(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】毛髪を処理するためのブラシおよび方法
(51)【国際特許分類】
A45D 20/48 20060101AFI20240705BHJP
A45D 24/00 20060101ALI20240705BHJP
A46B 11/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A45D20/48
A45D24/00 P
A46B11/00 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503752
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022070542
(87)【国際公開番号】W WO2023001983
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マリーヌ・ブアジズ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・クラリスー
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ・シャンポー
(72)【発明者】
【氏名】ゴック-イアン・ルサン
(72)【発明者】
【氏名】ギャバン・ヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス・オソラン
(72)【発明者】
【氏名】クロエ・チューレット
【テーマコード(参考)】
3B040
3B202
【Fターム(参考)】
3B040DF02
3B040DF08
3B202AA11
3B202BA13
(57)【要約】
本発明は、処理デバイス、特にブラシ(10)を用いて毛髪を処理するための方法に関し、この方法は、
処理デバイスの蒸気出口を有さない、少なくとも1つの加熱コーミングゾーン(C)の歯(23)同士の間を、毛髪の房を通過させることによって、毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なうステップと、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)において毛髪の房に蒸気をあてることと、を有し、
加熱およびコーミングを同時に行なうステップおよび蒸気をあてることは、毛髪に処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理デバイス、特にブラシ(10)を用いて毛髪を処理するための方法であって、
前記処理デバイスの蒸気出口を有さない、少なくとも1つの加熱コーミングゾーン(C)の歯(23)同士の間を、毛髪の房を通過させることによって、前記毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なうステップと、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)において前記毛髪の房に蒸気をあてることと、を有し、
加熱およびコーミングを同時に行なうステップおよび前記蒸気をあてることは、前記毛髪に前記処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行される、方法。
【請求項2】
毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップを有し、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、前記毛髪の房に蒸気をあてる前に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、前記毛髪の房に蒸気をあてた後に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう前記2つのステップならびに蒸気をあてる前記ステップは、前記毛髪に前記処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行され、前記方法は、好ましくは、前記デバイスが前記毛髪を通過する間に、前記毛髪の加熱およびコーミングを同時に行なう前記2つのステップならび前記毛髪に蒸気をあてる前記ステップのみを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱およびコーミングを同時に行なう前記2つのステップは、前記毛髪上の前記処理デバイスの実質的に一定の通過速度において実質的に同一である前記毛髪上の通過時間を有し、特に、加熱およびコーミングを同時に行なう各ステップの通過時間は、移動速度が0.5cm/s~50cm/sである場合、0.5s~10sであり、より良好には0.7s~7sである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスは、好ましくは、処理面(21)と、前記加熱コーミングゾーン(C)において前記処理面から延びる歯(23; 23a、23b)とを有し、加熱およびコーミングを同時に行なう前記ステップにおける前記毛髪の加熱は、前記処理デバイスの加熱手段によって加熱される処理面からの熱貫流および/または前記処理デバイスの加熱手段によって加熱される前記加熱コーミングゾーン(C)における前記歯(23; 23a、23b)の少なくともいくつかからの熱貫流によって行なわれ、このステップの間の前記コーミングは、前記加熱コーミングゾーンにおける前記歯(23;23a、23b)によって実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
熱放射を放出する前記処理デバイス(23; 23a)の前記加熱手段によって加熱される前記歯は、熱伝導材料で作られる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記処理デバイスは、前記加熱コーミングゾーンにおいて、熱伝導材料で作られた歯(23;23a)および熱の不導体である材料で作られた歯(23b)を有し、特にそれらの歯が混合されており、
熱の不導体である前記材料は、エラストマまたはプラスチックである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱コーミングゾーン(C)では、すべての歯が熱伝導材料で作られた歯(23;23a)の列およびすべての歯が熱の不導体である材料で作られた歯(23b)の列が交互に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱コーミングゾーン(C)における熱の不導体である材料で作られた歯(23b)の数の、歯(23;23a、23b)の総数に対する割合は、好ましくは20~75%であり、より良好には30~60%であり、さらに良好には45~55%である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱コーミングゾーン(C)における熱の不導体である材料で作られた前記歯(23b)は、前記加熱コーミングゾーン(C)における熱伝導材料で作られた前記歯(23;23a)よりも少なくとも10%、より良好には少なくとも15%、さらに良好には少なくとも20%、なお一層良好には少なくとも25%、なお一層良好には少なくとも30%高い、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
蒸気をあてる前記ステップは、前記蒸気をあてることと同時に、前記毛髪のコーミングを含み、前記蒸気出口ゾーン(V)は、特に熱伝導材料で作られた歯を有し、前記蒸気をあてることは、好ましくは、前記蒸気出口ゾーン(V)において延びる蒸気出口(30)の少なくとも1つの列を介して行なわれ、前記蒸気出口(30)は、前記蒸気出口ゾーン(V)の歯の列の歯(23)と交互に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記蒸気出口ゾーン(V)に隣接する前記加熱コーミングゾーン(C)または各加熱コーミングゾーン(C)では、前記蒸気出口ゾーン(V)に最も近い前記歯の列は、熱の不導体である材料で作られた歯(23b)で構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
