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▶ ディーシーエスイーエヌジー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】多機能パイプ被膜除去装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/36 20060101AFI20240705BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B24B5/36
B24B27/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502562
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 KR2021017239
(87)【国際公開番号】W WO2023008657
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0098592
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516316761
【氏名又は名称】ディーシーエスイーエヌジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、イン スン
【テーマコード(参考)】
3C043
3C158
【Fターム(参考)】
3C043AC01
3C043AC03
3C043AC11
3C043CC03
3C043DD01
3C158AA03
3C158AA11
3C158AA14
3C158AB04
3C158CA01
3C158CB07
(57)【要約】
多機能パイプ被膜除去装置が開示されている。本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置は、パイプの内面又は外面の被膜を除去する装置であって、前記被膜を除去する工具部、前記パイプの内面又は外面を走行する少なくとも一つ以上の表面ローラを含むローラ部及び前記工具部が連結される第1プレート及び前記第1プレートの他側に配置されて前記第1プレートと一つの軸で連結され、前記ローラ部が連結される第2プレートを含む連結部を含んでなることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプの内面又は外面の被膜を除去する装置であって、
前記被膜を除去する工具部;
前記パイプの内面又は外面を走行する少なくとも一つ以上の表面ローラを含むローラ部;及び
前記工具部が連結される第1プレート及び前記第1プレートの他側に配置されて前記第1プレートと一つの軸で連結され、前記ローラ部が連結される第2プレートを含む連結部;
を含んでなることを特徴とする多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項2】
前記工具部は、
回転軸が外部に露出した回転モータを含む本体部;及び
外周面が前記パイプの表面に接触し一側が前記回転軸に連結される加工部;
を含んでなる請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項3】
前記工具部は、
前記加工部の他側に配置され、内径が前記回転軸に連結されるベアリング;
をさらに含んでなる請求項2に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項4】
前記加工部の外径は、
前記ベアリングの外径よりも大きく、前記回転軸の長手方向を基準として一定傾斜をなす請求項3に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項5】
前記工具部は、
前記パイプの長手方向に位置が調節可能である請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項6】
前記ローラ部は、
前記表面ローラ及び前記連結部が連結される本体フレーム;及び
前記本体フレームに連結され、前記パイプの外面を走行する弾性ローラと、前記弾性ローラを前記パイプの外面に加圧する加圧部とを含む弾性部;
を含んでなる請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項7】
前記表面ローラ及び前記弾性ローラは一方向に回転される請求項6に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項8】
前記表面ローラ又は前記弾性ローラのうち少なくとも一つは、
回転進行中、前記本体フレームを前記パイプの端面に密着させるように、前記パイプの延長方向を基準として一定角度傾いた回転軸を有する請求項6に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項9】
