(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】吊り下げアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60M 1/22 20060101AFI20240705BHJP
H02G 7/08 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B60M1/22 D
H02G7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503438
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 IB2022056487
(87)【国際公開番号】W WO2023002309
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、サミュエル
【テーマコード(参考)】
5G367
【Fターム(参考)】
5G367GA03
5G367GB01
5G367GC02
(57)【要約】
本開示は、固定構成(102)、吊り下げアセンブリ(100)、及び方法に関する。固定構成(102)は、細長い部材(10)を吊り下げるためのものである。固定構成(102)は、細長い支持体(6)を固定するための第1の固定装置(1、34)を備える。固定構成(102)は、細長い部材(10)を固定するための第2の固定装置(30、44、70)を更に含む。第1及び第2の固定装置(1、34及び30、44、70)の各々は、主要部(2、36、111)と、主要部(2、36、111)に移動可能に取り付けられた固定部材(15、117A、117B、38、60)と、固定部材(15、117A、117B、38、60)を、解放位置から、細長い支持体(6)又は細長い部材(10)が固定部材(15、117A、117B、38、60)によって固定される固定位置に付勢するための付勢部材(21、42、64、122A、122B)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材を吊り下げるための吊り下げアセンブリにおいて使用するための固定構成であって、前記固定構成は、細長い支持体を固定するための第1の固定装置を備え、前記固定構成は、細長い部材を固定するための第2の固定装置を更に含み、前記第1の固定装置及び前記第2の固定装置の各々は、主要部と、前記主要部に移動可能に取り付けられた固定部材と、前記固定部材を、解放位置から、前記細長い支持体又は前記細長い部材が前記固定部材によって固定される固定位置に付勢するための付勢部材と、を備える、固定構成。
【請求項2】
前記吊り下げアセンブリは、ドロッパアセンブリであり、前記細長い支持体は、メッセンジャワイヤであり、前記細長い部材は、ドロッパケーブルである、請求項1に記載の固定構成。
【請求項3】
前記第1の固定装置は、前記細長い支持体を把持するように配置された把持装置を備える、請求項1又は2に記載の固定構成。
【請求項4】
前記把持装置は、前記主要部から延在するフックを有し、前記両フックは、前記主要部から反対方向に湾曲しており、間隙が、前記フック間に画定され、前記細長い支持体は、前記間隙に受容され得、前記把持装置は、前記細長い支持体が両方のフックによって受容されるように、前記間隙を中心に回動される、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項5】
前記把持装置の前記固定部材は、前記把持装置の前記主要部に枢動可能に取り付けられたカムレバーを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項6】
前記カムレバーは、前記細長い支持体に係合するためのカム面と、前記細長い支持体から前記カム面を解放するための解放部材と、を備える、請求項5に記載の固定構成。
【請求項7】
前記解放部材は、前記カムレバーのアームである、請求項6に記載の固定構成。
【請求項8】
前記把持装置は、2つの前記固定部材と、2つの前記付勢部材と、を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項9】
前記把持装置の各固定部材は、前記細長い支持体を前記フックのうちの異なる1つに押し付けるためのものである、請求項4に従属する請求項8に記載の固定構成。
【請求項10】
前記第2の固定装置は、締め付け装置を備え、前記締め付け装置は、前記細長い部材がそれを通って延在する通路を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項11】
前記締め付け装置は、前記通路のための締め付け機構を有し、前記締め付け機構は、締め付け部材を有する、請求項10に記載の固定構成。
【請求項12】
前記締め付け機構は、前記締め付け部材を、前記細長い部材が締め付けられる締め付け位置に付勢するためのばねを含む、請求項11に記載の固定構成。
【請求項13】
前記締め付け部材を前記締め付け位置に前記付勢することは、前記締め付け部材を前記通路に向かって付勢する、請求項12に記載の固定構成。
【請求項14】
前記締め付け部材は、キャリッジに取り付けられ、前記ばねは、前記キャリッジを付勢することによって、前記締め付け部材を前記締め付け位置に付勢する、請求項12又は13に記載の固定構成。
【請求項15】
係止構成は、前記締め付け部材を解放するために手で作動可能なボタンを備え、前記ボタンが解放されると、前記ばねは、前記締め付け部材を前記締め付け位置に戻す、請求項12~14のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項16】
前記締め付け機構は、前記細長い支持体と前記細長い部材との間の電力伝送を可能にするために、前記細長い部材を導電体に対して締め付けるためのものである、請求項11~15のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項17】
前記第1の固定装置及び前記第2の固定装置は、重ね配置にある、請求項11~16のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項18】
前記第1の固定装置の前記主要部は、前記締め付け装置によって共に接続された2つの側部部材を有し、前記締め付け装置は、前記側部部材の間に重ねられる、請求項17に記載の固定構成。
【請求項19】
各フックは、前記側部部材のうちの1つと一体であり、前記フックは、それぞれの対向する側部部材に向かって反対方向に湾曲している、請求項4に従属する請求項18に記載の固定構成。
【請求項20】
前記締め付け部材は、前記細長い部材の主要部分を、前記側部部材のうちの1つの内面に対して付勢するように配置され、前記側部部材のうちの前記1つは、導電体である、請求項18又は19に記載の固定構成。
【請求項21】
前記締め付け装置の本体が、前記側部部材を固定可能なシャーシである、請求項18~20のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項22】
