IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヒュイノ カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-525992生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
<>
  • 特表-生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図1
  • 特表-生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図2
  • 特表-生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図3
  • 特表-生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図4
  • 特表-生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/363 20210101AFI20240705BHJP
【FI】
A61B5/363
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527052
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 KR2022009927
(87)【国際公開番号】W WO2023003236
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095174
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524022531
【氏名又は名称】ヒュイノ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン サン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジュン ホ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG09
4C127GG16
4C127JJ03
(57)【要約】
本発明の一態様によると、生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法であって、複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換する段階、および前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる段階を含む方法が提供される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法であって、
複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換する段階、および
前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる段階を含む、方法。
【請求項2】
前記変換段階で、前記少なくとも一つのリードに関するデータおよび前記特定リードに関するデータをベクトル化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変換段階で、前記ベクトル化された少なくとも一つのリードに関するデータおよび前記ベクトル化された特定リードに関するデータ間の差に関する情報を算出する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換段階で、前記算出された差に関する情報を参照して前記特定リードに関するデータを基準として前記少なくとも一つのリードに関するデータを補正することによって、前記少なくとも一つのリードに関するデータを前記増強データに変換する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記算出された差に関する情報には、位相の差に関する情報および大きさの差に関する情報のうち少なくとも一つが含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する、非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【請求項7】
生体信号分析モデルの学習データを管理するためのシステムであって、
複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換するデータ管理部、および
前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる学習管理部を含む、システム。
【請求項8】
前記データ管理部は、前記少なくとも一つのリードに関するデータおよび前記特定リードに関するデータをベクトル化する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記データ管理部は、前記ベクトル化された少なくとも一つのリードに関するデータおよび前記ベクトル化された特定リードに関するデータ間の差に関する情報を算出する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記データ管理部は、前記算出された差に関する情報を参照して前記特定リードに関するデータを基準として前記少なくとも一つのリードに関するデータを補正することによって、前記少なくとも一つのリードに関するデータを前記増強データに変換する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記算出された差に関する情報には、位相の差に関する情報および大きさの差に関する情報のうち少なくとも一つが含まれる、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近科学技術の飛躍的な発電によって人類全体の生活の質が向上しており、医療環境においても多くの変化が発生している。特に、最近、病院に行かずに日常生活中に心電図を分析して不整脈を判別できるウェアラブルモニタリングデバイスが大衆に広く普及している。
【0003】
一般的に不整脈を判別するための方法として、12誘導心電図(12-lead ECG)を分析して不整脈を判別する方法が広く使われている。12誘導心電図を分析するためには被測定者の身体部位に多数の接点を形成することが要求されるが、通常的にウェアラブルモニタリングデバイスはその特性上被測定者の身体部位に多数の接点を形成することに制限が発生するため、12誘導心電図のうち特定リードに関するデータのみを分析して不整脈を判別している。
【0004】
このようなウェアラブルモニタリングデバイスは特定リードに関するデータを分析するために人工知能モデルを搭載することになるが、従来には人工知能モデルを学習させる学習データも特定リードに関するデータのみを利用してきた。
【0005】
しかし、人工知能モデルを特定リードに関するデータのみを利用して学習させることになると、特定リードに関するデータのみを分析しても正確な判別が可能な一部の類型の不整脈については高精度の判別が可能であるが、特定リードに関するデータと他のリードに関するデータを総合的に分析しないと正確な判別ができない類型の不整脈については高精度の判別が難しいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための人工知能モデルをマルチリードに関するデータを利用して学習させることによって、人工知能モデルが多様な類型の不整脈を高精度で判別できるようにすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0009】
