(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電気集塵機浄化
(51)【国際特許分類】
B03C 3/70 20060101AFI20240705BHJP
B03C 3/78 20060101ALI20240705BHJP
B03C 3/40 20060101ALI20240705BHJP
A47L 9/20 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B03C3/70 Z
B03C3/78
B03C3/40 A
A47L9/20 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503881
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 GB2022051792
(87)【国際公開番号】W WO2023002157
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA02
4D054BA01
4D054BC31
4D054DA06
4D054EA30
(57)【要約】
態様及び実施形態は、付属構成要素の浄化デバイスを備える湿式電気集塵機を提供し、浄化デバイスは、電気集塵機内で移動可能な及び支持可能な浄化組立体を備え、浄化組立体は、スクレーパーを備え、スクレーパーは、電気集塵機の付属構成要素に当接するように構成可能であり、電気集塵機内での浄化組立体の移動は、付属構成要素に対するスクレーパーの移動を引き起こすようになっており、付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える。また、湿式電気集塵機の付属構成要素を浄化する方法が提供される。構成は、接地された又は電気的に中性の付属構成要素(すなわち、放電電極及び集塵電極以外の構成要素)を除去することによって、いくつかの電気集塵デバイスの全体的な効率の良い動作を維持するのを助けることができることを認識している。このような付属構成要素は、典型的に、電気集塵機の高電圧構成要素又は他の必須の主要構成要素に対して密接して近接しているため、ラッピング、エアブラスト、又は洗浄することができない。構成は、効率的な凝集物除去を通じてそれらの離間距離を維持することで、付属構成要素と電圧のある構成要素との間の最小の離間距離の使用を可能にする機構を提供することができる。従って、効率的な凝集物除去は、実際の動作条件において、電気集塵デバイスの全体的な設置面積の低減を可能にすることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付属構成要素の浄化デバイスを備える湿式電気集塵機であって、前記浄化デバイスは、 前記湿式電気集塵機内で移動可能及び支持可能であり、スクレーパーを備える浄化組立体、
を備え、
前記スクレーパーは、前記湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するように構成可能であり、前記湿式電気集塵機内での前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素に対する前記スクレーパーの移動を引き起こすようになっており、
前記付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、前記湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える、湿式電気集塵機。
【請求項2】
前記電気集塵機内の前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素の表面又は縁部に沿った前記スクレーパーの移動を引き起こす、請求項1に記載の湿式電気集塵機。
【請求項3】
前記スクレーパーは、狭くて細長い要素を含む、請求項1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項4】
前記スクレーパーは、ワイヤを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の湿式電気集塵機。
【請求項5】
前記スクレーパーは、電気的に接地可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の湿式電気集塵機。
【請求項6】
前記スクレーパーと付属構成要素との間の接触は、前記スクレーパーの電気的接地を引き起こす、請求項5に記載の湿式電気集塵機。
【請求項7】
前記浄化デバイスは、前記付属構成要素に対して前記浄化組立体を移動させるように構成されたモーターに結合されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の湿式電気集塵機。
【請求項8】
前記浄化デバイスは、前記電気集塵機内に配置されており、前記浄化組立体は、浄化流体の流れによって運ばれ、前記浄化組立体が前記付属構成要素に対して移動するようになっている、請求項1から6のいずれか一項に記載の湿式電気集塵機。
【請求項9】
前記浄化流体は、前記電気集塵デバイスの少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された水の流れを含む、請求項8に記載の湿式電気集塵機。
【請求項10】
前記浄化流体は、前記電気集塵デバイス内の少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された連続した又はパルス状のガスの流れを含む、請求項8に記載の湿式電気集塵機。
