(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】遺伝子発現を調節するためのポリヌクレオチド組成物および方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240705BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/09 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502614
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037391
(87)【国際公開番号】W WO2023288111
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524020733
【氏名又は名称】アプター バイオ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ キンタ デ スーザ リアル,カイオ
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、遺伝子発現を調節するためにプレmRNAおよびスプライソソームと相互作用する、操作されたポリヌクレオチドに関する。操作されたポリヌクレオチドは、スプライソソームを動員するステムループ構造、およびエクソン-イントロンスプライス部位において標的配列に相補的である標的化配列を有し、かつ、2’修飾およびホスホロチオエート結合を有するヌクレオチドを含み得る。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されたポリヌクレオチドであって、
(i)その中の標的配列においてプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)に特異的に結合するように構成された1つ以上の標的化部分と、
(ii)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された動員部分とを含み、
前記プレmRNAおよび前記操作されたポリヌクレオチドと会合されると、前記転写後調節部分が、前記標的配列中で、または前記標的配列に近接して前記プレmRNAを改変させる、
操作されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子の前記標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である、請求項1に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記1つ以上の標的化部分は、(1)前記プレmRNAの前記標的配列中の第1の標的配列に特異的に結合するように構成された第1の標的化部分と、(2)前記プレmRNAの前記標的配列中の第2の標的配列に特異的に結合するように構成された第2の標的化部分と
を含む、請求項1または2に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記第1の標的配列は、前記標的配列中にコンセンサス配列を含む、請求項3に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記第2の標的配列は、前記標的配列中にコンセンサス配列を含む、請求項3または4に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記第1の標的配列および前記第2の標的配列は、前記標的配列において、5ヌクレオチド以下(例えば、1または2ヌクレオチド)の間隔配列だけ離れている、請求項3~5のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記標的配列は、前記プレmRNA中にエクソン-イントロン境界を含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記第1の標的配列および前記第2の標的配列はともに、前記エクソン-イントロン境界に対して5’または3’である、請求項7に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記第1の標的配列および前記第2の標的配列のうち一方は、前記エクソン-イントロン境界に対して5’であり、前記第1の標的配列および前記第2の標的配列のうち他方は、前記エクソン-イントロン境界に対して3’である、請求項7に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項10】
前記標的配列は、前記プレmRNA中にスプライス部位を含む、請求項1~9のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項11】
前記第1の標的配列または前記第2の標的配列は、前記プレmRNA中にスプライス部位(例えば、5’ss)を含む、請求項10に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記第1の標的配列および前記第2の標的化部分のうち一方は、前記動員部分に対して5’であり、および前記第1の標的配列および前記第2の標的化部分のうち他方は、前記動員部分に対して3’である、請求項1~11のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記第1の標的化部分、または前記第2の標的化部分は、表1に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項14】
前記第1の標的化部分は、表1のエクソン配列の列から選択される配列と同一、または相補的な配列を含み、前記第2の標的化部分は、表1のイントロン配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記第1の標的化部分は、表1のイントロン配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含み、前記第2の標的化部分は、表1のエクソン配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項16】
前記第1の標的化部分または前記第2の標的化部分は、イントロンドナー部位のコンセンサス配列(例えば、GU、GT、GC、およびCAから選択される)と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
前記第1の標的化部分、または前記第2の標的化部分は、エクソンドナー部位のコンセンサス配列(例えば、G)と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項18】
前記第1の標的化部分、または前記第2の標的化部分は、GU、GC、G、およびCAから選択されるコンセンサス配列と同一、または相補的な配列を含む、請求項12に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記スプライセオソーム部分は、スプライセオソームリボ核タンパク複合体、スプライセオソーム小核リボ核酸(snRNA)、スプライセオソームタンパク質、それらの機能的変異体、またはそれらの機能的断片から選択される、請求項1~18のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記スプライセオソーム部分は、U1 snRNAおよびスプライセオソームタンパク質を含む、請求項19に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記スプライセオソームsnRNAは、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U14atac、U6atac、およびそれらの組合せから選択される、請求項19~20のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項22】
前記スプライセオソームタンパク質は、Sm、U1-70k、U1A、U1C、およびそれらの組合せから選択される、請求項19~21のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項23】
前記動員部分は、配列番号1~4のうちいずれか1つと少なくとも70%、80%、85%、もしくは90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1~22のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項24】
前記動員部分は、配列番号1~4のいずれか1つと同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項23に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項25】
(例えば、二次的な)構造的特徴を含む、請求項1~24のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項26】
頂端ループ、上部ステム、内部ループ、下部ステム、またはそれらの組合せを含む、請求項24に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項27】
2つの相補的なステム配列を含むステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)に隣接しているループ(例えば、内部ループ)を含む、請求項24に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項28】
前記ステム(例えば、前記下部ステム、または前記上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む、請求項27に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項29】
前記ループは、前記ステム(例えば、前記下部ステム)、および2つの相補的なステム配列を含むさらなるステム(例えば、上部ステム)に隣接している内部ループである、請求項26または28に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項30】
前記内部ループは、10、9、または8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む、請求項29に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項31】
前記さらなるステム(例えば、前記上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む、請求項29または30に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項32】
前記操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループをさらに含む、請求項29~31のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項33】
前記頂端ループは、10、9、8、7、6、または5ヌクレオチド以下の核酸配列を含む、請求項32に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項34】
いずれの分子内ジスルフィド結合も含まない、請求項1~33のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項35】
前記操作されたポリヌクレオチドおよび前記スプライセオソーム部分と会合されるとき、前記プレmRNAは、U1 snRNAのRNA結合ドメイン(RBD)との塩基対形成を実質的に示さない、請求項1~34のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項36】
前記操作されたポリヌクレオチドおよび前記スプライセオソーム部分と会合されるとき、前記プレmRNAは、U1-Cタンパク質との塩基特異的相互作用を実質的に示さない、請求項1~35のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項37】
U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成されている、請求項1~36のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項38】
前記操作されたポリヌクレオチドの5’-標的化部分は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成されている、請求項37に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項39】
前記操作されたポリヌクレオチド(の5’-標的化部分)は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、ジスルフィド結合を介して)共有結合的に相互作用するように構成されている、請求項37または38に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項40】
前記操作されたポリヌクレオチド(の5’-標的化部分)は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、水素結合を介して)非共有結合的に相互作用するように構成されている、請求項37~39のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項41】
U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1~40のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項42】
前記操作されたポリヌクレオチドのステムループ構造の片側は、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項41に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項43】
前記部分的配列は、U1 snRNAのSL2の5’-GGCCU-3’に対応する配列を含む、請求項41または42に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項44】
前記部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含まない、請求項41~43のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項45】
U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない、請求項1~44のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項46】
前記操作されたポリヌクレオチドの内部ループは、U1 snRNAの前記SL2の前記アンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない、請求項45に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項47】
前記操作されたポリヌクレオチドの下部ステムは、U1 snRNAの前記SL2の前記アンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない、請求項45または46に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項48】
前記アンカー配列は、5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含む、請求項45~47のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項49】
U1 snRNAのHヘリックスとの塩基対形成を実質的に示さない、請求項1~48のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項50】
少なくとも1つの化学修飾を含む、請求項1~49のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項51】
少なくとも1つの2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドを含む、請求項50に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項52】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、化学修飾されたヌクレオチドである、請求項50または51に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項53】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドである、請求項50または51に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項54】
少なくとも1つのホスホロチオエートのヌクレオチド間結合を含む、請求項50~53のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項55】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、化学修飾されている、請求項50~54のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項56】
少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエートである、請求項50~54のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項57】
約10~約40ヌクレオチド、約10~約35ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約25ヌクレオチドを含む、請求項1~56のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項58】
前記動員部分は、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約20ヌクレオチドを含む、請求項1~57のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項59】
前記1つ以上の標的化部分は、それぞれ独立して、約2~約15ヌクレオチド、約2~約10ヌクレオチド、または約2~約8ヌクレオチドを含む、請求項1~58のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項60】
前記第1の標的化部分および前記第2の標的化部分のうち一方は2ヌクレオチドを含み、前記第1の標的化部分および前記第2標的化部分のうち他方は5または6ヌクレオチドを含む、請求項1~59のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項61】
前記操作されたポリヌクレオチドおよび前記プレmRNAと会合されるとき、前記スプライセオソーム部分は、前記標的配列中の前記プレmRNAを切断またはスプライスする、請求項1~60のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項62】
前記スプライセオソーム部分は、切断されたプレmRNAの修飾をさらに促進させる、請求項1~61のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項63】
配列番号1~8のうちいずれか1つと少なくとも70%、80%、85%、もしくは90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む操作されたポリヌクレオチドであって、(例えば、二次的な)構造的特徴を特徴とする操作されたポリヌクレオチド。
【請求項64】
前記ヌクレオチド配列は、配列番号1~8のうちいずれか1つと同一、または相補的である、請求項63に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項65】
前記構造的特徴は、1つ以上のステムループ構造を含む、請求項63または64に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項66】
前記構造的特徴は、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、下部ステム、またはそれらの組合せを含む、請求項63または64に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項67】
2つの相補的なステム配列を含むステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)に隣接しているループ(例えば、内部ループ)を含む、請求項63~66のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項68】
前記ステム(例えば、前記下部ステム、または前記上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む、請求項67に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項69】
前記ループは、前記ステム(例えば、前記下部ステム)、および2つの相補的なステム配列を含むさらなるステム(例えば、上部ステム)に隣接している内部ループである、請求項63~68のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項70】
前記内部ループは、10、9、または8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む、請求項69に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項71】
前記さらなるステム(例えば、前記上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む、請求項69または70に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項72】
頂端ループをさらに含む、請求項69~71のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項73】
前記頂端ループは、10、9、8、7、6、または5ヌクレオチド以下の核酸配列を含む、請求項72に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項74】
標的遺伝子の標的配列と十分に同一、または相補的な1つ以上の標的化部分をさらに含む、請求項63~73のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項75】
前記1つ以上の標的化部分の標的化部分は、前記標的遺伝子の前記標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である、請求項74に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項76】
前記標的遺伝子は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)である、請求項74に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項77】
少なくとも1つの化学修飾を含む、請求項63~75のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項78】
少なくとも1つのホスホロチオエートのヌクレオチド間結合を含む、請求項77に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項79】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、化学修飾されている、請求項77に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項80】
少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエートである、請求項77に記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項81】
少なくとも1つの2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドを含む、請求項77~80のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項82】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、化学修飾されたヌクレオチドである、請求項77~80のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項83】
前記操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドである、請求項77~80のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項84】
約10~約40ヌクレオチド、約10~約35ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約25ヌクレオチドを含む、請求項63~83のいずれか1つに記載の操作されたポリヌクレオチド。
【請求項85】
細胞中のプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)を改変する方法であって、前記細胞を、1つ以上の標的化部分および動員部分を含む操作されたポリヌクレオチドと接触させる工程であって、前記1つ以上の標的化部分が、その中の標的配列において前記プレmRNAに結合し、前記動員部分が、前記細胞中の前記プレmRNAを改変するために、前記プレmRNAの前記標的配列の付近内で転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員し、それによって1つ以上の改変されたプレmRNAをもたらす、工程を含む方法。
【請求項86】
前記1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子の前記標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記プレmRNAは標的遺伝子に対応する、請求項85または86に記載の方法。
【請求項88】
前記標的遺伝子は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)である、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記標的遺伝子の発現または活性を改変する、請求項85~88のいずれか1つに記載の方法。
【請求項90】
前記接触させる工程前に、前記細胞は、前記標的遺伝子に対応する異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)またはタンパク質を示す、請求項85~89のいずれか1つに記載の方法。
【請求項91】
操作されたポリヌクレオチドのセットであって、それぞれ独立して、(i)標的配列においてプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)に結合するように構成された1つ以上の標的化部分と、(ii)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された動員部分とを含み、前記標的配列を含む複数の標的配列において前記プレmRNAに特異的に結合するように構成されている、操作されたポリヌクレオチドのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年7月16日に出願された米国仮出願第63/222,741号の利益を主張するものであり、当該出願はあらゆる目的のためにその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
