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特表2024-525912皮内または皮下流体送達のためのシステム、デバイス、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】皮内または皮下流体送達のためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/46 20060101AFI20240705BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61M5/46
A61M5/20 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503699
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022073953
(87)【国際公開番号】W WO2023004355
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/223,915
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/235,085
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524024856
【氏名又は名称】エイコム ラブズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイブラハム, ジャック フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, キャリー マッケンジー
(72)【発明者】
【氏名】リウ, リアン
(72)【発明者】
【氏名】コン, デフイ
(72)【発明者】
【氏名】サイファー, ヒーリー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベンテ, ポール エフ. ザ フォース
(72)【発明者】
【氏名】ヒューロウィッツ, ステファニー アリス
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ, ニコラス フランク
(72)【発明者】
【氏名】キング, アンドリュー ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】シカレリ, ニコラス ジョゼフ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066FF05
4C066HH02
4C066HH05
4C066HH14
4C066HH17
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
4C066QQ92
(57)【要約】
微小針を介した皮内または皮下流体送達のためのシステム、デバイス、および方法が、提供される。送達システムは、注射器と、流体充填カートリッジまたはシリンジと、針とを含むことができる。カートリッジまたはシリンジは、注射器デバイスが、カートリッジから外に、針を通して流体を射出することが可能であるように、注射器デバイスと適合可能に結合されることができる。流体送達システムは、皮膚のための薬剤および補助剤を含む、いくつかの用途において利用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムであって、
筐体コンパートメントであって、前記筐体コンパートメントは、フランジ保持器システムと、プランジャ保定器システムと、制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータとを備え、前記フランジ保持器システムは、移動可能フランジ保持器と、フランジ保持器確動停止部とを備え、前記プランジャ保定器システムは、移動可能プランジャ保定器と、プランジャ保定器確動停止部とを備え、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器はそれぞれ、前記筐体コンパートメントの中心軸に沿って近位方向に移動可能である、筐体コンパートメントと、
流体充填シリンジであって、前記流体充填シリンジは、フランジと、プランジャとを備え、前記フランジは、前記フランジ保持器内に据え付けられ、前記プランジャは、前記プランジャ保定器内に据え付けられる、流体充填シリンジと、
前記流体充填シリンジに取り付けられる針アセンブリであって、前記針アセンブリは、前記流体充填シリンジと動作可能に接続する針を備える、針アセンブリと
を備え、
前記アクチュエータを介した前記注射機構の作動は、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器が前記近位方向に移動する結果をもたらし、前記フランジ保持器が前記フランジ保持器確動停止部に接触し、前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動を停止させるまで、前記フランジおよび前記プランジャを含む前記流体充填シリンジならびに前記針アセンブリを前記近位方向に移動させる結果をもたらし、
前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記近位方向に移動し続け、前記プランジャ保定器が前記プランジャ保定器確動停止部に接触し、前記プランジャの近位移動を停止させるまで、前記プランジャが前記近位方向に移動し続ける結果をもたらし、
前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動の停止後の前記プランジャの継続される近位移動は、前記針アセンブリの針を介した前記流体充填シリンジからの前記制御された用量の流体の排出をもたらす、システム。
【請求項2】
前記フランジ保持器は、溝を備え、前記プランジャ保定器は、前記溝内で協働するスライダを備え、前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記溝内の前記スライダを介して前記近位方向に移動し続ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ラッチは、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器を接続し、前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記ラッチは、解放され、前記プランジャ保定器が、前記フランジ保持器の移動から独立して前記近位方向に移動し続けることを可能にする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
近位移動を提供するための力をさらに備え、前記プランジャ保定器は、前記プランジャ保定器が、前記注射機構の作動を介して前記近位方向に移動するように、前記近位移動を提供するための力と接続し、前記フランジ保持器は、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器を接続する前記ラッチを介して前記近位方向に移動する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記近位移動を提供するための力は、圧縮されたばねである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記近位移動を提供するための力は、電気機械的線形アクチュエータである、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御された用量の流体の投与量は、部分的に、前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動の停止後の前記プランジャの継続される近位移動によって決定される、請求項1-6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記近位方向における前記フランジ保持器の移動は、前記筐体コンパートメントの近位面が注射の部位と接触するとき、前記針が前記注射の部位の中に挿入される結果をもたらすように構成される、請求項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記シリンジフランジ保持器は、前記フランジの形状に輪郭形成される窪みを含有する、請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記プランジャ保定器保持器は、前記プランジャの遠位端におけるプランジャグリップの形状に輪郭形成される少なくとも1つの窪みを含有する、請求項1-9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記プランジャ保定器保持器は、前記プランジャグリップ場所の柔軟性を可能にする複数の窪みを含有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記注射機構のアクチュエータは、ボタンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1つまたはそれを上回る内向き突出支柱が、ボタンおよび前記フランジ保持器と接続し、前記ボタンが押下されるとき、前記1つまたはそれを上回る内向き突出支柱は、前記フランジ保持器の近位移動を防止し、前記ボタンの圧縮は、前記1つまたはそれを上回る内向き突出支柱と前記フランジ保持器との間の接続解除をもたらし、前記フランジ保持器の近位移動を可能にする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ボタンの圧縮は、電気機械的線形アクチュエータによって提供される線形力をもたらし、前記プランジャ保定器の近位移動を提供する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記針は、前記針先端が、個人の皮膚の中に挿入されるとき、皮内挿入深さに等しい長さだけ前記近位面を越えて延在するような長さを有する、請求項1-14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記針アセンブリはさらに、針キャップを備え、前記針は、前記針先端が、個人の皮膚の中に挿入されるとき、皮内挿入深さに等しい長さだけ前記針キャップを越えて延在するような長さを有する、請求項1-14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記針アセンブリはさらに、前記針を囲繞する針カバーと、前記針カバーと接続するばねとを備え、前記ばねが除圧されるとき、前記針カバーは、前記針の先端の暴露を防止し、前記ばねが圧縮されるとき、前記針の先端は、暴露される、請求項1-14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記針アセンブリはさらに、前記針カバーを包囲する外側シリンダを備え、前記外側シリンダの内面は、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道を備え、前記針カバーは、前記針カバーの外面から、前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の中に延在する突出スライダを備え、前記突出スライダと前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道との間の相互作用は、前記ばねが圧縮されるとき、前記針の限定された暴露を可能にする、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記針の限定された暴露は、前記針カバーを越える前記針先端の位置付けを可能にする、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記針カバーを越える前記針先端の位置付けは、個人の皮膚の中に挿入されるとき、ある皮内挿入深さをもたらす、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記針アセンブリはさらに、前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内に挿入されることが可能であるアームを伴うアクチュエータを備え、前記アームを伴う前記針アセンブリのアクチュエータは、前記突出スライダが前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内で移動しないように防止することによって、前記ばねの圧縮を防止することによって、前記針の暴露を防止することが可能である、請求項18、19、または20に記載のシステム。
【請求項22】
前記アームを伴う前記針アセンブリのアクチュエータの開放は、前記針の暴露を可能にし、前記針アセンブリのアクチュエータの開放は、前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の少なくとも1つのスロット付き軌道を開通させ、前記突出スライダの移動および前記ばねの圧縮を可能にする、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道は、前記ばねの初期圧縮が、前記突出スライダが第1の角度付き壁を介して前記外側シリンダの内側円周に沿って移動する結果をもたらし、前記針カバーが中心軸に沿って回転する結果をもたらすように、前記第1の角度付き壁を含有し、前記初期圧縮後の前記ばねの除圧は、前記突出スライダが第2の角度付き壁を介して前記外側シリンダの内側円周に沿ってさらに移動する結果をもたらし、前記突出スライダが、前記ばねのさらなる圧縮を防止する硬質コーナーの中に移動する結果をもたらす、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
流体充填シリンジとの併用のための針アセンブリであって、前記アセンブリは、