熱伝導材料で作られた前記歯は、特に、前記ブラシの主軸に対する横軸に沿って細長い断面を有する、請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記処理デバイスが前記毛髪上を通過する間に前記処理デバイスによって生成物を塗布することを含み、前記処理デバイスは、化粧品を塗布するためのゾーン(A)を有し、前記ゾーン(A)は、好ましくは、前記加熱コーミングゾーン(C)および前記蒸気出口ゾーン(V)から分離される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
毛髪を処理し、特に縮毛矯正を行ない、特に請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するためのブラシ(10)であって、
少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーン(C)であって、蒸気出口を有さず、前記ブラシ(10)は、
複数の歯(23)と、
前記複数の歯(23)のうちの少なくとも2つの歯を加熱するための加熱手段(35、37)とを有する、少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーン(C)と、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)であって、前記ブラシ(10)は、少なくとも1つの蒸気出口(30)を有する、少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)と、を有し、前記蒸気出口ゾーン(V)は、前記加熱毛髪コーミングゾーン(C)から分離される、ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を処理するためのブラシ、および毛髪を処理するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアスタイリングの分野では、ヘアブラシを使用するのが一般的である。従来のヘアブラシに対する多数の改良が提案されている。これらの改良のうちで、熱の併用が多数の提案の主題となっている。熱の使用について述べている文献のうちで、特許文献1および特許文献2を引用することができ、これらの文献は、温風を吹き付けることについて述べている。特許文献3および特許文献4も言及される場合があり、これらの文献は、ブリッスルのベースおよびブラシのくし歯を加熱することについて述べている。最後に、特許文献5が言及される場合があり、この文献は、加熱される歯について述べている。これらの文献のうちで、蒸気の併用について述べている文献はない。
【0003】
特許文献6は、毛髪に接触する蒸気を放出するために歯が穿孔され得るコームについて述べている。代替的に、ブラシは、蒸気出口ノズルを有さず、歯は、蒸気をあてずに加熱抵抗器によって加熱される。蒸気加熱式有孔歯を有するそのようなブラシは、製造が困難であり、毛髪に加えられる温度を制限する。また、その場合、蒸気が局所的に毛髪の特定の部分に過度に集中することに起因して処理が不均一になる場合がある。
【0004】
処理中にブリッスルまた歯を保持するベースを通して蒸気を放出するヘアスタイリングブラシについて説明する文献も存在する。このベースは、加熱手段として働く。したがって、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、および特許文献15を引用することが可能である。これらの文献のうちで、ブリッスルまたは歯自体が、蒸気の放出とは無関係に加熱されることを述べた文献はない。
【0005】
特許文献16は、ベース内の加熱抵抗器によって加熱される複数のスパイクを有し、スパイク間に蒸気出口を有するブラシについて説明している。この文献では、蒸気出口およびスパイクが、ブラシの表面全体にわたって分散される。したがって、そのようなブラシでは、毛髪の先端の限られた部分に蒸気をあてることはできず、蒸気の作用を乾熱の作用から分離することはできない。
【0006】
したがって、特にコーミングの点で改良された処理性能を示し、比較的一様で耐久性がある一方で、安全なブラシが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】CH600821
【特許文献2】EP2074902
【特許文献3】IL219875
【特許文献4】米国特許第4217915号
【特許文献5】米国特許出願第2018125223号
【特許文献6】DE19822718
【特許文献7】米国特許第4936027号
【特許文献8】特開昭55-68318
【特許文献9】特開平07-213325
【特許文献10】CN2061786
【特許文献11】特開平01-207001
【特許文献12】特開平10-33253
【特許文献13】特開平07-163416
【特許文献14】特開2000-175723
【特許文献15】KR19990036306U
【特許文献16】KR20030085159A
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、毛髪を処理し、特に縮毛矯正を行なうためのブラシを用いてこの要件を満たし、このブラシは、
少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーンであって、蒸気出口を有さず、ブラシが、
複数の歯と、
複数の歯のうちの少なくとも2つの歯を加熱するための加熱手段とを有する、少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーンと、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーンであって、ブラシが、少なくとも1つの蒸気出口を有する、少なくとも1つの蒸気出口ゾーンと、を有し、蒸気出口ゾーンは、加熱毛髪コーミングゾーンから分離される。
【0009】
「ブラシ」は、複数の歯を担持する単一のアームで構成された毛髪を処理するためのデバイスと理解され、ブラシが毛髪の先端を通過する際に歯同士の間に毛髪が受け入れられる。ブラシは、歯の単一の列を有することも、または好ましくは、歯の複数の列を有することもある。
【0010】
「歯」は、ブラシから突出し、ブラシの処理面から延びる要素であると理解され、ブラシが毛髪の先端を通過する際に歯同士の間に毛髪が受け入れられる。歯は、任意の形状を有してもよい。
【0011】
「加熱コーミングゾーン」は、上記に明示されたように、蒸気出口を有さない少なくとも2つの歯を含むゾーンであると理解される。ブラシが加熱コーミングゾーン内に蒸気出口を除く他の要素、特に化粧品を塗布するためのアプリケータ部材を有することは除外されない。加熱コーミングゾーンは、加熱手段によって加熱される歯の外縁部によってブラシ上に区画され、歯の外縁部は、加熱コーミングゾーンの周囲に位置する。
【0012】
「蒸気出口ゾーン」は、少なくとも1つの蒸気出口を有するゾーンであると理解される。以下で示されるように、ブラシが蒸気出口ゾーン内に他の要素、特に、加熱される歯および/または化粧品を塗布するためのアプリケータ部材を有することは除外されない。
【0013】
そのようなブラシは、少なくとも1つの同時加熱/コーミングステップおよび毛髪の1つの同じ房に蒸気をあてる少なくとも1つのステップを毛髪に対して実行することによって毛髪を効果的に処理することを可能にする。この2つのステップは、時間的にずらされる。
【0014】
蒸気出口ゾーンが同じ処理面上にあるので、ブラシが毛髪を通過する際に、毛髪の1つの同じ房に対して2つの処理ステップを単一の動作で連続的に実行することが可能になる。
