(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】多結晶ダイヤモンド要素を用いたポリマー押出装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 48/345 20190101AFI20240705BHJP
【FI】
B29C48/345
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503985
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022074551
(87)【国際公開番号】W WO2023019080
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】アックマン マイケル ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス エリック アール
(72)【発明者】
【氏名】デリンジャー スティーヴン イー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー スコット ティー
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AJ01
4F207AJ14
4F207KA01
4F207KL52
4F207KL64
(57)【要約】
ポリマー押出用のダイプレートは、ポリマー流を受け入れるための入口面と、1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートを含み得、出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む。ポリマーを押出するためのシステムは、押出機と、押出機の出口に取り付けられたダイプレートであって、(i)ポリマー流を受け入れるための入口面と(ii)1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートと、ダイ出口面の表面に接触してこの表面に沿って摺動し、それによって、ダイ出口面を通して押出された1つ以上のポリマーストランドを切断するように回転するように構成された刃の配列とを含み得、(a)出口面、(b)刃配列、又は(c)出口面及び刃配列のそれぞれは、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー押出用のダイプレートであって、ポリマー流を受け入れるための入口面と、1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートを含み、前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、ダイプレート。
【請求項2】
前記少なくとも1つの要素は、前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するニブを含む、請求項1に記載のダイプレート。
【請求項3】
前記少なくとも1つの要素は、前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定する多孔ニブを含む、請求項1に記載のダイプレート。
【請求項4】
前記少なくとも1つの要素は、前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するタイルを含む、請求項1に記載のダイプレート。
【請求項5】
前記少なくとも1つの要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって前記出口面に固定される、請求項1又は2~4のいずれか一項に記載のダイプレート。
【請求項6】
前記少なくとも1つの要素は、前記出口面を実質的に覆うモノリシックな摩耗面である、請求項1又は2~4のいずれか一項に記載のダイプレート。
【請求項7】
前記少なくとも1つの要素は、約1mm~約10mmの範囲の全厚を有する、請求項1又は2~6のいずれか一項に記載のダイプレート。
【請求項8】
ポリマーを押出するためのシステムであって、
押出機と、
前記押出機の出口に取り付けられたダイプレートであって、(i)ポリマー流を受け入れるための入口面と(ii)1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有する前記ダイプレートと、
前記ダイ出口面の表面に接触して前記表面に沿って摺動し、それによって、前記ダイ出口面を通して押出された前記1つ以上のポリマーストランドを切断するように回転するように構成された刃の配列と
を含み、
(a)前記出口面、(b)前記刃配列、又は(c)前記出口面及び前記刃配列のそれぞれは、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、
システム。
【請求項9】
前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのニブを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの多孔ニブを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのタイルを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの要素は、約1mm~約10mmの範囲の全厚を有する、請求項8又は9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって前記出口面又は前記刃配列における1つ以上の刃に固定される、請求項8又は9~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
