(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】便座、便座アダプタ、およびシステム
(51)【国際特許分類】
A47K 13/24 20060101AFI20240705BHJP
A47K 17/02 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A47K13/24
A47K17/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502615
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022038082
(87)【国際公開番号】W WO2023004161
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524020803
【氏名又は名称】マーティン, エリック
【氏名又は名称原語表記】MARTIN, Eric
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マーティン, エリック
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AA12
2D037BA00
(57)【要約】
排便を補助するために便座とともに、または排便を補助するための便座として使用するのに適合可能なシステム、装置、および方法。システムおよび装置は、ユーザが1つ以上の突出部を有する便座に着座している間に、身体部分に対して望ましく配置されるように上向きに延在する1つ以上の突出部を含み得る。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座であって、
上面、下面、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部との間の後方側部と、
前記第1の側部と前記第2の側部と前記後方側部との間に画定された便座開口部と、
前記上面の前記後方側部からの凸状上向き延在面と、
前記凸状上向き延在面に隣接して前記上面の前記後方側部に配置された凹状湾曲面と、
を備え、
前記便座の前記上面、前記下面、前記第1の側部、前記第2の側部、前記後方側部、および前記便座開口部が、上面視において湾曲した外縁と、上面視において湾曲した内縁と、を画定し、
前記後方側部の前記上面が、側面視において前記後方側部の前記外縁から下向きに湾曲して前記凸状面になった後、上向きに湾曲して前記凹状湾曲面になっている、
便座。
【請求項2】
前方側部をさらに備える、請求項1に記載の便座。
【請求項3】
前記凹状湾曲面に先端部をさらに備える、請求項1に記載の便座。
【請求項4】
前記凹状湾曲面が、前後方向に移動可能である、請求項1に記載の便座。
【請求項5】
前記便座に回転可能に接続された蓋をさらに備える、請求項1に記載の便座。
【請求項6】
前記第1の側部と前記第2の側部との間に延在する水平方向架材をさらに備える、請求項1に記載の便座。
【請求項7】
前記水平方向架材が、前記水平方向架材の上面から延在する突起部を有する、請求項6に記載の便座。
【請求項8】
前記突起部が、ステムに配置されて調節可能な高さを提供する、請求項7に記載の便座。
【請求項9】
前記突起部と係合する前記ステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトをさらに備える、請求項8に記載の便座。
【請求項10】
上面、下面、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部との間の後方側部、
前記第1の側部と前記第2の側部と前記後方側部との間に画定された便座開口部、ならびに
前記第1の側部と前記第2の側部との間に延在する水平方向架材、ならびに前記水平方向架材の上面から延在する突起部を備える、
便座。
【請求項11】
前方側部をさらに備える、請求項10に記載の便座。
【請求項12】
前記便座に回転可能に接続された蓋をさらに備える、請求項10に記載の便座。
【請求項13】
前記上面の前記後方側部から上向きに延在する凸状面と、
前記凸状上向き延在面に隣接して前記上面の前記後方側部に配置された凹状湾曲面と、
をさらに備える、請求項10に記載の便座。
【請求項14】
前記後方側部の前記上面が、側面視において前記後方側部の外縁から下向きに湾曲して前記凸状面になった後、上向きに湾曲して前記凹状湾曲面になっている、請求項13に記載の便座。
【請求項15】
前記凹状湾曲面に先端部をさらに備える、請求項13に記載の便座。
【請求項16】
前記凹状湾曲面が、前後方向に移動可能である、請求項13に記載の便座。
【請求項17】
前記突起部が、ステムに配置されて調節可能な高さを提供する、請求項10に記載の便座。
【請求項18】
前記突起部と係合する前記ステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトをさらに備える、請求項17に記載の便座。
【請求項19】
上面、下面、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部との間の後方側部、および前記後方側部とは反対側の前記第1の側部と前記第2の側部との間の前方側部を備える便座アダプタであって、前記上面および前記下面のうちの一方が、便座に係合するように動作可能であり、かつ
前記便座アダプタが、前記便座の上面の上方で前記前方側部の前記上面から上向きに延在する先端部を備える、
便座アダプタ。
【請求項20】
前記便座の第1の外側湾曲面に接触するように構成された第1の湾曲面と、前記便座の第2の外側湾曲面に係合するように構成された第2の湾曲面と、をさらに備える、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項21】
前記便座アダプタを前記便座に固定するための接着剤をさらに備える、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項22】
前記便座アダプタを前記便座に固定するための吸盤をさらに備える、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項23】
