(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】保護フレキシブルセンサによるセキュア換気
(51)【国際特許分類】
H05K 5/06 20060101AFI20240709BHJP
B23K 26/402 20140101ALI20240709BHJP
G06F 21/86 20130101ALI20240709BHJP
【FI】
H05K5/06 E
B23K26/402
G06F21/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572639
(86)(22)【出願日】2022-05-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2022091560
(87)【国際公開番号】W WO2022252919
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】サンティアゴ、フェルナンデス、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バッド、ラッセル、エー
(72)【発明者】
【氏名】バズビー、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒグビー、アーサー、ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドラゴネ、シルビオ
(72)【発明者】
【氏名】オッジョーニ、ステファノ、セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ロング、デビッド、クリフォード
【テーマコード(参考)】
4E168
4E360
5B017
【Fターム(参考)】
4E168AD18
4E168DA02
4E168DA47
4E168JA17
4E168JA25
4E168JA27
4E360AB34
4E360EE20
4E360GA25
4E360GA42
4E360GC04
4E360GC08
5B017AA07
5B017BA08
5B017BB03
5B017CA05
(57)【要約】
タンパー検出システムは、有機材料と、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路とを含むことができる。有機材料の一部は、有機材料に切り込みを形成するためにアブレーションされる。タンパー検出回路の一部が、アブレーション経路の断片を妨害する。タンパー検出回路は無傷のままである。切り込みが、有機材料の第1の側と有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパー検出システムであって、前記システムは、
有機材料と、
前記有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路と、を含み、
前記有機材料に切り込みを形成するために前記有機材料の一部がアブレーションされ、
前記タンパー検出回路の一部が、アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
タンパー検出システム。
【請求項2】
前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に貼り付けられたワイヤトラップをさらに含み、
前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項3】
前記切り込みは、前記材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項4】
前記第1のアブレーションおよび前記第2のアブレーションによって形成される前記切り込みの角度は、60°から120°の間である、
請求項3に記載のタンパー検出システム。
【請求項5】
前記切り込みは、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を有機物除去機構にさらすことによって形成され、前記有機物除去機構は、無機物を除去しない一方で有機物を除去する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項6】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記レーザーの前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項5に記載のタンパー検出システム。
【請求項7】
機械的な缶をさらに含み、
前記機械的な缶は、機械的な開口部を含み、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、前記機械的な缶の前記機械的な開口部の上に貼り付けられる、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項8】
前記有機材料および、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、保護された容積を完全に封入する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項9】
タンパー検出システムの製造方法であって、前記方法は、
有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を得ることと、
切り込みを形成するために前記有機材料の一部をアブレーションすることと、を含み、
前記切り込みをアブレーションすることは、アブレーション経路内の有機材料を除去し、
前記タンパー検出回路の一部が、前記アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
タンパー検出システムの製造方法。
【請求項10】
ワイヤトラップは、前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に貼り付けられ、前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記切り込みは、前記材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項9に記載のタンパー検出方法。
