(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】有機化合物およびその応用
(51)【国際特許分類】
C07F 5/02 20060101AFI20240705BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20240705BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20240705BHJP
H10K 85/30 20230101ALI20240705BHJP
【FI】
C07F5/02 F CSP
C09K11/06 660
H10K50/12
H10K85/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502125
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2021117910
(87)【国際公開番号】W WO2023284103
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】202110802575.5
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513322718
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】1 Qinghuayuan, Haidian District, Beijing 100084, China
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】張 東東
(72)【発明者】
【氏名】王 翔
(72)【発明者】
【氏名】段 錬
【テーマコード(参考)】
3K107
4H048
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC21
3K107CC45
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD69
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB92
4H048VA11
4H048VA20
4H048VA22
4H048VA30
4H048VA32
4H048VA42
4H048VA75
4H048VA77
4H048VB10
(57)【要約】
有機化合物とその有機化合物を使用する有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。有機化合物は、式(1)に示される構造を有する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、優れた素子性能および安定性を有する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)に示される構造を有する有機化合物であって、
【化1】
ここで、
D
1およびD
2は、それぞれ独立して、NR
5、NR
6、OまたはSのうちの一種から選択され、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、C、CHまたはCR
7であり、
環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、C6~C60芳香環またはC3~C60複素芳香環から選択され、
環Ar
3とR
6との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
環Ar
4と環R
5との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
6とW
2との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
5とW
1との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
1、R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のC1~C30鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリールボリル基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、0~10の整数から選択され、
n1が1より大きい整数である場合、複数のR
1は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
1が連結して環を形成することができ、
n2が1より大きい整数である場合、複数のR
2は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
2が連結して環を形成することができ、
n3が1より大きい整数である場合、複数のR
3は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
3が連結して環を形成することができ、
n4が1より大きい整数である場合、複数のR
4は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
4が連結して環を形成することができ、
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
R
8、R
9およびR
10は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
前記のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10がそれぞれ独立して置換基を有する場合、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ基、C1~C20の鎖状アルキル基、C3~C20シクロアルキル基、C1~C10アルコキシ基、C6~C30アリールアミノ基、C3~C30ヘテロアリールアミノ基、C6~C30アリールオキシ基、C6~C30アリール基、置換または非置換のC6~C60アリールボリル基、C3~C30ヘテロアリール基のうちの一種または二つの組み合わせから選択される
ことを特徴とする有機化合物。
【請求項2】
前記n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、1~5の整数から選択され、
前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、好ましくは、前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のいずれか一種から選択され、最も好ましくは、前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のベンゼン環であり、
前記R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1~C6鎖状アルキル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、好ましくは、前記R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のベンゼン環のうちの一種から選択され、
前記R
8、R
9およびR
10は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択される
請求項1に記載の有機化合物。
【請求項3】
式(1)において、前記D
1は、NR
5であり、D
2は、NR
6であり、且つR
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、好ましくは、R
5およびR
6は、同一である
請求項1に記載の有機化合物。
【請求項4】
下記構造式(1-1)、(1-2)または(1-3)のいずれか一つに示される構造を有し、
【化2】
ここで、W
1、W
2、R
1-R
6、Ar
1-Ar
4およびn1-n4の定義は、すべてそれぞれ式(1)における定義と同じである
請求項1に記載の有機化合物。
【請求項5】
下記構造式(1-4)、(1-5)または(1-6)のいずれか一つに示される構造を有し、
【化3】
ここで、R
1-R
4、Ar
1-Ar
4およびn1-n4の定義は、すべてそれぞれ式(1)における定義と同じである
請求項1に記載の有機化合物。
【請求項6】
前記環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、C6~C60芳香環またはC3~C30複素芳香環から選択され、
好ましくは、環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、C6~C30芳香環またはC3~C20複素芳香環から選択され、
より好ましくは、環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フランまたはチオフェンのいずれか一種から選択され、
最も好ましくは、前記環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、ベンゼン環である
請求項1ないし5のいずれかに記載の有機化合物。
【請求項7】
前記R
1、R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、シアノ基、ハロゲン、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ジペンタフルオロフェニルボリル基、ビス(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)ボリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または前記の二種の基の組み合わせから選択され、
前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または前記の二種の基の組み合わせから選択され、
前記R
7は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、シアノ基、ハロゲン、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種下記置換基から選択されるか、または前記の二種の基の組み合わせから選択され、
前記R
8、R
9およびR
10は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または前記2種の基の組み合わせから選択される
請求項1ないし5のいずれかに記載の有機化合物。
【請求項8】
下記具体的な構造の化合物から選択される
【化4】
請求項1に記載の有機化合物。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の有機化合物の応用であって、
前記応用は、有機電子素子において機能性材料として使用され、前記有機電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、光学センサー、太陽電池、照明素子、有機薄膜トランジスタ、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜太陽電池、情報ラベル、電子人工皮膚シート、シート型スキャナーまたは電子ペーパーを含み、
