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特表2024-525953床清掃システム、床清掃装置、及び床清掃システム若しくは床清掃装置を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】床清掃システム、床清掃装置、及び床清掃システム若しくは床清掃装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
A47L9/28 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503999
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2021070744
(87)【国際公開番号】W WO2023001389
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505201098
【氏名又は名称】アルフレッド ケルヒャー エスエー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ ヘンニゲ
(72)【発明者】
【氏名】ティロ エーレントライヒ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック プラサー
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ドゥルスト
(72)【発明者】
【氏名】フェリペ ガルシア ロペス
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン シューリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ゲレオン ヒンツ
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
(57)【要約】
本発明は、床面(16)を清掃するための自走式自己操舵の床清掃装置(10)と、少なくとも1つの制御可能な表示ユニット(60、120、122)と、少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)とを備える床清掃システムに関し、床清掃装置(10)は、床面(16)上を走行するための走行ギア(22)、制御ユニット(24)、センサユニット(44)、少なくとも1つの清掃ユニット(26)、及び操作ユニット(56)を備え、床清掃装置(10)を特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、周囲がセンサユニット(44)によって検出されることができ、床面(16)上の少なくとも1つの清掃経路(68)が、少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)に保存されることができる又は保存され、床清掃装置(10)は、操作ユニット(56)にて操作者(66)により案内される間に教示動作モードで清掃経路(68)を作成するように設計及び構成され、清掃経路(68)は保存ユニット(46、124、126)に保存されることができ、特に少なくとも1つの清掃ユニット(26)に関係する少なくとも1つの清掃事象(92)、及び/又は床清掃装置(10)と周囲(18)との相互作用に関係する少なくとも1つの相互作用事象(90)が、位置固有の態様で清掃経路(68)内に保存されることができる又は保存され、清掃経路(68)が、少なくとも1つの清掃事象(92)及び/又は少なくとも1つの相互作用事象(90)に関連付けられる態様で、少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)上に表示されることができる。本発明はさらに、床清掃装置、及び床清掃システム若しくは床清掃装置を動作させる方法に関する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面(16)を清掃するための自走式自己操舵の床清掃装置(10)と、
少なくとも1つの制御可能な表示ユニット(60、120、122)と、
少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)と
を備える床清掃システムであって、
前記床清掃装置(10)が、床面(16)上を走行するための走行ギア(22)、制御ユニット(24)、センサユニット(44)、少なくとも1つの清掃ユニット(26)、及び操作ユニット(56)を備え、
前記床清掃装置(10)を特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、周囲が前記センサユニット(44)によって検出可能であり、
前記床面(16)上の少なくとも1つの清掃経路(68)が、前記少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)に保存可能である又は保存され、
前記床清掃装置(10)が、前記操作ユニット(56)にて操作者(66)により案内される間に教示動作モードで清掃経路(68)を作成するように設計及び構成され、該清掃経路(68)は、前記保存ユニット(46、124、126)に保存可能であり、
特に前記少なくとも1つの清掃ユニット(26)に関係する少なくとも1つの清掃事象(92)、及び/又は前記床清掃装置(10)と周囲(18)との相互作用に関係する少なくとも1つの相互作用事象(90)が、位置固有の態様で前記清掃経路(68)内に保存可能である又は保存され、