前記固定構成は、前記細長い部材の端部領域がそれを通ってループ状にされ得る1つ以上の穴を備え、前記1つ以上の穴の方向は、前記通路に対して非平行である、請求項10~21のいずれか一項に記載の固定構成。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の固定構成と、
前記固定構成から吊り下げられた細長い部材と、
を備える吊り下げアセンブリ。
【請求項24】
前記細長い部材は、前記細長い部材を細長い接触物品に固定するための更なる固定構成まで下方に延在する主要部分を有する、請求項23に記載の吊り下げアセンブリ。
【請求項25】
細長い部材を吊り下げるための、請求項23又は24に記載の吊り下げアセンブリを使用する方法であって、前記細長い支持体に前記第1の固定装置を締結することと、前記第2の固定装置に前記細長い部材を締結することと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り下げアセンブリに関する。限定はしないが、より詳細には、本発明は、架空電気鉄道線路においてメッセンジャワイヤから接触ケーブルを吊り下げるための吊り下げアセンブリに関する。本発明の実施形態は、電気鉄道システムのための架空電線において使用するためのドロッパアセンブリ(dropper assemblies)に関する。
【背景技術】
【0002】
電化鉄道の架空線は、吊り下げアセンブリ(当該技術分野では「ドロッパ」として知られる)によって接触ケーブルに接合されたカテナリー式架線ワイヤ(当該技術分野では「メッセンジャワイヤ」として知られる)を備える。列車は、接触ケーブルから電気を収集するために、パンタグラフを使用する。ドロッパは、所定の長さの導電性のワイヤロープを備え、導電性の手動締め付け具が、ワイヤロープの両端に取り付けられている。ワイヤロープの長さは、メッセンジャワイヤの懸垂曲線の下に実質的に直線状の接触ケーブルを維持するために、ドロッパ間で変化する。所定の長さは、現場から離れて予め設定され、ワイヤロープは、手動締め付け具に取り付けられている。ドロッパは、締め付け具と、設置のために設定された長さとに依拠するので、正しい支持を得るために適所にドロッパを取り付け、従って、メッセンジャライン又は接触ラインに張力又はたるみを生じさせないようにするのには、困難が伴い得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、固定構成と、固定構成から吊り下げられた細長い部材と、を備える吊り下げアセンブリが提供され、固定構成は、細長い支持体を固定するための第1の固定装置を備え、固定構成は、細長い部材を固定するための第2の固定装置を更に含み、第1の固定装置及び第2の固定装置の各々は、主要部と、主要部に移動可能に取り付けられた固定部材と、固定部材を、解放位置から、細長い支持体又は細長い部材が固定部材によって固定される固定位置に付勢するための付勢部材と、を備える。
【0004】
本発明の別の態様によれば、上述の吊り下げアセンブリにおいて使用するための固定構成が提供され、固定構成は、細長い支持体を固定するための第1の固定装置を備え、固定構成は、細長い部材を固定するための第2の固定装置を更に含む。
【0005】
本発明の別の態様によれば、上述の吊り下げアセンブリを使用する方法が提供され、この方法は、細長い支持体に第1の固定装置を締結することと、第2の固定装置に細長い部材を締結することと、細長い支持体と細長い部材とを電気的に接触させて配置することと、を備える。
【0006】
吊り下げアセンブリは、ドロッパアセンブリを備え得る。
【0007】
第1の固定装置は、把持装置を備え得る。把持装置は、細長い支持体を把持するように配置され得る。
【0008】
把持装置は、主要部から延在するフックを有し得る。これらフックは、主要部から反対方向に湾曲し得る。間隙が、フック間に画定され得る。細長い支持体は、間隙に受容され得、把持装置は、細長い支持体が両方のフックによって受容されるように、間隙を中心に回動される。
【0009】
把持装置の固定部材は、カムレバーを備え得、これは、把持装置の主要部に枢動可能に取り付けられ得る。カムレバーは、細長い支持体をフックに押し付け得る。
【0010】
カムレバーは、細長い支持体に係合するためのカム面を備え得る。カムレバーは、カム面を細長い支持体から解放するための解放部材を更に含み得る。解放部材は、カムレバーのアームを備え得る。
【0011】
付勢部材は、弾性であり得る。付勢部材は、ばねを備え得る。ばねは、圧縮ばねであり得る。
【0012】
把持装置は、2つの固定部材と、2つの付勢部材と、を備え得る。固定部材の各々は、上述の固定部材の特徴を有し得る。付勢部材の各々は、上述の付勢部材の特徴を有し得る。
【0013】
代替として、把持装置の固定部材は、カム部材を備え得る。カム部材は、主要部に枢動可能に取り付けられ得る。カム部材は、把持装置に細長い支持体を締結するために、細長い支持体に係合するための実質的に平面の係合領域を有し得る。カム部材は、細長い支持体をフックに対して締め付け得る。カム部材は、部分的に円形であり得る。
【0014】
付勢部材は、オーバーセンターレバーを備え得る。付勢部材は、カム部材に接続され得る。カム部材は、カム部材を主要部に枢動可能に取り付けるための枢動点を有し得、枢動点は、係合領域から離れる方向にカム部材の中心からオフセットされている。
【0015】
カム部材は、把持位置と非把持位置との間で枢動可能であり得る。カム部材の枢動は、オーバーセンターレバーを動かすことによって行われ得る。把持位置では、係合領域は、細長い支持体をフックに押し付けるように、細長い支持体に係合し得る。
【0016】
カム部材は、180°にわたって枢動可能であり得るが、カム部材は、90°~180°の角度等、180°よりも大きくても小さくてもよいその他任意の好適な角度だけ枢動可能あり得ることが理解されよう。オーバーセンターレバーは、カム部材を枢動させるために、180°にわたって枢動可能であり得るが、オーバーセンターレバーは、90°~180°の角度等、180°よりも大きくても小さくてもよいその他任意の好適な角度だけ枢動可能あり得ることが理解されよう。
【0017】
第2の固定装置は、締め付け装置を備え得る。締め付け装置は、細長い部材がそれを通って延在する通路を備え得る。
【0018】
締め付け装置は、通路を画定する筐体を備え得る。締め付け装置は、通路のための締め付け機構を有し得る。締め付け機構は、固定部材を有し得、これは、締め付け部材を備え得る。締め付け機構は、ばねを含み得る。ばねは、締め付け部材を、細長い部材が締め付けられる締め付け位置に付勢し得る。締め付け部材を締め付け位置に付勢することは、締め付け部材を通路に向かって付勢し得る。
【0019】
締め付け機構は、細長い部材を導電体に対して締め付け得る。これは、細長い支持体と細長い部材との間の電力伝送を可能にし得る。
【0020】
固定構成は、細長い部材の端部領域がそれを通ってループ状にされ得る1つ以上の穴を備え得る。1つ以上の穴の方向は、通路に対して非平行であり得る。各穴は、細長い部材のそれぞれのパス(pass)を受容するように構成され得る。
