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特表2024-526022高解像度3Dナノファブリケーションのための系及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】高解像度3Dナノファブリケーションのための系及び方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20240709BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20240709BHJP
   G03H 1/26 20060101ALI20240709BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240709BHJP
   B82Y 20/00 20110101ALI20240709BHJP
   C09B 23/00 20060101ALN20240709BHJP
   C09B 57/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C08L101/00
G02B5/18
G03H1/26
G02B5/30
B82Y20/00
C09B23/00
C09B57/00 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572702
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022031205
(87)【国際公開番号】W WO2022251546
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,321
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523442024
【氏名又は名称】イレイディアント テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オラン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ミークス,エイモス
(72)【発明者】
【氏名】シンジャーリ,シーラン
【テーマコード(参考)】
2H149
2H249
2K008
4J002
【Fターム(参考)】
2H149BB28
2H249AA31
2H249AA37
2H249AA42
2H249AA48
2K008DD01
4J002AA001
4J002AB001
4J002BG041
4J002BG051
4J002BG061
4J002BG131
4J002CP031
4J002DA016
4J002DA027
4J002DA047
4J002DA116
4J002DB007
4J002DE097
4J002DE107
4J002DE157
4J002DF017
4J002DG027
4J002DG037
4J002DH007
4J002DJ007
4J002DK007
4J002EJ066
4J002EL097
4J002EP007
4J002ER007
4J002EU026
4J002EU036
4J002EV236
4J002EV326
4J002EY016
4J002FD096
4J002FD206
4J002FD207
4J002GE00
4J002GM00
4J002GP00
4J002GP01
4J002GP03
4J002GQ00
4J002GQ05
(57)【要約】
複雑な三次元ナノ構造を可能にし得るナノファブリケーションのための系及び方法であって、ゲル足場を硬化させることと、感光性パターニング材料を用いてゲル足場をパターニングすることであって、光を使用して、感光性パターニング材料をゲル足場へとパターニングして、所望の構築物の形状を作製する(すなわち、所望の構築物形状の潜在パターンを作製する)、パターニングすることと、構築材料を潜在パターン上に堆積させ、それによって構築物を作製することと、構築物を所望のサイズへ縮小することと、を含む、系及び方法。系及び方法は、感光性分子の感光性、及び高解像度構築物の製作のための高精度の光位置決めを活用する。系及び方法は、単純な材料設計及び複雑な材料設計のナノ構築物の製作を可能にし得、構築物が、複数の別個の構築材料及び構築材料の勾配を実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノファブリケーションプラットフォームのための系であって、
●ゲル足場と、
●前記ゲル足場に選択的に結合し、非キサンテン系発色団を含む、潜在パターニング材料と、
●前記潜在パターニング材料に結合する共役化学物質を含む、構築材料と、で構成される、系。
【請求項2】
前記潜在パターニング材料が、反応性基を更に含み、前記反応性基が、前記潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて前記ゲル足場に選択的に結合する、請求項1に記載の系。
【請求項3】
前記反応性中間体が、ラジカル生成が可能な小分子を含む、請求項2に記載の系。
【請求項4】
前記反応性中間体が、酸素を含む、請求項3に記載の系。
【請求項5】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン染料である、請求項4に記載の系。
【請求項6】
前記ポリメチン染料が、スクアリン又はスクアリン誘導体からなる、請求項5に記載の系。
【請求項7】
前記潜在パターニング材料が、ドナー-アクセプタ架橋を更に含む、請求項5に記載の系。
【請求項8】
前記ゲル足場が、水和ゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含み、前記系が、前記ゲル足場の厚さを設定する機械的スペーサを更に含む、請求項11に記載の系。
【請求項9】
前記系は、前記ゲル足場が表面に接着することを可能にする結合基を更に含む、請求項1に記載の系。
【請求項10】
前記結合基が、シラン又はシロキサンからなる、請求項9に記載の系。
【請求項11】
マスクを更に含み、前記マスクが、前記ゲル足場の指定された領域上の光を遮断、低減、又は方向転換させる、請求項1に記載の系。
【請求項12】
前記マスクが、光を遮断又は低減する画素で構成されるデジタルマスクを含む、請求項11に記載の系。
【請求項13】
前記マスクが、デジタルマイクロミラーデバイスである、請求項12に記載の系。
【請求項14】
前記マスクが、空間光モジュレータである、請求項12に記載の系。
【請求項15】
前記マスクが、位相マスクである、請求項12に記載の系。
【請求項16】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン又はジピロメテンからなる群から選択される、請求項1に記載の系。
【請求項17】
前記潜在パターニング材料が、シアニンを含む、請求項16に記載の系。
【請求項18】
前記潜在パターニング材料が、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン、及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項17に記載の系。
【請求項19】
前記潜在パターニング材料が、スクアライン及びそれらの誘導体(例えば、スルホン化誘導体)を含む、請求項16に記載の系。
【請求項20】
前記潜在パターニング材料が、対称及び非対称インドール系スクアライン、対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアライン、スクアリリウム、並びにそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項19に記載の系。
【請求項21】
前記潜在パターニング材料が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)及びその環置換誘導体を含む、請求項16に記載の系。
【請求項22】
前記構築材料が、グラファイト、グラフェン、ナノチューブ、ダイヤモンド、アモルファス、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C)、炭化ケイ素(4H)、炭化ケイ素(6H)、炭化ケイ素(-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、ケイ素スズ、硫黄、セレン、テルル、窒化ホウ素(6eV-cubic)、窒化ホウ素(六方晶系)、窒化ホウ素(ナノチューブ)、リン化ホウ素、ヒ化ホウ素、アンチモン化ホウ素、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、アンチモン化ガリウム、窒化インジウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、アンチモン化インジウム、リン化インジウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化スズ、硫化スズ、セレン化スズ、テルル化スズ、酸化鉛、硫化鉛、セレン化鉛、及びテルル化鉛からなる群から選択される、請求項1に記載の系。
【請求項23】
前記ゲル足場が、アガロース、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項1に記載の系。
【請求項24】
ナノファブリケーションプラットフォームのための系であって、
●ゲル足場と、
●感光性潜在パターニング材料であって、
・反応性基であって、前記反応性基が、前記潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて前記ゲル足場に選択的に結合する、反応性基を含む、感光性潜在パターニング材料と、
●前記潜在パターニング材料に結合する配位化学物質を含む、構築材料と、で構成される、系。
【請求項25】
前記反応性中間体が、ラジカル生成が可能な小分子を含む、請求項24に記載の系。
【請求項26】
前記反応性中間体が、酸素を含む、請求項25に記載の系。
【請求項27】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン染料である、請求項26に記載の系。
【請求項28】
前記ポリメチン染料が、スクアライン又はスクアライン誘導体を含む、請求項27に記載の系。
【請求項29】
前記潜在パターニング材料が、ドナー-アクセプタ架橋を更に含む、請求項27に記載の系。
【請求項30】
前記潜在パターニング材料が、非キサンテン系発色団を含む、請求項24に記載の系。
【請求項31】
前記ゲル足場が、水で飽和されたゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含み、前記系が、前記ゲル足場の厚さを設定する機械的スペーサを更に含む、請求項24に記載の系。
【請求項32】
前記系は、前記ゲル足場が表面に接着することを可能にする結合基を更に含む、請求項24に記載の系。
【請求項33】
前記結合基が、シラン又はシロキサンからなる、請求項32に記載の系。
【請求項34】
マスクを更に含み、前記マスクが、前記ゲル足場の指定された領域上の光を遮断又は低減する、請求項24に記載の系。
【請求項35】
前記マスクが、光を遮断又は低減する画素で構成されるデジタルマスクを含む、請求項34に記載の系。
【請求項36】
前記マスクが、デジタルマイクロメータデバイスである、請求項35に記載の系。
【請求項37】
前記マスクが、空間モジュレータである、請求項36に記載の系。
【請求項38】
前記マスクが、位相マスクである、請求項37に記載の系。
【請求項39】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン、フルオレセイン、又はジピロメテンからなる群から選択される、請求項24に記載の系。
【請求項40】
前記潜在パターニング材料が、シアニン及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項39に記載の系。
【請求項41】
前記潜在パターニング材料が、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン、及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項40に記載の系。
【請求項42】
前記潜在パターニング材料が、対称及び非対称インドール系スクアライン、対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアライン、スクアリリウム、並びにそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項39に記載の系。
【請求項43】
前記潜在パターニング材料が、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate、FITC)の5及び/若しくは6-異性体、フルオレセインカダベリン(5-アミノペンチル)チオウレイジル)フルオレセイン)、フルオレセイニルグリシンアミド(5-(アミノアセトアミド)フルオレセイン)、又はNHS-フルオレセイン(5-(6)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル)を含む、請求項39に記載の系。
【請求項44】
前記潜在パターニング材料が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)及びその環置換誘導体を含む、請求項39に記載の系。
【請求項45】
前記構築材料が、グラファイト、グラフェン、ナノチューブ、ダイヤモンド、アモルファス、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C)、炭化ケイ素(4H)、炭化ケイ素(6H)、炭化ケイ素(-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、ケイ素スズ、硫黄、セレン、テルル、窒化ホウ素(6eV-cubic)、窒化ホウ素(六方晶系)、窒化ホウ素(ナノチューブ)、リン化ホウ素、ヒ化ホウ素、アンチモン化ホウ素、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、アンチモン化ガリウム、窒化インジウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、アンチモン化インジウム、リン化インジウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化スズ、硫化スズ、セレン化スズ、テルル化スズ、酸化鉛、硫化鉛、セレン化鉛、及びテルル化鉛からなる群から選択される、請求項24に記載の系。
【請求項46】
前記ゲル足場が、アガロース、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項24に記載の系。
【請求項47】
強化されたリソグラフィナノファブリケーションプラットフォームのための系であって、
●ゲル足場と、
●感光性潜在パターニング材料と、
●前記潜在パターニング材料に結合する配位化学物質を含む、構築材料と、
●ピコ秒のオーダーの光パルスを提供することが可能な光源と、で構成される、系。
【請求項48】
前記系が、爆縮ファブリケーション動作モードを有し、前記感光性潜在パターニング材料に対して、前記光源が、前記潜在パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間量だけ分離された光パルスを提供する、請求項47に記載の系。
【請求項49】
前記潜在パターニング材料が、Cy5又はCy5誘導体からなり、前記爆縮ファブリケーション動作モードで、前記光源が、10μs未満だけ分離された光パルスを提供する、48に記載の系。
【請求項50】
前記潜在パターニング材料が、非キサンテン系発色団を含む、請求項47に記載の系。
【請求項51】
前記潜在パターニング材料が、反応性基を更に含み、前記反応性基が、前記潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて前記ゲル足場に選択的に結合する、請求項47に記載の系。
【請求項52】
前記反応性基が、ラジカル生成が可能な小分子を含む、請求項51に記載の系。
【請求項53】
前記反応性基が、酸素を含む、請求項52に記載の系。
【請求項54】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン染料である、請求項52に記載の系。
【請求項55】
前記ポリメチン染料が、スクアリン又はスクアリン誘導体からなる、請求項54に記載の系。
【請求項56】
前記潜在パターニング材料が、ドナー-アクセプタ架橋を更に含む、請求項54に記載の系。
【請求項57】
前記ゲル足場が、水で飽和されたゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含み、前記系が、前記ゲル足場の厚さを設定する機械的スペーサを更に含む、請求項47に記載の系。
【請求項58】
前記系は、前記ゲル足場が表面に接着することを可能にする結合基を更に含む、請求項47に記載の系。
【請求項59】
前記結合基が、シラン又はシロキサンからなる、請求項58に記載の系。
【請求項60】
マスクを更に含み、前記マスクが、前記ゲル足場の指定された領域上の光を遮断又は低減する、請求項47に記載の系。
【請求項61】
前記マスクが、光を遮断又は低減する画素で構成されるデジタルマスクを含む、請求項60に記載の系。
【請求項62】
前記マスクが、デジタルマイクロメータデバイスである、請求項60に記載の系。
【請求項63】
前記マスクが、空間モジュレータである、請求項60に記載の系。
【請求項64】
前記マスクが、位相マスクである、請求項60に記載の系。
【請求項65】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン、フルオレセイン、又はジピロメテンからなる群から選択される、請求項47に記載の系。
【請求項66】
前記潜在パターニング材料が、シアニン及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項65に記載の系。
【請求項67】
前記潜在パターニング材料が、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン、及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項66に記載の系。
【請求項68】
前記潜在パターニング材料が、対称及び非対称インドール系スクアライン、対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアライン、スクアリリウム、並びにそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項65に記載の系。
【請求項69】
前記潜在パターニング材料が、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)の5及び/若しくは6-異性体、フルオレセインカダベリン(5-アミノペンチル)チオウレイジル)フルオレセイン)、フルオレセイニルグリシンアミド(5-(アミノアセトアミド)フルオレセイン)、又はNHS-フルオレセイン(5-(6)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル)を含む、請求項65に記載の系。
【請求項70】
前記潜在パターニング材料が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)及びその環置換誘導体を含む、請求項65に記載の系。
【請求項71】
前記構築材料が、グラファイト、グラフェン、ナノチューブ、ダイヤモンド、アモルファス、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C)、炭化ケイ素(4H)、炭化ケイ素(6H)、炭化ケイ素(-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、ケイ素スズ、硫黄、セレン、テルル、窒化ホウ素(6eV-cubic)、窒化ホウ素(六方晶系)、窒化ホウ素(ナノチューブ)、リン化ホウ素、ヒ化ホウ素、アンチモン化ホウ素、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、ニトルディ(nitrdie)ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、アンチモン化ガリウム、窒化インジウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、アンチモン化インジウム、リン化インジウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化スズ、硫化スズ、セレン化スズ、テルル化スズ、酸化鉛、硫化鉛、セレン化鉛、及びテルル化鉛からなる群から選択される、請求項47に記載の系。
【請求項72】
前記ゲル足場が、アガロース、加熱混合アスファルト、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項47に記載の系。
【請求項73】
ナノファブリケーションプラットフォームのための系であって、