さらに、前記化合物の応用は、有機エレクトロルミネッセンス素子において発光層材料として使用され、具体的には、発光層における発光材料として使用される
ことを特徴とする応用。
【請求項10】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
第1の電極、第2の電極、および前記第1の電極と第2の電極との間に挿入された一つまたは複数の発光機能層を含み、ここで、前記発光機能層は、請求項1~8のいずれか一つに記載の化合物を含み、
さらに、前記発光機能層は、正孔輸送領域、発光層および電子輸送領域を含み、前記正孔輸送領域は、前記陽極層上に形成され、前記陰極層は、前記電子輸送領域上に形成され、前記正孔輸送領域と前期電子輸送領域との間は、発光層であり、ここで、前記発光層は、請求項1ないし8のいずれかに記載の有機化合物を含む
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物に関し、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子に使用されることができる化合物に関し、同時に当該有機化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED:Organic Light Emission Diodes)は、正極膜層と負極膜層と、電極膜層の間に挟まれた有機機能性材料層を含む、擬似サンドイッチ構造を有する素子の一種である。OLED素子の電極に電圧を印加すると、正電荷は、正極から注入され、負電荷は、負極から注入され、電場の作用下で、正電荷と負電荷は、有機層内で移動し、会合し、再結合して発光する。OLED素子は、高輝度、高速応答、広い視野角、簡単なプロセス、柔軟性等の利点を有するため、新型ディスプレイ技術分野および新型照明技術分野で多くの注目を集めている。現在、当該技術は、新型照明器具、スマートフォンおよびタブレット等のディスプレイパネルに広く応用され、テレビなどの大型ディスプレイ製品への応用分野にもさらに拡大し、急速に発展し、技術要件が高い新型ディスプレイ技術である。
【0003】
OLED発光材料の選択において、一重項発光蛍光材料は、長寿名で安価であるが、効率が低く、三重項発光燐光材料は、高効率であるが、高価であり、青色光材料の寿命問題が解決されていない。日本の九州大学のAdachiは、新しい有機発光材料、即ち熱活性化遅延蛍光(TADF)材料を提案した。当該種類の材料の一重項-三重項エネルギーギャップ(ΔEST)は、非常に小さく(<0.3eV)、三重項励起子は、逆項間交差(RISC)を通じて一重項励起子に変換されて発光するため、素子の内部量子効率は、100%に達することができる。
従来技術では、「多重共鳴誘起熱活性化遅延蛍光(MR-TADF)」策力を使用して、新しい構造化合物を設計し、例えば、特許文献1、2,3等は、ホウ素原子および窒素原子または酸素原子で複数の芳香環を連結して形成した多環芳香族化合物、即ち特殊なホウ素(B)原子、窒素(N)原子/酸素(O)原子を含む剛直な分子系を構築するものを設計する。この種類の熱活性化遅延蛍光分子は、高い放射遷移速度および高い色純度を有するが、そのHOMO-LUMOオーバーラップが大きいため、材料の一重項エネルギーと三重項エネルギーとの差が(ΔEst)より大きく、それによって、厳重な素子効率の低下が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許出願CN107851724
【特許文献2】特許出願CN108431984
【特許文献3】特許出願CN110407858
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、式(1)に示されるような構造を有する有機化合物を提供し、
【化1】
式(1)において、
D
1およびD
2は、それぞれ独立して、NR
5、NR
6、OまたはSのうちの一種から選択され、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、C、CHまたはCR
7であり、
環Ar
1、環Ar
2、環Ar
3および環Ar
4は、それぞれ独立して、C6~C60芳香環またはC3~C60複素芳香環から選択され、ここで、前記複素芳香環基におけるヘテロ原子は、Si、Ge、N、P、O、SおよびSeのうちの一種または複数種から選択され、
環Ar
3とR
6との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
環Ar
4と環R
5との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
6とW
2との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
5とW
1との間は、連結されないか、またはC-C単結合を介して連結されるか、またはO、SまたはSeを介して連結されるか、またはCR
8R
9またはNR
10を介して連結され、
R
1、R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のC1~C30鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC6~C60アリールボリル基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、0~10の整数から選択され、好ましくは、n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、1~5の整数から選択され、
n1が1より大きい整数である場合、複数のR
1は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
1が連結して環を形成することができ、
n2が1より大きい整数である場合、複数のR
2は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
2が連結して環を形成することができ、
n3が1より大きい整数である場合、複数のR
3は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
3が連結して環を形成することができ、
n4が1より大きい整数である場合、複数のR
4は、同一であるかまたは異なり、且つ複数のR
4が連結して環を形成することができ、
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、好ましくは、前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、より好ましくは、前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のいずれか一種から選択され、最も好ましくは、前記R
5およびR
6は、それぞれ独立して、置換または非置換のベンゼン環である。
R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、好ましくは、前記R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1~C6鎖状アルキル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、より好ましくは、前記R
7は、重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換のベンゼン環のいずれか一種から選択され、
R
8、R
9およびR
10は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC1~C30アルコキシ基、置換または非置換のC2~C30脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC4~C30環状脂肪族鎖式炭化水素アミン基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC3~C30ヘテロアリールアミン基、置換または非置換のC6~C30アリールオキシ基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、好ましくは、R
8およびR
9は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1~C10鎖状アルキル基、置換または非置換のC7~C30アラルキル基、置換または非置換のC6~C30アリールアミン基、置換または非置換のC6~C60アリール基、置換または非置換のC3~C60ヘテロアリール基のうちの一種から選択され、
上記のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10がそれぞれ独立して置換基を有する場合、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ基、C1~C20の鎖状アルキル基、C3~C20シクロアルキル基、C1~C10アルコキシ基、C6~C30アリールアミノ基、C3~C30ヘテロアリールアミノ基、C6~C30アリールオキシ基、C6~C30アリール基、置換または非置換のC6~C60アリールボリル基、C3~C30ヘテロアリール基のうちの一種または二つの組み合わせから選択される。
【0006】
さらに、一般式(1)において、前記D1は、NR5であり、D2は、NR6であり、且つR5およびR6は、同一であるかまたは異なり、好ましくは、R5およびR6は、同一である。
【0007】
よりさらに、一般式(1)は、さらに好ましくは、下記構造式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-5)または(1-6)であり、
【化2】
式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-5)および(1-6)において、W
1およびW
2、R
1-R
6、Ar
1-Ar
4およびn1-n4の定義は、すべてそれぞれ式(1)における定義と同じである。
【0008】
さらに好ましくは、前記環Ar1、環Ar2、環Ar3および環Ar4は、それぞれ独立して、C6~C60芳香環またはC3~C30複素芳香環から選択され、より好ましくは、環Ar1、環Ar2、環Ar3および環Ar4は、それぞれ独立して、C6~C30芳香環またはC3~C20複素芳香環から選択され、より好ましくは、環Ar1、環Ar2、環Ar3および環Ar4は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フランまたはチオフェンのいずれか一種から選択され、最も好ましくは、前記環Ar1、環Ar2、環Ar3および環Ar4は、それぞれ独立して、ベンゼン環である。
【0009】
さらに、上記のR1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、シアノ基、ハロゲン、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ジペンタフルオロフェニルボリル基、ビス(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)ボリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または上記2種の基の組み合わせから選択される。
