(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】航空機用係止装置
(51)【国際特許分類】
B64U 70/99 20230101AFI20240705BHJP
B64U 60/50 20230101ALI20240705BHJP
【FI】
B64U70/99
B64U60/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024503923
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 IB2022056801
(87)【国際公開番号】W WO2023002451
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102022000015168
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】バグリオーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】リバウド,マウリツィオ
(57)【要約】
【要約】 支持面(S)に固定されるのに適応した本体(2)と、第1角度位置(θ1)と第2角度位置(θ3)との間で回転軸線(I)について互いに対して回転可能な第1リング(3)及び第2リング(4)とを具備する航空機用の係止装置(1)が記載される。第1及び第2リング(3,4)は、航空機の着陸の為のエリア(6)を包囲し、本体(2)内に包含される。係止装置は、第1リング(3)を第2リング(4)に接続する複数のケーブル(5)も具備する。係止装置(1)は、第1及び第2リング(3,4)が第1角度位置(θ1)にあってケーブル(5)がエリア(6)から離間している非係止位置、あるいは、航空機との接触状態で協働して支持面(S)に対して航空機を拘束するように第1及び第2リング(3,4)が第2角度位置(θ3)にあってケーブル(5)がエリア(6)の一領域(63)に所在する係止位置に位置決め可能である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)用の係止装置(1)であって、
支持面(S)に固定されるのに適応した本体(2)と、
第1角度位置(θ1)と第2角度位置(θ3)との間で第1回転軸線(I)について互いに対して回転可能であるとともに、前記第1回転軸線(I)と平行に互いに重ね合わされる第1リング(3)及び第2リング(4)であって、前記航空機(100)の着陸の為のエリア(6)を包囲して前記本体(2)内に包含される第1及び第2リング(3,4)と、
各々が前記第1リング(3)を前記第2リング(4)に操作可能な方式で接続する複数のケーブル(5)と、
を具備し、
前記第1及び第2リング(3,4)は前記第1角度位置(θ1)にあって前記ケーブル(5)が前記エリア(6)から離間している非係止位置、あるいは
前記第1及び第2リング(3,4)は前記第2角度位置(θ3)にあって前記ケーブル(5)が前記エリア(6)の一領域(63)に所在する係止位置、
に位置決め可能である係止装置(1)であり、
前記ケーブル(5)は、前記係止位置において前記航空機(100)との接触状態で協働して前記航空機を前記支持面(S)に対して拘束するのに適応している、
係止装置。
【請求項2】
前記第1及び第2リング(3,4)は互いに同心であって、前記回転軸線(I)に直交する平面において円形断面を有し、
前記領域(63)は、前記係止装置(1)の前記幾何学的中心(O)に対してセンタリングされた円環の形状を有する、
請求項1に記載の係止装置。
【請求項3】
前記本体(2)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数のグロメット要素(7)を具備し、
前記ケーブル(5)の各々は、
前記第1リング(3)に固定される第1端部(5a)と、
前記第2リング(4)に固定される、前記第1端部(5a)の反対側の第2端部(5b)と、
前記第1端部(5a)と前記第2端部(5b)との間に延在する中間部分(5c)と、
を具備し、
前記ケーブル(5)の各々は、それぞれのグロメット要素(7)を通り、使用時に、前記第1リング(3)が前記第2リング(4)に対して回転する時、また、前記第2リング(4)が前記第1リング(3)に対して回転する時に、前記それぞれのグロメット要素(7)を介して摺動可能である、
請求項1又は2に記載の係止装置。
【請求項4】
前記ケーブル(5)の各々の前記中間部分(5c)は、
前記第1リング(3)の内側に延在する第1区分(51)と、
前記第1及び第2リング(3,4)の外側に延在する第2区分(52)と、
前記第2リング(4)の内側に延在する第3区分(53)と、
を順に具備し、
前記第1リング(3)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数の第1孔(20)を具備し、前記第2リング(4)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数の第2孔(21)を具備し、前記ケーブル(5)の各々は、それぞれの第1孔(20)とそれぞれの第2孔(21)とを通過し、