クラスター化された規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)技術を用いた遺伝子編集は、恒久的なデオキシリボ核酸(DNA)変異をもたらす場合があり、したがって、例えば、治療適用において、オフターゲットの課題を提示する。リボ核酸(RNA)レベルでの遺伝子調節の効率は、制限されたままである。したがって、例えば、治療上有効かつ安全なレベルで遺伝子発現および活性を調節するためのポリヌクレオチド組成物および方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載されるのは、いくつかの態様では、操作されたポリヌクレオチドであり、該操作されたポリヌクレオチドは、その中の標的配列においてプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)に結合するように構成された1つ以上の標的化部分、および転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された動員部分を含み、該プレmRNAおよび該操作されたポリヌクレオチドと会合されるとき、該転写後調節部分が、該標的配列中で、または該標的配列に近接して該プレmRNAを改変させる。いくつかの実施形態では、該1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子の該標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、該1つ以上標的化部分は、該プレmRNAの該標的配列中の第1の標的配列に特異的に結合するように構成された第1の標的化部分、および該プレmRNAの該標的配列中の第2の標的配列に特異的に結合するように構成された第2の標的化部分を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的配列は、該標的配列中にコンセンサス配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の標的配列は、該標的配列中にコンセンサス配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的配列および第2の標的配列は、該標的配列において、5ヌクレオチド以下(例えば、1または2ヌクレオチド)の間隔配列だけ離れている。いくつかの実施形態では、該標的配列は、該プレmRNAでエクソン-イントロン境界を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的配列および第2の標的配列はともに、該エクソン-イントロン境界に対して5’または3’である。いくつかの実施形態では、該第1の標的配列および第2の標的配列のうち一方は、該エクソン-イントロン境界に対して5’であり、該第1の標的配列および第2の標的配列のうち他方は、該エクソン-イントロン境界に対して3’である。いくつかの実施形態では、該標的配列は、該プレmRNAでスプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的配列または第2の標的配列は、該プレmRNAでスプライス部位(例えば、5’ss)を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち一方は、該動員部分に対して5’であり、該第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち他方は、該動員部分に対して3’である。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分または該第2の標的化部分は、表1に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分は、表1の5’-標的化部分配列の列から選択される配列と同一、または相補的な配列を含み、該第2の標的化部分は、表1の3’-標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列が含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分は、表1の3’-標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含み、該第2の標的化部分は、表1の5’-標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列が含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分、または該第2の標的化部分は、イントロンドナー部位のコンセンサス配列(例えば、GU、GT、GC、およびCAから選択される)と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分または該第2の標的化部分は、エクソンドナー部位のコンセンサス配列(例えば、G)と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分または該第2の標的化部分は、GU、GT、GC、G,およびCAから選択されるコンセンサス配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、該スプライセオソーム部分は、スプライセオソームリボ核タンパク複合体、スプライセオソーム小核リボ核酸(snRNA)、スプライセオソームタンパク質、それらの機能的変異体、またはそれらの機能的断片から選択されている。いくつかの実施形態では、該スプライセオソーム部分は、U1 snRNAおよびスプライセオソームタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、該スプライセオソームsnRNAは、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U14atac、U6atac、およびそれらの組合せから選択されている。いくつかの実施形態では、該スプライセオソームタンパク質は、Sm、U1-70k、U1A、U1C、およびそれらの組合せから選択されている。いくつかの実施形態では、該動員部分は、表2~3に記載される配列と少なくとも70%、80%、85%、もしくは90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、該動員部分は、表2~3に記載される配列と同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、(例えば、二次的な)構造的特徴を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、下部ステム、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、2つの相補的なステム配列を含むステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)に隣接するループ(例えば、内部ループ)を含む。いくつかの実施形態では、該ステム(例えば、該下部ステム、または該上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、該ループは、該ステム(例えば、該下部ステム)および2つの相補的なステム配列を含むさらなるステム(例えば、上部ステム)に隣接する内部ループである。いくつかの実施形態では、該内部ループは、10、9、または8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該さらなるステム(例えば、該上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループをさらに含む。いくつかの実施形態では、該頂端ループは、10、9、8、7、6、または5ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、いずれの分子内ジスルフィド結合も含まない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、該スプライセオソーム部分と会合されるとき、プレmRNAがU1 snRNAのRNA結合ドメイン(RBD)との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、該スプライセオソーム部分と会合されるとき、該プレmRNAは、U1-Cタンパク質と塩基特異的相互作用を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、特にU1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互に作用するように構成されている。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの5’-標的化部分は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成されている。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、ジスルフィド結合を介して)共有結合的に相互に作用するように構成されている。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、Ul-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、水素結合を介して)非共有結合的に相互作用するように構成されている。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドのステムループ構造の片側は、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、該部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-GGCCU-3’に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、該部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含まない。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの内部ループは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの下部ステムは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、該アンカー配列は、5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのHヘリックスとの塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、化学修飾ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、化学修飾されている。いくつかの実施形態では、少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエートである。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、約10~約40ヌクレオチド、約10~約35ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約25ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該動員部分は、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約20ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該1つ以上の標的化部分は、それぞれ独立して、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち一方は、約2ヌクレオチドを含み、該第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち他方は、5または6ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドおよび該プレmRNAと会合されるとき、該スプライセオソーム部分は、該標的配列中の該プレmRNAを切断またはスプライスする。いくつかの実施形態では、該スプライセオソーム部分は、切断されたプレmRNA修飾をさらに促進させる。
【0004】
本明細書に記載されるのは、いくつかの態様では、操作されたポリヌクレオチドであり、該操作されたポリヌクレオチドは、表2~3に記載される配列と少なくとも70%、80%、85%、もしくは90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含み、その操作されたポリヌクレオチドは、(例えば、二次的な)構造的特徴を特徴とする。いくつかの実施形態では、該ヌクレオチド配列は、表2~3に記載される配列と同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、該構造的特徴は、1つ以上のステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、該操構造的特徴は、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、下部ステム、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、2つの相補的なステム配列を含むステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)に隣接するループ(例えば、内部ループ)を含む。いくつかの実施形態では、該ステム(例えば、該下部ステム、または該上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、該ループは、該ステム(例えば、該下部ステム)および2つの相補的なステム配列を含むさらなるステム(例えば、上部ステム)に隣接する内部ループである。いくつかの実施形態では、該内部ループは、10、9、または8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該さらなるステム(例えば、該上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループをさらに含む。いくつかの実施形態では、該頂端ループは、10、9、8、7、6、または5ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、標的遺伝子の標的配列と十分に同一、または相補的な1つ以上の標的化部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の標的化部分は、該標的遺伝子の該標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、該標的遺伝子は微小管関連タンパク質タウ(MAPT)である。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、化学修飾されている。いくつかの実施形態では、少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエートである。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、化学修飾ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドは、約10~約40ヌクレオチド、約10~約35ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約25ヌクレオチドを含む。
【0005】
本明細書に記載されるのは、いくつかの態様では、細胞中のプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)を改変する方法であり、該細胞を、1つ以上の標的化部分および動員部分を含む操作されたポリヌクレオチドと接触させる工程であって、該1つ以上の標的化部分が、その中の標的配列において該プレmRNAに結合し、該動員部分が、該細胞中の該プレmRNAを改変するために、該プレmRNAの該標的配列の付近内で転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員し、それによって1つ以上の改変されたプレmRNAをもたらす。いくつかの実施形態では、該1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子の該標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、該プレmRNAは標的遺伝子に対応する。いくつかの実施形態では、該標的遺伝子は微小管関連タンパク質タウ(MAPT)である。いくつかの実施形態では、方法は、該標的遺伝子の発現または活性を改変する。いくつかの実施形態では、該接触させる工程の前に、該細胞は、該標的遺伝子に対応する異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)またはタンパク質を示す。
【0006】
本明細書に記載されるのは、いくつかの態様では、操作されたポリヌクレオチドでのセットあり、該操作されたポリヌクレオチドは、それぞれ独立して、標的配列においてプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)に結合するように構成された1つ以上の標的化部分、および転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された動員部分を含み、該標的配列を含む複数の標的配列におい該プレmRNAに特異的に結合するように構成されている。
【0007】
本明細書に記載される別の実施形態は、操作されたポリヌクレオチドであり、該操作されたポリヌクレオチドは、その中の第1の標的配列においてプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)に特異的に結合するように構成された第1の標的化部分、スプライセオソーム部分を動員するように構成された動員部分、およびその中の第2の標的配列においてプレmRNAに特異的に結合するように構成された第2の標的化部分を含み、
該動員部分は、頂端ループ、該頂端ループに隣接する上部ステム、下部ステム、および該上部ステムと下部ステムとの間に位置する内部ループを含み、該スプライセオソーム部分は、該プレmRNAおよび該操作されたポリヌクレオチドと会合されるとき、該第1の標的配列および該第2の標的配列を含む標的配列において該プレmRNAを改変する。いくつかの態様では、第1の標的配列および第2の標的配列は、該標的配列において、5ヌクレオチド以下の間隔配列によって離れている。いくつかの態様では、標的配列は、該プレmRNA中にエクソン-イントロン境界を含む。いくつかの態様では、第1の標的配列は、該エクソン-イントロン境界の5’であり、第2の標的配列は、該エクソン-イントロン境界の3’である。いくつかの態様では、該第1の標的化部分は、表1のエクソン配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含み、該第2の標的化部分は、表1のエクソン配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列が含む。いくつかの態様では、スプライセオソーム部分は、U1 snRNAおよびU1-Cタンパク質を含む。いくつかの態様では、上部ステムまたは該下部ステムは、2つの相補的配列を含み、2つの相補的配列のそれぞれは、5ヌクレオチド以下を含み、内部ループは、2つの核酸配列を含み、該2つの核酸配列のそれぞれは、5ヌクレオチド以下を含み、および頂端ループは、8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。別の態様では、プレmRNAは、該操作されたポリヌクレオチドと会合されるとき、U1 snRNAのRNA結合ドメイン(RBD)との塩基対形成を実質的に示さず、スプライセオソーム部分は、該操作されたポリヌクレオチドおよび該スプライセオソーム部分と会合されるとき、U1-Cタンパク質との塩基に特異的な相互作用を実質的に示さない。他の態様では、該操作されたポリヌクレオチドの5’-標的化部分は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成されている。他の態様では、動員部分は、U1 snRNAのステムループII(SL2)の配列の少なくとも4ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を含む。他の態様では、U1 snRNAのSL2の配列は、5’-GGCCU-3’を含む。操作されたポリヌクレオチドは、2’-修飾ヌクレオチドを有し得る。該操作されたポリヌクレオチドの少なくとも50%のヌクレオチドは、2’-修飾ヌクレオチドであり得る。2’-修飾ヌクレオチドは、2’-メトキシヌクレオチドであり得る。他の態様では、操作されたポリヌクレオチドは、ヌクレオチド間結合によって接続しているヌクレオチドを含み、該ヌクレオチド間結合の少なくとも1つは、ホスフェートを含まない。少なくとも1つ、または50%、60%、70%、80%、もしくは90%のヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエートであり得る。
【0008】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。引用により組み込まれる出版物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示に矛盾する程度まで、本明細書は、そのような矛盾のある題材に取って代わること、および/または、上記題材よりも優先することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
特許または出願のファイルは、色つきで作成された少なくとも1つの図面を含む。色つきの図面を有するこの特許または特許出願のコピーは、必要な料金の請求および支払い後に当該事務局によって提供される。
【
図1】スプライスドナー部位およびスプライスアクセプター部位の同定のための概略図を例示する。動物および植物においてメッセンジャーリボ核酸(mRNA)スプライシングのための例示的なコンセンサス配列は、「GU_AG」であり、「GU」は例示的なスプライスドナー配列であり、かつ「AG」は例示的なスプライスアクセプター配列である。哺乳動物におけるより長いスプライス・ドナー・コンセンサス配列は、「GUrAGU」であり得、ここでは、「r」は「G」または「A」のいずれかを表す。通常、「GU_AG」という表現は、配列の5’末端および3’末端の2ヌクレオチドのみがそれぞれ、「GU」および「AG」として不変であり、下線によって表される配列が、任意の配列であり得ることを意味する。しかし、本明細書に記載される本発現は、下線によって表される配列が、他のコンセンサス配列のいずれも一致しない配列を除いて任意の配列であり得ることを示す。スプライス・アクセプター・コンセンサス配列の前に分岐点配列が存在し、該分岐点配列は、イントロンラリアットを形成するために5’スプライス部位リボヌクレオチドに連結されるアデニンおよび分岐点とスプライスアクセプター配列との間にあるポリピリミジントラクト(CまたはU)を含有している。イントロンの短いGU_AGコンセンサス配列は、多数の選択的スプライシング事象中で区別するのに十分でないことは明らかだが、驚くべきことに選択的RNAスプライシングを調節するのに必要な他の配列情報についてはほとんど知られていない。イントロンの両側の側面に位置する1または2ヌクレオチドも、しばしば保存され、それらは我々の補足表に含まれるが、それらは本明細書ではさらに論じられないため、イントロンの末端におけるコンセンサス配列の本発明者らの分析に焦点を当てることができる。この意味で、操作されたポリヌクレオチドの合理的設計は、スプライスのイントロンコンセンサス配列(GU_AG)を論理的に同定する。その後、ドナー部位(5’エクソンおよびイントロン下流)およびアクセプター(3’エクソンおよびイントロン下流)の保存領域を決定することが可能になる。保存およびコンセンサス領域は、構成的スプライスドナーまたはアクセプターの同じ部位内に位置することに留意することが重要である。コンセンサス領域の認識によって、エクソンとイントロンとの間のジャンクションの限界である5’スプライシング部位が決定される。一方、保存領域の認識によって、調節のために選択される転写産物の同一性が同定される。
【
図2A】本明細書に記載される例示的な操作されたポリヌクレオチドを例示し、該操作されたポリヌクレオチドは、(1)3’-標的化部分:3’-GC-5’、(2)下部ステム:3’-GA-5’/5’-CT3’、(3)内部ループ:3’-CC-5’/5’-AA-3’、(4)上部ステム:3’-GGA-5’/5’-CCT-3’、(5)頂端ループ:3’-CTT-5’、および(6)5’-標的化部分:5’-GTCCA-3’を含む。
【
図2B】本明細書に記載される例示的な操作されたポリヌクレオチドを例示し、該操作されたポリヌクレオチドは、(1)3’-標的化部分:3’-GC-5’、(2)下部ステム:3’-GA-5’/5’-CT3’、(3)内部ループ:3’-CC-5’/5’-AA-3’、(4)上部ステム:3’-GGA-5’/5’-CCT-3’、(5)頂端ループ:3’-CTT-5’、および(6)5’-標的化部分:5’-GTCCA-3’を含む。
【
図2C】例示的な操作されたポリヌクレオチドと標的プレmRNA配列との相互作用を例示する。
【
図2D】例示的な操作されたポリヌクレオチドとU1 RNP複合体の様々な成分との相互作用を例示する。
【
図3A】構成的ドナー部位に存在する保存された部分と相互作用するように設計された操作されたポリヌクレオチド「ステム5’/3’」(別名、5’-標的化部分、または/および3’-標的化部分)を介して起こるアンカーを例示する。
図3A。分子糖に対するホスホロチオエートヌクレオチド間の結合および2’O-メチル(2’O-ME)などの置換のステム5’/3’(GTCCAおよびCG)は、エンドヌクレアーゼに対する耐性を増大させ、ステム5’/3’の塩基と構成的ドナー由来の保存領域との間の相互作用の分子強度を増大させる。
【
図3B】構成的ドナー部位に存在する保存された部分と相互作用するように設計された操作されたポリヌクレオチド「ステム5’/3’」(別名、5’-標的化部分、または/および3’-標的化部分)を介して起こるアンカーを例示する。
図3B。本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドと構成的ドナースプライシングとの相互作用、および構成的ドナースプライシング-エクソンによるU1 snRNAのRNA結合部分(RBD)のサイレンシング。
【
図4】ヒトU1 snRNPの図を例示する。U1 snRNPは、1つのU1 snRNA、7つの共通Smタンパク質および3つのU1 snRNP-特異的タンパク質(U1-70K、U1AおよびU1C)からなる。U1 snRNAの二次的構造は、4つのステムループ(SL)および強調されたHヘリックスからなる。Hヘリックスを形成するヌクレオチドが示される。さらに、RNA:タンパク質、またはRNA:5’スプライシング部位の相互作用に関連するU1 snRNA配列が同様に示される。SL1のループ部分は結晶構造に従って描かれている。それは、A29とA36との間に形成されたトランスWC/Hoogsteen塩基対によって閉じられる。U1 snRNPのタンパク成分、それらのサイズおよびそれらの近似の位置が、同様に示される。Smタンパク質によって形成されたSm環は、枠で囲まれたSm部位に結合する緑色の丸で示される。赤で示されるU1-70Kは、SL1を認識する。黄色で示されるU1Aは、SL2に結合する。青で示されるU1Cは、U1-70 KおよびSmタンパク質とのタンパク質:タンパク質相互作用によってU1 snRNPに動員される。注は、U1CとSm環との間の相互作用を示す。
【
図5A】U1 snRNPが、プレmRNAの5’エクソン-イントロン接合部に結合し、したがってプレmRNAスプライシングの初期段階で重要な役割を果たすことを例示する。操作されたU1サブ構造の2つの結晶構造が示され、それらはともにU1 snRNP内のタンパク質-タンパク質およびRNA-タンパク質相互作用のほぼ完全なネットワークを原子分解能で明らかにし、プレmRNAの5’スプライス部位がU1 snRNPによってどのように認識されるか示す。U1-Cのジンクフィンガーは、プレmRNAとU1 snRNAの5’-末端との間の二重鎖と相互作用する。RNA二重鎖の結合は、U1-Cとスプライス接合部のまわりのRNA骨格との間の水素結合および静電的相互作用によって安定化されるが、U1-Cは、プレmRNAとは塩基特異的に接触しない。本構造とRNA結合アッセイから、U1 snRNPによる5’-スプライス部位のヌクレオチドの選択は、主にU1 snRNAとの塩基対形成によって達成される一方、U1-Cはミスマッチした5’-スプライス部位の相対的親和性を微調整することが示された。
図5A。U1 snRNAステムループと複合したU1-70k、およびステムループ2と複合したU1-A RRM。
【
図5B】U1 snRNPが、プレmRNAの5’エクソン-イントロン接合部に結合し、したがってプレmRNAスプライシングの初期段階で重要な役割を果たすことを示す。操作されたU1サブ構造の2つの結晶構造が示され、それらはともにU1 snRNP内のタンパク質-タンパク質およびRNA-タンパク質相互作用のほぼ完全なネットワークを原子分解能で明らかにし、プレmRNAの5’スプライス部位がU1 snRNPによってどのように認識されるか示す。U1-Cのジンクフィンガーは、プレmRNAとU1 snRNAの5’-末端との間の二重鎖と相互作用する。RNA二重鎖の結合は、U1-Cとスプライス接合部のまわりのRNA骨格との間の水素結合および静電的相互作用によって安定化されるが、U1-Cは、プレmRNAとは塩基特異的に接触しない。本構造とRNA結合アッセイから、U1 snRNPによる5’-スプライス部位のヌクレオチドの選択は、主にU1 snRNAとの塩基対形成によって達成される一方、U1-Cはミスマッチした5’-スプライス部位の相対的親和性を微調整することが示された。
図5B。U1 snRNAステムループ1および2(55-MER)。
【
図5C】U1 snRNPが、プレmRNAの5’エクソン-イントロン接合部に結合し、したがってプレmRNAスプライシングの初期段階で重要な役割を果たすことを示す。操作されたU1サブ構造の2つの結晶構造が示され、それらはともにU1 snRNP内のタンパク質-タンパク質およびRNA-タンパク質相互作用のほぼ完全なネットワークを原子分解能で明らかにし、プレmRNAの5’スプライス部位がU1 snRNPによってどのように認識されるか示す。U1-Cのジンクフィンガーは、プレmRNAとU1 snRNAの5’-末端との間の二重鎖と相互作用する。RNA二重鎖の結合は、U1-Cとスプライス接合部のまわりのRNA骨格との間の水素結合および静電的相互作用によって安定化されるが、U1-Cは、プレmRNAとは塩基特異的に接触しない。本構造とRNA結合アッセイから、U1 snRNPによる5’-スプライス部位のヌクレオチドの選択は、主にU1 snRNAとの塩基対形成によって達成される一方、U1-Cはミスマッチした5’-スプライス部位の相対的親和性を微調整することが示された。
図5C。U1小核リボ核タンパク質Aおよび70kDa。
【
図6】U1-Cジンクフィンガーを介して安定化された、U1 snRNAステムループと複合したU1-70kおよびステムループ2と複合したU1-A RRMを例示する。
【
図7】本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチド(ASMO1)によるスプライセオソーム機構の調節の概略図を例示する。標的化部分(「ステム5’/3’」)(5’-GTCCA-3’および5’-CG-3’)のアンカーは、U1 snRNAのRNA結合部分(RBD)のサイレンシングによって、構成的ドナーの保存部位との相互作用を可能にする。U1 snRNP複合体の安定化は、ASMO1ステム5’/3’のチオールとのジスルフィド架橋によって誘導されるU1-Cのジンクフィンガーの強力なイオン引力によって観察することができる。プレmRNA/ASMO1二重鎖結合は、U1-Cと継ぎ目のまわりのプレmRNA骨格との間の水素結合および静電的相互作用によって安定化されるが、U1-Cは、プレmRNAと塩基特異的接触を起こさない。本構造は、U1 snRNPによる5’-スプライスのヌクレオチドの選択が、主として、ステム5’/3’とプレmRNAとの間の相互作用によって達成されることを実証する。一方、U1-Cは、5’-スプライスの不適合部位の相対的親和性を調節し、U1-70KDaとSm環との間の相互作用架橋によるスプライセオソーム機構の中核を安定化させる。上部ステム(別名「ヘアピン-2’;
図2Bを参照)(3’-GGA-5’/5’-CCT-3’)および内部ループ:(3’-mCC-5’/5’-AA-3’)の特定の塩基(5’-AGGCC-3’)とのステムループIIの静電的相互作用、および水素架橋はポリアデニル化シグナルおよびU1-Aによるアセチル化の調節と関連して観察することができる。ステムループIIにおけるU1-Aのアンカー部分(5’-CAACGUUA-3’)は、上部ステムによってサイレンシングされず、遺伝子発現およびアセチル化のレベルの調節を誘導することに留意されたい。さらに、2’-OME基の存在は、培地の分子ダイナミクスの変化を誘導し、U1-snRNAの立体構造変化およびステムループIIのASMO1への近似を促進し、ASMO1標的化部分または動員部分は、U1-Aタンパク質とは異なり、ポリアデニル化シグナルの調節解除によるリーディングフレームの早期中断の可能性を減少させる。
【
図8】U1-Cジンクフィンガーを介して安定化された、U1 snRNAステムループと複合したU1-70kおよびステムループ2と複合したU1-A RRMを示す。上部ステム(3’-GGA-5’/5’-CCT-3’)および内部ループ:(3’-mCC-5’/5’-AA-3’)の特定の塩基(3’-CCGGA-5’)とのステムループIIの静電的相互作用および水素架橋;ポリアデニル化シグナルおよびU1-Aによるアセチル化の調節と関連して観察することができる。ステムループIIにおけるU1-Aのアンカー部分(5’-CAACGUUA-3’)は、上部ステムによってサイレンシングされず、遺伝子発現およびアセチル化のレベルの調節を誘導することに留意されたい。さらに、2’-OME基の存在は、培地の分子ダイナミクスの変化を誘導し、U1-SnRNAの立体構造変化およびステムループIIの本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチド(ASMO1)への近似を促進する。