前記ローラ部は、
前記本体フレームに連結され、前記表面ローラの進行方向の前方及び後方のうち少なくとも一方向以上に形成され、前記パイプの延長方向の端部の表面を走行するガイドローラ;
をさらに含んでなる請求項8に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項10】
前記第1プレートは、
一面から他面に貫通して前記工具部が挿入される挿入ホール;及び
前記挿入ホールの直径を調節して加圧することができる切開された貫通空間;を含み、
前記連結部は、
前記第1プレートの側面外側から前記貫通空間を貫通して前記第1プレートに締結される直径調節ボルト;
をさらに含む請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項11】
前記第1プレートは、
前記第1プレートの一面から他面に貫通する第1締結ホール;をさらに含み、
前記第2プレートは、
前記第2プレートの側面外側から前記第1締結ホールと連通し、前記工具部が当接する前記パイプの内面又は外面方向に向かって貫通する第2締結ホール;をさらに含み、
前記連結部は、
前記第1締結ホールに挿入される第1締結部材;及び
前記第2締結ホールに挿入されて端部が前記第1締結部材の他端に当接する第2締結部材;
を含む請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項12】
前記第2締結部材は、
前記第2締結ホールに挿入される第1スプリング;及び
前記第2プレートの側面外側に装着されて前記第1スプリングの弾性力を調節する調節ボルト;
を含んでなる請求項11に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項13】
前記第1プレートは、
前記第1プレートの一面から他面に貫通する第3締結ホール;をさらに含み、
前記第2プレートは、
前記第2プレートの一面から他面に貫通して前記第3締結ホールと連通するブッシング溝;をさらに含み、
前記連結部は、
前記第3締結ホールに締結される第3締結部材;をさらに含み、
前記ブッシング溝は、
一側一定領域は一端に行くほど直径が広くなり、
前記第3締結部材は、
他側一定領域は他端に行くほど直径が小さくなり、
前記第1プレートに固定され前記第3締結部材の一側外周面に巻かれる第2スプリング;
をさらに含む請求項11に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項14】
前記第2プレートは、
一定角度領域が一面から他面に貫通して形成される管径調節ライン;を含み、
前記連結部は、
前記管径調節ラインと前記ローラ部に同時に締結される管径調節締結部材;をさらに含み、
前記第2プレートは、
一面に突出形成される行程制限突部;をさらに含み、
前記第1プレートは、
他面に形成され前記行程制限突部の一側が収容される行程制限溝;をさらに含み、
前記行程制限溝は前記行程制限突部を基準として相対的に位置が可変する請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項15】
前記表面ローラと前記弾性ローラは前記パイプの外面にそれぞれ接触した状態で互いに対向するように配置される請求項6に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【請求項16】
前記表面ローラは、
前記ローラ部上で結合される位置が変更される請求項1に記載の多機能パイプ被膜除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被膜除去装置に関するものであり、より詳しくは、パイプの内面又は外面にコーティングまたはメッキされた被膜を除去する多機能パイプ被膜除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設及び建築分野で使用されている配管は、一定長さのパイプを互いに溶接することにより配管ラインを生成することができる。
【0003】
一般的に、パイプは製造された後、保管及び運送過程で発生する腐食または配管ラインを使用するときに発生する腐食を防止するためにパイプの内面及び外面に表面被膜処理をすることになるが、パイプでこのような表面被膜や腐食による酸化物を除去しない状態で溶接がなされると、溶接部位の品質低下はもちろんのこと溶接中にアークを不安定にするなどの問題が発生し得る。
【0004】
図1を参照すると、韓国登録特許第10-0832836号(登録日:2008.05.21)に開示されている従来のパイプ用内部コーティング及び異物除去装置は、前記パイプ1の内面に密着固定するためのマシン固定リング10、前記マシン固定リングから前後作動する前後進ジャック20、前記前後進ジャックに結合された固定ボディの中心に設置されるモータ30、前記モータの減速機と軸結合された回転シャフト40、前記回転シャフトに結合された状態でパイプの内面に付着したコーティング及び異物を小さく砕くための前カッティングヘッド50、前記回転シャフトに結合された状態でパイプの内面に付着したコーティング及び異物を掻き出すための前スクラッチヘッド60及び前記回転シャフトに結合された状態でエアを噴射させるためのエアブラシ70からなる。
