(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電流クランプのための電気的検証回路、対応する電流クランプ、及び対応する検証方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/22 20060101AFI20240705BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G01R1/22 Z
G01R35/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504180
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022067944
(87)【国際公開番号】W WO2023001513
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523207537
【氏名又は名称】トタルエナジーズ リニューアブルズ
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES RENEWABLES
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カサーニュ、ヴァレリック
(57)【要約】
本発明は、DC電流クランプ(1)のための電流測定検証回路(100)であって、電流クランプのジョー(11)の周りに配置されるように構成された少なくとも1つの巻線(101a)を有する少なくとも1つの導電体(101)であって、所定の強度(I)の直流を通過させるようにDC電源に電気的に接続されるように構成された少なくとも1つの導電体(101)と、当該少なくとも1つの導電体(101)に電気的に接続され、当該少なくとも1つの導電体(101)における電流の流れを阻止する少なくとも1つの位置と、当該少なくとも1つの導電体(101)における電流の流れを許容する少なくとも1つの位置とを取るように構成されたスイッチ(105)とを備える電流測定検証回路(100)に関する。本発明はまた、そのような電気回路(100)を組み込んだ電流クランプに関する。本発明はまた、そのような電気回路(100)を使用する検証方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC電流クランプ(1)のための電流測定検証回路(100)であって、
-前記電流クランプのジョー(11)の周りに配置されるように構成された少なくとも1つの巻線(101a)を有する少なくとも1つの導電体(101)であって、所定の強度(I)の直流が流れるように直流電源に電気的に接続されるように構成された少なくとも1つの導電体(101)と、
-前記少なくとも1つの導体(101)に電気的に接続されたスイッチ(105)であって、少なくとも
・前記少なくとも1つの導体(101)に電流が流れるのを阻止する位置、及び
・前記少なくとも1つの導体(101)に電流が流れることを許容する位置であって、前記スイッチ(105)が前記許容位置にあるときに前記電流クランプ(1)が前記少なくとも1つの導体(101)を通って流れる前記所定の強度(I)を表す強度値を測定しているかどうかを検証するための前記許容位置に対して構成されたスイッチと、を備えることを特徴とする、電流測定検証回路(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの導体(101)は、前記電流クランプ(1)の前記ジョー(11)の周りに配置されるように構成された少なくとも2つの巻線(101a)を備え、それにより、前記スイッチ(105)が前記許容位置にあり、直流が前記少なくとも1つの導体(101)を通って流れるとき、前記電流クランプ(1)によって測定される前記電流値は、前記少なくとも1つの導体(101)を通って流れる前記所定の電流(I)に前記巻線(101a)の数を乗じたものに対応する、請求項1に記載の回路(100)。
【請求項3】
前記スイッチ(105)と直列に配置された、前記直流源を形成するバッテリ又は少なくとも1つの電気アキュムレータ(103)を備え、前記少なくとも1つの導体(101)は、前記少なくとも1つの導体(101)、前記バッテリ又は前記少なくとも1つのアキュムレータ(103)及び前記スイッチ(105)が閉ループを形成するように、前記バッテリ又は前記少なくとも1つの電気アキュムレータ(103)の端子に電気的に接続される、請求項1又は2に記載の回路(100)。
【請求項4】
前記スイッチ(105)と直列に配置された光源(107)であって、前記スイッチが前記許容位置にあり、前記少なくとも1つの導体(101)に直流が流れているときに光を放射するように構成された光源(107)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の回路(100)。