【請求項11】
湿式電気集塵機の付属構成要素を浄化する方法であって、
スクレーパーを含む浄化組立体を備える浄化デバイスを提供するステップと、
前記湿式電気集塵機内に移動可能に支持された前記浄化デバイスの前記浄化組立体を配置するステップと、
前記湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するようにスクレーパーを構成するステップと、
を含み、
前記湿式電気集塵機内の前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素に対する前記スクレーパーの移動を引き起こすようになっており、
前記付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、前記湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、付属構成要素の浄化デバイスを備える湿式電気集塵機及び湿式電気集塵機の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気集塵デバイスは、ガスから、例えば、空気から又は工業プロセスの一部として形成された排気ガスから、粉塵及び粒子状汚染物質を捕集する。電気集塵デバイスは、静電気力を利用して汚染物質を捕集する。例えば、電気集塵デバイスは、コロナ放電によって電子を生成するように構成することができる。生成された電子は、周囲の空気又は他のガス分子をイオン化する。電気集塵デバイス内のイオン化されたガス分子は、空気又は排気ガス中に運ばれる粒子状物質と結合する。その結果、微粒子は帯電し、静電気力によって適切に接地された集塵電極に引き付けることができる。
【0003】
電気集塵デバイスは、電気的に接地された1又は2以上の集塵電極と、高電圧が印加された1又は2以上の放電電極とを備えることができる。放電電極に高電圧を印加すると、放電電極と集塵電極との間にコロナ放電が生じる。集塵電極及び放電電極の両者は、典型的には導電性である。
【0004】
電気集塵デバイスの効率的な動作は、放電電極と集塵電極との間のコロナ放電の性質に依存する場合がある。例えば、放電電極と集塵電極との間の距離が長くなると効率の低下につながり、適切な効率を回復するのを可能にするために、放電電極に印加する電圧を大きくする必要がある。同様に、放電電極と集塵電極との間の距離が短くなると効率は向上するが、距離が短いと電気絶縁破壊が起こりやすくなり、電気集塵機が動作不能になる可能性がある。
【0005】
電気集塵機内に蓄積した微粒子は、電気集塵デバイスの効率的な動作に悪影響を与える可能性がある。粒子状物質の蓄積は、電気集塵デバイスの効率的な全体動作をサポートしない方法で、短絡及び/又はコロナ放電の形成を引き起こす可能性がある。湿式電気集塵デバイスは、流体、例えば水を利用して、集塵デバイスの1又は2以上の主要構成要素を浄化する。
【0006】
態様及び実施形態は、微粒子の蓄積を改善し、湿式電気集塵デバイスの効率的な動作を改善する機構を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様は、付属構成要素の浄化デバイスを備える湿式電気集塵機を提供し、浄化デバイスは、湿式電気集塵機内で移動可能及び支持可能である浄化組立体を備え、浄化組立体は、スクレーパーを備え、スクレーパーは、湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するように構成可能であり、湿式電気集塵機内の浄化組立体の移動は、付属構成要素に対するスクレーパーの移動を引き起こすようになっており、付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える。
【0008】
従って、湿式電気集塵機の主要構成要素に設けられた主要微粒子の除去及び浄化機構と並行して、湿式電気集塵機の1又は2以上の付属構成要素の除去をサポートするために、二次的又は追加の除去構成を設けることができる。従って、主要電極以外の構成要素を除去することにより、全体的な微粒子又は凝集物の蓄積を軽減することができ、電気集塵機の主要構成要素の効率的な動作は、付属構成要素の除去無しで予想されるよりも長い期間、維持することができる。いくつかの構成では、浄化デバイスによって除去される付属構成要素は、主要電気集塵機構成要素に隣接して配置された構成要素を備える。従って、このような構成要素に蓄積した微粒子又は凝集物は、除去されない場合、主要構成要素と接触して主要構成要素(複数可)の動作に悪影響を与える可能性がある。態様は、追加の除去デバイスとして設けることができ、主要電気集塵機構成要素、例えば、集塵機の放電又は集塵電極などを除去するように構成されていない。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、電気集塵機に設けられた分離組立体の構成要素を含むことができる。従って、放電電極と集塵電極の分離を維持するために設けられ、位置付けられた付属構成要素上の微粒子又は凝集物の蓄積を軽減することは、それらの電極間で発生する望ましくない接触を防ぐのを助けることができる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、電気集塵機内の浄化組立体の移動は、付属構成要素の表面又は縁部に沿ったスクレーパーの移動を引き起こす。表面又は縁部に沿ったスクレーパーの動きは、縁部又は表面に蓄積した微粒子又は凝集物を取り除く又は除去するのを助けることができる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、スクレーパーは、狭くて細長い要素を備える。