【0021】
締め付け装置は、2つの通路を画定する筐体を有し得る。2つの通路は、平行であり得る。締め付け装置は、各通路に対してそれぞれの締め付け機構を有し得る。各締め付け機構は、固定部材を有し得、これは、締め付け部材を備え得る。各締め付け機構は、それぞれのばねを含み得る。各締め付け機構は、各通路においてそれぞれのばねを含み得る。各ばねは、それぞれの締め付け部材を、細長い部材が締め付けられる締め付け位置に付勢し得る。これら締め付け部材を締め付け位置に付勢することは、締め付け部材をそれぞれの通路に向かって付勢し得る。
【0022】
各通路は、細長い部材のそれぞれのパスを受容するように構成され得る。そのように受容されると、締め付け機構は、細長い部材のパスに対して動作可能であり、それによって、細長い部材を締め付け装置に固定し得る。
【0023】
細長い部材の端部領域は、細長い支持体と接触状態においてフックを通って延在して、カムレバー又はカム部材によって、互いに及びフックに対して締め付けられ得る。従って、細長い部材は、細長い支持体との電気的接触をもたらす。
【0024】
吊り下げ構成は、締め付け装置を把持装置に接続するための接続部分を備え得る。代替として、締め付け装置及び把持装置は、重ね配置(layered arrangement)にあり得る。細長い部材は、締め付け装置の通路のうちの1つにおいて締め付けられ得る。細長い部材は、上記通路から細長い支持体を横切って(across)間隙まで延在し得る。従って、細長い部材は、締め付け装置から延在して、間隙内で細長い支持体に係合し得る。細長い部材は、間隙から締め付け装置まで延在して、通路のうちの他方に受容され、その中で締め付けられ得るか、又は1つ以上の穴に受容され得る。
【0025】
締め付け装置は、細長い部材がそれを通って延在する単一の通路を画定する筐体を備え得る。締め付け装置は、通路内で細長い部材を締め付けるための締め付け機構を有し得る。締め付け機構は、締め付け部材の形態における固定部材を有し得る。締め付け部材は、キャリッジに取り付けられ得る。
【0026】
締め付け機構は、締め付け部材を締め付け位置に付勢するためのばねを更に含み得る。ばねは、キャリッジを付勢することによって、締め付け部材を締め付け位置に付勢し得る。
【0027】
締め付け機構は、締め付け部材の形態における対向して配置された2つの固定部材を有し得る。これら締め付け部材は、キャリッジに取り付けられ得る。
【0028】
締め付け機構は、これら締め付け部材を締め付け位置に付勢するためのばねを更に含み得る。ばねは、キャリッジを付勢することによって、これら締め付け部材を締め付け位置に付勢し得る。
【0029】
吊り下げ構成は、把持装置を締め付け装置に接続するための接続部分を備え得る。細長い部材は、締め付け装置を通して挿入され得る。細長い部材の端部領域は、締め付け装置から把持装置まで延在するように配置され得る。代替として、締め付け装置及び把持装置は、重ね配置にあり得る。細長い部材の端部領域は、把持装置のフックを通して受容され得る。
【0030】
細長い部材の端部領域と細長い支持体とは、カムレバー又はカム部材によって、互いに及びフックに対して締め付けられ得る。
【0031】
締め付け装置は、締め付け部材を締め付け位置に係止するための係止構成を有し得る。
【0032】
係止構成は、締め付け部材と係合し、締め付け部材をそれらの締め付け位置に係止するために、筐体に螺入され得るねじを備え得る。締め付け装置が2つの締め付け機構を有する場合、各締め付け機構は、係止構成のそれぞれ1つを備え得る。
【0033】
係止構成は、キャリッジ上にねじ部材を備え得る。ねじ部材は、主要部から突出し得る。係止構成は、係止部材を含み得、これは、細長い部材との締め付け係合において締め付け部材を係止するために、ねじ部材上に螺合され得る。
【0034】
代替として、係止構成は、締め付け部材を解放するために手で作動可能なボタンを備え得る。ボタンは、押しボタンであり得る。ボタンが解放されると、ばねは、締め付け部材を締め付け位置に戻し得る。
【0035】
代替として、係止構成は、カム係止部材を備え得る。カム係止部材は、非係止位置と係止位置との間で回動可能であり得る。
【0036】
カム係止部材は、通路間に保持され得る。カム係止部材は、締め付け壁内の保持部内に保持され得る。
【0037】
非係止位置では、実質的に平坦な面は、締め付け壁のそれぞれの表面と位置合わせされ得る。係止位置では、カム面は、通路内に突出し得る。
【0038】
カム係止部材は、主カム部分と、主カム部分上の操作部(operating portion)と、を備え得る。主カム部分は、締め付け壁によって画定された開口内に保持され得る。操作部は、筐体の外側に配置され得るか、又は筐体の外側に面し得る。従って、操作部は、ユーザによって回動され得る。
【0039】
主カム部分は、2つの対向する実質的に平坦な面と、2つの対向するカム面と、を備え得る。平坦な面とカム面とは、主カム部分上に交互に配置され得る。カム面は、凸状に湾曲した面であり得る。
【0040】
使用中、2つのパスは、カム係止部材が非係止位置にある状態で、最初に締め付け部材によって締め付けられ得る。カム係止部材は、係止位置まで回動され得る。係止位置では、カム面は、パスを締め付け部材に対して係止するために、パスをそれぞれの締め付け部材に押し付け得る。
【0041】
細長い部材は、細長い部材を細長い接触物品に固定するための更なる固定構成まで下方に延在する主要部分を有し得る。更なる固定構成は、更なる第1及び第2の固定装置を備え得る。第1の固定装置は、更なる把持装置を備え得る。第2の固定装置は、更なる締め付け装置を備え得る。更なる把持装置は、上述の把持装置と同じであり得る。更なる締め付け装置は、上述の締め付け装置と同じであり得る。
【0042】
次に、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、吊り下げアセンブリにおいて使用するための把持装置の一方の側からの等角図である。
【
図2】
図2は、把持装置の他方の側の立面図である。
【
図5】
図5は、
図2中の矢印A又は矢印Bの方向から見た把持装置の立面図である。
【
図7】
図7は、
図5に対応するが、装置の主要部から内部構成要素が省略されている。
【
図9】
図9は、組み立て前の内部構成要素の等角図である。
【
図10】
図10は、
図9に対応するが、内部構成要素によって形成されたサブアセンブリを示す。
【
図11】
図11は、主要部への挿入の準備ができている状態に反転及び配置されたサブアセンブリを示す等角図である。
【
図12】
図12は、細長い支持体(ワイヤ若しくはケーブルのカテナリー式架線、又はロッド)への装置の適用における段階を示す部分斜視図である。
【
図13】
図13は、細長い支持体(ワイヤ若しくはケーブルのカテナリー式架線、又はロッド)への装置の適用における段階を示す部分斜視図である。
【
図14】
図14は、細長い支持体(ワイヤ若しくはケーブルのカテナリー式架線、又はロッド)への装置の適用における段階を示す部分斜視図である。
【
図15】
