(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】小規模データの送信に関与するユーザ機器および基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 74/0833 20240101AFI20240705BHJP
H04W 72/04 20230101ALI20240705BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20240705BHJP
【FI】
H04W74/0833
H04W72/04
H04W56/00 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503682
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2022067737
(87)【国際公開番号】W WO2023001508
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャー リキン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD25
5K067EE02
5K067HH22
(57)【要約】
本開示は、次のものを備えるユーザ機器UEに関する。プロセッサは、小規模データが、周期的リソースを使用した送信に利用可能になったと判定する。周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックを決定することを含む。そのような同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定した場合、プロセッサは、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、プロセッサは、動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。代替の小規模データ送信メカニズムは、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、のうちの1つを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作中、小規模データが送信に利用可能になったと判定するプロセッサ
を備え、
利用可能な前記小規模データは、前記UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、前記プロセッサが、動作中、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含み、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定した場合、
前記プロセッサは、動作中、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、
前記プロセッサは、動作中、動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御し、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
前記UEの送信機によって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
UE。
【請求項2】
前記タイムトリガ制御メカニズムは、パラメータに従って、前記代替の小規模データ送信メカニズムの実行の回避を試行するように制御され、
任意選択により、前記プロセッサが、動作中、利用可能な前記小規模データの前記周期的リソースベースの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する前記複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを可能にするように、前記タイムトリガ制御メカニズムが前記パラメータに従って前記プロセッサによって動作させられる、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記プロセッサは、タイマーに基づいて前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、前記タイマーは、
利用可能な前記小規模データの送信のために、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが初めて判定したときに、前記タイマーを開始することと、
開始された前記タイマーが満了していない間に、
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する前記複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを試行することと、
前記UEが、周期的リソース機会において、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することに成功した場合に、開始された前記タイマーを停止することと、
前記タイマーが満了したときに、前記プロセッサが、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
前記プロセッサは、動作中、前記タイマーの値を、
前記タイマーの1つの値を示す事前設定されたタイマー情報であって、任意選択により、前記事前設定されたタイマー情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定されたタイマー情報と、
タイマー設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記タイマー設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記タイマー設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記タイマー設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記タイマーの前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記タイマーのより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記タイマーのより小さい値を決定する、前記周期と、
前記小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶されたタイマー情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記タイマーの前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記タイマーの前記値として決定し、任意選択により、前記タイマーの値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記タイマーの前記値はUE固有である、
請求項3に記載のUE。
【請求項5】
前記プロセッサは、利用可能な前記小規模データの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定した回数をカウントするカウンタに基づいて、前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、前記カウンタは、
前記周期的リソースの機会について、利用可能な前記小規模データの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定するたびに、前記カウンタを増加させることと、
前記カウンタがカウンタ閾値に達していない間に、
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを試行することと、
前記UEが、周期的リソース機会において、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することに成功した場合に、前記カウンタを停止することと、
前記カウンタが前記カウンタ閾値に達したときに、前記プロセッサが、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項6】
前記プロセッサは、動作中、前記カウンタ閾値の値を、
前記カウンタ閾値の1つの値を示す事前設定されたカウンタ情報であって、任意選択により、前記事前設定されたカウンタ情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定されたカウンタ情報と、
カウンタ設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記カウンタ設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記カウンタ設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記カウンタ設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記カウンタ閾値の前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記カウンタ閾値のより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記カウンタ閾値のより小さい値を決定する、前記周期と、
小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶されたカウンタ情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記カウンタ閾値の前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記カウンタ閾値の前記値として決定し、任意選択により、前記カウンタ閾値の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記カウンタ閾値の前記値はUE固有である、
請求項5に記載のUE。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記タイマーおよび前記カウンタの組み合わせに基づいて前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
前記プロセッサは、前記カウンタが前記カウンタ閾値に達したとき、または、前記タイマーが満了したとき、のいずれか早い方に、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御する、
請求項3および5に記載のUE。
【請求項8】
前記プロセッサは、利用可能な前記小規模データを送信するための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないという前記判定に後続する期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいて、前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、後続する前記期間中に周期的リソース機会が存在しない場合、前記プロセッサは、周期的リソース機会が存在しないという前記判定の次の機会において、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御し、
後続する前記期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在する場合、
前記プロセッサは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、後続する前記期間中の1つまたは複数の後続の周期的リソース機会のそれぞれにおいて、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを連続的に試行し、
前記UEが、後続する前記1つまたは複数の周期的リソース機会の各々について、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、前記プロセッサは、後続する前記期間中の最後の周期的リソース機会の次の機会において、または、後続する前記期間の満了の次の機会において、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御する、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項9】
後続する前記期間中の前記1つまたは複数の周期的リソース機会は、
前記複数の同期信号ブロックのうちの1つ、または、
前記複数の同期信号ブロックのうち最も高い信号品質を有する同期信号ブロック、または、
前記複数の同期信号ブロックのうちの2つ以上
に関連付けられる、
請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記プロセッサは、動作中、前記期間の値を、
前記期間の1つの値を示す事前設定された期間情報であって、任意選択により、前記事前設定された期間情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定された期間情報と、
期間設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記期間設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記期間設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記期間設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記期間の前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記期間のより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記期間のより小さい値を決定する、前記周期と、
前記小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶された期間情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記期間の前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記期間の前記値として決定し、任意選択により、前記期間の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記期間の前記値はUE固有である、
請求項8または9に記載のUE。
【請求項11】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から前記信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、前記プロセッサは、動作中、前記複数の信号品質閾値のうちの前記信号品質閾値を、利用可能な前記小規模データの送信のために前記UEによって使用される前記1つまたは複数の送信パラメータに関連付けられた前記信号品質閾値として決定し、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより高い値がより大きいトランスポートブロックサイズおよびより高い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義され、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより低い値がより小さいトランスポートブロックサイズおよびより低い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義される、
請求項1~10のいずれか一項に記載のUE。
【請求項12】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から前記信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有であり、前記プロセッサは、動作中、前記複数の信号品質閾値のうちの前記信号品質閾値を、それぞれの前記同期信号ブロックに関連付けられた前記周期的リソースの前記優先順位に関連付けられた前記信号品質閾値として決定し、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより高い値が周期的リソースのより高い優先順位に関連付けられることに基づいて定義され、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより低い値が周期的リソースのより低い優先順位に関連付けられることに基づいて定義される、
請求項1~10のいずれか一項に記載のUE。
【請求項13】
前記UEが、前記代替の小規模データ送信メカニズムとしてセル再選択を実行するよう構成される場合、前記プロセッサは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックがないと判定した後に遅滞なく即座に前記セル再選択が実行されるように、前記タイムトリガ制御メカニズムを動作させるよう構成され、および/または、
前記送信機は、動作中、前記新しい無線セルに接続されているときに、前記周期的リソースの好ましい設定に関する情報を前記新しい無線セルのサービング基地局に送信し、および/または、
前記送信機は、動作中、前記新しい無線セルで前記小規模データを送信する、
請求項1に記載のUE。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックを決定することに成功した場合、
前記プロセッサは、動作中、決定された前記同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースを決定し、
前記送信機は、動作中、決定された前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する、
請求項1~13のいずれか一項に記載のUE。
【請求項15】
前記UEは、接続状態、アイドル状態、および非アクティブ状態のうちの前記非アクティブ状態にあり、および/または、
前記同期信号ブロックの前記信号品質を使用する代わりに、前記同期信号ブロックと同じビームを介して受信された参照信号の信号品質を使用し、および/または、
前記同期信号ブロックは、プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を含む1つまたは複数の同期信号を含み、任意選択により物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含み、任意選択により、前記信号品質は、前記同期信号ブロックの前記同期信号のうちの1つまたは複数の信号に基づいて決定され、および/または、
前記ランダムアクセス手順は、小規模データ固有のランダムアクセス手順または非小規模データ固有のランダムアクセス手順であり、任意選択により、前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順は、前記UEが小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用するように構成されていない場合に使用され、任意選択により、前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順および前記小規模データ固有のランダムアクセス手順に使用可能な無線リソースおよびプリアンブルのうちの1つまたは複数は互いに異なり、および/または、
前記小規模データ固有のランダムアクセス手順および前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順は、2つのステップまたは4つのステップを含み、利用可能な前記小規模データの送信は、前記2つのステップのランダムアクセス手順の第1メッセージまたは前記4つのステップのランダムアクセス手順の第3メッセージで実行され、および/または、
前記信号品質は、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、および信号対干渉雑音比(SINR)のうちの1つまたは複数である、
請求項1~14のいずれか一項に記載のUE。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)によって実行される、
小規模データが送信に利用可能になったと判定するステップであって、利用可能な前記小規模データは、前記UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、
前記判定するステップと、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御するステップと、
を含み、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
方法。
【請求項17】
動作中、事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信する送信機であって、動作中、1つまたは複数の同期信号ブロックを送信する前記送信機と、
動作中、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合に前記UEによって動作させられ、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するために前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するプロセッサであって、前記送信機は、動作中、前記1つまたは複数のパラメータを前記UEに送信する、前記プロセッサと、
動作中、前記周期的リソースを介して、または、前記代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な前記小規模データを受信する受信機と、
を備え、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
前記UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
基地局。
【請求項18】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータはタイマーの値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、前記タイマーの前記値での前記タイマーの満了時に前記UEが前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、前記タイマーに基づいて前記UEによって動作させられ、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記タイマーの前記値を設定するためのタイマー設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記タイマー設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信され、
前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースの周期に基づいて前記タイマーの前記値を決定し、
前記プロセッサは、動作中、前記UEに固有の前記タイマーの前記値を決定する、
請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータはカウンタ閾値の値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、カウンタが前記カウンタ閾値に達したときに前記UEが前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、前記カウンタに基づいて前記UEによって動作させられ、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記カウンタ閾値の前記値を設定するためのカウンタ設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記カウンタ設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信され、
前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースの周期に基づいて前記カウンタ閾値を決定し、
前記プロセッサは、動作中、前記UEに固有の前記カウンタ閾値の前記値を決定する、
請求項17または18に記載の基地局。
【請求項20】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータは期間の値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないという前記UEによる判定に後続する前記期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいて前記UEによって動作させられ、後続する前記期間中に周期的リソース機会が存在しない場合、前記UEは、周期的リソース機会が存在しないという判定の次の機会において、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行し、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記期間の前記値を設定するための期間設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記期間設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信される、
請求項17に記載の基地局。
【請求項21】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、または、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有であり、
前記送信機は、動作中、前記複数の信号品質閾値を前記UEに設定するための信号品質閾値設定メッセージを前記UEに送信する、
請求項17~20のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項22】
基地局によって実行される、
事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信するステップと、
1つまたは複数の同期信号ブロックを送信するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合に前記UEによって動作させられ、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するために前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
前記1つまたは複数のパラメータを前記UEに送信するステップと、
前記周期的リソースを介して、または、前記代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な前記小規模データを受信するステップと、
を含み、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
前記UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
方法。
【請求項23】
動作中、ユーザ機器(UE)の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記ユーザ機器によって実行される、
小規模データが送信に利用可能になったと判定するステップであって、利用可能な前記小規模データは、前記UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定するステップを含む、
前記判定するステップと、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御するステップと、
を含み、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
集積回路。
【請求項24】
動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記基地局によって実行される、
事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信するステップと、
1つまたは複数の同期信号ブロックを送信するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合に前記UEによって動作させられ、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するために前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
前記1つまたは複数のパラメータを前記UEに送信するステップと、
前記周期的リソースを介して、または、前記代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な前記小規模データを受信するステップと、
を含み、
前記代替の小規模データ送信メカニズムは、
前記UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信することと、
前記UEによって、利用可能な前記小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP(登録商標)通信システム等の通信システムにおける方法、装置、および物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G:fifth generation)とも呼ばれる次世代セルラ技術に対する技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含むすべての利用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例、3GPP TR 38.913バージョン16.0.0のセクション6を参照)に対処する単一の技術フレームワークを提供することである。たとえば、eMBB配置シナリオは屋内ホットスポット、密集した都市部、ルーラル、都市部マクロ、および高速を含んでもよく、URLLC配置シナリオは産業用制御システム、モバイルヘルスケア(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、広域モニタリング、およびスマートグリッドのための制御システムを含んでもよく、mMTC配置シナリオは、たとえばスマートウェアラブルおよびセンサネットワークなどの、非タイムクリティカルデータ転送を伴う多数のデバイスを有するシナリオを含んでもよい。eMBBおよびURLLCサービスは、どちらも非常に広い帯域幅を要求する点で類似しているが、URLLCサービスは好ましくは超低遅延を必要とし得る点で異なっている。
【0004】
第2の目的は、上位互換性を達成することである。Long Term Evolution(LTE、LTE-A)セルラシステムに対する下位互換性は必要ないため、まったく新しいシステム設計および/または新規の特性の導入が促進される。
【発明の概要】
【0005】
1つの非限定的かつ例示的な実施形態は、UEが改良された小規模データ(スモールデータ:small data)送信を実行することを容易にするための手順を提供することに資する。
【0006】