【0015】
2つのゾーンが互いに別々であるので、蒸気をあてることをコーミングおよび加熱コーミングゾーンによって乾熱を加えることから分離することが可能になり、それによって、毛髪の処理が改善される。
【0016】
好ましくは、ブラシは、主軸に沿って細長い形状を有する。
【0017】
変形形態では、ブラシは細長くない。
【0018】
好ましくは、ブラシは、ハンドルおよびヘッドを有し、ヘッドは処理面を担持する。ハンドルは、ブラシを保持することをより容易にし、ブラシに追加の要素、特にユーザインターフェース、水容器もしくは化粧品容器、および/または1つもしくは複数のセンサーを付加することを可能にする。
【0019】
ブラシのヘッドの断面は、任意の形状を有してもよい。好ましくは、ブラシのヘッドは、実質的に多角形であり、特に実質的に矩形もしくは実質的に方形、実質的に楕円形、または実質的に円形の断面を有する。
【0020】
好ましくは、ブラシは処理面を有し、歯は処理面から延びる。好ましくは、この処理面は、平坦であるか、または外部に向かうドーム形である。好ましくは、この処理面は、実質的に多角形であり、特に矩形もしくは方形、円形、または楕円形の輪郭を有する。
【0021】
好ましくは、処理面は、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックで作られる。処理面は、処理面を加熱するための加熱するための加熱手段によって加熱されてもよい。
【0022】
好ましくは、熱伝導材料は、熱伝導率が10Wm-1K-1よりも高く、より良好には50Wm-1K-1よりも高く、さらに良好には100Wm-1K-1よりも高い。好ましくは、熱伝導材料は、金属、特に銅、アルミニウム、および鉄鋼から選択される。代替的に、熱伝導材料はセラミック製であってもよい。
【0023】
加熱コーミングゾーン
ブラシは、特に蒸気出口ゾーンによって互いに分離された、複数の不連続な加熱コーミングゾーンを備えてもよい。
【0024】
好ましくは、加熱コーミングゾーンまたは各加熱コーミングゾーンは、縦軸、特にブラシの主軸に平行な軸に沿って細長い。
【0025】
ブラシは、以下で示されるように、不連続であり、特に、蒸気出口ゾーン、または特に化粧品を塗布するための追加の処理ゾーンによって互いに分離された、複数の加熱コーミングゾーンを備えてもよい。
【0026】
好ましくは、加熱毛髪コーミングゾーンまたは加熱毛髪コーミングゾーンのセットは、ブラシの処理面の50%を超えて延び、より良好には70%を超えて延びる。
【0027】
好ましくは、ブラシは、少なくとも2つの加熱コーミングゾーンを有し、加熱コーミングゾーンは、ブラシの主軸に直交して測定された幅が、実質的に同一であり、特に20cm以下であり、より良好には10cm以下であり、さらに良好には5cm以下である。
【0028】
歯
加熱コーミングゾーンの歯は、歯の少なくとも1つの列、より良好には歯のいくつかの列に沿って延びてもよく、好ましくは、各列は、ブラシの主軸に沿って延びる。
【0029】
好ましくは、ブラシは、実質的に矩形形状を有し、歯は、歯のいくつかの列において延び、各々が、実質的に矩形の輪郭を有する処理面を有するブラシの場合にはブラシの主軸に沿って延びる。
【0030】
加熱コーミング領域の歯を加熱するための手段は、歯を加熱する少なくとも1つの能動要素を備えてもよく、この要素は、少なくとも部分的に加熱コーミング領域の処理面の下を延び、特に、加熱コーミング領域において歯および/または処理面に直接接触する。
【0031】
好ましくは、加熱コーミングゾーンにおける歯の列は各々、少なくとも3つの歯、より良好には10~40個の歯、さらに良好には15~40個の歯を有する。
【0032】
加熱コーミングゾーンにおける歯は、高さが2mm~50mm、より良好には5mm~20mmである。
【0033】
加熱コーミング領域内に延び、加熱手段によって加熱される歯の、歯の断面における最大寸法は、0.5mm~25mm、好ましくは1mm~10mmである。
【0034】
歯の高さと歯の最大断面寸法との間の比は、1よりも大きく、好ましくは10よりも大きい。
【0035】
好ましくは、加熱手段によって加熱される少なくとも2つの歯は、表面突起を有さない。
【0036】
好ましくは、加熱手段によって加熱される少なくとも2つの歯の各歯は、一体構造である。
【0037】
歯は、処理面に垂直に延びてもよく、または前記処理面に対して傾斜してもよい。
【0038】
好ましくは、1つの同じ列の歯は、1mm~30mm、より良好には2mm~15mmの距離だけ互いに離間される。この間隔は、歯の縦軸間で測定される。
【0039】
好ましくは、加熱手段によって加熱される歯は、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックで作られる。歯は、セラミック、トルマリン、エラストマ、金属合金、および陽極酸化コーティング材料から選択されるコーティングを備える。これによって、歯を加熱手段によって容易に加熱することが可能になり、毛髪を加熱コーミングゾーンにおいて高温面に接触させることが可能になる。前記歯は、頭皮に接触する熱を制限するために絶縁材料で作られた保護材料を歯の端部に有してもよい。この場合、動作中には、歯の端部における温度が100℃以下、好ましくは60℃以下、より良好には45℃未満であってもよい。変形形態では、前記歯は、全体的に熱伝導材料で作られる。
【0040】
好ましくは、特にブラシ全体の加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料で作られた歯は、すべて実質的に同一である。
【0041】
ブラシは、動作中には、歯の中間部分までの温度は、110℃から230℃までであり、より良好には110℃から210℃であり、さらに良好には180℃から210℃までである。
【0042】
好ましくは、加熱手段によって加熱される歯は、ブラシの処理面と一体的に形成される。
【0043】
変形形態では、加熱手段によって加熱される歯は、ブラシの処理面に取り付けられ、特に処理面の穴の中に固定される。
【0044】
歯の少なくともいくつかは、熱の不導体である材料、たとえば、エラストマまたはプラスチックで作られてもよい。
【0045】
好ましくは、熱の不導体である材料は、熱伝導率が0.2~0.5Wm-1K-1を含む。
【0046】
好ましくは、加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯は、すべて同一である。
【0047】
好ましくは、加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯は、ブラシの処理面に取り付けられ、特に処理面の穴の中に固定される。
【0048】
好ましくは、ブラシには、熱伝導材料で作られた歯および加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯が混合されており、特に、熱伝導材料で作られた歯の列および熱の不導体である材料で作られた歯の列が交互に配置され、交互の配置は、好ましくは、歯の列に対する横軸に沿って行なわれる。
【0049】
加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯の数の割合は、好ましくは20~75%であり、より良好には30~60%であり、さらに良好には45~55%である。
【0050】
変形形態では、加熱コーミングゾーンは、熱伝導材料で作られた歯を排他的に有してもよい。
【0051】
ブラシには、すべての歯が熱伝導材料で作られた歯の列およびすべての歯が熱の不導体である材料で作られた歯の列がブラシの主軸に垂直な軸に沿って交互に配置されてもよい。加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料から作られた歯は、熱伝導材料で作られた歯とは異なる高さを有してもよく、特に熱伝導材料で作られた歯よりも高くてもよい。熱の不導体である歯があり、加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料よりも高いので、頭皮と熱伝導材料との間の接触を制限することが可能になり、熱の不導体である歯が頭皮に接触する。
