(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ドッキングステーションを有するモジュール式粒子計数器
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20240101AFI20240709BHJP
G01N 1/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G01N15/06 D
G01N1/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565526
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022033367
(87)【国際公開番号】W WO2022266052
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】イエーツ, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ロディエ, ダニエル
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA04
2G052AA36
2G052AB22
2G052AC13
2G052AC27
2G052AD15
2G052AD22
2G052AD55
2G052BA14
2G052GA09
2G052GA11
2G052GA23
2G052JA05
2G052JA07
(57)【要約】
サンプリング装置をドッキングステーションに取り外し可能に取り付けることができ、それによって、ドッキングステーションをサンプリングシステムの残りの部分から取り外すかまたは切り離す必要なくサンプリング装置を交換することが可能になる、ガスおよび他の流体をサンプリングおよび監視するためのモジュール式ドッキングステーションおよび方法。これにより、中断を最小限に抑えるかまたは中断なしにドッキングステーションをシステムの残りの部分に接続したままにすることが可能になり、サンプリング装置を交換するときの保守コストおよび時間が削減される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1つ以上のサンプリング装置の本体に取り外し可能に取り付けることができる基部と、
b)電源に接続することができる電力入力と電力出力とを有し、前記電力出力が、前記1つ以上のサンプリング装置を動作させるための電力を供給することができる、電力供給部と、
c)流体システムに取り付けることができる少なくとも1つの流体コネクタであって、前記少なくとも1つの流体コネクタが、前記1つ以上のサンプリング装置に、または前記1つ以上のサンプリング装置を介して流体流を供給することができる、少なくとも1つの流体コネクタと、
d)外部コントローラまたは中央処理装置(CPU)に接続することができる少なくとも1つのデータ通信コネクタであって、前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、前記外部コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信することができる、少なくとも1つのデータ通信コネクタと、
を備える、ドッキングステーション。
【請求項2】
前記流体流中の1つ以上の特定の成分、微生物、空中浮遊分子汚染物質、または粒子を検出または感知することができる検出器またはセンサをさらに備える、請求項1に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項3】
前記検出器またはセンサが、フォトニック検出器、コヒーレント(LASER)および/または非コヒーレント光源を組み込むセンサである、請求項2に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項4】
前記検出器またはセンサが、非光学検出器またはセンサである、請求項2または3に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項5】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、無線コネクタである、請求項1~4のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項6】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項7】
コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、コンピュータメモリ、またはデータ記憶装置をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項8】
前記コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリが、前記1つ以上のサンプリング装置のインターネットプロトコルアドレスおよび/または場所設定を含む、請求項7に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項9】
前記コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリが、前記1つ以上のサンプリング装置を動作させるための1つ以上の動作設定を含む、請求項7または8に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項10】
前記ドッキングステーションが、前記1つ以上のサンプリング装置の動作状態を表示しかつユーザが設定を選択し前記1つ以上のサンプリング装置の動作を制御することを可能にすることができるインターフェイス表示システムを備えるか、または前記インターフェイス表示システムに取り付けられている、請求項7~9のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項11】
前記基部に取り付けられておりかつ電力供給部および少なくとも1つの流体コネクタに接続された前記1つ以上のサンプリング装置をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項12】
前記1つ以上のサンプリング装置が、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、微生物収集インピンジャ、リアルタイム微生物検出器、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せから選択されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項13】
前記1つ以上のサンプリング装置が、連続バッチサンプリング、離散サンプリング、またはその両方を実行することができる、請求項1~12のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項14】
モジュール式ドッキングステーションが、クリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境におけるガスサンプリングシステムの一部である、請求項1~13のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項15】
前記電力出力および前記少なくとも1つの流体コネクタが、第2の装置に接続されることができ、前記第2の装置を動作させるための電力を供給することができ、かつ第2の流体流を前記第2の装置に供給することができる、請求項1~15のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項16】
前記第2の装置が、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、微生物収集インピンジャ、リアルタイム微生物検出器、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せである、請求項15に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項17】
前記第2の装置が、警報インジケータ、または周囲環境もしくは収集されたサンプルに関する情報を提供することができる装置である、請求項15または16に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項18】