【請求項5】
前記スイッチ(105)を前記許容位置に駆動するように動作可能であるように、前記スイッチ(105)と機械的に接触することによって前記ハウジング上に配置された作動部材(5)を備えるハウジングに取り付けられた、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路(100)。
【請求項6】
前記光源(107)は、透明又は半透明であってもよい光を通す材料で作られた前記ハウジングの領域に対向して配置される、請求項4又は5に記載の回路(100)。
【請求項7】
前記ハウジング(3)は、前記電流クランプ(1)とは別個であり、開口部(31)を有し、前記開口部の周りに、前記少なくとも1つの導体(101)が前記ハウジング(3)内部で巻き付けられ、前記電流クランプ(1)の前記ジョー(11)が通過するように構成されている、請求項5又は6に記載の回路(100)。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の電流測定検証回路(100)を備えることを特徴とする電流クランプ(1)。
【請求項9】
-強磁性材料で作られた2つのジョー(11)と、
-少なくとも一部が前記クランプ(1)の前記ジョー(11)の周りに配置された絶縁材料で作られたハウジングと、を備え、
-前記回路(100)は、前記少なくとも1つの導体(101)の前記少なくとも1つの巻線(101a)が、前記ジョー(11)のうちの1つを形成する強磁性材料の周りに配置されるように、前記クランプ(1)の前記ハウジング内に取り付けられる、請求項8に記載のクランプ(1)。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の電流測定を検証するための電気回路(100)によって、直流クランプ(1)の前記電流測定を検証するための方法であって、
-前記回路(100)が前記電流クランプ(1)とは別個のハウジング(3)に取り付けられている場合、前記少なくとも1つの導体(101)の前記少なくとも1つの巻線(101a)を前記電流クランプ(1)のジョー(11)の周りに位置決めするステップと、
-前記スイッチ(105)を、前記電流が前記少なくとも1つの導体(101)を流れることを許容する位置に配置するステップと、
-前記電流クランプ(1)が、前記少なくとも1つの導体(101)を流れる前記所定の強度(I)を表す強度値を測定しているかどうかを検証するステップと、を含む、ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電設備、特に光起電システムの分野及びそれらの保守に関する。より具体的には、本発明は、直流(direct current、DC)クランプのための電流測定を検証するための電気回路、及びサービス前に光起電ストリング内を流れる電流がないことを検証することを可能にする対応する電流クランプに関する。本発明はまた、そのような電気回路によって、DC電流クランプの電流測定を検証するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化、政治的選択、及びエネルギー移行の必要性のために、エネルギー消費は、環境に優しく、温室効果ガスの排出が少ない持続可能な開発にますます向けられている。この傾向は、当然ながら、光起電力エネルギーを含む太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーにつながっている。
【0003】
光起電モジュールは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための一般的なデバイスのうちの1つを構成する。それは、本質的に、例えばシリコン製の光電池を含み、これらの光電池の構成要素の光起電力効果のおかげで、太陽の電磁放射をDC電気エネルギーに変換することができる。光起電モジュールを形成する光電池は、共通の支持要素上で相互接続される。それは、例えばモジュールの形態であってもよい。
【0004】
いくつかの光起電モジュールを直列に相互接続して、光起電ストリングを形成することができる。そのような光起電ストリングは、一般に、インバータによって、グリッドに、又は生成された電気エネルギーが消費される設備に接続される。インバータは、光電池によって生成された直流を交流に変換することを可能にする。光起電ストリングはまた、モジュールとインバータとの間の往路及び復路を形成する2本のケーブルを備える。
【0005】
光起電ストリングの設置並びにその後の動作及び保守は、太陽が輝いており、中断されない限り、光起電ストリング内で電圧が流れているので、安全性の問題が発生する可能性がある。重要な安全規則は、動作中又は充電中に光起電ストリングを切断しないことである。これは、非常に強力な電気アークを生成し、オペレータに深刻な感電又は火傷の危険をもたらす可能性がある。