流体充填シリンジと動作可能に接続することが可能である針と、
前記針を囲繞する針カバーと、
前記針カバーと接続するばねであって、前記ばねが除圧されるとき、前記針カバーは、前記針の先端の暴露を防止し、前記ばねが圧縮されるとき、前記針の先端は暴露される、ばねと
を備える、アセンブリ。
【請求項25】
前記針カバーを包囲する外側シリンダであって、前記外側シリンダの内面は、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道を備え、前記針カバーは、前記針カバーの外面から前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の中に延在する突出スライダを備え、前記突出スライダと前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道との間の相互作用は、前記ばねが圧縮されるとき、前記針の限定された暴露を可能にする、外側シリンダ
をさらに備える、請求項24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記針の限定された暴露は、前記針カバーを越える前記針先端の位置付けを可能にする、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記針カバーを越える前記針先端の位置付けは、個人の皮膚の中に挿入されるとき、ある皮内挿入深さをもたらす、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記針カバーを越える前記針先端の位置付けは、約0.5mm~2.0mmである、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記針アセンブリはさらに、前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内に挿入されることが可能であるアームを伴うアクチュエータを備え、前記アームを伴う前記針アセンブリのアクチュエータは、前記突出スライダが前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内で移動しないように防止することによって、前記ばねの圧縮を防止することによって、前記針の暴露を防止することが可能である、請求項25-28のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記アームを伴う前記針アセンブリのアクチュエータの開放は、前記針の暴露を可能にし、前記針アセンブリのアクチュエータの開放は、前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の少なくとも1つのスロット付き軌道を開通させ、前記突出スライダの移動および前記ばねの圧縮を可能にする、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記1つまたはそれを上回るスロット付き軌道は、前記ばねの初期圧縮が、前記突出スライダが第1の角度付き壁を介して前記外側シリンダの内側円周に沿って移動する結果をもたらし、前記針カバーが中心軸に沿って回転する結果をもたらすように、前記第1の角度付き壁を含有し、前記初期圧縮後の前記ばねの除圧は、前記突出スライダが第2の角度付き壁を介して前記外側シリンダの内側円周に沿ってさらに移動する結果をもたらし、前記突出スライダが、前記ばねのさらなる圧縮を防止する硬質コーナーの中に移動する結果をもたらす、請求項29または30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
流体充填シリンジが、前記針と動作可能に接続することをさらに含む、請求項24-31のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記動作可能な接続は、ルアーロックである、請求項32に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記流体充填シリンジ内の前記流体は、前記皮膚のための薬剤または補助剤である、請求項32または33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記流体充填シリンジ内の前記流体は、トリアムシノロン、ヒアルロン酸、コラーゲン、またはコラーゲン刺激剤である、請求項32、33、または34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
筐体コンパートメントであって、前記筐体コンパートメントは、フランジ保持器システムと、プランジャ保定器システムと、制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータとを備え、前記フランジ保持器システムは、移動可能フランジ保持器と、フランジ保持器確動停止部とを備え、前記プランジャ保定器システムは、移動可能プランジャ保定器と、プランジャ保定器確動停止部とを備え、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器はそれぞれ、前記筐体コンパートメントの中心軸に沿って近位方向に移動可能である、筐体コンパートメント
をさらに備え、
前記流体充填シリンジは、フランジと、プランジャとを備え、前記フランジは、前記フランジ保持器内に据え付けられ、プランジャは、前記プランジャ保定器内に据え付けられる、請求項32-35のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記アクチュエータを介した前記注射機構の作動は、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器が前記近位方向に移動する結果をもたらし、前記フランジ保持器が前記フランジ保持器確動停止部に接触し、前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動を停止させるまで、前記フランジおよび前記プランジャを含む前記流体充填シリンジならびに前記針アセンブリを前記近位方向に移動させる結果をもたらし、
前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記近位方向に移動し続け、前記プランジャ保定器が前記プランジャ保定器確動停止部に接触し、前記プランジャの近位移動を停止させるまで、前記プランジャが前記近位方向に移動し続ける結果をもたらし、
前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動の停止後の前記プランジャの継続される近位移動は、前記針アセンブリの針を介した前記流体充填シリンジからの前記制御された用量の流体の排出をもたらす、
請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項38】
筐体コンパートメントであって、前記筐体コンパートメントは、注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムを形成するために、流体充填シリンジおよび針アセンブリを受容するためのものであり、前記筐体コンパートメントは、
フランジ保持器システム、プランジャ保定器システム、および制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータであって、前記フランジ保持器システムは、移動可能フランジ保持器と、フランジ保持器確動停止部とを備え、前記プランジャ保定器システムは、移動可能プランジャ保定器と、プランジャ保定器確動停止部とを備え、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器はそれぞれ、前記筐体コンパートメントの中心軸に沿って近位方向に移動可能である、フランジ保持器システム、プランジャ保定器システム、および制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータ
を備え、
前記アクチュエータを介した前記注射機構の作動は、前記フランジ保持器が前記フランジ保持器確動停止部に接触し、前記フランジ保持器の近位移動を停止させるまで、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器が前記近位方向に移動する結果をもたらし、
前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記プランジャ保定器が前記プランジャ保定器確動停止部に接触し、前記プランジャ保定器の近位移動を停止させるまで、前記近位方向に移動し続ける、
筐体コンパートメント。
【請求項39】
前記フランジ保持器は、溝を備え、前記プランジャ保定器は、前記溝内で協働するスライダを備え、前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記溝内の前記スライダを介して前記近位方向に移動し続ける、請求項38に記載の筐体コンパートメント。
【請求項40】
ラッチは、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器を接続し、前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記ラッチは、解放され、前記プランジャ保定器が、前記フランジ保持器の移動から独立して前記近位方向に移動し続けることを可能にする、請求項38または39に記載の筐体コンパートメント。
【請求項41】
近位移動を提供するための力をさらに備え、前記プランジャ保定器は、前記プランジャ保定器が、前記注射機構の作動を介して前記近位方向に移動するように、前記近位移動を提供するための力と接続し、前記フランジ保持器は、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器を接続する前記ラッチを介して前記近位方向に移動する、請求項40に記載の筐体コンパートメント。
【請求項42】
前記近位移動を提供するための力は、圧縮されたばねである、請求項41に記載の筐体コンパートメント。
【請求項43】
前記近位移動を提供するための力は、電気機械的線形アクチュエータである、請求項41に記載の筐体コンパートメント。
【請求項44】
前記シリンジフランジ保持器は、シリンジのフランジの形状に輪郭形成される窪みを含有する、請求項38-43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記プランジャ保定器保持器は、シリンジのプランジャの遠位端におけるプランジャグリップの形状に輪郭形成される少なくとも1つの窪みを含有する、請求項38-44のいずれか1項に記載の筐体コンパートメント。
【請求項46】
プランジャ保定器保持器は、前記プランジャグリップ場所の柔軟性を可能にする複数の窪みを含有する、請求項45に記載の筐体コンパートメント。
【請求項47】
前記注射機構のアクチュエータは、ボタンを備える、請求項38に記載の筐体コンパートメント。
【請求項48】
1つまたはそれを上回る内向き突出支柱は、ボタンおよび前記フランジ保持器と接続し、前記ボタンが押下されるとき、前記1つまたはそれを上回る内向き突出支柱は、前記フランジ保持器の近位移動を防止し、前記ボタンの圧縮は、前記1つまたはそれを上回る内向き突出支柱と前記フランジ保持器との間の接続解除をもたらし、前記フランジ保持器の近位移動を可能にする、請求項47に記載の筐体コンパートメント。
【請求項49】
前記ボタンの圧縮は、電気機械的線形アクチュエータによって提供される線形力をもたらし、前記プランジャ保定器の近位移動を提供する、請求項47に記載の筐体コンパートメント。
【請求項50】
特定の深さに特定の用量の流体を注射するための方法であって、前記方法は、
注射器システムを提供することであって、前記注射器システムは、
筐体コンパートメントであって、前記筐体コンパートメントは、フランジ保持器システムと、プランジャ保定器システムと、制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータとを備え、前記フランジ保持器システムは、移動可能フランジ保持器と、フランジ保持器確動停止部とを備え、前記プランジャ保定器システムは、移動可能プランジャ保定器と、プランジャ保定器確動停止部とを備え、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器はそれぞれ、前記筐体コンパートメントの中心軸に沿って近位方向に移動可能である、筐体コンパートメントと、
流体充填シリンジであって、前記流体充填シリンジは、フランジと、プランジャとを備え、前記フランジは、前記フランジ保持器内に据え付けられ、プランジャは、前記プランジャ保定器内に据え付けられる、流体充填シリンジと、
針アセンブリであって、前記針アセンブリは、前記流体充填シリンジに取り付けられ、前記針アセンブリは、前記流体充填シリンジと動作可能に接続する針を備える、針アセンブリと
を備える、ことと、
注射の部位の近位に前記針アセンブリを設置することと、
前記アクチュエータを作動させることであって、前記アクチュエータの作動は、前記フランジ保持器および前記プランジャ保定器が前記近位方向に移動する結果をもたらし、前記フランジ保持器が前記フランジ保持器確動停止部に接触し、前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動を停止させるまで、前記フランジおよび前記プランジャを含む前記流体充填シリンジならびに前記針アセンブリを前記近位方向に移動させる結果をもたらし、前記近位方向における前記フランジ保持器の移動は、前記針アセンブリの針が特定の深さにおいて前記注射の部位の中に挿入される結果をもたらし、
前記フランジ保持器が、前記フランジ保持器確動停止部に接触するとき、前記プランジャ保定器は、前記近位方向に移動し続け、前記プランジャ保定器が前記プランジャ保定器確動停止部に接触し、前記プランジャの近位移動を停止させるまで、前記プランジャが前記近位方向に移動し続ける結果をもたらし、