前記第2区分(52)は、
前記それぞれの第2孔(21)と前記それぞれのグロメット要素(7)との間に含まれる第1部分(52a)と、
前記それぞれのグロメット要素(7)と前記それぞれの第1孔(20)との間に含まれる第2部分(52b)と、
を順に具備し、
使用時に、前記非係止位置から前記係止位置への係止装置(1)のシフト中に、前記ケーブル(5)の前記第1部分(52a)の延在範囲が減少して前記第2部分(52b)の延在範囲が徐々に増加する、
請求項3に記載の係止装置。
【請求項5】
使用時に前記第1及び第2リング(3,4)が前記第1角度位置(θ1)にある時に、前記ケーブル(5)の前記第2区分(52)が前記第1回転軸線(I)の反対側において前記第1及び第2リング(3,4)と直接接触して配置される、請求項4による係止装置。
【請求項6】
前記第1及び第2リング(3,4)の間に相対回転を引き起こすのに適応した起動手段(30)をさらに具備し、
前記起動手段(30)は、前記第1リング(30)又は前記第2リング(4)に選択的かつ操作可能に接続可能であって、前記第1回転軸線(I)を中心として、前記第2リング(4)に対する前記第1リング(3)の回転、また前記第1リング(3)に対する前記第2リング(4)の回転をそれぞれ引き起こす、
請求項1から5のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項7】
前記起動手段(30)は、
少なくとも一つのモータ(31)と、
第2回転軸線(M)を中心に回転可能であり、前記第1リング(3)と接触して配置される少なくとも一つの第1駆動プーリ(32)と、
第3回転軸線(N)を中心に回転可能であり、前記第2リング(4)と接触して配置される少なくとも一つの第2駆動プーリ(33)と、
を具備し、
前記モータ(31)は、前記第1プーリ(32)又は前記第2プーリ(33)と選択的かつ操作可能に接続可能であり、前記第1回転軸線(I)を中心として、前記第2リング(4)に対する前記第1リング(3)の回転、また、前記第1リング(3)に対する前記第2リング(4)の回転をそれぞれ引き起こす、
請求項6に記載の係止装置。
【請求項8】
前記第1リング(3)と前記第2リング(4)とは炭素で作られる、及び/又は、前記ケーブル(5)は超高分子量ポリエチレンで作られる、請求項1から7のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項9】
前記第1回転軸線(I)と平行、かつ前記第1リング(3)と接触して、それぞれの第4回転軸線を中心に前記本体(2)に対して空転方式で回転可能な第1ローラ(37)と、
前記第1回転軸線(I)と平行、かつ前記第2リング(4)と接触して、それぞれの第5回転軸線を中心に前記本体(2)に対して空転方式で回転可能な第2ローラ(38)と、
を具備して、
前記第1及び第2ローラ(37,38)は、前記第1回転軸線(I)を中心として前記第1及び第2リング(3,4)の回転をそれぞれ案内するとともに、前記本体(2)に対して前記リングを支持するのに適応している、
請求項1から8のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項10】
前記本体(2)は、
前記第1回転軸線(I)についての径方向内壁部(2a)と、
前記第1回転軸線(I)についての径方向外壁部(2b)と、
前記支持面(S)と対向するか、直接接触状態となるのに適応した底壁部2cと、
前記第1回転軸線(I)に沿って前記底面(2c)の反対側にある覆壁部(2d)と、
を具備し、
前記底壁部(2c)は平坦であり、前記第1回転軸線(I)について径方向に前記径方向内壁部(2a)と前記径方向外壁部(2b)との間に延在し、
前記覆壁部(2d)は、前記第1回転軸線(I)について径方向に前記径方向外壁部(2b)から前記径方向内壁部(2a)に向かって片持ち梁状に延在して、前記第1回転軸線(I)と平行に前記径方向内壁部(2a)から離間しており、
前記本体(2)はさらに、前記径方向内壁部(2a)から前記径方向外壁部(2b)に向かって片持ち梁状に延在するフラップ(2e)を具備する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の係止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2021年7月23日出願の欧州特許出願第21425037.5号と、2022年7月19日出願のイタリア特許出願第102022000015168号との優先権を主張し、これらの開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、支持面における航空機用の係止装置に関する。特に本発明は、ドローン用の係止装置に、排他的ではないが好適な用途を有する。
【背景技術】
【0003】
軍用と民用の両方の様々なタイプの用途でのドローンの使用は、充分に確立されている。これらの用途の幾つかでは、過酷な環境下及び/又は悪天候条件の存在下でドローンが作動することが必要である。それゆえ、着陸時には、ドローンが効果的に超短時間で固定されて、着陸面から望ましくない形で離れることと損傷を受けることとが防止される。
【0004】