【0052】
好ましくは、加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯は、加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料で作られた歯よりも少なくとも10%、より良好には少なくとも15%、さらに良好には少なくとも20%、なお一層良好には少なくとも25%、なお一層良好には少なくとも30%高い。
【0053】
好ましくは、熱伝導材料で作られた歯は、細長い断面を有する。好ましくは、熱伝導材料で作られた歯は、ブラシの主軸に対する横軸に沿って細長い。熱伝導材料で作られた歯の断面は、多角形であってもよく、または好ましくは楕円形であってもよい。そのような断面は、特に、ブラシを使用している間良好な高温面を毛髪に接触させるのを可能にする。
【0054】
熱の不導体である材料で作られた歯は、円形の断面を有してもよい。
【0055】
加熱手段
好ましくは、加熱手段が、熱伝導によって歯を加熱するためにブラシの本体内に少なくとも1つの加熱要素を有するか、またはブラシが、加熱される歯の各々に、特に対応する歯のコアを構成する加熱要素を有する。
【0056】
加熱手段は、加熱抵抗器または任意の他の加熱手段であってもよい。
【0057】
蒸気出口ゾーン
ブラシは、1つの蒸気出口ゾーンまたは加熱コーミングゾーンもしくは加熱コーミングゾーンの一部によって互いに分離された複数の不連続な蒸気出口ゾーンを有してもよい。
【0058】
好ましくは、蒸気出口ゾーンまたは各蒸気出口ゾーンは、ブラシの処理面の最大寸法の70%を超える部分にわたって延びる。
【0059】
好ましくは、蒸気出口ゾーンまたは各蒸気出口ゾーンは、隣接する加熱コーミングゾーンの長さに実質的に等しい長さに沿って延びる。
【0060】
蒸気出口ゾーンまたは各蒸気出口ゾーンは、蒸気出口ゾーンのほぼ全長に沿って延びる蒸気出口、特に単一の蒸気出口を有してもよい。この場合、蒸気出口は、5mm2以上の開口を有してもよい。
【0061】
好ましい変形形態では、蒸気出口ゾーンまたは各蒸気出口ゾーンは、蒸気出口ゾーンにわたって、特に蒸気出口の少なくとも1つの列に沿って分散された複数の蒸気出口を有する。好ましくは、蒸気出口は、共通の蒸気分配チャンバ上でブラシ内に開口する。
【0062】
好ましくは、蒸気出口ゾーンまたは少なくとも1つの蒸気出口ゾーン、好ましくは単一の蒸気出口ゾーンは、ブラシの主軸に沿って延び、側方において2つの加熱コーミングゾーンに隣接している。加熱コーミングゾーンは、蒸気出口ゾーンを取り囲んでもよい。変形形態では、蒸気出口ゾーンは、単一の加熱コーミングゾーンの周囲に位置する。
【0063】
好ましくは、蒸気出口ゾーンの両側の2つの加熱コーミングゾーンは、蒸気出口ゾーンに対する互いの鏡像である。好ましくは、ブラシは、処理面に直交する主面に対して対称的あり、ブラシの主軸に沿って延びる。
【0064】
好ましくは、蒸気出口または少なくとも1つの蒸気出口は、加熱コーミングゾーンの少なくとも1つの加熱されるスパイクからの距離が5cm以下、より良好には2cm以下、さらに良好には5mm以下、なお一層良好には2mm以下である。
【0065】
好ましくは、蒸気出口または各蒸気出口は、少なくとも1つの加熱コーミングゾーンに少なくとも部分的に沿って延びる。
【0066】
好ましくは、ブラシは、蒸気噴霧システムを有し、蒸気噴霧システムは、蒸気出口ゾーン、特に蒸気出口に、5mLmin-1以下、より良好には0.2~4mLmin-1、さらに良好には0.4~2mLmin-1、好ましくは0.5~0.95mLmin-1の蒸気流量で蒸気を供給するように構成される。
【0067】
好ましくは、ブラシは、蒸気出口によって放出される蒸気の速度が、0.007m/s~15m/s、より良好には0.01m/s~3m/s、さらに良好には0.1m/s~1m/sになるように構成された蒸気噴霧システムを有する。蒸気放出の速度が低いと、蒸気が十分に毛髪に浸透して効果的な処理を施すことができず、蒸気放出の速度がより高いと、頭皮が不快を感じる恐れがあり、蒸気は、十分に冷える間もなく頭皮に到達する。
【0068】
蒸気出口ゾーンは歯を有さなくてもよい。
【0069】
変形形態では、蒸気出口ゾーンまたは蒸気出口ゾーンのうちの1つ、好ましくは、2つの加熱コーミングゾーン間に延びる単一の蒸気出口ゾーンは、複数の歯を有する。前記歯は、歯の列に沿って、特に互いに整列するように延びてもよい。歯の列の前記歯は、長手方向において、前記蒸気出口ゾーンの、特に整列された蒸気出口の列の蒸気出口と交互に、特に蒸気出口に整列するように配置されてもよい。好ましくは、蒸気出口ゾーンの前記歯は、互いに実質的に同一である。
【0070】
蒸気出口ゾーンに隣接する加熱コーミングゾーンまたは各加熱コーミングゾーンでは、蒸気出口ゾーンに最も近い歯の列は、熱の不導体である材料で作られた歯で構成されてもよい。蒸気出口ゾーンの歯は各々、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックで作られてもよい。前記歯は、セラミック、トルマリン、エラストマ、金属合金、および陽極酸化コーティング材料から選択されるコーティングを備える。これらの歯は特に、加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料で作られた歯と同一であってもよい。歯の前記列は好ましくは、2つの隣接する加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯の列同士の間を延びる。
【0071】
変形形態では、蒸気出口ゾーンの歯は各々、熱の不導体である材料、たとえば、エラストマまたはプラスチックで作られてもよい。これらの歯は特に、加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯と同一であってもよい。この場合、歯の前記長手方向列は、好ましくは長手方向において、2つの隣接する加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料で作られた歯の列同士の間を延びる。
【0072】
好ましくは、ブラシには、ブラシの主軸に直交して、ブラシの全面にわたって、熱伝導材料で作られた歯の列および熱の不導体である材料で作られた歯の列が交互に配置される。
【0073】
別の変形形態では、蒸気出口ゾーンの歯のいくつかは、特に上述のように熱伝導材料で作られ、蒸気出口ゾーンの歯のいくつかは、特に上述のように熱の不導体である材料で作られる。
【0074】
ブラシは、蒸気出口が連通する蒸気閉じ込め溝を有してもよい。これによって、蒸気を密閉空間に閉じ込めることが可能になり、蒸気にあてることがより容易になる。
【0075】
ブラシは好ましくは、蒸気出口に蒸気を供給する少なくとも1つの気化チャンバを有する。気化チャンバは、ブラシのヘッドまたはハンドル内に位置してもよい。
【0076】
好ましくは、蒸気出口は、ブラシの処理面を通過し、蒸気出口の蒸気分配チャンバ内に開口する。蒸気分配チャンバは、気化チャンバまたは気化チャンバに流体的に接続された追加のチャンバであってもよい。
【0077】
蒸気出口は、任意の形状、特に実質的な方形形状、実質的な矩形形状、実質的な丸形もしくは卵形を有してもよい。
【0078】
蒸気出口または各蒸気出口は、20mm2以下、より良好には10mm2以下、さらに良好には5mm2よりも小さく、非常に好ましくは2mm2よりも小さい開口を有する。
【0079】
ブラシは、気化される生成物、特に、特に体積が1mLから50mLまでの範囲の水の容器を有してもよい。容器は、ハンドルまたはヘッド内に位置してもよい。
【0080】
ブラシは、水容器と蒸気出口ゾーンとの間、特に容器と気化チャンバとの間にポンプを有してもよい。