図15は、細長い支持体(ワイヤ若しくはケーブルのカテナリー式架線、又はロッド)への装置の適用における段階を示す部分斜視図である。
【
図16】
図16は、細長い支持体(ワイヤ若しくはケーブルのカテナリー式架線、又はロッド)への装置の適用における段階を示す部分斜視図である。
【
図17】
図17は、
図8と同様の断面図であるが、細長い支持体と係合した完全な装置を通る断面図である。
【
図18】
図18は、吊り下げアセンブリにおいて使用するための把持装置を示す正面図であり、ここで、把持装置は、細長い支持体を把持する。
【
図19】
図19は、
図18に示された把持装置と、細長い部材を締め付けるための締め付け装置と、を備える吊り下げアセンブリの正面図である。
【
図21】
図21は、締め付け装置に取り付けられた、
図18に示された把持装置を備える別の吊り下げアセンブリの正面図であり、ここで、細長い部材は、細長い支持体に係合して示されている。
【
図22】
図22は、把持部材が把持位置において示されている別の把持装置の正面図である。
【
図23】
図23は、
図22に示された把持装置の正面図であり、ここで、把持部材は、解放位置において示されている。
【
図24】
図24は、
図22に示された把持装置を組み込み、締め付け装置を更に備える吊り下げアセンブリの正面図であり、ここで、細長い部材が、細長い支持体と接触して示されている。
【
図25】
図25は、締め付け装置に取り付けられた、
図22に示された把持装置を備える別の吊り下げアセンブリの正面図であり、ここで、細長い部材が、細長い支持体と接触して示されている。
【
図26】
図26は、
図25に示された吊り下げアセンブリにおいて使用するための締め付け装置の断面図である。
【
図27】
図27は、非係止位置にあるカム係止部材を示す、更なる締め付け装置の断面図である。
【
図30】
図30は、一体化された把持装置及び締め付け装置の正面斜視図である。
【
図31】
図31は、側部部材を取り外した状態の、一体化された把持装置及び締め付け装置の正面斜視図である。
【
図32】
図32は、一体化された把持装置及び締め付け装置の側断面図である。
【
図33】
図33は、一体化された把持装置及び締め付け装置の背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面は、鉄道線路用の架空電気ケーブルにおいて使用するためのドロッパアセンブリの形態における吊り下げアセンブリ100を示す。吊り下げアセンブリは、電流が流れる導電性の細長い支持体6と、接触ケーブルの形態における導電性の細長い接触物品との間に電気的に接続された導電性の細長い部材10を提供する。
【0045】
吊り下げアセンブリ100は、固定構成102と、細長い部材10と、を備える。固定構成102は、細長い支持体6及び細長い部材10を締め付ける。固定構成102は、把持装置1又は34と、締め付け装置30又は44と、を備える。
【0046】
図1~
図11は、把持装置1を示し、これは、本体の形態における主要部2を有する。主要部2は、一方の端部5に隣接する一体的な中間壁4によって互いに接続された、2つの離間した板状の側部部材3を有し、それによって、筐体を形成している。
【0047】
端部5は、装置が細長い支持体6上で使用されているときは、下端部である。細長い支持体6は、カテナリー式架線(ワイヤ又はケーブル)によって形成されたメッセンジャワイヤの形態である。
【0048】
把持装置1は、側部部材における穴7で構成された、下端部5における手段を更に含み、細長い部材10が、穴を通る圧延鋼ピン9から吊り下げられることを可能にする。細長い部材10のループ状の部分が、中間壁4の下で側部部材3の下端部間に形成されたスロット11に受容され得る。そのように受容されると、細長い部材10のループ状の部分は、ピン9と係合し、それによって、細長い部材10を把持装置1から吊り下げる。
【0049】
2つのフック12が、各側部部材3につき1つずつ一体に形成され、それぞれの対向する側部部材に向かって反対方向に湾曲し、それらの間に上向きの横方向の間隙13を画定し、間隙13の幅及び各フック12の自由端14のそれぞれの対向する側部部材3からの間隔は、装置が適用されることになる細長い支持体6の直径以上である。
【0050】
カムレバー15の形態における2つの固定部材が、側部部材3における穴17間のそれぞれの圧延鋼ピン16に枢着され、リブ付きカム面19を有する上部アーム18が、それぞれのフック12に向けられており、下部アーム20が、互いに離れる方に且つ下端部5に隣接する主要部2から外に突出しており、主要部2内のばね手段21が、下部アーム20を離すように付勢し、カム面19をそれらのそれぞれのフック12に向けて付勢する。
【0051】
フック12は、それぞれの側部部材3の外面からそれらの周りに延在し且つ間隙13から離れる方の側部部材の縁部にあるリブ又はフランジ22によって強化されている。
【0052】
特に
図9~
図11を参照すると、カムレバー15は、枢動ピン16のための穴23を有し、下部アーム20は、上部アーム18と主要部2の隣接する側部部材3との間にばね手段21を収容するための余地を与えるために、上部アーム18よりも厚い。カムレバー15は、技術が必要ない(not to be handed)ように、中央平面に関して対称である。
【0053】
ばね手段21は、一体ループ25から、カムレバー15におけるそれぞれのスロット27に押し嵌めされる係留リム26まで、それぞれの枢動ピン16上を通過する2つのねじりループ24を備えて形成されており、これにより、
図9及び
図10によって例示されるように、カムレバー15及びばね手段は、事前に組み立てられ得る。
【0054】
図11において、カムレバー15及びばね手段のサブアセンブリが、反転後、且つ、平行な矢印の対によって示されるように、主要部2における所定の位置へと押し込まれる準備ができている状態で示されており、カムレバー15は、中間壁4の各側に1つずつ、側部部材3の間に形成された空洞内へと通っていき、次いで、一体ループ25は、主要部2の下端部の一対の溝28の一方にスナップ嵌めされ(これは、技術が必要ないように中央平面に関して対称であり)、カムレバー15は、枢動ピン16を挿入することによって固定されて、
図1に示されるような装置が完成する。
【0055】
把持装置1は、以下のステップを実行することによって、細長い支持体6に締結される:
図12に示されるように、間隙13を細長い支持体6に呈する(presenting)ステップと、カムレバー15を揺動させ、ばね手段21の付勢に抗してフック12から離れるようにカム面19を移動させるために、
図13に示されるように、一方の手の指と親指との間で下部アーム20を把持するステップと、間隙の各側の細長い支持体6が、それぞれのフック12の自由端14とカム面19との間に通り、装置を
図15に示す位置にもっていくために、
図14中の曲線矢印によって示されるように、間隙の中央及び装置の下端部5の中心を通る軸(図示せず)を中心に装置を回動させるステップと、次いで、ばね手段21が、下部アームを離すように付勢し、カムレバー15を揺動させて、カム面19が細長い支持体6をそれらのそれぞれのフック12に対して付勢するようにすることを可能にするために、下部アーム20に対する把持を解放するステップ。