ドローンが船舶の甲板に着陸するケースでは特に、この必要性が痛感される。実際に、このケースでドローンを固定する作業は、船舶自体が動いているか、いずれにしても外海という環境条件にさらされるという事実により、複雑である。
【0005】
それゆえ、着陸時に迅速かつ確実にドローンを支持面に係止する必要性がこの分野では痛感されている。
【0006】
同時に、必要時にはドローンが迅速かつ効率的に飛行を再開できることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の必要性のうち少なくとも一つの必要性を単純かつ経済的な手法で満たし得る航空機用係止装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、請求項1に規定された係止装置に関しているがゆえに、本発明により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のより深い理解の為の実施形態が以下に記載され、添付図面を参照して非限定的な例として提示される。
【
図1A】本発明による係止装置の、斜視断面を含む斜視図である。
【
図2】明瞭性の為に部品が除去された、第1作動位置における
図1Aの係止装置の概略斜視図である。
【
図3A】第1作動位置における係止装置のそれぞれの細部(
図2のIIIA)の斜視図である。
【
図3B】第1作動位置における係止装置のそれぞれの細部(
図2のIIIB)の斜視図である。
【
図4】明瞭性の為に部品が除去された、第1作動位置における
図1Aの係止装置の部分的斜視図である。
【
図5A】明瞭性の為に部品が除去された、第2作動位置における
図1Aの係止装置の斜視図である。
【
図5B】明瞭性の為に部品が除去された、
図5Aの係止装置の概略斜視図である。
【
図6】第2作動位置における
図1Aの係止装置の上面図である。
【
図7A】明瞭性の為に部品が除去された、第3作動位置における
図1Aの係止装置の斜視図である。
【
図7B】明瞭性の為に部品が除去された、
図7Aの係止装置の概略斜視図である。
【
図8A】第3作動位置における係止装置のそれぞれの細部(
図7BのVIIIA)の斜視図である。
【
図8B】第3作動位置における係止装置のそれぞれの細部(
図7BのVIIIB)の斜視図である。
【
図8C】第3作動位置における係止装置のそれぞれの細部(
図7BのVIIIC)の斜視図である。
【
図9】第3作動位置における
図1Aの係止装置の上面図である。
【
図10】ドローンとの相互作用中における係止装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aを参照すると、数字1は、航空機100、特にドローン用の係止装置を指す。係止装置1は、支持面S、例えば船舶の甲板でのドローン100の着陸終了時にドローン100を支持面Sと一体化する為に、支持面Sに固定されるのに適応している。
【0011】
係止装置1は、
支持面Sに固定されるのに適応した本体2と、
角度位置θ1(
図1A~4)と角度位置θ3(
図7A,7B,8)との間において回転軸線Iについて互いに自動的に回転可能であって、回転軸線Iと平行に互いに重ね合わされるリング3及びリング4と、
各々がリング3をリング4に操作可能な方式で接続する複数のケーブル5と、
を具備する。
【0012】
リング3及び4は、本体2内に包含される(
図1B)。詳しく記すと、リング3及び4は本体2に対して移動可能であり、回転軸線Iを中心とした回転中には完全に本体2の内側にある。
【0013】
好ましくは、角度位置θ1と角度位置θ3との間でのリング3及び4の相対回転は180°より小さい角度に相当する。図示される実施形態において、角度位置θ1と角度位置θ3との間でのリング3及び4の相対回転は165°の角度に相当する。
【0014】
回転軸線Iにより規定される係止装置1の方向Zを規定することが可能である。係止装置1が支持面Sに固定された時に、この方向Zは支持面Sに垂直に方向づけされる。
【0015】
リング3及び4は、ドローン100の着陸の為のエリア6を包囲する。詳しく記すと、係止装置1は、ドローン100がエリア6に配置されて方向Zに沿った係止装置1の延在範囲の少なくとも一部に所在する時にドローンと相互作用するのに適応している。より詳しく記すと、ドローン100が支持面Sとまだ接触してないので、係止装置1はドローンと相互作用するのに適応している。好ましくは、エリア6は、数十平方メートル程度、例えば25m2の延在範囲を有する。
【0016】
係止装置1は、
リング3及び4が角度位置θ1にあってケーブル5がエリア6から離間している非係止位置(
図1A)、あるいは、
リング3及び4が角度位置θ3にあってケーブル5がエリア6の領域63に所在している係止位置(
図9)、
に位置決め可能である。
【0017】
係止位置において、ケーブル5はドローン100と接触状態で協働し、ドローンを支持面Sに対して拘束するのに適応している。特に、係止位置で、ケーブル5はドローン100を完全に囲繞して、ドローン100の外面にスロットル作用を加えるのに適応している。逆に、非係止位置において、ケーブル5は、ドローン100から離間して、支持面Sに対するドローンの移動を許容するのに適応している。
