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特表2024-5258413D印刷性を向上させる軽量液圧設計
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  • 特表-3D印刷性を向上させる軽量液圧設計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】3D印刷性を向上させる軽量液圧設計
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/24 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
F04D29/24 G
F04D29/24 C
F04D29/24 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502230
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2022069556
(87)【国際公開番号】W WO2023285510
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021118384.7
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ヤンジッチ,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ラング,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AA12
3H130AA29
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA23C
3H130BA24C
3H130BA95C
3H130BA97C
3H130BA98C
3H130CB01
3H130CB05
3H130CB09
3H130EB02C
3H130EC12C
3H130EC15B
3H130ED01C
3H130ED04C
(57)【要約】
本発明は、ブレード構成(8)を備える遠心ポンプに関する。ブレード構成(8)は、ブレード(2)が配置されるキャリアユニット(1)を備える。ブレード構成(8)はセルユニット(5)を有する。セルユニット(5)はキャビティ(4)を囲んでいる。セルユニット(5)は壁(3)によって形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレード構成(8)を有する遠心ポンプであって、前記ブレード構成(8)は、ブレード(2)が配置されるキャリアユニット(1)を有し、
前記ブレード構成(8)はキャビティ(4)を囲む複数のセルユニット(5)を有し、前記セルユニット(5)は壁(3)によって形成されることを特徴とする、遠心ポンプ。
【請求項2】
セルユニット(5)が互いに直接隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の遠心ポンプ。
【請求項3】
互いに直接隣接して配置されたセルユニット(5)が壁(3)を共有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の遠心ポンプ。
【請求項4】
前記セルユニット(5)がハニカム構造を形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項5】
前記セルユニット(5)の前記壁(3)が前記キャビティ(4)を完全に囲むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項6】
前記セルユニット(5)の前記壁(3)が開放キャビティ(4)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項7】
前記セルユニット(5)のすべての壁(3)が、前記キャリアユニット(1)と前記ブレード(2)によって一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項8】
前記セルユニット(5)のすべての壁(3)が、複数の部分で、および/または前記キャリアユニット(1)と前記ブレード(2)とによるハイブリッドで形成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項9】
前記壁(3)の厚さが3mm未満、好ましくは2mm未満、特に1mm未満であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項10】
補強リブ(6)が前記セルユニット(5)の内部および/または隣接するセルユニット(5)の間に配置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項11】
前記セルユニット(5)が半径方向および/または円周方向に整列されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項12】
