(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】溶剤を有する容器ユニットを乾燥させる乾燥装置および方法
(51)【国際特許分類】
F26B 15/04 20060101AFI20240705BHJP
F26B 21/12 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
F26B15/04
F26B21/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503459
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 DE2022100497
(87)【国際公開番号】W WO2023001331
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021118534.3
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルコ・ハルムス
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA03
3L113AB02
3L113AC07
3L113AC36
3L113AC52
3L113AC67
3L113AC75
3L113BA12
3L113CA11
3L113CB24
3L113CB34
3L113DA02
(57)【要約】
本発明は、溶剤を有する特に缶である容器ユニット(1)を乾燥させる乾燥装置(100)であって、内部においてプロセス流体が容器ユニット(1)に当てられ得る、入口側および出口側を含む乾燥チャンバ(102、104、106)と、容器ユニット(1)を入口側から出口側へ乾燥チャンバ(102、104、106)を通って動かすように配置され構成された運搬ユニット(112)と、乾燥チャンバ(102、104、106)内にプロセス流体をもたらし容器ユニット(1)に対してプロセス流体の流体流を当てるように配置され構成された流体流装置(114)と、決定された溶剤投入量に基づいて流体流装置(114)を制御するように設計された制御装置(140)とを備える、乾燥装置(100)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤を有する特に缶である容器ユニット(1)を乾燥させる乾燥装置(100)であって、
内部においてプロセス流体が前記容器ユニット(1)に当てられる、入口側(108)および出口側(110)を含む乾燥チャンバ(102、104、106)と、
前記容器ユニット(1)を前記入口側(108)から前記出口側(110)へ前記乾燥チャンバ(102、104、106)を通って動かすように配置され構成された運搬ユニット(112)と、
前記乾燥チャンバ(102、104、106)内に前記プロセス流体をもたらし前記容器ユニット(1)に対して前記プロセス流体の流体流を当てるように配置され構成された流体流装置(114)と、
決定された溶剤投入量に基づいて前記流体流装置(114)を制御するように設定された制御装置(140)と
を備える、乾燥装置(100)。
【請求項2】
前記制御装置(140)が、前記溶剤投入量の関数として所望流体流量を決定し、前記乾燥チャンバ(102、104、106)から流出する流体流量が少なくとも前記所望流体流量に対応するように前記流体流装置(114)を制御するように設定される、請求項1に記載の乾燥装置(100)。
【請求項3】
目標流体流量が、前記乾燥チャンバ(102、104、106)内の溶剤含量が所定値を超えないように選択される、請求項1または2に記載の乾燥装置(100)。
【請求項4】
前記制御装置が、所期の動作の間にオペレータによる前記乾燥チャンバ(102、104、106)から流出する流体流量が調整できないように設定される安全ユニットを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項5】
前記制御装置が、前記乾燥チャンバ(102、104、106)から流出する流体流量が前記乾燥チャンバに流入する流体流量に実質的に相当するように、前記流体流装置を制御するように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項6】
前記制御装置(140)が、単位時間当たりに前記乾燥チャンバ(102、104、106)に入る容器ユニット数を示す容器ユニット密度に基づいて、および/または、容器ユニット当たりの溶剤量に基づいて前記溶剤投入量を決定するように設定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項7】
容器ユニット密度を検出するように配置された密度測定ユニット(130)を備え、好ましくは、前記密度測定ユニットが、前記容器ユニット密度を重複して検出するための2つ以上の密度測定センサを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項8】
容器状態を検出するように配置され構成された状態測定ユニット(133)を備え、前記制御装置(140)が、検出された前記容器状態に基づいて容器ユニット当たりの溶剤量を決定するように設定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項9】