【0018】
より詳細に記すと、ドローン100が完全にエリア6内に位置決めされて係止装置1が係止位置にある時に、ケーブル5は、ドローンの移動を制限する力のシステムをドローン100に加えるのに適応している。これらの力の接線成分は自動センタリング機能を有する、つまり、エリア6の周縁領域にドローン100が着陸する時に係止装置1の幾何学的中心Oへドローン100をシフトさせるようなものである。
【0019】
ケーブル5によりドローン100に加えられる力は、垂直成分も有する、つまり軸線Iと平行な方向を持つ。この垂直成分は、ケーブル5とドローン100との間の摩擦とともに、ドローン100の形態によるものである。より詳細に記すと、
図10に示されているように、ケーブル5はドローン100の着陸スキッド101と相互作用するのに適応している。
【0020】
角度位置θ1から角度位置θ3へ方向づけされる回転方向においてリング3及び4が互いに対して回転する際に、ケーブル5によりドローン100に加えられる力の強度はさらに上昇する。
【0021】
好ましくは、ケーブル5は超高分子量ポリエチレンで製作され得る。
【0022】
図示される実施形態において、リング3及び4は、回転軸線Iに直交する平面において円形断面を有する。
【0023】
リング3及び4は、回転軸線Iと平行に互いに同心である。より詳しく記すと、リング3及び4は、相互に回転軸線Iと一致する軸線J及び軸線Kをそれぞれ規定する。
【0024】
図1Aに示されているように、リング4は、リング3より支持面Sに近い。同時に、リング3及び4は方向Zと平行に互いに離間している。
【0025】
好ましくは、さらに、リング3及び4は互いに同一である。
【0026】
図1Cに示されているように、リング3及び4は管形タイプである。具体的に記すと、回転軸線Iを通る平面(例えば
図1Aの平面Ia)によるリング3及び4の断面は、
湾曲部分3a,4aと、
平坦部分3b,4bと、
平坦部分3c,4cと、
を具備する(
図1C)。
【0027】
詳しく記すと、平坦部分3bは平坦部分3cに隣接して、平坦部分4bは平坦部分4cに隣接する。また、湾曲部分3a,4aは回転軸線Iに対向し、平坦部分3b及び4bは互いに対向し、平坦部分3c及び4cはそれぞれの湾曲部分3a,4aについて回転軸線Iと反対側にある。
【0028】
また、好ましくは、平坦部分3b及び4bは方向Zに垂直か、又は実質的に垂直な方向を持ち、平坦部分3c及び4cは方向Zと平行又は実質的に平行な方向を持つ。
【0029】
言い換えると、回転軸線Iを通る平面によるリング3及び4の断面は、涙滴形状を有する。
【0030】
好ましくは、リング3及び4は炭素で製作される。
【0031】
また本体2は、回転軸線Iに垂直な平面において円環形状を有し、リング3及び4と同心である(
図1A)。詳しく記すと、本体2は、
円筒形状である、回転軸線Iに対する径方向内壁部2aと、
やはり円筒形状である、回転軸線Iに対する径方向外壁部2bと、
支持面Sと対向するか、又は直接接触するのに適応した底壁部2cと、
回転軸線Iに沿って底面2cの反対側の覆壁部2dと、
を具備する(
図1C)。
【0032】
底壁部2cは平坦であり、回転軸線Iについて径方向に径方向内壁部2aと径方向外壁部2bとの間に延在する。
【0033】
覆壁部2dは、回転軸線Iについて径方向に径方向外壁部2bから径方向内壁部2aに向かって片持ち梁状に延在する。特に、覆壁部2dは径方向内壁部2aと径方向外壁部2bとの間で径方向距離全体に延在するが、方向Zと平行に径方向内壁部2aから離間している。
【0034】
本体2はさらに、径方向内壁部2aから径方向外壁部2bに向かって片持ち梁状に延在するフラップ2eを具備する。
【0035】
言い換えると、回転軸線Iを通る平面における本体2の断面はGの形状を有する(
図1C)。
【0036】
本体2は、回転軸線Iについて周方向に互いに離間している複数のグロメット要素7を具備する。グロメット要素7は支持面Sに固定される本体2の一部であるので、グロメット要素7は支持面Sに対して固定される。
【0037】
グロメット要素7は、リング3及び4と対向する本体2の表面に配置される。より詳しく記すと、グロメット要素7は、径方向外壁部2bにおいて、径方向内壁部2aと対向するこの径方向外壁部2bの表面に配置される(
図1C)。
【0038】
図示の実施形態において、各グロメット要素7は、それぞれのケーブル5が摺動通過するのに適応したリングを具備する。
【0039】
以下では、係止装置1の作動位置の各々においてケーブル5の構造及び配置は全てのケーブル5について同じであるので、一つのケーブル5のみに言及する。
図2,3A,3B,5A,5b,7A,7B,8A,8B,8Cでは明瞭性を目的として一つのケーブル5のみが示されていることに留意すべきである。しかしながら、上記の図に示されている係止装置1は複数のケーブル5を具備するものとして理解すべきである。
【0040】
ケーブル5は、
リング3に固定される端部5a(
図3A)と、
端部5aと反対側にあってリング4に固定される端部5b(
図3B)と、
端部5aと端部5bとの間に延在する中間部分5cと、
を具備する。
【0041】
