(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】モジュール式光発電システム
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20240705BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20240705BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240705BHJP
H02S 40/36 20140101ALI20240705BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20240705BHJP
【FI】
H02S20/10 D
E04H6/00 Z
E04H6/42 Z
H02S40/36
H02S40/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502624
(86)(22)【出願日】2022-07-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2022056564
(87)【国際公開番号】W WO2023002328
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】CH070075/2021
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524021006
【氏名又は名称】プラネール・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ペレ・リオネル
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA03
5F251BA05
5F251JA12
5F251JA13
5F251JA27
5F251JA28
5F251KA03
(57)【要約】
【課題】設置が容易で、さまざまな設置要件に応えるモジュール式光発電システムを提供する。
【解決手段】本発明のモジュール式光発電システムは、2本の支柱と2本の横梁を備えた矩形の枠に、2枚の光発電パネル(好ましくは両面受光型)が垂直に配置された平板のモジュールを備える。横梁の1本は、隣りの光発電モジュールを電気的に接続するケーブル案内装置を支えている。このモジュールは、電気自動車用の充電ソケットも備えていて、自動車の駐車スペースの建設や改造に有利に使用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発電設備の製造用モジュール式製品であって、前記モジュール式製品が、複数の平らな光発電モジュール(15)を備え、
各光発電モジュールが、
第1横梁(32)及び第2横梁(34)とによって互いに接続された2本の平行で垂直な支柱(31a、31b)を備え、前記第1横梁及び前記第2横梁は、前記支柱(31a、31b)と直交するように配置されていて、
前記支柱(31a、31b)と横梁(32、34)によって区切られた空間に垂直に配置された1枚、2枚又はそれ以上の光発電パネル(21)を備え、
前記支柱(31a、31b)間に、隣りの光発電モジュールの電気的接続を可能にする電気回路(65)を備える、前記第2横梁(34)に平行に固定されたケーブル案内装置(69)を備える、
モジュール式製品。
【請求項2】
前記光発電モジュール(15)が、複数の電子エネルギー管理モジュール(70)と、前記案内装置(69)に入っている電子回路によって充電される車両充電端子(83)とを備える、請求項1に記載のモジュール式製品。
【請求項3】
複数の前記電子エネルギー管理モジュールと、前記充電端子とが、2枚の光発電パネル(21)の間にあってカバー(37)に覆われている空きスペース部(18)に収容されている、請求項2に記載のモジュール式製品。
【請求項4】
前記支柱(31a、31b)のそれぞれが、基礎内の垂直方向の固定用の下端を持つ、請求項1から3のいずれか一項に記載のモジュール式製品。
【請求項5】
複数の前記光発電パネル(21)は垂直方向に設けられていて、かつ両面発光型である、請求項1から4のいずれか一項に記載のモジュール式製品。
【請求項6】
第1光発電モジュールの前記スペース部(18)が、前記支柱(31a、31b)から等距離にある垂直軸線(25)に揃えられていて、前記第1光発電モジュールと直角をなして、同一又は互換性のある第2光発電モジュールを収容可能である、請求項3又は4に記載の製品。
【請求項7】