前記清掃経路(68)が、前記少なくとも1つの清掃事象(92)及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象(90)に関連付けられる態様で、前記少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)上に表示可能である、
床清掃システム。
【請求項2】
前記床清掃装置(10)が前記教示動作モードで前記操作者(66)によって案内されている間に、前記清掃経路(68)が前記少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)上に表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の床清掃システム。
【請求項3】
前記操作ユニット(56)が、前記教示動作モードで前記操作者(66)によって前記少なくとも1つの清掃事象(92)及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象(90)をトリガするための少なくとも1つの操作要素(72、73、74、75、76)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の床清掃システム。
【請求項4】
周囲(18)のマップ(70)が、前記少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)上に表示可能であること、及び
前記清掃経路(68)が、前記マップ(70)内に表示可能であること
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの清掃事象(92)が、
-清掃動作をオン又はオフにすること、
-少なくとも1つの清掃ユニット(26)のオン、オフ、及び/又は動作状態の変更を行うこと、
-前記床清掃装置(10)のオン、オフ、及び/又は清掃モードの変更を行うこと、
-洗浄液及び/又は洗浄化学薬品の投入量を設定すること、
-特に前記床面(16)の清掃中における、前記床面(16)上での前記床清掃装置(10)の走行速度を設定すること及び/又は変更すること
のうちの少なくとも1つであること
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項6】
前記床清掃装置(10)が、光学アクチュエータ(52)及び/又は音響アクチュエータ(50)を有する指示ユニット(48)を備えること、及び
前記少なくとも1つの相互作用事象(90)が、前記光学アクチュエータ(52)及び/又は前記音響アクチュエータ(50)を介した指示の出力を含むこと
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項7】
前記床清掃装置(10)によって予め保存された清掃経路(68)を覆いながら自動的に実行される清掃プロセスの間に及び/又は該清掃プロセスの完了時に、前記清掃経路(68)が表示可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項8】
前記清掃プロセスの完了後、清掃レポート(96)が作成可能であると共に、前記少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)に保存可能であり、前記清掃経路(68)は前記清掃レポート(96)の一部であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項9】
予め保存された清掃経路(68)が、前記清掃プロセス中に実際に覆われた清掃経路(68)と共に、前記制御ユニット(24)によって表示可能であり、特に、該清掃経路(68)の間にずれ(118)があれば、前記表示ユニット(60、120、122)上で視覚化可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項10】
実際に覆われた清掃経路(68)と予め保存された清掃経路(68)との間の一致が、前記制御ユニット(24)によって計算可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項11】
前記清掃経路(68)が、前記少なくとも1つの清掃事象(92)及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象(90)が任意に表示可能であるように、前記表示ユニット(60、120、122)上に表示可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項12】
前記清掃経路(68)が、
-清掃動作が行われる又は行われた前記清掃経路(68)のセクション、
-少なくとも1つの清掃ユニット(26)が動作している又は動作していた前記清掃経路(68)のセクション
のうちの少なくとも1つが強調表示されるように、前記表示ユニット(60、120、122)上に表示されること
を特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項13】
前記清掃経路(68)が、前記少なくとも1つの清掃ユニット(26)によって覆われた前記床面(16)の区域が強調表示されるように、前記表示ユニット(60、120、122)上に表示可能であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項14】
少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)がタッチ感応表示ユニット(60、120、122)であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項15】
前記清掃経路(68)が、拡大及び/又は縮小して前記表示ユニット(60、120、122)上に表示可能であることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項16】