前記少なくとも1つの流体コネクタが、前記1つ以上のサンプリング装置から前記第2の装置に流体流を供給することができる、請求項15~17のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項19】
前記基部を前記1つ以上のサンプリング装置に取り外し可能に取り付けるために、前記1つ以上のサンプリング装置の1つ以上の部分と相互作用することができる1つ以上のスナップフィットコネクタまたはラッチをさらに備える、請求項1に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項20】
前記少なくとも1つの流体コネクタおよび流体システムが、前記1つ以上のサンプリング装置に、または前記1つ以上のサンプリング装置を介して、正または負に加圧された流体サンプルを供給することができる、請求項1~19のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項21】
前記少なくとも1つの流体コネクタが、真空連結器であり、前記流体システムが、真空源を備える、請求項1~20のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項22】
前記電力供給部が、1つ以上のサンプリング装置に無線で電力を供給することができる無線電力供給部である、請求項1~21のいずれか一項に記載のモジュール式ドッキングステーション。
【請求項23】
a)環境から標的流体をサンプリングすることができる1つ以上のサンプリング装置と、
b)前記1つ以上のサンプリング装置に取り外し可能に取り付けられたモジュール式ドッキングステーションと、を備え、前記ドッキングステーションが、
i)電源に接続された電力入力と電力出力とを有し、前記電力出力が、前記1つ以上のサンプリング装置に取り外し可能に接続されておりかつ前記1つ以上のサンプリング装置を動作させるための電力を供給する、電力供給部と、
ii)流体システムに取り付けることができる少なくとも1つの流体コネクタであって、前記少なくとも1つの流体コネクタが、前記1つ以上のサンプリング装置に取り外し可能に接続されており、前記1つ以上のサンプリング装置に、または前記1つ以上のサンプリング装置を介して前記標的流体の流れを供給する、少なくとも1つの流体コネクタと、
iii)外部コントローラまたは中央処理装置(CPU)に接続された少なくとも1つのデータ通信コネクタであって、前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、前記外部コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信する、少なくとも1つのデータ通信コネクタと、を備える、
流体サンプリングシステム。
【請求項24】
前記標的流体が、クリーンルーム、クリーンゾーン、クリーン環境、または濾過された流体源からサンプリングされる、請求項23に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項25】
前記標的流体が、加圧ガスまたは液体サンプルラインからサンプリングされる、請求項23または24に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、無線コネクタである、請求項23~25のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項28】
前記ドッキングステーションが、コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリを備える、請求項23~27のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項29】
前記コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリが、前記1つ以上のサンプリング装置のインターネットプロトコルアドレスおよび/または場所設定を含む、請求項28に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項30】
前記コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリが、前記1つ以上のサンプリング装置を動作させるための1つ以上の動作設定を含む、請求項28または29に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項31】
前記ドッキングステーションが、前記1つ以上のサンプリング装置の動作状態を表示することができかつユーザが設定を選択し前記1つ以上のサンプリング装置の動作を制御することを可能にすることができるインターフェイス表示システムを備えるか、または前記インターフェイス表示システムに取り付けられている、請求項28~30のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項32】
前記1つ以上のサンプリング装置が、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、微生物収集インピンジャ、リアルタイム微生物検出器、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せである、請求項23~31のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項33】
前記1つ以上のサンプリング装置が、連続バッチサンプリング、離散サンプリング、またはその両方を実行することができる、請求項23~32のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項34】
第2の装置をさらに備え、前記電力出力が、前記第2の装置に取り外し可能に接続されておりかつ前記第2の装置を動作させるための電力を供給し、前記少なくとも1つの流体コネクタが、前記1つ以上のサンプリング装置から前記第2の装置に前記標的流体を輸送することができる、請求項23~33のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項35】
前記第2の装置が、警報インジケータ、または周囲環境もしくは収集されたサンプルに関する情報を提供することができる装置である、請求項34に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項36】
前記1つ以上のサンプリング装置が、粒子サンプラまたは流体サンプリングマニホールドであり、前記第2の装置が、粒子計数器または粒子分析器である、請求項34または35に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項37】
前記外部コントローラまたはCPUに送信されるデータが、前記1つ以上のサンプリング装置、前記第2の装置、またはその両方からのデータを含む、請求項34~36のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項38】
前記少なくとも1つの流体コネクタおよび流体システムが、前記1つ以上のサンプリング装置に、または前記1つ以上のサンプリング装置を介して前記標的流体を輸送するために正圧または負圧を提供することができる、請求項23~37のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項39】
前記少なくとも1つの流体コネクタが、真空連結器であり、前記流体システムが、真空源を備える、請求項23~38のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項40】
前記電力供給部が、前記1つ以上のサンプリング装置に無線で電力を供給することができる無線電力供給部である、請求項23~39のいずれか一項に記載の流体サンプリングシステム。
【請求項41】
a)第1のサンプリング装置と、前記第1のサンプリング装置に取り外し可能に取り付けられたモジュール式ドッキングステーションと、を提供するステップであって、前記ドッキングステーションが、
i)電源に接続された電力入力と電力出力とを有し、前記電力出力が、前記第1のサンプリング装置に取り外し可能に接続されておりかつ前記サンプリング装置を動作させるための電力を供給する、電力供給部と、
