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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】毛髪切断装置用櫛
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/20 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B26B19/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503358
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022073769
(87)【国際公開番号】W WO2023031034
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】21194050.7
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】イアッカリーノ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】レスメイール ロエル アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】アイティンク アルベルト ヤン
(72)【発明者】
【氏名】パーウ ヘンドリク クラース
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056CA02
3C056CA09
3C056CA13
3C056CA32
3C056CA33
3C056CA46
(57)【要約】
一貫して改善された毛髪の持ち上げ及び誘導を提供しようとする、毛髪切断装置100用の毛髪櫛200が記載される。毛髪櫛200は、複数の櫛歯302を持ち、ここで、櫛歯の少なくとも1つは、皮膚接触面216に対向するガード対向面214における窪みを持つ。窪みは、切断装置100のガード歯116を受ける空間を規定する。毛髪櫛200は、切断ヘッド102と協働するよう構成され、その結果、毛髪櫛200が切断ヘッド102に付けられるとき、ガード歯116の少なくとも遠位端404が、窪み402により規定された空間内に受容されて、少なくとも1つの櫛歯302と係合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪切断装置の切断ヘッドに付けるための毛髪櫛であって、前記切断ヘッドが、内側切断部材と、本体と前記本体から横並びの関係で延びる複数のガード歯とを含む外側ガード部材とを持ち、前記毛髪櫛が、
前記切断ヘッドに付ける支持体と、
前記支持体から横並びの関係で長手方向に延びる複数の櫛歯とを有し、
前記複数の櫛歯の少なくとも1つの櫛歯が、
皮膚接触面と、前記皮膚接触面に対向するガード対向面とを有し、
前記ガード対向面は、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるときガード歯の遠位端を受ける空間を規定する窪みを持ち、
前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記ガード歯及び前記少なくとも1つの櫛歯が、前記内側切断部材に毛髪を導く毛髪案内界面を規定する外側プロファイルを持ち、
前記窪みが、前記櫛歯の長手方向に延び、前記窪みは、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記ガード歯に対する前記櫛歯の横方向の動きを制限する、及び/又は、前記ガード歯の遠位端は、毛髪案内界面の一部を形成するのを防止する、毛髪櫛。
【請求項2】
前記毛髪櫛が、
前記切断ヘッドに対する固定取付のための第1の部材と、
前記支持体と前記複数の櫛歯とを含む第2部材とを有し、
前記少なくとも1つの櫛歯が、前記ガード対向面と前記皮膚接触面との間の高さが、前記支持体から前記少なくとも1つの櫛歯の遠位端に向かって先細りになるくさび形であり、
前記櫛歯が前記第1部材に対して第1方向において並進することを可能にするよう、前記第2部材は、前記第1部材に移動可能に接続され、
使用時に、前記少なくとも1つの櫛歯の遠位端が、ユーザの皮膚と前記内側切断部材との間の間隔を調節して毛髪切断長を規定するために、切断方向において前記ガード歯の前方に移動することを、前記第1の方向における櫛歯の並進がもたらす、請求項1に記載の毛髪櫛。
【請求項3】
前記ガード対向面が、溝を含む窪みを有する、請求項1又は2に記載の毛髪櫛。
【請求項4】
前記溝が、前記少なくとも1つの櫛歯の長手方向において延びる、請求項3に記載の毛髪櫛。
【請求項5】
毛髪切断システムであって、
内側切断部材と、外側ガード部材とを持つ切断ヘッドを含む毛髪切断装置であって、前記外側ガード部材が、本体と、前記本体から横並びの関係で延びる複数のガード歯とを含む、毛髪切断装置と、
請求項1乃至4のいずれかに記載の毛髪櫛とを有し、
前記毛髪櫛が、前記切断ヘッドと協働するよう構成され、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、