前記容器状態が、前記容器ユニット(1)の表面積、高さおよび/または色である、請求項1から8のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項10】
前記乾燥チャンバ(102、104、106)から流出する流体流量および/または前記乾燥チャンバ(102、104、106)に流入する流体流量を検出する流体流量測定ユニット(136)を備え、好ましくは、前記流体流量測定ユニット(136)が、前記流体流量を重複して検出するための2つ以上の流体流量測定センサを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項11】
前記乾燥チャンバ(102、104、106)に流入する前記プロセス流体を加熱する加熱装置(120)を備え、好ましくは、前記加熱装置(120)が、燃焼ユニットと、前記燃焼ユニットの少なくとも一区画を囲繞する管状要素とを有し、前記管状要素が、前記管状要素に流入する前記プロセス流体が前記管状要素内で渦巻きを呈するように、内周側上に配置された流体ガイド要素を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項12】
前記運搬ユニット(112)の側方セクション(158)へ前記容器ユニット(1)を案内するための、前記入口側に隣接して配置されたガイド装置(156)を備え、好ましくは、前記制御装置(140)が、前記容器ユニット(1)が所定距離を前記乾燥チャンバ(102、104、106)を通って動かされるように、容器ユニット密度の関数として前記ガイド装置(156)を制御するように配置される、請求項1から11のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項13】
前記流体流装置(114)が、前記側方セクション(158)の方に前記流体流を向けるように配置され構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項14】
容器ユニット入口および/または容器ユニット出口に流体バリア装置(164)を備え、前記流体バリア装置(164)が、前記運搬ユニット(112)の上の空き高さを調整するための高さ調整可能流体出口(166)を有し、好ましくは、前記制御装置(140)が、前記容器ユニット(1)の高さの関数として前記空き高さをセットするように設定される、請求項1から13のいずれか一項に記載の乾燥装置(100)。
【請求項15】
溶剤を有する特に缶である容器ユニット(1)を乾燥させる方法であって、
前記容器ユニット(1)を乾燥チャンバ(102、104、106)を通って動かすステップと、
前記容器ユニット(1)によってもたらされる、前記乾燥チャンバ(102、104、106)内への溶剤投入量を決定するステップと、
前記容器ユニット(1)へプロセス流体の流体流を当てるステップと、
決定された前記溶剤投入量に基づいて前記乾燥チャンバ(102、104、106)から流出する流体流量を調整するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば特に食品および飲料を貯蔵するためのアルミニウムまたは鋼から作られた缶である、溶剤を有する特に缶である容器ユニットを乾燥させる乾燥装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶剤を有する容器ユニットを乾燥させる乾燥装置は一般的に知られている。そのような乾燥装置は、例えば、コンベアベルトを含む連続炉として設けられ、缶は、このプロセスの間、コンベアベルトによって炉内を動かされ高温空気に曝される。さらに、そのような乾燥装置は、缶を運ぶピン付きのチェーンを有することができる。典型的には、そのような炉は、直列に配置されたいくつかの乾燥チャンバを有し、内部において水が蒸発し、水を除去するおよび/またはコーティングの重合を確実にするために缶は目標温度まで加熱されて所定の時間期間の間目標温度のままにされる。
【0003】
そのような炉は、塗装乾燥炉と称されることもあり、具体的には、缶の内側コーティングおよび/または外側コーティングを乾燥および/または重合させるように構成される。
【0004】
そのような炉の動作は、エネルギー集約的である。乾燥チャンバから空気を除去する排気ファンの動作は、特にエネルギー集約的である。そのような炉は最大6,000缶/分まで乾燥させ重合させることができるので、必要な排気量は高い。高い排気量はさらに、より多くの新鮮空気が乾燥チャンバに送り込まれなければならないことを意味する。この新鮮空気は、一般に、再循環空気と混合されて乾燥チャンバに送り込まれるために、ガスバーナによって所定温度まで加熱される。
【0005】
さらに、そのような炉は、一般に、最小排気量に基づいて制御され、したがって動作の間に弱められてはならない。最小排気量は、各炉向けに決定される。具体的には、最小排気量は、最大缶数/分に基づいて、および最大缶サイズに基づいて決定される。
【0006】