前記床清掃装置(10)が、少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項17】
少なくとも1つの表示ユニット(60、120、122)が、前記床清掃装置(10)から遠く離れて配置され、
画像情報が、前記床清掃装置(10)から前記表示ユニット(60、120、122)に通信ユニット(54)を介して送信可能であり、
特に、前記床清掃システム(14)が、前記表示ユニット(60、120、122)を有するデータ処理装置(128)を備えること
を特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項18】
前記床清掃装置(10)が、少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)を備えることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項19】
少なくとも1つの保存ユニット(46、124、126)が、前記床清掃装置(10)から遠く離れて配置され、
保存されることになっている又は保存される情報が、前記床清掃装置(10)から前記保存ユニット(46、124、126)に及び/又はその逆に、通信ユニット(54)を介して送信可能であり、
特に、前記床清掃システム(10)が、前記保存ユニット(46、124、126)を有するデータ処理装置(128)を備えること
を特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項20】
前記床清掃装置(10)が、スクラバー真空として設計されることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の床清掃システム。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の本発明による床清掃システムの床清掃装置。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか一項に記載の床清掃システム又は請求項21に記載の床清掃装置の床清掃システムを動作させる方法であって、前記清掃経路が、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で前記少なくとも1つの表示ユニット上に表示される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面を清掃するための自走式自己操舵の床清掃装置と、少なくとも1つの制御可能な表示ユニットと、少なくとも1つの保存ユニットとを備える床清掃システムに関し、前記床清掃装置は、床面上を走行するための走行ギア、制御ユニット、センサユニット、少なくとも1つの清掃ユニット、及び操作ユニットを備え、前記床清掃装置を特に移動中に位置付ける及び/又はナビゲートするために、周囲が前記センサユニットによって検出されることができ、前記床面上の少なくとも1つの清掃経路が、前記少なくとも1つの保存ユニットに保存されることができる又は保存され、前記床清掃装置は、前記操作ユニットにて操作者により案内される間に教示動作モードで清掃経路を作成するように設計及び構成され、この清掃経路は前記保存ユニットに保存されることができる。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、床清掃システム及び床清掃装置を動作させる方法に関する。
【0003】
床面の自律清掃は、冒頭で述べた床清掃システムの床清掃装置を用いて行うことができる。床清掃装置は、制御ユニットによって制御されて、床面の上を走行し、少なくとも1つの清掃ユニットによって汚れを除去することができる。清掃効率を高めるために、貯蔵容器からの洗浄液が床面を濡らすようにすることができる。少なくとも1つの清掃ユニットは、例えば、清掃ローラ又はディスクブラシを備えることができる。汚れと洗浄液との混合物は、例えば吸引ストリップによって床面から拾い上げられ、汚液容器に移送されることができる。
【0004】
自律型床清掃装置は、予め保存された清掃経路を覆うことができることが知られている。清掃経路は、床清掃装置が操作者により案内されている間に、教示動作モード(ティーチインとも呼ばれる)で教示されて保存される。位置付け及び/又はナビゲーションの目的のために、床清掃装置は、センサユニットの少なくとも1つの信号を使用して周囲を検出することができる。このようにして、床清掃装置は、後の清掃プロセス中に、教示動作モードで保存された周囲のルートを見つけて覆うことができる。
【0005】
US 2012/0288936 A1は、教示動作モードを有する自律型床清掃装置を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 2012/0288936 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、床清掃システム、床清掃装置、及び床清掃システムを動作させる方法を提供することであり、それにより、特に清掃結果を制御するために、清掃経路に追加の情報を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
冒頭で述べたタイプの床清掃システムでは、この目的は、本発明によれば、特に前記少なくとも1つの清掃ユニットに関係する少なくとも1つの清掃事象、及び/又は前記床清掃装置と周囲との相互作用に関係する少なくとも1つの相互作用事象が、位置固有の態様で前記清掃経路に保存されることができる、又は保存され、前記清掃経路は、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で前記少なくとも1つの表示ユニット上に表示されることができることで達成される。
