(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】凝縮粒子計数器および使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240709BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20240709BHJP
G01N 15/02 20240101ALI20240709BHJP
【FI】
G01N1/02 A
G01N1/22 P
G01N15/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570227
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022033327
(87)【国際公開番号】W WO2022266029
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イエーツ, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハータート, ケイリー
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA04
2G052AC13
2G052AD04
2G052AD24
2G052BA05
2G052BA14
2G052CA03
2G052CA12
2G052EB04
2G052GA11
2G052GA21
(57)【要約】
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出した表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を制御することを含む、粒子を検出および/または成長させる方法が開示される。また、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムであって、飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出する表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出する表面積を制御するように構成された流体システムを備える、装置またはシステムが開示される。特定の態様は、蒸気生成のために1つまたは複数の多孔質構造を使用せず、飽和器領域内のサンプル流と組み合わせるためのキャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流または入口も使用しない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を検出または成長させるための方法であって、
作動液および飽和器領域を備える装置を提供するステップであって、前記作動液が、サンプル流に曝され、前記サンプル流と相互作用する作動液表面を有するバルク作動液を含み、前記作動液表面が表面積によって特徴付けられ、前記作動液が前記飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
前記作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含む前記サンプル流を前記飽和器領域に配置された前記作動液蒸気中に導いて、前記サンプル流および前記作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、前記混合物が乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して前記混合物を搬送し、前記凝縮器内で前記混合物を冷却するステップであって、前記作動液蒸気の少なくとも一部が前記サンプル流の前記粒子の少なくとも一部に凝縮して、前記サンプル流の前記粒子のサイズを増加させ、それによって拡大された粒子を生成する、ステップと、
前記拡大された粒子を粒子計数器に導くステップと、
前記飽和器表面上の前記作動液の深さ、前記飽和器領域に露出された前記表面積、または前記飽和器表面上の前記作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、前記飽和器領域に露出した前記表面積を制御するステップと、を含む方法。
【請求項2】
追加の作動液を供給して、前記表面積の目標範囲を維持するステップをさらに含み、前記表面積の前記目標範囲が0.01~500cm
2である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
追加の作動液を供給して、前記深さの目標範囲を維持するステップをさらに含み、前記深さの前記目標範囲が0.001~100mmである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
追加の作動液を供給して、前記体積の目標範囲を維持するステップをさらに含み、前記体積の前記目標範囲が0.001~5000mLである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
粒子を検出または成長させるための方法であって、
作動液および飽和器領域を備える装置を提供するステップであって、前記作動液が、表面積によって特徴付けられる前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、前記作動液が前記飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
前記作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を前記作動液蒸気内へ前記作動液表面の方へ導いて、前記サンプル流と前記作動液蒸気との混合物を生じさせるステップであって、前記混合物が乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して前記混合物を搬送し、前記凝縮器内で前記混合物を冷却するステップであって、前記作動液蒸気の少なくとも一部が前記サンプル流の前記粒子の少なくとも一部に凝縮して、前記サンプル流の前記粒子のサイズを増加させ、それによって拡大された粒子を生成する、ステップと、
前記拡大された粒子を粒子計数器に導くステップと、を含む方法。
【請求項6】
前記作動液が作動液のプールまたは作動液のストリームを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記導くステップが、前記作動液表面の下の前記バルク作動液中に前記サンプル流の気泡を形成させることなく、前記サンプル流を前記作動液蒸気中に、および/または前記作動液表面に対して移動させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記作動液表面が、重力方向に対して垂直または非垂直な向きに構成された連続平面を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記混合物が前記サンプル流および前記作動液蒸気から成る、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記作動液蒸気が前記作動液表面と接触している、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記蒸発させるステップが、前記作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または使用しない、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記作動液蒸気が、前記作動液蒸気を含むキャリアガスによって前記飽和器領域に送達されない、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプル流が少なくとも0.1L/分の流量で前記装置を通って伝播する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記作動液が、プロピレングリコール、水、イソブタノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記作動液が、0.0001~1.0Ns/m
2の動粘度、80℃~230℃の沸点、0.8~2.0g/mLの比重、またはこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプル流が、前記導くステップの前および前記搬送するステップの間に実質的に層流を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記サンプル流を供給するように、マニホールドが前記装置に接続され、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続部を備えるドッキングステーションが設けられる、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記凝縮器が、前記装置の垂直軸線に沿って配置されて中央通路を画定する内壁と、前記垂直軸線に沿って配置されて前記内壁を取り囲む外壁と、を含み、前記内壁と前記外壁との間に周方向通路が形成され、
前記周方向通路に露出する前記内壁の少なくとも一部が第1の材料を含み、
前記周方向通路に露出する前記外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、
前記第1の材料が、前記第2の材料よりも低い熱伝導率を有し、
前記方法が、前記周方向通路に露出する前記外壁の少なくとも一部を冷却し、前記サンプル流を前記中央通路を通って前記導くステップに流すステップをさらに含み、
前記搬送するステップが前記周方向通路内で行われ、前記流すステップが前記搬送するステップに平行であるが反対方向である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記作動液が薄膜として存在する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子計数器を使用して前記拡大された粒子を検出するステップをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子計数器が、散乱、消光、干渉、発光、もしくはこれらの任意の組み合わせの検出に基づく光学粒子計数器、またはコールター法、電荷の充電/測定、ゼータ電位、もしくは視覚ベースの粒子計数システムに基づく非光学粒子計数器である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、凝縮核粒子計数器における検出のために前記粒子のサイズを増加させる、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
粒子を検出または成長させるための装置であって、
飽和器表面を含む飽和器領域であって、前記飽和器表面が、作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成され、前記作動液が、存在する場合に、前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、前記作動液表面が表面積によって特徴付けられる、飽和器領域と、
前記飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を前記作動液蒸気に対しておよび/または前記作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、前記混合物が前記サンプル流および前記作動液蒸気を含む、流体入口と、
前記飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、前記混合物を受け入れて、前記作動液蒸気の少なくとも一部を前記粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、
前記拡大された粒子を受け入れるように構成された前記凝縮器と流体連通する流体出口と、
前記飽和器表面上の前記作動液の深さ、前記飽和器領域に露出された前記表面積、または前記飽和器表面上の前記作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、前記飽和器領域に露出した前記表面積を制御するように構成された流体システムと、を備える装置。
【請求項24】
前記流体システムが、追加の作動液を供給して、前記表面積の目標範囲を維持するように構成され、前記表面積の前記目標範囲が0.01~500cm
2である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記流体システムが、追加の作動液を供給して、前記深さの目標範囲を維持するように構成され、前記深さが0.001~100mmである、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記流体システムが、追加の作動液を供給して、前記体積の目標範囲を維持するように構成され、前記体積が0.001~5000mLである、請求項23~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
粒子を検出または成長させるための装置であって、
垂直軸線と、
作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面を含む飽和器領域と、
前記飽和器領域と流体連通し、ノズルで終端する流体入口であって、前記ノズルが、粒子を含むサンプル流を前記作動液蒸気に対しておよび/または前記作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成され、前記混合物が前記サンプル流および前記作動液蒸気を含む、流体入口と、
前記飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、前記混合物を受け入れて、前記作動液蒸気の少なくとも一部を前記粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成され、前記垂直軸線に沿って配置されて中央通路を画定する内壁と、前記垂直軸線に沿って配置されて前記内壁を取り囲む外壁と、を含み、前記内壁と前記外壁との間に周方向通路が形成される、凝縮器と、
前記凝縮器と流体連通し、前記拡大された粒子を受け入れるように構成された流体出口と、
任意選択で、流体システムと、を備え、
前記中央通路が、前記流体入口と前記ノズルとの間に流体連通して配置され、前記周方向通路が、前記飽和器領域と前記流体出口との間に流体連通して配置され、流体流路が、前記流体入口、前記中央通路、前記ノズル、前記飽和器領域、前記周方向通路、および前記流体出口によって順次画定され、
前記周方向通路に露出する前記内壁の少なくとも一部が第1の材料を含み、
前記周方向通路に露出する前記外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、前記第1の材料が前記第2の材料よりも低い熱伝導率を有する、装置。
【請求項28】
前記装置が、前記周方向通路内の前記混合物の流体流に平行であるが反対方向であるように、前記中央通路に沿って前記サンプル流を搬送するように構成される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記周方向通路に露出される前記外壁の少なくとも一部の温度が、能動的に制御されるように構成される、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
前記装置が、前記飽和器領域内の前記サンプル流と組み合わせるためのキャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流を提供しないように構成される、請求項23~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記装置が、キャリアガスおよび気化した作動液を含む追加の流体流を導入するように構成された追加の流体入口を備えない、請求項23~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記飽和器領域が、前記作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または含有しない、請求項23~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記作動液が作動液のプールまたは作動液のストリームを含む、請求項23~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記流体システムが、前記飽和器表面上の前記作動液の深さを監視して前記作動液の表面積を制御し、追加の作動液を供給して前記表面積の目標範囲を維持し、前記作動液の汚染または劣化を検出し、前記飽和器表面とリザーバとの間で前記作動液を移送し、前記作動液を加熱し、システム傾斜角を監視するか、またはこれらの任意の組み合わせを行うように構成される、請求項23~33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記流体システムが、前記飽和器表面と流体連通するリザーバを備え、前記リザーバが、前記作動液を前記飽和器表面に供給するように構成される、請求項23~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記流体システムが、少なくとも1つのセンサと、前記センサに動作可能に接続された少なくとも1つのポンプと、を備え、前記少なくとも1つのセンサが、前記飽和器表面上の前記作動液の前記深さを監視するように構成され、前記少なくとも1つのポンプが、前記リザーバから前記作動液を移送することによって前記作動液の前記表面積を制御するために、前記飽和器表面上の前記作動液の目標深さを維持するように構成される、請求項23~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つのポンプが、システム停止時または電力喪失後の復電時に前記作動液の少なくとも一部を前記飽和器表面から前記リザーバに移送するように構成される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記流体システムが、前記飽和器表面、存在する場合には前記リザーバ、または前記飽和器表面と存在する場合には前記リザーバとを接続するチャネルに一体化されたまたは取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を備え、前記少なくとも1つの加熱要素が、前記作動液を加熱し、作動液蒸気の生成を促進するように構成される、請求項23~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記流体システムが、静止プール、流動プール、静止薄膜、または流動薄膜として前記飽和器表面上に前記作動液を提供するように構成される、請求項23~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記作動液が存在する、請求項23~39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記作動液が存在し、プロピレングリコール、水、イソブタノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項23~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記作動液が存在し、0.0001~1.0Ns/m
2の動粘度、80℃~230℃の沸点、0.8~2.0g/mLの比重、またはこれらの任意の組み合わせを有する、請求項23~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記飽和器表面が、5000mL未満の作動液を支持するように構成される、請求項23~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記凝縮器と前記流体出口との間に配置されたプレナムをさらに備え、前記プレナムが、前記周方向通路からの流体流を収束させるように構成される、請求項23~43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記流体出口と流体連通する光学粒子計数器をさらに備え、前記光学粒子計数器が、前記拡大された粒子を検出するためのものである、請求項23~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記光学粒子計数器が、散乱、消光、干渉、発光、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して前記拡大された粒子を検出する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記光学粒子計数器が凝縮核粒子計数器を含む、請求項45または請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記装置がマニホールドに取り付けられるように構成され、前記マニホールドが前記サンプル流を前記装置に供給するように構成される、請求項23~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
ドッキングステーションをさらに備え、前記ドッキングステーションが、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続部を備える、請求項23~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記ドッキングステーションがインターネットプロトコルアドレスをさらに備える、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記流体出口を真空システムに直接的または間接的に取り付けるための接続部と、
前記真空システムからの流れを、前記サンプル流の第1のストリームと前記装置の構成要素を冷却するための第2のストリームとに分割するための流れ分配システムと、
をさらに備える、請求項23~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記作動液が作動液表面を含み、前記ノズルが、前記作動液表面の下のバルク作動液中に前記サンプル流の気泡を形成させることなく、前記サンプル流を前記作動液表面に向けて導くように構成される、請求項23~51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記作動流体液体が、
(i)圧力上昇なしに流体搬送システムの動作を可能にし、および/もしくは流体をリザーバの内外に移動させ、搬送中の漏れを防止する受動複合バルブ、
(ii)作動液を純粋に保つために、サービス中にシステム作動液を流すことを可能にするサービスポート、ならびに/または
(iii)使用中および/もしくは動作中に作動液リザーバを密封するためのロック用ルアー継手、のうちの1つまたは複数を備えるリザーバ内にある、請求項23~52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
前記飽和器表面を覆うためのカバーをさらに備え、前記カバーが穿孔されていても穿孔されていなくてもよく、前記カバーが、1つまたは複数のギャップが、存在する場合には穿孔と共に、前記作動液蒸気が前記飽和器領域内の前記サンプル流と流体連通することを可能にするように任意選択的に配置される、請求項23~53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