【
図9A】U1-CがSmD3上に位置し、その結合がU1-70kのN末端によって安定化され得ることを例示する。
【
図9B】U1-Cが糖-リン酸骨格原子と水素結合を形成するが、RNA塩基とは接触しないことを例示する。5’SS鎖上では、ヌクレオチドは、エクソン配列についてはティール色に着色され、イントロン配列については淡黄褐色に着色される。
【
図9C】5’-スプライス部位認識の概略図を例示する。赤色の点線:U1-Cジンクフィンガーのアミノ酸側鎖によって作られる水素結合。青色の点線:U1-Cジンクフィンガーの主鎖原子によって作られる水素結合。緑色の点線:U1-Cジンクフィンガーのアミノ酸側鎖によって作られるジスルフィド結合。オレンジ色の点線:U1-Cジンクフィンガーの主鎖原子によって作られるジスルフィド結合。5’SSヌクレオチドは、
図9Bのように核によってコードされる。
【
図10A】青色の36アミノ酸残基によって表されるフィンガープリントZ1 U1-C snRNPを示す。
【
図10B】U1-C snRNPのZ1フィンガー部分を示し、5’構成的ドナー領域においてプレmRNA/ASMO1二重鎖と相互作用する主要な残基を示す。
【
図10C】145-aaを含有するU1-C snRNPの代表的な配列を例示し、緑色で強調された36-aaはジンクフィンガー部分を指す。
【
図11】ホスホロチオエート型ヌクレオチド間結合および糖分子のための2’-メチル(2’O-ME)置換を有する修飾アンチセンス調節オリゴヌクレオチドを含む例示的な操作されたポリヌクレオチド(ASMO
2)を例示する。ASMO
2操作されたポリヌクレオチドは、相補的であり得、標的遺伝子をコードする標的配列の発現および活性の調節のためにU1 snRNAと結合し得る。
【0010】
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本開示の特徴および利点のより良い理解は、例証的な実施形態を説明する以下の詳細な記載を参照することによって得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載されるのは、(例えば、操作された)ポリヌクレオチド、および(例えば、医薬品)組成物、ならびに、例えば、遺伝子発現または活性の調節のためのそれらを利用する方法である。
【0012】
操作されたポリヌクレオチド
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、(i)リボ核酸(RNA)(例えば、プレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)などのメッセンジャーリボ核酸(mRNA))をその中の標的配列で(例えば、特異的に)結合するように構成された1つ以上の標的化部分を含む。操作されたポリヌクレオチドは、(ii)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された動員部分であって、RNA(例えばプレmRNAなどのmRNA)および該操作されたポリヌクレオチドと会合するとき、転写後調節部分が、標的配列中または標的配列に近接してRNA(例えばプレmRNAなどのmRNA)を改変させる、動員部分をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)は標的遺伝子をコードする。
【0013】
操作されたポリヌクレオチド、または本明細書に記載されるような操作されたポリヌクレオチドは、様々な部分を含み得る。「部分」は、操作されたポリヌクレオチドの領域を指すことができる。場合によっては、部分は、部分の機能に関して記載され得る。例えば、「標的化部分」は、標的RNAに少なくとも部分的に相補的であり得る、操作されたポリヌクレオチドの領域を指し得、「動員部分」は、本明細書に記載の調節部分のいずれか1つを動員することができる部分を指し得、および「間隔配列」は、他の部分間の間隔を提供する部分を指し得る。いくつかの例では、部分名の列挙は、その部分を特定の機能に限定しない。例えば、標的RNAに少なくとも部分的に相補的であり得る「標的化部分」は、いくつかの例では調節部分を動員することができる。
【0014】
標的化部分
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子の標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。標的化部分は、操作されたポリヌクレオチドの5’末端および3’末端に見出すことができ、下部ステムまたは脚としても知られている。理論に束縛されることを望まないが、1つまたは2つの標的化部位が標的のプレmRNAの構成的ドナー5’と安定して結合することで、構成的ドナーの保存部位との相互作用が可能になり、U1 snRNA RNA結合ドメインが発現抑制される。
【0015】
コンセンサス配列は、未知の有意性の遺伝子変異体(VUS)の同定に基づいて決定することができる。あらゆるエクソン性またはイントロン性のVUSは、正しいRNAスプライシングプロセスに必要なエクソン、イントロンおよび調節配列を定義するシスDNA配列を破壊することによってスプライス形成性であり得る。シスDNA要素は、エクソン-イントロン境界コアコンセンサスヌクレオチド(例えば、5’ドナー部位の+1および+2でのGTならびに3’アクセプター部位の-1および-2でのAG)、または、高度に保存され、スプライス部位選択(例えば、ドナー部位中のCAG/GUAAGUおよびアクセプター部位中のNYAG/G)に関与することが見出されたこれらの不変なヌクレオチドに隣接するイントロン性・エクソン性のヌクレオチドを含み得る。これらの要素のいずれかにおいてヌクレオチド変化が生じると、スプライス部位の認識に誤りが生じ、新たなスプライス部位が作製されるか、隠れたスプライス部位が活性化される可能性があり、その結果、異常な転写産物、または疾患および疾病に関連する非機能性タンパク質が生じる。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の少なくとも1つの標的化部分は、標的遺伝子の標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、コンセンサス配列は、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の少なくとも2つの標的化部分は、標的遺伝子の標的配列中の少なくとも2つのコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分は、それぞれ独立して、標的遺伝子の標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一、または相補的である。
【0016】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分は、それぞれ独立して、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分は、それぞれ独立して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドを含む。
【0017】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、1つ以上標的化部分は、(1)RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)の標的配列中の第1の標的とされた配列に特異的に結合するように構成された第1の標的化部分、および(2)RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)の標的配列中の第2の標的とされた配列に特異的に結合するように構成された第2の標的化部分を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的とされた配列は、標的配列でコンセンサス配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的とされた配列のコンセンサス配列は、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的とされた配列のコンセンサス配列は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、または8~10ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の標的とされた配列は、標的配列でコンセンサス配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の標的とされた配列のコンセンサス配列は、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の標的とされた配列のコンセンサス配列は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、または8~10ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的とされた配列のコンセンサス配列および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列は、ヌクレオチド長が異なる。いくつかの実施形態では、第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列のうちの一方は、約1~約5ヌクレオチドを含み、かつ第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列の他方は、約4~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列のうちの一方は、少なくとも約2ヌクレオチドを含み、かつ第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列の他方は、少なくとも約5または約6ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列のうちの一方は、約2ヌクレオチドを含み、かつ第1および第2の標的とされた配列のコンセンサス配列の他方は、約5または約6ヌクレオチドを含む。
【0018】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、第1の標的化部分および第2の標的化部分は、ヌクレオチド長が異なる。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分および第2の標的化部分のうちの一方は、約1~約5ヌクレオチドを含み、かつ第1の標的化部分および第2の標的化部分の他方は、約4~約8ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分および第2の標的化部分のうちの一方は、少なくとも約2ヌクレオチドを含み、かつ第1の標的化部分および第2の標的化部分の他方は、約5または6ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分および第2の標的化部分のうちの一方は、約2ヌクレオチドを含み、かつ第1の標的化部分および第2の標的化部分の他方は、約5または6ヌクレオチドを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10以上のヌクレオチドを有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、最大10、9、8、7、6、5、4、3、または2ヌクレオチドを有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはいずれかの2つの前述の値の間の範囲のヌクレオチドを有する核酸配列を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンに直接隣接するエクソン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンの3’末端に存在するイントロンに隣接するか、または直接隣接するエクソン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンの5’末端に存在するイントロンに隣接するか、または直接隣接するエクソン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソン中に存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG-3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンの5’末端に存在するイントロンに直接隣接するエクソンのヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンに隣接するエクソンに存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG-3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンの5’末端に存在するイントロンに直接隣接するエクソンのヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンの5’に存在するエクソンに存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンの3’に存在するエクソンに存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または3’-GG3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンに直接隣接しないエクソンに存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG-3’を含む核酸配列を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンに直接隣接するイントロン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンの5’末端に存在するエクソンに隣接するか、または直接隣接するイントロン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロンの5’末端に存在するエクソンに隣接するか、または直接隣接するイントロン中のヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロン内に完全に位置するヌクレオチドを標的とする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンに隣接するイントロンに存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG-3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロン中に存在し、イントロンの5’末端で存在するエクソンに直接隣接するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、イントロン中に存在し、イントロンの3’末端で存在するエクソンに直接隣接するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または3’-GG3’を含む核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンに隣接しないイントロン中に存在するヌクレオチドを標的とする5’-AA-3’、5’-AT-3’、5’-AC-3’、5’-AG-3’、5’-TA-3’、5’-TT-3’、5’-TC-3’、5’-TG-3’、5’-CA-3’、5’-CT-3’、5’-CC-3’、5’-CG-3’、5’-GA-3’、5’-GT-3’、5’-GC-3’、または5’-GG-3’を含む核酸配列を含む。
【0022】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では(例えば、第1または第2の)標的化部分は、表1に記載される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的な配列を含む。本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、表1に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列および表1の3’標的化部分配列の列から選択される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%は、同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列および表1の3’標的化部分配列の列から選択される配列と同一、または相補的な配列を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列から選択される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的な配列を含み、および第2の標的化部分は、表1の3’標的化部分配列の列に記載される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列から選択される配列と同一、または相補的な配列を含み、および第2の標的化部分は、表1の3’標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分は、表1の3’標的化部分配列の列に記載される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的な配列を含み、および第2の標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列に記載される配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の標的化部分は、表1の3’標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含み、および第2の標的化部分は、表1の5’標的化部分配列の列に記載される配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、(例えば、GU、GT、GCおよびCAから選択される)イントロンドナー部位のコンセンサス配列と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、エクソンドナー部位のコンセンサス配列(例えば、G)と同一、または相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的化部分は、GU、GC、GおよびCAから選択されるコンセンサス配列と同一、または相補的な配列を含む。
【0024】
【0025】
例コンセンサス配列は、(例えば、5’-)イントロンドナー部位#1:GU;(例えば、5’-)イントロンドナー部位#2:GC;(例えば、5’-)エクソンドナー部位#1:G;および(例えば、5’-)イントロンドナー部位#3:CAを含む。
【0026】
標的配列
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、第1の標的化配列および第2の標的化配列は、5、4、または3ヌクレオチド(例えば、1または2ヌクレオチド)以下の間隔配列によって標的配列において離れている。
【0027】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、第1の標的配列および第2の標的配列は、互いに連続、または隣接する。
【0028】
いくつかの実施形態では、標的配列中の間隔配列が標的配列の標的配列の5’末端または3’末端に隣接する場合、間隔配列は、操作されたポリヌクレオチドの標的化部分に相補的でなくてもよい。いくつかの実施形態では、標的配列中の間隔配列が標的配列の標的配列の5’または3’末端に隣接する場合、間隔配列は、操作されたポリヌクレオチドのいかなる標的化部分とも相補的でなくてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、間隔配列、本明細書に記載される第1の標的配列および第2の標的配列を離間する。いくつかの実施形態では、間隔配列は、相補的でなく、操作されたポリヌクレオチドの標的化部分に結合しない。いくつかの実施形態では、間隔配列は、相補的でなく、操作されたポリヌクレオチドのすべての標的化部分に結合しない。
【0030】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、標的配列は、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)にエクソン-イントロン境界を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の標的配列および第2の標的配列は両方とも、エクソン-イントロン境界に対して5’または3’である。いくつかの実施形態では、第1の標的配列および第2の標的配列の一方は、エクソン-イントロン境界に対して5’であり、第1の標的配列および第2の標的配列の他方は、エクソン-イントロン境界に対して3’である。
【0031】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、標的配列は、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)中にスプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、第1または第2の)標的配列は、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)中にスプライス部位(例えば、5’スプライス部位)を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、2つの標的配列(例えば、第1の標的配列および第2の標的配列)は、単一の核酸分子(すなわち、RNA、例えば、プレmRNAなどのmRNA)の一部である。いくつかの実施形態では、第1および第2の標的配列は、単一の核酸分子上で離れて広がる。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的配列は、単一の核酸分子のエクソン-イントロン境界に及ぶ。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的配列は、単一の核酸分子のエクソン-イントロン境界に及ばない。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的配列は、単一の核酸分子のエクソン-イントロン境界に隣接する。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的配列の両方は、単一の核酸分子のイントロンを標的とする。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的配列は、単一の核酸分子のスプライス部位に及ぶ。いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の標的核酸配列は、単一の核酸分子のスプライス部位に及ばない。
【0033】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、標的配列中のコンセンサス配列は、約2~約15ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、または約2ヌクレオチド~約8ヌクレオチドを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、標的配列に相補的であり、かつそれに結合する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも一部は、標的配列に結合する。いくつかの実施形態では、標的配列は、標的遺伝子をコードする。標的遺伝子の非限定的な例は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、標的配列は、RNA配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAは、核RNA、細胞質のRNA、またはミトコンドリアRNAである。いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、メッセンジャーRNA(mRNA)、プレメッセンジャーRNA(プレmRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、リボザイム、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、単離されたRNA、ガイドRNA、オリゴヌクレオチド、核酸プローブ、プライマー、snRNA、長い非コードRNA、小型RNA、snoRNA、siRNA、miRNA、tRNA由来小型RNA(tsRNA)、アンチセンスRNA、shRNA、または小さなrDNA由来RNA(srRNA)を含む。いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、プレmRNAである。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドではない。
【0036】
いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、少なくとも1つのエクソンを含む。いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、少なくとも1つのイントロンを含む。いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、少なくとも1つのエクソン、または少なくとも1つのイントロンを含む。いくつかの実施形態では、標的RNA配列は、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、標的配列は、内因性核酸分子である。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの標的配列への結合は、ワトソン-クリック型塩基対などの塩基対合によるものである。
【0038】
動員部分
動員部分はヘアピン構造を含む。ヘアピンは、完全なヘアピンであってもよく、または内部ループによってインターカレートされてもよい。ヘアピン構造は、13~17ヌクレオチドからなり得る。動員部分は、U1 snRNAのステムループIIと相互作用することができる。U1-Aは、U1 snRNAのステムループIIにさらに結合することができる。ヘアピン/内部ループ領域を有するステムループIIの水素橋は、U1-Aによるポリアデニル化およびアセチル化シグナル伝達を間接的に調節することができる。動員部分は、ステムループIIにおけるU1-Aのアンカードメインを発現抑制しなくてもよい。この相互作用は、遺伝子発現およびアセチル化を調節することができる。
【0039】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、動員部分は、表2に記載される配列と少なくとも70%、80%、85%または90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、動員部分は、表2に記載される配列と同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、配列番号1~4から選択されるいずれかの配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、配列番号1~4から選択されるいずれかの配列と少なくとも70%、80%、85%、または90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、配列番号1~4から選択されるいずれかの配列と同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0040】
【0041】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、動員部分)は、(例えば、二次的)構造的特徴を含む(
図2A~
図2Dを参照)。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、動員部分)は、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、下部ステム、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、動員部分)は、2つの相補的なステム配列を含むステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)に隣接するループ(例えば、内部ループ)を含む。いくつかの実施形態では、ステム(例えば、下部ステム、または上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、ループは、ステム(例えば、下部ステム)および2つの相補的な基部配列を含むさらなるステム(例えば、上部ステム)に隣接する内部ループである。いくつかの実施形態では、内部ループは、10、9、または8ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、さらなるステム(例えば、上部ステム)のステム配列は、約5、4、または3ヌクレオチド以下を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、動員部分)は、頂端ループをさらに含む。いくつかの実施形態では、頂端ループは、10、9、8、7、6、または5ヌクレオチド以下の核酸配列を含む。
【0042】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、動員部分は、約10~約30ヌクレオチド、約10~約25ヌクレオチド、または約10~約20ヌクレオチドを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、動員部分は、リボ核タンパク複合体を含む、転写後調節部分(または調節部分)(例えば、スプライセオソーム部分)に部分的に相補的である。例えば、動員部分は、スプライセオソームリボ核タンパク複合体を含む調節部分と部分的に相補的であり得、スプライセオソームリボ核タンパク複合体は、小核リボ核酸(snRNA)を含む。いくつかの実施形態では、動員部分は、相補的でなく、本明細書に記載される標的配列に結合しない。例えば、動員部分は、相補的でなく、本明細書に記載されるプレmRNAに結合しない。
【0044】
構造的配置
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、該第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち一方は、動員部分に対して5’であり、かつ第1の標的化部分および第2の標的化部分のうち他方は、動員部分に対して3’である。