小さな表面積を有するスクレーパーを設けることは、スクレーパー自体に微粒子又は凝集物が蓄積するのを防ぐのを助ける。付属構成要素との小さな接触面積のスクレーパーは、スクレーパーの縁部又は付属構成要素との接触部分上の高い圧力により、より効率的な除去を可能にすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、スクレーパーは、ワイヤを含む。いくつかの実施形態によれば、スクレーパーは、電気的に接地可能である。いくつかの実施形態によれば、スクレーパーと付属構成要素との間の接触は、スクレーパーの電気的接地を引き起こす。従って、スクレーパーの接地は、スクレーパー自体に何らかの微粒子又は凝集物が蓄積するのを防ぐのを助けることができる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、付属構成要素に対して浄化組立体を移動させるように構成されたモーターに結合可能である。いくつかの実施形態によれば、デバイスは、浄化組立体が浄化流体の流れによって運ばれ、本体が付属構成要素に対して移動するように、電気集塵機内に配置することができる。いくつかの実施形態によれば、浄化流体は、電気集塵デバイス内の少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された水の流れを含む。いくつかの実施形態によれば、浄化流体は、電気集塵デバイス内の少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された連続した又はパルス状のガスの流れを含む。従って、浄化デバイスのスクレーパーと付属構成要素との間の相対的な移動は、種々の能動的又は受動的な方法で実施することができる。受動的な駆動機構を利用するデバイスを実装することで、既存の電気集塵機に後付けできる付属構成要素の除去デバイスの提供を可能にすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、電気集塵機は、主要構成要素の除去機構を備える。主要構成要素は、放電電極又は集塵電極を含むことができる。除去機構は、洗浄機構、ラッピング機構、又はエアブラスト機構のうちの1又は2以上を含むことができる。
【0015】
さらなる態様は、湿式電気集塵機の付属構成要素を浄化する方法を提供し、本方法は、スクレーパーを含む浄化組立体を備える浄化デバイスを提供するステップと、湿式電気集塵機内に移動可能に支持された浄化デバイスの浄化組立体を配置するステップと、湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するようにスクレーパーを構成するステップと、を含み、湿式電気集塵機内の浄化組立体の移動は、付属構成要素に対するスクレーパーの移動を引き起こすようになっており、付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える。
【0016】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載される以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0017】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載される場合、これは、その機能をもたらすか、又は、その機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことを理解されたい。
以下、本発明の実施形態は、添付図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図1の電気集塵機の例の一部の拡大図である。
【
図3】
図1及び
図2の電気集塵機に示されているような給水プレート120を斜視図として示す。
【
図4】
図1及び
図2に示されているような集塵機の主要構成要素のいくつかを示す写真である。
【
図5】
図1及び
図2に示されているような集塵機の主要構成要素のいくつかを示す写真である。
【
図6】
図1及び
図2に示されているような電気集塵機での使用に好適な1つの実施形態例による除去デバイスを示す。
【
図7】
図1及び
図2に示されているような電気集塵機での使用に好適な1つの実施形態例による代替の除去デバイスを示す。
【
図8】
図6に示されているようなデバイスを使用できる
図1及び
図2に示されているようなWESPの主要構成要素の一部を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要を説明する。実施形態は、電気集塵デバイスの効率的な動作をサポートするように動作する構成を提供する。構成は、微粒子の蓄積を低減する機構及び方法を提供しようとするものであり、従って、電気集塵機内でのコロナ放電の信頼できる生成をサポートする。
【0020】
電気集塵機は、典型的には、粒子状物質のイオン化を可能にし、静電気力を利用することにより、ガスから粒子状物質を除去するように動作する。コロナ放電は、高電圧に維持された少なくとも1つの放電電極と、電気的に接地に維持された少なくとも1つの集塵電極とを設けることによって形成される。結果として生じるコロナ放電は、電極間のガス中にイオン化された粒子を形成する。
【0021】
電気集塵機(ESP)内の集塵電極又は「接地プレート」は、荷電粒子が接地プレートに引き付けられる結果として微粒子を捕集する。
【0022】