●ゲル足場であって、前記ゲル足場が、水和ゲルを含む、ゲル足場と、
●感光性潜在パターニング材料と、
●前記潜在パターニング材料に結合する配位化学物質を含む、構築材料と、で構成される、系。
【請求項74】
機械的スペーサを更に含み、前記機械的スペーサが、前記ゲルの厚さを設定する、請求項73に記載の系。
【請求項75】
前記潜在パターニング材料が、反応性基を更に含み、前記反応性基が、前記潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて前記ゲル足場に選択的に結合する、請求項73に記載の系。
【請求項76】
前記反応性基が、ラジカル生成が可能な小分子を含む、請求項75に記載の系。
【請求項77】
前記反応性基が、酸素を含む、請求項76に記載の系。
【請求項78】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン染料である、請求項76に記載の系。
【請求項79】
前記ポリメチン染料が、スクアリン又はスクアリン誘導体からなる、請求項78に記載の系。
【請求項80】
前記潜在パターニング材料が、ドナー-アクセプタ架橋を更に含む、請求項78に記載の系。
【請求項81】
前記系は、前記ゲル足場が表面に接着することを可能にする結合基を更に含む、請求項73に記載の系。
【請求項82】
前記結合基が、シラン又はシロキサンからなる、請求項81に記載の系。
【請求項83】
マスクを更に含み、前記マスクが、前記ゲル足場の指定された領域上の光を遮断又は低減する、請求項73に記載の系。
【請求項84】
前記マスクが、光を遮断又は低減する画素で構成されるデジタルマスクを含む、請求項83に記載の系。
【請求項85】
前記マスクが、デジタルマイクロメータデバイスである、請求項83に記載の系。
【請求項86】
前記マスクが、空間モジュレータである、請求項83に記載の系。
【請求項87】
前記マスクが、位相マスクである、請求項83に記載の系。
【請求項88】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン、フルオレセイン、又はジピロメテンからなる群から選択される、請求項73に記載の系。
【請求項89】
前記潜在パターニング材料が、シアニン及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項88に記載の系。
【請求項90】
前記潜在パターニング材料が、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン、及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項89に記載の系。
【請求項91】
前記潜在パターニング材料が、対称及び非対称インドール系スクアライン、対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアライン、スクアリリウム、並びにそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項88に記載の系。
【請求項92】
前記潜在パターニング材料が、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)の5及び/若しくは6-異性体、フルオレセインカダベリン(5-アミノペンチル)チオウレイジル)フルオレセイン)、フルオレセイニルグリシンアミド(5-(アミノアセトアミド)フルオレセイン)、又はNHS-フルオレセイン(5-(6)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル)を含む、請求項88に記載の系。
【請求項93】
前記潜在パターニング材料が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)及びその環置換誘導体を含む、請求項88に記載の系。
【請求項94】
前記構築材料が、グラファイト、グラフェン、ナノチューブ、ダイヤモンド、アモルファス、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C)、炭化ケイ素(4H)、炭化ケイ素(6H)、炭化ケイ素(-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、ケイ素スズ、硫黄、セレン、テルル、窒化ホウ素(6eV-cubic)、窒化ホウ素(六方晶系)、窒化ホウ素(ナノチューブ)、リン化ホウ素、ヒ化ホウ素、アンチモン化ホウ素、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、ニトルディ(nitrdie)ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、アンチモン化ガリウム、窒化インジウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、アンチモン化インジウム、リン化インジウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化スズ、硫化スズ、セレン化スズ、テルル化スズ、酸化鉛、硫化鉛、セレン化鉛、及びテルル化鉛からなる群から選択される、請求項73に記載の系。
【請求項95】
前記ゲル足場が、アガロース、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項73に記載の系。
【請求項96】
ナノファブリケーションプラットフォームのための系であって、
●ゲル足場と、
●前記ゲル足場が表面に接着することを可能にする結合基と、
●感光性潜在パターニング材料と、
●前記潜在パターニング材料に結合する配位化学物質を含む、構築材料と、で構成される、系。
【請求項97】
前記結合基が、シラン又はシロキサンからなる、請求項96に記載の系。
【請求項98】
前記結合基が、一般式R’-(CH-Si(OR)を有するモノシランを含み、式中、R’が、前記ゲル足場に結合することが可能である官能基であり、Rが、アルキル基である、請求項97に記載の系。
【請求項99】
前記結合基が、一般式R’-(L)-Si(OR)を有するシラン試薬を含み、式中、
●Rが、アルキル基であり、
●Lが、C-C、C-O、又はC-N結合からなる、長さnの安定な有機リンカーであり、
●R’が、前記ゲル足場と共有結合を形成することが可能であるように、段階的重合又は連鎖成長重合が可能な官能基である、請求項97に記載の系。
【請求項100】
前記結合基が、前記ゲル足場と反対の電荷を有する官能基を含む、請求項96に記載の系。
【請求項101】
前記潜在パターニング材料が、反応性基を更に含み、前記反応性基が、前記潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて前記ゲル足場に選択的に結合する、請求項96に記載の系。
【請求項102】
前記反応性中間体が、ラジカル生成が可能な小分子を含む、請求項101に記載の系。
【請求項103】
前記反応性中間体が、酸素を含む、請求項102に記載の系。
【請求項104】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン染料である、請求項102に記載の系。
【請求項105】
前記ポリメチン染料が、スクアリン又はスクアリン誘導体からなる、請求項104に記載の系。
【請求項106】
前記潜在パターニング材料が、ドナー-アクセプタ架橋を更に含む、請求項104に記載の系。
【請求項107】
前記ゲル足場が、水和ゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含み、前記系が、前記ゲル足場の厚さを設定する機械的スペーサを更に含む、請求項96に記載の系。
【請求項108】
マスクを更に含み、前記マスクが、前記ゲル足場の指定された領域上の光を遮断又は低減する、請求項96に記載の系。
【請求項109】
前記マスクが、光を遮断又は低減する画素で構成されるデジタルマスクを含む、請求項108に記載の系。
【請求項110】
前記マスクが、デジタルマイクロメータデバイスである、請求項109に記載の系。
【請求項111】
前記マスクが、空間モジュレータである、請求項109に記載の系。
【請求項112】
前記マスクが、位相マスクである、請求項109に記載の系。
【請求項113】
前記潜在パターニング材料が、ポリメチン、フルオレセイン、又はジピロメテンからなる群から選択される、請求項96に記載の系。
【請求項114】
前記潜在パターニング材料が、シアニン及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項113に記載の系。
【請求項115】
前記潜在パターニング材料が、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン、及びそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項114に記載の系。
【請求項116】
前記潜在パターニング材料が、対称及び非対称インドール系スクアライン、対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアライン、スクアリリウム、並びにそれらのスルホン化誘導体を含む、請求項113に記載の系。
【請求項117】
前記潜在パターニング材料が、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)の5及び/若しくは6-異性体、フルオレセインカダベリン(5-アミノペンチル)チオウレイジル)フルオレセイン)、フルオレセイニルグリシンアミド(5-(アミノアセトアミド)フルオレセイン)、又はNHS-フルオレセイン(5-(6)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル)を含む、請求項113に記載の系。
【請求項118】
前記潜在パターニング材料が、4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)及びその環置換誘導体を含む、請求項113に記載の系。
【請求項119】
前記構築材料が、グラファイト、グラフェン、ナノチューブ、ダイヤモンド、アモルファス、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C)、炭化ケイ素(4H)、炭化ケイ素(6H)、炭化ケイ素(-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、ケイ素スズ、硫黄、セレン、テルル、窒化ホウ素(6eV-cubic)、窒化ホウ素(六方晶系)、窒化ホウ素(ナノチューブ)、リン化ホウ素、ヒ化ホウ素、アンチモン化ホウ素、窒化アルミニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、アンチモン化ガリウム、窒化インジウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、アンチモン化インジウム、リン化インジウムガリウム、ヒ化インジウムガリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、酸化スズ、硫化スズ、セレン化スズ、テルル化スズ、酸化鉛、硫化鉛、セレン化鉛、及びテルル化鉛からなる群から選択される、請求項96に記載の系。
【請求項120】
前記ゲル足場が、アガロース、加熱混合アスファルト、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項96に記載の系。
【請求項121】
三次元ナノファブリケーションのための方法であって、
●ゲルをパターニングすることであって、
・ パターニング材料を前記ゲル全体に分散させること、
・ 前記ゲル内の別個の位置で前記パターニング材料を光活性化し、それによって、前記別個の位置で前記ゲルへの前記パターニング材料の選択的結合を引き起こすことであって、前記パターニング材料を光活性化することが、反応性基を介して前記パターニング材料が前記ゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを含む、引き起こすこと、及び
・ 未結合のパターニング材料を除去すること、を含む、パターニングすることと、
●構築材料を前記パターニング材料に結合させることと、
●前記三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む、方法。
【請求項122】
前記反応性中間体を活性化することが、ラジカル生成を開始することを含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記パターニング材料が、前記反応性中間体と相互作用するドナー-アクセプタ架橋を含有するポリメチン染料を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
反応性基リッチ化合物を堆積させることによって、前記反応性基を増幅させることを更に含む、請求項121に記載の方法。
【請求項125】
反応性基リッチ化合物を堆積させることが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、非金属エンハンサを堆積させることを更に含み、前記非金属エンハンサは、前記構築材料が前記パターニング材料上で成長することを可能にする、請求項121に記載の方法。
【請求項127】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることは、構築材料が、隣接するパターニング材料結合部位を架橋するまで、前記構築材料を堆積させることを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記エンハンサは、前記構築材料が成長することを可能にするカルコゲナイドを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記ゲルを硬化させることを更に含み、前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む、請求項121に記載の方法。
【請求項130】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの前に行われる、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの後に行われる、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記構築材料を堆積させることの後に行われる、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記材料を縮小することの後に行われる、請求項129に記載の方法。
【請求項134】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、元のゲルを除去することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項135】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、前記追加のポリマーネットワークを除去することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項136】
前記パターニング材料を光活性化することが、前記ゲル内の前記別個の位置に光パルスを指向させることを含む、請求項121に記載の方法。
【請求項137】
前記光パルスを指向させることが、前記パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間量だけ分離された光パルスを指向させることを含む、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記パターニング材料が、スクアラインであり、光パルスを指向させることが、フェムト秒パルスを指向させることを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記構築材料が、半透明材料を含み、前記構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、屈折率を生成することを含む、請求項121に記載の方法。
【請求項140】
屈折率を生成することが、空間依存屈折率を生成することを含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
イオン交換材料を使用して、空間依存屈折率を生成することを更に含む、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
空間依存屈折率を生成することが、0.05n超の屈折率コントラストを生成することを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
空間依存屈折率を生成することが、カルコゲナイドを使用して、前記構築材料を変換することを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
空間依存性屈折率を生成することが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることによって反応性基を増幅させることを含む、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記ゲルが、水和ゲルを含み、前記ゲルをパターニングすることが、前記ゲルを1つの面で機械的に圧縮し、それによって、圧縮されていない面のパターニングされた解像度を増加させることを更に含む、請求項121に記載の方法。
【請求項146】
1光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
2光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項145に記載の方法。
【請求項148】
●結合基を通じて前記ゲルを表面に接着させることを更に含む、請求項121に記載の方法。
【請求項149】
前記ゲルを表面に接着させることが、シラン又はシロキサンからなる結合基を使用して、前記表面を官能化することを含む、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記ゲルを表面に接着させることが、前記ゲルと反対の電荷の電荷を有する結合基を使用し、それによって前記結合基を前記ゲルに組み込むことを含む、請求項148に記載の方法。
【請求項151】
三次元ナノファブリケーションのための方法であって、
●ゲルをパターニングすることであって、
・パターニング材料を前記ゲル全体に分散させること、
・前記ゲル内の別個の位置で前記パターニング材料を光活性化することであって、前記パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い光パルスを指向させ、それによって、前記別個の位置で前記ゲルへの前記パターニング材料の選択的結合を引き起こすことを含む、光活性化すること、及び
・未結合のパターニング材料を除去すること、を含む、パターニングすることと、
●構築材料を前記パターニング材料に結合させることと、
●前記三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む、方法。
【請求項152】
前記パターニング材料を光活性化することが、前記パターニング材料の反応性基を介して、前記パターニング材料が前記ゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを含む、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記パターニング材料が、前記反応性中間体によって、ドナー-アクセプタ架橋を含有するポリメチン染料を含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
反応性基リッチ化合物を堆積させることによって、前記反応性基を増幅させることを更に含む、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
反応性基リッチ化合物を堆積させることが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、非金属エンハンサを堆積させることを更に含み、前記非金属エンハンサは、前記構築材料が前記パターニング材料上で成長することを可能にする、請求項151に記載の方法。
【請求項157】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることは、構築材料が、隣接するパターニング材料部位間を架橋するまで、前記構築材料を堆積させることを含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記エンハンサは、前記構築材料が成長することを可能にするカルコゲナイドを含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記構築材料が、第1の金属を含み、前記パターニング材料上で前記第1の金属を金属カルコゲンに変換することを更に含む、請求項151に記載の方法。
【請求項160】