ポリマーを押出する方法であって、少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られて押出機の出口に取り付けられた出口面を含むダイを通して溶融ポリマーを押出することを含む、方法。
【請求項15】
前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのニブを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの多孔ニブを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記溶融ポリマーは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンタン-1、エチレン-プロピレン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、プロピレン/4-メチルペンテン-1共重合体、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリスチレン、ポリスチレンポリフェニレンオキシドブレンド、ポリエステル、ポリアミド、芳香族-脂肪族コポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニル、エチレンとフッ化ビニリデン又はフッ化ビニルとの共重合体、ポリスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル-1,3-ブタジエン-スチレン共重合体、(メタ)アクリル系重合体、及び塩素化重合体からなる群から選択される、請求項14又は15~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記出口面は、約1mm~約10mmの範囲の全厚を有する多結晶ダイヤモンド要素を含む、請求項14又は15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記多結晶ダイヤモンド要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって前記出口面に固定される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られたペレタイザー配列に前記溶融ポリマーを接触させることによって、前記ダイから出た前記溶融ポリマーをペレット化することをさらに含む、請求項14又は15~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月9日に出願された“POLYMER EXTRUSION WITH POLYCRYSTALLINE DIAMOND ELEMENTS”という名称の米国仮特許出願第63/231,046号明細書の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の主題は、押出機システム、並びに性能及び耐摩耗性を高めるダイ面及びペレタイザー設計に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー押出システムでは、ポリマーが、溶融状態にされ、押出ダイ又はダイプレートを通して高圧で押し出されることがあり、ダイプレートは、溶融ポリマーを成形する小さなオリフィス(例えば、およそ3mm)で終端するいくつか(例えば、数十、数百、数千など)の流路を有する。ポリマー製品は、ダイプレートから出ると、冷却媒体(通常は水)に接触し、凝固し始める。また、押出システムは、ダイから出たポリマーを小さなペレットに切断する回転刃の配列を含むペレタイザーを備えている場合がある。そして、ペレット状のポリマーは、ダイ面を横切って流れるプロセス水によって、水が除去されて乾燥ペレットが排出される遠心乾燥機まで運ばれ得る。
【0004】
運転中に、ペレタイザーの回転刃は、ダイプレートの出口面の近くに位置決めされ、場合により、出口面の表面に係合して接触し得る。ペレタイザー刃のせん断作用によって、ダイ表面、ダイ孔の縁、ダイ孔の内径、及びペレタイザー刃自体の摩耗が生じる場合がある。機械的摩耗に加えて、他の故障モードは、キャビテーションによる孔食、腐食、ニブの及びダイ面上の他の摩耗要素の層間剥離及び脱離、反り、ポリマー添加剤による損傷などを含む。ダイの損傷は、最終製品の嵩密度又はペレット外観の不利な変化につながり得る、刃とダイ面との不適切な接触につながる可能性がある。ダイ面への損傷を緩和する目的で、ダイを取り外して交換するために、押出機を停止して分解し、これによって、数時間から数日間にわたり得る期間にわたって生産が停止される可能性がある。ダイは、多くの場合、ステンレス鋼、タングステン、チタンなどの従来の材料で作製され、ダイプレートは、特定の製造技術に応じて、2~18カ月毎に交換しなければならない。
【0005】