次に、微粒子は、集塵電極及び他の電気的に中性の又は接地された領域から除去することができる。乾式電気集塵デバイスは、集塵電極をラッピングする(物理的に振動させる又は電極プレートを叩いて微粒子の蓄積を取り除く処理)、又は集塵電極をエアブラストすることによって微粒子が除去されるようなものとすることができる。湿式電気集塵機(WESP)では、集塵電極は、典型的に、微粒子の蓄積を防ぐために、水などの流体で洗浄される。一部の用途では、構成は、微粒子が主要集塵電極以外の構成要素上に固体凝集物を形成する可能性があり、典型的な微粒子除去技術の効果がない場合があることを認識している。
【0023】
微粒子が集塵電極(又は放電電極)上に過剰に蓄積する場合、その蓄積は、電極プレートの離間距離の減少が、結果的に微粒子除去性能を低下させる可能性がある断続的な電気アーク放電につながること;電極プレートの離間距離の減少が、完全な電気不足につながり、その後、微粒子帯電の損失が、ESPを完全に動作しない状態にする可能性があること;電極プレートの離間距離の減少が、結果として高性能の電源を使用する必要がある断続的なアーク放電につながる可能性があること;さらに、接地面上に蓄積した微粒子が、バックコロナにつながり、その結果として電源からの電流の使用が増加する可能性があること;などの問題につながる可能性があることを理解されたい。
【0024】
記載された構成は、いくつかの電気集塵デバイスにおいて、接地された又は電気的に中性の付属構成要素(すなわち、放電電極及び集塵電極以外の構成要素)である場合があり、それらの構成要素は、電気集塵機の高電圧構成要素又は他の必須の主要構成要素に対して密接して近接しているため、ラッピング、エアブラスト、又は洗浄することができないことを認識している。例えば、狭間隔で配置された構成要素に関連したラッピング又は洗浄は、狭間隔で配置された構成要素の間で予期外の接続及び電気的短絡につながる可能性がある。さらに、記載された構成は、いくつかの電気集塵デバイスのために選択された特定の用途が、標準的なラッピング、エアブラスト、及び/又は洗浄技術によって除去するのに問題となる可能性のある粒子状物質の凝集をもたらす可能性があることを認識している。構成は、ESP内の1又は2以上の付属構成要素の表面を浄化する機構として、機械的削り取りを使用することができることを認識している。集塵機の付属構成要素との関連であっても、詳細には、主要な機能構成要素のすぐ近くに位置付けられた表面を、より清浄にされた表面に維持することは、微粒子の蓄積に起因する障害が発生する前に、ESPが効率的な動作を維持できる時間を長くすることを可能にすることができる。
【0025】
ESP構成要素の機械的削り取りは、さまざまな方法で実現することができる。スクレーパーは、除去される構成要素の表面と係合するように構成された削り取り縁部又は表面を有する要素を備えることができる。削り取り縁部は、除去される構成要素の1又は2以上の表面又は縁部を横切って移動可能とすることができる。スクレーパーの動きは、例えば、モーターに対するスクレーパーの適切な結合による、適切な電気機械構成の選択及び適用に基づいて生じる場合がある。スクレーパーの動きは、ESP、又はWESPの標準動作に関連する1又は2以上の構成要素又は流体の結果として、例えば、接地された集塵電極を洗浄するために既に使用されている浄化流体の流れの結果として、又はESP内で既に動作しているエアブラスト構成によって達成された移動の結果として生じる場合がある。
【0026】
電気集塵機
図1は、電気集塵機10の一例を示す。電気集塵機10は、排出流を受け入れる入口(図示せず)と、処理された排出流を供給する出口(図示せず)とを有するハウジング20を備える。この例の電気集塵機では、ハウジング20は、略円筒形状である。しかしながら、ハウジング20は、何らかの適当な形状とすることができ、入口及び出口は、何らかの適当な位置に位置付けることができることを理解されたい。
【0027】
図1に示す電気集塵機10は、湿式電気集塵機(WESP)で構成され、集塵電極30を形成する円筒状の内側接地プレートと、集塵電極40を形成する円筒状の外側接地プレートと、放電電極ケージ50とを備える。放電電極ケージ50は、高電圧、例えば5-50kVに維持され、図示の例では、円筒状の内側集塵電極30が洗浄される。
【0028】
ESP構造を維持し、電気集塵機10の構成要素間の離隔距離を維持するために、図示の例では、放電電極ケージ50は、内側集塵電極30に機械的に結合されている。電極ケージ50と接地された内側集塵電極との間の電気的絶縁は、電気絶縁要素を含む2つの構成要素間の機械的結合又は接続を保証することによって維持される。
【0029】
電気集塵機デバイスの効率的な動作は、接地された集塵プレートから完全に電気的に絶縁された高電圧電位面の維持に依存することを理解されたい。図示の例では、接地された円筒状の内側集塵電極構造体30が連続的に洗浄される。分離器又はガード66の形の追加の物理的バリアは、集塵電極30を洗浄するように作用する水流と、機械的結合手段の一部を形成する絶縁要素との間に設けられる。バリア自体は、機械的結合手段の一部を形成することができる。このようなバリア又はガードが無い場合、放電電極ケージ50と洗浄された集塵電極30との間の機械的結合手段の一部を形成する電気絶縁要素が濡れる可能性がある。濡れた表面は、もはや電気的に絶縁されていない。濡れた表面は、高電圧の漏電経路をもたらす可能性があり、結果的に、ESPデバイスが故障する可能性がある。
【0030】
機械的結合手段、絶縁要素、及びバリアなどの付属構成要素は、その上に粒子状物質が捕集され、ESPの動作に悪影響を与える可能性があるESP内の構成要素の例であるが、ESPの標準動作の一部として除去することができない。
【0031】