【請求項12】
前記第1のアブレーションおよび前記第2のアブレーションによって形成される前記切り込みの角度は、60°から120°の間である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記切り込みは、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を有機物除去機構にさらすことによって形成され、前記有機物除去機構は、無機物を除去しない一方で有機物を除去する、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を機械的な缶に貼り付けることを含み、
前記機械的な缶は、機械的な開口部を含み、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、前記機械的な缶の前記機械的な開口部の上に貼り付けられる、
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記有機材料および、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、保護された容積を完全に封入する、
請求項9に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、組み込まれたプログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラム命令は、プロセッサに機能を実行させるために前記プロセッサによって実行可能であり、前記機能は、
有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を得ることと、
切り込みを形成するために前記有機材料の一部をアブレーションすることと、を含み、
前記切り込みをアブレーションすることは、アブレーション経路内の有機材料を除去し、
前記タンパー検出回路の一部が、前記アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
ワイヤトラップは、前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に取り付けられ、前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記切り込みは、前記材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュアエンクロージャに関し、より具体的には、換気を必要とするセキュアエンクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュアエンクロージャは、データもしくは機械またはその両方などのコンテンツを保護するために使用することができる。セキュアエンクロージャの中には、セキュアエンクロージャ内部からの圧力解放を可能にするために換気を必要とするものがある。セキュアエンクロージャ内部の圧力は、関連システムの不必要なダウンタイムを引き起こす可能性のある誤ったタンパー検出をもたらす可能性がある。物理的および機械的制約など、セキュアモジュールシステムの様々な制約により、エンクロージャのセキュリティを維持しながら、セキュアモジュールエンクロージャに換気を含めることが困難な場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、タンパー検出のためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品を含む。タンパー検出システムは、有機材料と、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路とを含むことができる。有機材料に切り込みを形成するために有機材料の一部がアブレーションされる。タンパー検出回路の一部がアブレーション経路の断片を妨害する。タンパー検出回路は無傷のままである。切り込みが、有機材料の第1の側と有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする。
【0004】
上記の要約は、図示された各実施形態または本開示のすべての実施態様を説明することを意図するものではない。
【0005】
本出願に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。これらは、本開示の実施形態を例示するものであり、本明細書と共に、本開示の原理を説明する役割を果たす。図面は、特定の実施形態を例示するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気システムを示す。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気機構を有する材料を示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気プロセスを受ける材料を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を示す。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を示す。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料の概略図を示す。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を利用するシステムを示す。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料の概略図を示す。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を利用するシステムを示す。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、方法、ツール、およびモジュールの1つ以上、ならびに関連機能を実施する際に使用され得る例示的なコンピュータシステムのハイレベルブロック図を示す。