前記先端部が、可撓性である、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項24】
前記先端部が、遠位端に第1の幅と、前記遠位端に対して近位に前記第1の幅よりも大きい第2の幅と、を有する、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項25】
前記先端部が、横方向に移動可能である、請求項19に記載の便座アダプタ。
【請求項26】
便座の第1の側部と便座の第2の側部との間に延在するように構成された水平方向架材と、
前記水平方向架材の上面から延在する突起部と、
を備える、便座アダプタ。
【請求項27】
前記突起部が、ステムに配置されて調節可能な高さを提供する、請求項26に記載の便座アダプタ。
【請求項28】
前記突起部と係合する前記ステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトをさらに備える、請求項27に記載の便座アダプタ。
【請求項29】
上面、下面、第1の側部、第2の側部、および前記第1の側部と前記第2の側部との間の後方側部、および前記後方側部とは反対側で前記第1の側部と前記第2の側部との間の前方側部を備える第1の便座アダプタであって、前記上面および前記下面のうちの一方が、便座と係合するように動作可能であり、かつ
前記第1の便座アダプタが、前記便座の上面の上方で前記前方側部の前記上面から上向きに延在する先端部を備える、
第1の便座アダプタと、
前記便座の第1の側部と前記便座の第2の側部との間に延在するように構成された水平方向架材、および
前記水平方向架材の上面から延在する突起部を備える、
第2の便座アダプタと、
を備える、便座アダプタシステム。
【請求項30】
前記第1の便座アダプタが、前記便座の第1の外側湾曲面に接触するように構成された第1の湾曲面と、前記便座の第2の外側湾曲面に接触するように構成された第2の湾曲面と、をさらに備える、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項31】
前記第1の便座アダプタが、前記便座アダプタを前記便座に固定するための接着剤をさらに備える、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項32】
前記第1の便座アダプタが、前記便座アダプタを前記便座に固定するための吸盤をさらに備える、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項33】
前記第1の便座アダプタの前記先端部が、可撓性である、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項34】
前記第1の便座アダプタの前記先端部が、遠位端に第1の幅と、前記遠位端に対して近位に前記第1の幅よりも大きい第2の幅と、を有する、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項35】
前記第1の便座アダプタの前記先端部が、横方向に移動可能である、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項36】
前記第2の便座アダプタの前記突起部が、ステムに配置されて調節可能な高さを提供する、請求項29に記載の便座アダプタシステム。
【請求項37】
前記突起部と係合する前記ステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトをさらに備える、請求項36に記載の便座アダプタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
[0001]本出願は、2021年7月23日に出願された米国仮出願第63/225,267号および2022年3月27日に出願された米国仮出願第63/269,981号の利益を主張し、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]筋肉と組織との組合せは、人の排便を制御するために協働する。
図1Aは、例示的な内部の筋肉、器官、および組織構造を有する人間の解剖学的構造の側部図である。骨盤底12、肛門括約筋14、および恥骨直腸筋16は協働して直腸20への通路を開閉し、直腸20内に保持された便を保つか、または直腸出口22を通過させる。場合によっては、これらの器官が協働して直腸出口22と直腸20との間の直腸通路を完全には開かないことがある。直腸通路が完全には開かれていない場合、直腸20内から便を完全に放出することは困難であり得る。第1の矢印30は、直腸20からの便の通過を可能にするために肛門括約筋を解放するのを補助するために圧力を印加する場所を示している。
【0003】
[0003]これらの器官が位置合わせされて直腸20から直腸出口22への便のより容易な通過が可能になるのを補助する試みがなされてきた。例えば、トイレに座っている人がしゃがみ姿勢を模倣するために膝を上げ得る踏み台を設けることができる。この姿勢は、器官の位置合わせを可能にし、直腸から直腸出口への通路をより真っ直ぐでより開いた位置に配向し得、器官と連携して便の通過を補助し得る。
【0004】
[0004]しかしながら、必要とされるのは、肛門括約筋を解放して直腸から便を通過させるのを可能にするために骨盤底に圧力を印加するように構成された使いやすい便座またはアダプタである。
【発明の概要】
【0005】
[0005]例示的な実施形態は、ユーザが排便を完全に排出するのを補助するように動作可能な便座またはアダプタのためのシステムおよび方法を示し、説明する。
【0006】
[0006]前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、開示された実施形態を限定するものではない。
【0007】