この点に関して潜在的に興味深い参考文献として、米国特許第8,485,284号明細書、米国特許第8,672,061号明細書、米国特許第9,067,340号明細書、米国特許第9,149,954号明細書、米国特許第9,314,985号明細書、米国特許第9,481,121号明細書、米国特許第9,764,387号明細書、米国特許第10,124,523号明細書、米国特許出願公開第2010/0129479号明細書、米国特許出願公開第2014/0147590号明細書、米国特許出願公開第2016/0151952号明細書、国際公開第2017/21407号パンフレット、並びに中国特許第110468385号明細書、中国特許第105538536号明細書、及び韓国特許第101822590号公報が挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1つ以上の多結晶ダイヤモンド要素を組み込んだ押出機システム及びダイ面設計を対象とする。
【0007】
一態様では、ポリマー押出用のダイプレートは、ポリマー流を受け入れるための入口面と、1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートを含み得、出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む。
【0008】
別の態様では、ポリマーを押出するためのシステムは、押出機と、押出機の出口に取り付けられたダイプレートであって、(i)ポリマー流を受け入れるための入口面と(ii)1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートと、ダイ出口面の表面に接触してこの表面に沿って摺動し、それによって、ダイ出口面を通して押出された1つ以上のポリマーストランドを切断するように回転するように構成された刃の配列とを含み得、(a)出口面、(b)刃配列、又は(c)出口面及び刃配列のそれぞれは、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む。さらに、本明細書では、ポリマーを押出するためのかかるシステムを通して溶融ポリマーを押出するための方法が提供される。
【0009】
さらに別の態様では、ポリマーを押出する方法は、少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られて押出機の出口に取り付けられた出口面を含むダイを通して溶融ポリマーを押出することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】押出機に組み付けられたダイプレートの出口面を示す図である。
【
図1B】ダイ出口面と係合するペレタイザーを示す図である。
【
図2】単一のランド及び押出オリフィスで終端するポケットを有する流路の例を示すダイプレートの一部の断面図である。
【
図3】複数のランド及び押出オリフィスで終端するポケットを有する流路の例を示すダイプレートの一部の断面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、摩耗面要素毎に複数の押出オリフィスを有するダイ出口面と係合するペレタイザーの内部の切り欠き図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、タイルの形態の複数の摩耗面要素を有するダイ出口面と係合するペレタイザーの内部の切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、押出機システムと、性能及び耐摩耗性を高めるダイ面設計とを対象とし、かかるシステム及びダイ面を通してポリマーを押出する関連方法も対象とする。特に、システム及びダイ面設計は、ダイプレートの耐摩耗性及び耐用年数を向上させる、多結晶ダイヤモンド(PCD)で作られた1つ以上の摩耗面構成要素を組み込み得る。
【0012】
ポリマー押出工程中に、ポリマーは、ポリマーがその融点又はガラス転移温度を超えて加熱されて溶融状態にされる押出機の本体に通される。その後、溶融ポリマーは、ダイプレートに移され、比較的微小な断面積を有する一連の通路又は流路に通される。
図1Aは、ダイプレート102が設置された例示的な押出機アセンブリ100の概略端面図である。ダイプレート102のダイ出口面104は、押出されるポリマー製品を成形する押出オリフィスを含む多くの特徴を提供する、ダイ中心カバープレート106及び外側カバーリング108を含む。
図1Bに示すように、ダイプレート102はまた、ダイ出口面104に接触する(又は近接する)刃107の配列を有するペレタイザー配列105と係合され得る。運転中にポリマーストランドがダイ出口面104から押出されると、ペレタイザー配列105が、押出されたポリマーを切断し、次いで、ポリマーは、集められて最終的なポリマーペレット製品を形成するように加工される。
【0013】
図1Cは、切断面109と、ペレタイザー刃107をペレタイザー配列105にしっかりと固定するためのシャンク111とを示す、個々のペレタイザー刃107の詳細図である。ペレタイザー刃107は、切断面109及び刃107がPCD材料などの単一の材料から作られたモノブロック(モノリシック)構造であり得る。ペレタイザー刃107はまた、複合構造又は多材料構造であり得る。一例では、切断面109は、PCD材料などの第1の材料であり得、刃107の残り部分は、異なる金属又は合金で作られ得る。
【0014】
再び
図1Aを参照すると、ダイプレート102は、押出工程中に溶融ポリマーを集めて成形する役割を果たす多くの流路及び通路を含み得る又はさもなければ画定し得る。