前記ガード歯の少なくとも遠位端が、前記少なくとも1つの櫛歯と係合するように、前記ガード対向面の窪みにより規定される空間内に受容され、
前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記ガード歯及び前記少なくとも1つの櫛歯が、前記内側切断部材に毛髪を導く毛髪案内界面を規定する外側プロファイルを持ち、
前記窪みが、前記櫛歯の長手方向に延び、前記窪みは、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記ガード歯に対する前記櫛歯の横方向の動きを制限する、及び/又は、前記ガード歯の遠位端は、毛髪案内界面の一部を形成するのを防止する、毛髪切断システム。
【請求項6】
前記ガード歯の遠位端が、前記ガード部材の内面と外面との間に規定される高さを持ち、
前記窪みは、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記遠位端の高さの少なくとも一部が、前記窪みにより規定される空間内に受容され、前記毛髪案内界面の一部を形成することが防止されるような深さを持つ、請求項5に記載の毛髪切断システム。
【請求項7】
前記窪みが、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記遠位端の高さの少なくとも50%が前記窪みにより規定される空間内に受容され、前記毛髪案内界面の一部を形成することが防止されるような深さを持つ、請求項6に記載の毛髪切断システム。
【請求項8】
前記窪みが、前記複数の櫛歯が間隔をあけて配置される方向において、横方向の広がりを持ち、前記ガード歯及び前記少なくとも1つの櫛歯が係合して、前記櫛歯の横方向の動きが制限される、請求項5、6又は7に記載の毛髪切断システム。
【請求項9】
前記窪みの横方向の広がりが、前記横方向における前記ガード歯の厚さに等しい、請求項8に記載の毛髪切断システム。
【請求項10】
前記ガード歯が離間している横方向における前記ガード歯の厚さが、前記ガード歯の遠位端に向かって先細りにされ、
前記窪みの横方向の広がりは、前記窪みの底に向かって先細りになる、請求項5乃至9のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項11】
前記窪みが、断面においてV字プロファイルを持つ、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項12】
前記窪みが、断面においてU字プロファイルを持つ、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【請求項13】
前記毛髪櫛が、前記切断ヘッドと協働するよう構成され、前記毛髪櫛が前記切断ヘッドに付けられるとき、前記ガード歯の少なくとも遠位端が、前記ガード対向面に対して傾斜され、前記ガード歯の遠位先端が前記窪みの方を向く、請求項5乃至12のいずれか一項に記載の毛髪切断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪切断装置用櫛、及び毛髪切断装置と櫛とを有する毛髪切断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリッパー又は電気シェーバーなどの毛髪切断装置は、体毛を切断するために広く使用されており、通常、ハンドルと切断ヘッドとを含む。切断ヘッドは通常、切断処理を行うために外側ガード部材に対して往復運動する可動内側切断部材を有する。外側ガード部材は、本体と、本体から横並びの関係で延びる複数のガード歯とを有し、内側切断部材は、ガード歯と協働するよう横並びの関係で配置された複数のブレード歯を備える。使用時、隣接するガード歯の間で受けられる毛が、内側切断部材によりハサミのような作用で切断される。
【0003】
毛を切断領域に誘導するために、毛髪切断装置は、毛髪櫛を備えることがある。これは、櫛が皮膚の上を移動されるとき、毛を持ち上げて切断領域に誘導する。毛髪櫛は通常、切断装置に付く基部を有する。基部から延びるのは、毛を切断領域に導くための複数の櫛歯である。櫛歯は、切断ストローク中にユーザの皮膚に沿って摺動するための皮膚接触面を有する。皮膚接触面に対して櫛歯の反対側には、櫛が切断装置に付けられるときにガード部材に面するガード対向面がある。櫛が切断装置に付けられるとき、ガード歯は、切断後の毛の残り長さ(即ち、毛の切断長さ)を規定するために、皮膚と刃歯との間に所定の間隔を提供するために、ガード対向面に当接する。
【0004】
EP 3 381 629 A1は、毛髪切断器具用の櫛を開示する。この櫛は、ブレードセットの固定刃の皮膚に面する側に配置されるよう構成される櫛片を有し、櫛片は、櫛構成がブレードセットに取り付けられるときブレードセットの切断長さを規定する複数の櫛歯を有する。更に、櫛片は、櫛片の正面部分を固定刃の皮膚に面する側に対して付勢するよう構成された屈曲部を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、斯かる櫛の問題点は、櫛歯の剛性が、毛を適切に操作して切断領域に導くために必要な小さな幾何学的形状及び体積により制限されることである。櫛歯は柔軟であることが多く、意図された位置からガード歯に対して変位されることができる。例えば、櫛歯は、櫛歯が離間している方向に沿って、横方向に変位することができる。これは、毛髪櫛の全体的な堅牢性及び品質を低下させるだけでなく、毛髪を一貫して均一に持ち上げ、切断領域に導く能力も低下させる。