【0005】
しかし、従来の装置を用いてパイプの被膜を除去する場合、被膜の切削量を調節することができず、パイプの口径が変わると他の大きさの装置を使わなければならない問題点があり、パイプの内面被膜か外面被膜のいずれか一つの被膜だけ除去可能であるとの短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであり、被膜の切削量を調節することができ、パイプの直径にかかわらず被膜除去が可能であり、目的に応じてパイプの外面被膜か内面被膜を除去することができる多機能パイプ被膜除去装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置は、パイプの内面又は外面の被膜を除去する装置であって、前記被膜を除去する工具部、前記パイプの内面又は外面を走行する少なくとも一つ以上の表面ローラを含むローラ部及び前記工具部が連結される第1プレート及び前記第1プレートの他側に配置されて前記第1プレートと一つの軸で連結され、前記ローラ部が連結される第2プレートを含む連結部を含んでなることができる。
【0008】
さらに、前記工具部は、回転軸が外部に露出した回転モータを含む本体部及び外周面が前記パイプの表面に接触し一側が前記回転軸に連結される加工部を含んでなることができる。
【0009】
このとき、前記工具部は、前記加工部の他側に配置され、内径が前記回転軸に連結されるベアリングをさらに含んでなることができる。
【0010】
より望ましくは、前記加工部の外径は、前記ベアリングの外径よりも大きく、前記回転軸の長手方向を基準として一定傾斜をなすことができる。
【0011】
さらに、前記工具部は、前記パイプの長手方向に位置が調節可能であってもよい。
【0012】
さらに、前記ローラ部は、前記表面ローラ及び前記連結部が連結される本体フレーム及び前記本体フレームに連結され、前記パイプの外面を走行する弾性ローラと、前記弾性ローラを前記パイプの外面に加圧する加圧部とを含む弾性部を含んでなることができる。
【0013】
このとき、前記表面ローラ及び前記弾性ローラは一方向に回転されることができる。
【0014】
また、前記表面ローラ又は前記弾性ローラのうち少なくとも一つは、回転進行中、前記本体フレームを前記パイプの端面に密着させるように、前記パイプの延長方向を基準として一定角度傾いた回転軸を有することができる。
【0015】
さらに、前記ローラ部は、前記本体フレームに連結され、前記表面ローラの進行方向の前方及び後方のうち少なくとも一方向以上に形成され、前記パイプの延長方向の端部の表面を走行するガイドローラをさらに含んでなることができる。
【0016】
さらに、前記第1プレートは、一面から他面に貫通して前記工具部が挿入される挿入ホール及び前記挿入ホールの直径を調節して加圧することができる切開された貫通空間を含み、前記連結部は、前記第1プレートの側面外側から前記貫通空間を貫通して前記第1プレートに締結される直径調節ボルトをさらに含むことができる。
【0017】
さらに、前記第1プレートは前記第1プレートの一面から他面に貫通する第1締結ホールをさらに含み、前記第2プレートは前記第2プレートの側面外側から前記第1締結ホールと連通され、前記工具部が当接する前記パイプの内面又は外面方向に向かって貫通する第2締結ホールをさらに含み、前記連結部は前記第1締結ホールに挿入される第1締結部材及び前記第2締結ホールに挿入されて端部が前記第1締結部材の他端に当接する第2締結部材を含むことができる。
【0018】
このとき、前記第2締結部材は前記第2締結ホールに挿入される第1スプリング及び前記第2プレートの側面外側に装着され前記第1スプリングの弾性力を調節する調節ボルトを含むことができる。
【0019】
また、前記第1プレートは前記第1プレートの一面から他面に貫通する第3締結ホールをさらに含み、前記第2プレートは前記第2プレートの一面から他面に貫通して前記第3締結ホールと連通するブッシング溝をさらに含み、前記連結部は前記第3締結ホールに締結される第3締結部材をさらに含み、前記ブッシング溝は一側一定領域は一端に行くほど直径が広くなり、前記第3締結部材は他側一定領域は他端に行くほど直径が小さくなり、前記第1プレートに固定され前記第3締結部材の一側外周面に巻かれる第2スプリングをさらに含むことができる。
【0020】
さらに、前記第2プレートは一定角度領域が一面から他面に貫通して形成される管径調節ラインを含み、前記連結部は前記管径調節ラインと前記ローラ部に同時に締結される管径調節締結部材をさらに含み、前記第2プレートは一面に突出形成される行程制限突部をさらに含み、前記第1プレートは他面に形成され前記行程制限突部の一側が収容される行程制限溝をさらに含み、前記行程制限溝は前記行程制限突部を基準として相対的に位置が可変してもよい。