[0007]便座および便座アダプタについて説明する。便座および/またはアダプタは、突出部が便座に取り付けられたときに便座から上向きに延在する面を作り出す1つ以上の上向き圧力印加突出部を備える。圧力印加突出部は、便座の内部開口部の後方場所で便座の上面から離れるように延在し得るか、または便座に適用されるアダプタに組み込まれ得る。圧力印加突出部は、凹状上向き面を備え得る。さらに、便座の上面は、外側縁から内部開口部を画定する内側縁に向かって下向きに傾斜し得る。便座アダプタは、便座に接着され得るか、または便座の上面から回転可能に枢動し得る。別の構成では、圧力印加突出部は、ステム(例えば、ロッドまたは細長い管状部材)と、ステムの周りに配置されたカラーと、ステムの頂部部分とは反対側の端部のカウンタウエイトと、を備える。圧力印加突出部の頂部部分は、便座および突出部の上方から参照された際に凸状の湾曲面をさらに備え得る。便座と同じ回転軸線に対する回転アタッチメントである取付け部分が設けられ得、面が、便座の側部に沿って便座の内側および外側の周りに延在して便座の一部分上をクランプするように構成されているか、または突出部の両側の延在部が、便座の対向する側部に接触してそこから延在するように構成されており、便座の対向する側部は、便座内の開口部の近傍の便座の内側縁を構成する。いくつかの構成では、突出部は、便座に結合されており、ユーザが便座に着座したときにユーザの尾骨と直腸出口との間の領域内に配置されるように構成されているか、またはユーザが便座に着座したときに直腸出口とユーザの骨盤骨の前方との間の領域内に配置されるように構成されている。この領域に印加される圧力は、吻側圧力と呼ばれる。
【0008】
[0008]本開示の別の態様は、1つまたは2つの圧力印加突出部で構成された便座を使用する方法を対象とし、圧力は、ユーザが便座に着座したときに、ユーザの尾骨と直腸出口との間、およびユーザの骨盤骨の前方のうちの少なくとも一方に印加される。
【0009】
[参照による組み込み]
[0009]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
[0010]1941年9月23日に発行された米国特許第2,256,994号明細書、
[0011]1977年9月20日に発行された米国特許第4,048,679号明細書、
[0012]1980年2月26日に発行された米国特許第4,189,794号明細書、
[0013]1981年1月13日に発行された米国特許第4,244,063号明細書、
[0014]1984年7月3日に発行された米国特許第4,457,029号明細書、
[0015]2003年7月1日に発行された米国特許第6,584,621号明細書、
[0016]2011年7月5日に発行された米国特許第7,971,285号明細書、
[0017]2018年9月4日に発行された米国特許第10,064,497号明細書、
[0018]2018年11月13日に発行された米国特許第10,123,669号明細書、
[0019]2021年3月30日に発行された米国特許第10,959,582号明細書、
[0020]2022年2月22日に発行された米国特許第11,253,116号明細書、
[0021]2022年2月22日に発行された米国特許第11,253,117号明細書、
[0022]2009年10月29日に公開された米国特許出願公開第2009/0265843号明細書、および
[0023]2022年2月22日に発行された米国意匠Des944,369。
【0010】
[0024]本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】排便を補助する関連する人間の解剖学的構造の部分内面図を示す。
【
図1B】圧力の領域が特定された、
図1Aの人間の解剖学的構造を示す。
【
図4A】本開示による例示的な便座アダプタを示す。
【
図4B】本開示による例示的な便座アダプタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0032]次に
図1Bを参照すると、
図1Aに示す排便を補助する解剖学的構造の部分内面図が示されている。先に示されたように、第1の矢印30は、例えば、便座または便座アダプタに配置された第1の突出部によって圧力を印加するための解剖学的場所を示している。第1の目標解剖学的場所は、肛門尾骨縫線の場所に対応する。直腸出口22と尾骨24との間に圧力が印加され、その結果、骨盤底12が解放される。この領域に印加される圧力は、吻側圧力と呼ばれる。第2の矢印32は、例えば、便座または便座アダプタの第2の突出部によって圧力を印加するための目標解剖学的場所を示している。第2の目標解剖学的場所は、会陰部の場所に対応する。圧力は、直腸出口22の第1の矢印30とは反対側に印加される。第2の突出部は、ユーザの直腸出口22の前方の領域に、恥骨直腸筋16に向かって接触するように配置されている。便座またはアダプタは、目標圧力点のうちの1つ以上に圧力を印加して、直腸出口22の前の通路を真っ直ぐにするかまたは位置合わせして、ユーザのより容易な排便または直腸20からの物質のより完全な排出を補助するように構成可能である。
【0013】
[0033]I.便座および便座アダプタ
[0034]便座200は、上面、下面、第1の側部、第2の側部、および第1の側部と第2の側部との間の後方側部を有する。第1の側部と、第2の側部と、後方側部と、間に開口部が画定されている。開口部は、便座に着座したユーザの尿および糞便の、例えば便器への通過を可能にする。いくつかの便座はまた、前方側部を有し得る。上面の後方側部から上向きに凸状面が延在する。凸状面は、直腸出口22と尾骨24との間の目標領域に圧力を印加するように動作可能であるように配置されており、その結果、骨盤底12が解放される。凸状上向き延在面に隣接する上面の後方側部には、凹状湾曲面が配置されている。凹状湾曲面は、便座の後方側部に沿う浅いチャネルを形成する。便座の上面、下面、第1の側部、第2の側部、後方側部、および開口部は、上面視において湾曲した外縁、および上面視において湾曲した内縁を画定する。後方側部の上面は、側面視において後方側部の外縁から下向きに湾曲して凸状面となった後、上向きに湾曲して凹状湾曲面となっている。凹状湾曲面は、先端部をさらに含み得る。いくつかの構成では、凹状湾曲面は、前後方向に移動可能である。凹状湾曲面を移動させることにより、使用中の圧力が印加される場所の変更が可能になる。便座はまた、便座に回転可能に接続された蓋を含み得る。
【0014】