特許文献1には、第1の値および第2の値についての、コールドスタートの間または缶供給が中断されるときの排気量の調整が記載されており、第1の値は、乾燥プロセスに適し、第2の値は、5~10分の濯ぎ時間の濯ぎ調整を可能にする。排気量についての第1の値および第2の値の調整は、実際の排気量が最適排気量に精密に調整されないので、排気量の効率的な制御を行うことができない。
【0007】
特許文献2には、乾燥室からの排気を最小限に抑える方法および装置が開示されており、供給空気と再循環空気との間の切り替えのための調整要素がこの目的のために設けられる。アクチュエータは、乾燥チャンバ内の空気の湿度に基づいて制御される。供給空気および再循環空気状態しか設定できないので、消費を最小限にする排気流を調整することは不可能である。
【0008】
そのような炉は、可能な限り低いエネルギー消費を呈することが工業的に求められる。具体的には、環境の限界条件(ecological boundary condition)に関する高まる要求は、そのような炉をさらにエネルギー効率を良くするように設計することを目標とする。これはさらに、各缶のエコロジカルフットプリントを改善し、したがって、十億缶/年を上回る生産能力で世界中に600ラインを超えるラインで生産される年間数千億の缶体積を考えると、エコロジカルフットプリントに与える影響が大きい可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2016/124673A1
【特許文献2】WO2014/166831A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、上述した欠点のうちの1つまたは複数を低減または無くす、溶剤を有する特に缶である容器ユニットを乾燥させる乾燥装置および方法を提供することである。具体的には、本発明の課題は、溶剤を有する容器ユニットをエネルギー効率よく乾燥させることができる解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、独立特許請求項の特徴による乾燥装置および方法により解決される。これらの態様のさらなる有利な実施形態は、それぞれの従属請求項において開示される。特許請求の範囲および説明に個別に挙げられている特徴は、あらゆる技術的に有意な方法で互いに組み合わせることができ、そこにおいて本発明のさらなる実施形態が示される。
【0012】
第1の態様によれば、冒頭で述べた課題は、溶剤を有する特に缶である容器ユニットを乾燥させる乾燥装置であって、内部においてプロセス流体が容器ユニットに当てられ得る、入口側および出口側を含む乾燥チャンバと、容器ユニットを入口側から出口側へ乾燥チャンバを通って動かすように配置され構成された運搬ユニットと、乾燥チャンバ内にプロセス流体をもたらし容器ユニットに対してプロセス流体の流体流を当てるように配置され構成された流体流装置と、決定された溶剤投入量(solvent input)に基づいて流体流装置を制御するように設定された制御装置とを備える、乾燥装置によって解決される。
【0013】
本発明は、特に、流体流装置の制御に大きな影響を及ぼす因子が乾燥チャンバへの溶剤投入量であるという理解に基づいている。発明者らは、所定の溶剤投入量値ではなく決定溶剤投入量をベースとして用いると流体流装置の効率のよい制御にとって有利であることを発見した。乾燥チャンバ内の溶剤含量を直接測定する欧州規格EN1539から既知のアプローチは、炉の安全を確実にするが、エネルギー効率のよい動作を保証することができない。溶剤投入量を決定することは、乾燥の程度に関係なく規格に従って安全を確実にし、したがってさらに、溶剤含量が乾燥チャンバ内の温度に応じて決まるという問題を解決する。
【0014】
そのような乾燥装置は、精密に調整される流体流量を用いて制御され、そこにおいて具体的には乾燥チャンバから流出するプロセス流体の流体流量が必要に応じて調整され得る。その結果、容器ユニットを乾燥させる乾燥装置のエネルギー消費は低減される。これは、単一の缶を生産するのに必要なエネルギー量を低減させ、その環境フットプリントを改善する。
【0015】
本発明はやはりまた、最小排気量が、1分当たりの缶の数がより少ないおよび/または缶サイズがより小さい場合にしばしばオーバーサイズになるという理解に基づいている。したがって、発明者らは、最小排気量を動的に決定できることを発見した。
【0016】
上述のタイプの乾燥装置は、インターナルベークオーブン(internal baking oven)として構成されてもよい。乾燥装置は、好ましくは、連続炉または連続ドライヤとして構成される。さらに、乾燥装置は、好ましくは、塗料乾燥炉として構成されてもよい。さらに、乾燥装置をピンオーブン(pin oven)として構成することが好ましい場合もある。
【0017】
容器ユニットは、例えば、具体的には食品および/または飲料を貯蔵する缶である。そのような容器ユニットは、例えば、鋼またはアルミニウムから作られ得る。そのような容器ユニットはさらに、通常、コーティングを有する。このラッカーは、その前のプロセスステップで、容器ユニットの外面および/または内面に塗布され、このラッカーは溶剤を含む。一般に、コーティングは、いわゆるピンオーブン内で外面が乾燥され、IBOとしても既知であるインターナルベークオーブン内で内面が乾燥される。
【0018】
