(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電子接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20240705BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H02K5/22
H01R13/52 301H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503356
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022072317
(87)【国際公開番号】W WO2023020889
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】シッパー ニールス
(72)【発明者】
【氏名】ボーマラディ マハンテシュ
【テーマコード(参考)】
5E087
5H605
【Fターム(参考)】
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM08
5E087RR12
5H605AA02
5H605BB05
5H605DD16
5H605DD32
5H605EC05
5H605EC18
5H605GG04
(57)【要約】
ある態様によれば、電子装置内に取り付けるための電子接続モジュールであって、該電子接続モジュールが、コネクタと、コネクタの開放端でコネクタの外面に配置された第1のシールリングとを含む接続ポートであって、開放端が、相手側コネクタを受けるよう構成される、接続ポートと、接続ポートを受けるよう構成された中間ハウジングであって、中間ハウジングは、中間ハウジングの内面と接続ポートとの間にシールを提供するため、接続ポートの第1のシールリングがインターフェースする内面を含む、中間ハウジングと、上記中間ハウジング及び上記接続ポートを受けるよう構成されたモジュールハウジングと、上記モジュールハウジングと上記接続ポートとの間に配置されたバイアスユニットであって、バイアスユニットが、上記中間ハウジングの棚に向かって上記接続ポートを偏らせるよう構成され、上記中間ハウジング内に上記接続ポートを固定するため、上記接続ポートの開放端が上記中間ハウジングの棚に当接する、バイアスユニットと、中間ハウジングの外面に配置され、電子装置の内面とインターフェースするOリングであって、Oリングは、中間ハウジングの外面から突出するレッジとモジュールハウジングとの間に配置される、Oリングとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に取り付けるための電子接続モジュールであって、
コネクタと、前記コネクタの開放端で前記コネクタの外面に配置された第1のシールリングとを含む接続ポートであって、前記開放端が、相手コネクタを受ける、接続ポートと、
前記接続ポートを受ける中間ハウジングであって、前記中間ハウジングが、前記中間ハウジングの内面と前記接続ポートとの間にシールを提供するため、前記接続ポートの前記第1のシールリングがインターフェースする内面を含む、中間ハウジングと、
前記中間ハウジング及び前記接続ポートを受けるよう構成されたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジング及び前記接続ポートの間に配置されたバイアスユニットであって、前記バイアスユニットが、前記中間ハウジングの棚に向かって前記接続ポートを偏らせ、前記接続ポートの開放端は、前記中間ハウジングの前記棚に当接して前記中間ハウジング内に前記接続ポートを固定する、バイアスユニットと、
前記中間ハウジングの外面に配置され、前記電子装置の内面とインターフェースするOリングであって、前記Oリングが、前記中間ハウジングの外面から突出するレッジと前記モジュールハウジングとの間に配置される、Oリングとを有する、電子接続モジュール。
【請求項2】
前記中間ハウジングが、前記第1のシールリングを受ける凹部を前記内面に有する、請求項1に記載の電子接続モジュール。
【請求項3】
前記バイアスユニットが、前記モジュールハウジングと一体である、請求項1又は2に記載の電子接続モジュール。
【請求項4】
前記バイアスユニットが、プレテンション付き板バネの形態である、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項5】
前記バイアスユニットが、ポリカーボネート又はスチールから構成される、請求項1乃至4のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項6】