【0006】
毛髪の持ち上げ及び誘導を一貫して改善する毛髪切断装置用の櫛を提供することは有利であろう。堅牢性を高めた毛髪櫛を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の関心事の1つ又は複数により好適に対処するために、本発明の第1の側面では、毛髪切断装置の切断ヘッドに付ける毛髪櫛が提供され、この切断ヘッドは、内側切断部材と、本体、及び本体から横並びの関係で延びる複数のガード歯を含む外側ガード部材とを有する。毛髪櫛は、切断ヘッドに付けるための支持体と、支持体から横並びの関係で長手方向に延びる複数の櫛歯とを有する。複数の櫛歯の少なくとも1つの(ある実施形態では各)櫛歯は、皮膚接触面と、皮膚接触面に対向するガード対向面とを有し、ガード対向面は、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるときガード歯の遠位端を受ける空間を規定する窪みを持つ。窪みは、櫛歯の長手方向に延びている。こうして、窪みは、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるとき、ガード歯に対する櫛歯の横方向の動きを制限する。追加的又は代替的に、この配置は、ガード歯の遠位端が毛髪案内界面の一部を形成するのを防ぐ。使用時、毛髪櫛は切断ヘッドに付けられ、又は言い換えると、係合状態にあり、ガード歯及び少なくとも1つの櫛歯は、毛髪を内側切断部材に導くための毛髪案内界面を規定する外側プロファイルを持つ。
【0008】
本発明の第2の態様では、毛髪切断システムが提供され、内側切断部材及び外側ガード部材を持つ切断ヘッドを含む毛髪切断装置であって、外側ガード部材が、本体と、本体から横並びの関係で延びる複数のガード歯とを含む、毛髪切断装置と、上述の毛髪櫛とを有する。毛髪櫛は、切断ヘッドと協働するよう構成される。その結果、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるとき、ガード歯の少なくとも遠位端が、少なくとも1つの櫛歯と係合するよう、ガード対向面の窪みにより規定される空間に受容される。
【0009】
ガード歯の遠位端を、櫛歯のガード対向面の窪みにより規定される空間内に受け入れることにより、遠位端は、櫛歯材料(即ち窪みの側面)により(少なくとも一方向に)境界を定められる。その結果、櫛歯とガード歯との間の相対運動が制限され、ある実施形態では阻止される。ガード歯と窪みの1つ又は複数の側面との間に隙間がある場合があり、その場合、窪みの側面の1つがガード歯に接してそれ以上の動きを妨げるまで、櫛歯は、その隙間の大きさに対応する距離だけ変位することが可能にされる。他の実施形態では、ガード歯は、係合状態にあるときガード歯に対する櫛歯の移動を実質的に防止するよう、窪みの両側面の間の空間にぴったりと受容され得る。こうして、毛髪櫛の全体的な堅牢性及び品質が改善され、毛髪を一貫して均一に持ち上げ、切断領域に導く能力も改善される。
【0010】
更に、多くの毛髪櫛における別の問題が、隣接する櫛歯の間に受け入れられた毛髪が、毛髪切断ストロークの方向においてガード歯の前方の位置でガード対向面上に落下する可能性があり、その結果、本体からのガード歯の遠位端がこれらの毛に衝突し、切断領域から押しやられることであることを出願人は認識した。長さ調節可能な毛髪櫛では、毛髪切断長を調節するために櫛歯が切断ヘッドに対して並進することができ、この問題は更に悪化する。なぜなら、ガード対向面のより多くの領域が露出され、結果として、ガード歯との衝突によりより多くの毛が押し出される可能性があるからである。これは、櫛が毛を捕捉してガード歯の間の切断空間に運ぶ能力に悪影響を及ぼし、対応して、不均一かつ不正確な毛髪長さの仕上がり結果をもたらす可能性がある。
【0011】
係合状態にあるとき、ガード歯及び少なくとも1つの櫛歯は、毛髪を内側切断部材に導くための毛髪案内界面を規定する外側プロファイルを持つ。しかしながら、ガード歯の遠位端を、ガード歯対向面の表面くぼみにより規定される空間において受けることにより、ガード対向面が窪みを持たず、ガード歯が単にガード対向面上に載っている仮想的な配置と比較して、外形プロファイルは小さくされることができる。ガード歯の遠位端は、ガード部材の内面と外面との間に規定される高さを持つことができ、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるとき、遠位端の高さの少なくとも一部が窪みにより規定される空間内に受容され、毛髪案内界面の一部を形成することが防止されるような深さを、この窪みは持つことができる。
【0012】
