。
【0079】
本開示の様々な実施形態が上述されたが、それらは、限定としてではなく、単なる例として提示されていることを理解されたい。同様に、様々な図は、当業者が本開示の例示的な特徴および機能を理解することを可能にするために提供される例示的なアーキテクチャまたは構成を示し得る。しかしながら、そのような当業者は、本開示が、図示される例示的アーキテクチャまたは構成に限定されず、種々の代替アーキテクチャおよび構成を使用して実装され得ることを理解するであろう。加えて、当業者によって理解されるように、ある実施形態の1つ以上の特徴は、本明細書で説明される別の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。したがって、本開示の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0080】
本明細書における「第1の」、「第2の」などの名称を使用する要素へのいかなる言及も、概して、それらの要素の数量または順序を限定しないことも理解されたい。むしろ、これらの名称は、本明細書では、2つ以上の要素または要素のインスタンスを区別する便利な手段として使用することができる。したがって、第1および第2の要素への言及は、2つの要素のみが採用され得ること、または第1の要素が何らかの方法で第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0081】
さらに、情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明において参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビットおよびシンボルは、たとえば、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0082】
当業者はさらに、本明細書で開示される態様に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、ユニット、プロセッサ、手段、回路、方法、および機能のいずれも、電子ハードウェア(たとえば、デジタル実装、アナログ実装、または2つの組合せ)、ファームウェア、命令を組み込んだ様々な形態のプログラムまたは設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」または「ソフトウェアユニット」と呼ぶことができる)、またはこれらの技法の任意の組合せによって実装され得ることを理解するであろう。
【0083】
ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、ユニット、回路、およびステップについて、その機能性の観点から一般的に上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ファームウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるか、またはこれらの技法の組合せとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものではない。様々な実施形態によれば、プロセッサ、デバイス、コンポーネント、回路、構造、機械、ユニットなどは、本明細書で説明する機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。特定の動作または機能に関して本明細書で使用される「するように構成される(configure to)」または「するように構成される(configure for)」という用語は、特定の動作または機能を実行するように物理的に構築、プログラム、および/または配置されるプロセッサ、デバイス、構成要素、回路、構造、機械、ユニットなどを指す。
【0084】
さらに、当業者は、本明細書で説明する様々な例示的な論理ブロック、ユニット、デバイス、構成要素、および回路が、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、もしくは他のプログラマブル論理デバイス、またはそれらの任意の組合せを含み得る集積回路(IC:integrated circuit)内に実装されるか、または集積回路(IC)によって実行され得ることを理解されよう。論理ブロック、ユニット、および回路は、ネットワーク内またはデバイス内の様々な構成要素と通信するためのアンテナおよび/またはトランシーバをさらに含むことができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは本明細書で説明する機能を実行するための任意の他の好適な構成として実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶され得る。したがって、本明細書で開示される方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に記憶されたソフトウェアとして実装され得る。
【0085】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムまたはコードを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。
【0086】
本文書では、本明細書で使用する「ユニット」という用語は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および本明細書で説明する関連する機能を実行するためのこれらの要素の任意の組合せを指す。加えて、議論の目的のために、種々の単位は、離散単位として記載される;しかしながら、当業者には明らかなように、2つ以上のユニットを組み合わせて、本開示の実施形態による関連する機能を実行する単一のユニットを形成することができる。
【0087】
加えて、メモリまたは他の記憶装置、ならびに通信構成要素が、本開示の実施形態で採用されてもよい。明確にするために、上記の説明は、異なる機能ユニットおよびプロセッサを参照して本開示の実施形態を説明していることが理解されよう。しかしながら、本開示から逸脱することなく、異なる機能ユニット、処理論理要素、またはドメイン間の機能の任意の好適な分散が使用され得ることが明らかであろう。たとえば、別個の処理論理要素またはコントローラによって実行されるように示されている機能は、同じ処理論理要素またはコントローラによって実行され得る。したがって、特定の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的または物理的構造または編成を示すのではなく、説明された機能を提供するための適切な手段への言及にすぎない。
【0088】
本開示で説明される実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される全体的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に記載される、本明細書で開示される新規の特徴および原理に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】