前記セルユニット(5)の前記壁(3)が前記ブレード構成(8)の流体接触面を形成することを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項13】
前記壁(3)および/または前記補強リブ(6)が金属材料から製造されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項14】
前記壁(3)および/または前記補強リブ(6)が材料の組み合わせから製造されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項15】
前記セルユニット(5)の前記キャビティ(4)が、少なくとも部分的に材料で充填されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項16】
前記ブレード構成(8)がカバーディスク(7)を備え、前記カバーディスク(7)が壁(3)で囲まれたキャビティ(4)を有するセルユニット(5)を有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載のブレード構成(8)を有する遠心ポンプを、統合製造ユニットによって製造する方法であって、
構成材料からセルユニット(5)を形成するステップと、
前記壁(3)および/または補強リブ(6)を構成するために、放射線、温度および圧力の形でエネルギーを選択的に作用させるステップと、
定義された特性を有する壁(3)および補強リブ(6)を生成するために、前記エネルギーの作用を意図的に変化させるステップと、
負荷要件に適応するために、前記壁(3)の厚さを意図的に変化させるステップと
を有する方法。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか1項に記載のブレード構成(8)を有する遠心ポンプのマイクロドージングポンプとしての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレード構成を有する遠心ポンプに関し、ブレード構成は、ブレードが配置されるキャリアユニットを有する。
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプの中心的な構成部品はインペラである。インペラは、遠心ポンプなどのターボ機械のブレードを搭載した回転コンポーネントである。この場合、機械的動力は、ブレードでの流れの偏向によって送出動力に変換される。
【0003】
インペラ内の流線のプロファイルに応じて、インペラは、半径方向(ラジアル)インペラ、半軸(セミアキシャル)インペラ、軸方向(アキシャル)インペラ、周囲(ペリフェラル)インペラなど、さまざまなタイプのインペラに分類できる。
【0004】
ブレードを収容するために、すべてのインペラにはキャリアディスクを有し、クローズドインペラの場合はカバーディスクも備える。フロントまたはアウターカバーディスクがインペラに備えられていない場合、インペラはオープンであると見なされる。
【0005】
ポンプ用の密閉型(クローズド)インペラは、その特殊な形状により、本質的には一次成形、特に鋳造法によってのみ製造することができた。一次成形は、形状のない物質から幾何学的に画定された形状を有する固体を製造する主要な製造方法群である。一次成形は、固体の初期形状を形成し、材料の結合力を与えるために使用される。
【0006】
金属および合金の鋳造は、液体金属からワークピースを製造する製造方法である。ダイカスト法では、溶融物を型に充填し、その後、その中で固化させる。型の内面は、鋳造品の負の外面である。
【0007】
DE10 2015 212 203A1には、金属鋳物からなるそのようなインペラが記載されている。この場合、ブレードは束状に配置され、特殊な鋳型内で特に耐摩耗性の金属鋳物に製造される。
【0008】
この方法では、材料の表面内または表面に小さな欠陥や小さな幾何学的偏差が生じ得るが、表面状態の品質にも制限が生じる。これによりインペラの性能が損なわれ得るため、総合的なバランス調整や表面処理などの仕上げ作業が必要となり得る。さらに、鋳造インペラは質量が大きいため、ポンプでの使用中に動作が遅くなり得る。
【0009】
DE10 2016 205 976A1には、アルミニウムからなる軽量で緩みのないインペラが記載されている。軽量構造に優先的に使用されるアルミニウムなどの金属は、慣性の点で鋳造インペラよりも優れているが、通常は摩耗や腐食に対する耐性が同等ではない。
【0010】
プラスチック材料は多くの場合、耐食性を備えていると同時に、動作挙動の点で鈍くならない。DE10 2014 226 525A1には、軽量ポリマーマトリックスからなるインペラが記載されている。しかし、鋳造材料と比較すると、プラスチックは大幅に柔らかく、耐摩耗性が劣る。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、摩耗および腐食に対して耐性があり、同時に動作挙動が鈍くないブレード構成を有する遠心ポンプを提供することである。ここでのブレード構成は、簡単に、経済的に、かつ迅速に製造できるように意図されている。さらに、ブレード構成は、特に軽量であるにもかかわらず、最適な流れの輪郭を有するように意図されている。