【0081】
好ましくは、蒸気出口ゾーンは、加熱コーミングゾーンまたは各加熱コーミングゾーンの少なくとも2分の1である。
【0082】
蒸気出口は、蒸気出口領域の縦軸に沿って歯と交互に配置され得る。
【0083】
ブラシは、単一の蒸気出口領域を備えてもよく、ブラシは、蒸気出口領域の縦軸に沿って互いに整列された蒸気出口の単一の列を蒸気出口領域内に備える。
【0084】
化粧品の塗布
ブラシは、化粧品を塗布するための少なくとも1つのゾーンを有してもよく、このゾーンは好ましくは、加熱コーミングゾーンおよび蒸気出口ゾーンから分離され、この化粧品塗布ゾーンは、化粧品を塗布するためのアプリケータ部材を有する。
【0085】
化粧品を塗布するためのアプリケータ部材は、毛髪に接触するように配設される。化粧品を塗布するためのアプリケータ部材は、好ましくは多孔性を有し、弾性的に圧縮可能であり、有利には、たとえばPE(ポリエチレン)フォームなどの連続気泡セルラー材料から作られてもよい。アプリケータ部材は、化粧品を放出または拡散させることのできる任意の材料から作られてもよい。
【0086】
アプリケータ部材は、取外し可能であってもよい。
【0087】
ブラシは、化粧品容器を有してもよい。
【0088】
好ましくは、給送される化粧品は流動状態である。「流動状態」という表現は、周囲温度(25℃)またはそれよりも高い温度、たとえば25~50℃および大気圧における液体を意味すると理解されるべきである。この場合、化粧品は最初、容器内で周囲温度では固体またはペースト状態であってもよく、アプリケータ部材に化粧品を供給するように設けられた分配機構によって分配されるように十分に流動するように容器内で加熱されてもよい。したがって、化粧品は、塗布時に容器内で流動する。
【0089】
容器は、電気抵抗器、たとえば、ファインスクリーン印刷抵抗器を備えてもよく、それによって、容器の内容物の温度をたとえば50℃よりも高くすることが可能になる。
【0090】
化粧品は、毛髪を洗浄するか、染色するか、脱色するか、調整するか、または整形するための組成物であってもよい。好ましくは、化粧品は、毛髪整形組成物、特に、毛髪をカールするか、セットするか、または好ましくは弛緩させるかもしくは縮毛矯正するための組成物である。
【0091】
化粧品は、還元剤および特にチオール、酸化剤および特に過酸化水素または過硫酸塩などの過酸塩、着色剤および特に顔料、直接染料または酸化染料、一時整形剤、および特に、好ましくはアニオン性、両性、または非イオン性を有するスタイリングポリマー、コンディショニング剤、および特にシリコーン、鉱物油もしくは植物油、植物ワックス、陽イオン表面活性剤もしくは陽イオンポリマー、アルカリ剤もしくは酸から選択される1つまたは複数の活性薬剤を含んでもよい。
【0092】
なお一層好ましくは、化粧品は、水酸化タイプの酸化剤、還元剤、またはアルカリ剤から選択される1つまたは複数の薬剤を含む。
【0093】
コーム
ブラシは、加熱コーミングゾーンおよび蒸気出口ゾーンから分離されたコーミングゾーン、特に周囲コーミングゾーンを有してもよい。このコーミングゾーンは、熱伝導材料で作られた歯を有してもよい。好ましくは、コーミングゾーンは、歯の単一の列、特にスパイクを有する。
【0094】
好ましくは、コーミングゾーンは、毛髪をブラッシングしている間、蒸気出口ゾーンおよび加熱コーミングゾーンの少なくとも部分的に上流に位置するように構成される。これによって、ブラッシングがより容易になり、それによって、毛髪の治療が改善される。
【0095】
好ましくは、コーミングゾーンは、熱の不導体である材料、たとえば、エラストマまたはプラスチックで作られた歯を有する。コーミングゾーン、特にコーミングゾーンを構成する歯の単一の列は、加熱コーミングゾーンおよび蒸気出口ゾーンで形成されたブラシのゾーンを取り囲んでもよい。これらの歯は、処理プレートの周囲において処理プレートに取り付けられてもよい。
【0096】
コーミングゾーンにおける歯は、加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯よりも高さが小さく、かつ/または加熱コーミングゾーンにおける熱伝導材料で作られた歯よりも高さが大きくてもよい。
【0097】
方法
本発明はまた、処理デバイス、特にブラシを用い、好ましくは上記で説明されたように、ブラシを用いて毛髪を処理するための方法を介してこの要件を満たし、この方法は、
処理デバイスの蒸気出口を有さない、少なくとも1つの加熱コーミングゾーンの歯同士の間を、毛髪の房を通過させることによって、毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なうステップと、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーンにおいて毛髪の房に蒸気をあてることと、を有し、
加熱およびコーミングを同時に行なうステップおよび蒸気をあてることは、毛髪に処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行される。
【0098】
この処理方法は、毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップを有し、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、毛髪の房に蒸気をあてる前に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、毛髪の房に蒸気をあてた後に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップならびに蒸気をあてるステップは、毛髪に処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行される。この目的で、処理デバイスは、蒸気出口ゾーンおよび場合によっては上述のゾーンのすべてを取り囲む周囲コーミングゾーンによって互いに分離される、蒸気出口を有さない2つの加熱コーミングゾーンを有してもよい。好ましくは、蒸気出口ゾーンの両側の2つの加熱コーミングゾーンは、蒸気出口ゾーンに対する互いの鏡像である。好ましくは、処理デバイスは、両方向において互換的に使用可能であるように、処理面に直交し、特に、毛髪上の通過方向に直交する主面に対して対称的である。
【0099】
この方法は、デバイスが毛髪を通過する間に、毛髪の加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップおよび毛髪に蒸気をあてるステップのみを有してもよい。
【0100】
好ましくは、毛髪の加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップは、毛髪上の処理デバイスの実質的に一定の通過速度において実質的に同一である毛髪上の通過時間を有する。加熱およびコーミングを同時に行なう各ステップの通過時間は、0.5s~10s、より良好には0.7s~7sであってもよく、移動速度が0.2cm/s~80cm/sである場合、さらに良好には0.5cm/s~50cm/sであってもよい。
【0101】
好ましくは、蒸気をあてるための通過時間は、毛髪上の処理デバイスの実質的に一定の通過速度において加熱およびコーミングを同時に行なう各ステップの通過時間の2分の1以下である。
【0102】
デバイスは、好ましくは、処理面と、加熱コーミングゾーンにおいて処理面から延びる歯とを有し、加熱およびコーミングを同時に行なうステップにおける毛髪の加熱は、処理デバイスの加熱手段によって加熱される処理面からの熱貫流および/または処理デバイスの加熱手段によって加熱される加熱コーミングゾーンにおける処理面上に延びる歯の少なくともいくつかからの熱貫流によって行なわれ、このステップの間のコーミングは、前記加熱コーミングゾーンにおける歯によって実行される。
【0103】