【0010】
前記R5およびR6は、それぞれ独立して、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または上記の二種の基の組み合わせから選択され、
前記R7は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、シアノ基、ハロゲン、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種の置換基から選択されるか、または上記2種の基の組み合わせから選択される。
【0011】
前記R8、R9およびR10は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、2-メチルブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、2-エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ベンズアントラセニル基、フェナントレニル基、ベンゾフェナントレニル基、ピレニル基、クリセン基、ペリレン基、フルオランテニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基、三量体化フェニル基、クォーターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ジヒドロフェナントレニル基、ジヒドロピレニル基、テトラヒドロピレニル基、シスまたはトランスインデノフルオレニル基、三量体化インデニル基、イソ三量体化インデニル基、スピロ三量体化インデニル基、スピロイソ三量体化インデニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、インデノカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾ-5,6-キノリル基、ベンゾ-6,7-キノリル基、ベンゾ-7,8-キノリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ナフトイミダゾリル基、フェナントロイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、ピラジノイミダゾリル基、キノキサノイミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル基、アントラオキサゾリル基、フェナントロオキサゾリル基、1,2-チアゾリル基、1,3-チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリダジニル基、ベンゾピリダジニル基、ピリミジニル基、ベンゾピリミジニル基、キノキサリニル基、1,5-ジアザアントラセニル基、2,7-ジアザピレニル基、2,3-ジアザピレニル基、1,6-ジアザピレニル基、1,8-ジアザピレニル基、4,5-ジアザピレニル基、4,5,9,10-テトラアザペリレン基、ピラジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ナフチリジニル基、アザカルバゾリル基、ベンゾカルボリニル基、フェナントロリニル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,3,5-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、テトラゾリル基、1,2,4,5-テトラジニル基、1,2,3,4-テトラジニル基、1,2,3,5-テトラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、インドリジニル基、ベンゾチアジアゾリル基のうちの一種の置換基からから選択されるか、または上記2種の基の組み合わせから選択される。
【0012】
本明細書において、前記「置換または非置換」の基は、一つの置換基で置換されてもよく、複数の置換基で置換されてもよく、置換基が複数である場合、異なる置換基から選択することができ、本発明において同一の表現が言及される場合、すべて同一の意味を有し、置換基の選択範囲は、上記に示されたとおりであり、ここでは繰り返さない。
本明細書において、Ca~Cbの表現は、当該基が有する炭素原子の数がa~bであることを表わし、特に説明しない限り、一般に当該炭素原子の数は、置換基の炭素原子の数を含まない。
本明細書において、「それぞれ独立して」とは、その主語が複数ある場合、それらが同一であっても異なっていてもよいことを表わす。
本明細書において、ハロゲンとしての例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0013】
本明細書において、特に説明しない限り、アリール基およびヘテロアリール基は、すべて単環式および縮合環式を含む。前記単環式アリール基とは、分子に一つまたは二つ以上のフェニル基が含まれることを指し、分子に少なくとも二つのフェニル基が含まれる場合、フェニル基間は、互いに独立しており、例えばフェニル基、ジフェニル基、ターフェニル基等のように単結合を介して連結され、縮合環式アリール基とは、分子に少なくとも二つのベンゼン環が含まれるが、ベンゼン環間が独立しておらず、例えばナフチル基、アントラセニル基等のように環の端を共有し、互いに縮合していることを指し、単環式ヘテロアリール基とは、分子に少なくとも一つのヘテロアリール基が含まれることを指し、分子に一つのヘテロアリール基および他の基(例えば、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基等)が含まれる場合、ヘテロアリール基と他の基との間は、互いに独立しており、例えばピリジン、フラン、チオフェン等のように単結合を介して連結され、縮合環式ヘテロアリール基とは、例えばキノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン等のように、少なくとも一つのフェニル基および少なくとも一つのヘテロアリール基が縮合して形成されるか、または少なくとも2種類の複素芳香環が縮合して形成されることを指す。
【0014】
本明細書において、前記C6~C60アリール基は、好ましくはC6-C30アリール基であり、好ましくは、前記アリール基は、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、インデニル基、フルオレニル基およびその誘導体、フルオランテニル基、トリフェニレン基、ピレニル基、ペリレン基、クリセン基およびテトラセニル基からなる群の基である。前記ビフェニル基は、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基および4-ビフェニル基から選択され、前記ターフェニル基は、p-ターフェニル-4-イル、p-ターフェニル-3-イル、p-ターフェニル-2-イル、m-ターフェニル-4-イル、m-ターフェニル-3-イルおよびm-ターフェニル-2-イルを含み、前記ナフチル基は、1-ナフチル基または2-ナフチル基を含み、前記アントラセニル基は、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基および9-アントラセニル基からなる群から選択され、前記フルオレニル基は、1-フルオレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基および9-フルオレニル基からなる群から選択され、前記フルオレニル基の誘導体は、9,9’-ジメチルフルオレン、9,9’-スピロビフルオレンおよびベンゾフルオレンからなる群から選択され、前記ピレニル基は、1-ピレニル基、2-ピレニル基および4-ピレニル基からなる群から選択され、前記テトラセニル基は、1-テトラセニル基、2-テトラセニル基および9-テトラセニル基からなる群から選択される。
【0015】
本明細書において、前記C3-C60ヘテロアリール基は、好ましくは、C4-C30ヘテロアリール基であり、好ましくは、前記ヘテロアリール基は、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾフリル基、インドリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基およびその誘導体であり、ここで、前記カルバゾリル基の誘導体は、好ましくは、9-フェニルカルバゾール、9-ナフチルカルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、またはインドロカルバゾールである。
【0016】
本明細書におけるアリールオキシ基は、上記のアリール基、ヘテロアリール基および酸素から構成される一価基が挙げられることができる。
本明細書におけるアルコキシ基は、上記の鎖状アルキル基またはシクロアルキル基と酸素から構成される一価基が挙げられることができる。
本明細書で言及されるC6~C60アリールアミン基は、フェニルアミン基、メチルフェニルアミン基、ナフチルアミン基、アントラセニルアミン基、フェナントレニルアミン基、ビフェニルアミン基等が挙げられることができる。
【0017】
本明細書で言及されるC6~C60ヘテロアリールアミノ基は、ピリジルアミノ基、ピリミジニルアミノ基、ジベンゾフラニルアミノ基等が挙げられることができる。
【0018】
さらに、本発明の一般式(1)に記載の化合物は、好ましくは、C1-1~C1-135、C2-1~C2-78、C3-1~C3-78、C4-1~C4-43、C5-1~C5-43、C6-1~C6-43等の具体的な構造化合物であることができ、これらの化合物は、代表的なものにすぎない。
【化3】
【0019】
本発明におけるこの種類の化合物の構造的特徴は、次のとおりである。一般式(1)のマザーコア構造において、中心ベンゼン環の1位および4位に二つのホウ素原子が設計され、同時に、中心ベンゼン環の2位および5位に二つの窒素原子を導入するか、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子の三者間の二つずつの組み合わせを導入するように設計される。一方、ホウ素原子および窒素原子、またはホウ素原子および酸素原子、またはホウ素原子および窒素原子と酸素原子との間の共鳴効果を利用して、HOMOとLUMOとの分離を実現することができ、同時にホウ素原子と窒素、酸素、硫黄原子とのハイブリッド縮合環式ユニットは、剛直な骨格構造を有して、励起状態構造の緩和度を低減できるため、より狭い半値幅を実現することができる。もう一方、本発明の化合物の一般式の構造方案を、窒素-ホウ素-窒素,酸素-ホウ素-酸素,窒素-ホウ素-酸素,ホウ素-窒素-ホウ素等の従来技術で一般に使用される多重共鳴構造方案と比較して、本発明の化合物の構造は、ホウ素原子と窒素原子、酸素原子との共鳴を制限するため、熱活性化遅延蛍光性質を有さない。従って、本発明の化合物を増感型有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層材料として使用する場合、素子ない励起の寿命を効果的に短縮することができ、高輝度下での素子のロールオフが減少され、素子の寿命が延長される。
【0020】
また、本発明の化合物の調製プロセスは、簡単かつ容易であり、原料の入手が容易であり、大量生産に適する。
【0021】