一実施形態では、本明細書で開示する技術は、以下を備えるユーザ機器UEを特徴とする。UEのプロセッサは、小規模データが送信に利用可能になったと判定する。利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信される。周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む。信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定した場合、
・プロセッサは、動作中、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、
・プロセッサは、動作中、動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEの送信機によって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0007】
一般的な実施形態または特定の実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的な組み合わせとして実施され得ることに留意されたい。たとえば、集積回路は、UEまたは基地局の処理を制御することができる。
【0008】
開示されている実施形態および様々な実施態様のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって、個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得る目的で、実施形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャの図
【
図2】NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す概略図
【
図3】RRC接続のセットアップ/再設定の手順のシーケンス図
【
図4】拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼低遅延通信(URLLC)の利用シナリオを示す概略図
【
図5】非ローミングシナリオのための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図
【
図6】競合ベース(contention-based)および非競合(contention-free)のRACH手順を示す図
【
図7】競合ベースおよび非競合のRACH手順を示す図
【
図9】非アクティブ状態から接続状態へのUEの状態変化を含む、アップリンクデータ送信のための従来技術のメッセージ交換を示す図である。
【
図10】RRC_INACTIVEのUEのための小規模データアップリンク送信に使用可能な例示的な4ステップRACHを示す図である。
【
図11】RRC_INACTIVEのUEのための小規模データアップリンク送信に使用可能な例示的な2ステップRACHを示す図である。
【
図12】設定グラント(configured grant)リソースと、設定グラントリソースを小規模データの送信に使用する2つのUEとを示す図である。
【
図13】SSBをそれぞれ含む、gNBによるビーム送信を示す図である。
【
図14】UEおよびgNBの例示的な簡略化した構造の図である。
【
図15】改良された小規模データ送信手順の例示的な実装によるUEの構造を示す図である。
【
図16】改良された小規模データ送信手順の例示的な実装によるUE動作の流れ図である。
【
図17】改良された小規模データ送信手順の例示的な実装による基地局の構造を示す図である。
【
図18】改良された小規模データ送信手順の例示的な実装に関与する基地局動作の流れ図である。
【
図19】改良された小規模データ送信手順の実装に関するUEおよびgNBの間の例示的な交換を示すシグナリング図である。
【
図20】改良された小規模データ送信手順の第1のタイマーベースの実装によるUE動作の流れ図である。
【
図21】最終的に周期的リソース機会(occasion)を使用して小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第1のタイマーベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図22】最終的にランダムアクセス機会を使用した代替方法で小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第1のタイマーベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図23】改良された小規模データ送信手順の第2のカウンタベースの実装によるUE動作の流れ図である。
【
図24】最終的に周期的リソース機会を使用して小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第2のカウンタベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図25】最終的にランダムアクセス機会を使用した代替方法で小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第2のカウンタベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図26】改良された小規模データ送信手順の第3のタイマーおよびカウンタベースの実装によるUE動作の流れ図である。
【
図27】改良された小規模データ送信手順の第4の期間ベースの実装によるUE動作の流れ図である。
【
図28】ランダムアクセス機会を使用した代替方法で小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第4の期間ベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図29】期間の終了後にランダムアクセス機会を使用した代替方法で小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第4の期間ベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図30】期間中に周期的リソース機会を使用して小規模データが送信されるシナリオにおける、設定グラントリソース、代替の小規模データ送信ランダムアクセス機会、および改良された小規模データ送信手順の第4の期間ベースの実装のUE動作を示す図である。
【
図31】SSB品質と比較されるSSB固有の信号品質閾値をUEが決定する、改良された小規模データ送信手順の他の実装によるUE動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<5G NRのシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラ技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。
【0011】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって相互に接続される。また、gNBは次世代(NG:Next Generation)インタフェースによって次世代コア(NGC:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによってアクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function。例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによってユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function。例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、
図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v16.46.0のセクション4参照)。
【0012】
NRのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300のセクション4.4.1参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol。TS 38.300のセクション6.4参照)サブレイヤ、RLC(Radio Link Control。TS 38.300のセクション6.3参照)サブレイヤ、及びMAC(Medium Access Control。TS 38.300のセクション6.2参照)サブレイヤを含む。さらに、PDCPの上位には、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)サブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)が導入されている(例えば、TS 38.300のsub-clause 6.5参照)。また、NRでは制御プレーンのプロトコルスタックも定義されている(例えば、TS 38.300のセクション4.4.2参照)。レイヤ2機能の概要は、TS 38.300のsub-clause 6に記載されている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7に列挙されている。
【0013】
例えば、MACレイヤでは、論理チャネルの多重化や、様々なヌメロロジーの処理を含むスケジューリングやスケジューリング関連の機能を担う。
【0014】
物理レイヤ(PHY:physical layer)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間-周波数リソースへの配置を担う。また、トランスポートチャネルの物理チャネルへの配置も行う。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースの組に対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルに配置される。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)となり、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPBCH(Physical Broadcast Channel)となる。
【0015】
NRのユースケース/展開シナリオには、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などがあり、これらはデータレート、遅延、カバレッジに関して多様な要件を持つ。例えば、eMBBでは、IMT-Advancedで提供されているものの三倍ほどのピークデータレート(下り20Gbps、上り10Gbps)および実効(user-experienced)データレートに対応することが求められる。一方、URLLCでは、より厳しい要件が超低遅延(ユーザプレーンの遅延はUL、DLともに0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1-10-5)について課されている。最後に、mMTCには、好ましくは、高い接続密度(都市環境では1平方キロメートルあたり100万台)、悪環境での広いカバレッジ、低コスト機器の超長寿命バッテリー(15年)が求められる。
【0016】
したがって、一つのユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、巡回プレフィクス(CP)長、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル長(したがって、より大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジューリング区間(換言すると、TTI)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい展開シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。同様のCPオーバーヘッドを維持するためには、サブキャリア間隔は適宜最適化される必要がある。NRでは、複数の値のサブキャリア間隔をサポートしてもよい。これに対応して、現時点では15kHz、30kHz、60kHz、・・・、のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル長Tuとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuによって直接関係づけられる。LTEシステムと同様、「リソースエレメント」という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する一つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに使用することができる。
【0017】
新たな無線システム5G-NRにおいては、各ヌメロロジーおよびキャリアに対して、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれに対してサブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッドの各エレメントはリソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと、時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(3GPP TS 38.211 v16.46.0、例、セクション4を参照)。たとえば、ダウンリンクおよびアップリンク送信は10msの持続時間を有するフレームに編成され、各フレームはそれぞれ1msの持続時間の10のサブフレームからなる。5g NRの実装において、サブフレーム当りの連続するOFDMシンボルの数は、サブキャリア間隔設定に依存する。たとえば、15kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは14のOFDMシンボルを有する(通常のサイクリックプレフィックスを想定したLTE適合実装と同様である)。他方で、30kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは2つのスロットを有し、各スロットは14のOFDMシンボルを含む。
【0018】
<5G NRにおけるNG-RANと5GCとの間の機能分離>
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0019】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0020】
アクセス・モビリティ管理機能(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- アクセス層(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- セッション管理機能(SMF)の選択。
【0021】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- RAT内モビリティ/RAT間モビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの強制(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート制御(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0022】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー強制およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0023】
<RRC接続のセットアップおよび再設定の手順>
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(TS 38.300参照)。
【0024】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力(UE Radio Capability)、UEセキュリティ能力(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0025】
したがって、本開示では、gNodeBとのNext Generation(NG)接続を動作時に確立する制御回路と、gNodeBとユーザ機器(UE:User Equipment)との間のシグナリング無線ベアラがセットアップされるように動作時にNG接続を介してgNodeBに初期コンテキストセットアップメッセージを送信する送信部と、を備える、5th Generation Core(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMF等)が提供される。具体的には、gNodeBは、リソース割当設定情報要素(IE:Information Element)を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。そして、UEは、リソース割当設定に基づき上りリンクにおける送信または下りリンクにおける受信を行う。
【0026】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースの一部を示す。第3世代パートナーシッププロジェクトNR(3GPP NR)では、IMT-2020によって多種多様なサービスやアプリケーションに対応することが想定されている三つのユースケースが検討されている。高速大容量(eMBB)のための第一段階の仕様の策定は終了している。eMBBのサポートをさらに拡充することに加え、現在および将来的には、超高信頼低遅延(URLLC)および多数同時接続の標準化の研究も進められる。
図4は、2020年以降のIMTで想定される利用シナリオの例を示す(例えば、ITU-R M.20183の
図2を参照)。
【0027】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、アベイラビリティ等の性能に対する厳しい要件を有し、工業生産や製造プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドの配電自動化、交通安全等、将来の垂直アプリケーションを実現するものの一つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913v16.0.0によって設定された要件を満たす技術を特定することでサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、UL(上りリンク)0.5ms、DL(下りリンク)0.5msのユーザプレーン遅延を目標とすることが主要な要件である。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーン遅延が1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0028】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返し送信等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0029】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なヌメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定グラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰り返し送信、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCSテーブルが含まれる。
【0030】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0031】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムは、無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させることができると考えられうる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し送信、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシチがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0032】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(106レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0033】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰り返し送信、PDCCHのモニタの増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの拡張、および再送/繰り返し送信の拡張が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを含む)。
【0034】
<QoS制御>
5GのQoS(サービス品質)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0035】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば
図3を参照して上に示したように少なくとも一つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0036】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャを示す(例えば、3GPP TS 23.501 v16.7.0 または、v16.7.1.1、セクション4.2.3参照)。
図4に例示される、5Gサービスをホストする外部アプリケーションサーバなどのアプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するために3GPPコアネットワークとやり取りを行う。例えば、トラフィックルーティングに影響を与えるアプリケーションをサポートするためにネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスすること、QoS制御などのポリシー制御のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(ポリシー制御機能(PCF)参照)が挙げられる。オペレータによる配備に基づき、オペレータから信頼されているとみなされるアプリケーション機能は、関連するネットワーク機能と直接やり取りすることができる。ネットワーク機能への直接のアクセスをオペレータから許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部に対する開放フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能とやり取りする。
【0037】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、統一データ管理(UDM)、認証サーバ機能(AUSF)、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびデータネットワーク(DN、例えば、オペレータによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0038】
したがって、本開示では、QoS要件に応じたgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立するために、動作時に、URLLCサービス、eMBBサービス、およびmMTCサービスのうちの少なくとも1つに対するQoS要件を含む要求を5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)のうちの少なくとも1つに送信する送信部と、動作時に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを行う制御回路と、を備える、アプリケーションサーバ(例えば、5GアーキテクチャのAF)が提供される。
【0039】
<ランダムアクセス手順>
LTEと同様に、5G NRはRACH(ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel))手順(または簡単にランダムアクセス手順)を提供する。例えば、RACH手順は、UEによって、UEが見出したセルにアクセスするために用いられ得る。RACH手順は、5G NR内のその他のコンテキスト、例えば以下のもの等においても用いられ得る。
・ 新たなセルに対する同期を確立する場合のハンドオーバのため;
・ あまりにも長期間デバイスからの任意の上りリンク送信がなかったために同期が失われたときに、現在のセルに対する上りリンク同期を再確立するため;
・ デバイスに対する専用スケジューリング要求リソースが設定されていないときに、上りリンクスケジューリングを要求するため。
【0040】
UEにランダムアクセス手順をトリガさせ得るイベントは、以下を含めて多数存在する(3GPP TS 38.300、v16.6.0 セクション9.2.6を参照)。ランダムアクセス手順は、次のようないくつかのイベントによってトリガされる。
- RRC_IDLEからの初期アクセス;
- RRC接続再確立手順;
- UL同期状態が「非同期」である場合のRRC_CONNECTED中のDLデータまたはULデータの到着;
- 利用可能なSRに対するPUCCHリソースが存在しない場合のRRC_CONNECTED中のULデータの到着;
- SRの失敗;
- 同期再設定(例、ハンドオーバ)の際のRRCによる要求;
- RRC_INACTIVEからの移行;
- セカンダリTAGに対する時間的整合を確立すること;
- 他のSIの要求(第7.3節を参照);
- ビーム障害回復;
- SpCellにおける継続的なUL LBTの失敗。
【0041】
移動端末の上りリンク送信が時間同期されている場合、移動端末を上りリンク送信のためにスケジューリングすることができる。したがって、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順は、非同期移動端末(UE)と上りリンク無線アクセスの直交送信との間のインタフェースとしての役割を果たす。例えば、ランダムアクセス手順は、上りリンク同期をまだ獲得していないか、または失っているユーザ機器のための上りリンク時間同期を実現するために使用される。ユーザ機器が上りリンク同期を実現すると、基地局はそのユーザ機器に対する上りリンク送信リソースをスケジューリングできる。ランダムアクセスに関連する1つのシナリオは、RRC_CONNECTED状態にあるユーザ機器が、現在のサービングセルから新たなターゲットセルにハンドオーバし、ターゲットセルにおいて上りリンク時間同期を実現するためにランダムアクセス手順を実行するシナリオである。
【0042】
ランダムアクセス手順には少なくとも2つのタイプが存在でき、アクセスを競合ベース(contention based、すなわち、衝突の固有リスクを意味する)または非競合(contention free)(非競合ベース:non-contention based)のいずれかにできる。ランダムアクセス手順の例示的な定義は、3GPP TS 38.321、v16.5.0 セクション5.1に見出され得る。
【0043】
RACH手順を、
図6および
図7を参照して、以下でより詳細に説明する。以下では、競合ベースのランダムアクセス手順を、
図6に関してより詳細に説明する。この手順は、4つの「ステップ」からなり、したがって、例えば、4ステップRACH手順と呼ぶことができる。最初に、ユーザ機器は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)でランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)を基地局に送信する(すなわち、RACH手順のメッセージ1)。基地局はRACHプリアンブルを検出した後に、ランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)メッセージ(RACH手順のメッセージ2)を、そのプリアンブルを検出した時間-周波数およびスロットを識別する(ランダムアクセス)RA-RNTIを含むPDCCHにおいてアドレッシングされた物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)で送信する。複数のユーザ機器が同一のPRACHリソースにおいて同一のRACHプリアンブルを送信する場合(衝突ともいう)、それらのユーザ機器は同一のランダムアクセス応答メッセージを受信し得る。RARメッセージは、検出されたRACHプリアンブルと、受信したプリアンブルのタイミングに基づくその後の上りリンク送信の同期のためのタイミングアライメント(timing alignment)コマンド(TAコマンド)と、第1のスケジューリングされた送信(Scheduled Transmission)を送信するための初期上りリンクリソース割当て(グラント)と、一時セル無線ネットワーク一時識別子(T-CRNTI:Temporary Cell Radio Network Temporary Identifier)の割当てと、を伝達してもよい。このT-CRNTIは、基地局によって、RACH手順が終了するまでRACHプリアンブルが検出された移動端末をアドレッシングするために使用されるが、これは、RACHプリアンブルの検出の時点でその移動端末の「実際の」アイデンティティはまだ基地局に知られていないためである。
【0044】
ユーザ機器は、基地局によって設定され得る所与の時間ウィンドウ(例えば、RAR受信ウィンドウと呼ばれる)内でランダムアクセス応答メッセージの受信のためにPDCCHをモニタする。基地局から受信したRARメッセージに応答して、ユーザ機器は、ランダムアクセス応答内でグラントによって割り当てられた無線リソースで第1のスケジューリングされた上りリンク送信を送信する。このスケジューリングされた上りリンク送信は、RRC接続要求、RRC再開要求、またはバッファ状態報告等の特定の機能を有する実際のメッセージを伝達する。
【0045】
RACH手順の第1メッセージにおいてプリアンブル衝突が発生した(すなわち、複数のユーザ機器が同一のPRACHリソースで同一のプリアンブルを送信した)場合、衝突するユーザ機器は、ランダムアクセス応答内で同一のT-CRNTIを受信し、RACH手順の第3ステップにおいてそれらのスケジューリングされた送信を送信する場合に同一の上りリンクリソースにおいても衝突する。1つのユーザ機器からのスケジューリングされた送信を基地局が復号できた場合、競合は、他のユーザ機器について未解決のままである。このタイプの競合の解決のために、基地局は、C-RNTIまたは一時C-RNTI宛の競合解決メッセージ(第4メッセージ)を送信する。これによって手順が終了する。
【0046】
図7は非競合ランダムアクセス手順を示しており、これは競合ベースのランダムアクセス手順と比べて簡略化されている。基地局は、第1ステップにおいて、衝突のリスクがないように(すなわち、複数のユーザ機器が同一のプリアンブルを送信するリスクがないように)、ランダムアクセスのために使用するための専用プリアンブルをユーザ機器に提供する。したがって、ユーザ機器はその後、PRACHリソースの上りリンクにおいて、基地局によってシグナリングされたプリアンブルを送信する。非競合ランダムアクセスについては、複数のUEが同じプリアンブルを送信する場合が回避されるため、UEがランダムアクセス応答を問題なく受信した後、非競合ランダムアクセス手順は基本的に完了する。