図2は、ダイプレート102のセグメントの側断面図である。図示のように、ダイプレート102は、ダイ出口面104とは反対側に位置決めされた入口面212を提供する。さらに、ダイプレート102は、入口面212とダイ出口面104との間に延びる押出流路210を画定し、したがって、材料がダイプレート102を通って流れるための通路を形成し得る。押出中に、溶融ポリマーは押出機を通して駆動され、ポリマーは入口面212に遭遇し、1つ以上のポケット(又はスロット)214内に集まり始める。その後、集められたポリマーは、テーパ部216によって、ダイ出口面104に画定された押出オリフィス220で終端する1つ以上のランディング218に導入される。
【0015】
ダイ出口面104はまた、ダイ出口面104に固定されて押出オリフィス220と同一直線上にあるオリフィス224を画定する摩耗面222又は他の要素を含み得る。摩耗面222の種類は特に限定されず、本明細書に開示するダイプレートは、単一の押出オリフィス220に近接するダイ出口面104に埋め込まれた単孔ニブ(
図2に図示するものなど)を含み得るが、ダイ出口面104を実質的に覆うタイル、多孔ニブ、又はモノリシックな摩耗面を含む、出口面104に組み付けられた又は埋め込まれた複数のオリフィスを画定する摩耗面も含み得る。別の変形形態では、ダイ出口面104は、ダイ出口面104と摩耗面222とが同じ構造になるように、耐摩耗材料から形成され得る。
【0016】
代替的なダイプレート設計は、複数の押出オリフィス及びランドが、ダイプレート内に設けられた単一のポケット214から生じる(延びる)場合などに、角度の付いた又はずれたランディングを有する押出オリフィスを含み得る。
図3は、複数のランド218a及び218bが単一のポケット214から延びるダイの変形形態を図示する、ダイ摩耗面セグメント300の側断面図である。
図2に示す構造と同様に、押出流路210は、ダイプレート102の入口面212と出口面104との間に延びる。押出中に、溶融ポリマーは押出機を通して駆動され、ポリマーは入口面102に遭遇し、ポケット(又はスロット)214内に集まる。しかしながら、ポリマーがポケット214内に集まると、テーパ部216が、溶融ポリマーを複数のランド218a及び218bに供給し、これらのランド218a及び218bは、それぞれオリフィス224a及び224bまで延びる。この例では、ダイ出口面104は、押出オリフィス224a及び224bを画定する摩耗面222a及び222bも含み得る。
【0017】
図4は、ダイ出口面104が、摩耗面要素422毎に複数の押出オリフィスを有する多孔ニブの形態の複数の摩耗面要素422を有する、別の可能なダイプレート設計400を示す。ダイ出口面104がタイルの形態の複数の摩耗面要素522から形成されたダイプレート設計500を示す、さらに別の可能なダイプレート設計が
図5に示されている。
【0018】
ペレタイザーシステムを備えた押出機の通常運転中に、ポリマーペレットのサイズ及び分配の制御は、内部のダイ幾何形状の設計を含み、生産中の変化に関してダイ面における圧力及びポリマー流を監視する、多くの方法で行われる。時間の経過とともに、ペレットサイズ及び製品品質は、ペレタイザー刃との相互作用からの機械的摩耗及び摩滅によるダイ出口面及び摩耗面構成要素の損傷を含む、多くの工程条件の影響を受ける場合がある。時間の経過とともに、ダイ面及び押出オリフィスの機械的損傷に続いて、摩耗面の脱離及びペレタイザーシステムの損傷が起こる可能性がある。
【0019】
ダイ面の状態は、押出機の運転中に監視されることがあり、場合により、押出ダイは、ダイプレート及びペレタイザーシステムの損傷を防止するために、生産工程の終了後又は停止時に検査され、取り外され、洗浄される。場合により、押出ダイでは、機械的故障に起因して又は許容できないレベルまで製品品質が低下した場合に生産工程の終了前にメンテナンスが必要となる場合がある。いずれのシナリオでも、ダイのメンテナンスは通常、生産を停止してニブ及びタイルの交換のためにダイプレートを取り外すこと、及び/又は手動研磨、ペースト研磨、研削などによる修理を伴う。
【0020】
本明細書に開示するシステム及びダイ面設計は、ダイプレートの耐摩耗性及び耐用年数を向上させる、PCDで作られた摩耗面要素(
図2の単孔ニブ222、
図4の多孔ニブ422、又は
図5のタイル522など)を含み得る。ダイヤモンド研磨成形体としても知られる、PCDは、ダイヤモンド粒子の塊で構成され、ダイヤモンドとダイヤモンドとの直接結合によって組み立てられる。PCDは、ダイヤモンドを約85体積%~約95体積%含み得、残余は、PCD微細構造の隙間領域に配置されたコバルト、ニッケル、鉄、又は1種以上のかかる金属を含有する合金などの金属バインダを含有する第2の相である。場合により、PCDは、金属バインダの実質的に全てを除去するために処理され、それによって熱安定性PCDが形成され得る。
【0021】
本明細書に開示するPCD材料は、ポリマー押出システムの機械的強度及び耐用年数を向上させ得る、機械的摩耗を受けるダイ面の1つ以上の要素及び/又は他の構成要素を作るために使用され得る。PCD要素(PCD摩耗面要素を含む)は、特にステンレス鋼及び類似の金属で作られた構成要素と比較して、高い硬度値及び靱性値、低い摩擦係数、並びに向上した耐摩耗性を含む、押出用途に適した多くの機械的特性を有する。
【0022】
