(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】アミノ酸界面活性剤に基づくパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240705BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240705BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240705BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/37
A61Q5/02
A61Q5/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503341
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022038164
(87)【国際公開番号】W WO2023009428
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーン マイケル レノック
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー メアリー マーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハワード デイビッド ハットン ザ サード
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB151
4C083AB331
4C083AB332
4C083AB351
4C083AC241
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC312
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC931
4C083AC932
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB13
4C083BB34
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD23
4C083EE23
4C083EE28
(57)【要約】
9重量%~16重量%のアミノ酸界面活性剤、3重量%~10重量%のグリセリルエステル、0.2重量%~6重量%のトリグリセリド油、液体担体を含有する最小成分パーソナルケア組成物。パーソナルケア組成物は、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、4.5~6のpH及び0.5~10Paの降伏応力を有する。パーソナルケア組成物は、サルフェートフリーでもあると同時に好適な洗浄、色保持、及び/又はコンディショニング効果をもたらすシャンプーであり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)9重量%~16重量%のアニオン性界面活性剤と、
b)3重量%~10重量%のグリセリルエステルと、
c)0.2重量%~6重量%のトリグリセリド油と、
d)液体担体と、
を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、4.5~6、好ましくは4.5~5.5のpH及び約0.5~約10Pa、好ましくは1~10Paの降伏応力を有する、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
ピリジンチオン塩、ジンクピリチオン、アゾール、硫化セレン(selenium sulfide)、粒子状硫黄、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、ピロクトンオラミン、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン(selenium sulphide)、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、アゾキシストロビン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるフケ防止剤を更に含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記グリセリルエステルが、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、又はこれらの混合物、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)、窒素、ジオキサン、又はこれらの混合物を実質的に含まない(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
0.01重量%~5重量%の双性イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
0.1重量%~2.5重量%のラウリン酸を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
5℃及び40℃の両方で安定である、請求項1~5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
カチオン性付着ポリマー、好ましくはグアー誘導体、セルロース誘導体、又はこれらの混合物を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記カチオン性付着ポリマーが、0.7~2.0meq/gの電荷密度、及び500,000~2,000,000の重量平均分子量を有する、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
3重量%未満、好ましくは2重量%未満の無機塩を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
7重量%~15重量%のココイルアラニン酸ナトリウムを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
シリコーンを実質的に含まない、請求項1~10のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
0.10~0.45重量%の安息香酸ナトリウムを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
0.5~2重量%未満のクエン酸を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
水、ココイルアラニン酸ナトリウム、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、カチオン性ポリマー、安息香酸ナトリウム、クエン酸、トリグリセリド油、並びに塩化ナトリウム、香料、共界面活性剤、及びフケ防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加成分からなるパーソナルケア組成物であって、前記組成物中の成分の総数が9以下である、パーソナルケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ドライコンディショニングのために天然油を毛髪に送達する硫酸化界面活性剤を含まないパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
天然コンディショニングオイルは、ミセル含有シャンプー内においてより高濃度で安定化することが困難であるため、歴史的に、非常に低いレベルでしかシャンプー製剤に添加されていない。消費者は、シャンプー後に毛髪及び皮膚にドライコンディショニング効果を送達するための、シリコーンに代わる天然コンディショニングを探し求めている。シリコーンと同様の又はより良好なコンディショニング効果を達成するためには、典型的には、より高いレベルの天然油を使用し、安定性を維持することが必要である。本発明は、天然コンディショニングオイルを懸濁させることができる構造化界面活性剤相を生成するためにアミノ酸界面活性剤とグリセリルエステルとの独自の組み合わせを活用することによって、ミセル非構造化シャンプー系に対して、オイルを有効に送達するのに役立ちかつ安定性を提供する最小成分系を特定する。この構造化界面活性剤相は、低せん断降伏応力を生み出し、それによって高レベルの天然油を懸濁させ、安定化させ、コンディショニング効果のために毛髪及び頭皮に送達することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