前記第1横梁(32)が天頂に配置されていて、前記第2横梁(34)が底部に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
複数の前記横梁(32、24)及び前記支柱が木でできている、請求項1から7のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
複数の前記支柱の1本(32)は、前記支柱の底端にブラケット(32)とつば部(44)を持ち、前記光発電モジュールを同一又は互換性のある隣の光発電モジュールに固定できるようにしている、請求項1から8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
複数の駐車スペースの隣に配置される複数の光発電モジュールを備える、請求項1から9に記載の製品。
【請求項11】
複数の駐車車両に日陰を提供するように構成された、水平又は傾斜している複数の光発電モジュールを備える、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
電気自動車充電機能を加えるために、駐車場を変える方法であって、
駐車区画を示す複数の線に沿って、請求項1から11のいずれか一項に記載の複数の光発電モジュールを設置することを備える、駐車場を変える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光発電システムの設計、製造、変更、設置、保守を容易に行うモジュール式システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光発電設備は既に重要な位置を占めていて、その数は、特にシリコン光発電パネルの価格が下がり続けていることで、一定して増加している。とはいえ、太陽光発電設備は未だ見た目が悪く、大きな面積を占める。屋根の上は別として、新しい設備を設置可能な場所を見つけるのは難しい。
【0003】
それらの欠点は、エネルギーの生産と他の機能を組み合わせた多目的光発電設備によって克服できるかもしれない。これは、法律や地域の規制によって要求されることもある。したがって、効率的で経済的な太陽光発電設備の実現を可能にする太陽光発電製品が必要とされている。
【0004】
しかし、多目的利用を意図する光発電設備は、特別な課題に直面する。課題は例えば、
・設備は、特に高山や山岳地帯の厳しい気候への耐久性を要する。
・理想的な場所は、重荷の輸送や吊り上げ手段で到達できないことが多い。
・特に観光客誘致を目的とした場所では、視覚的影響の軽減を要する。
・設置には、パネルの日射量にムラがないことが求められる。
・電気ケーブルの敷設には費用がかかる。
【0005】
特許文献1は、先行技術から公知の文献であり、実質的に中間の高さで1本の横梁によって連結された2本の垂直方向の支柱を持つモジュール式光発電パネルを開示している。
【0006】
特許文献2は、車輪を跨ぐガントリーを開示している。このガントリーは、水平の光発電パネルと標識要素を高さで支えている。このシステムは電気自動車の充電に使用可能であり、ガントリーはカテナリーケーブルで電気的に接続されている。
【0007】
特許文献3は、枠内に電気的に相互接続する溝を備える、水平面に設置する太陽光発電モジュールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国実用新案第202021100706号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第617406号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/158715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、重荷の輸送手段や吊り上げ手段に頼る必要なく、効率的に太陽光発電設備の製作に使用可能で、低い設置費用で多目的使用を可能にする太陽光発電製品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの課題は、添付の特許請求の範囲の主題によって、そして特に、光発電設備の製造用モジュール製品によって、達成される。この光発電設備は、平坦な光発電モジュールを複数備える。各光発電モジュールは、2本の平行な支柱を備える。2本の平行な支柱は、それら支柱に直交して配置される第1横梁と第2横梁によって互いに接続される。各光発電モジュールは、それら支柱とそれら横梁とによって区切られた空間に垂直に配置される1枚、2枚又はそれ以上の光発電パネル(好ましくは両面受光型)を備える。各光発電モジュールは、第2横梁に平行に固定されたケーブル案内装置を備える。ケーブル案内装置は、隣り合う光発電モジュールの電気的接続を可能にする支柱間の電気回路を備える。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲では、「垂直」及び「水平」という用語は、光発電モジュールが設置された後の通常の向きを示す意味で使用される。
