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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】芽胞及びプロ香料材料を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/60 20060101AFI20240705BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 1/00 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 3/46 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240705BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C11D3/60
C11D3/50
C11D1/00
C11D17/08
C11D3/386
C11D3/46
C11D3/395
C11D3/40
C11D17/06
C11D1/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502219
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022072665
(87)【国際公開番号】W WO2023004215
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】21186302.2
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ラント、ニール・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ラティマー、キャサリン・エスター
(72)【発明者】
【氏名】ディフェイ、マルゴー・マリー・アンナ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AA01
4H003AE05
4H003BA12
4H003BA19
4H003DA01
4H003DA05
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA21
4H003FA26
(57)【要約】
表面処理組成物であって、組成物の約1×10~約1×10CFU/gのバチルス芽胞と、組成物の約0.01重量%~約15重量%の、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるプロ香料材料と、香料と、を含む、表面処理組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理組成物であって、
a)前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gのバチルス芽胞と、
b)前記組成物の約0.01重量%~約15重量%の、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるプロ香料(pro-perfume)材料と、
c)香料と、を含む、表面処理組成物。
【請求項2】
前記バチルスが、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記バチルスが、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記プロ香料材料が、グリコシドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記グリコシドが、β-D-グリコシドを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記プロ香料材料が、アルキルグルコシドを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、界面活性剤系を含む洗浄組成物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、硬質表面洗浄組成物、好ましくは濃縮形態又は即時使用可能な組成物の形態の水性洗浄組成物である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記洗浄組成物が、酵素を含む洗濯洗浄組成物である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ビーズ又はドライヤーシートの形態の洗濯添加剤である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、コンディショニング剤を含む布地増強剤であり、好ましくは、前記コンディショニング剤が、四級アンモニウム化合物、より好ましくはエステル四級アンモニウム化合物、更により好ましくはジエステル四級アンモニウム化合物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供する方法であって、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物で前記表面を処理する工程を含む、方法。
【請求項14】
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物の、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理組成物の分野に属する。具体的には、本発明は、細菌芽胞、プロ香料(pro-perfume)材料、及び香料を含む、処理組成物を対象とする。本発明はまた、表面を組成物で処理する方法にも関する。本発明の組成物及び方法は、悪臭の持続的な低減及び/又は防止を提供し、同時に、表面からの長時間持続する香料放出を提供する。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者製品では、香気が経時的にゆっくりと放出されることが望ましい。多くの持続性の(長時間持続する)着臭剤が知られているが、多数の着臭剤は揮発性が高すぎて、それらの適用後数時間を超えて知覚されない。これが、特に布地ケア製品及びホームケア製品のための、より効率的かつ効果的な香気送達系が強く求められている理由である。揮発性の低下を助け、安定性を改善し、徐放を可能にするために、マイクロカプセルなどの送達系が開発され、すでに使用されている。
【0003】
別のアプローチは、香気前駆体又は「プロ香料」を用いることからなる。リパーゼ含有洗剤の存在下で洗われる布地に香りを付けるための香気前駆体は、国際公開第95/04809号に記載されている。香気前駆体は、リパーゼによって開裂され、単一の臭気性化合物、臭気性アルコール、アルデヒド、又はケトンのいずれかが生じる。しかしながら、これらの組成物は製品内安定性を提示し得る。欧州特許第1077251号は、布地柔軟剤活性物質としての界面活性剤と、香気前駆体と、布地のすすぎ工程における適用時に香気前駆体を開裂するのに好適な酵素と、を含む、布地柔軟化組成物を開示している。国際公開第2016142329号は、グルコシダーゼによって活性化され得るグルコシド香料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第95/04809号
【特許文献2】欧州特許第1077251号
【特許文献3】国際公開第2016142329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表面の長く持続する香りを提供するために、プロ香料活性化に対する代替物を見出す必要性が依然として存在する。
【0006】
長時間持続する悪臭除去及び/又は予防、並びに同時に長時間持続する香料送達を提供する方法及び組成物の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、バチルス(Bacillus)芽胞、プロ香料材料、及び香料を含む、表面処理組成物が提供される。プロ香料材料は、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、プロ香料材料は、グリコシドを含む。好ましくは、プロ香料材料は、アルキルモノグルコシド及び/又はアルキルポリグルコシドを含む。
【0008】
本発明の表面処理組成物は、
a)組成物の約1×10~約1×10CFU/g、好ましくは1×10~約1×10CFU/g、より好ましくは1×10~約1×10CFU/gのバチルス芽胞と、
b)組成物の約0.01重量%~約15重量%の、好ましくは約0.01重量%~約10重量%の、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるプロ香料材料と、
c)香料の組成物の重量に対して好ましくは約0.001%~約10%、より好ましくは約0.001~約5%の香料と、を含む。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、本発明の組成物で表面を処理する工程を含む、表面に持続的な清潔さ(freshness)を提供する方法が提供される。好ましくは、表面は、布地又は硬質表面である。好ましくは、本方法は、洗浄プロセスである。好ましくは、本方法は、洗濯プロセスである。
【0010】
本発明の組成物及び方法は、使用中の清潔さ(freshness)だけでなく、表面、好ましくは布地又は硬質表面に持続的な清潔さ(freshness)も提供する。
【0011】
最後に、表面上、好ましくは布地上に持続的な清潔さ(freshness)を提供するための本発明の組成物の使用が提供される。芽胞は、組成物中で安定であり、処理された表面が適切な環境(例えば、栄養素の存在、特定の温度、及び特定の湿度)に曝露されるまで発芽しない。
【0012】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の組成物の要素は、必要な変更を加えて、発明の他の態様にも適用される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、バチルス芽胞、プロ香料材料、及び香料を含む、組成物を包含する。本発明はまた、本発明の組成物を使用して、表面に持続的な清潔さ(freshness)を提供する方法を包含する。本発明はまた、表面、好ましくは布地又は硬質表面への細菌芽胞及びプロ香料の付着を提供し、次に持続的な悪臭除去及び/又は悪臭防止並びに表面からの香料放出を提供するための、本発明の方法及び組成物の使用を包含する。「持続的な清潔さ(freshness)」とは、表面が処理された後、悪臭除去及び/又は防止並びに香料放出が少なくとも24時間、好ましくは、少なくとも48時間行われることを意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0015】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0016】
別段の指定がない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0017】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
組成物
本開示は、表面を処理するための組成物に関する。組成物は、硬質表面及び軟質表面上での使用に好適である。好ましくは、本発明の組成物はまた、界面活性剤系を含む。組成物は、洗浄組成物であってもよい。それは、硬質表面洗浄又は洗濯洗浄組成物であってもよい。硬質表面洗浄の場合、それは好ましくは水性組成物であり、それは酸性又はアルカリ性であってもよく、それは濃縮形態又は即時使用可能な組成物の形態にあってもよい。代替的に、硬質表面洗浄組成物は、ビーズの形態にあってもよい。硬質表面洗浄ビーズの場合、組成物は、複数の粒子を含んでもよく、当該粒子は、
1.当該粒子の総重量に対して20%~70%の、2000~40000の重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールと、
2.当該粒子の総重量に対して10%~70%の発泡系と、
3.当該粒子の総重量に対して0.1%~50%の香料と、を含む。
【0019】
組成物は、ビーズ又は乾燥シートなどの洗濯添加剤であってもよい。組成物は、布地増強剤組成物であり得る。
【0020】