記載された構成は、ESPの故障の機会を軽減するための様々な既存の機構にもかかわらず、他の除去手法が不適切である可能性がある場合に、ESPの付属構成要素上の粒子状物質の蓄積を低減するための機構が提供されている場合、ESPの故障の可能性をさらに軽減することが可能であることを認識している。例示的に、放電電極と集塵電極との間の機械的結合手段に粒子状物質が蓄積することが可能である。また、粒子状物質は、例えば、上記の分離器又はバリア上に蓄積する場合がある。例えば、分離バリアなどの機械的結合手段の構成要素上の粒子状物質の蓄積は、依然としてESPの動作の問題を引き起こす可能性がある。このような付属構成要素は、ESPの主要な動作構成要素の電気的絶縁に影響を与える可能性に起因して、簡単にラッピングすること及び水で洗浄することができない。洗浄すること又はラッピングすることができないESPの付属構成要素の間の距離は、微粒子の蓄積に対処するために、場合によっては長くなる可能性があるが、これは、全体的な配置の接地面積の増加を犠牲にしている。以下でより詳細に説明する構成は、ESPの構成要素から蓄積した微粒子を除去するための代替機構を提供する。詳細には、構成は、このような構成要素の機械的浄化をサポートすることができることを認識している。
【0032】
機械的浄化は、1又は2以上のESP構成要素の表面及び/又は縁部から粒子状物質を機械的に解放する、移動させる、又は削り取る(scraping)形態をとることができる。機械的浄化は、種々の方法で実施することができる。一般に、粒子状物質の蓄積物が除去されるESP構成要素の表面又は縁部に接触するように配置された少なくとも1つの構成要素を含む機械的浄化デバイスを提供することができる。ESP構成要素の表面又は縁部に接触するように構成された構成要素は、スクレーパーを含むことができる。スクレーパーは、除去されることになる構成要素の表面又は縁部の少なくとも一部と係合するように構成された削り取り縁部又は表面を備えることができる。削り取り縁部は、除去される構成要素の1又は2以上の表面又は縁部を横切って移動可能とすることができる。削り取り縁部は、例えば、削り取りワイヤを含むことができる。削り取り縁部又は要素は、かなりの量の微粒子又は凝集物がそれ自体に付着できないように、小さな表面積とすることができる。削り取り要素自体は、電気的に接地に維持することができる。
【0033】
機械的浄化デバイスは、例えば、接地された集塵電極を洗浄又は吹き飛ばすことによって浄化するために既に必要とされる、浄化流体の流れ又はガスの流れの結果として、ESP又はWESPの標準的な動作に既に関連する1又は2以上の要因の結果として動かされる、能動的に作動する又は受動的なデバイスとすることができる。
【0034】
例示的に、1つの実施形態例によるWESPの動作、WESPの構成要素、及び機械的浄化デバイスが詳細に説明される。
【0035】
図2は、
図1の湿式電気集塵機の一部を拡大した図である。
図2は、放電電極ケージ50と湿式内側集塵電極30との間の機械的結合手段60を示す。機械的結合手段60は、ハウジング20の中に収容されている。この実施形態では、機械的結合手段60は、ハウジング20内に同軸上に位置付けられている。機械的結合手段60は、中空ハウジング20の表面から離間するような大きさであり、ハウジング20の伸長軸に沿って延びている。電気的結合手段(図示せず)は、放電電極ケージ50と結合する。機械的結合手段60は、ハウジング20から電気的に絶縁されている。放電電極ケージ50は、複数の軸70を備える。この例では、軸70は、環状支持体80からハウジング20の伸長軸に沿って延びる細長いプレートである。軸70は、環状支持体80の周りで円周方向に位置決めされている。軸方向に離間した複数の歯状部90は、軸70のそれぞれから半径方向に延びている。図示の例では、歯状部90は、軸70と一体的に形成されている。具体的には、軸70及び歯状部90は、櫛歯構造を形成するために打ち抜かれた又は切断された金属プレートから形成される。好都合には、軸70は、環状支持体80に固定するための表面を提供するために、曲げること又は折り曲げることができる。
【0036】
放電電極ケージ50及び内側集塵電極30は、機械的結合手段60によって結合される。機械的結合手段60は、細長い軸62と絶縁要素64とを備える。絶縁要素は、放電電極ケージ50及び内側集塵電極30を機械的に結合するが、それらが電気的に接続されないことを保証する。図示の例では、絶縁体は、一連の軸方向に離間した環状プレート状の要素65を備え、これは、実質的に円筒形の同軸に配置された湿式内側集塵電極30及び放電電極ケージ50の端部領域において電気絶縁体及び電気ガードとして機能する。また、プレート状の要素65は、それらのESP構成要素間の物理的バリアを形成する。機械的結合手段60は、湿式内側集塵電極30と絶縁要素64との間に配置された開口した円筒の形態のバリア又はガード66を含む。ガード66は、湿式集塵電極30を洗浄するために使用される流体と絶縁要素64との間のバリアとして機能する。
図2の構成では、ガード66は、集塵電極30の端部を超えて軸方向に延びており、集塵電極30の浄化に使用される液体の飛散から絶縁要素64を保護するようになっている。
【0037】
図2の構成では、電極30の湿式浄化が実行される。内側水容器(
図2には示されていない)は、中空円筒状の集塵電極30の内面32とバリア66の外面67との間に形成された空洞100に集まる。給水部110は、後の図でより詳細に示される給水プレート120を介して空洞100に水を供給する。給水部110からの水は、空洞内の水位が内側集塵電極30の水堰リップの形態の上部リップ34に到達するまで空洞100を満たす。水は、水堰リップ34を超えて集塵電極30の外面36上に注がれる。