【0056】
細長い支持体6に沿った把持装置1の位置の調整は、下部アーム20を再び把持してカム面19を解放し、装置を細長い支持体6に沿ってその所要の位置まで摺動させ、次いで、下部アームに対する把持を解放して、カム面19が細長い支持体6をフック12に対して付勢することを再び可能にすることによって行われ得る。
【0057】
図18は、吊り下げアセンブリ100において使用するための把持装置1を示す。吊り下げアセンブリ100の上部領域が、
図18及び
図19に示されている。吊り下げアセンブリ100の下部領域は示されていないが、当業者であれば、それが、把持装置1が下端部において導電性の細長い接触ケーブルに固定されている、図面において示されている上部領域と同じであることが理解されよう。
図18~
図24に示される実施形態では、細長い接触ケーブルは、下を走行する列車のパンタグラフによって係合されるように配置されている。
【0058】
上述の方法で細長い支持体6に締結された把持装置1が、
図18に示されている。把持装置1の対向する湾曲フック12の特徴は、架空電気ケーブル装置の分解のいかなる必要性もなしに、把持装置1が、既に設置された細長い支持体6に締結されることを可能にする。
【0059】
図19は、細長い支持体6に固定された把持装置1を示しており、ドロッパケーブルの形態における細長い部材10が、そこから吊り下げられている。細長い部材10は、電気を細長い支持体6から細長い接触ケーブルへ通すことを可能にするように導電性である。細長い部材10は、導電性のワイヤロープを備える。
【0060】
図19に示されるように、細長い部材10は、ピン9によって、把持装置1から吊り下げられている。細長い部材10は、細長い部材10の2つのパス10A、10Bがそれを通って延在する締め付け装置30によって、
図19に示される吊り下げ位置に締め付けられている。好適な締め付け装置30の例が、GB2415012Aに開示されている。
【0061】
図20を参照すると、締め付け装置30は、締め付け壁114によって分離された2つの貫通路112A、112Bを画定する筐体111を有する。パス10A、10Bの各々は、通路112A、112Bのそれぞれの1つに受容される。
【0062】
それぞれの締め付け機構115A、115Bが、各通路112A、112Bについて設けられている。各締め付け機構115A、115Bは、締め付け壁114に対してパス10A又は10Bを締め付けするための締め付け部材117A、117Bを備える固定部材を有する。締め付け部材117A、117Bの各々は、楔の形態である。
【0063】
各締め付け機構115A、115Bは、締め付け壁の反対側に配置されたそれぞれの反力壁116A、116Bに沿って延在する。反力壁116A、116Bの各々は、締め付け壁114に向かって収束する。各締め付け機構115Aは、締め付け部材をチャネルに沿って通路に向かって付勢するためのばね122A、122Bを更に含む。ばね122A、122Bの各々は、コイル圧縮ばねの形態である。
【0064】
各締め付け機構115A、115Bは、筐体111の両端部において配置された当接部118A、118Bを更に含み、これに対して、ばね122A、122Bは、ばね122A、122Bが締め付け部材117A、117Bを付勢して、細長い部材10のパス10A、10Bと係合させることを可能にするために、ばね122A、122Bについての反力を与える。
【0065】
各締め付け機構115A、115Bは、細長い部材10のパス10A、10Bとの締め付け係合において、締め付け部材117A、117Bを係止するための係止構成を更に含む。
【0066】
係止構成は、当接部118A、118Bによって画定されたそれぞれの穴119A、119Bを備える。係止構成はまた、各穴119A、119Bを通って且つばね122A、122Bのコイルを通って延在するそれぞれのねじ120A、120Bを含む。
【0067】
ねじ120A、120Bの各々は、頭部121A、121Bを備える近位端と、筐体内の遠位端128A、128Bと、を有する。各ねじ120A、120Bの遠位端128A、128Bは、それぞれの締め付け部材117A、117Bと係合して、締め付け部材117A、117Bをそれぞれのパス10A、10Bと締め付け係合において係止し得る。
【0068】
示される実施形態では、近位端121A、121Bには、ねじ120A、120Bの回転をもたらすための六角頭部が設けられている。代替として、頭部121A、121Bは、好適なねじ回しを受容するためのスロット付き凹部若しくは十字形凹部、又は好適な六角キーを受容するための六角凹部を画定し得る。
【0069】
細長い部材10のパス10A、10Bが通路112A、112Bに受容されると、各締め付け部材117A、117Bは、それぞれのばね122A、122Bによって付勢されて、細長い部材10のパス10A、10Bと係合する。
【0070】
次いで、パス10A、10Bは、締め付け部材117A、117Bを締め付け壁114と反力壁116A、116Bとの間の狭まった空間内に引き込む方向に引っ張られ得る。これは、締め付け部材117A、117B及び細長い部材10のパス10A、10Bが、反力壁116A、116Bと締め付け壁114との間に緊密に締め付けられるという効果を有する。
【0071】
そのように締め付けられると、締め付け部材117A、117Bは、ねじ120A、120Bが締め付け部材117A、117Bと係合するまで、ねじ120A、120Bを穴119A、119Bに螺入することによって、所定の位置に係止され得る。
【0072】
使用中、細長い部材10は、
図19、
図20、
図21、及び
図24中の矢印A及びBによって示される方向において、それぞれの通路112A、112Bに挿入され、次いで、締め付け部材117A、117Bを、細長い部材10のパス10A、10Bとの緊密な締め付け係合状態に移動させるために、反対方向に引っ張られる。
【0073】
従って、各通路112A、112Bは、細長い部材10のパス10A、10Bのそれぞれ1つを受容するように構成される。そのように受容されると、締め付け機構は、細長い部材10のパス10A、10Bに対して動作可能になる。
【0074】
細長い部材10と細長い支持体6との間に電気的接続を提供するために、細長い部材10は、端部領域10Cが締め付け装置30から把持装置1まで延在するのに十分な長さになるように、締め付け装置30に対して調整される。示されるように、端部領域10Cは、細長い支持体6と接触した状態でフック12を通って延在する。
【0075】
細長い部材10の端部領域10Cと細長い支持体6とは、上部アーム18のカム面19によって、互いに及びフック12に対して締め付けられる。これにより、細長い支持体6と細長い部材10との間に電気的接続が形成される。
【0076】
細長い部材10は、更なる締め付け装置30及び更なる把持装置1まで下方に延在する主要部分10Dを有する。更なる締め付け装置30及び把持装置1は、細長い部材10を細長い接触ケーブルに締結し、把持装置1及び締め付け装置30と同じである。