【0045】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、5’-末端から3’-末端まで:第1の標的化部分、動員部分および第2の標的化部分のように構造的配置を有する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、5’-末端から3’-末端まで:第2の標的化部分、動員部分および第1の標的化部分のように構造的配置を有する。
【0046】
ポリヌクレオチドの例
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、約10~約40ヌクレオチド、約10~約35ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、または約10~約25ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、またはそれ以上のヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、またはそれ未満のヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50ヌクレオチド、またはいずれかの2つの前述の値の間の範囲の長さを含む。
【0047】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、動員部分は、表3に記載される配列と少なくとも70%、80%、85%または90%同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、動員部分は、表3に記載される配列と同一、または相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0048】
【0049】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、操作されたポリヌクレオチドの前駆体から産生され得る。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドの前駆体は、直線状であり得る。例えば、操作されたポリヌクレオチドの前駆体は、プラスミドから転写された直線状ポリヌクレオチドであり得る。別の例では、操作されたポリヌクレオチドの前駆体は、細胞内で操作されたポリヌクレオチドの環化を可能にするリボザイム部分およびライゲーション部分などの部分を有する直線状ポリヌクレオチドとして構築することができる。ライゲーションおよびリボザイム部分を有する直線状の操作されたポリヌクレオチドは、細胞にトランスフェクトすることができ、環状化され得る。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドは、環状であり得る。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドは、DNA、RNA、または両方を含む。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドの前駆体は、操作されたポリヌクレオチドの前駆体を含む。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドの前駆体は、操作されたポリヌクレオチドを産生するために使用され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの二次的構造(例えば、本明細書のどこかに記載されるものなど)を含む。例えば、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の二次的構造を含み、二次的構造は、頂端ループ、ステム、ステムループ、または内部ループのいずれか、あるいはそれらいずれかの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの動員部分は、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、標的化部分は、二次的構造を有していない。いくつかの実施形態では、二次的構造は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のヌクレオチドを含む頂端ループである。いくつかの実施形態では、頂端ループは、相補的であり、調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、頂端ループは、相補的でなく、調節部分に結合しない。いくつかの実施形態では、二次的構造は、少なくとも1つのステムである。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、2つのステムを含み、一方は、頂端ループにより近い上部ステムであり、他方は、標的化部分により近い下部ステムである。いくつかの実施形態では、上部ステムは少なくとも2、4、6、8、10、またはそれ以上のヌクレオチドを含み、ヌクレオチドは対合して上部ステムを形成する。いくつかの実施形態では、上部ステムは相補的であり、調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、上部ステムは相補的でなく、調節部分に結合しない。いくつかの実施形態では、二次的構造は下部ステムであり、下部ステムは少なくとも2、4、6、8、10、またはそれ以上のヌクレオチドを含み、ヌクレオチドは対合して下部ステムを形成する。いくつかの実施形態では、下部ステムは相補的であり、調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、下部ステムは相補的でなく、調節部分に結合しない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、上部ステムと下部ステムとの間の内部ループを含む。いくつかの実施形態では、内部ループは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、内部ループは、相補的であり、調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、内部ループは、相補的でなく、調節部分に結合しない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループ、上部ステム、内部ループおよび下部ステムを含む二次的構造を含み、上部ステムおよび内部ループは、少なくとも部分的に相補的であり、調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、上部ステムおよび内部ループは、相補的であり、snRNAを含む調節部分に結合する。いくつかの実施形態では、snRNAは、US-A snRNAなどのU1 snRNAである。いくつかの実施形態では、snRNAは、U2 snRNAである。
【0051】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造の核酸配列は、リボ核タンパク複合体を含む調節部分に部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造の核酸配列は、標的核酸配列に相補的ではない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、核酸の少なくとも1つの二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、核酸の少なくとも1、2、3、4、またはそれ以上の二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、動員部分と調節部分との間の結合を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、調節部分のアセンブリを安定化させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、調節部分の他の追加の部分とのアセンブリを安定化させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する効率性を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する特異性を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、加水分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、ヌクレアーゼ分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、操作されたポリヌクレオチドの半減期を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、操作されたポリヌクレオチドによって誘導される免疫原性を低減させる。
【0052】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、二次的構造を特徴とする。いくつかの実施形態では、二次的構造は、1つ以上のステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、二次的構造は、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、および下部ステム含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、第1または第2の標的化部分は、二次的構造の一部ではない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、またはそれ以上の二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、ステムループ、十字形、トウホールド、ミスマッチバルジ、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、または下部ステムを含む二次的構造を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、頂端ループ、上部ステム、内部ループ、および下部ステム、を含む二次的構造を含む。場合によっては、二次的構造は、ステム、ヘアピンループ、シュードノット(pseudoknot)、バルジ(bulge)、内部ループ、マルチループ(multiloop)、グアニン四重鎖(G-quadruplex)、またはそれらのいずれかの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、A型構造、B型構造、Z型構造、またはそれらのいずれかの組合せを採用することができる。いくつかの実施形態では、二次的構造は、少なくとも部分的に、操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチド配列に基づいて形成される。いくつかの実施形態では、二次的構造は、操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチド配列内に形成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、動員部分と調節部分との間の結合を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次的構造は、動員部分と調節部分との間の結合を、二次的構造を含まない動員部分と調節部分との間の結合と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上増大させる。
【0054】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、動員部分と調節部分との間の結合を増大させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、動員部分と調節部分との間の結合を、化学修飾を有さない動員部分と調節部分との間の結合と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上増大させる。
【0055】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾によって、調節部分が標的配列と会合するとき、調節部分を含むスプライセオソームのアセンブリを安定化される。いくつかの実施形態では、調節部分を含むスプライセオソームのアセンブリは、化学修飾を含まない比較可能なポリヌクレオチドと比較して化学修飾を含む操作されたポリヌクレオチドによって少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上安定化される。いくつかの実施形態では、調節部分は、スプライセオソームのU1(U1SNP)、U2(U2SNP)、U4、U5、U6、U11、U12、U14、またはU16である。いくつかの実施形態では、調節部分は、スプライセオソームのU1SNPである。いくつかの実施形態では、調節部分は、スプライセオソームのU1-Aである。いくつかの実施形態では、調節部分は、スプライセオソームのU2SNPである。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾によって、調節部分および少なくとも1つの追加の部分を含むスプライセオソームのアセンブリを安定化させる。例えば、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾によって、U1-Aを含む調節部分と、およびU1-70K、UC-1、SmD1、SmD2、SmD3、SmE、SmF、またはSmGを含む少なくとも1つの追加の部分とを含むスプライセオソームのアセンブリを安定化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の部分は、スプライセオソームのU4、U5、U6、U11、U12、U14、またはU16である。
【0056】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾のない比較可能なポリヌクレオチドと比較して、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する操作されたポリヌクレオチドの効率性が増大される。いくつかの実施形態では、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する操作されたポリヌクレオチドの効率は、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する化学修飾を有さない比較可能なポリヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大される。
【0057】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾を有さない比較可能なポリヌクレオチドと比較して、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する操作されたポリヌクレオチドの特異性が増大される。いくつかの実施形態では、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する操作されたポリヌクレオチドの特異性は、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する化学修飾を有さない比較可能なポリヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大される。
【0058】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、加水分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドの耐性と比較して、加水分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を有する操作されたポリヌクレオチドの加水分解による分解に対する耐性を、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大させる。
【0059】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、ヌクレアーゼ分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドの耐性と比較して、ヌクレアーゼ分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を有する操作されたポリヌクレオチドのヌクレアーゼ分解による分解に対する耐性を、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大させる。
【0060】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドの半減期と比較して、操作されたポリヌクレオチドの半減期が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を有する操作されたポリヌクレオチドの半減期は、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大される。化学修飾によって、操作されたポリヌクレオチドの半減期が増大される。
【0061】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、操作されたポリヌクレオチドによって誘導される免疫原性が低減される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、化学修飾を有さない比較可能なポリヌクレオチドの免疫原性と比較して、操作されたポリヌクレオチドによって誘導される免疫原性が低減される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を有する操作されたポリヌクレオチドの免疫原性は、化学修飾を有さない比較可能な操作されたポリヌクレオチドの免疫原性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に低減される。
【0062】
化学修飾
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、標的化部分の全てのヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合によって連結される。いくつかの実施形態では、標的化部分の全てのヌクレオチドは、2’O-メチル修飾を含む。2’修飾によって、ヌクレアーゼ分解を防止し、および/またはプレmRNA標的に対する標的化部分の親和性の増大することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、動員部分の全てのヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合によって連結される。いくつかの実施形態では、動員部分の3つのヌクレオチドは、2’O-メチル修飾を含む。2’修飾は、動員部分の分子ダイナミクスの変動を誘導し、それによって、U1-snRNAのステムループIIの立体構造の改質およびU1-snRNAへの動員部分の結合を促進することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの2’ー修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、化学修飾ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチドは、2’ー修飾(例えば、2’-メトキシ、2’-メトキシメチル、または2’-メトキシエチル)ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオチド間のホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%のヌクレオチド間結合は、化学修飾されている。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド間結合の少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%は、ホスホロチオエートである。
【0066】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、核酸の少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、核酸の少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つ以上の化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、動員部分と調節部分との間結合が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、調節部分のアセンブリが安定化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、調節部分の他の追加の部分とのアセンブリが安定化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する効率性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節する特異性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、加水分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、ヌクレアーゼ分解による分解に対する操作されたポリヌクレオチドの耐性が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、操作されたポリヌクレオチドの半減期が増大される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾によって、操作されたポリヌクレオチドによって誘導される免疫原性が低減される。
【0067】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのホスホジエステル骨格結合中の非結合リン酸酸素原子の一方または両方の少なくとも1つの置換を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのホスホジエステル骨格結合中の結合リン酸酸素原子のうちの1つ以上の置換を含む。リン酸酸素原子の化学修飾の非限定的な例は、硫黄原子である。さらなる非限定的な例は、表3に含まれている。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、ヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、化学修飾は、少なくとも1つのロックド核酸(LNA)を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、少なくとも1つの非ロック(unlocked)核酸(UNA)を含む操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、糖の構成要素の修飾を含む糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、糖はリボース糖である。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、2’-O-メチル基を含む操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチドのリボース糖の構成要素に対する少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、化学修飾は、2’-O-メチル基修飾の代わりに、2’-F-RNAを含む。そのような場合、2’-F-RNAおよびプレmRNA二重鎖は、RNA分解酵素Hを活性化せず(ヌクレアーゼ分解による分解)、2’-O-メチルRNAおよびプレmRNA二重鎖よりも高い融解温度(Tm)によって決定されるようにより安定している。
【0068】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、デホスホリンカーによる操作されたポリヌクレオチドのリン酸部分の置換を含む少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのリン酸骨格の少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、ホスホロチオエート基を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチドの塩基に対する修飾を含む少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、ヌクレオチドの非天然塩基を含む少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、モルホリノ基、シクロブチル基、ピロリジン基、またはペプチド核酸(PNA)ヌクレオシド代用物を含む少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、少なくとも1つの立体純粋な(stereopure)核酸を含む少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドの5’末端の近位に配置され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドの3’末端の近位に配置され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドの5’末端および3’末端の両方の近位に配置され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾は、ホスホジエステル骨格結合における非結合リン酸酸素の一方または両方の修飾、ホスホジエステル骨格結合における1つ以上の結合リン酸酸素の修飾、リボース糖の構成成分の修飾、リン酸部分の、「デホスホ」リンカーによる置換、天然発生の核酸塩基の修飾または置換、リボース・リン酸骨格の修飾、ポリヌクレオチドの5’末端の修飾、ポリヌクレオチドの3’末端の修飾、デオキシリボースリン酸骨格の修飾、リン酸基の置換、リボリン酸骨格の修飾、ヌクレオチドの糖に対する修飾、ヌクレオチドの塩基に対する修飾、またはヌクレオチドの立体純粋のいずれか1つ、またはいずれかの組合せの修飾を含む。操作されたポリヌクレオチドに対する化学修飾の例は、表4に示される。
【0070】
【0071】
【0072】
リン酸骨格の修飾
【0073】
いくつかの実施形態では、化学修飾は、ホスホジエステル骨格結合中の非連結リン酸酸素のうち一方または両方の修飾、またはホスホジエステル骨格結合中の連結リン酸酸素の1つ以上の修飾を含む。本明細書で使用されるように、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖である飽和炭化水素基を指すことを意味する。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピル、またはイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、またはt-ブチル)、あるいはペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチルまたはネオペンチル)を含む。アルキル基は、1~約20個、2~約20個、1~約12個、1~約8個、1~約6個、1~約4個、または1~約3個の炭素原子を含有し得る。本明細書で使用されるように、例えば、「アリール」は、単環、または多環式(例えば、2つ、3つ、または4つの縮合環を有する)芳香族炭化水素類、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、またはインデニルを指す。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~約20個の炭素原子を有する。本明細書で使用されるように、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重鎖結合を含有している脂肪族基を指す。本明細書で使用されるように、「アルキニル」は、2~12個の炭素原子を含有しており、1つ以上の三重結合を有することを特徴とする直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を指す。アルキニル群の例は、エチニル、プロパルギル、または3-ヘキシニルを含み得る。「アリールアルキル」または「アラルキル」は、アルキル水素原子がアリール基によって置換されているアルキル部分を指す。アラルキルは、1個より多くの水素原子がアリール基によって置換されている基を含む。「アリールアルキル」または「アラルキル」の例は、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、9-フルオレニル、ベンズヒドリル、およびトリチル基を含む。「シクロアルキル」は、3~12個の炭素を有する環状式、二環式、三環式、または多環式非芳香族炭化水素基を指す。シクロアルキル部分の例は、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクリル」は、複素環系の一価のラジカルを指す。代表的なヘテロシクリルは、限定されることなく、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、およびモルホリニルを含む。「ヘテロアリール」は、芳香族複素環系の一価のラジカルを指す。ヘテロアリール部分の例は、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピロリル、フラニル、インドリル、チオフェニルピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、キノリル、およびプテリジニルを含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、化学修飾ヌクレオチドのリン酸基は、1つ以上の酸素を異なる置換基で置換することによって修飾され得る。いくつかの実施形態では、化学修飾ヌクレオチドは、未修飾リン酸部分の、本明細書に記載されているような修飾リン酸での置換を含むことができる。いくつかの実施形態では、リン酸骨格の修飾は、非荷電リンカーまたは非対称電荷分布を有する荷電リンカーのいずれかをもたらす改変を含むことができる。修飾リン酸基の例は、ホスホロチオエート、ホスホノチオアセタート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、アルキル、またはアリールホスホネートおよびホスホトリエステルを含むことができる。いくつかの実施形態では、リン酸骨格部分中の非架橋リン酸酸素原子のうちの1つは、以下の:硫黄(S)、セレン(Se)、BR3(式中、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基など)、H、NR2(式中、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、あるいは(式中、Rは、例えば、アルキル、またはアリールであり得る)の基のいずれかによって置換され得る。未修飾のリン酸基中のリン原子は、アキラルであり得る。しかし、非架橋酸素の1つを上記の原子または原子の基の1つで置換すると、リン酸原子をキラルにすることができる。このように修飾リン酸基中のリン酸原子は、不斉中心である。不斉リン酸原子は、「R」配置(本明細書ではRp)または「S」配置(本明細書ではSp)のいずれかを有することができる。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドは、ホスホロチオエートのS立体配座またはホスホロチオエートのR立体配座を含む立体純粋なヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、95%のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、96%のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、97%のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、98%のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、キラルリン酸生成物は、99%のジアステレオマー過剰率で存在する。いくつかの実施形態では、ホスホロジチオエートの両方の非架橋酸素を硫黄で置き換えることができる。ホスホロジチオエート中のリン中心は、アキラルであり得、これは、オリゴリボヌクレオチドジアスターエマーの形成を妨げる。いくつかの実施形態では、一方または両方の非架橋酸素に対する修飾は、S、Se、B、C、H、NおよびOR(Rは、例えば、アルキル、またはアリールであり得る)から独立して選択される基による非架橋酸素の置換をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、リン酸リンカーは、架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)を、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)および炭素(架橋メチレンホスホネート)で置換することによってさらに修飾され得る。置換は、連結酸素のいずれかまたは両方で起こり得る。