【0006】
これを回避し、光起電ストリングが充電されているときに光起電ストリングを開くリスクを制限するために、光起電ストリングから任意の導電性要素又はコネクタを切断する前に、電流が流れていないことを確実にするためのチェックが行われるべきである。
【0007】
1つの既知の解決策は、ケーブルを通って流れる電流を測定するために、開かれ得、ケーブルなどの導電性要素の周りに配置され得るDC電流クランプを使用することである。
【0008】
しかしながら、電流クランプによる測定は、例えば、電流クランプが損傷又は故障している場合、又は電流クランプが不正確に較正又は構成されている場合、例えば、電流クランプがDC電流ではなくAC電流用に構成されている場合、信頼できない可能性がある。このため、電流が流れていても測定されない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、DC電流クランプの正しい動作/較正を検証し、したがって安全手順をより信頼性のあるものにするための簡単な解決策を提供することである。本発明の更なる目的は、作業現場で簡単で実用的な検証を可能にすることである。
【0010】
この目的のために、本発明の目的は、以下を備えるDC電流クランプのための電流測定検証回路である:
-電流クランプのジョーの周りに配置されるように構成された少なくとも1つの巻線を有する少なくとも1つの導電体であって、所定の強度の直流が流れるように直流電源に電気的に接続されるように構成された少なくとも1つの導電体、及び
-当該少なくとも1つの導体に電気的に接続されたスイッチであって、電流が当該少なくとも1つの導体を通って流れることを阻止する少なくとも1つの位置と、電流が当該少なくとも1つの導体を通って流れることを許容するための1つの位置とを取るように構成されたスイッチ。
【0011】
これにより、電流クランプが、スイッチが許容位置にあるときに当該少なくとも1つの導体を流れる所定の強度を表す強度値を測定しているかどうかを検証することが可能になる。
【0012】
当該回路は、以下で説明する1つ以上の以下の特徴を、別々に又は組み合わせて更に備えることができる。
【0013】
当該少なくとも1つの導体は、電流クランプのジョーの周りに配置されるように構成された少なくとも2つの巻線を備えることができる。したがって、スイッチが許容位置にあり、当該少なくとも1つの導体に直流が流れているとき、電流クランプによって測定される強度値は、当該少なくとも1つの導体を流れる所定の強度に巻線の数を乗じたものに対応する。
【0014】
当該回路は、スイッチと直列に配置された、DC電源を形成するバッテリ又は少なくとも1つの電気アキュムレータを備えることができる。当該少なくとも1つの導体は、バッテリ又は当該少なくとも1つの電気アキュムレータの端子に電気的に接続される。
【0015】
当該少なくとも1つの導体、バッテリ又は当該少なくとも1つのアキュムレータ、及びスイッチは、閉ループを形成する。
【0016】
当該回路は、スイッチと直列に配置された光源であって、スイッチが許容位置にあり、当該少なくとも1つの導体に直流が流れているときに光を発するように構成された光源を備えてもよい。
【0017】
当該回路は、スイッチを許容位置に駆動するように動作可能であるように、スイッチと機械的に接触してハウジング上に配置された作動部材を備えるハウジング内に取り付けることができる。作動部材は、ハウジングから突出するように取り付けることができる。代替的に、作動部材は、ハウジングの外面と同一平面に取り付けることができる。
【0018】
光源は、例えば、透明又は半透明の光透過性材料で作られたハウジングの領域に対向して配置される。
【0019】
任意選択で、ハウジングは、クランプとは別個であり、開口部を有し、この開口部の周りに、当該少なくとも1つの導体がハウジング内部で巻き付けられ、電流クランプのジョーが通過するように構成される。
【0020】
本発明はまた、上記で定義された電流測定を検証するための電気回路を備える直流(DC)クランプに関する。
【0021】
クランプは、例えば、強磁性材料で作られた2つのジョーと、少なくとも一部が当該クランプのジョーの周りに配置された絶縁材料で作られたハウジングとを備え、当該回路は、当該少なくとも1つの導体の当該少なくとも1つの巻線がジョーのうちの1つを形成する強磁性材料の周りに配置されるように、当該クランプのハウジング内に取り付けられる。
【0022】
本発明はまた、上記で定義された電流測定値を検証するための電気回路によって、DC電流クランプの電流測定値を検証するための方法に関する。当該方法は以下のステップを含む:
-当該回路が電流クランプとは別個のハウジング内に取り付けられている場合、当該少なくとも1つの導体の当該少なくとも1つの巻線を電流クランプのジョーの周りに位置決めするステップと、
-スイッチを、電流が当該少なくとも1つの導体を流れることを許容する位置に配置するステップと、