【0047】
3GPPはまた、5G NRのための2ステップ(競合ベース)RACH手順を定義しており、ここでは、4ステップLTE/NR RACH手順のメッセージ1および3に相当するメッセージ1(MsgAと名付けられる)が最初に送信される2ステップRACHタイプのMsgAは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)におけるプリアンブルと、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)のペイロードと、を含む。MsgA送信後、UEは、設定された時間ウィンドウ内のgNBからの応答をモニタする。次いで、gNBは、4ステップLTE/NR RACH手順のメッセージ2および4に対応するメッセージ2(MsgBと呼ばれる)で応答する。このMsgBは、例えば、成功ランダムアクセス応答(Success RAR)、フォールバックRAR、およびオプションとしてバックオフ通知を含むことができる。成功RARを受信して競合解決が成功したとき、UEはランダムアクセス手順を終了させる。MsgBでフォールバックRARを受信したとき、UEは(4ステップRACH手順と同様に)メッセージ3の送信を行い、競合解決をモニタする。RACHタイプ(例えば、2ステップRACH)を決定した後に、UEが、失敗するまで同一のRACHタイプを再試行し続けるというような、2ステップRACH手順について、いくつかのさらなる例示的な想定がなされる。しかし、MsgA送信の或る回数の再試行の後に、UEが4ステップRACH手順に切り替えることができる可能性もあり得る。
【0048】
さらに、ネットワークは、2ステップRACH手順および4ステップRACH手順を実行するために使用される、互いに排他的な無線リソースを準静的に決定することができる。RACH手順において第1メッセージを送信するために使用される無線リソースは、少なくともRACH機会とプリアンブルとを含む。例えば、2ステップRACH手順において、第1メッセージMsgAは、PRACHリソース(例えば、RACH機会およびプリアンブル)だけでなく、関連するPUSCHリソースも使用する。
【0049】
一般的に、RACHプリアンブルについては、たとえば3GPP TS 38.211 V16.6.0、「表6.3.3.2-2:FR1に対するランダムアクセス設定および対をなすスペクトル/補足アップリンク(Table 6.3.3.2-2:Random access configurations for FR1 and paired spectrum/supplementary uplink)」およびセクション6.3.3.2、「物理リソースに対するマッピング(Mapping to physical resources)」などを参照されたい。
【0050】
<RRC状態(RRC_Connected,RRC_Inactive)>
LTEにおいて、RRC状態マシンはただ2つの状態からなり、それらはRRCアイドル状態(高い省電力性、UEの自律的移動、およびUEのコアネットワークへの接続性が確立されていないことを主な特徴とする)と、RRC接続状態と、であり、RRC接続状態のUEはユーザプレーンデータを送信でき、一方で無損失のサービス継続をサポートするために移動性がネットワーク制御される。5G NRに関連して、以下に説明されるとおり、LTEに関するRRC状態マシンは非アクティブ状態によって拡張される(例、TS 38.331 v16.3.1、
図4.2.1-1、1-2を参照)。
【0051】
NR 5GにおけるRRC(TS 38.331、セクション4を参照)は次の3つの状態、すなわちRRCアイドル状態、RRC非アクティブ状態、およびRRC接続状態をサポートする。RRC接続が確立されているとき、UEはRRC_CONNECTED状態またはRRC_INACTIVE状態のいずれかである。これが当てはまらないとき、すなわちRRC接続が確立されていないとき、UEはRRC_IDLE状態である。
図8に示されるとおり、以下の状態遷移(移行)が可能である。
- 例えば「接続確立」手順に続くRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDへの状態移行;
- 例えば「接続解除」手順に続くRRC_CONNECTEDからRRC_IDLEへの状態移行;
- 例えば「一時停止(suspend)を伴う接続解除」手順に続くRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEへの状態移行;
- 例えば「接続再開」手順に続くRRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDへの状態移行;
- 例えば「接続解除」手順に続くRRC_INACTIVEからRRC_IDLE(単方向)への状態移行。
【0052】
新たなRRC状態であるRRC Inactive状態は、5G 3GPPの新たな無線技術のために定義され、シグナリング、省電力化、レイテンシ等の点で要件が大きく異なる拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、高信頼超低遅延通信(URLLC)等のより広い範囲のサービスをサポートする場合に利益を提供する。したがって、新たなRRC Inactive状態は、例えば、低遅延でデータ転送を開始することを依然として可能にしながら、無線アクセスネットワークおよびコアネットワークにおけるシグナリング、電力消費、およびリソースコストを最小限に抑えることを可能にするように設計される。
【0053】
例示的な5G NR実装によれば、これらの異なる状態は、TS38.331のセクション4.2.1で定義されており、RRC_INACTIVE状態は次のように定義されている。
「RRC_INACTIVE:
- UE固有のDRXは、上位レイヤまたはRRCレイヤによって設定され得る。
- ネットワーク構成に基づいてUEが制御するモビリティ。
- UEはUE非アクティブASコンテキストを記憶する。
- RANベースの通知エリアはRRCレイヤによって設定される。
UEは:
- DCIを介してP-RNTIで送信されるショートメッセージを監視する(6.5節を参照)。
- 5G-S-TMSIを使用したCNページングおよびフルI-RNTIを使用したRANページングについてページングチャネルを監視する。
- 隣接セルの測定およびセル(再)選択を実行する。
- 周期的に、また、設定されたRANベースの通知エリア外に移動したときに、RANベースの通知エリアの更新を実行する。
- システム情報を取得し、SI要求を送信することができる(設定されている場合)。
- 測定値のロギングが設定されたUE(logged measurement configured UE)に対して、位置および時刻と共に利用可能な測定値のロギングを実行する。
- アイドル/非アクティブ測定が設定されたUEに対してアイドル/非アクティブ測定を実行する。
」
【0054】
RRC非アクティブ状態の特徴によれば、非アクティブUEに対して、RANおよびコアネットワークとの接続(ユーザプレーンおよび制御プレーンの両方)が維持される。
【0055】
<同期信号ブロック測定タイミング設定(SMTC)-PSS/SSS、PBCH>
NRは、いわゆる同期信号ブロック、SSブロック(SSB:synchronization signal block)を導入しており、SSBは、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)、セカンダリ同期信号(SSS:Secondary Synchronization Signal)、および物理ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)を含む。PSSおよびSSSは、ネットワークを発見し、ネットワークに同期し、ネットワークを識別するために、UEによって使用することができる。PBCHは、残りのブロードキャストシステム情報が送信される指示を含む最小限のシステム情報を搬送する。LTEでも、これら3つの信号PSS、SSS、およびPBCHが使用されたが、1つのSSBの一部としてではない。
【0056】
NRでは、これら3つのSSBの構成要素が常に一緒に送信され、たとえば、これらは同じ周期(periodicity)を有する。所与のSSBは、SSバーストセット内で繰り返され得、SSバーストセットは、場合によってはgNBビームスイープ送信に使用することができる。SSバーストセットは、特定の期間、たとえば5msのウィンドウなどに制限され得る。初期セル選択では、UEは、20msのデフォルトのSSバーストセット周期を想定し得る。
【0057】
5G NRのPSSは、無線フレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、m系列(m-sequence)の一種である。5G NRのSSSは、サブフレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、同じくm系列である(たとえば、TS38.211 v16.6.0 セクション7.4.2および7.4.3を参照)。
【0058】
<設定グラント、グラントフリーアクセス、グラントフリーアップリンク>
アップリンクデータ送信では、典型的には、UEによってリソースが要求されることと、それに続く、スケジューリング側(基地局など)でのパックされたスケジューリングの決定およびリソースの割り当てとが必要になる。割り当てサイクルにより、追加の遅延およびシグナリングが発生する。UEと基地局との間の無線リソース割り当ての遅延は、UEが前もって基地局に無線リソースを要求することなく無線リソースを使用できるようにすることによって、回避することができる。
【0059】
LTEでは、ボイスオーバーIP(VoIP:Voice over IP)サービスなどの周期的なデータ送信に特に役立つセミパーシステントスケジューリング(SPS:semi-persistent-scheduling)機能が導入された。基地局はSPS無線リソースを設定し、UEは追加のスケジューリング要求手順なしでこれらの周期的無線リソースを使用することができる。しかしながら、LTEのSPS設定は単一のデバイス専用である。割り当てられた周期的リソースをデバイスが必要としない場合(たとえば、衝突警告などの特定のイベントに対してのみデータが送信される場合)、UEによって使用されないSPSリソースは無駄になる。
【0060】
5G NRでは、グラントなしの送信(TWG:transmission without grant)の別名でも知られているグラントフリーアクセスが導入されており、UEは事前のスケジューリングなしで(たとえば、UEが対応するリソース要求を送信せずに)データを送信することも可能になる。同様に、このアプローチにより、レイテンシおよびそれぞれのシグナリングを最小限に抑えることが可能になり得る。
【0061】
さらに、複数のデバイス(UE)が周期的無線リソースを共有することが可能にされ得、これは設定グラント(CG:configured grant)と呼ばれている(これにより、LTEのSPSと比較して、周期的無線リソースの無駄を削減することが容易になる)。一方、複数のUE間で周期的無線リソースが共有されないか、または完全には共有されないように、gNBが周期的無線リソースを定義する可能性もある。gNBは設定グラントの無線リソースを1つまたは複数のUEに割り当て、その後UEは、データ(たとえば小規模データであり、後のセクションを参照)を送信する必要があるときに、周期的無線リソースをランダムに利用する。CGにより、ネットワークは、データを送信できるようになる前に本来実行される必要があるはずの特定のスケジューリング要求手順によって引き起こされるパケット送信遅延を排除する。これにより、割り当てられた周期的無線リソースの利用率も高められ得る。
【0062】
3GPPリリース16では2タイプのグラントフリー設定方式、すなわち、タイプ1およびタイプ2がサポートされている(3GPP38.300v16.6.0:「NR;NR and NG-RAN Overall Description;Stage 2(Release 16)」、セクション10.3を参照)。
【0063】
TS38.300のこの例示的な実装によれば、RRCは、タイプ1のCGを使用して、たとえば周期を含む、設定アップリンクグラントを1つ以上のUEに直接提供する。
【0064】
タイプ2の設定グラントでは、RRCは設定アップリンクグラントの周期を定義するが、1つ以上のUEのCS-RNTIにアドレッシングされたPDCCHメッセージが、設定アップリンクグラントをシグナリングしてアクティブ化したり、非アクティブ化したりすることができ、CS-RNTIにアドレッシングされたPDCCHは、アップリンクグラントが、非アクティブ化されるまで、RRCによって定義された周期に従って暗黙的に再利用できることを示す。換言すれば、追加のL1シグナリング(たとえば、PDCCH)が導入され、アップリンクは、(非)アクティベーションDCIによってアクティブ化/非アクティブ化されるRRCベースのアップリンクグラントによって半永続的にスケジュールされる。RRCはCG設定用の上位レイヤパラメータを提供する。
【0065】
両方の場合において、例示的な3GPP実装によれば、RRCは、ConfiguredGrantConfigと呼ばれる上位レイヤパラメータを通じてUEにグラント設定を提供する(TS38.331v16.5.0、セクション6.3.2「Radio resource control information elements」を参照)。
【0066】
CGのリソース設定は、時間領域および/または周波数領域における物理リソース、ならびに/あるいは参照信号(RS:reference signal)パラメータを含み得る。設定パラメータには、変調および符号化方式(MCS:modulation and coding scheme)、および/または繰り返し数、および/または繰り返し周期、ならびに/あるいはトランスポートブロックサイズがさらに含まれ得る。
【0067】
<小規模データ送信>
本開示においてターゲットとされる小規模データ送信の特性は、遅延に対する厳密な要件なしに、UL/DLにおけるデータバーストが小さく、オプションによっては、データバーストはかなり低頻度であるという特性を有する任意のサービスを指す。たとえば、UEが(たとえば、RACHにおいて、または1回のCG機会で、下記参照)1回の送信で送信できるほど小さい1回のデータ送信は、小規模データ送信とみなすことができる。次の表は、小規模データ送信のトラフィック特性の典型的な非限定的な例をまとめたものである(TR25.705 v13.0.0セクション5を参照)。
【表1】
【0068】
別の異なる可能な例示的定義は、gNBの設定に依存し得る。たとえば、gNBは、特定の閾値(例、1000キロバイト)未満のデータを小規模データとみなし得るのに対し、その閾値を超えるデータを小規模データとみなさないことを定義し得る。この閾値は、たとえばUEのバッファ状態に関連して定義され得る。
【0069】
代替的に、小規模データとは何かという定義は、たとえば上述と同様のデータ量閾値などを提供する適切な3GPP標準(規格)によって固定されることもあり得る。
【0070】
<RRC非アクティブ状態のUEによる小規模データ送信>
より詳細には、5G NRはRRC_INACTIVE状態をサポートし、低頻度の(定期的および/または非定期的な)データ送信を行うUEは、一般的にRRC_INACTIVE状態でネットワークに維持される。Rel-16まで、RRC_INACTIVE状態はデータ送信をサポートしない。よってUEは、任意のDL(MobileTerminated)およびUL(MobileOriginated)データに対する接続を再開する(例、RRC_CONNECTED状態になる)必要がある。接続セットアップ(または再開)およびその後のRRC_INACTIVE状態へのリリースは、データパケットがいかに小さくて低頻度であっても、各データ送信について行われる必要があるだろう。その結果、不必要な電力消費およびシグナリングオーバーヘッドがもたらされる。
【0071】
さらに、3GPP RP-193252の文書は、NR小規模データに関する3GPP作業項目の説明書であり、小規模データという意味での、小規模で頻度の低いデータトラフィックの以下の特定の例を提供し、以下のユースケースを含む。
- スマートフォンアプリケーション:
・ インスタントメッセージングサービス(ワッツアップ、QQ、ウィーチャットなど)からのトラフィック
・ IM/eメールのクライアントおよびその他のアプリからのハートビート/キープアライブトラフィック
・ さまざまなアプリケーションからのプッシュ通知
- 非スマートフォンアプリケーション:
・ ウェアラブルからのトラフィック(定期的な測位情報など)
・ センサ(定期的に、またはイベントによりトリガされる方式で温度、圧力の測定値を送信する産業用ワイヤレスセンサネットワークなど)
・ 定期的なメータ測定値を送信するスマートメータおよびスマートメータネットワーク
【0072】
小規模データ送信は、様々な異なるパケットサイズをサポートすることができ、異なるトラフィック要件を有することができる。
【0073】
たとえば、ハートビートトラフィック/キープアライブトラフィックの場合、パケットサイズは約50バイト~100バイトである。さらに、ハートビートメッセージは5分ごとまたは秒単位で届く。周期的なメータ測定値を送信するスマートメータの場合、パケットサイズは通常の送信で約12~100バイトである。周期的なトラフィックまたはイベントトリガトラフィック(非周期的なトラフィック)を送信するセンサの場合、パケットサイズは約8バイト~128バイトである。インスタントメッセージ(トラフィックパターンは決定的ではない)はテキスト、写真、ビデオなどを送ることができ、パケットサイズは100バイトから1000バイトまで変化する。プッシュ通知の場合、トラフィックパターンは決定的ではなく、異なるアプリケーションは非常に多様なメッセージサイズを生成する。
【0074】
RRC非アクティブ状態にあるUEがRRC接続状態への移行後に(小規模)データを送信することを可能にする従来技術(この場合、5G-NR準拠の従来技術の解決策)の例示的な手順について、
図9を参照して以下で簡単に説明する。図から明らかなように、UEはRRC_Inactive状態にあると仮定し、これには、たとえば、UE(およびgNB)の全てのデータ無線ベアラが一時停止されていること、ならびにgNBにデータを送信できないことが含まれ得る。UEがデータを送信できるようにするには、まずUEをRRC接続状態に移行させる必要があり、これは、たとえば、UEがRACH手順の一部としてRRC接続の再開を要求する(ここでは、RRCResumeRequestを送信する)ことによって行うことができる(
図9では、たとえば、4ステップのRACH手順を使用する)。
【0075】
詳細には、UEは現行のgNBにプリアンブルを送信してもよく、次いで無線リソースの(小さい)ULグラントを有する対応のランダムアクセス応答を受信し、UEはそれを用いてRACH手順のmsg3としてRRCResumeRequestメッセージを送信する。
【0076】
最後に、新たなgNBがUEにRRCResumeメッセージを提供し、次いでUEはすべてのデータ無線ベアラの再開を含むRRC接続状態に移行する。RRC_Connected状態において、次いでUEはUL(小規模)データを送信できる。
【0077】
UEを実際にRRC_CONNECTED状態に移行させるべきであるとgNBがいつどのように判断するかはまだ定義されていない。この点に関する制御は、UEがRRC接続を再開することを要求し得るとしても、依然としてgNB次第である可能性が高い。1つの例示的な可能性は、UEがRRC_CONNECTED状態に移行すべきか否かを決定するために、UEが例えばMsg3またはMsgAにおいて送信することができるバッファ状態報告をgNBが考慮に入れることである。バッファ状態報告は、UEバッファ内のデータの実際の量を示す。例えば、バッファ状態報告がUEバッファ内の大量のデータを示す場合、gNBは、(例えば、gNBがRRCResumeメッセージを送信することによって)UEをRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行させることを決定し得る。一方、バッファ状態報告がUEバッファ内のわずかな量のデータしか示さない場合、gNBは、(例えば、gNBがRRCReleaseメッセージを送信することによって)UEをRRC_INACTIVE状態に保つことを決定し得る。さらに、Msg3/MsgAにおけるバッファ状態報告が無いことによっても、例えば、UEバッファにおいてさらなるデータが利用可能でないという通知をgNBに提供することができ、UEがRRC_INACTIVEに留まることができるという結果になる。さらに、Msg3/MsgAにバッファ状態報告がないことも、たとえば、UEバッファ内に利用可能なデータがこれ以上ないので、UEがRRC_INACTIVEに留まることができると結論付ける通知をgNBに提供し得る。
【0078】
図9の説明から分かるように、UEがアップリンクでユーザデータを送信できるようにするためにUEが最初に非アクティブ状態から接続状態に移行する必要がある上記のプロセスは、レイテンシを生じさせ、ユーザデータの送信ごとにかなりのUE電力を消費する。さらに、小規模データパケットを送信するときにINACTIVE状態のUEのために発生するシグナリングオーバーヘッドは一般的な問題であり、5G NRで同時に処理されるUEが増えるとさらに悪化する。
【0079】
したがって、3GPPは、RRC_Inactive UEが、UE状態をRRC Connectedに変更することなく、上りリンクにおいて小規模データを送信できるようにすることを意図している。一般に、INACTIVE状態にあるとき、断続的な小規模データパケットを有する任意のデバイスには、INACTIVE状態での小規模データ送信を可能にすることによる恩恵がある。
【0080】
3GPPでは、4ステップRACH、2ステップRACH(
図6、
図7など、上記を参照)または設定グラント(CG)手順(上記のセクション「設定グラント、グラントフリーアクセス、グラントフリーアップリンク」を参照)を使用した小規模データ送信(SDT:small data transmission)を有効化することが合意された。さらに、RACH手順は、小規模データ送信、すなわち、小規模データ固有のRACH手順に使用できるように特別に構成することができる。しかしながら、通常の(レガシー)RACH手順(4ステップでも2ステップでも)を代わりに使用して、たとえば、Msg3またはMsgA(
図10および
図11を参照)で、すなわち、非小規模データ固有のRACH手順で、小規模データを搬送することもできる。
【0081】
UEは、小規模データ固有のRACH手順を使用するように設定することができ、これは、汎用のレガシーRACH手順とは異なるリソースを使用するものとして定義することができる。たとえば、プリアンブルが異なる場合が異なり得、またはランダムアクセス機会(すなわち、時間および/または周波数でのもの)が異なり得る。
【0082】
たとえば、2ステップRACHまたは4ステップRACHの両方が、RRC_INACTIVEにおけるRACHベースのアップリンクSDT(小規模データ送信)に適用可能である。4ステップRACHベースのSDTの場合、アップリンクデータはMsg3で送信される。受信したRACHプリアンブルに基づいて、gNBは、小規模データ送信のためにUEによってランダムアクセスが開始されたことを識別し、RAR(Msg2)で適切なULグラントサイズを割り当てる。2ステップRACHベースのSDTの場合、アップリンクデータはMsgAで送信される。受信したRACHプリアンブルに基づいて、gNBは、小規模データ送信のためにUEによってRA(random access)が開始されたことを識別し、フォールバックRARで適切なULグラントサイズを割り当てる。さらに、受信したRACHプリアンブルに基づいて、gNBは復号する適切なPUSCHリソースを識別する。ランダムアクセスが小規模データ送信用であることをネットワークが識別するために、小規模データ送信のために開始されたランダムアクセスに使用される「PRACH機会+プリアンブル」の組み合わせは、他の目的で開始されたランダムアクセスに使用されるものとは異なり得る。
【0083】
小規模データ固有のRACH手順は、典型的には、レガシーの汎用RACH手順よりも衝突リスクが小さく、その理由は、小規模データ固有のRACH用に特別に設定されたリソースは小規模データの送信にのみ使用されるのに対し、通常のレガシーRACH手順は、様々な理由でさらに多くのUEによって使用されるためである。したがって、UEが小規模データ固有のRACH手順を使用するように設定されている場合、UEはレガシーRACH手順ではなくそれを小規模データの送信に使用することになる。
【0084】
UEのアプリケーションタイプに応じて、UEはトラフィック要求が異なり得、それに対応してパケットサイズも異なり得る。gNBは設定グラント(たとえば、タイプ1)に基づいてUEに割り当てられるリソースを決定することができる。gNBは、たとえば、加入情報、トラフィックパターン、および他のタイプのUE支援情報のうちの1つまたは複数に基づいて、この決定を実行することができる。
【0085】
さらなる例示的な実装は、たとえば、設定グラントに関する以下の詳細を含むことができる。
【0086】
設定グラントリソースの設定は、UEがRRC_CONNECTEDにあるときにネットワークによって提供することができ、それによって、UEがRRC_INACTIVEに移行するときにUEは設定グラントリソースを使用することができる。UEの小規模データ転送用に設定されたリソースの設定は、ネットワークによって様々なシナリオで決定され、たとえば、以下が含まれる。
・UEによって提供される、トラフィックパターンを示すUE支援情報
・gNB自体によって、たとえば、RRC_INACTIVEの場合のUEコンテキストの一部として記憶されたトラフィック統計を含むネットワーク評価情報
・UE要求メッセージ。UEは、UEがRRC_CONNECTED状態であるときの将来の小規模データ転送のために設定グラント要求メッセージを送信することができる。
【0087】
上述の様々なケースに基づいて、ネットワークは、小規模データ転送用の設定グラントリソースをUEに設定するか否かを判定する。設定グラントリソース設定は、以下の例示的なシナリオでUEに提供される。
・UEがRRC_CONNECTEDであるときに、UE要求メッセージまたはUE支援情報に基づいて、UEがRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEに移行するときのsuspendConfigを有するRRCリリースメッセージに設定グラントリソースの設定を含めることができる。
・RACHベースの小規模データ送信の場合、UE支援情報に応答した、RACHに成功したユーザに対するMsgBまたはMsg4に含まれるRRCリリースメッセージに設定グラントリソースを含めることができる。
【0088】
UEがまだRRC_INACTIVE状態にあるときにアップリンクで小規模データを送信する1つの可能性は、上記のようにRACH手順を使用することである。
図10および
図11に対して行う、またその後に本発明のいくつかの概念、解決策および変形例を説明するために行う以下の仮定は、単なる例示として考えられるべきである。
【0089】
例としてRACHベースの小規模データアップリンク送信を想定すると、UEは2ステップRACHまたは4ステップRACHのいずれかを使用してアップリンクで小規模データを送信することができ(MsgAまたはMsg3を参照)、簡略化した例示的なRACHベースの小規模データアップリンク送信手順を
図10および
図11に示す。
図10および
図11の両方において、UEが既にRRC_INACTIVE状態にあり、送信に利用可能な小規模データを有していると例示的に仮定する。
図10は4ステップのRACH手順を想定しており、UEがMsg3で小規模データを送信する方法を示している。
図11は2ステップのRACH手順を想定しており、UEがMsgAで小規模データを送信する方法を示している。
【0090】
一例によれば、制御メッセージおよび小規模データは、基地局に一緒に、例えば、同一のトランスポートブロックにおいて一緒に送信される。UEは、リソースを使用してトランスポートブロックを構成し、MACレイヤの同一のトランスポートブロックにおいてデータおよびシグナリングを一緒に多重する。4ステップRACHの場合、小規模データは、例えば、Msg2においてgNBから受信し上りリンクグラントを通じて許可された無線リソースに基づいてMsg3において送信される。2ステップRACHの場合、小規模データは、例えば、選択されたRACHプリアンブルに関連して以前に設定された無線リソースからUEによって選択された無線リソースを使用してMsgAにおいて送信される。
【0091】
さらに、
図10および
図11は、バッファ状態報告(BSR)をそれぞれMsg3およびMsgAに含めることができることを示しているが、BSRを含めることが例示的な可能性にすぎないことを反映するために、BSRは括弧内にしか示していない。たとえば、
図10では、たとえば、BSRが存在しないか、またはUEバッファ内にアップリンク小規模データがほんの少ししかないことを示しているために、gNBがUEをRRC_Inactive状態に維持することを決定すると例示的に仮定する。それに対応して、RRCReleaseメッセージがMsg4で送信される。一方、
図11では、たとえば、UEによって送信される必要があるUEバッファ内のアップリンクデータがかなりの量であることをBSRが示しているので、gNBがUEをRRC_Connected状態に移行させることを決定すると例示的に仮定する。それに対応して、RRCResumeメッセージがMsgAで送信される。さらに、
図10では、アップリンクグラントをMsg2のランダムアクセス応答とは別に示しているが、
図10では同等に、アップリンクグラントがランダムアクセス応答に属し、その一部であるとみなされ得る。
【0092】
要約すると、RRC_INACTIVEのUEのための小規模データアップリンク送信の考えられる例示的な実装が可能であり、たとえば、そのようなRACH手順に基づくことができ、これは2ステップまたは4ステップRACH手順(
図10および
図11を参照)のいずれであるかによらない。
図10および
図11は、小規模データ固有のRACH手順と通常のレガシーRACH手順との両方に適用される。
【0093】
図12は、共に例示的に非アクティブ状態にあるUE1およびUE2の2つのUEに関する設定グラントベースの小規模データ送信を例示的な方法で示している。周期的なCGで割り当てられる無線リソースは、
図12の一番上の行に示しており、特定の周期を有する。たとえば、ハートビートメッセージは5分ごとにUE1で送信に利用可能になり得るが、センサのトラフィック生成はトラフィック周期が1時間ごとである。
【0094】
同じCGリソースがUE1およびUE2の間で共有されて、UE1およびUE2でのアップリンク送信に利用可能になる。時刻t1において、UE1において小規模データが送信に利用可能になると仮定する。次に使用可能なCGリソースは時刻t2であり、UE1はこれを使用して小規模データ送信を実行する。同様に、UE1は、t3で生成された小規模データを送信するために、t4で設定グラントによって割り当てられた無線リソースを使用することができる。UE2において、小規模データが時刻インスタンスt5で送信に利用可能になり、UE2がt6で次に利用可能なCG機会を使用して小規模データを送信すると例示的に仮定する。
【0095】
さらなる改良
一般的かつ例示的な仮定として、5G NRにおけるgNBによる送信はビームに基づいて実行することができ、SSBは特定の方向に放射される特定のビームを介して送信される。
図13は、gNBによる簡略化した例示的なビームスイープ送信を、UE1およびUE2の2つのUEと共に示している。
【0096】