塗料は、溶剤が容器ユニットから除去されるように、乾燥装置内部で乾燥され重合される。乾燥装置を制御するにあたって、特に、乾燥チャンバ内の溶剤含量、例えば、乾燥チャンバの空気中に溶解した溶剤が所定の値を超えないことを確実にしなければならない。ある溶剤レベルを超えると、回避しなければならない爆発の危険がある。
【0019】
乾燥装置は、入口側および出口側を含む乾燥チャンバを備える。乾燥チャンバは、好ましくは、容器ユニットが入る入口側にチャンバ入口、容器ユニットが出る出口側にチャンバ出口を有する。
【0020】
加えて、乾燥チャンバは、好ましくは、具体的には流体流装置に流体結合される1つまたは2つ以上の流体供給ラインを有する。さらに、乾燥チャンバは、本質的に、例えばチャンバ壁によって流体密に構成されることが好ましい。さらに、乾燥チャンバは、容器ユニットが運搬ユニットによって入口側から出口側に動かされ得るように構成される。運搬ユニットが乾燥チャンバ内を通って延在することが特に好ましい。
【0021】
運搬ユニットは、例えば、容器ユニットを上に配置することができるコンベアベルトを有することができる。具体的には、運搬ユニットは、ベルトコンベアとして構成され得る。さらに、運搬ユニットが容器ユニットを本質的に水平方向に動かすことが好ましい。
【0022】
加えて、運搬ユニットは、容器ユニットを保持することに使用され得る輸送ピン(transport pin)付きのチェーンとして構成されてもよい。そのような運搬ユニットは、具体的には、ピンオーブン内に設けられ、そこにおいて、チェーンは、一般に、蛇行パターンで案内される。
【0023】
流体流装置は、例えばプロセス流体を環境から乾燥チャンバ内に運ぶことによって、具体的には空気であるプロセス流体をもたらすように配置され構成される。
【0024】
さらに、流体流装置は、プロセス流体の流体流を乾燥チャンバ内の容器ユニットに当てるように配置され構成される。流体流量は、例えば、立方メートル/時間で指定され得る。プロセス流体は、具体的には気体状である。
【0025】
流体流装置は、好ましくは、3つの機能、すなわちプロセス流体を容器ユニットに当てる機能、プロセス流体を乾燥チャンバから流出させる機能、およびプロセス流体を乾燥チャンバに流入させる機能を有する。さらに、流体流装置は、空気の再循環を生じさせるように配置され構成され得る。
【0026】
流体流装置は、好ましくは、乾燥チャンバからプロセス流体を運び出すように構成された第1の流体流ユニットを有する。流体流装置は、好ましくは、排気ユニット、具体的には排気ファンとして構成される。排気ファンは、好ましくは、プロセス流体を乾燥チャンバから運び出すように構成される。さらに、流体流装置は、好ましくは、乾燥チャンバ内においてプロセス流体の再循環空気を生成する第2の流体流ユニットを有する。加えて、流体流装置は、乾燥チャンバ内へのプロセス流体の流入を制御する第3の流体流ユニットを有することが好ましい場合がある。第3の流体流ユニットは、例えば、フラップまたはファンとして構成されてもよい。第1および/または第2の流体流ユニットはまた、ファンとして構成されてもよい。
【0027】
乾燥装置はまた、2つ以上の流体流装置を有してもよい。乾燥装置が2つ以上の乾燥チャンバを有することが特に好ましい。2つ以上の乾燥チャンバのそれぞれが関連の流体流装置を有することが好ましい。あるいは、1つの流体流装置が、2つ以上の乾燥チャンバの流体流を生じさせることが実現されてもよい。
【0028】
乾燥装置は、決定された溶剤投入量に基づいて流体流装置を制御するように設定される制御装置をさらに備える。溶剤投入量は、例えば上流の生産設備によって決定されるが指定または提供されない。以下により詳細に説明するように、乾燥装置は、この目的のため、溶剤投入量をそれを基に決定することができる測定値を記録するために、測定ユニットを有することができる。この文脈において、溶剤投入量を、例えば、容器ユニット密度、運搬ユニットの速度および/または容器ユニットのサイズを用いて間接的に決定することも可能である。
【0029】
制御装置は、好ましくは、信号によって流体流装置に接続されている。制御装置は、好ましくは、容器ユニットへ所定の流体流特性を有する流体流を当てるために、決定された溶剤投入量に応じて本質的に無段階的に流体流装置を調整するように設定される。流体流特性は、例えば、パスカル(Pa)で指定され得る流体圧力、および/または、例えば立方メートル/時間で指定され得る流体体積流量であってもよい。
【0030】
本質的に無段階とは、具体的には、本質的に連続的であることを意味する。本質的に無段階とは、流体流装置が個別に調整されないことを意味することもある。本質的に無段階とは、例えば単位時間当たりの体積で測定される調整流体流量が、例えば単位時間当たりの体積で指定される所定の流体流から10%未満、5%未満または2.5%未満ずれることを意味することもある。さらに、本質的に無段階とは、流体流装置が、10ステップ超え、20ステップ超え、または100ステップ超えで調整可能であることを意味することがある。さらに、本質的に無段階とは、2つの連続したステップ同士の間のステップ間隔が、流体流装置の調整範囲の10%未満、調整範囲の5%未満、または調整範囲の2.5%未満であることを意味することがある。