図示される実施形態において、ケーブル5は、一部がリング3の内側に、一部がリング4の内側に、そして一部がリング3及び4の外側に延在する。
【0042】
詳しく記すと、リング3は複数の孔20を具備し、それぞれのケーブル5がそれらの各々を通過する(
図3A)。孔20は、軸線Jについて周方向に互いに離間しており、リング4の反対側で湾曲部分3aに設けられる(
図1C)。好ましくは、方向Zと平行に孔20が底壁部2cについてグロメット要素7と同じ高さに配置される。
【0043】
同様に、リング4は複数の孔21を具備し、それぞれのケーブル5がそれらの各々を通過する(
図3B)。孔21は軸線Kについて周方向に互いに離間しており、リング3の反対側で湾曲部分4aに設けられる(
図1C)。
【0044】
各ケーブル5の中間部分5cは、
リング3の内側に延在する第1区分51と、
リング3及び4の外側に延在する第2区分52と、
リング4の内側に延在する第3区分53と、
を順に具備する。
【0045】
具体的に記すと、端部5aは平坦部分3bでリング3に固定される。詳しく記すと、端部5aはリング3の内側において方向Zと平行に孔20と整合された平坦部分3bの領域に固定される。
【0046】
第1区分51は、端部5aと関連の孔20との間に延在する。詳しく記すと、第1区分51は方向Zと平行又は実質的に平行である。
【0047】
同様に、端部5bは平坦部分4bでリング4に固定される。詳しく記すと、端部5bはリング4の内側において方向Zと平行に孔21と整合された平坦部分4bの領域に固定される。
【0048】
第3区分53は端部5bと関連の孔21との間に延在する。詳しく記すと、第1区分53は方向Zと平行又は実質的に平行である。
【0049】
第2区分52の方向づけ及び位置決めは、リング3及び4間の相対角度位置に依存する。区分52は、
それぞれの孔21とそれぞれのグロメット要素7との間に含まれる部分52aと、
それぞれのグロメット要素7と関連の孔20との間に含まれる部分52bと、
を順に具備する。
【0050】
図4に示されているように、リング3及び4が角度位置θ1にある時に、全てのケーブル5の第2区分52は、回転軸線Iの反対側でリング3及び4と直接接触して配置される。結果的に、ケーブル5はエリア6から離間し、エリア6はドローン100の着陸のために充分に使用可能である。
【0051】
リング3及び4が角度位置θ3にある時に、各孔21は方向Zと平行にそれぞれのグロメット要素7と整合され(
図8a及び8b)、第2区分52は径方向内壁部2aにより画定される円周のそれぞれの弦を規定する(
図7A及び7B)。特に、部分52aは方向Zと平行に孔21とそれぞれのグロメット要素7との間に延在し(
図8A及び8B)、部分52bは領域63に所在する。ケーブル5の配置により、領域63は円環の形状を有して、係止装置1の幾何学的中心Oに対してセンタリングされる(
図9)。
【0052】
加えて、領域63により規定される部分52bは互いに同一平面上又は実質的に同一平面上にあり、回転軸線Iに直交して配置される。
【0053】
図5A,5B,6は、角度位置θ1及びθ3の中間にある角度位置θ2でのリング3及び4を示す。
【0054】
角度位置θ2でも、第2区分52は、径方向内壁部2aにより画定される円周のそれぞれの弦を規定する。しかしながら、各孔21は周方向においてそれぞれのグロメット要素7から離間している、つまり孔21を通過するのと同じケーブル5がグロメット要素7を通過する。
【0055】
詳しく記すと、リング3及び4が角度位置θ2にある時に、部分52aは、リング3及び4の角度セクタに沿って回転軸線Iの反対側でリング3及び4と当接し、部分52bはエリア6に延在する(
図5B)。結果的に、リング3及び4が角度位置θ2にある時(
図5A)のエリア6での部分52bの延在範囲は、リング3及び4が角度位置θ3にある時(
図7A)のエリア6での部分52bの延在範囲より小さい。
【0056】
リング3及び4が角度位置θ2にある時には、円環の形状を有して幾何学的中心Oに対してセンタリングされたエリア6の領域62に第2区分52が所在する(
図6)。特に、領域62は領域63より小さい延在範囲を有する。
【0057】
角度位置θ2におけるリング3及び4は、エリア6に所在するドローン100の寸法に応じて係止装置1の係止又は非係止位置を規定し得る。
【0058】
係止装置1はさらに、リング3及び4の間に相対回転を引き起こすのに適応した起動手段30を具備する(
図1A)。この起動手段30はリング3又はリング4に選択方式で操作可能に接続可能であり、回転軸線Iを中心としてリング4に対するリング3の回転、またリング3に対するリング4の回転をそれぞれ引き起こす。
【0059】
図1B及び1Cに示されているように、起動手段30は、
好ましくは電気タイプのモータ31と、
回転軸線Mを中心に回転可能であり、リング3と接触して配置されるクラッチプーリ32と、
回転軸線Nを中心に回転可能であり、リング4と接触して配置されるクラッチプーリ33と、
を具備する。
【0060】
特に、回転軸線Mでのプーリ32の回転は回転軸線Iでのリング3の回転を引き起こし、回転軸線Nでのプーリ33の回転は回転軸線Iでのリング4の回転を引き起こす。
【0061】