[0035]便座アダプタも開示される。便座アダプタは、上面、下面、第1の側部、第2の側部、および第1の側部と第2の側部との間の後方側部、および後方側部とは反対側で第1の側部と第2の側部との間の前方側部を備え、上面および下面のうちの一方は、便座に係合するように動作可能であり、かつ便座アダプタは、便座の上面の上方で前方側部の上面から上向きに延在する先端部を備える。アダプタは、便座の第1の外側湾曲面に接触するように構成された第1の湾曲面と、便座の第2の外側湾曲面に接触するように構成された第2の湾曲面と、を含み得る。便座アダプタは、便座アダプタを便座に固定するための接着剤を含み得る。接着剤は、恒久的または一時的および取り外し可能な任意の好適な接着剤であり得る。便座アダプタを便座に固定するための吸盤。先端部はまた、可撓性であり得る。先端部は、遠位端に第1の幅と、遠位端に対して近位に第1の幅よりも大きい第2の幅と、を有する。先端部はまた、横方向に移動可能であり得る。先端部を移動させることにより、使用中の圧力が印加される場所の変更が可能になる。
【0015】
[0036]次に、便座および便座アダプタの特定の例示的な実施形態を参照すると、
図2Aは、本開示による例示的な便座200を示している。
図2Bから
図2Cは、
図2Aの便座200の例示的な断面を示している。図示のように、例示的な便座200は、上座面202を備える。便座200は、典型的には、完全なまたは部分的な円形または細長い円形の構造を画定するように構成されている。便座200は、市販の便座と同様であり、便座200は、ユーザがトイレに座ったときにユーザの臀部および/または上腿の一部を支持するようなサイズ設定および配向にされている。便座200は、便座開口部206を画定する。便座開口部206は、例えば解剖学的にユーザの直腸出口の下に配置されることによって、ユーザが排泄物を便座200の便座開口部206を通過させて下方の容器(便器など)内に入れることを可能にするように配置されている。理解され得るように、便座200は、全周を含んで便座開口部206を完全に包囲し画定し得るか、または1つ以上の間隙を含み得る。便座200は、略円形、卵形、または他の形状であってもよく、その1つ以上の部分であろうがなかろうが、旋回の半分以上にわたって開口部を囲む。便座200は、略直線部分および/または略湾曲部分を含んで開口部の周りの円周形状を画定し得る。また、便座200は、便座200を便器などの他の構造に結合するための取付け機構を有し得る。そのような取付け機構は、選択的な使用のために便座を上げ下げさせることを可能にするヒンジを含み得る。
【0016】
[0037]便座200は、上座面202(頂面)と、上座面202とは反対側にある下面204(底面)と、便座開口部206と、を有する。上座面202は、上座面202の便座200の側部212、212’が上座面202の後面210よりも低い高さにあるように、後面210から下向きの傾斜を含み得る。この向きは、便座200が実質的に水平であり、ユーザが便座200の上座面202に座り便座開口部206に排便を通過させることを可能にするように構成された使用中の向きであり得る。
【0017】
[0038]便座200の後面210に最も近い便座開口部206の後方207には、出口-尾骨突出部230が設けられている。出口-尾骨突出部230は、
図2Aに示すように、上座面視で便座200の便座開口部206内に突出する凸形状を形成し得る。上座面はまた、
図2Cにおいて理解されるように、出口-尾骨突出部230の前に凹状湾曲面231を有し得る。凹状湾曲面231は、出口-尾骨突出部230の各端部間に便座開口部206の曲率と位置合わせされたへこみを作り出すことができる。出口-尾骨突出部230の位置は、直腸出口22と尾骨24との間に圧力を印加するようにサイズ設定され構成されている(
図1Aから
図1Bに示す)。
【0018】
[0039]
図2Bは、例示的な便座200を、
図2Aの線B-Bに沿った断面で示している。この視点から、便座200の上座面202の輪郭を理解することができる。この図において、出口-尾骨突出部230は、便座200の上座面202から上向きに延在して、上向きに湾曲した圧力突出部または先端部を提供する。
【0019】
[0040]
図2Cは、例示的な便座200を、
図2Aの線C-Cに沿った断面で示している。この図から、上座面202は、便座開口部206において、便座部分の外側縁に隣接するより高い高さから、便座部分の内側縁に隣接するより低い高さまで下向きに傾斜していることが理解されよう。上座面202が外側縁と内側縁との間で上座面の内側に隣接するより高い高さを有する曲線を画定するように、凸状上向き形状などの他の構成が使用されてもよい。一例では、上座面202は、ユーザの尻の頬を広げて肛門の開口部および通路を露出および開放するのを補助するように輪郭付けされ得る。例えば、開口部の対向する側部において、上座面202は、ユーザの頬が上座面202に接触する際、ユーザは上座面内に作り出された空間内に座り、ユーザが空間内に座る際、ユーザの頬が広げられるように配置および配向され得る。
【0020】
[0041]便座200は、出口-尾骨突出部230を含み得る。出口-尾骨突出部230は、便座200の上座面202から上向きに延在するように成形され構成されている。出口-尾骨突出部230は、下向きに傾斜する部分から、および/または上座面202の下側部分から突出部の上向きに延在する面への滑らかな移行部を備え得る。出口-尾骨突出部230はまた、出口-尾骨突出部230が便座200の上座面202に対して角度が付けられるように、上座面から不連続に移行し得る。出口-尾骨突出部230はまた、(上座面の向きにかかわらず、傾斜しているか平坦であるかにかかわらず)上座面202から離れるように、かつ便座200の便座開口部206に向かって上向きに延在し得る。
【0021】
[0042]
図2Cに示す便座200の断面は、出口-尾骨突出部230の一部分を通って延在する。図示のように、出口-尾骨突出部230は、便座200の上座面202の少なくとも一部分の上方に、突出部と接触する便座部分から離れるように、便座部分の反対側に向かって上向きに延在する。したがって、出口-尾骨突出部230は、便座開口部の上の空間内に延在し得る。
【0022】
[0043]当業者には理解されるように、
図1Aから
図1Cは、出口-尾骨突出部230が便座200に一体化され得る一例を示している。出口-尾骨突出部230は、便座200に恒久的に接続されてもよく、一体的に形成されてもよく、またはそうでなければ一体化されてもよい。したがって、出口-尾骨突出部230は、便座200が着座のために下げられた配向と、下側のトイレ深部の邪魔にならないように上げられた配向との間で移行させられる際、便座200とともに移動し得る。