たとえば、ビームスイープは、SSB送信ごとにビーム方向を変更することで実現することができる。換言すれば、gNBからの送信ビーム(および方向)とSSBとの間には1対1の関係がある。したがって、複数のSSBが特定の時間間隔内に送信され、ビームごとに1つのSSBが送信される。各SSBは、SSBインデックスと呼ばれる固有の番号によって識別することができる。
【0097】
複数のUEが、gNBから異なる場所および異なる距離に位置している。UEは、特定の期間内に検出した各SSBの信号強度を測定する。測定結果から、UEは信号強度が最も強いSSB(およびそのインデックス)を特定することができる。信号強度が最も強いこのSSBがUEにとって最良なビームである。
【0098】
3GPPで現在議論されている開発の1つは、CGベースの小規模データ送信、特にそれを改良するためのSSBの使用に関するものである。たとえば、CGベースの小規模データ送信には、設定グラントリソースと同期信号ブロック(SSB)との間の関連付けが必要であることが合意された。さらに、関連付けられたSSBは、閾値を超える信号品質を有している必要があり、すなわち、十分に良好である必要があり、たとえば、信号品質を反映するパラメータとして、SSBのRSRPを使用することができる。十分に良好なSSBのみがUEによって選択される必要があるという要件は、最初のCGベースの小規模データ送信にのみ適用することができるので、SSBの信号品質要件は、後続のCGベースの小規模データ送信では必ずしも満たされる必要はない。一方、十分に良好なSSBのみがUEによって選択される必要があるという要件は、最初だけではなく、後続のCGベースの小規模データ送信のうちの1つまたは全てにも適用することができる。
【0099】
上記の合意の背後にある1つの例示的な理由は、UEがRRC_Inactive(またはRRC_Idle)であるときにどこに位置しているかをgNBが知らないことである。UEがどの方向に位置しているか(たとえば、UEがgNBからどの送信ビームを受信しているか)をgNBが決定するのを支援するために、異なるSSBに対して異なるCGリソースを定義することができる。次いで、UEは特定のSSBに明確に関連付けられたアップリンク送信用のCGリソースを使用するので、gNBは、UEによって使用されているCGリソースからSSBを決定し、ひいては送信ビームおよび方向を決定することができる。
【0100】
さらに、SSBは、とりわけ、UEとgNBとの間で送信タイミングを同期させるために使用される。SSBが良好な(たとえば、閾値を超える)品質を有することを要求することにより、アップリンク小規模データ送信の信頼性が高まる。
【0101】
しかしながら、上記の合意の結果、SSB信号品質要件を満たすSSBが存在しない(たとえば、SSB信号品質閾値を超えるSSBが存在しない)とUEが判定した場合、UEは設定グラントリソースを使用して小規模データを送信することができない。その結果、小規模データは最終的に破棄される必要があり得、そのため、失われる。
【0102】
例示的には、
図13で例示的に仮定しているように、UE1は、SSB2が最も強いSSBを有すると決定し、利用可能な小規模データを送信するためにSSB2ビームに関連付けられたCGリソースを使用することができる。一方、UE2はSSB7およびSSB8を検出し得るが、SSB7およびSSB8の両方の信号強度は不十分であり得るので、UE2は設定グラントリソースを使用して利用可能な小規模データを送信することができないであろう。
【0103】
発明者らは、上記で論じた潜在的な欠点および課題を特定しており、したがって、上記で特定した問題のうちの1つまたは複数を回避または軽減することを可能にする改良された小規模データ送信手順を提供する可能性を特定した。本発明は、そのような改良された小規模データ送信手順のための様々な解決策および変形例に関する。
【0104】
<実施形態>
以下では、これらのニーズを満たすためのUE、基地局、および手順が5G移動通信システムのために想定される新たな無線アクセス技術のために説明されるが、LTE移動通信システムにおいても使用されうる。様々な実装形態および変形例も同様に説明される。以下の開示は、上述の議論および知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づくことができる。
【0105】
一般に、本開示の根底にある原理を明確で簡潔かつ理解可能な方法で説明できるようにするために、本明細書では多くの仮定を行ってきており、以下でも行うことに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、説明のために本明細書でなされた単なる例として理解されるべきであり、本開示の範囲を限定すべきではない。当業者は、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載した原理が、異なるシナリオに適用することができ、また、本明細書で明示的に説明していない方法で適用することができることに気付くであろう。
【0106】
さらに、以下において使用される手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、LTE/LTE-Aシステムまたは現行の3GPP 5G標準化において用いられる用語に密接に関係するが、次の3GPP 5G通信システムに対する新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて用いられる特定の用語はまだ完全に決定されていないか、または最終的に変更され得る。よって、実施形態の機能に影響することなく、将来は用語が変更される可能性がある。結果として、実施形態およびそれらの保護範囲は、より新しい用語または最終合意される用語を欠いた本明細書において例示的に使用される特定の用語に制限されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎をなす機能および概念によってより広く理解されるべきであることを当業者は認識している。
【0107】
たとえば、「移動局」または「移動ノード」または「ユーザ端末」または「ユーザ機器(UE)」は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードがいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。ノードは、ノードの通信を可能にする通信設備または媒体にノードを取り付ける1つ以上のインタフェースを有してもよい。同様に、ネットワークエンティティは、自エンティティと他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを取り付ける論理インタフェースを有してもよい。
【0108】
本明細書における「基地局」または「無線基地局」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを示す。移動局と同様に、基地局はいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。物理エンティティは、スケジューリングおよび設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。なお、基地局の機能と通信デバイスの機能とが単一のデバイス内に統合されてもよい。たとえば、移動端末は、他の端末に対する基地局の機能も実装してもよい。LTEにおいて使用される用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRに対して現在使用される用語はgNBである。
【0109】
UEと基地局との通信は典型的に標準化されており、たとえばPHY、MAC、RRCなどの異なるレイヤによって定義されてもよい(上記の背景技術の説明を参照)。
【0110】
本出願において使用される「小規模データ」という用語は、UEと基地局とがたとえば非小規模に対する小規模として合意したデータとして広く理解されるべきである。たとえば、データが小規模データとみなされるか否かは、基地局がデータ量閾値を設定することによって定義され得る。代替的に、何が小規模データを構成するかは電気通信規格によって、たとえばデータ量閾値を設定することなどによって定義され得る。例として、小規模データとは何かについての可能な定義は、上記の対応する小規模データのセクションで見つけることができる。
【0111】
本出願において使用される「非アクティブ状態」という用語は、UEと基地局との間の通常のかつ大規模のデータ交換ができない状態として広く理解されるべきである。非アクティブ状態のときのUE(「非アクティブUE」と呼ばれる)は、アクティブに使用されるデータ接続を有しないかもしれないが、なおも1つ以上の非アクティブデータ接続を有し(例、存在するが現在使用されていないともいえる)、それによって最初にデータ接続を再開させる必要なく(小規模)データ送信が可能である。説明を完成させるために、アイドル状態のUEは、UEが基地局にデータを送信することを可能にするデータ接続を有しないのに対し、接続状態のUEは、基地局にデータを伝達するために即時使用できる1つ以上のアクティブデータ接続を有する。
【0112】
本出願で使用する「周期的無線リソース」という用語は、時間的に周期的に発生する(たとえば、時間領域および/または周波数領域の)無線リソースを指すものとして広く理解されるべきである。これらの「周期的無線リソース」は、(UEにサービングする)対応するサービング基地局によって事前に1つのUE(または複数のUE)に割り当てることができるので、既に設定されており、(小規模)データが送信に利用可能になったときにUEが最初に無線リソースを要求する必要なく、UEがデータを送信するために使用可能である。一例では、「周期的無線リソース」は、5G実装に関して上述したような設定グラント、たとえば、タイプ1の設定グラントのものである。
【0113】
本出願で使用する「同期信号ブロック」という表現は、1つまたは複数の同期信号の送信を指すものとして広く理解されるべきであり、SSBと略記することができる。一例では、この表現は、たとえばPSS、SSS、およびPBCHを含む、5G実装に関して上記で説明したものと同様または同一のSSBを指す。同期信号ブロックの「信号品質」とは、たとえば、同期信号ブロック内の1つまたは複数の同期信号の信号品質を指す。UEによって決定される「信号品質閾値を超える信号品質」という表現は、同期信号ブロックが適切な品質、たとえば、十分に良好な品質を有するか否かを判定することとして理解されるべきである。この目的のために、信号品質閾値が定義され、検出された各同期信号ブロックがこの閾値と比較される。また、代替の解決策は、同期信号ブロックが信号品質閾値以上の品質を有するか否かの判定をカバーする。
【0114】
本出願で使用する「タイムトリガ制御メカニズム」という表現は、特定のアクションをいつトリガするかを制御するためのメカニズムとして広く理解されるべきであり、特定のアクションは、たとえば、代替の小規模データ送信メカニズムを実行することなどであるが、小規模データの代替の送信を回避するために小規模データの周期的リソースベースの送信を依然として実行しようとするアクションも含まれる。
【0115】
本出願で使用する「代替の小規模データ送信メカニズム」という表現は、当初意図された小規模データ送信メカニズム、ここでは、事前のスケジューリング要求を送信せずに事前に設定された周期的無線リソースがUEによって使用可能である周期的リソースベースの小規模データ送信の代替となる、利用可能な小規模データを送信するための送信メカニズムとして広く理解されるべきである。
【0116】
本出願は、周期的リソースベースの小規模データ送信(たとえば、上述のCGベースのSDT)と、ランダムアクセスベースの小規模データ送信(たとえば、上述のRAベースのSDT)と、を区別する。
【0117】
以下の解決策では、改良された小規模データ送信手順が、3GPP 4Gまたは5G規格に従って既に定義された小規模データ送信に概念的に基づくと例示的に仮定する。
【0118】
図14は、ユーザ機器(通信デバイスとも称する)と、スケジューリングデバイス(ここでは、eLTE eNB(別名、ng-eNB)または5G NRのgNBなどの基地局に配置されると例示的に仮定する)との一般的で簡略化した例示的なブロック図を示している。UEおよびeNB/gNBは、それぞれ送受信機を使用して(無線)物理チャネルを介して相互に通信する。
【0119】
通信デバイスは、送受信機と処理回路とを含んでもよい。送受信機は、受信機および送信機を含んでもよく、かつ/または受信機および送信機として機能してもよい。処理回路は、たとえば1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなどの1つ以上のハードウェアであってもよい。送受信機と処理回路との間に入力/出力点(またはノード)が存在し、処理回路は動作中にこの入力/出力点(またはノード)を通じて送受信機を制御でき、すなわち受信機および/または送信機を制御して受信/送信データを交換できる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、およびRF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数:radio frequency)フロントを含んでもよい。処理回路は、たとえば送受信機を制御して、処理回路が提供するユーザデータおよび制御データを送信すること、および/または処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信することなどの制御タスクを実施してもよい。加えて処理回路は、たとえば判定、決定、計算、測定などのその他のプロセスの実行を担ってもよい。送信機は、送信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセスの実行を担ってもよい。受信機は、受信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセス、たとえばチャネルのモニタなどの実行を担ってもよい。
【0120】
改良された小規模データ送信手順の様々な解決策を以下に説明する。これに関連して、改良された小規模データ送信手順に参加する改良されたUEおよび改良された基地局を示す。UE動作および基地局動作に対応する方法も提供する。
【0121】
図15は、改良された小規模データ送信手順の1つの例示的な実装形態による簡略化した例示的なUE構造を示しており、これは、
図14に関連して説明した一般的なUE構造に基づいて実装することができる。この
図15に示すUEの様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、UEはさらなる構造要素を含み得る。
【0122】
図15から明らかなように、UEは、同期信号ブロック信号品質判定回路、小規模データ送信判定回路、タイムトリガ制御メカニズム回路、および小規模データ送信機を含み得、小規模データ送信機は、たとえば、周期的無線リソースまたは代替の小規模データ送信メカニズム、たとえば、ランダムアクセス手順もしくはセル再選択手順を使用することができる。
【0123】
したがって、この場合、以下の開示から明らかになるように、UEの受信機は、周期的リソースベースの小規模データ送信を設定するための、またはタイムトリガ制御メカニズムを設定するためなどの設定情報を基地局から受信することのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0124】
したがって、この場合、以下の開示から明らかになるように、UEの処理回路は、小規模データが周期的リソースを使用した送信に利用可能になったと判定すること、閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックを決定すること、タイムトリガ制御メカニズムを動作させること、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御すること、タイマーを動作させること、カウンタを動作させること、期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かを判定することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0125】
したがって、この場合、以下の開示から明らかになるように、UEの送信機は、周期的リソースを使用して、もしくはランダムアクセス手順の一部として、小規模データを送信することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0126】
以下でさらにより詳細に開示する1つの例示的な手順は、以下を含むUEによって実装される。UEのプロセッサは、小規模データが送信に利用可能になったと判定する。利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信される。周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む。信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定した場合、
・プロセッサは、動作中、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、
・プロセッサは、動作中、動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEの送信機によって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0127】
対応する例示的な方法は、ユーザ機器UEによって実行される、
小規模データが送信に利用可能になったと判定するステップであって、利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、
判定するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
・タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
・動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0128】
上記で論じたUEおよびUEの方法に沿った例示的なUE動作に対応するシーケンス図を
図16に示す。
図16から明らかなように、UE動作は、閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在するか否かに関する判定を含む。肯定の場合、周期的リソースベースの小規模データ送信のこの要件が満たされ、UEは、その同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースを使用した小規模データの送信に進むことができる。
【0129】
これは、たとえば、閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースをUEが決定することを含むことができ、十分に良好な信号品質を有する同期信号ブロックが2つ以上存在する場合、UEは、それらのうちのいずれか1つ、たとえば、最良の信号品質を有する1つの同期信号ブロックを選択し得る。次いで、UEは、選択された同期信号ブロックに関連付けられたそれらの周期的リソースを使用して、たとえばその特定の周期的リソース機会において、小規模データを送信することができる。
【0130】
一方、十分に良好な信号品質を有するそのような同期信号ブロックが現在存在しない場合、UEは別の方法に進む。具体的には、UEは、タイムトリガ制御メカニズムを動作させて、代替の送信メカニズムを使用して小規模データを送信するか否かを判定し、送信する場合にはいつ送信するかを決定する。たとえば、タイムトリガ制御メカニズムを動作させて、可能な場合、ある期間および/またはある回数にわたって、当初意図されたように周期的リソースを使用して小規模データを送信するさらなる試行をUEが実行できるようにすることができる。
図16から明らかなように、これには、この場合もやはり、十分に良好な信号品質を有する同期信号ブロックが現在存在するか否かの判定が含まれ、存在する場合には、周期的リソースベースの小規模データ送信が含まれ得る。
【0131】
一方、最終的には、タイムトリガ制御メカニズムを動作させて、周期的リソースを使用せずに、小規模データの代替の送信を実行する。これには、たとえば、ランダムアクセス手順を使用した小規模データの送信、またはUEが新しい無線セルで利用可能な小規模データの送信を試行するようなセル再選択手順の実行が含まれ得る。したがって、周期的リソースベースの小規模データ送信が(たとえば、十分に良好な同期信号ブロックが見つからないなどの理由で)しばらくの間不可能な場合でも、小規模データ送信を実現することができる。
【0132】
そのような代替の送信のトリガは、以下でより詳細に説明するように、タイマー、カウンタ、タイマーおよびカウンタの組み合わせ、単純な1回の初期の判定など、いくつかの異なる方法で実装することができる(「タイムトリガ制御メカニズムの第1~第4の実装を参照)。
【0133】
したがって、タイムトリガ制御メカニズムにより、代替の小規模データ送信メカニズムの使用を遅らせて、依然として小規模データを送信できるようにすることによって、当初意図され、設定された周期的リソースを使用した小規模データの送信を優先することが可能になる。言い換えれば、タイムトリガ制御メカニズムにより、代替の小規模データ送信メカニズムをある程度回避することが可能になる。
【0134】
この目的のために、タイムトリガ制御メカニズムは、パラメータに基づいて実行することができ、パラメータの値が異なると、代替の小規模データ送信メカニズムを使用するまで遅延が異なり、遅延の間、UEは、当初意図された周期的リソースベースの小規模データ送信の実行を試行する。
【0135】
周期的リソースベースの小規模データ送信の代わりに代替の小規模データ送信メカニズムを使用することには、小規模データ送信をとにかく実行することができるという利点があり、これは、たとえば、周期的リソースベースの小規模データ送信が、十分に良好な品質の(たとえば、信号品質閾値を超える信号品質を有する)同期信号ブロックのみで可能であるという要件のために、当初意図された周期的リソースベースの小規模データ送信が全く不可能であるか、大幅に遅延するシナリオでは重要である。
【0136】
一方、以下で説明するように、代替の小規模データ送信メカニズムの実行を回避する理由はいくつかある。周期的リソースベースの小規模データ送信は、UEが小規模データを送信できるようにするために基地局によって特別に設定され、これにより、設定された周期的無線リソースは、小規模データ送信に合わせて特別に調整することができ、場合によってはUE専用にすることができ、たとえば、1つまたは複数のUEと共有されない。したがって、他のUEと衝突する可能性は低くなる。
【0137】
ランダムアクセス手順の無線リソースは、多くのUE間で共有され、必ずしも小規模データ送信に合わせて調整されるわけではない。UEに小規模データ固有のランダムアクセス手順を設定することができるが、他のUEと衝突する可能性は依然としてある。さらに、UEは、小規模データに固有ではなく、多くのUEによって(小規模データの送信とは異なる)多くの目的のために使用される、非小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用する必要がある場合がある(たとえば、UEがそのような小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用するように設定されていない場合)。したがって、他のUEとの衝突および干渉の可能性がさらに高くなる。そのようなランダムアクセス手順を使用した小規模データの送信が失敗すると、シグナリングのオーバーヘッドが増加し、電力消費が増加する。
【0138】
全体として、ランダムアクセス手順を使用した小規模データ送信が成功する可能性は、典型的には、周期的リソースベースの小規模データ送信よりもはるかに低い。
【0139】
さらに、セル再選択の実行(およびその後の新しい無線セルでの小規模データ送信)にも欠点があり、たとえば、再選択が完了して新しい小規模データ送信を試行できるようになるまでに大幅な遅延が生じること、また、新しい無線セルでの小規模データ送信がすぐに成功することが保証されないことなどである。さらに、セル再選択でも電力消費が増加する。したがって、セル再選択でも、シグナリングのオーバーヘッドおよび電力消費が大幅に増加し得、これは可能であれば回避するのが最善である。
【0140】
したがって、改良された小規模データ送信手順により、上記で大まかに説明したように、また、多くの異なる実装およびそれぞれの変形例に従って以下に説明するように、有利な周期的リソースベースの小規模データ送信を試行することと、独自の欠点がある他の代替メカニズムを使用して小規模データが確実に送信されるようにすることとの間のトレードオフを設定することが可能になる。
【0141】
改良された小規模データ送信手順のいくつかの例示的な実装には、UEが現在接続されている基地局(たとえば、サービング基地局と呼ばれる)も関与する。それに対応して、改良された小規模データ送信手順は、それに参加する改良された基地局も提供する。基地局は次のものを含むことができる。基地局の送信機は、事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器UEを設定するための設定メッセージをUEに送信する。送信機は、1つまたは複数の同期信号ブロックを送信する。基地局のプロセッサは、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが判定した場合にUEによって動作させられ、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するためにUEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定する。送信機は、1つまたは複数のパラメータをUEに送信する。基地局の受信機は、周期的リソースを介して、または、代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な小規模データを受信する。代替の小規模データ送信メカニズムは、UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、のうちの1つを含む。
【0142】
図17は、改良された小規模データ送信手順の1つの例示的な実装による簡略化した例示的な基地局構造を示しており、これは、
図14に関連して説明した一般的な基地局構造に基づいて実装することができる。この
図17に示す基地局の様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、基地局はさらなる構造要素を含み得る。
【0143】
図17から明らかなように、基地局は、同期信号ブロック送信機と、設定メッセージ送信機と、タイムトリガ制御メカニズムパラメータを決定するための決定回路と、タイムトリガ制御メカニズムパラメータを送信するための送信機と、周期的無線リソースまたは代替の小規模データ送信メカニズム、たとえばランダムアクセス手順などを使用して小規模データを受信することが可能な小規模データ受信機と、を備える。
【0144】
対応する方法は、基地局によって実行される、
事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器UEを設定するための設定メッセージをUEに送信するステップと、
1つまたは複数の同期信号ブロックを送信するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが判定した場合にUEによって動作させられ、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するためにUEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
1つまたは複数のパラメータをUEに送信するステップと、
周期的リソースを介して、または、代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な小規模データを受信するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0145】
上記で論じた基地局に沿った例示的な基地局動作に対応するシーケンス図を
図18に示す。このシーケンス図は、上記で提示した基地局の方法の例示的な簡略化した実装を示している。
【0146】
UEに関して既に上記で論じたように、改良された小規模データ手順により、周期的リソースベースの小規模データ送信が(たとえば、UEが十分に良好な同期信号ブロックを見つけられないなどの理由で)しばらくの間不可能な場合でも、小規模データ送信を実現できることが可能になる。改良された基地局により、タイムトリガ制御メカニズムを最適化すること、具体的には、UEがこのメカニズムを動作させるパラメータを決定することが可能になる。したがって、基地局は、UEを正確に設定し、当初意図され、設定された周期的リソースベースの小規模データ送信を代替の小規模データ送信メカニズムよりも優先する方法を正確に設定することができる。
【0147】
図19は、上記で論じた改良された小規模データ送信手順の改良されたUEおよび改良された基地局の間の単純かつ例示的なインタラクションを示している。
図19に示すこの解決策では、UEが周期的リソースベースの小規模データ送信を使用するように設定されることを例示的に仮定しており、これには、たとえば、周期、時間/周波数無線リソースなどの設定が含まれ得る。一方、基地局がタイムトリガ制御メカニズムに関する設定情報を提供しないことを例示的に仮定する。むしろ、UEは、タイムトリガ制御メカニズムを動作させるために必要なパラメータを自ら決定する。
【0148】
図19は、小規模データがUEで送信に利用可能になることと、UEが、設定された周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信するコンテキストにおいて、いずれかの同期信号ブロック(SSB)が信号品質閾値を超える品質を有するか否かを判定することと、を非常に簡略化した形で示している。yesの場合、UEによって対応する周期的リソース機会を使用して小規模データ送信が実行される。一方、そのようなSSBがUEによって見つからなかった場合、UEはタイムトリガ制御メカニズムを動作させ、最終的に、たとえば、十分に良好な品質のSSBの決定に再度失敗した後に、ランダムアクセス手順などの代替の小規模データ送信メカニズムを使用して小規模データを送信し得る。
【0149】
上記では、対応する改良されたUEおよび改良された基地局を含む、改良された小規模データ送信手順の例示的かつ一般的な実装について説明した。以下では、この改良された小規模データ送信手順の様々な実装および変形例を詳細に示す。
【0150】
1つの例示的な実装では、上記または下記の改良された小規模データ手順は、たとえば5G NR規格化に関連して上記で説明したRRC非アクティブ状態にあるUEによって実行することができる。しかしながら、他の例示的な実装では、UEはRRC_Connected状態またはRRC_Idle状態にあることもできる。
【0151】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の異なる実装では、要件が満たされるか否かを判定するために同期信号ブロックの信号品質が使用されると例示的に仮定する。しかしながら、そのような同期信号ブロックに関連する信号品質を別の方法で決定することも可能である。他の可能性は、同期信号ブロックと同じビームで受信される参照信号の信号品質を、その参照信号の信号品質と同期信号ブロックの信号品質とが一致すると仮定して、代わりに(または追加で)使用することである。そのような参照信号は、たとえば5G NRで定義されているものと同様または同一のチャネル状態情報(CSI:Channel Status Information)参照信号などとすることができる。