ii)流体システムに取り付けることができ、かつ前記第1のサンプリング装置に、または前記第1のサンプリング装置を介して流体流を供給することができる少なくとも1つの流体コネクタであって、前記少なくとも1つの流体コネクタが、前記第1のサンプリング装置に取り外し可能に接続されている、少なくとも1つの流体コネクタと、
iii)外部コントローラまたは中央処理装置(CPU)に接続された少なくとも1つのデータ通信コネクタであって、前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、前記外部コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信する、少なくとも1つのデータ通信コネクタと、
を備える、ステップと、
b)前記第1のサンプリング装置を使用して環境から標的流体をサンプリングするステップと、
c)前記第1のサンプリング装置を前記ドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器から分離させ、第2のサンプリング装置を前記ドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器に接続するステップと、
d)前記第2のサンプリング装置を使用して前記環境から標的流体をサンプリングするステップと、
を含む、流体サンプリングシステムを動作させるための方法。
【請求項42】
前記ドッキングステーション、電源コンセント、および少なくとも1つの流体連結器から前記第2のサンプリング装置を分離させ、第3のサンプリング装置を前記ドッキングステーション、電源コンセント、および少なくとも1つの流体連結器に接続するステップと、前記第3のサンプリング装置を使用して前記環境から標的流体をサンプリングするステップと、をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サンプリングされた流体、前記サンプリング装置の動作、またはそれらの組合せからデータを生成するステップと、前記生成されたデータを前記ドッキングステーションから前記外部コントローラまたはCPUに送信するステップと、をさらに含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、無線コネクタである、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つのデータ通信コネクタが、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記ドッキングステーションが、インターネットプロトコルアドレス、前記サンプリング装置の場所設定、前記サンプリング装置を動作させるための1つ以上の動作設定、およびそれらの組合せを含むコンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリをさらに備える、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記インターネットプロトコルアドレス、場所設定、1つ以上の動作設定、およびそれらの組合せが、前記第1のサンプリング装置および前記第2のサンプリング装置に対して同じである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記サンプリング装置が、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、微生物収集インピンジャ、リアルタイム微生物検出器、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せである、請求項41~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記ドッキングステーションが、前記サンプリングするステップおよび前記分離させるステップの間、実質的に同じ場所に留まる、請求項41~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ドッキングステーションが、クリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境内に位置決めされる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記電力供給部が、前記サンプリング装置に無線で電力を供給することができる無線電力供給部である、請求項41~50のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年12月7日に出願された米国仮特許出願第63/287,030号、2021年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/210,776号、および2021年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/210,748号の優先権の利益を主張する。
【発明の背景】
【0002】
[0001]本発明は、ガスおよび他の流体をサンプリングおよび分析するために使用される装置の分野にあり、クリーンルームおよび製造環境の範囲内の粒子および他の汚染物質を検出するためのサンプルを収集することを含む。
【0003】
[0002]ガスまたは流体の組成を判定し、粒子および微生物の存在を検出するために、ガスおよび流体の流れを監視することは様々な産業において非常に重要である。例えば、医薬品および半導体の製造において、環境内の粒子または望ましくない成分の存在は、製造プロセスに悪影響を及ぼし、規制要件に反する可能性がある。その結果、危険物、有毒物質、または可燃性物質が存在するようなクリーンルーム、クリーンゾーン、およびクリーン環境が、半導体および医薬品製造施設において一般的に使用されている。半導体産業では、半導体ウェハ上に付着する粒子が小規模の製造プロセスに影響を及ぼすかまたは干渉することとなるため、空中浮遊粒子濃度の増加は製造効率の低下をもたらし得る。製薬産業では、空中浮遊粒子および生物学的汚染物質による汚染により、医薬品が米国食品医薬品局(FDA)ならびに他の外国および国際的な健康規制当局によって確立された基準を満たさない危険性がある。
【0004】
[0003]クリーンルーム粒子レベルの分類、ならびに準拠を徹底させるための試験および監視のための規格は、ISO 14664-1および14664 2によって設けられている。同様に、ISO 14698-1および14698-2は、生体汚染物質に対するクリーンルームおよびクリーンゾーン環境の評価のための規格を設けている。これらおよび他の規格を満たすために、粒子計数器および他のサンプリング装置は、一般に、空中浮遊粒子レベルを判定するため、ならびにクリーンルーム、クリーンゾーン、およびクリーン環境内の汚染物質を検出するために使用される。
【0005】
[0004]しかしながら、そのような装置は、長期間の使用、システム障害、および一般的な保守の結果として、交換され、定期的に較正される必要が頻繁にある。特にクリーンルームおよびクリーンゾーン環境では、そのような装置を交換することは、時間および他のリソースに関して多大なコストを招く。新しい装置を設置する間、クリーンルームまたはクリーンゾーン環境を汚染しないように注意しなければならず、一旦交換されると、新しい装置は典型的には、システムの残りの部分と統合される必要がある。加えて、装置を繰り返し交換すると、ケーブル、ワイヤ、ガスおよび流体ライン、ならびに他の機器の繰り返しの切り離しおよび再接続などによって、システム内の他の部品も摩耗することとなる。さらに、多くの場合、装置の単一の構成要素のみを交換する必要があることとなる。例えば、レーザセンサを利用する検出器では、レーザ構成要素は、他の構成要素よりも急速に摩耗することが多くなる。
【0006】
[0005]したがって、必要とされているのは、所望の構成要素のより安全でより迅速であり、かつより経済的な交換を可能にする粒子計数器および他のサンプリング装置の構成要素を交換するためのシステムである。
【発明の概要】
【0007】
[0006]本発明は、ガスおよび他の流体をサンプリングおよび監視するためのモジュール式システムおよび方法を提供し、ここでは、サンプリングシステムの構成要素は互いに分離されることができ、それによって、他の構成要素を取り外すかまたは切り離す必要なくサンプリングシステムの少なくとも1つの構成要素を交換することが可能になる。これにより、中断を最小限に抑えるかまたは中断なしにサンプリングシステムの他の構成要素をシステムの残りの部分に接続したままにすることが可能になり、サンプリング装置を交換するときの保守コストおよび時間が削減される。