特に、ダイ面にPCD要素を含めることによって、押出中にペレタイザー刃に接触する表面の耐摩耗性を高めることができる。同様に、ダイ面に接触する(又はダイ面の近傍の)1つ以上のペレタイザー刃にPCD要素を含めることによって、同じ効果をもたらすことができる。したがって、本明細書における実施形態は、(1)ダイ面、(2)ペレタイザー刃の1つ若しくは複数、又は(3)その両方にPCD要素を含めることも企図している。ダイプレートに関して、PCD要素及び材料は、単孔及び多孔ニブ、タイル、モノリシックな摩耗面、並びに選択された押出機及びペレタイザーに適合する他の任意の摩耗面の変形例を含む、上述した出口面又は任意の摩耗面を含む、ダイプレートの任意の部分を作るために使用することができる。ペレタイザー刃に特有の例としては、モノリシックなペレタイザー刃、又は切断面若しくはインサートなどの、その任意の構成要素を作るためのPCD要素の使用が挙げられる。
【0023】
製造中に、PCD要素は、コバルト-超硬炭化タングステン基板などの、金属基板にダイヤモンド粉末を接触させることによって作られ得る。PCD要素を形成するのに有用である適切なダイヤモンド粉末は、1、10、又は15μmのいずれか1つの最低値~40、50、60、70、80、90、又は100μmのいずれか1つの最高値などの、サブマイクロメートルサイズ(例えば、ナノスケール)~100μmまでの範囲内の平均粒径を有するものを含む。ダイヤモンド粉末は、単峰性又は多峰性のサイズ分布を有する粒子を含む可能性がある。異なるサイズの粒子を有するダイヤモンド粉末が使用される場合、ダイヤモンド粒子は、良好で均一な分布を確保するのに十分な時間にわたるボールミリング又は磨砕機ミリングなどによる、従来の工程によって互いに混合され得る。ダイヤモンド粉末及び金属基板は、金属がダイヤモンド粉末に浸透するように、加熱及び圧力下で加工される。この工程では、追加のダイヤモンドが、ダイヤモンド粒子間の結晶面に形成され、網状の結合されたダイヤモンドと、ダイヤモンドを基板に結合する連続した金属相とを形成し得る。PCD要素は、当技術分野において知られている任意の許容できる方法を使用して、ダイ面及び/又はペレタイザー刃と組み合わせるのに適した任意の形状に形成され得る。
【0024】
PCD要素は、金属基板に固定されたPCD層を有する層状構造を有し得、PCD層の厚さは、約0.3mm~約7mm(0.3、0.4、又は0.5mmのいずれか1つの最低値~5、6、又は7mmのいずれか1つの最高値など)の範囲内である。PCD要素は、約1mm~約10mm(1、1.5、2、又は2.2mmのいずれか1つの最低値~5、6、7、8、9、又は10mmのいずれか1つの最高値など)の全厚(基板層とPCD層の両方を含む)を有し得る。
【0025】
ペレタイザー刃に組み込まれたときに、PCD刃要素(基板層とPCD層の両方を含む)は、約5mm~約20mm、約5mm~約17mm、又は約5mm~約15mmの範囲の全厚を有し得る。モノリシックなペレタイザー刃を作るために使用される場合、PCD要素の全厚は、選択されたペレタイザーに適合する任意の適切な寸法を有し得る。
【0026】
ダイプレートへのPCD要素(又はPCD摩耗面又はPCD出口面)の取り付けは、高圧高温(HPHT)処理、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付け(例えば、焼き嵌め又は締まり嵌め)によるダイプレートへのPCD要素の取り付けを含む、任意の適切な技法によるものであり得る。取り付け方法は、ステンレス鋼、タングステン合金などの金属で作られることが多い、金属製のダイプレートの組成に応じて、異なる場合がある。場合により、PCD要素は、ダイプレートから取り外し可能であり、オペレータがダイプレート又はPCD摩耗面要素を個別に交換することを可能にし得る。ダイ面からの摩耗面要素の取り外しは、ダイプレートが取り外されるか又は押出機に装着されるときに行われ得る。
【0027】
本明細書に開示するシステム及びダイ面設計は、他の金属で作られた比較設計の耐用年数を超えて押出機ダイの耐用年数を延長し得、耐用年数は、新しいダイ又は修理調整されたダイの設置からダイの取り外しまでの期間として定義される。ダイの耐用年数は、月単位、又は場合により、ダイ孔毎の処理トン単位で測定され得る。PCD要素を組み込んだダイプレートは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、若しくは少なくとも約30%だけ、又は約10%~約30%の範囲で、ダイの耐用年数を向上させ得る。例示的な範囲が与えられているが、耐用年数は、ポリマーの種類及びグレード、ダイの幾何形状、ペレタイザーの設定、押出機の種類などの多くの要因に多かれ少なかれ依存し得る。
【0028】
ポリマー系
本明細書に開示するダイプレート及び出口面設計は、任意の適合する押出機ダイ面に用いられ得、押出されるポリマー系の種類は、特に限定されない。ポリマー系は、押出に適した任意の熱可塑性物質及び/又はエラストマーを含み得る。適切なポリマー系の例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、若しくは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンタン-1などのポリオレフィン、モノオレフィンと他のオレフィン(モノ若しくはジオレフィン)若しくはエチレン-プロピレン共重合体などのビニルモノマーとの又はエチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、プロピレン/4-メチルペンテン-1共重合体などの、1つ以上の追加のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0029】