【0038】
動作時、上述したように、放電電極ケージ50は、コロナ放電を引き起こすために高電位に維持される。コロナ放電は、ESP内の粒子状物質のイオン化を引き起こし、次に、粒子状物質はESP内の接地された集塵電極30、40の外面に引き付けられる。
図2に示す例では、内側電極の外面36は、その微粒子の集塵物を除去するために、水で洗浄される。外面36の実質的に連続した除去は、空洞100内の水が堰リップ34上を通過し、次に外面36に沿って通過して、捕集された粒子状物質を洗い流すことを可能にすることで達成することができる。外面36上の水の存在は、放電電極ケージ50と集塵電極30との間の電位差に影響を与えない。
【0039】
図3は、
図1及び
図2の電気集塵機に示されているような給水プレート120を斜視図で示す。給水プレート120は、実質的に環状プレートの形態であり、
図2に示すように、機械的結合手段60のバリア66の真下に位置付けることができる。給水プレート120は、給水部110からの水の進入を可能にする開口部122を含む。プレート120上に形成された複数のバッフル124は、一緒になって1又は2以上の流路126を形成し、それを通して給水部からの水の進入がもたらされる。給水部からプレート120に入る水は、出口128を通って接線方向にプレートから出て空洞100の中に入る。空洞100内の水は、供給プレートの出口128からの給水の接線方向の放出の結果として「渦巻き」循環運動を有する。
【0040】
図4及び
図5は、
図1及び
図2に示されているようなWESPの主要構成要素の一部を示す写真であり、微粒子の蓄積を見ることができる。詳細には、
図4は、電極ケージ50から環状支持体80までのESPの軸に沿った写真である。電極ケージ50の軸70が、カメラから離れて延びているのが分かる。使用時、水容器を受け入れる空洞100を見ることができ、空洞100は、集塵電極30とバリア66との間に形成される。概して、浄化されているにも関わらず、撮影されたWESP構成要素は、バリア66の上縁に蓄積した微粒子の領域Aを含む。上述したように、バリア66は浄化されず、粒子状物質を除去するためにエアブラストすること又はラッピングすることもできない。領域Aに粒子状物質が蓄積すると、ESPの動作全体に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0041】
図5は、
図1-
図3に示されているような、WESPの内部構成要素の同様の写真である。この例では、全ての構成要素が、バリア66の縁部(絶縁体周りとしても知られる)の領域Aにおける著しい微粒子の蓄積を含む、微粒子の蓄積を示している。
【0042】
図4及び
図5に示されている領域Aなどの領域での粒子状物質の蓄積は、動作時にバックコロナグローを見せるESPにつながる可能性があることが分かっている。微粒子の蓄積がもたらしたバックコロナグローは、電源からのESP電力消費を大幅に増加させる。ESPの全体的な性能を最大限に高めるために、電極電流は、電源に適合している。バックコロナグローの形成により追加の電流が流れる場合、ESPシステムは、処理された流体中の粒子状物質のみを除去するために厳密に必要とされるよりも多くの電力を使うことになる。
【0043】
構成は、電気集塵機内の1又は2以上の接地された又は中性構成要素からの粒子状物質の除去をサポートすることができるデバイスを提供することが可能であることを認識している。
【0044】
図6は、
図1及び
図2に示されているような電気集塵機での使用に好適な一例の実施形態による除去デバイス200を示す。デバイス200は、スクレーパー220を支持する本体210を含む浄化組立体を備える。図示の例では、デバイスは、内側集塵電極30とバリア66との間に形成された空洞100内に配置可能な大きさである。詳細には、本体は、集塵電極30の内面32及びバリア66の外面67に隣接するが、それらから離間することができる大きさである。デバイス本体210は、内側集塵電極30とバリア66との間の空間に適合するように選択された曲率を有する。このような大きさ及び外形の選択は、デバイス200が空洞内を自由に循環することを可能にすると共に、本体がバリア66を一周する経路上でスクレーパー220を運ぶことを可能にする。デバイスの本体210は、空洞100の中に下方に延びており、空洞100内の浄化流体の容器内に少なくとも部分的に沈められている。デバイスの本体210は、デバイス200が、空洞100に供給される水又は他の浄化液の中で浮くのを防止する材料から形成することができる。また、デバイスの本体のために選択された材料は、それほど高密度ではない、又はデバイスは、デバイス200を一緒に運ぶように作用する容器内の流体の移動を妨げるほどの重量はない。
【0045】
デバイスの材料及び重量は、デバイス200が単に容器の表面に浮かばず、バリア66の上縁の上に載っているスクレーパー210によって空洞100の中に沈むのを防止するように慎重に選択される。デバイスの本体は、使用時に、内側集塵電極30の水堰リップ34の上に載るように本体上に配置されている支持体230を設けることで直立状態に維持される。換言すれば、デバイスの本体は、スクレーパー220及び支持体230から吊り下げられており、本体は、空洞内に位置付けされて、集塵電極30の内面32及びバリア66の外面67のいずれにも接触しないようになっている。バリアの軸方向の長さは、集塵電極の長さを超えて軸方向に延びているので、スクレーパー220は、デバイス本体210の上面から突出するスクレーパー支持体225に設けられたスロットに保持され、一方で、安定化支持体230は、スロット内で適所に保持され、スロットは、デバイス本体自体の中に下方に広がる。