前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項159に記載の方法。
●前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記ゲルを硬化させることを更に含み、前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む、請求項151に記載の方法。
【請求項162】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの前に行われる、請求項162に記載の方法。
【請求項163】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの後に行われる、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記構築材料を堆積させることの後に行われる、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記材料を縮小することの後に行われる、請求項162に記載の方法。
【請求項166】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、元のゲルを除去することを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項167】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、前記追加のポリマーネットワークを除去することを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項168】
前記構築材料が、半透明材料を含み、前記構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、屈折率を生成することを含む、請求項151に記載の方法。
【請求項169】
屈折率を生成することが、空間依存屈折率を生成することを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項170】
イオン交換材料を使用して、空間依存屈折率を生成することを更に含む、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
空間依存屈折率を生成することが、0.5n超の屈折率コントラストを生成することを含む、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
空間依存屈折率を生成することが、カルコゲナイドを使用して、前記構築材料を変換することを含む、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
空間依存性屈折率を生成することが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることによって反応性基を増幅させることを含む、請求項173に記載の方法。
【請求項174】
前記ゲルが、水和ゲルを含み、前記ゲルをパターニングすることが、前記ゲルを1つの面で機械的に圧縮し、それによって、圧縮されていない面のパターニング解像度を増加させることを更に含む、請求項151に記載の方法。
【請求項175】
1光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項175に記載の方法。
【請求項176】
2光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
結合基を通じて前記ゲルを表面に接着させることを更に含む、請求項151に記載の方法。
【請求項178】
前記ゲルを表面に接着させることが、シラン又はシロキサンからなる結合基を使用して、前記表面を官能化することを含む、請求項178に記載の方法。
【請求項179】
前記ゲルを表面に接着させることが、前記ゲルと反対の電荷の電荷を有する結合基を使用し、それによって前記結合基を前記ゲルに組み込むことを含む、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
三次元ナノファブリケーションのための方法であって、
●ゲルをパターニングすることであって、前記ゲルが、水和物ゲルを含み、
・前記ゲルを1つの面で機械的に圧縮すること、
・パターニング材料を前記ゲル全体に分散させること、
・前記ゲル内の別個の位置で前記パターニング材料を光活性化し、それによって、前記別個の位置で前記ゲルへの前記パターニング材料の選択的結合を引き起こすこと、及び
・未結合のパターニング材料を除去すること、を含む、パターニングすることと、
●構築材料を前記パターニング材料に結合させることと、
●前記三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む、方法。
【請求項181】
1光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
2光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項180に記載の方法。
【請求項183】
前記パターニング材料を光活性化することが、反応性基を介して、パターニング材料が前記ゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項184】
前記パターニング材料が、前記反応性中間体と相互作用するドナー-アクセプタ架橋を含有するポリメチン染料を含む、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
反応性基リッチ化合物を堆積させることによって、前記反応性基を増幅させることを更に含む、請求項183に記載の方法。
【請求項186】
反応性基リッチ化合物を堆積させることが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、非金属エンハンサを堆積させることを更に含み、前記非金属エンハンサは、前記構築材料が前記パターニング材料上で成長することを可能にする、請求項180に記載の方法。
【請求項188】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることは、構築材料が、隣接するパターニング材料部位間を架橋するまで、前記構築材料を堆積させることを含む、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記エンハンサは、前記構築材料が成長することを可能にするカルコゲナイドを含む、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
前記構築材料が、第1の金属を含み、前記パターニング材料上で前記第1の金属を金属カルコゲンに変換することを更に含む、請求項180に記載の方法。
【請求項191】
前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項190に記載の方法。
【請求項193】
前記ゲルを硬化させることを更に含み、前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項194】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの前に行われる、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの後に行われる、請求項193に記載の方法。
【請求項196】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記構築材料を堆積させることの後に行われる、請求項193に記載の方法。
【請求項197】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記材料を縮小することの後に行われる、請求項193に記載の方法。
【請求項198】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、元のゲルを除去することを含む、請求項193に記載の方法。
【請求項199】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、前記追加のポリマーネットワークを除去することを含む、請求項193に記載の方法。
【請求項200】
前記パターニング材料を光活性化することが、前記ゲル内の前記別個の位置に光パルスを指向させることを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項201】
前記光パルスを指向させることが、前記パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間の長さだけ分離された光パルスを指向させることを含む、請求項200に記載の方法。
【請求項202】
前記パターニング材料が、スクアラインであり、光パルスを指向させることが、フェムト秒パルスを指向させることを含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
前記構築材料が、半透明材料を含み、前記構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、屈折率を生成することを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項204】
屈折率を生成することが、空間依存屈折率を生成することを含む、請求項203に記載の方法。
【請求項205】
イオン交換材料を使用して、空間依存屈折率を生成することを更に含む、請求項203に記載の方法。
【請求項206】
空間依存屈折率を生成することが、0.5n超の屈折率コントラストを生成することを含む、請求項204に記載の方法。
【請求項207】
空間依存屈折率を生成することが、カルコゲナイドを使用して、前記構築材料を変換することを含む、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
空間依存性屈折率を生成することが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることによって反応性基を増幅させることを含む、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
結合基を通じて前記ゲルを表面に接着させることを更に含む、請求項180に記載の方法。
【請求項210】
前記ゲルを表面に接着させることが、シラン又はシロキサンからなる結合基を使用して、前記表面を官能化することを含む、請求項209に記載の方法。
【請求項211】
前記ゲルを表面に接着させることが、前記ゲルと反対の電荷の電荷を有する結合基を使用し、それによって前記結合基を前記ゲルに組み込むことを含む、請求項209に記載の方法。
【請求項212】
三次元ナノファブリケーションのための方法であって、
●結合基を介してゲルを表面に接着させることと、
●前記ゲルをパターニングすることであって、
・パターニング材料を前記ゲル全体に分散させること、
・前記ゲル内の別個の位置で前記パターニング材料を光活性化し、それによって、前記別個の位置で前記ゲルへの前記パターニング材料の選択的結合を引き起こすこと、及び
・未結合のパターニング材料を除去すること、を含む、パターニングすることと、
●構築材料を前記パターニング材料に結合させることと、
●前記三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む、方法。
【請求項213】
前記ゲルを表面に接着させることが、シランからなる結合基を使用して、前記表面を官能化することを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項214】
前記ゲルを表面に接着させることが、前記ゲルと反対の電荷の電荷を有する結合基を使用し、それによって前記結合基を前記ゲルに組み込むことを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項215】
前記パターニング材料を光活性化することが、反応性基を介して、パターニング材料が前記ゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項216】
前記パターニング材料が、前記反応性中間体と相互作用するドナー-アクセプタ架橋を含有するポリメチン染料を含む、請求項215に記載の方法。
【請求項217】
反応性基リッチ化合物を堆積させることによって、前記反応性基を増幅させることを更に含む、請求項215に記載の方法。
【請求項218】
反応性基リッチ化合物を堆積させることが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む、請求項217に記載の方法。
【請求項219】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、非金属エンハンサを堆積させることを更に含み、前記非金属エンハンサは、前記構築材料が前記パターニング材料上で成長することを可能にする、請求項212に記載の方法。
【請求項220】
構築材料を前記パターニング材料に結合させることは、構築材料が、隣接するパターニング材料部位間を架橋するまで、前記構築材料を堆積させることを含む、請求項219に記載の方法。
【請求項221】
前記エンハンサは、前記構築材料が成長することを可能にするカルコゲナイドを含む、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
前記構築材料が、第1の金属を含み、前記パターニング材料上で前記第1の金属を金属カルコゲンに変換することを更に含む、請求項212に記載の方法。
【請求項223】
前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項222に記載の方法。
【請求項224】
前記パターニング材料上で前記金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含む、請求項222に記載の方法。
【請求項225】
前記ゲルを硬化させることを更に含み、前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項226】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの前に行われる、請求項225に記載の方法。
【請求項227】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記ゲルをパターニングすることの後に行われる、請求項225に記載の方法。
【請求項228】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記構築材料を堆積させることの後に行われる、請求項225に記載の方法。
【請求項229】
前記ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことが、前記材料を縮小することの後に行われる、請求項225に記載の方法。
【請求項230】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、元のゲルを除去することを含む、請求項225に記載の方法。
【請求項231】
ポリマーネットワークを除去することを更に含み、前記追加のポリマーネットワークを除去することを含む、請求項225に記載の方法。
【請求項232】
前記パターニング材料を光活性化することが、前記ゲル内の前記別個の位置に光パルスを指向させることを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項233】
前記光パルスを指向させることが、前記パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間の長さだけ分離された光パルスを指向させることを含む、請求項232に記載の方法。
【請求項234】
前記パターニング材料が、スクアラインであり、光パルスを指向させることが、フェムト秒パルスを指向させることを含む、請求項233に記載の方法。
【請求項235】
前記構築材料が、半透明材料を含み、前記構築材料を前記パターニング材料に結合させることが、屈折率を生成することを含む、請求項212に記載の方法。
【請求項236】
屈折率を生成することが、空間依存屈折率を生成することを含む、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
イオン交換材料を使用して、空間依存屈折率を生成することを更に含む、請求項235に記載の方法。
【請求項238】
空間依存屈折率を生成することが、0.5n超の屈折率コントラストを生成することを含む、請求項236に記載の方法。
【請求項239】
空間依存屈折率を生成することが、カルコゲナイドを使用して、前記構築材料を変換することを含む、請求項238に記載の方法。
【請求項240】
空間依存性屈折率を生成することが、ポリ(アミド)アミンを堆積させることによって反応性基を増幅させることを含む、請求項239に記載の方法。
【請求項241】
前記ゲルが、水和ゲルを含み、前記ゲルをパターニングすることが、前記ゲルを1つの面で機械的に圧縮し、それによって、圧縮されていない面のパターニング解像度を改善することを更に含む、請求項212に記載の方法。
【請求項242】
1光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項241に記載の方法。
【請求項243】
2光子リソグラフィを使用することを更に含む、請求項241に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年5月26日出願の米国仮出願第63/193,321号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、ナノファブリケーションの分野、より具体的には、三次元ナノファブリケーションのための新しく有用な系及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ナノファブリケーションは、前世紀に我々の技術の重要な部分となった技術である。それは、フォトニクス、マイクロプロセッサ開発、微小電気機械系の分野において特に重要になっており、バイオテクノロジー及びマイクロ流体工学などの現代技術の他の局面では速度が上がっている。
【0004】
現在のナノファブリケーション技法は、主に、二次元層を互いの上に構築して三次元物体を生成する、プレーナプロセス(planar process)に由来する。この方法は、いくつかの構築物では機能し得るが、プレーナプロセスは、多くの局面では(例えば、上に構築するための支持体を欠く構築物では)、厳密な三次元製作技法としてうまく機能せず、これを理由として、2.5D製作技法とみなされている。追加的に、現在のナノファブリケーション技法は、複数の材料で作製された物体を作製すること、又は構築物勾配を組み込んだ物体を作製することが困難である。最後に、プレーナプロセスに由来する方法は、不完全に整列された連続的な工程から生じる位置合わせ誤差に悩まされる。
【0005】
したがって、ナノファブリケーションの分野では、複数の材料及び勾配を実施することができる厳密な三次元ナノファブリケーションのための新しく有用な系及び方法を作製する必要がある。本発明は、そのような新しく有用な系及び方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な系の概略図である。
図2】ゲル足場(gel scaffold)を構築する例示的なモノマーのリストである。
図3】キサンテンコアの描写である。
図4】ポリメチンコアの一般式である。
図5】シアニン構造の一般式である。
図6】スルホン化ドール-スクアライン(sulfonated dole-squaraine)構造の一般式である。
図7】ベンゾチアゾールスクアラインの一般式である。
図8】例示的な発色団(chromophore)の一般式のリストである。
図9】例示的な方法のフローチャートである。
図10】第2の例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないが、むしろ、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にすることを意図するものである。
【0008】
1.概要
ナノファブリケーションのための系及び方法は、様々な材料を用いる複雑な三次元ナノ構造を可能にし得る。系及び方法は、感光性分子を用いてゲル足場をパターニングするプロセスであって、光を使用して、感光性分子をゲル足場へとパターニングして、所望の構築物形状を作製し、それによって所望の構築物形状の潜在パターン(latent pattern)を作製する、プロセスと、構築材料(build material)を潜在パターンに結合させ、それによって構築物を作製するプロセスと、構築物を所望のサイズへ縮小するプロセスと、を用い得る。系及び方法は、感光性分子の感光性、及び高解像度構築物の製作のための高精度の光位置決めを活用する。系及び方法は、単純な材料設計及び複雑な材料設計のナノ構築物の製作を可能にし得、構築物が、複数の別個の構築材料及び構築材料の勾配を実施することができる。
【0009】