好ましくは、熱放射を放出する処理デバイスの加熱手段によって加熱される歯は、特に上記で説明されたように熱伝導材料で作られる。好ましくは、熱伝導材料で作られた歯は、処理面と一体的に形成される。変形形態では、熱伝導材料で作られた歯は、処理面に取り付けられる。
【0104】
好ましくは、処理デバイスは、加熱コーミングゾーンにおいて、熱伝導材料で作られた歯および熱の不導体である材料で作られた歯を有し、特にそれらの歯が混合されている。そのように混合されていると、毛髪の縮毛矯正がより長く持続し、より一様になる。加熱コーミングゾーンでは、すべての歯が熱伝導材料で作られた歯の列およびすべての歯が熱の不導体である材料で作られた歯の列が交互に配置されてもよい。加熱コーミングゾーンにおける熱の不導体である材料で作られた歯の数の、歯の総数に対する割合は、好ましくは20~75%であり、より良好には30~60%であり、さらに良好には45~55%である。
【0105】
変形形態では、加熱コーミングゾーンにおけるすべての歯が、熱伝導材料で作られる。
【0106】
変形形態では、加熱およびコーミングを同時に行なうステップにおける処理デバイスによる毛髪の加熱は、処理デバイスの処理面の加熱のみによって行なわれ、歯は、上記で説明されたように熱の不導体である材料で作られる。好ましくは、熱の不導体である材料で作られた歯は、処理面に取り付けられる。
【0107】
蒸気をあてるステップは、蒸気をあてることと同時に、毛髪のコーミングを行なうことを含んでもよい。この目的で、蒸気出口ゾーンは、特に熱伝導材料で作られた歯を有してもよい。好ましくは、蒸気をあてることは、蒸気出口ゾーンにおいて延びる蒸気出口の少なくとも1つの列を介して行なわれる。蒸気出口は、歯と交互に配置されてもよい。蒸気出口および蒸気出口ゾーンの歯は、有利には互いに整列される。そのようなステップは、毛髪の縮毛矯正を行なう一方で、乾燥した蒸気を毛髪にあてることを可能にする。これに対して、加熱およびコーミングを同時に行なうステップでは、毛髪に熱を加えることしかできない。
【0108】
好ましくは、蒸気をあてるステップは、特に上記で説明されたように、処理面および/または蒸気出口ゾーンにおいて延びる熱伝導材料で作られた歯によって同時に毛髪を加熱することを含む。処理面および/または蒸気出口ゾーンにおいて延びる熱伝導材料で作られた歯は、デバイスの加熱手段、特に加熱コーミングゾーンの加熱手段によって加熱されてもよい。
【0109】
ブラシに関して上記で説明された特徴のすべてが、互いに無関係にかつブラシとは無関係に、方法を実施するための処理デバイスに適用されてもよい。
【0110】
上記の方法では、蒸気をあてることは、同時加熱およびコーミングゾーンによって熱を加えることから一時的に分離され、蒸気出口ゾーンおよび加熱コーミングゾーンは、互いに分離される。
【0111】
この方法は、毛髪の先端の一部またはすべてを完全に処理するために数回繰り返されてもよい。
【0112】
好ましくは、処理デバイス、特にブラシは、0.5cm/s~50cm/sの速度で毛髪上を移動させられる。
【0113】
この方法は、本発明の処理デバイスを使用する前または後、好ましくは前に、毛髪の房に化粧品を塗布することを含んでもよい。
【0114】
変形形態では、特にブラシに関して上記で説明されたように、化粧品の塗布は、処理デバイス、特にブラシが毛髪上を通過する間に、デバイスによって実行されてもよく、処理デバイスは、化粧品を塗布するためのゾーンを有し、このゾーンは、好ましくは、加熱コーミングゾーンおよび蒸気出口ゾーンから分離される。
【0115】
化粧品は、毛髪を洗浄するか、染色するか、脱色するか、調整するか、または整形するための組成物であってもよい。好ましくは、化粧品は、毛髪整形組成物、特に、毛髪をカールするか、セットするか、または好ましくは弛緩させるかもしくは縮毛矯正するための組成物である。
【0116】
化粧品は、還元剤および特にチオール、酸化剤および特に過酸化水素または過硫酸塩などの過酸塩、着色剤および特に顔料、直接染料または酸化染料、一時整形剤、および特に、好ましくはアニオン性、両性、または非イオン性を有するスタイリングポリマー、コンディショニング剤、および特にシリコーン、鉱物油もしくは植物油、植物ワックス、陽イオン表面活性剤もしくは陽イオンポリマー、アルカリ剤もしくは酸から選択される1つまたは複数の活性薬剤を含んでもよい。
【0117】
なお一層好ましくは、化粧品は、水酸化物タイプの酸化剤、還元剤、またはアルカリ剤から選択される1つまたは複数の薬剤を含む。
【0118】
この方法は、毛髪をリンスする1つまたは複数のステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【
図3】
図1および
図2におけるブラシの一例のIII-IIIの断面図である。
【
図4】
図1および
図2におけるブラシの一例のIV-IVの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1~
図4は、本発明によるブラシ10の一例を示す。
【0121】
ブラシ10は、把持ハンドル15および処理ヘッド20を有する。ヘッド20は、丸い角部を有する実質的な矩形形状を有する。しかし、必ずしもこうであるとは限らない。ヘッドは、特に多角形、楕円形、または丸形であり得る。
【0122】
ヘッド20は、処理面21を形成し、処理面21は、ブラッシング中に毛髪に接触するようになっている。
【0123】
ヘッド20は、複数の列に沿って配置され、処理面21から延びる歯23を有する。歯23の列は、ブラシの主軸Xに沿って延びる。歯の列は、8個から40個までの歯を有してもよく、この場合、説明の目的で8個の歯が示されている。歯は、ブラシに取り付けられてもよく、特に処理面とは異なる材料で作られる。
【0124】
ヘッド20はまた、歯の列のうちの1つ、この場合は中央列の歯25同士の間に挿入され得る複数の蒸気出口30を有する。
【0125】
図示の場合、蒸気出口を有さないブラシの処理面のゾーンは、加熱コーミングゾーンCを構成する。蒸気出口を有し、この場合は歯も有するブラシのゾーンは、加熱コーミングゾーンCの長さの大部分に沿って加熱コーミングゾーンCに沿って延びる蒸気出口ゾーンVを構成する。加熱コーミングゾーンCは、毛髪に接触するようになっているブラシの処理面21の70%よりも多くをカバーする。
【0126】
蒸気出口ゾーンは、周囲蒸気出口の側方縁部によって区画され、特に主軸Xに平行な延長軸Eに沿って細長い。蒸気出口ゾーンは、この軸に沿った処理面の寸法sの80%以上の長さeに沿って延びる。
【0127】
図示の実施形態では、歯のすべてが同一であるが、必ずしもそうであるとは限らない。たとえば、歯は、それぞれに異なる材料、高さ、形状、または向きを有してもよい。
【0128】
好ましくは、歯23は各々、縦軸Yに沿って延びる。各歯23の縦軸Yは、処理面21に対して60~120°、たとえば、実質的に90°に等しい角度αを形成してもよい。
【0129】
歯23は、歯の縦軸Y同士の間において測定され、30mm以下であり、好ましくは2mm~15mmである距離dだけ互いに離間される。
【0130】
好ましくは、歯23の高さhは、50mm以下であり、より良好には2~50mmであり、さらに良好には5~35mmである。
【0131】
図3に見られるように、加熱コーミングゾーンCの歯23は、加熱手段によって加熱される。ブラシ10は、特に1つまたは複数の加熱抵抗器35を有し、特にヘッド内に有し、歯25は、ヘッドから歯25の遠位端までの熱伝導によって加熱される。好ましくは、歯は、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックで作られ、場合によっては、コーティングを備える。
【0132】
好ましくは、電気加熱抵抗器は、ブラシのヘッド内に位置する。
【0133】
ブラシ10は、加熱抵抗器の近傍に配設されるか、またはブラシに接触してかつ/もしくは歯のうちの少なくとも1つの端部に配置された、1つまたは複数のセンサーによって温度を調節するための、ここには示されていないシステムを有してもよい。
【0134】
変形形態では、