前記フランジおよび前記針アセンブリの近位移動の停止後の前記プランジャの継続される近位移動は、前記針アセンブリの針を介した前記流体充填シリンジからの制御された用量の流体の排出をもたらす、ことと
を含む、方法。
【請求項51】
前記注射の部位は、個人の皮膚である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記注射の部位は、皮膚病変である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記排出される制御された用量は、約0.01cc~1ccである、請求項50、51、または52に記載の方法。
【請求項54】
前記針が前記注射の部位の中に挿入される前記特定の深さは、約0.5mm~2.0mmである、請求項50-53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記排出される流体は、前記皮膚のための薬剤または補助剤である、請求項50-54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記排出される流体は、トリアムシノロン、ヒアルロン酸、コラーゲン、またはコラーゲン刺激剤である、請求項50-55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
針の挿入の深さを制御するための針キャップであって、
円筒形管であって、前記円筒形管は、近位面上の近位オリフィスと、前記近位オリフィスと反対の遠位オリフィスとを有し、前記遠位オリフィスは、針の先端が、前記近位オリフィスを通して挿入され、前記近位面から特定の距離にあるように、前記針の基部上に嵌合することが可能である、円筒形管
を備える、針キャップ。
【請求項58】
前記遠位オリフィスから前記近位面までの前記針キャップの長さは、針長および注射深さに対応し、前記近位面を越えて暴露される針の一部は、前記注射深さである、請求項57に記載の針キャップ。
【請求項59】
前記針先端と前記近位面との間の特定の距離は、約0.5mm~2.0mmである、請求項57または58に記載の針キャップ。
【請求項60】
針の挿入の深さを制御するための針キャップを利用して注射部位の中に流体を注射する方法であって、
針と動作可能に接続する流体充填シリンジを提供することと、
キャップ基部が、針基部上に嵌合し、針先端が、特定の距離において近位オリフィスを越えて延在するように、前記針にわたって針キャップを設置することであって、前記特定の距離は、注射深さを画定する、ことと、
前記キャップの近位面が、注射部位の表面と接触し、前記注射部位内の前記注射深さに前記針先端をもたらすように、前記注射部位の中に前記針を挿入することと、
前記流体充填シリンジおよび針を介して、前記注射深さにおいて前記流体充填シリンジから前記流体を注射することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年7月20日に出願され、「Systems, Devices and Methods for Intradermal or Subdermal Fluid Delivery」と題された、米国仮出願第63/223,915号、および2021年8月19日に出願され、「Systems, Devices and Methods for Dermal Treatments」と題された、米国仮出願第63/235,085号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、皮内または皮下流体送達のためのシステム、デバイス、および方法を対象とし、より具体的には、真皮の中または直下への医薬または補助的流体の送達のために制御された注射量および深さを利用するシステム、デバイス、および方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
中空微小針は、流体、特に、ワクチンまたは薬剤を送達するための小さいアプリケータである。微小針は、典型的には、経皮、眼内、または蝸牛内流体送達において使用される。それらの小さいサイズのため、微小針は、典型的には、注射の部位への傷害を引き起こさず、概して、従来の皮下針等の他の注射方法よりも危険ではないと見なされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、概して、皮内または皮下流体送達のためのシステム、デバイス、および方法を提供する。種々の実装では、種々のシステム、種々のデバイス、または種々の方法は、送達されるべき流体の量を制御する。種々の実装では、種々のシステム、種々のデバイス、または種々の方法は、注射の部位における、特に、皮内層内の針挿入の深さを制御する。種々の実装では、種々のシステム、種々のデバイス、または種々の方法は、ユーザから針を隠蔽および/または被覆し、これは、ユーザへの害を防止し、および/または針への損傷を防止することができる。
【0005】
ある側面では、注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムは、筐体コンパートメントを備える。筐体コンパートメントは、フランジ保持器システムと、プランジャ保定器システムと、制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータとを備える。
【0006】
いくつかの実装では、フランジ保持器システムは、移動可能フランジ保持器と、フランジ保持器確動停止部とを備える。
【0007】
いくつかの実装では、プランジャ保定器システムは、移動可能プランジャ保定器と、プランジャ保定器確動停止部とを備える。
【0008】
いくつかの実装では、フランジ保持器およびプランジャ保定器はそれぞれ、筐体コンパートメントの中心軸に沿って近位方向に移動可能である。
【0009】
いくつかの実装では、アクチュエータを介した注射機構の作動は、フランジ保持器がフランジ保持器確動停止部に接触し、フランジ保持器の近位移動を停止させるまで、フランジ保持器およびプランジャ保定器が近位方向に移動する結果をもたらす。
【0010】
いくつかの実装では、フランジ保持器は、フランジ保持器確動停止部に接触し、プランジャ保定器は、プランジャ保定器がプランジャ保定器確動停止部に接触し、プランジャ保定器の近位移動を停止させるまで、近位方向に移動し続ける。
【0011】
いくつかの実装では、注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムはさらに、フランジと、プランジャとを備える、流体充填シリンジを備える。
【0012】
いくつかの実装では、フランジは、フランジ保持器内に据え付けられ、プランジャは、筐体コンパートメントのプランジャ保定器内に据え付けられる。
【0013】
いくつかの実装では、注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムはさらに、流体充填シリンジに取り付けられる、針アセンブリを備える。針アセンブリは、流体充填シリンジと動作可能に接続する、針を備える。
【0014】
いくつかの実装では、アクチュエータを介した注射機構の作動は、フランジ保持器およびプランジャ保定器が近位方向に移動する結果をもたらし、フランジ保持器がフランジ保持器確動停止部に接触し、フランジおよび針アセンブリの近位移動を停止させるまで、フランジおよびプランジャを含む流体充填シリンジならびに針アセンブリを近位方向に移動させる結果をもたらす。フランジ保持器が、フランジ保持器確動停止部に接触するとき、プランジャ保定器は、近位方向に移動し続け、プランジャ保定器がプランジャ保定器確動停止部に接触し、プランジャの近位移動を停止させるまで、プランジャが近位方向に移動し続ける結果をもたらす。フランジおよび針アセンブリの近位移動の停止後のプランジャの継続される近位移動は、針アセンブリの針を介した流体充填シリンジからの制御された用量の流体の排出をもたらす。
【0015】
いくつかの実装では、フランジ保持器は、溝を備え、プランジャ保定器は、溝内で協働するスライダを備える。フランジ保持器が、フランジ保持器確動停止部に接触するとき、プランジャ保定器は、溝内のスライダを介して近位方向に移動し続ける。
【0016】
いくつかの実装では、ラッチが、フランジ保持器およびプランジャ保定器を接続する。フランジ保持器が、フランジ保持器確動停止部に接触するとき、ラッチは、解放され、プランジャ保定器が、フランジ保持器の移動から独立して近位方向に移動し続けることを可能にする。
【0017】
いくつかの実装では、注射の部位の中への皮内または皮下流体送達のためのシステムはさらに、近位移動を提供するための力を備える。プランジャ保定器は、プランジャ保定器が、注射機構の作動を介して近位方向に移動するように、近位移動を提供するための力と接続する。フランジ保持器は、フランジ保持器およびプランジャ保定器を接続するラッチを介して近位方向に移動する。
【0018】
いくつかの実装では、近位移動を提供するための力は、圧縮されたばねである。
【0019】
いくつかの実装では、近位移動を提供するための力は、電気機械的線形アクチュエータである。
【0020】
いくつかの実装では、制御された用量の流体の投与量は、部分的に、フランジおよび針アセンブリの近位移動の停止後のプランジャの継続される近位移動によって決定される。
【0021】
いくつかの実装では、近位方向におけるフランジ保持器の移動は、筐体コンパートメントの近位面が注射の部位と接触するとき、針が注射の部位の中に挿入される結果をもたらすように構成される。
【0022】
いくつかの実装では、シリンジフランジ保持器は、フランジの形状に輪郭形成される、窪みを含有する。
【0023】
いくつかの実装では、プランジャ保定器保持器は、プランジャの遠位端におけるプランジャグリップの形状に輪郭形成される、少なくとも1つの窪みを含有する。
【0024】
いくつかの実装では、プランジャ保定器保持器は、プランジャグリップ場所の柔軟性を可能にする、複数の窪みを含有する。
【0025】
いくつかの実装では、注射機構のアクチュエータは、ボタンを備える。
【0026】
いくつかの実装では、1つまたはそれを上回る内向き突出支柱が、ボタンおよびフランジ保持器と接続する。ボタンが押下されるとき、1つまたはそれを上回る内向き突出支柱は、フランジ保持器の近位移動を防止する。ボタンの圧縮は、1つまたはそれを上回る内向き突出支柱とフランジ保持器との間の接続解除をもたらし、フランジ保持器の近位移動を可能にする。
【0027】
いくつかの実装では、ボタンの圧縮は、電気機械的線形アクチュエータによって提供される線形力をもたらし、プランジャ保定器の近位移動を提供する。
【0028】
いくつかの実装では、針は、針先端が、個人の皮膚の中に挿入されるとき、皮内挿入深さに等しい長さだけ近位面を越えて延在するような長さを有する。
【0029】
いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、針キャップを備える。針は、針先端が、個人の皮膚の中に挿入されるとき、皮内挿入深さに等しい長さだけ針キャップを越えて延在するような長さを有する。
【0030】
いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、針を囲繞する、針カバーと、針カバーと接続する、ばねとを備える。ばねが除圧されるとき、針カバーは、針の先端の暴露を防止する。ばねが圧縮されるとき、針の先端は、暴露される。
【0031】
いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、針カバーを包囲する、外側シリンダを備える。外側シリンダの内面は、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道を備える。針カバーは、針カバーの外面から、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の中に延在する、突出スライダを備える。突出スライダと1つまたはそれを上回るスロット付き軌道との間の相互作用は、ばねが圧縮されるとき、針の限定された暴露を可能にする。
【0032】
いくつかの実装では、針の限定された暴露は、針カバーを越える針先端の位置付けを可能にする。
【0033】
いくつかの実装では、針カバーを越える針先端の位置付けは、個人の皮膚の中に挿入されるとき、ある皮内挿入深さをもたらす。
【0034】
いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内に挿入されることが可能である、アームを伴うアクチュエータを備える。アームを伴う針アセンブリのアクチュエータは、突出スライダが1つまたはそれを上回るスロット付き軌道内で移動しないように防止することによって、ばねの圧縮を防止することによって、針の暴露を防止することが可能である。
【0035】
いくつかの実装では、アームを伴う針アセンブリのアクチュエータの開放は、針の暴露を可能にする。針アセンブリのアクチュエータの開放は、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道の少なくとも1つのスロット付き軌道を開通させ、突出スライダの移動およびばねの圧縮を可能にする。
【0036】
いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るスロット付き軌道は、ばねの初期圧縮が、突出スライダが第1の角度付き壁を介して外側シリンダの内側円周に沿って移動する結果をもたらし、針カバーが中心軸に沿って回転する結果をもたらすように、第1の角度付き壁を含有する。初期圧縮後のばねの除圧は、突出スライダが第2の角度付き壁を介して外側シリンダの内側円周に沿ってさらに移動する結果をもたらし、突出スライダが、ばねのさらなる圧縮を防止する硬質コーナーの中に移動する結果をもたらす。
【0037】
いくつかの実装では、針カバーを越える針先端の位置付けは、約0.5mm~2.0mmである。
【0038】
いくつかの実装では、流体充填シリンジが、針と動作可能に接続する。動作可能な接続は、ルアーロックである。
【0039】