【0021】
さらに、前記表面ローラと前記弾性ローラは前記パイプの外面にそれぞれ接触した状態で互いに対向するように配置されることができる。
【0022】
さらに、前記表面ローラは、前記ローラ部上で結合される位置が変更されることができる。
【発明の効果】
【0023】
前記のような本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置は、パイプの直径にかかわらず被膜除去が可能であり、構造が単純で使用及び製作が容易であり、連結部の構成を通して工具部とローラ部の相対位置又は角度を調節してパイプの外面被膜及び内面被膜を除去することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のパイプ用内部コーティング及び異物除去装置の断面図である。
図2】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の斜視図である。
図3】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の工具部の拡大側面図である。
図4】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の拡大正面図である。
図5A】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の回転方向による表面ローラの回転軸の角度変化の第1及び第2実施例である(その1)。
図5B】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の回転方向による表面ローラの回転軸の角度変化の第1及び第2実施例である(その2)。
図6A】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の回転方向による弾性ローラの回転軸の角度変化の第1及び第2実施例である(その1)。
図6B】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の回転方向による弾性ローラの回転軸の角度変化の第1及び第2実施例である(その2)。
図7】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の背面図である。
図8】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第1実施例の背面斜視図である。
図9】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第1プレートの他側方向正面図である。
図10】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第2プレートの一側方向斜視図である。
図11】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第1実施例の背面の連結部の内部を示した斜視図である。
図12】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第2実施例の断面図である。
図13】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の回転実施の概路図である。
図14】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置のパイプ内径加工の正面図である。
図15】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置のパイプ外径加工の正面図である。
図16】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第3実施例の断面図である。
図17】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第4実施例の正面図である。
図18】本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置の第5実施例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の技術的思想を添付図面を用いてより具体的に説明する。これに先立って、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は、通常的な又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はそれ自身の発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0026】