作動液リザーバ、流体レベルセンサ、流体レベル状態表示、および作動液搬送ポンプのうちの1つまたは複数を備える取り外し可能かつ交換可能な作動液容器を有する、請求項23~54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記装置を通過する前記サンプル流の前記流量を監視するための1つまたは複数の流量センサをさらに備え、任意選択的に、前記流量センサが、下流に配置され、前記粒子計数器と流体連通する、請求項23~55のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
任意選択的に、極端な環境における性能を維持するため、または自己保護のために、動作設定点を監視および変更するための、1つまたは複数の環境センサをさらに備える、請求項23~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記凝縮器が湿潤壁凝縮器である、請求項1~57のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項59】
前記作動液が前記飽和器領域に、および前記飽和器領域から、搬送および/または再循環されて、前記作動液の処理を可能にして前記作動液の前記化学組成および/または物理的特性を維持または調整する、請求項1~58のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項60】
周囲空気またはガスの流れが、熱放散および/または熱管理を提供するために、前記凝縮器および/または飽和器領域の構成要素と熱接触するように搬送される、請求項1~59のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項61】
前記装置または前記方法が1つまたは複数の診断を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項62】
前記診断が、1つまたは複数の粒子検出信号および/または粒子検出信号の時間プロファイルの分析によって達成される、請求項61に記載の装置または方法。
【請求項63】
前記診断が、1つまたは複数の粒子検出信号のパルス高さ、パルス幅および/またはパルス形状の分析によって達成される、請求項61に記載の装置または方法。
【請求項64】
前記診断が、作動液特性、システムフロー特性、光学的検出特性、および/または熱管理特性を監視することを含む、請求項61に記載の装置または方法。
【請求項65】
前記診断が、個々の粒子検出事象および/または粒子成長、システム流量、サンプル粒子の装入および/または材料、流体汚染、流体劣化、またはこれらの任意の組み合わせを監視するための傾向の履歴に関する前記1つまたは複数の粒子検出信号のパルス高さ分析に基づく、請求項61に記載の装置または方法。
【請求項66】
前記飽和器領域内および/または作動液のリザーバ内の作動液を監視するように構成された1つまたは複数の流体センサをさらに備える、請求項1~65のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項67】
前記流体センサのうちの1つまたは複数が、流体汚染、流体劣化、システムの向き、残りの動作時間、システムの健全性のための流体使用率、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの分析のために構成される、請求項66に記載の装置または方法。
【請求項68】
性能を維持するための動作設定点の変更、極端な環境の場合のシステム自己保護、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを分析するように構成された1つまたは複数の環境センサをさらに備える、請求項1~67のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項69】
複数の飽和器領域、複数の凝縮器、複数の粒子計数器、またはこれらの任意の組み合わせを備える、請求項1~68のいずれか一項に記載の装置または方法。
【請求項70】
多段CPCシステムを備え、異なる段が順次構成で設けられ、異なる粒径範囲を目標とする個々のCPCに対応する、請求項1~69のいずれか一項に記載の装置または方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2021年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/210,748号の利益および優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景】
【0002】
[0002]本発明は、一般に、クリーンルーム環境におけるサブミクロン粒子の検出を含む、サンプルおよびプロセス環境における粒子の検出、特性評価および/または計数の分野にある。
【0003】
[0003]サブミクロン粒子を含む汚染物質の存在について流体ストリームを監視することは、半導体およびマイクロエレクトロニクス医薬品および生物製剤、食品および飲料、ならびに化粧品を含む多くの産業において重要である。これらの産業において非常に低いレベルであっても粒子が存在すると、製造プロセスおよび製造性能に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、規制条件および業界標準には、関連するプロセス条件認証の要件に適合するように低粒子レベルを確立および維持することが含まれる。
【0004】
[0004]微粒子汚染の影響に対処するために、クリーンルームおよびクリーンゾーンは、粒子および他の汚染物質の存在および量が能動的に監視および文書化される多様な製造および製造環境および施設で一般的に使用される。半導体およびマイクロエレクトロニクス産業では、例えば、ウエハおよび基板上に沈降する粒子は、小規模の製造プロセスを劣化または干渉する可能性がある。したがって、これらの産業においてクリーンルーム条件を確立することは、製造効率および出力を維持するために重要である。一方、医薬品および生物製剤の製造において、生存可能な生物学的汚染物質から成る浮遊微粒子による汚染は、米国食品医薬品局(FDA)および他の外国および国際的な健康規制当局によって確立された厳格な基準の遵守を必要とする健康および安全上の懸念のために、治療用製品を危険にさらす。
【0005】
[0005]計数およびサイズ特性評価のために粒子によって散乱または透過された電磁放射を検出するように構成された光学粒子計数器の使用を含む、クリーンルーム環境に関連する粒子の存在を監視するための様々なシステムおよび方法が開発されている。そのようなシステムは、500nmを超えるサイズ寸法を有する粒子の検出およびサイズ特性評価のための汎用的で堅牢な粒子分析プラットフォームを提供する。しかしながら、従来の光学粒子計数器システムを使用して100nm未満のサイズ寸法を有する粒子を確実に検出するには、そのようなより小さい粒子に対してこれらの技術を使用して遭遇するより低い信号対雑音比のために大きな課題がある。これらの課題は、製品の損失および/または規制要件および業界標準に対する効果のない認証につながり得る感度の低下および/または偽陽性検出事象の頻度の増加など、クリーンルーム監視用途の問題をもたらす。
【0006】
[0006]これらの制限に対処するために、凝縮粒子計数器(CPC)が開発されている。従来のCPCは、一般に、気化した作動液を収容するチャンバに流体同伴粒子のサンプルを通過させることによって動作する。続いて、作動液蒸気を含む粒子含有ストリームが凝縮器を通過し、そこで作動液蒸気が粒子上に凝縮し、その結果、光学的粒子計数技術によってより高感度かつ確実に検出され得る粒子が成長する。例えば、いくつかの従来のCPCは、層流熱拡散設計に基づいており、「ウィック」または他の多孔質構造を使用して、作動液の蒸発を促進して作動液蒸気を形成する。そのような既存のCPCは、労働集約的なメンテナンス、頻繁な交換を必要とする大量の作動液の使用、機器のフラッディング、有毒な作動液の使用、高い誤カウント率(例えば、「ウィック」または多孔質構造の劣化による)、熱拡散凝縮のための大きな物理的サイズ、低いサンプル流量、および/または適切な診断の欠如を含む欠点を抱えている。
【0007】
[0007]上記を考慮すると、プロセスストリームおよびクリーンルーム環境において100nm未満のサイズ寸法を有する粒子を含む小粒子の効率的な検出を容易にすることができるコンパクトで信頼性の高いCPC機器が必要である。さらに、より高い感度および偽陽性検出事象に対するより低い感受性を有する有用な体積流量での粒子の正確な検出および計数を可能にするCPC計測器が必要とされている。
【概要】
【0008】
[0008]本発明は、環境および/またはサンプルエアロゾルガスストリーム中の粒子を検出するための凝縮粒子計数器、ならびにそのような粒子を成長および検出するための方法を提供する。本発明の方法および装置は、10nm未満の粒子の有効サイズを有する粒子を含む、小粒子、環境またはサンプル流の光学的検出を可能にし、強化する。
【0009】
[0009]一態様では、本発明のシステムおよび方法は「ウィックレス」であり、したがって、作動流体を取り扱い、作動液蒸気飽和条件を生成するための「ウィック」または他の多孔質構造の使用を回避する。例えば、特定の態様のCPCシステムは、分析中のサンプル流体ストリームの作動液気化および飽和を達成するための作動液のプールまたはリザーバを使用する。本システムは、作動液のプールまたはリザーバを正確に監視および制御して、再現性の高い気化および飽和条件を達成および維持する能力を含む、従来のウィックベースのシステムを超える実用的な利点を有する。さらに、作動液のプールまたはリザーバを使用するシステムはまた、コンパクトなフォームファクタ、ならびに始動、メンテナンスおよび/または貯蔵のためのより効率的な流体ハンドリングおよび診断を可能にする。好ましくは、いくつかの実施形態では、飽和器領域内の作動液のレベルおよび表面積がリアルタイムで監視および制御されて、作動液蒸気の一貫した形成を生成し、それによって作動液蒸気の再現可能な蒸発速度および分圧を保証する。
【0010】
[0010]一態様では、システムおよび方法は、作動液の効果的かつ再現可能な核生成および粒子成長を達成するための混合、飽和および凝縮条件を可能にする流れ構成を提供する。一実施形態では、例えば、システムおよび方法は、飽和器領域でのサンプル流と作動液蒸気との乱流混合と、それに続く層流熱拡散凝縮成長領域への移行との組み合わせを使用し、その後に、拡大された粒子を有するガスストリームは、効果的な検出および/または分析のために光学粒子検出器または計数器に導くことができる。一実施形態では、例えば、流入するサンプル流は、作動液のプールまたはリザーバの表面に垂直または実質的に垂直な方向に飽和器領域内に導かれ、作動液蒸気と混合されたサンプル流を含む凝縮流ストリームは、流入するサンプル流と平行または実質的に平行であるが反対方向に凝縮成長領域を通って搬送される。この流れ構成は、装置のコンパクトな設計を維持しながら、サンプル流内の粒子上のガスの効率的な搬送および蒸気の凝縮を可能にするので、特に有益である。いくつかの実施形態では、CPCシステムおよび方法は、クリーンルーム環境などの監視環境からのプロセス流体および/または流体の高流量(>0.1cfm)の分析に適合する流体構成を提供する。
【0011】
[0011]一態様では、システムおよび方法は、作動液容器が取り外し可能および交換可能であり、例えば、光学検出構成要素、流体作動構成要素および/またはデータシステム構成要素(例えば、データの入力または出力)に対して取り外し可能および交換可能であるモジュール式設計を可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、取り外し可能で交換可能な作動液容器は、作動液リザーバ、液面センサ、液面状態表示、および作動液搬送ポンプを含むがこれらに限定されない流体アセンブリ全体を構成することができる。いくつかの態様では、サンプル流を供給するためにマニホールドが装置に接続され、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続を含むドッキングステーションが提供される。
【0012】
[0012]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、(i)飽和器表面を含む飽和器領域であって、飽和器表面が、作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成され、作動液が、表面積によって特徴付けられる前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含む、飽和器領域と、(ii)飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプルガスを作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプルガスおよび作動液蒸気を含む、流体入口と、(iii)飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって成長した粒子を形成するように構成された凝縮器と、(iv)成長した粒子を受け入れるように構成された凝縮器と流体連通する流体出口であって、任意選択的に、バルク作動液が作動液のプールであり、作動液のプールの流体特性、熱特性またはその両方が検出および/または監視される、例えばリアルタイムで検出および/または監視される、流体出口と、を備える。
【0013】
[0013]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させる方法が本明細書に開示され、本方法は、(i)作動液および飽和器領域を含む装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、(例えば飽和器領域において)サンプル流に曝され、サンプル流と相互作用する作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられ、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、(ii)作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、(iii)粒子を含むサンプル流を作動液蒸気中に導いて、サンプル流および作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、混合物が乱流状態にある、ステップと、(iv)凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させるステップと、を含み、任意選択的に、バルク作動液が、作動液のプールであり、作動液のプールの流体特性、熱特性、もしくはその両方が検出および/または監視される、例えばリアルタイムで検出および/または監視される。
【0014】
[0014]任意選択で、粒子の凝縮およびサイズの増加の後に、拡大された粒子を含有するガスは、検出および分析のために、光学粒子計数器を含むがこれに限定されない粒子検出器および/または粒子計数器構成要素に導かれる。一実施形態では、サンプル流を作動液蒸気内に導くステップは、サンプル流を飽和器領域内の作動液の表面に向かって、表面に対して、および/または表面内に導くステップを含む。好ましくは、作動液を蒸発させることは、作動液蒸気の生成を促進するように構成された作動流体液体のプールまたはリザーバを使用して行われ、任意選択的にウィックおよび/または多孔質構造を実質的に含まない。任意選択で、いくつかの実施形態では、作動液蒸気は、好ましくは、キャリアガスを使用して飽和器領域に送達されず、むしろサンプル流ストリーム自体によって搬送される。
【0015】
[0015]任意選択的に、本方法は、飽和器領域内のサンプル流に曝される作動液表面積を制御するステップをさらに含む。一実施形態では、作動液表面積は、液体作動液リザーバ内に存在する量または体積など、飽和器領域内の液体作動液の量または体積を増減することによって制御される。一実施形態では、作動液表面積を制御するステップは、飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域内のサンプル流に曝される表面積、飽和器表面上の作動液の体積、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを監視するステップをさらに含む。作動液の監視および制御は、例えば、作動液リザーバへのまたは作動液リザーバからの作動液の送達または除去が可能な、飽和器領域に組み込まれた流体センサおよびアクチュエータを使用して達成することができる。
【0016】
[0016]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、(i)作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面を含む飽和器領域と、(ii)飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、(iii)飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、を備え、任意選択的に、バルク作動液が、作動液のプールであり、作動液のプールの流体特性、熱特性、もしくはその両方が検出および/または監視される、例えばリアルタイムで検出および/または監視される。流体出口は、任意選択的に凝縮器と流体連通しており、拡大された粒子を受け入れるように構成されており、拡大された粒子は、続いて、分析(例えば、係数)のための光学粒子計数器などの粒子計数器に提供され得る。さらに、装置は、任意選択的に、別個のキャリア流体流を使用しない流れ構成で、サンプル流ストリーム自体を使用して凝縮領域に作動液蒸気を搬送するように構成される。
【0017】
[0017]一実施形態では、作動液は、存在する場合、飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面は、平均表面積などの表面積によって特徴付けられる。好ましくは、装置またはシステムは、飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、飽和器表面上の作動液の体積、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出された表面積を制御するように構成された流体システムをさらに備える。この態様に有用な流体システムは、バルブ、流体アクチュエータ、ポンプ、センサなどの様々な流体構成要素を含むことができる。一実施形態では、作動液は、濾過、洗浄、作動液の不純物の除去などによる処理を受ける。一実施形態では、作動液は、作動液の化学組成および/または物理的特性(例えば、蒸気圧)を維持または調整するために、粒子、水、不純物などの除去などを介して、作動液の処理を可能にするように、例えば流体システムによって飽和器領域との間で搬送および/または再循環される。再循環する作動液を使用する実施形態は、不純物の蓄積、化学的分解、および/または性能、例えば、感度、再現性、誤カウント率などに関して、悪影響を及ぼし得る作動液の物理的特性(例えば、蒸気圧)の変化を回避するために、CPCの動作前、動作中、および/または動作後に作動液を洗浄するのに有益であり得る。
【0018】
[0018]一実施形態では、凝縮器は、垂直軸線に沿って配置され、中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置され、内壁を取り囲む外壁と、を備える。その結果、内壁と外壁との間に周方向通路が形成される。中央通路は、流体入口とノズルとの間に流体連通して配置され、周方向通路は、飽和器領域と流体出口との間に流体連通して配置され、流体流路が、流体入口、中央通路、ノズル、飽和器領域、周方向通路、および流体出口によって順次画定される。一実施形態では、凝縮器は湿潤壁凝縮器であり、例えば、凝縮器の外壁および/または内壁の少なくとも一部は、飽和器領域で使用されるのと同じ作動液および/または異なる作動液であってもよい作動液で湿潤している。いくつかの実施形態では、湿潤壁凝縮器は、凝縮器の外壁および/または内壁の表面などの凝縮器の1つまたは複数の表面上に作動液の流れを確立することによって湿潤される。濡れ壁凝縮器を組み込んだ実施形態は、効率的な凝縮条件(例えば、作動液の高い蒸気圧)ならびに粒子の有用な凝縮速度および拡大速度を確立するために有益であり得る。湿潤壁凝縮器を組み込んだ実施形態はまた、短い滞留時間および/またはよりコンパクトな凝縮器のフォームファクタを可能にし得る。
【0019】
[0019]さらなる実施形態では、周方向通路に露出する内壁の一部は第1の材料を含み、周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部は第2の材料を含み、第1の材料は第2の材料よりも低い熱伝導率を有する。任意選択的に、第1の材料、第2の材料、またはその両方が、熱勾配を生成するように能動的に制御される。好ましくは、温度勾配は、流れ勾配と一致するか、または流れ勾配と連動して機能するように選択されて、凝縮器の断面にわたって粒子勾配を調整または制御する。
【0020】
[0020]いくつかの実施形態では、方法または装置は、複数の飽和器領域、例えば、並列構成または逐次構成(例えば、直列に)で提供される、同じ作動液または異なる作動液を有する飽和器領域を含む。いくつかの実施形態では、方法または装置は、例えば並列構成または逐次構成(例えば、直列に)で提供される複数の凝縮器を含む。いくつかの実施形態では、方法または装置は、例えば、並列構成または逐次構成(例えば、直列に)で提供される複数の飽和器領域、凝縮器および/または粒子検出器を含む。本発明の装置および方法は、多段CPCシステムを含み、異なる段が順次構成で提供され、異なる粒径範囲を目標とする個々のCPCに対応する。
【0021】
[0021]いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、本明細書に開示する装置および方法に関連する基本原理の信念または理解について本明細書で議論することができる。任意の機構的説明または仮説の最終的な正当性にかかわらず、それにもかかわらず、本発明の実施形態は動作可能かつ有用であり得ることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】凝縮粒子計数器の一態様を示しており、作動中、サンプル流は、存在する場合、作動液の作動液表面に対して垂直に導かれることを示す図である。
【
図2】作動中に、存在する場合にはサンプル流が作動液の作動液表面に向かって傾斜して導かれる凝縮粒子計数器の態様を示す図である。存在する場合、作動液を覆う任意選択のカバーが示されており、このカバーは穿孔されていても穿孔されていなくてもよい。
【
図3】サンプル流が2つのノズルを介して飽和器領域に導かれる凝縮粒子計数器の態様を示す図である。ノズルは、飽和器表面で傾斜していないように示されているが、いくつかの態様では、一方または両方のノズルを傾斜させることができる。
【
図4】凝縮器を備えたチューブインチューブ構成にある中央通路を通してサンプル流が供給される凝縮粒子計数器の態様を示す図である。
【
図5】作動液を飽和器表面に供給するためのリザーバが存在し、拡大された粒子を受け入れるための光学粒子計数器が存在する、
図4のさらなる態様を示す図である。
【
図6】凝縮粒子計数器の一態様のチューブインチューブ構成の詳細図である。直線矢印は層流を示し、曲線矢印は乱流を示す。中央通路内の流れは、凝縮器内の流れと平行であるが、反対方向である。
【
図7】粒子を検出および/または成長させる方法の一態様の流れ図である。
【
図8】作動液の表面積を制御する態様の流れ図である。
【
図9】サンプル流中の粒子を拡大するための飽和および凝縮条件を提供するためのチューブインチューブ形状に設けられた飽和器領域および凝縮器を含む凝縮粒子計数器(CPC)の断面側面図である。
【
図10】凝縮粒子計数器(CPC)を備える装置またはシステムの側面斜視図である。
【
図11】凝縮粒子計数器システムを取り付けるための装置の側面斜視図である。
【
図12】10nm(1)、7nm(2)および5nm(3)の粒子を目標とする系のサイズ依存性粒子計数効率曲線を示すプロットを提供することを示す図である。
【用語に関する記述】
【0023】