他のポリマー系としては、テレフタレート、1,4-ブタンジオール、及びポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールからの「ブロック」コポリエステルなどの熱可塑性エラストマー;ポリスチレン;ポリスチレンポリフェニレンオキシドブレンド;ポリエチレンテレフタレート、ポリ1,4-ブチレンテレフタレート、ポリ1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート、及びポリ1,3-プロピレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン-6,6、ナイロン-6、ナイロン-12、ナイロン-11、及び芳香族-脂肪族コポリアミドなどのポリアミド;ポリビスフェノールAカーボネートなどのポリカーボネート;テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリフッ化ビニル、エチレンとフッ化ビニリデン又はフッ化ビニルとの共重合体などのフッ素化重合体;ポリp-フェニレンスルフィドなどのポリスルフィド;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルケトンケトン;ポリエーテルイミド;アクリロニトリル-1,3-ブタジエン-スチレン共重合体;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系重合体;並びにポリ塩化ビニルなどの塩素化重合体が挙げられ得る。
【0030】
ポリマー系としてはまた、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチル、クロロブチル、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン、エチレン-プロピレン、エチレン-プロピレンジエンターポリマーエラストマー、並びにこれらの互いとの及び熱可塑性ポリマーとの混合物を含む、押出可能なエラストマーが挙げられ得る。上記の適切なポリマー系のいずれかのブレンドも本開示の範囲内である。特定の実施形態は、ポリエチレン重合体、すなわち、(エチレン-ブテン、エチレン-ヘキセン、又はエチレン-オクテン共重合体などのエチレン-α-オレフィン共重合体の場合のように)少なくとも85重量%、例えば少なくとも87重量%又は少なくとも90重量%のエチレンから導かれる単位を有するポリマー、例えばチーグラー・ナッタ又はメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン重合体(LLDPE)の押出を伴い得る。さらに、押出用のポリマー(前述のポリエチレン重合体を含む)は、(1)流動床反応器、水平撹拌床反応器、及び垂直撹拌床反応器を含む、気相重合工程、(2)液体プール反応器及びループ反応器を含む、バルク工程、(3)連続撹拌槽、バッチ撹拌槽、ループ反応器及び沸騰ブタン反応器を含む、スラリー化工程、(4)管型工程、(5)オートクレーブ工程、及び/又は(6)溶液工程を含む、押出可能なポリマー製品を生産するための任意の適切な重合工程を用いて生産され得る。
【0031】
本明細書に開示する実施形態は、以下を含む。
【0032】
A.ポリマー押出用のダイプレートであって、ポリマー流を受け入れるための入口面と、1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートを含み、出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、ダイプレート。
【0033】
B.ポリマーを押出するためのシステムであって、押出機と、押出機の出口に取り付けられたダイプレートであって、(i)ポリマー流を受け入れるための入口面と(ii)1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートと、ダイ出口面の表面に接触してこの表面に沿って摺動し、それによって、ダイ出口面を通して押出された1つ以上のポリマーストランドを切断するように回転するように構成された刃の配列とを含み、(a)出口面、(b)刃配列、又は(c)出口面及び刃配列のそれぞれは、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、システム。
【0034】
C.ポリマーを押出する方法であって、少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られて押出機の出口に取り付けられた出口面を含むダイを通して溶融ポリマーを押出することを含む、方法。
【0035】
実施形態A、B、及びCは、以下の追加要素の1つ又は複数を任意の組み合わせで有し得る。
【0036】
要素1:少なくとも1つの要素は、出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するニブを含む。
【0037】
要素2:少なくとも1つの要素は、出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定する多孔ニブを含む。
【0038】
要素3:少なくとも1つの要素は、出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するタイルを含む。
【0039】
要素4:少なくとも1つの要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって出口面に固定される。
【0040】
