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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】注文準備または緩衝保管システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20240705BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503745
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022070406
(87)【国際公開番号】W WO2023001915
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】2107880
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・ルルージュ
(72)【発明者】
【氏名】ロイック・ルピリエ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL07
3F022MM36
3F022MM55
3F022MM57
3F022NN32
3F022PP04
(57)【要約】
本発明は、注文の品目を棚から収集するように意図されている少なくとも1台の自動誘導台車を含む注文準備システムに関し、自動誘導台車には、後退可能な支持体に取り付けられ、台車が2つの棚の間を上昇することが可能になるように、棚の支柱に堅固に接続されたラックまたはチェーンと協働することができる歯車と、カウンタホイールと、が装備されている。本発明によれば、上記支持体のそれぞれの実質的に遠位端でランナが固定され、台車が登攀するとき、カウンタホイールが支柱の一面に接触し、上記ランナが支柱から離間し、故障の結果として上記可動支持体が弱まった場合には、可動支持体の下方への前進を阻止するように、上記ランナが支柱に支えられるようになるように、同じ支持体に取り付けられたカウンタホイールに対して配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文準備システムまたは緩衝在庫システムのようなシステムであって、
第1の棚ユニット(14)および第2の棚ユニット(14)であって、通路(18)を区切っている、第1の棚ユニットおよび第2の棚ユニットと、
前記第1の棚ユニットに固定された第1の対の支柱(22)および前記第2の棚ユニットに固定された第2の対の支柱(23)であって、前記第1の対の支柱(22)の支柱がそれぞれ、前記第2の対の支柱(23)の1つの支柱に面して取り付けられている、第1の対の支柱および第2の対の支柱と、
前記棚ユニット(14)の少なくとも1つから物体を取り出すように意図された少なくとも1台の自動誘導車両(21)であって、前記車両(21)は、前記支柱(22、23)に沿って前記車両(21)を上昇させるように前記支柱(22、23)と協働することができる電動登攀手段を含み、前記登攀手段は、前記第1の対(22)および前記第2の対(23)の支柱の前記支柱に固定されたラック(26)またはチェーンと協働するようにそれぞれ意図された4つの歯車(24)を含み、前記歯車(24)のそれぞれは支持体に取り付けられ、前記支持体は、前記車両(21)のフレームに対して、2つの位置、すなわち、
前記支持体に取り付けられた前記歯車(24)の少なくとも一部が前記フレームから突出する展開位置と、
前記支持体に取り付けられた前記歯車(24)が前記フレーム内またはその上部に収容される後退位置と、
の間で移動可能である、少なくとも1台の自動誘導車両と、
を含み、
前記車両は、前記歯車を回転駆動するための手段を含み、前記可動支持体は、前記支持体のそれぞれに取り付けられたカウンタホイール(32)を含む前記支柱(22、23)と固定するための手段を含み、前記カウンタホイール(32)のそれぞれは、前記ラック(26)または前記チェーンが固定されている前記支柱の面の反対側にある前記支柱(22、23)の1つの面上で転動するように意図されている、
システムにおいて、
前記支持体のそれぞれの実質的に遠位端でランナ(34)が固定され、前記ランナ(34)は実質的に垂直に延在すること、