【0031】
別法として、またはそれに加えて、制御装置は、容器ユニット密度に基づいて直接的に流体流装置を制御するように設定されてもよい。
【0032】
乾燥装置の好ましい実施形態は、制御装置が、溶剤投入量の関数として目標流体流量を決定する、および乾燥チャンバから流出する流体流量が少なくとも目標流体流量に相当するように流体流装置を制御するように設定されることを特徴とする。
【0033】
乾燥チャンバから流出する流体流量が少なくとも目標流体流量に相当するということは、具体的には、流出流体流量と目標流体流量との間の差が、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であることを意味する。
【0034】
このようにして設定された制御装置は、流出流体流量が実際の溶剤投入量を考慮に入れた必要とされる値だけをとる、という利点を有する。これは、流体流装置のエネルギー消費が、プロセスによって必要とされるよりも高くないということを意味する。
【0035】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態では、目標流体流量が、乾燥チャンバ内の溶剤含量が所定の値を超えないように選択されることがもたらされる。溶剤は、乾燥チャンバ内に、具体的には気体状態で存在する。具体的には、溶剤は、乾燥チャンバ内において流体中、特に空気中に溶解することができる。溶剤含量は、例えば、空気1立方メートル当たりの溶剤のグラムで指定され得る。溶剤含量はまた、例えば、百分率で与えられてもよい。目標流体流量は、最小流体流量として説明することもできる。
【0036】
所定の値は、爆発限界を表すことが好ましい。乾燥チャンバ内である溶剤含量を上回ると、爆発の危険がある。一般に、溶剤含量がこの限界に達することを回避することが絶対必要である。これは、エネルギー効率のよい乾燥装置を可能にすると同時に、爆発に対する高いレベルの安全性を確実にする。
【0037】
乾燥装置のさらなる好ましい一設計は、制御装置が、所期の動作の間にオペレータによる乾燥チャンバから流出する流体流量が調整できないように設定される安全ユニットを有することを特徴とする。安全ユニットの機能は、ロッキングとも称される。オペレータによる調整不能とは、具体的には、流出流体流量を10%超え、5%超え、または2.5%を超えて調整できないことを意味する。所期の動作とは、具体的には、オペレータは、特定の資格なしに流出流体流量を変更できないという意味である。特定の資格は、例えば、パスワードの知識または鍵の所持であってもよい。そのような安全ユニットの利点は、乾燥装置が常に最適なエネルギーレベルで動作され得ること、および、通常動作の間、有意な手動操作が不可能であることである。さらに、オペレータが、爆発性混合物が乾燥チャンバ内で生成されるように流体流装置を調整できないので、乾燥装置の安全性が向上され得る。
【0038】
さらに、制御装置は、乾燥チャンバから流出する流体流量が乾燥チャンバに流入する流体流量に本質的に相当するように、流体流装置を制御するように設定されることが好ましい。これは、例えば、排気ファンおよび/または給気フラップもしくは給気ファンを制御することによって実現され得る。流入流体流量が流出流体流量に本質的に相当することは、具体的には、流入流体流量と流出流体流量との差が30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であることを意味する。そのような制御は本質的に、容器ユニットの入口または出口を通した乾燥チャンバに対するプロセス流体の流入または流出を防ぐ。
【0039】
乾燥装置の好ましい一実施形態はさらに、制御装置が、単位時間当たりに乾燥チャンバに入る容器ユニットの数を示す容器ユニット密度に基づいて、および/または、容器ユニット当たりの溶剤量に基づいて溶剤投入量を決定するように設定されることを特徴とする。
【0040】
例えば、容器ユニット密度は、例えば2500缶/分である、容器/分で指定され得る。容器ユニット当たりの溶剤量は、容器ユニットの様々なパラメータに応じて決まる。例えば、溶剤量は、容器ユニットのサイズ、容器ユニットのラッカーのタイプ、およびラッカーの厚さによって決定され得る。容器ユニット当たりの溶剤量は、例えば、グラムで指定されてもよい。
【0041】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態は、乾燥装置が、容器ユニット密度を検出するように設定された密度測定ユニットを備えることを特徴とする。具体的には、密度測定ユニットは、信号によって制御装置に接続されている。
【0042】
密度測定ユニットは、例えば、計数ユニットであってもよい。密度測定ユニットは、好ましくは、1つもしくは2つ以上の例えば光バリアである光センサ、インダクタンスセンサ、カラーセンサ、および/または赤外線センサを備える。
【0043】
さらに、密度測定ユニットは、インダクタンスセンサ、静電容量センサ、磁気センサおよび/または例えば超音波センサである近接センサを有することができる。さらに、密度測定センサは、そのようなものとして構成されてもよい。別法として、またはそれに加えて、密度測定ユニットは、カメラまたはライン制御装置(line control)を有してもよい。