本発明の一態様によると、生体信号分析モデルの学習データを管理するための方法であって、複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換する段階、および前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる段階を含む方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によると、生体信号分析モデルの学習データを管理するためのシステムであって、複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換するデータ管理部、および前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる学習管理部を含むシステムが提供される。
【0011】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための人工知能モデルをマルチリードに関するデータを利用して学習させることによって、人工知能モデルが多様な類型の不整脈を高精度で判別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例により生体信号分析モデルの学習データを管理するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施例に係る学習データ管理システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
図3】本発明の一実施例によりベクトル化された複数のリードに関するデータを例示的に示す図面である。
図4】本発明の一実施例によりベクトル化された他のリードに関するデータおよびベクトル化された特定リードに関するデータを例示的に示す図面である。
図5】本発明の一実施例により特定リードに関連する増強データを例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は当業者が本発明を充分に実施できるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが相互に排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定形状、構造および特性は本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味で行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0015】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施例に関して添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0016】
全体システムの構成
【0017】
図1は、本発明の一実施例により生体信号分析モデルの学習データを管理するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
【0018】
図1に図示された通り、本発明の一実施例に係る全体システムは通信網100、学習データ管理システム200およびデバイス300を含むことができる。
【0019】
まず、本発明の一実施例に係る通信網100は、有線通信や無線通信のような通信の様態にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN;Local Area Network)、都市圏通信網(MAN;Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN;Wide Area Network)などの多様な通信網で構成され得る。好ましくは、本明細書における通信網100は公知のインターネットまたはワールドワイドウェブ(WWW;World Wide Web)であり得る。しかし、通信網100は、あえてこれに限定されず、公知の有線/無線データ通信網、公知の電話網または公知の有線/無線テレビ通信網をその少なくとも一部において含んでもよい。
【0020】
例えば、通信網100は、無線データ通信網であって、無線周波数(RF;Radio Frequency)通信、ワイファイ(WiFi)通信、セルラー(LTEなど)通信、ブルートゥース(登録商標)通信(さらに具体的には、低電力ブルートゥース(登録商標)(BLE;Bluetooth Low Energy))、赤外線通信、超音波通信などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。
【0021】
次に、本発明の一実施例に係る学習データ管理システム200は、複数のリード(lead)のうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換し、前記増強データおよび前記特定リードに関するデータを学習データとして利用して、前記特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる機能を遂行することができる。
【0022】
本発明の一実施例に係る学習データ管理システム200の構成と機能に関しては、以下の詳細な説明を通じて詳察することにする。
【0023】
次に、本発明の一実施例に係るデバイス300は、学習データ管理システム200に接続した後に通信できる機能を含むデジタル機器であって、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、スマートパッチ、スマートバンド、スマートグラス、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、ワークステーション、PDA、ウェブパッド、移動電話機などのようにメモリ手段を具備し、マイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えたデジタル機器であればいくらでも本発明に係るデバイス300として採択され得る。
【0024】
特に、本発明の一実施例に係るデバイス300は、人体から所定の生体信号(例えば、心電図)を獲得するためのセンシング手段(例えば、接触電極など)を含むことができる。
【0025】
一方、本発明の一実施例に係るデバイス300は、使用者が学習データ管理システム200から本発明に係るサービスの提供を受けるように支援するアプリケーション(図示されず)を含むことができる。このようなアプリケーションは学習データ管理システム200または外部のアプリケーション配布サーバー(図示されず)からダウンロードされたものであり得る。一方、このようなアプリケーションの性格は後述するような学習データ管理システム200のデータ管理部210、学習管理部220、通信部230および制御部240と全般的に類似し得る。ここで、アプリケーションはその少なくとも一部が必要に応じてそれと実質的に同一または均等な機能を遂行できるハードウェア装置やファームウェア装置に置換されてもよい。
【0026】
学習データ管理システムの構成
【0027】
以下では、本発明の具現のために重要な機能を遂行する学習データ管理システム200の内部構成と各構成要素の機能について詳察することにする。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に係る学習データ管理システム200の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0029】