いくつかの実装では、流体充填シリンジ内の流体は、皮膚のための薬剤または補助剤である。
【0040】
いくつかの実装では、流体充填シリンジ内の流体は、トリアムシノロン、ヒアルロン酸、コラーゲン、またはコラーゲン刺激剤である。
【0041】
いくつかの実装では、方法は、特定の深さに特定の用量の流体を注射するためのものである。本方法は、フランジ保持器システムと、プランジャ保定器システムとを備える、筐体コンパートメントと、フランジと、プランジャとを備える、流体充填シリンジと、流体充填シリンジに取り付けられる、針アセンブリと、制御された用量の流体を排出する注射機構のアクチュエータとを備える、注射器システムを提供するステップを含む。本方法はさらに、注射の部位の近位に針アセンブリを設置するステップを含む。本方法はさらに、アクチュエータを作動させ、針アセンブリの針が特定の深さにおいて注射の部位の中に挿入される結果をもたらし、針アセンブリの針を介した流体充填シリンジからの制御された用量の流体の排出をもたらすステップを含む。
【0042】
いくつかの実装では、針キャップは、針の挿入の深さを制御するためのものである。針キャップは、近位面上の近位オリフィスと、近位オリフィスと反対の遠位オリフィスとを有する、円筒形管を備える。遠位オリフィスは、針の先端が、近位オリフィスを通して挿入され、近位面から特定の距離にあるように、針の基部上に嵌合することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
説明および請求項は、本開示の例示的実施形態として提示され、本開示の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図を参照してより完全に理解されるであろう。
【0044】
図1図1A-1Cは、本開示の種々の実施形態による、注射器デバイスの図示を提供する。
【0045】
図2図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
図3図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
図4図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
【0046】
図5図5A-5Dは、本開示の種々の実施形態による、注射器システムの図示を提供する。
【0047】
図6図6Aおよび6Bは、本開示の種々の実施形態による、離散的構成要素としてのカートリッジおよび微小針の図示を提供する。
【0048】
図7図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
図8図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
図9図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【0049】
図10図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
図11図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
図12図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【0050】
図13図13は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う電気機械的注射器システムの機構の図示を提供する。
【0051】
図14図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
図15図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
図16A図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
図16B図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
【0052】
図17A図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
図17B図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
図18A図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
図18B図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
図19図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
図20図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【0053】
図21図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
図22図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
図23図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
【0054】
図24図24および25は、種々の実施形態による、例示的電気機械的注射器システムの図示を提供する。
図25図24および25は、種々の実施形態による、例示的電気機械的注射器システムの図示を提供する。
【0055】
図26A図26-29は、種々の実施形態による、針アセンブリの図示を提供する。
図26B図26-29は、種々の実施形態による、針アセンブリの図示を提供する。
図27図26-29は、種々の実施形態による、針アセンブリの図示を提供する。
図28図26-29は、種々の実施形態による、針アセンブリの図示を提供する。
図29図26-29は、種々の実施形態による、針アセンブリの図示を提供する。
【0056】
図30図30Aおよび30Bは、種々の実施形態による、針キャップの図示を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
ここで図面に目を向けると、針または微小針を利用する、精密な皮内流体送達のためのシステム、デバイス、および方法が、本開示の種々の実施形態に従って説明される。ある実施形態では、皮内または皮下流体システムは、注射器デバイスおよび交換可能注射システムを利用する。注射システムは、流体(例えば、薬剤または補助剤)を貯蔵し得る、微小針を伴うカートリッジまたは針を伴うシリンジを備えることができる。ある実施形態では、交換可能注射システムは、注射器の機構が、微小針または針を通して注射システムから外に流体を射出することが可能であるように、注射器デバイスと適合可能に結合される。ある実施形態では、微小針または針は、単一の構成要素としてカートリッジまたはシリンジと統合される。ある実施形態では、微小針または針およびカートリッジまたはシリンジはそれぞれ、ともに相互係止することが可能な個々の構成要素(例えば、ルアーロックコネクタ)である。
【0058】
ある実施形態では、皮内または皮下送達システムが、様々な皮膚のための治療用途において使用され得る、トリアムシノロン(ケナログ)、ヒアルロン酸、またはコラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)等の薬剤および/または補助剤の送達のために利用される。例えば、ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、ざ瘡治療としてざ瘡病変の中にトリアムシノロンを送達する。ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、皮膚の中にヒアルロン酸を送達する。また、ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、皮膚の中にコラーゲンおよび/またはコラーゲン産生剤を送達し、これは、皮膚弾性および外観を改善することができる。
【0059】
説明されるシステム、デバイス、および方法は、いかようにも限定として解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、および相互との種々の組み合わせおよび副次的組み合わせにおいて、種々の開示される実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴および側面を対象とする。開示されるシステム、デバイス、および方法は、任意の具体的側面、特徴、またはそれらの組み合わせに限定されない、または開示されるシステム、デバイス、および方法は、いずれか1つまたはそれを上回る具体的利点が存在する、または問題が解決されることを要求しない。
【0060】
皮内または皮下流体送達システムの種々の実施形態ならびに流体送達デバイスおよびカートリッジの実施例が、本明細書に開示され、これらの選択肢の任意の組み合わせが、具体的に除外されない限り、行われることができる。例えば、開示される流体送達デバイスのうちのいずれかは、具体的組み合わせが明示的に説明されない場合であっても、任意のタイプの適合可能な交換可能注射システムと併用されることができる。同様に、流体送達システムの異なる構造および特徴は、明示的に開示されない場合であっても、任意の送達システムタイプ/特徴、送達デバイスタイプ/特徴、カートリッジ等を組み合わせること等によって、混合および合致されることができる。要するに、開示されるシステムの個々の構成要素は、相互に排他的または物理的に不可能ではない限り、組み合わせられることができる。
【0061】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便宜的な提示のために、特定の順次的順序で説明されるが、説明の本様式が、特定の順序が下記に記載される具体的言語によって要求されない限り、再配列を包含することを理解されたい。例えば、順次説明される動作は、ある場合には、再配列される、または並行して実施され得る。また、簡略化のために、添付される図は、開示される方法、システム、および装置が、他のシステム、方法、および装置と併せて使用され得る種々の方法を示さない場合がある。
【0062】
説明全体を通して使用されるような用語「近位」および「遠位」は、注射の部位に関連する。故に、デバイスの近位面または近位部分は、注射が実施されるとき、注射の部位により近位であろう面または部分である。逆に、デバイスの遠位面または遠位部分は、注射が実施されるとき、注射の部位により遠位であろう面または部分である。同様に、近位移動は、注射の部位に向かう方向における構成要素の移動であり、遠位移動は、反対方向における構成要素の移動であろう。これらの用語は、注射の部位に関係するが、これらの用語が、参照のために使用され、注射の部位が、本明細書に説明されるデバイスおよびシステムの構成要素または移動を解釈するときに存在する必要がないことを理解されたい。
皮内および皮下微量注射のためのシステムおよびデバイス
【0063】
種々の実施形態は、皮内および/または皮下注射のためのシステムおよびデバイスを対象とする。ある実施形態では、皮内および/または皮下注射システムは、注射器デバイスと、カートリッジまたはシリンジと、微小針または針とを含む。概して、本明細書に説明される種々の実施形態によると、注射器システムは、注射器が、交換可能注射システムを受容し、それと動作的に連結するように構成されるように、流体充填交換可能注射システムと適合可能である。ある実施形態では、注射器および交換可能注射システムが、動作的に連結されるとき、注射器は、交換可能注射システムから針を通して液体を射出するための機構を提供する。ある実施形態では、微小針または針は、単一の構成要素としてカートリッジまたはシリンジと統合される。ある実施形態では、微小針または針およびカートリッジまたはシリンジはそれぞれ、ともに相互係止することが可能な個々の構成要素(例えば、ルアーロックコネクタ)である。
注射器システム
【0064】
ある実施形態では、注射器デバイスは、交換可能注射システムから外への流体射出のための機構を提供するように構成される。注射器は、機械的または電気機械的手段を介して動作することができる。ある実施形態では、注射器は、本デバイスの機械的および/または電気的構成要素を始動および/または駆動するための1つまたはそれを上回るアクチュエータ(例えば、ボタンまたはトリガ)を含む。ある実施形態では、アクチュエータは、針から外に、それを通して液体を射出するために、交換可能注射システムと動作的に連結される、内部駆動装置システムと機械的または電気的に動作的に連結される。ある実施形態では、内部駆動装置システムは、圧縮ばねと協働的に相互作用し、これは、カートリッジから外への流体射出の流動を制御し、および/または駆動装置を初期位置に戻すことに役立つことができる。ある実施形態では、アクチュエータは、注射のために皮膚を穿刺し、その中に据え付けるように針を駆動することが可能である、内部駆動装置機構と動作的に連結される。ある実施形態では、内部駆動装置機構は、回転可能ねじ山付きロッド、ウォーム歯車、ラックおよびピニオン、またはソレノイドコイルのうちの1つまたはそれを上回るものを利用する、線形アクチュエータである。ある実施形態では、異なるねじ機構が、微細なミクロン単位の(またはそれを下回る)移動のために利用される。
【0065】
ある実施形態では、電気機械的注射器デバイスは、(例えば)リチウムイオンバッテリ等の電源またはバッテリを含むが、しかしながら、任意の適切な電源またはバッテリが、利用されることができる。ある実施形態では、注射器デバイスは、注射器デバイスの種々のタスクを実施することに関する命令を提供するための算出システムおよび/またはソフトウェアを含む。実施されるべき種々のタスクは、(限定ではないが)針を用いた皮膚の貫通、交換可能注射システムから外への構成要素の射出、皮膚から外への針の回収、レーザ/光の提供、投薬量の計算、投与するべき体積の計算、投与のための針深さの計算、カメラ画像データ(ライブまたは捕捉)、データの記憶、およびインターネットシステムまたは他のシステム(例えば、Bluetooth(登録商標)、クラウドシステム、Wi-Fi対応、セルラーデータ対応)との接続を含む。治療デバイスのメモリ内に記憶され得るデータは、(限定ではないが)手技ログ、カートリッジログ(例えば、タイプ、体積)、場所ログ、投薬量ログ、および針深さログを含む。