モータ31は、プーリ32又はプーリ33に選択方式で操作可能に接続可能であって、リング3又はリング4の回転をそれぞれ引き起こす。
【0062】
図のケースで、プーリ32及び33は本体2により支えられ、本体に対して回転可能である(
図1C)。詳しく記すと、プーリ32はフラップ2eにより支えられ、プーリ33は底壁部2cにより支えられる。
【0063】
加えて、プーリ32及び33は方向Zと平行に互いに整合される。より詳細に記すと、回転軸線M及びNは互いに一致しており回転軸線Iと平行である(
図1C)。
【0064】
プーリ32及び33はさらに、回転軸線Iに対して径方向にリング3及び4と径方向内壁部2aとの間に介在される。
【0065】
プーリ32,33はそれぞれの軸線M及びNに対する軸対称体であり、それぞれの径方向外面32a,33aを各々が具備する。径方向外面32a,33aはそれぞれリング3及びリング4との接触状態にある。
【0066】
径方向外面32a及び33aは、リング3及び4の外部形状に対応する形状、つまり球形又は実質的に球形で凹形状を有する。具体的に記すと、径方向外面32a及び33aはそれぞれ湾曲部分3a及び湾曲部分4aと協働する。
【0067】
起動手段30はさらに、
モータ31から出る駆動シャフトに直接的に締結される駆動プーリ34と、
プーリ32又はプーリ33と操作可能な方式で選択的に接続される従動プーリ35と、
プーリ34及びプーリ35に巻かれるベルト36と、
を具備する(
図1B及び1C)。
【0068】
係止装置1はさらに、回転軸線Iと平行、かつリング3と接触して、それぞれの回転軸線を中心に空転可能な複数のローラ37と、回転軸線Iと平行、かつリング4と接触して、それぞれの回転軸線でやはり空転可能な複数のローラ38とを具備する。
【0069】
ローラ37及び38は本体2により支えられ、回転軸線Iについて径方向にリング3及び4と径方向内壁部2aとの間に介在される。ローラ37及び38は、回転軸線Iを中心にしてリング3及び4の回転をそれぞれ案内する。
【0070】
好ましくは、各ローラ37の回転軸線は、それぞれのローラ38の回転軸線と一致する。
【0071】
図示される実施形態において、ローラ37及び38はクラッチプーリ32及び33と同一である。
【0072】
特に、プーリ32とローラ37とは、本体2に対する回転軸線Iを中心に回転可能方式でリング3を支持し、プーリ33とローラ38とは、本体2に対する回転軸線Iを中心に回転可能方式でリング4を支持する。
【0073】
好ましくは、クラッチプーリ32,33とローラ37,38とはポリオキシメチレンで製作される。
【0074】
モータ31は、電力源、例えば配電網又は係止装置1が設置された船舶の発電機に電気接続される。加えて、係止装置1は、モータ31に電気接続されるバックアップバッテリを具備し得る。
【0075】
係止装置1は、係止装置1自体を支持面Sに拘束するのに適応した固定手段―不図示―も具備する。好ましくは、固定手段は解除可能、つまり非永続タイプのものである。
【0076】
例として、係止装置1は、支持面Sにねじ結合可能であって回転軸線Iに対して互いに120°に配置される三つの支持体を本体2に具備する。
【0077】
係止装置1は、例えば起動手段30の故障の場合に、非係止位置への係止装置1自体のシフトを許容するのに適応した手動解除システム―不図示―も具備する。
【0078】
係止装置1はさらに、係止装置1が係止位置にあってドローン100と係合しているかどうか、あるいはエラーが存在するかどうかを示すのに適応した着色光インジケータ―不図示―を具備し得る。
【0079】
係止装置1が非係止位置にあってドローン100がエリア6に着陸しようとしている状態から始めて、係止装置1の動作が以下に記載される。
【0080】
非係止位置において、リング3及び4は角度位置θ1にあって、ケーブル5はエリア6の反対側でリング3及び4と接触して配置される(
図1A~4)。結果的に、エリア6は開放され、ドローン100の受け入れ準備状態である。
【0081】
ドローン100がエリア6に着陸した時に、ユーザは係止位置へシフトするように係止装置1に命令する。結果的に、リング3及び4は自動的に互いに対して回転し、角度位置θ2を経て角度位置θ3へシフトする。特に、リング3は軸線Iを中心に時計方向回転を受ける。
【0082】
リング3及び4の間での相対回転中に、各端部5bは、固定されたそれぞれのグロメット要素7の近くへ周方向に移動するのに対して、各端部5aはそれぞれのグロメット要素7から離れて周方向に移動する。より詳しく記すと、回転中に、各ケーブル5はそれぞれのグロメット要素7内で摺動し、部分52aは短縮され、部分52bは徐々に伸長する。
【0083】
回転終了時に、ケーブル5は領域63を規定し、ドローン100の周りに張られ、ドローンを係止して支持面Sと一体化させる。
【0084】
ドローン100がエリア6からの離陸準備状態になると、ユーザは、非係止位置へシフトするように係止装置1に命令する。結果的に、リング3及び4が互いに対して回転して角度位置θ1へ戻る。特に、リング4は、軸線Iでの反時計方向回転で駆動される。
【0085】
本発明による係止装置1の特徴を検討すると、これにより得られる利点は自明である。
【0086】