【0023】
[0044]次に、
図2Dから
図2Eを参照すると、代替物が示されており、ここでは出口-尾骨突出部230’が便座200に結合され得る、かつ/または便座200から取り外し可能であり得る。例えば、出口-尾骨突出部230’は、アダプタ240の一部として一体的に形成され得る。アダプタ240は、凸状面および凹状面を有し得、便座200の一部分の周りに嵌合するように構成可能であり得る。
図2Dから
図2Fは、アダプタ240の凹状面が便座の下面を取り囲み、便座の上面の一部分を露出させるように、便座200に固定されたアダプタ240を示している。アダプタ240は、便座200の一部分の周りに結合するように構成された略C字形状を有し得る。C字形状の内側は凹状面とみなされ得、C字形状の外側は凸状面とみなされ得る。出口-尾骨突出部230’は、アダプタと一体的に形成され、アダプタ240の外面から延在し得る。アダプタ240はまた、アダプタ240を便座200に取り付けるのを容易にするために、クランプ、ねじ、圧力グリップ、調節可能な寸法のクランプ、フック、接着剤などの他の取付け構成を備えてもよい。本明細書に記載されているか、またはそうでなければ当業者に知られている他の取付け機構を、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができる。さらに、取付け機構の組合せを使用することができる。さらに、当業者には理解されるように、アダプタ240はまた、凹状面が便座の上面を取り囲み、便座の下面の一部分を露出させるように構成され得る。いずれの構成においても、出口-尾骨突出部230’は、便座が使用されているときに直腸出口22と尾骨24(
図1Aから
図1Bに示す)との間に圧力を印加するために最適に配置されるように構成されている。
【0024】
[0045]
図2Fから
図2Gは、出口-尾骨突出部230”が便座200に間接的に結合され得る、および/または分離可能であり得るアダプタ240’の別の例を示している。便座200は、市販の便座であり得る。便座200はまた、便座200および出口-尾骨突出部230”がトイレ基部に結合される共通の回転接続境界面を共有するように、本明細書に記載されたものなどのアダプタとともに販売されてもよい。便座200は、出口-尾骨突出部230”を使用位置(もしくは展開位置)または使用外位置(または非展開位置)に再配置することによって、出口-尾骨突出部230”の有無にかかわらず使用することができる。出口-尾骨突出部230”は、便座200に結合され得、便座に固定されながら便座に対して移動可能であり得る。出口-尾骨突出部230”および/または便座200は、取付け台および/またはトイレ基部に回転可能に結合されてもよい。取付け台は、トイレ基部に結合されてもよい。出口-尾骨突出部230”は、取付け台の回転接続部から延在する面を備えてもよい。この面は、便座200の上座面202に実質的に適合する。上座面202は、出口-尾骨突出部230”に一体的に結合されてもよい。したがって、出口-尾骨突出部230”は、便座200の上面202に接触し、かつ本明細書に記載された他の圧力を印加する突出部に関して説明したように、出口-尾骨突出部230”の本明細書に記載の構成を作り出すように配置され得る。
【0025】
[0046]本明細書に記載の便座200の例示的な実施形態はまた、便座蓋(図示せず)を含み得る。便座蓋の下側は、出口-尾骨突出部の一部分を受け入れるか、またはそうでなければ出口-尾骨突出部が便座蓋の面のくぼみの一部分内に嵌合し得るように、出口-尾骨突出部に対する合わせ面を有するように構成され得る。これにより、便座蓋は便座部分に当接しながら、便座蓋の閉鎖を妨げることなく突出部の上向きの延在部を収容し得る。便座蓋の下側および/または外側は、構成または適合され得る。例えば、便座の下側および/または外側は、完全に閉鎖したときに、便座がドームまたは部分的なドーム形状を作り出し得るように、便座開口部の開口部から外方に湾曲し得る。便座蓋の上面は、その上に座っている人を収容するために、実質的に平坦または平面であり得る。
【0026】
[0047]
図2Hを参照すると、便座の断面が示されており、アダプタ240が便座の一部分を包囲し、上座面202が露出されている。250において出口-尾骨突出部230に印加される圧力により、出口-尾骨突出部230が軸線252に沿って前後に移動することが可能になる。
【0027】
[0048]
図2Iに示すように、出口-尾骨突出部230は、便座の後面210に向かってx軸に沿って後方に移動させられ得、例示的な位置2 230’および例示的な位置3 230”を示す。さらに、移動可能な出口-尾骨突出部230は、便座または便座アダプタと一体的に形成された出口-尾骨突出部230と関連付けられ得る。
【0028】
[0049]便座の一部分を
図2Jから
図2Lに示す。図を検討する際に理解されるように、出口-尾骨突出部230の形状は、上方からの視点で様々な形状を有することができる。出口-尾骨突出部230は、便座の上座面202から上向きに湾曲し、先端部232を特徴とし得る。先端部232の幅は、出口-尾骨突出部230の幅に対して変動し得る。
【0029】
[0050]
図3は、アダプタ330を有する便座200を示している。アダプタ330は、便座200の頂部に嵌合するように配置されている。アダプタ330は、便座200に恒久的もしくは非恒久的に接着されてもよく、吸着機構を介して取り付けられてもよく、またはアダプタ330が便座200の一部分の周りにスナップする湾曲面を有するスナップ嵌合を用いて取り外し可能に付着されてもよい。
【0030】
[0051]
図4Aから
図4Eは、アダプタ430を有する便座200を示している。アダプタ430は、便座200の上座面202を取り囲むように配置されている。
図4Bに示すように、アダプタ430の側部。
図4Cから
図4Eに示す側部からの視点で。アダプタ430、430’、430”は、x方向に様々な長さおよびy方向に様々な高さを有し得る。アダプタ430は、便座200に恒久的もしくは非恒久的に接着されてもよく、吸着機構を介して取り付けられてもよく、またはアダプタ430が便座200の一部分の周りにスナップする湾曲面を有するスナップ嵌合を用いて取り外し可能に付着されてもよい。
【0031】