【0066】
ある実施形態では、針は、注射プロセスの間にユーザに暴露されないままである。ある実施形態では、注射デバイスは、針貫通、必要な針深さ、流体射出、局所圧力、または検出されるべき任意の他の適切な感覚を感知するために利用され得る、1つまたはそれを上回るセンサを含む。ある実施形態では、針と併せた注射デバイスは、皮膚接触、針貫通、および/または針深さを検出するために使用され得る、電気インピーダンスを測定するためのセンサを含む。ある実施形態では、針システム上のスペーサが、適切な針貫通および深さを確実にするために提供される。
【0067】
ある実施形態では、注射器デバイスは、流体充填交換可能注射システム(例えば、カートリッジシステムまたはシリンジシステム)を受容するための筐体を含む。ある実施形態では、筐体は、交換可能注射システムの受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。ある実施形態では、交換可能注射システムは、注射器と結合および/または係止するための適合可能な構成要素を含む。(例えば)フックおよび受容溝、フランジ、ねじ山付きねじ、ツイストロック、ボールおよびロックピン、または結合および/または係止機構の任意の可能な組み合わせ等の任意の適切な可逆的結合および/または係止機構が、利用されることができる。ある実施形態では、結合および/または係止機構は、交換可能注射システムが、交換可能注射システムから変位され得、変位が、流体の射出に先立って、および/またはその後に行われ得るように、可逆的である。
【0068】
ある実施形態では、注射器デバイスは、皮膚上の所望の場所に注射器および針システムを配置し、および/または安定化させるために利用され得る、安定化特徴(例えば、支台または基部)を含む。ある実施形態では、安定化特徴は、ロッドおよび/または支柱等の任意の適切なコネクタであり得る、コネクタを介して注射器システムから延在され、それに接続される。ある実施形態では、安定化特徴は、注射器システム筐体の近位面である。ある実施形態では、安定化特徴および針は、針の射出先端が、皮内または皮下送達のための必要な距離だけ安定化特徴を越えて延在することが可能であるように、協働的に位置付けられる。ヒトの皮膚は、場所に応じて、約0.5mm~5.0mmの深さを有する。例えば、顔の皮膚は、約1.5mm~2mmであり、顔の場所上でさらに変動する(例えば、額の皮膚の平均厚さは、約1.7mmであり、頬の皮膚の平均厚さは、約1.85mmである)。故に、場所および使用(例えば、皮内または皮下注射)に応じて、種々の実施形態によると、針先端は、注射時に安定化特徴を0.5mm~5.0mm越えて位置付けられる。顔の皮膚上での使用に関して、種々の実施形態によると、針または微小針先端は、注射時に安定化特徴を約0.5mm~2.0mm越えて位置付けられる。種々の実施形態では、微小針または針先端は、注射時に安定化特徴を約0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、または5.0mmを越えて位置付けられる。
【0069】
ある実施形態では、注射器システムの筐体は、交換可能注射システムを部分的または完全に隠蔽する。ある実施形態では、筐体はさらに、針を隠蔽する。ある実施形態では、筐体は、皮膚貫通の間に針が暴露されるためのオリフィス(例えば、ピン孔)を含むことができる。ある実施形態では、オリフィスを囲繞する筐体の近位面は、皮膚上の所望の場所に安定化および/または位置付け効果を提供することができる。ある実施形態では、オリフィスおよび針は、針の射出先端が、皮内または皮下送達のために必要な距離だけオリフィスを越えて延在することが可能であるように、協働的に位置付けられる。
【0070】
ある実施形態では、注射器システムは、治療を可視化し、および/または治療部位の画像またはデータを記録することに役立つために使用され得る、1つまたはそれを上回るカメラを含む。(限定ではないが)可視光および赤外線カメラを含む、任意の適切なカメラが、利用されることができる。ある実施形態では、カメラは、これが治療部位および/または手技を可視化することが可能であるように、交換可能注射システムの近位に位置付けられる。ある実施形態では、光が、カメラおよび/またはユーザ可視化を向上させるために利用される。ある実施形態では、レーザが、ユーザを適切な注射部位に誘導することに役立つために利用される。ある実施形態では、レーザが、精密な治療を提供するために、カメラと協働する。
【0071】
ある実施形態では、注射器システムは、適切な治療を確実にするために、フィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、交換可能注射システムが確実に本デバイス内にあるときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、交換可能注射システムが確実に本システム内にないときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが使用できる状態であるときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが能動的に治療を提供しているときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが治療の提供を終了したときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。(限定ではないが)白色光、有色光、色の使用の有無を問わない本デバイス上の機械的特徴の被覆または被覆解除、および可聴音を含む、フィードバックを提供するための任意の適切な手段が、利用されることができる。
交換可能注射システム
【0072】
いくつかの実施形態は、注射器デバイスと併せて利用されるべき交換可能流体充填注射システムを対象とする。交換可能注射システムは、(限定ではないが)シリンジシステムと、カートリッジシステムとを含む。ある実施形態では、カートリッジは、密閉してシールされ得る、その中に流体を伴うシールされた容器である。任意の適切な体積の流体が、利用されることができる。種々の実施形態では、流体充填注射システムは、約0.01cc~1ccを含有する。種々の実施形態では、流体充填注射システムは、約0.01cc、0.05cc、0.1cc、0.15cc、0.2cc、0.25cc、0.3cc、0.35cc、0.4cc、0.45cc、0.5cc、0.55cc、0.6cc、0.65cc、0.7cc、0.75cc、0.8cc、0.85cc、0.9cc、0.95cc、または1.0ccを含有する。
【0073】
ある実施形態では、交換可能注射システムは、単回使用注射システムまたは複数回使用注射システム等、限定された使用のためのものである。種々の実施形態では、交換可能注射システムは、1~10回の注射のための流体を含有する。ある実施形態では、交換可能注射システムは、液体射出後に処分可能である。ある実施形態では、交換可能注射システムは、カートリッジから外への、針または微小針を通した液体の射出を促進するために、プランジャを含有する。
【0074】
ある実施形態では、交換可能注射システムのプランジャは、注射器デバイスの内部駆動装置と動作的に連結することが可能である。ある実施形態では、注射器の内部ピストンは、ピストンが、注射システムのプランジャを動作的に押動し、注射システムから外への液体の射出をもたらし得るように、交換可能注射システムの面(例えば、針と反対の面)に接触することが可能である。ある実施形態では、交換可能注射システムは、内部駆動機構が、注射器の中心部分から離れるように、および/またはそれに向かって軸方向に注射システムを移動させ得るように、注射器デバイスの内部駆動機構と動作的に連結することが可能である。ある実施形態では、注射器の内部駆動機構を介した交換可能注射システムの移動は、同時に、内部駆動機構が、皮膚の中に穿刺し、挿入されるように針または微小針を動作的に駆動するように、注射器の中心部分から離れるように、および/またはそれに向かって針または微小針の射出先端を移動させる。ある実施形態では、注射器の内部駆動機構は、針または微小針の射出先端を安定化特徴を越えて必要な位置に移動させる。
針および微小針
【0075】
ある実施形態では、針または微小針は、注射システム内の流体が、針または微小針を介して排出され得るように、交換可能注射システムと動作的に連結される。ある実施形態では、針または微小針は、注射システムの近位面(例えば、使用時に注射の部位に近位の面)から延在する。ある実施形態では、針または微小針は、針または微小針および注射システムが、単一の構成要素であるように、交換可能注射システムと統合される。ある実施形態では、針または微小針および交換可能注射システムはそれぞれ、注射システムから外への、針または微小針を通した流体流動を確実にするために、ともに嵌合することが可能な個々の構成要素である。(例えば)ルアーロックシステムまたはガスケット等の針または微小針を交換可能注射システムと嵌合させるための任意の適切な手段が、利用されることができる。
【0076】
種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る針または微小針は、流体が、1つまたはそれを上回る針または微小針を介して注射システムから外に射出され得るように、流体充填注射システムと動作的に連結される。ある実施形態では、単一の針または微小針が、流体充填カートリッジと動作的に連結される。ある実施形態では、複数の針または微小針が、流体充填注射システムと動作的に連結され、これは、アレイ、規則的なパターン(例えば、円)、不規則的なパターン、または任意の他の構成において配列されることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、針または微小針は、冷却効果、加熱効果、または微小振動効果を提供するための能力を有する。故に、冷却、加熱、または微小振動を提供するための手段が、機能を提供するために、針と動作的に連結される。針または微小針に冷却、加熱、または微小振動能力を提供するための任意の適切な手段が、利用されることができる。
【0078】
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る針または微小針は、覆隠または隠蔽され、これは、針または微小針からのユーザへの害を防止するために、または針または微小針への損傷を防止するために望ましくあり得る。1つまたはそれを上回る針または微小針を覆隠または隠蔽する任意の適切な手段が、利用されることができる。ある実施形態では、被覆が、微小針を囲繞して据え付けられる。ある実施形態では、被覆は、剛性および/または堅性材料である。剛性および/または堅性被覆を利用する実施形態では、被覆は、オリフィスまたはピン孔を通して微小針を露出または露見させることができ、これは、これが前進される際に、または注射部位の中への前進に先立って行われることができる。ある実施形態では、被覆は、針または微小針が、被覆が圧潰し、および/または針または微小針が被覆を通して穿通することによって露出または露見されるように、圧潰可能および/または穿通可能材料である。穿通可能材料は、(限定ではないが)ゴム、ネオプレン、PTFE、ePTFE、および金属箔を含む。ある実施形態では、針または微小針を介したカートリッジから外への流体の射出後、針または微小針は、再び覆隠または再隠蔽される。ある実施形態では、剛性または堅性被覆は、筐体から外向きに射出され、注射後に針または微小針を被覆する。
例示的システムおよびデバイス
【0079】
ここで図1A-1Cを参照すると、注射器システムの実施例が、種々の実施形態に従って提供される。図1Aに見られ得るように、注射器101は、内部ピストンを被覆する、外部被覆105を伴う本体103を含むことができる。注射器101は、内部ピストンおよび内部駆動装置の機構を始動および/または駆動し得る、ボタン107を含むことができる。示されるように、ボタン107は、流体充填カートリッジ(図示せず)と結合する面111と反対の面109上にある。注射器101はさらに、支柱コネクタ115を介して本体103から離れるように延在する、安定化および/または位置付け支台113を含むことができる。示されるように、安定化および/または位置付け支台113は、流体充填カートリッジと結合することが可能な面111から離れるように延在する。注射器101はまた、随意に、有色構成要素を伴う光フィードバックインジケータまたは窓123と、音フィードバックインジケータ125とを含み、以下、すなわち、カートリッジの固着、使用できる状態、治療の能動的係合、治療の提供の終了、または任意の他の適切なフィードバックのうちの1つまたはそれを上回るもののフィードバックを提供することができる。
【0080】
図1Bに提供されるものは、流体充填カートリッジと結合する面111を示す、注射器101の図である。面111は、注射器を流体充填カートリッジと結合するための結合部分117を含む。面111はさらに、本体の中心部分121から離れるように、かつそれに向かって軸方向に移動する、内部ピストン119を示す。
【0081】
図1Cは、ボタン107が円筒形本体103の湾曲面から延在する、注射器101の別の実施例を提供する。
【0082】