【0007】
本発明は、様々な変更および代替形態に従順であるが、その具体的な態様を図面に例示的に示し、詳細に説明する。しかしながら、本発明を説明した特定の実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本発明の範囲内に入るすべての変更、等価物、および代替物を包含することである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の態様は、セキュアエンクロージャに関するものであり、より具体的には、換気を必要とするセキュアエンクロージャに関するものである。
【0009】
セキュアエンクロージャは、エンクロージャ内のコンテンツを保護するために使用される。セキュアエンクロージャの中には、セキュアエンクロージャ内に蓄積される可能性のある圧力を解放する機構を必要とするものがあり、この圧力は、効果的に緩和されない限り、誤ったタンパー検出をもたらすことがある。制約により、エンクロージャのタンパー検出もしくはタンパー阻止またはその両方の能力を維持しながら、セキュアエンクロージャを換気することが困難な場合がある。
【0010】
本開示は、有機材料の一部をアブレーションして材料の一方の側からエンクロージャの他方の側への通路を生成し、同時にタンパー検出回路を維持しながら換気を可能にするような、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を含む。本開示によるタンパー検出システムは、有機材料と、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路とを含むことができる。有機材料の一部は、有機材料に切り込みを形成するためにアブレーションされる。タンパー検出回路の一部が、アブレーション経路の断片を妨害する。タンパー検出回路は無傷のままであり、切り込みは、有機材料の第1の側と有機材料の第2の側との間のガス状物質の流れを可能にする。
【0011】
本開示は、タンパー検出システムを製造するための方法を含む。本方法は、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を得ることと、切り込みを形成するために有機材料の一部をアブレーションすることと、を含むことができる。切り込みをアブレーションすることは、アブレーション経路内の有機材料を除去することができる。タンパー検出回路の一部がアブレーション経路の一部を妨害することがある。タンパー検出回路は無傷のままであり、切り込みが、有機材料の第1の側と有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気システム100を示す。セキュア換気システム100の上面
図100aおよび側面
図100bが提供される。
【0013】
セキュア換気システム100は、有機基板112、無機タンパー検出回路114、および開口部116を含む。有機基板112は任意の有機材料であってよく、タンパー検出回路114はその中に浮いている。タンパー検出回路114は、タンパーを識別できるような電気インパルスを伝導できる任意の金属であってもよい。有機基板112は、例えば、ポリイミド基板を含んでもよい。タンパー検出回路は、例えば銅を含むことができる。
【0014】
開口部116は、システム100の第1の側と第2の側との間の流体の流れを許容するように、システムの換気を可能にする。開口部116は有機基板112を貫通して形成され、タンパー検出回路114は無傷のまま残される。開口部116は、システム100の一方の側をシステム100の他方の側に流体的に接続するための切り込みを形成することができるように、タンパー検出回路の電気的整合性を害することなく、有機材料のアブレーションを可能にする任意の手段によって形成することができる。
【0015】
開口部116を形成するために使用され得る方法には、例えば、レーザーアブレーションもしくはケミカルアブレーションまたはその両方を含むことができる。レーザーアブレーションは、タンパー検出回路114と干渉しないようにしながら、有機基板112に使用される特定の有機材料をアブレーションするようにレーザーを調整することによって使用することができる。ケミカルアブレーションも同様に、有機材料のアブレーションに適した化学薬品を基板に作用させて、所望の開口部116を形成することにより使用することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、レーザーの方が正確な結果を制御しやすいため、レーザーアブレーションが好ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、開口部のある角度(直接垂直ではなく)が好ましい場合があり、レーザーは正確な角度調整が可能な場合がある。さらに、レーザーを使用することにより、タンパー検出回路114の一部の背後の基板がアブレーションから保護されるようなシャドウ効果が可能になる場合があり、場合によっては、これはタンパー検出回路114の短絡を防止するのに役立つ場合がある。
【0017】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気機構を有する材料200を示す。材料200は、第1の環境202、第2の環境204、および第3の環境206に示されている。各環境において、上面
図222b、224b、226bと同様に、側面概略
図222a、224a、226aが示されている。
【0018】
第1の環境202では、側面
図222aに示すように、光源212が材料200の上部に当てられる。上面
図222bは、第1の環境202の条件下での材料中の切り込み予定位置の可視性を示す。光源212が材料200の上に当てられた状態では、切り込みは目立たず、場合によっては肉眼では見えないこともある。切り込みが一般に見えないこの能力は、材料の弱点が換気機構によって明らかにされないため、安全性を高める。さらに、いくつかの実施形態では、材料200に光源を当てる唯一の方法は、オーバーヘッド指向の光源212を使用することであるため、換気システムは観察者には一般に見えない。