[0034]一般に、本明細書で使用される用語および語句は、当業者に知られている標準的なテキスト、雑誌の参考文献および文脈を参照することによって見出すことができる、当技術分野で認識されている意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈におけるこれらの具体的な使用を明確にするために提供される。
【0024】
[0035]「粒子」または「粒子(複数)」という用語は、しばしば汚染物質と見なされる小さな物体を指す。粒子は、例えば、2つの表面が機械的に接触し、機械的な動きがある場合に、摩擦の作用によって生成される任意の材料であり得るが、そうである必要はない。粒子は、単一成分であってもよく、または材料の凝集体から構成されてもよく、塵、埃、煙、灰、水、すす、金属、酸化物、セラミック、鉱物、またはこれらもしくは他の材料もしくは汚染物質の任意の組み合わせを含む。「粒子」または「粒子(複数)」はまた、生物学的粒子、例えばウイルス、胞子、または細菌、真菌、古細菌、原生生物もしくは他の単細胞微生物を含む微生物を指し得る。いくつかの実施形態では、例えば、生物学的粒子は、1nm以上、好ましくは100nm未満、50nm未満、20nm未満、10nm未満、7nm未満、5nm未満、または3nm未満の粒径(例えば、例示的な有効直径などのサイズ寸法)によって特徴付けられる。粒子は、光を吸収、放出、または散乱し、したがって粒子計数器または光学粒子計数器によって検出可能な小さな物体を指すことができる。本明細書で使用される場合、「粒子」または「粒子(複数)」は、担体流体またはサンプル媒体の個々の原子または分子、例えば、水、空気、プロセス化学物質、プロセスガス、環境ガス、エアロゾル含有ガス、窒素、酸素、二酸化炭素などを除外することを意図している。いくつかの実施形態では、粒子は、最初に微細加工施設のツール表面または医薬品加工施設の製造表面などの表面上に存在し、表面から遊離し、続いて流体中で分析され得る。本発明のシステムおよび方法は、1nm~100nm、任意選択的に1nm~50nm、任意選択的に1nm~30nm、任意選択的に1nm~20nm、および任意選択的に1nm~10nmの範囲から選択される粒径を有する粒子などの小粒子を検出、特徴付けおよび/または計数するのに特に有効である。
【0025】
[0036]本明細書で使用される「粒径」という用語は、文脈から明らかなように、粒子の平均もしくは有効直径、粒子の平均もしくは有効長、粒子の平均もしくは有効幅、粒子の等価球径(等価体積の球の直径)、または粒子の最大寸法を指す。
【0026】
[0037]「粒子を検出する」という表現は、粒子を検知すること、粒子の存在を識別すること、および/または粒子を特徴付けることを広く指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは、粒子を計数することを指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは、直径、断面寸法、形状、サイズ、空気力学的サイズ、またはこれらの任意の組み合わせなどの粒子の物理的特性を特徴付けるおよび/または測定することを指す。粒子計数器は、流体中の粒子の数または流体の体積を計数するための装置であり、任意選択的に、例えば、サイズ(例えば、直径または有効直径などの断面寸法)、粒子タイプ(例えば、生物学的または非生物学的)、または粒子組成に基づいて粒子の特性評価を提供することもできる。光学式粒子計数器は、粒子による光の散乱、発光、透過および/または吸光度を測定することによって粒子を検出する装置である。
【0027】
[0038]「粒子計数器」は、粒子を検出および計数するためのシステムを指す。粒子計数器には、光学粒子計数器、および非光学技術、例えばコールター法、電荷の充電/測定、ゼータ電位、視覚ベースの粒子計数システムなどを使用する粒子計数器が含まれる。粒子計数器は、クリーンルームなどの監視を受けている環境からの流体流などの流体流中の粒子を検出するのに有用である。粒子計数器は、1つまたは複数のプロセスガスまたは液体などのプロセス流体に対応する流体流中の粒子を検出するのに有用である。
【0028】
[0039]「光学粒子計数器」は、光学分析および/または検出を使用して、例えば流体流および/または流体サンプル中の粒子を分析することによって、粒子を検出、計数および/または特性評価する粒子検出システムを指す。光学式粒子計数器は、液体粒子計数器およびエアロゾル粒子計数器を含み、例えば、液体または気体の流れなどの流体流中の個々の単一粒子を検出し、例えば、平均または有効直径、平均または有効長および/または平均または有効幅(例えば、1つまたは複数のサイズビン)などの平均または有効粒径の範囲などの粒径基準またはサイズ基準の範囲に基づいて、分析される流体の体積当たりの粒子数を特徴付けることができるシステムを含む。
【0029】
[0040]粒子計数器は、凝縮粒子計数器(CPC)、凝縮核計数器などを含むことができる。CPCは、例えば、プロセス環境またはプロセスガスに対応するガス流などの流体流中の粒子を検出および/または計数するように構成することができる。CPCは、サンプルストリーム中の粒子上の作動液の凝縮および成長を提供して粒子を拡大し、例えば光学検出方法を使用して、より正確で信頼性の高い検出を可能にするために、検出領域の上流に飽和器領域および凝縮領域を統合することができる。CPCは、100nm未満、任意選択的に50nm未満、任意選択的に30nm未満、任意選択的に10nm未満のサイズを有する粒子などの小粒子の検出および計数のための有益な用途を有する。いくつかの実施形態では、CPCは、100ミクロン超、任意選択的に10ミクロン、任意選択的に500nmの粒径を有する粒子など、分析中の粒子サンプルストリームからより大きな粒子を除去するためのカットオフフィルタを任意選択的に有し得る。CPCは、特定の粒径しきい値未満などの特定の粒径基準を満たす検出可能な粒子、または代替的に特定の粒径範囲内に入る粒径を有する粒子のカウントを提供することができる。CPCはまた、異なる粒径範囲(例えば、粒径ビン)などの異なる粒径基準に対応する複数のチャネルの粒子数を決定することができるマルチチャネルCPC機器を含む。凝縮粒子計数器の文脈で使用される場合、光学粒子計数器部分は、上流の核生成および/または成長を受けた粒子を特徴付けるための検出システム(例えば、電磁放射線源、光学素子、フィルタ、集光光学素子、検出器、プロセッサなど)を指す。
【0030】
[0041]いくつかの実施形態では、光学粒子計数器は、(例えば、レーザまたは発光ダイオードにより)電磁放射ビームをフローセルの分析領域などの相互作用領域に提供し、ビームは流体流中の粒子と相互作用する。照明は、相互作用領域に提供される入射ビームの集束、フィルタリング、および/または成形(例えば、伸長)を含むことができる。粒子の検出および/または特性評価は、相互作用領域からの散乱、放出および/または透過電磁放射線の検出および分析によって達成され得る。検出は、粒子によって散乱、吸収、不明瞭化、および/または放出された電磁放射を光検出器アレイなどの1つまたは複数の光検出器に集束、フィルタリング、および/または成形することを含むことができる。例えば、単一の検出素子(例えば、フォトダイオード、光電子増倍管など)、光検出器アレイ(例えば、フォトダイオードアレイ、CMOS検出器、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合素子(CCD)、金属酸化膜半導体(MOS)検出器など)、カメラを含む、光学粒子計数器のための様々な検出器が当技術分野で知られており、当技術分野で知られているような様々な検出器の向きを使用して実施することができる。光学粒子計数器は、分割ビーム差動検出を含む差動検出を組み込むことができる。
【0031】
[0042]一実施形態では、例えば、光学粒子計数器は、電磁放射のビームを生成するための供給源、流体サンプルが流れている領域、例えばフローセルを通って流れる液体または気体にビームを誘導および集束させるためのビームステアリングおよび/または成形光学系を含む。典型的な光学粒子計数器は、フローセルと光学的に連通する光検出器アレイなどの光検出器と、入射ビームを通過する粒子によって散乱、送信および/または放出される電磁放射を収集、成形および/または撮像するための収集光学系とを備える。粒子計数器は、電流電圧変換器、パルス高さ分析器、信号フィルタリング電子機器、増幅電子機器などを含む光検出器によって生成された電気信号の読み出し、信号処理、および/または分析のための電子機器および/またはプロセッサ(例えば、ファームウェアおよび/またはソフトウェアによって実施される)をさらに備えることができる。光学粒子計数器はまた、粒子を含有する流体サンプルをフローセルの分析領域を通って搬送するための流体流を生成するための、例えば体積流量によって特徴付けられる測定値を生成するための、ポンプ、ファン、ブロワなどの1つまたは複数の流体作動システムを備えてもよい。いくつかの実施形態では、光学粒子計数器は、選択された流量、例えば0.05CFM~10CFMの範囲にわたって選択された流量を生成するための流体作動システムを含み、任意選択的にいくつかの用途では0.1CFM~5CFM、場合によりいくつかの用途では0.5CFM~2CFMである。いくつかの光学粒子計数器では、1つまたは複数の液体を含むサンプルについて流速が生成され、1から1000mL/分の範囲にわたって選択された流速を含む。
【0032】
[0043]「流れ方向」は、流体が流れているときに流体の大部分が動いている方向に平行な軸を指す。真っ直ぐなフローセルを通って流れる流体の場合、流れ方向は、流体の大部分がとる経路に平行である。湾曲したフローセルを通って流れる流体の場合、流れ方向は、流体の大部分がとる経路に対して接線方向であると考えることができる。
【0033】
[0044]「流体連通」とは、流体が1つの物体まで、1つの物体を通過して、1つの物体を通って、または1つの物体から別の物体まで搬送され得るような2つ以上の物体の配置を指す。例えば、いくつかの実施形態では、流体流路が2つの物体の間に直接設けられている場合、2つの物体は互いに流体連通している。いくつかの実施形態では、2つの物体間に1つまたは複数の他の物体または流路を含めることなどによって、流体流路が2つの物体間に間接的に設けられる場合、2つの物体は互いに流体連通している。例えば、一実施形態では、粒子インパクタの以下の構成要素、すなわち、1つまたは複数の吸気開口部、衝突表面、流体出口、流れ制限、圧力センサ、流れ発生装置は、互いに流体連通している。一実施形態では、流体の本体内に存在する2つの物体は、第1の物体からの流体が、流路に沿ってなど、第2の物体に引き込まれ、第2の物体を通過し、および/または第2の物体を通過しない限り、必ずしも互いに流体連通しているとは限らない。
【0034】
[0045]「サンプル流」は、粒子を検出および/または計数するための分析などの分析を受ける、流体の流れ、例えば流体の流れを含有するガスおよび/または流体の流れを含有するエアロゾルを指す。サンプル流は、本方法およびシステムによって検出される粒子を含み得る。サンプル流は、クリーンルーム環境またはプロセスもしくは製造環境などの監視を受けている環境からのガスおよび/またはエアロゾルストリームなどの流体の搬送から導かれ、および/またはそれから生じ得る。サンプル流は、1つまたは複数のプロセスガスまたはエアロゾルストリームなどの1つまたは複数のプロセス流体であり得るか、またはそれに由来し得る。サンプル流は、例えば、粒子を表面からガスストリームなどの流体流中に遊離させることによって、監視を受けている表面から導出することができる。
【0035】
[0046]「流量」とは、粒子インパクタの吸気開口部または流体出口などを通って、指定された点を通過して、または指定された領域を通って流れる流体の量を指す。一実施形態では、流量は、質量流量、すなわち、指定された点を通過してまたは指定された領域を通って流れる流体の質量を指す。一実施形態では、流量は、体積流量、すなわち、指定された点を通過してまたは指定された領域を通って流れる流体の体積である。
【0036】
[0047]「飽和器領域」または「飽和器」という用語は、作動液蒸気とサンプル流とが接触する装置またはシステムの領域または構成要素である。分析中のサンプル流ストリームの作動液への曝露は、ガスストリームへの作動液蒸気の形成をもたらし、その結果、作動液蒸気の分圧がその平衡蒸気圧の(例えば、20%以内)またはそれに近い状態になる。
【0037】
[0048]「凝縮領域」または「凝縮器」という用語は、作動液蒸気がガスストリーム中の粒子上で凝縮する領域または構成要素である。凝縮領域における凝縮は、飽和条件またはそれに近い条件でガスストリーム中に存在する作動流体蒸気を有することによって達成され、任意選択的に、作動液蒸気を有するガスストリームの温度を低下させることによって達成される。
【0038】
[0049]「作動液」および「作動流体」は交換可能に使用され、粒子の凝縮および/または拡大を達成するために使用される蒸気を提供する液体、溶液または混合物を指す。いくつかの実施形態では、作動液は、飽和器領域または飽和器内に供給され、例えば、飽和器領域または飽和器と流体連通して設けられた凝縮器内で凝縮を達成するための作動液蒸気の供給源を提供する。いくつかの実施形態では、作動液は、純粋、精製および/または実質的に純粋である。いくつかの実施形態では、作動液は、液体、液体の混合物または溶液である。
【0039】
[0050]「バルク作動液」という用語は、作動液の作動液表面の下に位置する作動液の体積を指す。この用語は、飲料水の典型的なガラスなどの例によって最もよく説明することができ、ガラスは飲料水を保持し、水は空気に曝される表面を有し、表面の下にはバルク液体の連続体積がある。同じ概念は、飽和器表面上に配置された作動液に言い換えることができ、飽和器表面は作動液を保持し、作動液表面は装置または飽和器領域内の雰囲気/環境に曝され、作動液表面の下にはバルク作動液の連続体積がある。
【0040】
[0051]「作動液のプール」または「作動液のリザーバ」という用語は、同義的に使用され、作動液表面およびバルク作動液を含む作動液の体積を指し、この体積は、(1)飽和器表面上を移動も流動もしない、(2)飽和器表面上を円形方向に移動または流動する、または(3)所定の方向、例えば再循環する液流方向に移動または流動する、または(4)飽和器表面上を不定義の方向に移動または流動する。例として、装置の動作中に移動も流動もせず、(撹拌によって、または流動するサンプル流もしくは加えられた力の結果として)円形方向に移動または流動もせず、(撹拌によって、または流動するサンプル流もしくは加えられた力の結果として)不定義の方向に移動または流動もする作動液のボウルを考える。いくつかの実施形態では、作動液のプールは、作動液のフィルムまたは薄膜ではなく、バルク作動液が存在するように、フィルムまたは薄膜よりも大きな体積を有する。いくつかの実施形態では、プール作動液は、例えば、作動液の濾過、洗浄、不純物の抽出などによる作動液の処理を提供する方法で再循環される。
【0041】
[0052]「作動液のストリーム」という用語は、飽和器表面(またはプレート)の1つの部分から飽和器表面(またはプレート)の別の部分に方向的に流れるが、円形には流れない作動液を指す。作動液のストリームは、典型的には、作動液のフィルムまたは薄膜として存在し、典型的にはバルク作動液を含まない。一例として、表面の一端に作動液源を有する飽和器表面を考えると、作動液は、飽和器表面の傾斜による重力または印加された力のいずれかによって、飽和器表面を横切って作動液出口、作動液プールに流れるか、またはいずれも流れない(例えば、作動液のストリームは、流れるにつれて蒸発し、したがって出口またはプールに堆積されない)。
【0042】
[0053]所与の方法、方法ステップ、装置、または装置構成要素が「作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まない」場合、そのような句は、1つまたは複数の多孔質構造(例えば、「ウィック」)が、(1)方法、方法ステップ、装置、または装置構成要素に存在しない、(2)方法、方法ステップ、装置、または装置構成要素に存在するが、(作動液蒸気の生成を促進することができないように)作動液と接触していない、(3)方法、方法ステップ、装置、または装置構成要素に存在し、作動液と接触しているが、飽和器領域内のサンプル流と混合するために作動液蒸気の少なくとも30%を生成するのに十分な量で存在しない、または(4)これらの任意の組み合わせを意味する。
【0043】
[0054]「提供する」とは、組成物、材料、デバイス、またはこれらの構成要素を存在させる工程を指す。いくつかの実施形態では、提供するとは、例えば、サンプル流中の粒子をサンプリング、検出、分析および/または計数するためのシステムまたはその構成要素が存在することを指す。いくつかの実施形態では、例えば、流体アクチュエータ(例えば、ポンプ、家庭用真空ライン、送風機など)がサンプル流をCNCシステムに導入させるなど、サンプル流がCNCシステムに提供される。
【0044】
[0055]「導く」とは、ある場所または領域から別の場所または領域に、サンプル、流体流またはその成分または副生成物などの何かを搬送、送達または移動することを指す。いくつかの実施形態では、例えば、導くことは、サンプル、流体流またはこれらの構成要素もしくは副生成物を第1の領域から第2の領域に、または第1の装置構成要素から第2の装置構成要素に流体搬送することを指す。いくつかの実施形態では、例えば、方向付けは、互いに流体連通している1つのデバイス領域または構成要素から別のデバイス領域構成要素へのサンプル、流体流またはその構成要素または副生成物の搬送を介して行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、1つの装置構成要素または領域から別の装置構成要素または領域への流れを確立することなどによって、流体作動を介して方向付けを行うことができる。
【0045】
[0056]本明細書で数値、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を開示する場合、以下の文は典型的にはそのような数値に従う。「前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という用語を付けることができ、前述の数字のいずれかを、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、あるいは複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。」 この文は、前述の数字のそれぞれが、(例えば、4)単独で使用され得ること、(例えば、約8)「約」という単語で始められ得ること、(例えば、少なくとも約2)「少なくとも約」という語句で始められ得ること、(例えば、少なくとも10)「少なくとも」という語句で始められ得ること、(例えば、1未満)「未満」という語句で始められ得ること、(例えば、約7未満)「約未満」という語句で始められ得ること、または(例えば、2~9、約1~4、少なくとも3、8~約9、8~10未満、約1~約10など)範囲を規定するために、いずれかの前置詞的な単語または語句と任意に組み合わせてまたは組み合わせずに使用され得ることを意味する。また、範囲が「約X以下」と記載されている場合、この語句は、代替形態における「約X」と「約X未満」との組み合わせである範囲と同じである。例えば、「約10以下」は、「約10、または約10未満」と同じである。そのような交換可能な範囲の説明は、本明細書において企図される。他の範囲フォーマットが本明細書に開示されてもよいが、フォーマットの違いは、実質的な違いがあることを意味すると解釈されるべきではない。
【0046】
[0057]本明細書で使用される場合、「約」または「実質的に」という用語は、記載された値からのわずかな変動を使用して、記載された値と実質的に同じ結果を達成することができることを意味する。この定義を適用することができないか、または適用することが非常に困難な状況では、「約」という用語は、記載された値から10%の偏差、任意選択的に5%(プラスまたはマイナス)、または所与の向き(例えば、平行、直交など)の10度、任意選択的に5度の偏差を意味する。
【発明の詳細な説明】
【0047】
[0058]以下の説明では、本発明の正確な性質の完全な説明を提供するために、本発明の装置、装置構成要素および方法の多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで本発明を実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0048】
[0059]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させる方法が本明細書に開示され、本方法は、
作動液および飽和器領域を備える装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、(例えば飽和器領域において)サンプル流に曝され、サンプル流と相互作用する作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられ、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を飽和器領域に配置された作動液蒸気中に導いて、サンプル流および作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、混合物が任意選択的に乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を制御するステップと、を含む。
【0049】
[0060]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させる方法が本明細書に開示され、本方法は、
作動液および飽和器領域を備える装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、表面積によって特徴付けられる飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を作動液蒸気内へ作動液表面の方へ導いて、サンプル流と作動液蒸気との混合物を生じさせるステップであって、混合物が任意選択的に乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を任意選択的に制御するステップと、を含む。
【0050】
[0061]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させる方法が本明細書に開示され、本方法は、
作動液および飽和器領域を備える装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられ、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を飽和器領域に配置された作動液蒸気中に導いて、サンプル流および作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、混合物が任意選択的に乱流状態にあり、作動液蒸気が、作動液蒸気を含むキャリアガスによって飽和器領域に送達されない、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を任意選択的に制御するステップと、を含む。
【0051】
[0062]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させる方法が本明細書に開示され、本方法は、
作動液および飽和器領域を備える装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられ、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップであって、蒸発させるステップは、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まない、ステップと、