「硬質表面洗浄組成物」とは、本明細書では、特に家庭においてみられる硬質表面を洗浄するためのベースとなる液体組成物を意味する。洗浄される表面としては、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リノリウム、メラミン、ガラス、鋼、キッチン調理台、任意のプラスチック、プラスチック化木材、金属又は任意の塗装若しくはワニス仕上げ若しくは封止処理された表面等のような異なる材料からできている、キッチン及び浴室、例えば床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワープラスチック化カーテン、洗面台、トイレ、什器及び付属品が挙げられる。家庭の硬質表面はまた、家庭用器具を含み、その例としては、冷蔵庫、冷凍庫、洗い機械、自動式乾燥機、オーブン、電子レンジ、食洗機などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる硬質表面は、個人の家庭において、また商用環境、企業環境、及び工業環境においても見出され得る。好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、水性組成物である。
【0021】
軟質表面処理組成物としては、洗濯洗浄組成物、布地フレッシュ化組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、乾燥洗浄剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗い添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態が挙げられ得るが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯プロセスの洗い及び/又はすすぎサイクル中に添加してもよい。
【0022】
組成物は、任意の好適な形態にあり得る。製品は、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、シート、トローチ又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、又はこれらの混合物の形態にあってよい。製品は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択することができる。
【0023】
組成物は、液体形態にあってよい。組成物は、組成物の約30重量%から約90重量%、又は約50重量%~約80重量%の水を含んでよい。組成物のpHは、細菌芽胞安定性を促進するように最適化されてもよい。
【0024】
組成物は、洗浄又は添加組成物であってもよく、錠剤、パウチ、シート、又は繊維状物品などの、単位化用量物品の形態にあってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べてかつ/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末など)又はそれらの組み合わせであってもよい。パウチ組成物は、例えば洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水といった比較的低量の水を有してもよい。
【0025】
組成物は、錠剤又はビーズの形態にあり得る。錠剤は、担体としてポリエチレングリコールを含んでよい。ポリエチレングリコールは、約2000~約20,000ダルトン、好ましくは約5000~約15,000ダルトン、更により好ましくは約6000~約12,000ダルトンの重量平均分子量を有してよい。
【0026】
組成物は、担体として作用し得、かつ/又は安定性を促進し得る非水性溶媒を含んでよい。非水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、グリコールエーテル、炭化水素、又はこれらの混合物などの有機溶媒を挙げることができる。他の非水性溶媒としては、シロキサン又は他のシリコーンなどの親油性流体、炭化水素、全フッ素化アミン、全フッ素化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、又はこれらの混合物を挙げることができる。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどアミン含有溶媒が好適であってよい。
【0027】
細菌芽胞
本発明の組成物は、組成物の約1×10~約1×10CFU/g、好ましくは1×10~約1×10CFU/g、より好ましくは1×10~約1×10CFU/gのバチルス芽胞を含む。細菌芽胞は表面上に存在し得るが、本発明の方法は、消費者に顕著な利益、特に持続的な香料放出を提供することができる量で細菌芽胞を表面に意図的に添加することを含む。好ましくは、本発明の方法は、少なくとも1×10CFU/gの表面、好ましくは1×10CFU/g未満の表面の意図的な添加を必要とする。好ましくは、表面が布地であり、布地が洗濯プロセスで処理される場合、細菌芽胞のレベルは、約1×10~1×10CFU/gの表面である。また、スプレーなどの直接適用を含む方法では、細菌芽胞のレベルは、約1×10~1×10CFU/gの表面である。「細菌芽胞の意図的な添加」とは、本明細書では、布地上に存在し得る微生物に加えて、芽胞が添加されることを意味する。
【0028】
本発明の組成物は、布地処理組成物の形態にあることができ、洗い、すすぎ、又は乾燥サイクルに添加されてもよく、好ましくは、組成物は、洗い又はすすぎサイクルに添加される。芽胞は、洗い機械又は乾燥機で見られる温度での熱によって不活性化されない。芽胞は、布地持続性であり、香気放出利益を提供する。
【0029】
本発明の方法及び組成物の細菌芽胞は、表面上で発芽することができる。芽胞は、熱、例えば、布地の使用中に発生する熱によって、又は洗い機械において提供される熱によって活性化することができる。芽胞は、布地が保管及び/又は使用されるときに発芽することができる。細菌によって分泌される酵素は、プロ香料からの香料分子の放出を誘発する。
【0030】
布地は、湿式洗濯プロセスで処理することができるか、又は例えば乾燥機で洗った後、若しくは噴霧した後に湿式で処理することができる。代替的に、布地をリフレッシュするために、スプレーの形態の組成物で布地を処理することができる。
【0031】
本明細書で使用するための微生物芽胞は、i)洗濯プロセスで見られる温度を生き延びることができ、ii)布地持続性であり、iii)酵素を分泌し、プロ香料材料から香料を放出する能力を有する。芽胞は、表面の使用中に発芽し細胞を形成する能力を有する。芽胞は、液体又は固体形態で供給することができる。好ましくは、芽胞は、固体の形態にある。
【0032】
いくつかのグラム陽性細菌は、2段階の生活環を有する。その生活環中、栄養不足状態に応答するなどの特定の条件下で成長している細菌は、芽胞又は内生芽胞形成につながる精巧な発生プログラムを実行され得る。細菌芽胞は、興味深い形態的及び機械的特性を有する、生化学的に複雑な構造として組み立てられた、約60個の異なるタンパク質からなるコートによって保護される。そのタンパク質コートは、強剛性を提供する静的構造とみなされ、溶菌酵素などの外因性の大きな毒性分子を除外するためのふるいとして主に作用する。芽胞は、極端な環境条件に対して非常に耐性があるため、種の長期生存において重要な役割を果たす。芽胞はまた、長年にわたって、代謝的に休眠状態であり続けることができる。栄養細胞から細菌芽胞を得るための方法は、当該分野で周知である。いくつかの例では、栄養細菌細胞は液体培地で増殖させられる。後期対数増殖期又は初期定常期から、細菌は芽胞形成を開始し得る。細菌が芽胞形成を終了すると、例えば遠心分離を使用することにより、それらの芽胞を培地から得ることができる。任意の残りの栄養細胞を殺傷又は除去するために、様々な方法が使用され得る。様々な方法を使用して、細胞破片及び/又は他の材料又は物質から、芽胞を精製することができる。細菌芽胞は、例えば、様々な技術、相造影顕微鏡法、自動走査顕微鏡法、高解像度原子力顕微鏡法、又は耐熱性法を使用して、栄養細胞から分化され得る。細菌芽胞は、一般に、代謝的に不活性又は休止している、環境に耐性を有する構造であるため、市販の微生物製品で使用されるように容易に選択される。丈夫さ及び極端に長い寿命にも関わらず、芽胞は、栄養細菌へと戻ることで生活環を完了させるプロセスの初期段階である発芽によって休眠状態を中断するための好ましい状態を知らせる、発芽として知られている特定の小分子の存在に迅速に応答することができる。例えば、市販の微生物生成物は、芽胞が環境内に存在する胚に遭遇する環境内に分散されて、栄養細胞内で発芽し、意図された機能を実施するように設計され得る。様々な異なる細菌が芽胞を形成し得る。これらの群のうちのいずれかからの細菌は、本明細書に開示される組成物、方法、及びキットに使用され得る。例えば、以下の属:アセトネマ、アルカリバチルス、アンモニフィラス、アムピバチルス、アナエロバクター、アナエロスポラ、アネウリバチルス、アノキシバチルス、バチルス、ブレビバチルス、カルダナエロバクタ-、カロラマター、カミニセラ、セラシバチルス、クロストリジウム、クロストリジイサリバクター、コーネラ、デンドロスポロバクター、デスルホトマクルム、デスルホスポロムサ、デスルホスポロシヌス、デスルホビルグラ、デスルフニスポラ、デスルフリスポラ、フィリファクター、フィロバチルス、ゲルリア、ゲオバチルス、ゲオスポロバクター、グラシリバチルス、ハロナトローナム、ヘリオバクテリウム、ヘリオフィラム、ラセエラ、レンチバチルス、ライシニバチルス、マヘラ、メタバクテリウム、モーレラ、ナトロニエラ、オセアノバチルス、オレニア、オルニチンバチルス、オキサロファーガス、オキソバクター、パエニバチルス、パラリオバチルス、ペロスポラ、ペロトマクルム、ピスシバチルス、プラニフィラム、ポンチバチルス、プロピオニスポラ、サリニバチルス、サルスギニバチルス、セイノネラ、シマズエラ、スポラセチゲニウム、スポロアナエロバクタ-、スポロバクター、スポロバクテリウム、スポロハロバクター、スポロラクトバチルス、スポロムサ、スポロサルチア、スポロタレア、スポロトマキュラム、シントロフォモナス、シントロフォスポラ、テヌイバチルス、テピディバクター、テリバチルス、タラソバチルス、サーモアセトゲニウム、サーモアクチノマイセス、サーモアルカリバチルス、サーモアナエロバクター、サーモアナエロモナス、サーモバチルス、サーモフラビミクロビウム、サーモベナブラム、チュベリバチルス、バルジバチルス、及び/又はブルカノバチルスのうちのいくつかの細菌は、芽胞を形成し得る。
【0033】
好ましくは、芽胞を形成し得る細菌は、バシラセエ科、例えば、アエリバチルス、アリイバチルス、アルカリバチルス、アルカリコッカス、アルカリハロバチルス、アルカリラクチバチルス、アロバチルス、アルテリバチルス、アルテリバクター、アムピバチルス、アナエロバチルス、アノキシバチルス、アクイバチルス、アクイサリバチルス、アウレイバチルス、バチルス、カルダルカリバチルス、カルジバチルス、カルディテリコラ、カリディフォンティスバチルス、カメリイバチルス、セラシバチルス、コンポスティバチルス、サイトバチルス、デゼルティバチルス、ドミバチルス、エクトバチルス、エバンセラ、ファルシバチルス、フェルディナンドコヒナ、フェルメンティバチルス、フィクチバチルス、フィロバチルス、ゲオバチルス、ゲオミクロビウム、ゴットフリーディア、グラシリバチルス、ハルアルカリバチルス、ハロバチルス、ハロラクチバチルス、ヘインドリクキシア、ヒドロゲニバチルス、レデルベルジア、レンチバチルス、リッチフィエルディア、ロッティデバチルス、マルガリーチア、マリノコッカス、メルギリバチルス、メソバチルス、メタバチルス、ミクロアエロバクター、ナトリバチルス、ナトロノバチルス、ネオバチルス、ニアリア、オセアノバチルス、オルニチニバチルス、パラゲオバチルス、パラリオバチルス、パラルカリバチルス、パウシサリバチルス、ペラギラブドス、ペリバチルス、ピスシバチルス、ポリゴニバチルス、ポンチバチルス、プラドシア、プリエスチア、シュードグラシリバチルス、プエリバチルス、ラディオバチルス、ロベルトムラヤ、ロゼルロモレア、サッカロコッカス、サリバクテリウム、サリミクロビウム、サリニバチルス、サリパルディバチルス、サリラブダス、サリセディミニバクテリウム、サリテリバチルス、サルシューギニバチルス、セディミニバチルス、シミノビチア、シニバチルス、シノバカ、ストレプトハロバチルス、サクリフィエラ、スウィオニバチルス、テニューイバチルス、テピディバチルス、テルリバチルス、テルリラクチバチルス、テクスココニバチルス、タラソバチルス、タラソラブドス、サーモロンギバチルス、バルジバチルス、バルディバシル、ブルカニバチルス、ヴァイツマニア属の種由来である。