要素5:少なくとも1つの要素は、出口面を実質的に覆うモノリシックな摩耗面である。
【0041】
要素6:少なくとも1つの要素は、約1mm~約10mmの範囲の全厚を有する。
【0042】
要素7:少なくとも1つの要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって出口面に固定される。
【0043】
要素8:多結晶ダイヤモンド要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって出口面又は刃配列における1つ以上の刃に固定される。
【0044】
要素9:溶融ポリマーは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンタン-1、エチレン-プロピレン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、プロピレン/4-メチルペンテン-1共重合体、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリスチレン、ポリスチレンポリフェニレンオキシドブレンド、ポリエステル、ポリアミド、芳香族-脂肪族コポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニル、エチレンとフッ化ビニリデン又はフッ化ビニルとの共重合体、ポリスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル-1,3-ブタジネン-スチレン共重合体、(メタ)アクリル系重合体、及び塩素化重合体からなる群から選択される。
【0045】
要素10:方法は、少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られたペレタイザー配列に溶融ポリマーを接触させることによって、ダイから出た溶融ポリマーをペレット化することをさらに含む。
【0046】
非限定的な例として、A、B、及びCに適用可能な例示的な組み合わせとしては、1と、2~9のいずれか1つ以上;2と、1及び3~9のいずれか1つ以上;3と、1~2及び4~9のいずれか1つ以上;4と、1~3及び5~9のいずれか1つ以上;5と、1~4及び6~9のいずれか1つ以上;6と、1~5及び7~9のいずれか1つ以上;7と、1~6及び8~9のいずれか1つ以上;8と、1~7及び9のいずれか1つ以上;並びに9と、1~8のいずれか1つ以上が挙げられる。Cに適用可能な追加の組み合わせとしては、10と、1~9のいずれか1つ以上が挙げられる。
【0047】
したがって、開示のシステム及び方法は、言及した目的及び利点、並びにそれに固有の目的及び利点を達成するように十分に適合されている。上記に開示した特定の実施形態は、本開示の教示が、本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかな、異なるが同等の方法で修正且つ実施され得るので、単なる例示に過ぎない。さらに、以下の特許請求の範囲に記載するもの以外の、本明細書に示す構造又は設計の詳細に限定されることを意図するものではない。それゆえ、上記に開示した特定の例示的実施形態が、変更され、組み合わされ、又は修正され得ることと、全てのそのような変形形態が本開示の範囲内で考慮されることは明らかである。本明細書に例示的に開示したシステム及び方法は、本明細書に具体的に開示しない任意の要素、及び/又は本明細書に開示した任意の任意選択的な要素の非存在下で適切に実施され得る。組成物及び方法は、様々な成分又はステップを「備える(comprising)」、「包含する(containing)」、又は「含む(including)」という用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な成分及びステップ「から本質的になる」又は「からなる」可能性がある。上記に開示した全ての数及び範囲は、多少異なる場合がある。下限及び上限を有する数値範囲が開示されるときはいつでも、その範囲内にある任意の数及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示する(「約a~約b(from about a to about b)」、又は等しく「およそa~b(approximately a to b)」、又は等しく「およそa~b(from approximately a-b)」という形態の)値の全ての範囲は、広範な値の範囲内に包含される全ての数及び範囲を記載するものと理解されるべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権所有者によって明示的且つ明確に定義されていない限り、平易な通常の意味を有する。その上、特許請求の範囲において使用される場合の、不定冠詞「a」又は「an」は、それが導入する要素の1つ又は2つ以上を意味するものと定義される。本明細書における単語又は用語の用法と、参照により本明細書に組み込まれ得る1つ以上の特許又は他の文献における単語又は用語の用法とに何らかの矛盾がある場合、本明細書と一致する定義が採用されるべきである。本明細書で使用される場合、一連の項目に先行する「の少なくとも1つ」という語句は、項目のいずれかを区切るための「及び」又は「又は」という用語を伴うが、リストの各構成要素(すなわち、各項目)ではなく、リストを全体として修飾する。「少なくとも1つ」という語句は、項目のいずれか1つの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は項目のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCの少なくとも1つ」という語句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみ;A、B、及びCの組み合わせ;並びに/或いはA、B、及びCのそれぞれの少なくとも1つを指す。