そして同じ可動支持体の前記ランナ(34)および前記カウンタホイール(32)は、前記駆動手段が、前記同じ可動支持体に取り付けられた前記歯車(24)を前記支柱(22、23)の1つの前記ラック(26)または前記チェーンと噛み合わせるとき、前記カウンタホイール(32)が前記支柱(22、23)の前記反対側の面と接触し、前記ランナ(34)が前記支柱から分離されるように、そして前記車両(21)が前記支柱に登り、前記駆動手段の故障に続いて前記歯車(24)が自由に回転することができ、前記可動支持体の垂れ下がりにつながると、前記ランナ(34)が、前記可動支持体の下方への前進を止めるように、ラック(26)またはチェーンが固定されている前記支柱の面の一部に支えられるようになるように、前記支持体上で互いに対して配置されていること、を特徴とする、
システム。
【請求項2】
前記ランナ(34)は、前記カウンタホイール(32)の高さより大きな高さで前記支持体に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動手段が、可動支持体に取り付けられた歯車(24)を前記支柱の1つの前記ラック(26)または前記チェーンと噛み合わせるとき、同じ可動支持体に固定された前記ランナ(34)の外面と同じ可動支持体に取り付けられた前記カウンタホイール(32)の軸との間の水平方向に投影された距離は、前記カウンタホイール(32)の半径および前記支柱のフランジ(33)の厚さの値の合計より大きいことを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記ランナ(34)は、エラストマー材料、好ましくはポリウレタンで作製されたブロックを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ブロックはリング内に収容されていることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記車両(21)の幅または長さは、前記第1の対の支柱(22)または前記第2の対の支柱(23)の支柱間の間隔より少ないこと、そして前記可動支持体は、前記展開位置において、前記歯車(24)のそれぞれの少なくとも一部が、前記通路に面する前記フレームの縁部からも突出するように構成されていること、を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記車両(21)が前記通路(18)に進入しているとき、前記歯車(24)の軸は前記通路(18)の軸に平行であることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記可動支持体は、前記フレームに対して枢動および/または摺動するように取り付けられていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記可動支持体は、前記車両(21)の前記フレームの実質的に四隅に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記駆動手段は、前記歯車(24)の1つを駆動するようにそれぞれ意図された4つの独立したモータを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記支柱(22、23)の1つに固定された前記ラック(26)または前記チェーンのそれぞれは前記支柱の下を実質的に地面まで延在すること、そして前記カウンタホイール(32)の1つのための転動面を有する誘導要素(27)が前記ラック(26)または前記チェーンの下部に沿って実質的に地面から前記支柱(22、23)の基部の高さまで垂直に延在すること、を特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ランナは前記車両(21)の外側の方を向いていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の対(22)および前記第2の対(23)の支柱の前記支柱は、少なくとも1つのフランジ(33)が折り曲げ縁部(33)を有する、オメガ、または角鉄の輪郭を有すること、そして前記車両が前記通路(18)に進入しているとき、前記ランナのそれぞれは前記棚ユニット(14)の支柱の方を向いていること、そしてラック(26)またはチェーンが固定され、ランナが支えられるようになり得る前記支柱の前記面の前記一部は、支柱の折り曲げ縁部(33)の前記通路(18)の方を向いた面の一部であること、を特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、倉庫物流、特に部品または製品の取り扱い、保管および輸送の分野である。
【0002】
