(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】駆動輪を駆動するための単一のモータを装備したオーダピッキング車両
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20240705BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503755
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 EP2022065686
(87)【国際公開番号】W WO2023001449
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・シャタン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・レール
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL12
3F022MM36
3F022NN32
3F022PP04
(57)【要約】
本発明は、少なくとも90°旋回することが可能な、床に沿って走行するための少なくとも3つの車輪を備える、荷物を輸送することを目的とする電動車両に関し、前記車輪は、車両のシャーシに付属された旋回及び駆動装置に取り付けられ、旋回及び駆動装置の各々は、それ自体を中心に車輪を旋回させることを可能にするように意図された、垂直軸を中心に車輪を旋回させるための手段を作動させるためのモータを備える。
本発明によれば、そのような車両は、前記旋回及び駆動装置に収容された前記車輪を回転駆動するための手段を作動させるように意図された、前記車輪を回転駆動するための単一のモータを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を輸送することを目的とする電動車両(17)であって、
少なくとも90°旋回することが可能な、床に沿って走行するように意図された少なくとも3つの駆動輪(29)を備え、
前記駆動輪(29)が、前記車両のシャーシ(23)に付属された旋回及び駆動装置に取り付けられ、
前記旋回及び駆動装置の各々が、それ自体を中心に前記駆動輪(29)を旋回させることを可能にするように意図された、垂直軸を中心に前記駆動輪(29)を旋回させるための手段を作動させるためのモータを備え、
前記電動車両が、前記旋回及び駆動装置に収容された前記駆動輪を回転駆動するための前記手段を作動させるように意図された、前記駆動輪(29)を回転駆動するための単一のモータ(210)を備えることを特徴とする、電動車両(17)。
【請求項2】
前記車両(17)が無人搬送車であることを特徴とする、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記駆動輪(29)を旋回させるための前記手段が、垂直軸の第2の歯車と係合する前記旋回手段を作動させるための前記モータのうちの1つによって回転駆動される第1の歯車を備え、前記第2の歯車が前記駆動輪を跨ぐフォークに付属され、前記駆動輪の車軸が、前記駆動輪(29)の両側に延在する前記フォークのブレードに対して旋回するように取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記駆動手段が、角度伝達部を形成するように互いに対して配置された第1の円錐形ピニオン及び第2の円錐形ピニオンを備え、前記第1のピニオンの車軸が前記第2の歯車の車軸と同軸であり、前記第2のピニオンの車軸が前記駆動輪(29)のうちの1つの前記車軸と同軸であることを特徴とする、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記駆動モータ(210)が、ベルト(31)によって前記旋回及び駆動装置の各々の前記駆動輪を回転駆動するための前記手段を作動させることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記旋回及び駆動装置が実質的に同一であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両。
【請求項7】
前記シャーシの実質的に四隅に付属された旋回及び駆動装置に取り付けられた4つの駆動輪(29)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
前記旋回及び駆動装置のうちの少なくとも1つが、この装置の第2のピニオンの車軸がこの装置に取り付けられた前記駆動輪(29)の中心を通るように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、倉庫物流の分野、詳細には、部品または製品の輸送の分野である。
【0002】
より具体的には、本発明は、荷物を輸送することを目的とする電動車両に関する。
【0003】
本発明は、特に、保管倉庫、例えば物流チェーンのオーダピッキング倉庫内の商品の流れの自動化、または一般に「駆動部」として知られる収集場所注文配送サービスの自動化に適用される。
【背景技術】
【0004】
物流チェーン全体では、倉庫内の流れの管理及び製品の取り扱いが重要な役割を果たす。
【0005】
従来、注文採集人は、倉庫を動き回り、スチールラックの棚のその位置で注文の各製品を収集する。
【0006】
そのような機構は、採集人が作業日全体を通して長距離を移動することを意味し、経路が最適化されていない場合に疲労及び時間の損失を引き起こすことに留意されたい。
【0007】
別の欠点は、採集人が時間を無駄にしないように倉庫の配置を完全に知らなければならないことである。
【0008】