前記モジュールハウジングが、ポリカーボネート又はスチール製である、請求項1乃至5のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項7】
前記中間ハウジングの内面に設けられた棚及び前記中間ハウジングの外面に設けられたレッジが対向し、前記Oリングは、前記中間ハウジングの内面における前記接続ポートの第1のシールリングに直接対向する前記中間ハウジングの外面に配置される、請求項1乃至6のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項8】
前記モジュールハウジングが、前記中間ハウジングとスナップフィットする、請求項1乃至7のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項9】
前記接続ポートが、USB-Cポートであり、前記コネクタは、USB-Cコネクタである、請求項1乃至8のいずれかに記載の電子接続モジュール。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電子接続モジュールを有する電気毛刈り器具。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電子接続モジュール用の部品キットであって、
前記コネクタと前記第1のシールリングとを含む前記接続ポートと、前記中間ハウジングと、前記モジュールハウジングと、前記バイアスユニットと、前記Oリングとを有する、部品キット。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電子接続モジュールの組立方法において、
前記接続ポートの開放端が前記ハウジングの開放端に対向する前記中間ハウジングの棚に当接するまで、前記中間ハウジングの開放端を通して前記接続ポートを挿入するステップと、
前記中間ハウジングのレッジに対して前記中間ハウジングの外面に前記Oリングを追加するステップと、
前記Oリングが前記モジュールハウジングと前記中間ハウジングのレッジとの間に固定されるまで、前記接続ポート及び前記Oリングを備える前記中間ハウジングを前記モジュールハウジングに挿入するステップであって、前記バイアスユニットが、前記モジュールハウジングと前記接続ポートとの間に配置され、前記バイアスユニットは、前記中間ハウジングの棚に対して前記接続ポートをバイアスする、ステップと、
前記モジュールハウジングを前記中間ハウジングに固定するステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記モジュールハウジングを前記中間ハウジングに固定するステップが、前記モジュールハウジングを前記中間ハウジングにスナップフィット接続で接続するステップを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のシールリングが前記中間ハウジングの凹部に受容されるまで、前記接続ポートが前記中間ハウジングの開放端に挿入される、請求項2に従属する請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に取り付けるための電子接続モジュール、電気式毛刈り器具、電子接続モジュールを組み立てるための部品キット、及び電子接続モジュールを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気毛刈り器具のような電子装置用の電子コネクタは通常、電子装置における防水マウントを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えばUSB-Cタイプコネクターといったいくつかの電子コネクタの場合、提供されるシールは、通常小さく、所望されるものより低い信頼性である。CN212011416は、電気シェーバー用の防水USB充電インターフェースアセンブリを開示する。そこでは、USB充電インターフェース及び導電性コラムがPCBに設置され、プラスチックシートがUSB充電インターフェースの外周、PCBの外周、及び導電性コラムの外周にスリーブ状に一体的に固定される。USB充電インターフェースのポートがプラスチックシートの下端面から露出され、プラスチックシートは、電気シェーバーの下端に形成された設置溝に挿入及び固定され、設置溝に密着する。