【0075】
特定の実施形態では、核酸は連結された核酸を含む。核酸はいずれかの核酸間結合も使用して一緒に結合され得る。核酸間結合基の2つのメインクラスは、リン原子の存在あるいは不在によって定義される。代表的なリン含有核酸間結合としては、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、およびホスホロチオエート(P=S)が挙げられる。代表的な非リン含有核酸間連結基としては、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-Si(H)2-O-);およびN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3))が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、キラル原子を有する核酸間結合は、別のエナンチオマー、例えば、アルキルホスホネートおよびホスホロチオエートとして、ラセミ混合物を調製することができる。非天然核酸は単一の修飾を含み得る。非天然核酸は、複数の部分の1つの内に、または異なる部分間に複数の修飾を含み得る。
【0076】
核酸に対する骨格リン酸の修飾は、限定されないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート(架橋または非架橋)、ホスホトリエステル、ホスホロジチオエート、ホスホジチオエート、およびボラノリン酸塩を含み、あらゆる組合せで使用され得る。他の非リン酸塩結合も使用され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、骨格修飾(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、およびホスホロジチオエートヌクレオチド間結合)は、修飾核酸に免疫調節活性を与えることができ、および/または、そのインビボでの安定性を増強することができる。
【0078】
いくつかの例では、リン酸誘導体(あるいは修飾リン酸基)は、糖または糖アナログ部分に結合され得、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、アルキルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデートなどであり得る。
【0079】
いくつかの例では、骨格の修飾は、ホスホジエステル結合を、アニオン性基、中性基、あるいはカチオン基などの代替部分と取り替えることを含む。そのような修飾の例としては、以下:アニオン性ヌクレオシド間結合、N3’~P5’ホスホロアミデート修飾、ボラノリン酸塩DNA、プロオリゴヌクレオチド、ホスホン酸メチルなどの中性のヌクレオシド間結合、アミド結合DNA、メチレン(メチルイミノ)結合、ホルムアセタールおよびチオホルムアセタール結合、スルホニル基を含む骨格、モルホリノオリゴ、ペプチド核酸(PNA)、および正に荷電したデオキシリボ核酸グアニジン(DNG)オリゴが挙げられる。修飾核酸は、1つ以上の修飾、例えば、ホスホジエステルとホスホロチオエートの結合の組合せなどのリン酸塩結合の組合せを含む、キメラあるいは混合骨格を含み得る。
【0080】
リン酸の置換基は、例えば、短鎖アルキル、またはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、あるいは、1つ以上の短鎖ヘテロ原子あるいは複素環ヌクレオシド間結合を含む。これらは、(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成された)モルノリノ結合;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド、およびスルホンの骨格;ホルムアセチル(formacetyl)およびチオホルムアセチル(thioformacetyl)の骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチルの骨格;骨格を含むアルケン;スルファミン酸塩骨格;メチレンイミノとメチレンヒドラジノの骨格;スルフォナートとスルホンアミドの骨格;アミド骨格;ならびに、混合したN、O、S、およびCH2の構成要素部分を有する他のものを含む。ヌクレオチドの糖とリン酸塩の部分の両方が、例えば、アミド型結合(aminoethylglycine)(PNA)と交換され得ることも、ヌクレオチド置換で理解される。例えば、細胞取り込みを増強するために、他のタイプの分子(コンジュゲート)をヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに連結することも可能である。コンジュゲートは、ヌクレオチドまたはヌクレオチドのアナログに化学的に結合され得る。そのようなコンジュゲートは、限定されないが、脂質部分(コレステロール部分、チオエーテル(例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール)、チオコレステロール、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオールまたはウンデシルの残基)、リン脂質(例えば、ジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム l-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-S-H-ホスホネート、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖など)、あるいはアダマンタン酢酸、パルミチル部分、あるいはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステリン部分を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、リン酸骨格の修飾を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾リン酸骨格を含む。リン酸基または骨格の化学修飾の例は、1つ以上の酸素を異なる置換基で置換することを含み得る。さらに、操作されたポリヌクレオチド中に存在する修飾ヌクレオチドは、未修飾リン酸部分の、本明細書に記載されるような修飾リン酸での置換を含むことができる。いくつかの実施形態では、リン酸骨格の修飾は、非荷電リンカーまたは非対称電荷分布を有する荷電リンカーのいずれかをもたらす改変を含むことができる。修飾リン酸基の例は、ホスホロチオエート、ホスホノチオアセタート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、アルキル、またはアリールホスホネートおよびホスホトリエステルを含むことができる。いくつかの実施形態では、リン酸骨格中のリン酸酸素原子のうちの1つは、以下の:硫黄(S)、セレン(Se)、BR3(ここで、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基など)、H、NR2(ここで、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、あるいはOR(ここで、Rは、例えば、アルキル、またはアリールであり得る)の群のいずれかによって交換され得る。未修飾のリン酸基中のリン原子は、アキラルであり得る。しかし、非架橋酸素の1つを上記の原子または原子の基の1つで置換すると、リン酸原子をキラルにすることができ、すなわち、このようにして修飾リン酸基中のリン酸原子は、不斉中心である。不斉リン酸原子は、「R」配置(本明細書ではRp)または「S」配置(本明細書ではSp)のいずれかを有することができる。そのような場合、化学修飾操作されたポリヌクレオチドは、立体純粋(例えば、SまたはR確認)であり得る。場合によっては、化学修飾操作されたポリヌクレオチドは、立体純粋なリン酸修飾を含む。例えば、化学修飾操作されたポリヌクレオチドは、ホスホロチオエートのS立体配座またはホスホロチオエートのR立体配座を含む。
【0082】
ジチオリン酸は、両方の非架橋酸素が硫黄で置換されている。ホスホロジチオエート中のリン中心は、アキラルであり得、これは、オリゴリボヌクレオチドジアスターエマーの形成を妨げる。いくつかの実施形態では、一方または両方の非架橋酸素に対する修飾は、S、Se、B、C、H、NおよびOR(Rは、例えば、アルキル、またはアリールであり得る)から独立して選択される基による非架橋酸素の置換をさらに含むことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、リン酸リンカーは、架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)を、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)および炭素(架橋メチレンホスホネート)で置換することによってさらに修飾され得る。置換は、連結酸素または連結酸素の両方のいずれかで起こり得る。
【0084】
リン酸部分の交換
【0085】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの少なくとも1つのリン酸基は、化学修飾され得る。いくつかの実施形態では、リン酸基は、非リン含有コネクタによって交換され得る。いくつかの実施形態では、リン酸部分は、デホスホリンカーによって交換され得る。いくつかの実施形態では、荷電リン酸基は、中性基によって交換され得る。場合によっては、リン酸基は、メチルホスホネート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチル、カルバマート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホネート、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾおよびメチレンオキシメチルイミノによって交換され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヌクレオチドアナログは、さらにリン酸基で修飾され得る。修飾リン酸部分は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル、および、3’-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート(例えば、3’-アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデート)、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートによる、2つのヌクレオチド間の結合で修飾を含み得る。2つのヌクレオチド間のリン酸結合または修飾リン酸結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を介することがあり得、および、結合は、3’-5’から5’-3’あるいは2’-5’から5’-2’などの逆極性を含有する。
【0086】
リン酸基の置換
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、リン酸基の交換による修飾を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、リン酸基の置換または交換を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。リン酸基交換の例は、非リン含有コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、リン酸基の置換または交換は、荷電リン酸基を中性部分に交換することを含み得る。リン酸基を交換することができる部分の例は、メチルホスホネート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチル、カルバマート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホネート、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾおよびメチレンオキシメチルイミノを含み得る。
【0088】
リボリン酸骨格の修飾
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドのリボリン酸骨格を修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾リボリン酸骨格を含む。化学修飾リボリン酸骨格の例は、リン酸リンカーおよびリボース糖がヌクレアーゼ耐性ヌクレオシドまたはヌクレオチド代用物によって交換されているように構築され得る核酸を模倣することができるスキャフォールドを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸塩基は、代理骨格によって係留され得る。例としては、モルホリノ、シクロブチル、ピロリジンおよびペプチド核酸(PNA)ヌクレオシド代用物を挙げることができる。
【0090】
糖の修飾
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、糖を修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾糖を含む。例示的な化学修飾糖は、多数の異なる「オキシ」または「デオキシ」置換基で修飾または交換された2’ヒドロキシル基(OH)を含み得る。いくつかの実施形態では、2’ヒドロキシル基に対する修飾は、ヒドロキシルがもはや脱プロトン化されて2’-アルコキシドイオンを形成することができないので、核酸の安定性を増強することができる。2’-アルコキシドは、リンカーリン原子に対する分子内求核攻撃による分解を触媒することができる。「オキシ」-2’ヒドロキシル基の修飾の例には、アルコキシまたはアリールオキシ(OR、式中、「R」は、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る);ポリエチレングリコール(PEG)、O(CH2CH2O)nCH2CH2ORが含まれ得、式中、Rは、例えば、Hまたは任意選択で置換されてアルキルであり得、かつnは、0~20(例えば、0~4、0~8、0~10、0~16、1~4、1~8、1~10、1~16、1~20、2~4、2~8、2~10、2~16、2~20、4~8、4~10、4~16、および4~20)での整数であり得る。いくつかの実施形態では、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾は、LNA(ここで、2’ヒドロキシルは、例えば、Ci-6アルキレンまたはCj-6ヘテロアルキルエン架橋によって、同じリボース糖の4’炭素に連結され得、ここで、例示的な架橋は、メチレン、プロピレン、エーテルまたはアミノ架橋を含み得る);O-アミノ(ここで、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)およびアミノアルコキシ、O(CH2)n-アミノを含み得る(ここで、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)。いくつかの実施形態では、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾は、メトキシエチル基(MOE)(OCH2CH2OCH3、例えば、PEG誘導体)を含み得る。場合によっては、デオキシ修飾は、水素(すなわち、例えば、部分的dsRNAのオーバーハング部分におけるデオキシリボース糖);ハロ(例えば、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨード);アミノ(ここで、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸であり得る);NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミノ(ここで、アミノは、例えば、本明細書に記載されるとおりであり得る)、(NHC(O)R(ここで、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、または糖であり得る)、シアノ;メルカプト;アルキル-チオ-アルキル;チオアルコキシ;および、例えば、本明細書に記載されるアミノで任意選択で置換され得るアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニルを含み得る。いくつかの例では、糖基は、リボース中の対応する炭素の立体化学配置とは反対の立体化学配置を有する1つ以上の炭素をさらに含有し得る。したがって、修飾核酸は、糖として、例えば、アラビノースを含有するヌクレオチドを含むことができる。ヌクレオチド「単量体」は、糖のΓ位置にアルファ結合、例えば、アルファ-ヌクレオシドを有することができる。修飾核酸は、C-に核酸塩基を欠く「脱塩基の」糖をさらに含むことができる。脱塩基の糖類は、構成糖原子の1つ以上でさらにさらに修飾され得る。修飾核酸は、L型である1つ以上の糖、例えば、L-ヌクレオシドをさらに含むことができる。いくつかの態様では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、酸素を有する5員環である糖基リボースを含む。例示的な修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドは、リボース中の酸素の(例えば、硫黄(S)、セレン(Se)、またはアルキレン、例えば、メチレンまたはエチレンによる)交換;二重鎖結合の追加(例えば、リボースをシクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで交換するため);リボースの環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成するため);リボースの環拡張(例えば、追加の炭素またはヘテロ原子を有する6または7員環、例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、およびホスホルアミデート骨格も有するモルホリノを形成するため)を含むことができる。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、多環式形態(例えば、トリシクロ;および「非ロック」形態、例えば、グリコール核酸(GNA)(例えば、リボースがホスホジエステル結合に結合したグリコール単位によって置換されているR-GNAまたはS-GNA)、トレオース核酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの糖に対する修飾は、ロックド核酸(LNA)、非ロック核酸(UNA)、または架橋核酸(BNA)を含むように操作されたポリヌクレオチドを修飾することを含む。
【0092】
リボース糖の構成要素の修飾
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、リボース糖の構成要素の少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、リボース糖の構成要素の化学修飾は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシ-エチル(2’-MOE)、2’-フルオロ、2’-アミノエチル、2’-デオキシ-2’-フルオアラビノウ-クレイン酸、2’-デオキシ、2’-O-メチル、3’-ホスホロチオエート、3’-ホスホノアセテート(PACE)、または3’-ホスホノチオアセタート(チオPACE)を含むことができる。いくつかの実施形態では、リボース糖の構成要素の化学修飾は、非天然核酸を含む。いくつかの例では、非天然核酸は、糖環の5’-位置、および2’-位置に修飾、例えば、5’-CH2-置換2’-O-保護ヌクレオシドを含む。場合によっては、非天然核酸は、オリゴヌクレオチドへの組み込みのために調製されたアミド結合ヌクレオシド2量体を含み、2量体中の3’結合ヌクレオシド(5’~3’)は、2’-OCH3および5’-(S)-CH3を含む。非天然核酸は、2’-置換5’-CH2(またはO)修飾ヌクレオシドを含み得る。非天然核酸は、5’-メチレンホスホナートDNA単量体およびRNA単量体、ならびに2量体を含み得る。非天然核酸は、2’-置換を有する5’-ホスホネート単量体、および他の修飾5’-ホスホネート単量体を含み得る。非天然核酸は、5’-修飾メチレンホスホネート単量体を含み得る。非天然核酸は、5’および/または6’-位置でヒドロキシル基を含む5’またはは6’-ホスホネートリボヌクレオシドのアナログを含み得る。非天然核酸は、5’-リン酸基を有する5’-ホスホネートデオキシリボヌクレオシド単量体、および2量体を含み得る。非天然核酸は、6’-ホスホネート基を有するヌクレオシドを含み得、5’または/および6’-位置は、非置換であるか、あるいは、チオ-tert-ブチル基(SC(CH3)3)(およびそのアナログ)、メチレンアミノ基(CH2NH2)(およびそのアナログ)、またはシアノ基(CN)(およびそのアナログ)で置換されている。
【0094】
いくつかの実施形態では、非天然核酸は、さらに糖部の修飾を含む。場合によっては、核酸が、糖群が修飾された1つ以上ヌクレオシドを含有している。そのような糖修飾ヌクレオシドは、増強されたヌクレアーゼ安定性、増加した結合親和性、または他のある程度の有益な生物学的なプロパティを与え得る。特定の実施形態では、核酸は化学修飾リボフラノース環部分を含む。化学修飾リボフラノース環の実施例としては、限定されないが、置換(5’および/または2’置換基を含む)の追加;二環式核酸を形成するための2つの環原子の架橋;リボシル環酸素原子のS、N(R)、またはC(R1)(R2)(R=H、C1-C12アルキル、または保護基)との取り替え;およびこれらの組合せが挙げられる。
【0095】
いくつかの例では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは含む、修飾糖類あるいは糖アナログ。したがって、リボースおよびデオキシリボースに加えて、糖部分は、ペントース、デオキシペントース、ヘキソース、デオキシヘキソース、グルコース、アラビノース、キシロース、リキソース、および糖「アナログ」シクロペンチル基であり得る。糖はピラノシル、またはフラノシル形態であり得る。糖部分は、リボース、デオキシリボース、アラビノース、または、2’-O-アルキルリボースのフラノシドであり得、糖は、[α]または[β]アノマー構成のいずれかのそれぞれの複素環塩基に結合し得る。糖修飾としては、限定されないが、2’-アルコキシ-RNAアナログ、2’-アミノRNAアナログ、2’-フルオロDNA、および2’-アルコキシまたはアミノRNA/DNAキメラが挙げられる。例えば、糖修飾は、2’-O-メチル-ウリジンおよび2’-O-メチル-シチジンを含み得る。糖修飾は、2’-O-アルキル置換されたデオキシリボヌクレオシド、および、2’-O-エチレングリコール様リボヌクレオシドを含む。
【0096】
糖部分の修飾は、非天然修飾と同様に、リボースおよびデオキシリボースの天然修飾も含む。糖修飾は、限定されないが、2’位置の以下:OH;F;O-アルキル、S-アルキル、または、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、または、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、または、N-アルキニル;あるいは、O-アルキル-O-アルキル(ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換のC1-C10アルキル、あるいは、C2-C10アルケニルおよびアルキニルであり得る)の修飾を含む。2’糖修飾はさらに、限定されないが、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)nONH2、および、-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2を含み、ここで、nおよびmは1~10である。2’位置での他の化学修飾は、限定されないが、C1-C10低級アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、またはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換されたシリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレータ、オリゴヌクレオチドの薬物速度論的特性を向上させるための基、オリゴヌクレオチドの薬力学的な特性を改善するための基、および、同様の特性を有する他の置換基を含む。同様の修飾が、糖での他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド上または2’-5’結合オリゴヌクレオチド中の糖の3’位置、および5’末端ヌクレオチドの5’位置でも行われ得る。化学修飾糖は、CH2およびSなどの架橋環酸素における修飾を含むものをさらに含む。ヌクレオチド糖アナログは、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を有し得る。修飾糖部分を有する核酸の例は、限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH3、および2’-O(CH2)2OCH3置換基を含む核酸を含む。2’位置の置換基は、アリール、アミノ、アジド、チオ、O-アリール、O-(C1-C10アルキル、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、およびO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)から選択され得、ここで、RmおよびRnは、それぞれ独立して、Hまたは置換もしくは非置換のC1~C10アルキルである。
【0097】
特定の実施形態では、本発明の核酸は1つ以上の二環式核酸を含む。特定のそのような実施形態では、二環式核酸は、4’および2’リボシル環原子との間に架橋を含む。特定の実施形態では、本明細書に提供される核酸は、架橋が4’~2’二環式核酸を含む、1つ以上の二環式核酸を含む。このような4’~2’二環式核酸は、限定されないが、以下:4’-(CH2)-O-2’(LNA)、4’-(CH2)-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(ENA)、4’-CH(CH3)-O-2’および4’-CH(CH2OCH3)-O-2’の式の1つおよびそれらのアナログ、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’およびそのアナログを含む。
【0098】
ヌクレオチド塩基上の修飾
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、ヌクレオチドの塩基(例えば、核酸塩基)の修飾を含む。核酸塩基の例は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)、およびウラシル(U)を含み得る。これらの核酸塩基は、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドにおいて修飾または交換され得る。ヌクレオチドの核酸塩基は、プリン、ピリミジン、プリンアナログ、またはピリミジンアナログから独立して選択され得る。いくつかの実施形態では、核酸塩基は、塩基の天然に存在する誘導体または合成誘導体であり得る