本発明の第2の態様は、上記の一般式(1)、一般式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-5)および(1-6)のいずれか一つに示される化合物の応用を同時に保護し、前記応用は、有機電子素子の機能性材料としての応用であり、前記有機電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、光学センサー、太陽電池、照明素子、有機薄膜トランジスタ、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜太陽電池、情報ラベル、電子人工皮膚シート、シート型スキャナーまたは電子ペーパーを含み、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0022】
第3の態様において、本発明は、第1の電極、第2の電極、および前記第1の電極と第2の電極との間に挿入された一層または複数層の有機層を含む基板を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子をさらに提供し、ここで、前記有機層は、上記の一般式(1)、一般式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-5)および(1-6)のいずれか一つに示される化合物を含む。
【0023】
具体的には、本発明の一実施形態は、基板、ならびに前記基板上に順次に形成された陽極層、複数の発光機能層および陰極層を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供し、前記発光機能層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層を含み、前記正孔注入層は、前記陽極層上に形成され、前記正孔輸送層は、前記正孔注入層上に形成され、前記陰極層は、前記電子輸送層上に形成され、前記正孔輸送層と前記電子輸送層との間は、発光層であり、ここで、前記発光層は、上記の式(1)に示される本発明の一般式の化合物を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の化合物を用いて調製されたOLED素子は、低い始動電圧、高い発光効率、およびより優れた使用寿命を有し、高性能材料に対するパネル製造企業の要件を満たすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の上記の新規化合物の具体的な調製方法を複数の合成実施例を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の調製方法は、これらの合成実施例に限定されるものではない。
【0026】
本発明で使用される様々な化学薬品、例えば石油エーテル、酢酸エチル、硫酸ナトリウム、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸、炭酸カリウム等の基礎科学原料は、すべて上海Titan科学技術株式会社および西隴化学工業株式会社から購入される。下記化合物を確認するための質量分析計は、ZAB-HS型質量分析計(英国Micromass社製)を使用する。
【0027】
以下に本発明の化合物の合成方法を簡単に説明する。
合成実施例
代表的な合成経路:
【化4】
より具体的には、本発明の代表的な化合物の合成方法を以下に示す。
合成実施例
【0028】
合成実施例1:
化合物C1-1の合成
【化5】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.55g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で臭化フェニルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-1(2.80g、32%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:584.36元素分析結果:理論値:C:86.33%、H:5.18%、B:3.70%、N:4.79%、実験値:C:86.31%、H:5.19%、N:4.82%。
【0029】
合成実施例2:
化合物C1-11の合成
【化6】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.55g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-11(3.61g、36%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:668.41元素分析結果:理論値:C:86.24%、H:6.33%、B:3.23%、N:4.19%、実験値:C:86.20%、H:6.34%、N:4.22%。
【0030】
合成実施例3:
化合物C1-16の合成
【化7】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.49g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙黄色固体の目的化合物C1-16(4.49g、45%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:664.41元素分析結果:理論値:C:86.77%、H:5.76%、B:3.25%、N:4.22%、実験値:C:86.74%、H:5.75%、N:4.21%。
【0031】
合成実施例4:
化合物C1-17の合成
【化8】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.49g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙赤色固体の目的化合物C1-17(0.89g、9%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:664.52元素分析結果:理論値:C:86.77%、H:5.76%、B:3.25%、N:4.22%、実験値:C:86.78%、H:5.79%、N:4.19%。
【0032】
合成実施例5:
化合物C1-21の合成
【化9】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.55g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-21(3.11g、21%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:988.43元素分析結果:理論値:C:58.34%、H:2.04%、B:2.19%、N:2.83%、F:34.60%、実験値:C:58.78%、H:2.06%、N:2.81%。
【0033】
合成実施例6:
化合物C1-28の合成
【化10】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.55g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2-チオフェンマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-28(2.77g、31%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:596.22元素分析結果:理論値:C:76.53%、H:4.39%、B:3.63%、N:4.70%、S:10.75%、実験値:C:76.50%、H:4.39%、S:10.72%。
【0034】
合成実施例7:
化合物C1-38の合成
【化11】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.97g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-38(2.92g、28%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:696.52元素分析結果:理論値:C:82.78%、H:5.50%、B:3.10%、N:4.02%、O:4.59%、実験値:C:82.79%、H:5.49%、N:4.05%。
【0035】
合成実施例8:
化合物C1-42の合成
【化12】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(11.86g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙黄色固体の目的化合物C1-42(4.67g、35%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:888.78元素分析結果:理論値:C:86.48%、H:7.94%、B:2.43%、N:3.15%、実験値:C:86.51%、H:7.88%、N:3.17%。
【0036】
合成実施例9:
化合物C1-78の合成
【化13】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(11.50g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,6-ジメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、赤褐色固体の目的化合物C1-78(1.88g、15%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:836.51元素分析結果:理論値:C:89.01%、H:5.06%、B:2.58%、N:3.35%、実験値:C:88.96%、H:5.02%、N:3.37%。
【0037】
合成実施例10:
化合物C1-117の合成
【化14】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(10.18g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙赤色固体の目的化合物C1-117(2.33g、20%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:776.51元素分析結果:理論値:C:86.60%、H:7.01%、B:2.78%、N:3.61%、実験値:C:86.65%、H:6.96%、N:3.59%。
【0038】
合成実施例11:
化合物C1-121の合成
【化15】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(13.45g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、暗赤色固体の目的化合物C1-121(1.79g、12%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:994.71元素分析結果:理論値:C:86.93%、H:5.27%、B:2.17%、N:5.63%、実験値:C:86.85%、H:5.21%、N:5.59%。
【0039】
合成実施例12:
化合物C1-129の合成