毛髪櫛は、切断ヘッドに付けるとき固定された毛髪切断長を規定する単一ピースの毛髪櫛であってもよい。他の実施形態では、毛髪櫛は、2つの可動部分を持つ長さ調節可能な毛髪櫛であってもよい。その場合、毛髪櫛は、上記切断ヘッドに固定的に付けられる第1の部材と、支持体と複数の櫛歯とを含む第2部材とを有し、上記少なくとも1つの櫛歯が、くさび形であり、上記ガード対向面と上記皮膚接触面との間の高さが、上記支持体から上記少なくとも1つの櫛歯の遠位端に向かって先細りになり、第1部材に対して第1方向において櫛歯が並進することを可能にするように、第2部材は第1部材に移動可能に接続され、これにより、使用時に、毛髪切断長を規定するため、少なくとも1つの櫛歯の遠位端が、ユーザの皮膚と内側切断部材との間の空間を調節するよう、切断方向においてガード歯の前方へ移動することを、第1の方向における櫛歯の並進がもたらす。
【0013】
窪みは、ガード歯を受ける及び境界を区切るのに適した任意の大きさ及び形状を持つことができる。ガード対向面は、溝を含む窪みを有することができる。溝は、長さ方向に延びる2つの側壁を持ち、その間にガード歯を受ける空間を規定する窪みとすることができる。溝は、櫛歯の長手方向に延びている。こうして、溝(特に側壁)が櫛歯の横方向の動きを制限する。
【0014】
溝は、第1の方向において長さ方向に延びている。これは、櫛歯の横方向の動きを制限する一方で、毛髪切断長を調整するための櫛歯の並進を可能にする。それは、追加的又は代替的に、ガード歯の遠位端を隠し、複数の毛髪切断長設定において、ガード歯が毛髪案内界面の一部を形成するのを防ぐのに役立つ。
【0015】
この窪みは、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるとき、遠位端の高さの少なくとも50%が、窪みにより規定された空間内に受容され、毛髪案内界面の一部を形成することが防止されるような深さを持つことができる。
【0016】
窪みは、複数の櫛歯が間隔をあけて配置される方向に沿って、横方向の広がり(例えば、その2つの側面の間)を持つことができ、その結果、ガード歯及び少なくとも1つの櫛歯が係合し、櫛歯の横方向の動きが制限される。これは、毛髪櫛の堅牢性を更に向上させることができる。なぜなら、櫛歯は横方向に撓む傾向があるからである。更に、櫛歯の横方向の動きを制限することにより、均一な本数の毛が、隣接する櫛歯の間に分配され、及び従って、切断装置の切断エッジに導かれることができる。これは、毛髪切断の仕上がりを改善することができる。
【0017】
窪みの横方向の広がりは、ガード歯の横方向の厚さに等しくすることができる。これは、櫛歯の横方向の動きをより大きな程度で制限する。
【0018】
ガード歯が離間して配置される横方向におけるガード歯の厚さは、ガード歯の遠位端に向かって先細りになっていてもよい。窪みの横方向の広がりは、窪みの底に向かって先細りになることができる。これは、櫛歯の横方向の動きをより大きな程度で制限する。
【0019】
窪みは、断面がV字プロファイルを持つ場合がある。代わりに、窪みは断面がU字プロファイルを持つ場合がある。
【0020】
毛髪櫛は、切断ヘッドと協働するよう構成されることができる。その結果、毛髪櫛が切断ヘッドに付けられるとき、ガード歯の少なくとも遠位端が、ガード対向面に対して傾斜され、ガード歯の遠位先端が窪みの方を向く。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】毛髪切断装置、特にヘアクリッパーの透視図である。
図2図1のヘアクリッパーの側面図である。
図3図1のヘアクリッパーと長さ調節可能な毛髪櫛とを有する毛髪切断システムの2つの側面表示を含む図であって、2つの表示はそれぞれ、毛髪櫛が完全に収縮した位置と完全に伸長した位置を示す、図である。
図4図3の調節可能な毛髪櫛の一部、特に可動部材の上面図である。
図5図3の毛髪切断システムの一部の簡略化された正面透視図であって、毛髪櫛の櫛歯が1本だけ示される、図である。
図6図3の毛髪切断システムの一部の断面図である。
図7】本発明の2つの代替実施形態による、図3の毛髪切断システムの表面の窪みの断面表示を概略的に示す図である。
図8】使用時における図5の毛髪切断システムの一部の簡略化された正面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、例示的な実施形態が、例示に過ぎない以下の図面を参照しながら説明される。
【0023】
図1図8を参照すると、一般に、ヘアクリッパー100の形態である毛髪切断装置と、毛髪櫛200とを有する毛髪切断システム10が示される。図は特にヘアクリッパーを示すが、本発明は、電気シェーバーのような、内側切断部材と外側ガード部材とを持つ任意の既知タイプの切断装置に、より一般的に適用可能である点を理解されたい。
【0024】
ヘアクリッパー100を単体で示す図1及び図2を参照すると、ヘアクリッパー100は、切断要素104が付けられる切断ヘッド102と、切断ヘッド102から概ね離れるように延びるハンドル部106とを持つクリッパー本体を有する。クリッパー本体は一般に、クリッパー本体の外面を形成するハウジングにより形成される。
【0025】