【0048】
上方、下方、上側、下側、上向き、下向き、左、右などの方向を示す用語の使用は、図に示すように、例示的実施形態に関連して使用され、上方向は、対応する図の上に向かう方向であり、下方向は、対応する図の下に向かう方向である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー押出用のダイプレートであって、ポリマー流を受け入れるための入口面と、1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有するダイプレートを含み、前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、ダイプレート。
【請求項2】
前記少なくとも1つの要素は、
(a)前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するニブ、
(b)前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定する多孔ニブ、及び
(c)前記出口面に埋め込まれて少なくとも1つの押出オリフィスを画定するタイルのうちの1つ
を含む、請求項1に記載のダイプレート。
【請求項3】
前記少なくとも1つの要素は、溶着、ろう付け、接着、ボルト締め、又は摩擦に基づく取り付けによって前記出口面に固定される、請求項1又は2に記載のダイプレート。
【請求項4】
前記少なくとも1つの要素は、前記出口面を実質的に覆うモノリシックな摩耗面である、請求項1又は2に記載のダイプレート。
【請求項5】
前記少なくとも1つの要素は、約1mm~約10mmの範囲の全厚を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のダイプレート。
【請求項6】
ポリマーを押出するためのシステムであって、
押出機と、
前記押出機の出口に取り付けられたダイプレートであって、(i)ポリマー流を受け入れるための入口面と(ii)1つ以上のポリマーストランドを押出するための出口面とを有する前記ダイプレートと、
前記ダイ出口面の表面に接触して前記表面に沿って摺動し、それによって、前記ダイ出口面を通して押出された前記1つ以上のポリマーストランドを切断するように回転するように構成された刃の配列と
を含み、
(a)前記出口面、(b)前記刃配列、又は(c)前記出口面及び前記刃配列のそれぞれは、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの要素を含む、
システム。
【請求項7】
前記出口面は、
(a)多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのニブ、
(b)多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの多孔ニブ、及び
(c)多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのタイル
のうちの1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
ポリマーを押出する方法であって、少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られて押出機の出口に取り付けられた出口面を含むダイを通して溶融ポリマーを押出することを含み、前記出口面は、多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つのニブ及び/又は多結晶ダイヤモンドで作られた少なくとも1つの多孔ニブを含む、方法。
【請求項9】
前記溶融ポリマーは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンタン-1、エチレン-プロピレン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、プロピレン/4-メチルペンテン-1共重合体、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリスチレン、ポリスチレンポリフェニレンオキシドブレンド、ポリエステル、ポリアミド、芳香族-脂肪族コポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニル、エチレンとフッ化ビニリデン又はフッ化ビニルとの共重合体、ポリスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル-1,3-ブタジエン-スチレン共重合体、(メタ)アクリル系重合体、及び塩素化重合体からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも部分的に多結晶ダイヤモンドで作られたペレタイザー配列に前記溶融ポリマーを接触させることによって、前記ダイから出た前記溶融ポリマーをペレット化することをさらに含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】