図2A-4Bは、種々の実施形態による、流体充填カートリッジ201の種々の実施例を提供する。これらの図内に見られ得るように、カートリッジは、注射器の内部ピストンと相互作用し得る中心部分205を含む、注射器と結合することが可能な面203を含むことができる。注射器と結合することが可能な面203の反対は、1つまたはそれを上回る微小針を伴う面207である。図2Aおよび2Bに見られるように、単一の微小針209が、利用されることができる。代替として、図3Aおよび3Bに見られるように、複数の微小針211が、利用されることができ、これは、アレイ(例えば、2×2)、パターン(例えば、円)、または不規則的なパターンの形態であり、各微小針は、微小針射出先端を有することができる。カートリッジ201内に、プランジャ213と、これがカートリッジから射出されるまで流体を貯蔵する、流体充填部分212とがある。プランジャ213は、面203の中心部分205と相互作用することができ、これは、プランジャが、面203から離れるように、かつ1つまたはそれを上回る微小針209/211に向かって軸方向に移動され得るように、注射器の内部ピストンと相互作用することができる。カートリッジ201は、これがカートリッジから射出されるまで流体を貯蔵する、流体充填部分212を含む。
【0083】
図4Aおよび4Bは、種々の実施形態による、1つまたはそれを上回る針を覆隠および/または隠蔽する(単一の針209のみが破線として描かれる)、被覆215の実施例を提供する。被覆215は、隠蔽を提供するために、1つまたはそれを上回る針を囲繞することができる。被覆は、それらがピン孔を通して前進する際、1つまたはそれを上回る隠蔽された針の暴露を可能にし得る、1つまたはそれを上回るピン孔(図示せず)を含むことができる。代替として、カバーは、1つまたはそれを上回る針が、それらが前進される際に材料を通して穿通することによって暴露され得るように、穿通可能材料から成ることができる。
【0084】
図5A-5Dに提供されるものは、種々の実施形態による、図2A-4Bの例示的流体充填カートリッジ201と動作的に連結される、図1Aの例示的注射器デバイス101である。図5Aに見られ得るように、流体カートリッジ201は、カートリッジ201の面203が、注射器101の面111と接触するように、注射器101内に据え付けられることができる。カートリッジの面203の中心部分205は、注射器101の内部ピストン119と相互作用する。さらに、微小針209は、注射器101から離れるような方向に延在し、微小針射出先端210が、支台113を越えて前進されるように位置付けられる。前述で議論されるように、支台を基準とする微小針先端の精密な位置は、所望のタイプの送達(例えば、皮内または皮下)および注射部位における皮膚の厚さに依存する。図5B-5Dは、注射器101内に据え付けられる、カートリッジ201の面207の図を示す。注射器101はまた、随意に、有色構成要素を伴う光フィードバックインジケータまたは窓123と、音フィードバックインジケータ125とを含み、以下、すなわち、カートリッジの固着、使用できる状態、治療の能動的係合、治療の提供の終了、または任意の他の適切なフィードバックのうちの1つまたはそれを上回るもののフィードバックを提供することができる。さらに、デバイス101は、本デバイスおよびカートリッジの使用を支援および/または記録するために使用され得る、1つまたはそれを上回るカメラ127および可視化ライト129を組み込むことができる。
【0085】
図6Aおよび6Bは、種々の実施形態による、ともに組み立てられ得る個々の構成要素としてのカートリッジ構成要素601および微小針構成要素603の実施例を提供する。カートリッジ601は、注射器の内部ピストンと相互作用し得る中心部分607を含む、注射器と結合することが可能な面605を含む。注射器と結合することが可能な面605の反対は、微小針アセンブリ603と結合することが可能な面609である。カートリッジ601内に、プランジャ611と、これがカートリッジから射出されるまで流体を貯蔵する、流体充填部分613とがある。プランジャ611は、面605の中心部分607と相互作用することができ、これは、プランジャが、面605から離れるように、かつ微小針アセンブリ603に向かって軸方向に移動され得るように、注射器の内部ピストンと相互作用することができる。
【0086】
微小針構成要素603は、カートリッジ601の面609と結合することが可能な面617を伴う基部615を含む。結合は、(例えば)ルアーロックまたはガスケット等、カートリッジから、微小針アセンブリの中への適正な流体を可能にする、任意の適切な結合であり得る。面617の反対は、微小針アセンブリ基部615から離れるように延在する微小針621を伴う面619である。示されないが、微小針アセンブリは、アレイまたは任意の他の適切なパターンに形成され得る、複数の微小針を含むことができる。図6Bに示されるように、微小針アセンブリ603は、1つまたはそれを上回る針を覆隠および/または隠蔽する(単一の針621のみが破線として描かれる)、被覆623を含むことができる。被覆623は、隠蔽を提供するために、1つまたはそれを上回る針を囲繞することができる。被覆は、それらがピン孔を通して前進する際、1つまたはそれを上回る隠蔽された針の暴露を可能にし得る、1つまたはそれを上回るピン孔(図示せず)を含むことができる。代替として、カバーは、1つまたはそれを上回る針が、それらが前進される際に材料を通して穿通することによって暴露され得るように、穿通可能材料から成ることができる。
【0087】
図7-9に提供されるものは、種々の実施形態による、支援されない皮膚貫通を伴う注射器システムの実施例である。カートリッジ701が、注射器デバイス703上に装填される。カートリッジ701は、中心部分707が注射器デバイス703の面709および内部ピストン708と協働的に結合する、面705を含む。面709の外側部分710は、カートリッジ701の面705の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。カートリッジ701と注射器デバイス703との結合は、注射器システム711をもたらす。組み立てられた注射器システム711は、注射器デバイス703から離れるような方向に延在する、微小針713を含む。注射器システム711の組立は、射出先端が、皮内または皮下注射のために必要な距離だけ支台を越えて延在するように、支台717に関係して適切に位置付けられる、微小針射出先端715をもたらす。簡略化および解説のために、図9が、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針713は、図8に示されるような被覆721を利用して隠蔽されることができる。
【0088】
組み立てられた注射器システム711は、液体の皮内または皮下注射のために使用されることができる。ユーザは、所望の場所において微小針射出先端715を用いて皮膚を貫通させ、皮膚の表面に垂直に微小針713を移動させ、支台717が皮膚の外面上に静止するまで、皮膚の中に貫通させ、微小針先端が、適切な皮内または皮下注射のために必要な深さを有する結果をもたらすことができる。適切な深さで、注射器システム711は、皮膚の中に液体を注射することができる。被覆721は、微小針713が、ユーザの皮膚を貫通するように暴露され得るように、穿刺可能である、またはピン孔を含むことができる。図8に示されるように、被覆721は、針がユーザの皮膚を貫通する際、これが、針が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに到達するまで圧潰し、被覆721の圧潰をもたらすように、圧潰可能である。本明細書に記述されるように、被覆は、圧潰可能である代わりに、後退可能および/または可撤性であり得る。
【0089】
注射器システム711は、液体射出を促進するために内部ピストン708とともに動作する、ばね719を利用する。ボタン725は、カートリッジ701に向かって軸方向にピストン708を移動させるために利用される。ピストン708が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面705の中心部分707と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針713に向かって押動する。中心部分707は、プランジャ727と相互作用し、カートリッジ701の液体含有部分729内の液体を変位させ、液体が微小針713を通して、射出先端715から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針713は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ701が消費された後、これは、除去および処分されることができ、注射器デバイス703は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0090】
図10-12に提供されるものは、種々の実施形態による、支援された皮膚貫通を伴う注射器システムの実施例である。カートリッジ1001が、注射器デバイス1003上に装填される。カートリッジ1001は、中心部分1007が注射器デバイス1003の面1009および内部ピストン1008と協働的に結合する、面1005を含む。面1009の外側部分1010は、カートリッジ1001の面1005の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。外側部分1010はさらに、支援された皮膚貫通を促進する、内部駆動装置1014との動作的連結を含む。カートリッジ1001と注射器デバイス1003との結合は、注射器システム1011をもたらす。組み立てられた注射器システム1011は、注射器デバイス1003から離れるような方向に延在する、微小針1013を含む。注射器システム1011の組立は、皮内または皮下注射のために必要な距離からわずかに引っ込む微小針射出先端1015をもたらす。図10および11に示されるように、射出先端1015は、支台1017に関係してわずかに引っ込み、これは、ユーザが、微小針1013を用いて皮膚を貫通させることに先立って、支台1017を利用して注射器システム1011を位置付けることを可能にすることができる。簡略化および解説のために、図12が、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針1013は、図11に示されるような被覆1021を利用して隠蔽されることができる。
【0091】
組み立てられた注射器システム1011は、液体の皮内または皮下注射のために使用されることができる。いったんユーザが注射器システム1011を位置付けると、本システムは、ユーザが所望の場所において微小針射出先端1015を用いて自身の皮膚を貫通させることを支援することができる。ユーザは、ボタン1025を押動し、内部駆動装置1014を始動し、したがって、皮膚の表面に垂直に微小針1013を移動させ、射出先端1015が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに来るまで、皮膚の中に貫通させることができる。図12に示されるように、内部駆動装置1014は、内側ピストン1008を包囲する1つまたはそれを上回る支柱またはシース等の1つまたはそれを上回る剛性外側部材である。ボタン1025は、カートリッジ1001に向かって軸方向に内部駆動装置1014を押動し、面1009の外側部分1010が軸方向にカートリッジを押動する結果をもたらすことができる。カートリッジ1001が軸方向に移動するにつれて、微小針1013は、射出先端1015が適切な深さに到達するまで、ユーザの皮膚を貫通する。適切な深さで、注射器システム1011は、皮膚の中に液体を注射することができる。被覆1021は、微小針1013が、ユーザの皮膚を貫通するように暴露され得るように、穿刺可能である、またはピン孔を含むことができる。図11に示されるように、被覆1021は、針がユーザの皮膚を貫通する際、これが、針が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに到達するまで圧潰し、被覆1021の圧潰をもたらすように、圧潰可能である。本明細書に記述されるように、被覆は、圧潰可能である代わりに、後退可能および/または可撤性であり得る。
【0092】
注射器システム1011は、液体射出を促進するために内部ピストン1008とともに動作する、ばね1019を利用する。ボタン1025は、カートリッジ1001に向かって軸方向にピストン1008を移動させるために利用される。代替として、第2のボタンが、軸方向におけるピストンの移動を促進するために利用されることができる。ピストン1008が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面1005の中心部分1007と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針1013に向かって押動する。中心部分1007は、プランジャ1027と相互作用し、カートリッジ1001の液体含有部分1029内の液体を変位させ、液体が微小針1013を通して、射出先端1015から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針1013は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ1001が消費された後、これは、除去および処分されることができ、注射器デバイス1003は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0093】
図13に提供されるものは、種々の実施形態による、支援された皮膚貫通を伴う電気機械的または二重ばね注射器システムの実施例である。カートリッジ1301が、注射器デバイス1303上に装填される。カートリッジ1301は、中心部分1307が注射器デバイス1303の面1309および内部ピストン1308と協働的に結合する、面1305を含む。面1309の外側部分1310は、カートリッジ1301の面1305の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。外側部分1310はさらに、支援された皮膚貫通を促進する、内部駆動装置1314との動作的連結を含む。カートリッジ1301と注射器デバイス1303との結合は、注射器システム1311をもたらす。組み立てられた注射器システム1311は、注射器デバイス1303から離れるような方向に延在する、微小針1313を含む。注射器システム1311の組立は、皮内または皮下注射のために必要な距離からわずかに引っ込む微小針射出先端1315をもたらす。簡略化および解説のために、図13が、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針1313は、被覆を利用して隠蔽されることができる。