より具体的には、本発明は注文準備または緩衝在庫システムに関する。
【0003】
本発明は、保管倉庫、たとえば物流チェーンの注文を準備するための倉庫におけるフローの管理の自動化、または、一般に「クリックアンドコレクト」と呼ばれる、注文品を集荷ポイントに配送するためのサービスの自動化に、特に適用可能である。
【背景技術】
【0004】
グローバルな物流チェーンでは、フローの管理および倉庫内での製品の取り扱いが決定的な役割を果たす。
【0005】
従来、注文の準備者は倉庫内を動き回って注文の各製品を棚ユニットの棚上のその場所に集める。
【0006】
このような組織では、準備者が1日の勤務中に長い移動をすることになり、その結果、経路が最適化されていないと、疲労および時間のロスが発生することがわかっている。
【0007】
別の欠点は、時間を無駄にしないように、倉庫がどのように構成されているかの完全な知識を準備者が持っていなければならないことである。
【0008】
移動による疲労を軽減し、ピッキングの管理を改善し、注文準備時間およびそのコストを削減するために、製品を棚ユニットからロボットによって取り出し、これらの同じロボットによって注文準備ステーションへ搬送する倉庫の組織が考案されてきた。
【0009】
地上を転動することと、棚ユニットに沿って登攀して箱に保管されている製品を取りに行くことの両方が可能な自己誘導車両を実装することが、特に提案されてきた。
【0010】
したがって、たとえば、特許文献1または特許文献2から、横方向に展開することができる後退可能な歯車がそのフレームの側面に装備されたロボットが知られている。これらの歯車は、棚ユニットの支柱に固定された垂直ラックまたはチェーン上で噛み合い、取り出す箱のレベルに到達するためにロボットが2つの棚ユニットの間を上昇することが可能になるように意図されている。また、ロボットには、ロボットの進行を誘導し、ロボットの落下を防止するためのカウンタホイールが設けられている。
【0011】
これらの知られているロボット技術の1つの欠点は、歯車の1つを支えているアームが破損し、ロボットが垂れる傾向があるとき、落下を防止しているカウンタホイールが支柱にトルクを加え、これにより支柱が変形することである。その後、変形した支柱を交換しなければならないが、これには棚ユニットに対する集中的な介入が要求され、注文準備システムが長期間停止する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2010/100513号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2017/064410号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、特に、上で引用した現状技術の欠点を軽減することである。
【0014】
より具体的には、本発明の目的は、ロボットの登攀システムの機械的故障の場合に長期間停止する必要がない、棚ユニットに登ることができるロボットを実装する注文準備システムを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、信頼性が高く、実装が簡単な注文準備技術を提供することである。
【0016】
本発明の1つの目的はまた、安価な注文準備技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの目的、および以下で明らかになる他の目的は、注文準備システムまたは緩衝在庫システムのようなシステムを使用して達成され、これは、
第1の棚ユニットおよび第2の棚ユニットであって、通路を区切っている、上記第1の棚ユニットおよび上記第2の棚ユニットと、
上記第1の棚ユニットに固定された第1の対の支柱および上記第2の棚ユニットに固定された第2の対の支柱であって、上記第1の対の支柱の支柱がそれぞれ、上記第2の対の支柱の1つの支柱に面して取り付けられている、第1の対の支柱および第2の対の支柱と、
上記棚ユニットの少なくとも1つから物体を取り出すように意図された少なくとも1台の自動誘導車両であって、上記車両は、上記支柱に沿って上記車両を上昇させるように上記支柱と協働することができる電動登攀手段を含み、上記登攀手段は、上記第1の対および上記第2の対の支柱の上記支柱に固定されたラックまたはチェーンと協働するようにそれぞれ意図された4つの歯車を含む、少なくとも1台の自動誘導車両と、
を含み、
歯車のそれぞれは支持体に取り付けられ、これは、上記車両のフレームに対して、2つの位置、すなわち、