様々な例では、細菌は、バチルス バチルス・アキディコラ(Bacillus Bacillus acidicola)、バチルス・アエオリウス(Bacillus aeolius)、バチルス・アエリウス(Bacillus aerius)、バチルス・アエロフィルウス(Bacillus aerophilus)、バチルス・アルブス(Bacillus albus)、バチルス・アルティチュジニス(Bacillus altitudinis)、バチルス・アルベアユエンシス(Bacillus alveayuensis)、バチルス・アミロリクエファシエンセクス(Bacillus amyloliquefaciensex)、バチルス・アンスラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・アクイフラビ(Bacillus aquiflavi)、バチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)、バチルス・アウストラリマリス(Bacillus australimaris)、バチルス・バディウス(Bacillus badius)、バチルス・ベンゾエボランス(Bacillus benzoevorans)、バチルス・カブリアレシイ(Bacillus cabrialesii)、バチルス・カナベラリウス(Bacillus canaveralius)、バチルス・カッパリディス(Bacillus capparidis)、バチルス・カルボニフィルス(Bacillus carboniphilus)、バチルス・セレウス、バチルス・チャガンゲンシス(Bacillus chungangensis)、バチルス・コアフイレンシス(Bacillus coahuilensis)、バチルス・サイトトキシクス(Bacillus cytotoxicus)、バチルス・デシシフロンディス(Bacillus decisifrondis)、バチルス・エクトイニフォルマンス(Bacillus ectoiniformans)、バチルス・エンクレンシス(Bacillus enclensis)、バチルス・フェングクゥエンシス(Bacillus fengqiuensis)、バチルス・フンゴルム(Bacillus fungorum)、バチルス・グリチニフェルメンタンス(Bacillus glycinifermentans)、バチルス・ゴビエンシス(Bacillus gobiensis)、バチルス・ハロトレランス(Bacillus halotolerans)、バチルス・ハイネシイ(Bacillus haynesii)、バチルス・ホルティ(Bacillus horti)、バチルス・イナクォソルム(Bacillus inaquosorum)、バチルス・インファンチス(Bacillus infantis)、バチルス・インフェルナス(Bacillus infernus)、バチルス・イサベリアエ(Bacillus isabeliae)、バチルス・ケクェアエ(Bacillus kexueae)、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ルティ(Bacillus luti)、バチルス・マヌセンシス(Bacillus manusensis)、バチルス・マリニセディメントーラム(Bacillus marinisedimentorum)、バチルス・メソフィルス(Bacillus mesophilus)、バチルス・メタノリカス(Bacillus methanolicus)、バチルス・モビリス(Bacillus mobilis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・ナカムライ(Bacillus nakamurai)、バチルス・ヌジオピクス(Bacillus ndiopicus)、バチルス・ニトラチレデゥセンス(Bacillus nitratireducens)、バチルス・オレイボランス(Bacillus oleivorans)、バチルス・パシフィクス(Bacillus pacificus)、バチルス・パキスタネンシス(Bacillus pakistanensis)、バチルス・パラリケニフォルミス(Bacillus paralicheniformis)、バチルス・パラミコイデス(Bacillus paramycoides)、バチルス・パランスラシス(Bacillus paranthracis)、バチルス・ペルバグス(Bacillus pervagus)、バチルス・ピスチコラ(Bacillus piscicola)、バチルス・プロテオリティクス(Bacillus proteolyticus)、バチルス・シュードミコイデス(Bacillus pseudomycoides)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・サフェンシス(Bacillus safensis)、バチルス・サラセティス(Bacillus salacetis)、バチルス・サリナス(Bacillus salinus)、バチルス・サリトレランス(Bacillus salitolerans)、バチルス・セオハエアネンシス(Bacillus seohaeanensis)、バチルス・シバジイ(Bacillus shivajii)、バチルス・シアメンシス(Bacillus siamensis)、バチルス・スミティ(Bacillus smithii)、バチルス・ソリマングロビ(Bacillus solimangrovi)、バチルス・ソングクレンシス(Bacillus songklensis)、バチルス・ソノレンシス(Bacillus sonorensis)、バチルス・スピジゼニイ(Bacillus spizizenii)、バチルス・スポンギアエ(Bacillus spongiae)、バチルス・ステアルコリス(Bacillus stercoris)、バチルス・ストラトスフェリクス(Bacillus stratosphericus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・スウェヅェイ(Bacillus swezeyi)、バチルス・タエアネンシス(Bacillus taeanensis)、バチルス・タマリシス(Bacillus tamaricis)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・サーモクロアカエ(Bacillus thermocloacae)、バチルス・サーモトレランス(Bacillus thermotolerans)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・チアンシェニイ(Bacillus tianshenii)、バチルス・トヨネンシス(Bacillus toyonensis)、バチルス・トロピカス(Bacillus tropicus)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・ベレズエンシス(Bacillus velezensis)、バチルス・ヴィエドマンニイ(Bacillus wiedmannii)、バチルス・ヴダリアンキエンシス(Bacillus wudalianchiensis)、バチルス・キアメネンシス(Bacillus xiamenensis)、バチルス・キアプエンシス(Bacillus xiapuensis)、バチルス・ザングゾウエンシス(Bacillus zhangzhouensis)、又はそれらの組み合わせの株であり得る。
【0034】
一部の例では、芽胞を形成する細菌株は、バチルス株であってよく、例としては、バチルス種株SD-6991、バチルス種株SD-6992、バチルス種株NRRL B-50606、バチルス種株NRRL B-50887、バチルス・プミルス株NRRL B-50016、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50017、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7792(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7543(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50018、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7541、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7544、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7545、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7546、バチルス・サブチリス株PTA-7547、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7549、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7793、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7790、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7791、バチルス・サブチリス株NRRL B-50136(DA-33R、ATCC受入番号55406としても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50141、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50399、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50014、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50015、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50607、バチルス・サブチリス株NRRL B-50147(300Rとしても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50150、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、バチルス・メガテリウム PTA-3142、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受入番号55405(300としても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受入番号55407(PMXとしても知られているもの)、バチルス・プミルス NRRL B-50398(ATCC 700385、PMX-1、及びNRRL B-50255としても知られているもの)、バチルス・セレウス ATCC受入番号700386、バチルス・チューリンギエンシス ATCC受入番号700387(上記の全ての株は、Novozymes,Inc.,USAから入手可能である)、バチルス・アミロリクエファシエンスFZB24(例えば、Novozymes製の分離株である、NRRL B-50304及びNRRL B-50349 TAEGRO(登録商標))、バチルス・プミルス(例えば、Bayer CropScience製の分離株NRRL B-50349)、バチルス・アミロリクエファシエンス TrigoCor(「TrigoCor 1448」としても知られている、例えば、Cornell University,USAから入手可能なEmbrapa Trigo受入番号144/88.4Lev、Cornell受入番号Pma007BR-97、及びATCC受入番号202152の分離株)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、バチルス・アミロリクエファシエンス株であり得る。例えば、株は、バチルス・アミロリクエファシエン株PTA-7543(以前は、バチルス・アトロファエウスと分類されたもの)、及び/又はバチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7543(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、又は他のバチルス・アミロリクエファシエンス微生物からのものであり得る。