【0008】
[0007]一態様では、本発明は、サンプリング装置に取り付けられて、それだけに限定されないが電源、流体流源、および/またはデータ通信ネットワークへの接続を提供することを含む、サンプリング装置を動作させるのに必要な1つ以上の接続を提供することができるドッキングステーションを提供する。好ましくは、サンプリング装置は、システムをアップグレードするために、異なる測定を実行するために、またはセキュリティ上の理由からネットワークアクセスが制限された場所でファームウェア更新によって機能強化を提供するために、定期的な較正、汚染、システム障害、劣化、機械的疲労に起因して交換される構成要素を備える。サンプリング装置はドッキングシステムから分離され、新しいサンプリング装置と交換され、新しいサンプリング装置をドッキングステーションに取り付けると、新しいサンプリング装置を動作させるための必要な接続が確立される。経時的に、ドッキングステーションを取り外すか、またはドッキングステーションをサンプリング装置以外のシステムの他の構成要素に再接続する必要なく、複数のサンプリング装置を交換し、ドッキングステーションに取り付けることができる。ドッキングシステムもまた取り外す必要なくサンプリング装置を交換することができることにより、サンプリング装置の設置がより容易になり、システムの他の構成要素を再構成またはリセットする必要性が低減される。
【0009】
[0008]一実施形態では、本発明は、1つ以上のサンプリング装置の本体に取り外し可能に取り付けることができる基部と、電力入力および電力出力を有し、電力出力が、サンプリング装置を動作させるための電力を供給することができる、電力供給部と、流体システムに取り付けることができる少なくとも1つの流体コネクタであって、少なくとも1つの流体コネクタが、サンプリング装置に、またはサンプリング装置を介して流体流を提供することができる、少なくとも1つの流体コネクタと、外部コントローラまたは中央処理装置(CPU)に、無線でかつ/または有線接続によって接続することができる少なくとも1つのデータ通信コネクタであって、少なくとも1つのデータ通信コネクタが、コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信することができる、少なくとも1つのデータ通信コネクタと、を備える、ドッキングステーションを提供する。好ましくは、ドッキングステーションは、クリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境における流体サンプリングシステムの一部である。
【0010】
[0009]本明細書で使用される場合、サンプリング装置は、特にクリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境において、ガスまたは他の流体を収集、サンプリング、監視、または分析するために使用される任意の装置である。好適なサンプリング装置の例には、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、微生物収集インピンジャ、リアルタイム微生物検出器、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるサンプリング装置は、連続バッチサンプリング、および離散サンプリングに使用される装置を含む。第1のサンプリング装置がドッキングステーションに取り付けられ、その後、第2のサンプリング装置と交換される。このプロセスは複数回繰り返され得、その結果、ドッキングステーションはその後、第3のサンプリング装置、好ましくは第4のサンプリング装置、好ましくは第5のサンプリング装置、好ましくは第10のサンプリング装置、好ましくは第15のサンプリング装置、好ましくは第20のサンプリング装置、またはそれ以上のサンプリング装置に取り付けられる。任意選択的に、ドッキングステーションは、基部をサンプリング装置に取り外し可能に取り付けるために、サンプリング装置の1つ以上の部分と相互作用することができる1つ以上のスナップフィットコネクタまたはラッチをさらに備える。
【0011】
[0010]本明細書で使用される場合、電力供給部は、標準的な電源、イーサネット接続を介して供給される電力、ならびにUSB(ユニバーサルシリアルバス)ケーブルおよびポートを介して供給される電力など、電源に接続することができる電力入力を含む。電力供給部は、物理的連結器、無線電力伝送(基部とサンプリング装置との間の誘導結合電力伝送を含むがこれに限定されない)、またはその両方の組合せを含み得る。一実施形態では、電力供給部は、サンプリング装置に無線で電力を供給することができる無線電力供給部である。ドッキングステーションの電力入力は、ドッキングステーションの設置時に電源に接続されるが、サンプリング装置がドッキングステーションから分離され交換されるときに切り離される必要はない。第1、第2、または後続のサンプリング装置などのサンプリング装置がドッキングステーションに取り付けられたとき、ドッキングステーションの電力出力は、サンプリング装置を動作させるための電力を供給するようにサンプリング装置とリンクする。
【0012】
[0011]流体流は、サンプリング装置によってサンプリング、監視、および/または分析される標的流体を含む。流体システムは、標的流体を環境からサンプリング装置に送達するために使用される経路を含み、正または負に加圧された流体流を供給することができる。例えば、一実施形態では、流体コネクタは真空連結器であり、流体システムは真空源を備える。代替的な実施形態では、流体システムは、標的流体を経路を通じてサンプリング装置に押し進めるための正圧を提供するポンプを備える。第1、第2、または後続のサンプリング装置などのサンプリング装置がドッキングステーションに接続されたとき、流体コネクタはサンプリング装置に接続され、サンプリング装置に流体流を供給することができる。
【0013】
[0012]一実施形態では、ドッキングステーションは、流体経路を通じてサンプリング装置に可変の流体流量を供給することができる。例えば、ドッキングステーションは、異なる流量要件を有する異なるサンプリング装置に対して異なる流体流量を供給することができる。これは、サンプリング装置が異なる種類の装置(凝縮粒子計数器および微生物収集プレートなど)である場合に、かつ/または異なる流体をサンプリングしている場合に特に有益であり得る。異なるサンプリング装置は、ドッキングステーションに接続され、同時にまたは異なる時間に動作し得る。加えて、可変の流量は、上昇した流量を使用してシステムをフラッシュすることができるパージまたはフラッシュ動作を実行するために使用され得る。パージまたはフラッシュ動作は、新しい流体をサンプリングするために切り替える、異なる供給源からの流体をサンプリングするために切り替える、チューブを交換する、およびサンプリング装置を交換するなど、人為的に高レベルの汚染を引き起こす可能性があるシステム変更を実行するときに有用であり得る。
【0014】
[0013]少なくとも1つのデータ通信コネクタは、サンプリング装置との間でデータ用の経路を提供することができる。データ通信コネクタは、無線コネクタ、有線接続の一部、またはその両方の組合せであり得る。サンプル装置との間でデータを送信することができる無線通信のタイプには、モバイル通信、無線ネットワーク通信、Bluetooth通信、および赤外線通信が含まれるが、これらに限定されない。サンプル装置との間で送信することができるデータには、サンプリング装置のインターネットプロトコルアドレスおよび/または場所設定、サンプリング装置を動作させるための外部コントローラまたはCPUからの1つ以上の設定または命令、サンプリング装置の現在の状態、ならびにサンプリング装置からのセンサまたは検出器の結果が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、インターネットプロトコルアドレス、場所設定、1つ以上の動作設定、およびそれらの組合せは、第1のサンプリング装置および第2のサンプリング装置ならびに任意の後続のサンプリング装置に対して同じである。一実施形態では、データ通信コネクタは、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せを含む。コントローラおよびCPUは、サンプリング装置を動作させ、かつ/またはサンプリング装置によって生成されたデータを受信および分析することができる任意のコントローラまたはコンピュータプロセッサであり得る。一実施形態では、CPUは、異なる期間および/または複数のサンプリングモジュールから得られたデータを組み合わせて、読み取り値を分析し、レポートを生成することができる。例えば、CPUは、流体がフィルタを通過する前後の結果を監視および比較して、フィルタの除去効率を判定することができる。加えて、CPUは、汚染物質がいつどのような条件下で検出されたかなどのイベントの電子ログを作成することができる。