【0152】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の異なる実装では、改良された小規模データ送信手順は、ほとんどの場合、信号品質を有する同期信号ブロックに基づいて説明する。1つの例示的な実装によれば、同期信号ブロックは、プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)などの1つまたは複数の同期信号を含むことができ、任意選択により、物理ブロードキャストチャネルPBCHも含むことができ、たとえば、PSS、SSS、および/またはPBCHは、上記で論じた5G NRで定義されたものと同様または同一である。1つの例示的な実装では、信号品質は、同期信号ブロックの1つまたは複数の同期信号に基づいて決定される。さらに、信号品質は、たとえば、参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)、および信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)のうちの1つまたは複数として実装することができる。
【0153】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の異なる実装では、改良された小規模データ送信手順は、代替の小規模データ送信メカニズムとしてランダムアクセス手順を実行することを含むことができる。例示的な実装によれば、ランダムアクセス手順は、そのような状況でUEが使用するために基地局によって設定される小規模データ固有のランダムアクセス手順として実装することができる。あるいは、たとえば、そのような小規模データ固有のランダムアクセス手順が設定されていない場合、UEは、代替の小規模データ送信メカニズムとして非小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用し得る。2つのタイプのランダムアクセス手順の違いは、たとえば、UEがそれぞれ使用することができる無線リソースおよびプリアンブルのうちの1つまたは複数であり得る。
【0154】
それに加えて、またはそれと独立して、上述のランダムアクセス手順は、2つのステップを含むことができ、その場合、利用可能な小規模データの送信は、2ステップランダムアクセス手順の第1のメッセージで実行され、または、4つのステップを含むことができ、その場合、利用可能な小規模データの送信は、4ステップランダムアクセス手順の第3のメッセージで実行される。
【0155】
たとえば、上記で論じた5G NR用に定義されたものと同様または同一の2ステップまたは4ステップのRACH手順を例示的な実装で使用することができる。4ステップおよび2ステップのRACHベースの小規模データ送信の対応する例をそれぞれ
図10および
図11に示し、これらの図に関連して説明する。
【0156】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の異なる実装には、代替の小規模データ送信メカニズムとしてセル再選択を実行することが含まれる。したがって、セル再選択は、現在のSSBがいずれも十分に良好な品質を有さない場合に、キャンプするためのより良好なセルを探索するためにUEによって実行される。
【0157】
たとえば、セル再選択は、以下のステップなどを含むことができる。
【0158】
ステップ1。まず、UEは、UEに記憶された情報に基づいて優先された異なる無線周波数(RF)チャネルを1つずつスキャンする。これらのRFチャネルのいずれかで適切なセルがどうにか見つかった場合、そのセルが選択され、この手順は終了する。そうでない場合、UEはステップ2で説明する初期セル選択プロセスを続ける。
【0159】
ステップ2。ステップ1において優先されたRFチャネルが見つからなかった場合、UEはサポートする全てのNR帯域内の全てのRFチャネルのスキャンを開始する。各チャネル上で、UEは、最も強いセルを探索し、SIB1を読み取り、そのセルによってサポートされているPLMN(公衆陸上移動体通信網:Public Land Mobile Network)をチェックすることによって、そのセルが適切なセルであり得るか否かを検証することのみを行う必要がある。識別されたセルが適切であれば、それが選択され、この手順は終了する。それ以外の場合、UEはスキャンする別のRFチャネルを選択し、このステップを繰り返す。
【0160】
例示的な実装によれば、改良された小規模データ送信手順のセル再選択は、たとえば3GPP TS38.304v16.5.0セクション5.2で定義されているように、5G NR用に現在規格化されているセル再選択と同一または同様のものとすることができる。
【0161】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の例示的な実装によれば、UEが代替の小規模データ送信メカニズムとしてセル再選択手順を使用する場合、セル再選択が即座に、すなわち、(たとえば、タイマーおよび/またはカウンタに基づいて)遅延を導入することなくトリガされるように、タイマートリガ制御を別様に動作させることができる。これには、さらなる周期的リソースベースの小規模データ送信の試行によって引き起こされる追加の遅延が生じないという利点がある。
【0162】
より詳細な実装では、セル再選択が即座にトリガされるか否かの設定は、周期的リソースの設定に関連付けることができる。言い換えれば、周期的リソースの設定に応じて、UEはセル再選択を即座にトリガするか、または、UEが(たとえば、タイマーおよび/またはカウンタを使用して)周期的リソースベースの小規模データ送信を試行することができる遅延を許容するように、タイムトリガ制御を別様に動作させる。UEは、検出されたSSB(全て信号品質が不十分である)のいずれか1つを選択し、そのため、その選択されたSSBに関連付けられた周期的リソースを決定することができる。その周期的リソースに応じて、UEは、セル再選択のトリガに関するさらなる設定を有する。一例では、トリガの設定は、周期的リソースの周期に依存し得る。周期が長い(機会がまばらである)場合、1つまたは複数の周期的リソース機会を待つことに伴う比較的長い遅延を回避するために、セル再選択を即座にトリガすることができる。一方、周期が短い(機会が密である)場合、UEが1つまたは複数の周期的リソースベースの小規模データ送信を試行できる遅延の後にのみセル再選択をトリガすることができ、その遅延は、たとえば、上述および後述のタイムトリガ制御メカニズムを動作させることによって導入することができる。
【0163】
それに加えて、またはその代わりに、UEを上記の点に関してCGリソースの周期に基づいて設定する方法をgNBが決定することができる。たとえば、gNBは、各SSBについて、セル再選択を即座にトリガする場合およびしない場合を、それぞれそのSSBに関連付けられた周期的リソースの周期に基づいて決定することができる。次いで、gNBは、セル再選択を即座にトリガする場合およびしない場合の設定を、たとえば各SSBと合わせて、UEに通知する。
【0164】
たとえば、CG_SDT_cellreselectionと例示的に呼ぶパラメータを上記の点に関して使用し、次のように定義することができる。
CG_SDT_cellreselection ::= ENUMERATED (True)
(これがfalseに設定されている場合、UEはタイムトリガ制御メカニズム、たとえばタイマー/カウンタを動作させる)
【0165】
同様に、上述したように、周期が長い(機会がまばらである)場合、gNBは、1つまたは複数の周期的リソース機会を待つことに伴う比較的長い遅延を回避するために、セル再選択を即座にトリガするようにUEを設定することができる。一方、周期が短い(機会が密である)場合、gNBは、UEが1つまたは複数の周期的リソースベースの小規模データ送信を試行できる遅延の後にのみセル再選択をトリガするようにUEを設定することができる。
【0166】
上記に加えて、上記とは独立して、セル再選択の結果として新しいサービング基地局の新しい無線セルが選択される場合に、小規模データ送信手順がさらに改善される。これは必ずしもそうとは限らず、その理由は、信号品質が大幅に改善されたサービング基地局の新しい無線セルをUEが再選択する場合があるためである。UEは、セル再選択後に、新しいサービングgNBに支援情報を提供する。たとえば、支援情報は、新しいサービング基地局に好ましいCG設定について通知し、支援情報には、たとえば、UEにおけるトラフィックパターンに関する情報が含まれる。新しいサービング基地局は、UEの周期的リソースを設定するときに、この支援情報を考慮に入れることができる。
【0167】
改良された小規模データ送信手順に関する上述および後述のセル再選択の変形例では、UEが新しい無線セルで小規模データを送信すると単に仮定し、さらなる詳細は示さない。より良好な信号品質を有する新しいセルを選択すると、UEが小規模データの送信に成功する可能性が高くなることが想定される。例示的な実装によれば、UEは、新しい無線セルで小規模データを送信するための異なるメカニズムのうちの1つを使用することができ、たとえば、周期的リソースベースの小規模データ送信、RACHベースの小規模データ送信、RRC接続状態時の小規模データの送信などである。
【0168】
上述および後述の改良された小規模データ送信手順の異なる実装には、UEでタイムトリガ制御メカニズムを動作させることが含まれ、これには、このメカニズムを動作させるための1つまたは複数のパラメータを設定することが含まれる。以下では、改良された小規模データ送信手順によるそのようなタイムトリガ制御メカニズムの4つの異なる例示的な実装を提示する。第1の実装はタイマーに基づいており、タイマーが満了すると、UEは周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。第2の実装は、周期的リソースベースの小規模データ送信の試行が失敗するたびにインクリメントされるカウンタに基づいており、カウンタが対応するカウンタ閾値に達したときに、UEは周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。第3の実装は、前述のタイマーおよびカウンタの組み合わせに基づいており、UEは、タイマーが満了したとき、または、カウンタがカウンタ閾値に達したときのいずれか早い方に、周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。第4の実装は、たとえば、最初に失敗した周期的リソースベースの小規模データ送信の試行に後続する定義された期間中に周期的リソースベースの小規模データ送信を試行する可能性がまだあるか否かについてのUEでの早期判定に基づいている。
【0169】
タイムトリガ制御メカニズムの第1の実装 - タイマー
上述したように、タイムトリガ制御メカニズムの第1の実装はタイマーに基づいており、タイマーが満了すると、UEは周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。したがって、このケースでは、タイマーは、UEが小規模データを送信するための代替送信メカニズムを使用できるようになるまでに最大限の遅延を導入するために使用され、これは、タイマーがまだ動作している間に、UEが周期的リソースベースの小規模データ送信のさらなる機会を実際に有するか否かとは無関係である。したがって、タイマーの開始は、小規模データが送信に利用可能になったときまたはそれ以降に、適切にトリガすることができる。
【0170】
1つの例示的な変形例では、利用可能な小規模データの送信のために、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが初めて判定したときに、タイマーが開始される。換言すれば、UEが、たとえばSSBの特定の周期的リソース機会を使用して、小規模データの周期的リソースベースの送信の実行に初めて失敗したときに、タイマーが開始する。対応する同期信号ブロックの品質が十分に良好でないために、UEはそのような周期的リソース機会をスキップする必要がある。
【0171】
スキップされる必要があるそのような周期的リソース機会を識別できるようにするために、UEはまず、検出した複数のSSB(全て信号品質閾値を下回っている)の中から1つのSSBを決定し、次いで、その1つの決定されたSSBに関連付けられた対応する周期的リソースを決定する。したがって、第1の実装は、たとえば、タイムトリガ制御メカニズムの動作のために、全てのSSBの中から1つのSSBを選択するステップを含む。一例によれば、UEは複数のSSBのうち最も高い信号品質を有するSSBを決定し、その理由は、それが周期的リソースベースの小規模データ送信に必要な信号品質閾値を超えるように信号品質を改善し得るものである可能性が最も高いためである。他の例によれば、UEは、小規模データの生成に後続する時間的に次の周期的リソース機会を有するSSBを決定する。他の例によれば、UEは2つ以上のSSB(さらには、検出された全てのSSB)を、タイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準SSBとして決定することもできる。
【0172】
あるいは、タイマーは異なる時点で開始し得、たとえば、小規模データが送信に利用可能になったときに、もしくは小規模データが送信に利用可能になってから特定の時間後に開始し得る。したがって、第1の実装は、UEが特定の周期的リソース機会を、タイマーを開始するための基準として決定すること(複数の検出されたSSBのうちの任意のSSBを最初に決定することを含む)を必要としない。一方、周期的リソースを使用してできるだけ早く小規模データが送信される場合でも、小規模データが送信に利用可能になるたびにタイマーが開始される。したがって、そのようなタイマーの開始は、多くの不要なタイマーの開始を引き起こすことになる。その観点から見ると、最初の周期的リソースベースの送信の試行が失敗したときにタイマーを開始する方が有利に思われ、その理由は、代替の小規模データ送信メカニズムを使用することで解決できる潜在的な問題が実際に存在する場合にのみタイマーが開始されるためである。
【0173】
例示的な変形例では、周期的リソースを使用した小規模データの送信が成功したときにタイマーが停止される。
【0174】
タイマーが動作している間に、すなわち、開始されているが満了していない間に、UEは設定された周期的リソースを使用した利用可能な小規模データの送信の試行に進むことができる。これには、この場合もやはり、適切なSSB(すなわち、十分に高い信号品質を有するもの)を検出できるか否かに関するUEによる繰り返しの判定が含まれる。そのような適切なSSBが検出された場合、UEは、その適切なSSBの対応する周期的リソースに基づいた小規模データの送信に進むことができる。その場合、タイマーは停止される。それ以外の場合、タイマーが満了するまで、このプロセスは単純に繰り返される。
【0175】
図20は、上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムのこの第1の実装による例示的なUE動作のシーケンス図を示している。それに対応して、やがて小規模データが送信に利用可能になり、UEが信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在するか否かの判定に進むと仮定する。yesの場合、UEは適切なSSBに関連付けられた設定された周期的リソースを使用した小規模データの送信に進むことができる。noの場合、UEはタイマーを開始し、タイマーが満了するまで周期的リソースベースの小規模データ送信の実行を試行し続ける。UEがこのとき適切なSSBを見つけた場合、UEはタイマーを停止し、その適切なSSBに関連付けられた周期的リソースを使用した小規模データの送信に進む。タイマーが満了すると、UEは代替の小規模データ送信メカニズムに頼ることが可能になる。
【0176】
図21は、特に、タイマーが満了する前にUEが周期的リソースを使用した小規模データの送信に成功する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第1の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。代替の小規模データ送信メカニズムとしてランダムアクセス手順が使用されると例示的に仮定する。それに対応して、中央の行は、この代替の小規模データ送信メカニズムを使用した場合にUEに利用可能になるランダムアクセス機会を示している。
図21の一番下の行はUEでの動作を示しており、これにはt1での小規模データの生成が含まれる。時刻t1において、UEは、その生成された小規模データの周期的リソースベースの送信に適したSSBが存在するか否かの判定も開始することができる。一番上の行は、1つの特定のSSB、ここではSSB1の周期的リソース機会を示しており、SSB1がタイマーの動作の基準として選択されたSSBであると仮定する。具体的には、タイマーは、基準SSB1の最初の周期的リソース機会に対応するt2で開始され、この周期的リソース機会は、周期的リソースベースの小規模データ送信の適切なSSBがないためにUEによってスキップされる必要がある。
【0177】
図21で仮定しているように、UEは、時刻t3において、適切なSSB(十分に良好な信号品質を有するもの)を決定することに成功し、これは再びSSB1であると例示的に仮定し(説明を容易にするため)、SSB1はタイムトリガ制御メカニズムを動作させるために最初に選択されたものである。次いで、UEは時刻t4において、SSB1の周期的リソースによって提供される次の機会を使用して小規模データを送信する。
【0178】
しかしながら、SSB1(すなわち、タイムトリガ制御メカニズムのために最初に選択されたSSB)以外のSSBが、信号品質を十分に改善するために、小規模データの送信のためにUEによって選択され得る。
【0179】
図22は、特に、タイマーが満了する前にUEが周期的リソースを使用した小規模データの送信に成功せず、その後ランダムアクセス手順を使用した小規模データ送信を実行する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第1の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。上記で説明した
図21と同様の仮定を
図22のシナリオでも行う。時刻t1において、UEにおいて小規模データが生成されると仮定し、これにより、周期的リソースベースの小規模データ送信に適したSSBの探索もトリガされ得る。この場合もやはり、UEがタイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準としてあるSSB、ここではSSB1を選択すると仮定し、これには、選択されたSSB1の周期的リソースの最初にスキップされる機会(
図22のt2)でタイマーを開始することが含まれる。
【0180】
十分に良好な(すなわち、信号品質閾値を超える)SSBがUEによって検出されないため、タイマーによって提供される時間中は周期的リソースベースの小規模データ送信が不可能であると例示的に仮定する。たとえば、SSB1の周期的リソースの他の機会は、上記の理由によりUEによってスキップされる必要がある(
図22のt3を参照)。t4において、タイマーが満了し、UEは時刻t5の次のRA機会を使用して小規模データを送信する。
【0181】
このように、タイムトリガ制御メカニズムの第1のタイマーベースの実装は、UEが他のメカニズムを使用して小規模データを送信できるようにする前に、UEがさらなる周期的リソースベースの小規模データ送信を試行するための設定可能な時間を簡単な方法で提供する。
【0182】
タイマーの値は様々な異なる方法で決定することができ、その一部を以下に示す。
【0183】
第1の変形例によれば、UEは、gNBからの特定の指示なしで自律的にタイマー値を決定することができる。これらの第1の変形例の一例によれば、UEは、UEに記憶された事前設定されたタイマー情報に基づいてタイマーの値を決定することができる。この場合、3GPP規格は、使用するタイマー値を導出する元になるそのようなタイマー情報を定義することができ、その場合、タイマー情報はUEのオペレーティングシステムの一部とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、モバイルネットワークの事業者が、タイマー情報を定義し、それを加入者情報として、たとえばUEのSIMカード(またはe-SIM情報)内に提供し得る。
【0184】
これらの第1の変形例の他の例によれば、UEは、利用可能な小規模データを送信するためにUEが場合により使用し得る周期的リソースの周期に基づいてタイマーの値を決定することができる。SSBの周期的リソースの周期は、UEにとって事前に取得された情報から既知であるので、UEは、タイムトリガ制御メカニズムの動作のための基準SSB(たとえば、
図21、
図22のSSB1)を選択するときに、対応する周期に基づいてタイマー値も決定することができる。
【0185】
たとえば、UEは、タイマー値を上記周期の倍数の逆数または倍数として決定する。1つの例示的な概念は、周期が短い場合にはタイマーの値を大きくし、逆に周期が長い場合にはタイマーの値を小さくすることである。そのような概念に従うと、周期的リソース機会がまばらである(すなわち、周期が長い)場合、タイマー値を短くすることができ、その理由は、周期的リソースベースの小規模データ送信の機会がまばらであるので、長いタイマー値を設定しても意味がないためである。一方、周期的リソース機会が密である場合、UEが当初意図された周期的リソースベースの小規模データ送信の実行をより多く試行できるようにして、代替の小規模データ送信を回避するように、タイマー値を長くすることができる。
【0186】
さらなる第2の変形例によれば、基地局によってタイマー値がUEに設定される。それに対応して、UEは、たとえば、システム情報を介して、または、UE専用メッセージ(たとえば、RRCメッセージ)で、基地局からタイマー設定メッセージを受信する。それに対応して、タイマー設定メッセージには、UEがタイマー値を決定するための適切な情報が含まれる。
【0187】
たとえば、CG_SDT_Timerと例示的に呼ぶパラメータを上記の点に関して使用し、次のように定義することができる。
CG_SDT_Timer ::= ENUMERATED {
ms10, ms40, ms80, ms100, ms128, ms160, ms256, ms320, ms480, ms512,
ms640, ms1024, ms1280, ms2560, ms5120}
【0188】
異なるUEに対してタイマー値が異なることができるという意味で、タイマー値はgNBによってUE向けに特別に決定することができる。それに対応して、gNBは、異なるUEに対して異なるタイマーの値を決定し、異なるタイマー情報を含む対応するタイマー設定メッセージを異なるUEに送信する。gNBは、タイマー値を決定するときに、UEのサービスなどのUE固有の情報を考慮に入れることができる。
【0189】
基地局がタイマー値を決定する第2の変形例は、基地局がタイマー値を決定するときに他の様々なパラメータ、たとえば、トラフィックパターン、UEおよび他のUEのトラフィック特性、無線セル内の干渉状況、およびQoS要件などを考慮に入れることができるので、UEによって使用される「最良の」、たとえば最も適切なタイマー値についてより多くの知識を基地局が有しているという利点を有することができる。
【0190】
どのようにしてUEが自律的にまたはgNBからの設定を使用してタイマー値を決定することができるかに関する上記の第1および第2の変形例に加えて、ただしそれらとは独立して、タイマーの値は、たとえば、利用可能な小規模データに関連付けられた論理チャネル、または上記で示唆したように、小規模データ送信に使用される特定の周期的リソースなどの特定の状況に依存することができる。
【0191】
より詳細には、UEに設定された1つまたは複数の論理チャネルからの小規模データを生成することができると一般的に仮定する。したがって、送信に利用可能な小規模データを1つまたは複数の論理チャネルに関連付けることができる。論理チャネルはそれらの特性、たとえば、論理チャネルのトラフィック要件、論理チャネルのサービス品質(QoS)要件、または論理チャネルの優先順位などに関して異なることができる。タイムトリガ制御メカニズムに使用されるタイマーの値は、小規模データに関連付けられた1つまたは複数の論理チャネルに依存することができる。この目的のために、UEは、異なる論理チャネルまたは論理チャネルの特性を、対応するタイマー値に関連付ける情報を有する。次いで、UEは、利用可能な小規模データが関連付けられた1つまたは複数の論理チャネルを決定し、記憶された関連付け情報から、論理チャネルまたはその特性に対応するタイマー値を導出する。利用可能な小規模データが複数の論理チャネルに関連付けられている場合、一例では、UEは、複数の論理チャネルに関連付けられたタイマー値の中から最小のタイマー値を決定する。
【0192】
他の例では、異なる周期的リソース(たとえば、異なる周期)を異なるタイマー値に関連付けることができる。この解決策は、どのようにしてUEが、たとえば周期的リソースの周期の倍数の逆数または倍数に基づいて、タイマー値を自律的に決定することができるかに関連して既に説明した。
【0193】
タイムトリガ制御メカニズムの第2の実装 - カウンタ
上述したように、タイムトリガ制御メカニズムの第2の実装は、周期的リソースベースの小規模データ送信の試行が失敗するたびにインクリメントされるカウンタに基づいており、カウンタが対応するカウンタ閾値に達したときに、UEは周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。
【0194】
第2の実装の1つの例示的な変形例では、プロセッサが適切な同期信号ブロック(すなわち、十分に良好な信号品質を有するもの)を見つけられなかったために特定の周期的リソース位置の使用に失敗するたびに、カウンタを増加させる。したがって、このケースでは、カウンタは、UEが利用可能な小規模データを送信するために代替の小規模データ送信メカニズムを使用できるようにする前に、周期的リソースベースの小規模データ送信の追加試行回数を最小限に抑えるために使用される。これは、周期的リソースベースの小規模データ送信を実行するための少なくとも1つのさらなる機会がUEに実際に与えられるか否かとはある程度独立して動作する、タイムトリガ制御メカニズムのタイマーベースの第1の実装と比較して異なる。
【0195】
上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムの第1の実装に対応するように、そのような逃される周期的リソース機会を識別できるようにするために、UEはまず、検出した複数のSSB(全て信号品質閾値を下回っている)の中から1つのSSBを決定し、次いで、その1つの決定されたSSBに関連付けられた対応する周期的リソースを決定する。したがって、第2の実装は、たとえば、タイムトリガ制御メカニズムの動作のために、全てのSSBの中から1つのSSBを選択するそのようなステップを含む。一例によれば、UEは複数のSSBのうち最も高い信号品質を有するSSBを決定し、その理由は、それが周期的リソースベースの小規模データ送信に必要な信号品質閾値を超えるように信号品質を改善し得るものである可能性が最も高いためである。他の例によれば、UEは、小規模データの生成に後続する時間的に次の周期的リソース機会を有するSSBを決定する。他の例によれば、UEは2つ以上のSSB(さらには、検出された全てのSSB)を、タイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準SSBとして決定することもできる。
【0196】
例示的な変形例では、周期的リソースを使用した小規模データの送信が成功したときにカウンタがリセットされる。
【0197】
カウンタがまだそのカウンタ閾値に達していない期間中に、UEは設定された周期的リソースを使用した利用可能な小規模データの送信の試行に進むことができる。これには、この場合もやはり、適切なSSB(すなわち、十分に高い信号品質を有するもの)を検出できるか否かに関するUEによる繰り返しの判定が含まれる。そのような適切なSSBが検出された場合、UEは、その適切なSSBの対応する周期的リソースに基づいた小規模データの送信に進むことができる。その場合、カウンタはリセットされる。それ以外の場合、試行が失敗するたびにカウンタが増加し、さらなる周期的リソース機会のたびにこのプロセスが繰り返される。
【0198】
図23は、上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムのこの第2の実装による例示的なUE動作のシーケンス図を示している。それに対応して、やがて小規模データが送信に利用可能になり、UEが信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在するか否かの判定に進むと仮定する。yesの場合、UEは適切なSSBに関連付けられた設定された周期的リソースを使用した小規模データの送信に進むことができる。noの場合、UEはカウンタの動作を開始し、スキップされた周期的リソースベースの小規模データ送信機会に対してカウンタを1だけ増加させる。UEは、カウンタが対応するカウンタ閾値に達するまで周期的リソースベースの小規模データ送信の実行を試行し続ける。UEがこのとき適切なSSBを見つけた場合、UEはカウンタをリセットし、その適切なSSBに関連付けられた周期的リソースを使用した小規模データの送信に進む。カウンタが閾値に達したときに、UEは代替の小規模データ送信メカニズムに頼ることが可能になる。
【0199】
図24は、特に、カウンタがカウンタ閾値に達する前にUEが周期的リソースを使用した小規模データの送信に成功する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第2の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。
図21および
図22と同様に、代替の小規模データ送信メカニズムとしてランダムアクセス手順が使用されると例示的に仮定する。カウンタ閾値2がUEに設定されている、すなわち、代替の小規模データ送信メカニズムの使用が許可される前に、UEが当初設定された周期的リソースを使用した利用可能な小規模データの送信を2回試行すると仮定する。時刻t1において、UEは小規模データを生成し、その生成された小規模データの周期的リソースベースの送信に適したSSBが存在するか否かの判定も開始することができる。
図24の一番上の行は、1つの特定のSSB、ここではSSB1の周期的リソース機会を示しており、SSB1がカウンタの動作の基準として選択されたSSBであると仮定する。
【0200】
時刻t2において、UEは基準SSB1の最初の周期的リソース機会を有するが、この周期的リソース機会は、周期的リソースベースの小規模データ送信に適切なSSBがないためにUEによってスキップされる必要がある。それに対応して、カウンタは1だけ増加されるので、値1を有する。
【0201】
さらに、UEが、時刻t3において、適切なSSBを決定することに成功すると仮定し、これは再びSSB1であると例示的に仮定し(説明を容易にするため)、SSB1はタイムトリガ制御メカニズムを動作させるために最初に選択されたものである。次いで、UEは時刻t4において、SSB1の周期的リソースによって提供される次の機会を使用して小規模データを送信する。しかしながら、SSB1(すなわち、タイムトリガ制御メカニズムのために最初に選択されたSSB)以外のSSBが、信号品質を十分に改善するために、そのSSBの周期的リソースを使用した小規模データの送信のためにUEによって選択され得る。
【0202】
図25は、特に、カウンタがカウンタ閾値に達する前にUEが周期的リソースを使用した小規模データの送信に成功せず、その後ランダムアクセス手順を使用した小規模データ送信を実行する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第2の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。上記で説明した
図24と同様の仮定を