特に、単にリング3及び4を互いに対して回転することにより非係止装置1が非係止位置から係止位置へシフトし得るので、ドローン100は着陸時に迅速かつ確実に係止され得る。同時に、非係止装置1によりドローン100は迅速かつ効率的に飛行を再開できる。
【0087】
幾何学的中心Oに対してセンタリングされた円環の形状を領域63が有するので、ケーブル5は自動センタリング作用をドローン100に加える、すなわち、幾何学的中心Oへドローンをシフトさせようとする。ドローン100がエリア6の周縁領域に着陸しそうな場合には、これは特に有益である。それゆえ、係止装置1により、エリア6のいかなる地点に、潜在的にいかなる配向で着陸したドローン100効果的に係止できる。
【0088】
起動手段30はリング3又はリング4に選択的かつ操作可能に接続可能であるので、回転軸線Iに対して両方のリング3,4を同時に回転させることを必要とせずに二つのリング3,4の相対回転を得ることが可能である。
【0089】
リング3及び4は炭素で製作されるので、係止装置1の総重量が制限され得る。
【0090】
クレーム記載の本体2の形態ゆえに、非係止位置と係止位置との間での係止装置1のシフト中のケーブル5のシフトが促進され、ケーブル5と本体2との間の摩擦が最小化される。
【0091】
最後に、本明細書に記載及び図示された係止装置1への修正及び変形が可能であって、これにより請求項に規定された保護範囲を逸脱しないことは明白である。
【0092】
ドローン以外の航空機、例えばヘリコプター又は転換式航空機を係止するのに、係止装置1が使用され得る。
【0093】
特に、起動手段30は、回転軸線Iでのそれぞれ反対の回転方向でのリング3及び4の同時回転を達成するのに適応し得る。
【0094】
起動手段30は一を超えるモータ31を具備し得る。さらに、モータ31とプーリ32及び33との間での運動の伝達は、ベルト36以外の伝達手段を通して達成され得る。
【符号の説明】
【0095】
1 係止装置
2 本体
2a 内壁部
2b 外壁部
2c 底壁部
2d 覆壁部
2e フラップ
3 第1リング
3a 湾曲部分
3b 平坦部分
3c 平坦部分
4 第2リング
4a 湾曲部分
4b 平坦部分
4c 平坦部分
5 ケーブル
5a 第1端部
5b 第2端部
5c 中間部分
6 エリア
7 グロメット要素
20 第1孔
21 第2孔
30 起動手段
31 モータ
32 第1駆動プーリ/クラッチプーリ
32a 外面
33 第2駆動プーリ/クラッチプーリ
33a 外面
34 駆動プーリ
35 従動プーリ
36 ベルト
37 第1ローラ
38 第2ローラ
51 第1区分
52 第2区分
52a 第1部分
52b 第2部分
53 第3区分
62 領域
63 領域
100 航空機/ドローン
101 着陸スキッド
I 第1回転軸線
J リング3の回転軸線
K リング4の回転軸線
Ia 平面
M 第1駆動プーリの回転軸線
N 第2駆動プーリの回転軸線
O 幾何学的中心
S 支持面
Z 方向
θ1 第1角度位置
θ2 第1角度位置と第2角度位置との間の位置
θ3 第2角度位置
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)用の係止装置(1)であって、
支持面(S)に固定されるのに適応した本体(2)と、
第1角度位置(θ1)と第2角度位置(θ3)との間で第1回転軸線(I)について互いに対して回転可能であるとともに、前記第1回転軸線(I)と平行に互いに重ね合わされる第1リング(3)及び第2リング(4)であって、前記航空機(100)の着陸の為のエリア(6)を包囲して前記本体(2)内に包含される第1及び第2リング(3,4)と、
各々が前記第1リング(3)を前記第2リング(4)に操作可能な方式で接続する複数のケーブル(5)と、
を具備し、
前記第1及び第2リング(3,4)は前記第1角度位置(θ1)にあって前記ケーブル(5)が前記エリア(6)から離間している非係止位置、
および
前記第1及び第2リング(3,4)は前記第2角度位置(θ3)にあって前記ケーブル(5)が前記エリア(6)の一領域(63)に所在する係止位置、
に位置決め可能である係止装置(1)であり、
前記ケーブル(5)は、前記係止位置において前記航空機(100)との接触状態で協働して前記航空機を前記支持面(S)に対して拘束するのに適応している、
係止装置。
【請求項2】
前記第1及び第2リング(3,4)は互いに同心であって、前記回転軸線(I)に直交する平面において円形断面を有し、
前記領域(63)は、前記係止装置(1)の前記幾何学的中心(O)に対してセンタリングされた円環の形状を有する、
請求項1に記載の係止装置。
【請求項3】
前記本体(2)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数のグロメット要素(7)を具備し、
前記ケーブル(5)の各々は、
前記第1リング(3)に固定される第1端部(5a)と、
前記第2リング(4)に固定される、前記第1端部(5a)の反対側の第2端部(5b)と、
前記第1端部(5a)と前記第2端部(5b)との間に延在する中間部分(5c)と、
を具備し、
前記ケーブル(5)の各々は、それぞれのグロメット要素(7)を通り、使用時に、前記第1リング(3)が前記第2リング(4)に対して回転する時、また、前記第2リング(4)が前記第1リング(3)に対して回転する時に、前記それぞれのグロメット要素(7)を介して摺動可能である、