【0015】
[0014]任意選択的に、ドッキングステーションはまた、サンプリング装置に関連する電子情報を記憶することができるコンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、コンピュータメモリ、または他のデータ記憶装置を備える。そのような情報には、サンプリング装置を動作させるための1つ以上の動作設定、またはサンプリング装置の動作状態を示す表示設定が含まれるが、これらに限定されない。そのような情報は、システムに接続される前にドッキングステーションに予めインストールされてもよく、または情報は、データ通信コネクタを介して動作中にドッキングステーションに送信されてもよい。
【0016】
[0015]一実施形態では、ドッキングステーションは、サンプリング装置の動作状態を表示することができかつ任意選択的に、ユーザが設定を選択しドッキングステーションおよびサンプリング装置の動作を制御することを可能にするグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)などのインターフェイス表示システムを備えるか、またはインターフェイス表示システムに取り付けられる。任意選択的に、サンプリング装置の動作状態は、流体サンプリングシステムの1つ以上の部分を通る流れ状態、通信状態、オン/オフもしくは能動的サンプリング対サンプリングなし、レーザセンサ/検出器状態、較正状態、ウォームアップ状態、警報状態(例えば、熱的状態の未到達もしくは超過、高圧電源の故障、または正常な仕様外のパラメータ)、汚染レベル警報、またはそれらの組合せのうちの1つ以上を含む。インターフェイス表示システムは、ドッキングステーション自体上に位置付けされ得るか、またはドッキングステーションから離して位置付けされ、データ通信接続を介してドッキングステーションに接続され得る。
【0017】
[0016]加えて、ドッキングステーション自体は、任意選択的に、流体流中の1つ以上の特定の成分、微生物、または粒子を検出または感知することができる検出器またはセンサを備える。例えば、一実施形態では、ドッキングステーションは、流体サンプル中の粒子、微生物、空中浮遊分子汚染物質、または他の特定の成分を検出することができるレーザ検出器またはレーザセンサを備える。一実施形態では、検出器またはセンサは、コヒーレント光源(例えば、LASER)および/または非コヒーレント光源を組み込むセンサであるフォトニック検出器である。あるいは、検出器またはセンサは、温度、圧力、流量を測定するために使用される検出器およびセンサ、ならびにクロマトグラフィ、イオン移動度分光分析(IMS)、および他の分光分析方法によって使用される検出器およびセンサを含むがこれらに限定されない非光学検出器またはセンサである。
【0018】
[0017]一実施形態では、電力出力および/または少なくとも1つの流体コネクタは、ドッキングステーションがサンプリング装置に取り付けられている間に第2の装置に接続することができ、電力および/または流体流をさらに供給して第2の装置を動作させることができる。第2の装置は、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せなどの追加のサンプリング装置であり得る。例えば、サンプリング装置は粒子サンプラまたは流体サンプリングマニホールドであり得、第2の装置は粒子計数器または粒子分析器であり得、ここではサンプリング装置は、第2の装置の前に交換を必要とすると見込まれている。あるいは、第2の装置は、限定はしないが、警報インジケータ(例えば、ライトタワー警報インジケータ)または周囲環境もしくは収集されたサンプルに関する情報を提供することができる装置(例えば、カメラ、温度計、圧力読取機、静電分類器)を含む、サンプリング装置以外の装置である。好ましくは、データ通信コネクタは、無線でかつ/または有線接続を介して第2の装置にさらに接続することができ、その結果、コントローラまたはCPUに送信されるデータがサンプリング装置、第2の装置、またはその両方からのデータを含む。
【0019】
[0018]任意選択的に、ドッキングステーションは、ガスまたは他の流体を収集するサンプリングマニホールドおよびサンプリングされたガスまたは他の流体中の粒子を検出するために使用される粒子計数器など、同じプロセス内で2つ以上のタイプのサンプリング装置とともに使用され得る。例えば、各サンプリング装置に別個のドッキングステーションを使用してもよく、または単一のドッキングステーションを2つ以上のサンプリング装置に同時に取り付けることができてもよく、ここでは各サンプリング装置は、他のサンプリング装置とは独立して分離され交換され得る。
【0020】
[0019]一実施形態では、ドッキングステーションを複数のサンプリング装置に同時にまたは互いに独立した時間に取り付け、各サンプリング装置を独立して動作させるのに必要な接続を提供することができる。複数のサンプリング装置は、同じまたは異なる流体をサンプリングし得る。例えば、あるサンプリング装置は空気またはガスをサンプリングし得、別のサンプリング装置は液体をサンプリングし得る。各サンプリング装置は、他のサンプリング装置とは独立して交換され得る。
【0021】
[0020]一実施形態では、本発明は、環境から標的流体をサンプリングすることができる1つ以上のサンプリング装置と、サンプリング装置に取り外し可能に取り付けられたモジュール式ドッキングステーションと、を備える統合流体サンプリングシステムを提供する。ドッキングステーションは、i)電源に接続された電力入力を有し、かつ電力出力を有し、電力出力が、1つ以上のサンプリング装置に取り外し可能に接続されておりかつ1つ以上のサンプリング装置を動作させるための電力を供給する、電力供給部と、ii)流体システムに取り付けることができる少なくとも1つの流体コネクタであって、少なくとも1つの流体コネクタが、サンプリング装置に取り外し可能に接続されておりかつ1つ以上のサンプリング装置に、または1つ以上のサンプリング装置を介して標的流体の流れを供給する、少なくとも1つの流体コネクタと、iii)コントローラまたはCPUに接続されており、少なくとも1つのデータ通信ポートが、コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信する、少なくとも1つのデータ通信コネクタと、を備える。少なくとも1つのデータ通信コネクタは、無線で、有線接続の一部として、またはその両方の組合せとして接続され得る。好ましくは、標的流体は、クリーンルーム、クリーンゾーン、クリーン環境、または濾過された流体源からサンプリングされる。一実施形態では、標的流体は、非常に毒性および/または発火性である電子特殊ガスを輸送するために使用される準大気圧ラインを含むがこれに限定されない加圧ガスまたは液体サンプルラインからサンプリングされる。
【0022】
[0021]流体サンプリングシステムのドッキングステーションおよび装置は、上述したものと同じである。第1のサンプリング装置はドッキングステーションに取り付けられ、その後、少なくとも第2のサンプリング装置、好ましくは追加の後続のサンプリング装置と交換される。第1のサンプリング装置、第2のサンプリング装置、および任意の後続のサンプリング装置は、互いに独立しており、好ましくは、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せである。
【0023】
[0022]任意選択的に、流体サンプリングシステムは、ドッキングステーションに取り付けられたサンプリング装置に加えて第2の装置を備え、電力出力は、第2の装置に取り外し可能に接続されておりかつ第2の装置を動作させるための電力を供給し、流体コネクタは、標的流体をサンプリング装置から第2の装置に輸送することができる。加えて、データ通信コネクタを介して、無線で、かつ/または有線接続を介してコントローラまたはCPUに送信されるデータは、サンプリング装置、第2の装置、またはその両方からのデータを含む。
【0024】