【化16】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.19g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙赤色固体の目的化合物C1-129(1.93g、20%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:644.45元素分析結果:理論値:C:82.01%、H:5.32%、B:3.36%、N:4.35%、O:4.97%実験値:C:82.05%、H:5.31%、N:4.31%。
【0040】
合成実施例13:
化合物C2-7の合成
【化17】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(7.40g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C1-117(2.93g、33%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:591.41元素分析結果:理論値:C:85.30%、H:5.97%、B:3.66%、N:2.37%、O:2.71%、実験値:C:85.35%、H:5.96%、N:2.39%。
【0041】
合成実施例14:
化合物C2-21の合成
【化18】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.06g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C2-21(2.67g、28%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:635.31元素分析結果:理論値:C:85.06%、H:6.82%、B:3.40%、N:2.20%、O:2.52%、実験値:C:85.08%、H:6.86%、N:2.19%。
【0042】
合成実施例15:
化合物C2-48の合成
【化19】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.93g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,6-ジメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙黄色固体の目的化合物C2-48(1.50g、15%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:665.63元素分析結果:理論値:C:86.64%、H:5.60%、B:3.25%、N:2.10%、O:2.40%、実験値:C:85.58%、H:5.56%、N:2.13%。
【0043】
合成実施例16:
化合物C3-7の合成
【化20】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(7.64g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙黄色固体の目的化合物C3-7(1.69g、16%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:703.31元素分析結果:理論値:C:61.49%、H:2.86%、B:3.07%、F:27.02%、N:1.99%、S:4.56%、実験値:C:61.45%、H:2.88%、N:2.02%、S:4.58%。
【0044】
合成実施例17:
化合物C3-37の合成
【化21】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(7.64g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で臭化ペンタフルオロフェニルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、橙黄色固体の目的化合物C3-37(2.10g、23%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:607.41元素分析結果:理論値:C:83.05%、H:5.81%、B:3.56%、N:2.31%、S:5.28%、実験値:C:83.09%、H:5.78%、N:2.32%、S:5.31%。
【0045】
合成実施例18:
化合物C4-2の合成
【化22】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(6.30g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C4-2(2.33g、30%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:518.31元素分析結果:理論値:C:83.43%、H:6.22%、B:4.17%、O:6.17%、実験値:C:83.45%、H:6.28%。
【0046】
合成実施例19:
化合物C4-20の合成
【化23】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(8.34g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C4-20(2.36g、24%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:654.38元素分析結果:理論値:C:69.76%、H:4.62%、B:3.30%、F:17.42%、O:4.89%、実験値:C:69.78%、H:4.58%。
【0047】
合成実施例20:
化合物C5-2の合成
【化24】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(6.54g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C5-2(1.76g、22%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:534.31元素分析結果:理論値:C:80.92%、H:6.04%、B:4.05%、O:2.99%、S:6.00%、実験値:C:80.95%、H:5.98%、S:6.02%。
【0048】
合成実施例21:
化合物C5-4の合成
【化25】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(6.96g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C5-4(2.36g、28%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:562.48元素分析結果:理論値:C:81.16%、H:6.45%、B:3.84%、O:2.84%、S:5.70%、実験値:C:81.15%、H:6.42%、S:5.72%。
【0049】
合成実施例22:
化合物C6-2の合成
【化26】
窒素ガス雰囲気下で、n-ブチルリチウムのペンタン溶液(12mL、2.50M、30mmol)を、0℃下の臭化前駆体(6.78g、15mmol)のt-ブチルベンゼン(150mL)溶液にゆっくりと加え、その後25℃に昇温させて1時間反応させる。反応終了後、-30℃に冷却し、三臭化ホウ素(7.52g、30mmol)をゆっくりと加え、60℃に昇温させて2時間攪拌し続ける。室温下でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.76g、60mmol)を加え、130℃下で12時間反応させ続ける。室温下で2,4,6-トリメチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(30mL、1.0M、30mmol)を加え、6時間後に反応を停止し、真空化で溶媒をスピン乾燥させ、シリカゲルカラム(展開剤:ジクロロメタン:石油エーテル=1:10)に通して、黄色固体の目的化合物C6-2(1.95g、23%収率、HPLC分析純度99%)を得る。MALDI-TOF-MS結果:分子イオンピーク:565.58元素分析結果:理論値:C:78.60%、H:6.24%、B:3.82%、S:11.34%、実験値:C:78.55%、H:6.30%、S:11.38%。
【0050】
本発明の上記の合成実施例で調製された代表的な本発明の縮合環式化合物の光物性は、表1に示される。
【表1】
【0051】
注:表1において、ΔEstは、一重項エネルギー準位と三重項エネルギー準位との差であり、化合物を10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解させて被験サンプルを調製し、蛍光スペクトルと与燐光スペクトルとのオンセット(onset)値の差を測定する。機器は、Edinburg FLS1000(英国)であり、半値幅は、室温下での蛍光スペクトルのピーク高さの半分のピーク幅、即ちピーク高さの中点を通ってピークの底に平行する直線を引き、この直線とピークの両側交差する2点との間の距離であり、ここで、蛍光スペクトルは、化合物を10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解させて被験サンプルを調製し、蛍光分光計(Edinburg FLS1000(英国))を用いて測定される。
【0052】
表1から、本発明よって提供される実施例の縮合環式化合物は、大きなΔEst(>0.3eV)を有し、熱活性化遅延蛍光効果を有さないことがわかる。同時に、本発明よって提供される発光化合物は、狭い半値幅(<35nm)を示す。
【0053】
以下、本発明の化合物を有機エレクトロルミネッセンス素子に具体的に応用して実際の性能を試験することにより、本発明の技術的効果および利点を実証および検証する。
【0054】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の電極、第2の電極、および二つの電極間に位置する有機材料層を含む。当該有機材料は、複数の領域に分けられることができ、例えば、当該有機材料層は、正孔輸送領域、発光層、電子輸送領域を含むことができる。
【0055】
陽極の材料は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、二酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物透明導電材料、およびそれらの任意の組み合わせを使用することができる。陰極の材料は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)等の金属または合金、ならびにそれらの間の任意の組み合わせを使用することができる。
【0056】
正孔輸送領域は、陽極と発光層との間に位置する。正孔輸送領域は、一種の化合物のみを含む単層正孔輸送層および複数種の化合物を含む単層正孔輸送層を含む、単層構造の正孔輸送層(HTL)得あり得る。正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子阻止層(EBL)のうちの少なくとも一つの層を含む複数層構造でもあり得る。
【0057】
正孔輸送領域の材料は、CuPc等のフタロシアニン誘導体、ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(Pani/PSS)、芳香族アミン誘導体等の導電性ポリマーまたは導電ドーパント含有ポリマーから選択されることができるが、これらに限定されない。