図5に示すように、加熱抵抗器35は、加熱コア37の形で歯25内に延びる。
【0135】
熱源は、上記で説明した熱源に限定されない。
【0136】
蒸気出口は、図示の例では、細長いレール45によって蒸気が供給され、細長いレール45は、主軸Xに平行な方向に延び、ブラシのヘッド内に配置される。
【0137】
蒸気出口30は、レール上に開口する、たとえば、6個~10個のオリフィスであり、好ましくはレール45に沿って均等に離間され、各々が中央処理面に実質的に垂直に向けられた軸を有し、それによって、蒸気は、軸Wに沿って処理面に垂直に放出される。
【0138】
蒸気出口30は、任意の形状、特に方形、矩形、丸形もしくは卵形を有してもよい。
【0139】
レール45には、気化チャンバ42によって蒸気が供給され、気化チャンバ42は、加熱要素によって加熱され、加熱要素自体は、容器48によって気化された生成物が供給される。容器は、ブラシ内、特に、
図4に示されているようにハンドルまたはヘッド内に位置してもよく、または
図6に示されているように、ハンドルまたはヘッドから離れ、外部ベース50内に位置してもよく、外部ベース50には、ブラシは、気化される生成物を供給する配管52によって接続される。
【0140】
気化される生成物、特に水の容器は、ブラシのハンドルまたはヘッド内にあるときは、容積が1mL~50mLであってもよい。
【0141】
好ましくは、蒸気出口は、流量が0.5~0.95mLmin-1であり、蒸気は、蒸気出口の口部において0.7cm/s~15m/sの速度で放出される。
【0142】
ブラシは、使用されているときは、0.5cm/s~50cm/sの速度で毛髪上を移動させられる。毛髪は、ブラシが使用される前にコーミングされてもまたはコーミングされなくてもよい。
【0143】
図7~
図12における実施形態は、蒸気出口ゾーン30の形状および位置決めの点で前述の実施形態とは異なる。
【0144】
変形形態では、特に
図7に示されるように、ブラシは、歯の列に平行な蒸気出口ゾーンのほぼ全長に沿って延びる単一の蒸気出口30を有してもよい。好ましくは、蒸気出口は、5mm
2以上の開口を有する。
【0145】
蒸気出口ゾーンVは、ブラシ上の他の場所に位置決めされてもよい。蒸気出口ゾーンVは、
図8に示されるように単一の加熱コーミングゾーンの上流であっても、または
図9に示されるように単一の加熱コーミングゾーンの下流であってもよい。
【0146】
デバイスは、
図10および
図13に示されるように、加熱コーミングゾーンCによって互いに分離された複数の蒸気出口ゾーンV、特に、加熱コーミングゾーンCによって互いに分離された2つの蒸気出口ゾーンVを有してもよい。
【0147】
図13に示されるように、2つの蒸気出口ゾーンは、単一の加熱コーミングゾーンの両側で処理面21の周囲に位置決めされてもよい。
【0148】
図11に示されるように、蒸気出口ゾーンまたは蒸気出口ゾーンVのうちの少なくとも1つは、蒸気閉じ込め溝50を有してもよく、蒸気出口は、蒸気閉じ込め溝50内へ延びる。
【0149】
図12に示されるように、蒸気出口ゾーンVは、加熱コーミングゾーンの長さの一部のみに沿って延びてもよい。
【0150】
図14の例では、歯23は、処理面21に対して45°~90°の角度αだけ傾斜している。蒸気出口30は、90°以外の角度、特に45°~90°であり、たとえば、歯23の延長部の角度に実質的に等しい角度で蒸気を処理面21に放出してもよい。
【0151】
図15および
図16の変形形態では、ブラシは、少なくとも1つの追加の処理ゾーンAを有し、少なくとも1つの追加の処理ゾーンAは、好ましくは蒸気出口ゾーンおよび/または加熱コーミングゾーンから分離される。
【0152】
追加の処理ゾーンAは、ブラシの動作中の温度が50℃以下であるコーム60を有する非加熱コーミングゾーンであってもよい。好ましくは、コーム60は、蒸気出口30の上流に配設される。
【0153】
追加の処理ゾーンは、化粧品を塗布するためのゾーンであってもよく、化粧品を塗布するためのアプリケータ部材65を有する。
【0154】
化粧品を塗布するためのアプリケータ部材65は、毛髪に接触するように配設される。化粧品を塗布するためのアプリケータ部材65は、好ましくは多孔性を有し、弾性的に圧縮可能であり、有利には、たとえばPE(ポリエチレン)フォームなどの連続気泡セルラー材料から作られてもよい。アプリケータ部材は、化粧品を放出または拡散させることのできる任意の材料から作られてもよい。
【0155】
アプリケータ部材は、取外し可能であってもよい。
【0156】
ブラシは、化粧品容器を有してもよい。化粧品容器は図示されていない。
【0157】
好ましくは、化粧品は、使用時には流動状態にある。
【0158】
化粧品容器は、電気抵抗器、たとえば、ファインスクリーン印刷抵抗器を備えてもよく、それによって、容器の内容物を液化するためにその温度をたとえば40~50℃にすることが可能になる。
【0159】
好ましくは、化粧品は、毛髪整形組成物、特に、毛髪をカールまたはセットし、好ましくは弛緩させるかもしくは縮毛矯正するための組成物である。
【0160】
化粧品は、還元剤および特にチオール、酸化剤および特に過酸化水素または過硫酸塩などの過酸塩、顔料、直接染料、または酸化染料などの着色剤、好ましくはアニオン性、両性、または非イオン性を有するスタイリングポリマーなどの一時整形剤、シリコーン、鉱物油、または植物油などのコンディショニング剤、植物ワックス、陽イオン表面活性剤および陽イオンポリマー、アルカリ剤または酸から選択される1つまたは複数の活性薬剤を含んでもよい。
【0161】
なお一層好ましくは、化粧品は、水酸化物タイプの酸化剤、還元剤、またはアルカリ剤から選択される1つまたは複数の薬剤を含む。
【0162】
図17の例では、ブラシは、熱伝導材料で作られた歯23aと、熱の不導体である材料で作られたより長い歯23bとを有する。
図17に示されるように、歯23aおよび歯23bは、1つの同じ列内に交互に配置されてもよい。変形形態では、ブラシは、主軸Xに対して垂直方向において、熱伝導材料で作られた歯23aの列および熱の不導体である材料で作られた歯23bの列が、交互に配置される。
【0163】
図18および
図19における例では、ブラシは、2つの加熱コーミングゾーンの間に蒸気出口ゾーンVを有する。ブラシでは、蒸気出口ゾーンVにおいて、熱伝導材料で作られた歯23vおよび蒸気出口30が主軸Xに沿って交互に配置される。ブラシは、加熱コーミングゾーンCにおいて、熱伝導材料で作られた歯23aと、熱の不導体である材料で作られた歯23bとを有し、歯23aおよび歯23bは、主軸Xに沿って延びる歯23aおよび歯23bの複数の平行な列に沿って配置される。歯の各列は、すべての歯が熱伝導材料で作られた歯23a、またはすべての歯が熱の不導体である材料で作られた歯23bを有する。加熱コーミングゾーンCでは、熱伝導材料で作られた歯23aの列が、熱の不導体である材料で作られた歯23bの列と交互に配置される。好ましくは、熱伝導材料で作られた歯に対する熱の不導体である材料23bで作られた歯の数の割合は、加熱コーミングゾーンCにおいて45~55%である。
【0164】
好ましくは、蒸気出口ゾーンVにおける歯の隣接する列は、熱の不導体である材料で作られた歯を有する。ブラシは、図示のように、特に、熱の不導体である材料で作られ、ブラシの周囲全体にわたって延びる周囲歯23pの列を有してもよい。
【0165】
ブラシの熱伝導材料で作られた歯23aおよび歯23vは、好ましくは、処理面21と一体的に形成され、処理面21は、同じ熱伝導材料から作られる。したがって、ブラシの加熱手段は、熱伝導によって、処理面21ならびに歯23aおよび歯23vを加熱し、処理面21ならびに歯23aおよび歯23v自体が、受け入れられた熱を毛髪に伝達する。ブラシの熱伝導材料で作られた歯23aおよび歯23vは、好ましくは、すべてが実質的に同一である。これらの歯は、図示のように平坦であり、特に楕円形である断面を有してもよい。これらの歯の平坦面は、主軸Xに対して横方向に延びてもよい。
【0166】