約9重量%~約16重量%のアミノ酸界面活性剤と、約3重量%~約10重量%のグリセリルエステルと、約0.2重量%~約6重量%のトリグリセリド油と、液体担体と、を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、約4.5~約6のpH及び約0.5~約10Paの低せん断降伏応力を有する、パーソナルケア組成物。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】カプリル酸カプリン酸グリセリルを含まないパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像である。
【
図2】実施例2に従って作製されたパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像である。
【
図3】実施例6に従って作製されたパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別途記載のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。別途記載のない限り、測定は全て、約25℃で周囲条件において行われるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%の条件を意味する。列挙された成分に関連するそのような重量は、全て、活性レベルに基づいており、特に記載されない限り、市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。
【0006】
本明細書で使用するとき、「電荷密度」という用語は、ポリマーにおける正電荷数と当該ポリマーの分子量との比を指す。
【0007】
本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」という用語は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語を包含する。本開示の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載する追加の若しくは任意選択の成分、構成成分、工程、又は限定のいずれかを含み、これらからなり、及びこれらから本質的になり得る。
【0008】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」という用語は、典型的なパーソナルケア製剤で提示され得る。本組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球体、スポンジャー、固形剤形、泡、及びその他の送達機構の形態であってよい。本明細書に記載の組成物は、ヘアトニック、トリートメント等のリーブオンヘア製品、並びにスタイリング製品;シャンプー、プレウォッシュ製品、コウォッシュ(co-wash)製品、及びパーソナルクレンジング製品等のリンスオフヘア製品;並びにトリートメント製品、並びに毛髪又は皮膚に塗布可能な任意の他の形態であってよい。
【0009】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、又は2種類以上のモノマーによって製造される物質(すなわち、コポリマー)を含むものとする。
【0010】
本明細書で使用するとき、「ヒトの毛髪への塗布に好適」という用語は、パーソナルケア組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトの毛髪及び頭皮及び皮膚と接触して使用するのに許容可能であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、物質が水に可溶であることを意味する。特定の実施形態では、物質は、0.1重量%の水溶媒、特定の実施形態では、1重量%の水溶媒、特定の実施形態では、5重量%の水溶媒、及び特定の実施形態では、15重量%以上の水溶媒濃度で、25℃において可溶であり得る。
【0012】
「サルフェートを含まない」及び「サルフェートを実質的に含まない」という用語は、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、サルフェート含有化合物を本質的に含まないことを意味する。サルフェートフリーは、検出可能な硫酸化界面活性剤を含有しない。
【0013】
「硫酸化界面活性剤」という用語は、硫酸基を含有する界面活性剤を意味する。「硫酸化界面活性剤を実質的に含まない」という用語は、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、硫酸基を含有する界面活性剤を本質的に含まないことを意味する。
【0014】
パーソナルケア組成物
本明細書に記載されるように、硫酸化界面活性剤又はシリコーン油を使用することも含めることもなく、優れたクレンジング及びコンディショニングの質を呈するパーソナルケア組成物が開示される。
【0015】
サルフェートフリーシャンプー等のリンスオフパーソナルケア組成物が、ポリマー増粘剤又は懸濁化剤、例えば、カルボマー、EGDS、又はチキソトロピー増粘剤(例えば、トリヒドロキシステアレート)なしでドライコンディショニングを送達するのに十分なレベルでトリグリセリド油を増粘、安定化、及び付着させることは、歴史的に困難であった。有効レベルのトリグリセリド油を送達し、かつサルフェートフリーであるパーソナルケア組成物は、サルフェート含有パーソナルケア組成物と同等以上に増粘及び安定化され得ることが見出されている。これは、サルフェートフリーアミノ系界面活性剤をグリセリルエステルと組み合わせたときに形成される構造化界面活性剤相の形成を介して達成することができる。トリグリセリド油は、構造化界面活性剤相によって懸濁され、コアセルベートの形成を介して毛髪、頭皮、及び/又は皮膚に効率的に付着され得ることも見出されている。この系におけるコアセルベート支援送達は効率的であり、不溶性トリグリセリド油を送達することができる。コアセルベートの形成は、カチオン性ポリマーの存在によって更に促進され得る。
【0016】
構造化界面活性剤相の例としては、単層及び多層小胞が挙げられるが、これらに限定されない。単層小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の単一の二重層によって結合された球状チャンバーであり、チャンバー内部に水溶液を含有する。多層小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の複数の二重層によって結合された複数の球状チャンバーを含み、チャンバー内部に水溶液を含有する。オリゴ小胞状小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の単一の二重層によって結合された球状チャンバーであり、主小胞内の他の独立した球状小胞に加えて、チャンバー内に水溶液を含有する。
【0017】
小胞は、典型的には、pH調整時に形成される。処方は半透明から白色に変化する。小胞は、単層、多層、及びオリゴ小胞の構造を有し得る。
【0018】
図1は、界面活性剤を有し、カプリル酸カプリン酸グリセリルを含まないパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像を示す。画像は、明確な非構造化界面活性剤相バックグラウンドを示している。存在する液体を識別するために底部に気泡が示されている。
図2は、界面活性剤及びカプリル酸カプリン酸グリセリルを有し、構造化界面活性剤相を形成する、実施例2に従って作製されたパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像を示す。
図3は、界面活性剤及びカプリル酸カプリン酸グリセリルを有し、構造化界面活性剤相を形成する、実施例6の処方に従って作製されたパーソナルケア組成物のDIC光学顕微鏡画像を示す。また、
図3は、懸濁したヤシ油の液滴も示す。
【0019】
パーソナルケア組成物は、カチオン性付着ポリマーを更に含んでいてもよい。
【0020】
本明細書に記載のパーソナルケア組成物は、硫酸化界面活性剤を含んでいなくてもよい。更に、アミノ酸界面活性剤及び(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルが、2:1の比で含まれていてもよい。本明細書に記載のパーソナルケア組成物は、シリコーンを実質的に含んでいなくてもよい。更に、パーソナルケア組成物は、6重量%未満の添加塩、あるいは約3重量%未満の添加塩、あるいは約0重量%~約6重量%の添加塩を含んでいてもよい。