【0012】
好ましい態様として、複数の支柱はそれぞれ、基礎に垂直に固定するのに使う下端を持つ。また、太陽電池モジュールが水平又は傾斜して設置されることも考えられる。
【0013】
従属請求項は、本発明の有利であるが本質的でない特徴を複数導入する。そのような特徴としては例えば、2枚の光発電パネルの間に、垂直方向に空のスロットがあることであり、そして、可動要素によって、設置した場所では、第1横梁がその空のスロットに応じて分割されているようにすることである。この可動要素は、第1横梁を結合する閉位置と、同一の又は互換性のある第2光発電モジュールをスロットに滑り込ませ、光発電モジュールと第2光発電モジュールとを十字形に接続することを可能にする開位置とを採用できるものとなっている。スロットは、モジュールの中央に対称的に設けられてもよい。
【0014】
スロットの開閉を可能にする可動要素は、一端がヒンジによって第1横梁に連結された腕部として製造してよく、垂直方向に回動可能である。閉じた位置での横梁の強固な結合は、ボルト接続、ラッチボルト、又は他の適切な装置によって行える。可動要素は、横梁の方向にスライドするように構成し得るし、ボルトや他の取り外し可能な留め具によって両端を横梁に固定した完全に取り外し可能な要素としてもよい。
【0015】
有利には、本発明の光発電モジュールは、電子エネルギー管理モジュール、例えばオプティマイザ(光発電を最適化する装置)又はマイクロインバータ、及び案内装置に含まれる電気回路を介して供給される電気自動車充電端子を備えてよい。これらの要素は、光発電パネルが存在する場合には、光発電パネル間の空きスペース部に収容され、カバーで覆われていてもよい。
【0016】
一変形例によれば、第1横梁は天頂に配置され、第2横梁は底部に配置される。木材は軽量であり、リサイクル可能であるため、横梁と垂直支柱の製造に特に適している。
【0017】
光発電モジュールは、好ましくは、環境への影響を最小限に抑えながら、容易な設置及び再構成を可能にするねじ込み式基礎要素によって固定される。好ましくは、支柱は、容易に対にして結合できるように構成され、その結果、均等な列が形成される。これを実現するためには、数多くの手段が考えられる。好ましくは、支柱の一方の下端にブラケットを設け、そのブラケットの隣のモジュールの支柱を、単一の基礎要素を用いて取り付けられる。つば部(フランジ)を使えば、モジュール同士を連結可能であり、運搬用の取っ手としても使える。不整地では、支柱の足の間の高さの差を補正するために、例えば特注のスペーサーやジャッキのシステムなど、あらゆる手段を講じ得る。
【0018】
有利なことに、本発明のモジュール製品により、複数の単純なモジュールを使って複雑な光発電設備を製造することが可能になる。このモジュールはかなり軽量であるため、機械的な吊り具に頼ることなく、1人又は2人の個人で移動して設置可能である。また、個々のモジュールに予め配線された電気回路とエネルギー管理装置があるため、電気設備も簡素化される。
【0019】
本発明の製品は、迷路、教育旅行、駐車場など、複数の用途に適している。モジュールは、太陽電池の屋根又は従来の屋根を備えた、技術的又は司会的な用途のための密閉された空間を作り出すように配置できる。本発明の製品を使ったソーラーカー駐車場の建設は、充電端子の統合と、効率的で安価な配線の解決手段により、特に有利である。この用途では、駐車車両に日陰を提供するように構成された水平又は傾斜の光発電構造により、製品が拡張されるだろう。
【0020】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図によって示される説明に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明による光発電モジュールを示す図である。
【
図2A】
図2は、互いに隣り合って設置された3つの光発電モジュールを示す図である。
図2A及び2Bは、
図2の取付け部を通る2つの断面図であり、電気ケーブル案内装置及び管理装置を示す。
【
図2B】
図2は、互いに隣り合って設置された3つの光発電モジュールを示す図である。
図2A及び2Bは、
図2の取付け部を通る2つの断面図であり、電気ケーブル案内及び管理装置を示す。