シーリングカバーは、設置溝の下端開の開口部に固定され、プラスチックシートの下端を覆い、USB充電インターフェースのポートは、シーリングカバーの窓と突き合わされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の具体的な態様によれば、電子装置に取り付けるための電子接続モジュールであって、コネクタと、コネクタの開放端でコネクタの外面に配置された第1のシールリングとを含む接続ポートであって、開放端が、相手側コネクタを受けるよう構成される、接続ポートと、接続ポートを受けるよう構成された中間ハウジングであって、中間ハウジングは、中間ハウジングの内面と接続ポートとの間にシールを提供するため、接続ポートの第1のシールリングがインターフェースする内面を含む、中間ハウジングと、上記中間ハウジング及び上記接続ポートを受けるよう構成されたモジュールハウジングと、上記モジュールハウジングと上記接続ポートとの間に配置されたバイアスユニットであって、バイアスユニットが、上記中間ハウジングの棚に向かって上記接続ポートを偏らせるよう構成され、上記中間ハウジング内に上記接続ポートを固定するため、上記接続ポートの開放端が上記中間ハウジングの棚に当接する、バイアスユニットと、中間ハウジングの外面に配置され、電子装置の内面とインターフェースするOリングであって、Oリングは、中間ハウジングの外面から突出するレッジとモジュールハウジングとの間に配置される、Oリングとを有する。
【0005】
中間ハウジングは、第1シールリングを受ける凹部を内面に有していてもよい。
【0006】
バイアスユニットはモジュールハウジングと一体であってもよい。バイアスユニットは、プレテンション板バネの形態であってもよい。バイアスユニットは、ポリカーボネート製又はスチール製でもよい。バイアスユニットは、相手側コネクタを接続ポートに挿入するのに必要な力が加えられるときにそれが変形に抵抗するような剛性を持つことができる。
【0007】
モジュールハウジングは、ポリカーボネート製又はスチール製である。
【0008】
中間ハウジングの内面における棚及び中間ハウジングの外面におけるレッジは、対向していてもよい。その結果、Oリングが、中間ハウジングの内面における接続ポートの第1シールリングに直接対向する中間ハウジングの外面に配置される。モジュールハウジングは、中間ハウジングとスナップフィットするよう構成されることができる。
【0009】
接続ポートは、USB-Cポートとすることができる。コネクタは、USB-Cコネクタとすることができる。
【0010】
第2の態様によれば、第1の態様による電子接続モジュールを有する電気式毛刈り器具が提供される。
【0011】
第3の側面によれば、第1の側面による電子接続モジュール用の部品キットが提供され、この部品キットは、コネクタと第1のシールリングとを含む接続ポートと、中間ハウジングと、モジュールハウジングと、バイアスユニットと、Oリングとを有する。
【0012】
第4の側面によれば、第1の側面による電子接続モジュールの組み立て方法が提供され、この方法は、接続ポートの開放端がハウジングの開放端に対向する中間ハウジングの棚に当接するまで、中間ハウジングの開放端を通して接続ポートを挿入するステップと、中間ハウジングのレッジに対して中間ハウジングの外面にOリングを追加するステップと、モジュールハウジングと中間ハウジングのレッジとの間にOリングが固定されるまで、接続ポート及びOリングを備えた中間ハウジングをモジュールハウジングに挿入するステップであって、バイアスユニットがモジュールハウジングと接続ポートとの間に配置され、バイアスユニットが中間ハウジングの棚に対して接続ポートをバイアスする、ステップと、モジュールハウジングを中間ハウジングに固定するステップとを有する。
【0013】
モジュールハウジングを中間ハウジングに固定するステップは、モジュールハウジングを中間ハウジングにスナップフィット接続を用いて接続するステップを有することができる。
【0014】
接続ポートは、第1のシールリングが中間ハウジングの凹部に受容されるまで、中間ハウジングの開放端に挿入されることができる。
【0015】
これら及び他の側面が、以下に記載される実施形態から明らかとなり、実施形態を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】電子接続モジュールの等角表示を概略的に示す図である。
【
図3】電子接続モジュールの分解斜視表示を概略的に示す図である。
【
図4】電気式毛刈り装置のキャビティ内の電子接続モジュールの断面表示を概略的に示す図である。
【
図5】電子接続モジュールの組み立て方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、例示的な実施形態が、例示に過ぎない以下の図面を参照しながら説明される。
【0018】