【0036】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、ブレビバチルス種であってよく、例えば、ブレビバチルスブレビス(Brevibacillus brevis)、ブレビバチルス・フォーモサス(Brevibacillus formosus)、ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)、若しくはブレビバチルス・パラブレービス(Brevibacillus parabrevis)、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0037】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、パエニバチルス(Paenibacillus)種であってよく、例えばパエニバチルス・アルベイ(Paenibacillus alvei)、パエバチルス・アミロリティカス(Paenibacillus amylolyticus)、パエバチルス・アゾトフィクサンス(Paenibacillus azotofixans)、パエニバチルス・クッキイ(Paenibacillus cookii)、パエニバチルス・マセランス(Paenibacillus macerans)、パエニバチルス・ポリミクサ(Paenibacillus polymyxa)、若しくはパエニバチルス・バリダス(Paenibacillus validus)、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0038】
細菌芽胞は、約2~50ミクロン、好適には約10~45ミクロンの平均粒径を有し得る。バチルス芽胞は、水性担体中のブレンドで市販されており、この水性担体には不溶である。他の市販のバチルス芽胞ブレンドとしては、以下のものに限定されるわけではないが、Novozymes Biologicals,Inc.から入手可能な、Freshen Free(商標)CAN(10X)、Genesis Biosciences,Inc.から入手可能なEvogen(登録商標)Renew Plus(10X)、及びGenesis Biosciences,Inc.から全て入手可能なEvogen(登録商標)GT(10X、20X、及び110X)が挙げられる。前述のリストでは、括弧内の表記(10X、20X、及び110X)は、バチルス芽胞の相対濃度を示す。
【0039】
本明細書に開示される組成物、方法、及び製品で使用される細菌芽胞は、熱活性化されていても、熱活性化されていなくてもよい。いくつかの例では、細菌芽胞は熱活性化されている。いくつかの例では、細菌芽胞は熱不活性化されていない。好ましくは、本明細書で使用される芽胞は、熱活性化される。熱活性化は、室温(15~25℃)から25~120℃、好ましくは40C~100℃の最適温度まで細菌芽胞を加熱し、最適温度を2時間以下、好ましくは70~80℃で30分間保持することを含み得る。
【0040】
本明細書に開示される方法及び組成物について、細菌芽胞の集団が一般に使用される。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、細菌の単一株からの細菌芽胞を含み得る。好ましくは、細菌芽胞の集団は、2、3、4、5、又はそれ以上の細菌株の細菌芽胞を含み得る。一般に、細菌芽胞の集団は、大多数の芽胞と、少数の栄養細胞とを含有する。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、栄養細胞を含まない。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、又は50%未満の栄養細胞を含有してもよく、細菌芽胞のパーセンテージは、((栄養細胞数/(集団中の芽胞数+集団中の栄養細胞数))×100)として計算される。一般に、開示された方法、組成物、生成物中で使用される細菌芽胞の集団は、安定しており(すなわち、発芽中ではない)、集団中の少なくともいくつかの個々の芽胞は、発芽できる状態にある。
【0041】
プロ香料材料
本開示の組成物は、プロ香料材料を含む。プロ香料又は香気前駆体と称されることもある。プロ香料材料は、典型的には、担体と1つ以上の香料原材料(perfume raw material、PRM)との間の共有結合を含む。芽胞が発芽すると、細菌によって分泌される酵素に曝露されると、1つ以上のPRMが放出される。プロ香料材料は、長期にわたるPRM放出プロファイルを提供することができ、その結果、長時間持続する清潔さ(freshness)の利益をもたらす。更に、PRMの全量が一度に放出されないか、又は別段利用可能でないので、PRMの嗅覚への影響は緩和される。本発明の組成物において、そのような放出プロファイルは、そうでなければ、比較的高レベルの香気に起因して、強烈な匂いとして経験され得るものを軽減することができる。
【0042】
本発明の組成物のプロ香料材料は、PRMを含む。プロ香料材料は、細菌によって放出される酵素に曝露されたときに、PRMを放出することができる。
【0043】
プロ香料材料は、芽胞が発芽し、芽胞に含まれる細菌が酵素を分泌するときに、PRMを徐々に放出してもよい。芽胞の発芽は、製品の貯蔵中には誘発されず、製品の使用中及び使用後にのみ誘発される。芽胞発芽のための良好な条件は、例えば、処理された布地の着用中、具体的には使用者の身体が汗をかいているときに見出される。
【0044】
本明細書で使用するためのプロ香料材料は、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、及びカルボン酸誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の組成物及び方法で使用するのに特に好ましいプロ香料は、グリコシドプロ香料を含む。
【0045】
本発明の組成物は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.05重量%~約5重量%のプロ香料を含む。
【0046】
グリコシド
グリコシドプロ香料材料は、加水分解後に「芳香性アルコール」を放出することができるアグリコン成分に共有結合した少なくとも1つの糖成分を含む。
【0047】
本明細書で使用される「グリコシド」は、糖(グリコシドの「グリコン」部分又は「グリコン成分」)がグリコシド結合を介して非糖(「アグリコン」部分又は「アグリコン成分」)に結合している分子である。したがって、グリコシドは、そのアノマー炭素原子を介して、例えば、アグリコン成分としてのアルコール(化学構造R-OH)のヒドロキシ基に連結されたグリコン成分としての糖からなり得る。
【0048】
グリコシドの糖部分としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、イロース、リボース、アラビノース、グルコサミン、及びガラクトサミンなどの単糖類、並びにラクトース、マルトース、スクロース、セロビオース、イソマルトース、及びエピラクトースなどの二糖類を挙げることができる。
【0049】
上記グリコシド中の「芳香性アルコール」成分に相当するアグリコンとしては、任意の「芳香性アルコール」を挙げることができる。網羅的なリストを提供するわけではないが、心地よい匂いを付与することができるアルコールのリストがここに提供される。「芳香性アルコール」は、アニスアルコール、桂皮アルコール、フェンキルアルコール(fenchylic alcohol)、9-デセン-1-オール、フェネチルオール(phenethylol)、シトロネロール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール(製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、Mayol(登録商標)(4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール;製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、ジヒドロミルセノール(2.6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、ゲラニオール(3.7-ジメチル-2.6-オクタジエン-1-オール)、(Z)-3-ヘキセン-1-オール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、5-エチル-2-ノナノール、2,6-ノナジエン-1-オール、ボルネオール、1-オクテン-3-オール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール(製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、2-メチル-4-フェニル-2-ブタノール、2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール、シクロメチルシトロネロール、デカノール、ジヒドロオイゲノール、8-p-メンタノール、3,7-ジメチル-1-オクタノ-ル、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、1-ドデカノール、オイゲノール、Florol(登録商標)(テトラヒドロ-2-イソ-ブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール;製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、イソオイゲノール、リナロール、Tarragol(登録商標)(2-メトキシ-4-プロピル-1-シクロヘキサノール;製造元:Firmenich SA.、Geneva,Switzerland)、α-テルピネオール、テトラヒドロムグルオール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、Lyral(登録商標)(4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-シクロヘキサ-3-エン-l-カルボアルデヒド:製造元:International Flavors and Fragrances.、USA)、Furaneol(登録商標)(製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、5,6-ジメチル-l-メチルエテニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-メタノール(Arbozol)、2-フェニルエタノール、1-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、Lilyflore(登録商標)((2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-lH-インデン-2-イル)メタノール;製造元:Firmenich SA.、Geneva.Switzerland)、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパン-1-オール(Majantol)、2-ペンチルシクロペンタノール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール(ヒドロキシシトロネロール)、1,1-ジメチル-2-フェニルエタノール、4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール、メントール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール、2-tert-ブチルシクロヘキサノール、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール(ムグオール)、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール(ミルセノール)、3,7,9-トリメチル-1,6-デカジエン-3-オール(イソブチルリナロール)、メチルサリチレート、シス-3-ヘキセニルサリチレート、3,6-ジメチルオクタン-3-オール、1,2-ジメチル-3-プロプ-1-エン-2-イルシクロペンタン-1-オール(プリノール)、2-メチル-4-フェニルペンタノール(Pamplefleur)、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-l-シクロペント-3-エニル)ペンタン-2-オール(Sandalore(登録商標))、(E)-3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール(Polysantol(登録商標))、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール(Norlimbanol(商標))、(E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール、及び4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オンなどからなる群から選択され得るが、これらに限定されない。
【0050】