【
図3】
図3は、十字形に組み立てられて接合された2つの光発電モジュールを示す。
【
図4】
図4から
図6は、本発明の一態様によるモジュール式光発電システムの設置に準備された土地の範囲と、この土地の範囲における光発電モジュールの3つの可能なレイアウトを、上方から見た図である。
【
図5】
図4から
図6は、本発明の一態様によるモジュール式光発電システムの設置に準備された土地の範囲と、この土地の範囲における光発電モジュールの3つの可能なレイアウトを、上方から見た図である。
【
図6】
図4から
図6は、本発明の一態様によるモジュール式光発電システムの設置に準備された土地の範囲と、この土地の範囲における光発電モジュールの3つの可能なレイアウトを、上方から見た図である。
【
図7】
図7は、車両用駐車場における本発明のモジュール式光発電システムの使用を示す図である。
【
図8】
図8と
図9は、本発明のモジュール式光発電システムを使って作られた、閉じた空間を示す図である。
【
図9】
図8と
図9は、本発明のモジュール式光発電システムを使って作られた、閉じた空間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明による光発電モジュール15を正面から見た図である。このモジュールは、2本の垂直支柱31a、31bを備え、これらの支柱は、2本の横梁32、34によって連結されている。一方の横梁は、支柱の頂部間にある頂部横梁であり、他方の横梁は、地面に近接して平行にある底部横梁である。
【0023】
2枚の光発電パネル21が、支柱31a、31b、第1横梁32及び第2横梁34によって区切られた空間に垂直に設置され、光発電パネルは好ましくは両面受光型であり、光発電モジュール15が垂直に設置されたときに発電できるようにする。
【0024】
光発電パネル21は、好ましくは、支柱31a、31bから等距離にある垂直軸線25と本質的に整列した空スペース部18によって中央で分離される。スロット18が支柱の間で対称的に中央に配置されていない変形例、例えば、2つの支柱のうちの1つにスロットが並んでいる変形例を考えることも可能である。
【0025】
パネル間の空きスペース部18は、存在する場合は、オプティマイザ(光発電を最適化する装置)やマイクロインバータのようなエネルギー管理装置80を収容するようにしてよい。これは、多目的光発電設備において、全ての光発電パネルが同じ太陽放射を受けることを保証できないためである。各パネルは、パネルの一部がそれほど強く照らされていない、あるいは影になっている場合でも、生成されたエネルギーを最適な方法で共通回路に伝送するように構成された独自の管理装置80を備えることが有利である。また、ソーラーパネル間のスペース部18を利用して、電池充電コネクタ83などの他の技術要素の収容可能でもある。
【0026】
有利ではあるが、2つの太陽電池パネルの間に空きスペースを設けることは絶対不可欠ではない。本発明は、空きスペースのない、又は支柱31a、31bの一方の隣の空きスペースのある変形例も包含する。各モジュールは、1枚、2枚、3枚、4枚、又は任意の枚数の光発電パネルで構成できる。管理装置80と、充電コネクタ83との少なくとも一方は、例えば、支柱31a、31bの一方又は横梁32、34の一方に固定できる。
【0027】
照度が最適であり、モジュールがシェーディング効果を回避するように配置されている状況では、既知の方法で、設置を簡略化し、直列と並列との少なくとも一方に接続された複数の光発電モジュールにそれぞれ対応する、より少ない数のオプティマイザとインバータとの少なくとも一方の使用が可能である。
【0028】
パネル間の空きスペース部18は、必要に応じて他の装置、例えば情報パネル、通信装置、エネルギーメータなどに使用可能でもある。
【0029】
管理装置80は、好ましくは、取外し可能な取り付けバー85又は他の取外し可能な支持体に取付けられ、設置中に移動可能である。後述するように、これにより、本発明の特定の変形例では、2つの同一又は互換性のあるモジュールを十字形に挟み込んでよい。モジュールの寸法は必要に応じて変えられる。典型的には、光発電モジュール15の幅は2.4mであり、そのうち0.3mは中央スロット18によって占められる。
【0030】
モジュール15はまた、並置された複数の互換モジュールを容易に接続できるように、1本の支柱から別の支柱に延びる予め設置された電気回路65を備える。電気回路65は、好ましくは、第2、底部の、横梁34に沿って延在している。
【0031】
図2Aは、