【0009】
本発明による前記床清掃システムでは、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象についての追加情報が、(例えばティーチイン中には)前記清掃経路に保存されることができる、又は(例えば予め保存された清掃経路の場合には)前記清掃経路に保存される。単なる走行方向及び走行方向の変化に加えて、本発明による前記床清掃システムにおける前記清掃経路は、清掃及び/又は相互作用に関係する追加情報を含む。前記追加情報は、少なくとも1つの表示ユニット上で、位置固有の態様で前記清掃経路内に表示されることができる。このようにして、前記操作者は、前記床清掃装置がどこに位置している又は位置していたかだけでなく、前記床清掃装置が清掃及び/又は相互作用に関してどのような状態を取っている又は取っていたかをも決定することができる。
【0010】
保存された清掃経路は、前記床清掃装置を介して教示されていないが、それ以外のやり方で操作者によって前記保存ユニットに保存されているようにしてもよい。例えば、前記清掃経路は、外部で作成され、操作者によって前記保存ユニットに保存されることができる。例えば、前記清掃経路を作成するための基礎として、清掃の総合的な計画が用いられる。
【0011】
前記清掃経路を作成するために、例えば、この清掃経路は、遠隔で全体がカバーされるように描かれてもよい。代替的又は追加的に、前記清掃経路は、例えば迂回された領域を埋める際、ルートに基づく計算により部分的にカバーされるように部分的に作成されるようにしてもよい。このような半自動作成は、US 2012/0288936 A1に記載されている。
【0012】
前記床清掃装置が前記教示動作モードで前記操作者によって、特に前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で案内されている間に、前記清掃経路が前記少なくとも1つの表示ユニット上に表示可能であることが好都合であり得る。その結果、前記操作者は、前記教示動作モード中にもう、前記床清掃装置のルート及びいかなる事象も視覚的にチェックすることができる。
【0013】
好ましくは、前記操作ユニットが、前記教示動作モードで前記操作者によって前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象をトリガするための少なくとも1つの操作要素を備える。前記教示動作モード中に、前記操作者は、所望の事象をトリガするために前記操作要素を作動させることができる。対応する事象は、位置固有の態様で前記清掃経路内に保存されることができる。
【0014】
好ましくは、周囲のマップが、前記少なくとも1つの表示ユニット上に表示可能であり、このマップは、例えば、前記センサ装置の少なくとも1つの信号に基づいて前記制御装置によって作成されることができる。好都合には、前記清掃経路は、好ましくは前記教示動作モード中に、前記マップ内に表示されることができる。これにより、前記操作者は、必要に応じて、前記清掃経路を仕上げるために、前記床面のどのセクションが既に覆われているか、どのセクションがまだ覆われていないかを見て制御する機会を得る。
【0015】
前記清掃経路を前記教示動作モードで前記マップ上に表示させることにより、前記操作者は前記床清掃装置を効率的に案内することがより容易になる。例えば、これにより、前記操作者は、前記床清掃装置を前記床面の上で端又は障害物に近接する態様で案内することがより容易になる。この視覚による支援の結果、例えば、蛇行移動又は螺旋移動の場合、前記操作者は、並行するトラックをより容易に、且つ隣り合うトラックの重なりを可能な限り小さくして同時に覆うことができる。
【0016】
周囲が前記教示動作モードで監視され、前記床清掃装置を案内するための命令が、例えばボトルネックに入る時に、前記操作者に出力されるようにしてもよい。前記命令は、視覚的命令及び/又は聴覚的命令とすることができる。
【0017】
ティーチインされた清掃経路が、例えば前記制御ユニットによる後続の最適化ステップで改善可能であり、最適化された清掃経路は、前記床清掃装置による後続の自動実行の基礎とし採用されるようにしてもよい。最適化中、例えば、衝突回避、安全要件、隣り合うトラックの並行なコース、端の近くの清掃、非現実的な若しくは冗長な移動の回避、及び/又は異なるタイプの基準に関する調整が行われる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの清掃事象は、例えば、以下のうちの少なくとも1つとすることができる。
-清掃動作をオン又はオフにすること、
-少なくとも1つの清掃ユニットのオン、オフ、及び/又は動作状態の変更を行うこと、
-洗浄液及び/又は洗浄化学薬品の投入量を設定すること、
-特に前記床面の清掃中における、前記床面上での前記床清掃装置の走行速度。
【0019】
前記床清掃装置は、好ましくは、光学アクチュエータ及び/又は音響アクチュエータを有する指示ユニットを備え、前記少なくとも1つの相互作用事象は、前記光学アクチュエータ及び/又は前記音響アクチュエータを介して指示を出力することを含む。例えば、アクチュエータとして、信号灯、点滅灯、スピーカー、及び/又はホーンが設けられる。前記床清掃装置は、少なくとも1つのアクチュエータを介して周囲、特に人と相互作用することができる。例えば、周囲に対して、前記床清掃装置を光学的に及び/又は音響的に認識させることができる。好ましくは、前記床清掃装置によって周囲に人が検出されない場合にも、これは可能である。
【0020】