【0100】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、ウラシルを修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾ウラシルを含む。化学修飾ウラシルの例は、プソイドウリジン、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン、4-チオ-ウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンまたは5-ブロモ-ウリジン)、3-メチル-ウリジン、5-メトキシ-ウリジン、ウリジン5-オキシ酢酸、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン・メチルエステル、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-メチルアミノメチル-ウリジン、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン、5-カルバモイルメチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、5-メチル-2-チオ-ウリジン、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウンジン(dihydroundine)、ジヒドロシュードウンジン(dihydropseudoundine)、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピプソイドウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン、a-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン、5,2’-O-ジメチル-ウリジン、2’-O-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン、3,2’-O-ジメチル-ウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-アラ-ウインコ・ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-アラ-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、キサンチン、およびヒポキサンチンを含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾はシトシンを修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾シトシンを含む。化学修飾シトシンの例は、5-アザ-シチジン、6-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン(プソイドイソシチジン)、3-メチル-シチジン、N4-アセチル-シチジン、5-ホルミル-シチジン、N4-メチル-シチジン、5-メチル-シチジン、5-ハロ-シチジン、5-ヒドロキシメチル-シチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-l-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、リシジン、a-チオ-シチジン、2’-O-メチル-シチジン、5,2’-O-ジメチル-シチジン、N4-アセチル-2’-O-メチル-シチジン、N4,2’-O-ジメチル-シチジン、5-ホルミル-2’-O-メチル-シチジン、N4,N4,2’-O-トリメチル-シチジン、1-チオ-シチジン、2’-F-アラ-シチジン、2’-F-シチジン、および2’-OH-アラ-シチジンを含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、アデニンを修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾アデニンを含む。化学修飾アデニンの例は、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロイ(chloi)-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル-アデノシン、2-メチル-アデニン、N6-メチル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-メチル-アデノシン、N6-イソペンテニル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデノシン、N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイル-アデノシン、N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン、N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン、N6,N6-ジメチル-アデノシン、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン、N6-アセチル-アデノシン、7-メチル-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-メトキシ-アデニン、a-チオ-アデノシン、2’-O-メチル-アデノシン、N6,2’-O-ジメチル-アデノシン、N6-メチル-2’-デオキシアデノシン、N6,N6,2’-O-トリメチル-アデノシン、1,2’-O-ジメチル-アデノシン、2’-O-リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、2’-F-アラ-アデノシン、2’-F-アデノシン、2’-OH-アラ-アデノシン、およびN6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル)-アデノシンを含み得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化学修飾は、グアニンを修飾することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾グアニンを含む。化学修飾グアニンの例は、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、メチルワイオシン、4-デメチル-ワイオシン、イソワイオシン(isowyosine)、ワイブトシン、ペロキシワイブトシン(peroxywybutosine)、ヒドロキシワイブトシン(hydroxywybutosine)、未修飾(undemriodified)ヒドロキシワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、キューオシン、エポキシキューオシン(epoxyqueuosine)、ガラクトシル-キューオシン、マンノシル-キューオシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン、アルカエオシン(archaeosine)、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチル-グアノシン、N2-メチル-グアノシン、N2,N2-ジメチル-グアノシン、N2,7-ジメチル-グアノシン、N2,N2,7-ジメチル-グアノシン、8-オキソのグアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチチオ(meththio)-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、a-チオ-グアノシン、2’-O-メチル-グアノシン、N2-メチル-2’-O-メチル-グアノシン、N2,N2-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン、1-メチル-2’-O-メチル-グアノシン、N2,7-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン、2’-O-メチル-イノシン、1,2’-O-ジメチル-イノシン、6-O-フェニル-2’-デオキシイノシン、2’-O-リボシルグアノシン(ribosylguanosine)、1-チオ-グアノシン、6-O-メチグアノシン(methyguanosine)、O6-メチル-2’-デオキシグアノシン、2’-F-アラ-グアノシン、および2’-F-グアノシンを含み得る。
【0104】
場合によっては、操作されたポリヌクレオチドの化学修飾は、核酸アナログまたは非天然核酸を操作されたポリヌクレオチドに導入するまたは置換することを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸アナログは、本明細書に記載される化学修飾核酸のいずれか1つであり得る。核酸アナログの例は、PCT/US2015/025175、PCT/US2014/050423、PCT/US2016/067353、PCT/US2018/041503、PCT/US18/041509、PCT/US2004/011786、またはPCT/US2004/011833に見出すことができ、これらの全ては、参照によりその全体が明確に援用される。本明細書に記載される化学修飾ヌクレオチドは、グアノシン、ウリジン、アデノシン、チミジン、およびシトシンの変異体、および、例えば、アセチル化、メチル化、ヒドロキシル化によって化学修飾された天然に存在するまたは天然に存在しないグアノシン、ウリジン、アデノシン、チミジン、またはシチジンを含み得る。化学修飾ヌクレオチドの例は、1-メチル-アデノシン、1-メチル-グアノシン、1-メチル-イノシン、2,2-ジメチル-グアノシン、2,6-ジアミノプリン、2’-アミノ-2’-デオキシアデノシン、2’-アミノ-2’-デオキシシチジン、2’-アミノ-2’-デオキシグアノシン、2’-アミノ-2’-デオキシウリジン、2-アミノ-6-クロロプリンリボシド、2-アミノプリン-リボシド、2’-アラアデノシン、2’-アラシチジン、2’-アラウリジン、2’-アジド-2’-デオキシアデノシン、2’-アジド-2’-デオキシシチジン、2’-アジド-2’-デオキシグアノシン、2’-アジド-2’-デオキシウリジン、2-クロロアデノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシアデノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシシチジン、2’-フルオロ-2’-デオキシグアノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシウリジン、2’-フルオロチミジン、2-メチル-アデノシン、2-メチル-グアノシン、2-メチル-チオ-N6-イソペネニル-アデノシン、2’-O-メチル-2-アミノアデノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシアデノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシシチジン、2’-O-メチル-2’-デオキシグアノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシウリジン、2’-O-メチル-5-メチルウリジン、2’-O-メチルイノシン、2’-O-メチルプソイドウリジン、2-チオシチジン、2-チオ-シチジン、3-メチル-シチジン、4-アセチル-シチジン、4-チオウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)-ウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-アミノアリルシチジン、5-アミノアリル-デオキシウリジン、5-ブロモウリジン、5-カルボキシメチルアモノメチル-2-チオ-ウラシル、5-カルボキシメチルアモノメチル-ウラシル、5-クロロ-アラ-シトシン、5-フルオロ-ウリジン、5-ヨードウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン、5-メトキシ-ウリジン、5-メチル-2-チオ-ウリジン、6-アザシチジン、6-アザウリジン、6-クロロ-7-デアザ-グアノシン、6-クロロプリンリボシド、6-メルカプト-グアノシン、6-メチル-メルカプトプリンリボシド、7-デアザ-2’-デオキシ-グアノシン、7-デアザアデノシン、7-メチル-グアノシン、8-アザアデノシン、8-ブロモ-アデノシン、8-ブロモ-グアノシン、8-メルカプト-グアノシン、8-オキソグアノシン、ベンゾイミダゾール-リボシド、β-D-マンノシル-クエオシン、ジヒドロ-ウリジン、イノシン、N1-メチルアデノシン、N6-([6-アミノヘキシル]カルバモイルメチル)-アデノシン、N6-イソペンテニル-アデノシン、N6-メチル-アデノシン、N7-メチル-キサントシン、N-ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ピューロマイシン、クエオシン、ウラシル-5-オキシ酢酸、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ブトキソシン、キサントシンおよびキシロ-アデノシンを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような化学修飾核酸は、2-アミノ-6-クロロプリンリボシド-5’-三リン酸、2-アミノプリン-リボシド-5’-三リン酸、2-アミノアデノシン-5’-三リン酸、2’-アミノ-2’-デオキシシチジン-三リン酸、2-チオシチジン-5’-三リン酸、2-チオウリジン-5’-三リン酸、2’-フルオロチミジン-5’-三リン酸、2’-O-メチル-イノシン-5’-三リン酸、4-チオウリジン-5’-三リン酸、5-アミノアリルシチジン-5’-三リン酸、5-アミノアリルウリジン-5’-三リン酸、5-ブロモシチジン-5’-三リン酸、5-ブロモウリジン-5’-三リン酸、5-ブロモ-2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、5-ヨードシチジン-5’-三リン酸、5-ヨード-2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、5-ヨードウリジン-5’-三リン酸、5-ヨード-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、5-メチルシチジン-5’-三リン酸、5-メチルウリジン-5’-三リン酸、5-プロピニル-2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、5-プロピニル-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、6-アザシチジン-5’-三リン酸、6-アザウリジン-5’-三リン酸、6-クロロプリンリボシド-5’-三リン酸、7-デアザアデノシン-5’-三リン酸、7-デアザグアノシン-5’-三リン酸、8-アザアデノシン-5’-三リン酸、8-アジドアデノシン-5’-三リン酸、ベンゾイミダゾール-リボシド-5’-三リン酸、N1-メチルアデノシン-5’-三リン酸、N1-メチルグアノシン-5’-三リン酸、N6-メチルアデノシン-5’-三リン酸、6-メチルグアノシン-5’-三リン酸、プソイドウリジン-5’-三リン酸、ピューロマイシン-5’-三リン酸、またはキサントシン-5’-三リン酸から選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような化学修飾核酸は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、および4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような人工核酸は、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、および4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような化学修飾核酸は、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、および2-メトキシ-アデニンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。。他の実施形態では、本明細書に記載されるような化学修飾核酸は、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、およびN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。ある実施形態では、本明細書に記載されるような化学修飾核酸、6-アザ-シチジン、2-チオ-シチジン、α-チオ-シチジン、プソイド-イソ-シチジン、5-アミノアリル-ウリジン、5-ヨード-ウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、α-チオ-ウリジン、4-チオ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン、デオキシ-チミジン、5-メチル-ウリジン、ピロロ-シチジン、イノシン、α-チオ-グアノシン、6-メチル-グアノシン、5-メチル-シチジン、8-オキソ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、N1-メチル-アデノシン、2-アミノ-6-クロロ-プリン、N6-メチル-2-アミノ-プリン、プソイド-イソ-シチジン、6-クロロ-プリン、N6-メチル-アデノシン、α-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデノシンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。
【0105】
非天然核酸の修飾塩基は、限定されないが、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、2-アミノアデニン-9-イル、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルおよびアデニンとグアニンの他のアルキル誘導体、2-プロピルおよびアデニンとグアニンの他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、および他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、および他の5-ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンなどを含む。特定の非天然核酸、例えば、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、および、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン、二本鎖形成の安定性を増大させるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、乱交雑の核酸、サイズ拡張した核酸、フッ素処理した核酸、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびに、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、および5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、アデニンとグアニンの他のアルキル誘導体、2-プロピルおよびアデニンとグアニンの他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンと2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、ピリミジン核酸の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、Gクランプ、フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)を含むN-2、N-6、および0-6置換のプリン、その中のプリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、アザシトシン、5-ブロモシトシン、ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素(hydroxyurea)、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、2-アミノ-アデニン、6-チオ-グアニン、2-チオ-チミン、4-チオ-チミン、5-プロピニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、N4-エチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、5-ヒドロキシシトシン、2’-デオキシウリジン、または2-アミノ-2’-デオキシアデノシンで置き換えられているものである。
【0106】
場合によっては、少なくとも1つの化学修飾は、操作されたポリヌクレオチドの5’キャップまたは3’テールなどの5’または3’末端を化学修飾することを含み得る。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、例えば、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドの1つ以上を組み込むことによって、分解に対して安定化され得る3’ヌクレオチドを含む化学修飾を含む。この実施形態では、ウリジンは、修飾ウリジン、例えば、5-(2-アミノ)プロピルウリジンおよび5-ブロモウリジン、または本明細書に記載される修飾ウリジンのいずれかと交換することができ、アデノシンおよびグアノシンは、修飾アデノシンおよびグアノシン、例えば、8-位置における修飾、例えば、8-ブロモグアノシン、または本明細書に記載される修飾アデノシンもしくはグアノシンのいずれかと交換され得る。いくつかの実施形態では、デアザヌクレオチド、例えば、7-デアザ-アデノシンは、gRNAに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、O-およびN-アルキル化ヌクレオチド、例えば、N6-メチルアデノシンは、gRNAに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、糖修飾リボヌクレオチドは、組み込むことができ、例えば、2’OH基は、H、-OR、-R(ここで、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、または糖であり得る)、ハロ、-SH、-SR(ここで、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、または糖であり得る)、アミノ(ここで、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸;あるいはシアノ(-CN)から選択される基によって交換され得る。いくつかの実施形態では、リン酸骨格は、本明細書に記載されるように、例えば、ホスホチオエート基で修飾され得る。いくつかの実施形態では、gRNAのオーバーハング領域中のヌクレオチドは、それぞれ独立して、2-F2’-O-メチル、チミジン(T)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(Teo)、2’-O-メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルシチジン(m5Ceo)、またはそれらのいずれかの組合せなどの2’糖修飾を含むが、これらに限定されない修飾ヌクレオチドまたは未修飾ヌクレオチドであり得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、標的化部分のすべてのヌクレオチドは、2’O-メチル修飾を有する。2’O-メチル修飾は、そのプレmRNA標的に対する操作されたポリヌクレオチドの親和性を増加させ、および/またはヌクレアーゼによる操作されたポリヌクレオチドの分解を防止すると考えられる。いくつかの実施形態では、標的化部分の全てのヌクレオチドは、ホスホロチオエート修飾を有する。
【0108】
調節部分
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、転写後の調節部分(または調節部分)(例えば、スプライセオソーム部分)は、スプライセオソームリボ核タンパク複合体、スプライセオソーム小核リボ核酸(snRNA)、スプライセオソームタンパク質、それらの機能的変異体、またはそれらの機能的断片から選択される。いくつかの実施形態では、スプライセオソーム部分は、U1 snRNAおよびスプライセオソームタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スプライセオソーム部分はU2 snRNAおよびスプライセオソームタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、スプライセオソームsnRNAは、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U14atac、U6atac、およびそれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、スプライセオソームsnRNAは、U1またはU2である。いくつかの実施形態では、スプライセオソームタンパク質は、Sm、U1-70k、U1A、U1C、およびそれらの組合せから選択される。スプライセオソーム部分の非限定的な例は、SmD1、SmD2、SmD3、SmE、SmF、SmG、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U14、またはU16を含む。
【0109】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドおよびRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)と会合されると、スプライセオソーム部分は標的配列においてRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)を切断またはスプライシングする。いくつかの実施形態では、スプライセオソーム部分は、切断RNA(例えば、切断プレmRNAなどの切断mRNA)のさらなる修飾を促進させる。
【0110】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの標的配列への結合は、ワトソン-クリック塩基対合などの塩基対合によるものである。本明細書で提供される操作されたポリヌクレオチドの動員部分への結合は、標的遺伝子の発現または活性を調節するために利用され得る。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの動員部分への結合は、動員部分が標的遺伝子をコードするプレmRNAを増大した特異性でスプライシングすることを可能にし、したがって標的遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの動員部分への結合は、動員部分が標的遺伝子をコードするプレmRNAを増大した効率でスプライシングすることを可能にし、したがって標的遺伝子を調節する。調節は、標的遺伝子の発現または活性を増大または減少させることを指し得る。標的遺伝子の非限定的な例は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)を含むことができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドが動員部分に結合すると、標的遺伝子の発現または活性は、動員部分に結合する操作されたポリヌクレオチドの非存在下での標的遺伝子の発現または活性と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に増大する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドが動員部分に結合すると、標的遺伝子の発現または活性は、動員部分に結合する操作されたポリヌクレオチドの非存在下での標的遺伝子の発現または活性と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に減少する。
【0111】
いくつかの実施形態では、標的の発現または活性の調節は、スプライス変異体に起因する標的遺伝子の異常な発現を修飾することを含む。いくつかの実施形態では、異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドされた標的遺伝子またはタンパク質の発現または活性は、操作されたポリヌクレオチドが動員部分に結合すると、動員部分に結合する操作されたポリヌクレオチドの非存在下での異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドされた標的遺伝子またはタンパク質の発現または活性と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に減少する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドが動員部分に結合すると、異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドタンパク質凝集体の量は、動員部分に結合する操作されたポリヌクレオチドの非存在下での異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドされたタンパク質凝集体の量と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、それ以上に減少する。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドが動員部分に結合すると、異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドされたタンパク質を含むプラークの量は、動員部分に結合する操作されたポリヌクレオチドの非存在下での異常なスプライス変異体に起因するミスフォールドされたタンパク質を含むプラークの量と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはそれ以上に減少する。
【0112】
分子相互作用
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、標的化部分は、構成的スプライスドナーの保存部位と相互作用する遊離5’および3’末端を含む。この相互作用は、U1 snRNA RNA結合ドメインを発現抑制することができる。いくつかの実施形態では、標的化部分は、プレmRNA標的に対する親和性を増大させる2’修飾ヌクレオチドを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、プレmRNAへの標的化部分の結合は、U1-CとプレmRNAのスプライスジャンクション領域の周囲のプレmRNA骨格との間の水素結合および静電相互作用によって安定化される。そのような実施形態では、U1-Cは、プレmRNAと特異的な塩基接触をしなくてもよい。2’ヌクレオチド修飾は、標的化部分とU1-Cとの間の水素結合に有利であり得る。したがって、プレmRNA二重鎖への標的化部分(遊離5’および3’末端)の結合は、U1-Cによる標的化相互作用の認識および安定化を可能にする
【0114】
U1-Cは、スプライセオソーム中心核を安定化させることができる。U1-Cは、不適合性の5’-スプライスの親和性を増強し、U1-70KDとSm環との間の相互作用架橋を介してスプライセオソーム機構の中心核を安定化させる。
【0115】
いくつかの実施形態では、標的化部分は、U1-Cのジンクフィンガーと相互作用し得、標的化部分のホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、標的化部分とジンクフィンガーとの相互作用を促進する。
【0116】
いくつかの実施形態では、動員部分は、U1-AのステムループIIへの水素架橋を形成する。このような相互作用は、U1-AのステムループIIが動員部分によって発現抑制されない可能性があるため、U1-Aによるポリアデニル化およびアセチル化シグナル伝達を調節することができる。
【0117】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、いかなる分子内のジスルフィド結合も含まない。
【0118】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドおよびスプライセオソーム部分と会合されると、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)は、U1 snRNAのRNA結合ドメイン(RBD)との塩基対形成を実質的に示さない。
【0119】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドおよびスプライセオソーム部分と会合されると、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)は、U1-Cタンパク質との塩基特異的相互作用を実質的に示さない。