粒子を含むサンプル流を飽和器領域に配置された作動液蒸気中に導いて、サンプル流および作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、混合物が任意選択的に乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を任意選択的に制御するステップと、を含む。
【0052】
[0063]いくつかの態様では、方法で使用される装置またはシステムは、本明細書の他の場所で詳細に説明されているのと同じ装置またはシステムであり、したがって、いくつかの態様では、装置またはシステムに関するそのような開示は、ここで等しく適用可能である。
【0053】
[0064]いくつかの態様では、飽和器領域に曝される作動液表面の表面積を制御することは、CPC装置に様々な利点を提供する。例えば、表面積を制御することにより、作動液の蒸発速度、飽和器領域における作動液蒸気の飽和レベル、またはその両方を制御する能力が可能になる。さらに、流体レベル(例えば、作動液レベル)は、蒸気形成(例えば、作動液蒸気形成)のための作動液(例えば、作動液)の同じまたは類似の利用可能な表面積、サンプル流との同じ量の蒸気相互作用、ならびに活性作動液にわたる同じ(または類似の)および最小化された熱勾配を維持することによって、一貫した性能を与えるように監視および制御することができる。そのような特徴は、次に、作動液蒸気によるサンプル流の最適化された飽和のために制御された飽和器領域内の条件を維持する能力を可能にし、凝縮器内の粒子上への作動液蒸気の確実な凝縮(すなわち、粒子成長)をもたらす。さらに、(リザーバが使用される場合)流体全体のごく一部のみが飽和器領域に曝され、(加熱が使用される場合のそのような態様では)加熱されるので、従来のCPCと比較して少量の液体および小さな表面積しか使用しないことにより、流体の汚染および劣化が少なくなり、同等のまたは改善された性能で流体寿命が長くなる。
【0054】
[0065]いくつかの態様では、飽和器領域に曝される(作動液の)表面積の制御は、飽和器表面上の作動液の深さを監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、飽和器領域に曝される表面積を監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、飽和器表面上の作動液の体積を監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、深さと表面積の両方を監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、表面積と体積の両方を監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、深さと体積の両方を監視することによって達成される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御することは、深さ、表面積、および体積のそれぞれを監視することによって達成される。明確にするために、作動液表面は、装置内の雰囲気/環境に曝される作動液の表面を含むが、飽和器表面と直接接触する作動液の部分を含まない(例えば、作動液表面は、例えば、飽和器表面と直接接触する作動液のプールの底部にある作動液の部分を含まない)。
【0055】
[0066]いくつかの態様では、そのような監視は、例えば、飽和器表面に配置された作動液のそのような特徴を監視するように構成された1つまたは複数のセンサを使用することによって実行することができる。液体の深さ、体積、または表面積を監視するためのセンサが知られている。いくつかの態様では、作動液の深さ、表面積、体積、またはこれらの任意の組み合わせが所定の値から外れる場合、追加の作動液が飽和器表面に供給されて、深さ、表面積、体積、またはこれらの任意の組み合わせを所定のレベル内に戻す。そのような供給は、いくつかの態様では、本明細書の他の箇所に記載されているように、1つまたは複数のポンプを使用して(任意選択的に流体システムの一部として)、または毛細管現象もしくは重力などの他の方法を介して実行することができる。そのようなセンサはまた、システムの健全性のために、流体汚染、流体劣化、システムの向き、残りの動作時間、または流体使用率のうちの1つまたは複数を監視することができる。
【0056】
[0067]いくつかの態様では、方法、装置、またはシステムは、1つまたは複数の診断を含む。いくつかの実施形態では、診断は、装置によって生成された粒子検出信号(例えば、パルス高さ、パルス幅、パルス形状など)および/または観察された粒子検出信号の時間プロファイルの分析によって達成される。粒子検出信号(例えば、パルス高さ、パルス幅、パルス形状など)の分析から導出された診断を統合する実施形態は、作動液特性(例えば、作動液の深さ、体積、表面積、組成、不純物、健康状態など)、システムフロー特性(例えば、システム流量、凝縮器および/または飽和器領域における滞留時間)、光学検出特性、および熱管理特性(例えば、熱の除去および放散)を監視するなど、良好なシステム性能を達成および維持するために重要なパラメータおよび仕様のリアルタイム診断情報を提供するのに有用である。例えば、いくつかの態様では、粒子計数器信号は、以下のうちの1つまたは複数の可能性のある分析のためのパルス高さ分析器(PHA)として利用されるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に供給される。(1)個々の検出粒子事象および傾向監視の履歴の両方での粒子成長(全体的なシステムの健全性)、(2)システム流量、(3)サンプル粒子の装入および/または材料、(3)流体汚染、(4)流体劣化、または(5)これらの任意の組み合わせ。いくつかの態様では、リザーバおよび/または飽和器からの流体レベルセンサは、(1)流体汚染、(2)流体劣化、(3)システムの向き、(4)残りの動作時間、(5)システムの健全性のための流体使用率、または(6)これらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの可能性のある分析のために使用される。いくつかの態様では、環境センサは、以下のうちの少なくとも1つの可能性のある分析のための装置またはシステムに統合される。(1)性能を維持するための動作設定点の変更、(2)極端な環境の場合のシステムの自己保護、または(3)これらの組み合わせ。
【0057】
[0068]いくつかの態様では、本方法は、作動液の深さ、体積、表面積、またはこれらの任意の組み合わせを深さ、体積、および/または表面積の1つまたは複数の目標範囲と比較するステップと、深さ、体積、および/または表面積がそれぞれの目標範囲外である場合、リザーバから(例えば、1つまたは複数のポンプ、毛細管作用、または重力によって)追加の作動液を供給することによって深さ、体積、および/または表面積を調整するステップと、を含む。
【0058】
[0069]いくつかの態様では、飽和器表面は飽和器プレートの構成要素である。
【0059】
[0070]いくつかの態様では、表面積の目標範囲は、任意の適切な量、例えば0.01~500cm2、任意選択的にいくつかの実施形態では0.03~5cm2である。いくつかの態様では、方法は、表面積の目標範囲を維持するために追加の作動液を供給するステップをさらに含む。例えば、いくつかの態様では、表面積(cm2)は0.7cm2±20%である。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。
【0060】
[0071]いくつかの態様では、深さの目標範囲は、0.001~100mm、任意選択的に0.1~10mmなどの任意の適切な量である。いくつかの態様では、本方法は、深さの目標範囲を維持するために追加の作動液を供給するステップをさらに含む。例えば、いくつかの態様では、深さ(mm)は5mm±20%である。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。
【0061】
[0072]いくつかの態様では、体積の目標範囲は、0.001~5000mL、任意選択的に0.01~100mL、および任意選択的に0.1~10mLなどの任意の適切な量である。いくつかの態様では、本方法は、容積の目標範囲を維持するために追加の作動液を供給するステップをさらに含む。例えば、いくつかの態様では、体積(mL)は0.4mL±20%である。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。
【0062】
[0073]いくつかの態様では、サンプル流は、真空、真空ポンプ、または室内真空によって方法中に装置またはシステムを通過する。いくつかの態様では、サンプル流は、例えばポンプまたはファンを使用して、正圧によって方法中に装置またはシステムを通過する。
【0063】
[0074]いくつかの態様では、凝縮器での凝縮およびサイズ増加の前に、任意の適切な粒径を有する粒子を用いて方法を使用することができる。例えば、凝縮器で成長させる前の粒径は、1nm~15ミクロンの範囲であり得る。しかしながら、この方法は、100nm未満の範囲(凝縮器で成長する前)、例えば75nm未満、50nm未満、25nm未満、15nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、5nm未満、4nm未満、3nm未満、または2nm未満の粒子を検出および/または計数するのに特に有用である。例えば、粒子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25のサイズ(nm)(凝縮器で成長する前)を有することができる。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、凝縮器で成長させる前の粒径は、3nm~9nm、10nm未満、または2nm~7nmである。
【0064】
[0075]いくつかの態様では、サンプル流は任意の適切な成分を含む。例えば、サンプル流は、典型的には粒子を含むが、いくつかの態様では、サンプル流は、特にサンプル流が、クリーンルーム環境の雰囲気/環境が粒子を含まないまたは実質的に含まないように、理想的な汚染されていない条件下で動作しているクリーンルーム環境に由来する場合、粒子を含まないまたは実質的に含まない(例えば、標準的なクリーンルーム粒子検出技術を使用して検出不能)。いくつかの態様では、サンプル流は、キャリア流体またはサンプル媒体、例えば空気、プロセスガス、窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、サンプル流は、クリーンルームまたは製造施設(例えば、半導体または医薬品製造設備)内の空気など、サンプリングされる環境に存在する空気を含む。いくつかの態様では、サンプル流は、サンプリングされる環境からの空気(およびその中に含まれる任意の粒子)からなる。いくつかの態様では、環境中の空気は、本明細書に開示する粒子を検出および/または成長させるための方法の前または間に、またはそのような混合物を本明細書に開示する装置またはシステムに供給する前または間に、追加の空気、プロセスガス、窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、またはこれらの任意の組み合わせなどのキャリア流体と混合され、そのような場合、サンプル流は、キャリア流体と組み合わせてサンプリングされる環境からの空気を含む。いくつかの態様では、サンプル流はキャリア流体を含まず、そのようなサンプル流は、サンプリングされる環境内に存在する空気(および任意の同伴粒子)からなる。
【0065】
[0076]いくつかの態様では、飽和器領域は作動液蒸気を含む。態様では、飽和器領域は、作動液蒸気で飽和または実質的に飽和している。いくつかの態様では、飽和器領域は、作動液蒸気で過飽和である。
【0066】
[0077]いくつかの態様では、飽和器表面は飽和器領域に配置される。いくつかの態様では、飽和器表面は飽和器領域に配置されない。いくつかの態様では、飽和器表面は飽和器領域内に配置されず、(飽和器表面上に配置された)作動液から蒸発した作動液蒸気は飽和器領域と流体連通する。
【0067】
[0078]いくつかの態様では、作動液は飽和器表面に配置される。いくつかの態様では、飽和器表面は、作動液を支持または収容するように構成された形状を含む。いくつかの態様では、形状は、例えば、ボウル、カップ、またはプレートなどの凹形状である。いくつかの態様では、形状は、「V」、「U」、「W」または他のトレンチ状の形状である。いくつかの態様では、形状は、特に作動液のストリームを使用する態様では、平坦、凹状、凸状、または円錐状である。
【0068】
[0079]いくつかの態様では、方法は、作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成することを含む。いくつかの態様では、作動液の蒸発を促進して作動液蒸気を形成するために、方法は、例えば1つまたは複数の加熱要素によって作動液の温度を上昇させることを含む。いくつかの態様では、作動液の温度は、作動液の沸点に対して、例えば、作動液の沸点の100℃以内、90℃以内、80℃以内、70℃以内、60℃以内、50℃以内、40℃以内、30℃以内、20℃以内、または10℃以内の温度まで上昇する。いくつかの態様では、作動液の温度は、作動液の沸点まで上昇する。いくつかの態様では、本方法は、温度を上昇させることを含まない。いくつかの態様では、作動液蒸気は、(1)飽和器領域に曝される作動液の表面積、(2)装置を流れるサンプル流の流量、(3)サンプル流が作動液表面に向けられているか、作動液表面に向けられているか、作動液表面に向けられているか、作動液表面に対向しているか、(4)作動液の温度、または(5)これらの任意の組み合わせの結果として蒸発する。いくつかの態様では、飽和器表面上に配置された作動液は(本明細書に記載の温度のうちの1つまたは複数まで)加熱されるが、飽和器表面と流体連通するリザーバ内に保持された作動液は(本明細書に記載の温度のうちの1つまたは複数まで)加熱されない。いくつかの態様では、飽和器表面上に配置され、飽和器表面と流体連通するリザーバ内に保持された作動液の両方が加熱される。
【0069】
[0080]いくつかの態様では、作動液は、作動液のプールまたは作動液のストリームを含む。いくつかの態様では、作動液は、例えば、作動液のストリームが飽和器表面または他の表面を横切って作動液のプールに流入する場合、または作動液のストリームがプールから飽和器表面または他の表面を横切って流入する場合に、作動液のプールおよび作動液のストリームを含む。いくつかの態様では、表面の一端に作動液源を有し、作動液が流れる飽和器表面は、飽和器表面の傾斜による重力または加えられた力のいずれかによって、飽和器表面を横切って作動液出口、作動液プールに流れるか、またはいずれも流れない(例えば、作動液のストリームは、流れるにつれて蒸発し、したがって出口またはプールに堆積されない)。
【0070】
[0081]いくつかの態様では、本方法は、サンプル流(任意選択的に粒子を含む)を飽和器領域に配置された作動液蒸気に向けて、それに対して、および/またはそれに流入させて、サンプル流と作動液蒸気とを含む混合物をもたらすステップを含む。いくつかの態様では、得られた混合物は乱流にある。いくつかの態様では、この方法は、サンプル流(任意選択的に粒子を含む)を作動液蒸気内にかつ作動液表面に向けて導くことを含み、サンプル流と作動液蒸気との混合物をもたらす。いくつかの態様では、得られた混合物は乱流にある。いくつかの態様では、導くステップは、サンプル流を作動液蒸気内に、および/または作動液表面に対して移動させる。いくつかの態様では、導くステップは、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させることなく、サンプル流を作動液蒸気中におよび/または作動液表面に対して移動させる。いくつかの態様では、サンプル流は作動液に衝突しない。いくつかの態様では、導くステップは、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させながら、サンプル流を作動液蒸気中におよび/または作動液表面に対して移動させる。いくつかの態様では、サンプル流は作動液に衝突する。
【0071】
[0082]いくつかの態様では、作動液表面は、重力方向に対して垂直または非垂直の向きに構成された連続平面を含む。いくつかの態様では、作動液表面の連続平面は、飽和器表面によって境界付けられる。いくつかの態様では、作動液表面は、作動液が1つまたは複数の多孔質構造(「ウィック」)上に存在する結果として形成されない。
【0072】
[0083]いくつかの態様では、混合物は、サンプル流(任意選択で粒子を含有する)および作動液蒸気を含むか、これらから成るか、または本質的にこれらから成る。いくつかの態様では、混合物は、サンプル流(任意選択で粒子を含有する)および作動液蒸気からなる。本明細書の他の箇所で述べられているように、サンプル流は、いくつかの態様では、(キャリア流体の有無および同伴粒子の有無にかかわらず)サンプリングされる環境の空気から構成される。
【0073】
[0084]いくつかの態様では、作動液蒸気は作動液表面と接触している。いくつかの態様では、作動液蒸気は作動液表面と接触しており、作動液は飽和器領域内の飽和器表面上に配置される。いくつかの態様では、作動液蒸気は作動液表面と接触していない。いくつかの態様では、作動液蒸気は作動液表面と接触せず、作動液蒸気は飽和器領域内に配置され、作動液は飽和器領域ではない装置の領域内の飽和器表面上に配置され、飽和器領域内の作動液蒸気は作動液表面と流体連通する。
【0074】
[0085]いくつかの態様では、蒸発ステップは、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または使用しない。いくつかの態様では、蒸発ステップは、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を使用しない。いくつかの態様では、蒸発ステップは、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まない。いくつかの態様では、装置またはシステムの流路は、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または含まない。いくつかの態様では、装置またはシステムは、作動液と接触する1つまたは複数の多孔質構造を含まない。従来のCPCは、典型的には、作動液蒸気の生成を促進するために1つまたは複数の多孔質構造を使用し、典型的には、そのような1つまたは複数の多孔質構造がなければ、凝縮器内で粒子を確実に成長させるためにサンプル流を十分に飽和させるのに不十分な量の作動液蒸気が生成される。しかしながら、いくつかの態様では、本明細書に開示する方法および装置は、1つまたは複数の多孔質構造を使用せずに、または実質的に使用せずに、信頼性の高い検出のために粒子を凝縮および成長させるのに十分な作動液蒸気を生成することができる。いくつかの態様では、以下の少なくとも1つを含む1つまたは複数の理由でウィック構造を使用しないことが好適である。(1)誤カウントを生じるであろう開口を防止すること、(2)多孔質媒体との相互作用がないため粒子損失が少ないこと、(3)多孔質媒体を通る流れが制限されないため流量が多いこと、(4)ウィックを加熱することによりウィックが分解し、続いて作動液を汚染する可能性があること、およびこれらの任意の組み合わせ。いずれにせよ、いくつかの態様では、1つまたは複数の多孔質構造は、作動液蒸気の生成を促進するために、本明細書に開示した方法または装置では使用されない。
【0075】
[0086]いくつかの態様では、作動液蒸気は、作動液蒸気を含むキャリアガスによって飽和器領域に送達されない。いくつかの態様では、作動液蒸気は、作動液蒸気を含むキャリアガスによって飽和器領域に送達される。従来のCPCは、典型的には、サンプル流と接触する作動液蒸気を含むキャリアガスを使用する。しかしながら、いくつかの態様では、本明細書に開示する方法、装置、およびシステムは、作動液蒸気を生成するために飽和器表面上の作動液を使用し、したがって、いくつかの態様では、作動液蒸気をサンプル流と混合するために飽和器領域に送達するためにキャリア流体を必要としない。しかしながら、いくつかの態様では、作動液蒸気を飽和器領域に送達するために、本明細書に開示した方法、装置、またはシステムでキャリア流体を使用することができる。
【0076】
[0087]いくつかの態様では、サンプル流は、任意の適切な流量で装置を通って伝播する。いくつかの態様では、サンプル流は、少なくとも0.1L/分の流量で装置を通って伝播する。いくつかの態様では、サンプル流は、100L/分以下の流量で装置を通って伝播する。いくつかの態様では、サンプル流は、0.1L/分~100L/分の範囲にわたって選択された流量で装置を通って伝播する。いくつかの態様では、サンプル流は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、17、18、19、または20の流量(L/分)で装置を通って伝播する。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、流量(L/分)は、0.1~15、少なくとも10、8~16、または少なくとも5である。
【0077】
[0088]いくつかの態様では、作動液は、プロピレングリコール、水、イソブタノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、作動液は、プロピレングリコールを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの態様では、作動液は、プロピレングリコールおよび少なくとも1つの他の作動液、例えば水またはイソプロパノールを含む。
【0078】
[0089]いくつかの態様では、作動液は任意の適切な粘度を有する。いくつかの実施形態では、例えば、27℃での動粘度(N・s/m2)は、0.0001~1.0Ns/m2であり、任意選択的に0.0005~0.001Ns/m2である。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、27℃での動粘度(N・s/m2)は、0.001Ns/m2±20%である。
【0079】
[0090]いくつかの態様では、作動液は任意の適切な沸点を有する。いくつかの態様では、沸点(℃)は100,110,120,130,140,150,160,170,175,180,185,190,195,200,205,210,220または230である。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、沸点(℃)は、180~190,185,140~200、または少なくとも175である。
【0080】
[0091]いくつかの態様では、作動液は、(4℃の水に対して計算された)任意の適切な比重を有する。いくつかの態様では、比重は0.8~2.0g/mLである。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、比重は1.035~1.04、1.037、1.02~1.05、または1.09~1.2である。
【0081】
[0092]いくつかの態様では、作動液は、動粘度、沸点、および比重の任意の組み合わせを有する。例えば、いくつかの態様では、作動液は、0.0001~1.0Ns/m2の動粘度、80℃~230℃の沸点、0.8~2.0g/mLの比重、またはこれらの任意の組み合わせを有する。いくつかの態様では、作動液は、0.0001~1.0Ns/m2の動粘度および80℃~230℃の沸点を有する。動粘度、沸点、および比重の2つ以上の任意の組み合わせは、本明細書に開示する値のいずれかから行うことができる。
【0082】
[0093]いくつかの態様では、サンプル流は、導くステップの前および搬送ステップ中に実質的に層流を有する。いくつかの態様では、サンプル流は、導くステップの前および搬送ステップ中に層流を有する。いくつかの態様では、サンプル流は、飽和器領域に入る前に層流または実質的に層流を有する。いくつかの態様では、飽和器領域に入ると、サンプル流は層流から乱流に遷移し、作動液蒸気と混合する。いくつかの態様では、乱流中のサンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器に入ると層流に移行する。いくつかの態様では、サンプル流は、飽和器領域に入る前に乱流または実質的に乱流を有し、作動液蒸気と混合するために飽和器領域内に乱流を有し続ける。いくつかの態様では、乱流中のサンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器に入ると層流に移行する。