【0044】
密度測定ユニットは、容器ユニット密度の重複検出のために2つ以上の密度測定センサを有することが特に好ましい。2つ以上の密度測定センサは、容器ユニット密度の信頼性の高い検出を可能にし、したがって、容器ユニット密度によって決定される溶剤投入量が高確度で決定される。
【0045】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態では、乾燥装置は、容器状態を検出するように配置され構成された状態測定ユニットを備え、制御装置が、検出された容器状態に基づいて容器ユニット当たりの溶剤量を決定するように設定されることがもたらされる。状態測定ユニットは、具体的には、信号技術の点で制御装置に接続されている。
【0046】
容器ユニット当たりの溶剤量は、例えば、容器ユニットのサイズ、具体的には容器ユニットの表面積および/または高さ、塗料の種類、および/または色に基づいて決定され得る。状態測定ユニットは、例えば、容器ユニットのサイズを決定するための光バリアであってもよい。
【0047】
加えて、状態測定ユニットは、容器の状態を記録するカメラであってもよい。状態測定ユニットは、高いレベルの判定精度が重複測定によって実現され得るように、2つ以上の状態測定センサを有することが特に好ましい。
【0048】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態では、容器状態が、容器ユニットの表面積、高さおよび/または色であることがもたらされる。容器ユニットの表面積は、具体的には、容器ユニットの周囲面に関する。容器ユニットの高さは、具体的には、ベースから始まる容器ユニットの長さを示す。
【0049】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態は、乾燥装置が、乾燥チャンバから流出する流体流量および/または乾燥チャンバに流入する流体流量を検出する流体流量測定ユニットを備えることを特徴とする。
【0050】
流体流量測定ユニットは、好ましくは、流体流量を重複して検出する2つ以上の流体流量測定センサを有する。乾燥装置は、例えば、流体流が乾燥チャンバからそこを通って流出することができるように配置され構成された流体出口を有することができる。流体流量測定ユニット、具体的には2つ以上の流体流量測定センサは、高い判定精度が実施され得るように流体出口において作動することが好ましい。
【0051】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態は、乾燥チャンバに流入するプロセス流体を加熱する加熱装置を備え、好ましくは、加熱装置が、具体的にはガスバーナである燃焼ユニットと、燃焼ユニットの少なくとも一区画を囲繞する管状要素とを有し、管状要素が、管状要素に流入するプロセス流体が管状要素内で渦巻きを呈するように、内周側上に配置された流体ガイド要素を有する。
【0052】
燃焼は、このタイプの管状要素を用いて最適化することができる。管状要素によって操作される炎は、螺旋形状を呈する。炎推進力(flame impulse)によって一緒に運ばれるプロセス流体はさらに、回転され、それによってより高い安定性のエネルギー伝達が可能になる。その結果、乾燥チャンバ内における加熱の均一性が最適化され得る。
【0053】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態では、乾燥装置は、運搬ユニットの側方セクションへ容器ユニットを案内するための、入口側に隣接して配置されたガイド装置を備えることがもたらされる。例えば、運搬ユニットは、左手側セクションおよび右手側セクションを有することができる。側方セクションは、例えば幅の50%である、運搬ユニットの幅の任意の延長部を占めることができる。ガイド装置は、例えば、運搬ユニットの上に配置されたビームであってもよく、運搬ユニットの上のその空き高さは、容器ユニットの高さ未満である。
【0054】
制御装置は、好ましくは、容器ユニットが所定距離を乾燥チャンバを通って動かされるように、容器ユニット密度の関数としてガイド装置を制御するように設定される。このようにして設定された制御装置によって、容器ユニットは、具体的には若干の間隔を置いてまたは間隔を置かずに乾燥チャンバ内を密集して動かされ得る。
【0055】
さらに、流体流装置は、流体流を側方セクションの方に向けるように配置され構成されることが好ましい。容器ユニットが乾燥チャンバ内を密集して案内され、容器ユニットを有する側方セクションへ流体流が向けられることによって、乾燥装置のエネルギー必要量が低減され得る。
【0056】
したがって具体的には、流体流は本質的に、容器ユニットが動かされない運搬ユニットのセクションには当てられない。この目的のため、流体流装置は、例えば、スイッチオフにされる、および/または動かされ得る、具体的には旋回され得る流体流ノズルを有することができる。具体的には、制御装置は、流体流が側方セクションの方に向けられるように流体流装置を制御するように設定される。
【0057】
さらに、2つ以上の乾燥チャンバは、1つの乾燥チャンバからのプロセス流体が前の乾燥チャンバ内に送り込まれるように互いに流体結合されることが好ましい。