前記床清掃装置によって予め保存された清掃経路を覆いながら自動的に実行される清掃プロセスの間に及び/又は該清掃プロセスの完了時に、前記清掃経路が、特に、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で表示されることができると有利である。このことは、作業の自律実行中又はその完了時でも、覆われた清掃経路を清掃結果に応じて制御することを許容する。
【0021】
例えば、前記清掃プロセスの完了後、清掃レポートが作成されて前記少なくとも1つの保存ユニットに保存されることができ、前記清掃経路は、特に前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で、前記清掃レポートの一部である。
【0022】
予め保存された清掃経路が、前記清掃プロセス中に実際に覆われた清掃経路と共に、前記制御ユニットで表示されることができると有利である。この場合、好ましくは、前記清掃経路の間にずれがあれば、前記表示ユニット上で視覚化可能であるようにする。このようにして、例えば、前記床清掃装置の障害物回避動作を検出することができる。前記清掃経路の間のずれは、例えば、下手にティーチインされた清掃経路、前記床面にある若しくは前記床面上にある障害物の位置の変化、及び/又は前記センサユニットの不十分な較正を示唆することができる。
【0023】
前記制御ユニットが、実際に覆われた清掃経路と予め保存された清掃経路との間の一致を計算することができると有利である。このことは、カバレージを計算し、前記清掃経路を走行することにより所望の清掃を実際に提供することが可能であった程度を決定することを許容する。
【0024】
前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は相互作用事象は、前記表示ユニット上に様々な方法で表示されることができる。例えば、事象には、それが発生した時点において前記経路上に又は前記経路の隣にマーカ要素によって印が付けられる。任意に、前記事象のタイプに関する説明が提供されてもよい。前記事象は、例えば、前記事象が発生している時間にわたって、前記清掃経路のルートの着色又は強調表示として表示されてもよい。
【0025】
好ましくは、前記清掃経路は、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は少なくとも1つの相互作用事象が任意に表示されることができるように、前記表示ユニット上に表示されることができる。本件では、これは、特に、清掃事象及び/又は相互作用事象が前記表示ユニット上に表示されるかどうかを、場合によってはどの清掃事象及び/又は相互作用事象が前記表示ユニット上に表示されるかを、前記操作者が選択できることを意味すると理解することができる。例えば、少なくとも1つの事象に関する情報をそれぞれ含む複数の仮想レイヤが、前記表示ユニット上に表示されてもよい。前記操作者が、具体的に1つのレイヤ又は複数のレイヤの内容を表示させることができるようにしてもよい。
【0026】
前記清掃経路が、以下のうちの少なくとも1つが強調表示されるように前記表示ユニット上に表示されることができると好都合であり得る、
-清掃動作が行われる又は行われた前記清掃経路のセクション、
-少なくとも1つの清掃ユニットが動作している又は動作していた前記清掃経路のセクション。
【0027】
強調表示は、例えば、前記清掃経路のルートを着色することによって行うことができる。
【0028】
前記清掃経路が、前記少なくとも1つの清掃ユニットによって覆われた前記床面の区域が強調表示されるように、前記表示ユニット上に表示されることができ、強調表示が、例えば着色によって行うことができると有利であり得る。例えば、前記少なくとも1つの清掃ユニットの既定の位置情報及び既知の拡張に基づいて、前記床面上のどの区域が前記清掃ユニットによって覆われたかが決定されてもよい。これは、前記清掃経路の前記ティーチインを容易にするために、及び/又は前記床面のどの区域が既に清掃されたか又はまだ清掃されていないかを決定するために、前記操作者に対して視覚化することができる。
【0029】
前記少なくとも1つの表示ユニットは、例えば、タッチ感応表示ユニットである。例えば、タッチ感応スクリーン(タッチスクリーン)が設けられてもよい。前記操作者は、好ましくは、前記タッチ感応表示ユニットを介して入力を行うことができる。操作要素は、例えば、いわゆる「ソフトキー」として実装されてもよい。
【0030】
前記タッチ感応表示ユニット上に、ジェスチャ制御が設けられてもよい。例えば、前記清掃経路が、拡大及び/又は縮小して前記表示ユニット上に表示されることができると、このことが有利であると分かる。
【0031】
前記床清掃装置は、少なくとも1つの表示ユニットを備える。この少なくとも1つの表示ユニットは、好ましくは前記操作ユニット上に配置され、例えば、前記操作ユニットの一部又は前記操作ユニット全体を形成してもよい。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの表示ユニットが、前記床清掃装置から遠く離れて配置され、画像情報が、前記床清掃装置から前記表示ユニットに通信ユニットを介して送信されることができるようにしてもよい。このようにして、例えば遠隔ステーションにて、特に自動清掃の後、清掃結果を制御することが可能である。
【0033】
例えば、前記床清掃システムは、前記表示ユニットを有するデータ処理装置を備える。前記データ処理装置は、中央に設計されてもよいし、例えばクラウドサービスを介して空間的に分散して設計されてもよい。
【0034】