図2の断面A-Aと一致する、横梁34に組み込まれたケーブル案内及び管理システムを示す。好ましくは金属製の案内69が横梁34の下に固定され、ケーブル65a、65bをこの横梁の一端から他端まで案内する。ケーブルをその機能に応じて、もしくは電圧に応じて分離用に、例えばAC240Vケーブルと低電圧DCケーブル、又は通信ケーブルのように、縦方向の仕切りを設けてよい。仕切りの数や区画の数は限定されない。打ち抜き(ブランキング)カバー66は、例えば、維持管理作業を可能にする到達路(アクセス)を提供する。
【0032】
2つの光発電モジュール15の間で、ケーブル65a、65bは、好ましくは金属製のカバー67によって覆われ、
図2の断面B-Bと一致して
図2Bに見える。カバー67は、ケーブル65a、65bを保護し隠すとともに、天頂のスペーサー40に取り外し可能に固定されている。あるモジュールと別のモジュールとの間の接続は、カバー67又は案内69内のコネクタを予期できる。支柱における回路間の分離は、図示されているように、前面と背面の2つの側面を使用することによって、又は仕切りを使うことによって達成されてもよい。
【0033】
複数の支柱は、列を形成するために、同一又は互換モジュールの支柱と接続するように構成される。描かれている変形例では、支柱13b(図では右側)は、垂直な棒部46を持つ底部のブラケット44を備える。棒部46は、別の光発電モジュールの支柱13aの対応する形状の空洞に係合するように構成されている。つなぎ部48は、モジュールを互いに固定するのに使用可能であり、また、持ち上げハンドルとしても使える。
【0034】
図2は、上述したように全てのモジュールが互いに接続された、同じ寸法の3つの光発電モジュール15の列と、幅の小さい拡張モジュール16とを示している。管理モジュール80を収容するスロット18は、モジュール80を保護し隠す役割のカバー37によって覆われていて、防音機能を持たせてもよい。十字型の接続を想定していない本願では、中央電気要素80とカバー37は、完全に予め取り付けられていてもよい。図示の例では、カバー37は、充電コネクタを使えるようにする開口部を持つ。
【0035】
ブラケット44の上下のスペーサー40、41は、土地のでこぼこに対する補正用に使われる。好ましくは、下側のスペーサー41は、上述の電気回路65用の導管も内蔵する。有利なことに、並置された2本の支柱は、1つの同じ共通の基礎50を共有する。地面に直接ねじ込まれた基礎、コンクリート製の基礎、又は任意の適切な基礎手段を採用し得る。
【0036】
図3は、十字形に接合された2つの同一の光発電モジュールを示す。円筒形のカバー37は、内部のエネルギー管理モジュール80が見えるように、部分的に透明になっている。この場合、取り付けバー85とカバー37は取り外し可能であるため、モジュール15が十字形に連結された後にのみ、中央の空きスペースに電気装置80を取り付けられる。
【0037】
図4から
図6は、1つの同じ面積の土地に光発電モジュールを設置する場合の、3つの可能なレイアウトを示している。基礎要素70の均一なネットワークが、あらかじめ土地の範囲に作成されている。基礎70は、土地に5角形のパターン(すなわち45°傾斜した正方形のネットワーク)で配置され、2つの垂直に整列した基礎又は水平に整列した基礎の間隔は、基本モジュールの支柱31a、31b間の距離に対応する。このレイアウトは、新たな基礎を作ることなく多数の配置を実現できるので有利であるが、唯一の可能性ではない。
【0038】
本発明の光発電モジュール15及び16は、例えば娯楽活動用の迷路や、閉じた補助区域のような所望の構造を作るときに、基礎の中に配置される。使われない基礎は、キャップで覆ってもよい。十字型の構造は、例えば風や雪による横方向の突き上げに対してより大きな抵抗を与える。
【0039】
図5と
図6は、同じ土地に同じ太陽電池モジュールを設置した場合の他のレイアウトを示している。
図5の直線的な列は、例えば草刈りなどの維持管理を容易にするものであり、一方、
図6の配置は、
図4と同じモジュールを使って得られた区画であるが、利用者により多様な経験を与えるため多くの変形態様がある。
【0040】
有利な変形例では、光発電モジュールの幅は、
図7に示すような「ソーラーカー(太陽電池を使う電気自動車)の駐車場」を製作可能に、自動車駐車場の標準的なサイズに適合している。光発電モジュールには、カバー37の裏側で、充電端末の他に、パーキングメーターや通信装置を設置してよい。車両がソーラー設備に衝突しないように、必要に応じてボラード、プランター、堤防などの保護装置95を設置可能である。駐車場に駐車する車両は、従来の方法でフレキシブルケーブル89を使って充電端末に接続し、電池を充電できる。
【0041】