【0058】
発光層は、異なる波長スペクトルを発射できる発光染料(即ドーパント、Dopant)を含むことができ、増感剤(sensitizer)およびホスト材料(ホスト)を同時に含むこともできる。発光層は、赤、緑、青等の単色を発射する単色発光層であり得る。様々な異なる色の単色発光層は、画素パターンに応じて平面上に配置されたり、積層されて有色発光層が形成されたりすることができる。異なる色の発光層が積層される場合、それらは、互いに隔離したり、互いに接続したりすることができる。発光層は、赤、緑、青等の異なる色を同時に発射できる単一の有色発光層でもあり得る。
【0059】
電子輸送領域は、一種の化合物のみを含む単層電子輸送層および複数種の化合物を含む単層電子輸送層を含む、単層構造の電子輸送層(ETL)であり得る。電子輸送領域は、電子注入層(EIL)、電子輸送層(ETL)、正孔阻止層(HBL)のうちの少なくとも一層を含む複数層構造であり得る。
【0060】
具体的には、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の調製方法は、次のような段階を含む。包括以下歩驟:
1.陽極材料を塗布したガラスプレートを市販の洗浄剤で超音波処理し、脱イオン水ですすぎ、アセトン:エタノール混合溶媒中で超音波で油分を除去し、水分が完全になくなるまで清潔な環境下で焼き、紫外線およびオゾンで洗浄し、低エネルギー陽イオン線を表面に照射する。
2.上記の陽極付きガラスプレートを真空チャンバー内に置き、1×10-5~8×10-4Paまで真空排気し、上記の陽極層膜上に正孔注入材料を真空蒸着して正孔注入層を形成し、蒸着速度は、0.1~0.5nm/sである。
3.正孔注入層上に正孔輸送材料を真空蒸着して正孔輸送層を形成し、蒸着速度は、0.1~0.5nm/sである。
4.正孔輸送層上に素子の有機発光層を真空蒸着し、有機発光層材料は、ホスト材料、増感剤および染料を含み、染料が予め設定されたドーピング比に達するように、マルチソース共蒸着法を使用して、ホスト材料の蒸着速度、増感剤材料の蒸着速度および染料の蒸着速度を調節する。
5.有機発光層上に素子の電子輸送材料を真空蒸着して電子輸送層を形成し、その蒸着速度は、0.1~0.5nm/sである。
6.電子輸送層上に電子注入層として0.1~0.5nm/sでLiFを真空蒸着し、素子の陰極として0.5~1nm/sでAl層を真空蒸着する。
【0061】
本発明の実施例は、ディスプレイ装置をさらに提供し、前記ディスプレイ装置は、上記で提供された有機エレクトロルミネッセンス素子を含む。当該ディスプレイ装置は、具体的には、OLEDディスプレイ等のディスプレイ素子、ならびに当該ディスプレイ素子を含むテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、タブレットコンピューター等の表示機能を有する任意の製品または部品であり得る。当該ディスプレイ装置は、従来技術に対して上記の有機エレクトロルミネッセンス素子と同じ利点を有し、ここでは繰り返さない。
【0062】
以下、具体的な実施例を介して本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子をさらに説明する。
【0063】
素子実施例1
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-1(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-1は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0064】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D1について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が495nmであり、半値幅が30nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.11,0.52)であり、外部量子効率EQEが28.3%であるスカイブルーの発光を得ることができる(駆動電圧は、2.6Vである)。
【0065】
素子実施例2
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-11(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-11は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0066】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D2について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が497nmであり、半値幅が2920nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.12,0.55)であり、外部量子効率EQEが29.1%であるスカイブルーの発光を得ることができる(駆動電圧は、2.5Vである)。
【0067】
素子実施例3
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-16(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-16は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0068】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D3について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が521nmであり、半値幅が27nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.23,0.70)であり、外部量子効率EQEが32.6%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0069】
素子実施例4
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-17(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-17は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0070】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D4について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が552nmであり、半値幅が25nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.40,0.60)であり、外部量子効率EQEが31.2%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0071】
素子実施例5
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-21(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-21は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0072】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D5について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が565nmであり、半値幅が27nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.47,0.53)であり、外部量子効率EQEが25.2%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0073】
素子実施例6
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-28(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-28は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0074】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D6について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が535nmであり、半値幅が33nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.30,0.68)であり、外部量子効率EQEが28.7%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0075】
素子実施例7
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-38(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-38は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0076】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D7について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が540nmであり、半値幅が33nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.33,0.65)であり、外部量子効率EQEが29.3%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0077】
素子実施例8
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-42(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-42は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0078】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D8について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が536nmであり、半値幅が30nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.33,0.63)であり、外部量子効率EQEが32.0%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0079】
素子実施例9