ハンドル部分106は、細長い把持可能な部分であり、この部分により、ユーザが使用中に手でクリッパー100を把持することができる。ハンドル部分106は、特にハンドル部分106が濡れているときに、ユーザによるクリッパー100の好適な把持を容易にするため、ゴム加工又はテクスチャ加工された表面108で部分的に覆われている。ハンドル部分106の後面には、クリッパー100の電源をオン/オフするための電源ボタン109が設けられる。
【0026】
切断ヘッド102は、ハンドル部106の端部に配置される。切断ヘッド102は、クリッパー100の切断要素104を有する。切断要素104は、切断処理を行うために静的な外側ガード部材112に対して往復運動する可動内側切断部材110を有する。静止外側切断部材とも呼ばれる外側ガード部材112は、本体114と、本体114から横並びの関係で延びる複数のガード歯116(それ自体がブレードであってもよい)とを有する。内側切断部材110は、ガード歯116と協働するよう横並びに配置される複数のブレード歯118を備える。
【0027】
図5に最も良く示されるように、ブレード歯118とガード歯116とが組み合わさって切断エッジ120を形成する(図5に破線で示される)。ブレード歯118は、切断エッジ120に平行な方向において静止ガード歯116に対して横方向に往復運動され、その結果、ブレード歯118がガード歯116を通過する際に、ガード歯116の間に位置する毛がはさみのような作用で切断される。可動内側切断部材110は、内側切断部材110に付けられる往復動機構(図示省略)に動力を与えるモータを用いて往復動されることができる。モータは、クリッパー100の本体内に含まれる充電式電池により電源供給されることができる。モータは、電源ボタン109を使って選択的にオン及びオフにされることができる。
【0028】
切断エッジ120は、切断ヘッド102の前縁を形成する。クリッパー100の切断方向xは、切断エッジ120に垂直である。ガード歯116とブレード歯118の間の隙間に毛髪が容易に入るよう、それらは、切断エッジ120の前側から切断方向xと平行に切断エッジ120に接近しなければならない点を理解されたい。従って、ヘアクリッパー100は、図5に示される切断方向xの前方に移動されるとき最も効果的に毛髪を切断する。
【0029】
図1及び図2に戻ると、切断方向xにおいて切断エッジ120の後方にある外側ガード部材112の外面124は、使用時に皮膚(図示省略)に面する。使用時、クリッパー100に櫛を付けずに近接剃りする場合、皮膚に面する外面124は一般に、ユーザの皮膚に軽く押し当てられ、クリッパー100は、ユーザの皮膚に沿って切断方向xに摺動され、その結果、切断エッジ120は、ユーザの皮膚に沿って切断方向xにおいて前進し、遭遇した任意の毛が切断される。
【0030】
図3に最もよく示されるように、システム10は櫛200も有する。櫛200は、切断要素104が効果的かつ効率的に毛を切断できるように、切断される毛を誘導して持ち上げる。
【0031】
櫛200は、第1部材202及び第2部材204を有する。第1部材202は、クリッパー100の外側ガード部材112に固定的に付けるための本体を有する。これを容易にするために、クリップ206の形をした接続部が、第1部材202の本体の後部から延びている。クリップ206は、可撓性又はバネ負荷の突出部を有し、この端部は、外側ガード部材112の後部のリップ208と係合し、第1部材202を外側ガード部材112に固定配置で保持するような形にされる。クリップ206は、外側ガード部材112に対するスナップフィット接続を形成する。クリップ206は、レバー部210を更に有し、これは、スナップフィットを解除し、第1の部材202及び従って全体的な毛髪櫛200を外側ガード部材112から取り外すために押されることができる。他の既知のタイプの接続機能も可能である。
【0032】
第2部材204は、第1部材202の本体に移動可能に接続される支持体300を有し、第1の部材202が切断ヘッド102に付けられるとき、第2部材204が第1部材202に対して、及び従って、クリッパー100の切断エッジ120に対して並進することが可能にされる。第2の部材204は、第1の部材202に対して、切断エッジ120に垂直な第1の方向212において並進するよう構成される。
【0033】
図4に最も良く示されるように、第2部材204は、支持体300の対向する側面において第1方向212に長さ方向に延びる2つの側部要素304を有するという点で、第1部材202に移動可能に接続されるよう構成される。側部要素304の間の横方向の広がりは、横方向における第1部材202の幅に実質的に等しく、その結果、第1部材202は、第1方向212において第2部材204の側部要素304の間に受け入れられ、これに沿ってスライドすることができる。第1部材202及び第2部材204は、第1部材202若しくは第2部材204に組み込まれる1つ若しくは複数のレールを介して、例えば側部要素304に沿って、又は第1方向212への相対移動を制限する他の機構を介して移動可能に接続されてもよい。第1の方向212は、切断エッジ120に垂直であり、使用時には、外側ガード部材112の外面124に平行である。
【0034】