【0012】
この目的は、本発明に従って、ブレード構成を有する遠心ポンプおよびその製造方法によって達成される。好ましい変形は、従属請求項、明細書、および図面に記載されている。
【0013】
本発明によれば、ブレード構成はキャビティを囲むセルユニットを有する。これらのセルユニットは、耐摩耗性と耐腐食性の壁で形成されている。
【0014】
本発明の文脈におけるブレード構成は、インペラまたは伝導装置として構成されることが好ましい。
【0015】
セルユニットは、境界壁で囲まれて2次元パターンに配置されたキャビティの要素またはセグメントである。有利には、セルユニットはそれらの間に隙間なく配置され、この場合、壁材料と容積の好ましい比率を有する。セルユニットは、安定化も同時に考慮して構成された軽量設計に非常に適している。セルユニットまたはセグメントは全体の一部であり、したがって、セグメントまたはセルユニットのアセンブリを特に一緒に構築することにより、ブレード構成全体が提供される。
【0016】
キャビティは、容積を持つ数学的、物理的、または技術的なオブジェクトである。例えばセルユニットによって構造内に囲まれた容積は、キャビティであり得る。この場合、キャビティの存在により、強度、質量、弾性の点で基礎構造が変化することがよくある。
【0017】
本発明によれば、セルユニットが互いに直接隣接して配置されるので、隙間なく高強度を有するブレード構成が形成される。これにより、研磨液によって攻撃される表面であるセルユニットの中断された壁および/または隙間ができないので、特に有利である。
【0018】
理想的には、互いに直接隣接して配置されたセルユニットは壁を共有する。これにより、特に安定したブレード構成が得られると同時に、非常に軽量な構成が得られる。
【0019】
本発明の文脈における壁とは、キャビティの境界を定める2次元構造を指す。流れを最適化した構成と壁の設計を最適化した構成を組み合わせることで、質量を最小限に抑えながら流れの輪郭に関して最適に構成された極めて安定したブレード構成が達成される。したがって、ブレード構成の構造は、鋳造によって製造される従来のブレード構成と比較して、材料の量を最大限に節約することができる。
【0020】
好ましくは、セルユニットはブレード構成のハニカム構造を形成する。この場合、ハニカム区画は、円形、角形、および/または台形の構成を有し得る。これらは互いに直接隣接して配置されており、理想的には流れと設計の最適化の結果に従って構成できる。ハニカム構造は、軽量設計として構成されたブレード構成の基礎を形成する。
【0021】
有利には、セルユニットの壁はキャビティを完全に囲んでいる。このように構成されたブレード構成は、流体の流れおよびブレード構成の慣性挙動に悪影響を与える可能性がある、開放的にアクセス可能なキャビティを有さないことが好ましい。これにより、遠心ポンプのブレード構成の流れの輪郭が最適に構成される。
【0022】
本発明の別の変形例では、セルユニットのすべての壁がキャビティを完全に囲んでいるわけではない。特に拡散装置の場合、好ましくはディフューザの場合、これは流れ案内および/または流れ拡散セルユニットの形成に有利であるため、遠心ポンプ全体の効率が有利に影響される。
【0023】
好ましくは、セルユニットのすべての壁は、キャリアユニットおよびブレードによって、また任意にカバーディスクによって一体的に形成される。一体性はジェネレーティブ製造法によって達成されるため、キャビティを囲む壁を特に迅速かつ正確に形成できる。
【0024】
本発明のさらなる変形例では、セルユニットの壁、キャリアユニット、およびカバーディスクが複数の部分で構成される。このような代替実施形態では、ブレードのセルユニットの壁は、従来のように製造されたキャリアディスク上に生成的に適用される。このようにして、個別に配置および設計されたブレードを、大量生産によって製造されるキャリアディスク上に印刷することができ、特定の顧客固有の要件を考慮することができる。ブレードの軽量設計により、インペラ全体の慣性は、完全に固体構成されたインペラの場合よりもはるかに小さくなる。
【0025】
本発明の一変形例では、セルユニットのすべての壁は、複数の部分で、および/またはキャリアユニットとブレードによるハイブリッドで形成される。
【0026】
ブレード構成は、セルユニットからなる軽量設計で、本発明に従ってジェネレーティブ製造法によって製造される。ジェネレーティブ製造法という用語は、材料が層ごとに適用され、それによって3次元コンポーネント、特にインペラおよび/または拡散装置が製造されるすべての製造方法をカバーする。この場合、層状の構築は、コンピュータ制御下で、あらかじめ定められた寸法および形状に従って、1つまたは複数の液体または固体材料から実行される。構築中に、物理的または化学的な硬化または溶融プロセスが発生する。「3D印刷」の代表的な材料としては、プラスチック、合成樹脂、セラミックス、金属、カーボン材料、およびグラファイト材料などが挙げられる。