系及び方法は、ナノファブリケーションから利益を得ることができる多様な分野における広範囲の使用事例を提供する。系及び方法は、電子工学、光学、及び機械学などの多くの一般分野において、単純なツール及び複雑なツールを構築するために実施することができる。系及び方法は、ナノファブリケーションされた電気的、光学的、及び/又は機械的構成要素並びにそれらの組み合わせの生産において使用することができる。
【0010】
系及び方法は、勾配及び複数の材料を用いるナノ構築物の構造を可能にするので、系及び方法は、光学及びフォトニクスの分野において特に有用であり得る。系及び方法は、導波路、プリズム、回折格子、従来のレンズ、フレネルレンズ、GRINレンズ、メタレンズ、レンズアレイ、ゾーンプレート、インバースデザイン構造、フォトニック結晶、直線偏光子及び円偏光子、光アイソレータ、反射光学素子(放物面反射器など)、光共振器、レーザ、並びに多くの他のツール及び物体、並びにこれらの統合された組み合わせの構築のために実施され得る。
【0011】
系及び方法は、多くの潜在的な利益を提供し得る。系及び方法は、そのような利益を常に提供することに限定されず、系及び方法がどのように役立ち得るかについての例示的な表現としてのみ提示される。利益のリストは、網羅的であることを意図するものではなく、他の利益が、追加的又は代替的に存在し得る。
【0012】
系及び方法は、厳密な三次元ナノファブリケーションの利益を提供し、製作には、二次元層化が必要ではない。
【0013】
系及び方法は、高精度の光ビームを活用して、高解像度構築物の作製のための構築材料の等しく高精度の位置決めを可能にし得る。
【0014】
追加的に、系及び方法は、構築物を縮小する前に、「より大きい」構築物の初期構築を可能にし、更に良好な構築精度を提供する。
【0015】
系及び方法は、多材料構築を可能にする追加の利益を提供する。リガンド結合潜在パターニングの使用を通じて、系及び方法は、製作への複数の材料の使用を可能にする。
【0016】
系及び方法は、構築物内の材料の濃度勾配の実施態様を可能にする。すなわち、材料の密度は、材料全体に指向される光位置決めの実施によって、構築物全体で変動し得る。
【0017】
2.系
図1に示されるように、ナノファブリケーションプラットフォームのための系は、ナノファブリケーションを構築するためのフレームワークを提供するゲル足場110と、感光性であり、ゲル足場に選択的に結合し、それによってナノファブリケーションのアーキテクチャを提供する、潜在パターニング材料(latent patterning material)120と、潜在パターニング材料に結合し、それによってナノファブリケーションの組成材料を提供する、構築材料130と、を含む。系は、所望の構築材料で構成される、潜在的にナノメートル精度を有する所望の構築物の製作(すなわち、ナノファブリケーション)を可能にする、ナノファブリケーションアセンブリとして機能する。
【0018】
系は、多くの使用事例及び実施態様を有する。ある特定の実施形態では、系は、光に基づくナノファブリケーションプラットフォームを更に備えてもよく、光源が、ナノファブリケーションを誘導/可能にするために組み込まれてもよい。この様式では、系は、強化された光子リソグラフィデバイスとして機能することができ、系が、複雑な三次元構造(いずれの面にも制限がない)を構築することに加えて、高精度フィルム構造を構築することを可能にし得る。これらの実施形態では、系は、光源(例えば、レーザ)を更に含んでもよく、光源が、ゲル足場110の任意の領域上に高精度で指向され得る。系が強化されたフォトリソグラフィデバイスとして機能する変形では、系は、マスクを更に含み得、所望のナノファブリケーション実施態様に応じて、マスクが、光がゲル足場110のある特定の部分に到達することを可能にするか、遮断するか、又は方向転換させるように位置し得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、構成要素名は、任意のレベルの尺度で構成要素を指すために使用され得る。例えば、ゲル足場110は、ゲル足場の単一分子、ゲル足場の全て若しくは一部を構成する分子のいくつかのセット、又はゲル足場全体を指すために使用され得る。したがって、ゲル足場110に対する任意の言及は、ゲル足場のこれらの尺度のうちのいずれかを指し得る。構成要素の特定の尺度は、必要に応じて、文脈によって提供される。
【0020】
系は、ゲル足場110を含み得る。ゲル足場110は、ナノファブリケーションのための多次元足場として機能する。ゲル足場110は、潜在パターニング材料120が結合するための足場ネットワークを提供する。本明細書では、ゲル足場110という用語は、各個々のゲル足場分子、ゲル足場分子の群、全てのゲル足場分子、又はその中の任意のサブセットを指すために使用され得る。
【0021】
ゲル足場110は、任意の既知の、又は将来の「ゲル」材料を含み得る。本明細書で使用される場合、ゲル材料は、任意のコロイド状固体(又は半固体)ポリマーネットワークを指し得、ゲル足場110が、ゲル足場全体への他の系構成要素の(能動的又は受動的)拡散を可能にするゲル材料を含む。実施態様に応じて、ゲル足場110は、1つの、又はそれ以上のゲル材料で構成され得る。可能なゲル材料の例としては、アガロース、アクリレート(例えば、ポリアクリレート)、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンが挙げられる。
【0022】
多くの変形では、ゲル足場110は、潜在パターニング材料120以外の他の系構成要素と非反応性である。代替的に、ゲル足場110は、他の構成要素に対して反応性であり得る。例えば、一変形では、系は、マスキング構成要素を更に含み得、ゲル足場が、マスキング構成要素に選択的に結合することができる。この選択的結合(例えば、マスキング構成要素への)は、ゲル足場を遮断して、潜在パターニング材料120の結合を防止し得る。
【0023】
多くの変形では、ゲル足場110は、架橋(すなわち、架橋剤)ポリマーネットワークを含み得る。ゲル足場110は、多次元ゲル足場の一部として、固有の又は実施された物理的又は共有結合架橋を有し得る。例えば、ポリアクリレートゲルは、N,N’-メチレン-ビス(アクリルアミド)架橋剤を有し得る。いくつかの変形では、このポリマーネットワークは、1つの、又はそれ以上のビニルモノマーから生成される。ビニルモノマーは、側基を担持するアクリル又はアクリルアミドモノマーであり得、これらの側基が、潜在パターニング材料120以外の他の系構成要素との反応に対して不活性であってもなくてもよい。いくつかの変形では、ゲル足場110は、ジアクリルアミドモノマーとのラジカル重合を介して共有結合的に架橋される。他の変形では、共有結合架橋を生成するために、ジメタクリルアミド、ジアクリレート、ジメタクリレート、ジビニルエーテル、及び好適な疎水性又は親水性ジビニルモノマーが使用され得る。
【0024】
いくつかの変形では、ゲル足場110は、疎水性又は親水性のビニルモノマーで構成され得る。本明細書で使用される場合、「親水性モノマー」という用語は、重合すると、周囲(すなわち、20℃)条件下で、水に溶解するか又は少なくとも10重量%の水を吸収することが可能であるポリマーを生じるモノマーについて記載している。同様に、本明細書で使用される場合、「疎水性モノマー」という用語は、重合すると、周囲条件下で水に溶解せず、少なくとも10重量%の水を吸収することも可能ではないポリマーを生じるモノマーについて記載している。図2に示されるように、好適なモノマーの例としては、メタクリレート、アクリレート、スチレン、メタクリルアミド、アクリルアミド、シリル含有モノマーを挙げることができる。
【0025】
ゲル足場110は、側基を含み得る。より具体的には、ゲル足場分子又はゲル足場分子の群は、1つの側基又は複数の側基を有し得る。側基は、潜在パターニング材料120の結合部位を提供するように機能する。側基は、潜在パターニング分子120の結合に使用することができる任意の所望の側基であり得る。側基の潜在的な例としては、限定されないが、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、一級アミン、四級アミン、アミド、水酸化物、及び/又はスルホネートが挙げられる。実施態様に応じて、ゲル足場110は、1つの、又は複数の側基を組み込むことができる。複数の側基は、複数のタイプの潜在パターニング材料120、他の構成要素(例えば、マスキング構成要素)の結合を可能にし得、及び/又は(例えば、勾配効果結合を可能にするために)異なる結合強度で結合することを提供することができる。
【0026】
ゲル足場110がビニルモノマーを含むいくつかの変形では、ビニルモノマーは、側基を有し得る。側基の例としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、一級、二級、三級、及び四級アミン、ヒドロキシル、チオール及びチオエステル、アミド、並びにアセテートが挙げられる。本明細書で使用される場合、「カルボン酸」、「スルホン酸」、又は「リン酸」などの側基は、遊離酸部分及び酸部分の対応する金属塩、並びに限定されないが、アルキルエステル、アリールエステル、及びアシルオキシアルキルエステルを含む、酸部分のエステル誘導体が挙げられる。いくつかの変形では、ゲルは、アガロース、アルギネート、又は他の多糖類などの天然に存在するポリマーで構成され得る。いくつかの変形では、ゲルは、アクリル酸、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、スルホン化モノマー、又は他などの荷電モノマーで構成され得る。
【0027】
いくつかの変形では、ゲル足場110は、潜在パターニング材料120の結合を可能にする官能基を含有し得る。官能基は、ゲル足場110の主鎖の一部として、又はゲル足場の側基として組み込まれ得る。官能基は、ラジカル酸化を受けやすい場合がある。いくつかの変形では、官能基は、好適なビニルモノマーのラジカル重合によって、ゲル足場110に導入され得る。重合は、従来的(例えば、ポリマー分子量に対する制御がない)であり得るか、又は制御され得、ゲル足場110を構成する生じるポリマーの分子量は、狭く、明確に定義されている。制御フリーラジカル重合(controlled free radical polymerizations、cFRP)の例としては、可逆的付加-開裂連鎖移動(reversible addition-fragmentation chain-transfer、RAFT)重合、ニトロキシド媒介重合(nitroxide-mediated polymerization、NMP)、及び原子移動ラジカル重合(atom transfer radical polymerization、ATRP)が挙げられる。他の変形では、官能基は、ゲル足場110の化学修飾によって導入され得る。ゲル足場110に組み込まれ得る官能基の例としては、カルボン酸、アミド、若しくは一級アミン、又はアクリル酸とアクリルアミドモノマーとの重合によって導入されるヒドロキシル基が挙げられる。ゲル足場110が含有し得る官能基の他の例としては、リン酸、四級アミン、アミド、水酸化物、環式無水物、及びスクシンイミド、及び/又はスルホネートが挙げられる。
【0028】
系は、潜在パターニング材料120を含み得る。潜在パターニング材料120は、ナノファブリケーションのための「潜在パターン」、すなわち、ナノファブリケーションのアーキテクチャを提供する一時的な構築物として機能する。いくつかの変形では、潜在パターニング材料120を保持することが望ましい場合があり、したがって、必要に応じてより長い期間の間、実施され得る。更に、潜在パターニング材料120は、構築材料130を適所に結合するように機能することができ、モールドと同様の機能を提供する。潜在パターニング材料120(発色団とも称される)は、潜在パターニング分子を含み得、各分子が、任意の所望のタイプ又は複数のタイプのサブグループで構成され得る。本明細書では、潜在パターニング材料120という用語は、各個々の潜在パターニング分子、潜在パターニング分子の群、全ての潜在パターン分子、又はそれらの任意のサブセットを指すために使用され得る。したがって、各潜在パターニング分子120又は潜在パターニング分子の群は、ゲル足場110に結合するゲル結合領域、及び構築材料130に結合する材料結合領域を有し得る。追加的に、潜在パターニングの活性(例えば、ゲル結合)が、光によってオン又はオフにされることができるように、潜在パターニング分子120は、感光性であり得る。各潜在パターニング分子又は潜在パターニング分子の群は、実施態様に従って必要に応じて、他の構成要素を含み得る。
【0029】
いくつかの変形では、系は、複数の潜在パターニング材料120を含み得る。異なる潜在パターニング材料120は、基本分子自体、又はそれらの特定の領域(例えば、構築材料結合領域)によって区別され得る。例えば、異なる潜在パターニング材料は、異なるタイプの構築材料130に結合することができる(例えば、第1の潜在パターニング材料は、ダイヤモンドに結合し、第2の潜在パターニング材料は、アジドに結合する)。別の例では、異なる潜在パターニング材料120は、異なる活性化を有し得る。例えば、2つの感光性潜在パターニング材料120は、異なる感光性領域を有し得る。一実施態様では、青色光を吸収する第1の潜在パターニング材料、及び黄色光に結合する第2の潜在パターニング材料。別の感光性の実施態様では、第1の構築材料130に結合する第1の潜在パターニング材料120は、光活性化によってゲル足場110に結合することが可能であり得、第2の構築材料に結合する第2の潜在パターニング材料は、光活性化によってゲル足場に結合するその能力を失い得る。
【0030】
潜在パターニング材料120は、感光性であり得る。すなわち、潜在パターニング材料120は、潜在パターニング材料が電磁スペクトルのある特定の波長を吸収することを可能にする感光性分子及び/又は感光性領域を含み得る。いくつかの変形では、潜在パターニング材料120の感光性は、潜在パターニング材料の共役化学物質(conjugation chemistry)に接続する。感光性領域は、潜在パターニング材料120の光感受性領域として機能し、潜在パターニング材料のゲル結合を活性化又は非活性化するために、感光性セグメントに対して適切な波長の光が使用され得る。実施態様に応じて、各潜在パターニング分子は、1つの、又は複数の感光性領域を有し得、各感光性領域が、異なる活性を可能にする(例えば、1つの光帯域幅は、分子のゲル結合を可能にし得、別の帯域幅は、分子がゲルを解放することを可能にし得る)。
【0031】
化学物質によって硬化する感光性領域は、電磁放射の任意の望ましい波長又は帯域幅に対して感受性であり得る。いくつかの変形では、光感受性領域は、可視スペクトル(例えば、青色光、UV光、赤色光、赤外光など)帯域幅又はその近傍の帯域幅に対する感受性を備え得る。感光性領域は、必要に応じて、及び化学物質によって硬化するように、広いか又は狭い帯域幅を備え得る。感光性領域は、任意の光化学物質を含み得る。多くの変形では、潜在パターニング材料120のタイプは、感光性領域の化学物質を硬化させ得る。潜在パターニング材料の例としては、キサンテン染料(例えば、フルオレセイン、ローダミン、エオシン)の誘導体、BODIPY、シアニン、フタロシアニン、アントラセン、クマリン、ポルフィリン、スクアライン、スクアリリウム、及びアゾベンゼンが挙げられる。実施態様に応じて、潜在パターン材料120は、これら又は他の光科学物質のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。
【0032】
潜在パターニング材料120は、1つ以上のゲル結合領域を含み得る。ゲル結合領域は、ゲル足場110への潜在パターニング材料の結合を可能にするように機能することができる。多くの変形では、ゲル結合領域は、ゲル足場110の側基に結合し得る。他の変形では、ゲル結合領域は、ゲル足場110を非特異的に結合させ得る(例えば、荷電/極性ゲル結合領域は、荷電ゲル足場に結合する)、すなわち、ゲル結合領域(又はゲル結合部位)。ゲル結合領域は、感光性領域を含み得、感光性領域が、ゲル結合を可能にし得るか又は不可能にし得る任意の分子を含み得る。潜在パターニング材料120のタイプに応じて、光活性化は、潜在パターニング材料結合の活性化又は非活性化を可能にし得る。
【0033】
潜在パターニング材料120は、材料結合領域を含み得る。材料結合領域は、構築材料130の結合を可能にするように機能することができる。いくつかの変形では、材料結合領域は、構築材料130の結合を可能にするのに役立つ共役化学物質(又は共役部位)を含み得、共役化学物質が、構築材料配位部位での構築材料の結合を可能し得る。代替的に、潜在パターニング材料120は、共役化学物質セグメントを有さない場合がある。一例では、構築材料130又は構築材料配位部位は、潜在パターニング材料120に直接結合し得る。
【0034】
いくつかの変形では、材料結合領域は、常に「活性化されている」とみなされ得る。代替的に、構築材料130の結合が活性化又は不活性化されることができるように、材料結合領域は、活性及び不活性構造を有し得る。一例では、構築材料130の結合が適切な波長の光帯域又はその近傍の光帯域によってオン又はオフにされることができるように、構築材料結合領域は、潜在パターニング材料120の感光性領域に連結され得る。別の例では、アロステリック部位への化合物の結合が構築材料結合をオン又はオフにすることができるように、材料結合領域は、アロステリック部位を有し得る。材料結合領域は、潜在パターニング材料120への構築材料130の結合を可能にするか又は改善することができる、任意の分子を含み得る。材料結合領域に組み込まれ得る化学物質の例としては、一級アミン、N-ヒドロスクシミド(hydrosuccimide)(N-hydrosuccimide、NHS)及びNHSエステル、それらの遊離酸及び対応する金属塩を含むカルボン酸、チオール/スルフヒドリル、無水コハク酸及び無水マレイミドなどの環式無水物、アルケン、アルキン、アジド、テトラジン、テトラゾール、ニトロン、イソシアニド、イソシアネート、ジベンゾシクロオクチン(dibenzocyclooctyne、DBCO)、ビアリールアザシクロオクチノン(biarylazacyclooctynone、BARAC)、ビアリールアザシクロオクチノン(biarylazacyclooctynone、BARAC)、ジメトキシアザシクロオクチン(dimethoxyazacyclooctyne、DIMAC)、一フッ化(monofluorinated cyclooctyne、MOFO)及び二フッ化(DIFO)シクロオシチンを含むシクロオクチン、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、タンパク質/抗体/酵素、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)、リボ核酸(ribonucleic acid、RNA)、ロックド核酸(locked nucleic acid、LNA)、ペプチド核酸(peptide nucleic acid、PNA)、脂質/炭化水素/フルオロカーボン、及びデンドリマーを含む、オリゴヌクレオチド及び核酸が挙げられる。
【0035】
いくつかの変形では、潜在パターニング材料120は、非キサンテン発色団を含み得る。図3に示されるように、キサンテン発色団は、酸素を有するそれらの間の内部環で接続された2つのベンゼン環の基本構造を有する。これらの変形では、潜在パターニング材料120は、キサンテン塩基構造を含まない構造を含み得る。非キサンテン発色団の部類の例としては、図4図8に示されるように、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアライン)、ナフタレン、クマリン、オキサジアゾール、アントラセン、ピレン、フェノキサジン、アクリジン、テトラピロール、及びジピロメテン(例えば、BODIPY)、及びアザジピロメテン(Aza-BODIPY)、並びに(図8に示される)それらの誘導体が挙げられる。
【0036】
ポリメチン染料及びそれらの誘導体としては、発色団単位が共役C=C系(開環して存在するか、又は環内に存在する)であるポリメチン染料が挙げられ、図4に示される一般式を有する鎖の各末端に官能基を有する奇数のメチン基を有する。ポリメチン染料及びそれらの誘導体の例としては、シアニン(ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン)及びそれらの誘導体(例えば、スルホン化誘導体)が挙げられる。シアニンは、非局在化電荷を有する2つの窒素原子によって架橋された共役π系を特徴とし、図5に示される一般的なシアニン構造を有する。
【0037】
スクアライン染料及びそれらの誘導体としては、式中、X、X=O、S、又はその2つの組み合わせであり、図6に示される一般式を有する、インドール環の5位にスルホネート基を担持する対称及び非対称インドール系スクアライン、式中、X、X=O、S、又はその2つの組み合わせであり、図7に示される一般式を有する、インドール環の5位にスルホネート基を担持する対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアラインが挙げられる。ここでは、ベンゾチアゾール系スクアラインの反応性置換基、例えば、NHS、アミン、-COOH、アジド、アルキン、エポキシドなどは、ベンゾチアゾール環(R8又はR9)の1位に、長さ(CH2)n(n≧5)のアルキルスペーサを介して結合される。「対称」という用語は、化合物中の各ベンゾチアゾール環上の置換基のパターンが同じであるように、R9及びR8基(構造を参照されたい)の各対が同じであることを意味する。「非対称」という用語は、各ベンゾチアゾール環上の置換基のパターンが異なるように、R8及びR9のうちの少なくとも1つが、他のベンゾチアゾール基上のそれらの対応する置換基と異なることを意味する。対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアラインについての「対称」という用語は、化合物中の各インドール環上の置換基のパターンが同じであるように、R8、R10、及びR11基の各対(以下の構造)が同じであることを意味する。「非対称」という用語は、各インドール環上の置換基のパターンが異なるように、R8、R10、及びR11のうちの少なくとも1つが、他のインドール環上の対応する置換基と異なることを意味する。