前記床清掃装置が、少なくとも1つの保存ユニットを備えるようにしてもよい。このようにして、清掃経路は前記床清掃装置内に局所的に保存されることができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの保存ユニットが前記床清掃装置から遠く離れて配置され、保存されることになっている又は保存される情報が、前記床清掃装置から前記保存ユニットに及び/又はその逆に、通信ユニットを介して送信されることができるようにしてもよい。例えば、前記床清掃装置から遠く離れている態様で保存することは、清掃経路が技術的に簡単な態様で異なる床清掃装置によって覆われることを許容し、この目的のために、前記清掃経路が複数の床清掃装置に保存される必要はない。例えば、床清掃装置同士で交換する時に、又は床清掃装置のメンテナンス及び/又は故障の場合に、このことは有利である。
【0036】
前記床清掃システムは、前記保存ユニットを有する(中央及び/又はクラウドサービスの)データ処理装置を備えるようにしてもよい。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、前記床清掃装置は、スクラバー真空として設計されてもよい。
【0038】
本発明はまた、上記タイプの床清掃システムの床清掃装置である、本発明による床清掃装置にも関する。本発明による前記床清掃装置の有利な実施形態は、上記説明から生じる。
【0039】
冒頭で述べたように、本発明は方法にも関する。床清掃システム又は床清掃装置を動作させるための本発明による方法は、上記タイプの床清掃システム又は床清掃装置が使用され、前記清掃経路が、前記少なくとも1つの清掃事象及び/又は前記少なくとも1つの相互作用事象に関連付けられる態様で前記少なくとも1つの表示ユニット上に表示されることができることで、最初に設定された問題を解決する。
【0040】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、図面と併せて、本発明をより詳細に説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明による床清掃装置の斜視図。
図2図1の床清掃装置の背面図。
図3】教示動作モードでの床清掃装置の表示ユニットの拡大図。
図4】表示ユニットの異なる表示内容を有する図3に対応する図。
図5】清掃プロセスの完了後における床清掃装置の表示ユニットの別の図。
図6図5の表示内容の拡大図。
図7】表示内容の別の拡大図。
図8】表示内容の別の拡大図。
図9】表示内容の別の拡大図。
図10】床清掃装置を備える、本発明による床清掃システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、全体が参照番号10で示されている、本発明による床清掃装置の有利な実施形態を示す。床清掃装置10は、それ自体で、参照番号12により特徴付けられた、好ましい実施形態での本発明による床清掃システムを形成することができる。
【0043】
代替的又は追加的に、床清掃装置10は、好ましい実施形態での図10に概略的に示された本発明による別の床清掃システム14の一部であってもよい。
【0044】
床清掃装置10は、自走式自己操舵であるように設計され、特に清掃ロボットを形成する。周囲18内での床面16の自律清掃は、床清掃装置10を用いて行うことができる。床清掃装置10により、特に、予め保存された清掃経路を覆い、床面16を清掃することが可能である。清掃経路は、教示動作モード(ティーチイン)でティーチイン又は指定されることができる。
【0045】
特に図1図2、及び図10から分かるように、床清掃装置10は、走行ギア22が下に配置されたハウジング20を備える。
【0046】
位置及び配向情報が床清掃装置10の所期の使用に関係し、床清掃装置10は、走行ギア22を介して床面16上に立つことができる。
【0047】
床清掃装置は、すべてのプロセスを制御するための制御ユニット10を備える。床清掃装置10は、床面16を清掃するための清掃ユニット26を備える。本例では、清掃ユニット26は、ローラブラシ(図示せず)を有する床清掃ヘッド28と、サイドブルーム30と、吸引ストリップ32と、吸引ストリップ32に負圧を加えるための吸引ユニット34とを備える。
【0048】
床清掃装置10は、洗浄液、特に水用の貯蔵容器36と、洗浄化学薬品用の貯蔵容器38とを備える。
【0049】
床面16は、水と洗浄化学薬品との混合物で濡らされる。汚れは、清掃ユニット26によって除去され、吸引ストリップ32を介して吸引ユニット34の作用下で汚液容器40に移送される。
【0050】
床清掃装置10は、再充電可能な、特に電源用電池42を備える。
【0051】
床清掃装置10はセンサユニット44をさらに備え、センサユニット44は、例えば、少なくとも1つのステレオカメラシステム、ライダシステム、及び/又は超音波システムを備えていてもよい。制御ユニット24は、センサユニット44の少なくとも1つの信号に基づいて、床清掃装置10をその周囲18において位置付ける及び/又はナビゲートすることができる。
【0052】
床清掃装置10は、保存ユニット46をさらに備える。特に、複数の清掃経路が、保存ユニット46に保存されて記憶されることができる。
【0053】
床清掃装置10は、指示ユニット48をさらに備える。本例では、指示ユニットは、例えばホーン又はスピーカーとして設計された少なくとも1つの音響アクチュエータ50と、例えば点滅灯として設計された少なくとも1つの光学アクチュエータ52とを備える。
【0054】
床清掃装置10は、指示ユニット48を介して周囲と相互作用することができる。本例では、これは、特に、特に人に向けられた聴覚的指示及び/又は視覚的指示がアクチュエータ50及び/又は52を介して出力されることを意味すると理解することができる。
【0055】
床清掃装置10は通信ユニット54をさらに備え、通信ユニット54を介して情報が床清掃装置10から及び床清掃装置10に無線及び/又は有線で送信されることができる。