【0083】
[0094]いくつかの態様では、凝縮器は、任意の適切な幾何学的形状を含む。いくつかの態様では、凝縮器はチューブインチューブ構成を含む。いくつかの態様では、凝縮器は、装置の垂直軸線に沿って配置され、中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置され、内壁を取り囲む外壁と、を備え、内壁と外壁との間に周方向通路が形成される。いくつかの態様では、内壁および外壁は、装置またはシステムの垂直軸線の周りに、円形、三角形、正方形、五角形、六角形、多角形、またはこれらの任意の組み合わせの形状を有する。いくつかの態様では、サンプル流は、中央通路を通って飽和器領域に流れ、サンプル流と作動液蒸気との混合物は、冷却および粒子成長と共に周方向通路を通って流れる。いくつかの態様では、周方向通路に曝される外側水の少なくとも一部が能動的に冷却されるか、または周方向通路に曝される内側水の少なくとも一部が能動的に冷却されるか、またはその両方である。いくつかの態様では、周方向通路に露出した内壁または外壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、断熱材(例えば、非熱伝導性)である材料で構成される。
【0084】
[0095]いくつかの態様では、凝縮器は、装置の垂直軸線に沿って配置され、中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置され、内壁を取り囲む外壁と、を備え、周方向通路が内壁と外壁との間に形成され、
周方向通路に露出している内壁の少なくとも一部は、第1の材料を含み、
周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、
第1の材料が、第2の材料よりも低い熱伝導率を有し、
本方法は、周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部を冷却し、サンプル流を中央通路を通って導くステップに流すステップをさらに含み、
搬送するステップが周方向通路内で行われ、流すステップが搬送するステップに平行であるが反対方向である。
【0085】
[0096]いくつかの態様では、周方向通路に露出した内壁または外壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、断熱材(例えば、非熱伝導性)である材料で構成される。
【0086】
[0097]適切な第1の材料は、ポリカーボネートまたは他の断熱ポリマーなどの断熱材料を含む。適切な第2の材料は、アルミニウムまたは他の熱伝導性金属などの熱伝導性材料を含む。
【0087】
[0098]いくつかの態様では、能動的に制御される第1および第2の材料の使用、ならびに流路および凝縮器の幾何学的形状は、流れ勾配、したがって凝縮器の断面にわたる粒子勾配と一致する温度勾配を生成する。いくつかの態様では、これにより、凝縮器をより小さい物理的サイズでより効率的にすることができる。
【0088】
[0099]いくつかの態様では、作動液は飽和器表面上に薄膜として存在する。いくつかの態様では、作動液は作動液のストリームである。いくつかの態様では、作動液は静的薄膜(例えば、リザーバから蒸発および/または補充される作動液以外の静的)である。
【0089】
[0100]いくつかの態様では、本方法は、粒子計数器または光学粒子計数器を使用して拡大された粒子を検出することをさらに含む。本明細書の他の箇所に記載されているように、いくつかの態様では、作動液蒸気をサンプル流中の粒子に凝縮することによって、凝縮器内で拡大された粒子が形成される。いくつかの態様では、粒子計数器は光学粒子計数器である。いくつかの態様では、光学粒子計数器は、任意の既知の光学粒子計数器であり得る。いくつかの態様では、検出するステップは、散乱、吸光、干渉、発光、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して実行される。いくつかの態様では、発光は蛍光である。いくつかの態様では、検出するステップは、散乱と発光の組み合わせを使用して実行される。いくつかの態様では、検出するステップは、散乱および干渉を使用して実行される。いくつかの態様では、検出するステップはガウスビームを使用する。いくつかの態様では、検出するステップは、構造化ビームを使用する。いくつかの態様では、検出するステップは、ガウスビームと構造ビームとの組み合わせを使用する。いくつかの態様では、構造化ビームはダークビーム(例えば、ビームプロファイルの中心にスポットまたは暗線特異点を含み、それ以外は通常ガウス包絡線を有するビーム)である。
【0090】
[0101]いくつかの態様では、本方法は、凝縮核粒子計数器で検出するための粒子のサイズを増加させる。例えば、いくつかの態様では、作動液蒸気とサンプル流との混合物が凝縮器(例えば、飽和器領域よりも低温で動作する)を通過するとき、作動液蒸気はサンプル流中の粒子上に凝縮する。
【0091】
[0102]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、
飽和器表面を含む飽和器領域であって、飽和器表面が、作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成され、作動液が、存在する場合に、飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられる、飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて任意選択的に乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、
拡大された粒子を受け入れるように構成された凝縮器と流体連通する流体出口と、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を制御するように構成された流体システムと、を備える。
【0092】
[0103]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、
垂直軸線と、
作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面を含む飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通し、ノズルで終端する流体入口であって、ノズルは、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて任意選択的に乱流状態の混合物を生成するように構成され、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成され、垂直軸線に沿って配置されて中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置されて内壁を取り囲む外壁と、を含み、内壁と外壁との間に周方向通路が形成される、凝縮器と、
凝縮器と流体連通し、拡大された粒子を受け入れるように構成された流体出口と、
任意選択で、流体システムと、を備え、
中央通路が、流体入口とノズルとの間に流体連通して配置され、周方向通路が、飽和器領域と流体出口との間に流体連通して配置され、流体流路が、流体入口、中央通路、ノズル、飽和器領域、周方向通路、および流体出口によって順次画定され、
周方向通路に露出する内壁の少なくとも一部が第1の材料を含み、
周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、第1の材料が第2の材料よりも低い熱伝導率を有する。
【0093】
[0104]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、
飽和器表面を含む飽和器領域であって、飽和器表面が、作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成され、作動液が、表面積によって特徴付けられる前記飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、飽和器領域が、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を含まないか、または実質的に含まない、飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて任意選択的に乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、
拡大された粒子を受け入れるように構成された凝縮器と流体連通する流体出口と、を備える。
【0094】
[0105]いくつかの態様では、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステムが本明細書に開示され、装置またはシステムは、
作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面を含む飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて任意選択的に乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、
拡大された粒子を受け入れるように構成された凝縮器と流体連通する流体出口と、を備え、
装置が、飽和器領域内のサンプル流と組み合わせるためのキャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流を提供しないように構成され、または、装置が、キャリアガスおよび気化した作動液を含む追加の流体流を導入するように構成された追加の流体入口を備えない。
【0095】
[0106]装置またはシステムの態様は、本明細書の他の箇所に開示した方法の態様に関連し、様々な特徴を共有する。結果として、方法態様に関連する本明細書の開示は、装置またはシステム態様に等しく適用可能であり、装置またはシステム態様に関連する開示は、方法態様に等しく適用可能である。
【0096】
[0107]いくつかの態様では、飽和器領域に曝される作動液表面の表面積を制御するように構成された流体システムが使用され、表面積の制御はCPC装置に様々な利点を提供する。例えば、表面積を制御することにより、作動液の蒸発速度、飽和器領域における作動液蒸気の飽和レベル、またはその両方を制御する能力が可能になる。そのような特徴は、次に、作動液蒸気によるサンプル流の最適化された飽和のために制御された飽和器領域内の条件を維持する能力を可能にし、凝縮器内の粒子上への作動液蒸気の確実な凝縮(すなわち、粒子成長)をもたらす。
【0097】
[0108]いくつかの態様では、飽和器表面上の作動液の深さを監視することによって飽和器領域に曝される(作動液の)表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を監視することによって飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。いくつかの態様では、飽和器表面上の作動液の体積を監視することによって飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。いくつかの態様では、深さと表面積の両方を監視することによって飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。いくつかの態様では、飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用され、表面積と体積の両方を監視することによって達成される。いくつかの態様では、深さと体積の両方を監視することによって飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。いくつかの態様では、深さ、表面積、および体積のそれぞれを監視することによって飽和器領域に曝される表面積を制御するように構成された流体システムが使用される。
【0098】
[0109]いくつかの態様では、流体システムは、飽和器表面上の作動液の深さを監視して作動液の表面積を制御し、表面積の目標範囲を維持するために追加の作動液を供給し、作動液の汚染または劣化を検出し、作動液を飽和器表面とリザーバとの間で移送し、作動液を加熱し、またはこれらの任意の組み合わせを行うように構成される。
【0099】
[0110]いくつかの態様では、流体システムは、飽和器表面と流体連通するリザーバを備え、リザーバは、作動液を飽和器表面に供給するように構成される。いくつかの態様では、リザーバが使用され、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数の特徴を有することができる。いくつかの態様では、リザーバは、固体本体または可撓性壁設計である。いくつかの態様では、リザーバは、流体レベル(例えば、作動液レベル)を3次元で監視するための流体レベルセンサアレイを備える。いくつかの態様では、流体レベルセンサは、システムの向きおよび流体使用率ならびに残りの流体レベルの診断能力を提供する。いくつかの態様では、リザーバが剛体設計である場合、リザーバは受動複合バルブを備え、圧力上昇なしに流体搬送システムの動作を可能にする。いくつかの態様では、可撓性壁リザーバは、任意選択的に受動複合バルブを使用する。いくつかの態様では、複合バルブは、流体がリザーバに出入りすることを可能にし、搬送中の漏れを防止する。いくつかの態様では、リザーバは、流体を純粋な状態に保つためにサービス中にシステムが流体を流すことを可能にするサービスポートを含む。いくつかの態様では、サービスバルブは通常、搬送中および動作中に収容された流体を保持するためにシールされて閉じられているが、シリンジの作動によって開かれる。いくつかの態様では、リザーバは、流体搬送システムへの適切な接続部を含む。いくつかの態様では、流体ゲージは、流体レベルセンサアレイに対応する流体レベルの連続的な視覚的表示を提供する。いくつかの態様では、作動流体液体は、使用中および/または動作中に作動液リザーバを密封するためのロック用ルアー継手を備えたリザーバ内にある。
【0100】
[0111]いくつかの態様では、流体搬送システムが使用され、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数の特徴を有することができる。いくつかの態様では、流体搬送システムは微小蠕動ポンプによって作動される。いくつかの態様では、このポンプは、シリンジポンプ、ピエゾポンプ、計量ポンプ、またはこれらの任意の組み合わせである。いくつかの態様では、流体搬送システムは、リザーバと飽和器(例えば、飽和プレートまたは飽和器表面)との間で流体を移動させるための1つまたは一連のポンプである。いくつかの態様では、ポンプは、既知の制御された速度でリザーバと飽和器との間で流体を移動させるために使用される。いくつかの態様では、制御システムは、流体レベルセンサ、時間ベース、ポンプ速度ベース、またはこれらの任意の組み合わせによって能動的に制御される。いくつかの態様では、ポンプは、器具性能の一貫性を維持するために作動液表面積(例えば、作動液表面の表面積)を維持するために使用される。いくつかの態様では、ポンプは、搬送中の望ましくない流体移動を防止するために、システムの停止時にすべての流体をリザーバに移動させ、電力損失を防ぐために使用される。いくつかの態様では、システムの電源がオフの状態では、ポンプは、リザーバ内の作動液を密封し、望ましくない流体の移動をさらに防止するためのバルブとして機能する。いくつかの態様では、流体システムは、センサおよび/またはプロセッサと連携して、深さ、体積、表面積、またはこれらの任意の組み合わせを、深さ、体積、および/または表面積の1つまたは複数の目標範囲と比較し、深さ、体積、および/または表面積がそれぞれの目標範囲外である場合、リザーバから(例えば、1つまたは複数のポンプ、毛細管作用、または重力によって)追加の作動液を供給することによって深さ、体積、および/または表面積を調整する。
【0101】
[0112]いくつかの態様では、流体システムは、少なくとも1つのセンサと、それに動作可能に接続された少なくとも1つのポンプとを備え、少なくとも1つのセンサは、飽和器表面上の作動液の深さを監視するように構成され、少なくとも1つのポンプは、作動液をリザーバから移送することによって作動液の表面積を制御するために、飽和器表面上の作動液の目標深さ(または体積、または表面、面積、またはこれらの任意の組み合わせ)を維持するように構成される。少なくとも1つのポンプおよび少なくとも1つのセンサは、本明細書の他の箇所に記載されている。いくつかの態様では、少なくとも1つのポンプは、システム停止時または電力喪失後の復電時に、作動液の少なくとも一部を飽和器表面からリザーバに移送するように構成される。いくつかの態様では、停止時または電力の復旧後にそのような移送を行うように構成されたポンプは、作動液の望ましくない移動を防止する。
【0102】
[0113]いくつかの態様では、流体システムは、飽和器表面、存在する場合にはリザーバ、または飽和器表面と存在する場合にはリザーバとを接続するチャネルに一体化されたまたは取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を備え、少なくとも1つの加熱要素は、作動液を加熱し、作動液蒸気を生成するか、またはその生成を促進するように構成される。
【0103】
[0114]いくつかの態様では、作動液の蒸発を促進して作動液蒸気を形成するために、少なくとも1つの加熱要素は、作動液の温度を上昇させる。いくつかの態様では、加熱要素は、装置またはシステムに使用されない。
【0104】
[0115]いくつかの態様では、流体システムは、静止プール、流動プール、静止薄膜、または流動薄膜として飽和器表面に作動液を提供するように構成される。作動液が静止しているか流動しているかは、飽和器表面上の作動液の状態(静止/静止または移動)を指し、流体システムがリザーバ(存在する場合)と飽和器表面との間で作動液を移動させているかどうかを指すものではない。流動プールとは、薄膜に必要な量よりも多い量の作動液(バルク作動液を含む)が存在し、そのような量が撹拌または加えられた力によって飽和器表面上を移動している状況を指す。静的プールは、静的プールが飽和器表面上で静止していることを除いて、流動プールと同様である。流動薄膜は、重力または加えられた力によって飽和器表面を横切って移動している作動液の薄膜である。作動液の静的薄膜は、薄膜が飽和器表面に静止していることを除いて、流動する薄膜と同様である。いくつかの態様では、作動液は、例えば、作動液のストリームが飽和器表面または他の表面を横切って作動液のプール内に流れるとき、または作動液のストリームがプールから飽和器表面または他の表面を横切って流れるときに、作動液の静的プールおよび作動液の流れる薄膜を含む。いくつかの態様では、表面の一端に作動液源を有し、作動液が流れる飽和器表面は、飽和器表面の傾斜による重力または加えられた力のいずれかによって、飽和器表面を横切って作動液出口、作動液プールに流れるか、またはいずれも流れない(例えば、作動液のストリームは、流れるにつれて蒸発し、したがって出口またはプールに堆積されない)。
【0105】
[0116]いくつかの態様では、作動液は装置またはシステム内に存在しない。いくつかの態様では、作動液は飽和器表面上に存在しない。いくつかの態様では、作動液は装置またはシステム内に存在する。いくつかの態様では、作動液は飽和器表面上に存在する。
【0106】
[0117]いくつかの態様では、飽和器表面は、従来のCPCの飽和器領域の作動液の体積と比較して、少量の作動液を支持するように構成される。例えば、いくつかの態様では、飽和器表面は、(mL)1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、または50を支持するように構成される。前述の数字の各々の前に、「約」、「少なくとも」、「少なくとも約」、「未満」、または「約~未満」という単語を置くことができ、前述の数字のいずれかは、単一の点またはオープンエンド範囲を記述するために単独で使用することができ、または複数の単一の点またはクローズエンド範囲を記述するために組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの態様では、飽和器表面は、(mL)2~35、8~26、50未満、または30未満を支持するように構成される。いくつかの態様では、飽和器表面は、5000mL未満の作動液を支持するように構成される。
【0107】
[0118]いくつかの態様では、装置またはシステムは、凝縮器と流体出口との間に配置されたプレナムをさらに備え、プレナムは、周方向通路からの流体の流れを収束させるように構成される。いくつかの態様では、プレナムは凝縮器と粒子計数器との間に位置し、プレナムは凝縮器からの流れを組み合わせる。いくつかの態様では、例えば円錐のような形状を有するプレナム形状は、拡大された粒子の壁への衝突を最小限に抑える。
【0108】
[0119]いくつかの態様では、装置またはシステムは、流体出口と流体連通する粒子計数器をさらに備え、粒子計数器は、拡大された粒子を検出するためのものである。いくつかの態様では、装置またはシステムは、流体出口と流体連通する光学粒子計数器をさらに備え、光学粒子計数器は、拡大された粒子を検出するためのものである。本明細書の他の箇所に記載されているように、いくつかの態様では、作動液蒸気をサンプル流中の粒子に凝縮することによって、凝縮器内で拡大された粒子が形成される。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、任意の既知の粒子計数器または光学粒子計数器であり得る。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、散乱、消光、干渉、発光、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して拡大された粒子を検出する。いくつかの態様では、発光は蛍光である。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、散乱と発光の組み合わせを使用して拡大された粒子を検出する。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、散乱および干渉を使用して拡大された粒子を検出する。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器はガウスビームを使用する。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、構造化ビームを使用する。いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、ガウスビームと構造ビームとの組み合わせを使用する。いくつかの態様では、構造化ビームはダークビーム(例えば、通常はガウス包絡線を有するビームプロファイルの中心にスポットまたは暗線特異点を含む)である。
【0109】
[0120]いくつかの態様では、粒子計数器または光学粒子計数器は、凝縮核粒子計数器(CNC)を含む。いくつかの態様では、任意の公知のCNCを使用することができる。
【0110】