【0077】
図21において、締め付け装置30は、接続部分32によって、把持装置1に接続されている。細長い部材10は、通路112A、112Bのうちの一方において締め付けられ、そこから、細長い支持体6が間隙13を通って延在する接触領域10Eにおいて、細長い支持体6を横切って延在する。細長い部材10は、細長い支持体6から締め付け装置30に戻るように延在し、通路112A、112Bの他方に受容されて、その中で締め付けられる。
【0078】
両方の通路112A、112Bにおいて細長い部材10を締め付けることによって、接続部分32は、締め付け装置30が、細長い部材10の領域10Eにおいて、細長い部材10を細長い支持体6に対して緊密に保持することを可能にする。その結果、電気的接続が、細長い支持体6と細長い部材10との間に形成される。
【0079】
図22及び
図23は、全体的に示された更なる把持装置34を備える別の実施形態を示す。把持装置34は、本体の形態における主要部36を備える。主要部36は、その上にフック12を有する。把持装置34のフック12は、把持装置1のフック12と同じであり、細長い支持体6と係合するように反対方向に湾曲している(curve over)。
【0080】
2つのカムレバー15の代わりに、更なる把持装置34は、カム部材38の形態における単一の固定部材を含む。カム部材38は、主要部36に枢動可能に取り付けられている。カム部材38は、部分的に円形であり、細長い支持体6に係合するための実質的に平面の係合領域40を有する。細長い支持体6がそのように係合されると、カム部材38は、細長い支持体6を把持装置34に締結する。
【0081】
オーバーセンターレバー42の形態における付勢部材が、カム部材38に接続されている。カム部材38は、係合領域40から離れる方向にカム部材38の中心からオフセットされた枢動点44において、把持装置34の主要部36に枢動可能に取り付けられている。従って、枢動点44からカム部材38の係合領域40までの距離は、枢動点44から係合領域40とは反対側のカム部材38の領域までの距離より大きい。
【0082】
カム部材38は、
図22に示される把持位置と、
図23に示される非把持位置との間で、180°にわたって枢動可能である。カム部材38の枢動は、オーバーセンターレバー42を180°にわたって移動させることによって行われる。把持位置では、係合領域40は、細長い支持体6に係合して、細長い支持体6をフック12に押し付け、それによって、把持装置34を細長い支持体6に締結している。
【0083】
非把持位置では、係合領域40は、細長い支持体6から係合解除されて、把持装置34が、細長い支持体6に沿って移動されるか、又はそこから取り外されることを可能にする。
【0084】
図24は、細長い支持体6に固定された把持装置34を示しており、細長い部材10が、そこから吊り下げられている。
【0085】
細長い部材10は、主要部36をその下端部において通って延在し、把持装置34から吊り下げられている。細長い部材10は、
図19を参照して上述したのと同じように、締め付け装置30によって、その吊り下げ位置に固定される。
【0086】
端部領域10Cは、締め付け装置30から把持装置34まで延在し、細長い支持体6と接触した状態でフック12を通って延在する。
【0087】
細長い部材10の端部領域10Cと、細長い支持体6とは、カム部材38が把持位置にあるときに、カム部材38によって、互いに及びフック12に対して締め付けられる。これにより、細長い支持体6と細長い部材10との間に電気的接続が形成される。
【0088】
締め付け装置30から分離した把持装置1を示す
図21と同様に、締め付け装置30は、把持装置34から分離して
図24に示されている。必要に応じて、把持装置34は、
図21に示された接続部分32と同様の接続部分32によって、締め付け装置30に接続され得る。把持装置34を締め付け装置30に接続するためのそのような接続部分32を用いて、細長い部材10は、
図21に示されたのと同じように、細長い部材10と接触して配置され得る。
【0089】
図25は、全体として44で示される締め付け装置が設けられた、更なる吊り下げアセンブリ100を示す。締め付け装置44は、
図26により詳細に示されており、本体45を通る単一の通路54を備える。細長い部材10は、通路54を通って延在する。締め付け装置44はまた、通路54内で細長い部材10を締め付けるための締め付け機構56も有する。締め付け機構56は、対向して配置された2つの固定部材を有し、これは、締め付け部材60を備える。締め付け部材は、楔の形態である。
【0090】
締め付け部材60は、キャリッジ62に取り付けられている。ばね構成64が、キャリッジ62を、矢印Dによって示される方向に締め付け位置まで付勢する。このような好適な締め付け装置44の例が、GB2560418に開示されている。
【0091】
把持装置34は、接続部分46によって、締め付け装置44に接続されている。細長い部材10は、締め付け装置44を通して、矢印Cによって示される方向に挿入される。次いで、細長い部材10の端部領域10Cは、締め付け装置44から把持装置34まで、細長い支持体6と接触した状態でフック12を通って延在するように配置され得る。
【0092】
次いで、細長い部材10の端部領域10Cと、細長い支持体6とは、カム部材38が把持位置にあるとき、カム部材38によって、互いに及びフック12に対して締め付けられる。これにより、細長い支持体6と細長い部材10との間に電気的接続が形成される。
【0093】
図25は、把持装置34に接続された締め付け装置44を示す。代替として、吊り下げアセンブリ100は、接続部分32によって締め付け装置44に接続された把持装置1を備え得る。
【0094】
締め付け装置44は、キャリッジ62上にねじ部材48の形態における係止構成を有する。ねじ部材48は、本体45から突出している。係止部材50が、ねじ部材48に螺合されて、締め付け部材60を、細長い部材10との締め付け係合において締め付け位置に係止し得る。
【0095】
他の実施形態では、端部領域10Cは、把持装置1又は把持装置34の筐体に取り付けられ、重力によって細長い支持体6に対して保持され得る。代替として、細長い部材10の端部領域10Cは、筐体に電気的に取り付けられ得、それによって、把持装置1又は把持装置34が作製されている部品の導電性が、細長い支持体6と細長い部材10との間の電気的接続を提供する。
【0096】
従って、細長い支持体6に沿って容易に調整可能な吊り下げアセンブリ100が説明される。吊り下げアセンブリ100は、既存の架空電線に後付けされ得、また、建設中の電線において使用され得る。把持装置1及び把持装置34によって、細長い支持体6に沿って調整可能であることに加えて、細長い部材10は、締め付け装置30又は締め付け装置44に対して調整され得る。
【0097】
上述の吊り下げアセンブリ100の実施形態は、架空電線を設置又は修理する時間が大幅に低減されるという更なる利点を提供する。
【0098】