支持体300は、複数の櫛歯302を形成するためにそこから延びる突起を持つ、実質的に連続した例えば平面状の本体である。複数の櫛歯302の各1つは、第1の方向において及び使用時には切断方向xにおいて支持体300から最も遠い櫛歯302の遠位端220まで支持体300から長手方向に延びる。櫛歯302は、横並びの関係で配置され、切断エッジ120と平行な横方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0035】
図面は、櫛歯302が実質的に連続した平面状の支持体300から延びることを示すが、これは必須ではない点を理解されたい。支持体300は例えば、後方の接続バーから切断方向xにおいて延びるストリップにより形成されてもよい。実際、毛髪櫛200は、ヘアクリッパー100の切断ヘッド102に付けるのに適しており、一般に複数の櫛歯302を規定する任意の形状又は構造を持つことができる。
【0036】
図3に最もよく示されるように、櫛歯302は一般に、切断される毛が位置する皮膚の表面に向かって、支持体300から離れ、切断エッジ120に実質的に垂直な方向に平行に延びている。櫛歯302は、切断方向x及び第1の方向212において、ガード歯116及びクリッパー100のハウジングの前方に延びている。櫛歯302の各々は、切断ヘッド102の前方の面121から約120度の鈍角で延びるガード対向面214を持つ。第1部材202に対する第2部材204の並進の間、櫛歯302のガード対向面214は、ガード歯116に沿って摺動するが、これらの間の接触は必要ではない。櫛歯302はそれぞれ、ガード対向面214に対向する皮膚接触面216を持ち、ここで、皮膚接触面216は、切断方向xに沿った切断ストロークの間、ユーザの皮膚に接触し、皮膚に沿って摺動する。
【0037】
櫛歯302は、毛髪の切断長、即ち切断後の毛髪の長さを規定するために、ユーザの皮膚と切断エッジ120との間に所定の間隔218を提供する。更に、櫛歯302は、ガード対向面214と皮膚接触面216との間の高さが、櫛歯302の遠位端220に向かって先細りになるという点で、実質的にくさび形である。従って、第1の方向212に沿った第2の部材204の並進の間、櫛歯302の遠位端220は、所定の間隔218、及び従って切断長を調整するために、皮膚表面に平行な水平方向である切断方向xにおいて、ガード歯116、及び従って切断エッジ120の前方に移動する。
【0038】
第2の部材204は、ガード歯116の遠位端が、櫛歯302の遠位領域に位置するか、又は当接する、完全に収縮された位置(図3aに示されるような)と、ガード歯116の遠位端が、第2の部材204の支持体300の近位にある櫛歯302の領域において櫛歯302に位置するか、又は当接する、完全に伸長した位置(図3b)との間で移動可能である。完全に収縮された位置では、毛髪櫛200は最も短い毛髪切断長に設定され、一方、毛髪櫛200は、完全に伸長した位置にあるとき、最も長い毛髪切断長に設定される。
【0039】
櫛歯302の遠位端220は、その前方端(即ち、切断方向xにおいて支持体300から最も遠い位置)において皮膚表面から離れて上方に湾曲し、切断方向xにおいて後方を向く後方対向面222を持つ湾曲部を規定する。後方対向面222及びガード対向面214は、図3aに示すように、櫛200が完全に収縮された位置(即ち、その最も短い毛髪切断長設定)に設定されたとき、クリッパー100の切断要素104及び切断エッジ120の周囲に延びるよう構成された不連続の肩部を規定する。
【0040】
櫛歯302の1つ(この実施形態ではそれぞれ)のガード対向面214の一部は、ガード対向面214の残りの領域から凹まされ、陥没され、又は後退され、表面の窪みが形成される。表面の窪みは、櫛歯のガード対向面214の残りの領域を含む、櫛材により囲まれた空間を規定する。この空間は、切断ヘッド102の対応するガード歯116を受け入れるのに適しており、毛髪櫛200は、切断ヘッド102と協働するよう構成され、その結果、毛髪櫛200が切断ヘッド102に付けられるとき、ガード歯116の少なくとも遠位端が、表面の窪みにより規定される空間に受容され、櫛歯302と係合する。
【0041】
本実施形態において、表面の窪みは、第2の部材204の支持体300に近接する第1の端部403と、支持体300から櫛歯302の遠位端220に近接する後方対向面222における第2の端部405との間で、櫛歯302の長手方向に延びる溝402の形態である。溝402は、切断エッジ120に垂直で、第2の部材204が第1の部材202に対して並進する第1の方向212に平行に延びる。その点で、毛髪切断長を調節するため第2の櫛部材204が第1の櫛部材202に対して並進するとき、ガード歯116は溝402内を摺動する(しかし、例えば、その内面と必ずしも接触する必要はない。)。しかしながら、他の実施形態では、溝は、櫛歯302が間隔をあけて配置される櫛歯302の横方向において長さ方向に延びていてもよい。更に、櫛歯302は、斯かる溝を2つ以上持つ場合があり、ここで、これらの溝は、第2部材204の支持体300から離れた明確な長手方向位置で、ガード対向面214上に位置し、各明確な長手方向位置は、櫛200の異なる毛髪切断長に対応する。
【0042】