図2に図示された通り、本発明の一実施例に係る学習データ管理システム200はデータ管理部210、学習管理部220、通信部230および制御部240を含むことができる。本発明の一実施例によると、学習データ管理システム200のデータ管理部210、学習管理部220、通信部230および制御部240は、そのうち少なくとも一部が外部のシステム(図示されず)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは運営システム、アプリケーションモジュールまたはその他プログラムモジュールの形態で学習データ管理システム200に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールは学習データ管理システム200と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは、本発明により後述する特定業務を遂行したり特定抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、客体、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0030】
一方、学習データ管理システム200に関して前記のように説明されたが、このような説明は例示的なものであり、学習データ管理システム200の構成要素または機能のうち少なくとも一部が必要に応じてデバイス300またはサーバー(図示されず)内で具現されたり外部システム(図示されず)内に含まれてもよいことは当業者に自明である。
【0031】
まず、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、複数のリードのうち少なくとも一つのリードに関するデータを前記複数のリードのうち特定リードに関連する増強データに変換する機能を遂行することができる。
【0032】
本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、少なくとも一つの心電計(例えば、12誘導心電計、ホルター心電計、ウェアラブル心電計など)から複数のリードに関するデータを獲得することができる。ここで、複数のリードに関するデータは、12誘導心電図(12-lead ECG)に関するデータであって、leadI、leadII、leadIII、lead aVR、lead aVL、lead aVF、lead V1、lead V2、lead V3、lead V4、lead V5およびlead V6に関するデータを含むことができる。
【0033】
引き続き、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、少なくとも一つの心電計から獲得した複数のリードに関するデータから特定リードに関するデータおよび特定リードに関するデータ以外の少なくとも一つの他のリードに関するデータ(以下、「他のリードに関するデータ」という。)を抽出することができる。ここで、特定リードに関するデータは、不整脈を判別するための分析モデルに対する学習に利用される学習データであって、分析過程で分析モデルに入力されるテスト入力(test input)データと同じ類型の(すなわち、同じリードで測定される)データであり得る。また、他のリードに関するデータは、不整脈を判別するための分析モデルに対する学習に特定リードに関するデータとともにさらに利用され得る学習データであって、特定リードに関するデータと所定の関係がある他のリードで測定されるデータであり得る。
【0034】
具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、分析モデルに入力されるテスト入力データごとに分析モデルの学習データとして利用するデータの組み合わせをデータベース化し、これに基づいて少なくとも一つの心電計から獲得した複数のリードに関するデータから特定リードに関するデータおよび他のリードに関するデータを抽出することができる。例えば、分析モデルに入力されるテスト入力データがleadIIに関するデータである場合、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、前記組み合わせのうち一つを参照して、少なくとも一つの心電計から獲得した複数のリードに関するデータから特定リードに関するデータとしてleadIIに関するデータおよび他のリードに関するデータとしてlead aVRに関するデータおよびleadIに関するデータを抽出することができる。
【0035】
一方、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、抽出された他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換することができる。例えば、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、他のリードに関するデータとして抽出されたlead aVRに関するデータおよびleadIに関するデータを特定リードに関するデータとして抽出されたleadIIに関するデータに関連する増強データに変換することができる。
【0036】
具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、他のリードに関するデータおよび特定リードに関するデータをベクトル化することができる。より具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、他のリードに関するデータおよび特定リードに関するデータを3次元空間でベクトル化することができる。図3を参照すると、12誘導心電図のうちleadI、leadII、leadIII、lead aVL、lead aVRおよびlead aVFに関するデータは3次元空間のyz平面を基準としてベクトル化され得る。また、12誘導心電図のうちlead V1、lead V2、lead V3、lead V4、lead V5およびlead V6に関するデータは3次元空間のxy平面を基準としてベクトル化され得る。ここで、3次元空間のyz平面は人体の縦断面に関連し得、3次元空間のxy平面は人体の横断面に関連し得る。
【0037】
引き続き、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータおよびベクトル化された特定リードに関するデータ間の差に関する情報を算出することができる。具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータおよびベクトル化された特定リードに関するデータ間の差に関する情報として、位相の差に関する情報および大きさの差に関する情報のうち少なくとも一つを算出することができる。
【0038】
例えば、図4を参照すると、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、他のリードに関するデータとしてlead aVRに関するデータおよびleadIに関するデータと特定リードに関するデータとしてleadIIに関するデータをyz平面を基準としてベクトル化することができる。本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化されたlead aVRに関するデータおよびベクトル化されたleadIIに関するデータ間の位相の差に関する情報としてθを算出でき、ベクトル化されたleadIに関するデータおよびベクトル化されたleadIIに関するデータ間の位相の差に関する情報としてθ′を算出することができる。一方、図4に図示してはいないが、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化されたlead aVRに関するデータ(またはベクトル化されたleadIに関するデータ)とベクトル化されたleadIIに関するデータの間に大きさの差が存在する場合、ベクトル化されたlead aVRに関するデータ(またはベクトル化されたleadIに関するデータ)およびベクトル化されたleadIIに関するデータ間の大きさの差に関する情報を算出してもよい。