上記支持体に取り付けられた上記歯車の少なくとも一部が上記フレームから突出する展開位置と、
上記支持体に取り付けられた歯車が上記フレーム内またはその上部に収容される後退位置と、
の間で移動可能であり、
上記車両は、上記歯車を回転駆動するための手段を含み、上記可動支持体は、上記支持体のそれぞれに取り付けられたカウンタホイールを含む上記支柱と固定するための手段を含み、上記カウンタホイールのそれぞれは、上記ラックまたは上記チェーンが固定されている上記支柱の面の反対側にある上記支柱の1つの面上で転動するように意図されている。
【0018】
本発明によれば、上記支持体のそれぞれの実質的に遠位端でランナが固定され、上記ランナは実質的に垂直に延在し、同じ可動支持体の上記ランナおよび上記カウンタホイールは、上記駆動手段が、この同じ可動支持体に取り付けられた歯車を上記支柱の1つのラックまたはチェーンと噛み合わせるとき、上記カウンタホイールがこの支柱の上記反対側の面と接触し、上記ランナがこの支柱から分離されるように、そして上記車両が上記支柱に登り、上記駆動手段の故障に続いて上記歯車が自由に回転することができ、その結果、上記可動支持体が垂れ下がると、上記ランナが、上記可動支持体の下方への前進を止めるように、ラック(26)またはチェーンが固定されている上記支柱の面の一部に支えられるようになるように、上記支持体上で互いに対して配置されている。
【0019】
したがって、独自のやり方で、本発明は、支柱を変形させることなく車両の下降を阻止するために、カウンタホイールに対して巧みに配置されたランナを実装することを提案する。
【0020】
本発明の特定の一実施形態において、上記第1の対および上記第2の対の支柱の上記支柱は、少なくとも1つのフランジが折り曲げ縁部を有するオメガ輪郭、または角鉄の輪郭を有し、上記車両が上記通路に進入しているとき、上記ランナのそれぞれは上記棚ユニットの方を向いており、ラックまたはチェーンが固定され、ランナが支えられるようになり得る上記支柱の面の一部は、支柱の折り曲げ縁部の上記通路の方を向いた面の一部である。
【0021】
本発明のこの特定の実施形態の変形例において、上記第1の対および上記第2の対の支柱の上記支柱はU形状の輪郭を有することができ、ラックまたはチェーンが固定され、ランナが支えられるようになり得る上記支柱の面の一部は、上記通路に対して直角に延在する支柱の1つのフランジの面の一部とすることができる。
【0022】
好ましくは、上記ランナは、上記カウンタホイールの高さより大きな高さで上記支持体に取り付けられている。
【0023】
本発明の特定の一態様によれば、上記駆動手段が、可動支持体に取り付けられた歯車を上記支柱の1つのラックまたはチェーンと噛み合わせるとき、同じ可動支持体に固定されたランナの外面と同じ可動支持体に取り付けられたカウンタホイールの軸との間の水平方向に投影された距離は、カウンタホイールの半径およびこの支柱のフランジの厚さの値の合計より大きい。
【0024】
したがって、車両が適切に動作しているとき、ランナが支柱にこすれることはない。
【0025】
有利には、上記ランナは、エラストマー材料、好ましくはポリウレタンで作製されたブロックを含む。
【0026】
本発明の有利な一態様によれば、上記ブロックはリング内に収容されている。
【0027】
本発明の特定の一実施形態において、上記車両の幅または長さは上記第1の対の支柱または上記第2の対の支柱の支柱間の間隔より少なく、上記可動支持体は、上記展開位置において、上記歯車のそれぞれの少なくとも一部が、上記通路に面する上記フレームの縁部からも突出するように構成されている。
【0028】
したがって、歯車は車両の側面ならびに前部または後部の両方に展開することができるため、車両は棚ユニットに登るとともに、棚ユニットの下を移動することもでき、これにより車両の経路を最適化し、特に車両が地上で移動する距離を短縮し、代替ルートの可能性を大幅に増やすことによって2台の車両間の走行衝突のリスクを回避し、最終的には倉庫での注文準備フロー、または緩衝在庫設備で1時間あたりに保管することができるか、または保管庫から取り出すことができる商品の数を大きく増加させることが可能になる。さらに、本発明によって、各棚ユニットについて共通の支柱を共有する、互いに向かい合う、第1の棚ユニットに固定された第1の対の支柱と第2の棚ユニットに固定された第2の対の支柱によってそれぞれ区切られた、連続する垂直煙突における第1の棚ユニットと第2の棚ユニットとの間を、2台の車両が登ることができる。
【0029】