よって、本明細書に記載の実施例と図面に示されている構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎないだけであって、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0027】
以下、本発明の技術的思想を添付図面を用いてより具体的に説明する。添付図面は、本発明の技術的思想をより具体的に説明するために示した一例に過ぎず、本発明の技術的思想が添付図面の形態に限定されるものではない。
【0028】
図2を参照すると、本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置1000は、パイプPの内面又は外面の被膜を除去する装置であって、前記被膜を除去する工具部100、前記パイプPの内面又は外面を走行する少なくとも一つ以上の表面ローラ210を含むローラ部200及び前記工具部100が連結される第1プレート310及び前記第1プレート310の他側に配置されて前記第1プレート310と一つの軸で連結され、前記ローラ部200が連結される第2プレート320を含む連結部300を含んでなることを特徴とすることができる。
【0029】
前記ローラ部200が前記パイプPの内面又は外面に沿って走行し、前記工具部100は前記ローラ部200の走行方向の前方又は後方に配置されて前記ローラ部200に従って前記パイプPの内面又は外面の被膜を切削する。
【0030】
前記連結部300は、前記ローラ部200と前記工具部100とを連結し、前記ローラ部200が前記パイプPの内面又は外面に密着され、前記工具部100が前記ローラ部200の走行に従って前記パイプPの内面又は外面に密着されて前記被膜を除去することができるように連結する。
【0031】
前記のような本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置1000は、パイプPの直径にかかわらず被膜の除去が可能であり、構造が単純で使用及び製作が容易であり、連結部300の構成を通して工具部100とローラ部200の相対位置又は角度を調節してパイプPの外面被膜及び内面被膜を除去することができる効果がある。
【0032】
図3を参照すると、前記工具部100は、回転軸111が外部に露出した回転モータを含む本体部110及び外周面が前記パイプPの表面に接触し一側が前記回転軸111に連結される加工部120を含んでなることができる。
【0033】
前記回転軸111は前記回転モータによって回転し、前記加工部120は前記回転軸111の回転に従って回転し、前記加工部120の外周面が前記パイプPの内面又は外面と接触して前記被膜を除去することができる。
【0034】
このとき、前記工具部100は、前記加工部120の他側に配置され、内径が前記回転軸111に連結されるベアリング130をさらに含んでなることができる。
【0035】
前記ベアリング130は、前記工具部100に結合されて前記回転軸111と共に回転し、外径は前記表面ローラ210と共に前記パイプPの内面又は外面を走行する。前記ベアリング130は前記加工部120を前記パイプPの内面又は外面に支持することができ、前記加工部120の他端が前記パイプPの内面又は外面に当接して前記パイプPの一定の加工量を維持することができる。
【0036】
より望ましくは、前記加工部120の外径は前記ベアリング130の外径よりも大きく、前記回転軸111の長手方向を基準として一定傾斜をなすことができる。よって、前記パイプPの表面が切削される最大深さは前記加工部120と前記ベアリング130との外径差で決まることができ、前記加工部120の外径がなす一定傾斜によって切削表面の形状が平行ではなく、傾斜をなすことができる。
【0037】
また、前記工具部100は前記パイプPの長手方向に位置が調節可能であってよい。すなわち、前記工具部100又は前記加工部120自体の位置が前記パイプPの長手方向に調節可能であり、前記パイプPから除去する被膜の加工幅を調節することができる。
【0038】
また、前記工具部100は本体部110が挿入ホール311に少なくとも一部が挿入されて第1プレート310に連結される。このとき、直径調節ボルト400を締めたり緩めたりして前記本体部110を前記パイプPの長手方向に沿って移動させることにより前記工具部100の位置が調節されることができる。
【0039】
図4を参照すると、前記ローラ部200は、前記表面ローラ210及び前記連結部300が連結される本体フレーム220と、本体フレーム220に連結され前記パイプPの外面を走行する弾性ローラ231と、前記弾性ローラ231を前記パイプPの外面に加圧する加圧部232を含む弾性部230を含んでなることができる。
【0040】
前記本体フレーム220は、一面が前記連結部300と連結され、他面に前記加圧部232が連結されることができる。前記弾性ローラ231は前記加圧部232によって前記パイプPの外面又は内面を押すように加圧されて前記パイプPの外面又は内面に密着された状態で走行することができる。