【0038】
いくつかの変形では、潜在パターニング材料120は、反応性基を含み、反応性基が、潜在パターニング材料部分構成要素のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。例えば、反応性基は、潜在性パターニング材料のゲル結合領域及び感光性領域を構成し得る。反応性基は、潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて、ゲル足場110を選択的に結合することによって機能することができる。この様式では、反応性基は、反応性基と反応中間体との間の相互作用を活用することによって、潜在性パターニング材料120が、ゲル足場110上でどのようにパターニングされ得るかについての追加の制御工程を提供するように機能する。多くの例では、反応性中間体は、ラジカル生成が可能な小分子(例えば、酸素)を含む。これらの変形では、ナノファブリケーション系は、系の動作中に熱力学的変数の制御を可能にする追加の構成要素を有し得る。これらの追加の系構成要素の例としては、密閉容積(例えば、ナノファブリケーションプラットフォームの内外への固体、液体、及び/又は気体の流れを制限する制御容積)、加熱要素(例えば、反応温度を制御するため)、及び反応性中間体の制御された入口/出口(例えば、系内の反応性中間体の濃度を制御するため)が挙げられる。
【0039】
構築材料130は、ナノファブリケーション構築物が作製される材料として機能することができる。構築材料130は、潜在パターニング材料120に結合し得る。いくつかの変形では、構築材料130は、潜在パターニング材料120に直接結合する。他の変形では、構築材料130は、潜在パターニング材料120の材料結合領域に結合する。他の変形では、構築材料130は、構築材料配位部位の配位化学物質を通じて、潜在パターニング材料130に直接結合する。他の変形では、構築材料130は、配位化学物質を通じて、潜在パターニング材料120の材料結合領域に結合する。
【0040】
構築材料130の特定のタイプは、実施態様特有であり得る。いくつかの変形では、構築材料130は、複数の別個のタイプの構築材料(例えば、二酸化チタン及びリン化ガリウム)を含み得る。構築材料130に対する唯一の要件は、潜在パターニング材料120の結合を可能にする配位化学物質である。構築材料130は、最終製品の材料組成であるので、構築材料130の結合要件は、典型的には、適切な化学物質による、材料結合領域を有する潜在パターニング材料120の選択によって対処することができる。構築材料130のタイプの例としては、金属が、Ge、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Ga、In、Tl、Cu、又はそれらの組み合わせである、金属カルコゲナイド、及びS、Se、Te、又はそれらの組み合わせなどのカルコゲン;プニクチド、並びにB、Al、Ga、In、及びTlなどのXIII族元素、又はそれらの組み合わせの生じるプニクチド多形、並びにN、P、As、及びSnなどのプニクトゲン;式中、Mが、Bi、Sn、Cr、Co、Mn、Mo、Ti、Zn、Zr、Cu、Fe、Ni、Eu、Dy、Pr、Ce、Sm、又はLaなどの金属である、実験式MxOyを有する金属酸化物;並びに炭素及びその同素体、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C、4H、6H、-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、及びケイ素スズが挙げられる。
【0041】
構築材料130は、配位部位を含み得る。配位部位は、潜在パターニング材料120に結合する領域(すなわち、潜在パターニング材料に結合する適切な配位化学物質)として機能する。多くの変形では、配位部位結合は、高度に選択的であり、特定の原子又は分子のみの結合を可能にする。代替的に、配位部位は、より一般的であり得、分子のファミリー(例えば、カルコゲナイド)の結合を可能にする。可能な配位化学物質の例としては、限定されないが、シリル、スルフヒドリル/チオールアミン/アンモニア、カルボン酸、ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物、チオシアネート、ニトレート、アジド、オキサレート、水、亜硝酸塩、イソチオシアネート、アセトニトリル、ピリジン、エチレンジアミン、2,2’-ビピリジン、1,10-フェナトロリン(phenathroline)、ニトリル、トリフェニルホスフィン、シアン化物、及び一酸化炭素が挙げられる。配位部位の目的は、潜在パターニング材料120に結合することであるので、配位部位は、追加的又は代替的に、他の化学組成を有し得る。複数の構築材料130又は複数の潜在パターニング材料120が組み込まれる変形では、各構築材料130は、1つ以上の別個の配位部位(異なる化学物質を含む)を有し得、各別個の配位部位が、特定の別個の潜在パターニング材料に潜在的に結合する。いくつかの変形では、配位化学物質は、潜在パターニング材料120上に直接組み込まれ得る。これらの変形では、構築材料130は、次いで、潜在パターニング材料上に組み込まれた配位化学物質を使用して、潜在パターニング材料120に結合することができる。
【0042】
いくつかの変形では、系は、光源を更に含み得る。光源のタイプは、実施態様に応じて変動し得る。光源は、潜在パターニング材料120の感光性領域を光活性化/非活性化するように機能する。実施態様に依存して、これは、ゲル足場110への潜在パターニング材料120の結合(又は解放)及び/又は構築材料130への潜在パターニング材料の結合を可能にし得る。
【0043】
光源は、同じか又は異なるタイプ(例えば、白熱、ハロゲン、蛍光、レーザ、LEDなど)の1つ(又は複数)の光放出体(例えば、1つ、2つ、3つのダイオード)を含み得る。光源からの発光が十分な精度で誘導されて、潜在パターニング材料120を正確に光活性化/非活性化させて所望の構造をパターニングすることができるように、光源は、十分な精度を有することが好ましい。マスクを含む変形では、所望の実施態様には広い散乱光源が十分であり得る一方で、非マスクナノファブリケーションでは、光源は、ナノメートル精度を必要とし得る。
【0044】
実施態様に依存して、光源は、任意の所望の波長、帯域幅のEM波を放出し得る。追加的に、実施態様に応じて、各放出体が所望の帯域幅を有する所望の波長でEM波を放出することができるように、光源は、単一又は複数の光放出体を備えてもよい。
【0045】
光源は、更に、高スループットパターニングを可能にし得る。これは、ナノファブリケーションプラットフォームの基本動作の一部、及び/又はリソグラフィ実施態様の一部であり得る。高スループットパターニングでは、光源は、高速かつ複雑な光パルス化モードを可能にする、別個の動作モードを有し得る。例えば、パルス間の時間が、潜在パターニング材料120の励起三重項状態寿命よりも短くなるように、光源は、急速な様式で光パルスを放出することが可能であり得る。実施態様に応じて、三重項励起状態寿命は、ミリ秒(millisecond、ms)からピコ秒の範囲であり得る。したがって、実施態様に応じて、光源は、各光パルス間に適切な分離を有する光パルスを放出することが可能であることが好ましい。一例では、潜在パターニング材料120は、Cy5を含み、これは、およそ10μsの励起三重項状態寿命を有すると報告されている。この例では、光源は、各パルス間の分離が10μs未満であるパルスを放出することができる。
【0046】
強化された光子リソグラフィ実施態様の一部として、光源は、実施態様のための適切な光源を含み得る。例えば、単一光子リソグラフィ実施態様では、光源は、単一のレーザ(例えば、ダイオード)を含み得る。別の例では、2光子リソグラフィ実施態様では、光源は、2つのレーザ(例えば、ガスレーザ)を含み得る。すなわち、実施態様に応じて、単一光子又は多光子リソグラフィ技法が、ゲル結合のために組み込まれ得る。実施態様に応じて、光源は、コンタクトリソグラフィ、投影リソグラフィ、干渉リソグラフィ、若しくは位相マスクリソグラフィ、断層撮影リソグラフィなどの任意のタイプの単一光子リソグラフィを可能にし得、及び/又は光源は、任意のタイプの多光子リソグラフィ、例えば、点走査多光子リソグラフィ、多焦点多光子リソグラフィ、ホログラフィック多光子リソグラフィ、若しくは時間的集束多光子リソグラフィ(temporally focused multi-photon lithography)を可能にし得る。
【0047】
強化された光子リソグラフィ実施態様の一部として、系は、マスクを更に含み得る。マスクは、光活性化を必要とする領域の境界を画定するように機能する。すなわち、マスクが、光源から放出される光を選択的に遮断し、反射し(又はいくつかの変形では、その位相を変化させ)、それによって、光源がゲル足場110のある特定の領域の潜在パターニング材料120を光活性化することを防止又は低減することができるように、マスクは、ゲル足場110と光源との間に位置し得る。いくつかの変形では、マスク等価物が、実装され得る。例えば、いくつかの変形(例えば、投影リソグラフィ又はホログラフィックリソグラフィ)では、マスクのデジタル等価物が組み込まれ得、デジタル等価物マスクが、それを通過する光の部分的又は完全な遮断、反射、又は位相変化を誘導し得る。デジタルマスク等価物の例としては、デジタルミラーデバイス(digital mirror device、DMD)、空間光モジュレータ(spatial light modulator、SLM)、及び位相マスク(例えば、ホログラム)が挙げられる。追加的に、光線量を制御する、したがって、所与の領域内でのパターニングをより多く又はより少なくすることを可能にするために、露光時間又はマスク要素の数が使用され得る。別の変形では、系は、光源が1つ又は複数のマスクを使用して、2つ以上の角度から照射することができるリソグラフィ実施態様で使用することができる。
【0048】
多くの変形では、光強度はまた、パターニング、特にパターン勾配のために組み込まれ得る。光強度は、光源において直接的に、又はマスクの実装を通じてのいずれかで改変され得る。この様式では、勾配パターンを作製するために、マスクが組み込まれ得る。一例では、密度が変動する(例えば、1つの軸に沿って密度が増加する)物理的マスクが組み込まれ得る。次いで、空間パターン勾配が作製され得、この空間パターン勾配において、より少なく照射される領域には、より少ない潜在パターニング材料が結合する。別の例では、デジタルマスクが組み込まれ得る。同じ様式で、デジタルマスクを通る光の透過の低減を可能にすることによって、勾配パターンを作製することができる。
【0049】
いくつかの変形では、ナノファブリケーションプラットフォーム、より具体的には、ゲル足場110は、表面に接着され得る。これらの変形では、系は、ゲル足場110を表面に接着させる結合基を更に含む。
【0050】
多くの変形では、結合基は、シランからなり、結合基が、表面を官能化するように機能する。これは、モノシランカップリング試薬を使用して、ポリマーが共有結合又は静電結合を介して接着する安定なシロキサン膜を形成する、基板(例えば、ガラス)のシラン化を含み得る。結合基を含み得るシランの例としては、アルキルシラン及びアミノシラン、例えば、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン(APTMS)が挙げられる。結合基の実装を通じて、系は、比較的任意の形状又は粗さ(例えば、平坦な表面、湾曲した表面、でこぼこの表面など)の膨大な数の表面に接着することができる。ゲル足場110が接着することができる表面の例としては、ガラス、ケイ素、金属/合金、硬質プラスチック(例えば、HDPE、ポリプロピレン、アクリル)が挙げられる。
【0051】
シラン結合基の一例では、結合基は、モノシラン(例えば、トリアルコキシシラン)であり得る。一般式R’-(CH2)-Si(OR)を有するモノシランであり、式中、R’が、ゲル足場110に結合することが可能である官能基であり、n≧1であり、Rが、アルキル基である。Rの例としては、Me、Et、又はプロピル)が挙げられる。R’の例としては、アクリル酸ゲルの静電結合のための一級、二級、三級、又は四級(永久電荷を有する)のいずれかのプロトン化アミンが挙げられる。
【0052】
シラン結合基の別の例では、結合基は、一般式R’-Ln-Si(OR)を有するシラン試薬であり得、式中、Rが、アルキル基(メチル、エチルなど)であり、Lが、C-C、C-O、又はC-Nなどの安定な結合から作製される長さnの安定な有機リンカーであり、R’が、段階的重合又は連鎖成長重合が可能な官能基であるので、ラジカル開始剤又は重合触媒の存在下で、ゲル足場110に共有結合を形成することが可能である。
【0053】
別の変形では、結合基は、ゲル足場110と反対の電荷を有する官能基である。ゲル足場110と反対の電荷を有する官能基は、ゲル足場との水素結合の形成を可能にし得るか、又は重合され得るか、若しくはゲル足場に共有結合的に組み込まれ得る。例えば、所望の表面は、官能化された表面へのゲル足場の静電結合を促進するために、ゲル足場110と反対の電荷を担持する、合成又は天然のコーティングされたカチオン性高分子/ポリマーであり得る。そのような高分子の例としては、ポリ-l-リジンのようなポリカチオン、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)、四級アミン塩を含有するポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート(dimethylaminoethylmethacrylate、DMAEMA)のポリマーなどが挙げられる。
【0054】
別の変形では、結合基は、すなわち、本明細書では表面結合ポリマーネットワークと称される、ポリマーネットワーク全体を構成し得る。表面結合ポリマーネットワークは、ゲル足場110内及び/又はその周囲に埋め込まれ得る。いくつかの変形では、表面結合ポリマーネットワークは、アルケンを含み得る。表面結合ポリマーネットワークは、モノマー構成要素の重合を可能にするような適切な熱力学的条件で、ポリマーネットワークのモノマー構成要素を洗浄することによって、ゲル足場110上又はその中に組み込まれ得る。いくつかの変形では、表面結合ポリマーネットワークは、既に所望の表面に結合することが可能であり得る(例えば、反対の電荷を有する表面に結合するために、荷電表面結合ポリマーネットワークが組み込まれる場合)。代替的に、表面結合ポリマーネットワークは、所望の表面に結合するために更に官能化され得る(例えば、シランで、又はプラズマで処理され得る)。
【0055】
系は、広い範囲の実施態様を網羅することができるので、本発明の範囲について記載する例示的な系変形のセットが、以下提示される。
【0056】
系変形A1では、ナノファブリケーションプラットフォームのための系は、ゲル足場110と、ゲル足場を選択的に結合し、非キサンテン系発色団を含む、潜在パターニング材料120と、潜在パターニング材料に結合する配位部位を含む、構築材料と、を含む。一例では、非キサンテン発色団は、ポリメチン染料、ポリメチン染料誘導体、スクアライン染料、スクアライン染料誘導体、BODIPY系染料、及びBODIPY系染料誘導体からなるリストからの化合物を含む。ポリメチン染料及びポリメチン染料誘導体の例としては、シアニン(ヘミシアニン、ストレプトシアニン、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、Cy7.5、メロシアニン)及びそれらの誘導体(例えば、スルホン化誘導体)が挙げられる。スクアライン染料及びスクアライン染料誘導体の例としては、対称及び非対称インドール系スクアライン、並びにスルホネート基を担持する対称及び非対称ベンゾチアゾール系スクアラインが挙げられる。非キサンテン染料の他の例としては、ナフタレン、クマリン、オキサジアゾール、アントラセン、ピレン、フェノキサジン、アクリジン、テトラピロール(例えば、開環又は環式テトラピロール)、及びジピロメテン(例えば、BODIPY)、及びアザジピロメテン(Aza-BODIPY)が挙げられる。
【0057】
系変形A1の一部として、ゲル足場110は、アガロース、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンからなる群から選択される。
【0058】
系変形A1の一部として、構築材料130は、金属が、Ge、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Ga、In、Tl、Cu、又はそれらの組み合わせである金属カルコゲナイド、及びS、Se、Te、又はそれらの組み合わせなどのカルコゲンからなる群から選択される。プニクチド、並びにB、Al、Ga、In、及びTlなどのXIII族元素、又はそれらの組み合わせの生じるプニクチド多形、並びにN、P、As、及びSnなどのプニクトゲン。式中、Mが、Bi、Sn、Cr、Co、Mn、Mo、Ti、Zn、Zr、Cu、Fe、Ni、Eu、Dy、Pr、Ce、Sm、又はLaなどの金属である、実験式MxOyを有する金属酸化物;並びに炭素及びその同素体、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C、4H、6H、-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、及びケイ素スズ。
【0059】
系変形A2では、ナノファブリケーションプラットフォームのための系は、ゲル足場110と、反応性基を含む感光性潜在パターニング材料120と、潜在パターニング材料に結合する配位部位を含む構築材料130と、を含む。反応性基は、潜在性パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じて、ゲル足場を選択的に結合する。この系は、反応性基と反応性中間体との間の相互作用を活用することによって、改善されたゲル結合を可能にするように機能する。このA2変形では、系は、制御容積を更に含み得、制御容積が、ゲル足場を含有するように機能し、制御容積が、反応性中間体濃度を制御することを可能にするように十分に封入される。多くの例では、反応性中間体は、ラジカル生成が可能な小分子を含む。いくつかの例では、反応性中間体は、酸素を含む。制御容積を含むこの例の実施態様では、制御容積は、制御された入口(例えば、酸素をポンプで送り込むことを可能にするため)及び制御された出口(例えば、内部圧力を維持するため)を更に含み得る。系A1のいくつかの実施態様では、潜在パターニング材料は、ポリメチン染料又はポリメチン染料誘導体を含む。系A1の別の実施態様では、潜在パターニング材料は、スクアライン又はスクアライン誘導体を含む。系A1の別の実施態様では、潜在パターニング材料は、BODIPY系染料又はBODIPY系染料誘導体を含む。
【0060】
系変形A3では、系は、強化されたリソグラフィファブリケーションプラットフォームを備え、ゲル足場110と、感光性潜在パターニング材料120と、潜在パターニング材料に結合する配位部位を含む、構築材料と、極めて短い光パルスを提供することが可能な光源と、を含む。より具体的には、光源は、(適切な波長の)短い光パルスを提供することが可能であり、光パルスが、潜在パターニング材料120の励起三重項状態寿命よりも短い時間量だけ分離される。系変形A3は、潜在パターニング材料130の励起三重項状態を活用して、高スループット製作系を提供するように機能する。
【0061】
すなわち、光源は、潜在パターニング材料の励起三重項状態に応じて、ミリ秒からピコ秒のオーダーの光パルスを提供できるように機能することが好ましい。系の機能の一部として、系は、光源が潜在パターニング材料120の励起三重項状態寿命よりも短い時間だけ分離される光パルスを提供する、爆縮ファブリケーション(implosion fabrication)動作モードを有し得る。一例では、潜在パターニング材料は、約10μsのオーダーの三重項励起状態寿命を有するスルホ-Cy5を含む。この例では、爆縮ファブリケーション動作モード(implosion fabrication operating mode)において、光源は、10μs未満の間隔でパルスを提供する。強化されたリソグラフィファブリケーションプラットフォームの一部として、系変形A3は、パルス光源(例えば、チタンサファイア又はエルビウムドープファイバレーザ光源)、及び/又は複数のパルスのバーストを作製することを可能にする構成要素を含み得る。第2の例では、潜在パターニング材料は、およそ1ps~250ps程度の範囲の三重項励起状態寿命を有するスクアライン又はスクアライン誘導体を含み得る。この例では、爆縮ファブリケーション動作モードにおいて、光源は、約0.1ps~100psのオーダーのパルス分離を有するパルスを提供する、すなわち、光源は、スクアライン又はスクアライン誘導体の三重項励起状態寿命未満のパルス分離を有するパルスを提供する。