【0021】
パーソナルケア組成物は、約0.5Pa~約10Pa、あるいは約1~約10Paの低せん断降伏応力値を有する。この低せん断降伏応力値は、トリグリセリド油の安定な包含を可能にする。更に、パーソナルケア組成物は、5℃又は40℃、あるいは5℃又は40℃の両方で安定であり得る。
【0022】
パーソナルケア組成物は、約4.5~約6、あるいは約4.5~約5.5のpHを有する。
【0023】
最小レベルの成分を有する、シャンプーなどのパーソナルケア組成物を有することが消費者にとって望ましい場合がある。本明細書に記載のパーソナルケア組成物により、例えば、カルボマー、EGDS、又はチクシン等のポリマー増粘剤又は懸濁化剤を含まない最小限の成分量が可能になる。本明細書に記載のシャンプーの形態のパーソナルケア組成物は、以下の9つの成分からなり得る:水、ココイルアラニン酸ナトリウム、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、カチオン性ポリマー、トリグリセリド油、安息香酸ナトリウム、クエン酸、香料、及び塩化ナトリウム。香料は、1つ以上のフレグランスから形成され得ることが理解される。あるいは、特にフレグランスフリーである場合、パーソナルケア組成物は8つの成分を含んでいてもよい。
【0024】
洗浄性界面活性剤
本明細書に記載のパーソナルケア組成物は、1種以上の洗浄性界面活性剤を含み得る。理解できるように、界面活性剤は、汚れた毛髪からの油及び他の汚れ成分の除去を促進することによって、汚れた毛髪及び毛嚢に洗浄効果をもたらす。界面活性剤は、一般的に、界面活性剤を分解し、毛髪における油及び他の汚れの周囲にミセルを形成することができ、次いで、これをすすぎ落として毛髪から除去することができる両親媒性の性質によって、このような洗浄を促進する。
【0025】
本明細書に記載のパーソナルケア組成物において使用される洗浄性界面活性剤は、ココイルアラニン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、及びラウロイルグルタミン酸ナトリウムの群から選択されるアミノ酸界面活性剤である。アミノ酸界面活性剤はまた、ココイルグリシン酸カリウム、ラウロイルグリシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルアラニン酸カリウム、ココイルアラニン酸カリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム、ミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイル(アルギニン/アスパラギン酸/グルタミン酸/イソロイシン/ロイシン/リジン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/バリン)ナトリウム、ココイル/ステアロイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グルタミン/グリシン/ヒスチジン/イソロイシン/ロイシン/リジン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/チロシン/バリン)ナトリウム、ベヘノイル/ココイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グリシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリンナトリウム、オリボイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グリシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリン)カリウム、ラウロイル/オリボイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/リシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリン)カリウムの群から選択されてもよい。
【0026】
パーソナルケア組成物は、約5重量%~約30重量%のアミノ酸界面活性剤、約7重量%~約15重量%のアミノ酸界面活性剤、あるいは約10重量%~約20重量%のアミノ酸界面活性剤、あるいは約9重量%~約12重量%のアミノ酸界面活性剤、及びあるいは約10重量%~約12重量%のアミノ酸界面活性剤を含む。アミノ酸界面活性剤は、ココイルアラニン酸ナトリウムであってもよく、この界面活性剤は、天然のアニオン性アミノ酸(アラニン)及びヤシ脂肪酸由来の界面活性剤である。この界面活性剤は、サルフェートフリーである。この材料は、生分解性であり、低アレルギー性であり、皮膚及び目に対する刺激が少ない。ココイルアラニン酸ナトリウムは、低刺激の洗浄をもたらし、これが乾燥後に心地よい保湿感を与える。ココイルアラニン酸ナトリウムは、Ajinomoto及びSino Lionから供給され得る。
【0027】
共界面活性剤
組成物は、約0.01重量%~約5重量%の共界面活性剤を含んでいてもよく、当該共界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤である。双極性イオン界面活性剤は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基のうちの25 1つが約8~約18個の炭素原子を含み、1つが、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート等のアニオン性基を含有する脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体である。双性イオン性界面活性剤は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピル
ジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオネート、ココ-ベタイン、ココ-ヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリル5スルタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0028】
好適な双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタインである。双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ-ベタイン、ココ-ヒドロキシスルタイン、ココ-スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0029】
共界面活性剤は双性イオン性界面活性剤であってもよく、この双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ-ベタイン、ココ-ヒドロキシスルタイン、ココ-スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
トリグリセリド油
パーソナルケア組成物は、約0.2重量%~約6重量%、あるいは約0.5重量%~約6重量%、あるいは約0.5重量%~約5重量%、あるいは約0.5重量%~約3重量%の、約80重量%を超えるトリグリセリドを含有するナッツ、豆、種子等に由来する油であるトリグリセリド油を含む。トリグリセリドは、グリセロール及び3つの脂肪酸に由来するエステルである。トリグリセリド油は、8~24個の炭素原子を有する1つ以上の飽和又は(ポリ)不飽和炭化水素鎖を含み得る。全ての天然油は、異なる鎖長及び不飽和度の脂肪酸を有するトリグリセリドの混合物を含有する。トリグリセリド油は、ヤシ油、ヒマワリ種子油、ひまし油、扁桃油、アボカド油、クランベ油、ブドウ種子油、コムギ胚芽油、コメヌカ油、マカダミア種子油、パーム油、月見草油、大豆油、トウモロコシ油、茶葉油、麻種子油、オリーブ油、モリンガ油、アルガン油、アプリコット油、バオバブ油、バタナ油、クミン油、ゴマ油、キャノーラ油、コーヒー種子油、椿油、マルーラ油、メドウフォーム油、オート麦核油、シーバックソーン油、タマヌ油、デーツ油、及びこれらの組み合わせを含み得る。
【0031】
更に、トリグリセリド油は、シア、マンゴー、カカオ、及びそれらの組み合わせを含むバターを含んでいてもよい。
【0032】
グリセリルエステル