図1は、ハンドル12及びトリミングユニット14を有する電気式毛刈り器具10を示す。ハンドル12は、毛髪を切断する刃を往復運動するため、トリミングユニット14に接続される電動モーター(図示省略)を有する。電気モーターはこの例では、充電を必要とするバッテリーで駆動される。
【0019】
電気式毛刈り器具10は、ハンドル12に配置され、バッテリーを充電するため相手側充電器に接続するためのUSB-Cタイプのコネクタ(
図4に最もよく示される)を含む電子接続モジュール20を有する。他の例では、コネクタは、任意のタイプの電子コネクタであってもよく、バッテリーを充電するためではなく、モーターに直接電力を供給するものであってもよく、又はデータ転送のためのコネクタであってもよい。
【0020】
図2及び3はそれぞれ、電子接続モジュール20の等角図及び分解図を示し、
図4は、電気毛刈り器具10の内壁16により規定される、電気毛刈り器具10のキャビティ18に配置された電子接続モジュール20の断面図を示す。
【0021】
電子接続モジュール20は、USB-Cコネクタ24(
図4に最もよく示される)及び第1のシールリング26を含むUSB-C接続ポート22を有する。それは例えば、市販の防水USB-C接続ポートとすることができる。コネクタ24は、相手側コネクタを受けるよう構成された開放端28を有し、第1のシールリング26は、コネクタ24の外面に配置される。他の例では、コネクタは、対応するコネクタと嵌合するよう構成されたUSB-Aコネクタといった、任意のタイプのコネクタとすることができる。
【0022】
この例では、接続ポート22は、コネクタ24の外面に接続され、コネクタ24の開放端28から離れてコネクタ24の対向端を越えて延びるPCB基板50を更に有する。
【0023】
電子接続モジュール20は、接続ポート22を受けるよう構成された中間ハウジング30を更に有する。中間ハウジング30は、接続ポート22の開放端28が挿入される開放端32と、開放端32に対向する棚端34とを有する。中間ハウジング30の外側から相手側コネクタのコネクタ24へのアクセスを提供するよう、棚端34も開放される。
【0024】
中間ハウジング30の壁は、棚端34と開放端32との間に延び、接続ポート22が配置される中間キャビティが形成され、中間ハウジング30と接続ポート22との間に連続的なシールを提供するために、接続ポート22の第1のシールリング26がインターフェースする内面36が規定される。
【0025】
この例では、第1シールリング26を受けるため、内面36の凹部38が、中間ハウジング30の周囲に延びる。通常、市販の接続ポートでは非常に小さい第1のシールリング26を、凹部38内に受容されるように内面36に沿って案内させることが、第1のシールリング26がその断面のより多くの側面で囲まれることを確実にし、これは、第1のシールリング26の反りを防止するのに役立ち、これにより一層信頼性の高いシールが提供される。言い換えれば、第1のシールリング26は、中間ハウジング30とコネクタ24との間に半径方向のシールを提供し、凹部38は、第1のシーリングリングを軸方向に包み込む凹部38の表面に対して、第1のシーリングリング26の軸方向の停止部を提供する。その結果、それは、第1のシーリングリング26の反りを防止する。これにより、第1シールリング26のシール性能が向上される。他の例では、内面に凹部はなく、第1シーリングリングは単に内面とインターフェースするに過ぎず、これにより半径方向のシールが提供される。
【0026】
中間ハウジング30は、棚端34で中間ハウジング30のキャビティ内に突出する棚40を更に備える。接続ポート22の開放端28は、中間ハウジング30内への接続ポート22の更なる挿入を防止するために、棚40に当接するよう構成され、一方、相手側コネクタのためのコネクタ24へのアクセスが可能にされる。言い換えれば、棚40は、コネクタ24の軸方向端部停止部として機能する。
【0027】
中間ハウジング30はまた、中間ハウジング30の外面から中間ハウジング30の範囲の周囲に延びるレッジ42を有し、その上にOリング44が中間ハウジング30の外面に着座するよう構成される。
【0028】
Oリング44は、中間ハウジング30と電気毛刈り器具10の壁16との間のシールを提供するために、(
図4に示されるように)電気毛刈り器具の壁16の内面とインターフェースするよう構成される。Oリングは、要求されるシール性能を提供するために、任意の適切なサイズとすることができる。
【0029】
電子接続モジュール20は、モジュールハウジング48を更に有し、これは、モジュールハウジング48の開放端52を介して中間ハウジング30及び接続ポート22を受けるよう構成される。モジュールハウジング48の開放端52は、中間ハウジング30におけるレッジ42の形状と一致する形状を有し、その結果、中間ハウジング30の外面にあるOリング44が、レッジ42とモジュールハウジング48との間に挟まれる。