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-78(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-78は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0080】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D9について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が572nmであり、半値幅が32nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.50,0.49)であり、外部量子効率EQEが26.8%である橙黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.2Vである)。
【0081】
素子実施例10
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-117(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-117は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0082】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D10について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が560nmであり、半値幅が26nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.44,0.55)であり、外部量子効率EQEが27.9%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0083】
素子実施例11
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-121(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-121は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0084】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D11について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が612nmであり、半値幅が32nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.66,0.33)であり、外部量子効率EQEが26.6%である赤色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.1Vである)。
【0085】
素子実施例12
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1-129(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1-129は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0086】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D12について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が556nmであり、半値幅が34nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.42,0.57)であり、外部量子効率EQEが28.1%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0087】
素子実施例13
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C2-7(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C2-7は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0088】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D13について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が505nmであり、半値幅が28nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.15,0.63)であり、外部量子効率EQEが29.7%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0089】
素子実施例14
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C2-21(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C2-21は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0090】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D14について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が512nmであり、半値幅が28nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.21,0.68)であり、外部量子効率EQEが30.2%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.1Vである)。
【0091】
素子実施例15
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C2-48(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C2-48は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0092】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D15について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が550nmであり、半値幅が33nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.39,0.59)であり、外部量子効率EQEが27.7%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.3Vである)。
【0093】
素子実施例16
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C3-7(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C3-7は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0094】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D16について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が510nmであり、半値幅が32nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.18,0.67)であり、外部量子効率EQEが29.1%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0095】
素子実施例17
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C3-37(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C3-37は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0096】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D17について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が529nmであり、半値幅が31nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.26,0.68)であり、外部量子効率EQEが28.3%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0097】
素子実施例18
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C4-2(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C4-2は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0098】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D18について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が483nmであり、半値幅が29nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.12,0.28)であり、外部量子効率EQEが29.8%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.6Vである)。
【0099】
素子実施例19
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C4-20(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C4-20は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0100】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D19について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が475nmであり、半値幅が29nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.13,0.22)であり、外部量子効率EQEが28.2%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.7Vである)。
【0101】
素子実施例20