本発明の特定の一実施形態において、上記車両が上記通路に進入しているとき、上記歯車の軸は上記通路の軸に平行である。
【0030】
本発明の特定の一実施形態によれば、上記可動支持体は、上記フレームに対して枢動および/または摺動するように取り付けられている。
【0031】
本発明の特定の一実施形態において、上記可動支持体は、上記車両のフレームの実質的に四隅に取り付けられている。
【0032】
本発明の特定の一態様によれば、上記駆動手段は、上記歯車の1つを駆動するようにそれぞれ意図された4つの独立したモータを含む。
【0033】
本発明の特定の一実施形態において、支柱に固定された上記ラックは、たとえば引抜法によって、これらの支柱と一体の部品で形成されている。
【0034】
本発明の有利な一実施形態において、上記支柱の1つに固定されたラックまたはチェーンのそれぞれはこの支柱の下を実質的に地面まで延在し、上記カウンタホイールの1つのための転動面を有する誘導要素が上記ラックまたは上記チェーンの下部に沿って実質的に地面から支柱の基部の高さまで垂直に延在する。
【0035】
したがって、車両は、地面から上昇するとすぐに、その登攀/下降が誘導される。
【0036】
本発明の特定の一態様によれば、上記自動誘導車両は地上を転動することができる。
【0037】
本発明の特定の一実施形態において、上記ランナは上記車両の外側の方を向いている。
【0038】
ランナは特に、車両の側面または車両の前部あるいは後部に対して直角に向けることができる。
【0039】
本発明の別の特定の一態様によれば、上記展開位置において、上記支持体に取り付けられた上記歯車の少なくとも一部が上記車両から横方向に突出する。
【0040】
本発明の他の特徴および利点が、単純な例示的かつ非限定的な一例として与えられる、本発明の一実施形態の次の説明および添付の図面を読むと、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明による注文準備システムの例示的な一実施形態を備えた倉庫の概略斜視図である。
図2】倉庫の2つの棚ユニットの間を登る図1を参照して提示されたシステムの電動自動誘導車両の斜視図である。
図3図2を参照して提示された車両のアームの端部領域の詳細図である。
図4図2を参照して提示された車両のアームの端部領域の上面図である。
図5】車両の左側に位置するその歯車の1つの駆動シャフトの破損に続いて停止した図2を参照して提示された電動車両の側面図である。
図6】損傷した駆動シャフトに固定されている、図5を参照して提示された車両の左アームの端部領域Gの側面図である。
図7図5を参照して提示された車両の右側に位置するアームの端部領域Dの側面図である。
図8】損傷した駆動シャフトに固定された図5を参照して提示された車両の左アームの端部領域の上面図である。
図9図5を参照して提示された車両の右アームの端部領域の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、その出荷のために製品を保管するように意図された倉庫10を示す。この倉庫は、保管エリア11と、オペレータ13が注文の製品を含むパッケージを準備する注文準備ステーション12がある注文準備領域と、に分割されている。
【0043】
保管エリア11は、支柱15によって支持されたいくつかのレベルの棚を含む棚ユニット14に組織化され、保管された製品または物品を含む箱16が棚上に挟まれている。
【0044】
自動誘導車両17の車隊により、保管エリア11と注文準備ステーション12との間の箱16の輸送が確実に行われる。
【0045】
ロボット17が、オペレータ13によって処理された注文を完了するために取り出すべき1つ以上の物品を含む箱16に関する位置情報を受信すると、ロボット17は、箱16が収納されている棚ユニット14の足元まで地上を転動し、この棚ユニット14とこれに面する棚ユニットとの間の通路18に配置される。
【0046】
この移動中、ロボット17は、グリッド19の方式にしたがって組織化された地上に描かれたバンドの方向に従う。したがって、図1に見られるように、ロボット17は、縦方向バンド19、またはバンド19に対して直角の横方向バンド19の方向に移動することができ、棚ユニット14の下を移動することができる。
【0047】
次いでこのロボット17は、図1に表すロボット17のやり方で、2つの棚ユニットに支えられることによって、箱16が収納されている棚のレベルまで登り、それを棚ユニットから取り出す。次いでこれは2つの棚ユニットの間を再降下し、地上に着くと、グリッド19に従うことによって箱16を注文準備ステーション12に輸送する。オペレータ13は、注文された数の物品を取り出し、それらを梱包するだけでよい。