図25のシナリオでも行う。時刻t1において、UEにおいて小規模データが生成されると仮定し、これにより、周期的リソースベースの小規模データ送信に適したSSBの探索もトリガされ得る。この場合もやはり、UEがタイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準としてあるSSB、ここではSSB1を選択すると仮定し、これには、選択されたSSB1の周期的リソースの最初にスキップされる機会(
図25のt2)でカウンタを増加させることが含まれる。
【0203】
十分に良好な(すなわち、信号品質閾値を超える)SSBがUEによって検出されないため、カウンタによって提供される試行回数の間は周期的リソースベースの小規模データ送信が不可能であると例示的に仮定する。具体的には、t3における次の周期的リソース機会は、同じ理由によりUEによってスキップされる必要があり、その結果、カウンタがさらにインクリメントされる。それに対応して、カウンタは値2に達し、したがって、設定されたカウンタ閾値に達する。それに対応して、UEは時刻t4の次のRA機会を使用して小規模データを送信する。
【0204】
このように、タイムトリガ制御メカニズムの第2のカウンタベースの実装は、UEが周期的リソースベースの小規模データ送信を実行する最小試行回数を少なくとも有することを保証し、これはタイムトリガ制御メカニズムの第1のタイマーベースの実装では保証されない。一方、選択された基準SSBの周期が非常に長い場合、このカウンタメカニズムによって導入される遅延が大きくなり得、これは、第1の実装で説明したタイマーを使用するときに上限時間を設けることで回避される。
【0205】
タイマーの値と同様に、カウンタ閾値の値も様々な異なる方法で決定することができる。繰り返しを回避するために、タイマーの値を決定する方法に関する対応する説明が参照される。簡単に言うと、第1の変形例によれば、UEは、基地局からの特定の指示なしで、たとえば、UEに記憶された事前設定されたカウンタ情報から、またはUEが利用可能な小規模データの送信に使用する周期的リソースの周期に基づいて(たとえば、周期の倍数の逆数または倍数)、カウンタ閾値を自律的に決定することができる。
【0206】
さらに、第2の変形例によれば、たとえば基地局からのカウンタ閾値設定メッセージを使用して、基地局によって特定のカウンタ閾値がUEに設定される。
【0207】
たとえば、CG_SDT_Counter_thresholdと例示的に呼ぶパラメータを上記の点に関して使用し、次のように定義することができる。
CG_SDT_Counter_threshold ::= Integer (0..65535)
【0208】
さらに、基地局は、たとえば、トラフィックパターン、UEおよび他のUEのトラフィック特性、および他のUE固有の情報、UE固有のカウンタなどの他のパラメータを考慮に入れて、タイマー値を決定するために上記で開示したのと同じ原理に従って、カウンタ閾値の値を決定することができる。
【0209】
どのようにしてUEが自律的にまたはgNBからの設定を使用してカウンタ閾値を決定することができるかに関する上記の第1および第2の変形例に加えて、ただしそれらとは独立して、カウンタ閾値の値は、たとえば、利用可能な小規模データに関連付けられた論理チャネル、または小規模データの送信に使用される特定の周期的リソースなどの特定の状況に依存することができる。この場合もやはり、たとえば、論理チャネル依存のカウンタ閾値、周期的リソース依存のカウンタ閾値、およびUE固有のカウンタ閾値など、タイマー値に関連して上記の点に関して行った特定の詳細な説明が参照される。
【0210】
タイムトリガ制御メカニズムの第3の実装 - タイマーおよびカウンタの組み合わせ
上述したように、タイムトリガ制御メカニズムの第3の実装は、前述のタイマーおよびカウンタの組み合わせに基づいており、UEは、タイマーが満了したとき、または、カウンタがカウンタ閾値に達したときのいずれか早い方に、周期的リソースベースの小規模データ送信の試行を停止し、代替の小規模データ送信メカニズムを使用した小規模データの送信に進む。あるいは、代替の小規模データ送信メカニズムの使用は、両方のメカニズムがトリガされた場合にのみトリガされる。言い換えれば、第3の実装は、タイムトリガ制御メカニズムの第1および第2の実装を組み合わせであって、両方の実装の利点から恩恵を受けられるようにするものである。具体的には、タイムトリガ制御の両方のメカニズムを使用すると、上限時間(すなわち、タイマー)または上限試行回数(すなわち、カウンタ)を設定して、先にトリガしたメカニズムに基づいて代替の小規模データ送信メカニズムをトリガすることが可能になる。もう1つの利点は、CGリソースの周期がまばらな場合、UEがカウンタ閾値に達するまでに長い時間がかかり得ることである。そのような問題はタイマーを依存することで解決することができる。
【0211】
この第3の実施形態によるタイマーの動作は、第1の実装について上記で詳細に説明したものと同じにすることができる。同様に、この第3の実装によるカウンタの動作は、第2の実装について上記で詳細に説明したものと同じにすることができる。そして、タイマーおよびカウンタは、上記で説明したようにそれぞれ並行して動作させる。
【0212】
図26は、上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムのこの第3の実装による例示的なUE動作のシーケンス図を示している。
図26のこの例示的な実装では、最初にタイマーの満了がチェックされ、次いでカウンタ閾値がチェックされる。しかしながら、他の実装も同様に可能であり、たとえば、最初にカウンタ閾値がチェックされてからタイマーの満了がチェックされるもの、または2つのチェックが並行して実行されるものなどがある。
【0213】
さらに、タイマーおよびカウンタのメカニズムの動作は、他方のメカニズムに対応する影響を与えるように適合させることもでき、たとえば、タイマーが満了したときにカウンタをリセットし、またはカウンタが閾値に達したときにタイマーを停止する。
【0214】
それ以外の場合、第3の実装のUE動作は、第1および第2の実装をそのまま組み合わせたものであり、これには、タイマーの開始ならびにカウンタの最初のインクリメントが、最初に失敗した周期的リソースベースの小規模データ送信後に発生することが含まれる(
図26の「閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックはあるか」を参照)。タイマーが満了しておらず、カウンタもカウンタ閾値に達していない場合、周期的リソースベースの小規模データ送信の繰り返しの試行が許可される。いずれかの条件が真になった場合、UEは、代替の小規模データ送信メカニズム(ここでは例示的に、ランダムアクセス手順)を使用した小規模データの送信に進むことができる。
【0215】
タイムトリガ制御メカニズムの第4の実装 - 期間の決定
上述したように、タイムトリガ制御メカニズムの第4の実装は、たとえば、最初に失敗した周期的リソースベースの小規模データ送信(たとえば、小規模データの送信に十分に良好なSSBが存在しないと初めて判定したとき)に後続する定義された期間中にさらなる周期的リソースベースの小規模データ送信を試行する可能性がまだあるか否かについてのUEでの早期判定に基づいている。したがって、第4の実装により、代替の小規模データ送信を遅らせる価値が本当にあるか否かを、簡単な方法で非常に早い段階で判定することが可能になる。たとえば、その期間中に周期的リソース機会がもう存在しない場合、UEは事実上、さらなる周期的リソースベースの小規模データ送信を試行するチャンスさえ全くないか、またはほんのわずかしかない。そのような場合、UEは、否定判定後の次の機会(たとえば、次のRA機会、
図28を参照)で小規模データを送信するために代替の小規模データ送信メカニズムを使用することを決定することができる。
【0216】
一方、その期間中に利用可能な小規模データを送信するための1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するとUEが判定した場合、UEは、期間中のそれらの残りの周期的リソース機会を使用して小規模データの送信の試行が終わるまで、代替の小規模データ送信メカニズムの使用を遅延させることができる。次いで、UEは、それらの残りの周期的リソース機会のうちの1つで小規模データの送信に成功し得、これには、SSBのうちの少なくとも1つが閾値よりも高い信号品質を有するように改善したと判定することが含まれる。
【0217】
または、UEがそれらの残りの周期的リソース機会のうちのいずれか1つにおいても小規模データの送信に失敗した場合(UEが適切なSSBを見つけられなかったため)、UEは、それらの残りの周期的リソース機会のうちの最後の機会の後に、代替の小規模データ送信メカニズムを使用して利用可能な小規模データを送信することができる。代替の小規模データ送信は、たとえば、その期間の最後にスキップされた周期的リソース機会の後の次の機会に、または期間の満了後の次の機会に実行することができる。
【0218】
1つの例示的な変形例では、期間は、SSBの最初の周期的リソース機会における、最初に失敗した周期的リソースベースの送信の試行から開始する。あるいは、期間は、他の時点、たとえば小規模データが生成された最初の時点で開始することもできる。
【0219】
この判定は、周期的リソースの周期を期間の長さと比較することによって実施することもできる。周期が期間よりも長い場合、さらなる周期的リソース機会は存在しない。周期が期間よりも短い場合、少なくとも1つのさらなる周期的リソース機会が存在するはずである。
【0220】
上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムの第1、第2、および第3の実装に対応するように、そのような逃される周期的リソース機会を識別できるようにするために、UEはまず、検出した複数のSSB(全て信号品質閾値を下回っている)の中から1つのSSBを決定し、次いで、その1つの決定されたSSBに関連付けられた対応する周期的リソースを決定する。したがって、第4の実装は、たとえば、タイムトリガ制御メカニズムの動作のために、全てのSSBの中から1つのSSBを選択するそのようなステップも含み得る。一例によれば、UEは複数のSSBのうち最も高い信号品質を有するSSBを決定し、その理由は、それが周期的リソースベースの小規模データ送信に必要な信号品質閾値を超えるように信号品質を改善し得るものである可能性が最も高いためである。他の例によれば、UEは、小規模データの生成に後続する時間的に次の周期的リソース機会を有するSSBを決定する。他の例によれば、UEは2つ以上のSSB(さらには、検出された全てのSSB)を、タイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準SSBとして決定することもできる。しかしながら、後者の場合、基準SSBの数が増えるにつれて、期間中に周期的リソース機会が存在しない可能性が低くなるので、代替の小規模データ送信メカニズムを即座に使用する可能性も低くなる。
【0221】
図27は、上記で説明したタイムトリガ制御メカニズムのこの第4の実装による例示的なUE動作のシーケンス図を示している。
図27から明らかなように、利用可能な小規模データを送信しようとするときにUEによって適切なSSBが初めて見つからなかった場合に実行されるUE動作のシーケンスステップは、「期間が開始されていない場合は開始する」である。このシーケンスステップは、後続の「期間内にさらなる周期的リソース機会はあるか?」のチェックと組み合わせて理解されるべきである。したがって、具体的には、UEが適切なSSBを見つけ、そのSSBに関連付けられた周期的リソースを使用して小規模データを送信するまで、または、最初に決定された期間内にさらなる周期的リソース機会SSBが存在しなくなるまで、UEは期間中の全ての周期的リソース機会で小規模データの送信を連続的に試行する。その期間内に残りの周期的リソース機会がもう存在しないとUEが判定した場合、UEは送信保留中の小規模データを送信するために代替の小規模データ送信メカニズムをトリガすることができる。
【0222】
図28は、特に、後続の期間中にさらなる設定グラント機会が存在しないとUEが判定する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第4の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。この場合もやはり、ランダムアクセス手順が代替の小規模データ送信メカニズムとして使用されることを例示的に仮定しており、それに対応して、
図28の中央の行はランダムアクセス機会を示している。さらに、やがて小規模データが送信に利用可能になり(時刻t1を参照)、UEが信号品質閾値を超える信号品質を有するSSBが存在するか否かの判定の開始に進むと例示的に仮定する。
図28の一番上の行は、1つの特定のSSB、ここではSSB1の周期的リソース機会を示しており、第4の実装の期間ベースのタイムトリガ制御メカニズムを動作させるための基準として選択されたSSBであると例示的に仮定する。
【0223】
時刻t2において、UEは基準SSB1の周期的リソース機会を使用して小規模データを送信する最初の可能性を有するが、これはUEによってスキップされる必要があり、その理由は、SSB1も他の検出されたSSBも周期的リソースベースの小規模データ送信に十分な品質を有していないためである。したがって、時刻t2において、UEは期間を決定し、次いで、その期間中にSSB1の1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かを判定する。
図28の例示的なシナリオではそうではないので、UEは時刻t3における次のランダムアクセス機会での保留中の小規模データの送信に進む。
【0224】
図29は、特に、後続の期間中にさらなる設定グラント機会が存在するとUEが判定するが、UEが周期的リソースベースの小規模データ送信の実行に依然として失敗する場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第4の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。仮定は基本的に、上記で論じた
図28の場合と同じである。一方、時刻t2においてUEによって使用される期間は、
図28に示した例示的なシナリオよりも大幅に長いので、時刻t3の周期的リソース機会がその期間内に収まる。上記の理由により、UEは代替の小規模データ送信を即座に実行しない。代わりに、UEは、(基準SSB1だけでなく)任意の適切なSSBの周期的リソースを使用して小規模データの送信を試行し続けるので、信号品質閾値を超える信号品質を有するSSBが存在するか否かをチェックし続ける。適切なSSBが見つからないと仮定しているので、UEはt3でのSSB1の周期的リソース機会をスキップする必要があり、その結果、時刻t4の最初のランダムアクセス機会(期間の終了後の最初のRA機会)を使用して小規模データを送信することを決定する。
【0225】
図29には示していないが、代替の解決策は、ランダムアクセス手順を使用して小規模データを送信するために、時刻t3後の最初のランダムアクセス機会を使用することを含む。この最初のランダムアクセス機会は、SSB1の最後の周期的リソース機会の後ではあるが、期間中にさえすることができる。そのような解決策には、代替の小規模データ送信メカニズムを使用する前にさらなる遅延が発生しないという潜在的な利点がある。
【0226】
図30は、特に、後続の期間中にさらなる設定グラント機会が存在するとUEが判定し、UEがその機会に周期的リソースベースの小規模データ送信を実行することができる場合の、タイムトリガ制御メカニズムのこの第4の実装による、時間の経過に伴う小規模データの送信の例示的なシナリオを示している。このシナリオによれば、UEは、時刻t2で基準SSB1の周期的リソース機会を使用した小規模データの送信に失敗した後に、時刻t4ではまだ周期的リソースベースの小規模データ送信を実行することができ、その理由は、SSB1の信号品質は、必要な信号品質閾値を超えるほど改善したためである(時刻t3を参照)。上記のシナリオでは、基準SSB1が改善して選択されると仮定したが、基準SSB1以外の任意のSSBが改善し、そのSSBの周期的リソースを使用した小規模データの送信のためにUEによって選択され得る。
【0227】
期間は、第1および第3の実装のタイマー値、ならびに第2および第3の実装のカウンタ閾値と同様または同一の様々な異なる方法で決定することができ、タイマーの値およびカウンタ閾値の値を決定する方法に関する対応する説明部分が参照される。
【0228】
具体的には、第1の変形例によれば、UEは、gNBからの特定の指示なしで自律的に期間を決定することができる。これらの第1の変形例の一例によれば、UEは、UEに記憶された事前設定された期間情報に基づいて期間の長さを決定することができる。この場合、3GPP規格は、使用する期間長を導出する元になるそのような期間情報を定義することができ、その場合、期間情報はUEのオペレーティングシステムの一部とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、モバイルネットワークの事業者が、期間情報を定義し、それを加入者情報として、たとえばUEのSIMカード(またはe-SIM情報)内に提供し得る。
【0229】
これらの第1の変形例の他の例によれば、UEは、利用可能な小規模データを送信するためにUEが使用する周期的リソースの周期に基づいて期間の長さを決定することができる。SSBの周期的リソースの周期は、UEにとって事前に取得された情報から既知であるので、UEは、タイムトリガ制御メカニズムの動作のためのSSBを選択するときに、対応する周期に基づいて期間の長さも決定することができる。
【0230】
たとえば、UEは、期間長を上記周期の倍数の逆数または倍数として決定する。1つの例示的な概念は、周期が短い場合には期間長を長くし、逆に周期が長い場合には期間長を短くすることである。そのような概念に従うと、周期的リソース機会がまばらである(すなわち、周期が長い)場合、期間長を短くすることができ、その理由は、周期的リソースベースの小規模データ送信の機会がまばらであるので、多くの送信試行を許可しても意味がないためである。一方、周期的リソース機会が密である場合、UEが当初意図された周期的リソースベースの小規模データ送信の実行をより多く試行できるようにして、代替の小規模データ送信を回避するように、期間長を長くすることができる。
【0231】
さらなる第2の変形例によれば、基地局によって期間長がUEに設定される。それに対応して、UEは、たとえば、システム情報を介して、または、UE専用メッセージ(たとえば、RRCメッセージ)で、基地局から期間設定メッセージを受信する。それに対応して、期間設定メッセージには、UEが期間の長さを決定するための適切な情報が含まれる。
【0232】
たとえば、CG_SDT_Timerと例示的に呼ぶパラメータを上記の点に関して使用し、次のように定義することができる。
CG_SDT_Timer ::= ENUMERATED {
ms10, ms40, ms80, ms100, ms128, ms160, ms256, ms320, ms480, ms512,
ms640, ms1024, ms1280, ms2560, ms5120}
【0233】
異なるUEに対して期間長が異なり得るという意味で、期間長はgNBによってUE向けに特別に決定することができる。それに対応して、gNBは、異なるUEに対して異なる期間の長さを決定し、異なる期間長を含む対応する期間設定メッセージを異なるUEに送信する。
【0234】
基地局が期間長を決定する第2の変形例は、他の様々なパラメータ、たとえば、トラフィックパターン、UEおよび他のUEのトラフィック特性、無線セル内の干渉状況、およびQoS要件などを考慮に入れることができるので、UEによって使用される「最良の」、たとえば最も適切な期間長についてより多くの知識を基地局が有しているという利点を有することができる。
【0235】
どのようにしてUEが自律的にまたはgNBからの設定を使用して期間長を決定することができるかに関する上記の第1および第2の変形例に加えて、ただしそれらとは独立して、期間の長さは、たとえば、利用可能な小規模データに関連付けられた論理チャネル、または上記で示唆したように、小規模データ送信に使用される特定の周期的リソースなどの特定の状況に依存することができる。
【0236】
より詳細には、UEに設定された1つまたは複数の論理チャネルからの小規模データを生成することができると一般的に仮定する。したがって、送信に利用可能な小規模データを1つまたは複数の論理チャネルに関連付けることができる。論理チャネルはそれらの特性、たとえば、論理チャネルのトラフィック要件、論理チャネルのサービス品質(QoS)要件、または論理チャネルの優先順位などに関して異なることができる。タイムトリガ制御メカニズムに使用される期間の長さは、小規模データに関連付けられた1つまたは複数の論理チャネルに依存することができる。この目的のために、UEは、異なる論理チャネルまたは論理チャネルの特性を、対応する期間長に関連付ける情報を有する。次いで、UEは、利用可能な小規模データが関連付けられた1つまたは複数の論理チャネルを決定し、記憶された関連付け情報から、期間長を導出する。利用可能な小規模データが複数の論理チャネルに関連付けられている場合、一例では、UEは、複数の論理チャネルに関連付けられた期間長の中から最小の期間長を決定する。
【0237】
他の例では、異なる周期的リソース(たとえば、異なる周期)を異なる期間長に関連付けることができる。この解決策は、どのようにしてUEが、たとえば周期的リソースの周期の倍数の逆数または倍数に基づいて、期間長を自律的に決定することができるかに関連して既に説明した。
【0238】
上記の開示では、UEで動作させるタイムトリガ制御メカニズムの4つの異なる例示的な実装について説明した。
【0239】
上記とは独立して、改良された小規模データ送信手順のさらなる実装は、周期的リソースベースの小規模データ送信のためのSSBが十分に良好な信号品質を有する必要があるという要件をUEが満たす方法を改良することに焦点を当てる。改良された小規模データ送信手順の他の実装では、UEが検出された各SSBの品質を単一の信号品質閾値と比較すると仮定した。言い換えれば、単一の信号品質閾値が全てのSSBと比較するために共通して使用されることを例示的に仮定した。
【0240】
しかしながら、改良された小規模データ送信手順のさらなる有利な実装では、単一の閾値のみを使用する必要はなく、これにより、SSBと比較できる複数の信号品質閾値の使用が可能になる。
【0241】
具体的には、改良された小規模データ送信手順のこの実装は、たとえばUEが利用可能な複数の信号品質閾値の中から、信号品質閾値を決定することをさらに含む。たとえば、信号品質閾値は、たとえば各SSBの周期的リソースに応じて、UEによって検出された異なるSSB間で異なることができる。結果として、信号品質閾値はSSBごとに異なり得、その結果、UEは、検出された各SSBの信号品質をSSB固有の信号品質閾値と比較する。
【0242】
そのような実装は、それぞれ異なるSSBを介した小規模データ送信のために、必要に応じて、適切なSSBの選択が容易にされ(たとえば、信号品質閾値を下げる)、または困難にされる(たとえば、信号品質閾値を上げる)という利点を有する。
【0243】
第1の変形例によれば、信号品質閾値の決定は、SSBを介した小規模データの送信のためにUEによって使用可能な1つまたは複数の送信パラメータを考慮に入れる。たとえば、送信パラメータは、SSBの周期的リソースに関連して定義されるトランスポートブロックサイズ、変調方式、および符号化レートのうちの1つまたは複数を含み得る。小規模データ送信のためにUEによって使用される送信パラメータは、検出されたSSBごとに異なり得、検出されたSSBに関連付けられた周期的リソースと同じ方法でUEに知られる。
【0244】
たとえば、UEは、特定の信号品質閾値を送信パラメータのうちの1つまたは複数に関連付ける記憶された関連付け情報を有することができる。それに対応して、UEがSSBの特定の信号品質をチェックするときに、UEはまず、そのSSBに関連付けられた、そのSSBを介して小規模データを送信するために使用される1つまたは複数の関連する送信パラメータを決定する。次いで、UEは、決定された1つまたは複数の送信パラメータおよび記憶された関連付けに基づいて、関連付けられた信号品質閾値を導出する。次いで、そのSSBの信号品質が、そのように導出された信号品質閾値と比較される。
【0245】
信号品質閾値が1つまたは複数の送信パラメータに応じて異なることができる方法の第1の変形例の1つの例示的な基礎となる原理を以下に示す。基礎となる原理は、小規模データの送信が成功する可能性を高めるために、信号品質閾値が送信パラメータに適合する必要があるということである。たとえば、信号品質閾値は、大きいトランスポートブロックサイズおよび高い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられた高い値を有することができる。したがって、一般に高いチャネル品質の恩恵を受ける送信パラメータが使用される場合(たとえば、QPSKではなく16QAMまたは64QAM)、この実装では比較的高い信号品質閾値を使用する必要があり、その結果、選択されたSSBのチャネル品質が高くなり、小規模データ送信が成功する可能性が高くなる。
【0246】
逆に、信号品質閾値は、小さいトランスポートブロックサイズおよび低い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられた低い値を有することができる。したがって、必ずしも高いチャネル品質を必要としない送信パラメータが使用される場合(たとえば、16QAMまたは64QAMではなくBPSKまたはQPSK)、この実装により比較的低い信号品質閾値が可能になる。その結果、UEは比較的低い信号品質を有するSSBも使用することが可能になり、その理由は、比較的ロバストな送信パラメータ(たとえば、変調方式、符号化レート)が使用されるので、小規模データの送信が成功する可能性が依然として高いためである。
【0247】
したがって、第1の変形例の1つの利点は、SSBの選択が小規模データ送信自体、たとえばそれぞれのSSBを介して小規模データを送信するためにUEによって使用される送信パラメータに合わせて調整されるので、周期的リソースを使用した小規模データ送信が成功する可能性が高くなるということであり得る。たとえば、UEは比較的悪い信号品質を有するSSBを選択することが可能であり得るが(ロバストな送信パラメータが場合)、これは本来、共通して使用される信号品質閾値が原因で、UEが選択できない場合があるものである。
【0248】
第2の変形例によれば、信号品質閾値の決定は、小規模データの送信のためにUEによって使用されるSSBの周期的リソースに関連付けられた優先順位を考慮に入れる。より詳細には、SSBに対して設定される周期的リソースは、たとえばgNBによって設定される周期的リソースの信頼性要件を反映した優先順位に関連付けることもできる。
【0249】
したがって、各SSBの周期的リソースの優先順位は、周期的リソース自体と同じ方法でUEに知られる。
【0250】
たとえば、UEは、特定の信号品質閾値を優先順位に関連付ける記憶された関連付け情報を有することができる。それに対応して、UEがSSBの特定の信号品質をチェックするときに、UEはまず、そのSSBに関連付けられた優先順位を決定する。次いで、UEは、決定された優先順位および記憶された関連付けに基づいて、関連付けられた信号品質閾値を導出する。次いで、そのSSBの信号品質が、そのように導出された信号品質閾値と比較される。
【0251】
信号品質閾値が優先順位に応じて異なることができる方法の第2の変形例の1つの例示的な基礎となる原理を以下に示す。たとえば、周期的リソースの優先順位が高いほど、信号品質閾値も高くなるので、優先順位によって反映される信頼性要件に従って小規模データの送信の信頼性が高くなることが保証される。逆に、周期的リソースの優先順位が低いほど、信号品質閾値も低くなる。
【0252】
上述の実装およびその変形例は、全てのSSBに対する単一の共通の信号品質閾値の代わりに、異なる信号品質閾値を使用することができる解決策を提示する。上記とは独立して、SSB閾値は、gNBからの閾値設定情報を必ずしも有さずに、UEによって自律的に決定することができ、またはgNBによって提供される閾値設定情報に基づいてUEによって決定することができる。
【0253】
様々なSSB閾値をgNBが決定し、次いで、たとえば異なる周期的リソースの設定と共に、UEに通知することができる。したがって、たとえば、gNBによる周期的リソースのSSB固有の設定には、SSB固有の信号品質閾値の設定も含まれる。
【0254】
たとえば、専用のパラメータを上記の点に関して使用し、次のように定義することができる。
CG_SDT_RSRP_threshold_range ::= INTEGER (0..127)、または
CG_SDT_RSRQ_threshold_range ::= INTEGER (0..127)
【0255】
gNBは、たとえば各SSBに固有の周期的リソースの送信パラメータまたは周期的リソースの優先順位のうちの1つまたは複数を考慮に入れて、上記で説明したように各信号品質閾値を決定することができる。
【0256】
他の解決策では、UEは、gNBからの信号品質閾値の特定の設定なしで、SSB固有の信号品質閾値を自律的に決定し得る。上記に関連して、UEは、各SSB信号品質チェックについて、たとえば、周期的リソースの送信パラメータまたは周期的リソースの優先順位のうちの1つまたは複数を考慮に入れて、上記の変形例のうちの1つに従って適切な信号品質閾値を決定する。この情報はUEに既知であるので、gNBからの専用の設定情報は必要ない。
【0257】
図31は、改良された小規模データ送信手順のこの有利な実装による例示的なUE動作のシーケンス図を示している。
図31は、
図16に関連して説明した一般的な改良された小規模データ送信手順に例示的に基づいている。
図16の一般的な解決策と比較して、この実装は、SSBを決定し、そのSSBに対応する信号品質閾値を決定するシーケンスステップをさらに含み、さらに、そのSSBが十分に良好な品質を有するか否かをチェックする後続のSSBチェックを、この特別に決定された信号品質閾値に照らして実行されるように適応させる。
【0258】
図16と比較した違いは、
図31に関連してのみ説明しているが、この実装に固有の違いは、改良された小規模データ手順の他の実装、たとえば、
図20、
図23、
図26、および
図27のUEシーケンス図に例示して説明したUE動作にも適用することができる。
【0259】
この実装に関する上記の説明では、いくつかの信号品質閾値の使用を、適切な方法で代替の小規模データ送信メカニズムの使用をトリガするようにタイムトリガ制御メカニズムを動作させる前述の改良された小規模データ送信手順に加えて使用されるものとして説明した。
【0260】
しかしながら、上記で説明した実装によるいくつかの信号品質閾値の使用は、タイマートリガ制御メカニズムおよび代替の小規模データ送信メカニズムとは独立して、スタンドアロン方式で提供することもできる。たとえば、UEは、小規模データが周期的リソースを使用した送信に利用可能になったと判定する。周期的リソースベースの送信に必要なように、UEは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定する。より詳細には、これは、上記で説明したこの実装の変形例のいずれかに基づいて行われ、たとえば、適切な信号品質閾値を(たとえば、複数の閾値の中から)決定することを含み、次いで、各SSBの信号品質をその目的のためにUEによって特別に決定された信号品質閾値と比較することを含む。
【0261】
次いで、特別に決定された信号品質閾値を超える信号品質を有する適切なSSBがUEによって検出された場合、UEは、その決定された同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースを決定し、決定された周期的リソースを使用して利用可能な小規模データを送信する。一方、適切なSSBがUEによって検出されなかった場合、UEはデータを送信することができず、利用可能な小規模データを送信するための適切なSSBを探し続ける。