【0094】
組み立てられた注射器システム1311は、液体の皮内または皮下注射のために使用されることができる。いったんユーザが注射器システム1311を位置付けると、本システムは、ユーザが所望の場所において微小針射出先端1315を用いて自身の皮膚を貫通させることを支援することができる。ユーザは、ボタン1325を押動し、内部駆動装置1314と動作的に連結される、回転可能ねじ山付きロッドを始動する、またはばね1316を解放することができる。電気機械的デバイスは、バッテリまたは他の電源によって給電されることができる。内部駆動装置1314の始動は、皮膚の表面に垂直に微小針1313を移動させ、射出先端1315が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに来るまで、皮膚の中に貫通させることができる。内部駆動装置1314は、内側ピストン1308を包囲する1つまたはそれを上回る支柱またはシース等の1つまたはそれを上回る剛性外側部材である。回転可能ねじ山付きロッドまたは解放可能ばね1316は、カートリッジ1301に向かって軸方向に内部駆動装置1314を押動し、面1309の外側部分1310が軸方向にカートリッジを押動する結果をもたらすことができる。カートリッジ1301が軸方向に移動するにつれて、微小針1313は、射出先端1315が適切な深さに到達するまで、ユーザの皮膚を貫通する。適切な深さで、注射器システム1311は、皮膚の中に液体を注射することができる。
【0095】
注射器システム1311は、液体射出を促進するために内部ピストン1308とともに動作する、第2の回転可能ロッドまたは解放可能ばね1319を利用する。ボタン1025は、カートリッジ1301に向かって軸方向にピストン1308を移動させるために、ロッドの回転またはばね1319の解放を始動するために利用される。ピストン1308が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面1305の中心部分1307と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針1313に向かって押動する。中心部分1307は、プランジャ1327と相互作用し、カートリッジ1301の液体含有部分1329内の液体を変位させ、液体が微小針1313を通して、射出先端1315から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針1313は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ1301が消費された後、これは、除去および処分されることができ、注射器デバイス1303は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0096】
図14-16Bに提供されるものは、液体の皮内または皮下注射を実施するための例示的システムである。示されるようなシステムは、筐体コンパートメント1401と、流体充填シリンジ1403と、針アセンブリ1405とを備える。図14は、その閉鎖状態における筐体コンパートメント1401を示す。図15は、開放位置における蓋1415を伴う筐体1401を示す。また、図16Aおよび16Bは、筐体コンパートメント1401内に配設される、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405を示す。
【0097】
筐体コンパートメント1401は、針アセンブリ1405と関連付けられ、注射を実施するときに皮膚と接触するための近位面1409および注射を可能にするためのオリフィス1411を提供する、近位部分1407を含有する。筐体コンパートメント1401はさらに、注射機構を作動させるためのボタン1413を含有する。蓋1415が、筐体1401内に流体充填シリンジ1403および針アセンブリを据え付けることを可能にするために開放し得る、ラッチ1417を具備する。窓1419が、流体充填シリンジ1403およびその中の流体の体積を視認するために提供される。
【0098】
針アセンブリ1405は、ルアーロック等の任意の適切な手段によって流体充填シリンジ1403と接続することができる。接続された流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405は、筐体1401によって受容されることができ、これは、接続された流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405に共形化する、輪郭形成された窪み1421を含有することができる。筐体1401内に、シリンジフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425がある。フランジ保持器1423は、シリンジフランジが窪み内に密着して嵌合するように、シリンジフランジ1429の形状に輪郭形成される、窪み1427を含有する。同様に、プランジャ保定器1425は、プランジャグリップが窪みのうちの1つの中に嵌合するように、そのそれぞれがプランジャ1432の遠位端においてプランジャグリップ1433の形状に輪郭形成される、複数の窪み1431を含有する。複数の窪みは、シリンジ内の流体の体積および排出されるべき流体の用量に応じて変動し得る、プランジャグリップ場所の柔軟性を可能にする。
【0099】
フランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425はそれぞれ、中心軸に沿って近位方向または遠位方向のいずれかに移動可能である。フランジ保持器1423は、プランジャ保定器1425のスライダ1436と協働する、溝1434を含有する。溝1434およびスライダ1436は、フランジ保持器1423の移動から独立して、プランジャ保定器1425が溝に沿っていずれかの方向に摺動する能力を可能にする。シリンジフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425は、ラッチ1438を介して相互と接続し、プランジャ保定器は、注射機構のための駆動力を提供するために、圧縮されたばね1437と動作可能に接続する、駆動装置1435を含有する。ばね1437は、本システムの遠位端における遠位基部1440によって定位置に保持される。ボタン1413は、駆動装置1435を定位置に保持し、ばね1437を圧縮状態に保持する、2つの内向き突出支柱1439を含有する。ボタン1413が、内向きに押圧されると、内向き突出支柱1439は、ボタンとともに内向き方向に移動し、ばね1437の圧縮を解放し、駆動装置1435がフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425を中心軸に沿って近位部分1407に向かう方向に駆動するための力を提供する。
【0100】
針アセンブリ1405は、針1441を備える。いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、保護カバー1443と、外側シリンダ1445と、アクチュエータリング1447とを備える。保護カバー1443は、注射の前および後の針1441の暴露を防止し、注射を実施しないときに刺突する、または傷害を引き起こす針の能力を防止することができる。外側シリンダ1445は、針アセンブリ1405を把持するための手段を提供することができ、さらに、保護カバー1443が針1441を適正に被覆することを確実にすることを促進することに役立つことができる。アクチュエータリング1447は、注射後の針1441にわたる保護カバー1443の再被覆のための機構を係止解除することができる。針アセンブリが、保護カバー、外側シリンダ、およびアクチュエータリングを伴わない標準的な針であり得ることを理解されたい。いくつかの実装では、筐体コンパートメント1401内で使用されるとき、針の長さは、注射の部位における針深さを制御するために、流体注射を実施するとき、針の先端が、近位面1409を越えて延在するようなものである。いくつかの実装では、針は、制御された皮内注射が実施され得るような長さを有する。いくつかの実装では、針キャップが、注射の部位の中への貫通の深さを制御するために、針と併用される(例示的針キャップに関して図30Aおよび30B参照)。
【0101】
図17A-20は、皮内または皮下液体送達を実施するシステムの種々の状態の実施例を提供する。図14-16Bを参照して説明されるように、本システムは、筐体コンパートメント1401と、流体充填シリンジ1403と、針アセンブリ1405とを備える。針アセンブリ1405は、流体充填シリンジ1403に取り付けられ、筐体コンパートメント1401内に嵌合される。具体的には、シリンジフランジ1429は、フランジ保持器1423内に据え付けられ、プランジャグリップ1433は、プランジャ保定器1425内に据え付けられ、筐体内に流体充填シリンジ1403を固着させる。
【0102】
図17Aおよび17Bは、本システムが流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405を装填され、注射機構を実施することができる状態である、初期状態におけるシステムを示す。本状態では、流体充填シリンジ1403、針アセンブリ1405、フランジ保持器1423、およびプランジャ保定器1425は、中心軸に沿って遠位位置にある。流体充填シリンジ1403は、注射されるべき量を上回る体積の流体を含有する。初期状態における中心軸に沿ったプランジャ保定器1425の相対的位置は、注射用量を決定し、したがって、位置は、注射用量を制御するために本初期状態において調節されることができる。針1441は、カバー1443内にあり、アクチュエータリング1447は、初期閉鎖状態にある。近位面1409は、注射を受けるべき部位における皮膚表面1449と接触する。
【0103】
ボタン1413は、内向き突出支柱1439が、フランジ保持器1423と物理的に接続する、ばね1437を圧縮状態に維持するように、初期外向き状態にある。内向き突出支柱1439はそれぞれ、フランジ保持器1423と接触する突出部分1451を含有し、フランジ保持器およびプランジャ保定器1425を定位置に維持し、ばね1437を圧縮状態に維持する。
【0104】
図18Aおよび18Bは、針1441が皮膚表面1449の中に穿刺する結果をもたらす、注射機構の始動を示す。ボタン1413は、内向きに圧縮される(1453)と、内向き突出支柱1439の突出部分1451がさらに内向きに移動する結果をもたらし、したがって、それらは、もはやフランジ保持器1423と接触しない、注射機構のアクチュエータである。圧縮されたばね1437は、除圧され、駆動装置1435を中心軸に沿って近位方向に移動させる。ばね力を利用して、駆動装置1435は、フランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425を中心軸に沿って近位方向に駆動する。これは、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405が、皮膚表面1449に向かって近位方向に摺動する結果をもたらす。針アセンブリ1405が、皮膚表面1449と接触する際、カバー1443は、皮膚に接触し、その移動を中止し、針1441が、これが皮膚表面の中に穿刺する際にカバーを過ぎて近位に移動することを可能にする。フランジ保持器1423は、これがフランジ保持器確動停止部1455に到達し、フランジ保持器の近位移動を停止させるまで、近位方向に移動し続ける。フランジ保持器確動停止部はまた、皮膚表面1449に関係する針アセンブリ1405の設置を制御し、針先端の精密な皮下または皮内位置付けを可能にする。さらに、針アセンブリ1405が近位方向に移動するにつれて、アクチュエータリング1447は、アクチュエータリング確動停止部1457に衝突し、アクチュエータリングを開放する(すなわち、リングは、ここで、外側シリンダ1445に関連してより遠位の位置に保持される)。アクチュエータリングを開放することによって、カバー1443は、針が皮膚表面1449から除去されるとき、針1441を再被覆することを可能にされるであろう。
【0105】
図19は、流体充填シリンジ1403から針1441を通した皮膚表面1449の中へのある用量の流体の送達を示す。フランジ1423がフランジ保持器確動停止部1455の位置にある状態で、フランジ保持器は、もはや近位方向に移動することができず、ラッチ1438を係脱させる。この時点で、駆動装置1435は、フランジ保持器1423内の溝1434およびプランジャ保定器のスライダ1436を介して、プランジャ保定器1425を近位方向に駆動し続ける。プランジャ保定器1425が近位に移動し、流体充填シリンジ1403が定位置に留まる際、プランジャ1432は、近位に押動され、投与されるべき用量の流体を変位させ、これは、針1441を通して、皮膚表面1449の中に通過する。プランジャ保定器1425は、これが、フランジ保持器1423に堅く接続される、プランジャ保定器確動停止部1459と接触するまで、近位方向に移動する。故に、プランジャ保定器1425の位置とプランジャ保定器確動停止部1459の位置との間の距離は、流体用量を制御する。プランジャ保定器1425が、プランジャ保定器確動停止部1459に到達すると、皮膚1449の中への流体の送達は、完了される。
【0106】
図20は、カバー1443が針1441を被覆する結果をもたらす、皮膚表面1449からの注射器システムの除去を示す。流体充填シリンジ1403、針アセンブリ1405、フランジ保持器1423、およびプランジャ保定器1425は、近位位置にある。この時点で、蓋1415が、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405の除去のために開通されることができる。注射器システムを再設定するために、プランジャ保定器1425およびフランジ保持器1423は、それらの初期遠位位置に遠位に摺動されることができる。ボタン1413は、内向きに面する支柱1439の突出部分1451が、駆動装置1435および圧縮されたばね1437をその初期位置に保持するように、その外向き初期位置に再設定されることができる。