【0048】
図2は、各棚ユニットの2つのオメガ輪郭の支柱に支えられることによって2つの棚ユニットの間を上昇するロボット21の詳細図を示す。図2において、見やすくするために、最も後ろに置かれた支柱22および23のみが表されている。
【0049】
棚ユニットの間を登るために、ロボット21は、そのフレームの隅に、後退可能な電動アーム25に取り付けられた4つの歯車24を備え、支柱22および23に固定されたラック26と歯車24が接触および係合することができるまで、フレームから実質的に対角線方向にアームを摺動させることによって展開している。
【0050】
ラック26のそれぞれは、それが固定されている支柱22、23の下を実質的に地面まで延在することが留意されるべきである。誘導支持体27が、地面から支柱22、23の基部まで延在するラックの下部を覆っている。これらの支持体27の通路の方を向いた縁部28により、ロボットのアーム25のそれぞれに装備されているカウンタホイール32のための初期転動面が提供され、これに対してカウンタホイールが支えられるようになり、これにより、地面からの登攀の最初の数センチメートルにおいてカウンタホイールを適切に配置することが可能になり、これらが次いで支柱と効果的に協働することができる。
【0051】
図3に見られるように、これはアーム25の1つの端部の詳細図であるが、このアーム25に取り付けられた歯車24は、ユニバーサルジョイントを介して歯車24に連結されたモータシャフト31によって回転駆動される。
【0052】
ロボットの重量の一部を負担し、ロボットの調子を制御して転倒を防止することを可能にするカウンタホイール32がアーム25の下端に固定されている。このカウンタホイール32は、支柱22のフランジ33の折り曲げ縁部33上で、棚ユニットを分離する通路とは反対の方向を向いたその面上で支えられて転動する。
【0053】
また、ランナ34がアーム25の上部にその遠位端で固定され、カウンタホイール32から所定の距離をおいて、通路側を向いた縁部33の面41に面している。図4においてアーム25の端部領域の上面図に見られるように、ロボット21が登攀/下降するときにランナ34は折り曲げ縁部33に触れない。
【0054】
本発明のこの特定の実施形態において、ランナ34はポリウレタン製のブロックから形成され、これは、ブロックの変形を制限することを可能にするリングの内側に収容されている。
【0055】
図5における車両21は、車両21の左側の前部に位置する歯車24の駆動シャフト31が破損した後を表している。このとき、左前歯車24は自由に回転するため、ロボット21は左側が垂れ下がっており、図5に表す位置において、支柱22と23との間で阻止されている。
【0056】
この阻止位置において、ロボット21の左前アーム25が下方に傾斜して延在するため、ランナ34は、支柱22のフランジの折り曲げ縁部33の通路に向いた面41に支えられるようになり、それぞれ、左前アームの領域の詳細側面図および上面図である、図6および図8に見られるように、縁部33上のランナ34の摩擦によって、アーム25の下方への進行は停止している。
【0057】
ロボットの右側前部では、ランナ34は、それ自体、支柱23のフランジ33の縁部33の面71からまだ距離をおいている(それぞれ、右前アームの領域の詳細側面図および上面図である、図7および図9を参照)。
【0058】
ランナ34の実装によって、カウンタホイール32は支柱22または支柱23のフランジの縁部に剪断力を加えず、これによりその変形およびしたがって車両の歯車の駆動アームが破損した場合にこれらの支柱を交換するために介入する必要を回避することが可能になるということが留意されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 倉庫
11 保管エリア
12 注文準備ステーション
13 オペレータ
14 棚ユニット
15 支柱
16 箱
17 ロボット
18 通路
19 グリッド
19 縦方向バンド
19 横方向バンド
21 ロボット
22 支柱
23 支柱
24 歯車
25 アーム
26 ラック
27 支持体
28 縁部
31 シャフト
32 カウンタホイール
33 フランジ
33 折り曲げ縁部
34 ランナ
41 面
71 面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】