【0019】
第2の環境204では、側面
図224aに示すように、光源214が材料200の下に当てられる。上面
図224bは、第2の環境204の条件下での材料中の切り込み予定位置の可視性を示す。光源214が材料の下に当てられた状態では、切り込みは銅トレース間の他の空間と同様に見えるため、目立たない。つまり、有機基板を保持する材料200の一部とは、目に見えて区別がつかない。したがって、ここでも、切り込みは脆弱にはならない。
【0020】
第3の環境206では、側面
図226aに示すように、光源216aおよび216bが材料200の上と下の両方に当てられる。上面
図226bは、第3の環境206の条件下での材料内の切り込み予定位置の可視性を示す。光源216aおよび216bが材料の上と下の両方に当てられた状態では、光源214が材料の下にのみ当てられたときと同様に、切り込みは銅トレース間の他の空間と同様に見えるため、目立たない。つまり、有機基板を保持する材料200の一部とは、目に見えて区別がつかない。したがって、ここでも、切り込みは特に脆弱ではなく、観察者がシステムの潜在的な弱点を特定することから保護されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、切り込みは、有機物除去機構に、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路をさらすことによって形成することができる。有機物除去機構は有機物を除去し、無機物は除去しない。いくつかの実施形態では、有機物除去機構は、レーザーのドリル経路内の有機材料は除去され、レーザーのドリル経路内のタンパー検出回路は無傷のままであるように、タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであってもよい。
【0022】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気プロセスを受ける材料300を示す。より具体的には、材料300は第1の状態302で示されている。第1の状態302において、材料300は、セキュア換気システムの実施に使用されることが特定されており、換気のためのアブレーション位置が特定されている。第2の状態304は、材料300の切り込みをアブレーションするために使用されたレーザーのドリル経路内の有機材料をアブレーションすることによって、切り込みが入れられた後の材料300を示している。
【0023】
多くの用途では、ドリル経路の形状、ひいては切り込みの形状を正確に決定できることから、有機材料のレーザーアブレーションを使用することが望ましい。レーザーは、使用例だけでなく、換気用に使用される材料内の特定の構成要素(例えば、基板やタンパー検出回路)に適切に調整される必要がある。レーザーを材料内の特定の構成要素に合わせて調整することで、タンパー検出ユニットは無傷のまま、レーザーが有機材料をアブレーションすることができる。具体的には、基板の電気的整合性を維持することで、材料が検出能力を維持できるようにする。
【0024】
いくつかの実施形態では、銅トレースを有する多層ポリイミド基板をセキュア通気材料として使用することができる。銅トレースはタンパー検出回路を形成するため、セキュアメッシュと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、有機材料を除去(またはレーザーアブレーション)するためにレーザーを使用してもよい。紫外線から赤外波長までの様々なレーザー波長を、セキュリティトレースは無傷のまま、有機材料をレーザーアブレーションするために使用してもよい。同様に、連続波(CW)からフェムト秒パルスまでの様々なレーザーパルス幅を、セキュリティトレースは無傷のまま、有機材料をレーザーアブレーションするために使用してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)レーザーを、タンパー検出回路(銅トレースなど)は無傷のまま、有機材料(ポリイミド基板など)をアブレーションするために使用することができる。RFレーザーは、波長1035nm、パルス幅300fsec、増幅器1MHz、分割モード5、パルス繰り返し周波数(pulse rep rate、PRR)200KHz、RF30に調整することができる。他の実施形態で使用される材料に応じてレーザーを他の仕様に調整する仕様は、当業者であれば認識できるであろう。
【0026】
同様に、材料をアブレーションするレーザーの性能を最適化するために、スキャナを特定の仕様に設定することができる。ポリイミド基板、銅トレース、RFレーザーを用いた上記の実施形態では、スキャナはスキャン速度1M/s、ライン間隔0.05mm、10~15μm(FWHM)に設定することができる。他の実施形態に望ましいスキャナの仕様は、当業者であれば認識できるであろう。
【0027】
図4は、本開示の実施形態による、セキュア換気を有する材料400を示す。材料400は、切り込みが材料の全体を横断するように、第1の面402a上でレーザーによってアブレーションされる。したがって、切り込みは、材料400の第2の面402bで見える。材料の第1の面402aをアブレーションするレーザーの力は、切り込みと材料400の周辺部分との間にアブレーション斜面を残す可能性がある。
【0028】
材料をアブレーションするために使用されるレーザーのドリル経路の幅、およびそれによって、レーザーによって材料に形成される切り込みの幅は変化する可能性がある。切り込みの幅は、換気システムに関連する他の要因に影響を与える可能性があり、具体的には、必要とされる処理時間の長さ、切り込みを通る流体の流れの量、および材料がどのようにアブレーションされるかは、他の要因の中でも異なる可能性がある。一実施形態では、レーザーを用いて直径100μmの貫通孔を4秒未満の処理時間で穿孔することにより、換気切り込みを形成することができる。別の実施形態では、大きな換気切り込み(例えば、
図5に示すような)は、大きな幅を有するアブレーション領域を有し、第1の側と第2の側の両方からレーザーでアブレーションして、アブレーション領域内の有機物をアブレーションし、タンパー検出部材間の貫通孔を露出させることができる。このような実施形態では、より多くの処理時間が必要となる場合がある。