【0262】
以下では、改良された小規模データ送信手順の他の実装について説明する。この改良された小規模データ送信手順は、前述の実装とは独立しているが、上記のいずれとも組み合わせることもできる。具体的には、この実装は、UEが周期的リソースベースの小規模データ送信手順を実行するように設定されている場合でも、ランダムアクセスベースの小規模データ送信手順を使用するためのさらなるトリガを提供する。
【0263】
UEは、送信すべき利用可能な小規模データが、たとえばgNBによって設定することができるデータ量閾値を超えているか否かを判定することができる。一例では、この追加の判定は、適切なSSB(十分に良好な信号品質を有するもの)がないために、UEが周期的リソースを使用した小規模データの送信に失敗する場合に、UEによって実行することができる。その後、小規模データの量がデータ量閾値を超えている場合、UEは、周期的リソースベースの小規模データ送信を中止し、代わりにランダムアクセス手順を使用して小規模データを送信する。
【0264】
一方、小規模データの量がデータ量閾値を下回っているとUEが判定した場合、UEは、上述の実装のいずれかに従った(たとえば、タイムトリガ制御の第1~第4の実装のうちの1つを使用した)当初意図された周期的リソースベースの小規模データ送信に進み得る。
【0265】
さらなる態様
第1の態様によれば、次のものを含むユーザ機器が提供される。UEのプロセッサは、小規模データが送信に利用可能になったと判定する。利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む。信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定した場合、
・プロセッサは、動作中、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、
・プロセッサは、動作中、動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEの送信機によって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0266】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、タイムトリガ制御メカニズムは、パラメータに従って、代替の小規模データ送信メカニズムの実行の回避を試行するように制御される。任意選択の実装では、プロセッサが、動作中、利用可能な小規模データの周期的リソースベースの送信のための、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することを可能にするように、タイムトリガ制御メカニズムがパラメータに従ってプロセッサによって動作させられる。
【0267】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、プロセッサは、タイマーに基づいてタイムトリガ制御メカニズムを実行する。任意選択の実装では、タイマーは、
・利用可能な小規模データの送信のために、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが初めて判定したときに、タイマーを開始することと、
・開始されたタイマーが満了していない間に、
-プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、周期的リソースを使用して利用可能な小規模データを送信することを試行することと、
-UEが、周期的リソース機会において、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することに成功した場合に、開始されたタイマーを停止することと、
・タイマーが満了したときに、プロセッサが、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる。
【0268】
第3の態様に加えて提供される第4の態様によれば、プロセッサは、動作中、タイマーの値を、
タイマーの1つの値を示す事前設定されたタイマー情報であって、任意選択により、事前設定されたタイマー情報は、UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、UEに記憶される、事前設定されたタイマー情報と、
タイマー設定メッセージであって、UEは、動作中、サービング基地局からタイマー設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、タイマー設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、UE専用のメッセージである、タイマー設定メッセージと、
利用可能な小規模データを送信するために使用される周期的リソースの周期であって、プロセッサは、動作中、タイマーの値を周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、プロセッサは、動作中、周期的リソースのより短い周期に対してタイマーのより大きい値を決定し、周期的リソースのより長い周期に対してタイマーのより小さい値を決定する、周期と、
小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、プロセッサは、動作中、記憶されたタイマー情報から、論理チャネルに関連付けられた値をタイマーの値として決定し、任意選択により、プロセッサは、小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値をタイマーの値として決定し、任意選択により、タイマーの値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
タイマーの値はUE固有である。
【0269】
第1または第2の態様に加えて提供される第5の態様によれば、プロセッサは、利用可能な小規模データの送信のための、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定した回数をカウントするカウンタに基づいて、タイムトリガ制御メカニズムを実行する。任意選択の実装では、カウンタは、
・周期的リソースの機会について、利用可能な小規模データの送信のための、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとプロセッサが判定するたびに、カウンタを増加させることと、
・カウンタがカウンタ閾値に達していない間に、
-プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することを試行することと、
-UEが、周期的リソース機会において、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することに成功した場合に、カウンタを停止することと、
・カウンタがカウンタ閾値に達したときに、プロセッサが、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる。
【0270】
第5の態様に加えて提供される第6の態様によれば、プロセッサは、動作中、カウンタ閾値の値を、
カウンタ閾値の1つの値を示す事前設定されたカウンタ情報であって、任意選択により、事前設定されたカウンタ情報は、UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、UEに記憶される、事前設定されたカウンタ情報と、
カウンタ設定メッセージであって、UEは、動作中、サービング基地局からカウンタ設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、カウンタ設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、UE専用のメッセージである、カウンタ設定メッセージと、
利用可能な小規模データを送信するために使用される周期的リソースの周期であって、プロセッサは、動作中、カウンタ閾値の値を周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、プロセッサは、動作中、周期的リソースのより短い周期に対してカウンタ閾値のより大きい値を決定し、周期的リソースのより長い周期に対してカウンタ閾値のより小さい値を決定する、周期と、
小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、プロセッサは、動作中、記憶されたカウンタ情報から、論理チャネルに関連付けられた値をカウンタ閾値の値として決定し、任意選択により、プロセッサは、小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値をカウンタ閾値の値として決定し、任意選択により、カウンタ閾値の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
カウンタ閾値の値はUE固有である。
【0271】
第3および第5の態様に加えて提供される第7の態様によれば、プロセッサは、タイマーおよびカウンタの組み合わせに基づいてタイムトリガ制御メカニズムを実行し、プロセッサは、カウンタがカウンタ閾値に達したとき、または、タイマーが満了したとき、のいずれか早い方に、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。
【0272】
第1または第2の態様に加えて提供される第8の態様によれば、プロセッサは、利用可能な小規模データを送信するための、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないという判定に後続する期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいて、タイムトリガ制御メカニズムを実行する。任意選択の実装では、後続する期間中に周期的リソース機会がもう存在しない場合、プロセッサは、周期的リソース機会が存在しないという判定の次の機会において、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。後続する期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在する場合、
・プロセッサは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、後続する期間中の1つまたは複数の後続の周期的リソース機会のそれぞれにおいて、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することを連続的に試行し、
・UEが、後続する1つまたは複数の周期的リソース機会の各々について、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、プロセッサは、後続する期間中の最後の周期的リソース機会の次の機会において、または、後続する期間の満了の次の機会において、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御する。
【0273】
第8の態様に加えて提供される第9の態様によれば、後続する期間中の1つまたは複数の周期的リソース機会は、
・複数の同期信号ブロックのうちの1つ、または、
・複数の同期信号ブロックのうち最も高い信号品質を有する同期信号ブロック、または、
・複数の同期信号ブロックのうちの2つ以上
に関連付けられる。
【0274】
第8または第9の態様に加えて提供される第10の態様によれば、プロセッサは、動作中、期間の値を、
期間の1つの値を示す事前設定された期間情報であって、任意選択により、事前設定された期間情報は、UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、UEに記憶される、事前設定された期間情報と、
期間設定メッセージであって、UEは、動作中、サービング基地局から期間設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、期間設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、UE専用のメッセージである、期間設定メッセージと、
利用可能な小規模データを送信するために使用される周期的リソースの周期であって、プロセッサは、動作中、期間の値を周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、プロセッサは、動作中、周期的リソースのより短い周期に対して期間のより大きい値を決定し、周期的リソースのより長い周期に対して期間のより小さい値を決定する、周期と、
小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、プロセッサは、動作中、記憶された期間情報から、論理チャネルに関連付けられた値を期間の値として決定し、任意選択により、プロセッサは、小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を期間の値として決定し、任意選択により、期間の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
期間の値はUE固有である。
【0275】
第1から第10の態様のいずれか1つに加えて提供される第11の態様によれば、プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から信号品質閾値を決定し、複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、小規模データの送信のためにUEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値のうちの信号品質閾値を、利用可能な小規模データの送信のためにUEによって使用される1つまたは複数の送信パラメータに関連付けられた信号品質閾値として決定する。任意選択の実装では、複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、信号品質閾値のより高い値がより大きいトランスポートブロックサイズおよびより高い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義される。さらに、任意選択の実装では、複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、信号品質閾値のより低い値がより小さいトランスポートブロックサイズおよびより低い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義される。
【0276】
第1から第10の態様のいずれか1つに加えて提供される第12の態様によれば、プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から信号品質閾値を決定し、複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、小規模データの送信のためにUEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有であり、プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値のうちの信号品質閾値を、それぞれの同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースの優先順位に関連付けられた信号品質閾値として決定する。任意選択の実装では、複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、信号品質閾値のより高い値が周期的リソースのより高い優先順位に関連付けられることに基づいて定義される。さらなる任意選択の実装では、複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、信号品質閾値のより低い値が周期的リソースのより低い優先順位に関連付けられることに基づいて定義される。
【0277】
第1の態様に加えて提供される第13の態様によれば、UEが、代替の小規模データ送信メカニズムとしてセル再選択を実行するよう構成される場合、プロセッサは、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックがないと判定した後に遅滞なく即座にセル再選択が実行されるように、タイムトリガ制御メカニズムを動作させるよう構成される。それに加えて、またはその代わりに、送信機は、動作中、新しい無線セルに接続されているときに、周期的リソースの好ましい設定に関する情報を新しい無線セルのサービング基地局に送信する。それに加えて、またはその代わりに、送信機は、動作中、新しい無線セルで小規模データを送信する。
【0278】
第1から第13の態様のいずれか1つに加えて提供される第14の態様によれば、プロセッサが、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックを決定することに成功した場合、
・プロセッサは、動作中、決定された同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースを決定し、
・送信機は、動作中、決定された周期的リソースを使用して利用可能な小規模データを送信する。
【0279】
第1から第14の態様のいずれか1つに加えて提供される第15の態様によれば、UEは、接続状態、アイドル状態、および非アクティブ状態のうちの非アクティブ状態にある。それに加えて、またはその代わりに、同期信号ブロックの信号品質を使用する代わりに、同期信号ブロックと同じビームを介して受信された参照信号の信号品質を使用する。それに加えて、またはその代わりに、同期信号ブロックは、プライマリ同期信号PSSおよびセカンダリ同期信号SSSを含む1つまたは複数の同期信号を含み、任意選択により物理ブロードキャストチャネルPBCHを含み、任意選択により、信号品質は、同期信号ブロックの同期信号のうちの1つまたは複数の信号に基づいて決定される。それに加えて、またはその代わりに、ランダムアクセス手順は、小規模データ固有のランダムアクセス手順または非小規模データ固有のランダムアクセス手順であり、任意選択により、非小規模データ固有のランダムアクセス手順は、UEが小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用するように構成されていない場合に使用され、任意選択により、非小規模データ固有のランダムアクセス手順および小規模データ固有のランダムアクセス手順に使用可能な無線リソースおよびプリアンブルのうちの1つまたは複数は互いに異なる。それに加えて、またはその代わりに、小規模データ固有のランダムアクセス手順および非小規模データ固有のランダムアクセス手順は2つのステップまたは4つのステップを含み、利用可能な小規模データの送信は、2つのステップのランダムアクセス手順の第1メッセージまたは4つのステップのランダムアクセス手順の第3メッセージで実行される。それに加えて、またはその代わりに、信号品質は、参照信号受信電力RSRP、参照信号受信品質RSRQ、および信号対干渉雑音比SINRのうちの1つまたは複数である。
【0280】
第16の態様によれば、ユーザ機器UEによって実行される、
小規模データが送信に利用可能になったと判定するステップであって、利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、
判定するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
・タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
・動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、方法が提供される。
【0281】
第17の態様によれば、次のものを備える基地局が提供される。基地局の送信機は、事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器UEを設定するための設定メッセージをUEに送信する。送信機は、1つまたは複数の同期信号ブロックを送信する。プロセッサは、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが判定した場合にUEによって動作させられ、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するためにUEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定する。送信機は、1つまたは複数のパラメータをUEに送信する。受信機は、周期的リソースを介して、または、代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な小規模データを受信する。代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む。
【0282】
第17の態様に加えて提供される第18の態様によれば、タイムトリガ制御メカニズムのパラメータはタイマーの値であり、タイムトリガ制御メカニズムは、タイマー値でのタイマーの満了時にUEが代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、タイマーに基づいてUEによって動作させられる。送信機は、UEにおけるタイマーのタイマー値を設定するためのタイマー設定メッセージをUEに送信し、任意選択により、タイマー設定メッセージは、システム情報を介して、または、UE専用のメッセージとして、送信される。プロセッサは、周期的リソースの周期に基づいてタイマー値を決定する。プロセッサは、UEに固有のタイマー値を決定する。
【0283】
第17または第18の態様に加えて提供される第19の態様によれば、タイムトリガ制御メカニズムのパラメータはカウンタ閾値の値であり、タイムトリガ制御メカニズムは、カウンタがカウンタ閾値に達したときにUEが代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、カウンタに基づいてUEによって動作させられる。送信機は、UEにおけるカウンタ閾値の値を設定するためのカウンタ設定メッセージをUEに送信し、任意選択により、カウンタ設定メッセージは、システム情報を介して、または、UE専用のメッセージとして、送信される。プロセッサは、周期的リソースの周期に基づいてカウンタ閾値を決定する。プロセッサは、UEに固有のカウンタ閾値を決定する。
【0284】
第17の態様に加えて提供される第20の態様によれば、タイムトリガ制御メカニズムのパラメータは期間の値であり、タイムトリガ制御メカニズムは、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないというUEによる判定に後続する期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいてUEによって動作させられ、後続の期間中に周期的リソース機会が存在しない場合、UEは、周期的リソース機会が存在しないという判定の次の機会において、代替の小規模データ送信メカニズムを実行する。送信機は、UEにおける期間の値を設定するための期間設定メッセージをUEに送信し、任意選択により、カウンタ設定メッセージは、システム情報を介して、または、UE専用のメッセージとして、送信される。
【0285】
第17から第20の態様のいずれか1つに加えて提供される第21の態様によれば、プロセッサは、複数の信号品質閾値を決定する。複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、小規模データの送信のためにUEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、または、複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、小規模データの送信のためにUEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有である。送信機は、複数の信号品質閾値をUEに設定するための信号品質閾値設定メッセージをUEに送信する。
【0286】
第22の態様によれば、基地局によって実行される、
事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器UEを設定するための設定メッセージをUEに送信するステップと、
1つまたは複数の同期信号ブロックを送信するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが判定した場合にUEによって動作させられ、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するためにUEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
1つまたは複数のパラメータをUEに送信するステップと、
周期的リソースを介して、または、代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な小規模データを受信するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、方法が提供される。
【0287】
第23の態様によれば、動作中、ユーザ機器の処理を制御する集積回路であって、処理は、ユーザ機器によって実行される、
小規模データが送信に利用可能になったと判定するステップであって、利用可能な小規模データは、UEからの事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して送信され、
周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、
判定するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
・タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
・動作させられたタイムトリガ制御メカニズムに従って、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するようにUEを制御するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、集積回路が提供される。
【0288】
第24の態様によれば、動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、処理は、基地局によって実行される、
事前のスケジューリング要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能になった小規模データを送信するようにユーザ機器UEを設定するための設定メッセージをUEに送信するステップと、
1つまたは複数の同期信号ブロックを送信するステップと、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないとUEが判定した場合にUEによって動作させられ、周期的リソースを使用して、利用可能な小規模データを送信する代わりに、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように制御するためにUEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
1つまたは複数のパラメータをUEに送信するステップと、
周期的リソースを介して、または、代替の小規模データ送信メカニズムを介して、利用可能な小規模データを受信するステップと、
を含み、
代替の小規模データ送信メカニズムは、
・UEによって、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な小規模データを送信することと、
・UEによって、利用可能な小規模データを送信する新しい無線セルを選択するためのセル再選択手順を実行することと、
のうちの1つを含む、集積回路が提供される。
【0289】
本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装を含むさらなる変形例
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0290】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0291】
通信装置は、送受信機及び処理/制御回路を有してもよい。送受信機は、受信機及び送信機を有し、及び/又は機能してもよい。送信機及び受信機としての送受信機は、増幅器、RF変調器/復調器など及び1つ以上のアンテナを含むRF(Radio Frequency)モジュールを含んでもよい。
【0292】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0293】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0294】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0295】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0296】
加えて通信装置は、たとえば基地局、アクセスポイント、およびたとえば上述の非限定的な例におけるものなどの装置と通信するか、またはそれを制御する任意のその他の装置、デバイス、またはシステムなどのインフラストラクチャ設備を含んでもよい。
【0297】
(制御信号)
本開示において、本開示に関連するダウンリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であり得、または上位レイヤのMAC制御エレメント(CE:Control Element)またはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。ダウンリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。
【0298】
本開示に関連するアップリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であり得、上位レイヤのMAC CEまたはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。また、アップリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。アップリンク制御信号は、アップリンク制御情報(UCI:uplink control information)、第1ステージサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)、または第2ステージSCIに置き換えられ得る。
【0299】
(基地局)
本開示では、基地局は、たとえば、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、リモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地送受信局(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット、またはゲートウェイであり得る。また、サイドリンク通信においては、基地局の代わりに端末が採用され得る。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置であり得る。基地局は路側機であり得る。
【0300】
(アップリンク/ダウンリンク/サイドリンク)
本開示は、アップリンク、ダウンリンク、およびサイドリンクのいずれにも適用され得る。
【0301】