【0046】
使用時、
図3に関連して説明されるプレートによって引き起こされる空洞100内の浄化液の円周方向の移動は、デバイス200を実質的に円形の経路の周りで運ぶように作用する。浄化液の円周方向の移動は、給水プレートを設けることで引き起こされ、内側集塵電極の全ての部分を浄化するために、浄化液が水堰リップ34上を均一に流れることを保証する。図示の実施形態では、ESPの他の構成要素に対する浄化組立体の移動を引き起こすために、浄化液のこの既存の円周方向の移動を利用する。容器内でのデバイスの移動に対する流体の摩擦抵抗を低減するために、本体210は、成形されたノーズ領域215を含む。スクレーパー220は、バリアの縁部の上に載っており、バリア66の上縁に堆積して付着した何らかの粒子状物質を取り除くように機能する。何らかの取り除かれた粒子状物質は、絶縁要素64に向かって落下し、結果として放電電極及び集塵電極の動作に影響を与える可能性が低い、又は、浄化液の中に落下し、次に水堰リップ34を通過する場合がある。バリアの改善された除去性は、電気集塵機のメンテナンス間隔の増加を助けることができる。
【0047】
図示の例におけるスクレーパー220は、安定化支持体230と同様に、金属棒又はワイヤの形態をとる。ワイヤスクレーパーは小さな表面積を有し、バリア66の縁部を削り取る際に、相当な量の微粒子又は凝集物がそれに付着できないようになっている。また、スクレーパーワイヤ220は、少なくともバリア66との直接的な接触に基づいて、電気的に接地に維持される。
【0048】
図7は、
図1及び
図2に示されているような電気集塵機での使用に好適な一例の実施形態による代替の除去デバイスを示す。この代替実施形態では、デバイス300は、スクレーパー320を支持する本体310を備える。図示の例では、デバイスは、バリアの内面と絶縁要素64との間のバリア66の内側に位置付けられる。本体310は、一端がスクレーパー320に、他端が歯車の歯330に結合可能な伸長部の形態をとる。歯330は、実質的に環状であり、歯付き内輪面334及び滑らかな外輪面336を備える。歯付き内輪面334は、集塵機の軸に沿って給水プレート120を貫通して延びる回転駆動軸350に連結可能な駆動歯340の協働する歯と噛み合うように構成されている。駆動歯340の回転は、デバイス300にバリア66の周りで動くようにさせる。デバイス本体310によって支持されるスクレーパー320は、バリア66の上縁に及んでバリア66と係合するワイヤの形態をとり、それによって、
図6に示す例示的な実施形態に関連して説明したのと同様に、電気集塵機の使用中にバリアの上縁に堆積した可能性のある凝集物又は粒子状物質の同様の削り取り及び除去を行う。
【0049】
図8は、
図6に示されているようなデバイスが動作している
図1及び
図2に示されているようなWESPの主要構成要素の一部を示す写真である。除去デバイス200は、内側集塵電極30とバリア66との間の空洞100内に位置付けされているのが分かる。例えば、放電電極軸70、環状支持体80、及び絶縁要素プレート65に微粒子の蓄積が見られるが、バリア66には、電気集塵機の故障又は非効率的な動作を引き起こす可能性のある種類の著しい蓄積物は存在しない。
【0050】
記載された構成は、ESPがWESPの形態で提供されるようなものであることを理解されたい。WESPの使用は、水又は他の流体を使用してWESPの少なくとも1つの主要動作構成要素を除去できるため、短い電極間隔をサポートする。WESPの通常のコロナ動作電流は低い。これは、粒子のための帯電機構を提供するのに加えて、粒子を移動させる電界を提供するのに十分なレベルに設定される。
【0051】
例えば、態様は、スクレーパーの形態の浄化デバイスを設けることが、さもなければ水洗浄堰と絶縁体表面との間のWESPの部分に蓄積する可能性のある粒子状物質の除去を容易にすることを認識している。このような微粒子の蓄積が除去されない場合、WESPの動作電圧でバックコロナ又はアーク放電が発生する可能性があることが観察されている。態様は、WESPの付属構成要素を含むいくつかの構成要素が、粒子状物質の蓄積を取り除くか又は除去するためにラッピングすることができないことを認識している。このことは、微粒子が湿潤している可能性があり、結果としてこのような方法で容易に取り除くこと又は除去することができないWESPに特に当てはまる。WESP内で連続的に又は定期的に移動できる移動浄化部を設けることは、微粒子の蓄積を回避するのを助けることができる。WESPの動作ゾーン内に付加的なデバイス又は構成要素を設けることは、さらなるデブリの蓄積を引き起こすかもしれないと直感的に考えられるが、細いワイヤ状の機械的スクレーパーを移動体に設けることで、スクレーパーは、何らかの微粒子の蓄積物を除去し、さらにそれ自体に又は削り取られた付属構成要素に粒子状物質が蓄積するのを防ぐことができることが分かっている。換言すれば、記載された浄化デバイスは、WESP内の望ましくない電気経路をもたらす可能性がある蓄積が発生するのを、ある程度まで軽減するのを助けることができる。
【0052】
記載された構成によれば、絶縁体とWESPの水浄化セクションとの間の界面が除去される。換言すれば、除去されることになる付属構成要素は、それ自体が絶縁体ではない構成要素で構成され、接地されているが洗浄されていない可能性がある。態様は、洗浄又はラッピングすることができないWESPの付属部分上で発生する可能性のある蓄積物を除去する機構を提供する。
【0053】