【0030】
この例では、中間ハウジング30における棚40及びレッジ42は互いに対向するよう配置され、その結果、Oリング44は、接続ポート22が棚40に当接するとき、第1シールリング26に直接対向するよう配置される。Oリング44と直接対向する第1のシールリング26を持つことは、第1のシールリング26及びOリング44から中間ハウジング30に作用する半径方向の力が直接対向し、その結果、中間ハウジング30に印加されるモーメントがないか、又は最小となり、これにより、中間ハウジング30の壁に必要な剛性が減らされることを意味する。
【0031】
中間ハウジング30及びモジュールハウジング48はスナップフィット接続で固定される。具体的には、中間ハウジング30は、モジュールハウジング48におけるタブ56と協働する開口部54を中間ハウジング30の壁に有する。他の実施例では、モジュールハウジングが開口部を有し、中間ハウジングがスナップフィット接続の協働タブを有する点を理解されたい。
【0032】
スナップフィット接続は、中間ハウジング30とモジュールハウジング48との間に信頼性の高いシールを提供するため、レッジ42とモジュールハウジング48との間にOリング44を固定するよう構成される。これにより、レッジ42及びモジュールハウジング48は、Oリング44の軸方向移動を防止するために、Oリング44の軸方向停止部を提供する。このスナップフィット接続は、組み立ての容易さ及びスピードを向上させる。なぜなら、ネジ若しくは他の外部固定要素又はステップが必要とされないからである。
【0033】
電子接続モジュール20は、この例ではモジュールハウジング48と一体のバイアスユニット58を更に備える。バイアスユニット58は、モジュールハウジング48と接続ポート22との間に配置され、中間ハウジング30の棚40に向かって接続ポート22をバイアスするよう構成され、その結果、接続ポート22の開放端28が棚40に当接する。これは、中間ハウジング30内、及びモジュールハウジング48内に接続ポート22を固定する。なぜなら、棚40が、接続ポート22の中間ハウジング30内への更なる挿入を防止する端部停止部を提供し、バイアスユニット58は、接続ポート22が中間ハウジング30から外れるのを防ぎ、これによりモジュールハウジング48と棚40との間に接続ポート22が押し込まれるからである。他の例では、バイアスユニットは、モジュールハウジング48とは別個であってもよい。
【0034】
この例では、バイアスユニット58は、接続ポート22に相手側コネクタを挿入するのに必要な力が加えられるとき、それが変形に抵抗するような剛性を持つ。この剛性を持つバイアスユニット58で中間ハウジング30に対して接続ポート22をバイアスすることは、相手側コネクタの抜き差しの際にも接続ポート22が中間ハウジング30に接触した状態を維持することを確実にし、その結果、第1のシールリング26が凹部内に配置されたままとなる。これは、第1シールリング26のシール性能を向上させる。バイアスユニット58がこれより低い剛性を持ち、相手側コネクタを接続ポート22に挿入する際にそれがわずかに変形する場合、第1のシールリング26は、凹部38から移動する場合がある。しかし、それは、中間ハウジング30の内面36に対してシールを維持する。
【0035】
更に、第1のシールリング26よりもかなり大きい任意の適切なサイズとすることができるOリング44を、電子毛刈り器具の中間ハウジング30と壁16との間に配置することも、全体として電子接続モジュール20のシール性能を向上させる。従って、電子接続モジュール20の構成は、特に、例えば小さな第1のシールリングを持つ市販のUSB-C接続ポートを使用する構成において、シール性能を向上させる。
【0036】
この例のバイアスユニット58は、プレテンション付き板バネの形をしている。バイアスユニット58が接続ポート22とモジュールハウジング48との間に配置されることは、寸法公差が増加されることを意味する。なぜなら、接続ポート22は常に棚40とモジュールハウジング48との間に挟まれるからである。これにより、部品の製造寸法はそれほど正確である必要はないことが確実にされる。
【0037】