【0058】
乾燥装置のさらなる好ましい一実施形態では、乾燥装置は、容器ユニット入口および/または容器ユニット出口に流体バリア装置を備え、流体バリア装置が、運搬ユニットの上の空き高さを調整するための高さ調整可能流体出口を有し、好ましくは、制御装置が、容器ユニットの高さの関数として空き高さをセットするように設定されることがもたらされる。これは、より良好な乾燥効果がより低い排気必要量で達成され得ることを意味する。
【0059】
さらなる一態様によれば、冒頭で述べた課題は、溶剤を有する特に缶である容器ユニットを乾燥させる方法であって、容器ユニットを乾燥チャンバを通って動かすステップと、容器ユニットによってもたらされる、乾燥チャンバ内への溶剤投入量を決定するステップと、容器ユニットへプロセス流体の流体流を当てるステップと、決定された溶剤投入量に基づいて乾燥チャンバから流出する流体流量を調整するステップとを含む、方法によって解決される。
【0060】
方法およびその可能な実施形態は、乾燥装置およびその実施形態における使用に特に適した特徴または方法ステップを有する。
【0061】
方法および可能な実施形態のさらなる利点、実施形態の変形および実施形態の詳細については、乾燥装置の対応する特徴および実施形態の先述の説明も参照されよう。
【0062】
次に、好ましい例示的な実施形態について、例として添付の図面を参照して述べる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】乾燥装置の例示的な一実施形態の概略的な平面図である。
【
図2】
図1に示される乾燥装置の概略的な上面平面図である。
【
図3】
図1に示される乾燥装置の容器ユニット入口の概略的な詳細平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図面において、同一または本質的に機能的に同一または類似の要素は同じ参照符号で示されている。
【0065】
図1は、第1の乾燥チャンバ102、第2の乾燥チャンバ104および第3の乾燥チャンバ106を含む乾燥装置100を示す。さらに、乾燥装置100は、冷却セクション142を備える。運搬ユニット112は、乾燥チャンバ102、104、106を通り、冷却セクション142を通って延在する。容器ユニット1は、運搬ユニット112によって乾燥装置100内を移動する。
【0066】
乾燥チャンバ102、104、106は同様の構造を有するので、以下では乾燥チャンバ102だけを詳細に説明する。これらの説明は、必要な修正により乾燥チャンバ104および乾燥チャンバ106にも適用される。乾燥チャンバ102は、容器ユニットが乾燥チャンバ102に入る入口側108から、容器ユニット1が乾燥チャンバ102から再び外に出る出口側110まで水平方向に延在する。
【0067】
さらに、乾燥装置100は、乾燥チャンバ102に流体結合された流体流装置114を有する。さらに、乾燥装置100は、乾燥チャンバ104に流体結合された第2の流体流装置168および乾燥チャンバ106に流体結合された第3の流体流装置170を有する。
【0068】
流体流装置114は、流体入口116を有し、そこを通ってこの場合は空気であるプロセス流体が流体流装置114に入ることができる。給気ファン118は、流体流れ方向に流体入口116の下流に配置され、流体流装置114に流入する空気を加熱装置120へ案内する。あるいは、給気ファン118は、フラップとして構成されてもよい。加熱装置120は、例えば、ガスバーナであってもよい。
【0069】
加熱装置120の下流には、再循環空気ファン122が配置され、それによって流体流が乾燥チャンバ102へと入れられる。この目的のため、再循環空気ファン122は、流体ガイド124によって乾燥チャンバ102に流体結合されている。
【0070】
乾燥装置内では、空気流についての均一性の問題がしばしば生じる。目標は、容器ユニット1へ可能な限り均一に空気を向けることである。この目的のため、流体流装置114は、この場合V-オリフィスとして構成される第1の流体分配ユニット126を有する。第2の流体分配ユニット128は、下流に設けられ、それによってさらにプロセス流体の最適化された分配が確実になる。第2の流体分配ユニット128は、穴の開いたプレートとして構成される。そこから空気は運搬ユニット112によって流体流ユニット114の下で動かされる容器ユニット1に達する。
【0071】
運搬ユニット112は、好ましくは、通気性を有するように構成される。その結果、空気は容器ユニット1を通過した後に運搬ユニット112の下へと通り、そこで流体収集チャネル138に入る。流体収集チャネル138は、再循環空気ダクト131によってプロセス流体を加熱装置120へと戻す。そのような再循環空気の使用は、流体流装置114のエネルギー必要量を低減させる。
【0072】
乾燥チャンバ102中の溶剤含量の最大値を超えないようにするために、プロセス流体の一部を乾燥チャンバ102から流出させなければならない。この目的のため、流体流装置114は、排気ファン134に流体結合された流体出口132を有する。さらに、流体出口132には、例えば立方メートル/時間で乾燥チャンバ102から流出する流体流量を測定するように配置され構成される流体流量測定ユニット136が配置される。
【0073】