-電流クランプが、当該少なくとも1つの導体を流れる所定の強度を表す強度値を測定しているか否かを検証するステップ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的かつ非限定的な例、及び添付図面として与えられる以下の説明を読むことにより、より明確に明らかになる。
【
図1】電流クランプと、電流クランプの電流測定を検証するための電気回路を収容するハウジングとを示す。
【
図2】電気回路を収容するハウジングを取り外した電流クランプ及び電気回路の図である。
【
図3】いくつかの巻線を有する導体が設けられた
図2の電気回路の変形例を示す。
【
図4】光源を備えた
図3の電気回路の変形例を示す。
【
図5】電流クランプによって担持される電気回路の代替例を示す。
【
図6】電気回路を収容するハウジングを含む電流クランプを示す。
【0024】
これらの図において、同一の要素には同じ参照番号が付与されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施形態は一例である。本明細書は1つ以上の実施形態について言及するが、これは、それぞれの言及が同じ実施形態に関すること、又は特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するわけではない。異なる実施形態の単一の特徴はまた、他の実施形態を提供するために組み合わせられるか又は交換され得る。
【0026】
本発明は、
図1~
図6に概略的に示す電流クランプ1の有効電流測定の検証に関し、電流クランプ1が機能的で信頼性があること、例えば、測定される電流が直流であるか又は交流であるかに応じて正確に較正されているかどうか、及び電流クランプ1が故障又は損傷していないことを確実にする。
【0027】
このような電流クランプ1は、特に、いくつかの相互接続された光起電モジュールから形成される少なくとも1つの光起電ストリングを備える光起電設備(図示せず)に関連して使用することができる。そのような光起電ストリングは、グリッドに、又は生成された電気エネルギーがインバータによって消費され得る設備に接続され得る。
【0028】
例として、電流クランプ1は、電流が導電性要素又はケーブルなどの接続要素を流れているかどうかを測定するように構成される。それは、特に、例えば、1つ以上の光起電力モジュールによって生成された電流を、グリッド、又は設備、又はインバータ、又は任意の他のエネルギー変換器に転送又は伝送することを可能にするケーブル、又は光起電力ストリングの異なる光起電モジュールを互いに接続することを可能にするケーブルであってもよい。
【0029】
この目的のために、電流クランプ1は、開閉することができる強磁性材料で一般に作られた2つのジョー11を備える。特に、ジョー11のうちの一方は、電流クランプ1の残りの部分に対して固定されたままであるように意図されてもよく、他方のジョー11は、固定されたジョー11に対して移動可能であってもよい。ジョー11は、例えば、測定される電流によって覆われるように意図されたケーブルなどの検証される要素が、ジョー11の間に形成された空間内に配置され得るように成形される。
【0030】
電流クランプ1は、電気絶縁材料で作られた、例えばプラスチック材料で作られたハウジングを更に備える。ハウジングは、ジョー11を形成する強磁性材料の周りに配置された部分を含む。
【0031】
ハウジングはまた、電流クランプ1の本体13又はハンドルを画定する別の部分を含み、それは、例えば光起電ストリングを含む現場又は作業現場で電流測定を実行することができるように、オペレータによって保持されることを可能にする。本体13は、一般に、電流クランプ1の1つ以上の電気及び電子構成要素を収容するように成形される。このような構成要素は、特に、電流クランプ1による直流測定のために設計される。
【0032】
測定された電流の強度を読み取るための表示画面15など、電流クランプ1によって実行される測定を見るための要素を、この本体13上に設けることができる。
【0033】
このような電流クランプ1及びその動作は公知であり、より詳細には説明しない。
【0034】
本発明は、特に、電流測定を検証するための電気回路100(以下、電気回路100と呼ぶ)に関する。この電気回路100は、電流クランプ1とは別個であってもよく、専用のハウジング3(
図1参照)に取り付けられてもよい。代替的に、電気回路100は、
図5及び
図6に示すように、電流クランプ1に一体化されてもよい。代替的な実施形態間の差異は、後に説明される。
【0035】
図2~
図6に示す変形例のいずれかによる電気回路100は、少なくとも1つの導電体101を備える。
【0036】
一般に、この導電体101は、例えば、光起電ストリングのコンテキストにおいて、電流がそこに流れていないことを確実にするために、これを使用する前に、電流クランプ1がこの電流を測定することができるかどうかを検証するために、直流によって横断されるように意図されている。