【0027】
本発明によれば、遠心ポンプ用のブレード構成はジェネレーティブ製造によって形成される。セルユニットおよびブレード構成の壁の形成には、特に堆積(デポジット)溶接とも呼ばれる選択的レーザ溶融およびクラッディングが使用される。本発明の別の変形例では、可融性プラスチックの塗布と組み合わせた低温ガスの噴霧および押出成形も、使用可能な方法である。
【0028】
堆積溶接またはクラッディングでは、ブレード構成のセルユニットは、溶接によって基本構造をコーティングする方法によって製造される。この場合の堆積溶接では、ワイヤまたは粉末の形の溶接溶加材によって容積が増加し、特に複雑で流れが最適化されたブレード構成の形状が生成される。
【0029】
選択的レーザ溶融では、粉末状の金属構成材料がプレート上に薄層で塗布される。粉末状の材料は、それぞれの所望の位置で放射線によって局所的に完全に溶融され、固化後に固体材料層を形成する。その後、このベースプレートを1層の厚さだけ下げて、再び粉末を塗布する。このサイクルは、すべての層が融合されるまで繰り返される。完成したブレード構成から余分な粉末を取り除く。
【0030】
例えば、個々の粉末層からブレード構成を生成するレーザビームを放射線として使用することができる。レーザビームを導くデータは3D CAD本体を基にソフトウェアで作成する。選択的レーザ溶融の代わりに、電子ビーム(EBM)を使用することもできる。
【0031】
本発明の特に有利な変形例では、ブレード構成の流体接触面は、放射線による層の連続的な溶融および固化によって構成材料から製造される。この場合、セルユニットの領域の異なる特性は、放射線の変化によって生成される。熱の局所的導入を意図的に制御することにより、ブレード構成の構築中に材料特性の変更がすでに実行される。これは、化学的に均質な材料の異なる材料状態、したがって壁およびセルユニットの領域に異なる特性を有するゾーンおよび構造を生成することによって行われる。
【0032】
本発明の一変形例では、ブレード構成は、異なる構成材料から形成されてもよい。構成材料は、好ましくは、金属粉末粒子、特に低合金および/または高合金鋼粉末粒子、および/または可融性プラスチック、および/または金属-ポリマーハイブリッド材料を含む。
【0033】
流体接触面、特にブレード構成の流れ輪郭を生成するための構成材料は、金属粉末粒子であることが好ましい。本発明の一変形例では、鉄を含有する粉末粒子および/またはコバルトを含有する粉末粒子がこの目的のために使用される。これらには、クロム、モリブデン、ニッケルなどの添加剤が含まれ得る。したがって、ブレード構成は、特に耐摩耗性と耐腐食性が高くなるように構成されている。
【0034】
本発明によれば、ブレード構成のセルユニットは付加製造法(アディティブマニュファクチャリング)で形成される。壁とセルユニットの3D形状は、データセットとしてソフトウェアに保存される。さまざまな付加的な方法のツールが、壁を形成する予定の場所で機能し、層ごとに付加的に構築することができる。有利なことに、各構成材料に対する適切な構成プロセスは、各層に対して連続的にまたは同時に実行することができ、その結果、異なる材料からなる複雑なブレード構成が形成され、そのセルユニットは、その後の使用の要件に最適かつ個別に適合される。
【0035】
本発明の一変形例では、ハニカム構造は、可融性プラスチックから表面上に点の配列を適用する付加製造法の溶融層ツールによって製造される。ノズルによる押出とその後の所望の位置での冷却による硬化によって、耐荷重構造が、特にセルユニットの形態および/またはハニカム構造の形態で製造される。特に耐荷重構造を備えたキャビティを形成するようにブレード構成の支持領域が製造されることにより、ブレード構成は非常に低い質量とともに非常に大きな強度を有する。ブレード構成の構築は、従来、作業面を行ごとに繰り返し走査し、次に作業面を上方に変位させてスタックを形成することによって実行され、その結果、ブレード構成の支持領域が形成される。
【0036】
本発明によれば、壁は3mm未満、好ましくは2mm未満、特に1mm未満の厚さを有する。有利なことに、壁は、軽量設計の効果がさらに強化されるように、特に薄く構成される。
【0037】
可能な限り最小の質量で特に安定したブレード構成を達成するために、補強リブがセルユニットの内部および/または隣接するセルユニット間に配置される。理想的には、壁は特に薄く構成され、ブレード構成はできるだけ軽く構成され、正確に配置された補強リブによって安定性が最適に生成される。
【0038】
好ましくは、セルユニット、特にキャリアディスクおよびカバーディスクは、半径方向および/または円周方向に整列される。このタイプの配置および整列は、壁の数を減らすのに役立ち、その結果、インペラまたは拡散装置を特に軽量になるように構成することができる。
【0039】