本発明において使用されるグリコシドプロ香料は、α-若しくはβ-形態、又はα-及びβ-形態の混合物のいずれかであってよい。すなわち、アグリコンと糖との間の結合は、α-結合又はβ-結合のいずれかであり得る。β形態は、微生物によって生成されるβ-グルコシダーゼ酵素によって容易に分解されるので、好ましい場合がある。
【0051】
これらのグリコシドの多くは、容易に市販されている。また、それらは、公知の方法で容易に合成することができる。例えば、それらは、糖と上記アルコールとを酸の存在下で反応させることにより容易に合成することができる。公知のKonigs-Knorr反応を使用してβ形態のみを合成することが可能である。グリコシドプロ香料はまた、例えば、グルコシルトランスフェラーゼ又は全細胞系を使用して、生体触媒を介して生成されてもよい。全てGoldmann(ビーレフェルト、ドイツ)から市販されている、特定の好適なベータグルコシドプロ香料、それらの放出される「芳香性アルコール」及び芳香の非限定的な例を、以下の表に列挙する。
【0052】
好ましくは、本発明の組成物は、アルキルポリグルコシドを含む。アルキルポリグルコシドは、C6~C18アルキルポリグルコシドから選択することができる。アルキルポリグルコシドは、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有することができる。アルキルポリグルコシドは、10個以下の炭素原子を含むアルキル鎖を有する短鎖アルキルポリグルコシドと、10個超の炭素原子~18個の炭素原子、好ましくは12~14個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシドとのブレンドを含むことができる。
【0053】
短鎖アルキルポリグルコシドは、C8~C10の単モーダル鎖長分布を有し、中鎖から長鎖のアルキルポリグルコシドは、C10~C18の単モーダル鎖長分布を有する一方、中鎖アルキルポリグルコシドは、C12~C14の単モーダル鎖長分布を有する。対照的に、C8~C18アルキルポリグルコシドは、通常、C8~C16などのような、C8~C18のアルキル鎖の単モーダル分布を有する。したがって、短鎖アルキルポリグルコシド界面活性剤と中鎖から長鎖又は中鎖アルキルポリグルコシドとの組み合わせは、ブレンドされていないC8~C18アルキルポリグルコシドよりも、幅広い鎖長分布を有するか、又は更にはバイモーダル分布を有する。好ましくは、短鎖アルキルポリグルコシドと長鎖アルキルポリグルコシドとの重量比は、1:1~10:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~4:1である。このような短鎖アルキルポリグルコシドのブレンドは、水中での組成物のより速い溶解をもたらし得ることが見出された。
【0054】
C8~C16アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic Corporation製のSimusol(登録商標)界面活性剤;並びにBASF Corporation製のGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。Glucopon(登録商標)215UPは、好ましい短鎖アルキルポリグルコシドである。Glucopon(登録商標)600CSUPは、好ましい中長鎖アルキルポリグルコシドである。
【0055】
好ましくは、本発明の組成物は、モノグルコシドを含む。
【0056】
【表1】
【0057】
リン酸エステル
本発明で使用される香料のリン酸エステルとしては、ホスフェート及びピロホスフェートを挙げることができる。香料成分に対応するアルキル部分としては、5~15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアラルキル基が挙げられ、これらは分岐していてもよく、アミル、ノニル、ゲラニル、ネリル、リナリル、ヘキセニル、ノナジエニル、フェネチル、及びシンナミル基などの官能基を有していてもよい。香料成分として、上記のグリコシドについて記載されたものと同じものを使用することができ、それらのいくつかは、本明細書で与えられる定義にも含まれる。
【0058】
これらのリン酸エステル誘導体の多くは、容易に市販されている。また、それらは、公知の方法で容易に合成することができる。例えば、それらは、アルキルアルコール又はハロゲン化アルキル及びオキシ塩化リン又は二リン酸エステルから、J.Org.Chem.1989,54,1338-1342;又はMethods.Enzymol.、110,130(1985)に記載されている公知の方法に従って、容易に合成することができる。
【0059】
アミノ酸誘導体
本発明において使用される香料のアミノ酸誘導体としては、アミノ酸エステル、アミノ酸カルバメート、N-アルキルアミノ酸、S-アルキルアミノ酸、及びS-オキシドアルキルアミノ酸を挙げることができる。アミノ酸誘導体を構成するアミノ酸としては、システイン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、フェニルアラニンを挙げることができる。香料成分に対応するアルキル部分としては、5~15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアラルキル基が挙げられ、これらは分岐していてもよく、アミル、ノニル、ゲラニル、ネリル、リナリル、ヘキセニル、ノナジエニル、フェネチル、及びシンナミル基などの官能基を有していてもよい。香料成分として、上記のグリコシドについて記載されたものと同じものを使用することができ、それらのいくつかは、本明細書で与えられる定義にも含まれる。
【0060】
アミノ酸誘導体の1つの好適な具体例は、グルタミンのαアミノ基と、以下に示すPhenoxanol(登録商標)との間で生成されるアミノ酸カルバメートである。類似のアミノ酸カルバメート誘導体は、同じグルタミンカルバメート部分及び他の「芳香性アルコール」(例えば、上記のグリコシドの節に列挙されるもの)を用いて生成され得る。
【0061】
【化1】
【0062】
カルボン酸誘導体
香料のカルボン酸誘導体としては、モノカルボン酸エステル及びポリカルボン酸エステルを挙げることができる。これらは、モノカルボン酸又はポリカルボン酸との「芳香性アルコール」(上記のグリコシドの節の例で定義される)のエステルを含む。好適なエステルは、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、及びアラキジン酸を含む、モノカルボン酸のエステルから選択され得る。好適なエステルは、コハク酸、酒石酸、及びクエン酸を含む、ポリカルボン酸のエステルから選択され得る。好適なエステルは、酸触媒を用いたカルボン酸と「芳香性アルコール」との反応、又はカルボン酸の酸ハロゲン化物と「芳香性アルコール」との反応などの、十分に確立された化学プロセスによって生成され得る。それらはまた、クエン酸トリエチルなどの低級アルキルエステルと「芳香性アルコール」成分とのエステル交換によって生成されてもよい。
【0063】
本発明において使用されるポリカルボン酸誘導体は、香料成分とポリカルボン酸とのエステルである。ポリカルボン酸としては、コハク酸、酒石酸、クエン酸が挙げられる。ポリカルボン酸基は、エチル基又は他の基で置換されたものであってもよい。香料成分としては、上記のグリコシドについて述べたものと同様のものを使用することができる。本発明におけるポリカルボン酸誘導体は、容易に入手することができる。また、それらは、ポリカルボン酸と香料成分に対応するアルコールとを酸の存在下で反応させることによっても容易に合成することができる。それらはまた、クエン酸トリエチルなどの低級アルキルエステルと香料成分とのエステル交換反応によって合成されてもよい。必要に応じて、これらのポリカルボン酸誘導体は、例えば、蒸留又はカラムクロマトグラフィにより精製して使用してもよい。
【0064】
特定の好適なカルボン酸誘導体の非限定的な例としては、フィルメニッシュ社(Firmenich、Geneva,Switzerland)によって供給されるHexarose(登録商標)が挙げられる。これは、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)とゲラニオールとのモノカルボン酸エステルである。別の例は、コハク酸ジゲラニルである。これは、コハク酸1モル当たり2モルのゲラニオールを含む、コハク酸とゲラニオールとのポリカルボン酸エステルである。他の例は、コハク酸とネロール及びゲラニオールとの混合エステル、並びにコハク酸とゲラニオール及びHedione(登録商標)(メチル3-オキソ-2-ペンチル-1-シクロペンタンアセテート)との混合エステルである。
【0065】
香料
本発明の組成物は、香料の組成物の重量に対して好ましくは約0.001%~約10%、より好ましくは約0.001~約5%の香料を含む。
【0066】
上記香料は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリルアルケン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでもよい。香料は、約250℃より低い沸点(B.P.)及び約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より高いB.P.及び約3より高いClogPを有する香料原料、約250℃より高いB.P.及び約3より低いClogPを有する香料原料、約250℃より低いB.P.及び約3より高いClogPを有する混合物及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含んでよい。約250℃よりも低い沸点B.P.と約3よりも低いClogPとを有する香水原料は、象限I香水原料として知られ、約250℃よりも高いB.P.と約3よりも高いClogPとを有する香料原料は、象限IV香料原料として知られ、約250℃よりも高いB.P.と約3よりも低いClogPとを有する香料原料は、象限II香料原料として知られ、約250℃よりも低いB.P.と約3よりも高いClogPとを有する香料原料は、象限III香料原料として知られる。一態様では、当該香料は、約250℃未満のB.P.を有する香料原材料を含む。一態様では、当該香料は、象限I、II、III香料原料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料を含む。一態様では、当該香料は、象限III香料原料を含む。好適な象限I、II、III、及びIV香料原材料は、米国特許第6,869,923(B1)号に開示されている。
【0067】
一態様では、当該香料は、象限IV香料原料を含む。理論に束縛されるものではないが、このような象限IV香料原料は、香料の匂い「バランス」を改善することができると考えられる。上記香料は、香料の総重量に基づいて、約30%未満、約20%未満、又は更には約15%未満の当該象限IV香料原材料を含んでもよい。
【0068】
香料原材料及びアコードは、以下の会社の1つ以上から入手することができる。すなわち、フィルメニッシュ社(Firmenich)(Geneva,Switzerland)、ジボダン社(Givaudan)((Argenteuil,France))、IFF社(Hazlet,NJ)、クエスト(Quest)社(Mount Olive,NJ)、ベドウキアン社(Bedoukian)(Danbury,CT)、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich)(St.Louis,MO)、ミレニアム・スペシャルティ・ケミカルズ社(Millennium Specialty Chemicals)(Olympia Fields,IL)、ポラロン・インターナショナル社(Polarone International)(Jersey City,NJ)、フレグランス・リソーシズ社(Fragrance Resources)(Keyport,NJ)、及びアロマ・アンド・フレーバー・スペシャルティーズ社(Aroma & Flavor Specialties)(Danbury,CT)。
【0069】
好適な洗浄成分としては、界面活性剤系、酵素、酵素安定化系、洗剤ビルダー、キレート剤、錯化剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、移染防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナ、粘土、泡増進剤、消泡剤、抑泡剤、防食剤、汚れ懸濁剤、染料、色相染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚信号成分、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0070】