[0121]いくつかの態様では、装置またはシステムは、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続部を備えるドッキングステーションをさらに備える。いくつかの態様では、装置またはシステムは、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、およびイーサネットスイッチのための接続を備えるドッキングステーションをさらに備える。いくつかの態様では、ドッキングステーションは、前述の接続のいずれかの有無にかかわらず、インターネットプロトコルアドレスをさらに備える。いくつかの態様では、装置またはシステムは、流体出口を真空システムに直接または間接的に取り付けるための接続部と、真空システムからの流れをサンプル流の第1のストリームと装置の構成要素を冷却するための第2のストリームとに分割するための流れ分配システムとをさらに備える。いくつかの態様では、冷却される構成要素は、例えば、システム電子機器、レーザドライバ、および凝縮器ヒートシンクを含む。いくつかの態様では、装置の構成要素は、換気エンクロージャ内に収容される。いくつかの態様では、一体化された流れ分配器を有するシュラウドがヒートシンクを覆い、ヒートシンクフィンの使用およびヒートシンクにわたる空気速度の増加を最適化することによってより高いレベルの冷却を提供する。
【0111】
[0122]いくつかの態様では、装置またはシステムはマニホールドに取り付けるように構成され、マニホールドはサンプル流を装置に供給するように構成される。いくつかの態様では、装置は、マニホールドと粒子計数器または光学粒子計数器との間の流路に配置される。
【0112】
[0123]いくつかの態様では、作動液は作動液表面を含み、ノズルは、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させることなく、サンプル流を作動液表面に向けて導くように構成される。いくつかの態様では、ノズルは、サンプル流を飽和器領域に配置された作動液蒸気に導くように構成され、サンプル流と作動液蒸気とを含む混合物をもたらす。いくつかの態様では、得られた混合物は乱流にある。いくつかの態様では、ノズルは、サンプル流(任意選択的に粒子を含む)を作動液蒸気内に、作動液表面に向けて導き、サンプル流と作動液蒸気との混合物をもたらすように構成される。いくつかの態様では、得られた混合物は乱流にある。いくつかの態様では、ノズルは、作動液蒸気内におよび/または作動液表面に対してサンプル流を導くように構成される。いくつかの態様では、ノズルは、サンプル流が作動液に衝突しないように構成される。いくつかの態様では、ノズルは、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させながら、作動液蒸気内におよび/または作動液表面に対してサンプル流を導くように構成される。いくつかの態様では、ノズルは、サンプル流を作動液に衝突させるように構成される。
【0113】
[0124]いくつかの態様では、装置は、周方向通路内の混合物の流体流に平行であるが反対方向にある方法で、中央通路に沿ってサンプル流を搬送するように構成される。
【0114】
[0125]いくつかの態様では、凝縮器は、任意の適切な幾何学的形状を含む。いくつかの態様では、凝縮器は、本明細書の他の箇所に記載されているように、外壁、内壁、および内壁と外壁との間に形成された周方向通路を含むチューブインチューブ構成を含む。いくつかの態様では、周方向通路に曝される外壁の少なくとも一部の温度は、能動的冷却などの能動的に制御されるように構成される。いくつかの態様では、周方向通路に曝される外壁および内壁の部分の温度は、サンプル流と作動液蒸気との混合物の温度よりも低い。いくつかの態様では、周方向通路に露出している内壁の少なくとも一部は第1の材料を含み、周方向通路に露出している外壁の少なくとも一部は第2の材料を含み、第1の材料は第2の材料よりも低い熱伝導率を有する。いくつかの態様では、周方向通路に露出した内壁または外壁の少なくとも一方の少なくとも一部は、断熱材(例えば、非熱伝導性)である材料で構成される。適切な第1の材料は、ポリカーボネートまたは他の適切なポリマーなどの断熱材料を含む。適切な第2の材料は、アルミニウムまたは他の適切な金属などの熱伝導性材料を含む。
【0115】
[0126]いくつかの態様では、凝縮器はヒートシンクを備える。いくつかの態様では、一体化された流れ分配器を有するシュラウドがヒートシンクを覆う。いくつかの態様では、ヒートシンクはフィンを備える。
【0116】
[0127]いくつかの態様では、装置またはシステムは、飽和器領域内のサンプル流と組み合わせるためのキャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流を提供しないように構成される。いくつかの態様では、装置は、キャリアガスおよび気化した作動液を含む追加の流体流を導入するように構成された追加の流体入口を含まない。従来のCPCは、典型的には、サンプル流と接触する作動液蒸気を含むキャリアガスを使用する。しかしながら、いくつかの態様では、本明細書に開示する方法、装置、またはシステムは、作動液蒸気を生成するために飽和器表面上の作動液を使用し、したがって、いくつかの態様では、作動液蒸気をサンプル流と混合するために飽和器領域に送達するためにキャリア流体を必要としない。しかしながら、いくつかの態様では、作動液蒸気を飽和器領域に送達するために、本明細書に開示した方法、装置、またはシステムでキャリア流体を使用することができる。
【0117】
[0128]いくつかの態様では、装置またはシステムは、方法に関して本明細書の他の箇所に開示されているように、凝縮前に任意の適切な粒径を有する粒子を成長させ、凝縮器内でサイズを増加させるために使用される。
【0118】
[0129]いくつかの態様では、飽和器領域内の混合物は、サンプル流(任意選択で粒子を含む)および作動液蒸気を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの態様では、混合物は、サンプル流(任意選択で粒子を含有する)および作動液蒸気からなる。本明細書の他の箇所で述べられているように、サンプル流は、いくつかの態様では、(キャリア流体の有無および同伴粒子の有無にかかわらず)サンプリングされる環境の空気から構成される。
【0119】
[0130]いくつかの態様では、装置またはシステムは、飽和器領域に入る前に層流または実質的に層流でサンプル流を流すように構成される。いくつかの態様では、ノズルを通って飽和器領域に入る前に、サンプル流は層流または実質的に層流を有する。いくつかの態様では、ノズルを通って飽和器領域に入ると、サンプル流は乱流を有する。いくつかの態様では、サンプル流は飽和器領域に乱流を有する。いくつかの態様では、サンプル流は、凝縮器に入るか、または凝縮器内に入ると、層流または実質的に層流を有する。いくつかの態様では、飽和器領域に入ると、サンプル流は層流から乱流に遷移し、作動液蒸気と混合する。いくつかの態様では、乱流中のサンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器に入ると層流に移行する。いくつかの態様では、サンプル流は、飽和器領域に入る前に乱流または実質的に乱流を有し、作動液蒸気と混合するために飽和器領域内に乱流を有し続ける。いくつかの態様では、乱流中のサンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器に入ると層流に移行する。
【0120】
[0131]いくつかの態様では、ノズルは任意の適切なノズルとすることができる。いくつかの態様では、ノズルは2つ以上のノズルを含む。いくつかの態様では、ノズルは、ノズルを通過する前の層流からノズルを通過した後の乱流にサンプル流を移行させるように構成される。いくつかの態様では、ノズルはジェットとして作用する。
【0121】
[0132]いくつかの態様では、装置またはシステムは、等速サンプリングプローブをさらに含む。いくつかの態様では、装置またはシステムはペルチェを備える。いくつかの態様では、装置またはシステムはヒートシンクを備える。いくつかの態様では、装置またはシステムは、等速サンプリングプローブ、ペルチェ、ヒートシンク、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、ペルチェは、熱電冷却器、ヒータ、またはヒートポンプである。いくつかの実施形態では、周囲空気またはガスを使用して熱管理を支援する。一実施形態では、周囲空気またはガスの流れは、例えば真空ライン、ポンプ、ブロワおよび/またはファンを使用して確立され、周囲空気またはガスの流れは、熱放散および/または熱管理、例えば凝縮器および/または飽和器領域を提供するためにCPCの構成要素と熱接触するように搬送される。いくつかの態様では、装置またはシステムは環境モニタを備える。
【0122】
[0133]いくつかの態様では、装置またはシステムは、飽和器表面を覆うためのカバーをさらに備え、カバーは穿孔されていても穿孔されていなくてもよい。いくつかの態様では、カバーは、1つまたは複数のギャップが、存在する場合には穿孔と共に、作動液蒸気が飽和器領域と流体連通することを可能にするように配置される。
【0123】
[0134]いくつかの態様では、本明細書に開示する方法、装置、およびシステムは、サンプル流量の少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%が作動液蒸気で飽和することをもたらす。
【0124】
[0135]本発明の態様は、以下の非限定的な図によってさらに理解することができる。
【0125】
[0136]
図1は、凝縮粒子計数器の一態様を示しており、作動中、サンプル流は、存在する場合、作動液の作動液表面に対して垂直に向けられる。装置またはシステム100は、飽和器領域101と、飽和器表面102と、流体入口103と、流体出口104と、ノズル105と、凝縮器106と、を備える。装置100は作動液なしで示されているが、いくつかの態様では、そのような作動液は、飽和器表面102などに存在してもよい。粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステム100の動作中、作動液は飽和器表面102上に存在し、サンプル流は、典型的には層流で流体入口103を通って流れ、ノズル105を出ると乱流に移行する(例えば、ノズル105は、ジェットを備える)。この態様では、ノズル105は、サンプル流を作動液表面に対して垂直に方向付けるように構成され、ノズル105の方向と作動液表面との間の経路に障害物がないため、存在する場合、サンプル流は作動液表面に直接接触する。飽和器表面102上に存在する作動液は蒸発して飽和器領域101内に作動液蒸気を形成し、作動液蒸気は(例えば、ジェットとして)ノズル105を出るサンプル流の乱流と混合する。サンプル流と作動液蒸気との混合物は凝縮器106に流入し、混合物は通常凝縮器106内で層流に移行し、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。拡大された粒子を含む流れは、次いで流体出口104から流出し、いくつかの態様では光学粒子計数器に供給される。この態様では、多孔質構造は蒸気生成に使用されず、キャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流は、飽和器領域101内のサンプル流と組み合わせるために(例えば、別個の入口またはノズルを介して)使用されない。
【0126】
[0137]
図2は、動作中に、存在する場合にはサンプル流が作動液の作動液表面に向かって傾斜して(すなわち、垂直ではなく)導かれる凝縮粒子計数器の態様を示す。存在する場合、作動液を覆う任意選択のカバー207が示されており、このカバー207は穿孔されていても穿孔されていなくてもよい。穿孔されていない場合(または穿孔されているいくつかの態様では)、作動液蒸気は、例えばカバー207と飽和器表面202との間の1つまたは複数のギャップによって飽和器領域201と流体連通する。カバー207が穿孔されている場合、穿孔は、作動液蒸気が飽和器領域201に入ることを可能にする。装置またはシステム200は、飽和器領域201、飽和器表面202、流体入口203、流体出口204、ノズル205、凝縮器206、およびカバー207を備え、これらは穿孔されていても穿孔されていなくてもよい。装置200は作動液なしで示されているが、いくつかの態様では、そのような作動液は飽和器表面202などに存在してもよい。粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステム200の動作中、作動液は飽和器表面202上に存在し、サンプル流は、典型的には層流で流体入口203を通って流れ、ノズル205を出ると乱流に移行する(例えば、ノズル205は、ジェットを備える)。この態様では、ノズル205は、サンプル流を作動液表面に向かって斜めに導くように構成されるが、サンプル流の流れの少なくとも一部は作動液表面に直接接触しない(いかなる接触も、カバー207および/または装置もしくはシステム200の壁から跳ね返った後であるため)。飽和器表面202上に存在する作動液は蒸発して飽和器領域201内に作動液蒸気を形成し、作動液蒸気は(例えば、ジェットとして)ノズル205を出るサンプル流の乱流と混合する。サンプル流と作動液蒸気との混合物は凝縮器206に流入し、混合物は通常凝縮器206内で層流に移行し、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。拡大された粒子を含む流れは、次いで流体出口204から流出し、いくつかの態様では光学粒子計数器に供給される。この態様では、多孔質構造は蒸気生成に使用されず、キャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流は、飽和器領域201内のサンプル流と組み合わせるために(例えば、別個の入口またはノズルを介して)使用されない。
【0127】
[0138]
図3は、サンプル流が2つのノズル305を介して飽和器領域に導かれる凝縮粒子計数器の態様を示す。ノズル305は、飽和器表面302で傾斜していないように示されているが、一部の態様では、一方または両方のノズル305は、そうするように傾斜することができる。装置またはシステム300は、飽和器領域301と、飽和器表面302と、流体入口303と、流体出口304と、2つのノズル305と、凝縮器306とを備える。装置300は作動液なしで示されているが、いくつかの態様では、そのような作動液は、飽和器表面302などに存在してもよい。粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステム300の動作中、作動液は飽和器表面302上に存在し、サンプル流は、典型的には層流で流体入口303を通って流れ、ノズル305(例えば、ノズル305は、ジェット)を出ると乱流に移行する。この態様では、2つのノズル305は、サンプル流を飽和器領域301に導くが、(装置またはシステム内の他の表面から最初に跳ね返ることなく)作動液表面に向けられた方向には導かないように構成される。飽和器表面302上に存在する作動液は蒸発して飽和器領域301内に作動液蒸気を形成し、作動液蒸気はノズル305を出るサンプル流の乱流と混合する(例えば、ジェットとして)。サンプル流と作動液蒸気との混合物は凝縮器306に流入し、混合物は通常凝縮器306内で層流に移行し、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。拡大された粒子を含む流れは、次いで流体出口304から流出し、いくつかの態様では光学粒子計数器に供給される。この態様では、多孔質構造は蒸気生成に使用されず、キャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流は、飽和器領域301内のサンプル流と組み合わせるために(例えば、別個の入口またはノズルを介して)使用されない。
【0128】
[0139]
図4は、凝縮器406を有するチューブインチューブ構成にある中央通路408を通ってサンプル流が供給される凝縮粒子計数器の態様を示す。装置またはシステム400は、飽和器領域401、飽和器表面402、流体入口403、流体出口404、ノズル405、凝縮器406、中央通路408、周方向通路409、垂直軸線410、およびプレナム411を備える。凝縮器は、簡単にするために
図4では特徴部406としてラベル付けされているが、技術的には、凝縮器は、周方向通路409と、周方向通路409を画定する内壁および外壁(ラベル付けされていない)とから集合的に構成される。さらに、装置400は作動液なしで示されているが、いくつかの態様では、そのような作動液は、飽和器表面402などに存在してもよい。粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステム400の動作中、作動液が飽和器表面402上に存在し、サンプル流は、流体入口403を通って中央通路408を通って、典型的には層流で流れ、ノズル405を出ると乱流に移行する(例えば、ノズル405はジェットを備える)。この態様では、ノズル405は、サンプル流を作動液表面に対して垂直に方向付けるように構成され、ノズル405の方向と作動液表面との間の経路に障害物がないため、存在する場合、サンプル流は作動液表面に直接接触する。飽和器表面402上に存在する作動液は蒸発して飽和器領域401内に作動液蒸気を形成し、作動液蒸気は(例えば、ジェットとして)ノズル405を出るサンプル流の乱流と混合する。サンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器406の壁と中央通路408の壁との間に形成された周方向通路409に流入し、混合物は通常、周方向通路409内の層流に移行し、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。拡大された粒子を含む流れは、次いで流体出口404から流出し、いくつかの態様では光学粒子計数器に供給される。いくつかの態様では、凝縮器406の壁の温度は能動的に制御され、例えば能動的に冷却される。この態様では、多孔質構造は蒸気生成に使用されず、キャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流は、飽和器領域401内のサンプル流と組み合わせるために(例えば、別個の入口またはノズルを介して)使用されない。
【0129】
[0140]
図5は、
図4のさらなる態様を示し、作動液を飽和器表面502に供給するためのリザーバ512が存在し、検出および/または計数のための拡大された粒子を受け入れるための光学粒子計数器516が存在する。装置またはシステム500は、飽和器領域501、飽和器表面502、流体入口503、流体出口504、ノズル505、凝縮器506、中央通路508、周方向通路509、垂直軸線510、プレナム511、リザーバ512、チャネル513、バルク作動液514、作動液表面515、および光学粒子計数器516を備える。凝縮器は、簡単にするために
図5では特徴部506としてラベル付けされているが、技術的には、凝縮器は、周方向通路509と、周方向通路509を画定する内壁および外壁(ラベル付けされていない)とから集合的に構成される。さらに、装置500は作動液と共に示されているが、そのような作動液は、いくつかの態様では、例えば、製造およびエンドユーザへの出荷後であるが、動作前には存在しなくてもよい。粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステム500の動作中、作動液は飽和器表面502上に存在し、そのような作動液はバルク作動液514および作動液表面515を含む。しかしながら、いくつかの態様では、作動液は、フィルムまたは薄膜として存在してもよく、この場合、作動液は、作動液表面を含むが、バルク作動液を含まない。動作中、サンプル流は、典型的には層流で、流体入口503および中央通路508を通って流れ、ノズル505を出ると乱流に移行する(例えば、ノズル505はジェットを備える)。この態様では、ノズル505の方向と作動液表面515との間の経路に障害物がないため、ノズル505は、作動液表面515に対して垂直にサンプル流を導くように構成され、サンプル流は、作動液表面515に直接接触する。飽和器表面502上に存在する作動液は蒸発して飽和器領域501内に作動液蒸気を形成し、作動液蒸気は(例えば、ジェットとして)ノズル505を出るサンプル流の乱流と混合する。サンプル流と作動液蒸気との混合物は、凝縮器506の壁と中央通路508の壁との間に形成された周方向通路509に流入し、混合物は通常、周方向通路509内の層流に移行し、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。拡大された粒子を含む流れは、次いで、流体出口504から流出して光学粒子計数器516に流入する。いくつかの態様では、凝縮器506の壁の温度は能動的に制御され、例えば能動的に冷却される。例えば、飽和器領域に曝される作動液表面の表面積を制御するための流体システムが存在し、任意選択的に、作動液(例えば、作動液表面515)の深さ、表面積、体積、またはこれらの任意の組み合わせを監視するセンサ(図示せず)と共に、および任意選択的に、作動液の深さまたは体積、または作動液表面515の表面積を目標範囲内に保つための1つまたは複数のポンプ(図示せず)と共に、リザーバ512およびチャネル513を備える。そのような流体システムはまた、作動液蒸気の生成を促進するために、作動液(例えば、飽和器表面502上に存在する作動液)の温度を上昇させるための1つまたは複数の加熱要素(図示せず)を備えることができる。この態様では、多孔質構造は蒸気生成に使用されず、キャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流は、飽和器領域501内のサンプル流と組み合わせるために(例えば、別個の入口またはノズルを介して)使用されない。
【0130】
[0141]
図6は、凝縮粒子計数器の一態様のチューブインチューブ構成の詳細図である。特に、
図6は、
図4および
図5のチューブインチューブ構成の詳細図である。チューブインチューブ構成600は、ノズル605と、中央通路608と、周方向通路609と、垂直軸線610と、内壁620と、外壁617と、内壁620のうちの周方向通路609に露出している部分618と、外壁617のうちの周方向通路609に露出している部分619とを備える。直線矢印は層流を示し、曲線矢印は乱流を示す。中央通路608内の流れは、周方向通路609内の流れに平行であるが、反対方向である。周方向通路609、ならびに周方向通路609を画定する内壁620および外壁617は、集合的に凝縮器を含む。いくつかの態様では、内壁620および外壁617は、円形、三角形、正方形、五角形、六角形、多角形、またはこれらの任意の組み合わせである垂直軸線610の周りの形状を有する。
図6に示すように、内壁620および外壁617は、垂直軸線610に沿って直径または形状を変化させることができ、その結果、直径または形状は、周方向通路609または中央通路608の長さ全体にわたって均一である必要はない。
図6に示すようなチューブインチューブ構成を使用する、粒子を検出および/または成長させる方法における装置またはシステムの動作中、サンプル流は、層流で中央通路608を通って流れ、ノズル605を出ると、乱流に移行する(例えば、ノズル605はジェットを備える)。図示されていないが、ノズル605を出た後に、サンプル流は作動液蒸気と混合し、混合物は乱流になる。湾曲した矢印によって示されるように乱流状態にあるサンプル流と作動液蒸気との混合物は、内壁620と外壁617との間に形成された周方向通路609に流入し、混合物は、典型的には、直線矢印によって示されるように周方向通路609内の層流に移行する。周方向通路609内で、作動液蒸気は粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する。いくつかの態様では、内壁620および外壁617は、例えば異なる熱伝導率を有する異なる材料で作られる。いくつかの態様では、外壁617の温度は能動的に制御され、例えば能動的に冷却または加熱される。いくつかの態様では、内壁620の温度は能動的に制御され、例えば能動的に冷却または加熱される。いくつかの態様では、内壁620および外壁617の両方の温度が能動的に制御される。いくつかの態様では、内壁620は断熱材(例えば、熱非伝導性材料)を含む。
【0131】
[0142]
図7は、粒子を検出および/または成長させる方法の一態様の流れ