【0120】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、例えば、以下のアミノ酸配列:YYCDYCDTYLTHDSPSVRKTHCTGRKHRDNVKF(配列番号9)を含むU1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの5’-標的化部分は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの(例えば、その5’-標的化部分)は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、ジスルフィド結合を介して)共有結合的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、その5’-標的化部分)は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、水素結合を介して)非共有結合的に相互作用するように構成される。
【0121】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば本明細書に記載されるASMO1またはASMO2)は、U1 snRNAに相補的なヌクレオチド配列を含む。本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドのステムループ構造の側は、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-GGCCU-3’に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含まない。
【0122】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、アンカー配列は、5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの内部ループは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドの下部ステムは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。
【0123】
本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのHヘリックスと塩基対形成を実質的に示さない。
【0124】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、分子内のジスルフィド結合を含まない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、標的プレmRNAなどの標的配列に記載されたスプライセオソーム部分を動員すると、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAなどのスプライセオソーム部分のRNA結合ドメイン(RBD)と塩基対形成を示さない。
図4は、U1 snRNAのRBD部位が以下の配列:3’-GUCCAUUCAUA-5’を有し、標的配列と塩基対を形成する、操作されたポリヌクレオチドとスプライセオソーム部分のRBDとの間に塩基対形成のそのような欠如を示す。いくつかの例では、操作されたポリヌクレオチドとスプライセオソーム部分が結合されると、操作されたポリヌクレオチドは、U1-Cのスプライセオソーム部分と塩基特異的相互作用を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーまたはU1-1スプライセオソーム部分と特異的に相互作用するように構成される。
図10Cは、145個のアミノ酸を含有するU1-C snRNPの代表的な配列を例示し、ジンクフィンガードメインを含む36個のアミノ酸(YYCDYCDTYLTHDSPSVRKTHCTGRKHRDNVKF(配列番号9))が強調されている。
【0125】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、Ul-Cタンパク質のジンクフィンガーまたはU1-1スプライセオソーム部分と(例えば、ジスルフィド結合を介して)共有結合的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、Ul-Cタンパク質のジンクフィンガーまたはU1-1スプライセオソーム部分と(例えば、水素結合を介して)非共有結合的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されるASMO1またはASMO
2)は、U1 snRNAに相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドのステムループ二次構造の側は、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-GGCCU-3’に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含まない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。場合によっては、該操作されたポリヌクレオチドの内部ループは、U1 snRNAの該SL2の該アンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの態様では、該操作されたポリヌクレオチドの下部ステムは、U1 snRNAの該SL2の該アンカー配列と塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの態様では、アンカー配列は、5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含む。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドがいかなる分子内のジスルフィド結合を含まない場合、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのHヘリックスと塩基対形成を実質的に示さない。例えば、
図2Aは、ホスホロチオエート型のヌクレオチド間の結合による化学修飾の存在による分子内ジスルフィド結合の欠如を例証する。U1 snRNP複合体の安定化は、U1-Cのジンクフィンガーの強力なイオン引力によって観察することができ、5’-末端または/および3’末端で操作されたポリヌクレオチド(ASMO)の標的化部分のチオールとのジスルフィド架橋によって誘導される。プレmRNA/操作されたポリヌクレオチド(ASMO)二重鎖結合は、U1-Cと、シーム・ジョイントの周囲のプレmRNAの骨格との間の水素結合および静電相互作用によって安定化され得るが、U1-Cは、プレmRNAと塩基特異的接触を起こさない。構造は、U1 snRNPによる5’-スプライスのヌクレオチドの選択が、主に、ステム5’/3’とプレmRNAとの間の相互作用を介して達成されることを実証する。一方、U1-Cは、5’-スプライスの不適合部位の相対親和度を調整し、U1-70KDaとSm環の間との間の相互作用架橋によってスプライセオソーム機構の中心核を安定化させる(
図7-
図9参照)。U1 snRNP特異的タンパク質のうち、U1-70kおよびU1-Cは、プレmRNAの転写産物の認識の援助する重要な役割を有する。U1-70kは、高度に保存されているが構造化されていないと予測されるN末端(残基約2~60)、U1 snRNAのステムループ(残基92~202)とのその相互作用を媒介するRNA結合ドメイン(またはRBD)、およびアルギニンおよびセリン残基(RS「ドメイン」)ならびにR-(D/E)残基の反復に富むC末端を有する。このC末端ドメインは保存されないが、RS「ドメイン」は、ASF/SF2などの非snRNPスプライシング因子との相互作用に重要である。この領域のセリンは翻訳後修飾(リン酸化)にさらされ、スプライシング活性に重要である。U1-Cは、N末端ジンクフィンガードメインおよびRG残基の反復に富むC末端領域からなる。U1-Cのこの領域におけるアルギニンは、翻訳後修飾(メチル化)にさらされる。U1-70kとは対照的に、U1-Cは遊離U1 snRNAに結合しないが、Smタンパク質およびU1-70kの事前の結合を必要とする。U1-Cのジンクフィンガー領域における変異は、U1 snRNPによる5’スプライス部位の認識に対して有意な効果を有し、このタンパク質がこの活性において直接的な役割を有することを示す。U1 snRNPのアセンブリおよび機能は、最初は凍結電子顕微鏡研究によって、より最近ではX線結晶学によるその三次元構造の解明によって、大いに強化されている。以前は、7つのSmタンパク質のうちの4つの結晶構造は、残りの3つ(SmF、SmEとSmg)のモデリングおよびそれらが相互作用して7-員環を形成するという提案に結びついた。完全組換えのヒトU1 snRNPの結晶構造から、Smタンパク質が、各Smタンパク質の単一のコピーから構成されるヘプタマー環を形成し、その中心をU1 snRNAのSm部位が通過するすることが明らかになった。結晶構造において、U1-Cは、U1 snRNAの5’末端が5’スプライス部位と塩基対合したときに形成される二重鎖を認識する位置にある。したがって、U1-70kのN末端がRBDから180Å延在し、Sm-D2およびSm-D3/Bを横切ってSm環の1つの面の周囲に巻き付くという知見は、U1 snRNA:5’スプライス部位二重鎖との相互作用のためのU1-Cの適切な構造および配置を保証することができた(
図9)。
【0126】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるスプライセオソーム部分と会合されると、プレmRNAは、U1 snRNAのRNA結合ドメイン(RBD)との塩基対形成を実質的に示さない。場合によっては、操作されたポリヌクレオチドは、スプライセオソーム部分との塩基対形成を、プレmRNAは、U1-Cタンパク質との塩基特異的相互作用を実質的に示さない。
図4は、操作されたポリヌクレオチドの非存在下で、U1 snRNAのRBDが構成的ドナーの保存領域において結合することを例証する。一方、操作されたポリヌクレオチドの存在下では、ステム’5/3’は、U1 snRNAとプレmRNAとのRBD相互作用を遮断した(
図3および
図6)。
【0127】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、該操作されたポリヌクレオチドの5’-標的化部分は、U1-Cタンパク質のジンクフィンガーと特異的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、Ul-Cタンパク質のU1-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、ジスルフィド結合を介して)共有結合的に相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、Ul-Cタンパク質のジンクフィンガーと(例えば、水素結合を介して)非共有結合的に相互作用するように構成される。U1-Cジンクフィンガー由来のアミノ酸残基と相互作用するプレmRNA/操作されたポリヌクレオチド(ASMO)二重鎖の形成は、5;領域を安定化させる(
図9)。その後、U1-Cジンクフィンガーの主鎖および側鎖中の原子によって形成されるジスルフィド結合による、操作されたポリヌクレオチドのステム5’との形成のための好ましい分子ダイナミクスを観察することができる。ASMOがU1-Cジンクフィンガーに存在するすべてのシステインとの相互作用を提示するとともに、強力なイオン結合はさらに形成することができる(
図9および
図10)。本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドの存在下または非存在下でのU1-CとプレmRNAとの間のさらなる例示的な相互作用は、表5に示される。
【0128】
【0129】
【0130】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド(例えば本明細書に記載されるASMO1またはASMO2)は、U1 snRNAに相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。別の態様では、本明細書に記載されるのは、該操作されたポリヌクレオチドのステムループ構造の側であり、U1 snRNAのステムループII(SL2)の部分配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。場合によっては、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-GGCCU-3’に対応する配列を含み、ここで、部分配列は、U1 snRNAのSL2の5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含まず、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの態様では、操作されたポリヌクレオチドは、操作されたポリヌクレオチドの内部ループを含み、これはU1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのSL2のアンカー配列との塩基対形成を実質的に示さない操作されたポリヌクレオチドの下部ステムを含む。いくつかの実施形態では、アンカー配列は、5’-CACGUUA-3’に対応する配列を含み、操作されたポリヌクレオチドは、U1 snRNAのHヘリックスとの塩基対形成を実質的に示さない。
【0131】
操作されたポリヌクレオチドのセット
本明細書に記載されるのは、いくつかの実施形態では、それぞれ独立して本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドのセットが含まれる。例えば、ポリヌクレオチドのセットは、独立して、(i)(本明細書に記載されるような)リボ核酸(RNA)(本明細書に記載されるような)(例えば、プレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)などのメッセンジャーリボ核酸(mRNA))に本明細書に記載されるような標的配列で結合するように構成された(本明細書に記載されるような)1つ以上の標的化部分、および(ii)(本明細書に記載されるような)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員するように構成された(本明細書に記載されるような)動員部分を含み、操作されたポリヌクレオチドのセットは、(例えば、本明細書に記載される)標的配列を含む複数の標的配列においてRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)に特異的に結合するように構成される。
【0132】
ベクター
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターまたはプラスミドを含む。
【0133】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、それぞれが本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドをコードする複数の核酸配列を含む複数のベクターまたは複数のプラスミドを含む。いくつかの実施形態では、複数のベクターまたは複数のプラスミドは、本明細書に記載される1を超える操作されたポリヌクレオチドをコードする複数の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のベクターまたは複数のプラスミドは、(それぞれ独立して本明細書に記載される)複数の操作されたポリヌクレオチドをコードする複数の核酸配列を含む。
【0134】
医薬組成物
本明細書に記載されるのは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチド、またはプラスミド、ベクター、あるいはそれらの配列をコードする単離されたDNAを含む医薬組成物である。医薬組成物は、本明細書で使用されるように、少なくとも1つの操作されたポリヌクレオチドまたは少なくとも1つの操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターと、担体、賦形剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味料、甘味料、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色料、希釈剤、可溶化剤、加湿剤(moistening agents)、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤(wetting agents)、消泡剤、抗酸化剤、防腐剤、またはそれらの1以上の組合せなどの他の化学成分(すなわち、薬学的に許容可能な不活性成分)との混合物を指す。任意選択で、組成物は、本明細書に議論されるような2つ以上の医薬組成物を含む。本明細書で提供される処置方法または使用方法を行う際に、本明細書に記載される治療上有効な量の医薬組成物は、処置される疾患、障害、または、疾病を抱える哺乳動物に医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。治療上有効な量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される医薬組成物の力価、および他の因子に応じて変化する。医薬組成物は、単独で使用されるか、または、混合物の成分としての1つ以上の医薬組成物と組合わせて使用される。本明細書に記載される薬学的組成物は、操作されたポリヌクレオチド、組成物、操作されたポリヌクレオチドと接触した細胞、または操作されたポリヌクレオチドを組成物と接触した細胞、あるいははそれらの組合せを含む。
【0135】
本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所的、経皮的、直腸、筋肉内、皮下、骨内、経粘膜的、吸入、または腹腔内の投与経路を含む、適切な投与経路によって対象に投与される。本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、水性液分散、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散剤、エアゾール剤、固体剤形、粉末、即時放出製剤、放出製剤、速溶解製剤、錠剤、カプセル、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多重微粒子製剤、および即時性かつ制御性の混合型放出製剤を含む。
【0136】
医薬組成物を含む医薬組成物は、単なる例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、粉砕、乳化、封入、包括、または圧縮のプロセスの手段などの、従来の方法で製造され得る。
【0137】
キット
のは、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチド、組成物または医薬組成物を使用するためのキットである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるキットは、対象の疾患または疾病を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、キットは、操作されたポリヌクレオチド、組成物、または医薬組成物以外の材料または成分の集合体を含む。いくつかの実施形態では、キットは、疾患または疾病を処置するための適切なオリゴヌクレオチドを分析して選択するための成分を含む。いくつかの実施形態では、キットは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、単分子アッセイ(single-molecular array)(Simoa)、PCR、またはqPCRなどのアッセイを実行するための成分を含む。キット中に構成された成分の正確な性質は、その使用目的に依存する。例えば、いくつかの実施形態は、対象において本明細書に開示される疾患または疾病を処置する目的のために構成される。いくつかの実施形態では、キットは、特に、哺乳動物対象を処置する目的のために構成される。いくつかの実施形態では、キットは、特に、ヒト対象を処置する目的のために構成される。
【0138】
使用説明書がキットに含まれ得る。いくつかの実施形態では、キットは、それを必要とする対象に組成物を投与するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、操作されたポリヌクレオチドをさらに操作するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、保存または輸送中に凍結保存または凍結乾燥されていてもよく、操作されたポリヌクレオチドの生物学的活性を解凍するかまたは他の方法で回復させる説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、その意図される目的に対する有効性(例えば、対象を処置するために使用される場合の治療有効性)を測定するための説明書を含む。
【0139】
任意選択で、キットは、他の有用な構成要素、例えば、希釈液、緩衝液、薬学的に許容可能な担体、シリンジ、カテーテル、アプリケーター、ピペッティング器具あるいは計量器具、包帯材料、または他の有用な道具を含有する。キットにおいて組み立てられた材料または構成要素は、それらの操作性と有用性を維持する好都合かつ適切な方法で保管されて、従事者に提供され得る。例えば、操作されたポリヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、溶解形態、脱水形態、または凍結乾燥形態であり得る。構成要素は典型的に適切な包装材料に含まれる。
【0140】
方法
細胞におけるリボ核酸(RNA)(例えば、プレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)などのメッセンジャーリボ核酸(mRNA))を改変するための方法などの、(本明細書に記載されるものなど)操作されたポリヌクレオチドを利用するための方法が本明細書に記載される。方法は、細胞を、1つ以上の標的化部分および動員部分を含む(本明細書に記載されるものなどの)操作されたポリヌクレオチドと接触させることを含み得る。1つ以上の標的化部分は、その中の(本明細書に記載されるものなどの)標的配列で、(例えば、本明細書に記載される)RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)に結合し得、および動員部分は、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)の標的配列の近傍内に(本明細書に記載されるものなど)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員して、細胞内のRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)を改変し、それによって1つ以上の改変RNA(例えば、1つ以上の改変プレmRNAなどの1つ以上の改変mRNA)をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は、標的遺伝子の発現または活性を改変させる。いくつかの実施形態では、接触させる前に、細胞は、標的遺伝子に対応する異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)またはタンパク質を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の標的化部分は、標的遺伝子(例えば、微小管関連タンパク質タウ(MAPT))の標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一または相補的である。
【0141】
本明細書に記載されるのは、細胞中の複数の位置でリボ核酸(RNA)(例えば、プレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)などのメッセンジャーリボ核酸(mRNA))を改変させる方法を含む方法である。方法は、細胞を操作されたポリヌクレオチドのセットのに(例えば、それぞれ独立して本明細書に記載されるもの)と接触させることを含み得る。操作されたポリヌクレオチドは、1つ以上の標的化部分および動員部分を含み得る。1つ以上の標的化部分は、その中の(本明細書に記載されるものなどの)複数の標的配列で(本明細書に記載されるものなどの)RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)に結合し得る。動員部分はそれぞれ、RNA(例えばプレmRNAなどのmRNA)の標的配列の近傍内に(本明細書に記載されるものなどの)転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員して、細胞内のRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)を改変し、それによって、1つ以上の改変RNA(例えば、1つ以上の改変プレmRNAなどの1つ以上の改変mRNA)をもたらし得る。いくつかの実施形態では、方法は、複数の位置でRNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)を改変させる(例えば、切断または/および化学修飾する)ことによって標的遺伝子の発現または活性を改変させる。いくつかの実施形態では、接触させる前に、細胞は、標的遺伝子に対応する異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)またはタンパク質を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分の標的化部分の1つまたはそれぞれは、標的遺伝子(例えば、微小管関連タンパク質タウ(MAPT))の標的配列中のコンセンサス配列と十分に同一または相補的である。
【0142】
いくつかの実施形態では、方法は、操作されたポリヌクレオチドを細胞に送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、操作されたポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドを細胞に送達する工程および、その後、本明細書に記載される標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節するために、操作されたポリヌクレオチドを発現させる工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、それを必要とする対象において疾患または疾病を処置するために、操作されたポリヌクレオチドを使用することを含む。疾患または疾病は、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)によってコードされる標的遺伝子の異常な発現または活性と関連し得る。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、プレmRNAなどのmRNA)は、標的遺伝子(例えば、微小管関連タンパク質タウ(MAPT))に対応する。
【0143】
図1は、操作されたポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を設計するためのスプライスドナーおよびアクセプターを同定するための概略図を示し、ここで、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドまたは方法は、疾患または疾病を処置するための遺伝子の発現または活性を調節するための現在利用可能なアプローチを上回る改善を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、疾患または疾病を引き起こす遺伝子の転写物を標的とする操作されたポリヌクレオチドによって遺伝子の発現または活性を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に投与する工程を含む。場合によっては、本明細書に記載される方法は、操作されたポリヌクレオチドを利用して調節部分を動員し、疾患または疾病を引き起こす遺伝子の発現または活性を調節し、それによって疾患または疾病を処置する工程を含む。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、操作されたポリヌクレオチドを利用して調節部分のアセンブリを安定化させ、疾患または疾病を引き起こす遺伝子の発現または活性を調節し、それによって疾患または疾病を処置する工程を含む。
【0144】
本明細書に記載されるのは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドを細胞に送達する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、操作されたポリヌクレオチドを細胞に直接または間接的に送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドを含む組成物と接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、細胞中で本明細書に記載の操作されたポリヌクレオチドを発現させる工程を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターは、本明細書に記載されるトランスフェクション方法のいずれかを介して細胞に送達することができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチドは、発現ベクターの使用を介して細胞に送達され得る。発現ベクターの文脈では、ベクターは、当技術分野におけるいずれかの方法によって本明細書に記載される細胞に容易に導入することができる。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって細胞に転写することができる。
【0145】
操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターを細胞に導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、粒子衝撃、マイクロインジェクション、遺伝子銃、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクターおよび/または外因性核酸を含む細胞を産生する方法は、本明細書に記載の方法に適している。操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターを宿主細胞に導入するための1つの方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0146】
操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターを細胞に導入するための化学的手段は、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズなどのコロイド分散系、および水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、球状核酸(SNA)、リポソーム、または脂質ナノ粒子を含む脂質ベースの系を含むことができる。in vitroおよびin vivoでの送達ビヒクルとして使用するためのコロイド系の例は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。標的ナノ粒子を有する操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターの送達など、最先端の核酸の標的化送達の他の方法が利用可能である。