【0039】
引き続き、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、前記算出された差に関する情報を参照して特定リードに関するデータを基準として他のリードに関するデータを補正することによって、他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換することができる。
【0040】
具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータとベクトル化された特定リードに関するデータの差が所定水準以上である場合、特定リードに関するデータを基準として他のリードに関するデータを補正することによって、他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換することができる。より具体的には、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータとベクトル化された特定リードに関するデータの位相の差が所定水準以上である場合、特定リードに関するデータの位相を基準として他のリードに関するデータの位相を補正することによって、他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換することができる。また、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータとベクトル化された特定リードに関するデータの大きさの差が所定水準以上である場合、特定リードに関するデータの大きさを基準として他のリードに関するデータの大きさを補正することによって、他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換することができる。
【0041】
例えば、図5を参照すると、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化されたlead aVRに関するデータとベクトル化されたleadIIに関するデータの位相の差が所定水準(90°)以上であると判断し、leadIIに関するデータの位相を基準としてlead aVRに関するデータの位相を補正(lead aVRに関するデータの位相を180°補正)することで、lead aVRに関するデータをleadIIに関するデータに関連する増強データに変換することができる。ここで、leadIIに関するデータに関連する増強データはlead-aVRに関するデータであって、leadIIに関するデータとlead-aVRに関するデータの位相の差(θ″)は所定水準(90°)未満であり得る。
【0042】
一方、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化された他のリードに関するデータとベクトル化された特定リードに関するデータの差が所定水準未満である場合には他のリードに関するデータを補正しないことができる。この場合、特定リードに関連する増強データには、補正されていない他のリードに関するデータが含まれ得る。
【0043】
例えば、再び図4を参照すると、本発明の一実施例に係るデータ管理部210は、ベクトル化されたleadIに関するデータとベクトル化されたleadIIに関するデータの位相の差(θ′)が所定水準(90°)未満であると判断し、leadIIに関するデータの位相を基準としてleadIに関するデータの位相を補正しないことができる。ここで、leadIIに関するデータに関連する増強データは、補正されていないleadIに関するデータそのものであり得る。
【0044】
ただし、本発明の一実施例によりデータ管理部210が他のリードに関するデータを特定リードに関連する増強データに変換する方式は必ずしも前記の例示に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で多様に変更され得る。
【0045】
次に、本発明の一実施例に係る学習管理部220は、特定リードに関連する増強データおよび特定リードに関するデータを学習データとして利用して、特定リードに関するデータを利用して不整脈を判別するための分析モデルを学習させる機能を遂行することができる。
【0046】
具体的には、本発明の一実施例によると、学習管理部220によって学習が遂行される分析モデルは、被測定者から測定される特定リードに関するデータを分析することによって被測定者の不整脈を判別することができる。本発明の一実施例に係る学習管理部220は、特定リードに関するデータだけでなく、特定リードに関連する増強データも学習データとして利用して前記分析モデルを学習させることができる。すなわち、本発明の一実施例によると、分析モデルはマルチリードに関するデータ(すなわち、特定リードに関するデータおよび特定リードに関連する増強データ)に基づいて学習され得るため、テスト入力データとしてシングルリードに関するデータ(すなわち、特定リードに関するデータ)のみ入力される環境でも多様な類型の不整脈を高精度で判別できるようになる。
【0047】
次に、本発明の一実施例に係る通信部230は、データ管理部210および学習管理部220からの/へのデータ送受信を可能とする機能を遂行することができる。
【0048】
最後に、本発明の一実施例に係る制御部240は、データ管理部210、学習管理部220および通信部230間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、本発明に係る制御部240は学習データ管理システム200の外部からの/へのデータの流れまたは学習データ管理システム200の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、データ管理部210、学習管理部220および通信部230でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0049】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて遂行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体はプログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知となっている使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体。、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体。、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体。(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同じである。
【0050】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正と変更を試みることができる。
【0051】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属すると言える。
【符号の説明】
【0052】
100:通信網
200:学習データ管理システム
210:データ管理部
220:学習管理部
230:通信部
240:制御部
300:デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】