【0062】
系変形A4では、ナノファブリケーションプラットフォームのための系は、ゲル足場110と、感光性潜在パターニング材料と、潜在パターニング材料に結合する配位部位を含む構築材料と、ゲルを表面に接着させることを可能にする結合基と、を含む。A4系の変形は、表面上でのナノファブリケーションを可能にするように機能する。すなわち、結合基を通じて、ゲル足場110は、ナノファブリケーションプロセス中に表面に接着され得る。
【0063】
A4系の多くの変形では、結合基は、シラン及び/又はシロキサンからなる。シラン及び/又はシロキサンは、表面のシラン化を可能にし得る。A4系の一実施態様では、結合基は、一般R’-(CH2)Si(OR)を有するモノシランを含み、式中、R’が、ゲル足場に結合することが可能である官能基であり、Rが、アルキル基であり、n≧1である。A4系の別の例では、結合基は、一般式R’-(Ln)-Si(OR)を有するシラン試薬を含み、式中、Rが、アルキル基であり、Lが、C-C、C-O、又はC-N結合からなる長さnを有する安定な有機リンカーであり、R’が、ゲル足場と共有結合を形成することが可能であるように、段階的重合又は連鎖成長重合が可能な官能基である。
【0064】
A4系の別の変形では、結合基は、ゲル足場110と反対の電荷を有する官能基を含む。
【0065】
系変形A2、A3、及びA4などのいくつかの実施態様の一部として、潜在パターニング材料120は、非キサンテン発色団を含み得る。これらの変形の第1の実施態様では、非キサンテン発色団は、ポリメチン染料を含む。これらの変形の第2の実施態様では、非キサンテン発色団は、ポリメチン染料又はポリメチン染料誘導体を含む。代替的に、系変形A2、A3、及びA4では、潜在パターニング材料120は、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアライン、ナフタレン、クマリン、オキサジアゾール、アントラセン、ピレン、フェノキサジン、アクリジン、テトラピロール、及びジピロメテン(例えば、BODIPY)、及びアザジピロメテン(Aza-BODIPY))の群からの少なくとも1つの化合物からなり得る。
【0066】
系変形A1、A3、及びA4などのいくつかの実施態様の一部として、潜在パターニング材料120は、反応性基を含み得、反応性基が、潜在パターニング材料及び反応性中間体の光反応を通じてゲル足場110を選択的に結合する。この反応性中間体は、ラジカル生成が可能な小分子を含み得る。系変形A1、A3、及びA4の一実施態様では、反応性中間体は、酸素を含む。
【0067】
系変形A1、A2、A3、及びA4などのいくつかの実施態様の一部として、ゲル足場は、水和ゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含み得る。これらの実施態様では、系は、機械的スペーサ(mechanical spacer)を更に含み得るか、又はゲル足場110の厚さを設定する制御された条件下でスピンコーティングされ得る。これらの実施態様は、フォトリソグラフィに特に有用であり得、強化されたリソグラフィ実施態様の一部として更に組み込まれ得る。一実施態様では、膨潤ゲルは、フォトリソグラフィプロセスの一部として実装される。第2の実施態様では、膨潤ゲルは、多光子リソグラフィプロセスの一部として実装される。
【0068】
系変形A1、A2、及びA3などのいくつかの実施態様の一部として、系は、結合基を更に含み得、結合基が、ゲル足場110を表面に接着させることを可能にする。これらの系変形の一例では、結合基は、シラン又はシロキサンからなる。
【0069】
系変形A1、A2、A3、及びA4などのいくつかの実施態様の一部として、系は、リソグラフィマスクを更に含み得る。マスクは、ゲル足場の指定された領域上の光を遮断又は低減するように機能することができる。マスクは、光を遮断又は低減する、物理的マスク、又は画素で構成されるデジタルマスクであり得る。系A1、A2、A3、及びA4の一実施態様では、マスクは、デジタルマイクロミラーデバイスを含む。系A1、A2、A3、及びA4の第2の実施態様では、マスクは、空間光モジュレータを含む。系A1、A2、A3、及びA4の第3の実施態様では、マスクは、位相マスクを含む。
【0070】
3.方法
図9に示されるように、三次元ナノファブリケーションのための方法は、ゲルをパターニングすることS120を含み、パターニング材料をゲル全体に分散させることと、構築材料をパターニング材料に結合させ、それによって、三次元製作物を構築することと、三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む。ゲルをパターニングすることS120は、パターニング材料をゲル全体に分散させることS122と、ゲル内の別個の位置でパターニング材料を光活性化S124し、それによって、別個の位置でゲルへのパターニング材料の選択的結合を引き起こすことと、を更に含む。いくつかの変形では、ゲルをパターニングすることS120は、未結合のパターニング材料を除去することを更に含み得る。方法は、所望のゲルマトリックス内に、所望の構築材料で構成される所望の組成物/物体の作製において機能する。より具体的には、方法は、(光活性化を通じて)光感受性パターニング材料上に所望の製作物の拡大されたバージョンをマッピングし、次いで、光活性化されたパターニング材料上に構築材料を組み立てることによって、拡大された製作物を構築するための手段を提供する。更に、方法は、構造全体を適切なサイズに縮小することを可能にする。いくつかの変形では、図10に示されるように、方法は、ゲルを硬化させることS110を更に含む。ゲルマトリックスの硬化は、パターニングプロセスのための足場ネットワークを提供する。実施態様に応じて、方法は、上述の方法のうちのいずれか1つ、複数、又は全ての工程を含み得る。方法は、上述の系を用いて実施され得るが、適切な系基準を満たす任意の一般的な系を用いて実施され得る。
【0071】
方法は、広範囲の分野で実施され得る。広範囲の機能性及び構築材料を含む多数の組成物/物体が、方法を組み込んで製作され得る。方法は、高精度ナノサイズ材料を必要とする分野(すなわち、ナノテクノロジー)において、特に有用であり得る。例としては、先端的な電子機器及び基本的な電子機器(electronic primitive)(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ソレノイド、変圧器、ダイオード、アンテナ、共振器、電磁石、メモリスタなど)の製作の分野、光学機器及び基本的な光学機器(例えば、導波路、プリズム、回折格子、フレネルレンズ、GRINレンズ、メタレンズ、レンズアレイ、ゾーンプレート、インバースデザイン構造、利得媒体、フォトニック結晶、直線偏光子、円偏光子、光アイソレータ、反射光学素子、光共振器)の製造の分野、先端的な機械的機器及び基本的な機械的機器(例えば、ギア、ラチェット、ばね、リニアモータ、回転モータ、構造格子、機械的メタマテリアル、ボールソケットジョイント、ヒンジ、チェーン、機械スイッチ)の製作が挙げられる。追加的に、方法は、複雑なモータ、マイクロチップ、レーザ、LED、回折ニューラルネットワークなどのより複雑な物体の製作のために実施され得る。
【0072】
いくつかの変形では、方法は、ゲルを硬化させることS110を含む。ゲルの硬化S110は、ナノファブリケーションのための多次元足場の作製において機能する。代替的に、方法は、ナノファブリケーションのための既存のゲル又は他の多次元足場を利用し得る。ゲルは、他の構成要素と非反応性である任意の所望のタイプのものであり得る。多くの変形では、ゲルタイプは、実施態様に応じ得る。ゲルの例としては、アガロース、アクリレート(例えば、ポリアクリレート)、メタクリレート、アクリルアミド、及びシリコーンが挙げられる。
【0073】
いくつかの変形では、ゲルを硬化させることは、ゲルを表面に接着させることを含み得る。ゲルを表面に接着させることは、表面上での方法の機能性を可能にするように機能することができる。すなわち、全ての方法工程(例えば、ゲルを照射すること、ゲルをパターニングすること、ゲルを縮小することなど)は、ゲルが表面に接着されている間に実施され得る。追加的に、表面は、構築物構築に影響を及ぼし得る独特の形状を有し得る。ゲルを表面に接着させることは、所望の表面に結合する、ゲルマトリックスと結合するか、又はゲルマトリックスに組み込まれる、結合基(例えば、シラン、シロキサン)を組み込むことを含み得る。
【0074】
いくつかの変形では、追加のポリマーネットワークが硬化され得る。追加のポリマーネットワークを硬化させることは、ゲル110を最初に硬化させた後(例えば、ゲル120をパターニングする前、その間、又はその後)、構築材料130を堆積させる前、その間、又はその後、材料140を縮小する前、その間、又はその後の任意の時点で行われ得る。二次ポリマーネットワークを硬化させることは、パターニング材料及び/又は構築材料を安定化させるのに役立つように機能することができる。
【0075】
いくつかの実施態様では、追加のポリマーネットワークは、結合基として組み込まれ得る。これらの実施態様では、追加のポリマーネットワークを硬化させることは、ゲルが表面に結合することを可能にし得るポリマーネットワーク(すなわち、表面結合ポリマーネットワーク)をゲル内及び/又はゲル上に組み込み得る。モノマー構成要素が重合して表面結合ポリマーネットワークを形成するように、表面結合ポリマーネットワークの硬化は、適切な熱力学的条件でゲルをモノマー構成要素で洗浄することを含み得る。代替的に、表面結合ポリマーネットワークを硬化させるためのポリマー組み込みの任意の他の方法が、実施され得る。実施態様に応じて、表面結合ポリマーネットワークは、既に硬化して、所望の表面(例えば、表面結合ポリマーネットワーク及び表面の相補的な極性又は電荷)に結合している場合がある。追加的又は代替的に、表面結合ポリマーネットワークは、表面結合のために調製される必要がある。一例では、表面結合ポリマーネットワークは、ガラス結合を可能にするためにシランで官能化される。代替的に、表面結合ポリマーネットワークは、プラズマで官能化される。
【0076】
ゲルをパターニングすることを含むブロックS120は、パターニング材料をゲルに結合させることによって、所望の製作物をパターニングする(すなわち、マップアウトする)ように機能する。ゲルをパターニングすることS120は、パターニング材料をゲル全体に分散させることS122と、パターニング材料を光活性化することS124と、を含む。パターニング材料を光活性化することが、ゲルとパターニング材料との間の相互作用の変化(例えば、結合、結合解除)が可能にするように、パターニング材料は、感光性材料であることが好ましい。その最も単純な形態では、光活性化パターニング材料を有するゲルの領域は、適所に固定されるか、又はゲルに結合されるようになり得る。所望の製作物の形状をトレースする様式でパターニング材料を特異的に光活性化することによって、結合されたパターニング材料によって所望の製作物のマッピングを作製することができる。次いで、未結合の潜在パターニング材料を洗い流して、製作物の所望のパターニングを残すことができる。複雑な構造では、ゲルをパターニングすることS120及びその部分工程は、製作物の最終的な所望のマッピングが作製されるまで複数回繰り返される場合がある。
【0077】
ゲルをパターニングすることS120に使用されるパターニング材料(発色団、共役材料、又は染料とも称される)は、任意の所望のタイプ又は複数のタイプの材料であり得る。すなわち、パターニング材料は、ゲル上にパターニングされる単一の化合物又は複数の別個の化合物であり得る。この化合物又は複数の化合物は、ゲルの別個の領域にわたってパターニングされ得るか、又は散在し得る。パターニング材料のタイプ又は複数のタイプ、及びそれらの分散体は、実施態様特有であり得る。
【0078】
パターニング材料は、単一又は複数の機能性分子又は分子セグメントを含み得、各単一又は複数の分子が、パターニング材料に機能的な所望の特性(例えば、リン光、感光性、結合部位、可溶性の増加/減少など)を提供する。これまで、任意の機能的特性は、「セグメント」と称され得、セグメントが、特定の機能的特性を可能にし、一般性を失うことなく、分子の一部、単一の分子、又は複数の分子を等しく指し得る。
【0079】
パターニング材料は、反応性基セグメントを含み得る。反応性基セグメントは、構築材料の結合を可能にするために利用される反応性基を含む。反応性基セグメントは、構築材料へのパターニング材料の結合を可能にし得る任意の分子を含み得る。いくつかの変形では、反応性基セグメントは、(例えば、アロステリック結合又は光活性化によって)オン又はオフにされ得る。いくつかの変形では、反応性基セグメントは、常に活性である。いくつかの変形では、反応性基セグメントが、(例えば、光活性化によって)活性化された後にのみ結合が生じるように、反応性基セグメント結合は、活性化可能でのみあり得る。代替的な変形では、構築材料がパターニング材料に直接結合することができるように、反応性基セグメントは、最初から活性であり得る。次いで、反応性基セグメントを(例えば、光活性化を通じて)活性化することは、構築材料を解放し得るので、構築材料を洗い流すことができ、「消去」によって構築物をパターニングすることを可能にする。
【0080】
いくつかの変形では、反応性基の数は、複数の反応性基を含有する材料を堆積させることによって増幅され得る。これらの変形では、方法は、反応性基リッチ化合物(reactive group rich compound)を堆積させることによって、反応性基を増幅させることを更に含み得る。反応性基を増幅させることは、パターニング材料がゲルに結合する速度及び/又は能力を増加させるように機能することができる。いくつかの例では、反応性基リッチ化合物を堆積させることは、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む。
【0081】
いくつかの変形では、パターニング材料は、反応性基セグメントを含まないか、又は次善策的な反応性基セグメント(すなわち、所望の構築材料との十分な結合を可能にしない反応性基セグメント)を含む。これらの変形では、方法は、パターニング材料をプライミングすることを更に含み得る。パターニング材料をプライミングすることは、構築材料がパターニング材料により良好に結合することができるように、パターニング材料に反応性基セグメントを付加又は改変するように機能する。潜在パターニング材料をプライミングすることは、所望の分子配列を作製又は得ることと、それをパターニング材料に結合させることと、を含み得る。代替的に、パターニング材料をプライミングすることは、分子技法を使用して、現在の反応性基セグメントを所望の配列へと改変することを含み得る。代替的に、パターニング材料をプライミングすることは、タンパク質を産生する前に所望の分子配列のDNA前駆体を作製するために、組換え技法を使用することを含み得る。
【0082】
反応性基セグメントは、構築材料結合を可能にする任意の分子を含み得る。コンジュゲーションセグメントの例としては、一級アミン、NHS、カルボン酸、スルフヒドリル、マレイミド、アルケン、アルキン、アジド、テトラジン、テトラゾール、二フッ化シクロオシチン(cycloocytne)(difluorinated cycloocytne、DIFO)、DIBO、BARAC、DBCO、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、タンパク質(例えば、抗体/酵素)、核酸(例えば、DNA、RNA、LNA、PNA)、脂質(例えば、炭化水素、フルオロカーボン)、及びデンドリマーが挙げられる。
【0083】
パターニング材料は、感光性セグメントを含み得る。感光性セグメントは、ゲル結合セグメントに機能的に接続され得る。感光性セグメントは、パターニング材料の光感受性領域として機能し、ゲル結合セグメントの結合を活性化又は非活性化するために適切な波長の光が使用され得る。したがって、感光性セグメントは、パターニング材料を光活性化することによって、ゲルをパターニングすることS120を可能にする。いくつかの代替的な変形では、感光性セグメントは、反応性基セグメントの結合又は結合解除を可能にし得る。
【0084】
いくつかの変形では、複数の別個のタイプの潜在パターニング材料(例えば、各1つが、別個の配位部位を通じて異なる構築材料に会合する2つの別個のパターニング材料タイプ)が組み込まれ得る。これらの変形は、各タイプのパターニング材料が別個の光帯域幅に対して感受性である感光性セグメントを有するパターニング材料を有し得、それによって、第1の光帯域幅による光活性化による第1のパターニング材料のパターニングは、第2の光帯域幅による光活性化による第2のパターニング材料のパターニングに影響を及ぼさないであろう。これは、各材料が後に異なる構築材料に結合することができるように、別個のパターニング材料を用いてゲルをパターニングすることS120を可能にし得る。
【0085】
感光性セグメントは、感光性セグメントの化学物質によって硬化する、電磁放射の任意の所望の帯域幅に対して、「光」感受性であり得る。いくつかの変形では、光感受性領域は、可視スペクトル(例えば、青色光、UV光、赤色光、赤外光など)帯域幅又はその近傍の光帯域幅に対する感受性を備え得る。感受性は、必要に応じて、及び化学物質によって硬化するように、広いか又は狭い帯域幅を備え得る。ゲル結合セグメントが活性化及び非活性化の両方であり得る変形では、感光性セグメントは、可視スペクトルの複数の別個の領域に光感受性であり得る。例えば、ゲル結合を活性化するためには、赤色光が使用され得、ゲル結合を防止又は逆転させるためには、緑色光が使用され得る。
【0086】
感光性セグメントは、光感受性を可能にする任意の化学物質、すなわち、光化学物質を含み得る。感光性セグメントを構成し得る可能な光化学分子の例としては、限定されないが、フルオレセイン、ローダミン、シアニン、スクアライン、ナフタレン、クマリン、オキサジアゾール、アントラセン、ピレン、フェノキサジン、アクリジン、テトラピロール、及びジピロメテン(例えば、BODIPY)、及びアザジピロメテン(Aza-BODIPY)が挙げられる。実施態様に応じて、感光性セグメントは、これら又は他の光化学物質のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。
【0087】
パターニング材料は、ゲル結合セグメントを含み得る。ゲル結合セグメントは、ゲルの結合において機能することができる。ゲル結合セグメントは、ゲルに結合し得るか、又はゲルの結合を可能にし得る、任意の分子を含み得る。いくつかの変形では、パターニング材料のゲル結合セグメントが、常にゲルに結合するように、ゲル結合セグメントは、常に活性であり得る。1つの変形では、ゲル結合セグメントは、(例えば、アロステリック結合又は光活性化によって)オン又はオフにされ得る。いくつかの変形では、ゲル結合セグメントが活性化される場合のみに結合が生じるように、ゲル結合セグメントは、「正に活性化可能」であり得る。第2の変形では、潜在性パターニング材料が、最初からゲルに結合することができるが、活性化(例えば、光活性化)を通じて、パターニング材料が、ゲルに結合することが不可能になり、ゲルから結合解除されるように、ゲル結合セグメントは、「負に活性化可能」であり得る。第3の変形では、パターニング材料が、ゲルに結合することができる及びゲルから結合解除されることができるように立体配座を変化させることが可能であり得るように、ゲル結合セグメントは、正に活性化可能及び負に活性化可能の両方であり得る。例えば、ゲル結合セグメントは、異なる帯域の光に感受性の1つ以上の感光性セグメントに接続し得る。この例では、第1の帯域の光(例えば、青色光)による光活性化は、ゲル結合セグメントがゲルに結合することができるようにゲル結合セグメントを活性化することができ、第2の帯域の光(例えば、赤色光)による光活性化は、ゲル結合セグメントがゲルに結合することができないようにゲル結合セグメントを非活性化することができる。
【0088】
いくつかの変形では、方法は、パターニング材料によるゲル結合のための反応を活用することを含み得る。反応性基セグメントに応じて、パターニング材料(例えば、発色団)及び反応性中間体の光反応は、ラジカル反応を介してゲルの結合を促進する。反応性中間体の濃度を制御することによって、ゲルにパターニング材料が結合する速度を操作することができる。
【0089】
パターニング材料をゲル全体に分散させることを含むブロックS122は、ゲルをパターニングすることS120の構成要素であり得る。パターニング材料をゲル全体に分散させることS122は、ナノファブリケーションを作製するための基盤を提供するように機能する。いくつかの変形では、パターニング材料をゲル全体に分散させることS122は、パターニング材料をゲル全体に均質に堆積させる。これは、ゲルがパターニング材料で飽和されるまで、ゲル全体にパターニング材料を流すことによって行われ得る。負に活性化可能な変形では、パターニング材料のゲル結合セグメントは、飽和レベルまでゲルに結合する。正に活性化可能な変形では、ゲル結合セグメントは、ゲル結合のために活性化される必要があり、したがって、ゲル全体に自由に拡散し得る。
【0090】