界面活性剤系:組成物は、所望の洗浄特性を与えるのに十分な量の界面活性剤系を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.1重量%~約70重量%の界面活性剤系、好ましくは約0.5重量%~約60重量%の界面活性剤系を含む。好ましくは、液体組成物は、組成物の約1重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。即時使用可能な硬質洗浄表面組成物の場合、組成物は、組成物の0.01重量%~5重量%、好ましくは0.1重量%~4重量%の界面活性剤系を含んでもよい。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯利益をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。好ましくは、界面活性剤系は、本発明の組成物中に存在する場合、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む。
【0071】
アニオン性界面活性剤。好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられ、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(linear alkylbenzenesulfonate、LAS)、α-オレフィンスルホネート(alpha-olefinsulfonate、AOS)、アルキルサルフェート(脂肪アルコールサルフェート)(alkyl sulfate、AS)、アルコールエトキシサルフェート(AEOS又はAES)、二級アルカンスルホネート(secondary alkanesulfonate、SAS)、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-若しくはアルケニルコハク酸、又は石鹸などを含む。
【0072】
非イオン性界面活性剤。本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含むことができる。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C~C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標))非イオン性界面活性剤(Shell)など);C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの組み合わせとすることができる);C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標))(BASF)など);C14~C22中鎖分岐アルコール(branched alcohol、BA);C14~C22中鎖分岐MEA(BAEx)、式中、xは1~30である);ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテル末端封止ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性洗浄性界面活性剤はまた、アルキルアルコキシル化アルコールを含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0073】
カチオン性界面活性剤。界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。本発明の組成物が洗浄組成物である場合、組成物は、好ましくはカチオン性界面活性剤を含まない。組成物が布地強化剤である場合、組成物は、好ましくはカチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(alkoxylate quaternary ammonium、AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA)が挙げられる。
【0074】
両性イオン性界面活性剤。両性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインが挙げられる(ここで、アルキル基は、C~C18、特定の実施例ではC10~C14とすることができる)。
【0075】
両性界面活性剤。両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、脂肪族基が直鎖又は分岐鎖であってもよく、及び脂肪族置換基の1つが少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8~約18個の炭素原子を含み、及び脂肪族置換基の少なくとも1つがアニオン性水溶解基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含むヘテロ環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。この定義の範囲内に入る化合物の例は、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロパン-1-スルホネート、ナトリウム2-(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2-(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3-(N-カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1-スルホネート、ジナトリウムオクタデシル-イミノジアセテート、ナトリウム1-カルボキシメチル-2-ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-スルファト-3-ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリシナート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0076】
酵素。好ましくは、組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア利益をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明の組成物が洗濯用組成物である場合、それはアミラーゼ及びプロテアーゼ及び任意選択でリパーゼを含む。好ましくは、本発明の組成物は、グルカナーゼを含まない。
【0077】
プロテアーゼ。好ましくは、本組成物は、1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC3.4.21.62)、特に、国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号に記載されている、バチルス種であるB.レンタス(B. lentus)、B.アルカロフィラス(B. alkalophilus)、B.サブチリス(B. subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.プミルス(B. pumilus)、B.ギブソニイ(B. gibsonii)、及びB.アキバイ(B. akibaii)などのバチルス由来のもの。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型のプロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のもの。国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されるバチルス(Bacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、サーモアクチノミセス(Thermoactinomyces)、ゲオバチルス(Geobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、リシニバシラス(Lysinibacillus)又はストプレプトミセス(Streptomyces)種、国際公開第2015193488号に記載されるクリベラ・アルミノサ(Kribella alluminosa)、及び国際公開第2016075078号に記載されるストレプトミセス及びリソバクター(Lysobacter)に由来するもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されるバチルス(Bacillus)種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ、同第2015024739号及び同第2016066757号に記載されるこのバチルス(Bacillus)種TY145サブチラーゼのバリアントを含む。
【0078】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)としてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの、商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(米国特許第5,352,604号の図29に示されている配列)、及びKaoから入手可能なKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラス・サブチリシン(Bacillus alkalophilus subtilisin))。
【0079】
アミラーゼ。好ましくは、組成物は、アミラーゼを含んでもよい。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性α-アミラーゼは、バチルスの菌種に由来するもの、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス種、例えばバチルス属のNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)DSM 12368、DSMZ12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)である。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載されているバリアント、特に、国際公開第96/23874号に配列番号2として列挙されている酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換されているバリアント。
(b)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載されているバリアント、特に国際公開第06/002643号に配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されている変異体、好ましくはD183及びG184の欠失も含有するバリアント。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示すバリアント、特に183及び184位に欠失を有するバリアント、並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されているバリアント。
(d)バチルス属707の野生型酵素(米国特許第6,093,562号の配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示すバリアント、特に、以下の変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。
(e)国際公開第09/149130号に記載されているバリアント、好ましくは国際公開第09/149130号において配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を示すもの、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophilus)に由来する野生型酵素又はその切断バージョン。
(f)国際公開第2016091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、特にH183+G184位に欠失を含み、更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(g)パエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号の配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すバリアント。