パーソナルケア組成物は、約5重量%~約8重量%、約3重量%~約10重量%、約4重量%~約10重量%、約5重量%~約6重量%のグリセリルエステルを含む。好適なグリセリルエステルは、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びこれらの混合物から選択することができる。C8~C10モノ-ジカプリレート1,2,3-プロパントリオールとは異なるC8~C10モノ、ジ、及びトリグリセリドを含有する他のグリセリルエステルを選択してもよい。(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは刺激が少なく、PEG、EO/PO、ジオキサン、及び窒素を実質的に含まない。多機能的な利点としては、製品安定性のために高温で粒子を懸濁させるための収量生成、粘度調整剤、保存活性の強化、頭皮の保湿、ウェット及びドライコンディショニング、並びに可溶性活性物質の付着強化の可能性が挙げられる。(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは、Stepanから供給され得る。あるいは、パーソナルケア組成物は、ラウリン酸と組み合わせて約3重量%~約10重量%のグリセリルエステルを含んでいてもよい。ラウリン酸は、パーソナルケア組成物中に約0.1重量%~約3重量%、あるいは約0.1重量%~約2.5重量%で含まれ得る。
【0033】
カチオン性ポリマー
パーソナルケア組成物は、カチオン性ポリマーを含み得る。カチオン性付着ポリマーは、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、及び約0.1重量%~約1.0重量%で含まれ得る。カチオン性ポリマーは、グアー又はセルロース誘導体であり得る。
【0034】
カチオン性付着ポリマーは、パーソナルケア組成物の重量の、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、及び約0.1重量%~約1.0重量%で含まれ得る。カチオン性付着ポリマーは、約500,000~約2,200,000及び約180万~約200万の重量平均分子量、並びに約0.4~約2.6、約0.4~約2、約0.7~約2、及び約0.6~約1.6の電荷密度を有し得る。好適なポリマーとしては、Dowから入手可能なKG 30 M及びLR 30Mが挙げられる。
【0035】
電荷密度は、パーソナルケア組成物の意図する用途のpHで測定することができる。(例えば、pH約3~pH約9、又はpH約4~pH約8)。
【0036】
特定の実施形態では、好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有し得る。カチオン性プロトン化アミンは、具体的な化学種及び組成物の選択されたpHによって、一級、二級、又は三級アミンであり得る。カチオン性ポリマーが水、組成物、及び組成物のコアソルベート相に可溶のままである限り、アニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併用してよい。好適な対イオンの例としては、ハロゲン化物対イオン(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)が挙げられる。
【0037】
好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンなどの水溶性スペーサーモノマーと、カチオン性プロトン化アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0038】
好適なカチオン性プロトン化アミノ及び四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドンなどの環状カチオン性窒素含有環を有するビニル四級アンモニウムモノマー、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩を挙げることができる。
【0039】
好適な他のカチオン性ポリマーとしては、以下を挙げることができる:1-ビニル-2-ピロリジンと1-ビニル-3-メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)とのコポリマー(業界では、米国化粧品工業会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association、「CTFA」)によってポリクオタニウム-16と呼ばれている);1-ビニル-2-ピロリジンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(業界では、CTFAによってポリクオタニウム-11と呼ばれている)、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(それぞれ、業界では、CTFAによってポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と呼ばれている)を含む、カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー;アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(業界では、CTFAによってポリクオタニウム22と呼ばれている)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー(業界では、CTFAによってポリクオタニウム39と呼ばれている)、及びアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー(業界では、CTFAによってポリクオタニウム47と呼ばれている)を含む、アクリル酸の両性コポリマー。特定の実施形態では、好適なカチオン性置換モノマーとしては、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。概して、カチオン性モノマーは、式IIIに一致し得る:
【0040】
【化1】
(式中、R
14は、水素、メチル、又はエチルであり、R
15、R
16、及びR
17は、それぞれ独立して、水素、又は1~8個の炭素原子、若しくは1~5個の炭素原子、若しくは1~2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、nは、1~8、又は1~4の値を有する整数であり;Xは、対イオンである)。R
15、R
16、及びR
17に結合している窒素は、プロトン化アミン(一級、二級、又は三級)であってもよいが、四級アンモニウム(R
15、R
16、及びR
17は、それぞれアルキル基である)であってもよい。特定の実施形態では、カチオン性モノマーは、Rhone-Poulenc(Cranberry,N.J.,U.S.A.)から商標名Polycare133として入手可能なポリメチルアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドであってよい。特定の実施形態では、カチオン性モノマーのコポリマーも好適である。このような実施形態では、総コポリマーの電荷密度は、約2.0~約4.5meq/gmであってよい。
【0041】
カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体などの多糖ポリマーを含む他のカチオン性ポリマーも好適である。好適なカチオン性多糖ポリマーとしては、式IVに一致するものが挙げられる:
【0042】
【化2】
(式中、Aは、デンプン又は無水セルロース残基などの無水残基であり、R
18は、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、R
19、R
20、及びR
21は、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は、18個以下の炭素原子を含有し、各カチオン性部分についての炭素原子の総数(すなわち、R
19、R
20、及びR
21における炭素原子の合計)は20個以下であり、Xはアニオン性対イオンである)。
【0043】
特定の実施形態では、カチオン性セルロースポリマーは、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれ、これらのポリマーLR、JR、及びKGシリーズのポリマーでAmerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から入手可能である、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩から選択され得る。他の好適なカチオン性セルロースポリマーとしては、業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩を挙げることができる。これら物質は、Amerchol Corp.から商標名Polymer LM-200として入手可能である。