【0056】
床清掃装置10は操作ユニット56をさらに有し、操作ユニット56は、順方向58に関して後側に配置される。制御可能な表示ユニット60が設けられ、制御可能な表示ユニット60は、操作ユニット56の一部であってもよいし、操作ユニット56を少なくとも部分的に形成してもよい。これは、図10に破線62で概略的に示されている。
【0057】
本例では、表示ユニット60は、タッチ感応であるように、特に、好ましくは着色される画像表示を有するタッチスクリーン64であるように設計される。タッチスクリーン64は、ユーザ入力を受け入れることを許容し、好ましくはジェスチャ制御を支援する。
【0058】
図3及び図4は、操作者66が床清掃装置10を教示動作モードで操作する間の、表示ユニット60の画像内容を示す。ティーチインの目的は、周囲18内に清掃経路68を生成することであり、清掃経路68は、保存ユニット46に保存され、床面16の清掃を実行するために、後の時点で床清掃装置10によって自動的に覆われることができる。
【0059】
操作者66は、ティーチイン中に操作ユニット56のグリップ要素67を介して床清掃装置10を案内することができる。走行ギア62は、グリップ要素67上に配置された駆動レバーを介して影響を受けることができる。
【0060】
図3及び図4は、ティーチイン中に床清掃装置10によって自動的に作成される周囲18のマップ70を示し、マップセクションは、図3による表示と比較して、図4ではユーザによって拡大されている。
【0061】
さらに、清掃モードを選択するための操作要素72、サイドブルーム30をオン/オフするための操作要素73、床清掃ヘッド28をオン/オフするための操作要素74、吸引ユニット34をオン/オフするための操作要素75、及び指示ユニット48をオン/オフするための操作要素76が、表示ユニット60上に示されている。
【0062】
さらに、給水量を表示するための表示要素77、電池容量を表示するための表示要素78、水の計量を表示するための表示要素79、及び洗浄化学薬品の計量を表示するための表示要素80が、表示ユニット60上に示されている。
【0063】
清掃経路68は、作動要素81を介して保存されることができる。清掃経路68の記録は、作動要素82を介して中断されることができる。
【0064】
最初に説明したように、本発明によれば、特に少なくとも1つの清掃ユニット26に関係する少なくとも1つの清掃事象、及び/又は少なくとも1つの相互作用事象が、位置固有の態様で清掃経路68内に保存されることができるようになっている。好ましくは、これらの事象を表示ユニット60上に教示動作モードでも示すことが可能である。これは図3及び図4に示されている。本例では、事象は、表示ユニット60上にマーカ要素84を介して示される。マーカ要素84は、例えば操作者66に説明するためのテキスト備えていてもよい。
【0065】
周囲18内の床清掃装置10は、開始点86を起点として、最初に、比較的障害物のないように設計される区域の上を、狭小区域88まで移動させられている。周囲18に警告するために、操作者66は、作動要素76を介して指示ユニット48の相互作用事象をトリガしており、この相互作用事象は清掃経路68内に保存される。相互作用事象は、位置固有の態様で参照符号90にて示されている。
【0066】
最初の空のトリップの後、床面16の清掃は、操作者66が操作要素73~75を介して清掃ユニット26を作動させたことで開始されている(清掃事象92)。記号94は、清掃経路68に沿った周囲18内の床清掃装置10の現在位置を識別する。
【0067】
マップ70のレンダリングは、操作者66が、床面16のどのセクションがまだ覆われていないかを決定することを許容する。これに基づいて、操作者66は、清掃経路68を作成するために支援される。まだ覆われていない区域は、標的を絞った態様でアプローチすることができる。清掃経路68のトラックは、表面全体を清掃する目的で互いに隣接して置くことができ、可能な限り小さい重なりを同時に達成することができる。端又は障害物の近くの清掃も、マップをレンダリングすることによって支援される。
【0068】
ティーチイン中に操作者66によってトリガされた清掃事象及び相互作用事象は、覆われたルートと共に、清掃経路68の一部として保存される。
【0069】
清掃経路68を覆いながらの自動清掃中、事象は、位置固有の態様で操作者66によって指定されたとおり、床清掃装置10によってトリガされる。さらに、事象を含む清掃経路68は、清掃の完了後に、好ましくは清掃中にも、表示ユニット60上に表示することができる。これについては図5図9を参照して以下で論じる。好ましくは、清掃の完了後、清掃レポートが作成されて保存ユニット46に保存されることができ、清掃レポートに基づいて清掃結果は制御されることができる。
【0070】
以下の例は、図3及び図4による清掃経路68と異なる清掃経路68に基づいて説明される。周囲18、したがってマップ70についても同様である。本例では、清掃経路68の間の違いは、異なる清掃経路が訓練されて徐々に減らされることができることを説明するのに役立つ。
【0071】
図5に従って表示ユニット60上に清掃レポート96をレンダリングすることは、清掃経路68がその中に示されたマップ70と、好ましくは、任意に操作者によって表示される又は隠されることができるマーカ要素84とを表示することを含む。
【0072】
さらに、表示要素77及び78と、走行時間についての情報を有する表示要素98と、覆われた距離についての情報を有する表示要素100とが示されている。表示要素102は、例えば、残存水量のプロファイル104及び残存電池容量のプロファイル106を、時間に応じて示すことができる。
【0073】
特に図6図9から分かるように、先行するセービングに基づいて、清掃経路68に対して複数の事象がトリガされた。