更に、Oリング44は、モジュールハウジング48と中間ハウジング30との間の空間に受容され、この空間は、電気式毛刈り器具10の壁16に対してシールされ、ポアソン効果に基づき軸方向に変形されるOリング44を収容するのに十分な大きさでなければならない。モジュールハウジング48は、ポアソン効果に基づかれるOリング44の変形を妨げるべきではなく、その結果、モジュールハウジング48及び中間ハウジング30がスナップフィットされるとき、Oリング44のサイズにより決定されるモジュールハウジング48と中間ハウジング30との間の最小距離が存在するが、モジュールハウジング48と中間ハウジング30との間の最大距離には大きな公差が存在する。
【0038】
この例におけるバイアスユニット58は、ポリカーボネートで構成される。
ポリカーボネートは経時的に非常に低いクリープを示し、このことは、ポリカーボネートをバイアスユニット58に対する良好な材料にする。バイアスユニットは、接続ポート22のコネクタ24に対する相手側コネクタの抜き差し動作に打ち勝つために大きな力を生成させることができなければならない。それはまた、軽量で成形しやすいという利点も持つ。一般的に、ポリカーボネートは湿潤環境での使用に適した機器には使用されることができない。なぜなら、化学薬品への露出が、ポリカーボネートを著しく劣化させるからである。しかしながら、電子接続モジュール20の優れた密封性は、この素材が安全に使用されることができることを意味する。
【0039】
この例におけるバイアスユニット58はモジュールハウジング48と一体であり、モジュールハウジング48も電子接続モジュール20の改良されたシーリング(sealing、密封)によって外部条件から保護されるため、モジュールハウジング48もポリカーボネート製である。いくつかの例では、バイアスユニットはモジュールハウジングとは別個であってもよく、及び/又はモジュールハウジングは異なる材料で構成されてもよい。
【0040】
他の例では、バイアシングユニット及び/又はモジュールハウジングはスチールで構成されることができ、これはまた、経時的に非常に低いクリープを示すか、又は他の任意の適切な素材で構成されることができる。
【0041】
電子接続モジュール20は、電気式毛刈り器具10のキャビティ18に挿入されるものとして説明されるが、電子接続モジュール20は、任意の適切な電子装置のキャビティに挿入されることでき、Oリングは、キャビティを密閉するために、キャビティを規定する電子装置の壁とインターフェースするよう構成される点を理解されたい。
【0042】
図5は、電子接続モジュール20を組み立てる方法100のステップを示すフローチャートである。
【0043】
ブロック102において、方法100は、接続ポート22の開放端28が中間ハウジング30の棚40に当接するまで、及び第1シールリング26が中間ハウジング30の凹部38内に収まるまで、中間ハウジング30の開放端32を通して接続ポート22を挿入するステップを有する。中間ハウジングの内面に凹部がない例では、第1シールリングは凹部に受容されない点を理解されたい。
【0044】
ブロック104において、方法100は、中間ハウジング30のレッジ42に対して中間ハウジング30の外面にOリング44を付加するステップを有する。ブロック104はブロック102の前に実行できる点を理解されたい。
【0045】
ブロック106において、方法100は、バイアスユニット58が接続ポート22を棚40に対してバイアスするまで、接続ポート22及びOリング44を備える中間ハウジング30をモジュールハウジング48に挿入するステップを有する。
【0046】
バイアスユニットがモジュールハウジングから分離される他の例では、本方法は、接続ポート及びOリングを備える中間ハウジングをモジュールハウジングに挿入する前に、バイアスユニットをモジュールハウジングに挿入するステップであって、バイアスポートがモジュールハウジングと接続ポートとの間に配置されることが確実にされる、ステップを有する。
【0047】
ブロック108において、方法100は、モジュールハウジング48のタブ56が中間ハウジング30の開口54にスナップフィットするまで、接続ポート22及びOリング44を備える中間ハウジング30をモジュールハウジング48に挿入することにより、スナップフィット接続でモジュールハウジング48を中間ハウジング30に固定するステップを有する。他の例では、それは、ネジ、接着剤、又は他の任意の適切な手段でモジュールハウジングを中間ハウジングに固定するステップを含むことができる。
【0048】
開示された実施形態への変形は、図、開示、及び添付の請求項の検討から、本書に記載された原理及び技術を実施する当業者により理解及び実施されることができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。特許請求の範囲に記載される任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】