【0044】
他の好適なカチオン性ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムなどのカチオン性グアーガム誘導体を挙げることができる。好適なカチオン性グアーガム誘導体の更なる例としては、Rhone-Poulenc Incorporatedから市販されているJaguarシリーズ、及びHercules,Inc.のAqualon部門から市販されているN-Hanceシリーズを挙げることができる。カチオン性グアーガム誘導体についての更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,930,078号に開示されている。
【0045】
理解され得るように、パーソナルケア産業において知られている他のカチオン性ポリマーも好適である。例えば、四級窒素含有セルロースエーテルが好適である。四級窒素含有セルロースエーテルの例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,962,418号に記載されている。
【0046】
特定の実施形態では、合成カチオン性ポリマー又はその誘導体が、カチオン性ポリマーとして有用であり得る。一般に、このような合成カチオン性ポリマーは、パーソナルケア組成物の約0.025重量%~約5重量%の濃度で含まれ得る。
【0047】
好適な合成カチオン性ポリマーは、水溶性又は水分散性のポリマーを含んでもよく、カチオン性であり、かつ架橋されていない。特定の実施形態では、好適なポリマーは、(i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び(ii)1つ以上の非イオン性モノマー単位又は末端負電荷を有するモノマー単位を含むコンディショニングコポリマーであってもよく、当該コポリマーは、正味の正電荷を有する。特定の実施形態では、合成カチオン性ポリマーは、約0.5meq/g~約10meg/gのカチオン電荷密度を有し得、約1,000~約5,000,000の平均分子量を有し得る。
【0048】
好適な合成カチオン性付着ポリマーの非限定的な例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0223951号に記載されている。
【0049】
他の好適なカチオン性ポリマーとしては、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマーが挙げられ、そのいくつかの例が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,958,581号に記載されている。追加のカチオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれるCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,3rd edition(Estrin、Crosley,and Haynes編集)(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982))にも記載されている。
【0050】
カチオン性ポリマーを含む実施形態では、カチオン性ポリマーは、組成物に可溶であってもよく、カチオン性ポリマーとサルフェートを含まないアニオン性、両性、又は双極性イオンの洗浄性界面活性剤との相互作用によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶であってもよい。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、パーソナルケア組成物中の他のアニオン性の帯電された物質と形成することもできる。
【0051】
複合コアセルベートの形成について分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、任意の選択された希釈段階における組成物の顕微鏡分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかどうかを同定することができる。このようなコアセルベート相は、組成物における更なる乳化相として同定可能である。染料の使用は、コアセルベート相を組成物中に分散している他の不溶性相と区別するのに役立ち得る。カチオン性ポリマー及びコアセルベートの使用についての更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,272,164号に開示されている。
【0052】
フケ防止活性物質
パーソナルケア組成物は、フケ防止剤も含有する。好適なフケ防止剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物が挙げられ得る。このようなフケ防止粒子は、組成物の必須成分と物理的かつ化学的に相溶性である必要があり、他の点では、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、フケ防止活性物質の付着を強化するためにカチオン性ポリマーを含んでいてもよい。特に好適なフケ防止活性物質としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、アゾキシストロビン、硫黄、サリチル酸、及び組み合わせが挙げられる。
【0053】
a.ピリジンチオン塩
特定の実施形態では、フケ防止剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩などのピリジンチオン粒子であってもよい。ピリジンチオンフケ防止粒子の濃度は、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、及び約0.3重量%~約2重量%の範囲であり得る。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウム等の重金属から形成されるもの、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、あるいは粒子が約20μ以下、あるいは約5μ以下、更にあるいは約2.5μ以下の平均サイズを有する平板状粒子の形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩が挙げられる。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオンフケ防止剤は、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に更に記載されており、これらは各々参照により本明細書に組み込まれる。ZPTをフケ防止粒子として使用したとき、毛髪の成長又は再生が刺激若しくは調節され得るか又はその両方であるか、あるいは脱毛が低減又は阻害され得るか、あるいは毛髪がより濃く又はより豊かに見え得ると想到される。
【0054】
b.他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択されるフケ防止活性物質に加えて、パーソナルケア組成物は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールが挙げられ得る。
【0055】
c.アゾキシストロビン
パーソナルケア組成物は、約0.02%~約10%のアゾキシストロビン、約0.05%~約2%のアゾキシストロビン、約0.1%~約1%のアゾキシストロビンを含み得る。
【0056】
d.ピロクトンオラミン
ピロクトンオラミンは、抗菌/フケ防止剤として使用され得る。ピロクトンオラミンの有効濃度は、典型的には約0.1重量%~約2重量%である。
【0057】
e.サリチル酸
サリチル酸は、抗菌/フケ防止剤として使用され得る。サリチル酸の有効濃度は、典型的には約0.1重量%~約10重量%である。
【0058】
f.アゾール
特定の実施形態では、好適な抗菌剤はアゾールであり得る。アゾール抗菌剤の例としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。パーソナルケア組成物中に存在するとき、アゾール抗菌活性物質は、組成物の約0.01重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3重量%、更には約0.3重量%~約2重量%の量で含まれ得る。
【0059】
g.硫化セレン