【0074】
開始点86を起点として、空のトリップが最初に行われた。障害物108の周りを運転している間に、周囲18内の人に警告するための相互作用事象90がトリガされた。清掃事象92が同じポイントでトリガされ、その間、清掃ユニット26は稼働状態にされる。別の清掃事象92がトリガされ、清掃ユニット26は稼働停止にされる。
【0075】
後続の空のトリップの後、別の清掃事象92がトリガされ、その間、清掃ユニット26が再び稼働状態にされる。清掃ユニット26は、別の清掃事象92中に稼働停止にされた。本例において開始点86に対応する終点までのトリップは、空のトリップとして行われた。
【0076】
事象及びその識別は、任意で操作者66によって表示ユニット60上に表示され、例えば、ルート110をクロスフェードするように表示されることができる、又はルート110の隣に示されることができる。マーカ要素84に加えて、表示は、例えば、当該事象の説明112を含むことができる。
【0077】
各表示モードは、操作者66によって選択されることができる。この目的のために、例えば、対応する操作要素114が表示ユニット60上で選択されることができる。好ましくは、清掃事象及び/又は相互作用事象についての異なる情報を有する仮想レイヤが、操作要素114を介して選択的に表示又はマスクアウトされることができる。
【0078】
特に、どの清掃ユニット26が清掃経路68のどのセクションで作動させられたかを示すことが可能である。これは例えば、清掃経路68を強調表示する、又は清掃経路68上に清掃ユニット26を示すことによって行われる。強調表示は、着色を含むことができる。
【0079】
図7は、清掃経路68のどのセクションで床清掃ヘッド28がオンにされたかを強調表示116の形で示す。さらに、床面16のどのセクションが床清掃ヘッド28によって覆われたかが示されている。
【0080】
図8は、強調表示116によりサイドブルーム30についての対応する状況を示す。床面16のどのセクションがサイドブルーム30によって覆われたかも分かる。
【0081】
図9は、清掃経路68のどのセクションで吸引ユニット34が動作していたかを強調表示116の形で示す。
【0082】
図7図9の例は、床清掃ヘッド28、サイドブルーム30、及び吸引ユニット34がそれぞれ、各清掃事象92中に同時に作動及び作動停止されていることを示す。もちろん、ティーチインに応じて、事象は、操作者66によって、異なる時点に異なるタイプの清掃ユニット26に対してトリガされるようにすることもできる。
【0083】
図6図9から、学習された清掃経路68と覆われた清掃経路68との間にずれ118があり、そこで床清掃装置10が所定の清掃経路68から外れていたことも分かる。ずれ118は、例えば、障害物の周りをドライブするために床清掃装置10が回避動作を行ったことに起因し得る。ずれ及び/又は特に大きなずれが累積すると、操作者66は、場合によっては、清掃経路68に変更を加える、新たな清掃経路を教示する、及び/又は床清掃装置10を点検してもよい。
【0084】
床清掃装置10の速度が、清掃経路68内に表示されるようにしてもよい。例えば、床清掃装置10の速度は、ルート110の着色に基づいて分かることができる。
【0085】
図10は、表示ユニット120、122及び保存ユニット124、126を有する床清掃システム14を示す。表示ユニット120は、例として、データ処理装置128の表示ユニットとして示されている。データ処理装置128はクラウドサービスでもよい。データ処理装置128は保存ユニット124をさらに備える。
【0086】
携帯型アクセサリ装置130、例えばスマートフォン又はタブレットコンピュータは、表示ユニット122及び保存ユニット126を備える。
【0087】
例えば清掃レポート96の一部としての画像情報は、床清掃装置10によって表示ユニット120及び/又は122上のディスプレイに通信ユニット54を介して送信されることができる。これは、清掃レポート96を閲覧及び評価するのに特に適している。清掃レポート96は、例えば保存ユニット124、126に保存されることができる。
【0088】
好ましくは、清掃経路68は保存ユニット124、126に保存されることができ、これに関係するデータは、通信ユニット54を介して床清掃装置10に送信されることができる。反対に、例えば清掃経路68を学習する時に、情報は床清掃装置10によって保存ユニット124、126に保存されることができる。
【符号の説明】
【0089】
10…床清掃装置
12,14…床清掃システム
16…床面
18…周囲
20…ハウジング
22…走行ギア
24…制御ユニット
26…清掃ユニット
28…床清掃ヘッド
30…サイドブルーム
32…吸引ストリップ
34…吸引ユニット
36、38…貯蔵容器
40…汚液容器
42…電池
44…センサユニット
46…保存ユニット
48…指示ユニット
50、52…アクチュエータ
54…通信ユニット
56…制御ユニット
58…順方向
60…表示ユニット
62…破線
64…タッチスクリーン
66…操作者
67…グリップ要素
68…清掃経路
70…マップ
72、73、74、75、76…操作要素
77、78、79、80…表示要素
81、82…作動要素
84…マーカ要素
86…開始点
88…狭小区域
90…相互作用事象
92…清掃事象
94…記号
96…清掃レポート
98、100、102…表示要素
104、106…プロファイル
108…障害物
110…ルート
112…説明
114…制御要素
116…強調表示
118…ずれ
120、122…表示ユニット
124、126…保存ユニット
128…データ処理装置
130…付属装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】