請求項
1に記載の係止装置。
【請求項4】
前記ケーブル(5)の各々の前記中間部分(5c)は、
前記第1リング(3)の内側に延在する第1区分(51)と、
前記第1及び第2リング(3,4)の外側に延在する第2区分(52)と、
前記第2リング(4)の内側に延在する第3区分(53)と、
を順に具備し、
前記第1リング(3)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数の第1孔(20)を具備し、前記第2リング(4)は、前記第1回転軸線(I)に対して周方向に互いに離間している複数の第2孔(21)を具備し、前記ケーブル(5)の各々は、それぞれの第1孔(20)とそれぞれの第2孔(21)とを通過し、
前記第2区分(52)は、
前記それぞれの第2孔(21)と前記それぞれのグロメット要素(7)との間に含まれる第1部分(52a)と、
前記それぞれのグロメット要素(7)と前記それぞれの第1孔(20)との間に含まれる第2部分(52b)と、
を順に具備し、
使用時に、前記非係止位置から前記係止位置への係止装置(1)のシフト中に、前記ケーブル(5)の前記第1部分(52a)の延在範囲が減少して前記第2部分(52b)の延在範囲が徐々に増加する、
請求項3に記載の係止装置。
【請求項5】
使用時に前記第1及び第2リング(3,4)が前記第1角度位置(θ1)にある時に、前記ケーブル(5)の前記第2区分(52)が前記第1回転軸線(I)の反対側において前記第1及び第2リング(3,4)と直接接触して配置される、請求項4による係止装置。
【請求項6】
前記第1及び第2リング(3,4)の間に相対回転を引き起こすのに適応した起動手段(30)をさらに具備し、
前記起動手段(30)は、前記第1リング(30)又は前記第2リング(4)に選択的かつ操作可能に接続可能であって、前記第1回転軸線(I)を中心として、前記第2リング(4)に対する前記第1リング(3)の回転、また前記第1リング(3)に対する前記第2リング(4)の回転をそれぞれ引き起こす、
請求項1から5のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項7】
前記起動手段(30)は、
少なくとも一つのモータ(31)と、
第2回転軸線(M)を中心に回転可能であり、前記第1リング(3)と接触して配置される少なくとも一つの第1駆動プーリ(32)と、
第3回転軸線(N)を中心に回転可能であり、前記第2リング(4)と接触して配置される少なくとも一つの第2駆動プーリ(33)と、
を具備し、
前記モータ(31)は、前記第1プーリ(32)又は前記第2プーリ(33)と選択的かつ操作可能に接続可能であり、前記第1回転軸線(I)を中心として、前記第2リング(4)に対する前記第1リング(3)の回転、また、前記第1リング(3)に対する前記第2リング(4)の回転をそれぞれ引き起こす、
請求項
1から5のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項8】
前記第1リング(3)と前記第2リング(4)とは炭素で作られる、及び/又は、前記ケーブル(5)は超高分子量ポリエチレンで作られる、請求項1から
5のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項9】
前記第1回転軸線(I)と平行、かつ前記第1リング(3)と接触して、それぞれの第4回転軸線を中心に前記本体(2)に対して空転方式で回転可能な第1ローラ(37)と、
前記第1回転軸線(I)と平行、かつ前記第2リング(4)と接触して、それぞれの第5回転軸線を中心に前記本体(2)に対して空転方式で回転可能な第2ローラ(38)と、
を具備して、
前記第1及び第2ローラ(37,38)は、前記第1回転軸線(I)を中心として前記第1及び第2リング(3,4)の回転をそれぞれ案内するとともに、前記本体(2)に対して前記リングを支持するのに適応している、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項10】
前記本体(2)は、
前記第1回転軸線(I)についての径方向内壁部(2a)と、
前記第1回転軸線(I)についての径方向外壁部(2b)と、
前記支持面(S)と対向するか、直接接触状態となるのに適応した底壁部2cと、
前記第1回転軸線(I)に沿って前記底面(2c)の反対側にある覆壁部(2d)と、
を具備し、
前記底壁部(2c)は平坦であり、前記第1回転軸線(I)について径方向に前記径方向内壁部(2a)と前記径方向外壁部(2b)との間に延在し、
前記覆壁部(2d)は、前記第1回転軸線(I)について径方向に前記径方向外壁部(2b)から前記径方向内壁部(2a)に向かって片持ち梁状に延在して、前記第1回転軸線(I)と平行に前記径方向内壁部(2a)から離間しており、
前記本体(2)はさらに、前記径方向内壁部(2a)から前記径方向外壁部(2b)に向かって片持ち梁状に延在するフラップ(2e)を具備する、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の係止装置。
【国際調査報告】