重要なことは、本発明の光発電モジュールにより、その構造体に組み込まれた回路65を使って駐車スペースを配線できるため、地下ケーブルを敷設する必要がないことである。また、本発明の光発電モジュールは、既に印が付けられている駐車区画の線に沿わせることで、駐車区画の設定にも使える。本発明のモジュールを使えば、電気ケーブルを通すための溝を掘ることなく、また全ての駐車場の光ポテンシャルを利用しながら、従来の駐車場を電気駐車場に変えられる。
【0042】
本発明の光発電モジュールは、
図8及び
図9に見られるように、1つ又は複数の壁のドアを開けることによって到達可能な、閉じた空間を作り出すために使用できる。これらのスペースは、例えば配電網への接続用プラントルーム範囲として機能するところ、インバータを収容するところ、また何かの会合、遊び、保管スペースなどとして機能するところにできる。これらのスペースは、
図9に示すようにソーラーパネルで覆われていてもよいし、従来の屋根で覆われていてもよい。
【0043】
駐車場の実施形態では、光発電モジュールは、車両を太陽光線から保護し、光発電エネルギーの収穫を増加させるために、水平又は傾斜した突起状の遮光構造の作成に使うこともできる。
【0044】
基本モジュール15と拡張モジュール16を例として説明した。しかし、本発明は、これらの特別な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって暗示される全ての変形例及び等価物を含む。とりわけ、本発明のシステムは、2つの光発電パネルを持つ基本モジュールに加えて、1枚又は2枚の上部パネルが受動素子、木製パネル、又は広告板で置き換えられたモジュールも備え得る。機会によっては、3枚、4枚、又はそれ以上の光発電パネルを持つモジュールも考えられる。また、本発明は、屋根のあるモジュールや、その他多くの変形も提供し得る。
【符号の説明】
【0045】
15 光発電モジュール
16 小型モジュール
18 スペース部、スロット
21 光発電パネル
25 垂直軸線
31a,b 支柱
32 第1横梁
34 第2横梁
37 カバー
40 天頂のスペーサー
41 底部のスペーサー
44 ブラケット
46 棒部
48 つなぎ部
50 ねじ込み式基礎
65 電気回路
65a ケーブル
65b ケーブル
66 打ち抜き(ブランキング)カバー
67 カバー
69 ケーブル案内部
70 基礎
80 エネルギー管理装置
83 充電端子
85 支持部
89 充電ケーブル
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発電設備の製造用モジュール製品であって、前記モジュール製品が、複数の平らな光発電モジュー
ルを備え、
各光発電モジュールが、
第1横
梁及び第2横
梁とによって互いに接続された2本の平行で垂直な支
柱を備え、前記第1横梁及び前記第2横梁は、前記支
柱と直交するように配置されていて、
前記支
柱によって区切られた空間に垂直に配置された1枚、2枚又はそれ以上の光発電パネ
ルを備え、
前記支
柱と横
梁によって区切られた空間に垂直に配置された1枚、2枚又はそれ以上の光発電パネ
ルを備え、
前記支
柱間に、隣りの光発電モジュールの電気的接続を可能にする電気回
路を備える、前記第2横
梁に平行に固定されたケーブル案内装
置を備える、
モジュール式製品。
【請求項2】
前記光発電モジュー
ルが、複数の電子エネルギー管理モジュー
ルと、前記案内装
置に入っている電子回路によって充電される車両充電端
子との少なくとも一方を備える、請求項1に記載のモジュール式製品。
【請求項3】
複数の前記電子エネルギー管理モジュールと、前記充電端子と
の少なくとも一方が、2枚の光発電パネ
ルの間にあってカバ
ーに覆われている空きスペース
部に収容されている、請求項2に記載のモジュール式製品。
【請求項4】
前記支
柱のそれぞれが、基礎内の垂直方向の固定用の下端を持つ、請求項
1に記載のモジュール式製品。
【請求項5】
複数の前記光発電パネ
ルは垂直方向に設けられていて、かつ両面発光型である、請求項
1に記載のモジュール式製品。
【請求項6】
複数の前記光発電モジュールが、2枚の光発電パネルの間に空きスペース部を備え、
第1光発電モジュールの前記スペース
部が、前記支
柱から等距離にある垂直軸
線に揃えられていて、前記第1光発電モジュールと直角をなして、同一又は互換性のある第2光発電モジュールを収容可能である、請求項
1に記載の
モジュール式製品。
【請求項7】
前記第1横
梁が天頂に配置されていて、前記第2横
梁が底部に配置されている、請求項
1に記載の
モジュール式製品。
【請求項8】
複数の前記横