【0029】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料500を示す。材料500は、大きな換気切り込みを有する。材料500は、第1の面502aおよび第2の面502bから示されている。切り込みは第1の面502aで開始され、通気孔を開始し、材料500の半分まで貫通する。その後、切り込みは第2の面502bから材料500を残りの部分まで貫通して、通気孔を形成して終了する。図示の材料500は、有機材料としてポリイミド基板を使用し、タンパー検出回路として銅トレースを使用する。銅トレースはアブレーションで互いに交差しているのが見える。銅トレースの間には貫通孔が見える。これらの貫通孔では、検出回路の電気的整合性を維持しながら換気を可能にするため、ポリイミド基板がレーザーでアブレーションされている。
【0030】
いくつかの実施形態では、大きな換気切り込みは、タンパー検出部材(例えば、銅トレース)の間の貫通孔を露出させるために、アブレーション領域内の有機物(例えば、ポリイミド基板などの基板)をアブレーションするために第1の側(例えば、保護された資源に隣接する側)と第2の側(例えば、外部に面する側)の両方からレーザーがアブレーションする、1.5mmの幅を有するアブレーション領域を有することができる。このような実施形態では、レーザーは、タンパー検出回路に悪影響を与えることなく基板を除去するように調整されているため、タンパー検出回路間の空間は、タンパー検出回路の電気的整合性は無傷のまま、換気を可能にするためにアブレーションされる可能性がある。
【0031】
いくつかの実施形態では、タンパーセンサトレース間に有機材料を維持することで、タンパー検出システムの短絡を防止することができる。本開示の実施形態による材料のレーザーアブレーションは、タンパー検出回路の領域の背後に影を残すことがある。例えば、レーザーがポリイミド基板をアブレーションし、銅トレースをアブレーションしない場合、ポリイミド基板に重なる銅トレースは、重なったポリイミド基板をアブレーションから保護する。つまり、有機物をアブレーションするように調整されたレーザーは、無機物の背後にある有機物をアブレーションしない。このため、この技術では、タンパーセンサトレース間の有機物は保護される。
【0032】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料600の概略図を示す。材料600の概略図は、セキュア換気材料の第1のセグメント610およびセキュア換気材料の第2のセグメント620を示す。第1のセグメント610は、有機材料612(例えば、ポリイミド基板)およびタンパー検出システムのトレース614(例えば、銅)を含む。
【0033】
第1のセグメント610は、第1切り込み616aおよび第2切り込み616bを含む。切り込みは、垂直、角度付き、角付き、またはそれらのいくつかの組み合わせであってよい。切り込みは、換気(例えば、一方の側から他方の側へのガスの流れ)を可能にするために、第1の側(例えば、保護された資源に面する側)と第2の側(例えば、外部に面する側)とを接続しなければならない。第1のセグメント610において、第1切り込み616aは、まっすぐな垂直切り込みである。第2の切り込み616bは、角度のある切り込みである。いくつかの実施形態では、第2の切り込み616bのような角度のついた切り込みは、保護された資源への不正アクセスの成功の難易度を高めるために好ましい場合がある。
【0034】
いくつかの実施形態において、切り込みは、材料を複数回アブレーションすることによって形成することができる。第1のアブレーションは、有機材料の第1の側にレーザー穿孔されてもよく、第2のアブレーションは、有機材料の第2の側にレーザー穿孔されてもよい。いくつかの実施形態において、第1のアブレーションおよび第2のアブレーションによって形成される切り込みの角度は、60°~120°の間である。切り込みの角度は、2つのアブレーションが合流または交差する場所であってもよい。
【0035】
セキュア換気材料の第2のセグメント620は、有機材料622(例えば、ポリイミド基板)およびタンパー検出システムのトレース624(例えば、銅)を有する。第2のセグメント620は、第1の切り込み626a、第2の切り込み626b、および第3の切り込み626cを含む。第1の切り込み626aは垂直切り込みであり、第2の切り込み626bは角度のある切り込みであり、第3の切り込み626cは角のある切り込みである。
【0036】
図6において、第3の切り込み626cのベクトル(切り込みの直線部分)は、ほぼ直角(90°の角度)に交わる。材料の第1の側と材料の第2の側との間で換気が促進される限り、本開示による他の会合角度が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、35°の会合角度が好ましい場合があり、一方、他の実施形態では、155°の会合角度が好ましい場合がある。本開示のいくつかの実施形態では、正確な90°の角度が好ましい場合があり、本開示のいくつかの実施形態では、60°~120°の範囲の会合角度が好ましい場合がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の角のある切り込みを採用することができる。このような実施形態では、換気材料全体にわたって同じ会合角度を使用することができる。例えば、全ての切り込みベクトルが約85°の角度で交わってもよい。このような実施形態では、切り込みの会合角度を変化させてもよい。例えば、3つの換気切り込みを有する材料は、102°、93°、および24°の会合角度を有することができる。いくつかの実施形態では、独自の会合角度と複製された会合角度の組み合わせを使用することができる。例えば、4つの換気切り込みを有する材料は、102°、93°、24°および93°の会合角度を有することができる。
【0038】