移動による疲労を制限し、ピッキングの管理を改善し、注文をピッキングするための時間及びそのコストを削減するために、製品がロボットによってスチールラックから収集された後にこれらの同じロボットによってオーダピッキングステーションに運ばれる倉庫の機構が発明された。
【0009】
詳細には、床に沿って走行し、スチールラックに沿って上昇して、容器に保管された製品を収集しに行くことができる無人搬送車を実装することが提案されている。
【0010】
したがって、例えば、特許文献1から、横方向に展開することができる格納式歯車をそのシャーシの側面に装備した無人搬送車が知られている。これらの歯車は、収集される容器のレベルに達するために車両が2つのスチールラックの間を上昇することを可能にするために、スチールラックに付属された垂直ラックに係合するように意図されている。
【0011】
これらの車両を床に沿って、特にスチールラックの間を誘導するために、循環レールを床に設置することが考えられた。しかしながら、レールの設置は高価であり、レールの存在は床を清掃することをより困難にする。
【0012】
また、無人搬送車をスチールラックの間の床に沿って真っ直ぐ走らせ、時にはスチールラックの下でも走らせることが考えられている。
【0013】
屈曲部を回る時間を失うことなく車両の方向の変化を制御することができるために、これらの車両の各駆動輪を独立した電動旋回タレットに取り付けることが提案された。これらの既知のタレットは、各々、各瞬間における車輪の動きを制御するために、垂直軸を中心に車輪を旋回させるためのモータと、車輪を回転駆動するためのモータとを備えている。
【0014】
これらの既知の技法の1つの欠点は、特にタレットごとに2つのモータが必要であるという事実に起因して、それらを実装することが複雑かつ高価であることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2010/100513号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、特に前述の従来技術の欠点を軽減することである。
【0017】
より具体的には、本発明の目的は、実装することが容易な電動車両技法を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、高価でない電動車両技法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、実現可能な電動車両技法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的、並びに以下で明らかになる他の目的は、少なくとも90°旋回することが可能な、床に沿って走行するように意図された少なくとも3つの駆動輪を備える、荷物を輸送することを目的とする電動車両を使用して達成され、前記駆動輪は、車両のシャーシに付属された旋回及び駆動装置に取り付けられ、旋回及び駆動装置の各々は、それ自体を中心に駆動輪を旋回させることを可能にするように意図された、垂直軸を中心に駆動輪を旋回させるための手段を作動させるためのモータを備える。
【0021】
本発明によれば、そのような車両は、前記旋回及び駆動装置に収容された前記駆動輪を回転駆動するための手段を作動させるように意図された、前記駆動輪を回転駆動するための単一のモータを備える。
【0022】
したがって、新規の方法では、本発明は、車両のすべての駆動輪を駆動するための単一のモータを備えた車両を実装することを提案し、それにより、車両の実装を単純化し、車両をより軽量にすることが可能になる。
【0023】
これは、車両が方向を変え直角に始動し、したがってグリッドの計画に従って順序付けられた経路に沿って走行することを巧みに可能にする。実際、本発明者らは、車両が垂直方向に移動することのみが想定される場合、実質的に同じ速度で車輪を駆動する単一の駆動モータの実装が、これらの移動方向に対する車輪の角度位置の小さい偏差を補正するのに十分であることに留意した。したがって、車両のドリフトが発生しない。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、前記車両は無人搬送車である。
【0025】
本発明の特定の実施形態によれば、駆動輪を旋回させるための前記手段は、垂直軸の第2の歯車と係合する旋回手段を作動させるための前記モータのうちの1つによって回転駆動される第1の歯車を備え、前記第2の歯車は前記駆動輪を跨ぐフォークに付属され、前記駆動輪の車軸は、前記駆動輪の両側に延在する前記フォークのブレードに対して旋回するように取り付けられる。
【0026】
好ましくは、前記駆動手段は、角度伝達部を形成するように互いに対して配置された第1の円錐形ピニオン及び第2の円錐形ピニオンを備え、前記第1のピニオンの車軸は前記第2の歯車の車軸と同軸であり、前記第2のピニオンの車軸は前記駆動輪のうちの1つの車軸と同軸である。
【0027】
本発明の有利な実施形態では、前記駆動モータは、ベルトによって前記旋回及び駆動装置の各々の前記駆動輪を回転駆動するための前記手段を作動させる。
【0028】
好ましくは、前記旋回及び駆動装置は実質的に同一である。
【0029】
本発明の特定の実施形態によれば、上述されたような電動車両は、前記シャーシの実質的に四隅に付属された旋回及び駆動装置に取り付けられた4つの駆動輪を有する。
【0030】
本発明の特定の実施形態では、前記旋回及び駆動装置のうちの少なくとも1つは、この装置の第2のピニオンの車軸がこの装置に取り付けられた駆動輪の中心を通るように構成される。
【0031】
このとき、駆動輪は、垂直軸を中心とするその旋回中に回転しない。
【0032】