硫化セレンは、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.3重量%~約2.5重量%、及び約0.5重量%~約1.5重量%の濃度で含まれるとき、抗菌組成物として使用するのに好適な粒子状抗ふけ剤である。硫化セレンは、一般に、セレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物とみなされるが、一般式SexSy(式中、x+y=8)に適合する環状構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern 3600装置)によって測定したとき、典型的には15μm未満、あるいは10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2、694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
h.硫黄
特定の実施形態では、硫黄を粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用してもよい。粒子状硫黄の有効濃度は、典型的には、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、及び約2重量%~約4重量%である。
【0061】
k.その他
更なる抗菌活性物質は、メラレウカ(ティー・ツリー)及び炭の抽出物を含んでいてもよい。理解できるように、パーソナルケア組成物はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでいてもよい。好適な組み合わせとしては、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリンバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
【0062】
保湿剤
パーソナルケア組成物は、水分蒸発速度を低下させるために保湿剤を含んでいてもよい。好適な保湿剤としては、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。保湿剤は、含まれるとき、組成物の約0.1重量%~約20重量%及び約0.5重量%~約5重量%の濃度で使用することができる。
【0063】
好適な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0064】
好適な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、約1,000以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000を有するもの、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0065】
他の任意選択の成分
理解され得るように、パーソナルケア組成物は、なお更なる任意選択の成分を含んでもよい。例えば、アミノ酸が含まれ得る。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体などの非水溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩などの非水溶性アミノ酸が挙げられ得る。
【0066】
特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、任意選択で、カラーインデックス名(C.I.Name)を有するものなどの水溶性構成成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物色素、天然色素などの色素材を含み得る。また、組成物は、ピロクトンオラミンなどの水溶性成分、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロサン)などの水不溶性成分、トリクロカルバン、及びジンクピリチオンを含む、化粧品用の殺生物剤及びフケ防止剤として有用である抗菌剤を含んでもよい。
【0067】
特定の実施形態では、1つ以上の安定剤及び防腐剤を含んでもよい。例えば、パーソナルケア組成物の寿命を改善するために、トリヒドロキシステアリン、ジステアリン酸エチレングリコール、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、防腐剤、例えばkathon、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸(「ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA」)のうちの1つ以上を含めてもよい。安定剤及び/又は防腐剤は、約0.10重量%~約2重量%のレベルで使用することができる。約0.10重量%~約0.45重量%のレベルの安息香酸ナトリウムが特に好適である。パーソナルケア組成物はまた、約0.5重量%~約2重量%のレベルのクエン酸を含んでいてもよい。安息香酸ナトリウム及びクエン酸は、単独で又は組み合わせてパーソナルケア組成物に添加することができる。
【0068】
また、金属を捕捉し、紫外線への曝露によって引き起こされる毛髪のダメージを低減するために、キレート剤が含まれていてもよい。好適なキレート剤の例としては、ヒスチジン及びN,N’エチレンジアミンニコハク酸(「EDDS」)を挙げることができる。
【0069】
香料が含まれていてもよく、香料は精油であってもよい。
【0070】
使用方法
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、毛髪又は皮膚をクレンジング及びコンディショニングするために従来の方法で使用することができる。概して、毛髪又は皮膚の処理方法は、パーソナルケア組成物を毛髪又は皮膚に塗布することを含み得る。例えば、水で濡らした毛髪又は皮膚に有効量のパーソナルケア組成物を塗布してもよく、次いで、組成物をすすぎ落としてもよい。有効量は、概して、特定の実施形態では約1g~約50g、及び特定の実施形態では約1g~約20gの範囲であり得る。毛髪に対する塗布は、通常、毛髪のほとんど又は全てが組成物と接触するように毛髪を通して組成物を動かすことを含む。
【0071】
特定の実施形態では、毛髪又は皮膚を処理する方法は、(a)毛髪又は皮膚を水で濡らす工程と、(b)毛髪又は皮膚に有効量のパーソナルケア組成物を塗布する工程と、(c)皮膚又は毛髪の塗布された箇所を水ですすぐ工程と、を含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望に応じて何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。
【0072】
特定の実施形態では、ダメージを受けた毛髪を処理するために本明細書に記載されるパーソナルケア組成物を使用してもよい。ダメージを受けた毛髪としては、パーマをかけた毛髪、酸化的に染色された毛髪、及び機械的に損傷した毛髪を挙げることができる。
【0073】
パーソナルケア組成物は、添加された噴射剤と共に加圧容器に入れられた液体、固体、半固体、フレーク、ジェルとして使用することができ、又はポンプ式スプレーの形態で使用することができる。製品の粘度は、望ましい形態に対応するように選択することができる。
【0074】
試験方法
例示的洗浄組成物の調製
界面活性剤と、界面活性剤可溶性活性物質と、残部の水とを、十分に撹拌しながら混合して、均質な混合物を確保することによって、例示的洗浄組成物を調製する。界面活性剤可溶性剤の可溶化を加速させるために混合物を40~70℃まで加熱し、次いで冷却してもよい。次いで、生成物のpHを必要に応じて調整して、約5~約6の組成物をもたらす。
【0075】
方法
pH
Thermo Scientific Orion Star A321 pHメーターを利用した。pH分析の前に較正を行うべきである。較正後、所望のpH値が得られるまで、最終生成物(fished product)についてpH測定を行う。
【0076】
安定性評価
安定性は、シャンプーサンプルを40℃に温度制御された室内に置くことによって評価することができる。経時的な目視による物性の変化は、観察された相分離又は沈殿によって評価される。最長1ヶ月間安定性条件内に置かれたサンプルについて「有り」又は「無し」の結果を与える。「有り」の結果は、生成物が相安定であり、クリーミング、沈殿、トンネリング、分離、又は沈降を含む相不安定性の特徴のいかなる視認できる徴候もないことを意味する。「無し」の結果は、安定性評価の最初の1ヶ月に生じたクリーミング、沈殿、トンネリング、相分離、又は沈降の視認できる徴候が存在することを意味する。
【0077】
レオロジー測定