フック12を設けることは、吊り下げアセンブリ100が、一旦フック12が細長い支持体6に取り付けられると、たとえユーザが吊り下げアセンブリ100から手を放したとしても、落とすことができないという点で、フェイルセーフシステムを提供することを意味する。
【0099】
最小限の数の工具が、吊り下げアセンブリ100を設置するために必要となる。従って、ユーザが正しい工具を持ってくるのを忘れたり、誤った工具を選択したりするリスクが低減される。
【0100】
吊り下げアセンブリ100を設置する作業の多くは、高所で行われる。本発明は、高所で費やされる時間を低減し、これは、健康及び安全上の利益を提供する。
【0101】
カム及びカムレバー15は、細長い支持体6及び接触ケーブルに対してしっかりとした把持を提供し、それによって、吊り下げアセンブリ100が接触ケーブル若しくは細長い支持体6のいずれか、又は両方に沿って移動するリスクを低減する。
【0102】
吊り下げアセンブリ100が電流を途切れることなく流すことができることが重要である。上述の実施形態は、細長い部材10が、細長い支持体6及び接触ケーブルと接触していること、又は筐体にしっかりと取り付けられていることを確実にする。
【0103】
ドロッパの長さは、細長い支持体6と接触ケーブルとの間の正しい距離を維持するように予め決定される。これが調整可能でない場合、ドロップ長(drop lengths)の計画及び配置は困難になり、時間がかかる。上述の吊り下げアセンブリ100を設けることは、所望の調整機能を提供する。
【0104】
加えて、締め付け機構115A、115B、56を係止する能力は、細長い部材10に対する列車からの上向きの力が、ケーブルを締め付けて、その長さを変化させるようには作用しないことを意味する。
【0105】
様々な修正が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。例えば、オーバーセンターレバー42及びカム部材38は、180°よりも大きい又は小さい角度によって枢動可能であり得る。
【0106】
別の修正では、係止構成は、GB2492621に開示され、
図27~
図29に示されるような、カム係止構成を備える。
【0107】
カム係止構成は、上述し
図20に示された締め付け装置30と同様の締め付け装置70において設けられている。締め付け装置70は、締め付け装置30の特徴の多くを有し、これらは、
図20に示された対応する特徴と同じ参照番号で示されている。
【0108】
締め付け装置70は、締め付け壁114の幅がより広く、その中にカム係止部材72を保持しているという点で、締め付け装置30と異なる。カム係止部材72は、主カム部分74と、主カム部分上の操作部76と、を備える。
【0109】
カム係止部材72の主カム部分74は、締め付け壁114における開口78内に保持される。操作部76は、筐体111の外側に配置されており、これにより、操作部76は、例えば、六角キー又はスパナを用いて、ユーザによって回動され得る。
【0110】
主カム部分74は、2つの対向する実質的に平坦な面80と、2つの対向するカム面82と、を備え、これらは、主カム部分74上に交互に配置されている。カム面82は、凸状に湾曲した面である。
【0111】
カム係止部材72は、
図27に示される非係止位置と、
図28に示される係止位置との間で回動可能である。非係止位置では、実質的に平坦な面80は、締め付け壁114のそれぞれの表面と位置合わせされている。係止位置では、カム面82は、通路112A、112B内に突出する。
【0112】
使用中、2つのパス10A、10Bは、カム係止部材72が非係止位置にある状態で、最初に締め付け部材117A、117Bによって締め付けられている。次いで、カム係止部材72は、係止位置まで回動される。係止位置では、カム面82は、通路112A、112Bにおいてパス10A、10Bを係止するために、パス10A、10Bをそれぞれの締め付け部材117A、117Bに押し付ける。
【0113】
図30~
図33は、一体化された把持装置1及び締め付け装置44を備える更なる固定構成102を例示する。先の図では、把持装置及び締め付け装置は、別個の非接続部品であるか、又は接続部分46によって直列に接続されている。対照的に、例示される一体化された把持装置1及び締め付け装置44は、重ね配置にある。それらは、各々が機能するために、互いに共通の部分を共有し得る。
【0114】
利点は、調整可能な手段によって細長い支持体6を把持し、調整可能な手段によって細長い部材10を締め付ける、単一のユニットである。
【0115】
把持装置1は、
図1~
図21に示されたものと機能的に同様であり得る。締め付け装置44は、
図25及び
図26に示されたものと機能的に同様であり得る。
【0116】
締め付け装置44は、
図6~
図8の中間壁4に取って代わる。主要部2は、側部部材3の間に重ねられる締め付け装置44によって互いに接続された2つの離間した板状の側部部材3を有する。
【0117】
締め付け装置44の本体45は、通路54を画定し、締め付け機構56を収容する筐体であることに加えて、把持装置1の側部部材3のための担体である。締め付け装置44の本体45は、側部部材3がそれに対して固定され得るシャーシである。
【0118】
側部部材3は、締め付け装置44の第1の側面に固定された第1の側部部材3Aと、締め付け装置44の第2の反対側の側面に固定された第2の側部部材3Bと、を含む。
【0119】
ピン16が、側部部材3と締め付け装置44の本体45とを共に固定し得る。ピン16は、ボルトであり得る。ピン16は、ねじ山付きであり得る。ピン16は、六角ソケット又はスロット等のツールヘッドを備え得る。
【0120】
第1のタイプの接続は、側部部材3Bにおける穴を通り、締め付け装置44の本体45の位置合わせされた穴を通り、反対側の側部部材3Aにおけるねじ穴と螺合係合するように延在するピン16を備える。ピン16は、締め付け装置44の本体45に対して両方の側部部材3を押し付けるように締められ得る。
【0121】
第2のタイプの接続は、第2の側部部材3Bにおける穴を通って、締め付け装置44の本体45におけるねじ穴と螺合係合するように延在するピン16を備える。ピン16は、締め付け装置44の本体45に対して第2の側部部材3Bを押し付けるように締められ得る。
【0122】
ピン16の数に関して、各側部部材3は、締め付け装置44の本体45を通る少なくとも3つの係合点を有し得る。少なくとも3つの係合点は、側部部材3が適切に固定されることを確実にする。
【0123】
少なくとも3つのピン16の第1のサブセットが、第1のタイプの接続を利用し得る。少なくとも3つのピン16の第2のサブセットが、第2のタイプの接続を利用し得る。
【0124】
図30に示されるように、第2の側部部材3Bは、4つのピン16によって、締め付け装置44に対して固定され得る。4つのピン16は、第2の側部部材3Bの4つの角において位置し得る。上側の2つのピン16は、側部部材3A、3Bを互いに接続するために、第1のタイプの接続を利用し得る。下側の2つのピン16は、第2の側部部材3Bを本体45に接続するために、第2のタイプの接続を利用し得る。従って、第1の側部部材3Aは、第1の側部部材3Aを貫通するピンが2つしかないので、第3の係合点を必要とする。