加えて、乾燥装置100は、単位時間あたりに乾燥チャンバ102に入る容器を決定するための密度測定ユニット130を有する。さらに、状態測定ユニット133が設けられ、それによって少なくとも1つの容器ユニットの状態が決定され得る。
【0074】
制御装置140は、決定溶剤投入量に基づいて流体流装置114を制御するように配置される。具体的には、制御装置140は、溶剤投入量の関数として乾燥チャンバ102から放出されるべき目標流体流量を決定し、乾燥チャンバ102から放出される流体流量が少なくとも目標流体流量に相当するように流体流装置114を制御するように配置される。例えば、目標流体流量は、乾燥チャンバ102内の溶剤含量が所定の値、好ましくは爆発限界を表す所定の値を超えないように選択される最小流体流量とすることができる。
【0075】
具体的には、制御装置140は、単位時間当たりに乾燥チャンバ102に入る容器ユニット1を表す容器ユニット密度に基づいて、および/または、容器ユニット1当たりの溶剤量に基づいて溶剤投入量を決定するように設定される。容器ユニット密度はまた、制御装置140の値として、具体的には、例えば塗装システムである乾燥装置100の上流に配置される装置によってもたらされてもよい。制御装置140は、具体的には、制御装置140が密度測定ユニット130および状態測定ユニット133からの測定値に基づいて溶剤投入量を決定できるように、信号によって密度測定ユニット130および状態測定ユニット133に接続されている。加えて、密度測定ユニット130の測定値および上述した容器ユニット密度の提供値はまた、重複によって高い安全レベルを確実にするために考慮されてもよい。
【0076】
図2は、上述の乾燥装置100の上面図である。具体的には、
図2において、乾燥装置100が運搬ユニット112の側方セクション158へ容器ユニット1を案内するためのガイド装置156を有することが見られる。破線は、側方セクション158の境界を表している。運搬ユニット112の側方セクション158の隣のセクションは、容器ユニット1を有さないことが見られる。
【0077】
結果的に、流体流装置114は、プロセス流体が側方セクション158のみに当たり、容器ユニット1がない領域には当たらないまたはあまり当たらないように、制御装置140によって制御され得る。この場合、第1の流体出口160だけが活動状態であり、したがってプロセス流体は、第1の流体出口160の下に位置する容器ユニット1のみに当てられる。第2の流体出口162は非活動状態にあり、したがってプロセス流体は無駄にここから出ない。
【0078】
図3は、乾燥チャンバ102の入口側108の詳細図である。乾燥装置100は、容器ユニット入口に流体バリア装置164を備える。流体バリア装置164は、運搬ユニット112の上の空き高さを調整するための高さ調整可能流体出口166を有する。具体的には、制御装置140は、容器ユニット1の高さの関数として空き高さを調整するように設定される。空き高さは、好ましくは、可能な限り少しのプロセス流体しか乾燥チャンバの内部から外部へと流れることができない、または負圧の場合に外部から乾燥チャンバ102に入ることができないように、容器ユニット1の高さより若干高くなるように調整される。
【0079】
図4は、溶剤を有する特に缶である容器ユニット1を乾燥させる方法を示す。ステップ200で、容器ユニット1は、乾燥チャンバ102、104、106を通って動かされる。ステップ202で、容器ユニット1によってもたらされる乾燥チャンバ102、104、106内への溶剤投入量が決定される。ステップ204で、プロセス流体の流体流が容器ユニット1に当てられる。さらにステップ206で、決定された溶剤投入量に基づいて、乾燥チャンバ102、104、106を退出する流体流量が調整される。
【0080】
上述した乾燥装置100の場合、より効率の良い動作が可能である。特に、流体流装置114、168、170、具体的には個々のファンが高エネルギー消費を呈するので、乾燥装置100の流体流装置114、168、170を最適化することによってかなりのエネルギーを節約できる。加えて、流体流装置114は、一方で、動作がエネルギーの点で最適化され、他方で、溶剤含量が好ましい所定の最大値を超えないような十分な換気が引き起こされるように、溶剤投入量に基づいて目標を定めた方法で制御され得る。
【符号の説明】
【0081】
1 容器ユニット
100 乾燥装置
102 第1の乾燥チャンバ
104 第2の乾燥チャンバ
106 第3の乾燥チャンバ
108 入口側
110 出口側
112 運搬ユニット
114 流体流装置
116 流体入口
118 給気ファン
120 加熱装置
122 再循環空気ファン
124 流体ガイド
126 第1の流体分配ユニット
128 第2の流体分配ユニット
130 密度測定ユニット
131 再循環空気ダクト
132 流体出口
133 状態測定ユニット
134 排気換気装置
136 流体流量測定ユニット
138 流体収集チャネル
140 制御装置
142 冷却セクション
154 流体戻しユニット
156 ガイド装置
158 側方セクション
160 第1の流体出口
162 第2の流体出口
164 流体バリア装置
166 流体出口
168 第2の流体流装置
170 第3の流体流装置
【国際調査報告】