梁及び前記支柱が木でできている、請求項
1に記載の
モジュール式製品。
【請求項9】
複数の前記支柱の1
本は、前記支柱の底端にブラケッ
トとつば
部を持ち、前記光発電モジュールを同一又は互換性のある隣の光発電モジュールに固定できるようにしている、請求項
1に記載の
モジュール式製品。
【請求項10】
複数の駐車スペースの隣に配置される複数の光発電モジュールを備える、請求項
1に記載の
モジュール式製品。
【請求項11】
複数の駐車車両に日陰を提供するように構成された、水平又は傾斜している複数の光発電モジュールを備える、請求項10に記載の
モジュール式製品。
【請求項12】
電気自動車充電機能を加えるために、駐車場を変える方法であって、
駐車区画を示す複数の線に沿って、請求項
1に記載の複数の光発電モジュールを設置することを備える、駐車場を変える方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
基本モジュール15と拡張モジュール16を例として説明した。しかし、本発明は、これらの特別な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって暗示される全ての変形例及び等価物を含む。とりわけ、本発明のシステムは、2つの光発電パネルを持つ基本モジュールに加えて、1枚又は2枚の上部パネルが受動素子、木製パネル、又は広告板で置き換えられたモジュールも備え得る。機会によっては、3枚、4枚、又はそれ以上の光発電パネルを持つモジュールも考えられる。また、本発明は、屋根のあるモジュールや、その他多くの変形も提供し得る。
本願は例えば次の観点を提供する。
[観点1]
光発電設備の製造用モジュール式製品であって、前記モジュール式製品が、複数の平らな光発電モジュール(15)を備え、
各光発電モジュールが、
第1横梁(32)及び第2横梁(34)とによって互いに接続された2本の平行で垂直な支柱(31a、31b)を備え、前記第1横梁及び前記第2横梁は、前記支柱(31a、31b)と直交するように配置されていて、
前記支柱(31a、31b)と横梁(32、34)によって区切られた空間に垂直に配置された1枚、2枚又はそれ以上の光発電パネル(21)を備え、
前記支柱(31a、31b)間に、隣りの光発電モジュールの電気的接続を可能にする電気回路(65)を備える、前記第2横梁(34)に平行に固定されたケーブル案内装置(69)を備える、
モジュール式製品。
[観点2]
前記光発電モジュール(15)が、複数の電子エネルギー管理モジュール(70)と、前記案内装置(69)に入っている電子回路によって充電される車両充電端子(83)とを備える、観点1に記載のモジュール式製品。
[観点3]
複数の前記電子エネルギー管理モジュールと、前記充電端子とが、2枚の光発電パネル(21)の間にあってカバー(37)に覆われている空きスペース部(18)に収容されている、観点2に記載のモジュール式製品。
[観点4]
前記支柱(31a、31b)のそれぞれが、基礎内の垂直方向の固定用の下端を持つ、観点1から3のいずれか一つに記載のモジュール式製品。
[観点5]
複数の前記光発電パネル(21)は垂直方向に設けられていて、かつ両面発光型である、観点1から4のいずれか一つに記載のモジュール式製品。
[観点6]
第1光発電モジュールの前記スペース部(18)が、前記支柱(31a、31b)から等距離にある垂直軸線(25)に揃えられていて、前記第1光発電モジュールと直角をなして、同一又は互換性のある第2光発電モジュールを収容可能である、観点3又は4に記載の製品。
[観点7]
前記第1横梁(32)が天頂に配置されていて、前記第2横梁(34)が底部に配置されている、観点1から6のいずれか一つに記載の製品。
[観点8]
複数の前記横梁(32、24)及び前記支柱が木でできている、観点1から7のいずれか一つに記載の製品。
[観点9]
複数の前記支柱の1本(32)は、前記支柱の底端にブラケット(32)とつば部(44)を持ち、前記光発電モジュールを同一又は互換性のある隣の光発電モジュールに固定できるようにしている、観点1から8のいずれか一つに記載の製品。
[観点10]
複数の駐車スペースの隣に配置される複数の光発電モジュールを備える、観点1から9に記載の製品。
[観点11]
複数の駐車車両に日陰を提供するように構成された、水平又は傾斜している複数の光発電モジュールを備える、観点10に記載の製品。
[観点12]
電気自動車充電機能を加えるために、駐車場を変える方法であって、
駐車区画を示す複数の線に沿って、観点1から11のいずれか一つに記載の複数の光発電モジュールを設置することを備える、駐車場を変える方法。
【国際調査報告】