いくつかの記載された実装形態において、浄化デバイスは、WESPの主動作の一部を既に形成している接線方向の水流で作動し、浄化デバイスによって除去された何らかのデブリは、WESPの主動作の一部を既に形成している接線方向の水流によって洗い流すことができることを理解されたい。従って、取り除かれた又は浄化された粒子状物質のための追加の捕集ホッパーは必要がない。さらに、浄化デバイスに適切な構成要素を設けることで、WESPの堰を越える水の逃がしをサポートすることができる。図示の構成では、安定化支持体230は、浄化デバイスを水平にするように動作し、それによって浄化デバイスの移動に対する抵抗を低減し、デバイスがWESPの周囲の周りを滑らかに動くのを助けるが、水が堰を超えて均等に逃げるのを助ける経路を提供するようにも機能する。
【0054】
本明細書では、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に開示してきたが、本発明は、正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって種々の変更及び修正を行なうことができることが理解される。
【符号の説明】
【0055】
10 電気集塵機
20 ハウジング
30 内側集塵電極
32 内側集塵電極の内面
34 水堰リップ
36 内側集塵電極の外面
40 外側集塵電極
50 放電電極ケージ
60 機械的結合手段
62 結合軸
64 絶縁要素
65 絶縁要素の環状プレート
66 ガード又はバリア
67 ガード又はバリアの外面
70 放電電極軸
80 環状軸支持体
90 軸歯
100 空洞
110 給水部
120 給水プレート
124 給水プレートバッフル
126 水プレート流路
128 水プレート出口
200 除去デバイス
210 除去デバイス本体
215 成形ノーズ
220 スクレーパー
225 スクレーパー支持体
230 安定化支持体
300 除去デバイス
310 除去デバイス本体
320 スクレーパー
330 歯車
334 歯の歯付き内輪
336 歯の滑らかな外輪
340 駆動歯
350 駆動軸
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付属構成要素の浄化デバイスを備える湿式電気集塵機であって、前記浄化デバイスは、 前記湿式電気集塵機内で移動可能及び支持可能であり、スクレーパーを備える浄化組立体、
を備え、
前記スクレーパーは、前記湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するように構成可能であり、前記湿式電気集塵機内での前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素に対する前記スクレーパーの移動を引き起こすようになっており、
前記付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、前記湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える、湿式電気集塵機。
【請求項2】
前記
湿式電気集塵機内の前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素の表面又は縁部に沿った前記スクレーパーの移動を引き起こす、請求項1に記載の湿式電気集塵機。
【請求項3】
前記スクレーパーは、狭くて細長い要素を含む、請求項1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項4】
前記スクレーパーは、ワイヤを含む、請求項
1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項5】
前記スクレーパーは、電気的に接地可能である、請求項
1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項6】
前記スクレーパーと付属構成要素との間の接触は、前記スクレーパーの電気的接地を引き起こす、請求項5に記載の湿式電気集塵機。
【請求項7】
前記浄化デバイスは、前記付属構成要素に対して前記浄化組立体を移動させるように構成されたモーターに結合されている、請求項
1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項8】
前記浄化デバイスは、前記
湿式電気集塵機内に配置されており、前記浄化組立体は、浄化流体の流れによって運ばれ、前記浄化組立体が前記付属構成要素に対して移動するようになっている、請求項
1又は2に記載の湿式電気集塵機。
【請求項9】
前記浄化流体は、前記
湿式電気集塵
機の少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された水の流れを含む、請求項8に記載の湿式電気集塵機。
【請求項10】
前記浄化流体は、前記
湿式電気集塵
機内の少なくとも1つの集塵電極面を浄化するように構成された連続した又はパルス状のガスの流れを含む、請求項8に記載の湿式電気集塵機。
【請求項11】
湿式電気集塵機の付属構成要素を浄化する方法であって、
スクレーパーを含む浄化組立体を備える浄化デバイスを提供するステップと、
前記湿式電気集塵機内に移動可能に支持された前記浄化デバイスの前記浄化組立体を配置するステップと、
前記湿式電気集塵機の付属構成要素に当接するようにスクレーパーを構成するステップと、
を含み、
前記湿式電気集塵機内の前記浄化組立体の移動は、前記付属構成要素に対する前記スクレーパーの移動を引き起こすようになっており、
前記付属構成要素は、放電電極と集塵電極との間の電気的絶縁を維持するために、前記湿式電気集塵機内に設けられた分離組立体の構成要素を備える、方法。
【国際調査報告】