【0147】
非ウイルス送達系が利用される場合、例示的な送達ビヒクルはリポソームである。脂質製剤の使用は、操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターの細胞への(in vitro、ex vivo、またはin vivo)導入のために企図される。他の態様では、操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターは、脂質と会合することができる。脂質と会合された操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターは、リポソームの水性内部にカプセル化され、リポソームの脂質二重層内に散在され、リポソームおよび操作されたポリヌクレオチドの両方と会合された連結分子を介してリポソームに付着され、リポソーム中に捕捉され、リポソームと複合体化され、脂質を含有する溶液中に分散され、脂質と混合され、脂質と組み合わされ、脂質中の懸濁液として含有され、ミセルと含有され、もしくは複合体化され、または他の方法で脂質と会合され得る。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクター関連の組成物は、溶液中のいずれかの特定の構造に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、それらは、ミセルとして二層構造で、または「折り畳まれた」構造で存在する。代替的に、それらは単純に溶液中に散在し、おそらくサイズまたは形状が均一でない凝集体を形成する。脂質は、いくつかの実施形態では、天然に存在する脂質または合成脂質である脂肪性物質である。例えば、脂質は、細胞質中に天然に存在する脂肪液滴、ならびに長鎖の脂肪族炭化水素およびそれらの誘導体、例えば、脂肪酸、アルコール類、アミン類、アミノアルコール、およびアルデヒドを含有する化合物のクラスを含む。
【0148】
使用に適した脂質は、商業的供給から得られる。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質の貯蔵液は、約-20℃で保存されることが多い。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するため、唯一の溶媒として使用される。「リポソーム」は、封入された脂質二重層または凝集体の生成によって形成される様々な単層および多重層の脂質ビヒクルを包含する総称である。リポソームはしばしば、リン脂質二重層薄膜および内部水性媒体を有する小胞構造を有すると特徴付けられる。多重膜リポソームは、水性媒体によって分離される複数の脂質層を有する。リン脂質が過剰の水溶液中に懸濁されるときに、それらは自発的に形成する。脂質成分は、クローズド構造の形成前に自己再構成を受け、脂質二重層間の水および溶解溶質を閉じ込める。しかし、溶液中に正常な小胞構造とは異なる構造を有する組成物も包含される。例えば、脂質は、いくつかの実施形態では、ミセル構造を仮定するか、または単に脂質分子の不均一な凝集体として存在する。さらに、リポフェクタミン核酸複合体が企図される。
【0149】
場合によっては、非ウイルスの送達方法が、リポフェクション、ヌクレオフェクション(nucleofection)、マイクロインジェクション、微粒子銃(biolistics)、ビロソーム(virosomes)、リポソーム、免疫リポソーム、エキソソーム、ポリカチオンまたは脂質:カーゴコンジュゲート(または凝集体)、裸のポリペプチド(例えば、組換え体ポリペプチド)、裸のDNA、人工ビリオン、およびポリペプチドまたはDNAの薬剤による増強された取り込みを含む。いくつかの実施形態では、送達方法は、本明細書に記載される組成物または操作されたポリヌクレオチドを、天然ポリマーまたは合成材料などの少なくとも1つのポリマーとコンジュゲートまたはカプセル化することを含む。ポリマーは、生体適合性または生分解性であり得る。適切な生体適合性、かつ生分解性合成ポリマーの非限定的な例は、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル-エステル類)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミン基を含有するポリオキサエステル、およびポリ(無水物)を含み得る。そのような合成ポリマーは、複数の異なるモノマー、例えば、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、イプシロン-カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、p-ジオキサノンなどの2つ以上のホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ランダム、ブロック、セグメント化、グラフト)であり得る。例において、スキャフォールドは、グリコール酸および乳酸を含むポリマー、例えばグリコール酸対乳酸の比が90/10または5/95のものから構成され得る。天然に存在する生体適合性、生分解性ポリマーの非限定的な例は、糖タンパク質、プロテオグリカン、多糖類、グリコサミノグリカン(GAG)およびこれらの成分に由来するフラグメント、エラスチン、ラミニン、デクロリン(decrorin)、フィブリノーゲン/フィブリン、フィブロネクチン、オステオポンチン、テネイシン、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ORC、カルボキシメチルセルロース、およびキチンを含み得る。
【0150】
場合によっては、本明細書に記載される操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターは、パッケージされ、細胞外小胞を介して細胞に送達され得る。細胞外小胞は、いずれかの膜結合粒子であり得る。いくつかの実施形態では、細胞外小胞は、少なくとも1つの細胞によって分泌されるいずれかの膜結合粒子であり得る。いくつかの例では、細胞外小胞は、in vitroで合成されたいずれかの膜結合粒子であり得る。いくつかの例では、細胞外小胞は、細胞なしで合成されたいずれかの膜結合粒子であり得る。場合によっては、細胞外小胞は、エキソソーム、微小胞、レトロウイルス様粒子、アポトーシス小体、アポトソーム(apoptosomes)、オンコソーム(oncosomes)、エキソフェラー(exophers)、エンベロープウイルス、エキソメア、または他の非常に大きな細胞外小胞であり得る。
【0151】
本明細書に記載されるのは、いくつかの態様では、細胞における標的配列によってコードされる遺伝子の発現または活性を調節または改変するための方法である。いくつかの実施形態では、標的配列は、細胞内のプレメッセンジャーリボ核酸(プレmRNA)である。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を、1つ以上の標的化部分および動員部分を含む操作されたポリヌクレオチドと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的化部分は、該プレmRNAにその中の標的配列で結合する。いくつかの実施形態では、動員部分は、該細胞内で該プレmRNAを改変するために、該プレmRNAの該標的配列の近接内に転写後調節部分(例えば、スプライセオソーム部分)を動員し、それによって1つ以上の改変されたプレmRNAをもたらす。いくつかの実施形態では、プレmRNAは、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)などの標的遺伝子に対応する。いくつかの実施形態では、方法は、操作されたポリヌクレオチドが標的配列に結合し、スプライセオソーム部分を動員する場合、標的遺伝子の発現または活性を増大させる。いくつかの実施形態では、方法は、操作されたポリヌクレオチドが標的配列に結合し、スプライセオソーム部分を動員する場合、標的遺伝子の発現または活性を低下させる。いくつかの実施形態では、本方法は、操作されたポリヌクレオチドが、スプライセオソーム部分を標的配列に結合および動員する場合、該標的遺伝子に対応する異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)またはタンパク質を修飾する。
【0152】
いくつかの実施形態では、方法は、2つ以上の操作されたポリヌクレオチドを単一の細胞に接触または送達する工程を含み、操作されたポリヌクレオチドはそれぞれ、2つ以上の標的配列に結合するように構成された1つ以上の標的化部分を含む。2つ以上の標的配列は、標的遺伝子をコードするプレmRNAの同じ鎖上に位置することができる。2つ以上の標的配列は、同じ標的遺伝子をコードするプレmRNAの異なる鎖上に位置することができる。2つ以上の標的配列は、プレmRNAの異なる鎖上に位置することができ、プレmRNAの各鎖は、異なる標的遺伝子をコードすることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、該標的配列を含む複数の標的配列で該プレmRNAに特異的に結合するように構成された2つ以上の操作されたポリヌクレオチドを含む。
【0153】
本明細書に開示されるのは、いくつかの実施形態では細胞における標的遺伝子の発現または活性を調節することによって、疾患または疾病を処置する方法であり、それによって疾患または疾病を処置する。いくつかの実施形態では、方法は、異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)または該標的遺伝子に対応するタンパク質を修飾することによって、疾患または疾病を処置する工程を含む。いくつかの実施形態では、疾患または疾病は、本明細書に記載される標的遺伝子のいずれか1つの発現または活性の増大に関連する。いくつかの実施形態では、疾患または疾病は、本明細書に記載される標的遺伝子のいずれか1つの発現または活性の低下に関連する。いくつかの実施形態では、疾患または疾病は、異常なメッセンジャーリボ核酸(mRNA)または本明細書に記載される標的遺伝子のいずれか1つ対応するタンパク質のスプライシングに関連する。
【0154】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象に単独で投与(例えば、単独処置)することができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、追加の薬剤と併用して投与される。場合によっては、追加の薬剤は、本明細書で使用されるように、単独で投与される。操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物および追加の薬剤は、ともにまたは順次に投与することができる。併用療法は、同日以内に投与され得、1以上の日数、数週間、数か月、または数年の間隔をあけて投与され得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、疾患または疾病の第1選択の処置である。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、第2選択、第3選択、または第44選択の処置である。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む。一般的に、本明細書に開示される方法は、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物を経口投与で投与する工程を含む。しかし、いくつかの例では、方法は、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物を腹腔内注入によって投与する工程を含む。いくつかの例では、方法は、操作されたポリヌクレオチド、または操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物を静脈内(「i.v.」)投与によって投与する工程を含む。本明細書で開示される操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物を、他の経路、例えば、皮下注射、筋肉内注射、皮内注射、経皮的注射、経皮投与、鼻腔内投与、リンパ内注射、直腸内投与、胃内投与、または他の適切な非経口投与により投与することもできると考えられる。いくつかの実施形態では、損傷または炎症の部位により近い局所送達のための経路は、全身的経路よりも好ましい。治療薬を投与する経路、投与量、時点、および期間は調節され得る。いくつかの実施形態では、治療薬の投与は、疾患または疾病の急性症状と慢性症状のいずれか、あるいはその両方の発症前、もしくは発症後である。
【0156】
対象に投与される適切な用量および投与量は、限定されないが、特定の操作されたポリヌクレオチド、組成物、または医薬組成物、疾患状態およびその重症度、処置を必要とする対象の独自性(例えば、体重、性別、年齢)を含む要因によって決定され、および、例えば、投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、ならびに処置されている対象を含む、症例を取りまく特定の環境に応じて決定され得る。
【0157】
絶対的または連続的な用語、例えば、「~するであろう(will)」、「しないであろう(will not)」、「~するものとする(shall)」、「~しないものとする(shall not)」、「~しなければならない(must)」、「~してはならない(must not)」、「最初に(first)」、「当初(initially)」、「次に(next)」、「その後(sequently)」、「~の前(before)」、「~の後(after)」、「最後に(lastly)」、および「最終的な(final)」の使用は、本明細書に開示された本実施形態の範囲を限定するものではなく、事例として意図されている。
【0158】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明白に示していない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。さらに、「含むこと(including)」、「含む(includes)」「有すること(having)」、「有する(has)」、「とともに(with)」という用語またはその変形が、詳細な記載および/または請求項のいずれかで使用される程度まで、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語に類似した方法で含まれるように意図されている。
【0159】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」、「1つ以上」、および、「および/または」という表現は、作動時に接続的および離接的の両方であるオープンエンドな表現である。例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つ以上」、「A、B、またはCの1つ以上」、および「A、B、および/またはC」という表現のそれぞれは、A単独、B単独、C単独、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、またはA、B、およびCを一緒にということを意味する。
【0160】
本明細書で使用される場合、「または」は、「および」、「または」、または「および/または」を指し、排他的かつ包含的に使用されてもよい。例えば、「AまたはB」という用語は、「AまたはB」、「AだがBではない」、「BだがAではない」、および「AおよびB」を指すことがある。場合によっては、文脈が特定の意味を指示することがある。
【0161】
本明細書に記載されるいずれかのシステム、方法、ソフトウェア、およびプラットフォームは、モジュール式である。したがって、「第1の」および「第2の」などの用語は、必ずしも優先順位、重要性の順序、または行為の順序を意味するものではない。
【0162】
数または数値範囲に言及する際の「約(about)」という用語は、言及される数または数値範囲が実験の変動性内の(または統計的な実験誤差内の)概算であること、数または数値範囲が明示された数または数値範囲の例えば、1%~15%で変動し得ることを意味している。実施例では、「約」という用語は、明示された数または値の±10%を指す。
【0163】
「増加した(increased)」、「増加している(increasing)」、または「増加(increase)」という用語は一般的に、統計的に有意な量の増加を意味するために本明細書で使用される。いくつかの態様では、「増加した」または「増加」という用語は、基準レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、基準レベル、標準、または対照と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または最大で100%の増加、あるいは10~100%の間のいずれかの増加を意味する。「増加」の他の例としては、基準レベルと比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍、またはそれ以上の増加が挙げられる。
【0164】
「減少した(decreased)」、「減少している(decreasing)」、または「減少(decrease)」は一般的に、統計的に有意な量の減少を意味するように本明細書では使用される。いくつかの態様では、「減少した」または「減少」は、基準レベルと比較して少なくとも10%の減少、例えば、基準レベルと比較して、少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または最大で100%の減少(基準レベルと比較して不在レベルまたは検出不可能レベル)、あるいは10~100%の間の任意の減少を意味する。マーカーや症状の文脈では、これらの用語は、そのようなレベルの統計的に有意な減少を意味する。減少は、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%またはそれ以上であり得、所定の疾患のない個体の正常範囲内であると認められるレベルまで減らされることが好ましい。
【0165】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態はほんの一例としてのみ提供されることが当業者には明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、多くの変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修飾物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、この特許請求の範囲内の方法および構造体、ならびにその均等物がそれによって包含されることが意図されている。
【0166】
神経変性疾患におけるスプライシング
アルツハイマー病(AD)および他のタウオパチーは、神経変性障害を表す。ADは、脳における神経原繊維変化、神経絨毛糸および神経突起斑中のアミロイドβプラークおよび過剰リン酸化タウ凝集の存在を特徴とする。タウ病変を示す領域において白質の進行性喪失がさらに観察される(Kneynsberg et al.,2017)。さらに、文献データは、ADが、スプライシング障害と共に細胞質におけるU1 snRNP核の枯渇、蓄積、および凝集も特徴とすることを示している(Bai et al.,2013,2014,2018;Zhu et al.,2020)。その上、U1-70Kの塩基性-酸性ジペプチドドメインは、AD脳由来のタウと相互作用することが実証され、ADの後期発症の散発性および家族性症例においてU1-70Kおよびタウの両方は、神経原線維変化に共局在する(Bishofet al.,2018)。
【0167】
ヒト死後脳組織およびキイロショウジョウバエモデルからのデータを統合する研究において、Hsiehおよび共同研究者らは、ADタウ神経原線維変化病変がスプライセオソーム活性を妨害し、トランスクリプトーム不全および最終的にはCNS機能不全および神経変性をもたらすことを示した。研究者らは、タウが、スプライセオソーム細胞質の隔離ならびにsnRNPのアセンブリおよび/または安定性の妨害に関与していると仮定する。(U1-70Kを含む)いくつかのスプライセオソーム成分が、AD病変を有するヒト脳においてタウと物理的に関連し、ショウジョウバエにおいて、これらの因子の遺伝子操作がタウ神経毒性を増強することを研究者らはさらに示した。タウ病変を有するヒト死後脳における潜在的スプライシング負荷の増加が彼らによって確認された(Hsieh et al.,2019)。
【0168】
引用文献
Bai,B.,Chen,P.C.,Hales,C.M.,Wu,Z.,Pagala,V.,High,A.A.,Levey,A.I.,Lah,J.J.,&Peng,J.(2014).Integrated Approaches for Analyzing U1-70K Cleavagein Alzheimer’s Disease.Journal of Proteome Research,13(11),4526。https://doi.org/10.1021/PR5003593
【0169】
Bai,B.,Hales,C.M.,Chen,P.C.,Gozal,Y.,Dammer,E.B.,Fritz,J.J.,Wang,X.,Xia,Q.,Duong,D.M.,Street,C.,Cantero,G.,Cheng,D.,Jones,D.R.,Wu,Z.,Li,Y.,Diner,I.,Heilman,C.J.,Rees,H.D.,Wu,H.,…Peng,J.(2013).U1 small nuclear ribonucleoprotein complex and RNA splicing alterations in Alzheimer’s disease.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,110(41),16562-16567。https://doi.org/10.1073/pnas.1310249110
【0170】
Bai,B.,Wang,S.,Chen,Y.,Jia,J.,Tian,X.,Liu,C.,Xia,Y.,& Xie,H.(2018).Effects of RNA Splicing Inhibitors on Amyloid PrecursorProtein Expression.ACS Omega,3(3),2798。https://doi.org/10.1021/ACSOMEGA.7B02073
【0171】
Bishof,I.,Dammer,E.B.,Duong,D.M.,Kundinger,S.R.,Gearing,M.,Lah,J.J.,Levey,A.I.,& Seyfried,N.T.(2018).RNA-binding proteins with basic-acidic dipeptide (BAD) domains self-assemble and aggregate in Alzheimer’s disease.The Journal of Biological Chemistry,293(28),11047。https://doi.org/10.1074/JBC.RA118.001747
【0172】
Hsieh,Y.C.,Guo,C.,Yalamanchili,H.K.,Abreha,M.,Al-Ouran,R.,Li,Y.,Dammer,E.B.,Lah,J.J.,Levey,A.I.,Bennett,D.A.,De Jager,P.L.,Seyfried,N.T.,Liu,Z.,& Shulman,J.M.(2019).Tau-Mediated Disruption of the Spliceosome Triggers Cryptic RNA Splicing and Neurodegeneration in Alzheimer’s Disease.Cell Reports,29(2),301-316.e10.。https://doi.org/10.1016/J.CELREP.2019.08.104
【0173】
Kneynsberg,A.,Combs,B.,Christensen,K.,Morfini,G.,& Kanaan,N.M.(2017).Axonal degeneration in tauopathies: Disease relevance and underlying mechanisms.Frontiers in Neuroscience,11(OCT),1-14。https://doi.org/10.3389/fnins.2017.00572
【0174】
Zhu,W.,Wei,X.,Wang,Y.,Li,J.,Peng,L.,Zhang,K.,& Bai,B.(2020).Effects of U1 Small Nuclear Ribonucleoprotein Inhibition on the Expression of Genes Involved in Alzheimer’s Disease.ACS Omega,5(39),25306-25311。https://doi.org/10.1021/acsomega.0c03568
【実施例】
【0175】
以下の例示的な実施例は、本明細書に記載される刺激、システムおよびの方法の実施形態の代表的なものであり、いかなる方法でも限定することを意味しない。
【0176】
実施例1.操作されたポリヌクレオチドを用いた標的遺伝子の発現の調節
細胞様(例えば、HEK293細胞株)から得られた細胞を培養し、細胞培養培地中で維持する。その後、本明細書に記載される送達方法のいずれか1つによる細胞への操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターの送達のために、細胞を操作されたポリヌクレオチドまたは操作されたポリヌクレオチドをコードするベクターと接触させることができる。操作されたポリヌクレオチドが細胞に送達された後、操作されたポリヌクレオチドが標的遺伝子の発現または活性を調節することを可能にする期間、細胞を培養することができる。その後、細胞を採取し、標的遺伝子の発現または活性の測定のために溶解することができる。例えば、細胞は採取し、溶解し、操作されたポリヌクレオチドによって調節される標的遺伝子のプレmRNA、mRNA、またはタンパク質の存在量を調べることができる。その他の場合では、細胞を固定し、顕微鏡検査のために調製することができる。例えば、細胞は、本明細書に記載される標的遺伝子(例えば、MAPT標的遺伝子によってコードされるタウプラーク)のいずれか1つに関連する封入体またはアミロイドプラークの存在または存在量の変化について顕微鏡下で検査することができる。
【0177】
実施例2.RNAの編集による神経疾患の処置
対象は、標的遺伝子MAPTによってコードされたタウタンパク質の異常なスプライシングに起因するアルツハイマー病と診断される。対象は、標的MAPT プレmRNAに対する少なくとも1つの調節部分を動員および安定化させるために、本明細書に開示される化学修飾操作されたポリヌクレオチドを含む医薬組成物の投与レジメンを処方される。化学修飾操作されたポリヌクレオチドは、MAPT プレmRNAに結合すると、MAPT プレmRNAを正確にスプライシングするための少なくとも1つの調節部分を動員および安定化させる。いくつかの実施形態では、化学修飾操作されたポリヌクレオチドは、少なくとも1つの調節部分RNA編集実体を動員および安定化させる特異性または効率を増大させる。操作されたポリヌクレオチドによるMAPT プレmRNAの調節は、対象におけるタウプラークの量を減少させて、それによって、対象のアルツハイマー病の症状を処置するか、または減少させる。
【0178】
前述の開示は、明確性および理解の目的のために、ある程度詳細に説明されたが、本開示の真の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が行われ得ることが、本開示を読むことから当業者に明白となるであろう。例えば、上記で記載されたすべての技術および装置は、様々な組合せで使用することができる。本出願において引用される全ての公報、特許、特許出願、および/または他の文献は、あたかもそれぞれの個々の公報、特許、特許出願、および/または、他の文献が、あらゆる目的のために参照により組み込まれて個々にかつ別々に示されるのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0179】
実施例3.操作されたポリヌクレオチドによるスプライセオソーム調節
スプライシングに対する本明細書に記載される化学修飾操作されたポリヌクレオチドの効果は、RNA-Seqによって決定される。
【0180】
RNA-Seqプロトコルは、健常患者(HDC-健常ドナー細胞)およびアルツハイマー病患者(ADC-アルツハイマー病ドナー細胞)由来のiPSC(誘導多能性幹細胞)由来の興奮性ニューロンを16日間培養することからなる。6日間の培養後、HDCおよびADCニューロンを、標的化部分および動員部分(例えば、ASMO-1、ASMO-2)を含む操作されたポリヌクレオチドの2つの異なる濃度で10日間処置する。HDCおよびADCの両方についての陰性対照は、化合物処理なしの培地中での10日間の培養からなる。16日間の細胞培養および処置の後、RNA抽出、ライブラリー調製、およびRNA配列決定を行う。条件あたり1億リードを標的として実験の量的な目標とする。この実験は、3つの複製およびただ1回の反復で実施する。
【0181】
RNA seq生成生データを用いてバイオインフォマティクス分析を実施し、以下の工程:(i)生のリードデータの品質を管理する工程、(ii)ヒト基準ゲノムに対してマッピングする工程、(iii)差動的に発現される遺伝子を決定するための転写物の定量化および差次的発現分析を行う工程、(iv)遺伝子オントロジー濃縮分析を行う工程、(v)Key経路(TAUおよびアルツハイマー病に関連する経路のような)を分析する工程、(vi)RNA-seqから差次的に発現された遺伝子と、インシリコで予測されたASMO-1の標的候補を比較する工程からなる。
【0182】
HDCとADCの陰性対照のRNA seqデータ分析は、健常細胞とアルツハイマー病細胞との間の遺伝子発現の差異および関連経路を同定する。HDCおよびADC対照において観察されるこれらの差異は、アルツハイマー病の重要な特徴およびバイオマーカーを強調することが予想される。
【0183】
さらに、試験した処置条件において、RNA seqデータでは、ASMO-1(例えば)がMAPTプレmRNAなどの予測された標的候補のスプライシングを増強することを、差次的遺伝子発現分析、AD処置細胞におけるこれらの候補の発現レベルのHDC対照に匹敵する健康なレベルへの回復の証拠を通じて実証される。HDCに関連してADC対照において異常に上方調節された遺伝子は、AD処置細胞において下方調節され、逆もまた同様である。さらに、処置された(例えば、TAU表現調節によって表されることが期待される)AD細胞におけるASMO-1によるこれらの有益な発現調節は、遺伝子発現パターンを全体としてHD未処置細胞の発現パターンにより類似させ、AD未処置細胞およびそれらの顕著な経路(NFT蓄積、アミロイドb切断、アミロイドβ分解、APOE-コレステロール経路など)により類似させないようにする下流効果の間接的なカスケードを誘発する。
【0184】
薬学的安全性の文脈において、本発明者らは、ASMO-1で処置されたHDCのRNA seqデータ分析が、評価された濃度の少なくとも1つにおいて処置によって有害な遺伝子発現プロファイルが示されないことを保証すると予想する。
【配列表】
【国際調査報告】