[0023]一実施形態では、本発明は、a)第1のサンプリング装置と、第1のサンプリング装置に取り外し可能に取り付けられたモジュール式ドッキングステーションと、を提供するステップと、b)第1のサンプリング装置を使用して環境から標的流体をサンプリングするステップと、c)第1のサンプリング装置をドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器から分離させ、第2のサンプリング装置をドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器に接続するステップと、d)第2のサンプリング装置を使用して環境から標的流体をサンプリングするステップと、を含む、流体サンプリングシステムを動作させるための方法を提供する。好ましくは、ドッキングステーションは、クリーンルーム内に位置決めされ、サンプリングするステップおよび分離させるステップの間、実質的に同じ場所に留まる。
【0025】
[0024]さらなる実施形態では、方法は、サンプリングされた流体、サンプリング装置の動作、またはそれらの組合せからデータを生成するステップと、生成されたデータをドッキングステーションからコントローラまたはCPUに送信するステップと、をさらに含む。受信されたデータは、サンプリング装置の動作を変更するために使用されるか、またはCPUによって分析されて粒子もしくは微生物の存在を示し、それによってガスもしくは他の流体中の特定の成分を検出するか、またはそれらの組合せである。
【0026】
[0025]流体サンプリングシステムのドッキングステーションおよび装置は、上述したものと同じであり得る。例えば、一実施形態では、ドッキングステーションは、
i)電源に接続された電力入力を有し、電力出力もまた有し、電力出力が、第1のサンプリング装置に取り外し可能に接続されておりかつサンプリング装置を動作させるための電力を供給する、電力供給部と、
ii)流体システムに取り付けることができ、かつ第1のサンプリング装置に、または第1のサンプリング装置を介して流体流を供給することができる流体コネクタであって、流体コネクタが、第1のサンプリング装置に取り外し可能に接続されている、流体コネクタと、
iii)コントローラまたはCPUに接続されたデータ通信コネクタであって、データ通信コネクタが、コントローラまたはCPUとの間で電子データを送受信する、データ通信コネクタと、
を備える。データ通信コネクタは、無線で、有線接続の一部として、またはその両方の組合せとして接続され得る。好ましくは、互いに独立した第1のサンプリング装置、第2のサンプリング装置、および任意の後続のサンプリング装置は、好ましくは粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガスまたは他の流体分析器、粒子分析器、粒子サンプラ、ガス、空気、または液体サンプリングマニホールド、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境またはガスセンサ、およびそれらの組合せである。
【0027】
[0026]さらなる実施形態では、方法は、ドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器から第2のサンプリング装置を分離させ、第3のサンプリング装置をドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器に接続するステップと、第3のサンプリング装置を使用して環境から標的流体をサンプリングするステップと、をさらに含む。好ましくは、本方法は複数回繰り返され、その結果、第3または後続のサンプリング装置はドッキングステーション、電源コンセント、および流体連結器から分離され、第4または後続のサンプリング装置が取り付けられる。本方法は複数回繰り返され得、その結果、ドッキングステーションはその後、第5のサンプリング装置、好ましくは第10のサンプリング装置、好ましくは第15のサンプリング装置、好ましくは第20のサンプリング装置、またはそれ以上のサンプリング装置に取り付けられる。
【0028】
[0027]ドッキングステーションおよびサンプリング装置は、クリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境内に位置決めされることが好ましいが、ドッキングステーションおよびサンプリング装置は、クリーンルーム、クリーンゾーン、またはクリーン環境の外側の他の環境に位置決めされてもよい。例えば、ドッキングステーションおよびサンプリング装置は、ツールもしくは機器の内部、高純度水システムの内部、または屋外にも配置され得る。一実施形態では、ドッキングステーションおよびサンプリング装置は、可搬式サンプリングシステムの一部である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】ドッキングステーションと、ドッキングステーションに取り付けることができるサンプリング装置と、を備える本発明の一実施形態における統合流体サンプリングシステムの簡略図を示す。
【
図2】サンプリングマニホールドに取り付けられた本発明の一実施形態におけるドッキングステーションを示す。
【
図3】複数のサンプリング装置に取り付けられたドッキングステーションを備える本発明の一実施形態における統合流体サンプリングシステムの簡略図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0030】
[0031]定義
【0031】
[0032]一般に、本明細書で使用される用語および語句は、当業者に公知の標準的なテキスト、学術雑誌、および文脈を参照することによって見出すことができる、当技術分野で認識されている意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈におけるそれらの具体的な使用を明確にするために提供される。
【0032】
[0033]本明細書で使用される場合、「流体」という用語は、流動することができ、かつ/または容器の寸法に適合するように形状を変化させることができるガスまたは液体などの物質を指す。
【0033】
[0034]本明細書で使用される場合、「汚染物質(contaminant)」または「汚染物質(contaminants)」という用語は、所望の製品の製造を妨げるか、または実際のもしくは潜在的な健康もしくは安全上の危険をもたらす、意図された製品または構成要素以外の物理的、化学的、もしくは生物学的物質、不純物、または材料を指す。汚染物質には、粒子、ガス、不揮発性残留物、ならびに有機化合物、分子化合物、およびイオン化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
[0035]「粒子(particle)」または「粒子(particles)」という用語は、しばしば汚染物質とみなされる小さな物体を指す。粒子は、例えば2つの表面が機械的に接触し、機械的な動きがあるときに、摩擦の作用によって生成される任意の材料であり得るが、そうである必要はない。粒子は、単一の成分であり得るか、または塵、埃、煙、灰、水、煤、金属、酸化物、セラミック、鉱物、またはこれらもしくは他の材料もしくは汚染物質の任意の組合せなどの材料の凝集体で構成され得る。「粒子(Particle)」または「粒子(particles)」はまた、生物学的粒子、例えばウイルス、胞子、または細菌、真菌、古細菌、原生生物、もしくは他の単細胞微生物を含む微生物を指し得る。いくつかの実施形態では、例えば、生物学的粒子は、1nm以上、好ましくは100nm未満、50nm未満、20nm未満、10nm未満、7nm未満、5nm未満、または3nm未満のサイズ寸法(例えば、有効径)により特徴付けられている。粒子は、光を吸収、放出、または散乱し、したがって粒子計数器または光学粒子計数器によって検出可能な小さな物体を指し得る。本明細書で使用される場合、「粒子(Particle)」または「粒子(particles)」は、担体流体またはサンプル媒体、例えば水、空気、プロセス液体化学物質、プロセスガス、窒素、酸素、二酸化炭素などの個々の原子または分子を除外することを意図している。いくつかの実施形態では、粒子は、微細加工施設内のツール表面または医薬品製造施設内の生産物表面などの表面上に最初に存在し、表面から遊離し、その後流体中で分析され得る。
【0035】
[0036]本明細書で使用される場合、「コントローラ」という用語は、2つの構成要素間の動作命令を含むデータの交換を管理または指示することができるハードウェア装置、ソフトウェアプログラム、またはそれらの組合せを指す。特定の実施形態では、コントローラは、サンプリング装置および/またはドッキングステーションなどの流体サンプリングシステムの1つ以上の構成要素を動作させることができる。加えて、コントローラは、流体サンプリングシステムの1つ以上の構成要素によって生成されたデータを受信、分析、および/または送信することができる。