換気切り込みは、1つの材料に1回または複数回使用することができる。いくつかの実施形態では、換気材料は、セキュアシステムの比較的小さな部材であってもよい。例えば、換気材料は、切り込み開口部の両側に機械的な缶を貫通する開口部が存在するように機械的な缶に埋め込まれてもよい。このような実施形態では、機械的な缶の適切な開口部を最小化するために、切り込みが少ない(例えば、1つだけ)ことが好ましい場合がある。いくつかの実施形態では、換気材料は、機械的な缶の内部に貼り付けるのではなく、機械的な缶の上に貼り付けてもよい。このような実施形態では、機械的な缶の開口部の大きさを最小にする一方で、開口部の換気能力を最大にするために、切り込みが少ない(例えば、3つ)ことが好ましい場合がある。
【0039】
いくつかの実施形態では、換気材料はセキュアエンクロージャ全体を形成することができる。例えば、換気材料は、多角形の三角形の接合部の内側に貼り付けられた磁石を使用して保護された資源を浮かせる多角形の球体を囲む球体を形成してもよい。このような実施形態では、保護された資源を換気するために複数の切り込み(例えば、多角形の様々な線の中心上に1つ)を使用することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、有機材料および有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路は、保護された容積を完全に封入することができる。タンパー検出システムのいくつかの実施形態は、機械的な缶をさらに含むことができる。機械的な缶は、機械的な開口部を含むことができる。有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路は、機械的な缶の機械的な開口部の上に貼り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、本開示によるタンパー検出方法は、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を機械的な缶に貼り付けることを含むことができる。機械的な缶は、機械的な開口部を含んでもよく、有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路は、機械的な缶の機械的な開口部の上に貼り付けられてもよい。
【0041】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を利用するシステム700を示す。第1の視点は、システム700の断面
図700aを示し、第2の視点は、システム700を上から見た
図700bを示す。
【0042】
システム700は、保護された資源706の周囲の回路基板704に接続する機械的な缶702を含む。機械的な缶702は、機械的な開口部712を有する。機械的な開口部712は、例えば、機械的な缶702を貫通する穴であってもよい。換気材料714は、保護された資源706のある側で機械的な缶702に取り付けられる。システム700は、機械的な缶702の内側全周に延びるタンパーセンサ716をさらに含む。
【0043】
この実施形態では、換気材料714は、タンパーセンサ716の保護された資源706側にある。他の実施形態では、換気材料714は、タンパーセンサ716と機械的な缶702との間にあってもよく、タンパーセンサ716と結合ユニットとして一体化されていてもよい。例えば、タンパーセンサ716は、換気材料714の有機物中に埋め込まれてもよく、そのような実施形態では、換気材料の有機物は、タンパーセンサ716の一部または全体を覆ってもよい。
【0044】
システム700は、上から見た
図700bでも示されている。上から見た
図700bは、機械的な缶702、回路基板704、および機械的な缶702の機械的な開口部712を通したタンパーセンサ716を示す。上から見た
図700bは、機械的な缶702内の第2の機械的な開口部722を示す。この実施形態では、タンパーセンサ716は、保護された資源全体の周囲に延びており、そのため、タンパーセンサ716は、機械的な開口部712および第2の機械的な開口部722の両方を通して見える。
【0045】
いくつかの実施形態において、タンパー検出システムは、切り込みに隣接する有機材料の第1の側に貼り付けられたワイヤトラップをさらに含むことができる。ワイヤトラップは、タンパー検出センサおよびボンド部材を含むことができる。タンパー検出センサは、ボンド部材を介して、有機材料に取り付けられてもよい。ボンド部材は、タンパー検出センサを有機材料から物理的に分離することができる。
【0046】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料800の概略図を示す。材料800の概略図は、ワイヤトラップ換気材料810、ワイヤトラップ820のスライスされた側面
図820aおよび上面
図820bを示す。ワイヤトラップ換気材料810は、有機材料812およびタンパー検出トレース814を含む。ワイヤトラップ換気材料810は、角度のある換気切り込み816を含む。ワイヤトラップ換気材料810はさらにワイヤトラップ820を含む。
【0047】
ワイヤトラップ820は、スライスされた側面
図820aおよび上面
図820bで示されている。ワイヤトラップ820は、タンパーセンサ824を有する。タンパーセンサ824は、タンパー検出回路の一部として固体金属板または銅織布を含むことができる。いくつかの実施形態において、タンパーセンサ824は、換気がボンド部材828の周囲で生じる可能性があるため、非通気性材料(例えば、銅板)の固体セグメントを含んでもよい。ボンド部材828は、流体(例えば、空気)がワイヤトラップ820と換気材料810の残りの部分との間を流れることができるように、ワイヤトラップ820を換気材料810の残りの部分から物理的に分離することができる。
【0048】
この実施形態では、タンパーセンサ824は、有機ベース822(例えば、ポリイミド基板)上にある。いくつかの実施形態では、タンパーセンサ824は、有機ベース822から独立して存在してもよい。
【0049】
ワイヤトラップ820の上面
図820bは、ボンド部材828がタンパーセンサ824上でL字形状であることを示している。ボンド部材828は、ワイヤトラップ820と換気材料810の残りの部分との間の流体の流れを可能にする任意の形状であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、ボンド部材828は、タンパーセンサ824を換気材料810の残りの部分に接続するボンドセグメントの1つ以上の柱を含むことができる。