【0041】
前記表面ローラ210が前記パイプPの内面を走行する場合、前記表面ローラ210に対して互いに対向するように配置された前記弾性ローラ231は前記パイプPの外面に密着された状態で走行することになるため、パイプPの変形に能動的に走行することができる。
【0042】
このとき、前記弾性ローラ231は前記表面ローラ210よりも直径が大きい金属カラーで製作されて加圧部232に弾性支持されるように構成されてもよい。
【0043】
前記表面ローラ210は2つ以上からなることができ、このとき、前記表面ローラ210よりも直径が大きい前記弾性ローラ231は2つの前記表面ローラ210の間に位置することができる。
【0044】
また、前記表面ローラ210及び前記弾性ローラ231はいずれか一方向に回転されることができる。すなわち、前記表面ローラ210及び前記弾性ローラ231は回転方向をいずれか一方向に固定する装置を含むように構成されて被膜除去中に逆回転の発生を防止することができる。
【0045】
図5を参照すると、前記表面ローラ210は、回転進行中、前記本体フレーム220を前記パイプPの端面に密着させるように、前記パイプPの延長方向を基準として一定角度傾いた回転軸を有することができる。
【0046】
すなわち、前記表面ローラ210が前記パイプPの延長方向を基準として、一定角度傾き、回転によって前記本体フレーム220を前記パイプPに密着させることができるように傾いた回転軸を有することができる。
【0047】
図6を参照すると、前記弾性ローラ231は、回転進行中、前記本体フレーム220を前記パイプPの端面に密着させるように、前記パイプPの延長方向を基準として一定角度傾いた回転軸を有することができる。
【0048】
すなわち、前記弾性ローラ231が前記パイプPの延長方向を基準として、一定角度傾き、回転によって前記本体フレーム220を前記パイプPに密着させることができるように傾いた回転軸を有することができる。
【0049】
図4乃至6を参照すると、前記ローラ部200は前記本体フレーム220に連結され、前記表面ローラ210の進行方向の前方及び後方のうち少なくとも一方向以上に形成され、前記パイプPの延長方向の端部の表面を走行するガイドローラ240をさらに含んでなることができる。
【0050】
前記ガイドローラ240は前記表面ローラ210又は前記弾性ローラ231が走行する場合、前記パイプPの端面と前記本体フレーム220との間に発生する摩擦を減少させることにより、前記本体フレーム220は前記パイプPの端部に密着された状態で円滑に走行することができる。
【0051】
また、図7を参照すると、前記第2プレート320は一定角度領域が一面から他面に貫通して形成される管径調節ライン323を含むことができる。また、前記連結部300は前記管径調節ライン323と前記ローラ部200に同時に締結される管径調節締結部材440をさらに含むことができる。
【0052】
前記管径調節ライン323は前記ローラ部200及び前記工具部100の位置を調節及び固定する構成であり、より詳しくは、前記パイプPの直径によって前記加工部120と前記表面ローラ210の位置を調節することにより前記加工部120及び前記表面ローラ210が前記パイプPの直径にかかわらず前記パイプPの表面に密着された状態を維持することができる。
【0053】
図7乃至8を参照すると、前記第1プレート310及び前記第2プレート320は一定厚みを有し、前記第1プレート310の一面は外部に露出し、前記第1プレート310の他面と前記第2プレート320の一面が重なって前記連結部300が形成されることができる。
【0054】
図8乃至11を参照すると、前記第1プレート310と前記第2プレート320はそれぞれに形成された軸連結ホール316、325を貫通して連結するプレート連結軸301を基準として互いに相対的に回転することになる。
【0055】
図8及び9を参照すると、前記第1プレート310は、一面から他面に貫通して前記工具部100が挿入される挿入ホール311及び前記挿入ホール311の直径を調節して加圧することができる切開された貫通空間312を含むことができる。また、前記連結部300は、前記第1プレート310の側面外側から前記貫通空間312を横切り貫通して前記第1プレート310の内側に締結される直径調節ボルト400をさらに含むことができる。
【0056】
前記貫通空間312を通して前記工具部100が前記パイプPの長手方向に調節することができ、多様な直径を有する前記工具部100が前記挿入ホール311に装着されることができる。前記工具部100が前記挿入ホール311に挿入された状態で前記直径調節ボルト400が前記第1プレート310に締結されることにより前記第1プレート310上で前記工具部100の位置が変わることなく固定されることができる。
【0057】