図700を示す。この態様では、本方法は、飽和器領域と、作動液を支持するように構成された飽和器表面と、を備える装置またはシステムを提供するステップ701と、作動液の少なくとも一部を蒸発させて、作動液蒸気で飽和領域の飽和または過飽和を引き起こすステップ702と、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気中に導くステップ703と、凝縮器を通って混合物を搬送するステップであって、作動液蒸気が粒子上に凝縮して拡大された粒子を形成する、ステップ704と、拡大された粒子を検出するために、拡大された粒子を粒子計数器(例えば光学粒子計数器)に導くステップ705と、作動液の特徴を監視して、飽和器領域に露出した作動液表面の表面積を制御するステップであって、監視される特徴が、飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に曝される表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも一方である、ステップ706と、を含む。これらのステップのいずれかは、除外されてもよく、または異なる順序で配置されてもよく、および/または追加のステップが追加されてもよい。
【0132】
[0143]
図8は、本明細書に開示する装置またはシステムの飽和器領域に曝される作動液表面の表面積を制御する態様の流れ図を示す。この態様では、表面積を制御するステップは、飽和器表面上の作動液の深さおよび/もしくは体積、ならびに/または飽和器領域に露出した作動液表面の表面積を監視するステップ801と、深さ、体積、表面積、またはこれらの任意の組み合わせを深さ、体積、および/または表面積の1つまたは複数の目標範囲と比較するステップ802と、深さ、体積、および/または表面積がそれぞれの目標範囲外である場合に、リザーバから(例えば、1つまたは複数のポンプ、毛細管作用、または重力によって)追加の作動液を供給することによって深さ、体積、および/または表面積を調整するステップ803と、装置またはシステムの停止時に作動液を飽和器表面からリザーバに移動させるステップ804と、システムまたは装置の電源投入時にリザーバから飽和器表面に作動液を移動させるステップ805と、を含む。破線の矢印は、明示的に任意選択のステップを示しているが、
図8に図示または説明されている任意のステップは、除外または異なる順序で配置されてもよく、および/または追加のステップが追加されてもよい。
【0133】
[0144](実施例)
本発明の態様は、以下の非限定的な例によってさらに理解することができる。
【0134】
[0145]実施例1:小型ウィックレス乱流混合熱拡散凝縮粒子計数器
【0135】
[0146]この実施例は、凝縮粒子計数器(CPC)、特にコンパクトなウィックレス乱流混合熱拡散CPCのいくつかの態様を実証する。
【0136】
[0147]小型のウィックレス乱流混合熱拡散CPCは、エアロゾル流体ストリーム中の粒子を検出するための装置である。エアロゾルサンプルストリームは、層流熱拡散凝縮成長領域に迅速に移行する前に、飽和作動液蒸気と乱流混合される。入口エアロゾルサンプルストリームは、作動液の表面に対して垂直な方向である。エアロゾルサンプル流と飽和作動液蒸気とを含む凝縮流ストリームは、入口エアロゾルサンプルストリームと平行であるが反対方向に流れている。
【0137】
[0148]この態様に記載された小型のウィックレス乱流混合熱拡散凝縮粒子計数器は、半導体プロセスツールの内部に適用するのに十分に小型で安価で堅牢な10nm未満の粒子を検出することができる粒子計数器の必要性を解決する。
【0138】
[0149]いくつかの態様では、小型のウィックレス乱流混合熱拡散凝縮粒子計数器は、マニホールド内にスライドし、マニホールドとCPCとの間の共通の構成要素であるドッキングステーションを備えることができる。いくつかの態様では、ドッキングステーションは、IPアドレスおよび1つまたは複数のユーザ接続(例えば、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、真空、電力、またはこれらの任意の組み合わせ)を含む。ドッキングステーションは、迅速なサービス間隔、可能な限り最小限のユーザ相互作用で異なるユニットの交換を可能にする。
【0139】
[0150]小型のウィックレス乱流混合熱拡散凝縮粒子計数器のさらなる態様は、取り外し可能かつ交換可能な作動液容器を含むことができる。この取り外し可能で交換可能な作動液容器は、飽和器、作動液リザーバ、作動液リザーバ、液面センサ、液面状態表示、および作動液搬送ポンプを含むがこれらに限定されない流体アセンブリ全体を構成することができる。
【0140】
[0151]実施例1に記載されているものを含む、本明細書に記載されている装置、システム、または方法の実施態様は、本明細書の他の箇所に記載されているように、既知のCPC計装によって被る様々な問題に対処する。
【0141】
[0152]CPCシステム構成要素
【0142】
[0153]この例で説明されるCPCのいくつかの態様では、CPCシステム構成要素は、リザーバ、流体搬送システム、飽和器、凝縮器、プレナム、粒子計数器、熱管理システム、サンプルフローモニタ、ドッキングステーション、および環境モニタを含む。
【0143】
[0154]
図9は、サンプル流中の粒子を拡大するための飽和および凝縮条件を提供するためのチューブインチューブ形状に設けられた飽和器領域901および凝縮器902を備える凝縮粒子計数器(CPC)の断面側面図を提供する。
図9には、凝縮器902からの拡大された粒子を受け取り、検出し、計数するための、光学粒子計数器であり得る粒子計数器916も示されている。
【0144】
[0155]
図9に示すように、サンプル流は、サンプル入口903を介してCPCに入り、中央通路904を介して飽和器プレート922の飽和器表面921に設けられた作動液を有する飽和器領域901に搬送され、飽和器表面921は、飽和器領域901内で作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成される。作動液は、飽和器領域901内のサンプル流に曝される作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面は表面積によって特徴付けられる。流体入口903は、中央通路904を介して飽和器領域901と流体連通しており、中央通路は、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気内に、および/または飽和器プレート922の飽和器表面921上に設けられた作動液の表面に向かってもしくは表面上に導くように構成されたノズル905で終端し、それによって乱流の混合物を生成し、混合物は作動液蒸気およびサンプル流を含む。いくつかの態様では、飽和器プレート922の飽和器表面921上に供給される作動液は、例えば、作動液の実質的に一定の表面(例えば、サンプル流に曝される実質的に一定の表面積)をサンプル流に提供するように流体的に監視および/または制御される。そのような態様では、飽和器表面921上の作動液の深さ、飽和器領域901に露出する表面積、または飽和器表面921上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域901に露出する作動液の表面積を制御するように構成された流体システム(
図9には示されていない)が使用される。
【0145】
[0156]凝縮器902は、飽和器領域901と流体連通しており、サンプル流と作動液蒸気との混合物を受け取り、冷却して、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部に凝縮させ、それによって拡大された粒子を形成するように構成されている。凝縮器902は、垂直軸線に沿って配置され、中央通路904を画定する内壁920と、垂直軸線に沿って配置され、内壁920を取り囲む外壁917と、凝縮器902の温度制御を容易にするための断熱材925と、を有する。周方向通路918が内壁920と外壁917との間に形成され、サンプル流と作動液蒸気との混合物がこの周方向通路918内で冷却される。周方向通路918内の冷却は、作動液蒸気の少なくとも一部を混合物中の粒子の少なくとも一部に凝縮させ、それによって拡大された粒子を形成する。凝縮器の冷却は、空冷、熱電冷却、液冷、ヒートシンクの使用、ヒートパイプの使用などを含む当技術分野で知られている様々な能動的および受動的冷却構造および装置によって達成することができる。プレナム911は、凝縮器902からサンプル流と作動液蒸気との冷却された混合物を受け取るように構成される。拡大された粒子を含む冷却された混合物は、粒子計数器916に導かれ、流れ制御オリフィス923を通ってシステム900から出る。流体作動は、1つまたは複数のポンプ、送風機、ファン、住宅真空ラインなどの、当技術分野で知られているようなアクチュエータによって達成することができる。
【0146】
[0157]
図10は、凝縮粒子計数器(CPC)の構成要素1000の側面斜視図を提供する。CPCは、飽和器領域1001と、内壁1020および外壁1017を有するチューブインチューブ形状の凝縮器1002と、ヒートシンク1023と、ペルチェ1024と、等速サンプリングプローブ1022と、流体システムのさらなる詳細とを備え、流体システムは、温度プローブ1027と、加熱要素1028と、流体インターフェース1026と、を備える。
【0147】
[0158]
図10に示すように、CPCは、飽和器領域1001内で作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面1021を備える飽和器プレート(図示せず)を備える。粒子を含むサンプル流は、流体入口(図示せず)を通って中央通路1004に導かれ、飽和器領域1001に配置された作動液蒸気に導かれ、サンプル流と作動液蒸気とを含む乱流の混合物をもたらす。混合物は凝縮器1002を通って搬送され、そこで作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮し、サンプル流の粒子のサイズを増大させ、それによって拡大された粒子を生成する。そのような凝縮は、内壁1020と外壁1017との間に形成される周方向通路1018内で起こる。凝縮器1002内の冷却作用は、凝縮器外壁1017を冷却するペルチェ1024と、ペルチェ1024に由来する熱のシンクとして作用するヒートシンク1023とによって促進される。絶縁部1025は、凝縮器1002の温度制御を容易にする。サンプル流、作動液蒸気、および拡大された粒子を含む冷却された混合物は、プレナム1011を介して粒子計数器1016に導かれる。
【0148】
[0159]構成要素1000は、飽和器領域1001に曝される作動液の表面積を制御するための流体システムをさらに備え、流体システム103は、作動液および/または飽和器表面1021の温度を監視するための温度プローブ1027と、作動液および/または飽和器表面(または作動液と接触する流体システムの他の構成要素)の温度を制御するための加熱要素1028と、作動液を飽和器表面1021に提供するか、または作動液を飽和器表面から取り出すために、飽和器表面1021上の作動液を作動液のリザーバ(図示せず)と接続するための流体インターフェース1026と、を備える。流体システムはまた、飽和器表面1021上の作動液の深さ、飽和器領域1001に露出する表面積、または飽和器表面1021上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視するための1つまたは複数のセンサ(図示せず)を備えることができる。流体システムはまた、1つまたは複数のバルブ、流体アクチュエータ、ポンプ、センサ、チャネルなどを備えることができる。飽和器領域1001に露出する作動液表面の表面積を制御することにより、飽和器領域1001における作動液の適切な飽和を正確に達成することができる。
【0149】
[0160]
図11は、凝縮粒子計数器システムを取り付けるための構成要素の側面斜視図である。構成要素1100は、ヒートシンク1123と、粒子を検出および/または成長させるための装置またはシステム用のマウント1125と、粒子計数器用のマウント1126と、等速サンプリングプローブ用のマウント1127と、を備える。
【0150】
[0161]CPCシステム流路
【0151】
[0162]サンプル流路-サンプル流は、飽和器および作動液表面(例えば、作動液表面)に垂直な向きでシステムに導入される。しかしながら、本明細書では他の向きも可能であり企図される。サンプル流はまた、凝縮器流路と平行に配向されるが、本明細書では他の配向も可能であり企図される。サンプル流は、サンプル入口を通る層流を有する。作動液(例えば、作動液)の上方の飽和器領域(例えば、飽和器領域)に入ると、サンプル流は、飽和器(例えば、飽和器表面または飽和器プレート)上の作動液プール(例えば、作動液)の上方の入口状況の終わりにジェット(例えば、ノズル)を使用して乱流領域に遷移する。乱流領域は、気化した作動液(例えば、作動液蒸気)をサンプル流に添加するのに十分な時間を提供する。乱流領域は、均一な混合を達成するために気化した作動液(例えば、作動液蒸気)とサンプル流との十分な混合を提供する。乱流領域からの混合および追加の蒸気回収時間の両方により、最大15リットル/分のサンプル流量のより高い流量システムの使用が達成されている。乱流領域は、サンプル体積の100%を飽和させてサンプリングすることを可能にする。作動液蒸気(例えば、作動液蒸気)を含むサンプル流は、飽和器の上方の乱流領域(例えば、飽和器領域)から凝縮器内の層流に遷移する凝縮器セクションに入る。凝縮器内の同心流れ領域は、凝縮器と粒子計数器との間に位置するプレナム内で組み合わされる。プレナム形状は、拡大された粒子の壁への衝突が最小限に抑えられるような形状である。拡大された粒子を含むサンプル流は、粒子計数器を通って、流量センサを通って、ハウス真空システムに流出する。
【0152】
[0163]CPCシステムの特徴
【0153】
[0164]プロピレングリコール作動液-いくつかの態様では、プロピレングリコールは、以下の少なくとも1つを含む1つまたは複数の理由で適切な作動液(例えば、作動液)である。(1)長い流体寿命のための低い飽和蒸気圧、(2)無毒性、(3)無色、(4)無臭、(5)非VOC生成、(6)より速い成長のために低い蒸気圧によって達成可能な高い飽和比、(7)より少ない流体使用は、光学系への流体移動のより低い確率によってより堅牢な設計をもたらし、(8)より低い揮発性は、流体分子上への凝縮によってより少ない誤カウントをもたらし、(9)作動液またはこれらの任意の組み合わせを再充填するために必要なサービス頻度がより少ない。
【0154】
[0165]凝縮器の幾何学的形状-いくつかの態様では、(1)この幾何学的形状がエッジ効果をほとんどまたは全く有さないこと、(2)高い(または最高の)効率の凝縮比、(3)よりコンパクトな設計、または(4)凝縮比を変更することなく面積を無限に拡大できるため、より大きな体積流量のうちの少なくとも1つを含む1つまたは複数の理由で、凝縮器に適した幾何学的形状としてチューブインチューブ構造が選択される。
【0155】
[0166]ウィックレス飽和器設計(ミリプール飽和器)-この例では、ウィックレス飽和器設計が使用され、従来のプール飽和器CPC設計の改善を表す。この例の改良された飽和器設計の1つの利点は、任意の所与の時間に少量の全流体(例えば、作動液)のみを加熱することであり、これにより、流体(例えば、作動液)温度のより良好でより一貫した制御、および最終的にはより一貫した機器性能が可能になる。少量の流体(例えば、作動液)を加熱し、少量の流体(例えば、作動液)のみをサンプル流に曝露することにより、流体(例えば、作動液)の汚染および劣化が少なくなり、同等の性能でより長い流体(例えば、作動液)寿命を可能にする。流体レベル(例えば、作動液レベル)は、蒸気形成(例えば、作動液蒸気形成)のための作動液(例えば、作動液)の同じまたは類似の利用可能な表面積、サンプル流との同じ量の蒸気相互作用、ならびに活性作動液にわたる同じ(または類似の)および最小化された熱勾配を維持することによって、一貫した性能を与えるように監視および制御することができる。いくつかの態様では、1つまたは複数の理由でウィック構造を使用しないことが好適であり、それには、(1)誤カウントを生じる開口の防止、(2)多孔質媒体との相互作用がないため粒子損失が少ないこと、(3)多孔質媒体を通る流れが制限されないため流量が多いこと、または(4)これらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0156】
[0167]リザーバ-いくつかの態様では、リザーバが使用され、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数の特徴を有することができる。リザーバは、中実体または可撓性壁設計である。リザーバには、流体レベル(例えば、作動液レベル)を3次元で監視するための流体レベルセンサアレイが装備されている。流体レベルセンサは、システムの向きおよび流体使用率ならびに残りの流体レベルの診断能力を提供する。リザーバが剛体設計である場合、リザーバは受動複合バルブを備え、圧力上昇なしに流体搬送システムの動作を可能にする。可撓性壁リザーバは、任意選択的に受動複合バルブを使用する。複合バルブは、流体をリザーバの内外に移動させることを可能にし、搬送中の漏れを防止する。リザーバは、流体を純粋に保つために、サービス中にシステムが作動する流体を流すことを可能にするサービスポートを含む。サービスバルブは、搬送中および動作中に収容された流体を保持するために通常は密封されて閉じられているが、シリンジの作動によって開かれる。リザーバは、流体搬送システムへの適切な接続部を含む。流体ゲージは、流体レベルセンサアレイに対応する流体レベルの連続的な視覚的表示を提供する。
【0157】
[0168]流体搬送システム-いくつかの態様では、流体搬送システムが使用され、本明細書に記載のものなどの1つまたは複数の特徴を有することができる。流体搬送システムは、流体ポンプによって作動される。このポンプは、マイクロ蠕動ポンプ、シリンジポンプ、ピエゾポンプ、計量ポンプなどである。このポンプは、シリンジポンプ、ピエゾポンプ、計量ポンプなどである。流体搬送システムは、リザーバと飽和器(例えば、飽和プレートまたは飽和器表面)との間で流体を移動させるための1つまたは一連のポンプである。ポンプは、リザーバと飽和器との間で既知の制御された速度で流体を移動させるために使用される。制御システムは、流体レベルセンサ、時間ベース、ポンプ速度ベース、またはこれらの任意の組み合わせによって能動的に制御される。ポンプは、機器性能の一貫性を維持するために作動液表面積(例えば、作動液表面の表面積)を維持するために使用される。ポンプは、搬送中の望ましくない流体移動を防止するために、システム停止時にすべての流体をリザーバに移動させ、電力損失を防ぐために使用される。システムの電源がオフの状態では、ポンプは、リザーバ内の作動液を密封し、望ましくない流体移動をさらに防止するためのバルブとして機能する。
【0158】
[0169]二重凝縮器材料の使用-いくつかの態様では、凝縮器は特定の特徴によって特徴付けられる。凝縮器(例えば、周方向通路に露出している内壁)の流路の内側方向の材料は、流路(例えば、周方向通路に露出している外壁)の外側方向とは異なる材料である。外部流路凝縮器温度は能動的に制御される。内側流路凝縮器材料は、熱非伝導性材料である。一方が能動的に制御される2つの材料の使用、および流路および凝縮器の幾何学的形状は、流れ勾配、したがって凝縮器の断面にわたる粒子勾配に一致する温度勾配を生成する。これにより、凝縮器をより小さい物理的サイズでより効率的にすることができる。
【0159】
[0170]住宅の真空および熱管理システム-いくつかの態様では、住宅の真空および/または熱管理システムが使用される。住宅真空システムは、最適なシステム性能のために粒子計数器を通る流れおよび冷却構成要素の両方を提供するために利用されている。住宅真空分配システムは、その様々な意図された用途のためにハウス真空の流量を分割して制御するために器具の内部に収容される。流量制御要素を使用して、部品冷却ならびにサンプル流量粒子計数のための所望の体積流量を生成する。熱管理のために、室内空気は、システム電子機器、レーザドライバ、および凝縮器ヒートシンクを横切って引っ張られる。換気エンクロージャは、室内空気から引き出された流れをシステム内の所望の構成要素に集中させるために使用される。一体化された流れ分配器を有するシュラウドがヒートシンクを覆い、ヒートシンクフィンの使用を最適化し、ヒートシンクを横切る空気速度を増加させることによってより高いレベルの冷却を提供する。
【0160】
[0171]ドッキングステーション-いくつかの態様では、ドッキングステーションが使用される。ドッキングステーションは、マニホールド内にスライドし、マニホールドとCPCとの間の共通の構成要素である。ドッキングステーションは、IPアドレスおよび1つまたは複数のユーザ接続(例えば、すべての構成要素を含む、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、真空、電力、またはこれらの任意の組み合わせ)を含む。ドッキングステーションは、可能な限り最小限のユーザ相互作用で、高速のサービス間隔および異なるユニットの交換を可能にする。
【0161】
[0172]診断-いくつかの態様では、粒子に対して診断が実行される。粒子計数器信号は、以下のうちの1つまたは複数の可能性のある分析のためのパルス高さ分析器(PHA)として利用されるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に供給される。(1)個々の粒子事象および傾向監視の履歴の両方における粒子成長(全体的なシステムの健全性)、(2)システム流量、(3)サンプル粒子の装入および材料、(4)流体汚染、(5)流体劣化、または(6)これらの任意の組み合わせ。リザーバおよび飽和器の両方からの流体レベルセンサは、(1)流体汚染、(2)流体劣化、(3)システムの向き、(4)残りの動作時間、(5)システムの健全性のための流体使用率、または(6)これらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの可能性のある分析のために使用される。環境センサは、以下のうちの少なくとも1つの可能性のある分析のために使用される。(1)性能を維持するための動作設定点の変更、(2)極端な環境の場合のシステムの自己保護、または(3)これらの組み合わせ。
【0162】
[0173]実施例1のいくつかの態様または本明細書の他の箇所に開示する態様に関する特定の特徴は、米国特許第8,869,593号に開示されており、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
[0174]実施例2:小型のウィックレス乱流混合熱拡散凝縮粒子計数器の計数効率
【0164】
[0175]この実施例は、凝縮粒子計数器(CPC)のいくつかの態様、特にコンパクトなウィックレス乱流混合熱拡散CPCの計数効率曲線を実証する。
【0165】
[0176]作動液としてプロピレングリコールを用いて、
図4、
図9、および
図10に示すようなCPCが採用された。サンプル流を装置またはシステムに通して、拡大された粒子を形成し、粒子を光学粒子計数器に通した。
図12は、10nm(1)、7nm(2)および5nm(3)の粒子を目標とする系のサイズ依存性粒子計数効率曲線を示すプロットを提供する。
【0166】
[0177]さらなる態様には、以下が含まれる。
【0167】
[0178]態様1.粒子を検出および/または成長させるための方法であって、
作動液および飽和器領域を備える装置またはシステムを提供するステップであって、作動液が、飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられ、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を飽和器領域に配置された作動液蒸気中に導いて、サンプル流および作動液蒸気を含む混合物を生じさせるステップであって、混合物が乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を制御するステップと、を含む方法。
【0168】
[0179]態様2.追加の作動液を供給して、表面積の目標範囲を維持するステップをさらに含み、表面積の目標範囲が0.01~500cm2である、態様1に記載の方法。
【0169】