本実施形態では、ガード歯116が間隔をあけて配置される横方向における1つおきのガード歯116が、櫛歯302の対応する1つの溝402に受容される。これを容易にするため、横方向に隣接する櫛歯302(及び溝402)間のピッチは、横方向において隣接するガード歯116のピッチの2倍に等しい。従って、櫛200がクリッパー100の切断ヘッド102に付けられるとき、溝402は(半分の)ガード歯116と同じ横方向位置を持つ。その結果、ガード歯116がこれらの溝402に受容される。
【0043】
ガード歯116の切断方向xにおける最前方の領域であるガード歯116の少なくとも遠位端404は、溝402に受容される。これを容易にするために、図6に最もよく示されるように、毛髪櫛200は、切断ヘッド102と協働するよう構成され、その結果、毛髪櫛200が切断ヘッド102に付けられるとき、遠位端404における外側ガード部材112の外側表面124が、ガード対向表面214に対して角度θで傾斜され、その結果、本体114に対向するガード歯116の前面406又は先端が、溝402の方を向く。櫛200が切断ヘッド102に付けられるとき、前面406が溝402の方を向くよう、櫛200の形状及びサイズが調整及び設計されることができる点を理解されたい。例えば、図3を参照すると、切断エッジ120と第1方向212とに直交する方向における厚さが、切断方向xにおいて第1部材202の最前端に向かって先細り(減少)するという点で、櫛200の第1部材202は実質的にくさび形である。しかしながら、他の実施形態では、ガード歯116の遠位端404は、実質的に平面である外側ガード部材112の本体114に対してある角度で傾斜されることができ、その結果、櫛200が切断ヘッド102に付けられるとき、前面406が溝402に面する。ガード歯116の遠位端404は、クリッパー本体から外側に向けられ得る。
【0044】
窪みにより形成された空間においてガード歯116を受けることにより、ガード歯116は、櫛歯302の動きを少なくとも部分的に制限する態様で櫛歯302と係合する。こうして、毛髪櫛200の全体的な堅牢性及び品質を高めることができ、結果的に、毛髪を一貫して均一に持ち上げ、切断要素に導く能力を高めることができる。
【0045】
代替的な溝構成a)及びb)の断面図を概略的に示す図7に最もよく示されるように、溝402は、切断ヘッドの切断エッジ120に平行な横方向において溝402の2つの横側面を形成する2つの側壁408を有する。
【0046】
ガード歯116は、溝402に係合するよう側壁408の間に規定された空間に受容される。ガード歯116は、側壁408に当接する必要はない。その結果、例えば、ガード歯116が溝402の側壁408の1つに当接し、櫛歯302の更なる横方向の動きを制限又は阻止するまで、ガード歯116と対応する櫛歯302との間のいくらかの相対移動が許容され得る。しかしながら、ある実施形態では、ガード歯116と対応する櫛溝402との間の相対的な移動は禁止され得る。櫛歯302がガード歯116に対して動くことが許される程度は、特にガード歯116の厚さに対する溝402の横方向の広がりに依存する。その点で、溝402は、ガード歯116の前面406又は先端の厚さ608に等しい(図7A)2つの側壁408の間の横方向の広がり606を持つことができ、その結果、ガード歯116が、側壁の間の空間にぴったりと受容される。溝402は、代わりに、係合状態にあるときにガード歯と側壁408との間に隙間を規定するために、ガード歯116の前面406又は先端の厚さ608よりも大きい(図7b)2つの側壁408間の横方向の広がり606を持つことができる。その場合、隙間の大きさに対応する距離だけ、即ち窪みの側面の一つがガード歯に当接して更なる動きを制限又は防止するまで、櫛歯は動くことが可能にされる。
【0047】
横方向の制限の程度は、ガード歯116の遠位端404の形状に適合する形状を持つ溝402を設けることにより増大されることができる。図7に示すような実施形態では、横方向におけるガード歯116の厚さは、ガード歯116の遠位端404に向かって先細りになり、溝402は、溝42の底に向かって先細になる横方向の広がり606を持つ。具体的には、側壁408は、図7aに示すように、断面がV字プロファイルを規定するよう、溝402の底で互いに接するように角度を付けられることができる。
【0048】
図7bに示すような代替実施形態では、溝402の底部は、側壁408とともに断面U字プロファイルを規定する基部410を有する。その場合、側壁408は、実質的に垂直であってもよいが、側壁408の1つ又は複数が垂直から外れていてもよい。図7は側壁408及び基部410が実質的に直線状(平面状)であることを示すが、これは必須ではないことを理解されたい。
【0049】
ガード歯116の遠位端404に対する溝402の大きさは、ガード歯116が溝402に受容される量を設定するように調整され得る。図7に示す実施形態では、前面406又は先端の高さ604の少なくとも50%が、溝402により規定される空間内に受容され、残りのガイド対向面214の下にあるような深さ602を、溝402は持つ(即ち、ガイド対向面214の部分が溝402の内面を形成しない)。
【0050】