図33に示されるように、プラグ-ソケット構成90が、第3の係合点を提供し得る。締め付け装置44の本体45がプラグを備え得、第1の側部部材3Aがソケットを備え得るか、又はその逆もあり得る。
【0125】
効率的な製造方法の一例では、把持装置1及び締め付け装置44の個々の構成要素3A、45、56、3Bは、重ね配置において治具上に置かれ得、次いで、ピン16が側部部材3及び締め付け装置44を通って、締められ得る。
【0126】
図31は、締め付け装置44の内部構成要素が見えるように、第2の側部部材3Bの取り付け前の締め付け装置44を例示する。
図32は、締め付け装置44の内部構成要素が横から見えるように、側断面図において締め付け装置44を例示する。次に、締め付け装置44の内部構成要素について説明する。
【0127】
図31及び
図32中の締め付け機構56は、
図26に示された締め付け機構56とは異なり得る。例えば、
図31及び
図32の締め付け機構56は、2つの締め付け部材60ではなく、1つの締め付け部材60を備える。これは、締め付け力を低減させない。
【0128】
更に、締め付け機構56は、細長い部材10を導電体に対して締め付け得る。締め付け部材60は、締め付け装置44の本体45の反力壁116Aと、把持装置1の第2の側部部材3Bの導電性の締め付け壁114との間の通路54内に、細長い部材10の主要部分10Dを楔止めにする(wedges)。この構成は、両方の壁114、116Aが締め付け装置44の本体45の一部であるのではなく、一方の壁114が把持装置1の側部部材3Bの一部であるので、先の例とは異なる。
【0129】
従って、締め付け部材60は、細長い部材10の主要部分10Dを、第2の側部部材3Bの内面(締め付け壁114)に対して付勢する。第2の側部部材3Bは、銅などの導電性の材料を備える導電体であり得る。
【0130】
電流は、細長い支持体6から、第2の側部部材3Bのフック12を介して、第2の側部部材3Bに伝送され、次いで、細長い部材10が第2の側部部材3Bに対して締め付けられているので、第2の側部部材3Bから細長い部材10に伝送される。
【0131】
これは、電力を伝送するために、
図24~
図25に示されたように、細長い部材10の端部が細長い支持体6と直接接触する必要がもはやないことを意味する。加えて、締め付け力は、強固(strong)で信頼性の高い電気インターフェースを維持するのに役立つ。
図24及び
図25からのアプローチは、第2の電気接続として使用され続け得ることが理解されるであろう。
【0132】
図30に示されるように、第2の側部部材3Bは、第2の側部部材3Bのフック12から下方に延在する細長い壁3Cを備え得る。細長い壁3Cは、通路54に平行であり得る。通路54に面した細長い壁3Cの側は、締め付け壁114を備える。
【0133】
例示される第1の側部部材3Aは、第1の側部部材3Aがそれに固定される締め付け装置44の側に締め付け機構56がないので、対応する細長い壁3Cを有していない。しかしながら、別の実施形態では、第1の側部部材3Aは、締め付け装置44の第2の締め付け機構56のための第2の締め付け壁114を提供するために、細長い壁3Aを備え得る。
【0134】
図31及び
図32に示される締め付け機構56の別のオプションの相違点は、係止構成である。キャリッジ62の下端部における外部係止部材50は、押しボタン92に置き換えられ得る。押しボタン92は、キャリッジ62に対して締め付け装置44の本体45に向かって上方に押し上げられ得る。これは、締め付け部材60を、通路54から離れる方に摺動させ、締め付け力を解放する。
【0135】
図31及び
図32に示される締め付け機構56の別のオプションの相違点は、押しボタン92をねじ部材48に固定する代わりに、押しボタン92が、キャリッジ62の下端部にスナップ嵌めされ得ることである。
【0136】
図31及び
図32に示される締め付け機構56の別のオプションの相違点は、ばね構成64が、本体45の内部ではなく外部にあり得ることである。ばね構成64は、押しボタン92上に着座され得る。ばね構成64は、押しボタン92と、締め付け装置44の本体45との間で押縮され得る。ばね構成64は、押しボタン92が接続されたキャリッジ62を締め付け位置に付勢する。
【0137】
ばね構成64は、コイルばねを備え得る。ばね構成64は、列車の通過の結果として発生し得る振動を減衰させるために、砂時計形状(凹形状)を有し得る。
【0138】
キャリッジ62は、ばね構成64の中心軸を通って、本体45内へと延在し得る。通路54は、押しボタン92を通り、キャリッジ62を通り、本体45を通って、延在し得る。
【0139】
振動を減衰させる方法は、通路54の内径を、締め付け部材60の上流で、細長い部材10の主要部分10Dと締まり嵌めさせることを備える。キャリッジ62は、この締まり嵌め内径を備え得る。これは、細長い部材10における振動が、キャリッジ62の内部で減衰され、締め付け部材60に伝わらないことを確実にする。
【0140】
図30~
図33の更なる固定構成102の別のオプションの相違点は、細長い部材10の端部領域10Cが、固定構成102に接続され得る方法である。端部領域10Cは、締め付け機構56が故障した場合に、細長い部材10のより確実なバックアップ接続を提供するように接続可能であり得る。
【0141】
図30~
図33に示されるように、固定構成102は、細長い部材10の端部領域10Cのための1つ以上の穴7を備え得る。1つ以上の穴7は、下端部5の近位にあり得る。これら図は、締め付け装置44の本体45が1つ以上の穴7を備える特定の実装形態を示す。
【0142】
1つ以上の穴7の方向は、通路54に対して非平行であり得る。1つ以上の穴7は、通路56に対してほぼ垂直であり得る。細長い部材10の端部領域10Cは、通路56の出口から1つ以上の穴7を通ってループ状にされ得る。
【0143】
図30~
図33は、細長い部材10の端部領域10Cのための複数の穴7(例えば、2つの穴7)を例示する。従って、細長い部材10の端部領域10Cは、固定構成102を通して複数回ループ状にされ得る。締め付け機構56が故障した場合、細長い部材10は、1つ又は複数のループから垂れ下がることになる。
【0144】
把持装置1の更なるオプションの相違点は、カムレバー15のためのばね手段21が、
図9~
図10に示された共有されるばね手段21とは異なり得ることである。
図30及び
図31は、各カムレバー15について個々の別個のねじりばねを備えるばね手段21を例示する。各カムレバー15についてのばね手段21は、カムレバー15のピン16の周りに巻かれ得る。別個のばね手段21の使用は、締め付け装置44の本体45との干渉を防止する。
【0145】
図30~
図33は、把持装置1と締め付け装置44との一体化を具体的に例示しているが、
図30~
図33の上述の特徴の多くは、締め付け装置44が締め付け装置30と交換された場合、及び/又は、把持装置1が把持装置34と交換された場合にも適用可能であることが理解されるであろう。
【国際調査報告】