図9乃至11を参照すると、前記第1プレート310は前記第1プレート310の一面から他面に貫通する第1締結ホール313をさらに含み、前記第2プレート320は前記第2プレート320の側面外側から前記第1締結ホール313と連通する第2締結ホール321を含むことができる。また、前記連結部300は前記第1締結ホール313に挿入される第1締結部材410及び前記第2締結ホール321に挿入されて端部が前記第1締結部材410の他端に当接する第1スプリング422を含んでなることができる。
【0058】
このとき、前記第2締結部材420は、前記第2締結ホール321に挿入される第1スプリング422及び前記第2プレート320の側面外側に装着されて前記第1スプリング422の弾性力を調節する調節ボルト421を含んでなることができる。前記第1スプリング422は圧縮スプリングで構成されることが望ましい。
【0059】
前記第1締結部材410が前記第1プレート310の一面から他面に締結されると、前記第1締結部材410の他端は前記第1スプリング422の端部と当接される。このとき、前記第1スプリング422が前記第1締結部材410を押すと、前記第1プレート310に装着された前記加工部120は、当接する前記パイプPの内面又は外面方向に向かって弾性支持されて前記パイプPの内面又は外面に加圧される。
【0060】
前記被膜の切削量は前記加工部120と前記加工部120の端部に設けられた前記ベアリング130との外径差によって決まる。このとき、前記加工部120は、前記第1締結部材410を押す前記第1スプリング422の調節された弾性力によって前記パイプPの変形(真円形態から逸脱)又は前記パイプPの厚み変化(外径と内径)にもかかわらず一定の切削量を維持することができる。
【0061】
前記第1締結部材410に対する前記第1スプリング422の支持方向を必要に応じて内径から外径に又は外径から内径に変更することになれば、本発明は外径を加工する装置又は内径を加工する装置に変換されることができる。
【0062】
前記調節ボルト421は、前記第2プレート320に締結され、前記第2プレート320の締結深さによって前記第1スプリング422の弾性力が調節されることができる。前記調節ボルト421の締結深さが大きくなるほど圧縮される前記第1スプリング422は弾性力が増加して前記パイプPと前記工具部100(又は前記加工部120)との間の密着力を増大させることになる。
【0063】
図12を参照すると、前記第1プレート310は、前記第1プレート310の一面から他面に貫通する第3締結ホール314をさらに含むことができる。そして、前記第2プレート320は、前記第2プレート320の一面から他面に貫通して前記第3締結ホール314と連通するブッシング溝322をさらに含むことができる。また、前記連結部300は、前記第3締結ホール314に締結される第3締結部材430をさらに含むことができる。
【0064】
前記第3締結部材430は、前記第3締結ホール314にねじ締結された状態で維持され、ねじ締結の深さによって前記ブッシング溝322に一部が挿入されても挿入されなくてもよい。
【0065】
このとき、前記ブッシング溝322は一側一定領域は一端に行くほど直径が広くなり、前記第3締結部材430は他側一定領域は他端に行くほど直径が小さくなってもよい。そして、前記第3締結部材430は前記第1プレート310に固定され前記第3締結部材430の一側外周面に巻かれる第2スプリング431をさらに含むことができる。
【0066】
前記第2スプリング431は、作動中に震動などの要因により前記第3締結部材430が緩んで位置が変わらないように弾性支持するための構成である。
【0067】
図13乃至15を参照すると、前記管径調節締結部材440と前記ローラ部200の結合と前記管径調節ライン323によって発生する変位cは前記パイプPの直径の変化に対応するためのものである。また、前記第3締結部材430と前記第3締結ホール314は前記加工部120の位置変化を調節することができる。また、前記第3締結部材430と前記ブッシング溝322との結合の程度によって発生する変位dは前記工具部100の切削変位を調節するためのものである。
【0068】
前記表面ローラ210と前記弾性ローラ231を前記パイプPの一面に固定し、前記パイプPの規格(直径)に合わせて前記管径調節ライン323を調節することになると、変位cが調節されることができる。また、前記加工部120を回転させながら第3締結部材430をブッシング溝322に少しずつ挿入又は抜き取りすることになると、前記加工部120が連結軸301を基準として変位dだけ動きが発生する。このとき、前記第1締結部材410は前記第1スプリング422を圧着することになり、これは、前記工具部120をパイプPの内面又は外面に圧着させる作用を行うことになる。
【0069】
図14及び15を参照すると、前記第2締結ホール321及び前記行程制限溝315の位置と前記第1スプリング422の圧着方向が相異なるように形成されることができる。すなわち、前記パイプPの内径被膜を除去する場合、上述の構成は前記加工部120が前記パイプPの内径を加圧するように配置されることができる。逆に、前記パイプPの外径被膜を除去する場合、上述の構成は前記加工部120が前記パイプPの外径を加圧するように配置されることができるのである。