【0036】
[0037]本明細書で使用される場合、「プロセッサ」および「中央処理装置(CPU)」という用語は、計算およびコンピュータまたは他の電子装置を駆動する基本命令を実行する電子回路または構成要素を指す。「コンピュータメモリ」という用語は、プロセッサによって使用されるデータまたはプログラムを記憶するために使用される装置またはシステムを指す。「フラッシュメモリ」という用語は、電気的に消去および再プログラムすることができる電子不揮発性コンピュータメモリを指す。
【0037】
[0038]本明細書で使用される場合、「備える、含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、または「により特徴付けられている」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。本明細書で使用される場合、「からなる」は、請求項の要素で指定されていない要素、ステップ、または原材料を除外する。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、請求項の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップを除外しない。特に組成物の成分の説明または装置の要素の説明における「備える、含む(comprising)」という用語の本明細書における任意の列挙は、列挙された成分または要素から本質的になる、およびそれらからなる組成物および方法を包含すると理解される。
【0038】
[0039]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうではないことを指示しない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセルおよび当業者に公知のその均等物を含む。同様に、「a」(または「an」)、「1つ以上」、および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、互換的に使用され得ることにも留意されたい。「請求項XX~YYのいずれか一項に記載の」という表現(XXおよびYYは請求項番号を指す)は、代替的な形態で複数の従属請求項を提供することが意図されており、いくつかの実施形態は、「請求項XX~YYのいずれか一項に記載のように」という表現と交換可能である。
【0039】
[0040]本明細書において数値、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を開示する場合、前述の数字のうちのいずれかを単独で使用して単一の点もしくはオープンエンド範囲を説明し得るか、または組み合わせて使用して複数の単一の点もしくはクローズエンド範囲を説明し得る。この文は、前述の数字の各々が、単独で使用され得ること(例えば、4)、「約」という単語が前置きされ得ること(例えば、約8)、「少なくとも約」という語句が前置きされ得ること(例えば、少なくとも約2)、「少なくとも」という語句が前置きされ得ること(例えば、少なくとも10)、「未満」という語句が前置きされ得ること(例えば、1未満)、「約~未満」という語句が前置きされ得ること(例えば、約7未満)、または範囲を画定するために、いずれかの前置詞的な単語もしくは語句と任意に組み合わせてもしくは組み合わせずに使用され得ること(例えば、2~9、約1~4、少なくとも3、8~約9、8~10未満、および約1~約10など)を意味する。さらに、範囲が「約X以下」のように記載されている場合、この語句は、代替形態における「約X」と「約X未満」との組合せである範囲と同じである。例えば、「約10以下」は、「約10、または約10未満」と同じである。そのような交換可能な範囲の説明が、本明細書において企図される。他の範囲形式が本明細書に開示される場合があるが、形式の違いは、実質的な違いがあることを暗示すると解釈されるべきではない。
【0040】
[0041]本明細書で使用される場合、「およそ」および「約」という用語は、記載された値からのわずかな変動が使用されて、記載された値と実質的に同じ結果を達成する場合があることを意味する。この定義を適用することができないか、または適用することが非常に困難な状況では、「約」という用語は、記載された値からの10%の偏差(プラスまたはマイナス)を意味する。
【0041】
[0042]概要
【0042】
[0043]以下の説明では、本発明の正確な性質の徹底した説明を提供するために、本発明の特定の実施形態におけるシステム、システム構成要素、および方法の多数の詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで本発明が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0043】
[0044]以下の例に記載される本発明の態様は、サンプリング装置に取り外し可能に取り付けることができるモジュール式ドッキングステーションを提供する。これらの例では、ドッキングステーションは、若木装置を動作させるのに必要な電力供給部、流体経路、および通信ネットワークに接続される。サンプリング装置をドッキングステーションに接続すると、サンプリング装置がドッキングステーションを介して電力供給部、流体経路、および通信ネットワークにリンクする。サンプリング装置が取り外され交換されたとき、新しいサンプリング装置は、ドッキングステーションから電力供給部、流体経路、および通信ネットワークを切り離す必要なしに、ドッキングステーションを介して電力供給部、流体経路、および通信ネットワークにリンクする。ドッキングステーションは、可能な限り最小限のユーザ相互作用で異なるサンプリング装置の高速サービス間隔スワッピングを可能にする。
【0044】
[0045]さらに、ドッキングステーションを使用することは、サンプリング装置が交換されたときに流体システムの構成要素をリセットまたは再較正する必要が少なくなることを意味する。例えば、ドッキングステーションは、新しいサンプリング装置が取り付けられたときに変化しない一定の装置場所、IPアドレス、および通信経路を提供することができる。
【0045】
[0046]本発明の態様は、以下の非限定的な例および図によってさらに理解することができる。
【0046】
例
[0047]例1-統合流体サンプリングシステム
【0047】
[0048]
図1に示すように、本発明の一実施形態における流体サンプリングシステム1は、サンプリング装置3内に滑り込むか、またはそうでなければ取り付けられる、サンプリング装置3と流体システム1の他の構成要素との間の共通の構成要素として使用され得るドッキングステーション2を備える。
【0048】
[0049]ドッキングステーション2は、電源6に接続することができる電力入力5と、サンプリング装置3との電気的リンクを形成することができる電力出力7と、を備える電力コネクタ4を有する。電力は、電源6から電力入力5および電力出力7を介してサンプリング装置3に供給される。
【0049】
[0050]ドッキングステーション2はまた、流体経路10に接続された流体コネクタ8を有する。対象環境9からの空気または液体などの流体は、流体経路10を通して流体コネクタに、およびサンプリング装置内に輸送される(矢印および破線で示すように)。この実施形態では、サンプリング装置3は、サンプリング装置3を通って移動する流体を監視および/または分析するガスもしくは流体分析器または粒子計数器であり得る。
【0050】
[0051]
図1では、流体は、二次装置18を使用して収集され、正圧を提供するポンプ21の使用によってドッキングステーションに輸送される。あるいは、ポンプは圧縮ポンプ(Particle Measuring Systems CLS-700製品など)である。加えて、ポンプは、サンプリング装置3の出口上に設置され得るか、またはドッキングステーション2に電気的に接続され、サンプリング装置3の出口に空気圧的に接続され得る。ドッキングステーション2に通じる流体経路10は、サンプリング装置3が第2の(または交換用の)サンプリング装置23に交換されるときに変更または再接続される必要はない。
【0051】
[0052]ドッキングステーション2はまた、サンプリング装置3とコントローラ/CPU13との間でデータを送信することができるデータ通信コネクタ12を有する。この例では、コントローラ/CPU13は、実行される所望のサンプリング手順に従ってサンプリング装置3に動作命令を送るようにプログラムされたコンピュータである。加えて、ガスもしくは流体の粒子または特定の成分がサンプリング装置3によって検出された場合、電気信号が生成され、コントローラ/CPU13に送信される。