低せん断降伏応力は、60mmの2.005度コーンプレート、Peltierアルミニウムプレートを用いて26.7℃でTriosレオメータによって求められる。サンプルギャップは52μmに設定する。10~1.0e-4 1/Sの対数掃引を介してサンプルを試験する。10e-4から10e-2までのせん断応力(Pa)曲線についての分析をHerschel Bulkley分析によって実施して、パスカル(Pa)単位で低せん断降伏応力を求める。
【0078】
粘度測定
シャンプーの粘度は、コーンC75-1を備えたコーンプレートBrookfield RSレオメータを使用して、2s-1の一定せん断速度、27℃、3分にて、2.5mLのサンプルで測定することができる。
【0079】
コンディショニング(梳き摩擦及び梳きほぐし)
カラーリング又はパーマ等の化学的処理にこれまで曝露されたことのない毛髪を使用して、油を添加した処方シャンプーによってもたらされるコンディショニングを測定した。房(4g、8インチ)を3サイクル洗浄し、インストロンを用いて梳き力を測定した。毛髪の全長に櫛を通すのに必要な力を梳き摩擦として測定し、毛髪の先端に櫛を通すのに必要な力を梳きほぐしとして測定した。
【0080】
より少ない力は、コンディショニング効果がより高く、破損がより少ないことに相当する。トリグリセリド油を含むシャンプーは全て、油を含まないシャンプーよりも有意に低い梳き力を示し、ジメチコンのコンディショニング性能に近づく。これらの4つの油の組成は、主に短鎖飽和トリグリセリド(脂肪酸鎖長C10、C12)を含有するヤシ油から、1つ又は2つの二重結合を有するC18脂肪酸を有するトリグリセリドを主に含有するベニバナ種子油及びアルガン油、並びにより長鎖の不飽和脂肪酸(C20~C22)を含有するメドウフォーム種子油に及ぶ天然油に典型的にみられるトリグリセリドの範囲を網羅する。
【0081】
ホホバ種子油はトリグリセリドを含有せず、当該油の80%が40~42個の炭素原子を有する直鎖エステルである。油を含まない対照シャンプーよりも低いほぐし力を示すが、それはトリグリセリド油ほど低くはなく、梳き摩擦の利益は測定されない。
【0082】
交差偏光顕微鏡法/光学顕微鏡法
様々な対物レンズを使用して、DIC及び交差偏光透過型光学顕微鏡法によってサンプルを検査する。含まれる画像では、40倍対物レンズを使用した。コンデンサ設定II、Wallaston Filter in、Turet 2設定でのDIC透過光による顕微鏡設定で撮影された40倍の光学顕微鏡画像。
【0083】
pH
Thermo Scientific Orion Star A321 pHメーターを利用した。pH分析の前に較正を行うべきである。較正後、所望のpH値が得られるまで、最終生成物(fished product)についてpH測定を行う。
【0084】
非限定的な実施例
以下の実施例に示されるパーソナルケア組成物は、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の具体的な実施形態を説明するが、これらを限定することを意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の修正を行うことができる。パーソナルケア組成物のこれら例示された実施形態は、刺激の強いサルフェートベースの界面活性剤を使用することなく、好適なクレンジング効果を毛髪に提供する。
【0085】
以下の実施例に示されたパーソナルケア組成物は、従来の配合及び混合方法によって調製され、その例は以下に記載される。別途記載のない限り、例示される量は全て重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、画像成分、植物性物質などの微量物質は除外する。別途指定のない限り、全ての百分率は重量に基づく。
【0086】
サルフェートフリーのココイルアラニン酸ナトリウム界面活性剤及びカプリル酸カプリン酸グリセリルを含む成分の組み合わせは、高レベルのコンディショニング油を製剤中に安定に懸濁させる。これらの油は、シリコーン含有処方又は油なしと同等又はそれよりも有意に良好な、低下した毛髪表面摩擦を提供した。
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【表7】
*>95%の信頼度で油を含まない対照に対して有意(スチューデントt検定)
【0094】
組み合わせ:
1.パーソナルケア組成物であって、
a)約9重量%~約16重量%のアニオン性界面活性剤と、
b)約3重量%~約10重量%、好ましくは5重量%~6重量%のグリセリルエステルと、
c)約0.2重量%~約6重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%のトリグリセリド油と、
)液体担体と、
を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、約4.5~約6、好ましくは4.5~5.5、より好ましくは5~6のpH、及び約0.5~約10Pa、好ましくは1~10の降伏応力を有する、パーソナルケア組成物。
2.ピリジンチオン塩、好ましくはジンクピリチオン、アゾール、硫化セレン(selenium sulfide)、粒子状硫黄、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、ピロクトンオラミン、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン(selenium sulphide)、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、アゾキシストロビン、並びにこれらの組み合わせから選択されるフケ防止剤を更に含む、段落1に記載のパーソナルケア組成物。
3.当該アミノ酸界面活性剤が、ココイルアラニン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムから選択される、段落1又は2に記載のパーソナルケア組成物。
4.当該グリセリルエステルが、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、及びこれらの混合物、好ましくは好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)、窒素、及びこれらの混合物を実質的に含まない(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである、段落1~3のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
5.当該グリセリルエステルが、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルであり、好ましくは、当該(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルが、PEG、EO/PO、窒素、及びこれらの混合物を実質的に含まない、段落1~4のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
6.約0.01重量%~約5重量%の双性イオン性界面活性剤を更に含む、段落1~5のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
7.約0.1重量%~約2.5重量%のラウリン酸を更に含む、段落1~6のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
8.5℃及び40℃の両方で安定である、段落1~7のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
9.カチオン性付着ポリマー、好ましくはグアー誘導体及びセルロース誘導体から選択されるカチオン性ポリマーを更に含む、段落1~8のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
10.当該カチオン性付着ポリマーが、約0.7~約2.0meq/gの電荷密度及び約500,000~約2,000,000の重量平均分子量を有する、段落9に記載のパーソナルケア組成物。
11.約3重量%未満、好ましくは2%未満の無機塩を含む、段落1~10のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
12.約7重量%~約15重量%、好ましくは9重量%~12重量%のココイルアラニン酸ナトリウムを更に含む、段落1~11のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