【0037】
導電体101は、少なくとも1つの巻線101aを有する。巻線101aは、
図2に示すように1つだけ設けられてもよいし、又は
図3~
図6に示すように複数の巻線101aが設けられてもよい。
【0038】
少なくとも電流クランプ1の試験又は検証段階の間、導電体101の巻線101aは、電流クランプ1のジョー11の周りに配置される。巻線101aの一部は、電流クランプ1のジョー11によって取り囲まれる。
【0039】
導電体101は、所定の強度Iの直流が通過することができるように、DC電源に電気的に接続されるように構成される。
【0040】
この所定の強度Iは、導電体101の巻線101aの数と、電流クランプ1によって測定される強度値との関数として定義することができ、この強度値は、例えば数アンペア程度の所定の試験値に対応する。言い換えれば、電力及びエネルギー節約のために、所定の強度I及び巻線101aの数は、それらの積が、所定のいわゆる試験強度値に対応するように定義することができる。純粋に例示的かつ非限定的な例として、所定の電流クランプ1によって測定される強度値が2Aである場合、導電体101は20個の巻線101aを有してもよく、試験中にこの導電体101を通るように意図された強度Iは100mAであってもよい。
【0041】
有利には、電気回路100は、少なくとも1つの電気アキュムレータ103又はバッテリを備え、その端子に導電体101が接続される。これにより、電流クランプ1の試験又は検証を実行するために直流源を形成することが可能になる。それは、例えば、電気回路100に組み込まれた単回使用又は再充電可能バッテリであってもよい。このDC電源の電気回路100への一体化は、その実用性を増大させる。
【0042】
更に、電気回路100は、導電体101に電気的に接続されたスイッチ105を備える。
【0043】
より具体的には、電気アキュムレータ103又はバッテリ、及びスイッチ105は、直列に配置することができる。したがって、導電体101、アキュムレータ103又はバッテリ、及びスイッチ105は、閉ループを形成する。
【0044】
スイッチ105は、導電体101内の電流の流れを阻止する少なくとも1つの位置と、導電体101内の電流の流れを許容する位置とを取ることができる。換言すれば、スイッチ105は、導電体101における循環を開始又は停止することを可能にし、直流は、電気アキュムレータ103又はバッテリなどのDC電源から来る。したがって、スイッチ105が許容位置にあるとき、所定の強度Iの連続電流が導電体101を流れることができる。電流クランプ1が機能的であり、適切に較正されている場合、この電流を測定することができる。特に、電流クランプ1は、所定の強度Iを表す強度値を測定できなければならない。
【0045】
加えて、電気回路100は、DC電流が導電体101を流れるときに光を放出するように構成された光源107(
図4~
図6参照)を含むことができる。この光源107は、スイッチ105と直列に配置され、この例では、電気アキュムレータ103又はバッテリとも直列に配置される。例えば、少なくとも1つのランプ、又は特に1つ以上の発光ダイオードであってもよい。これは、直流が実際に電気回路100内を流れていること、及び、例えば、アキュムレータ103を備える一体型バッテリが電気回路100に正しく供給していることのインジケータ及び単純な視覚的フィードバックをオペレータに提供する。
【0046】
最後に、上述したように、このような電気回路100は、電流クランプ1に組み込まれなくてもよく、試験又はチェックが実行されるときにのみ電流クランプ1に関連付けられてもよい。
【0047】
図1~
図4を参照すると、電気回路100は、電流クランプ1とは別個のハウジング3内に取り付けられている。ハウジング3は、プラスチック材料などの電気絶縁材料を含むことができる。
【0048】
電流クランプ1から分離されたハウジング3は、有利には、電気回路100を使用して電流クランプの試験を実行しなければならないときに電流クランプ1のジョー11を挿入することができる開口部31を有する。導電体101は、この開口部31の周りに巻かれて巻線101aを形成するように、ハウジング3の内部に収容される。したがって、電流クランプ11のジョー11が開口部31を通過するとき、導電体101の巻線101aは、このジョー11の周りに配置される。次いで、導電体101の一部が、電流クランプ1の2つのジョー11の間に形成された空間内に配置される。
【0049】
電流クランプ1から分離されたハウジング3は、電流クランプ1が試験又はチェックされるときにオペレータによって動作され得るようにハウジング3上に配置された作動部材5を更に備えてもよい。この作動部材5は、スイッチ105を許容位置に駆動することができるように、スイッチ105と機械的に接触して配置される。更に、作動部材5は、少なくとも2つの位置を取ることができ、各位置はスイッチ105の位置に関連付けられる。例えば、押しボタンの形態で実施することができる。