【0070】
図16を参照すると、前記第2プレート320は、一面に突出形成される行程制限突部324をさらに含み、前記第1プレート310は、他面に形成され前記行程制限突部324の一側が収容される行程制限溝315をさらに含み、前記行程制限溝315は前記行程制限突部324を基準として相対的に位置が可変してもよい。
【0071】
前記行程制限溝315及び前記行程制限突部324は前記第3締結部材430が前記第3締結ホール314から完全に抜け出したときにも一定領域内の挿入位置を離脱しないように挿入位置を保つための構成である。
【0072】
図17を参照すると、前記表面ローラ210と前記弾性ローラ231は前記パイプPの外面にそれぞれ接触した状態で互いに対向するように配置されることができる。
【0073】
すなわち、前記パイプPの直径が小さい場合、前記表面ローラ210が前記パイプPの内面を回転するよりも外面を回転する方が前記被膜切削がより安定的になされることができる。このとき、前記表面ローラ210と前記弾性ローラ231は前記パイプPを基準として互いに対向する方向から前記パイプPを加圧し走行するように配置されることにより、前記ローラ部200は前記パイプPにさらに安定的に装着されることができる。
【0074】
図17に示されているように、前記第1プレート310と前記第2プレート320が前記パイプPの規格に応じて相対的に回転できるように、前記本体フレーム220に別途構成されるブラケットに前記第1プレート310及び前記第2プレート320が前記連結軸301によって結合されることができる。
【0075】
図17乃至18を参照すると、前記表面ローラ210は前記ローラ部200上で結合される位置が変更されることができる。すなわち、相対的により小さい前記パイプPの被膜を除去するために、前記表面ローラ210の結合位置を変更することにより前記パイプPを前記弾性ローラ231と前記表面ローラ210との間に装着させることができる。前記表面ローラ210は、前記本体フレーム220の延長方向に沿って一定間隔離隔し複数形成されたローラ装着ホール211に結合されることができ、前記パイプPの直径によって結合位置が変更されることができる。
【0076】
図示されてはいないが、本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置1000は、前記連結部300を介して前記工具部100の位置又は角度を変更して前記加工部120が前記パイプPの外面又は内面に接触するように配置することにより、前記パイプPの外面又は内面の被膜を除去することができる。
【0077】
また、前記加工部120の形状自体を傾くように製作するか、前記加工部120を前記パイプPの表面に対して水平ではなく一定角度傾くように配置して前記パイプPの表面を傾斜加工することができる。
【0078】
本発明は、上記の実施例に限定されず、適用範囲が多様であることは勿論のこと、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく多様な変形実施が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る多機能パイプ被膜除去装置によれば、パイプの直径にかかわらず被膜除去が可能であり、構造が単純で使用及び製作が容易であり、連結部の構成を通して工具部とローラ部の相対位置又は角度を調節してパイプの外面被膜及び内面被膜が容易に除去されるという点において、既存技術の限界を超えることにより関連技術に対する利用だけではなく適用される装置の市販又は営業の可能性が十分であるばかりか、現実的に明白に実施可能な程度であるため、産業上の利用可能性のある発明である。
【符号の説明】
【0080】
1000:多機能パイプ被膜除去装置
100:工具部
110:本体部
111:回転軸
120:加工部
130:ベアリング
200:ローラ部
210:表面ローラ
211:ローラ装着ホール
220:本体フレーム
230:弾性部
231:弾性ローラ
232:加圧部
240:ガイドローラ
300:連結部
301:連結軸
310:第1プレート
311:挿入ホール
312:貫通空間
313:第1締結ホール
314:第3締結ホール
315:行程制限溝
316:軸連結ホール
320:第2プレート
321:第2締結ホール
322:ブッシング溝
323:管径調節ライン
324:行程制限突部
325:軸連結ホール
400:直径調節ボルト
410:第1締結部材
420:第2締結部材
421:調節ボルト
422:第1スプリング
430:第3締結部材
431:第2スプリング
440:管径調節締結部材
P:パイプ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】