[0052]
図5は、アダプタ530を有する別の便座200を示している。アダプタ530は、便座200の上座面202に取り付けられるように構成されている。アダプタ530は、吸盤または取り外し可能な接着剤層を含む複数の延在部532、532’を有する。代替的に、アダプタ530は、便座200に恒久的または非恒久的に接着され得る。
【0032】
[0053]便座はまた、上面、下面、第1の側部、第2の側部、および第1の側部と第2の側部との間の後方側部、第1の側部と第2の側部と後方側部との間に画定された開口部、および第1の側部と第2の側部との間に延在する水平方向架材、ならびに水平方向架材の上面から延在する突起部を備え得、その結果、開口部の一部分は水平方向架材の一方の側にあり、開口部の一部分は水平方向架材の反対側にある。便座は、当然ながら、前方側部を含み得る。座部に回転可能に接続された蓋を設けることもできる。突起部は、調節可能な高さを提供するようにステムに配置可能である。突起部の高さを調節することにより、目標解剖学的構造に印加される圧力が変化する。突起部と係合するステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトを設けることもできる。したがって、突起部は、水平方向架材の上面に隣接して配置されており、カウンタウエイトは、水平方向架材の下面に隣接して配置されている。
【0033】
[0054]便座の第1の側部と便座の第2の側部との間に延在する水平方向架材と、水平方向架材の上面から延在する突起部と、を有する、便座アダプタ。突起部は、調節可能な高さを提供するようにステムに配置可能である。突起部と係合するステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトを設けることもできる。
【0034】
[0055]
図6Aは、本開示の実施形態による例示的な便座600を示している。
図6Bから
図6Dは、
図6Aの便座600の部分斜視図または分解部品図である。便座600は、上座面602と、出口-尾骨突出部630と、便座開口部206を越えてわたるように配置された水平方向支持体610から延在する恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650と、を有する。本明細書では、出口-尾骨突出部630および恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650を有するものとして開示されているが、当業者であれば、突出部のうちのいずれかまたは両方を設けることができることを理解するであろう。出口-尾骨突出部630は、出口-尾骨突出部630が便座600から分離され得るように、取り外し可能または相対的に配置可能であり得る。したがって、便座600は、出口-尾骨突出部630とともに選択的に使用され得る。便座600は、本明細書に記載の便座部分のうちのいずれかと同様の上座面602を有し得る。したがって、便座600は、湾曲した上座面、内向き/下向きに傾斜した上座面、平坦な上座面、角度が付けられた上座面、およびそれらの組合せを有し得る。
【0035】
[0056]図示のように、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、便座開口部206内および/または便座開口部206の上方に配置され得る。恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、水平方向支持体610によって支持され得る。水平方向支持体610は、便座開口部206の一方側から便座開口部206の反対側にわたって延在し得る。
図2に関して上述した突出部と同様に、水平方向支持体652は、便座600に一体化されてもよく、便座600に結合されてもよく、便座600から取り外し可能であってもよく、便座600に対して回転可能に配置可能であってもよい。例えば、支持体は、便座600から延在してもよく、便座600と一体的に形成されてもよい。水平方向支持体652は、便座600に取り外し可能に取り付けられるように結合境界面で終端し得る。結合境界面は、c字形クランプ、またはベルト、ストラップ、バックル、キャンプ、ねじ、接着剤、テープ、本明細書に記載されているか、もしくはそうでなければ当業者に知られている他の取付け具、およびそれらの任意の組合せなどの、他の取付け方法であり得る。支持体は、便座600の上座面202の一部分に触れるようにサイズ設定され得る。したがって、支持体は、使用時に単に便座の頂部に配置され得、使用中に便座に載置され得る。
【0036】
[0057]
図6Bから
図6Cは、本明細書に記載の恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の異なる分解部品部分図を示す。例示的な恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650では、突出部は調節可能であるように構成可能である。調節は、便座部分の上方の突出部の相対的な高さ、突出部の向き、および突出部の角度、突出部のサイズ、またはそれらの任意の組合せに対してであり得る。例えば、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、カラー656と噛み合うステム654を含み得る。ステム654は、カラー656内の噛み合わせられる雌ねじと係合するねじ山658を含み得る。したがって、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の頂部の相対的な高さは、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650をステム654を介してカラー656に対して回転させることによって選択的に設定され得る。カラー656は、水平方向突出部657を含み得る。カラー656からの水平方向突出部657は、カラー656の両側から延在する対向するステムとして示されている。水平方向突出部657は、水平方向支持体652内のくぼみ660によって支持され得る。水平方向突出部657は、くぼみ内に嵌合して支持体に対する突出部の相対位置を保持し得る。水平方向突出部657とくぼみとの境界面は、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650が水平方向突出部657を介して回転軸線を中心として回転することを可能にし得る。したがって、水平方向突出部657は、便座部分および/または支持体に対して異なる角度および/または相対的な前方/後方位置を画定し得、その結果、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、ユーザにとって望ましい場所内に配置され得る。