本開示は、たとえば、PUSCH、PUCCH、およびPRACHなどのアップリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCHなどのダウンリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)などのサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0302】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、ダウンリンク制御チャネル、ダウンリンクデータチャネル、アップデータチャネル、アップリンク制御チャネルの例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれサイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれブロードキャストチャネルの例であり、PRACHはランダムアクセスチャネルの例である。
【0303】
(データチャネル/制御チャネル)
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/あるいはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルに置き換えられ得る。
【0304】
(参照信号)
本開示において、参照信号は、基地局および移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)または場合によってはパイロット信号と呼ばれ得る。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のいずれでもあり得る。
【0305】
(時間間隔)
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルのうちの1つまたは組み合わせに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットサブスロット、ミニスロットなどの時間リソース単位、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボルなどの時間リソース単位、あるいは他の時間リソース単位であり得る。1スロットに含まれるシンボル数は、上述の実施形態(複数可)で例示したいかなるシンボル数にも限定されず、他のシンボル数であり得る。
【0306】
(周波数バンド)
本開示は、ライセンスバンド、アンライセンスバンドのいずれにも適用され得る。
【0307】
(通信)
本開示は、基地局と端末との間の通信(Uuリンク通信)、端末と端末との間の通信(サイドリンク通信)、およびビークルツーエブリシング(V2X:Vehicle to Everything)通信のいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHに置き換えられ得る。
【0308】
また、本開示は、地上ネットワーク、または衛星もしくは高高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を使用した地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:非地上ネットワーク:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用され得る。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワーク、シンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワーク、たとえば、超広帯域伝送ネットワークにも適用され得る。
【0309】
(アンテナポート)
アンテナポートとは、1つまたは複数の物理アンテナ(複数可)で形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートは、必ずしも1つの物理アンテナを指すわけではなく、複数のアンテナで形成されるアレイアンテナなどを指す場合もある。たとえば、アンテナポートを形成する物理アンテナの数は定義されておらず、代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することが可能な最小単位として定義される。また、アンテナポートは、プリコーディングベクトルの重み付けを乗算するための最小単位として定義され得る。
【0310】
さらに、さまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるか、またはハードウェアにおいて直接実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよい。ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組み合わせも可能であり得る。ソフトウェアモジュールは、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどの任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。さらに、異なる実施形態の個々の特徴が個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の主題になり得ることに留意すべきである。
【0311】
特定の実施形態において示された本開示に対して、多数の変更および/または修正を加えてもよいことを当業者は認識するだろう。したがって本実施形態はすべての点から例示的であり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作中、小規模データが送信に利用可能
であると判定するプロセッサ
を備え、
利用可能な前記小規模データは、
UE状態のConnected状態への変更なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、前記プロセッサが、動作中、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含み、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定した場合、
前記プロセッサは、動作中、タイムトリガ制御メカニズムを動作させ、
前記UEの送信機は、動作中、動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って
、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信する
、
UE。
【請求項2】
前記タイムトリガ制御メカニズムは、パラメータに従って
、代替の小規模データ送信メカニズムの実行の回避を試行するように制御され、
任意選択により、前記プロセッサが、動作中、利用可能な前記小規模データの前記周期的リソースベースの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する前記複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを可能にするように、前記タイムトリガ制御メカニズムが前記パラメータに従って前記プロセッサによって動作させられる、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記プロセッサは、タイマーに基づいて前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、前記タイマーは、
利用可能な前記小規模データの送信のために、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが初めて判定したときに、前記タイマーを開始することと、
開始された前記タイマーが満了していない間に、
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する前記複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを試行することと、
前記UEが、周期的リソース機会において、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することに成功した場合に、開始された前記タイマーを停止することと、
前記タイマーが満了したときに、前記プロセッサが
、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
前記プロセッサは、動作中、前記タイマーの値を、
前記タイマーの1つの値を示す事前設定されたタイマー情報であって、任意選択により、前記事前設定されたタイマー情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定されたタイマー情報と、
タイマー設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記タイマー設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記タイマー設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記タイマー設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記タイマーの前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記タイマーのより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記タイマーのより小さい値を決定する、前記周期と、
前記小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶されたタイマー情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記タイマーの前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記タイマーの前記値として決定し、任意選択により、前記タイマーの値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記タイマーの前記値はUE固有である、
請求項3に記載のUE。
【請求項5】
前記プロセッサは、利用可能な前記小規模データの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定した回数をカウントするカウンタに基づいて、前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、前記カウンタは、
前記周期的リソースの機会について、利用可能な前記小規模データの送信のための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記プロセッサが判定するたびに、前記カウンタを増加させることと、
前記カウンタがカウンタ閾値に達していない間に、
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを試行することと、
前記UEが、周期的リソース機会において、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することに成功した場合に、前記カウンタを停止することと、
前記カウンタが前記カウンタ閾値に達したときに、前記プロセッサが
、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御することと、
のうちの1つまたは複数に従って動作させられる、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項6】
前記プロセッサは、動作中、前記カウンタ閾値の値を、
前記カウンタ閾値の1つの値を示す事前設定されたカウンタ情報であって、任意選択により、前記事前設定されたカウンタ情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定されたカウンタ情報と、
カウンタ設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記カウンタ設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記カウンタ設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記カウンタ設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記カウンタ閾値の前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記カウンタ閾値のより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記カウンタ閾値のより小さい値を決定する、前記周期と、
小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶されたカウンタ情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記カウンタ閾値の前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記カウンタ閾値の前記値として決定し、任意選択により、前記カウンタ閾値の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記カウンタ閾値の前記値はUE固有である、
請求項5に記載のUE。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記タイマーおよ
びカウンタの組み合わせに基づいて前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
前記プロセッサは、前記カウンタ
がカウンタ閾値に達したとき、または、前記タイマーが満了したとき、のいずれか早い方に、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御する、
請求項
3に記載のUE。
【請求項8】
前記プロセッサは、利用可能な前記小規模データを送信するための、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないという前記判定に後続する期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいて、前記タイムトリガ制御メカニズムを実行し、
任意選択により、後続する前記期間中に周期的リソース機会が存在しない場合、前記プロセッサは、周期的リソース機会が存在しないという前記判定の次の機会において
、代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御し、
後続する前記期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在する場合、
前記プロセッサは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することをそれぞれ含む、後続する前記期間中の1つまたは複数の後続の周期的リソース機会のそれぞれにおいて、前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することを連続的に試行し、
前記UEが、後続する前記1つまたは複数の周期的リソース機会の各々について、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、前記プロセッサは、後続する前記期間中の最後の周期的リソース機会の次の機会において、または、後続する前記期間の満了の次の機会において、前記代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように前記UEを制御する、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項9】
後続する前記期間中の前記1つまたは複数の周期的リソース機会は、
前記複数の同期信号ブロックのうちの1つ、または、
前記複数の同期信号ブロックのうち最も高い信号品質を有する同期信号ブロック、または、
前記複数の同期信号ブロックのうちの2つ以上
に関連付けられる、
請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記プロセッサは、動作中、前記期間の値を、
前記期間の1つの値を示す事前設定された期間情報であって、任意選択により、前記事前設定された期間情報は、前記UEのオペレーティングシステムの一部として、または、加入者情報の一部として、前記UEに記憶される、前記事前設定された期間情報と、
期間設定メッセージであって、前記UEは、動作中、サービング基地局から前記期間設定メッセージを受信する受信機を含み、任意選択により、前記期間設定メッセージは、システム情報から受信されるか、または、前記UE専用のメッセージである、前記期間設定メッセージと、
利用可能な前記小規模データを送信するために使用される前記周期的リソースの周期であって、前記プロセッサは、動作中、前記期間の前記値を前記周期の倍数または倍数の逆数として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースのより短い周期に対して前記期間のより大きい値を決定し、前記周期的リソースのより長い周期に対して前記期間のより小さい値を決定する、前記周期と、
前記小規模データが関連付けられた少なくとも1つの論理チャネルのうちの1つであって、前記プロセッサは、動作中、記憶された期間情報から、前記論理チャネルに関連付けられた値を前記期間の前記値として決定し、任意選択により、前記プロセッサは、前記小規模データが関連付けられた複数の論理チャネルに関連付けられた複数の値のうちの最小値を前記期間の前記値として決定し、任意選択により、前記期間の値は、論理チャネルのトラフィック要件、サービス品質要件、および優先順位のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、前記少なくとも1つの論理チャネルのうちの前記1つと、
のうちの1つまたは複数に基づいて決定し、
前記期間の前記値はUE固有である、
請求項
8に記載のUE。
【請求項11】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から前記信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、前記プロセッサは、動作中、前記複数の信号品質閾値のうちの前記信号品質閾値を、利用可能な前記小規模データの送信のために前記UEによって使用される前記1つまたは複数の送信パラメータに関連付けられた前記信号品質閾値として決定し、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより高い値がより大きいトランスポートブロックサイズおよびより高い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義され、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより低い値がより小さいトランスポートブロックサイズおよびより低い変調方式のうちの1つまたは複数に関連付けられることに基づいて定義される、
請求項
1に記載のUE。
【請求項12】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値の中から前記信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有であり、前記プロセッサは、動作中、前記複数の信号品質閾値のうちの前記信号品質閾値を、それぞれの前記同期信号ブロックに関連付けられた前記周期的リソースの前記優先順位に関連付けられた前記信号品質閾値として決定し、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより高い値が周期的リソースのより高い優先順位に関連付けられることに基づいて定義され、
任意選択により、前記複数の信号品質閾値の少なくとも一部は、前記信号品質閾値のより低い値が周期的リソースのより低い優先順位に関連付けられることに基づいて定義される、
請求項
1に記載のUE。
【請求項13】
前記UEが
、代替の小規模データ送信メカニズムとしてセル再選択を実行するよう構成される場合、前記プロセッサは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックがないと判定した後に遅滞なく即座に前記セル再選択が実行されるように、前記タイムトリガ制御メカニズムを動作させるよう構成され、および/または、
前記送信機は、動作中
、新しい無線セルに接続されているときに、前記周期的リソースの好ましい設定に関する情報を前記新しい無線セルのサービング基地局に送信し、および/または、
前記送信機は、動作中、前記新しい無線セルで前記小規模データを送信する、
請求項1に記載のUE。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックを決定することに成功した場合、
前記プロセッサは、動作中、決定された前記同期信号ブロックに関連付けられた周期的リソースを決定し、
前記送信機は、動作中、決定された前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信する、
請求項
1に記載のUE。
【請求項15】
前記UEは、接続状態、アイドル状態、および非アクティブ状態のうちの前記非アクティブ状態にあり、および/または、
前記同期信号ブロックの前記信号品質を使用する代わりに、前記同期信号ブロックと同じビームを介して受信された参照信号の信号品質を使用し、および/または、
前記同期信号ブロックは、プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を含む1つまたは複数の同期信号を含み、任意選択により物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含み、任意選択により、前記信号品質は、前記同期信号ブロックの前記同期信号のうちの1つまたは複数の信号に基づいて決定され、および/または、
前記ランダムアクセス手順は、小規模データ固有のランダムアクセス手順または非小規模データ固有のランダムアクセス手順であり、任意選択により、前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順は、前記UEが小規模データ固有のランダムアクセス手順を使用するように構成されていない場合に使用され、任意選択により、前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順および前記小規模データ固有のランダムアクセス手順に使用可能な無線リソースおよびプリアンブルのうちの1つまたは複数は互いに異なり、および/または、
前記小規模データ固有のランダムアクセス手順および前記非小規模データ固有のランダムアクセス手順は、2つのステップまたは4つのステップを含み、利用可能な前記小規模データの送信は、前記2つのステップのランダムアクセス手順の第1メッセージまたは前記4つのステップのランダムアクセス手順の第3メッセージで実行され、および/または、
前記信号品質は、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、および信号対干渉雑音比(SINR)のうちの1つまたは複数である、
請求項
1に記載のUE。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)によって実行される、
小規模データが送信に利用可能
であると判定するステップであって、利用可能な前記小規模データは、
UE状態のConnected状態への変更なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定することを含む、
前記判定するステップと、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って
、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信する
ステップと
、
を含む、
方法。
【請求項17】
動作中、
UE状態のConnected状態への変更なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能
である小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信する送信
機と、
動作中、信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合
に前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するプロセッ
サと、
動作中、前記周期的リソースを介して、または、
ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを受信する受信機と、
を備え
る、
基地局。
【請求項18】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータはタイマーの値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、前記タイマーの前記値での前記タイマーの満了時に前記UE
が代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、前記タイマーに基づいて前記UEによって動作させられ、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記タイマーの前記値を設定するためのタイマー設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記タイマー設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信され、
前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースの周期に基づいて前記タイマーの前記値を決定し、
前記プロセッサは、動作中、前記UEに固有の前記タイマーの前記値を決定する、
請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータはカウンタ閾値の値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、カウンタが前記カウンタ閾値に達したときに前記UE
が代替の小規模データ送信メカニズムを実行するように、前記カウンタに基づいて前記UEによって動作させられ、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記カウンタ閾値の前記値を設定するためのカウンタ設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記カウンタ設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信され、
前記プロセッサは、動作中、前記周期的リソースの周期に基づいて前記カウンタ閾値を決定し、
前記プロセッサは、動作中、前記UEに固有の前記カウンタ閾値の前記値を決定する、
請求項17または18に記載の基地局。
【請求項20】
前記タイムトリガ制御メカニズムの前記パラメータは期間の値であり、前記タイムトリガ制御メカニズムは、前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないという前記UEによる判定に後続する前記期間中に1つまたは複数の周期的リソース機会が存在するか否かに基づいて前記UEによって動作させられ、後続する前記期間中に周期的リソース機会が存在しない場合、前記UEは、周期的リソース機会が存在しないという判定の次の機会において
、代替の小規模データ送信メカニズムを実行し、
前記送信機は、動作中、前記UEにおける前記期間の前記値を設定するための期間設定メッセージを前記UEに送信し、任意選択により、前記期間設定メッセージは、システム情報を介して、または、前記UE専用のメッセージとして、送信される、
請求項17に記載の基地局。
【請求項21】
前記プロセッサは、動作中、複数の信号品質閾値を決定し、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、異なるトランスポートブロックサイズ、異なる変調方式、および異なる符号化レートのうちの1つまたは複数を含む、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な1つまたは複数の異なる送信パラメータに固有であり、または、
前記複数の信号品質閾値のうちの1つまたは複数は、前記小規模データの送信のために前記UEによって使用可能な周期的リソースに関連付けられた異なる優先順位に固有であり、
前記送信機は、動作中、前記複数の信号品質閾値を前記UEに設定するための信号品質閾値設定メッセージを前記UEに送信する、
請求項1
7に記載の基地局。
【請求項22】
基地局によって実行される、
UE状態のConnected状態への変更なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能
である小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信するステップと
、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合
に前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと
、
前記周期的リソースを介して、または、
ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを受信するステップと
、
を
含む、
方法。
【請求項23】
動作中、ユーザ機器(UE)の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記ユーザ機器によって実行される、
小規模データが送信に利用可能
であると判定するステップであって、利用可能な前記小規模データは、UE状態のConnected状態への変更なしで、周期的リソースを使用して送信され、
前記周期的リソースを使用して、利用可能な前記小規模データを送信することは、信号品質閾値を超える信号品質を有する複数の同期信号ブロックのうちの1つを決定するステップを含む、
前記判定するステップと、
前記信号品質閾値を超える前記信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと判定した場合、
タイムトリガ制御メカニズムを動作させるステップと、
動作させられた前記タイムトリガ制御メカニズムに従って
、ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを送信する
ステップと
、
を含む、
集積回路。
【請求項24】
動作中、基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、前記基地局によって実行される、
UE状態のConnected状態への変更要求なしで、周期的リソースを使用して、送信に利用可能
である小規模データを送信するようにユーザ機器(UE)を設定するための設定メッセージを前記UEに送信するステップと
、
信号品質閾値を超える信号品質を有する同期信号ブロックが存在しないと前記UEが判定した場合
に前記UEによって動作させられるタイムトリガ制御メカニズムの1つまたは複数のパラメータを決定するステップと
、
前記周期的リソースを介して、または、
ランダムアクセス手順を使用して、利用可能な前記小規模データを受信するステップと
、
を
含む、
集積回路。
【国際調査報告】