代替的に、パターニング材料をゲル全体に分散させることS122は、パターニング材料の不均質な堆積を可能にし得る。例えば、(例えば、マイクロ流体力学を使用する)一方向の流れは、材料がゲルに入る側のゲルへの高濃度の堆積、及び材料が流出する側のゲルへの低濃度の堆積を可能にし、パターニング材料の勾配を作製することができる。指向された流れの使用を通じて、ゲル幾何形状に応じて、任意の所望の勾配堆積が実施され得る。ある特定の期間にわたって流れを制限することによって、潜在パターニング材料濃度勾配が、ゲル全体に作製され得る。パターニング材料の勾配堆積は、最終的なナノファブリケーションにおいて(例えば、レンズなどの基本的な光学機器の構築において)勾配を形成することを可能にし得る。
【0091】
パターニング材料を光活性化することを含むブロックS124は、ゲルをパターニングすることS120の構成要素であり得る。パターニング材料を光活性化することs124は、結合したパターニング材料で製作物の構造の形状をマッピングすることにおいて機能する。すなわち、結合したパターニング材料は、したがって、拡散している未結合の潜在パターニング材料内で所望の製作物の形状及び構造の境界を画定することができる。追加的に、パターニング材料の異なる濃度はまた、所望の製作物における勾配の境界を画定し得る。実施態様に応じて、境界画定は、所望の製作物の一般的な形状/構造、又は所望の製作物の一般的な形状/構造の陰型(例えば、モールド)を含み得る。好ましい変形では、未結合のパターニング材料は、洗い流すことができる。パターニング材料を光活性化することS124は、パターニング材料の所望の感光性セグメントが活性化されるように、適切な波長の集束光又は光ビームを照射することを含む。パターニング材料を光活性化することS124は、光ビームの空間焦点及び露光時間の両方を含み得る。所望の製作物(又はその陰型空間)を物理的に成形するために、光ビームの空間焦点が使用され得る。光ビームの露光時間(すなわち、ビームが所与の領域に集束される時間の長さ)は、所与の領域における材料の濃度を「成形」する、すなわち、所与の領域における異なる濃度のパターニング材料の堆積(又は除去)を可能にするために使用され得る。
【0092】
パターニング材料を光活性化する有効性は、光がパターニング材料にどのように収束されるかに大きく依存し得る。パターニング材料の三重項励起状態寿命を活用することによって、パターニング材料を光活性化する効率を顕著に改善することができる。いくつかの変形では、パターニング材料を光活性化することは、パターニング材料の三重項励起状態よりも短い時間量だけ分離された光パルスを提供することを含む。実施されるパターニング材料に応じて、このパルス速度は、変動し得る。発色団では、三重項励起状態の寿命は、典型的には、マイクロ秒からピコ秒の間である。
【0093】
第1の正に活性化可能な変形では、パターニング材料を光活性化することS124は、(例えば、ゲル結合セグメントにおける)ゲルへのパターニング材料の結合を可能にし得る。第2の負に活性化可能な変形では、潜在パターニング材料を光活性化することS124は、(例えば、ゲル結合セグメントにおける)ゲルからの潜在パターニング材料の解放を可能にし得る。
【0094】
第1の変形の一部として、パターニング材料を光活性化することS124は、潜在性パターニング材料を含む光活性化領域が、(例えば、活性化されたゲル結合セグメントにおいて)ゲルに結合するように、パターニング材料をゲル全体に分散させることS122と同時に行われ得、他の非活性化パターニング材料が、流れ出るか、又は洗い流される。
【0095】
第1の変形(正に活性化可能な変形)の第1の実施態様では、製作物の実際の設計と一致する領域が光活性化されるように、ブロックS124が実施される。すなわち、製作物の形状及び構造の境界を画定する領域のみが光活性化され、したがって、パターニング材料は、製作物の形状及び構造の境界を画定する領域のみ結合したままである。
【0096】
第1の変形(正に活性化可能な変形)の第2の負の実施態様では、製作物の実際の設計と一致しない領域が光活性化されるように、ブロックS124が実施される。すなわち、負の領域、すなわち製作物と一致しない領域のみが、光活性化される。この第2の実施態様では、潜在パターニング材料は、所望の製作物の陰型に結合し、したがって、製作物のモールドの境界を画定する。
【0097】
第2の負に活性化可能な変形の一部として、ゲルが完全に又は部分的に飽和し結合されるように、パターニング材料は、最初からゲル全体に分散され得る。次いで、パターニング材料を光活性化することS124を実施して、不要なパターニング材料を解放することができ、次いで、必要に応じて、不要なパターニング材料が洗い流され得る。
【0098】
第2の変形(負に活性化可能な変形)の第1の実施態様では、製作物の実際の設計と一致しない領域が光活性化されるように、ブロックS124が実施される。すなわち、負の領域、すなわち製作物と一致しない領域のみが光活性化され、それによって、負の領域からパターニング材料が解放される。この第1の実施態様では、パターニング材料は、所望の製作物の境界を画定する領域に結合したままであり、負に光活性化された潜在パターニング材料が、洗い流される。
【0099】
第2の変形(負に活性化可能な変形)の第2の負の実施態様では、製作物の実際の設計と一致する領域が光活性化されるように、ブロックS124が実施される。すなわち、製作物の形状及び構造の境界を画定する領域のみが光活性化され、それによって、製作物の形状及び構造の境界を画定する潜在パターニング材料を解放する。この第2の実施態様では、パターニング材料は、負の領域、すなわち、製作物と一致しない領域に結合したままであり、したがって、製作物のモールドの境界を画定する。
【0100】
「より単純な」製作実施態様では、製作物の構造が、パターニング材料上に完全にマッピングされるように、ブロックS124は、単一回のみ実施され得る。製作物の複雑さ(例えば、複数の材料製作物、複雑な3D構造、勾配など)に応じて、パターニング材料を光活性化することS124は、一連の光活性化工程を含み得、潜在パターニング材料のある特定の領域が、複数回、結合活性化/結合不活性化され、製作物の領域の陽型及び/又は陰型の両方を形成する。いくつかの変形では、ゲルをパターニングすることS120は、構築材料を堆積させることS130を交互に行う工程を追加的に含み得る。
【0101】
パターニング材料を光活性化することS124は、製作物に勾配を作製するためのフレームワークを提供するために、追加的に使用され得る。パターニング材料を光活性化することS124は、パターニング材料の空間的及び時間的活性化の両方を含むことが好ましい。光ビームをパターニング材料の特定の領域に、より長い期間の間、及び/又はより強い強度で照射することによって、より高い濃度の潜在パターニング材料が、所与の領域において光活性化され、それによって、より高い濃度のパターニング材料がゲルの1つの領域に結合することを可能にする。勾配の実施態様は、レンズ及びプリズムの製作に特に有用であり得る。所与の空間領域にわたって光活性化の期間を増加/減少させることを実施することによって、結合したパターニング材料の濃度勾配を作製することができる。
【0102】
いくつかの変形では、ゲルをパターニングすることS120は、リソグラフィ技法を組み込むことを含み得る。リソグラフィ技法を組み込むことは、パターニング材料を光活性化するS124ためのより正確かつ調整された方法を提供するように機能し得、リソグラフィ技法が、パターニング材料がどのように、どこで光活性化されるかを決定するのに役立つ。リソグラフィ技法を組み込むことは、パターニング材料でゲルをパターニングする際に、最大ナノメートルまでの精度を提供することができる。実施態様に応じて、このリソグラフィ技法を組み込むことは、フォトリソグラフィ技法(1光子リソグラフィとも称される)、多光子リソグラフィ(2、3、4光子リソグラフィなどとも称される)、又は潜在パターニング材料を光活性化するS124ためのリソグラフィ技法のいくつかの組み合わせを含み得る。追加的に、所望の実施態様に応じて、陽型若しくは陰型パターニングのいずれか又は両方を作製するために、組み込みリソグラフィ技法が使用され得る。実施態様に応じて、リソグラフィ技法を組み込むことは、予め製作された「マスク」の利用を含み得る。
【0103】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、単一光子リソグラフィ技法を組み込むことを含み得る。単一光子リソグラフィ技法は、潜在パターニング材料を光活性化するS124ために、光子放出体(すなわち、LEDなどの単一光源)を使用することを含み得る。実施態様に応じて、任意の単一光子リソグラフィ技法又は複数の技法が組み込まれ得る。例としては、コンタクトリソグラフィ、投影リソグラフィ(例えば、直接光投影、又は断層撮影リソグラフィ)、干渉/ホログラフィックリソグラフィ、及び位相マスクリソグラフィが挙げられる。
【0104】
一実施態様では、リソグラフィ技法を組み込むことは、コンタクトリソグラフィを組み込むことを含む。この実施態様では、予め製作されたマスクが実装される(マスクが、実施の前に、又は実施態様の一部として製作され得る)。次いで、光パターンを通過する光が、マスクを通り、感光性基板上に転写されるように、マスクは、感光性基板に接触して又は近接して位置され得る。これは、点光源、集束光源、拡散光源、又は平行光源のいずれかからの照射によって達成することができる。実施態様に応じて、光源は、任意の所望の角度から組み込まれ得る。
【0105】
別の実施態様では、リソグラフィ技法を組み込むことは、投影リソグラフィを組み込むことを含み得る。この実施態様では、予め製作されたマスクが実装され得る(マスクが、実施の前に、又は実施態様の一部として製作され得る)。代替的に、デジタル等価マスク(例えば、マスクレスリソグラフィ、マイクロミラーデバイス、空間光モジュレータ、又は位相マスク)が組み込まれ得る。屈折光学素子、回折光学素子、又は反射光学素子の使用を通じて感光性基板上に投影される光の2D又は3Dパターンを作製するために、マスクが使用され得る。光学素子は、光のパターンを拡大、低減、又は直接転写し得る。投影は、マスクを一度に完全に照射することによって、又はマスク上及び/若しくは感光性基板上で照射領域(例えば、ライン)を徐々に走査することによってのいずれかで、達成され得る。投影リソグラフィの例としては、極紫外線リソグラフィ、液浸リソグラフィ、並びに直接光投影及び投影断層撮影(複数の角度から光を投影することによって3Dパターンを作製するための方法)が挙げられる。
【0106】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、干渉リソグラフィ(ホログラフィックリソグラフィとも称される)を組み込むことを含む。これらの変形では、2D又は3Dで周期的パターンを生成するために、2つ以上のコヒーレント光ビームの干渉。この干渉は、反射光学素子、屈折光学素子、又は回折光学素子の使用を通じて、ビームを分割及び再び組み合わせることによって生成され得る。
【0107】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、位相マスクリソグラフィを組み込むことを含む。この実施態様では、予め製作されたマスク(マスクが、実施の前に、又は実施態様の一部として製作され得る)、又は他の構造が実装され得る。マスク又は他の構造の使用は、感光性基板内にパターニングされるホログラフィック画像を投影するために、2D又は3D構造を使用して光の位相を変調するために使用され得る。
【0108】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、多光子リソグラフィ技法(直接レーザ書き込み技法とも称される)を組み込むことを含み得る。多光子リソグラフィ技法は、パターニング材料を光活性化(又は非活性化)するS124ために光を使用することを含み得、2つ(又はそれ以上)の光子吸収を利用して、感光性セグメントを励起させる。実施態様に応じて、感光性基板をパターニングするために、多光子リソグラフィにおいて任意の数の光子、すなわち、2光子、3光子、又はn個の光子励起が使用され得る。実施態様に応じて、任意の多光子リソグラフィ技法又は複数の技法が組み込まれ得る。例としては、点走査多光子リソグラフィ、多焦点多光子リソグラフィ、ホログラフィック多光子リソグラフィ、及び時間的集束多光子リソグラフィが挙げられる。
【0109】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、点走査多光子リソグラフィを組み込むことを含む。点走査多光子リソグラフィを組み込むことは、感光性基板内に多光子励起の単一の点を機械的に、電気光学的に、又は音響光学的に走査することを含み得る。
【0110】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、多焦点多光子リソグラフィを組み込むことを含む。多焦点多光子リソグラフィは、回折光学素子又はレンズアレイを使用して多光子励起の複数の焦点を生成することを含み得、次いで、多光子励起の複数の焦点が、感光性基板に投影され、パターンを生成するために機械的に、ホログラフィによって、電気光学的に、又は音響光学的に走査される。
【0111】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、ホログラフィック多光子リソグラフィを組み込むことを含む。ホログラフィック多光子リソグラフィは、感光性基板への多光子励起パターン(すなわち、ホログラム)の投影を可能にするために、光学素子のフーリエ面に位置するDMD又はSLMなどのデジタル素子を使用することを含み得る。これらの投影されたホログラムは、機械的、電気光学的、又は音響光学的に基板内で走査されることに加えて、任意のパターンを生成するために変更され得る。
【0112】
いくつかの変形では、リソグラフィ技法を組み込むことは、時間的集束多光子リソグラフィを組み込むことを含む。時間的集束多光子リソグラフィは、パターンを作製するために、光パルスを使用することを含み得、光パルスが、感光性基板内で時間的に焦点をぼかされ、次いで再び合焦される。光パターンは、マスク又はデジタルミラーデバイスのいずれかを使用することによって生成され、マスク又はデジタルミラーデバイスは、パターンを感光性材料に転写するために表面にわたって走査される光の線/点などを用いて、完全なフレームパターンに対してその全体又は部分的に照射され得る。
【0113】
いくつかの変形では、ゲルを硬化させることは、膨潤ゲル(すなわち、水和ゲル)を硬化させることを含み得る。これらの変形では、方法は、ゲルを光活性化することS124の前及びその間に膨潤ゲルを機械的に変形させる(例えば、圧縮する)ことを更に含み得る。光活性化と同時の膨潤物の機械的変形は、圧縮されていない面により高い解像度のパターニングを提供するように機能することができる。
【0114】
構築材料を堆積させることを含むブロックS130は、製作物の物理的構造を作製するように機能する。構築材料を堆積させることS130は、ゲル全体に所望の構築材料を流すことを含む。構築材料がパターニング材料全体に流れる/分散するにつれて、構築材料は、潜在パターニング材料に結合し、それによって製作物の物理的構造が作製される。構築材料、パターニング材料の位置的濃度、及び潜在パターニング材料全体の構築材料の実施される流れに応じて、構築材料は、パターニング材料上に均質又は不均質に堆積され得る。一変形では、構築材料は、パターニング材料に直接結合する。第2の変形では、構築材料は、パターニング材料上の反応性基セグメントに結合する。第3の変形では、構築材料上の配位セグメントは、パターニング材料に直接結合する。第4の変形では、構築材料上の配位セグメントは、パターニング材料上の反応性基セグメントに結合する。
【0115】
構築材料は、配位セグメントを含み得る。配位セグメントは、1つ以上の所望の構築材料に結合することができる分子として機能することができる。好ましい変形では、配位セグメント結合は、高度に選択的であり、特定の分子のみの結合を可能にする。いくつかの変形では、配位セグメント結合は、活性化可能であり得る。すなわち、配位セグメントの結合能力は、(例えば、アロステリック結合又は光活性化によって)オン又はオフにされ得る。いくつかの変形では、配位セグメントが活性化される場合のみ結合が生じるように、配位セグメント結合は、活性化可能であり得る。
【0116】
配位セグメントは、任意の所望の化学物質を含み得る。多くの変形では、配位セグメントが特定の構築材料に結合することができるように、配位セグメントは、実施態様特有の化学物質を含み得る。配位セグメント組成物の例としては、限定されないが、シラン/シロキサン、スルフヒドリル/硫黄、アミン/アンモニア、カルボン酸、ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物、チオシアネート、ニトレート、アジド、オキサレート、水、亜硝酸塩、イソチオシアネート、アセトニトリル、ピリジン、エチレンジアミン、2,2’-ビピリジン、1,10-フェナントロリン、ニトリル、トリフェニルホスフィン、シアン化物、及び一酸化炭素が挙げられる。配位セグメントの目的は、構築材料に結合することであるので、配位セグメントは、追加的又は代替的に、他の化学組成を有し得る。複数の構築材料が組み込まれる変形では、各タイプの構築材料は、1つ以上の別個の配位セグメントを有し得、各配位セグメントタイプが、別個のパターニング材料又はパターニング材料の別個の反応基セグメントに潜在的に結合する。
【0117】
いくつかの変形では、構築材料は、最初に配位セグメントを含まない。これらの変形では、構築材料を堆積させることS130は、配位セグメントを構築材料に結合させることを含み得る。配位セグメントを構築材料に結合させることは、パターニング材料へのリガンド結合を可能にするか又は改善するように機能する。
【0118】
いくつかの変形では、構築材料を堆積させることは、パターニング分子の反応性基セグメントの化学物質を付加又は修飾することを更に含み得る。パターニング分子の反応性基セグメントの化学物質を付加又は修飾することは、構築材料結合を改善するように機能することができる。必要であると考えられる場合、反応性基セグメントの付加又は修飾は、所望の結合能力を有する反応性基セグメントが得られるまで、複数回行われ得る。
【0119】
いくつかの変形では、構築材料をパターニング材料に結合させることは、非金属エンハンサ(non-metal enhancer)を堆積させることを含む。非金属エンハンサは、構築材料がパターニング材料上で成長することを可能にするように機能することができる。この様式では、構築材料を外向きに成長させることができ、構築材料部位を外向きに成長させて互いに接続させることを可能にする。いくつかの実施態様では、これは、ゲルを縮小する前、その間、又はその後に、構築材料を形成及び固化させることを可能にし得る。実施態様に応じて、方法は、構築材料が、隣接するパターニング材料結合部位を架橋するまで、構築材料を堆積させることを更に含み得る。構築材料を堆積させることは、金属及び/又は非金属の構築材料を堆積させることを含み得、構築材料が、隣接するパターニング材料結合部位を架橋するまで、いずれのタイプも成長させることを可能にし得る。いくつかの変形では、構築材料、金属及び/又は非金属は、隣接するパターニング材料結合部位を越えて成長することを可能にし得る。一例では、非金属エンハンサは、カルコゲナイドを含む。
【0120】
構築材料を堆積させることS130は、構築材料が、濃度勾配として堆積される様式で堆積され得る。すなわち、ある特定の領域は、製作物の異なる領域と比較して、より高い濃度の構築材料を有し得る。構築材料の濃度勾配は、ゲル全体に不均質なパターニング材料の分散、したがって、パターニング材料に結合する構築材料の不均質な分散を通じて実施され得る。パターニング材料濃度、活性化されたパターニング材料濃度、又は構築材料の流れを通じて、製作物全体にわたる構築材料の濃度を必要に応じて改変することができる。
【0121】
実施態様に応じて、構築材料を堆積させることS130は、単一のタイプ又は複数のタイプの構築材料を堆積させることを含み得る。実施態様に応じて、構築材料を堆積させることS130は、ゲルをパターニングすることS120と同時に又はその後に行われ得る。いくつかの実施態様では、構築材料を堆積させることS130は、複数回(例えば、各異なる構築材料を別々に、又は層状製作物を作製するために)行われ得る。
【0122】
構築材料を堆積させることS130は、実施態様に従って必要に応じて、任意のタイプ又は複数のタイプの構築材料を堆積させることを含み得る。所望の構築材料は、パターニング材料に結合することが可能である構築材料の配位セグメントの選択によってのみ制限され得る。可能な構築材料の例としては、限定されないが、金属が、Ge、Al、Sn、Pb、Sb、Bi、Ga、In、Tl、Cu、又はそれらの組み合わせである金属カルコゲナイド、及びS、Se、Te、又はそれらの組み合わせなどのカルコゲンが挙げられる。プニクチド、並びにB、Al、Ga、In、及びTlなどのXIII族元素、又はそれらの組み合わせの生じるプニクチド多形、並びにN、P、As、及びSnなどのプニクトゲン。式中、Mが、Bi、Sn、Cr、Co、Mn、Mo、Ti、Zn、Zr、Cu、Fe、Ni、Eu、Dy、Pr、Ce、Sm、又はLaなどの金属である、実験式MxOyを有する金属酸化物;並びに炭素及びその同素体、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、炭化ケイ素(3C、4H、6H、-SiC)、ケイ素ゲルマニウム、及びケイ素スズ。
【0123】