【0037】
[0058]代替的なおよび/または追加の調節可能な取付け具が、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650および便座600に対して使用されてもよい。例えば、ステム654はアパーチャ662を含み得、ステム654はアパーチャ662を通して配置され得る。別のアパーチャの代わりに1つのアパーチャを選択することにより、支持体および/または座部位置の上方の突出部の高さの選択が可能になり得る。アパーチャの選択は、ステム654を複数のアパーチャ662のうちの1つのアパーチャに通して、アパーチャ内に配置されたステム654と恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の頂部との間の設定距離を画定することによるものであり得る。ステム654は、ステム654を通す通路を画定する支持体668を通して配置されてもよい。支持体668は、水平方向支持体652に結合され得る。便座600の対向する側部間の水平方向支持体652は、対向する側部間にアパーチャまたは間隙を有してもよい。恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650のステム654は、水平方向支持体652の間隙を通過するように構成されてもよい。支持体668は、ステムが間隙を通して配置される際にステム654を支持するために、水平方向支持体652の間隙の両側にあり得る。
【0038】
[0059]ステム654、水平方向突出部657、くぼみ660、通路を有する支持体668、または他の面のうちのいずれかは、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の角度または向きが選択され保持され得るようにキー止めされ得る。例えば、噛み合わせ面間の境界面は、面が摩擦係合するように直接接触し得る。面は、互いに対して移動(回転など)させられ得るが、移動力を加えることにより、選択的に配置され得る。移動力がない場合、噛み合わせ面の相対位置は静的である。境界面はまた、面が特定の配向で相互作用し、各配向内に意図的に配置され得るようにキー止めされ得る。例えば、一方の面が他方の面に噛み合わせられたときに一方の面の別の面に対する段階的な配置が選択され保持され得るように、歯車または鋸歯の噛み合わせ面が使用されてもよい。他のキー付きまたは噛み合わせ機構も使用され得る。例えば、ステム654は、水平方向支持体652のくぼみ660内で自由に回転し得るが、ステム654の挿入により、ステム654およびアパーチャは、ステム654が挿入されると、くぼみ660内の水平方向突出部657のさらなる回転が防止または低減されるように、接触する面にテクスチャ加工された面または噛み合わせ形状を含み得る。
【0039】
[0060]座部部分の対向する側部間の水平方向支持体610は、対向する側部間にアパーチャまたは間隙を有し得る。恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650のロッド664が、水平方向支持体610の間隙を通過するように構成され得る。水平方向支持体610は、ロッドが間隙を通して配置される際にロッド664を支持するために、水平方向支持体610の間隙の両側にあり得る。
【0040】
[0061]ロッド664、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650、くぼみ660、通路を有する水平方向支持体610、または他の面のうちのいずれかは、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の角度または向きが選択され保持され得るようにキー止めされ得る。例えば、噛み合わせ面間の境界面は、面が摩擦係合するように直接接触し得る。面は、互いに対して移動(回転など)させられ得るが、移動力を加えることにより、選択的に配置され得る。移動力がない場合、噛み合わせ面の相対位置は静的である。境界面はまた、面が特定の配向で相互作用し、各配向内に意図的に配置され得るようにキー止めされ得る。例えば、一方の面が他方の面に噛み合わせられたときに一方の面の別の面に対する段階的な配置が選択され保持され得るように、歯車または鋸歯の噛み合わせ面が使用されてもよい。他のキー付きまたは噛み合わせ機構も使用され得る。例えば、ロッド664は、水平方向支持体610のくぼみ内で自由に回転し得るが、ロッド664の挿入により、ロッドおよびアパーチャは、ロッド664が挿入されると、くぼみ660内の恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650のさらなる回転が防止または低減されるように、接触する面にテクスチャ加工された面または噛み合わせ形状を含み得る。
【0041】
[0062]さらに、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、球または部分球形である。しかしながら、任意の形状が使用されてもよい。恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650の上方および外側からの視点に対して凸形状を有し得る。凸形状は、突出部が配置され得る複数の回転の向きにおいて人間の解剖学的構造に接触するためのより人間工学的または快適な面を促進し得る。
【0042】