13.シャンプーである、段落1~12のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
14.シリコーンを実質的に含まない、段落1~13のいずれか1つに記載のパーソナルケア組成物。
15.約0.01~約0.45重量%の安息香酸ナトリウムを含む、段落1~14のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
16.約0.5~約2重量%のクエン酸を含む、段落1~15のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
17.当該アミノ酸界面活性剤が、ココイルアラニン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムから選択され、当該アミノ酸界面活性剤が、ココイルグリシン酸カリウム、ラウロイルグリシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルアラニン酸カリウム、ココイルアラニン酸カリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム、ミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイル(アルギニン/アスパラギン酸/グルタミン酸/イソロイシン/ロイシン/リジン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/バリン)ナトリウム、ココイル/ステアロイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グルタミン/グリシン/ヒスチジン/イソロイシン/ロイシン/リジン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/チロシン/バリン)ナトリウム、ベヘノイル/ココイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グリシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリンナトリウム、オリボイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/グリシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリン)カリウム、ラウロイル/オリボイル(アラニン/アルギニン/アスパラギン/アスパラギン酸/グルタミン酸/リシン/イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/プロリン/セリン/スレオニン/トリプトファン/チロシン/バリン)カリウムの群から選択されてもよい、段落1~16のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
18.毛髪の色保持、毛髪のコンディショニング、毛髪の保湿、及び皮膚の保湿のうちの少なくとも1つのための、段落1~17のいずれかに記載のパーソナルケア組成物の使用。
19.水、ココイルアラニン酸ナトリウム、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、カチオン性ポリマー、安息香酸ナトリウム、クエン酸、トリグリセリド油、並びに塩化ナトリウム、香料、共界面活性剤、及びフケ防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加成分からなるパーソナルケア組成物であって、当該組成物中の成分の総数が9以下である、パーソナルケア組成物。
【0095】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0096】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張するあらゆる特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文献は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0097】
本発明の特定の実施形態を例示及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)9重量%~16重量%のアニオン性界面活性剤と、
b)3重量%~10重量%のグリセリルエステルと、
c)0.2重量%~6重量%のトリグリセリド油と、
d)液体担体と、
を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、4.5~6、好ましくは4.5~5.5のpH及び約0.5~約10Pa、好ましくは1~10Paの降伏応力を有する、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
ピリジンチオン塩、ジンクピリチオン、アゾール、硫化セレン(selenium sulfide)、粒子状硫黄、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、ピロクトンオラミン、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン(selenium sulphide)、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、アゾキシストロビン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるフケ防止剤を更に含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記グリセリルエステルが、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、又はこれらの混合物、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)、窒素、ジオキサン、又はこれらの混合物を実質的に含まない(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
0.01重量%~5重量%の双性イオン性界面活性剤を更に含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
0.1重量%~2.5重量%のラウリン酸を更に含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
5℃及び40℃の両方で安定である、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
カチオン性付着ポリマー、好ましくはグアー誘導体、セルロース誘導体、又はこれらの混合物を更に含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記カチオン性付着ポリマーが、0.7~2.0meq/gの電荷密度、及び500,000~2,000,000の重量平均分子量を有する、請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
3重量%未満、好ましくは2重量%未満の無機塩を含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
7重量%~15重量%のココイルアラニン酸ナトリウムを更に含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
シリコーンを実質的に含まない、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
0.10~0.45重量%の安息香酸ナトリウムを含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
0.5~2重量%未満のクエン酸を含む、請求項
1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
水、ココイルアラニン酸ナトリウム、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、カチオン性ポリマー、安息香酸ナトリウム、クエン酸、トリグリセリド油、並びに塩化ナトリウム、香料、共界面活性剤、及びフケ防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加成分からなるパーソナルケア組成物であって、前記組成物中の成分の総数が9以下である、パーソナルケア組成物。
【国際調査報告】