【0050】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、セキュア換気を有する材料を利用するシステム900を示す。システム900は、保護された資源906の周囲の回路基板904に接続する機械的な缶902を含む。機械的な缶902は、機械的な開口部912を有する。システム900はさらに、機械的な缶902の内側全周に延びるタンパーセンサ916を含む。換気材料914は、保護された資源906がある側で機械的な缶902に取り付けられる。換気材料914と保護された資源906との間の換気材料914には、ワイヤトラップ918が取り付けられる。
【0051】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、方法、ツール、およびモジュールの1つ以上、ならびに関連機能を実施する際に使用され得る例示的なコンピュータシステムのハイレベルブロック図を示す。
図10に示される構成要素、レイヤ、および機能は、例示のみを意図するものであり、本開示の実施形態はこれに限定されないことを予め理解されたい。以下に示すように、以下のレイヤおよび対応する機能が提供される。
【0052】
ハードウェアおよびソフトウェアレイヤ1015は、ハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントを含む。ハードウェアコンポーネントの例には、メインフレーム1002、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャベースのサーバ1004、サーバ1006、ブレードサーバ1008、記憶装置1011、ならびにネットワークおよびネットワークコンポーネント1012が含まれる。いくつかの実施形態において、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア1014を含むことができる。ハードウェアおよびソフトウェアレイヤ1015は、セキュア換気1016を有するタンパー検出システムをさらに含むことができる。
【0053】
仮想化レイヤ1020は、抽象化レイヤを提供する。当該レイヤから、例えば以下の仮想エンティティを提供することができる:仮想サーバ1022、仮想ストレージ1024、仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク1026、仮想アプリケーションおよびオペレーティングシステム1028、ならびに仮想クライアント1030。
【0054】
一例として、管理レイヤ1040は以下の機能を提供することができる。リソース準備1042は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソースおよび他のリソースの動的な調達を可能にする。計量および価格設定1044は、クラウドコンピューティング環境内でリソースが利用される際のコスト追跡、およびこれらのリソースの消費に対する請求またはインボイス送付を可能にする。一例として、これらのリソースはアプリケーションソフトウェアのライセンスを含んでよい。セキュリティは、データおよび他のリソースに対する保護のみならず、クラウドコンシューマおよびタスクの識別確認を可能にする。ユーザポータル1046は、コンシューマおよびシステム管理者にクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理1048は、要求されたサービスレベルが満たされるように、クラウドコンピューティングリソースの割り当ておよび管理を可能にする。サービス品質保証(SLA)の計画および履行1050は、SLAに従って将来必要になると予想されるクラウドコンピューティングリソースの事前手配および調達を可能にする。
【0055】
ワークロードレイヤ1060は、クラウドコンピューティング環境が利用可能な機能の例を提供する。このレイヤから提供可能なワークロードおよび機能の例には、マッピングおよびナビゲーション1062、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理1064、仮想教室教育の配信1066、データ分析処理1068、取引処理1070、ならびに、データ生成ツール1072が含まれる。
【0056】
本開示は、特定の実施形態の観点から説明されてきたが、その変更および修正が当業者に明らかになることが予想される。本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることを意図するものではなく、開示される実施形態に限定されることを意図するものでもない。本発明の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更が可能であることは当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用または技術的改善を最もよく説明するため、または当業者が本明細書に記載の実施形態を理解できるようにするために選択された。したがって、以下の特許請求の範囲は、本開示の真の範囲に入るような全ての変更および修正をカバーするものとして解釈されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパー検出システムであって、前記システムは、
有機材料と、
前記有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路と、を含み、
前記有機材料に切り込みを形成するために前記有機材料の一部がアブレーションされ、
前記タンパー検出回路の一部が、アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
タンパー検出システム。
【請求項2】
前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に貼り付けられたワイヤトラップをさらに含み、