[0180]態様3.追加の作動液を供給して、深さの目標範囲を維持するステップをさらに含み、深さの目標範囲が0.001~100mmである、態様1または態様2に記載の方法。
【0170】
[0181]態様4.追加の作動液を供給して、体積の目標範囲を維持するステップをさらに含み、体積の目標範囲が0.001~5000mLである、態様1~3のいずれかに記載の方法。
【0171】
[0182]態様5.粒子を検出および/または成長させるための方法であって、
作動液および飽和器領域を備える装置を提供するステップであって、作動液が、表面積によって特徴付けられる飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液が飽和器領域内の飽和器表面上に配置される、ステップと、
作動液の少なくとも一部を蒸発させて作動液蒸気を形成するステップと、
粒子を含むサンプル流を作動液蒸気内へ作動液表面の方へ導いて、サンプル流と作動液蒸気との混合物を生じさせるステップであって、混合物が乱流状態にある、ステップと、
凝縮器を通して混合物を搬送し、凝縮器内で混合物を冷却するステップであって、作動液蒸気の少なくとも一部がサンプル流の粒子の少なくとも一部に凝縮して、サンプル流の粒子のサイズを増加させる、ステップと、
拡大された粒子を光学粒子計数器などの粒子計数器に導くステップと、を含む方法。
【0172】
[0183]態様6.作動液が作動液のプールまたは作動液のストリームを含む、態様1~5のいずれかに記載の方法。
【0173】
[0184]態様7.導くステップが、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させることなく、サンプル流を作動液蒸気中に、および/または作動液表面に対して移動させる、態様1~6のいずれかに記載の方法。
【0174】
[0185]態様8.作動液表面が、重力方向に対して垂直または非垂直な向きに構成された連続平面を含む、態様1~7のいずれかに記載の方法。
【0175】
[0186]態様9.混合物がサンプル流および作動液蒸気から成る、態様1~8のいずれかに記載の方法。
【0176】
[0187]態様10.作動液蒸気が作動液表面と接触している、態様1~9のいずれかに記載の方法。
【0177】
[0188]態様11.蒸発させるステップが、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または使用しない、態様1~10のいずれかに記載の方法。
【0178】
[0189]態様12.作動液蒸気が、作動液蒸気を含むキャリアガスによって飽和器領域に送達されない、態様1~11のいずれかに記載の方法。
【0179】
[0190]態様13.サンプル流が少なくとも0.1L/分の流量で装置を通って伝播する、態様1~12のいずれかに記載の方法。
【0180】
[0191]態様14.作動液が、プロピレングリコール、水、イソブタノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの任意の組み合わせを含む、態様1~13のいずれかに記載の方法。
【0181】
[0192]態様15.作動液が、0.0001~1.0Ns/m2の動粘度、80℃~230℃の沸点、0.8~2.0g/mLの比重、またはこれらの任意の組み合わせを有する、態様1~14のいずれかに記載の方法。
【0182】
[0193]態様16.サンプル流が、導くステップの前および搬送するステップの間に実質的に層流を有する、態様1~15のいずれかに記載の方法。
【0183】
[0194]態様17.サンプル流を供給するように、マニホールドが装置に接続され、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続部を備えるドッキングステーションが設けられる、態様1~16のいずれかに記載の方法。
【0184】
[0195]態様18.凝縮器が、装置の垂直軸線に沿って配置されて中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置されて内壁を取り囲む外壁と、を含み、内壁と外壁との間に周方向通路が形成され、
周方向通路に露出している内壁の少なくとも一部は、第1の材料を含み、
周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、
第1の材料が、第2の材料よりも低い熱伝導率を有し、
方法は、周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部を冷却し、サンプル流を中央通路を通って導くステップに流すステップをさらに含み、
搬送するステップが周方向通路内で行われ、流すステップが搬送するステップに平行であるが反対方向である、態様1~17のいずれかに記載の方法。
【0185】
[0196]態様19.作動液が薄膜として存在する、態様1~18のいずれかに記載の方法。
【0186】
[0197]態様20.粒子計数器を使用して拡大された粒子を検出するステップをさらに含む、態様1~19のいずれかに記載の方法。
【0187】
[0198]態様21.検出するステップが、散乱、吸光、干渉、発光、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して実行される、態様20または任意の前述の態様に記載の方法。
【0188】
[0199]態様22.凝縮核粒子計数器における検出のための粒子のサイズを増加させる、態様20もしくは態様21、または任意の前述の態様に記載の方法。
【0189】
[0200]態様23.粒子を検出および/または成長させるための装置であって、
飽和器表面を含む飽和器領域であって、飽和器表面が、作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成され、作動液が、存在する場合に、飽和器領域に露出した作動液表面を有するバルク作動液を含み、作動液表面が表面積によって特徴付けられる、飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通する流体入口であって、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成されたノズルで終端し、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成された凝縮器と、
拡大された粒子を受け入れるように構成された凝縮器と流体連通する流体出口と、
飽和器表面上の作動液の深さ、飽和器領域に露出された表面積、または飽和器表面上の作動液の体積のうちの少なくとも1つを監視することによって、飽和器領域に露出した表面積を制御するように構成された流体システムと、を備える装置。
【0190】
[0201]態様24.流体システムが、追加の作動液を供給して、表面積の目標範囲を維持するように構成され、表面積の目標範囲が0.01~500cm2である、態様23または任意の前述の態様に記載の装置。
【0191】
[0202]態様25.流体システムが、追加の作動液を供給して、深さの目標範囲を維持するように構成され、深さが0.001~100mmである、態様23もしくは態様24、または任意の前述の態様に記載の装置。
【0192】
[0203]態様26.流体システムが、体積の目標範囲を維持するために追加の作動液を供給するように構成され、体積は0.001~5000mLである、態様23~25または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0193】
[0204]態様27.粒子を検出および/または成長させるための装置であって、
垂直軸線と、
作動液蒸気を生成する作動液を支持するように構成された飽和器表面を含む飽和器領域と、
飽和器領域と流体連通し、ノズルで終端する流体入口であって、ノズルが、粒子を含むサンプル流を作動液蒸気に対しておよび/または作動液蒸気内に導いて乱流状態の混合物を生成するように構成され、混合物がサンプル流および作動液蒸気を含む、流体入口と、
飽和器領域と流体連通する凝縮器であって、混合物を受け入れて、作動液蒸気の少なくとも一部を粒子の少なくとも一部の上に凝縮するために冷却し、それによって拡大された粒子を形成するように構成され、垂直軸線に沿って配置されて中央通路を画定する内壁と、垂直軸線に沿って配置されて内壁を取り囲む外壁と、を含み、内壁と外壁との間に周方向通路が形成される、凝縮器と、
凝縮器と流体連通し、拡大された粒子を受け入れるように構成された流体出口と、
任意選択で、流体システムと、を備え、
中央通路が、流体入口とノズルとの間に流体連通して配置され、周方向通路が、飽和器領域と流体出口との間に流体連通して配置され、流体流路が、流体入口、中央通路、ノズル、飽和器領域、周方向通路、および流体出口によって順次画定され、
周方向通路に露出する内壁の少なくとも一部が第1の材料を含み、
周方向通路に露出する外壁の少なくとも一部が第2の材料を含み、第1の材料が第2の材料よりも低い熱伝導率を有する、装置。
【0194】
[0205]態様28.装置が、周方向通路内の混合物の流体流に平行であるが反対方向であるように、中央通路に沿ってサンプル流を搬送するように構成される、態様27または任意の前述の態様に記載の装置。
【0195】
[0206]態様29.周方向通路に露出される外壁の少なくとも一部の温度が、能動的に制御されるように構成される、態様27もしくは28、または任意の前述の態様に記載の装置。
【0196】
[0207]態様30.装置が、飽和器領域内のサンプル流と組み合わせるためのキャリア流体および気化した作動液を含む別個のキャリア流体流を提供しないように構成される、態様23~29または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0197】
[0208]態様31.装置が、キャリアガスおよび気化した作動液を含む追加の流体流を導入するように構成された追加の流体入口を備えない、態様23~30または任意の前述の態様に記載の装置。
【0198】
[0209]態様32.飽和器領域が、作動液蒸気の生成を促進するように構成された1つまたは複数の多孔質構造を実質的に含まないか、または含有しない、態様23~31または任意の前述の態様に記載の装置。
【0199】
[0210]態様33.作動液が作動液のプールまたは作動液のストリームを含む、態様23~32または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0200】
[0211]態様34.流体システムが、飽和器表面上の作動液の深さを監視して作動液の表面積を制御し、追加の作動液を供給して表面積の目標範囲を維持し、作動液の汚染または劣化を検出し、飽和器表面とリザーバとの間で作動液を移送し、作動液を加熱し、システム傾斜角を監視するか、またはこれらの任意の組み合わせを行うように構成される、態様23~33または任意の前述の態様に記載の装置。
【0201】
[0212]態様35.流体システムが、飽和器表面と流体連通するリザーバを備え、リザーバが、作動液を飽和器表面に供給するように構成される、態様23~34または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0202】
[0213]態様36.流体システムが、少なくとも1つのセンサと、センサに動作可能に接続された少なくとも1つのポンプと、を備え、少なくとも1つのセンサが、飽和器表面上の作動液の深さを監視するように構成され、少なくとも1つのポンプが、リザーバから作動液を移送することによって作動液の表面積を制御するために、飽和器表面上の作動液の目標深さを維持するように構成される、態様23~35または任意の前述の態様に記載の装置。
【0203】
[0214]態様37.少なくとも1つのポンプが、システム停止時または電力喪失後の復電時に作動液の少なくとも一部を飽和器表面からリザーバに移送するように構成される、態様36または任意の前述の態様に記載の装置。
【0204】
[0215]態様38.流体システムが、飽和器表面、存在する場合にはリザーバ、または飽和器表面と存在する場合にはリザーバとを接続するチャネルに一体化されたまたは取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を備え、少なくとも1つの加熱要素が、作動液を加熱し、作動液蒸気の生成を促進するように構成される、態様23~37または任意の前述の態様に記載の装置。
【0205】
[0216]態様39.流体システムが、静止プール、流動プール、静止薄膜、または流動薄膜として飽和器表面上に作動液を提供するように構成される、態様23~38または任意の前述の態様に記載の装置。
【0206】
[0217]態様40.作動液が存在する、態様23~39または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0207】
[0218]態様41.作動液が存在し、プロピレングリコール、水、イソブタノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキシド、またはこれらの任意の組み合わせを含む、態様23~40または任意の前述の態様に記載の装置。
【0208】
[0219]態様42.作動液が存在し、0.0001~1.0Ns/m2の動粘度、80℃~230℃の沸点、0.8~2.0g/mLの比重、またはこれらの任意の組み合わせを有する、態様23から41または任意の前述の態様に記載の装置。
【0209】
[0220]態様43.飽和器表面が、5000mL未満の作動液を支持するように構成される、態様23~42または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0210】
[0221]態様44.凝縮器と流体出口との間に配置されたプレナムをさらに備え、プレナムが、周方向通路からの流体の流れを収束させるように構成される、態様23~43または任意の前述の態様に記載の装置。
【0211】
[0222]態様45.流体出口と流体連通する光学粒子計数器をさらに備え、光学粒子計数器が、拡大された粒子を検出するためのものである、態様23~44または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0212】
[0223]態様46.光学粒子計数器が、散乱、消光、干渉、発光、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを使用して拡大された粒子を検出する、態様45または任意の前述の態様に記載の装置。
【0213】
[0224]態様47.光学粒子計数器が凝縮核粒子計数器を含む、態様45もしくは態様46、または任意の前述の態様に記載の装置。
【0214】
[0225]態様48.装置がマニホールドに取り付けられるように構成され、マニホールドがサンプル流を装置に供給するように構成される、態様23~47または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0215】
[0226]態様49.ドッキングステーションをさらに備え、ドッキングステーションが、真空、電力、データ、アナログ入力出力、デジタル入力出力、イーサネットスイッチ、またはこれらの任意の組み合わせのための接続部を備える、態様23~48または任意の前述の態様に記載の装置。
【0216】
[0227]態様50.ドッキングステーションがインターネットプロトコルアドレスをさらに含む、態様49または任意の前述の態様に記載の装置。
【0217】
[0228]態様51.態様23~50または任意の前述の態様のいずれか1つに記載の装置であって、
流体出口を真空システムに直接的または間接的に取り付けるための接続部と、
真空システムからの流れを、サンプル流の第1のストリームと、装置の構成要素を冷却するための第2のストリームとに分割するための流れ分配システムと、をさらに備える、装置。
【0218】
[0229]態様52.作動液が作動液表面を含み、ノズルが、作動液表面の下のバルク作動液中にサンプル流の気泡を形成させることなく、サンプル流を作動液表面に向けて導くように構成される、態様23~51または任意の前述の態様に記載の装置。
【0219】
[0230]態様53.作動流体液体が、(i)圧力上昇なしに流体搬送システムの動作を可能にし、および/もしくは流体をリザーバの内外に移動させ、搬送中の漏れを防止する受動複合バルブ、(ii)作動液を純粋に保つために、サービス中にシステム作動液を流すことを可能にするサービスポート、ならびに/または(iii)使用中および/もしくは動作中に作動液リザーバを密封するためのロック用ルアー継手、のうちの1つまたは複数を備えるリザーバ内にある、態様1~52のいずれかに記載の装置。
【0220】
[0231]態様54.飽和器表面を覆うためのカバーをさらに備え、カバーが穿孔されていても穿孔されていなくてもよく、カバーが、1つまたは複数のギャップが、存在する場合には穿孔と共に、作動液蒸気が飽和器領域内のサンプル流と流体連通することを可能にするように任意選択的に配置される、態様1~53のいずれかに記載の装置。
【0221】
[0232]態様55.作動液リザーバ、流体レベルセンサ、流体レベル状態表示、および作動液搬送ポンプのうちの1つまたは複数を備える取り外し可能かつ交換可能な作動液容器を有する、態様1~54のいずれかに記載の装置。
【0222】
[0233]態様56.装置を通過するサンプル流の流量を監視するための1つまたは複数の流量センサをさらに備え、任意選択的に、流量センサが、下流に配置され、粒子計数器と流体連通する、態様1~55のいずれかに記載の装置。
【0223】
[0234]態様57.任意選択的に、極端な環境における性能を維持するため、または自己保護のために、動作設定点を監視および変更するための、1つまたは複数の環境センサをさらに備える、態様1~56のいずれかに記載の装置。
【0224】
[0235]参照による組込みおよび変形例に関する記述
本出願全体のすべての参照、例えば、発行または付与された特許または均等物を含む特許文書、特許出願公開公報、非特許文献またはその他の原資料は、各参照が少なくとも部分的に本出願の開示と矛盾しない限り(例えば、部分的に一致しない参照は、参照の部分的に一致しない部分を除いて参照により組み込まれる)、参照により個々に組み込まれているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0225】
[0236]本明細書で使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態によって具体的に開示されているが、例示的な実施形態および任意選択の特徴、本明細書に開示した概念の修正および変形は、当業者によって使用されてもよく、そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされることを理解されたい。本明細書で提供される特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、本明細書に記載の装置、装置構成要素、方法ステップの多数の変形を使用して実行され得ることが当業者には明らかであろう。当業者には明らかなように、本方法に有用な方法および装置は、多数の任意の構成要素および処理要素ならびにステップを含むことができる。
【0226】
[0237]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセルおよび当業者に公知のその等価物を含む。同様に、「a」(または「an」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は互換的に使用できることにも留意されたい。「請求項XX~YYのいずれかに記載の」という表現(XXおよびYYは請求項番号を指す)は、代替形態で複数従属請求項を提供することを意図しており、いくつかの実施形態では、「請求項XX~YYのいずれか一項に記載のように」という表現と交換可能である。
【0227】
[0238]マーカッシュグループまたは他のグループ化が本明細書で使用される場合、グループのすべての個々のメンバーおよびグループの可能なすべての組み合わせおよび部分組み合わせは、本開示に個別に含まれることが意図される。化合物の特定の異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマーが、例えば、式または化学名で特定されないように化合物が本明細書に記載される場合、その説明は、個々にまたは任意の組み合わせで記載される化合物の各異性体およびエナンチオマーを含むことが意図される。さらに、別段の指定がない限り、本明細書に開示する化合物のすべての同位体変異体は、本開示に包含されることが意図される。例えば、開示された分子中の任意の1つまたは複数の水素を重水素またはトリチウムで置き換えることができることが理解されよう。分子の同位体変異体は、一般に、分子のアッセイならびに分子またはその使用に関連する化学的および生物学的研究における標準として有用である。そのような同位体変異体を作製するための方法は、当技術分野で公知である。当業者が同じ化合物に異なる名称を付けることができることが知られているので、化合物の具体的な名称は例示的であることを意図している。
【0228】
[0239]本明細書に記載または例示されるあらゆる装置、システム、定式化、構成要素の組み合わせ、または方法は、特に明記しない限り、本発明を実施するために使用することができる。
【0229】
[0240]本明細書において範囲、例えば温度範囲、時間範囲、または組成もしくは濃度範囲が与えられるときはいつでも、すべての中間範囲および部分範囲、ならびに与えられた範囲に含まれるすべての個々の値が本開示に含まれることが意図される。本明細書の説明に含まれる範囲または部分範囲内の任意の部分範囲または個々の値は、本明細書の特許請求の範囲から除外することができることが理解されよう。
【0230】
[0241]本明細書で言及されるすべての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示す。本明細書で引用される参考文献は、その刊行日または出願日の最新技術を示すためにその全体が参照により本明細書に組み込まれ、この情報は、必要に応じて、先行技術にある特定の実施形態を除外するために本明細書で使用できることが意図されている。例えば、組成物が特許請求される場合、本明細書に引用された参考文献に有効な開示が提供されている化合物を含む、本出願人の発明の前の技術分野で公知で利用可能な化合物は、本明細書の特許請求の範囲の組成物に含まれることを意図しないことを理解されたい。
【0231】
[0242]本明細書で使用される場合、「備える」は、「含む」、「含有する」または「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを排除しない。本明細書で使用される場合、「から成る」は、特許請求の範囲の要素で指定されていない要素、工程、または成分を除外する。本明細書で使用される場合、「本質的に~から成る」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップを排除しない。本明細書の各例では、「備える」、「本質的に~から成る」、および「から成る」という用語のいずれかは、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定がない状態で適切に実施され得る。
【0232】
[0243]当業者は、具体的に例示されたもの以外の出発材料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、アッセイ方法、および生物学的方法が、過度の実験に頼ることなく本発明の実施において使用され得ることを理解するであろう。任意のそのような材料および方法の当技術分野で公知の機能的等価物はすべて、本発明に含まれることが意図されている。使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはその一部の均等物を除外することは意図されていないが、特許請求される発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示した概念の修正および変形は当業者によって使用されてもよく、そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【国際調査報告】