[0063]恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650は、カウンタウエイト670を含み得る。例えば、カラー656にねじ込む代わりに、ステム654は、カラー656内の開口部を通過し、アパーチャ662のうちの1つ以上を通るステム654の挿入によって高さを維持し得る。ステム654の下側部分は、ねじ山658を含み得る。ねじ山658は、カウンタウエイト670を結合するために使用され得る。カウンタウエイト670はボールとして示されているが、このような構成は必要ではない。カウンタウエイトは、使用されていないときに、恥骨直腸筋-直腸圧力突出部650を直接上向きに回転的に再配置するために使用さ得る。噛み合わせ面間の境界面は、突出部がステム654によって画定された軸線を中心として回転し得るようにキー止めされていない。ユーザは、使用時に向きを選択してもよい。便座が使用されていないとき、カウンタウエイト670は、長手方向軸線が実質的に垂直になる静止位置に突出部を再配向し得る。
【0043】
[0064]II.便座システム
[0065]
図2から
図6に関して上述したアダプタの特徴を組み合わせる便座アダプタシステムもまた提供される。システムは、上面、下面、第1の側部、第2の側部、および第1の側部と第2の側部との間の後方側部、および後方側部とは反対側で第1の側部と第2の側部との間の前方側部を備える第1の便座アダプタであって、上面および下面のうちの一方が、便座と係合するように動作可能であり、かつ第1の便座アダプタが、便座の上面の上方で前方側部の上面から上向きに延在する先端部を備える、第1の便座アダプタと、便座の第1の側部と便座の第2の側部との間に延在するように構成された水平方向架材、および水平方向架材の上面から延在する突起部を備える、第2の便座アダプタと、を備え、第1の便座アダプタは、便座の第1の外側湾曲面に接触するように構成された第1の湾曲面と、便座の第2の外側湾曲面に接触するように構成された第2の湾曲面と、をさらに備え得る。第1の便座アダプタは、便座アダプタを便座に固定するための接着剤をさらに備え得る。第1の便座アダプタは、便座アダプタを便座に固定するための吸盤をさらに備える。さらに、第1の便座アダプタの先端部は、可撓性である。第1の便座アダプタの先端部はまた、遠位端に第1の幅と、遠位端に対して近位に第1の幅よりも大きい第2の幅と、を有するように構成され得る。いくつかの構成では、第1の便座アダプタの先端部は、横方向に移動可能である。第2の便座アダプタの突起部はまた、ステムに配置されて調節可能な高さを提供し得る。突起部と係合するステムの反対側の端部に配置されたカウンタウエイトを設けることができる。
【0044】
[0066]III.開示された便座、アダプタ、およびシステムの使用方法
[0067]上述したように、
図1Bは、排便を補助する器官を有する人間の例示的な部分内面図を示している。第1の矢印30は、骨盤底に対して圧力を印加するために、直腸出口と尾骨との間の第1の圧力印加突出部の場所を示している。第2の矢印32は、第1の突出部とは直腸出口の反対側の第2の圧力印加突出部の場所を示している。第2の突出部は、ユーザの直腸出口の前方の領域に、恥骨直腸筋に向かって接触するように配置されている。印加された圧力のうちの1つ以上は、直腸出口の前の通路を真っ直ぐにするかまたは位置合わせして、直腸からの物質のより容易な排便またはより完全な排出を補助するように構成され得る。当業者には理解されるように、圧力印加突出部のうちのいずれかまたは両方を便座内に設けて、直腸出口と尾骨との間の領域、および恥骨直腸筋に向かうユーザの直腸出口の前方の領域のうちの一方または両方に、圧力を印加することができる。
【0045】
[0068]便座の使用方法は、便座に上述のような1つ以上の突出部を設けることを含む。便座は、便座に既に一体化された突出部を有してもよいし、突出部がアダプタの一部として設けられてもよい。アダプタは、例えば、便座に対して回転可能に配置され得る。
【0046】
[0069]回転可能に配置されたアダプタが設けられた場合、便座は、単に使用位置に配向され得、突出部は、対象解剖学的領域に圧力を印加することを容易にするように配向され得る。取り外し可能なアダプタの場合、突出部は、使用前にユーザによって便座に取り付けられ得るか、または結合され得る。
【0047】
[0070]さらに、圧力印加突出部は、前後または上下に移動することによって調節させられて、所望の圧力印加を達成し得る。
【0048】
[0071]1つ以上の突出部が目標位置および向きになると、ユーザは便座に座ってもよい。1つ以上の突出部は、ユーザの直腸出口の両側に配置され得る。突出部はまた、向き、高さ、または他の位置に調節され得る。例えば、突出部は、本明細書に記載の実施形態に従ってステムが配置される異なるアパーチャを選択することによって上昇させられ得る。向きは、突出部を目標角度に回転移動させることによって選択され得る。配置されると、ユーザは便座に座ってもよく、1つ以上の突出部は、直腸出口の近傍でユーザに接触し、直腸出口に隣接する領域に圧力を印加する。その後、ユーザは、便座内の開口部を通して突出部を通過してトイレの下側部分内に排便することができる。
【0049】
[0072]ユーザが開示された便座または開示されたアダプタを有する便座に座ったとき第1の矢印30および第2の矢印32によって表される第1の圧力場所および第2の圧力場所のうちのいずれかまたは両方で圧力が印加される。圧力の印加は、排便が肛門括約筋および直腸出口を通って直腸から出るのを助ける。本明細書に記載の突出部は、ユーザが便座部分に座り、突出部が使用位置(便座と一体化されているか、便座に結合されているか、または便座と接触して回転可能に配置されているか、またはそうでなければ使用されるように構成されているかのいずれか)にあるときに、ユーザの直腸出口と尾骨との間を押圧し、直腸出口と尾骨との間の空間にあるように構成されている。さらに、突出部は、尾骨と肛門括約筋との間または直腸出口と恥骨直腸筋との間のいずれかの領域を圧迫して、直腸と直腸出口との間の通路を真っ直ぐにすることを容易にし、それにより今度は直腸からの物質の排出を補助するために、構成、サイズ設定、および配置されている。
【0050】
[0073]本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、そのような実施形態は例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、および置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に採用され得ることを理解されたい。特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】