【0050】
更に、電気回路100が上述したような光源107を備える場合、電流クランプ1から分離されたハウジング3は、有利には、光を通過させる透明又は半透明の材料から作られた、例えばドームの形状の領域を有し、この領域に対向して光源107が配置される。
【0051】
代替的に、電気回路100は、電流クランプ1に一体化されてもよい。この場合、電流クランプ1は自己試験が可能である。電流クランプ1への電気回路100の一体化は、電流クランプ1を試験するための追加のデバイス又はハウジングの必要性を排除する。
【0052】
電気回路100は、
図5に示すように、電流クランプ1のハウジングの外側に少なくとも部分的に取り付けることができる。電気回路100は、電流クランプ1のジョー11のうちの1つの周りに取り付けられた導電体101の巻線101aとともに電流クランプ1の外部回路を形成する。電気回路100の残りの部分は、電流クランプ1の本体13又はハンドルに配置されてもよい。
【0053】
代替的に、電気回路100は、電流クランプ1のハウジング内に全体的に又は部分的に取り付けることができる。
【0054】
図6の例によれば、電気回路100は、電流クランプ1のハウジング内に完全に収容されている。
【0055】
より具体的には、導電体101の巻線101aは、ジョー11のうちの1つを形成する強磁性材料の周りに配置される。それは特に固定ジョー11であってもよい。
【0056】
電気回路100の残りの部分は、電流クランプ1の本体13又はハンドルにおいてハウジング内に配置されてもよい。
【0057】
この変形例によれば、電流クランプ1のハウジングは、ハウジング3が電流クランプ1とは別個である場合に
図1を参照して前述したように、作動部材5を備えてもよい。
【0058】
この作動部材5は、例えばオペレータによって操作されることができるように、ハウジング上に、特に電流クランプ1の本体13に配置される。作動部材5は、ハウジングから突出するように取り付けることができる。代替的に、作動部材5は、ハウジングの外面と同一平面に取り付けることができる。換言すれば、それはハウジング内に埋め込まれていてもよい。
【0059】
それは、スイッチと機械的に接触して配置され、更に、オペレータが電流クランプ1を試験したいときにスイッチを許容位置に駆動することができるように、スイッチ位置に関連付けられた少なくとも2つの位置を取ることができる。
【0060】
電流クランプ1のハウジングは、特に、電流クランプの本体13において、透明又は半透明の光を通過させる材料で作られた領域を更に備えてもよく、設けられる場合には、その領域に対向して光源107が配置される。
【0061】
したがって、電流クランプ1が適切に較正され(直流)、損傷又は故障していないかどうかを判定するために、電流クランプ1を試験しなければならないとき、この電流クランプ1による電流測定を検証する方法を実施することができる。
【0062】
電気回路100が電流クランプ1に組み込まれておらず、特に、電流クランプ1とは別個のハウジング3に取り付けられている場合、導電体101の巻線101aは、電流クランプ1のジョー11の周りに位置決めされる。
【0063】
検証方法は、作動部材5を操作することによって、例えば、この部材を押して、スイッチ105を導電体101内の電流の流れを許容する位置に置くことによって開始することができる。
【0064】
導電体101が強度Iの所定の直流によって交差されるとき、電流クランプ1がこの所定の強度Iを表す強度値を測定し、例えば表示画面15上に示している場合、オペレータは、電流クランプ1が適切に較正され、機能していると結論付けることができる。この場合、試験された電流クランプ1は、例えば保守のためにストリングを開く前に、光起電ストリングの安全性チェックを実行するために信頼して使用することができる。
【0065】
逆に、電流クランプ1が電流又は偽の値を測定しない場合、これは電流クランプ1の故障又は誤較正を示す。これにより、例えば光起電ストリングに対して、保守作業を行うオペレータに誤った安心感を与えるであろう、変更された又は欠陥のあるクランプ1の使用を回避することが可能になる。
【0066】
検証方法は、例えば作動部材5を再び操作することによって、試験電流が遮断されたときに停止することができる。
【0067】
上述したような電気回路100は、電流クランプ1のジョー11の間に少なくとも部分的に配置された導電体101を使用するそのようなクランプの電流測定の原理を使用して、電流クランプ1を試験するための単純で安価な解決策を提供する。
【0068】
加えて、それは、電流クランプ1に直接一体化され得るか、又は、信頼性があり堅牢な結果を保証しながら、運搬され、作業現場で容易に使用され得る単純なツールの形態で作製され得る。
【国際調査報告】