ガード対向面214の外側プロファイル及び櫛歯302は共に、係合されるとき、隣接する櫛歯302の間に受け入れられた毛髪を内側切断部材110に導くための表面を有する毛髪案内界面を規定する。従って、ガイド歯116の少なくとも一部を周囲のガード対向面214の下方に効果的に陥没させることにより、その部分は外側プロファイルを規定せず、及び従って、毛髪案内界面の一部を形成することが防止される。これは、ガード歯116が、切断エッジ120に至る毛髪搬送経路において毛髪に対するより少ない障害物を提供する改良された構成を提供することができる。
【0051】
図8を参照すると、システム10が切断方向xに動かされるとき、毛髪700は、櫛200の方へ運ばれ、切断される。毛700は、皮膚の表面(図示省略)において、その根701からランダムにもつれ、及び配向される場合がある。従って、櫛歯302に隣接して位置する根701を持つ毛700が櫛200に入り、櫛歯302の異なる側に位置する根を持つ毛から分離され、もつれが解消されるとき、これらの毛700の一部は、切断方向xにおいてガード歯116の前方の位置で、落下し、ガード対向面214を横切って横たわる場合がある。その後、これらの毛700は持ち上げられ、櫛歯302の下流側の切断エッジ120に向かって誘導される。
【0052】
従来の構成では、ガード歯116は、ガード対向面214の上側領域又は最も外側の領域に横たわり、ガード対向面214を横切る毛髪と衝突し、毛髪が持ち上げられて切断エッジ120に導かれるのを防ぐことができる障壁又は段差の高さをもたらす。これは、図3bの完全に伸長された位置と同様の長い毛髪切断長設定において悪化し、このとき、第1の方向212における切断エッジ120と櫛歯302の後方対向面222との間の間隔が増加され、これにより、ガード面214のより広い領域が露出される。この問題は、隣接する櫛歯302の間に根位置を持つにもかかわらず、切断要素104により切断される毛の数を減少させる。更に、ガード歯116によりもたらされる障害を乗り越えた毛でさえも、切断領域に入る前に十分に持ち上げられない場合がある。これは、毛が段差高さを乗り越える際に、ガード歯116により切断領域から押しやられる場合があるためである。従って、斯かる構成は、不均一かつ不正確な毛髪長の仕上がり結果をもたらし、これは、髪を通るストロークに対して異なる場合がある。
【0053】
従って、少なくともガード歯116の遠位端を溝402において受けることにより、櫛200は、ガード対向面214の上側又は最も外側の領域の下にあるガード歯116の部分を隠し、結果的に、切断方向xにおいてガード歯116の前方にある位置でガード対向面214の上側又は最も外側の領域に落ちる毛700を隠す。こうして、櫛歯302のガード対向面214に落下する毛髪700は、毛髪を通る切断ストローク中にガード歯116に出会うときに、克服されるべきより小さな段差高さに遭遇する(場合によっては、段差高さが全くなくなる)。これは、ガード歯116が、切断エッジ120に至る毛髪搬送経路において毛髪に対するより少ない障害物を提供する改良された構成を提供することができる。従って、毛髪700は、切断されるために所望の方向に一貫して適切に操作され得る。
【0054】
毛髪案内界面からガード歯の一部を隠すために、ガード歯の一部が窪み内に受容される限り、上述の利点が実現され得る点を理解されたい。従って、前面406の高さの50%未満が窪みに受容され、及び従って毛髪案内界面から隠されることができる。しかしながら、ガード歯が溝内に受容されればされるほど、ガード歯が毛髪案内界面に沿って移動する毛髪に与える障害は少なくなる。
【0055】
更に、窪みは溝の形をしていると上述したが、これは必須ではない。窪みは、ガード歯を受け止め、及び境界を区切るのに適した任意の形状又は実際の大きさを持つことができる。
【0056】
更に、櫛歯302は、櫛歯302の長手方向に沿って横並び又は端と端の関係に配置された複数の窪みを持つことができ、ここで、各窪みは、第2部材204の支持体300から離れた明確な長手方向位置を持つ。例えば、各窪みは、櫛200の異なる毛髪切断長に対応する明確な長手方向の位置を持つことができる。隣接する窪みは、櫛材の隆起により長手方向において分離されてもよく、その頂部は、ガード対向面214の残りの領域と同一平面であってもよい。複数の窪みは、長手方向に交互に山及び谷を形成してもよく、各窪みは個別の谷により形成される。
【0057】
以上のような態様で、本発明は、一貫して改善された毛髪の持ち上げ及び誘導を提供し、増加された堅牢性を提供することができる。本発明が図及び説明において詳細に図示及び説明されてきたが、斯かる図示及び説明は例示的又は説明的なものに過ぎず、限定的なものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
【0058】
開示された実施形態に対する他の変形が、図、説明、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解及び実施されることができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。特許請求の範囲に記載される任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図8
【国際調査報告】