前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項3】
前記切り込みは、前記
有機材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項4】
前記第1のアブレーションおよび前記第2のアブレーションによって形成される前記切り込みの角度は、60°から120°の間である、
請求項3に記載のタンパー検出システム。
【請求項5】
前記切り込みは、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を有機物除去機構にさらすことによって形成され、前記有機物除去機構は、無機物を除去しない一方で有機物を除去する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項6】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記レーザーの前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項5に記載のタンパー検出システム。
【請求項7】
機械的な缶をさらに含み、
前記機械的な缶は、機械的な開口部を含み、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、前記機械的な缶の前記機械的な開口部の上に貼り付けられる、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項8】
前記有機材料および、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、保護された容積を完全に封入する、
請求項1に記載のタンパー検出システム。
【請求項9】
タンパー検出システムの製造方法であって、前記方法は、
有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を得ることと、
切り込みを形成するために前記有機材料の一部をアブレーションすることと、を含み、
前記切り込みをアブレーションすることは、アブレーション経路内の有機材料を除去し、
前記タンパー検出回路の一部が、前記アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
タンパー検出システムの製造方法。
【請求項10】
ワイヤトラップは、前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に貼り付けられ、前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記切り込みは、前記
有機材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項9に記載
の方法。
【請求項12】
前記第1のアブレーションおよび前記第2のアブレーションによって形成される前記切り込みの角度は、60°から120°の間である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記切り込みは、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を有機物除去機構にさらすことによって形成され、前記有機物除去機構は、無機物を除去しない一方で有機物を除去する、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路を機械的な缶に貼り付けることを含み、
前記機械的な缶は、機械的な開口部を含み、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、前記機械的な缶の前記機械的な開口部の上に貼り付けられる、
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記有機材料および、前記有機材料に埋め込まれた前記タンパー検出回路は、保護された容積を完全に封入する、
請求項9に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、組み込まれたプログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラム命令は、プロセッサに機能を実行させるために前記プロセッサによって実行可能であり、前記機能は、
有機材料に埋め込まれたタンパー検出回路を得ることと、
切り込みを形成するために前記有機材料の一部をアブレーションすることと、を含み、
前記切り込みをアブレーションすることは、アブレーション経路内の有機材料を除去し、
前記タンパー検出回路の一部が、前記アブレーション経路の断片を妨害し、
前記タンパー検出回路は無傷のままであり、
前記切り込みが、前記有機材料の第1の側と前記有機材料の第2の側との間のガス流を可能にする、
コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
ワイヤトラップは、前記切り込みに隣接する前記有機材料の前記第1の側に取り付けられ、前記ワイヤトラップは、タンパー検出センサとボンド部材とを含み、前記タンパー検出センサは、前記ボンド部材を介して前記有機材料に取り付けられ、前記ボンド部材は、前記タンパー検出センサを前記有機材料から物理的に分離する、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記切り込みは、前記
有機材料を複数回アブレーションすることによって形成され、第1のアブレーションは、前記有機材料の前記第1の側にレーザー穿孔され、第2のアブレーションは、前記有機材料の前記第2の側にレーザー穿孔される、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記有機物除去機構は、前記タンパー検出回路に悪影響を与えない一方で前記有機材料をアブレーションするように調整されたレーザーであり、前記レーザーのドリル経路内の前記有機材料は除去され、前記ドリル経路内の前記タンパー検出回路は無傷のままである、
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】