(h)サイトファーガ(Cytophaga)種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号の配列番号1)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すバリアント。
(i)バチルス・サブチリス由来のAmyE(国際公開第2009149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示すバリアント。
(j)受託番号AB051102によるバチルス(Bacillus)種KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性バリアントを示すバリアント。
【0080】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0081】
リパーゼ。好ましくは、本組成物は、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているものなどの「第1サイクルリパーゼ」を含む1つ以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1洗いリパーゼである。組成物は、第1洗いリパーゼを含み得る。
【0082】
酵素安定化系。組成物は、組成物の約0.001重量%~約10重量%の酵素安定化系を任意で含み得る。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体を含む、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2-プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0083】
ビルダー。組成物は、ビルダー又はビルダー系を任意に含み得る。ビルダー入り洗浄組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のビルダーを含む。液体洗浄組成物は、組成物の総重量の最大約10%、及び一部の例では、最大8%のビルダーを含み得る。顆粒洗浄組成物は、組成物の重量基準で、最大約30%、及びいくつかの例では、最大5%のビルダーを含み得る。
【0084】
アルミノシリケート(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP、及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)及びシリケートから選択されるビルダーは、洗い水の鉱物質硬度、特にカルシウム及び/若しくはマグネシウムの制御、又は表面からの微粒子汚れの除去を補助する。好適なビルダーは、ポリホスフェート(例えばトリ-ポリリン酸ナトリウム)、特にそのナトリウム塩などのホスフェート;カーボネート、ビカーボネート、セスキカーボネート、及び炭酸ナトリウム又はセスキカーボネート以外のカーボネート鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのボレートによって、又はスルフェート、特に硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有洗浄組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又はキャリアによって補完されてもよい。追加の好適なビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレートビルダー、例えば、アクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸、並びに様々な種類の追加の官能基を有する他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択され得る。また、本明細書のビルダーとしての使用に好適なものは、鎖構造を有し、以下の一般的な無水物形態x(MO)・ySiO2・zM’Oによって表される組成を有する、合成された結晶性イオン交換材料又はその水和物であり、式中、Mは、Na及び/又はKであり、M’は、Ca及び/又はMgであり、y/xは、0.5~2.0であり、z/xは、0.005~1.0である。
【0085】
代替的に、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0086】
キレート剤。組成物はまた、1つ以上の金属イオンのキレート剤を含み得る。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。このようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能的に置換された芳香族キレート剤、2-ピリジノール-Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、酸の形態、又は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、塩の形態で存在することができる。
【0087】
追加アミン:組成物において、汚れた素材からのグリース及び粒子の除去を向上するために様々な追加のアミンが使用され得る。組成物は、洗浄組成物の重量基準で約0.1%~約10%、一部の例では、約0.1%~約4%、及び他の例では、約0.1%~約2%の追加アミンを含み得る。追加のアミンの非限定的な例としては、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせを挙げてもよいが、これらに限定されない。好適な追加のアミンの具体的な例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0088】
移染防止剤。組成物は、1つ以上の移染防止剤を更に含んでいてもよい。好適な移染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’-二コハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDT A);2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びその任意の塩;N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン四プロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、及び漂白触媒。本明細書に記載の組成物は、漂白剤、漂白活性化剤、及び/又は漂白触媒を含み得る。漂白成分は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約30重量%、及びいくつかの例では、約5重量%~約20重量%の濃度で存在してもよい。存在する場合、漂白活性化剤の量は、組成物の約0.1重量%~約60重量%、及びいくつかの例では、約0.5重量%~約40重量%であってもよい。組成物が粉末形態の洗濯組成物である場合、組成物は、好ましくは、過カーボネート漂白剤、及び漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。組成物が液体形態の洗濯組成物である場合、液体組成物は漂白化合物を実質的に含まないことが好ましい。
【0090】
漂白剤の例としては、酸素漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、過カルボン酸漂白剤、及びそれらの塩、過酸素漂白剤、過サルフェート漂白剤、過カーボネート漂白剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
いくつかの例では、組成物はまた、遷移金属漂白触媒を含み得る。
【0092】
酸素漂白剤以外の漂白剤もまた当該技術分野で既知であり、組成物において使用できる。それらは、例えば、光活性化漂白剤、又はペルオキシカルボン酸若しくはその塩などの予備形成有機過酸、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩を含む。
【0093】
増白剤。蛍光増白剤又は他の増白剤若しくは白化剤は、組成物の約0.01重量%~約1.2重量%の濃度で組み込むことができる。
【0094】
本明細書で使用され得る市販の増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾオキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン(dibenzothiphene)-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが必ずしもこれらに限定されないサブグループに分類することができる。
【0095】
いくつかの例では、蛍光性増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、商標名Tinopal AMS-GXとしてCiba Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal UNPA-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal 5BM-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)からなる群から選択される。より好ましくは、蛍光性増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウムである。
【0096】
増白剤は、粒子の形で又は好適な溶剤、例えば非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0097】
布地色相剤。組成物は、布地色相剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色相剤は、布地に青色又は青紫色の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。
【0098】
封入物。組成物は、封入物を含み得る。カプセル化剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含んでもよく、シェルによりコアを封入する。
【0099】
他の成分。組成物は、シリケートを更に含んでいてもよい。好適なケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶質フィロシリケート(phyllosilicate)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、シリケートは、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%の濃度で存在し得る。
【0100】
組成物は、泡増進剤、抑泡剤、防食剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、及び/又は蛍光増白剤などの従来の洗剤成分を更に含んでいてもよい。
【0101】
組成物は、任意選択で、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12~C24脂肪酸;付着助剤、例えば、多糖、セルロースポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド(DADMAC)、及びランダム又はブロック構成のDADMACとビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、及びこれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。存在する場合、脂肪酸及び/又は付着助剤は、それぞれ、組成物の総重量に基づいて0.1%~10%重量で存在し得る。
【0102】
組成物は、任意に、シリコーン又は脂肪酸系泡抑制剤;色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル伝達成分、消泡剤(組成物の総重量に基づいて0.001重量%~約4.0重量%)、並びに/又はジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される構造化剤/増粘剤(組成物の総重量に基づいて0.01重量%~5重量%)を含んでいてもよい。
【0103】
添加組成物