【0052】
[0053]データ通信コネクタ12は、アナログもしくはデジタル入力/出力、データもしくはUSBケーブル用のポート、またはイーサネットスイッチを含むがこれらに限定されない、データ通信コネクタ12との間でデータを送信するための複数のデータポート14を含み得る。加えて、ドッキングステーションは、複数の異なるコントローラ/CPUとの間でデータを送受信し得る。例えば、サンプリング装置3への動作命令は、予めプログラムされたコントローラから受信され得、一方、生成された電気信号は、分析のために別個のコンピュータに送信され得る。本発明による可能な幅広い多様性にもかかわらず、ほとんどの場合、ドッキングステーション2に通じる通信ネットワークはまた、サンプリング装置3が交換されるときに変更または再接続される必要がなく、これにより、多大な時間および労力が節約される。データ通信接続は、無線、有線接続の一部、または両方の組合せであり得る。
【0053】
[0054]代替的な実施形態において、
図2は、サンプリング装置3(この場合、サンプリングマニホールド)に取り付けられたドッキングステーション2を示している。この実施形態では、ドッキングステーション2はサンプリングマニホールドとともに利用されて、複数の異なる場所からガスを取り込み、サンプリングされたガスを後続の分析器または粒子計数器に輸送する。サンプリングされる特定のシーケンス、タイミング、または場所は、プログラムされ、データポート14を介してサンプリングマニホールドに送信され得る。特定の場所から追加のサンプルを採取するなどのサンプリングプログラムの変更および変換もまた、データポート14を介して送信され得る。他の代替的な実施形態は、基部に接続された光学粒子計数器および凝縮粒子計数器(CPC)、ならびに基部に同時に接続された空中浮遊分子汚染モニタ、液中粒子計数器、およびCPCを含む。他の代替的な実施形態は、基部に接続された光学粒子計数器および凝縮粒子計数器(CPC)、ならびに基部に同時に接続された空中浮遊分子汚染モニタ、液中粒子計数器、およびCPCを含む。
【0054】
[0055]電力入力5およびデータポート14は、
図1に示す実施形態と同じ位置には位置付けされず、システムの設計仕様に従って再配置され得る。加えて、この実施形態は、(負圧を利用する)真空接続部19を利用して流体をサンプリング装置3を通して輸送し、ラッチまたは締結具22を使用してサンプリング装置3をドッキングステーション2の基部11に物理的に取り付ける。したがって、ドッキングステーション2は、特定のサンプリングシステム用に最適化され得る。しかしながら、ドッキングステーション2は、ユニバーサル電源などの共通の要素を含み得、ドッキングステーション2が複数の異なるサンプリング装置および異なるサンプリングシステムとともに使用されることを可能にする。ドッキングステーション2はまた、すべてのサンプリング装置とともに使用する必要がない任意選択の特徴を含み得る。例えば、同じドッキングステーションは、いくつかのサンプリングシステムでデータを送信するのに適したイーサネットポートを含み、同時に、他のサンプリングシステムで使用するのに適した無線コネクタも含み得る。
【0055】
[0056]
図3に示すように、本発明の一実施形態における流体サンプリングシステム1は、複数のサンプリング装置3に取り付けられており複数のサンプリング装置3と流体システム1の他の構成要素との間の共通構成要素として使用され得るドッキングステーション2を備える。ドッキングステーション2は、複数のサンプリング装置3の各々を独立して動作させるのに必要な接続を提供し、複数のサンプリング装置3は、異なる流体経路(10および10A)および異なる二次装置(18および18A)を介して同じまたは異なる流体をサンプリングし得る。各サンプリング装置は、他のサンプリング装置とは独立して、第2の(または交換用の)サンプリング装置23と交換され得る。電力供給部6およびコントローラ/CPU13などの流体システム1の他の構成要素は同じままであり得るが、コントローラ/CPUは複数のサンプリング装置3を動作させるように構成されることとなる。
図3はまた、複数のサンプリング装置3のうちの1つ以上の動作状態を表示することができるグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)20に接続された基部を示している。ユーザはまた、GUI20を介して設定を選択し、複数のサンプリング装置3の動作を制御し得る。
【0056】
[0057]以上、理解を明確にする目的で例示および例によって本発明をかなり詳細に十分に説明してきたが、同じことは、本発明またはその特定の実施形態の範囲に影響を及ぼすことなく条件、配合、および他のパラメータの広範かつ同等の範囲内で本発明を修正または変更することによって実行することができ、かつそのような修正または変更は添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されていることは、当業者には明らかであろう。
【0057】
[0058]本明細書で採用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはそれらの一部のいかなる均等物も除外することは意図されていないが、特許請求される本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された例示的な実施形態および任意選択の特徴、ならびに概念の修正および変形が当業者によって行使されてもよく、かつそのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。本明細書で提供された特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、本明細書に記載の装置、装置構成要素、方法ステップの多数の変形を用いて実行され得ることが当業者には明らかであろう。当業者には明らかとなるように、本方法に有用な方法および装置は、多数の任意選択の組成物ならびに処理要素およびステップを含み得る。
【0058】
[0059]材料、組成物、成分、または化合物の群が本明細書に開示される場合、それらの群のすべての個々のメンバーおよびそれらのすべてのサブグループが別々に開示されることが理解される。本明細書に記載または例示された成分のすべての配合または組合せは、特に明記しない限り、本発明を実施するために使用することができる。本明細書において範囲、例えば温度範囲、時間範囲、または組成範囲が与えられるときはいつでも、すべての中間範囲および部分範囲、ならびに与えられた範囲に含まれるすべての個々の値が本開示に含まれることが意図されている。加えて、所与の範囲における終点は、その範囲内に含まれるべきである。本開示および特許請求の範囲において、「および/または」は、追加的または代替的を意味する。さらに、単数形の用語のあらゆる使用は、複数形も包含する。
【0059】
[0060]当業者であれば、過度の実験に頼ることなく、具体的に例示されたもの以外の出発材料、装置要素、分析方法、成分の混合物および組合せを本発明の実施に採用することができることを理解するであろう。任意のそのような材料および方法の当技術分野で公知の機能的均等物はすべて、本発明に含まれることが意図されている。採用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはそれらの一部のいかなる均等物も除外することは意図されていないが、特許請求される本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定がない状態で適切に実施され得る。見出しは、本明細書では便宜上のみ使用されている。
【0060】
[0061]本明細書で参照されたすべての参考文献は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。本明細書で提供されたいくつかの参考文献は、本発明の追加的な使用の詳細を提供するために参照により組み込まれる。本明細書で言及されたすべての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示すものである。本明細書で引用された参考文献は、その出願日時点の最新技術を示すためにその全体が参照により本明細書に組み込まれ、必要に応じてこの情報が本明細書で採用されて、先行技術の特定の実施形態を除外し得ることが意図されている。
【国際調査報告】