好ましくは、熱の不導体である材料で作られた歯23bおよび歯23pは、処理面21に取り付けられる。歯23bおよび歯23pは、実質的に円形の断面を有する。
【0167】
加熱コーミングゾーンCの熱の不導体である材料から作られた歯23bは、熱伝導材料で作られた歯の高さhaよりも大きい高さhbを有する。好ましくは、周囲列における熱の不導体である材料で作られた歯23pの高さhbは、熱伝導材料で作られた歯の高さhaと加熱コーミングゾーンCにおける熱の不導体である材料で作られた歯23bの高さhbとの間である。
【0168】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、上記で説明された例に多数の修正を施すことができる。
【0169】
たとえば、ブラシがハンドルを有さず、ブラシの後部を使用してブラシを把持することが可能である。
【0170】
ブラシは、いくつかの異なる追加の処理ゾーンを有してもよく、これらの処理ゾーンは、互いに分離されるかまたは互いに分離されない。
【0171】
蒸気出口ゾーンは、加熱コーミングゾーンと同様に加熱される歯を有してもよい。
【0172】
蒸気出口は、処理面から延びるが、処理面の突起、特に歯から延びることができる。
【0173】
処理デバイスは、ブラシ以外であってもよく、特にヘアストレートナーであってもよい。
【符号の説明】
【0174】
10 ブラシ
15 把持ハンドル
20 処理ヘッド
21 処理面
23、23a、23b、23p、23v、25 歯
30 蒸気出口、蒸気出口ゾーン
35 加熱抵抗器
37 加熱コア
42 気化チャンバ
45 レール
48 容器
60 コーム
65 アプリケータ部材
ha、hb、hp 高さ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理デバイス、特にブラシ(10)を用いて毛髪を処理するための方法であって、
前記処理デバイスの蒸気出口を有さない、少なくとも1つの加熱コーミングゾーン(C)の歯(23)同士の間を、毛髪の房を通過させることによって、前記毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なうステップと、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)において前記毛髪の房に蒸気をあてることと、を有し、
加熱およびコーミングを同時に行なうステップおよび前記蒸気をあてることは、前記毛髪に前記処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行される、方法。
【請求項2】
毛髪の房の加熱およびコーミングを同時に行なう2つのステップを有し、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、前記毛髪の房に蒸気をあてる前に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう1つのステップは、前記毛髪の房に蒸気をあてた後に行なわれ、加熱およびコーミングを同時に行なう前記2つのステップならびに蒸気をあてる前記ステップは、前記毛髪に前記処理デバイスを一度通過させることによって毛髪の房に対して実行され
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱およびコーミングを同時に行なう前記2つのステップは、前記毛髪上の前記処理デバイスの実質的に一定の通過速度において実質的に同一である前記毛髪上の通過時間を有
する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスは、好ましくは、処理面(21)と、前記加熱コーミングゾーン(C)において前記処理面から延びる歯(23; 23a、23b)とを有し、加熱およびコーミングを同時に行なう前記ステップにおける前記毛髪の加熱は、前記処理デバイスの加熱手段によって加熱される処理面からの熱貫
流または前記処理デバイスの加熱手段によって加熱される前記加熱コーミングゾーン(C)における前記歯(23; 23a、23b)の少なくともいくつかからの熱貫流によって行なわれ、このステップの間の前記コーミングは、前記加熱コーミングゾーンにおける前記歯(23;23a、23b)によって実行される、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
熱放射を放出する前記処理デバイス(23; 23a)の前記加熱手段によって加熱される前記歯は、熱伝導材料で作られる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記処理デバイスは、前記加熱コーミングゾーンにおいて、熱伝導材料で作られた歯(23;23a)および熱の不導体である材料で作られた歯(23b)を有し
、
熱の不導体である前記材料は、エラストマまたはプラスチックである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱コーミングゾーン(C)では、すべての歯が熱伝導材料で作られた歯(23;23a)の列およびすべての歯が熱の不導体である材料で作られた歯(23b)の列が交互に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱コーミングゾーン(C)における熱の不導体である材料で作られた歯(23b)の数の、歯(23;23a、23b)の総数に対する割合は
、20~75%であ
る、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱コーミングゾーン(C)における熱の不導体である材料で作られた前記歯(23b)は、前記加熱コーミングゾーン(C)における熱伝導材料で作られた前記歯(23;23a)よりも少なくとも10
%高い、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
蒸気をあてる前記ステップは、前記蒸気をあてることと同時に、前記毛髪のコーミングを含み、前記蒸気出口ゾーン(V)は
、歯を有
する、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記蒸気をあてることは、前記蒸気出口ゾーン(V)において延びる蒸気出口(30)の少なくとも1つの列を介して行なわれ、前記蒸気出口(30)は、前記蒸気出口ゾーン(V)の歯の列の歯(23)と交互に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記蒸気出口ゾーン(V)に隣接する前記加熱コーミングゾーン(C)または各加熱コーミングゾーン(C)では、前記蒸気出口ゾーン(V)に最も近い前記歯の列は、熱の不導体である材料で作られた歯(23b)で構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
熱伝導材料で作られた前記歯は
、細長い断面を有する、請求項
6に記載の方法。
【請求項14】
前記処理デバイスが前記毛髪上を通過する間に前記処理デバイスによって生成物を塗布することを含み、前記処理デバイスは、化粧品を塗布するためのゾーン(A)を有
する、請求項
1に記載の方法。
【請求項15】
毛髪を処理
するブラシ(10)であって、
少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーン(C)であって、蒸気出口を有さず、前記ブラシ(10)は、
複数の歯(23)と、
前記複数の歯(23)のうちの少なくとも2つの歯を加熱するための加熱手段(35、37)とを有する、少なくとも1つの加熱毛髪コーミングゾーン(C)と、
少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)であって、前記ブラシ(10)は、少なくとも1つの蒸気出口(30)を有する、少なくとも1つの蒸気出口ゾーン(V)と、を有し、前記蒸気出口ゾーン(V)は、前記加熱毛髪コーミングゾーン(C)から分離される、ブラシ。
【国際調査報告】