本発明の他の特徴及び利点は、単なる例示的及び非限定的な例として与えられた本発明の一実施形態の以下の説明、及び添付の図面を読むとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による無人搬送車の実施形態の一例を備えたオーダピッキング倉庫の概略斜視図である。
【
図2】
図1を参照して提示された車両のうちの1つの詳細図である。
【
図3】
図2を参照して提示された車両の駆動輪を駆動するためのシステムの上面詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、製品の出荷を考慮して製品を保管するように意図された倉庫10を示す。この倉庫は、保管エリア11と、オペレータ13が注文の製品を有する荷物を準備するオーダピッキングステーション12が配置されたオーダピッキングエリアとに分けられる。
【0035】
保管エリア11は、ポスト15によって支持された複数のレベルの棚を備えるスチールラック14に編成され、保管された製品または物品を収容する容器16がそこに置かれる。
【0036】
無人搬送車17のフリートは、保管エリア11とオーダピッキングステーション12との間の容器16の輸送を確実にする。
【0037】
ロボット17が、オペレータ13によって処理された注文を完了するために、収集しに行く1以上の物品を含む容器16についての位置情報を受信すると、ロボット17は、容器16が保管されているスチールラック14の底部まで床に沿って走行し、このスチールラック14とそれに面するスチールラックとの間の通路18にそれ自体を配置する。
【0038】
この移動中、ロボット17は、グリッド19の図に従って構成された床にマークされた線の方向に従う。したがって、
図1から分かるように、ロボット17は、縦方向ライン19
1またはライン19
1に垂直な横方向ライン19
2の方向に移動することができ、スチールラック14の下を循環することができる。
【0039】
このロボット17は、その後、
図1に示されたロボット17
1のように、容器16が保管されている棚まで2つのスチールラックにもたれることによって登り、スチールラックから容器を取り出す。その後、それは、2つのスチールラックの間を降り、床に着くと、グリッド19に沿って走行することによってオーダピッキングステーション12に容器16を輸送する。オペレータ13は、注文された数量の物品を受け取り、それらを包装するだけである。
【0040】
図2は、2つのスチールラック21及び22の底部にある通路18において容器16を運ぶロボット17を示す。本発明のこの特定の実施形態では、ロボットがスチールラック21またはスチールラック22の2つの隣接するポスト15の間を通ることを可能にするために、ロボットのシャーシ23の幅及び容器16の幅は、有利なことに、これらのポストの間の空間よりも小さい。
【0041】
ロボット17は、そのシャーシ23の四隅に、シャーシ23の内側に引き込むことができるか、またはシャーシ23の外側に展開することができる電動格納式歯車25を装備する。
【0042】
2つのスチールラック22と23との間を登るために、ロボット17は、
図2から分かるように、歯車がポスト15に付属されたラック27に到達し、ポスト15と係合することができるまで、シャーシの対角線の延長でシャーシ23の外側に歯車25を担持する電動アーム26を展開する。
【0043】
その上、ロボット17は、シャーシ23の四隅のタレットに取り付けられ、単一のモータ210によって駆動される四つの駆動輪29を有する。
【0044】
駆動輪29を駆動するためのシステムの部分上面図である
図3から分かるように、モータ210は、駆動シャフトに結合されたローラ32を介して歯付きベルト31を駆動する。このベルト31は、3つのテンショナローラ34を使用してピンと張った状態に保持される。
【0045】
ベルト31の運動は、角度伝達部を形成する2つのピニオンによって駆動輪29に接続された回転プーリ33を駆動する。
【0046】
プーリ33の回転は、このプーリに付属され、このプーリと同軸である第1のピニオンを回転させ、この第1のピニオンは、車輪の車軸の一端に付属された第2の垂直に配向したピニオンと係合し、この第2のピニオンは、2つのピニオンから形成された歯車装置の減速比に比例する回転速度で駆動輪29を回転駆動する。
【0047】
本発明のこの特定の実施形態では、4つのタレットは同一であり、モータ210は4つの駆動輪29を同じ速度で回転駆動する。この単一のモータは、車両がそれ自体を中心に回転することを可能にし、したがって車両が直角に曲がることを可能にするために車両をその前の方向に対して垂直に向けることを可能にすることに留意されたい。
【0048】
その上、タレットの各々は、フォークを旋回させるためのシステムを有し、その上に駆動輪が取り付けられ、駆動輪を独立して異なる方向に向けることを可能にすることに留意されたい。この旋回システムは、ステッパモータ35と、モータ35のシャフトに取り付けられた中間ピニオンを用いてモータ35によって作動される、プーリ33の軸と同軸の軸の歯車36とを備える。
【符号の説明】
【0049】
10 倉庫、11 保管エリア、12 オーダピッキングステーション、13 オペレータ、14 スチールラック、15 ポスト、16 容器、17 無人搬送車/ロボット、171 ロボット、18 通路、19 グリッド、191 縦方向ライン、192 横方向ライン、21 スチールラック、22 スチールラック、23 シャーシ、25 歯車、26 電動アーム、27 ラック、29 駆動輪、31 歯付きベルト、32 ローラ、33 回転プーリ、34 テンショナローラ、35 ステッパモータ、36 歯車、210 モータ
【国際調査報告】