本開示の添加組成物は、追加の補助成分を含み得る。かかる補助剤は、標的布地に更なる処理利益をもたらしてよく、かつ/又はそれらは、安定化助剤若しくは加工助剤として組成物に作用してよい。好適な補助剤としては、キレート剤、塩素捕捉剤、悪臭低減材料、有機溶媒、又はこれらの混合物が挙げられてよい。
【0104】
布地増強剤
本発明の組成物は、布地増強剤の形態にあってもよい。本明細書で使用するための布地増強剤は、布地柔軟化活性物質を含む。好適な布地柔軟化活性物質としては、四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪族エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖類、脂肪油、ポリマーラテックス及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、布地柔軟化活性物質は、四級アンモニウム化合物、より好ましくはエステル四級アンモニウム化合物、更により好ましくはジエステル四級アンモニウム化合物である。
【0105】
布地柔軟化活性物質の布地強化剤への組み込みの典型的な最小レベルは、布地増強剤の少なくとも約1重量%、あるいは少なくとも約2重量%、あるいは少なくとも約3重量%、あるいは少なくとも約5重量%、あるいは少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも約12重量%である。布地増強剤は、典型的には、布地強化剤の約90重量%未満、あるいは約40重量%未満、あるいは約30重量%未満、あるいは約20重量%未満の最大レベルの布地柔軟化活性物質を含んでもよい。
【0106】
表面を処理する方法
本開示は、表面を処理する方法に関し、表面は、硬質表面であっても軟質表面であってもよく、好ましくは、表面は軟質表面であり、より好ましくは、表面は布地である。
【0107】
例えば、本開示の方法は、布地を本開示による製品と接触させることを含んでよい。接触は、全体的に又は部分的に、水の存在下で生じてよい。製品又はその一部は、水に希釈及び/又は溶解されて、処理液を形成してよい。
【0108】
本開示の方法は、表面、好ましくは布地を、水性処理液と接触させることを含んでよい。水性処理液は、洗い液1リットル当たり約1×10コロニー形成単位(Colony forming unit、CFU)~約1×10CFU、好ましくは洗浄液1リットル当たり約1×10CFU~約1×10CFUの総細菌芽胞、好ましくはバチルス芽胞を含んでもよい。
【0109】
布地を処理する方法は、任意の好適な容器中で、その全体又は部分的に行うことができ、例えば、自動洗い機械中で行うことができる。かかる機械は、トップローディング式機械又はフロントローディング式機械であってよい。全プロセスを洗い機械中で行うことができる。代替的に、プロセスの一部を洗い機械中で行うことができ、プロセスの一部を乾燥機中で行うことができる。本発明の方法は、手洗い用途にも適している。
【0110】
処理工程は、自動洗い機械の洗浄又はすすぎサイクルの一環であってよい。水性処理液は、水性すすぎ液であってよい。本開示による製品は、洗い又はすすぎサイクル中に自動洗い機械の引き出し又はドラムに添加されてよい。
【0111】
本開示の方法の処理工程は、布地を水性洗い液と接触させることを含んでよい。布地を水性洗い液と接触させる工程は、布地を水性すすぎ液と接触させる前に生じてよい。かかる工程は、単一処理サイクル中に生じてよい。水性洗い液は、水に溶解する、又は希釈される粒状又は液体洗濯洗剤組成物など洗浄組成物を含んでよい。洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含んでよい。水性洗い液は、約50ppm~約5000ppm、又は約100ppm~約1000ppmのアニオン性界面活性剤を含んでよい。
【0112】
細菌芽胞、好ましくはバチルス芽胞は、布地の約0.01重量%~約5重量%の濃度で添加組成物から添加されてもよい。好ましくは、細菌芽胞は、ビーズの一部分又は乾燥シートの一部分として提供される。
【0113】
処理される布地は、合成布地であってよい。好適な合成布地としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、アセテート、スパンデックス、ラテックス、及び/又はオーロン布地が挙げられる。本発明の組成物及び方法は、合成布地上で非常に良好な悪臭除去及び/又は防止を提供する。
【0114】
処理される布地は、合成繊維を含んでよい。好適な合成繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、アセテート、スパンデックス、ラテックス、及び/又はオーロン繊維が挙げられてよい。繊維は弾性であってよく、及び/又はエラスタンを含有してよい。布地は、合成繊維と天然繊維とのブレンド(例えば、ポリコットンブレンド)を含有してよい。布地は、比較的疎水性である(例えば、綿繊維と比較して)繊維を含んでよい。
【実施例
【0115】
香料アルコールチモールのそのグルコシドからの遊離に対するバチルス芽胞の影響を測定するために、以下の実験を行った。チモールグルコシドを有する編み綿スワッチを、バチルス芽胞を用いて及び用いずに処理した。チモール放出を、GC-MSを使用して定量した。
【0116】
試験の前に、編み綿スワッチ(GMT糊抜き編み綿、Warwick Equest Ltd.)をオートクレーブして、121℃で20分間滅菌した。12個のスワッチを12個の20mLのGC-MSバイアルに添加し、エタノール(27重量%)中の0.5mLのチモール-b-D-グルコピラノシド(製品コード:MT06890、Carbosynth)を注入し、ヒュームフード内で一晩乾燥させた。次いで、スワッチに、水(3重量%)中の1mLのトリプシン大豆ブロス(製品コード:22092、Sigma Aldrich)を注入した。試料の半分を、滅菌水に4.18×10cfu/mLのバチルス芽胞をブレンドした懸濁液100mLで処理し、残りの半分を100μLの滅菌水で処理した。使用したバチルス芽胞は、Evozyme(登録商標)P500 BS7,Genesis Biosciences,Cardiffであった。スワッチを、密封したGC-MSバイアル中、35℃のオーブンで72時間インキュベートした後、分析前に室温で96時間放置した。
【0117】
布地の上のヘッドスペースをサンプリングし、GC-MSを使用して分析した。これは、DVB/CAR/PDMS-SPME繊維(ジビニルベンゼン/カルボキセン/ポリジメチルシロキサン-固相マイクロ抽出)でヘッドスペースをサンプリングする前に、10分間65℃で試料をインキュベートすることを伴った。次いで、繊維をAgilent7890Bガスクロマトグラフの熱入口で脱着した。ヘッドスペース内に存在するチモールを、DB-5カラム上で他の分子から分離し、Agilent 5977B質量分析計によって同定した。
【0118】
以下の表は、標準誤差とともに、両方の処理についてのヘッドスペースにおける平均チモール質量分析ピーク存在量を示す。
【0119】
【表2】
【0120】
結果は、バチルス芽胞の存在が、対照と比較して、チモールグルコシドからのチモールの放出を7倍超増加させることを示す。この結果は、99%の信頼レベルで統計的に有意である。
【0121】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]
表面処理組成物であって、
a)前記組成物の約1×10 ~約1×10 CFU/gのバチルス芽胞と、
b)前記組成物の約0.01重量%~約15重量%の、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるプロ香料(pro-perfume)材料と、
c)香料と、を含む、表面処理組成物。
[2]
前記バチルスが、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[3]
前記バチルスが、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[2]に記載の組成物。
[4]
前記プロ香料材料が、グリコシドを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記グリコシドが、β-D-グリコシドを含む、[4]に記載の組成物。
[6]
前記プロ香料材料が、アルキルグルコシドを含む、[4]に記載の組成物。
[7]
前記組成物が、界面活性剤系を含む洗浄組成物である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
前記組成物が、硬質表面洗浄組成物、好ましくは濃縮形態又は即時使用可能な組成物の形態の水性洗浄組成物である、[7]に記載の組成物。
[9]
前記洗浄組成物が、酵素を含む洗濯洗浄組成物である、[7]に記載の組成物。
[10]
前記組成物が、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤を含む、[9]に記載の組成物。
[11]
前記組成物が、ビーズ又はドライヤーシートの形態の洗濯添加剤である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記組成物が、コンディショニング剤を含む布地増強剤であり、好ましくは、前記コンディショニング剤が、四級アンモニウム化合物、より好ましくはエステル四級アンモニウム化合物、更により好ましくはジエステル四級アンモニウム化合物を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[13]
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供する方法であって、[1]~[12]のいずれかに記載の組成物で前記表面を処理する工程を含む、方法。
[14]
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供するための、[1]~[12]のいずれかに記載の組成物の、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理組成物であって、
a)前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gのバチルス芽胞と、
b)前記組成物の約0.01重量%~約15重量%の、グリコシド、リン酸エステル、アミノ酸誘導体、カルボン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるプロ香料(pro-perfume)材料と、
c)香料と、を含む、表面処理組成物。
【請求項2】
前記バチルスが、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記バチルスが、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記プロ香料材料が、グリコシドを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記グリコシドが、β-D-グリコシドを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記プロ香料材料が、アルキルグルコシドを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、界面活性剤系を含む洗浄組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、硬質表面洗浄組成物、好ましくは濃縮形態又は即時使用可能な組成物の形態の水性洗浄組成物である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記洗浄組成物が、酵素を含む洗濯洗浄組成物である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ビーズ又はドライヤーシートの形態の洗濯添加剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、コンディショニング剤を含む布地増強剤であり、好ましくは、前記コンディショニング剤が、四級アンモニウム化合物、より好ましくはエステル四級アンモニウム化合物、更により好ましくはジエステル四級アンモニウム化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供する方法であって、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物で前記表面を処理する工程を含む、方法。
【請求項14】
持続的な清潔さ(freshness)を表面に提供するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物の、使用。
【国際調査報告】