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C5-2(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C5-2は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0102】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D20について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が496nmであり、半値幅が30nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.13,0.56)であり、外部量子効率EQEが28.7%であるスカイブルーの発光を得ることができる(駆動電圧は、2.6Vである)。
【0103】
素子実施例21
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C5-4(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C5-4は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0104】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D21について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が501nmであり、半値幅が30nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.14,0.60)であり、外部量子効率EQEが29.1%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0105】
素子実施例22
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C6-2(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C6-2は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0106】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子D22について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が508nmであり、半値幅が32nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.16,0.67)であり、外部量子効率EQEが28.2%である緑色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.4Vである)。
【0107】
比較素子実施例1
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C1(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C1は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0108】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子CD1について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が464nmであり、半値幅が28nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.15,0.09)であり、外部量子効率EQEが26.2%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、2.9Vである)。
【0109】
比較素子実施例2
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C2(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C2は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0110】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子CD2について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が451nmであり、半値幅が31nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.13,0.16)であり、外部量子効率EQEが27.2%である黄色発光を得ることができる(駆動電圧は、3.0Vである)。
【0111】
比較素子実施例3
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C3(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C3は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0112】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子CD3について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が431nmであり、半値幅が28nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.13,0.06)であり、外部量子効率EQEが18.2%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、3.4Vである)。
【0113】
比較素子実施例4
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C4(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C4は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0114】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子CD4について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が428nmであり、半値幅が29nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.12,0.06)であり、外部量子効率EQEが16.5%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、3.4Vである)。
【0115】
比較素子実施例5
本実施例で調製された有機エレクトロルミネッセンス素子の構造は、次のとおりである。
ITO/HI(5nm)/HT(30nm)/ホスト:20wt%Sensitizer:3wt%C5(30nm)/ET(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
ここで、陽極材料は、ITOであり、正孔注入層材料は、HIであり、一般に総厚は、5~30nmであり、本実施例は、5nmであり、正孔輸送層の材料は、HTであり、総厚は、一般に5~500nmであり、本実施例は、30nmであり、ホストは、有機発光層バンドギャップのホスト材料であり、Sensitizerは、増感剤であり、且つドーピング濃度は、20wt%であり、C2は、染料であり、且つドーピング濃度は、3wt%であり、有機発光層の厚さは、一般に1~200nmであり、本実施例は、30nmであり、電子輸送層の材料は、ETであり、厚さは、一般に5~300nmであり、本実施例は、30nmであり、電子注入層および陰極の材料は、LiF(0.5nm)および金属アルミニウム(150nm)を選択する。
【0116】
この実施例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子CD2について測定した素子性能の結果は、次のとおりである。直流電圧を印加し、10cd/m2で発光する場合の特性を測定すると、波長が452nmであり、半値幅が32nmであり、CIE色座標(x,y)=(0.13,0.08)であり、外部量子効率EQEが21.1%である青色発光を得ることができる(駆動電圧は、3.2Vである)。
【0117】
上記の各実施例で使用した各種の有機材料の構造式は、次のとおりである。
【表2】
【0118】
比較化合物としての上記のC1-C5は、従来技術における化合物であり、その合成方法は、特許出願CN107851724、CN108431984、CN110407858、CN110776509等を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0119】
上記の各実施例および比較例で調製した有機エレクトロルミネッセンス素子の性能は、以下の表3に示される。
【表3】
【0120】
実施例1~22ならびに比較例1および2に関する限り、有機エレクトロルミネッセンス素子構造における他の材料が同じである場合、本発明に言及される化合物は、非常に狭いエレクトロルミネッセンススペクトルを有する。同時に、比較例における窒素-ホウ素-窒素構造を有する多重共鳴TADF染料と比較して、本発明よって提供される化合物によって調製された素子は、点灯電圧が低く、ロールオフが大幅に改善される。これは、主に本発明の化合物の構造がホウ素原子と窒素原子および酸素原子との共鳴を制限し、熱活性化遅延蛍光性質を有さないためである。本発明の化合物を増感型有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層材料として使用する場合、励起子は、三重項状態に留まらないため、高輝度下でのロールオフが減少され、素子の寿命が延長される。
実施例1-22ならびに比較例3、4および5に関する限り、有機エレクトロルミネッセンス素子構造における他の材料と同じである場合、本発明に言及される化合物は、非常に狭いエレクトロルミネッセンススペクトルを有する。同時に、比較例におけるホウ素窒素右またはホウ素酸素が隣接する位置にある場合、本発明よって提供される化合物によって調製した素子は、点灯電圧が低く、効率およびロールオフが大幅に改善される。
【0121】
上記の実験データによると、本発明の新型有機材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光ゲストとして、良好な性能を有する有機発光機能性材料であり、実用化が期待される。
【0122】
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されず、当業者であれば、本発明の概念に基づいて様々な修正や改良を行うことができ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に要約される。
【0123】
明らかに、上記の実施例は、明確な説明のための例にすぎず、実施形態を限定することを意図しない。当業者であれば、上記の説明に基づいて、他の異なる形態の変更または修正を行うこともできる。ここですべての実施形態を網羅する必要はなく、網羅することもできない。これから派生される明らかな変更または変更は、依然として本発明の保護範囲にある。
【国際調査報告】