【0107】
図21は、バッテリ給電され得る(図示せず)、随意の光インジケータ1461を有する、注射器システムの遠位端を示す。光インジケータ1461は、ユーザを支援することに役立つために、種々の異なるステータスインジケーションを提供することができる。ステータスインジケーションは、動作性、使用の準備完了状態、警告、エラー、注射ステータス、およびバッテリ電力ステータスのユーザ通知を提供することができる。利用され得る種々の随意のステータスインジケーションは、(限定ではないが)オン、非装填、適切な装填、不適切な装填、注射できる状態、注射進行中、注射完了、注射の完了の失敗、および低バッテリ電力を含む。種々のステータスインジケーションは、種々の光の色および/または光のパターン(例えば、明滅、点滅、波状)によってシグナリングされることができる。
【0108】
図22は、バッテリ1465によって給電され得る、随意のLED画面1463を有する、注射器システムの遠位端を示す。LED画面1463は、ユーザを支援することに役立つために、種々の異なるステータスインジケーションを提供することができる。ステータスインジケーションは、動作性、使用の準備完了状態、警告、エラー、注射ステータス、およびバッテリ電力ステータスのユーザ通知を提供することができる。利用され得る種々の随意のステータスインジケーションは、(限定ではないが)オン、非装填、適切な装填、不適切な装填、注射できる状態、注射進行中、注射完了、注射の完了の失敗、および低バッテリ電力を含む。種々のステータスインジケーションは、代表的なアイコン、色インジケータ、またはスクリプトによってシグナリングされることができる。
【0109】
図23は、そのそれぞれがバッテリ1465によって給電され得る、随意のカメラ1467と、随意のレーザライト1469とを有する、注射器システムの近位端を示す。カメラ1467は、治療されるべき病変の画像を撮影することができる。レーザライト1469は、ユーザが治療されるべき病変上に注射器システムを適切に配置することを支援することに役立つことができる。
【0110】
図24および25は、電気機械的線形アクチュエータ1471と、モータ1473と、モータおよび線形アクチュエータを給電するためのバッテリ1465とを有する、電気機械的注射器システムを示す。(例えば)ねじ山付きねじ、ウォーム歯車、ラックおよびピニオン、またはソレノイドコイル等の任意の線形アクチュエータが、利用されることができる。ここで示される電気機械的注射器は、以下の修正を伴って、図14-20のばね動力供給注射器システムと全て同一の構成要素および特徴を有し、同一の機構的機能を有することができる。圧縮されたばねの代わりに、電気機械的注射器システムは、モータ1473によって駆動され得る、線形アクチュエータ1471(例えば、示されるように、ラックおよびピニオン)を利用する。線形アクチュエータ1471は、駆動装置と接続する、ヘッド1475を含む。とりわけ、駆動装置は、圧縮されたばねの代わりに、ヘッド1475と適合可能であるようにわずかに修正される。ボタン1413は、ばねを圧縮状態に保持せず、代わりに、ピニオンを旋回させるようにモータを始動し、ヘッド1475および駆動装置を近位方向に移動させる。近位方向における駆動装置の移動は、図18A-20に示され、付随のテキストに説明されるように、注射機構を駆動するように進むことができる。線形アクチュエータ1471はまた、注射器システムを手動で再設定する代わりに、再設定を実施することができる(すなわち、駆動装置を遠位方向に引動する)。
【0111】
図26-29は、針が流体注射の前および後に被覆されたままであることを確実にするための例示的針アセンブリおよび機構を描写する。ここで描写される針アセンブリは、注射器システムの有無を問わず、任意のシリンジとともに利用されることができる。いくつかの実装では、ここで描写される針アセンブリは、図14-20に示される注射器システムとともに利用される。
【0112】
図26は、初期状態における針アセンブリ2601を提供する。針アセンブリ2601は、針2603と、針カバー2605と、外側シリンダ2607と、アクチュエータリング2609と、ばね2611とを備える。外側シリンダが、針アセンブリの機構を理解することを支援するために、透明なものとして描かれていることに留意されたい。初期状態では、ばね2611は、除圧され、カバーを内向きに押動することがばね2611を圧縮するように、針カバー2605と接続する。除圧状態では、ばね2611は、先端が暴露されず、ユーザへのいかなる害も防止するように、針カバー2605が、針2603の先端を越えて延在することを確実にする。アクチュエータリング2609は、最初に、閉鎖状態として提供され、リングは、外側シリンダ2607に対して近位位置にある。
【0113】
外側シリンダ2607の内面は、カバー2605の外面から延在する、突出スライダ2615と協働的に相互作用する、スロット付き軌道2613を含む微細構成を有する。ばね2611と組み合わせて、スロット付き軌道2613および突出スライダ2615は、アクチュエータリング2609から内向きに延在するアクチュエータアーム2617と協働し、針2603が注射に先立ってカバー2605内に留まることを確実にする。
【0114】
図27は、皮膚表面2619に対して押動される、針アセンブリ2601を示す。針カバー2605は、内向きに押動されるが、アクチュエータリング2609が閉鎖されたままである間、針2603の被覆を維持する。アクチュエータアーム2617は、スロット付き軌道2613の中に延在し、突出スライダ2615がさらに内向きに摺動しないように防止し、針先端が暴露されないままであるように、針カバー2605のさらなる内向き移動の確動停止部を提供する。
【0115】
図28は、スロット付き軌道2613からのアクチュエータアーム2617の除去をもたらす、外側シリンダ2607から離れるように遠位にリングを引動することによって開放される、アクチュエータリング2609を示す。アクチュエータアーム2617が除去された状態で、突出スライダ2615は、スロット付き軌道2613に沿って内向きに移動し、針カバー2605がさらに内向きに移動することを可能にし、針2603の先端を暴露することができる。針2603は、流体が、針アセンブリ2601と動作可能に接続するシリンジを介して皮内または皮下に注射され得るように、皮膚表面2619の中に挿入されることができる。
【0116】
スロット付き軌道2613は、スライダが内向きに押動されるにつれて、突出スライダ2615を外側シリンダ2607の内側円周に沿って移動させ、針カバー2605が中心軸を中心として回転する結果をもたらす、角度付き壁2621を含むことができる。突出スライダ2615の回転は、これが、アクチュエータアーム2617の外向き移動によって開通される、スロット付き軌道2623内に進入することを可能にする。突出スライダ2615は、スロット付き軌道2623内で内向きに移動し、これがアクチュエータアーム2617と接触するとき、確動停止部に到達することができる。突出スライダ2615が、アクチュエータアーム2617に到達すると、針カバー2605は、さらに内向きに移動することができず、針2603の限定された暴露を提供する。故に、アクチュエータリング2609が開放されるときのアクチュエータアーム2617の位置は、針が皮膚表面2619内に挿入され得る限定された深さを提供し、流体注射の深さ点を制御する。
【0117】
図29は、皮膚表面2619からの針アセンブリ2601の除去を示す。とりわけ、針カバー2605が、内向きに押動されるとき、ばね2611は、圧縮される。また、したがって、皮膚表面2619からの針アセンブリ2601の除去は、ばね2611が針カバー2605を外向きに押動し、針2603の先端を越えて延在させる結果をもたらす。針カバー2605が外向きに押動されるにつれて、突出スライダ2615は、これが角度付き壁2625と接触するまで、スロット付き軌道2623を通して外向きに摺動する。角度付き壁2625と併せてばね2611の圧縮によって提供される力は、スライダが外向きに押動されるにつれて、突出スライダ2615を外側シリンダ2607の内側円周に沿って回転させ、針カバー2605が中心軸を中心として回転する結果をもたらす。突出スライダ2615の回転は、これが硬質コーナー2627と接触することを可能にし、スライダが硬質コーナーと角度付き壁2625との間に据え付けられる結果をもたらす。硬質コーナー2627内に突出スライダ2615を係止するために、アクチュエータリング2609は、再閉鎖され、アクチュエータアーム2617がスロット付き軌道2623を再充填する結果をもたらし、スライダが外側シリンダ2607の内側円周に沿って戻るように回転しないように防止することができる。アクチュエータリング2609の再閉鎖は、随意に、アクチュエータリングが、再開放され得ず、針2603の再暴露を防止するように、ラッチまたは他の固着機構を介して固着されることができる。
【0118】
図30Aおよび30Bに提供されるものは、注射の部位内の針貫通の深さを制御するための例示的針キャップである。針キャップ3001は、近位オリフィス3003と、遠位オリフィス3005とを含有する。針キャップ3001は、遠位オリフィス3005が針基部3009上に据え付けられ、嵌合された状態で針3007上に嵌合することができる。故に、遠位オリフィス3005は、これが基部を確実に抱え込み得るように、針基部3009の周囲に密着して嵌合する円周を有することができる。針3007は、針の先端が、オリフィスおよび近位面3011から特定の距離にあるように、近位オリフィス3003を通して延在することができる。本特定の距離は、流体注射のための特定の深さを画定するために使用されることができる。故に、針キャップの種々の実装は、近位面3017を越えて暴露される針の部分が注射深さとなるような針長および注射深さに対応する、針キャップ基部3015から近位面3011までの長さ3013を有する。
【0119】
種々の方法が、針および針キャップを利用して特定の深さに流体を注射するために実施されることができる。1つの例示的方法は、以下の通りであり得る。
・針と動作可能に接続する、流体充填シリンジを提供し、
・キャップ基部が、針基部上に嵌合し、針先端が、特定の距離において近位オリフィスを越えて延在するように、針にわたって針キャップを設置し、特定の距離は、注射深さを画定し、
・キャップの近位面が、注射部位の表面と接触し、注射部位内の注射深さに針先端をもたらすように、注射部位の中に針を挿入し、
・流体充填シリンジおよび針を介して、注射深さにおいて流体充填シリンジから流体を注射する。
流体送達の用途
【0120】
皮内または皮下流体送達システムの種々の実施形態は、皮膚の中への液体送達を要求する、いくつかの用途において利用されることができる。ある実施形態では、流体送達システムは、皮膚の中への薬剤または補助剤の送達のために使用される。ある実施形態では、トリアムシノロン(ケナログ)が、流体送達システム内で利用される。ある実施形態では、ヒアルロン酸が、流体送達システム内で利用される。ある実施形態では、コラーゲンまたはコラーゲン刺激剤が、流体送達システム内で利用される。
【0121】
トリアムシノロンは、(限定ではないが)ざ瘡、湿疹、皮膚炎、アレルギー、および発疹を含む、種々の皮膚疾患を治療するために使用される、グルココルチコイドである。トリアムシノロンは、腫脹、かゆみ、および発赤を低減させることができる。
【0122】
ざ瘡病変の治療は、0.01mL~0.20mLの体積および1mg/mL~10mg/mLの濃度における単一の用量で12時間以内に腫脹および発赤を低減させることができる。故に、トリアムシノロンを含有する溶液は、本明細書に説明されるように、カートリッジまたはシリンジの流体含有部分内に含有されることができる。トリアムシノロン含有カートリッジまたはシリンジは、注射器システム内で利用されることができる。針または微小針が、病変内送達(例えば、病変の部位における皮内または皮下送達)のために必要な量だけ皮膚を貫通することができる。注射器システムは、治療として病変の中にトリアムシノロンを注射することができる。治療は、必要に応じて、単一の病変に対して複数回実施されることができる、または複数の病変に対して実施されることができる。多くの事例では、単一の用量が、ざ瘡病変の実質的な一掃をもたらすであろう。類似する手技が、他の皮膚疾患に対して実施されることができる。
【0123】
ヒアルロン酸は、皮膚内で自然に産生されるグリコーゲンである。皮膚の中へのヒアルロン酸注射は、局部的な皮膚のヒアルロン酸の量を増大させることができる。ヒアルロン酸の利益は、(限定ではないが)皮膚の老化の外観の軽減、しわの低減、皮膚における炎症の低減、および創傷治癒の支援を含む。
【0124】
コラーゲンは、皮膚内で自然に産生されるタンパク質である。皮膚の中へのコラーゲン注射(またはコラーゲン刺激剤の注射)は、局部的な皮膚のコラーゲンの量を増大させることができる。コラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)の利益は、(限定ではないが)瘢痕(特に、ざ瘡瘢痕)の外観の低減、しわの平坦化、および皮膚陥凹の穴埋めを含む。コラーゲン刺激剤は、(限定ではないが)マイクロニードリング、ビタミンC、プロリン、グリシン、銅、アロエベラ、朝鮮人参、および藻類を含む。
【0125】
種々の薬剤および補助剤が、皮内または皮下流体送達システムにおける使用のために同一のカートリッジ内で組み合わせられることができる。例えば、1つの例示的組み合わせは、コラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)を伴うトリアムシノロンである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30A
図30B
【国際調査報告】