本発明によれば、セルユニットの外壁がブレード構成の流体接触面を形成する。これらは、CFDシミュレーションで使用するための要件に最適に適合しており、個別に生成するだけでなく、ジェネレーティブ製造によって迅速に生成することもできる。
【0040】
有利には、壁および/または補強リブは、特に耐摩耗性および耐腐食性を有する軽量のブレード構成を形成できるように、合金成分を含むことができる金属材料から製造される。あるいは、プラスチックまたはセラミック材料を使用することもできる。
【0041】
本発明の一変形例では、壁および/または補強リブは材料の組み合わせから製造され、したがってハイブリッド材料として形成される。本発明の別の変形例では、セルユニットのキャビティは充填剤で満たされる。好ましくは、充填材は、ブレード構成の安定性が増大し、同時にブレード構成の質量が低く保たれるように、軽量プラスチックとして構成される。
【0042】
本発明によれば、インペラとして構成されるブレード構成は、セルユニットから形成されるカバーディスクを備えることができる。これらのセルユニットは、キャビティを囲む壁で構成されている。したがって、有利には、インペラ全体が軽量設計として構成され、インペラが非常に低い質量で大きな安定性を有するようになる。
【0043】
理想的には、ブレード構成の軽量設計により、付加製造のいわゆる印刷時間は非常に短くなる。したがって、ブレード構成のジェネレーティブ製造は、特に経済的な関心について、鋳造による生産と比較して大幅に競争力が高い。
【0044】
さらに、ブレードの幾何学的形状、流れの輪郭、および補強リブの配置の個別の構成は、特に有利である。鋳造インペラとは対照的に、顧客固有の要件に適応するための仕上げや、ブレード構成に対するシステム固有の調整を行う必要はない。ブレード構成は、使用目的に合わせて最適化される方法で設計でき、精巧な仕上げを含む個々の鋳型にコストを費やすことなく個別に製造できる。
【0045】
本発明によれば、多数のインペラまたは拡散装置の在庫を好ましくは回避することができる。インペラまたは拡散装置の既存の設計データは、必要に応じて直接ジェネレーティブ再製造に使用できるため、在庫の間接的なコストが回避される。
【0046】
理想的には、セルユニットで構成されるブレード構成の軽量設計により、対象のプロトタイプを極めて短期間で作成し、テストシステムでテストできる。したがって、新しいインペラまたは拡散装置の開発時間が短縮され得るという利点がある。
【0047】
本発明によれば、軽量設計のブレード構成は、軽量で緩みのないブレード構成が全く新しい使用の可能性を開く用途に使用することができる。本発明によるブレード構成は、好ましくは、マイクロドージング用途のための流れポンプでの使用に適している。
【0048】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面を用いた例示的な実施形態の説明および図面自体から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明によるブレード構成の中央断面を示す。
図2】ブレードの断面図を示す。
図3】キャリアユニットの断面エリアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明によるブレード構成8の中央断面図を示しており、この例示的な実施形態ではインペラとして構成されている。キャリアユニット1およびカバーディスク7は、キャビティ4を囲むセルユニット5を有する。セルユニット5は壁3によって形成されており、その一部には補強リブ6が配置されている。
【0051】
この例示的な実施形態では、壁3は、放射線によるエネルギー入力によって変化した耐食性合金粒子から生成的に製造される。したがって、インペラの表面は特に耐摩耗性が高くなるように構成されている。インペラは全体がキャビティセグメントの形態のセルユニット5から構成される。したがって、インペラは特に軽量であり、動作挙動の点でも鈍くならない。
【0052】
図2は、ブレード構成8のブレード2の断面を示しており、この例示的な実施形態ではインペラとして構成されている。ブレード2は、キャビティ4を囲むセルユニット5を有する。セルユニット5は壁3によって形成されている。インペラの特に応力がかかる箇所には、壁3に補強リブ6が配置されている。この例示的な実施形態では、ブレード2の壁3は、特に流れが最適化されるように構成され、3mm未満、好ましくは2mm未満、特に1mm未満の厚さを有する。したがって、ブレード2を備えたインペラは、特に軽量になるように構成される。この場合、隣接するセルユニット5は壁3を共有しており、その結果、ブレード2の壁3とキャリアユニット1とが全体として一体的に構成されている。
【0053】
図3は、ブレード構成8のキャリアユニット1の断面を表す。キャリアユニット1は、キャビティ4を囲むセルユニット5を有する。セルユニット5は壁3から形成されており、その一部には補強リブ6が配置されている。この場合、セルユニット5は、半径方向および円周方向に整列される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】