ブロックS120及びS130を通じて、複数のタイプの構築材料を用いる複雑な構造を、潜在的に任意の所望の幾何学的形状で作製することができる。例えば、2つの異なるタイプの構築材料から作製された層状ブロックの製作において、各層が、外部層によって完全に取り囲まれている:第1の材料のための第1のパターニング材料(例えば、第1の材料に結合する反応性基セグメントを含む)は、第1の層の所望の堆積の領域が光活性化される間にゲル全体に分散され、それによって、ゲルの「第1の層」領域への第1のパターニング材料の結合を引き起こし、パターニング材料の残りを洗い流すことを可能にする。次いで、第2の構築材料のための第2のパターニング材料(例えば、第2の材料に結合する反応性基セグメントを含む)が、第2の材料の領域が光活性化される間にゲル全体に分散され、それによって、ゲルの「第2の層」への第2のパターニング材料の結合を引き起こし、パターニング材料の残りを洗い流すことを可能にする。同じ様式で、パターニング材料の追加の層を追加してもよい。ゲルのパターニングS120が完了すると、第1及び第2の構築材料が、同時に又は順次ゲル全体に流され得る。次いで、第1の構築材料が、第1の層領域に結合し、第1の層領域を充填し得(すなわち、第1の材料の共役セグメントに結合する)、次いで、第2の構築材料をゲル全体に流して、第2の層領域に結合し、第2の層領域を充填することなどができる。
【0124】
先の例(多層状ブロックの場合)を構築するための代替的な変形では、パターニング材料は、別個のゲル結合セグメントに会合する別個の感光性セグメントを用いて実施され得る。すなわち、第1のパターニング材料は、第1のゲル結合セグメント(例えば、青色光によって活性化される)を追加的に含み得、第2のパターニング材料は、第2のゲル結合セグメント(例えば、黄色光によって活性化される)を追加的に含み得る。(適切な所望の領域上で)青色光と黄色光の両方で同時に光活性化することによって、全てのパターニング材料を同時にパターニングすることができる。未結合の第2の材料が第1の層内に偶発的に捕捉されることを防止するために、第1の構築材料では第1の層が完全に結合され充填されるように、構築材料を堆積させることS120を一度実施し、次いで、第2の材料を堆積させて多層状ブロックの第2の層を完全に結合させ充填することができる。
【0125】
材料を縮小することを含むブロックS140は、高解像度でのパターニング及び製作を可能にし、次いで、製作物のサイズを適切なサイズに低減して、高精度製作を可能にするように機能する。材料を縮小することS140は、酸、塩、及び/又は異なる溶媒を添加してゲルの縮小を引き起こし、それによって、ゲルに埋め込まれたパターニング材料に結合した製作物の縮小を引き起こすことを含み得る。好ましい変形では、材料を縮小することは、製作物のサイズを20分の1超に低減し得る。例えば、物体は、5マイクロメートルの解像度で作製され、次いで、500ナノメートルまで縮小され得る。材料を縮小するS140ために使用され得る他の縮小方法の例としては、ポリマーを修飾する化学反応(例えば、骨格上の荷電基を疎水性非荷電基に変換すること、又は追加の架橋を作製すること)、ポリマー骨格の可溶性又は電荷を変化させる光異性化若しくは光反応、ポリマー骨格の電荷又は可溶性を改変する電気化学的変化を組み込むこと、ゲル温度を変化させること、空気中で乾燥させること、若しくはN2、真空、若しくは別の非溶媒環境を作製すること、又は溶媒の化学ポテンシャルを変化させる外部溶媒に及び添加剤を添加すること、が挙げられる。
【0126】
いくつかの変形では、方法は、構築材料を後処理することを更に含み得る。構築材料の後処理は、使用のための機能的な形態により近く構築材料を改変するように機能する。実施態様に応じて、これは、構築材料の堆積が始まった後の任意の時点で行われ得る。一変形では、後処理は、構築材料を堆積させること130と同時に行われ得る。別の変形では、後処理は、構築材料を1回堆積させた後に行われ得る(例えば、構築材料の1つの層を堆積させ、後処理を行い、次いで構築材料の別の層を堆積させてもよい)。実施され得る後処理工程の例としては、金属変換(すなわち、構築材料金属を変換すること)、ゲル足場を除去すること、構築材料をコーティングすること、構築材料を焼き入れすることなど)が挙げられる。
【0127】
構築材料が金属を含むいくつかの変形では、構築材料を後処理することは、金属構築材料を変換することを含む。第1の例では、金属を変換することは、金属構築材料を金属カルコゲン(例えば、硫化物、セレン化物、テルル化物)に変換する。実施態様に応じて、金属カルコゲンは、次いで、第2の金属(例えば、カドミウム、亜鉛、鉛、スズ、銅、又はこれらの混合物)に変換され得る。第2の例では、金属を変換することは、金属構築材料を金属酸化物に変換する。
【0128】
構築金属材料を変換する第1の例の一実施態様では、銀が銀カルコゲンに変換され、次いで第2の金属(例えば硫化亜鉛、硫化カドミウムなど)に変換され、変換が、ある範囲の溶媒中で行われる。
【0129】
いくつかの変形では、構築材料を後処理することは、ゲルを脱溶媒することを含み得る。ゲルの脱溶媒和は、ゲルが完全に膨潤した状態又は部分的に膨潤した状態にある間のゲルの凍結乾燥又は超臨界乾燥を含み得る。ゲルを超臨界乾燥させることは、溶媒を使用してゲルを乾燥させることを含み得る。超臨界乾燥のための溶媒の例としては、エタノール、アセトン、酢酸、蟻酸などが挙げられる。実施態様に応じて、ゲルを凍結乾燥させることは、凍結防止剤の存在中で行われ得る。代替的に、ゲルを凍結乾燥させることは、凍結防止剤を用いずに行われ得る。
【0130】
いくつかの変形では、後処理は、ポリマーネットワーク(例えば、ゲル又は追加のポリマーネットワーク)を除去することを含み得る。特に、追加のポリマーネットワークを添加することを含む変形では、ポリマーネットワークを除去することは、第1の及び/又は任意の追加のポリマーネットワークを除去することを含み得る。ポリマーネットワークを除去することは、構築物のための、潜在的には、更なる処理又は構築のための、新しい「環境」を提供するように機能することができる。実施態様に応じて、ポリマーネットワークを除去することは、ゲルをパターニングする前、その間、若しくはその後、構築材料を堆積させる前、その間、若しくはその後、及び/又はゲルを縮小する前、その間、若しくはその後に、行われ得る。ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む一例では、ポリマーネットワークを除去することは、ゲルを除去することができる。ゲルに追加のポリマーネットワークを埋め込むことを含む別の例では、ポリマーネットワークを除去することは、追加のポリマーネットワークを除去することができる。
【0131】
方法は、GRIN素子、回折素子、屈折表面幾何形状、メタ光学素子、磁気光学素子、電気光学素子などの単純な及び複雑な光学構成要素の製作に特に有用であり得る。これは、特に、リソグラフィ実施態様及び又はパルス化製作技法の使用の場合であり得る。光学構成要素は、任意の構築材料から構築され得る。所望の実施態様に応じて、構築材料は、十分に半透明及び/又は反射性であり得ることが好ましい。1つの光学構成要素製作実施態様では、構築材料をパターニング材料に結合させることは、屈折率(refractive index、RI)コントラストを生成することを含み得る。この様式では、適切な構築材料の堆積によって、屈折率コントラスト(refractive index contrast)を生成することができる。別の光学構成要素製作の実施態様では、屈折率は、材料間のイオン交換を通じて生成され得る。いくつかの変形では、方法は、複数の構成要素を一緒に製作することを可能にし得る。
【0132】
例えば、方法は、屈折レンズ及び回折レンズの両方を有する光学構造の構築を可能にし得る。一例では、屈折率と回折レンズの両方を有する光学構造は、マスクを用いる1光子リソグラフィを使用して作製される。別の例では、光学構造は、従来の屈折レンズの曲面上のメタ表面(例えば、球面レンズの球面収差を補正するメタ表面)である。一実施態様では、光学構造メタ表面は、成形されたヒドロゲルの内側に2光子リソグラフィ(マスクあり又はなし)を用いて作製される。メタ表面光学構造のいくつかの例では、光学構造は、(例えば、2光子リソグラフィでパターニングされた)光学メタ表面の複数の層を含む。別の例では、光学構造は、(例えば、2光子リソグラフィでパターニングされた)電気抵抗加熱要素が統合された熱マッハツェンダー干渉計を備える。別の例では、光学構造は、統合された磁気光学ファラデー回転子と光学偏光子を組み合わせることによって形成される、光学アイソレータを備える。
【0133】
屈折率コントラストを有する光学構成要素を構築することの一部として、方法は、更に、空間依存屈折率(spatially dependent refractive index)、すなわち、屈折率コントラストを生成することができる。したがって、方法は、大きな屈折コントラスト(例えば、>0.05n)を有する構成要素の構築を可能にし得る。一例では、大きな屈折率コントラストを有する空間依存屈折率は、構築材料を金属カルコゲナイドに変換することによって構築される。別の例では、大きな屈折率を有する空間依存屈折率は、パターニング材料反応性基を増幅させることによって(例えば、ポリ(アミド)アミンの付加/増幅によって)達成される。
【0134】
本明細書では、各層が、(ダイヤモンドの濃度勾配に起因して)異なる屈折率を有し、したがって、異なる方向に異なる光伝搬速度を有する物体を作製するような、多層ダイヤモンドプリズムブロックの製作の例を提供する。予め作製されたゲルを用いて開始して、パターニング材料は、ダイヤモンドに結合する共役セグメントを有するゲル全体に分散される。(潜在性パターニング材料のゲル結合セグメントを活性化するように調整された)光ビームが、プリズムの所望の最上層からなる領域に短い時間量の間指向される。次いで、光ビームは、連続的により長い時間の間各層へと指向され、所望のプリズム形状の層を下っていく。終了すると、パターニング材料は、所望のプリズム領域全体わたって存在し、プリズムの最上層からプリズムの底部に向かって濃度が減少する。追加の未結合パターニング材料が、洗い流される。次いで、ダイヤモンド材料がゲル全体にわたって堆積され、パターニング材料に結合し、所望のプリズム形状が作製される。パターニング材料に従って、より低い濃度のダイヤモンド構築材料がプリズムの最上部上に堆積され、底部に向かってダイヤモンドの濃度が増加する。余分なダイヤモンド材料が、洗い流される。次いで、酸を添加してゲルを縮小し、プリズムのサイズを1桁低減する。完了したら、溶媒を添加してゲル及び潜在パターニング材料を洗い流し、ダイヤモンドプリズムが残る。
【0135】
統合された屈折レンズ及びメタ光学レンズのための試料構築は、第2の例として本明細書に提示される。ゲルを硬化させることS110は、膨潤ゲルを硬化させることと、ゲルを表面(例えば、ガラス)に接着させることと、を含む。次いで、ゲルをパターニングすることS120は、発色団(例えば、スルホ-Cy5)を使用して、ゲルの適切な形状をパターニングすることを含む。2光子リソグラフィを使用するパターニングは、ゲル内部にメタ表面パターンを作製するために行われ得る。パターニングされていない(未結合の)発色団が洗い流されると、パターニングされた発色団は、次いで、シードナノ粒子(例えば、ナノ金)と反応する。次いで、構築材料を堆積させることS130は、シード粒子上に構築材料(例えば、銀)を堆積させることを含む。イオン交換プロセスを通じて、銀は、HRID材料(例えば、CdS又はZnS)に変換され得る。次いで、ゲルを縮小し、脱水するために、材料を縮小することS140が実施される。次いで、レンズの調製のために、実施態様特有の後処理が使用され得る。この実施態様では、後処理は、最初にゲルを脱水し、次いで構築物を研削及び研磨して、所望のメタ表面が埋め込まれた屈折レンズを形成することを含み得る。
【0136】
方法変形B1では、三次元ナノファブリケーションのための方法は、ゲルをパターニングすることと、構築材料をパターニング材料に結合させることと、三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む。ゲルをパターニングすることは、ゲル内の別個の位置でパターニング材料をゲル全体に分散させることと、パターニング材料を光活性化し、それによって、別個の位置でゲルへのパターニング材料の選択的結合を引き起こすことと、結合していないパターニング材料を除去することと、を更に含み得る。パターニング材料を光活性化することは、パターニング材料が反応性基を介してゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを更に含み得る。この方法変形は、反応性中間体を調整して方法出力を改変することを可能にするように機能することができる。いくつかの例では、反応性中間体を活性化することは、ラジカル生成を含む。所望の実施態様に応じて、方法は、反応性中間体濃度を調整することを更に含み得る。例えば、一実施態様では、反応性中間体が、酸素である。(例えば、密閉されたナノファブリケーションプラットフォームに酸素をポンプで送り込むことによる)反応性中間体濃度の調整は、方法の効率を改善するために組み込まれ得る。方法変形B1の一実施態様では、パターニング材料は、反応性中間体と相互作用するドナー-アクセプタ架橋(donor-acceptor bridge)を含有するポリメチン染料を含み得る。
【0137】
方法変形B2では、三次元ナノファブリケーションのための方法は、ゲルをパターニングすることと、構築材料をパターニング材料に結合させることと、三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む。ゲルをパターニングすることは、ゲル内の別個の位置でパターニング材料をゲル全体に分散させることと、パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間量だけ分離される光パルスを指向させることを含む、パターニング材料を光活性化することと、別個の位置でゲルへのパターニング材料の選択的結合を引き起こすことと、結合していないパターニング材料を除去することと、を更に含み得る。パターニング材料の励起三重項状態の寿命を活用することによって、この方法は、パターニング材料をゲルに効率的に結合させることによって高スループットの製作を提供するように機能する。この方法は、強化された光子リソグラフィ技法を可能にするのに特に有用であり得る。
【0138】
方法変形B3では、三次元ナノファブリケーションのための方法は、ゲルを硬化させることゲルをパターニングすることと、構築材料をパターニング材料に結合させることと、三次元ナノファブリケーションを縮小することと、を含む。ゲルを硬化させることは、結合基を介してゲルを表面に接着させることを更に含み得る。この方法は、固定された表面上でのナノファブリケーションを可能にするように機能し、他の全ての方法工程が、ゲルが表面に接着している間に行われ得る(材料を縮小することS140を含む)。系変形B3の一例では、ゲルを表面に接着させることは、シラン又はシロキサンからなる結合基を使用して、表面を官能化することを含む。第2の例である系変形B3の接着することでは、ゲルを接着させることは、ゲルの電荷と反対の電荷を有する結合基を使用してゲルを接着させ、それによって、結合基をゲルに組み込むことを含む。
【0139】
方法変形B2及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、方法は、パターニング材料を光活性化することが、パターニング材料の反応性基を介して、パターニング材料がゲルに結合することを促進する反応性中間体を活性化することを含み得る。いくつかの例では、パターニング材料は、反応性中間体と相互作用するドナー-アクセプタ架橋を含有するポリメチン染料を含む。
【0140】
方法変形B1、B2、及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、方法は、反応性基リッチ化合物を堆積させることによって、反応性基を増幅させることを更に含む。反応性基を増幅させることは、パターニング材料がゲルに結合する速度及び能力を増加させるように機能することができる。一例では、反応性基リッチ化合物を堆積させることは、ポリ(アミド)アミンを堆積させることを含む。
【0141】
方法変形B1、B2、及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、構築材料をパターニング材料に結合させることは、非金属エンハンサを堆積させることを含む。非金属エンハンサは、構築材料がパターニング材料上で成長することを可能にし得る。実施態様に応じて、各方法変形は、構築材料が、隣接するパターニング材料結合部位を架橋するまで、構築材料を堆積させることを更に含み得る。各方法変形の一実施態様では、非金属エンハンサを堆積させることは、カルコゲナイドを堆積させることと、構築材料が成長することを可能にすることと、を含む。堆積される構築材料は、金属又は非金属であり得、次いで、構築材料が、隣接するパターニング結合部位を架橋するまで、構築材料が堆積される。
【0142】
方法変形B1及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、パターニング材料を光活性化することは、ゲル内の別個の位置に光パルスを指向させることを含み得る。光パルスを指向させることは、パターニング材料の三重項励起状態の寿命を活用して、ゲルの高スループットパターニングを可能にし得る。いくつかの例では、光パルスを指向させることは、パターニング材料の励起三重項状態寿命よりも短い時間量だけ分離された光パルスを指向させることを含む。いくつかの実施態様では、パターニング材料は、シアニンを含み得、光パルスを指向させることは、10マイクロ秒未満だけ分離された光パルスを指向させることを含む。
【0143】
構築材料が半透明材料を含む方法変形B1、B2、及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、構築材料をパターニング材料に結合させることは、屈折率を生成することを含み得る。一例では、屈折率を生成することは、空間依存屈折率を生成することを含む。より具体的には、いくつかの実施態様では、誘電体材料を使用して空間依存屈折率を生成すること。実施態様に応じて、空間依存屈折率を生成することは、0.050超の屈折率コントラストを生成することを含み得る。別の例では、空間依存屈折率を生成することは、構築材料をカルコゲナイドに変換することによって、空間依存屈折率を生成することを含み得る。追加的又は代替的に、空間依存屈折率を生成することは、ポリ(アミド)アミンを堆積させることによって、反応性基を増幅させることを含み得る。
【0144】
ゲルが水和ゲル(すなわち、膨潤ゲル)を含む方法変形B1、B2、及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、ゲルをパターニングすることは、ゲルを1つの面で機械的に圧縮することを含み得る。1つの面でゲルを圧縮することは、圧縮されていない面でパターニングされた解像度を改善するように機能することができる。ゲルを機械的に圧縮することは、リソグラフィ技法に非常に有用であり得る。一例では、方法は、ゲルを1つの面で圧縮しながら1光子リソグラフィを使用することを更に含み得る。代替的な例では、方法は、ゲルを1つの面で圧縮しながら2光子リソグラフィを使用することを更に含み得る。
【0145】
方法変形B1及びB1などのいくつかの実施態様の一部として、方法は、ゲルを硬化させることを含み得、ゲルを硬化させることが、結合基を介してゲルを表面に接着させることを更に含む。これらの変形の一例では、ゲルを表面に接着させることは、シラン及び/又はシロキサンからなる結合基を使用して、表面を官能化することを含む。代替的に、ゲルを表面に接着させることは、ゲルと反対の電荷の電荷を有する結合基を使用し、それによって、結合基をゲルに組み込むことを含み得る。
【0146】
構築材料が第1の金属を含む方法変形B2及びB3などのいくつかの実施態様の一部として、方法は、パターニング材料上で第1の金属を金属カルコゲンに変換することを更に含み得る。追加的に、いくつかの実施態様では、方法は、金属カルコゲンを第2の金属に変換することを更に含み得る。
【0147】
本明細書で使用される場合、第1、第2、第3などは、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを特徴評価し、区別するために使用される。これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。数値用語の使用は、1つの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを別の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションから区別するために使用され得る。そのような数値用語の使用は、文脈によって明確に示されない限り、シーケンス又は順序を暗示するものではない。そのような数値基準は、本明細書における実施形態及び変形の教示から逸脱することなく、交換可能に使用され得る。
【0148】
当業者は、前述の詳細な記載、並びに図面及び特許請求の範囲から認識するように、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態に修正及び変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】